JP3473518B2 - 電力分配合成器及びそれを用いた移動体通信機 - Google Patents

電力分配合成器及びそれを用いた移動体通信機

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JP3473518B2
JP3473518B2 JP27277299A JP27277299A JP3473518B2 JP 3473518 B2 JP3473518 B2 JP 3473518B2 JP 27277299 A JP27277299 A JP 27277299A JP 27277299 A JP27277299 A JP 27277299A JP 3473518 B2 JP3473518 B2 JP 3473518B2
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知哉 坂東
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P5/00Coupling devices of the waveguide type
    • H01P5/12Coupling devices having more than two ports
    • H01P5/16Conjugate devices, i.e. devices having at least one port decoupled from one other port

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  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Transmitters (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力分配合成器に
関し、特に、マイクロ波帯を利用した通信機などに用い
られる高周波電力を分配または合成する電力分配合成器
及びそれを用いた移動体通信機に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯における高周波電力を分配
または合成する電力分配合成器としては、回路構成の単
純さとインピーダンス変換機能を併せ持たせることがで
きるという長所を備えているため、特開平7−2639
93号に開示されたようなウイルキンソン型のものが多
く用いられる。
【0003】図8は、従来のウイルキンソン型電力分配
合成器の等価回路図である。電力分配合成器50は、第
1及び第2の伝送線路51,52、第1〜第3の信号端
子531〜533、抵抗54、及びコンデンサ551〜
553を備える。そして、第1の伝送線路51の一端と
第2の伝送線路52の一端との接続部を第1の信号端子
(合成端子)531、第1の伝送線路51の他端を第2
の信号端子(分配端子)532、第2の伝送線路52の
他端を第3の信号端子(分配端子)533とする。第2
の信号端子532と第3の信号端子533とは抵抗54
を介して接続される。第1〜第3の信号端子531〜5
33はコンデンサ551〜553を介してグランドに接
続される。
【0004】電力分配合成器50が分配器として用いら
れる際には、第1の信号端子531から高周波電力が入
力され、その入力された高周波電力が第2及び第3の信
号端子532,533から出力される。また、電力分配
合成器50が合成器として用いられる際には、第2及び
第3の信号端子532,533から高周波電力が入力さ
れ、その入力された高周波電力が第1の信号端子531
から出力される。
【0005】ここで、第1の信号端子531に接続され
る回路のインピーダンスをZ1、第2及び3の信号端子
532,533に接続される回路のインピーダンスをZ
23とする。そして、第1及び第2の伝送線路51,5
2の特性インピーダンスを√(2・Z1・Z23)に、
第1及び第2の伝送線路51,52の長さをλ/4にそ
れぞれ設定することにより、電力分配合成器50と外部
に接続される回路とのインピーダンス整合が実現する。
また、抵抗54を2・Z23に設定することにより、第
2及び第3の信号端子532,533間のアイソレーシ
ョンが実現する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
電力分配合成器においては、第1〜第3の信号端子がコ
ンデンサを介してグランドに接続されるため、電力分配
合成器のいずれかの信号端子に入力された高周波電力の
高調波を除去することは可能であるが、特定の周波数の
高周波信号を除去することは不可能である。その結果、
各信号端子にフィルタ、トラップなどを接続することに
なるが、それらを構成する部品が必要となり小型化の妨
げになるといった問題があった。
【0007】また、各信号端子に接続するフィルタ、ト
ラップなどの減衰特性が不十分な場合には、合成端子と
分配端子との間のアイソレーションが悪化し、この電力
分配合成器を用いた通信機に悪影響を及ぼすといった問
題もあった。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、特定の周波数の高周波信号を
除去でき、かつ合成端子と分配端子との間のアイソレー
ションが十分に確保できる電力分配合成器を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述する問題点を解決す
るため本発明の電力分配合成器は、第1の伝送線路の一
端と第2の伝送線路の一端とを接続し、前記第1の伝送
線路の一端と前記第2の伝送線路の一端との接続部を第
1の信号端子、前記第1の伝送線路の他端を第2の信号
端子、前記第2の伝送線路の他端を第3の信号端子と
し、前記第2の信号端子と前記第3の信号端子との間に
抵抗を接続した電力分配合成器であって、前記第1の伝
送線路及び前記第2の伝送線路の少なくとも1つに、コ
ンデンサを並列接続したことを特徴とする。
【0010】また、本発明の電力分配合成器は、複数の
誘電体層を積層してなる積層体を備えるとともに、前記
第1及び第2の伝送線路を前記積層体の内部に設けたス
トリップライン電極で構成し、前記コンデンサを前記積
層体の内部に前記誘電体層を挟んで互いに対向して設け
た複数の電極で構成したことを特徴とする。
【0011】また、本発明の電力分配合成器は、前記第
1及び第2の伝送線路を構成するストリップライン電極
が、ヘリカルコイル形状をなすことを特徴とする。
【0012】本発明の移動体通信機は、上述の電力分配
合成器を用いたことを特徴とする。
【0013】本発明の電力分配合成器によれば、第1及
び第2の伝送線路の少なくとも1つにコンデンサを並列
接続したため、第1及び第2の伝送線路の少なくとも1
つとコンデンサとからなるLC並列共振器の並列共振に
よる減衰極を共振周波数付近に発生させることができ
る。その結果、共振周波数付近の高周波信号を除去する
ことが可能となる。
【0014】本発明の移動体通信機によれば、合成端子
と分配端子との間のアイソレーションが十分に確保でき
ると伴に、低コスト化、小型化が可能な電力分配合成器
を用いているため、特性の優れた小型の送信機を得るこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】1は、本発明の電力分配合成器
に係る参考例の電力分配合成器に係る第1の実施例の等
価回路図である。電力分配合成器10は、第1〜第3の
信号端子P1〜P3、第1,第2の伝送線路11,1
2、抵抗13及びLC直列共振器141〜143を備え
る。なお、LC直列共振器141〜143はインダクタ
L1〜L3とコンデンサC11〜C13とで構成され
る。
【0016】第1の伝送線路11の一端と第2の伝送線
路12の一端とを接続し、その接続部を第1の信号端子
(合成端子)P1とする。また、第1の伝送線路11の
他端を第2の信号端子(分配端子)P2、第2の伝送線
路12の他端を第3の信号端子(分配端子)P3とす
る。
【0017】さらに、第2の信号端子P2と第3の信号
端子P3との間には、抵抗(アイソレーション抵抗)1
3が接続される。また、第1〜第3の信号端子P1〜P
3とグランドとの間には、LC直列共振器141〜14
3がそれぞれ接続される。
【0018】図2は、図1の電力分配合成器の分解斜視
図である。電力分配合成器10は、積層体15を備え、
積層体15の上面には抵抗13が搭載される。また、積
層体15の上面から下面にかけて、外部端子T11〜T
15が設けられる。この際、外部端子T11,T13,
T14が電力分配合成器10の第1〜第3の信号端子P
1〜P3(図1)、外部端子T12,T15がグランド
端子となる。
【0019】積層体15は、例えば、850℃〜100
0℃の温度で焼成可能な酸化バリウム、酸化アルミニウ
ム、シリカを主成分とする低温焼成セラミックスからな
る第1〜第6の誘電体層151〜156を順次積層し、
焼成することによって形成される。
【0020】第1の誘電体層151の上面には抵抗13
を実装するためのランドLaが形成される。また、第2
及び第3の誘電体層152,153の上面にはヘリカル
コイル形状のストリップライン電極SL11,SL1
2,SL21,SL22が形成される。
【0021】さらに、第4及び第6の誘電体層154,
156の上面にはグランド電極Gp1,Gp2が形成さ
れる。また、第5の誘電体層155の上面にはコンデン
サ電極Cp1〜Cp3が形成される。
【0022】また、第3,第4の誘電体層153,15
4には、各誘電体層153,154を貫通するようにビ
アホール電極Vh1が形成され、第1〜第4の誘電体層
151〜154には、各誘電体層151〜154を貫通
するようにビアホール電極Vh2,Vh3が形成され
る。また、第2の誘電体層152には、第2の誘電体層
152を貫通するようにビアホール電極Vhが形成され
る。
【0023】そして、ストリップライン電極SL11,
SL12とビアホール電極Vhとで第1の伝送線路11
(図1)、ストリップライン電極SL21,SL22と
ビアホール電極Vhとで第2の伝送線路12(図1)を
それぞれ構成する。また、第3,第4の誘電体層15
3,154を貫通するビアホール電極Vh1でLC直列
共振器141のインダクタL1、第1〜第4の誘電体層
151〜154を貫通するビアホール電極Vh2,Vh
3でLC直列共振器142,143のインダクタL2,
L3をそれぞれ構成する。
【0024】さらに、第4、第5の誘電体層154,1
55を挟んで互いに対向しているコンデンサ電極Cp1
〜Cp3とグランド電極Gp1,Gp2でLC直列共振
器141〜143のコンデンサC11〜C13をそれぞ
れ構成する。この際、グランド電極Gp1,Gp2はも
う一方のコンデンサ電極をなす。
【0025】図3は、図1の電力分配合成器の通過特性
を示す図である。図3において、実線は本参考例の電力
分配合成器10(図1)、破線は従来例の電力分配合成
器50(図8)を示す。
【0026】この図から、本参考例の電力分配合成器1
0(実線)では、LC直列共振器141〜143の直列
共振による減衰極が共振周波数である2.15GHz付
近に発生し、その減衰量は約56.9dBであることが
解る。この減衰量は、従来例の電力分配合成器50(破
線)の減衰量の約12.7dBと比較して約4.5倍大
きくなっている。
【0027】上述した参考例の電力分配合成器によれ
ば、第1〜第3の信号端子とグランドとの間にLC直列
共振器を接続したため、LC直列共振器の直列共振によ
る減衰極を共振周波数付近に発生させることができる。
その結果、共振周波数付近の高周波信号を除去すること
が可能となり、それに伴い、第1、第2の信号端子間、
あるいは第1、第3の信号端子間のアイソレーションが
十分に確保できるようになる。
【0028】また、LC直列共振器をなすインダクタ及
びコンデンサのそれぞれの値を変えることにより、LC
直列共振器の直列共振によって形成される減衰極の位置
を容易に変えることができる。その結果、電力分配合成
器において、所望の周波数を有する高周波信号を除去す
ることが可能となり、それに伴い、合成端子と分配端子
との間のアイソレーションが十分に確保できるようにな
る。
【0029】さらに、第1〜第6の誘電体層を積層して
なる積層体を備えるとともに、第1及び第2の伝送線路
を積層体の内部に設けたストリップライン電極で構成
し、LC直列共振器をなすインダクタを積層体の内部に
設けたビアホール電極で構成し、LC直列共振器をなす
コンデンサを積層体の内部に誘電体層を挟んで互いに対
向して設けた複数の電極で構成するため、電力分配合成
器の部品点数を低減することができる。したがって、電
力分配合成器の低コスト化、小型化が可能である。特
に、LC直列共振器をなすインダクタを積層体の内部に
おいて、高さ方向に設けたビアホール電極で構成する場
合には、電力分配合成器の平面方向がさらに小型化する
ため、実装面積を小さくすることが可能となる。
【0030】また、第1及び第2の伝送線路を構成する
ストリップライン電極がヘリカルコイル形状をなすた
め、第1及び第2の伝送線路に流れる電流によって生じ
る磁束が大きくなり、第1及び第2の伝送線路の自己イ
ンダクタンスが大きくなる。その結果、第1及び第2の
伝送線路の総ライン長をλ/4より短くすることができ
るため、電力分配合成器の損失を小さくできるととも
に、電力分配合成器をさらに小型化できる。
【0031】以下、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。図4は、本発明の電力分配合成器に係る実施例
の等価回路図である。電力分配合成器20は、第1〜第
3の信号端子P1〜P3、第1,第2の伝送線路11,
12、抵抗13及びコンデンサC21〜C25を備え
る。
【0032】第1の伝送線路11の一端と第2の伝送線
路12の一端とを接続し、その接続部を第1の信号端子
(合成端子)P1とする。また、第1の伝送線路11の
他端を第2の信号端子(分配端子)P2、第2の伝送線
路12の他端を第3の信号端子(分配端子)P3とす
る。
【0033】さらに、第2の信号端子P2と第3の信号
端子P3との間には、抵抗(アイソレーション抵抗)1
3が接続される。また、第1の伝送線路11には、コン
デンサC21が、第2の伝送線路12にはコンデンサC
22がそれぞれ並列接続され、第1〜第3の信号端子P
1〜P3とグランドとの間には、コンデンサC23〜C
25がそれぞれ接続される。
【0034】図5は、図4の電力分配合成器の分解斜視
図である。電力分配合成器20は、積層体21を備え、
積層体21の上面には抵抗13が搭載される。また、積
層体21の上面から下面にかけて、外部端子T11〜T
15が設けられる。この際、外部端子T11,T13,
T14が電力分配合成器20の第1〜第3の信号端子P
1〜P3(図4)、外部端子T12,T15がグランド
端子となる。
【0035】積層体21は、例えば、850℃〜100
0℃の温度で焼成可能な酸化バリウム、酸化アルミニウ
ム、シリカを主成分とする低温焼成セラミックスからな
る第1〜第7の誘電体層211〜217を順次積層し、
焼成することによって形成される。
【0036】第1の誘電体層211の上面には抵抗13
を実装するためのランドLaが形成される。また、第2
及び第5の誘電体層212,215の上面にはグランド
電極Gp1,Gp2が形成される。
【0037】また、第3及び第4の誘電体層213,2
14の上面にはヘリカルコイル形状のストリップライン
電極SL11,SL12,SL21,SL22が形成さ
れる。さらに、第6及び第7の誘電体層216,217
の上面にはコンデンサ電極Cp1〜Cp3が形成され
る。また、第1〜第6の誘電体層211〜216には、
各誘電体層211〜216を貫通するようにビアホール
電極Vhが形成される。
【0038】そして、ストリップライン電極SL11,
SL12とビアホール電極Vhとで第1の伝送線路11
(図4)、ストリップライン電極SL21,SL22と
ビアホール電極Vhとで第2の伝送線路12(図4)を
それぞれ構成する。また、第6の誘電体層216を挟ん
で互いに対向しているコンデンサ電極Cp1,Cp2、
コンデンサ電極Cp1,Cp3でコンデンサC21,C
22をそれぞれ構成する。
【0039】さらに、ストリップライン電極SL21,
SL22とグランド電極Gp2とでコンデンサC23、
ストリップライン電極SL11とグランド電極Gp1と
でコンデンサC24、ストリップライン電極SL21と
グランド電極Gp1とでコンデンサC25をそれぞれ構
成する。
【0040】図6は、図4の電力分配合成器の通過特性
を示す図である。図6において、実線は本実施例の電力
分配合成器20(図6)、破線は従来例の電力分配合成
器50(図8)を示す。
【0041】この図から、本実施例の電力分配合成器2
0(実線)では、第1及び第2の伝送線路とコンデンサ
とからなるLC並列共振器の並列共振による減衰極が共
振周波数である2.15GHz付近に発生し、その減衰
量は約56.1dBであることが解る。この減衰量は、
従来例の電力分配合成器50(破線)の減衰量の約1
2.7dBと比較して約4.4倍大きくなっている。
【0042】上述した実施例の電力分配合成器によれ
ば、第1及び第2の伝送線路にコンデンサを並列接続し
たため、第1及び第2の伝送線路とコンデンサとからな
るLC並列共振器の並列共振による減衰極を共振周波数
付近に発生させることができる。その結果、共振周波数
付近の高周波信号を除去することが可能となり、それに
伴い、第1、第2の信号端子間、あるいは第1、第3の
信号端子間のアイソレーションが十分に確保できるよう
になる。
【0043】また、第1及び第2の伝送線路に並列接続
されたコンデンサの値を変えることにより、第1及び第
2の伝送線路とコンデンサとからなるLC並列共振器の
並列共振によって形成される減衰極の位置を容易に変え
ることができる。その結果、所望の周波数を有する高周
波信号を除去することが可能となり、それに伴い、合成
端子と分配端子との間のアイソレーションが十分に確保
できるようになる。
【0044】さらに、第1〜第7の誘電体層を積層して
なる積層体を備えるとともに、第1及び第2の伝送線路
を積層体の内部に設けたストリップライン電極で構成
し、第1及び第2の伝送線路に並列接続されるコンデン
サを積層体の内部に誘電体層を挟んで互いに対向して設
けた複数の電極で構成するため、電力分配合成器の部品
点数を低減することができる。したがって、電力分配合
成器の低コスト化、小型化が可能である。
【0045】また、第1及び第2の伝送線路を構成する
ストリップライン電極がヘリカルコイル形状をなすた
め、第1及び第2の伝送線路に流れる電流によって生じ
る磁束が大きくなり、第1及び第2の伝送線路の自己イ
ンダクタンスが大きくなる。その結果、第1及び第2の
伝送線路の総ライン長をλ/4より短くすることができ
るため、電力分配合成器の損失を小さくできるととも
に、電力分配合成器をさらに小型化できる。
【0046】図7は、一般的な移動体通信機のブロック
図である。移動体通信機の1つである送信機30は、変
調回路31、180°ハイブリッド回路32,33、混
合器34,35、局部発振器36、同相分配器37及び
アンテナ38を備える。
【0047】そして、送信すべき情報信号を含むベース
バンド信号は変調回路31に入力され、変調回路31は
振幅変調あるいは周波数変調などの所定の変調方式で変
調された変調信号を180°ハイブリッド回路32に出
力する。180°ハイブリッド回路32は入力された信
号を互いに逆相の2つの信号に分配して、一方の信号を
混合器34に、他方の信号を混合器35に出力する。
【0048】局部発振器36は所定の局部発振信号を発
生して同相分配器37に出力する。同相分配器37は入
力された局部発振信号を2つの信号に同相分配して混合
器34,35に出力する。
【0049】混合器34は入力された2つの信号を混合
して180°ハイブリッド回路33の180°入力端子
に出力する。混合器35は入力された2つの信号を混合
して180°ハイブリッド回路33の0°入力端子に出
力する。
【0050】180°ハイブリッド回路33は入力され
た2つの信号を互いに逆相で電力合成して合成後の信号
をアンテナ38に出力して放射する。
【0051】以上のような構成の送信機30における同
相分配器37に図1及び図4の電力分配合成器10,2
0を用いるものである。
【0052】上述した移動体通信機の1つである送信機
によれば、合成端子と分配端子との間のアイソレーショ
ンが十分に確保できると伴に、低コスト化、小型化が可
能な電力分配合成器を用いているため、特性の優れた小
型の送信機を得ることができる。
【0053】なお、上述の電力分配合成器の実施例で
は、誘電体層が酸化バリウム、酸化アルミニウム、シリ
カを主成分とするセラミックスの場合について説明した
が、比誘電率(εr)が1以上であれば何れの材料でも
よく、例えば酸化マグネシウム、シリカを主成分とする
セラミックスあるいはフッ素系樹脂等でも同様の効果が
得られる。
【0054】また、図1及び図4の等価回路のように分
配端子が2つの場合について説明したが、3つ以上の場
合であってもよい。
【0055】さらに、インダクタやコンデンサを積層体
の内部に設ける場合について説明したが、積層体に搭載
したチップインダクタやチップコンデンサで構成しても
よい。
【0056】また、電力分配合成器を移動体通信機1つ
である送信機の同相分配器に用いた場合について説明し
たが、受信機の同相分配器に用いても同様の効果が得ら
れる。
【0057】
【発明の効果】請求項の電力分配合成器によれば、第
1及び第2の伝送線路にコンデンサを並列接続したた
め、第1及び第2の伝送線路とコンデンサとからなるL
C並列共振器の並列共振による減衰極を共振周波数付近
に発生させることができる。その結果、共振周波数付近
の高周波信号を除去することが可能となる。
【0058】また、第1及び第2の伝送線路に並列接続
されたコンデンサの値を変えることにより、第1及び第
2の伝送線路とコンデンサとからなるLC並列共振器の
並列共振によって形成される減衰極の位置を容易に変え
ることができる。その結果、所望の周波数を有する高周
波信号を除去することが可能となり、それに伴い、合成
端子と分配端子との間のアイソレーションが十分に確保
できるようになる。
【0059】請求項の電力分配合成器によれば、複数
の誘電体層を積層してなる積層体を備えるとともに、第
1及び第2の伝送線路を積層体の内部に設けたストリッ
プライン電極で構成し、第1及び第2の伝送線路に並列
接続されるコンデンサを積層体の内部に誘電体層を挟ん
で互いに対向して設けた複数の電極で構成するため、電
力分配合成器の部品点数を低減することができる。した
がって、電力分配合成器の低コスト化、小型化が可能で
ある。
【0060】請求項の電力分配合成器によれば、第1
及び第2の伝送線路を構成するストリップライン電極が
ヘリカルコイル形状をなすため、第1及び第2の伝送線
路に流れる電流によって生じる磁束が大きくなり、第1
及び第2の伝送線路の自己インダクタンスが大きくな
る。その結果、第1及び第2の伝送線路の総ライン長を
λ/4より短くすることができるため、電力分配合成器
の損失を小さくできるとともに、電力分配合成器をさら
に小型化できる。
【0061】請求項の移動体通信機によれば、合成端
子と分配端子との間のアイソレーションが十分に確保で
きると伴に、低コスト化、小型化が可能な電力分配合成
器を用いているため、特性の優れた小型の送信機を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電力分配合成器に係る参考例の等価
回路図である。
【図2】 図1の等価回路を備えた電力分配合成器の分
解斜視図である。
【図3】 図2の電力分配合成器の通過特性を示す図で
ある。
【図4】 本発明の電力分配合成器に係る実施例の等価
回路図である。
【図5】 図4の等価回路を備えた電力分配合成器の分
解斜視図である。
【図6】 図5の電力分配合成器の通過特性を示す図で
ある。
【図7】 一般的な移動体通信機である送信機のブロッ
ク図である。
【図8】 従来の電力分配合成器の等価回路図である。
【符号の説明】
10,20 電力分配合成器 11,12 第1及び第2の伝送線路 13 抵抗 141,142 LC直列共振器 15,21 積層体 151〜156,211〜215 誘電体層 30 移動体通信機(送信機) C11〜C13,C21〜C25 コンデンサ Cp1〜Cp3 コンデンサ電極 Gp1,Gp2 グランド電極 L1〜L3 インダクタ P1〜P3 第1〜第3の信号端子 SL11,SL12,SL21,SL22 ストリッ
プライン電極 Vh1〜Vh3,Vh ビアホール電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−46764(JP,A) 特開 平9−266430(JP,A) 特開 平11−46101(JP,A) 特開 昭59−89020(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 5/19 H03H 7/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の伝送線路の一端と第2の伝送線
    路の一端とを接続し、前記第1の伝送線路の一端と前記
    第2の伝送線路の一端との接続部を第1の信号端子、前
    記第1の伝送線路の他端を第2の信号端子、前記第2の
    伝送線路の他端を第3の信号端子とし、前記第2の信号
    端子と前記第3の信号端子との間に抵抗を接続した電力
    分配合成器であって、前記第1の伝送線路及び前記第2
    の伝送線路の少なくとも1つに、コンデンサを並列接続
    したことを特徴とする電力分配合成器。
  2. 【請求項2】 複数の誘電体層を積層してなる積層体を
    備えるとともに、前記第1及び第2の伝送線路を前記積
    層体の内部に設けたストリップライン電極で構成し、前
    記コンデンサを前記積層体の内部に前記誘電体層を挟ん
    で互いに対向して設けた複数の電極で構成したことを特
    徴とする請求項に記載の電力分配合成器。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の伝送線路を構成する
    ストリップライン電極が、ヘリカルコイル形状をなすこ
    とを特徴とする請求項2に記載の電力分配合成器。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項のいずれかに記載
    の電力分配合成器を用いたことを特徴とする移動体通信
    機。
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