JP3472080B2 - 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

液体吐出方法、液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドカートリッジおよびインクジェット記録装置

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JP3472080B2 JP14920497A JP14920497A JP3472080B2 JP 3472080 B2 JP3472080 B2 JP 3472080B2 JP 14920497 A JP14920497 A JP 14920497A JP 14920497 A JP14920497 A JP 14920497A JP 3472080 B2 JP3472080 B2 JP 3472080B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液滴を吐出するイ
ンクジェット記録方法によって代表される液体吐出方法
と、このインクジェット記録ヘッドによって代表される
液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドカートリッジと、イ
ンクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタや複写機、あるいはファクシミ
リやプロッタなどの記録を行う装置での記録方法とし
て、ノズル(吐出口)から微小なインク液滴を吐出して
文字や図形等の記録を行うインクジェット記録方法が注
目を浴びている。インクジェット記録方法は、高精細な
画像の出力、高速印字が可能であるという優れた利点を
有している。特に、電気熱変換体(以下、ヒータともい
う)等により液体中に気泡を発生させ、この生成したバ
ブル(気泡)圧を用いる方法、いわゆるバブルジェット
方法(特公昭61−59911〜4号)は、装置の小型
化、画像の高密度化が容易であるなどの特徴を有してい
る。
【0003】ところで、バブル圧によってノズルから吐
出される液体はインク液に限定されるものではなく、そ
の他の液体を吐出することも可能である。そこで本明細
書では、インクに限らず液体一般を吐出させる方法を液
体吐出方法と呼び、液体吐出方法の中で、インク液を被
記録媒体に吐出して記録を行う方法をインクジェット記
録方法と呼ぶことにする。
【0004】インクジェット記録の分野においては、記
録のカラー化の要求が高い。カラー化の要求を満足する
インクジェット記録装置の構成として、例えば、各色の
インクジェット記録ヘッドを色ごとにキャリッジ上に走
査方向に沿って並列に配列させてカラー記録を行うも
の、あるいはカラー記録のために用いられるイエロー、
マゼンタ、シアンの各色のインクを収納するインクタン
クとこれらのインクを吐出する記録ヘッドとを並列に並
べて一体化したカラーインクジェット記録ヘッドとブラ
ックのみ単独のインクジェット記録ヘッドとをキャリッ
ジ上に配置しカラー記録を行うもの、等が採用されてい
る。
【0005】図20は、電気熱変換体を用いて気泡を発
生させインク液滴を吐出する従来のバブルジェット方式
の記録ヘッドのインク流路部の模式的断面図である。イ
ンク流路92内にはヒータ部91が埋設されており、イ
ンク流路92の一端は吐出口93に連通するとともに、
インク流路92内にはインクが満たされている。ヒータ
部91で発生した熱がインク流路92内に満たされたイ
ンクに作用することで、ヒータ部91上のインクが急激
な状態変化(発泡現象)を起こし、インク流路92内の
一部のインクが吐出口93から被記録媒体へと吐出・飛
翔して記録が行われる。ヒータ部91の発熱により生じ
た泡はヒータ部91による加熱が終わるとともに縮小消
滅し、再びインク流路内92はインクで満たされた状態
となる(インクのリフィル過程)。
【0006】しかしながら、図20で示されるような従
来の記録ヘッドにおいては発泡した泡が必要以上に大き
くなってしまうことがあり、この場合消泡に時間を要し
てしまう。また、発泡時のエネルギーがヒータ部91か
ら吐出口93の方向(Q方向)に伝わると同時にインク
の供給側である上流側(P方向)にも大きく伝わってし
まうため、インク流路92内を再度インクで満たす(リ
フィル)のに時間を要するという解決すべき課題があ
る。気泡の発生に伴って上流側に伝搬する圧力波をここ
ではバック波と呼ぶ。
【0007】図20に示すような流路構成の記録ヘッド
は、これまでのような記録装置での印字速度には対応で
きていたが、近年の、さらなる高速記録が要望される記
録装置においては、印字速度にインクのリフィル時間が
間に合わなくなり、インクの不吐出を生じてしまうこと
があった。
【0008】また、通常のインクジェット記録ヘッドに
は複数のインク流路にインクを供給するための共通液室
が流路の上流側に設けられるが、このようなバック波が
インクの上流側に強く伝わると、共通液室を介してこの
バック波が他のインク流路に伝搬し、その流路でインク
の吐出状態に悪影響を及ぼしてしまうことがある。
【0009】以上述べた、リフィル時間がかかることや
バック波による悪影響があることは、インクジェット記
録ヘッドに限定されることなく、気泡を利用して液滴を
吐出する液体吐出ヘッドに対して一般的に当てはまる解
決すべき課題となっていた。
【0010】このような課題を解決するために従来より
種々の提案がなされている。以下にインクジェット記録
ヘッドに対して試みられた各提案を説明するが、以下の
構成が液体吐出ヘッド一般に適用し得るものであること
は明らかである。
【0011】例えば、特開昭55−100169号公報
に記載されるように、インク流路中の熱エネルギーを発
生するヒータ部のより上流側に、流体抵抗部を備える構
成が知られている。かかるインクジェット記録ヘッドの
構造を図21に示す。図21に示すように、インクを吐
出する吐出口901に連通するインク流路902内に
は、インク流路902の一端の流入開口903からイン
ク904が流入する。このインク流路902の他端の吐
出口901の近傍には、気泡を形成してインクを吐出す
るために利用される熱エネルギーを発生するヒータ90
5が壁面に配設されており、このヒータ905が配設さ
れている壁面のヒータ905より上流側(流入開口90
3側)には、障壁906が突設されている。かかる記録
ヘッドにおいて、ヒータ905に電気信号が入力する
と、インク904内に気泡が発生してこの作用によって
インク滴907が吐出口901から被記録媒体908に
向けて吐出される。同時に、気泡による作用力は反吐出
方向(流入開口903の方向)にも作用するが、反吐出
方向に設けられている障壁906のため、吐出方向に向
かう流体抵抗より反吐出方向に向かう流体抵抗の方が大
きくなり、気泡による作用力は有効にインク滴907の
吐出のために利用される。
【0012】また、このようなヒーターより上流側への
エネルギー損失を防止する方法として、特開昭59−1
99256号公報には、吐出に直接関与する吐出エネル
ギー発生手段のほかに、吐出に直接関与しない第2のエ
ネルギー発生手段を設ける方法が開示されている。第2
のエネルギー発生手段を使用することで、吐出エネルギ
ー発生手段で発生したエネルギーの後方への損失の防止
が図られる。
【0013】また、特開昭62−240558号公報に
は、特開昭59−199256号公報のヒータ配置に加
えて、さらに液室内に加熱手段を設ける方法が開示され
ている。
【0014】特開昭63−102945号公報には、吐
出を制御するための吐出ヒータとは別に第2のエネルギ
ー発生手段を流路とは交差するように設け、この第2の
エネルギー発生手段の流路巾方向の成分が流路巾よりも
大きくなるようにする構造が開示されている。
【0015】さらに、特開昭63−197652号公報
あるいは特開昭63−199972号公報には、吐出エ
ネルギーの損失を防止するために、弁機構を流体抵抗素
子として利用することが開示されている。これらの公報
に開示されている流路構造は、図22(a),(b)に示され
ているものである。この記録ヘッドでは、基板911上
に、インク流路913ごとに対応して、気泡を形成する
ための電気熱変換体912が設けられており、各インク
流路913の一端はそれぞれ吐出口915であって、他
端は共通液室916に共通に接続している。弁機構91
4は、インク流路913の天井に貼り付いたような初期
位置を有し、電気熱変換体912の近傍の熱作用領域
(電気熱変換体の面方向への投影空間)よりもインクの
流れ方向に対して上流側に設けられ、バック波によって
開く構造になっている。この記録ヘッドは、バック波の
より上流側への伝搬を防止するように弁機構914を動
作させ、これによって吐出エネルギーの損失を防止しよ
うとしたものである。
【0016】また、上述した電気熱変換体や電気機械変
換体(ピエゾ素子など)等を液体の輸送機構として用
い、上述したバック波等の、所望の液体移動方向とは逆
の方向への液体の移動を抑制するための流体抵抗素子を
設けた液体輸送方法や装置も提案されている。すなわ
ち、何らかの機構によって液体を一方向に駆動すること
がものであれば、ここでいう液体輸送装置に該当する。
液体輸送装置という観点から見れば、インクジェット記
録ヘッドは、電気熱変換体を用いて気泡を発生させるか
どうかによらず、インクタンクから吐出口に向けて液体
を輸送し、所定の吐出圧でインクを吐出口から吐出する
ものであるということができる。例えば、上述の特開昭
63−197652号公報あるいは特開昭63−199
972号公報に記載された弁機構を設けたインクジェッ
ト記録ヘッドは、電気熱変換体を液体の輸送機構として
用い、弁機構によってインク流れを一方向に制御しよう
としたものとみることも可能である。同様に、ピエゾ素
子を用いて一方向への液体の流れを実現することも試み
られている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
55−100169号公報に記載されているように流体
抵抗部を設ける場合には、設けない場合に比べて、比較
的低い駆動周波数で吐出させる場合には、前述したよう
に、液流路内に設けた障壁(液体抵抗部)の作用でバッ
ク波の影響はある程度防止できるが、それよりも高周波
数で吐出させる場合には、障壁の上部からのバック波の
影響が避けられず、かつ、リフィルもこの障壁に邪魔さ
れて遅れてしまう。さらには、ノズル内の液の振動を制
御できず、繰り返しての適正な吐出ができないという問
題点が生じる。
【0018】また、特開昭59−199256号公報、
特開昭62−240558号、特開昭63−10294
5号公報に記載の技術は、液滴吐出用のヒータの他に、
バック波制御用のヒータを設け、バック波制御用のヒー
タで発生する気泡によって、後方へのバック波の伝搬を
制御しようとするものである。これらの構成の場合、イ
ンク液滴吐出のためのヒータ発泡の発泡圧を十分にとる
必要がある場合には、バック波制御用のヒータを十分に
大きくしないと、吐出のための発泡圧にバック波制御用
のヒータの発泡圧が負けてしまうことになる。十分なバ
ック波制御のためにバック波制御用のヒータを大きくす
ると、全体の液流路長が長くなり、かえってリフィルが
遅くなる領域ができてしまうという問題点が生じる。
【0019】また、特開昭63−197652号公報あ
るいは特開昭63−199972号公報に記載されてい
るようにバック波によって開く構造の弁機構を設けた場
合には、吐出のための気泡は液流路上流側にも当然のご
とく成長し、その過程で液流路上部に配された弁機構
が、成長する気泡の流れに対応しながら(流されなが
ら)動くことになる。すなわち、弁機構914が図22
(b)で示される位置にまで開口するまでには気泡の成長
過程の大半の時間が過ぎてしまうことになる。そのた
め、本来の目的であるバック波を抑制して吐出エネルギ
ーの損失を充分に防止することができない場合がある。
特に、高い駆動周波数で吐出するような記録装置に適用
した場合、その周波数に対応できなくなってしまうおそ
れがある。
【0020】本発明の主たる目的は、吐出エネルギー発
生素子より上流方向への液体の移動を実質的に抑制する
とともに、リフィル効率を向上できる液体吐出方法を提
供することにある。
【0021】さらに、本発明の第2の目的は、インクな
どの吐出液体のリフィル特性を向上させ、吐出効率や吐
出力が向上し、インクジェット記録に応用した場合には
高速かつ高品位の印字が可能な液体吐出方法及び液体吐
出ヘッドを提供し、さらにこれら液体吐出方法あるいは
液体吐出ヘッドを利用したインクジェット記録装置を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するための本発明の主たる要件は以下のようなものであ
る。
【0023】吐出口に連通し液体を吐出するためのエネ
ルギーを前記液体に作用させる吐出エネルギー発生素子
が設けられた第1の液流路と、該第1の液流路に連通し
前記吐出エネルギー発生素子より上流に流体素子が設け
られた第2の液流路と、を有し、前記流体素子が気泡の
発生する気泡発生領域と、該気泡発生領域に面して設け
られ支点及び該支点より下流に配された自由端を備えた
可動部材と、を有する液体吐出ヘッドを用いて前記吐出
口から液体を吐出する液体吐出方法であって、前記吐出
エネルギー発生素子を駆動することで前記吐出口から液
体を吐出するステップと、記気泡発生領域に気泡を発
生させることにより前記可動部材の前記自由端を前記第
1の液流路側に変位させて前記吐出エネルギー発生素子
の駆動によって生じる上流側への液体の流れを抑制する
ステップと、を有する液体吐出方法。
【0024】吐出口に連通し液体を吐出するためのエネ
ルギーを前記液体に作用させる吐出エネルギー発生素子
が設けられた第1の液流路と、該第1の液流路に連通し
前記吐出エネルギー発生素子より上流に流体素子が設け
られた第2の液流路と、を有する液体吐出ヘッドであっ
前記流体素子は、気泡を発生する気泡発生領域と、
該気泡発生領域に面して設けられ支点及び該支点より下
流に配された自由端を備えた可動部材と、を有してお
り、前記気泡発生領域に気泡を発生させることにより前
記可動部材の前記自由端前記第1の液流路側に変位さ
前記吐出エネルギー発生素子の駆動によって生じる
上流側への液体の流れを抑制する液体吐出ヘッド。
【0025】上述の液体吐出ヘッドと該液体吐出ヘッド
に供給される液体を保持する液体容器とを有する液体吐
出ヘッドカートリッジ。
【0026】上述の液体吐出ヘッドと前記液体吐出ヘッ
ドから吐出されたインクを受ける被記録媒体を搬送する
手段とを有するインクジェット記録装置。
【0027】本発明の液体吐出方法等によると液体を吐
出するための液体吐出エネルギー発生素子より上流に設
けられた流体素子を構成する可動部材を所望のタイミン
グで変位させることによって、吐出エネルギー発生素子
より上流側への液体の流れを抑制することができると共
に、気泡発生領域での気泡の消泡過程による可動部材が
定常位置への復帰動作に伴って上流側から液体を、急速
に供給することができる。また、可動部材を変位させる
ことでバック波を防止しつつもリフィル時には可動部材
が定常位置に復帰するため、リフィル時のに流路口径を
狭めることがなく最大状態とすることができるのでリフ
ィルを極めて容易になすことができる。
【0028】また、第1の液流路内の吐出液と、可動部
材を駆動するための第2の液流路内の発泡液とを異なる
液体で構成する場合には、それぞれの液流路に対応する
気泡発生領域(ヒータ)上での発泡条件を異ならすこと
ができるため、各気泡発生領域での発泡タイミングを異
ならすことができる。その結果、可動部材を変位させる
タイミングを任意に設定できるため、液体の吐出状態、
液体のリフィルを個別にある程度設定可能である。その
結果、特に同一構成の流路構造のヘッドであっても、吐
出液(インク)の違いによってそれぞれ最適な駆動条件
を設定することができるため、特に多色カラー記録用の
インクジェット記録ヘッドの場合、高速、高画質化がな
される。
【0029】また、さらに、吐出のための第1の気泡発
生領域上での消泡位置をコントロールすることができる
ため、キャビテーションによるヒータ断線までの寿命を
延ばすことができ、高寿命の液体吐出ヘッドを提供でき
る。
【0030】なお、本明細書での説明に用いる「上
流」、「下流」は、液体の供給源から気泡発生領域を経
て吐出口へ向う液体の流れ方向に関して、または、この
構成上の方向に関しての表現として、表わされている。
また、気泡自体に関する「下流側」とは、主として液滴
の吐出に直接作用するとされる気泡の吐出口側部分を代
表する。より具体的には、気泡の中心に対して、上記流
れ方向や上記構成上の方向に関する下流側、または、発
熱体の面積中心よりも下流側の領域で発生する気泡を意
味する。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。以下では、本発明の実施
の形態として、インクジェット記録方法及びインクジェ
ット記録ヘッドの場合を例に挙げて説明するが、吐出す
る液体をインク以外の液体とすることによって本発明は
液体吐出方法及び液体吐出ヘッドに一般的に適用できる
ものである。
【0032】《第1の実施の形態》図1は本発明の第1
の実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドの液流
路の断面図であり、図2は図1のA−A'線に沿う断面
構成をX方向から見た断面図であり、図3は図1のB−
B'線に沿う断面構成をX方向から見た断面図であり、
図4は図1のB−B'線に沿う断面構成をY方向から見
た断面図である。
【0033】インク液滴を吐出するための吐出口3に連
通して第1の液流路(インク液流路あるいは吐出液流
路)4が形成されており、第1の液流路4の他端は第1
の共通液室(インク用の共通液室)11につながってい
る。吐出口3の形成部位を除いた、第1の液流路4の底
面は基板1によって構成されており、基板1の表面には
第1の液流路4に対応して、吐出エネルギー発生素子と
して第1の液流路4内の液体(インク)に気泡を発生さ
せるための熱エネルギーを発生する電気熱変換体(ヒー
タ)5が形成されている。なお、このヒータ上の流路部
分が気泡発生領域となっている。第1の液流路4の側面
及び上面と吐出口3は、ポリサルフォンなどの成型品を
レーザ加工した溝付天板2によって一体的に構成されて
いる。
【0034】第1の液流路4の底面のヒータ5よりもイ
ンクの流れ上流側の部位には、第1の液流路4に沿うよ
うに発泡液用の第2の液流路(発泡液流路)6が配置さ
れている。第1の液流路4と第2の液流路6との間は、
流体素子を構成する金属等の弾性を有する材料で構成さ
れた分離壁8で仕切られており、第1の液流路4内のイ
ンクと第2の液流路6内の発泡液とを区別している。な
お、第1の液流路内の液体と第2の液流路内の液体とし
て同じ液体を用いる場合は、両流路の仕切りは完全でな
くてもよい。第2の液流路6は、吐出口3が設けられて
いる方向とは反対側に延びて第2の共通液室(発泡液用
の共通液室)12に接続している。また、第2の液流路
6の底面には、発泡液を加熱して発泡させるための流体
素子を構成する発熱体7が形成されている。この発熱体
7も、上述のヒータ5と同様に、電気エネルギーを熱エ
ネルギーに変換する電気熱変換体によって構成されてい
る。なお、この発熱体上の第2の液流路部分が気泡発生
領域となる。さらに、発熱体7面方向上方への投影空間
に位置する部分の分離壁8には、コの字型のスリット1
0が設けられており、スリット10で三方を囲まれた部
分の分離壁8が可動部材9を構成するようになってい
る。具体的には、可動部材9は、吐出口3側(インクの
流れ下流側)が自由端で、共通液室11,12側に支点
が位置する片持ち梁形状である。このように構成するこ
とにより、後述するように、発熱体7の部分に存在する
発泡液の発泡によって、可動部材9は、第1の液流路4
側に開口、変位するように動作する(図中矢印方向)。
定常状態では、可動部材9は、分離壁8の可動部材9以
外の部分と同一平面内にある。
【0035】第2の液流路6は、発熱体7の前後で狭窄
部13が形成されており、発泡時の圧力が第2の液流路
6を伝わって共通液室12側などに逃げることが抑制さ
れるような室(発泡室)構造となっている。従来のイン
クジェット記録ヘッドにおいては、発泡する流路と液体
とを吐出するための流路とを同一にし発熱体より液室側
に発生した圧力が共通液室側に逃げないように狭窄部を
設ける場合には、吐出する液体のリフィルを充分考慮し
て、狭窄部における流路断面積があまり小さくならない
構成を採る必要があった。しかしながら本実施の形態の
インクジェット記録ヘッドの場合には、吐出口3から吐
出される液体のほとんどは第1の液流路4内のインク
(吐出液)であって、発熱体7が設けられた第2の液流
路6内の発泡液はあまり消費されないため、第2の液流
路6の吐出圧発生部への発泡液の充填量は少なくてよ
い。したがって、上述の狭窄部13における間隔を数μ
m〜10数μmと非常に狭くでき、第2の液流路6で発
生した発泡時の圧力をあまり周囲に逃がさず、集中して
可動部材9側に向けることができる。この圧力を可動部
材9を介して吐出圧力として利用するためより高い吐出
効率、吐出力を達成することができる。ただし、第2の
液流路6の形状は上述の構造に限られるものではなく、
気泡発生に伴う圧力が効果的に可動部材9側に伝えられ
る形状であればよい。
【0036】上述の構成において第1の液流路4内の吐
出エネルギー発生素子としてのヒータ5は第1の気泡発
生領域を構成し、第2の液流路6内の発熱体7は第2の
気泡発生領域を構成している。
【0037】実際には1個のインクジェット記録ヘッド
には複数の吐出口が設けられるが、本実施の形態では吐
出口3ごとに第1の液流路4、ヒータ5、第2の液流路
6、発熱体7及び可動部材9がそれぞれ1つずつ設けら
れるようにしている。そして複数の吐出口3と吐出口3
にそれぞれ連通する第1の液流路4が形成された溝付天
板2と、吐出口3の数に見合う数のヒータ5や発熱体7
が設けられた基板1と、吐出口3に見合う数のスリット
10(すなわち可動部材9)が形成された分離壁8とを
用意し、共通液室11,12側の部分で分離壁8を挟む
ようにして溝付天板2と基板1とを接合することにより
インクジェット記録ヘッドを完成させている。本実施例
の分離壁8には隣接する第2の液流路6間を隔てるため
の隔壁も形成されている。第2の液流路6間の隔壁と、
第1の液流路4及び第2の液流路6を隔てる分離壁8と
を個別に形成し、これらを接合することによって第2の
液流路6が形成されるようにしてもよい。
【0038】以下、分離壁8すなわち可動部材9を構成
するための材料について説明する。材質に関しては、可
動部材としての機能を果たすものであれば、ニッケルに
限定されるものではない。すなわち、分離壁8を構成す
る材料は、発泡液とインク(吐出液)に対して耐性があ
り、可動部材9として良好に動作するための弾性を有
し、微細なスリットが形成できるものであればよい。こ
れらの材料としては、耐久性の高い、銀、ニッケル、
金、鉄、チタン、アルミニウム、白金、タンタル、ステ
ンレス、りん青銅等の金属、およびその合金、または、
アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン等のニトリル
基を有する樹脂、ポリアミド等のアミド基を有する樹
脂、ポリカーボネイト等のカルボキシル基を有する樹
脂、ポリアセタール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリ
サルフォン等のスルホン基を持つ樹脂、そのほか液晶ポ
リマー等の樹脂およびその化合物、耐インク性の高い、
金、タングステン、タンタル、ニッケル、ステンレス、
チタン等の金属、これらの合金および耐インク性に関し
てはこれらを表面にコーティングしたもの若しくは、ポ
リアミド等のアミド基を有する樹脂、ポリアセタール等
のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリエーテルエーテルケト
ン等のケトン基を有する樹脂、ポリイミド等のイミド基
を有する樹脂、フェノール樹脂等の水酸基を有する樹
脂、ポリエチレン等のエチル基を有する樹脂、ポリプロ
ピレン等のアルキル基を持つ樹脂、エポキシ樹脂等のエ
ポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂等のアミノ基を持つ
樹脂、キシレン樹脂等のメチロール基を持つ樹脂および
その化合物、さらに二酸化珪素等のセラミックおよびそ
の化合物が、好ましいものとして例示される。また、分
離壁8の厚みや可動部材9としての形状に関しても、発
熱体7のサイズとの組み合わせによって、十分機能を果
たすだけの変位を行うものであれば、本実施例に限定さ
れるものではないが、大まかには、0.5μm〜10μ
mが望ましい。
【0039】可動部材9を形成するためのスリット10
の幅は、本実施の形態ではでは2μmとしたが、発泡液
と吐出液とが異なる液体であり、両液体の混合を防止し
たい場合は、スリット幅を両者の液体間で安定したメニ
スカスを形成する程度の間隔とし、各々液体同士の流通
を抑制すればよい。
【0040】本実施の形態においては、ヒータ5及び発
熱体7として、電気信号に応じて発熱するホウ化ハフニ
ウムや窒化タンタル等の発熱抵抗体を発熱部として有す
るものを用いたが、これに限られるものではなく、発泡
液やインクに対して充分な気泡の発生を生じさせるもの
であればよい。例えば、発熱部としてレーザ等の光を受
けることで発熱するような光熱変換体を有するものをヒ
ータ5や発熱体7として用いてもよい。なお、ヒータ5
や発熱体7は、発熱部だけでなく発熱部を液体から保護
する保護膜をも含んでもよい。
【0041】また、吐出エネルギー発生素子5は液体が
吐出されるに十分なエネルギーを加えることができるも
のであればよく、必ずしもヒータでなくても、例えば圧
電素子等であってもよい。
【0042】溝付天板2にはポリサルフォンの成型品に
はレーザー加工によって吐出口3を設けることで形成さ
れている。しかし、溝付天板の材料はレーザー加工可能
な材質であればポリサルフォンに限定されない。また、
使用するインクによってはポリサルフォンにメッキ等を
施してもよい。
【0043】第2の液流路6に供給する液体(すなわち
発泡液)としては、熱によって変質せず、加熱によって
発熱体上に堆積物を生じにくく、熱によって気化、凝縮
の可逆的状態変化を行うことが可能な液体であれば、種
々の液体を用いることができる。代表的なものとして、
エタノールと水の混合液が挙げられ、、さらに、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トル
エン、キシレン、二塩化メチレン、トリクレン、フレオ
ンTF、フレオンBF、エチルエーテル、ジオキサン、
シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、
メチルエチルケトン、水等およびこれらの混合物が挙げ
られる。
【0044】また、インク等の液体の付与が行われる被
記録媒体としては、各種の紙やOHPシート、コンパク
トディスクや装飾板等に用いられるプラスチック材、ア
ルミニウムや銅等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の
皮革材、木、合板等の木材、竹材、タイル等のセラミッ
クス材、スポンジ等の三次元構造体等を対象とすること
ができる。
【0045】次に、このインクジェット記録ヘッドの動
作を図5を用いて説明する。図5(a)〜(e)は、順を追っ
て動作を説明するための図である。ここでは、第1の液
流路4に供給される液体と第2の液流路6に供給される
液体とに、同じ水系のインクを用いて動作させたものと
する。
【0046】図5(a)は、ヒータ5及び発熱体7がいず
れも非通電である状態を示しており、このとき分離壁8
に形成されている可動部材9の変位もなく、ヒータ5の
発泡もない。なお、各液流路4,6はいずれも水系のイ
ンクで満たされている。この状態でヒータ5及び発熱体
7に駆動信号を与えるとそれぞれ発熱し、図5(b)に示
すようにヒータ5が発生した熱が作用することによって
第1の液流路4内のインクに膜沸騰現象による気泡が発
生し、同様に発熱体7が発生した熱が作用することによ
って第2の液流路6内のインクに膜沸騰現象による気泡
が発生する。第2の液流路6での気泡の発生に基づく圧
力とこの気泡は可動部材9に優先的に作用し、可動部材
9を第1の液流路4側に変位させり。この変位によって
自由端側に形成された隙間から吐出口3側に向けて前述
の圧力と気泡が第1の液流路4内に進入し、この気泡の
発泡圧が吐出口3側に向けて第1の液流路4内の液体に
作用するようになる。一方、ヒータ5上に形成された気
泡も成長し、第2の液流路6側からの気泡の圧力とも相
まって、吐出口3から液体が突出するようになる。
【0047】さらに気泡発生後、それぞれの気泡はさら
に成長し、特に、可動部材9の変位が最大量に達して、
発熱体7に起因する気泡が可動部材9の存在位置で第1
の液流路4に至るようになる。その結果、ヒータ5に起
因する発泡のバック波が共通液室11側に伝わることが
阻止され、かえって発熱体7の気泡からの発泡力を受
け、全体として吐出のための発泡力が強められ、吐出口
3からインク液滴が大きく突出し、その後のヒータ5上
の泡の消泡過程でちぎれて被記録媒体に向けて飛翔する
ことになる。
【0048】各気泡は消泡過程に入る。このとき、可動
部材9はそれ自身の弾性力に加えて第2の液流路6での
消泡による負圧を受けて急速に定常位置に戻り、可動部
材9が定常位置に戻る際の動きにつられるとともヒータ
5上での消泡の負圧により、第1の液流路4内には共通
液室11側から急速にインクが流れ込む。なお、ヒータ
5上での消泡に伴って吐出口3側から上流側に向ってイ
ンクのメニスカス面が後退するが、本実施の形態の場
合、可動部材9が定常位置に戻る際の動きの影響が大き
いため、第1の液流路4内へのインクのリフィルが急速
に達成され、図5(e)に示すように、インクが吐出口3
位置でメニスカスを形成して定常状態に戻る。
【0049】以上説明したように本実施の形態では、発
熱体7が設けられた第2の液流路6を第1の液流路4に
隣接して設け、両者の液流路4,6間に可動部材9を設
ける構成とすることにより、従来の構成の液体吐出ヘッ
ドに比べて、高い吐出効率で、また高い吐出圧でインク
等の液滴を吐出することができるようになる。このよう
な高い吐出エネルギーと高い吐出圧が実現できるのは、
次のような現象およびこれらの現象の相互作用によるも
のであると考えられる。
【0050】まず、前述の可動部材9の変位によって、
第2の液流路6内で発生した吐出圧のうち、可動部材9
側に伝わる吐出圧のほとんどが、第1の液流路4のしか
も吐出口3方向に開放される。つまり、第2の液流路6
で発生した吐出圧の伝搬方向を可動部材9が吐出口3方
向に変換する。これと同時に第1の液流路4では、ヒー
タ5上で気泡が成長し、吐出口3側ではこの2つの気泡
の発泡圧が加算されて吐出圧が発生するようになる。こ
の際、ヒータ5上の気泡によるバック波は、可動部材9
や発熱体7による気泡によって反射され、かえって吐出
口3側に向うこととなって、さらに吐出エネルギーが高
められる。
【0051】次に、各気泡が収縮し可動部材9が定常状
態での位置まで戻るとともに、第1の液流路4では、吐
出された液体量に見合う量の液体が上流側から供給され
る。この吐出液体の供給は、可動部材9が閉じる方向で
あるため、吐出液体のリフィルが可動部材9で妨げられ
ることがない。このように本実施の形態の構成では、第
1の液流路4の上流側の液体は、ほとんどバック波の影
響を受けることがないため、上流から下流への液体流れ
の一方向性が強く、リフィルも良好に行われる。また、
第2の液流路6内の発泡液は、上述のように、あまり使
用されないため、リフィルもわずかの量で終了する。
【0052】なお、図5に示されるように、可動部材9
の第1の液流路4側への変位に伴って第2の液流路6の
気泡発生領域(発熱体7)で発生した気泡の一部が第1
の液流路4側に延在しているが、このように気泡が延在
するような第2の液流路6の高さにすることで、気泡が
延在しない場合に比べて、さらに吐出力を向上させるこ
とができる。このように気泡が第1の液流路4に延在す
るようにするためには、第2の液流路6の高さを最大気
泡の高さより低くすることが望ましく、この高さを数μ
m〜30μmとすることが望ましい。なお、本実施の形
態においては、この高さを15μmとした。
【0053】《第2の実施の形態》先の実施例において
は、吐出エネルギー発生素子の駆動タイミング(発泡タ
イミングと)と流体素子の駆動タイミング(発泡タイミ
ング)とがほぼ同じ場合で説明したが、本実施例におい
てはこれらタイミングを異ならせる場合についての例を
示している。
【0054】図6は本実施例における駆動タイミングの
一例を示したもので、吐出エネルギー発生素子の駆動タ
イミングより流体素子の駆動タイミングの方が速い場合
のインクジェットの動作を説明している図である。
【0055】先の実施例と同様に(a)は吐出エネルギ
ー発生素子と流体素子の両方が駆動される前の状態(被
駆動状態)を示している。
【0056】まず流体素子を構成する発熱体7に通電が
行われ、発熱体7が熱を発生する。この発生した熱によ
ってインク中に気泡が発生し、これに伴って流体素子を
構成する可動部材9が流路4側に変位する。次に吐出エ
ネルギー発生素子である発熱体5に通電が行われ気泡が
発生する(b)。気泡の発生に基づく圧力でインクが吐
出口から吐出される(c)。この時、すでに可動部材が
変移している状態であるため、より確実に上流側へのイ
ンクの移動を防止することができると共に、流体素子に
よって、吐出口側へのインクの移動が前もって生じてい
るため、さらに吐出力や吐出スピードを向上させること
ができる。
【0057】発熱体7での気泡が消泡することで、可動
部材が初期状態に復帰する。また、発熱体5で発生した
気泡が消泡するに伴って、上流の液室11側からインク
が供給(リフィル)されるが、このリフィルの方向と、
可動部材が初期状態に復帰する方向と同じ方向であるた
め、可動部材がリフィルの妨げになることはない。
【0058】また、本実施例においては吐出エネルギー
発生素子の発泡タイミングより、流体素子の発泡タイミ
ングの方を早くしたが、目的に応じて逆のタイミングで
の駆動を行ってもよい。このように吐出エネルギー発生
素子の発泡タイミングと、流体素子の発泡タイミングと
を適宜調整することで、吐出特性や上流側へのインクの
移動の抑制特性やリフィル特性等を調整することができ
る。このため、本発明のヘッドを駆動周波数の異なる装
置に取り付けた場合に、両駆動タイミングを調整するこ
とで、各装置の駆動周波数にマッチングしたリフィル特
性等を得ることができる。
【0059】《第3の実施の形態》図7は本発明の第3
の実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドの液流
路の断面図であり、図8は図6のA−A'線に沿う断面
構成をX方向から見た断面図であり、図9は図6のB−
B'線に沿う断面構成をX方向から見た断面図であり、
図10は図7のB−B'線に沿う断面構成をY方向から
見た断面図である。
【0060】このインクジェット記録ヘッドが第1の実
施の形態のインクジェット記録ヘッドと異なることは、
第1の液流路4内のヒータがインクの流れの方向に2つ
に分割されていることである。下流側のヒータ5-1に
比べて上流側のヒータ5-2の面積が大きく、上流側5-
2のヒータによればより大きな気泡を発生することがで
きるようになっている。
【0061】図11(a)〜(e)は、第1の液流路4内の下
流側のヒータ5-1と第2の液流路6の発熱体7を駆動
して吐出口3からインク液滴を吐出する過程を順次示す
ものであり、図12(a)〜(e)は、第1の液流路4内の両
方ののヒータ5-1,5-2と第2の液流路6の発熱体7
を駆動して吐出口3からインク液滴を吐出する過程を順
次示すものである。
【0062】第1の液流路4において下流側のヒータ5
-1のみを駆動した場合には、第1の液流路4内で相対
的に小さい気泡しか生じないため、吐出口3からのイン
クの吐出量は小さくなる。これに対し、第1の液流路4
において両方のヒータ5-1,5-2を駆動した場合に
は、これらヒータ5-1,5-2で発生する両方の気泡が
インクの吐出に関与することになって、より大きなイン
ク吐出量が得られる。ここでは図示していないが、第1
の液流路4において上流側のヒータ5-2のみを駆動し
た場合には、下流側のヒータ5-1のみを駆動した場合
より大きく、両方のヒータ5-1,5-2を駆動した場合
よりは小さいインク吐出量が得られる。結局、ヒータ5
-1,5-2の中から駆動するものを選択することによ
り、3段階のインク吐出量の変調を行うことができ、同
一のノズルを用いて多値記録を行うことが可能になる。
【0063】同様に、第1の液流路4内に、大きさの異
なるn個のヒータを設ければ、2−1段階の吐出量で
の多値記録が可能になる。
【0064】《第4の実施の形態》図13は本発明の第
4の実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドの液
流路の断面図であり、図14は図12のA−A’線に沿
う断面構成をX方向から見た断面図であり、図15は図
12のB−B'線に沿う断面構成をX方向から見た断面
図であり、図16は図12のB−B'線に沿う断面構成
をY方向から見た断面図である。
【0065】上述の第3の実施の形態では、第1の液流
路4において、インクの流れ方向に沿って2つのヒータ
5-1,5-2を直列に配していたが、この第3の実施の
形態では、2つのヒータ5-1,5-2を並列に配したも
のである。この第3の実施の形態でも、ヒータ5-1,5
-2の面積が異なっており、これによって、3階調のイ
ンクの吐出量の変調を行うことができ、同一ノズルを用
いて多値記録が可能となる。
【0066】《液体吐出ヘッド》以下に、上述した流路
構造を有し複数の吐出口を備えたする液体吐出ヘッドに
ついて説明する。
【0067】図17は、本発明に基づく液体吐出ヘッド
の一例の主要構成を説明するための模式的分解斜視図で
ある。アルミニウム等の金属で構成された支持体140
上に、基板1が配されている。基板1には、第2の液流
路内の液体に対して膜沸騰による気泡を発生させるため
の熱を発生する発熱体7が複数設けられるとともに、第
1の液流路内の液体に対して膜沸騰による気泡を発生さ
せるための熱を発生するヒータ5が設けられている。こ
れらヒータ5及び発熱体7は電気熱変換体として構成さ
れており、基板1にはヒータ5や発熱体7と、ヒータ5
及び発熱体7に電気信号を供給するための配線電極の他
に、ヒータ5、発熱体7を選択的に駆動するためのトラ
ンジスタ、ダイオード、ラッチ、シフトレジスト等の機
能素子が一体的に作り込まれている。また、ヒータ5や
発熱体7上には、電気熱変換体を保護するための保護層
が設けられている。
【0068】この基板1上に、第2の液流路(発泡液流
路)を構成する複数の溝52(図中では、一つの発泡液
流路だけを示している)と、複数の第2の液流路に連通
し、それぞれの第2の液流路に液体(発泡液)を供給す
るための第2の共通液室(共通発泡液室)12を構成す
る凹部とを有する溝付部材と、前述した可動部材9とが
設けられた分離壁8とが位置決め固定されている。な
お、この図17においては、第2の液流路間の隔壁が一
体化された分離壁8を示している。
【0069】溝付天板2には、分離壁8と接合されるこ
とで第1の液流路(吐出液流路)を構成する溝114
と、複数の第1の液流路に連通し、それぞれの第1の液
流路に吐出液を供給するための第1の共通液室11を構
成するための凹部と、第1の共通液室11に吐出液を供
給するための第1の供給口(吐出液供給口)111と、
第2の共通液室12に発泡液を供給するための第2の供
給口(発泡液供給口)112とを有している。第2の供
給口112は、第1の共通液室11の外に配され分離壁
8を貫通して第2の共通液室12に連通する連通路に繋
っており、この連通路によって吐出液と混合することな
く発泡液を第2の共通液室12に供給することができ
る。
【0070】なお、基板1、分離壁8、溝付天板2との
配置関係は、基板1上の発熱体7に対応して可動部材9
が配置されるようになっている。
【0071】《液体吐出ヘッドカートリッジ》次に、上
述の実施の形態に係る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐
出ヘッドカートリッジの概略説明を行う。図18は、前
述した液体吐出ヘッドを含む液体吐出ヘッドカートリッ
ジの模式的分解斜視図であり、この液体吐出ヘッドカー
トリッジは、主に液体吐出ヘッド部100と液体容器5
20とから構成されている。
【0072】液体吐出ヘッド部100は、基板1、分離
壁8、溝付天板2、押さえバネ120、液体供給部材1
30、支持体140等からなっている。
【0073】基板1には、前述のようにヒータ5や発熱
体7がそれぞれ複数個、列状に設けられており、また、
これらのヒータ5や発熱体7を選択的に駆動するための
機能素子が複数設けられている。この基板1と可動部材
9を持つ前述の分離壁8との間に第2の液流路が形成さ
れ発泡液が流通する。この分離壁8と溝付天板2との接
合によって、吐出される液体が流通する第1の液流路が
形成される。
【0074】押さえバネ120は、溝付天板2に基板1
方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢力に
より、基板1、分離壁8、溝付天板2と、後述する支持
体140とを良好に一体化させている。
【0075】支持体140は、基板1等を支持するため
のものであり、この支持体140上には、さらに、基板
1に接続し電気信号を供給するための回路基板141
や、装置側と接続することで装置側と電気信号のやりと
りを行うためのコンパクトパッド142が配置されてい
る。
【0076】液体容器520は、液体吐出ヘッドに供給
される、インク等の吐出液体と気泡を発生させるための
発泡液とを内部に収容している。液体容器520の外側
には、液体吐出ヘッドと液体容器520との接続を行う
位置決め部524と固定するための固定軸525が設け
られている。吐出液体の供給は、液体容器520の吐出
液体供給路522から液体供給部材130の吐出液体供
給路131に供給され、各部材の吐出液体供給口13
3,121,111を介して第1の共通液室11に供給さ
れる。発泡液の供給も同様に、液体容器の供給路523
から液体供給部材130の発泡液供給路132に供給さ
れ、各部材の発泡液体供給口134,121,112を介
して第2の共通液室12に供給される。
【0077】以上の液体吐出ヘッドカートリッジにおい
ては、第2の液流路に供給される発泡液と第1の液流路
に供給される吐出液(インクなど)が異なる液体である
場合であっても供給を行い得る供給形態及び液体容器で
説明したが、吐出液と発泡液とが同じである場合には、
発泡液と吐出液の供給経路及び容器を分けなくてもよ
い。
【0078】なお、この液体容器は、各液体の消費後に
液体を再充填して使用してもよい。このためには、液体
容器に液体注入口を設けておくことが望ましい。また、
液体吐出ヘッド部と液体容器とは一体であってもよ
く、分離可能としてもよい。
【0079】《インクジェット記録システム》次に、本
発明の液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして用い、被記録
媒体に対して記録を行う、インクジェット記録システム
の一例を説明する。
【0080】図19は、前述した本発明に基づく液体吐
出ヘッド201を用いたインクジェット記録システムの
構成を説明するための模式図である。本実施の形態にお
ける液体吐出ヘッドは、被記録媒体227の記録幅に対
応した、長さ方向に360dpiの間隔で吐出口を複数
配したフルライン型のヘッドであり、イエロー(Y),
マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)の4
色に対応した4つのヘッドがホルダ202によりX方向
に所定の間隔を持って互いに平行に固定支持されてい
る。
【0081】これらのヘッドに対して、それぞれ駆動信
号供給手段を構成するヘッドドライバ220から信号が
供給され、この信号に基づいて各ヘッドが駆動される。
【0082】各ヘッドには、吐出液としてY,M,C,B
kの4色のインクがそれぞれインク容器204a〜20
4dから供給されている。なお、発泡液容器204eが
設けられてこれに発泡液が蓄えられ、この発泡液容器2
04eから各ヘッドに発泡液が供給される構成になって
いる。
【0083】また、各ヘッドの下方には、内部にスポン
ジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203
a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッドの
吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0084】搬送ベルト206は、各種の被記録媒体を
搬送するための搬送手段を構成している。搬送ベルト2
06は、各種ローラにより所定の経路に引き回されてお
り、モータドライバ305に接続された駆動用ローラに
より駆動される。
【0085】本実施の形態のインクジェット記録システ
ムにおいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各
種の処理を行う前処理装置251および後処理装置25
2をそれぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けて
いる。
【0086】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、染着率の向上等の観点から、布帛にアルカリ性物
質、水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およ
びチオ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理
として行えばよい。前処理としては、これらに限らず、
被記録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であ
ってもよい。
【0087】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0088】なお、本実施の形態では、ヘッドとしてフ
ルラインヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前
述したような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送
して記録を行う形態のものであってもよい。
【0089】
【発明の効果】本発明の液体吐出方法等では、液体を吐
出するための吐出エネルギー発生素子よりも上流側に、
可動部材と気泡発生領域とで構成される流体素子を設
け、吐出エネルギー発生素子での液体の駆動と合わせて
気泡発生領域で気泡を発生させ、気泡とともに可動部材
の自由端側を液流路内に変位させることにより、バック
波に代表される上流方向への流れを抑制し、さらに、気
泡発生領域での消泡に伴って可動部材が定常位置に戻る
ときに動きにつられた液体の流れにより、上流側から吐
出エネルギー発生素子への液体の急速なリフィルを達成
できるという効果がある。
【0090】本発明の液体吐出方法では、第1の気泡発
生領域と第2の気泡発生領域を設けるとともに、第2の
気泡発生領域での発泡に伴う圧力によって吐出口側に開
口する可動部材を設けることにより、第2の気泡発生領
域での発泡圧が吐出口側に導かれ、液体吐出のための第
1の気泡発生領域での発泡による吐出エネルギーと突出
圧が高められ、吐出の効率が向上するという効果があ
る。また、この構成では、第1の気泡発生領域での発泡
に伴うバック波の影響を防止することができ、可動部材
が初期位置に戻るときの液体の流れとも相まって、吐出
液体の急速かつ安定したリフィルを実現するできるとい
う効果もある。
【0091】また、第1の気泡発生領域を有し液体の吐
出を行うための第1の液流路と、第2の気泡発生領域を
有する第2の液流路とを別の液流路とし、第2の液流路
の形状を供給路を有する室状とすることで、発泡効率の
向上と上述の効果をさらに高めることができる。
【0092】さらに、第1の気泡発生領域を複数の吐出
エネルギー発生素子を用いることで、液滴の吐出量を複
数の段階に制御でき、階調記録などが可能になるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるインクジェ
ット記録ヘッドの液流路部分の側断面図である。
【図2】図1のA−A'線に沿う断面構成をX方向から
見た断面図である。
【図3】図1のB−B'線に沿う断面構成をX方向から
見た断面図である。
【図4】図1のB−B'線に沿う断面構成をY方向から
見た断面図である。
【図5】(a)〜(e)は、図1のインクジェット記録ヘッド
での液滴吐出過程を順を追って示す図である。
【図6】(a)〜(e)は、他の駆動タイミングの例を示す図
である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるインクジェ
ット記録ヘッドの液流路部分の側断面図である。
【図8】図6のA−A'線に沿う断面構成をX方向から
見た断面図である。
【図9】図6のB−B'線に沿う断面構成をX方向から
見た断面図である。
【図10】図6のB−B'線に沿う断面構成をY方向か
ら見た断面図である。
【図11】(a)〜(e)は、図6のインクジェット記録ヘッ
ドでの液滴吐出過程の一例を順を追って示す図である。
【図12】(a)〜(e)は、図6のインクジェット記録ヘッ
ドでの液滴吐出過程の別の例を順を追って示す図であ
る。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるインクジ
ェット記録ヘッドの液流路部分の側断面図である。
【図14】図12のA−A'線に沿う断面構成をX方向
から見た断面図である。
【図15】図12のB−B'線に沿う断面構成をX方向
から見た断面図である。
【図16】図12のB−B'線に沿う断面構成をY方向
から見た断面図である。
【図17】本発明の液体吐出ヘッドの一例の模式的分解
斜視図である。
【図18】本発明の液体吐出ヘッドカートリッジの一例
の模式的分解斜視図である。
【図19】インクジェット記録システムの構成の一例を
示す図である。
【図20】従来の液体吐出ヘッドの液流路構造の一例を
示す側断面図である。
【図21】流体抵抗部を有する従来の液体吐出ヘッドの
液流路構造を示す側断面図である。
【図22】(a)は弁機構を有する従来の液体吐出ヘッド
の構成を示す斜視図、(b)はこの従来の液体吐出ヘッド
の液流路構造を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 溝付天板 3 吐出口 4 第1の液流路 5 ヒータ 6 第2の液流路 7 発熱体 8 分離壁 9 可動部材 10 スリット 11,12 共通液室 13 狭窄部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 牧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 工藤 清光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉平 文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岡崎 猛史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−125259(JP,A) 特開 昭59−52664(JP,A) 特開 平8−118641(JP,A) 特開 昭63−197652(JP,A) 特開 平6−31918(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/135

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口に連通し液体を吐出するためのエ
    ネルギーを前記液体に作用させる吐出エネルギー発生素
    子が設けられた第1の液流路と、該第1の液流路に連通
    し前記吐出エネルギー発生素子より上流に流体素子が設
    けられた第2の液流路と、を有し、前記流体素子が気泡
    の発生する気泡発生領域と、該気泡発生領域に面して設
    けられ支点及び該支点より下流に配された自由端を備え
    た可動部材と、を有する液体吐出ヘッドを用いて前記吐
    出口から液体を吐出する液体吐出方法であって、 前記吐出エネルギー発生素子を駆動することで前記吐出
    口から液体を吐出するステップと、 記気泡発生領域に気泡を発生させることにより前記可
    動部材の前記自由端を前記第1の液流路側に変位させて
    前記吐出エネルギー発生素子の駆動によって生じる上流
    側への液体の流れを抑制するステップと、を有する液体
    吐出方法。
  2. 【請求項2】 前記流体素子の前記気泡発生領域の液体
    に熱を作用させることで膜沸騰を生じさせて前記気泡を
    発生させる請求項1に記載の液体吐出方法。
  3. 【請求項3】 前記吐出エネルギー発生素子は熱により
    気泡を発生する発熱素子である請求項1に記載の液体吐
    出方法。
  4. 【請求項4】 前記発熱素子の駆動によって発生する気
    泡は膜沸騰現象によって生じる気泡である請求項3に記
    載の液体吐出方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の流路に供給される液体と前
    記第2の流路に供給される液体とは異なる液体である
    請求項1に記載の液体吐出方法。
  6. 【請求項6】 前記可動部材は定常状態では前記第1の
    液流路内での流れ方向にほぼ平行な姿勢を維持し、前記
    第2の気泡発生領域で気泡を発生させることで生じる圧
    力により、前記第1の液流路の断面積を狭める方向に前
    記可動部材の前記自由端が変位する請求項に記載の液
    体吐出方法。
  7. 【請求項7】 前記吐出エネルギー発生素子を構成する
    発熱素子は複数設けられており、該複数の発熱素子を選
    択駆動することで前記吐出口から吐出される液体の量を
    制御する請求項3に記載の液体吐出方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の液流路に前記流体素子の気泡
    発生領域で発生した気泡が延在する請求項に記載の液
    体吐出方法。
  9. 【請求項9】 吐出口に連通し液体を吐出するためのエ
    ネルギーを前記液体に作用させる吐出エネルギー発生素
    子が設けられた第1の液流路と、該第1の液流路に連通
    前記吐出エネルギー発生素子より上流に流体素子が設
    けられた第2の液流路と、を有する液体吐出ヘッドであ
    って前記流体素子は、気泡を発生する気泡発生領域と、該気
    泡発生領域に面して設けられ支点及び該支点より下流に
    配された自由端を備えた可動部材と、を有しており、 前記気泡発生領域に気泡を発生させることにより前記可
    動部材の前記自由端前記第1の液流路側に変位させ
    前記吐出エネルギー発生素子の駆動によって生じる上流
    側への液体の流れを抑制する液体吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記流体素子の前記気泡発生領域は液
    体に熱を作用させることで膜沸騰による気泡を発生させ
    る領域である請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記吐出エネルギー発生素子は熱によ
    り気泡を発生する発熱素子である請求項に記載の液体
    吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記発熱素子は該発熱素子の駆動によ
    って膜沸騰現象による気泡を発生する素子である請求項
    11に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記吐出エネルギー発生素子を構成す
    る発熱素子は複数設けられている請求項11に記載の液
    体吐出ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記第2の流路は供給路が接続され
    た室形状をなしている請求項に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  15. 【請求項15】 請求項に記載の液体吐出ヘッドと、
    該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器
    とを有する液体吐出ヘッドカートリッジ。
  16. 【請求項16】 請求項に記載の液体吐出ヘッドと前
    記液体吐出ヘッドから吐出されたインクを受ける被記録
    媒体を搬送する手段とを有するインクジェット記録装
    置。
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