JP3471493B2 - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JP3471493B2
JP3471493B2 JP21351095A JP21351095A JP3471493B2 JP 3471493 B2 JP3471493 B2 JP 3471493B2 JP 21351095 A JP21351095 A JP 21351095A JP 21351095 A JP21351095 A JP 21351095A JP 3471493 B2 JP3471493 B2 JP 3471493B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー陰極線管に関
し、特に、矩形状のマスクフレームとこのマスクフレー
ムに取り付けられたシャドウマスクとを有するシャドウ
マスクユニットを備えたカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管は、一般に、内面に蛍光
体スクリーンが形成されたフェースパネルと、このフェ
ースパネルに連接するファンネルとを有する外囲器を備
えている。蛍光体スクリーンは、赤、緑、青にそれぞれ
発光する複数の蛍光体層よりなり、ファンネルのネック
部には発光色に対応した複数の電子ビームを放出する電
子銃が配置されている。また、電子銃と蛍光体スクリー
ンとの間においてフェースパネルの内側には、電子銃か
ら放射された電子ビームを色選別して所定の発光色の蛍
光体層に射突させる色選別機能を有するシャドウマスク
ユニットが配設され、このユニットはホルダーを介して
外囲器に取り付けられている。
【0003】シャドウマスクユニットは、ほぼ矩形状の
薄板で形成されたシャドウマスクとシャドウマスクの周
縁部が取り付けられた矩形状のマスクフレームと、を備
えている。シャドウマスクには、電子ビームが通過する
多数の電子ビーム開孔が形成されている。
【0004】近年、カラー陰極線管に対して、見易さの
点から画面の平坦性に対する要求が高くなってきてい
る。また、コンピューターディスプレー等に用いられる
カラー陰極線管に対しては、より高い解像度が要求され
るようになってきている。
【0005】カラー陰極線管の解像度を高めるためには
シャドウマスクの開孔ピッチを小さくして高精細化を図
る必要があるが、シャドウマスクの開孔はエッチングに
より穿設するため、高精細化を図るためにはマスク素材
の板厚は薄い方がよい。一方、マスクの機械的強度の面
からは板厚の厚いものが望まれ、マスク素材の板厚には
相反する要求がある。
【0006】また、シャドウマスクは、電子銃から放出
される電子ビームを蛍光体スクリーンの蛍光体層に正し
くランディングさせるように電子ビームを選別するため
のものであり、電子ビームの走査により蛍光体スクリー
ンに描かれる画像の品位を良好にするためには、蛍光体
層に対してシャドウマスクが所定の位置に整合して配置
されていなければならない。
【0007】しかしながら、シャドウマスクの電子ビー
ム開孔を通って蛍光体スクリーンに達する電子ビームの
量は、電子銃から放出される全電子ビーム量の20〜3
0%程度であり、他の大部分の電子ビームは、シャドウ
マスクに衝突してシャドウマスクを加熱し、シャドウマ
スクを熱膨張させる。シャドウマスクの熱膨張は、画面
全面に高輝度画像を表示した場合、あるいは局部的に高
輝度の画像を表示した場合に顕著となり、この熱膨張に
より、蛍光体層に対するシャドウマスクの整合関係がず
れ、色純度の劣化が起こる。
【0008】そこで、シャドウマスクの機械的強度の向
上、および色純度の劣化防止を図るため、板厚が比較的
薄い平坦なシャドウマスクを、張力を印加した状態でマ
スクフレームに取り付ける方法が採用されている。詳細
には、シャドウマスクに垂直方向に沿って張力を作用さ
せた状態で、シャドウマスクの側縁の内、水平方向に延
びる一対の長辺部分をマスクフレームに溶接する方法、
あるいは、シャドウマスクに水平および垂直方向に沿っ
て張力を作用させた状態で、シャドウマスクの長辺部分
および短辺部分の両方をマスクフレームに溶接する方法
が取られている。
【0009】しかしながら、上記のようにシャドウマス
クに張力を作用させた状態でこのシャドウマスクをマス
クフレームに固定した場合、以下の問題が生じる。つま
り、矩形状のマスクフレームは、各フレーム側壁の中央
部の剛性に対してフレームのコーナー部分の剛性が著し
く高い。そのため、例えば、陰極線管の製造工程中にお
いて、シャドウマスクユニットが高温炉を通過して加熱
された後、冷却されると、シャドウマスクのコーナー近
傍にしわが発生するという問題がある。
【0010】シャドウマスクのしわ発生メカニズムにつ
いて説明すると次のようになる。シャドウマスクユニッ
トの高温時、シャドウマスクおよびマスクフレームはと
もに熱膨張しているが、ユニットが冷却されると、熱容
量の小さいシャドウマスクが先に冷えて縮み、その際、
マスクフレームはシャドウマスクによって引っ張られて
たわむ。この時、剛性の高いフレームコーナー近傍では
マスクフレームのたわみ量が小さく、このフレームコー
ナー部分に固定されているシャドウマスクのコーナー部
は伸ばされて塑性変形を生じる。その後、シャドウマス
クおよびマスクフレームの両方が冷えると、シャドウマ
スクの塑性変形が生じた部分がたるみしわとなって残っ
てしまう。従って、シャドウマスクのコーナー部分と蛍
光体層との位置整合関係がずれ、色純度が劣化してしま
う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は以上の点に
鑑みなされたもので、その目的は、シャドウマスクの機
械強度を確保することができるとともに、シャドウマス
クにおけるしわの発生を防止できるカラー陰極線管を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係るカラー陰極線管は、内面に蛍光体ス
クリーンが形成されたフェースパネルと、上記蛍光体ス
クリーンに対向配置され、蛍光体スクリーンに向けて複
数の電子ビームを出射する電子銃と、上記フェースパネ
ルと電子銃との間に設けられたマスクユニットと、を備
えている。
【0013】上記マスクユニットは、ほぼ矩形の薄板で
形成され、蛍光体スクリーンと対向して配置されている
とともに、上記電子ビームが通過する多数の電子ビーム
開孔を有するシャドウマスクと、シャドウマスクに張力
を作用させた状態でシャドウマスクを保持したマスクフ
レームと、を備えている。
【0014】上記マスクフレームは、連続した4つの側
壁を有する矩形状のフレーム本体と、上記シャドウマス
クの互いに対向する少なくとも一対の側縁部に固定さ
れ、それぞれ上記側縁部に沿って延びた少なくとも一対
のマスク固定部と、を有し、上記一対のマスク固定部
は、フレーム本体の互いに対向する少なくとも一対の側
壁とそれぞれ平行に延びているとともに、各マスク固定
部の長辺方向中央部と対応する上記側壁の長手方向中央
部に連結した連結部を有している。
【0015】上記構成によれば、各マスク固定部は長手
方向中間部でフレーム本体に連接されているため、矩形
状のフレーム本体の剛性の高いコーナーの影響がマスク
固定部に伝わるのを抑制することができる。従って、各
マスク固定部の剛性をその長手方向に沿ってほぼ均一に
することができ、シャドウマスクの加熱によって生じる
しわの発生を防止することができる。
【0016】また、この発明のカラー陰極線管によれ
ば、マスク固定部の先端縁は円弧状に形成することもで
き、シャドウマスクを円筒状に張力保持することが可能
となる。このとき、マスクフレームにはマスク固定部と
フレーム本体とを部分的に切離するスリットが設けられ
ているため、シャドウマスクにかかる張力を調整してマ
スク中央部の落ち込み現象を抑制することができる。つ
まり、各マスク固定部を対応するフレーム本体の側壁か
らスリットによって部分的に分離切離することにより、
剛性の高いフレーム本体コーナー部の影響がマスク固定
部に直接伝わらない。そのため、各マスク固定部の長手
方向に沿った各位置の剛性を調整し、シャドウマスクに
作用する張力をシャドウマスクの落ち込み現象を生じな
い張力の関係に調整している。
【0017】また、本発明によると、シャドウマスクを
張力保持するマスクフレームは、連続した4つの側壁を
有し電子銃の軸とほぼ同軸的に配設された矩形筒状に形
成されている。そして、マスクフレームの各対角部に上
記電子銃の軸と平行に形成されマスクフレームの軸方向
一端側から軸方向中間部に向かって延びた第1のスリッ
トと、各第1のスリットの延出端から上記対角部を構成
している隣接した2つの側壁の中央部に向かって延びた
一対の第2のスリットと、を備えている。このような構
成とすることで、マスクフレームは、第1および第2の
スリットにより、連続した4つの側壁を有する矩形状の
フレーム本体と、それぞれフレーム本体の対応する側壁
に一部が連結しているとともに互いに分離した4つのマ
スク固定部と、に区画され、シャドウマスクは、その4
つの側縁部が上記マスク固定部にそれぞれ固定されるよ
うにすることができる。
【0018】なお、マスク固定部の先端は平坦でも円弧
状でもよく、円弧状にした場合はシャドウマスクを円筒
状に保持することができる。また、スリットの幅やマス
ク固定部の板厚を変化させてマスク固定部の剛性を調整
してもよく、マスク固定部に張り出し部を設けるか、補
強部材を設けることによって剛性を調整してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
一実施例に係るカラー陰極線管について詳細に説明す
る。図1に示すように、この実施例に係るカラー陰極線
管は、ガラス製の外囲器10を備え、この外囲器は、実
質的に矩形状のフェースパネル12と、これにつながる
スカート部13と、スカート部13に一体に接合された
漏斗状のファンネル14と、を備えている。フェースパ
ネル12の内面には、赤、緑および青に発光する蛍光体
ドットが規則的に配列された蛍光スクリーン16が形成
されている。ファンネル14のネック17内には、赤、
緑および青に対応する3本の電子ビーム18R,18
G,18Bを放出する電子銃11が配置されている。電
子銃11は陰極線管の管軸Z上に配設されている。
【0020】また、外囲器10内において、蛍光体スク
リーン16と所定の間隔で近接対向する位置には、規則
的に配列された多数の電子ビーム開孔19を有するほぼ
矩形状のシャドウマスク20が配置されている。シャド
ウマスク20は、その周縁がマスクフレーム30に接合
され、マスクフレーム30とともにマスクユニット21
を構成している。マスクユニット21は、マスクフレー
ム30から延出したマスクホルダー8をスカート部13
に固定されたスタッドピン7に嵌合することにより、フ
ェースパネル12の内側に配置されている。
【0021】ファンネル14の外側には偏向ヨーク15
が装着されている。そして、電子銃11から放出される
3電子ビーム18R,18G,18Bを偏向ヨーク15
から発生する磁界により偏向するとともにシャドウマス
ク20によって選別し、蛍光体スクリーン16を水平、
垂直走査することにより、フェースパネル12にカラー
画像が表示される。
【0022】図2に示すように、シャドウマスク20
は、平坦で板厚の薄い矩形状の金属板で構成され、管軸
Zが通る中心と、水平軸Xに平行な一対の長辺と、垂直
軸Yに平行な一対の短辺とを有している。また、シャド
ウマスク20は、電子ビームが通る多数の電子ビーム開
孔19が穿設されている略矩形状の有孔部22と、この
有孔部22の周辺に位置した無孔部24とを有してい
る。
【0023】電子ビーム開孔19は、図3(a)に示す
ように、それぞれ円形に形成されている。なお、各電子
ビーム開孔19は、図3(b)に示すように、所定の方
向に並んで形成された矩形状に形成されていてもよい。
【0024】図2に示すように、マスクユニット21の
マスクフレーム30は金属板により4つの側壁を有する
矩形の筒状に形成され、管軸Zと同軸的に配設されてい
る。マスクフレーム30の各コーナーには、管軸Zと平
行に、マスクフレームの軸方向一端からほぼ中間部まで
延びる第1のスリット31が形成されている。また、マ
スクフレーム30には、各第1のスリット31の延出端
からX方向およびY方向にそれぞれ延びた第2のスリッ
ト32が形成されている。
【0025】上記第1および第2のスリットを形成する
ことにより、マスクフレーム30は、連続した4つの側
壁37a,37b,37c,37dを有する矩形枠状の
フレーム本体37と、フレーム本体37の4つの側壁か
ら延出しそれぞれ独立した4つのマスク固定部33,3
4,35,36と、を構成している。フレーム本体37
の対向する一対の側壁37a,37bはX方向に延び、
および互いに対向する他の一対の側壁37c,37dは
Y方向に延びている。
【0026】マスク固定部33ないし36は、それぞれ
フレーム本体37の対応する側壁と平行に延びていると
ともに、各フレーム固定部の長辺方向中間部が、第2の
スリット32間に規定された連結部38を介して、対応
する側壁の長辺方向中央部に連結されている。
【0027】本実施例において、第1および第2のスリ
ット31,32は、一定の幅に形成されている。第2の
スリット32は、フレーム本体37の各側壁と、対応す
るマスク固定部とを部分的に分離しており、後述するよ
うに各第2スリットの幅、長さ等を調整することによっ
てマスク固定部の各部位における剛性を調整することが
できる。
【0028】また、マスク固定部33ないし36の先端
縁は平坦な直線状に形成されている。そして、シャドウ
マスク20は、その一対の長辺側の側縁部がマスク固定
部33,34の先端縁に溶接固定され、一対の短辺側の
側縁部がマスク固定部35,36の先端縁に溶接固定さ
れている。また、シャドウマスク20は、X方向および
Y方向に引っ張られた状態で、つまり、張力を受けた状
態で、マスク固定部33ないし36に固定されている。
【0029】シャドウマスク20に張力を印加する方法
としては、例えば、図4に示すように、シャドウマスク
20を矢印で示すようにX方向およびY方向に所定の張
力で引っ張った状態でマスクフレーム30のマスク固定
部に溶接固定した後に張力を解除するか、あるいは、図
5に示すように、マスク固定部33,34,35,36
にその連結部38が塑性変形を生じない程度の圧縮力を
印加した状態で、シャドウマスク20の各側縁部を対応
するマスク固定部に溶接固定した後、圧縮力を解除する
か、の方法をとることができる。
【0030】上記のように構成されたマスクユニット2
1を外囲器10内に保持するための前述したマスクホル
ダ8は、フレーム本体37の側壁37aないし37dに
それぞれ設けられている。
【0031】次に、上記のように構成されたマスクユニ
ット21のマスクフレーム30の剛性について説明す
る。まず、第1および第2のスリット31,32を有し
ない矩形のマスクフレームを考えた場合、例えば、長辺
側のフレーム側壁の両端部、つまり、フレームのコーナ
ー部は、短辺側のフレーム側壁が支えとなっているた
め、フレーム側壁中央部に比較して剛性が高い。そのた
め、図6に示すように、マスクフレームの側壁に外部か
らの均一な圧縮力を印加すると、長辺側のフレーム側壁
の両端部における圧縮力による歪は、フレーム側壁部の
中央部に比べて小さくなる。
【0032】一方、マスクフレームに第1のスリット3
1のみを形成した場合、4つのマスク固定部33ないし
36の各々は、その両端部が他のマスク固定部から分離
して独立しているが、フレーム本体37のコーナー部は
各フレーム側壁の中央部に比較して剛性が高く、各マス
ク固定部の両端部は、剛性の高いフレーム本体コーナー
部に連結されている。そのため、各マスク固定部の両端
部は、フレーム本体コーナー部の影響を受け、マスク固
定部の中央部に対して剛性が大きくなる。従って、各マ
スク固定部33,34,35,36はその長手方向に沿
った各位置で剛性差を生じ、長手方向両端部が長手方向
中間部に比べて剛性が大きくなる。
【0033】これに対して、本実施例の如く、各第1の
スリット31から各フレーム側壁の中央部に向かって延
びる第2のスリット32を形成することにより、各マス
ク固定部、特に、マスク固定部の両端部をフレーム本体
37の対応する側壁の両端部から分離することができ、
フレーム本体37の剛性のばらつきが各マスク固定部に
影響することを防止できる。特に、本実施例において
は、各第2のスリット32の長さ、言い替えると、連結
部38の幅、を調整することにより、各マスク固定部の
剛性をマスク固定部の長手方向に沿ってほぼ均一にする
ことが可能となる。
【0034】図7は、17インチのカラー陰極線管用の
シャドウマスクユニットのフレーム本体37に垂直方向
(Y方向)の均一な圧縮力を印加したときの長辺側のマ
スク固定部33の各部位の歪を、第2のスリット32の
長さを変えて調べた結果を示している。図7中、横軸は
マスク固定部の長辺に沿った各位置を表し、約30mm間
隔で歪を測定してある。また、総圧縮力が44kgとし
ている。
【0035】第2のスリットを有しない従来のマスクフ
レームでは、特性線41で示すように、マスク固定部3
3の両端部の剛性は中央部に比較して約10倍(たわみ
量は10分の1)である。これに対し、第2のスリット
32の長さを大きくすると、つまり図2のX軸方向長さ
を長くすると、マスク固定部33の両端部と中央部との
剛性差は小さくなる。第2のスリット32の長さを11
5mmとしたときは特性線43に示すようにマスク固定部
33の端部と中央部とにおける剛性はほぼ均一になっ
た。この剛性分布は均一分布のみならず、第1および第
2のスリット31,32の寸法、形状、およびフレーム
形状等を変えることにより任意に選択することができ
る。
【0036】以上のように、各マスク固定部33ないし
36の剛性は、マスク固定部の長手方向に沿ってほぼ均
一であることから、張力を付加された状態でマスク固定
部33ないし36に固定されているシャドウマスク20
におけるしわの発生を防止することができる。
【0037】例えば、カラー陰極線管の製造工程中にお
いて、高温炉を通ることによってマスクユニット21が
一旦加熱された後に冷却された場合を考える。まず、図
8(a)に示すように、高温時にはシャドウマスク20
およびマスクフレーム30ともに熱膨張し、冷却時には
シャドウマスク20が先に冷えて縮み、マスクフレーム
を圧縮する方向に力が働く。このとき図8(b)に示す
ように、マスク固定部33,34,35,36は、それ
ぞれ剛性が均一であることから、各マスク固定部第1及
び第2の間隙によりマスク固定部33,34,35,3
6が均一に圧縮力はシャドウマスク20からの力により
その全長に亘ってほぼ均一に歪を生じる。そのため、シ
ャドウマスク20は冷えて収縮する際に局部的に引き延
ばされることがなく、局部的な塑性変形を生ずることが
ない。従って、シャドウマスク20およびマスクフレー
ム30の両方が充分に冷却された状態においても、図8
(c)に示すように、シャドウマスク20にしわが発生
することなくシャドウマスクを所定の張力を付与した状
態で保持することが可能となる。
【0038】また、図2に示すように、マスクフレーム
30は、基本的に矩形状であるため、安価なプレス加工
による製造が可能である。即ち、各マスク固定部33,
34,35,36とフレーム本体37とを一枚の板材よ
りプレス加工により一体成形することができる。特に、
円形の電子ビーム開孔19を有するドットタイプのシャ
ドウマスク20の場合、細長いスリット状の電子ビーム
開孔を有するシャドウマスクに比較してヤング率が1/
3乃至1/5と小さく、必要な張力も小さい。そのた
め、プレス加工で成形されたマスクフレームの強度でも
十分に実用可能なマスクユニットを得ることができる。
【0039】例えば、厚さ50μm程度の極薄ドットタ
イプのシャドウマスクにおいては、マスクフレームに掛
かる総張力は40kg以下程度で済む。よって、マスク
フレーム各所に折曲げ補強部を設けることで厚さ2mm弱
の板材のプレス加工することによって製造したマスクフ
レームでも十分な強度を得ることができ、製造コストの
低減を図ることができる。また、比較的薄い板材によっ
て製造されたマスクフレームは、軽く、熱容量が小さい
ことから、フレーム冷却速度が速くなり、シャドウマス
クとマスクフレームとの温度差による影響も軽減され
る。
【0040】上記第1の実施例においては、シャドウマ
スク20にX方向、およびY方向の両方に張力を作用さ
せた状態で、シャドウマスクをマスクフレーム30に固
定する構成としたが、張力を作用させる方向は、X方向
およびY方向のいずれかの1つでもよい。
【0041】図9は、例えば、シャドウマスク20にY
方向にのみ張力を作用させる場合に用いるマスクフレー
ム30を示している。この第2の実施例によれば、マス
クフレーム30の内、シャドウマスク20の短辺側の側
縁が固定される一対のマスク固定部は省略され、マスク
フレーム30は、フレーム本体37と長辺側のマスク固
定部33,34のみとを有している。
【0042】このような構成においても、マスク固定部
33,34の各々に、マスク固定部の長手方向両端部か
ら中央部に向かって延びる第2のスリット32を形成す
ることにより、マスク固定部とフレーム本体37の側壁
37a,37bとを部分的に切離してマスク固定部の各
位置での剛性をほぼ均一に設定することができる。
【0043】また、第2の実施例において、図10に示
すように、フレーム本体37の側壁37c,37dに、
マスク固定部33,34とほぼ等しい高さのマスク接触
片51,52を設けてもよい。マスク接触片51,52
は、その先端部が、振動に弱いシャドウマスクの短辺側
の側縁に接触することでシャドウマスクのゆれを抑制す
る。特に、シャドウマスク短辺側の側縁を、弱いバネ定
数を持ったバネ部材を介してマスク接触片51,52に
接触させることで、シャドウマスクの振動をより有効に
軽減することができる。
【0044】上述した第1および第2の実施例は、いず
れも張力保持されるシャドウマスクが平坦な平板状のも
のを用いたが、本発明は、シャドウマスクが円筒形状に
張力保持されるカラー陰極線管にも適用できる。円筒形
状のシャドウマスクを有するカラー陰極線管に本発明を
適用した場合、上記実施例と同様に、シャドウマスクに
おけるしわの発生を防止できるばかりか、後述するよう
に、ドットタイプのシャドウマスクを円筒状に張力保持
する場合に起こり得る特有の問題をも解決できる。
【0045】図11は、円筒形状のシャドウマスクを有
するカラー陰極線管に適用される第3の実施例に係るマ
スクユニットのマスクフレーム30を示している。この
マスクフレーム30は、図9に示すマスクフレームとほ
ぼ同様に、矩形状のフレーム本体37と、シャドウマス
ク20の長辺側の側縁部が固定される一対のマスク固定
部33,34と、を備えている。各マスク固定部は、そ
の両端から中央部に向かってそれぞれ延びる第2のスリ
ット32を有し、その中央部が連結部38を介してフレ
ーム本体37の対応する側壁の中央部に連結されてい
る。
【0046】また、第3の実施例において、シャドウマ
スク20の側縁部が固定される各マスク固定部33,3
4の先端部は、中央部が最も高い円弧状に形成されてい
る。そして、シャドウマスク20を円弧状に張力保持す
る場合、基本的に円筒の軸方向、つまり、Y軸方向のみ
に張力を印加し、シャドウマスク20の長辺側の側縁部
をマスク固定部33,34に溶接することで、シャドウ
マスク20をマスクフレームに固定している。
【0047】次に上記のように構成されたマスクユニッ
ト31の作用について説明する。図12に示すように、
マスク固定部とフレーム本体との間に第2のスリットが
設けられていない従来のマスクフレーム30に、例えば
円形の電子ビーム開孔を有するドットタイプのシャドウ
マスク20を円筒状に張力保持した場合、図13および
図14に示すような垂直軸(Y軸)方向中央部で、シャ
ドウマスク20の落ち込みΔzを発生する。なお、図1
3において、曲線61はマスク固定部33の先端部での
マスク曲面、破線の曲線62はY軸方向中間部でのシャ
ドウマスク曲面を表している。
【0048】上述のように落ち込みΔzが発生するの
は、図14に示すように、ドットタイプのシャドウマス
ク20に垂直方向の張力Tを印加すると、垂直方向の伸
びに比例して水平方向(X方向)への縮みが発生するた
めである。この水平方向の縮みにより、シャドウマスク
20には水平方向外向きの力Thが出現し、Thの管軸
方向成分Tzがシャドウマスク中央部の落ち込みを引き
起こすことになる。
【0049】この落ち込みは、水平方向各位置でのシャ
ドウマスク20に作用する張力の分布に依存する。即
ち、図15(a)に示すように、シャドウマスク20の
長辺中央部に作用する張力T1と、長辺の水平方向両端
部にそれぞれ作用する張力T2との関係がT1<T2で
ある場合、水平方向外向きの力Thが大きくなり、結果
として図15(b)に示すようにシャドウマスク中央部
の落ち込みが大きくなる。これに対して、図16(a)
に示すように、張力分布がT1>T2である場合、Th
は小さくなり、結果として図16(b)に示すように、
シャドウマスク中央部の落ち込みは抑制される。
【0050】図17は、17インチのカラー陰極線管用
のマスクユニットについて、シャドウマスク20の長辺
に作用する張力の分布を変化させたときのシャドウマス
ク垂直軸上での落ち込み量を測定した結果を示してい
る。この図から分かるように、長辺の水平方向中央部の
張力T1と水平方向端部の張力T2との関係がT1<T
2となっているときは、シャドウマスク中央部での水平
方向張力成分Thが大きくなり、結果として特性線71
に示されるようにシャドウマスクの落ち込み量が大きく
なる。張力の関係がT1=T2となれば、特性線72に
示すようにシャドウマスク20の落ち込みは抑制され
る。
【0051】また、長辺の水平方向端部の張力T2を中
央部の張力T1に比べて小さく、T1>T2となるよう
にすれば、シャドウマスク20の垂直方向中央部での水
平方向張力Thが小さくなり、特性線73で示すよう
に、落ち込み現象はかなり抑制されていることがわか
る。なお、図17のデータは、マスクフレームのマスク
固定部33,34のX軸方向長さが330mm、シャドウ
マスクの側縁部が溶接された先端部が曲率半径1100
mmの円弧となっているマスクユニットに基づいている。
シャドウマスク20の落ち込み量は張力分布のみに依存
するものであるから、総張力を変えても分布が一定であ
れば落ち込み量は不変である。
【0052】カラー陰極線管の動作時、シャドウマスク
20は電子ビームの照射により加熱され熱膨張を引き起
こす。第2のスリットを持たない従来のマスクフレーム
においては、ビーム照射時の温度上昇によりシャドウマ
スクが一様に熱膨張すると、剛性の高い長辺の水平方向
両端部でのシャドウマスク20の張力T2が著しく低下
する。このため、シャドウマスク加熱時の張力分布は、
加熱前の分布に比べてT1>T2の方向へと変化する。
その結果、シャドウマスク落ち込み量が減少し、この落
込みに起因する電子ビームのランディングずれが画面中
央方向へ移動する。
【0053】これに対して、図11に示す本実施例のマ
スクフレーム30によれば、第2のスリット32を有し
ていることから、マスク固定部33,34の各位置にお
ける剛性がほぼ均一であり、シャドウマスク20が熱膨
張した場合でも張力分布変化を生じず、電子ビームのラ
ンディング特性は劣化しない。
【0054】また、本実施例ではランディング変化が生
じない程にマスク固定部33,34の剛性を均一にしな
い場合でも、電子ビーム照射時のビームランディング変
化を軽減することが可能となる。つまり、電子ビーム照
射時のシャドウマスク20の熱膨張は、それ自体が画面
外方向への電子ビームのランディング変化を引き起こす
が、第2のスリット32の長さ、幅等を変更してシャド
ウマスク熱膨張時のシャドウマスクの張力分布の変化を
調整することで、シャドウマスク熱膨張時のシャドウマ
スクの落ち込み量を低減し、ランディングの変化を軽減
させることが可能である。
【0055】上記第1ないし第3の実施例において、各
マスク固定部は一定の厚さの板状部材で構成され、ま
た、マスク本体の側壁とマスク固定部とを分離している
第2のスリットは、いずれも一定の幅を有する帯状に形
成されているが、以下に示す実施例のように、マスク固
定部の厚さを変化させてもよく、あるいは、第2のスリ
ットの幅を変化させてもよい。
【0056】図18、図19(a)ないし図19(c)
は、平坦な矩形状のシャドウマスク20をY方向に沿っ
て張力を印加した状態でマスクフレーム30に固定した
マスクユニット31を構成した第4の実施例を示してい
る。マスクフレーム30は、矩形状のマスク本体37
と、シャドウマスク20の長辺側の側縁部が溶接固定さ
れた一対のマスク固定部33,34と、を備え、これら
のマスク固定部は、マスク本体の対向する2つの側壁3
7a,37bに連結部38を介して立設されている。
【0057】第4の実施例において、各マスク固定部3
3,34は、その長手方向両端部から中央部に向かって
徐々に板厚が厚くなるように形成され、それぞれ他方の
マスク固定部から離間する方向へ円弧状に突出した形状
をなしている。なお、フレーム本体37の側壁37a,
37bにおいて、各側壁の両端から中央に向かって延び
る第2のスリット32は、均一な幅の帯状に形成されて
いる。
【0058】なお、他の構成は前述した実施例と同一で
あり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細
な説明を省略する。上記構成の第4の実施例において、
マスク固定部33,34の各々は、その中央部が最も厚
く形成され長手方向両端部に向かって徐々に薄く形成さ
れている。そのため、マスク本体37の各側壁は、その
中央部に比較して両端部の剛性が高いにも拘らず、各マ
スク固定部の剛性を長手方向に沿ってほぼ均一にするこ
とができる。従って、前述した実施例と同様に、シャド
ウマスク20のコーナー付近におけるしわの発生を防止
し、色純度の高いカラー陰極線管の提供が可能となる。
【0059】図20は、シャドウマスク20をX方向お
よびY方向に張力を印加した状態で保持するための第5
の実施例に係るマスクフレーム30を示している。この
マスクフレーム30は、上記第4の実施例に係るマスク
フレームに、さらに、シャドウマスク20の短辺側の両
側縁部を溶接固定するための一対のマスク固定部35,
36を備えている。そして、マスク固定部35,36の
各々も、その長手方向両端部から中央部に向かって板厚
が徐々に厚くなるように構成されている。他の構成は上
記第4の実施例と同一である。
【0060】このように構成された第5の実施例におい
ても上記第4の実施例と同様の作用効果を得ることがで
きる。図21は、シャドウマスク20を一方向、例え
ば、Y方向に張力を印加した状態で保持する第6の実施
例に係るマスクフレーム30を示している。第6の実施
例によれば、マスクフレーム30は、シャドウマスク2
0の長辺側の両側縁部が溶接固定される一対のマスク固
定部33,34を備え、各マスク固定部は一定の板厚に
形成されている。そして、この実施例によれば、フレー
ム本体37の各側壁の両端から長手方向中央部に向かっ
て延びた一対の第2のスリット32の各々は、マスク固
定部の連結部38の近傍からマスク固定部の長手方向端
に向かって徐々に幅が広くなるように形成されている。
【0061】このような構成の第6の実施例において
も、各第2のスリット32の幅をマスク固定部の長手方
向端に向かって徐々に大きくすることにより、各マスク
固定部の剛性を長手方向に沿って均一にすることがで
き、前述と同様の作用効果をえることができる。
【0062】図22は、シャドウマスク20をX方向お
よびY方向に張力を印加した状態で保持するための第7
の実施例に係るマスクフレーム30を示している。この
マスクフレーム30は、上記第6の実施例に係るマスク
フレームに、さらに、シャドウマスク20の短辺側の両
側縁部を溶接固定するための一対のマスク固定部35,
36を備えている。そして、マスク固定部35,36の
各々も、一対の第2のスリット32によってフレーム本
体37の側壁37c,37dから部分的に分離され、連
結部38を介して対応する側壁の中央部に立設されてい
る。そして、この実施例においても、マスク固定部3
5,36の各々は一定の板厚に形成され、各第2のスリ
ット32は、マスク固定部の連結部38の近傍からマス
ク固定部の長手方向端に向かって徐々に幅が広くなるよ
うに形成されている。
【0063】このように構成された第7の実施例におい
ても上記第6の実施例と同様の作用効果を得ることがで
きる。なお、第4および第6の実施例において、各マス
ク固定部のシャドウマスクが固定される先端部は平坦な
形状としたが、これに限らず、図11に示す第3の実施
例の如く、マスク固定部の先端部を円弧状に形成し、シ
ャドウマスクを湾曲した状態で固定保持するようにして
もよい。
【0064】図23ないし図27(b)は、マスク固定
部に張り出し部あるいは補強部材を設けた実施例をそれ
ぞれ示している。図23に示す第8の実施例によれば、
矩形状のフレーム本体37の対向する一対の側壁37
a,37bには、シャドウマスク20の長辺側の側縁部
が溶接固定される一対のマスク固定部33,34がそれ
ぞれ連結部38を介して連結されている。マスク固定部
33,34の各々は、フレーム本体37の側壁37a,
37bと平行に延びる矩形板状に形成されているととも
に、連結部38を除く長手方向両端部が一対の第2のス
リット32によってフレーム本体37の側壁から分離さ
れている。
【0065】また、この実施例において、マスク固定部
33,34の各々の上端部または先端部は、他方のマス
ク固定部に向かってほぼ直角に折曲げられて細長い矩形
状の張り出し部42,43を構成している。そして、シ
ャドウマスクは、その長辺側の側縁部が張り出し部4
2,43にそれぞれ溶接固定され、Y方向に張力を不可
された状態でマスクフレーム30に支持される。なお、
本実施例において、前述した実施例と同一の部分には同
一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0066】上記構成の第8の実施例によれば、第2の
スリット32を設けることにより、各マスク固定部にお
ける剛性を長手方向に沿ってほぼ均一にすることができ
る。また、張り出し部42,43を設けることにより、
各マスク固定部の剛性を長手方向全域に亘ってほぼ均一
に上げることができる。従って、カラー陰極線管の製造
時におけるシャドウマスクのしわの発生を防止できると
ともに、シャドウマスクの張力に起因する各マスク固定
部33,34の変形を防止することができる。その結
果、色純度の劣化を起こしにくいカラー陰極線管の提供
が可能となる。
【0067】上記第8の実施例において、各マスク固定
部33,34の張り出し部42,43は、マスク固定部
に対して直角に延びている構成としたが、各張り出し
部、例えば、張り出し部42は、図24(a)に示すよ
うに下向きに鋭角に延びていてもよく、あるいは、図2
4(b)に示すように、上向きに鋭角に延びていてもよ
い。これらの場合においても、第8の実施例と同様の効
果を得ることができる。
【0068】また、張り出し部42,43は矩形状に限
らず、図25に示す第9の実施例のように、張り出し部
の先端縁が他方の張り出し部に向かって凸となる円弧状
となすように形成されていてもよい。この場合、張り出
し部42,43によりマスク固定部33,34の中央部
の剛性を特に増強させ、マスク固定部の剛性をその長手
方向に沿って一層均一にすることができる。
【0069】図26に示す第10の実施例によれば、一
対のマスク固定部33,34には、張り出し部42,4
3に代わって、細長い帯状の補強部材45,46が溶接
により固定されている。補強部材45,46は、L字状
の断面形状を有しているとともに、マスク固定部33,
34の全長に亘って延びている。
【0070】このように構成された第10の実施例にお
いても、補強部材45,46を設けることにより、各マ
スク固定部の剛性を長手方向全域に亘ってほぼ均一に上
げることができる。従って、カラー陰極線管の製造時に
おけるシャドウマスクのしわの発生を防止できるととも
に、シャドウマスクの張力に起因する各マスク固定部3
3,34の変形を防止することができる。その結果、色
純度の劣化を起こしにくいカラー陰極線管の提供が可能
となる。
【0071】上記第10の実施例において、各補強部材
45,46は、断面L字状に形成されてマスク固定部に
対して直角な延出部を有する構成としたが、各補強部
材、例えば、補強部材45は、図27(a)に示すよう
に上向きに鋭角に延びた延出部45aを有する構成とし
てもよく、あるいは、図27(b)に示すように、下向
きに鋭角に延びる延出部45bを有していてもよい。こ
れらの場合においても、第10の実施例と同様の効果を
えることができる。
【0072】なお、図25ないし27(b)において、
前述した実施例と同一の符号は同一の構成部分を示して
おり、その詳細な説明は省略する。以上説明した複数の
実施例において、マスク固定部およびフレーム本体は断
面が平板状となっている。しかしながら、マスク固定部
の構造は上記実施例に限定されず、次のような構造も可
能である。即ち、図28に示すように、フレーム本体3
7、およびマスク固定部33,34,35,36等に折
曲げ部81,82,83,84を設けてもよい。折曲げ
部を設けた場合、フレーム本体およびマスク固定部の強
度向上を図ることができる。従って、マスクフレーム3
0をより軽く、熱容量が小さい構造とすることが可能と
なり、製造工程中の高温炉におけるシャドウマスクとマ
スクフレームとの間の冷却速度差を小さくすることがで
きる。
【0073】さらに、上記複数の実施例におけるマスク
固定部の板厚の変化、スリット幅の変化などは一例であ
り、剛性の均一化を図れるように適宜調整すればよい。
さらに、上記実施例ではマスクフレーム30は一体成形
されたものとして説明してきたが、フレーム本体とマス
ク固定部とを別部材で形成した後、連結部でこれらを連
結して一体化するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マスク固定部の長手方向に沿った各位置における剛性分
布を任意に選択することが可能で、製造時のマスクしわ
の発生を抑制することができる。また、ランディング特
性の劣化を抑制することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るカラー陰極線管の全体
の断面図である。
【図2】上記カラー陰極線管のマスクユニットの分解斜
視図である。
【図3】シャドウマスクの要部を示す部分拡大図であ
り、(a)は円形の電子ビーム開孔を有するシャドウマ
スクの一部を拡大して示す平面図、(b)は矩形の電子
ビーム開孔を有するシャドウマスクの一部を拡大して示
す平面図である。
【図4】シャドウマスクを引っ張って張力を印加する方
法を示す平面図である。
【図5】マスクフレームを圧縮してシャドウマスクに張
力を印加する方法を示す平面図である。
【図6】従来のマスクフレームに圧縮力を印加した状態
を示す平面図である。
【図7】マスクフレームにおける第2のスリットの有
無、および第2のスリット長を変えた場合のマスク固定
部の各位置と歪量との関係を示すグラフである。
【図8】マスクユニットを加熱したのち冷却した場合の
シャドウマスクおよびマスクフレームの変形状態を示す
平面図である。
【図9】この発明の第2の実施例に係るマスクユニット
の斜視図である。
【図10】上記第2の実施例に係るマスクユニットの変
型例を示す斜視図である。
【図11】この発明の第3の実施例に係るマスクユニッ
トの斜視図である。
【図12】円弧状のマスク固定部を有する従来のマスク
ユニットを示す斜視図である。
【図13】上記従来のマスクユニットの側面図である。
【図14】上記従来のマスクユニットにおけるシャドウ
マスクへの力の作用状態を示す平面図である。
【図15】シャドウマスクの両端部に作用する張力がシ
ャドウマスク中央部に作用する張力よりも大きい場合を
説明する図であり、(a)はシャドウマスクの平面図、
(b)はマスクユニットの側面図である。
【図16】シャドウマスクの両端部に作用する張力がシ
ャドウマスク中央部に作用する張力よりも小さい場合を
説明する図であり、(a)はシャドウマスクの平面図、
(b)はマスクユニットの側面図である。
【図17】シャドウマスクの各部位に作用する張力とシ
ャドウマスク中央部の落込み量との関係を示すグラフで
ある。
【図18】この発明の第4の実施例に係るマスクユニッ
トに用いられるマスクフレームの斜視図である。
【図19】上記実施例のマスクユニットを示し、(a)
は平面図、(b)は短辺側の側面図、(c)は長辺側の
側面図である。
【図20】この発明の第5の実施例に係るマスクフレー
ムの斜視図である。
【図21】この発明の第6の実施例に係るマスクフレー
ムの斜視図である。
【図22】この発明の第7の実施例に係るマスクフレー
ムの斜視図である。
【図23】この発明の第8の実施例に係るマスクフレー
ムの斜視図である。
【図24】(a)および(b)は上記第8の実施例にお
ける張り出し部の変形例をそれぞれ示す斜視図である。
【図25】この発明の第9の実施例に係るマスクフレー
ムの斜視図である。
【図26】この発明の第10の実施例に係るマスクフレ
ームの斜視図である。
【図27】(a)および(b)は上記第10の実施例に
おける張り出し部の変形例をそれぞれ示す斜視図であ
る。
【図28】この発明の第11の実施例に係るマスクフレ
ームの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
20…シャドウマスク 30…マスクフレーム 31…第1のスリット 32…第2のスリット 33,34,35,36…マスク固定部 37…フレーム本体 37a,37b,37c,37d…フレーム本体の側壁 38…連接部 42,43…張り出し部 45,46…補強部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−96448(JP,A) 特開 平4−359840(JP,A) 特公 昭45−36255(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/07 H01J 9/14

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に蛍光体スクリーンが形成されたフ
    ェースパネルと、上記蛍光体スクリーンに対向配置さ
    れ、蛍光体スクリーンに向けて複数の電子ビームを出射
    する電子銃と、上記フェースパネルと電子銃との間に設
    けられたマスクユニットとを備え、上記マスクユニット
    は、ほぼ矩形の薄板で形成され、蛍光体スクリーンと対
    向して配置されているとともに、上記電子ビームが通過
    する多数の電子ビーム開孔を有するシャドウマスクと、
    シャドウマスクに張力を作用させた状態でシャドウマス
    クを保持したマスクフレームとを備えているカラー陰極
    線管において、 上記マスクフレームは、連続した4つの側壁を有するほ
    ぼ矩形状のフレーム本体と、上記シャドウマスクの互い
    に対向する少なくとも一対の側縁部に固定され、それぞ
    れ上記側縁部に沿って延びた少なくとも一対のマスク固
    定部と、を有し、上記一対のマスク固定部は、フレーム
    本体の互いに対向する少なくとも一対の側壁とそれぞれ
    平行に延びているとともに、各マスク固定部の長手方向
    中央部と対応する上記側壁の長手方向中央部に連結した
    連結部を有していることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 上記各マスク固定部は、平坦な先端部を
    有し、上記シャドウマスクの側縁部は上記先端部に固定
    されていることを特徴とする請求項1記載のカラー陰極
    線管。
  3. 【請求項3】 上記各マスク固定部は、凸状に湾曲した
    円弧状の先端部を有し、上記シャドウマスクの側縁部は
    上記先端部に固定されていることを特徴とする請求項1
    記載のカラー陰極線管。
  4. 【請求項4】 上記フレーム本体は、上記側壁の両端部
    から中央部に向かってそれぞれ延び上記側壁の両端部と
    上記マスク固定部とを分離しているとともに上記連結部
    を規定した一対のスリットを有していることを特徴とす
    る請求項1記載のカラー陰極線管。
  5. 【請求項5】 上記スリットは、上記側壁の端部から中
    央部に向かって一定の幅を有していることを特徴とする
    請求項4記載のカラー陰極線管。
  6. 【請求項6】 上記スリットは、上記側壁の端部から中
    央部に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されてい
    ることを特徴とする請求項4記載のカラー陰極線管。
  7. 【請求項7】 上記各マスク固定部は、一定の厚さを有
    する板状部材によって形成されていることを特徴とする
    請求項1記載のカラー陰極線管。
  8. 【請求項8】 上記各マスク固定部は、他方のマスク固
    定部に向かって延出した張り出し部を有していることを
    特徴とする請求項7記載のカラー陰極線管。
  9. 【請求項9】 上記張り出し部は、凸状に湾曲した円弧
    状の先端部を有していることを特徴とする請求項8記載
    のカラー陰極線管。
  10. 【請求項10】 上記マスクフレームは、上記マスク固
    定部に固定された補強部材を備えていることを特徴とす
    る請求項7記載のカラー陰極線管。
  11. 【請求項11】 上記補強部材は、細長い帯状に形成さ
    れ、上記マスク固定部のほぼ全長に亘って延びているこ
    とを特徴とする請求項10記載のカラー陰極線管。
  12. 【請求項12】 上記マスク固定部は、その長手方向両
    端部から中央部に向かって徐々に厚さが厚くなるように
    形成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー
    陰極線管。
  13. 【請求項13】 上記マスクフレームは、上記シャドウ
    マスクの長辺側の両側縁部が固定された一対の第1のマ
    スク固定部と、上記シャドウマスクの短辺側の両側縁部
    が固定された一対の第2のマスク固定部と、を備え、上
    記第1のマスク固定部は、その長手方向中央部が上記連
    結部を介して上記マスク本体の対向する一対の側壁の中
    央部にそれぞれ固定され、上記第2のマスク固定部は、
    その長手方向中央部が上記連結部を介して上記マスク本
    体の対向する他の一対の側壁の中央部にそれぞれ連結さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線
    管。
  14. 【請求項14】 内面に蛍光体スクリーンが形成された
    フェースパネルと、上記蛍光体スクリーンに対向配置さ
    れ、蛍光体スクリーンに向けて複数の電子ビームを出射
    する電子銃と、上記フェースパネルと電子銃との間に設
    けられたマスクユニットとを備え、上記マスクユニット
    は、ほぼ矩形の薄板で形成され、蛍光体スクリーンと対
    向して配置されているとともに、上記電子ビームが通過
    する多数の電子ビーム開孔を有するシャドウマスクと、
    シャドウマスクに張力を作用させた状態でシャドウマス
    クを保持したマスクフレームとを備えているカラー陰極
    線管において、 上記マスクフレームは、連続した4つの側壁を有するほ
    ぼ矩形状のフレーム本体と、上記シャドウマスクの互い
    に対向する一対の側縁部に固定され、それぞれ上記側縁
    部に沿って延びた一対のマスク固定部と、を有し、上記
    一対のマスク固定部は、フレーム本体の互いに対向する
    一対の側壁に立設されているとともに、上記一対の側壁
    の各々は、上記側壁の両端から中央部に向かって延びる
    一対のスリットを有し、上記マスク固定部は、上記一対
    のスリットにより上記側壁の両端部から分離されている
    ことを特徴とするカラー陰極線管。
  15. 【請求項15】 内面に蛍光体スクリーンが形成された
    フェースパネルと、上記蛍光体スクリーンに対向配置さ
    れ、蛍光体スクリーンに向けて複数の電子ビームを出射
    する電子銃と、上記フェースパネルと電子銃との間に設
    けられたマスクユニットとを備え、上記マスクユニット
    は、ほぼ矩形の薄板で形成され、蛍光体スクリーンと対
    向して配置されているとともに、上記電子ビームが通過
    する多数の電子ビーム開孔を有するシャドウマスクと、
    シャドウマスクに張力を作用させた状態でシャドウマス
    クを保持したマスクフレームとを備えているカラー陰極
    線管において、 上記マスクフレームは、連続した4つの側壁を有し上記
    電子銃の軸とほぼ同軸的に配設された矩形筒状に形成さ
    れ、 上記マスクフレームは、各対角部に上記軸と平行に形成
    されマスクフレームの軸方向一端側から軸方向中間部に
    向かって延びた第1のスリットと、各第1のスリットの
    延出端から上記対角部を構成している隣接した2つの側
    壁の中央部に向かって延びた一対の第2のスリットと、
    を備え、 上記マスクフレームは、第1および第2のスリットによ
    り、連続した4つの側壁を有する矩形状のフレーム本体
    と、それぞれフレーム本体の対応する側壁に一部が連結
    しているとともに互いに分離した4つのマスク固定部
    と、に区画され、 上記シャドウマスクは、その4つの側縁部が上記マスク
    固定部にそれぞれ固定されていることを特徴とするカラ
    ー陰極線管。
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