JP3469956B2 - 万引防止装置 - Google Patents

万引防止装置

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JP3469956B2
JP3469956B2 JP06763795A JP6763795A JP3469956B2 JP 3469956 B2 JP3469956 B2 JP 3469956B2 JP 06763795 A JP06763795 A JP 06763795A JP 6763795 A JP6763795 A JP 6763795A JP 3469956 B2 JP3469956 B2 JP 3469956B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、万引を防止するための
装置に関し、特に、被検出体として所定の共振周波数を
有する共振回路を予め商品等に取り付けておき、その共
振回路が出入口等の監視区域に存在することを電気的に
検出して、万引行為の発生を報知する万引防止装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の装置として、例えば
図書館や所定の商品を販売する商店等の出入口の両側
に、夫々送信アンテナと受信アンテナを設置すると共
に、貸出品や商品に予め取り付けた共振回路(被検出
体)の共振周波数と同じ周波数である電波(検出信号)
を送信アンテナから常時送出し、受信アンテナにより受
信された電波(受信信号)の信号レベルを検出して、万
引行為の発生を検知するようにしたものが実用化されて
いる。すなわち、この種の装置では、商品に取り付けた
共振回路が共振して、検出信号のエネルギを吸収・放出
することに伴う受信信号のレベル変化に基づき、送信ア
ンテナと受信アンテナとの間に共振回路が取り付けられ
た商品が存在するか否かを判定し、存在すると判定され
た際にブザーを鳴らしたりランプを点灯させて万引行為
の発生を報知するようにしている。
【0003】この種の万引防止装置においては、送信ア
ンテナから発せられる電波の出力に法律上の制限が設け
られており、また、ノイズを受信信号のレベル変化と誤
検出しないために、受信感度も適度に抑えられている。
この比較的弱い電波を受信信号として確実に受信するた
めに、送信アンテナから受信アンテナまでの距離は、例
えば1.8m程度といった制約が課せられる。この1.
8mという距離は、人が通過するための幅としては充分
であるが、出入口の広い商店等では、上記の送信アンテ
ナと受信アンテナの組(以下、ゲートという)を2組、
隣接して設置することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、ゲートを
2組設置すると、万引行為が発生した場合に、どちらの
ゲートにて発生したのかが判らない。すなわち、片方の
ゲートに商品が存在した場合には、そのゲートの受信ア
ンテナの受信信号はレベル変化を起こすが、隣接された
他方のゲートの受信アンテナもその信号を受信してしま
い、両ゲートにてブザーまたはランプによる報知動作が
行なわれてしまう。
【0005】この報知動作がなされたときに、片方のゲ
ートのみに通過者がいた場合には摘発が可能であるが、
両ゲートに人がいた場合には、真犯人に逃げられたり、
無実の客を捕まえたりすることになりかねない。本発明
は、こうした問題に鑑みなされたもので、複数のゲート
を設けた場合において、万引行為の発生を検出し且つど
ちらのゲートにて発生したかを正確に識別して報知する
ことができる万引防止装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の本発明は、図1に例示する
如く、所定間隔を空けて設置された第1送信アンテナ及
び第2送信アンテナと、該第1送信アンテナ及び第2送
信アンテナの中央に設置された受信アンテナと、所定の
指令を受けると該指令に応じた周波数の検出信号を、上
記第1送信アンテナ及び第2送信アンテナから夫々送出
させる第1送信手段及び第2送信手段と、検出周期とし
て予め設定された一定の周期にて同期信号を発生する同
期信号発生手段と、該同期信号を受信する毎に、上記一
定の周期の1/2よりも短い時間として予め設定された
掃引時間の間、上記検出信号の周波数を所定の周波数範
囲内の変化パターンにて変化させ、その後再び該同期信
号を受信するまでの時間帯は該検出信号の送出を停止さ
せる指令を上記第1送信手段に対して発する第1周波数
制御手段と、上記同期信号を受信する毎に上記掃引時間
の間、上記受信アンテナからの受信信号の信号レベルに
基づき、上記第1送信アンテナと当該受信アンテナとの
間に、共振周波数が上記周波数範囲内に設定された共振
回路を有する物品が存在するか否かを判定する第1物品
検出手段と、該第1物品検知手段により上記物品が存在
すると判定されたことを報知する第1報知手段と、上記
同期信号を受信してから上記掃引時間経過すると、許可
信号を発生する許可信号発生手段と、該許可信号を受信
する毎に、上記掃引時間の間、上記検出信号の周波数を
所定の周波数範囲内の変化パターンにて変化させ、その
後再び該許可信号を受信するまでの時間帯は該検出信号
の送出を停止させる指令を上記第2送信手段に対して発
する第2周波数制御手段と、上記許可信号を受信してか
ら上記掃引時間の間、上記受信アンテナからの受信信号
の信号レベルに基づき、上記第2送信アンテナと当該受
信アンテナとの間に、共振周波数が上記周波数範囲内に
設定された共振回路を有する物品が存在するか否かを判
定する第2物品検出手段と、該第2物品検知手段により
上記物品が存在すると判定されたことを報知する第2報
知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の万引防止装置において、上記第1物品検出手段
が、上記同期信号を受信すると、上記掃引時間の間、所
定時間毎に上記受信信号の信号レベルを検出する第1レ
ベル検出手段と、該第1レベル検出手段により検出され
た各信号レベルを順次記憶する第1記憶手段と、該第1
記憶手段に記憶された所定検出周期分の信号レベルを読
み出し、上記各検出周期において同一時刻に検出された
信号レベルの各平均値を算出する第1平均値算出手段
と、該第1平均値算出手段により算出された平均値に基
づいて上記物品が存在するか否かを判定し、上記物品が
存在すると判定すると、上記第1報知手段に報知動作を
行わせる第1判定手段と、を備え、上記第2物品検出手
段が、上記許可信号を受信すると、上記掃引時間の間、
所定時間毎に上記受信信号の信号レベルを検出する第2
レベル検出手段と、該第2レベル検出手段により検出さ
れた各信号レベルを順次記憶する第2記憶手段と、該第
2記憶手段に記憶された所定検出周期分の信号レベルを
読み出し、上記各検出周期において同一時刻に検出され
た信号レベルの各平均値を算出する第2平均値算出手段
と、該第2平均値算出手段により算出された平均値に基
づいて上記物品が存在するか否かを判定し、上記物品が
存在すると判定すると、上記第2報知手段に報知動作を
行わせる第2判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】更に、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の万引防止装置において、上記第1レベル検出手
段及び第2レベル検出手段は、夫々、発振周波数を制御
可能な第1発振器及び第2発振器と、該第1発振器及び
第2発振器からの発振信号と上記受信信号とを混合し
て、該受信信号の周波数を異なる周波数に変換する第1
周波数変換手段及び第2周波数変換手段と、該第1周波
数変換手段及び第2周波数変換手段により変換される上
記受信信号の周波数が常に所定の測定周波数となるよう
に、夫々上記第1発振器及び第2発振器の発振周波数を
制御する第1周波数変換制御手段及び第2周波数変換制
御手段と、上記第1周波数制御手段及び第2周波数制御
手段が送出する上記検出信号の周波数が変化される周期
と同一の検出周期で、且つ当該各検出周期内にて周波数
変換手段からの出力信号の信号レベルを上記受信信号の
信号レベルとして検出する第1検出手段及び第2検出手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用及び発明の効果】以上のように構成された請求項
1に記載の万引防止装置においては、第1送信アンテナ
と第2送信アンテナが所定間隔を空けて設置され、この
両送信アンテナの中央に受信アンテナがされている。同
期信号発生手段は、予め設定された一定の周期(以下、
検出周期という)にて同期信号を発生する。
【0010】第1周波数制御手段は、この同期信号を受
信する毎に、予め設定された掃引時間の間、第1送信手
段が発生する検出信号の周波数を所定の周波数範囲内の
変化パターンにて変化させ、掃引時間が経過すると、検
出信号の送出を停止させる。この掃引時間は検出周期の
1/2よりも短い時間として予め設定されるものであ
る。つまり、同期信号の検出から掃引時間の間、周波数
が変化される検出信号が第1送信アンテナから発せられ
ることになる。また、同期信号が発生されてから、掃引
時間だけ経過すると許可信号発生手段によって許可信号
が発生される。
【0011】そして、第2周波数制御手段は、この許可
信号を受信する毎に上記掃引時間の間、第2送信手段が
発生する検出信号の周波数を所定の周波数範囲内の変化
パターンにて変化させ掃引時間が経過すると、検出信号
の送出を停止させる。つまり、許可信号の受信から掃引
時間の間、周波数が変化される検出信号が第2送信アン
テナから発せられることになる。
【0012】このことから、第1送信アンテナからの検
出信号と第2送信アンテナからの検出信号とは、時間的
に重複することなく、交互に送出されることになる。一
方、第1物品検出手段は、同期信号を受信すると、上記
掃引時間の間、受信した検出信号の信号レベルに基づ
き、共振周波数が上記周波数範囲内に設定された共振回
路を有する物品が存在するか否かを判定する。もし、物
品が存在すると判定されると、第1報知手段が報知動作
を行なう。つまり、第1送信アンテナから送出される送
信信号に同期して物品の存否が判定され、物品が存在す
るときには万引が発生した旨を告げる報知が行なわれ
る。この判定に用いられる、同期信号の受信から掃引時
間の間に受信された検出信号は、第1送信アンテナから
送出されたものであるため、第1物品検出手段によって
検知される物品は、受信アンテナと第1送信アンテナと
の間(以下、第1ゲートという)にあることになる。
【0013】また、第2物品検出手段は、許可信号を受
信すると、上記掃引時間の間、受信アンテナからの受信
信号の信号レベルに基づき、共振周波数が上記周波数範
囲内に設定された共振回路を有する物品が存在するか否
かを判定する。もし、この判定によって物品が存在する
と判定されると、第2報知手段が報知動作を行なう。こ
の判定に用いられる、許可信号の受信から掃引時間の間
に受信された検出信号は、第2送信アンテナから送出さ
れたものであるため、第1物品検出手段によって検知さ
れる物品は、第2送信アンテナと受信アンテナとの間
(以下、第2ゲートという)にあることになる。
【0014】従って、請求項1に記載の万引防止装置に
おいては、送信される検出信号を2つの送信アンテナに
ついて交互に送信し、受信する側も送信に同期して交互
に且つ互いに独立して判定し、しかも第1送信アンテナ
から送信される検出信号の基準となる、同期信号も受信
してこれに同期して一方の判定処理を行なうため、どち
らのゲートにて万引が発生したかを識別可能に検出でき
る。また、夫々の物品検知手段に対応して第1報知手段
及び第2報知手段を備え、各物品検知手段による判定結
果を独立して報知するため、商店主等の使用者に、どち
らのゲートにて万引が発生したかを識別可能に報知する
ことができる。よって、万引行為をした者の摘発が適切
に行なえる。
【0015】次に、請求項2に記載の万引防止装置で
は、第1物品検出手段に備えられた第1レベル検出手段
が、掃引時間の間、所定時間毎に上記受信信号の信号レ
ベルを検出する。検出された信号レベルを、第1記憶手
段が、順次記憶していく。こうして第1記憶手段に、所
定検出周期分の信号レベルが記憶されると、第1平均値
算出手段が各掃引時間内において同一時刻に検出された
信号レベルの各平均値を算出する。そしてその平均値に
基づいて、第1判定手段により、物品が存在するか否か
が判定され、上記物品が存在すると判定されると、第1
報知手段に報知動作を行わせる。
【0016】また、第2物品検出手段も、第1物品検出
手段と同様に、第2レベル検出手段、第2記憶手段、第
2平均値算出手段、第2判定手段を備え、当該第2物品
検出手段に対応した、略同様の処理を行なう。以下、説
明する第1物品検出手段にて行なわれる処理は、第2物
品検出手段においても同様に行なわれるので、第1レベ
ル検出手段、第1記憶手段等の構成にて代表させ、例え
ば、「第1レベル検出手段(第2レベル検出手段)」の
ように表す。これは、第2レベル検出手段においても、
第1レベル検出手段と同様の処理を行なったり、対応す
る作用をすることを表すものとする。
【0017】つまり、請求項2の万引防止装置では、第
1レベル検出手段(第2レベル検出手段)は、検出信号
を受信する掃引時間内にて検出信号の信号レベルをサン
プリングし、第1記憶手段(第2記憶手段)に格納して
行く。そして所定検出周期分の信号レベル(1掃引時間
分の信号レベルを1個のデータ列と数えると、所定個の
データ列)が格納されると、第1平均値算出手段(第2
平均値算出手段)が、各検出周期において同時刻の信号
レベルを読み出し各時刻毎に平均を算出する。その各平
均値に基づいて第1送信アンテナ(第2送信アンテナ)
と受信アンテナとの間に共振回路を備えた物品が存在す
るか否かを判定するようにしている。
【0018】従って、本発明の万引防止装置によれば、
検出信号の周波数が変化される周波数範囲内(検出信号
の周波数帯域内)でランダムノイズが発生しても、算出
される受信レベルの平均値には大きな影響が現れないの
に対し、送受信アンテナ間に共振回路が検出周期にして
複数個分の時間帯に渡って存在する場合には、同一周波
数の検出信号に対応する時刻の信号レベルが該時間帯に
渡って大きく変動し、その平均値も定常値から大きく変
化する。このため、複数の検出周期に渡って共振回路を
検出できるよう、人が送受信アンテナの間を通過するの
にかかる時間に比べて、検出周期を充分短く(例えば、
数ms)設定しておけば、共振回路を持った人の存在だ
けを正確に検出することができる。よって、請求項2に
記載の万引防止装置によれば、請求項1に記載の発明に
よる効果に加え、ランダムノイズに影響されることな
く、万引行為の発生を常に正確に検出して報知すること
ができる。
【0019】更に、請求項3に記載の万引防止装置で
は、第1レベル検出手段(第2レベル検出手段)にて検
出信号の信号レベルを検出する際に、第1周波数変換手
段(第2周波数変換手段)が、発信周波数を制御可能な
第1発信器(第2発信器)からの発信信号と受信アンテ
ナの受信した検出信号とを混合して、検出信号の周波数
を異なる周波数に変換すると共に、第1周波数変換制御
手段(第2周波数変換制御手段)が、第1周波数変換手
段(第2周波数変換手段)により変換される検出信号の
周波数が常に所定の測定周波数となるように、第1発信
器(第2発信器)の発信周波数を制御し、第1検出手段
(第2検出手段)が、第1周波数変換手段(第2周波数
変換手段)からの出力信号の信号レベルを検出信号の信
号レベルとして検出する。
【0020】つまり、請求項3に記載の万引防止装置で
は、検出信号の周波数変化に応じて周期的に変化する検
出信号の周波数を一定の測定周波数に変換してから、受
信レベルを検出する、所謂ヘテロダイン方式を採用して
いる。従って、請求項3に記載の万引防止装置によれ
ば、請求項2に記載の発明による効果に加え、検出信号
の周波数が変化される周波数範囲(すなわち、検出信号
の周波数帯域)全域の受信レベルを検出することなく、
そのとき実際に送出されている検出信号の周波数につい
てのみ、受信レベルを検出することができるため、外来
ノイズによる影響を最小限に抑えることができ、ひいて
は共振回路を有する物品の有無をより正確に判定するこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明が適用された実施例について図
面を用いて説明する。まず図2は、実施例の万引防止装
置の構成を表すブロック図である。図2に示すように、
本実施例の万引防止装置は、例えばビデオテープや音楽
用コンパクトディスク等を販売する商店において、所定
の共振周波数f0(本実施例ではf0=8.23MH
z)を有するL−C共振回路Ma1若しくは共振回路M
a2が予め夫々取り付けられた物品M1若しくは物品M
2が、特定の出入口付近を通過したことを検出して、万
引行為の発生を報知するものであり、その出入口に所定
間隔(例えば3.6m)を空けて設置された第1送信ア
ンテナ1a及び第2送信アンテナ1bと、両送信アンテ
ナ1a,1bの中間に設置された受信アンテナ3と、共
振回路Ma1及びMa2の共振周波数f0を含む所定周
波数範囲f1〜f2(本実施例ではf1=7.38MH
z〜f2=9.07MHz)で掃引される検出信号を、
第1送信アンテナ1a及び第2送信アンテナ1bから夫
々送出させる第1送信装置5a及び第2送信装置5b
と、受信アンテナ3が受信した検出信号に基づき万引行
為の発生を検出して報知する受信装置7と、から構成さ
れている。
【0022】なお、共振回路Ma1及び共振回路Ma2
は、タグと呼ばれる専用の札、或いは商品の値札等に形
成された上で、夫々物品M1及び物品M2に取り付けら
れている。また、第1送信アンテナ1a及び受信アンテ
ナ3により挟まれた空間を第1ゲート、第2送信アンテ
ナ1b及び受信アンテナ3により挟まれた空間を第2ゲ
ートと呼ぶことにする。
【0023】第1送信装置5aは、CPU,ROM,R
AM等を備えたマイクロコンピュータ(以下、単にCP
Uという)9aと、CPU9aから出力される周波数デ
ータ(デジタルデータ)に応じて、所定周波数範囲(f
1〜f2)の正弦波信号を出力するダイレクト・デジタ
ル・シンセサイザ(以下、単にDDSという)11a
と、DDS11aの出力信号から不要な高調波成分を除
去するローパスフィルタ(LPF)13aと、ローパス
フィルタ13aから出力される信号のレベルを減衰させ
る可変減衰器15aと、可変減衰器15aの出力信号を
増幅して第1送信アンテナ1aから検出信号として送出
させる増幅器(AMP)17aと、を備えている。な
お、可変減衰器15aでの減衰値は、第1送信アンテナ
1aから送出される検出信号の出力レベルが、所定の規
定値以内に収まるように設定されている。
【0024】また、第2送信装置5bは、第1送信装置
5aと略同等の構成から成っている。すなわち、CPU
9bと、DDS11bと、ローパスフィルタ13bと、
可変減衰器15bと、増幅器17bと、を備え、CPU
9b以外は第1送信装置5aにおいて対応する構成と略
同じ作用をする。
【0025】一方、受信装置7は、夫々CPU,RO
M,RAM等を備えたマイクロコンピュータ(以下、単
にCPUという)21a,21bと、受信アンテナ3か
らの受信信号を入力して、受信帯域(f1〜f2)以外
の周波数成分を減衰させるバンドパスフィルタ(BP
F)23と、バンドパスフィルタ23からの受信信号を
増幅する増幅器(AMP)25と、この増幅された受信
信号レベルを外部からの制御電圧に応じて減衰させる可
変減衰器27と、CPU9aからの同期信号(後述)の
立ち下がりを検知するとCPU21aによって入力され
る周波数データ(デジタルデータ)を出力し、CPU2
1aからの許可信号(後述)の立ち下がりを検知すると
CPU21bによって入力される周波数データ(デジタ
ルデータ)を出力するスイッチング回路(以下、SWと
いう)28と、SW28から出力される周波数データに
応じて、所定周波数範囲(本実施例では、検出信号の周
波数よりも10.7MHzだけ高い18.08〜19.
77MHz)の正弦波信号を出力する、発振器としての
DDS29と、DDS29からの出力信号を増幅する増
幅器(AMP)31と、増幅器31の出力信号を入力し
て必要な周波数成分(18.08〜19.77MHz)
だけを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)33
と、バンドパスフィルタ33からの出力信号と可変減衰
器27からの受信信号とを混合して、受信信号を10M
Hz帯(本実施例では中間周波数fi=10.7MH
z)の信号に変換する周波数変換手段としてのミキサ3
5と、ミキサ35からの受信信号を入力して、中間周波
数fi以外の周波数成分を減衰させるIFバンドパスフ
ィルタ(IF−BPF)37と、IFバンドパスフィル
タ37からの出力信号を増幅するIF増幅器(IF−A
MP)39と、この増幅された受信信号を検波する検波
器41と、検波器41から出力される検波電圧信号を波
形整形するハイパスフィルタ(HPF)43及びローパ
スフィルタ(LPF)45と、ローパスフィルタ45か
ら出力された波形整形後の検波電圧信号を、デジタル信
号に変換してCPU21a,21bに出力するA/D変
換器47と、IF増幅器39から検波器41へ出力され
る10.7MHzの受信信号を検波するダイオード49
と、ダイオード49からの検波電圧が常に所定の基準電
圧Vとなるように可変減衰器27へ制御電圧を出力し
て、検波器41に入力される受信信号のレベルを一定に
保つ自動利得制御回路51と、第1ゲートにおける万引
行為の発生を報知する第1報知手段としてのランプ55
a及びブザー57aと、第2ゲートにおける万引行為の
発生を報知する第2報知手段としてのランプ55b及び
ブザー57bと、を備えている。
【0026】なお、可変減衰器27,ダイオード49,
及び自動利得制御回路51からなる制御ループは、IF
増幅器39から検波器41に入力される受信信号の全体
的なレベルを、検波器41にて検波可能なレベルに安定
させるためのものであり、受信信号の急峻なレベル変化
(例えば1KHz以上の変化)には追従しないように設
定されている。
【0027】また、第1送信装置5a及び受信装置7は
ケーブル59aにて結線され、第2送信装置5b及び受
信装置7はケーブル59bにて結線されている。このよ
うに構成された本実施例の万引防止装置においては、第
1送信装置5aのCPU9aが、後述する第1掃引処理
(図3)を実行することにより、第1送信アンテナ1a
からf1=7.38MHz〜f2=9.07MHzの検
出信号を掃引して送出させる。また、第2送信装置5b
のCPU9bが、後述する第2掃引処理(図8)を実行
することにより、第2送信アンテナ1bから同様の検出
信号を掃引して送出させる。そして、受信装置7のCP
U21aが、後述する第1物品検知処理(図4)を実行
することにより、受信アンテナ3が受信した検出信号の
信号レベルを検出し、その信号レベルに基づいて第1ゲ
ートにおける万引行為の有無を検知し、受信装置7のC
PU21bが、第2物品検知処理を実行することによ
り、受信アンテナ3が受信した検出信号の信号レベルを
検出し、その信号レベルに基づいて第2ゲートにおける
万引行為の有無を検知する。
【0028】そこでまず、第1送信装置5aのCPU9
aが実行する第1掃引処理について、図3を用いて説明
する。なお、この第1掃引処理は、第1送信装置5aに
電源が投入されると、常時繰り返して実行される。図3
に示す如く、第1掃引処理の実行が開始されると、まず
ステップ(以下、単にSと記す)110にて、1.7m
sだけ待ち、続くS120にて、同期信号を出力する。
この同期信号は、CPU9aの一出力端子の電圧レベル
を短時間(本実施例では0.1ms)だけHighにするこ
とにより発生される。なお、この出力端子の電圧レベル
は、第1送信装置5aの電源投入時にはLow にされてい
るものとする。そして、本実施例の万引防止装置におい
てはこの同期信号はケーブル59aを介してCPU21
a及びSW28に対して送出される。
【0029】こうして同期信号が発せられると、続くS
130にて、DDS11aへ出力する周波数データを初
期設定して、掃引範囲の最小値であるf1(=7.38
MHz)を表す周波数データを時間△tの間出力する。
Δtは、この検出信号の周波数を段階的に変化させると
きの1段階の長さで、△t=1.6ms/80=20μ
sと設定されている。
【0030】すると、第1送信装置5aにおいて、DD
S11aからは7.38MHzの正弦波信号が20μs
の間出力され、この正弦波信号が、ローパスフィルタ1
3a,可変減衰器15a,及び増幅器17aを介して、
第1送信アンテナ1aから検出信号として送出される。
なお、本実施例では、DDS11a,ローパスフィルタ
13a,可変減衰器15a,及び増幅器17aが、第1
送信手段に対応している。
【0031】そして、20μsが経過すると、続くS1
40にて、次の周波数データを設定してDDS11aに
出力する、第1周波数制御手段としての処理を実行す
る。ここで、本実施例では、検出信号の周波数を、f1
=7.38MHzからf2=9.07MHzまで、1.
6msの時間をかけて80段階で上昇させるようにして
いる。そこで、S140で出力する次の周波数データと
して、現在送出している検出信号の周波数に、その1段
階当りの周波数△f(△f=(f2−f1)/79=2
1.392KHz)を加算した周波数を表すデータを設
定する。
【0032】そして、続くS150にて20μs待ち、
続くS160にて、DDS11aに現在出力している周
波数データが、掃引範囲の最大値であるf2(=9.0
7MHz)を表す値に達したか否かを判定する。そし
て、S160にて、周波数データがf2を表す値に達し
ていないと判定した場合には、S140に戻って、DD
S11aへの周波数データの更新(S140)及び1段
階当りの時間△t待ち(S150)を繰り返す。
【0033】このように、DDS11aへの周波数デー
タが△t経過毎に△fずつ更新されていき、S160に
て、現在出力中の周波数データがf2を表す値に達した
と判定した場合には、S170に進んで、周波数データ
の出力を停止し、その後、前記S110に戻る。
【0034】すると、DDS11aは、S110及びS
120で待機される時間(1.7ms+0.1ms=
1.8ms)だけ、正弦波信号の出力を停止することと
なり、ひいては、検出信号の送出が1.8msだけ停止
される。そして、1.8msが経過すると、再びS12
0からS160までの処理が実行されて、同期信号が出
力されると共に、検出信号の周波数が、f1から、△t
(=20μs)が経過する毎に△f(=21.392K
Hz)ずつ増加されて再びf2まで上昇される。
【0035】つまり、この第1掃引処理の実行によっ
て、検出信号は、図6(A)に示すように、1.7ms
の送出停止期間(S110及びS160)、同期信号の
出力にかかる0.1ms(S120)、及び7.38M
Hzから9.07MHzまで80段階で周波数が増加さ
れる1.6msの掃引期間(S130〜S150)、か
らなる合計3.4msを1周期として、第1送信アンテ
ナ1aから送出される。以下、この3.4msの周期を
検出周期という。
【0036】次に、受信装置7のCPU21aが実行す
る第1物品検知処理について、図4を用いて説明する。
図4に示す如く、第1物品検知処理の実行が開始される
と、まずS210にて、CPU21a内部の初期化を行
なう。そして、続くS220にて、第1送信装置5a側
での検出周期に同期してDDS29の発信周波数を変化
させることにより、受信アンテナ3からの受信信号の周
波数を中間周波数fiに変換し、その周波数変換後の信
号レベルを検出する、第1データ取込処理を以下のよう
に実行する。
【0037】すなわち、まず、S410にて、第1送信
装置5aのCPU9aから送出される同期信号がHighレ
ベルからLow レベルに立ち下がったかを判定する。立ち
下がっていなければ再度S410に戻ってこのループを
繰り返すことにより、立ち下がるまで待つ。
【0038】そして、S410にて、同期信号に立ち下
がり変化があったと判定すると、S420に進んで、S
W28を介してDDS29へ出力する周波数データを初
期設定して、周波数変化範囲の最小値である18.08
MHz(=f1+fi)を表す周波数データを出力し、
続くS430にて20μsだけ待つ。
【0039】すると、DDS29からは、18.08M
Hzの正弦波信号が20μsの間出力され、この正弦波
信号が、増幅器31及びバンドパスフィルタ33を介し
てミキサ35に入力される。そして、このときには、既
述したように第1送信アンテナ1aからは7.38MH
zの検出信号が送出されているため、受信装置7におい
て、受信アンテナ3からの受信信号は、ミキサ35によ
り10.7MHzの信号に周波数変換された後、IFバ
ンドパスフィルタ37及びIF増幅器39を介して検波
器41に入力され、検波器41からの検波電圧が、ハイ
パスフィルタ43及びローパスフィルタ45にて波形整
形された後、A/D変換器47から出力される。
【0040】そして、CPU21aは、続くS440に
て、A/D変換器47からのデジタルデータ(以下、レ
ベルデータという)を取り込んでRAMに格納する、第
1検出手段(第1レベル検出手段)及び第1記憶手段と
しての処理を実行し、続くS450にて、次の周波数デ
ータを設定しSW28を介してDDS29へ出力する、
第1周波数変換制御手段としての処理を実行する。
【0041】なお、S450で設定される次の周波数デ
ータも、第1送信装置5aで実行される第1掃引処理の
S130と全く同様に、DDS29が現在出力している
正弦波信号の周波数に、第1掃引処理での1段階当りの
周波数△f(=21.392KHz)を加算した周波数
を表すデータである。
【0042】そして、続くS460にて、レベルデータ
を80個取り込んだか否か、すなわちS440の処理を
80回実行したか否かを判定し、レベルデータを80個
取り込んでいないと判定した場合には、続くS470に
て、第1掃引処理により検出信号の周波数が変化される
1段階当りの時間△t(=20μs)だけ待った後、S
440へ戻ってS440〜S470の処理を繰り返す。
一方、S460にて、レベルデータを80個取り込んだ
と判定した場合には、S470に進み、許可信号を出力
する。この許可信号は、S410における同期信号の立
ち下がり検出からレベルデータを80個取り込むのに十
分な時間(例えば1.61ms)が経過すると発せられ
るもので、CPU21aの一出力端子の電圧レベルを短
時間(本実施例では0.1ms)だけHighにすることに
より発生される。なお、この出力端子の電圧レベルは、
受信装置7の電源投入時にはLow にされているものとす
る。こうして許可信号が出力されると当該第1データ取
込処理を終了する。
【0043】つまり、第1データ取込処理では、同期信
号が立ち下がったことを検出することにより、この直後
に検出信号の送出が開始されることを検出し(S41
0)、そのタイミングから20μsの間は、DDS29
の発信周波数を18.08MHz(=f1+fi)に保
持し(S420,S430)、その後は、第1送信装置
5aと全く同様に、DDS29の発信周波数を、△t
(=20μs)が経過する毎に△f(=21.392K
Hz)ずつ増加させて、最終的に80段階で19.77
MHz(=f2+fi)まで上昇させるようにしている
(S450〜S470)。よって、DDS29からは、
常に検出信号よりもfi(=10.7MHz)だけ周波
数の高い正弦波信号が出力されることとなり、ひいて
は、受信アンテナ3からの受信信号が、常に中間周波数
fi=10.7MHzの信号に変換されて検波器41へ
入力されることとなる。
【0044】そして更に、第1データ取込処理では、D
DS29の発信周波数を△fだけ増加させる直前毎に、
検波器41にて検波された受信信号の信号レベル(検波
電圧)を、A/D変換器47を介してレベルデータとし
て取り込み、その各レベルデータをRAMに順次格納す
るようにしている(S440)。
【0045】従って、電源投入後に第1データ取込処理
が1回実行されると、RAMには、図6(B)の最上段
に示すように、80個のレベルデータD1・1 ,D1・2 ,
…,D1・79,D1・80が格納されることとなる。なお、図
6(B)において、D1・n は、第1送信アンテナ1aか
ら送出された検出信号の周波数が「(f1+(n−1)
・△f):但し、nは1〜80の整数」であるときのレ
ベルデータを表している。
【0046】そして、第1データ取込処理が1回終了す
る毎に許可信号が発生される。次に、CPU21aは、
この第1データ取込処理の実行を終了すると、図4にお
けるS230にて、第1データ取込処理を16回実行し
たか否かを判定し、16回実行していないと判定した場
合には、S220へ戻って、S220,S230の処理
を繰り返す。
【0047】そして、S230にて、第1データ取込処
理を16回実行したと判定すると、S240に進む。よ
って、S240に進むときには、図6(B)に示すよう
に、合計1280(=80×16)個のレベルデータが
RAMに格納されることとなる。なお、図6(B)にお
いて、Dm・n は、m回目(m掃引目)の第1データ取込
処理を実行した際に、n番目に取り込んだレベルデータ
を表している。
【0048】次いで、S240では、所定のカウンタn
を「0」にリセットし、続くS250にて、カウンタn
をインクリメントする。そして、続くS260では、上
述のように16回実行した各データ取込処理にて夫々n
番目にRAMに格納したレベルデータDm・n (m=1〜
16)の平均値Dnを算出する、第1平均値算出手段と
しての処理を実行する。
【0049】そして、続くS270にて、カウンタnの
値が80になったか否か、すなわち、1番目から80番
目の全てのレベルデータについて平均値の算出が終了し
たか否かを判定し、カウンタnの値が80ではないと判
定した場合には、S250に戻ってS250〜S270
の処理を繰り返す。そして、S270にて、カウンタn
の値が80になったと判定した場合には、S280に進
んで、前記S260で算出した全ての平均値D1〜D8
0をRAMに格納する。
【0050】よって、S280の処理が終了すると、R
AMには、図6(B)の最下段に示すように、16回の
各データ取込処理にて同じタイミングで検出したレベル
データ(すなわち、同一周波数の検出信号が送出された
際の受信レベル)を平均化した80個の平均値(以下、
アベレージデータという)D1〜D80が格納されるこ
ととなる。
【0051】そして、続くS290にて、算出した80
個のアベレージデータD1〜D80の中に、予め設定さ
れた所定範囲外のデータが存在するか否かをする、第1
判定手段としての処理を実行し、所定範囲外のデータが
存在した場合には、続くS300にて、ランプ55a及
びブザー57aを1秒間だけ駆動して、第1ゲートに物
品M1が存在することを報知(警報)する。なお、S2
90の判定で用いられる所定範囲とは、図7(B)に例
示するように、第1ゲートに物品M1が存在しない場合
に算出されるアベレージデータの値よりも所定値だけ大
きく設定された上限値VthHと、逆にそのアベレージ
データの値よりも所定値だけ小さく設定された下限値V
thLとの間の範囲であり、S290では、80個のア
ベレージデータD1〜D80のうち、何れか1つでも上
限値VthHを上回ったり下限値VthLを下回るもの
があると、物品M1が存在すると判定する。
【0052】そして、このS300の処理を実行した場
合、或いは、S290にて所定範囲外のアベレージデー
タが存在しないと判定した場合には、S310に移行し
て、RAMに格納したレベルデータのうち、最も古い1
掃引周期分のデータ、すなわち1回目のデータ取込処理
にて格納した80個のレベルデータD1・1 〜D1・80を消
去し、更に、m回目のデータ取込処理にて格納した各レ
ベルデータDm・1 〜Dm・80を、(m−1)回目のデータ
取込処理にて格納したレベルデータD(m-1)・1〜D(m-1)
・80としてRAMに格納し直し、続くS320にて、S
220の場合と全く同様に、図5に示した第1データ取
込処理を実行する。なお、このS320で実行される第
1データ取込処理にてRAMに格納される80個のレベ
ルデータは、最新のレベルデータD16・1〜D16・80 とし
てRAMに格納される。
【0053】そして、S320にて第1データ取込処理
の実行が終了すると、再び前記S240に戻って、S2
40〜S320の処理を繰り返し、これにより、その後
は、1検出周期分の80個のレベルデータを取り込む毎
に、その回のレベルデータと、その直前の15掃引周期
分のレベルデータとからなる合計16掃引周期分のレベ
ルデータを用いて、アベレージデータD1〜D80を算
出し、そのアベレージデータD1〜D80を用いて物品
M1の有無を逐次判定する。
【0054】次に、第2送信装置5bのCPU9bが実
行する第2掃引処理について、図8を用いて説明する。
なお、この第2掃引処理は、第2送信装置5bに電源が
投入されると、常時繰り返して実行されるもので、また
第2掃引処理にて発生される検出信号の波形は位相以外
は第1掃引処理にて発生される検出信号の波形と全く等
しいため、f1,f2,Δtの値は第1掃引処理におけ
る値と共通である。
【0055】図8に示す如く、第2掃引処理の実行が開
始されると、まずS510にて、CPU21aの発した
許可信号の立ち下がりを待ち、続くS520にて、DD
S11bへ出力する周波数データを初期設定して、掃引
範囲の最小値であるf1を表す周波数データを時間△t
の間出力する。
【0056】すると、第2送信装置5bにおいて、DD
S11bからは7.38MHzの正弦波信号が20μs
の間出力され、この正弦波信号が、ローパスフィルタ1
3b,可変減衰器15b,及び増幅器17bを介して、
第2送信アンテナ1bから検出信号として送出される。
なお、本実施例では、DDS11b,ローパスフィルタ
13b,可変減衰器15b,及び増幅器17bが、第2
送信手段に対応している。
【0057】そして、20μsが経過すると、続くS5
30にて、次の周波数データを設定してDDS11bに
出力する、第2周波数制御手段としての処理を実行す
る。すなわち、上述したように第1掃引処理と同様に、
検出信号の周波数を、f1=7.38MHzからf2=
9.07MHzまで、1.6msの時間をかけて80段
階で上昇させるため、S530で出力する次の周波数デ
ータとして、現在送出している検出信号の周波数に、そ
の1段階当りの周波数△f(=21.392KHz)を
加算した周波数を表すデータを設定する。
【0058】そして、続くS540にて20μs待ち、
続くS550にて、DDS11bに現在出力している周
波数データが、掃引範囲の最大値であるf2(=9.0
7MHz)を表す値に達したか否かを判定する。そし
て、S550にて、周波数データがf2を表す値に達し
ていないと判定した場合には、S530に戻って、DD
S11bへの周波数データの更新(S530)及び1段
階当りの時間△t待ち(S540)を繰り返す。
【0059】このように、DDS11bへの周波数デー
タが△t経過毎に△fずつ更新されていき、S550に
て、現在出力中の周波数データがf2を表す値に達した
と判定した場合には、S560に進んで、周波数データ
の出力を停止し、その後、前記S510に戻る。
【0060】すると、DDS11bは、次に許可信号の
立ち下がりが検出されるまでの時間だけ、正弦波信号の
出力を停止することとなる。許可信号は、上述したよう
に同期信号の立ち下がりから所定時間(例えば1.61
ms)経過後に発生される信号であるため、同期信号と
同じ3.4msを周期として発生されている。つまり、
同期信号から所定時間だけ遅れて、S520からS56
0までの処理が実行されて、検出信号の周波数が、f1
から、△t(=20μs)が経過する毎に△f(=2
1.392KHz)ずつ増加されてf2まで上昇され
る。
【0061】つまり、この第2掃引処理にて送出される
検出信号は、図6(A)に示したグラフを所定時間だけ
遅らせたものとなっている。すなわち、1.8msの送
出停止期間(S510及びS560),及び7.38M
Hzから9.07MHzまで80段階で周波数が増加さ
れる1.6msの掃引期間(S520〜S550)、か
らなる合計3.4msを1周期として、第2送信アンテ
ナ1bから送出される。
【0062】この第2掃引処理に対応して受信装置7側
にて、第2物品検知処理を行なう。なお、この第2物品
検知処理は、上述した第1物品検知処理を示す図4にお
いて、当該処理を行なったり、S220,S280,及
びS320にて行なうデータの格納の対称となったりす
るのがCPU21aではなくCPU21bであること以
外は、同等の処理である。つまり、S260を第2平均
値算出手段と、S290を第2判定手段と、S310に
おいて駆動されるランプ55a及びブザー57bを夫々
ランプ55b及びブザー57bと、読み替えると第2物
品検知処理となる。従い、S220及びS320にて行
なうデータ取込処理(以下、第2データ取込処理とい
う)のみについて説明する。
【0063】この第2データ取込処理は、図9に示す如
く実行される。すなわち、まず、S610にて、受信装
置7のCPU21aから送出される許可信号の立ち下が
りを待つ。そして、S610にて、同期信号に立ち下が
り変化があったと判定すると、S620に進んで、SW
28を介してDDS29へ出力する周波数データを初期
設定して、周波数変化範囲の最小値である18.08M
Hz(=f1+fi)を表す周波数データを出力し、続
くS430にて20μsだけ待つ。
【0064】すると、DDS29からは、18.08M
Hzの正弦波信号が20μsの間出力され、この正弦波
信号が、増幅器31及びバンドパスフィルタ33を介し
てミキサ35に入力される。そして、このときには、既
述したように第2送信アンテナ1bからは7.38MH
zの検出信号が送出されているため、受信装置7におい
て、受信アンテナ3が受信した検出信号は、ミキサ35
により10.7MHzの信号に周波数変換された後、I
Fバンドパスフィルタ37及びIF増幅器39を介して
検波器41に入力され、検波器41からの検波電圧が、
ハイパスフィルタ43及びローパスフィルタ45にて波
形整形された後、A/D変換器47から出力される。
【0065】そして、CPU21bは、続くS640に
て、A/D変換器47からのレベルデータを取り込んで
RAMに格納する、第2検出手段(第2レベル検出手
段)及び第2記憶手段としての処理を実行し、続くS6
50にて、次の周波数データを設定してSW28へ出力
する、第2周波数変換制御手段としての処理を実行す
る。
【0066】なお、S650で設定される次の周波数デ
ータも、第2送信装置5bで実行される第2掃引処理の
S530と全く同様に、DDS29が現在出力している
正弦波信号の周波数に、第2掃引処理での1段階当りの
周波数△f(=21.392KHz)を加算した周波数
を表すデータである。
【0067】そして、続くS660にて、レベルデータ
を80個取り込んだか否か、すなわちS640の処理を
80回実行したか否かを判定し、レベルデータを80個
取り込んでいないと判定した場合には、続くS670に
て、掃引処理により検出信号の周波数が変化される1段
階当りの時間△t(=20μs)だけ待った後、S64
0へ戻ってS640〜S670の処理を繰り返す。一
方、S660にて、レベルデータを80個取り込んだと
判定した場合には、当該データ取込処理を終了する。
【0068】つまり、第2データ取込処理は、S610
にて同期信号の代わりに許可信号の立ち下がりを待つこ
とと、許可信号の発生処理がないこと以外は、第1デー
タ取込処理と同じである。S610にて同期信号ではな
く許可信号を検知して当該処理が開始されることによ
り、第2データ取込処理は第1データ取込処理に対して
所定時間(例えば1.61ms)遅れて行なわれること
となる。また、第2データ取込処理が遅れることによ
り、第2物品検知処理も、第1物品検知処理に対して所
定時間だけ遅れて行なわれることとなる。
【0069】以上の時間関係を示すタイミングチャート
が図10である。すなわち、図10(A)はCPU9a
が発する同期信号、図10(B)は第1掃引処理によっ
て第1送信アンテナ1aから発せられる検出信号、図1
0(C)はCPU21aが発する許可信号、図10
(D)は第2掃引処理によって第2送信アンテナ1bか
ら発せられる検出信号を示す。
【0070】すなわち、時刻ゼロにて第1送信装置5a
が起動されると、図10(A)のように1.7ms後に
同期信号が0.1ms発せられる。すると続いて図10
(B)のように検出信号が1.6msの間、周波数f1
からf2まで段階的に変化される。この検出信号の送出
に充分な時間(例えば1.61ms)が経過すると、図
10(C)のように許可信号が0.1ms発せられる。
このときはε=0.01msとなる。この許可信号が立
ち下がると、図10(D)のように検出信号が1.6m
sの間、周波数f1からf2まで段階的に変化される。
また、図10(A)の同期信号は上記のように3.4m
sを周期として繰り返し送出されるため、図10(D)
の一つ目の検出信号の立ち下がりから図10(B)の検
出信号の立ち上がりまでは0.1−εms(0.1=
1.7+0.1−0.1−1.6)分のマージンがあ
る。
【0071】つまり、この図から明らかなように、第1
送信アンテナ1aから送出される検出信号及び第2送信
アンテナ1bから送出される検出信号は、所定の時間間
隔をおいてかわるがわる夫々の送信アンテナより送出さ
れる。従い、これら検出信号を受信する受信アンテナ3
は、両検出信号を交互に受信することとなる。上記した
ように、CPU21aは図10(B)の検出信号に関す
る処理、すなわち図4に示した第1物品検知処理のみを
行ない、図10(D)の検出信号に関する処理はCPU
21bが行なうため、上記した多量のデータ演算処理を
行なうにもかかわらず、CPU21a,21bにかかる
負担が少ない。
【0072】すなわち、図10(B)の検出信号を受信
アンテナ3が16個受信すると、第1平均値算出手段と
しての処理及び第1記録手段としての処理を行なうが、
これらの処理は図10(B)の次の検出信号が受信され
るまでの間に行なえば良いことになる。時間で言えば、
図10(B)の検出信号が立ち下がってから、次の同期
信号(図10(A))が立ち下がるまでの間、つまり
1.8ms(1.8=1.7+0.1)も時間があるこ
とになり、図10(C)の許可信号を発生させるための
時間0.1msを差し引いても、第1平均値算出手段と
しての処理及び第1記録手段としての処理を行なうには
充分であり、CPU21bの演算を行なう部分に、高価
な高速のCPUを使用する必要がない。一方のCPU2
1bにおいては、許可信号を発生する必要がないため、
更に処理を行なう時間に余裕がある。
【0073】また、同期信号を用いてその周期毎に処理
の同期をとるため、CPU9a,9b,21a,21b
の動作タイミングの拠所となる各クロック発振器も、高
精度であることが要求されない。つまり、発振される4
つのクロックに少々の誤差があっても、マスター信号と
なる図10(A)の同期信号、つまりCPU9aのクロ
ックに同期されて上記の第1平均値算出手段の処理、第
1記録手段等の処理は適切なタイミングにて行なわれ
る。
【0074】このように、第1ゲート側はCPU9aに
て、第2ゲート側はCPU9bにて時分割して検出信号
の送信を行ない、物品検知処理も第1ゲート側はCPU
21aにて、第2ゲート側はCPU21bにて夫々独立
に行ない、報知も異なる夫々ランプ及びブザーにて行な
われるため、どちらのゲートにて万引が発生したかを識
別可能に検出でき、商店主等の使用者に、その万引がど
ちらのゲートにて発生したかを識別可能に報知すること
ができる。よって、万引を行なった者の適切な摘発が行
なえる。
【0075】また、各物品検知処理にて行なわれる判定
処理も、ランダムノイズの影響を受けなることなく正確
な判定を行なうことができる。以下、第1ゲート側のみ
について説明を行なうと、第1送信アンテナ1aから図
6(A)に示した如く送出される検出信号の掃引周期と
同じ周期で、且つその各掃引周期内における1.6ms
の掃引期間にて所定の時間△t毎に、受信アンテナ3か
らの受信信号の信号レベルを、A/D変換器47を介し
てレベルデータとして順次RAMに格納し(S420〜
S470)、これにより、同一周波数の検出信号が送出
された際のレベルデータを複数掃引周期分(本実施例で
は16周期分)記憶するようにしている。そして、同一
周波数の検出信号に対応する16周期分のレベルデータ
を夫々平均化し(S240〜S280)、その各平均値
(アベレージデータ)D1〜D80に基づいて、第1送
信アンテナ1aと受信アンテナ3との間に共振回路Ma
1を備えた物品M1が存在するか否かを判定するように
している(S290)。
【0076】従って、本実施例の万引防止装置によれ
ば、検出信号の掃引周波数範囲内(f1〜f2)でラン
ダムノイズが発生し、図7(A)に示すように、受信装
置7においてA/D変換器47からCPU21aに入力
されるレベルデータに、大きなレベル変化が生じた場合
でも、図7(B)に示すように、算出されるアベレージ
データD1〜D80には大きな影響は現れない。これに
対して、第1送信アンテナ1aと受信アンテナ3との間
に共振回路Ma1(物品M1)が存在する場合には、同
一周波数の検出信号に対応するレベルデータが継続して
大きく変動し、図7(B)に示すように、そのアベレー
ジデータも定常値から大きく変化する。
【0077】従って、本実施例の万引防止装置によれ
ば、ランダムノイズの影響を受けることなく、共振回路
Maの存在だけを正確に検出することができ、ひいて
は、万引行為の発生を常に正確に検出して報知すること
ができる。また、本実施例の万引防止装置では、受信装
置7に電源が投入された後、レベルデータを16掃引周
期分だけ取り込んだ後は(S230:YES)、1掃引
周期分の80個のレベルデータを取り込む毎に、その回
のレベルデータと、その直前の15掃引周期分のレベル
データとからなる合計16掃引周期分のレベルデータを
用いて、アベレージデータD1〜D80を算出するよう
にしている(S240〜S320)。
【0078】つまり、常に16掃引周期分のレベルデー
タを取り込む毎に、アベレージデータを算出して共振回
路Ma1(物品M1)の有無を判定することも考えられ
るが、この場合には、1回の判定を行なう時間間隔が大
きくなってしまう。これに対して、本実施例の万引防止
装置によれば、電源投入後に最初にアベレージデータを
算出した後は、最も古い1掃引周期分のレベルデータを
捨てて最新の1掃引周期分のレベルデータを取り込む毎
に、アベレージデータD1〜D80を算出するようにし
ているため、1掃引周期毎に安定した判定を行なうこと
ができ、物品M1の存在を応答性良く検出することがで
きる。
【0079】また更に、本実施例の万引防止装置では、
受信装置7側にて受信信号の信号レベルを検出する際
に、DDS29から検出信号よりもfi(=10.7M
Hz)だけ周波数の高い正弦波信号を常に出力させ、そ
の正弦波信号と受信アンテナ3からの受信信号とをミキ
サ35により混合して、受信信号の周波数を中間周波数
fiに変換し、その周波数変換後の受信信号を検波器4
1にて検波するようにしている。つまり、本実施例の万
引防止装置では、検出信号の周波数変化に応じて周期的
に変化する受信信号の周波数を一定の周波数fiに変換
してから、受信レベルを検出する、所謂ヘテロダイン方
式を採用している。
【0080】従って、本実施例の万引防止装置によれ
ば、中間周波数fi以外の周波数成分を減衰させる狭帯
域のIFバンドパスフィルタ37を介して受信信号の信
号レベルを検出することができ、ひいては、検出信号の
掃引周波数範囲(f1〜f2)全域の受信レベルを検出
することなく、そのとき実際に送出されている検出信号
の周波数成分についてのみ、受信レベルを検出すること
ができるため、外来ノイズによる影響を最小限に抑え
て、共振回路Ma1を有する物品M1の有無をより正確
に判定することができる。
【0081】以上、本発明の一実施例である万引防止装
置について説明を行なってきたが、本発明は、この構成
に限らず、様々な態様にて実施しうる。例えば、上記万
引防止装置においては、同期信号発生手段としての処理
は第1送信装置5aのCPU9aに受け持たせたが、受
信装置7のCPU21b等の他のCPUに受け持たせて
も良い。この場合は、CPU9aが同期信号の立ち下が
りを検知して検出信号を第1送信アンテナ1aから送出
するようにする。
【0082】また、許可信号発生手段も、受け持ちのC
PUを変更しても良い。例えば、上記万引防止装置にお
いては、CPU21aにより許可信号は発生されたが、
これをCPU9bに受け持たせた場合においてCPU9
bは、CPU9aからの同期信号の立ち下がりを検出し
てから、少なくとも第1ゲート側の検出信号の掃引が終
了するのに必要な時間(上記例では1.61ms)だけ
待つ。そして許可信号をCPU21bに対して許可信号
を発した後、自らの検出信号の発生、すなわち第2掃引
処理を開始しても良い。
【0083】或は、同期信号を異なる装置から発生させ
ても良い。すなわち、同期信号発生装置を別途設け、そ
こから発生される同期信号の立ち下がりをCPU9a
(及びCPU21a)が検知して、検出信号の送出をす
る(及び第1データ取込処理を行なう)ように構成して
も良い。同様に、許可信号発生手段としての処理も別の
構成によっても良い。
【0084】また、同期信号発生手段と許可信号発生手
段とを兼ねた構成にしても良い。すなわち、一つの信号
発生装置にて同期信号と許可信号とを別々に発生させ、
同期信号は第1送信装置5a及び受信装置7のCPU2
1aに対して、許可信号は第2送信装置5b及び受信装
置7のCPU21bに対して送出させる。このようにす
ると、同期信号と許可信号とを共通のクロック発振器に
て容易に駆動できるようになる。
【0085】更に、第1送信装置5aの掃引時間と第2
送信装置5bの掃引時間は、上記万引防止装置において
は共通としたが、異なる値としても良い。また、検出信
号の変化のパターンを図6(A)のような直線的なパタ
ーンではなく、不規則に変化させても良い。或は、第1
送信装置5aと第2送信装置5bとで変化のパターンを
互いに異なるものにしても良い。何れの場合も、受信側
の物品検知処理を検出信号の送信に同期させて行ない、
変化のパターンに対応した周波数データをSW28に対
して出力することにより、上記の万引防止装置と同様に
適切な物品検知を行なうことができる。
【0086】また、上記例では同期信号及び許可信号の
立ち下がりを検出して、送受信の同期を取ったが、立ち
上がりを検出して行なってもいいのはもちろんである。
これを積極的に利用して、同期信号と許可信号とを共通
の信号にて表現しても良い。例えば、この共通信号は、
上記同期信号の立ち下がりから上記許可信号の立ち下が
りまでのタイミングにてHighとなり、他のタイミングで
はLow となるようにしておく。そして、第1掃引処理
は、この共通信号の立ち上げた後に開始し、第2掃引処
理は、この共通信号の立ち下がりを検知して開始しても
良い。
【0087】このときには、当然のことながら、受信装
置7の第1データ取込処理は、この共通信号の立ち上が
りを検知して開始し、第2データ取込処理は、この共通
信号の立ち下がりを検知して開始する。そして、掃引時
間は共通信号の幅(立ち上がりから立ち下がりまでの時
間)よりも充分小さくしておけば、共通信号の立ち上が
り或は立ち下がりの検出レベルの差を考慮することな
く、上記万引防止装置と同様に万引の摘発を適切に行な
うことができる。
【0088】また、上記万引防止装置では、許可信号の
発生は、同期信号を受信してから所定時間(1.61m
s)経つと行なわれるようにしたが、これに代えて、第
1データ取込処理が終了したら発生するようにしても良
い。このようにすると、処理の内容や温度等の条件によ
って、許可信号の発生されるタイミングが同期信号に対
して一定にならないことが予想されるが、第2ゲート側
の処理は、この許可信号に同期して行なわれるものであ
るため、何等問題は生じない。従い、上記万引防止装置
と同様の効果を奏することができる。
【0089】更に、受信機側のCPUとして高速なもの
を使用してもかまわない場合には、CPU21a,21
bの行なう処理を1個のCPUにて行なっても良い。こ
の場合、この1個のCPUは、同期信号の立ち下がりを
検出して1検出周期分の処理を開始し、1検出周期あた
り、検出信号の受信を2回ずつ行なう。そしてA/D変
換器47からのレベルデータをRAM上の異なる2つの
アドレス空間に交互に格納して行き、夫々について同時
刻毎の平均値を求め、物品の検知を行ない、検知できた
場合は夫々独立のランプ若しくはブザーを鳴らすように
する。なお、同期信号の立ち下がりを検出してから一つ
目の検出信号についての物品検知処理を終えるのに掛か
る時間が経過すると、第2送信装置5bのCPU9bに
対して許可信号を発生することにより、第2ゲート側の
送受信の同期を取るようにする。
【0090】この構成において、どちらのゲートにおい
て物品が検知されたかの識別は、同期信号の直後に受信
された検出信号か或はその次に受信された検出信号か、
すなわち、2つのアドレス空間の内のどちらに格納され
たデータに基づいた検知かによって行なう。このように
すると、受信装置7のCPUが一つで済むため、構成が
簡素になる。例えば、許可信号をCPU21aからCP
U21bに送るための構成、CPU21a,21bから
の周波数データを切り替えるためのSW28等が不要と
なる。なお、検出信号のデューティ比、つまり、検出周
期に対する掃引時間の長さを、1/2よりも充分短く取
ると、第1(第2)平均値算出処理等を行なうための時
間が確保でき、あまり高速でないCPUであっても使用
可能となる。
【0091】また、ゲート2つ分よりも更に広い出入口
を持つ商店等に対して、ゲートを3つ又はそれ以上設け
る場合にも、本発明の万引防止装置は僅に構成を変更す
るのみで容易に適用できる。例えば、ゲートが3つの場
合を例に取ると、上記万引防止装置の構成に加えて、更
に第2の受信装置及び第3報知手段を加え、出入口には
例えば、第1送信装置5a、受信装置7、第2送信装置
5b、そして第2の受信装置の順に並べ、この4つの装
置の間にて第1、第2、第3ゲートを構成する。そして
第2の受信装置は、CPU21aからの許可信号の立ち
下がりを検出して、受信装置7のCPU21bが行なう
処理と同じ物品検出処理を行なう。つまり、上記万引防
止装置自体の変更点は、許可信号を第2の受信装置に対
して送出できるように両受信装置間を結線し、また第2
送信アンテナ1bは、少なくとも受信装置7と第2の受
信装置との両方向に、検出信号を送出可能な指向性のア
ンテナにしておくのみで良い。
【0092】このとき、第2送信装置5bから発せられ
る検出信号は、受信装置7と第2の受信装置とで同時に
受信されることになるが、第2ゲート、第3ゲートの万
引を識別可能に検知して報知することができる。すなわ
ち、第3ゲート(第2ゲート)で万引が発生した場合、
共振回路による信号レベルの変化は第2の受信装置(受
信装置7)で検知されて報知動作が行なわれるが、受信
装置7(第2の受信装置)は共振回路までの距離が遠い
ために検知できない。従い、第2ゲート、第3ゲートの
万引を識別可能に検知できる。また、第1ゲートと第2
ゲートとはもとより識別可能であるから、3つのゲート
のどのゲートにおいて万引が発生しても、互いに識別可
能に判定し、報知することができる。
【0093】ゲートが4つの場合には、上記のゲートが
3つの場合の構成に加えて、更に第4の受信装置及び第
4の報知手段を設けても良いが、次のようにしても良
い。すなわち、検出周期の共通な本発明の万引防止装置
を2機(夫々、第1万引防止装置、第2万引防止装置と
いう)設置し、両装置共通の掃引時間を検出周期の1/
4よりも短く設定し、第1万引防止装置には、第2デー
タ取込処理にかかる時間として充分な時間が経過すると
第2の許可信号を発する第2許可信号発生手段を新たに
設ける。一方、第2万引防止装置は、同期信号発生手段
を排して同期信号の代わりに、第2の許可信号を用いて
掃引、検出の同期を取るようにする。すると、4つのゲ
ートの内のどこで万引が発生しても、互いに識別して適
切に摘発を行なうことができる。
【0094】これら、ゲートが3つの場合、或は4つの
場合の構成変更を適宜組み合わせることにより、ゲート
が5つ以上の場合にも、本発明の万引防止装置は柔軟に
対応することができる。また、上記万引防止装置では、
同期信号及び許可信号の伝送方法として、ケーブル59
a,59bにて送信装置5a,5bと受信装置7とを結
線したが、無線によっても良い。例えば、同期信号及び
許可信号を超音波、光送受信、若しくは掃引周波数(f
1〜f2)以外の電波等にして伝送しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 実施例の万引防止装置の構成を表すブロック
図である。
【図3】 第1送信装置で実行される第1掃引処理を表
すフローチャートである。
【図4】 受信装置で実行される第1物品検知処理を表
すフローチャートである。
【図5】 第1物品検知処理内で実行される第1データ
取込処理を表すフローチャートである。
【図6】 第1掃引処理及び第1物品検知処理の作用を
説明する説明図である。
【図7】 本実施例の万引防止装置において物品を検知
する原理を示す説明図である。
【図8】 第2送信装置で実行される第2掃引処理を表
すフローチャートである。
【図9】 第2物品検知処理内で実行される第2データ
取込処理を表すフローチャートである。
【図10】 同期信号、2つの検出信号、及び許可信号
の時間的関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1a,1b…送信アンテナ 3…受信アンテナ 5a,5b…送信装置 7…受信装置 9a,9b,21a,21b…マイクロコンピュータ
(CPU) 11a,11b,29…ダイレクト・デジタル・シンセ
サイザ(DDS) 13a,13b,45…ローパスフィルタ 15a,15b,27…可変減衰器 17a,17b,
25,31…増幅器 23,33…バンドパスフィルタ 28…スイッチン
グ回路(SW) 35…ミキサ 37…IFバンドパスフィルタ
39…IF増幅器 41…検波器 43…ハイパスフィルタ
47…A/D変換器 49…ダイオード 51…自動利得制御回路
53…比較器 55a,55b…ランプ 57a,55b
…ブザー M1,M2…商品 Ma1,Ma2
…L−C共振回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔を空けて設置された第1送信ア
    ンテナ及び第2送信アンテナと、 該第1送信アンテナ及び第2送信アンテナの中央に設置
    された受信アンテナと、 所定の指令を受けると該指令に応じた周波数の検出信号
    を、上記第1送信アンテナ及び第2送信アンテナから夫
    々送出させる第1送信手段及び第2送信手段と、 検出周期として予め設定された一定の周期にて同期信号
    を発生する同期信号発生手段と、 該同期信号を受信する毎に、上記一定の周期の1/2よ
    りも短い時間として予め設定された掃引時間の間、上記
    検出信号の周波数を所定の周波数範囲内の変化パターン
    にて変化させ、その後再び該同期信号を受信するまでの
    時間帯は該検出信号の送出を停止させる指令を上記第1
    送信手段に対して発する第1周波数制御手段と、 上記同期信号を受信する毎に上記掃引時間の間、上記受
    信アンテナからの受信信号の信号レベルに基づき、上記
    第1送信アンテナと当該受信アンテナとの間に、共振周
    波数が上記周波数範囲内に設定された共振回路を有する
    物品が存在するか否かを判定する第1物品検出手段と、 該第1物品検知手段により上記物品が存在すると判定さ
    れたことを報知する第1報知手段と、 上記同期信号を受信してから、上記掃引時間経過する
    と、許可信号を発生する許可信号発生手段と、 該許可信号を受信する毎に、上記掃引時間の間、上記検
    出信号の周波数を所定の周波数範囲内の変化パターンに
    て変化させ、その後再び該許可信号を受信するまでの時
    間帯は該検出信号の送出を停止させる指令を上記第2送
    信手段に対して発する第2周波数制御手段と、 上記許可信号を受信してから上記掃引時間の間、上記受
    信アンテナからの受信信号の信号レベルに基づき、上記
    第2送信アンテナと当該受信アンテナとの間に、共振周
    波数が上記周波数範囲内に設定された共振回路を有する
    物品が存在するか否かを判定する第2物品検出手段と、 該第2物品検知手段により上記物品が存在すると判定さ
    れたことを報知する第2報知手段と、 を備えることを特徴とする万引防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の万引防止装置におい
    て、 上記第1物品検出手段が、 上記同期信号を受信すると、上記掃引時間の間、所定時
    間毎に上記受信信号の信号レベルを検出する第1レベル
    検出手段と、 該第1レベル検出手段により検出された各信号レベルを
    順次記憶する第1記憶手段と、 該第1記憶手段に記憶された所定検出周期分の信号レベ
    ルを読み出し、上記各検出周期において同一時刻に検出
    された信号レベルの各平均値を算出する第1平均値算出
    手段と、 該第1平均値算出手段により算出された平均値に基づい
    て上記物品が存在するか否かを判定し、上記物品が存在
    すると判定すると、上記第1報知手段に報知動作を行わ
    せる第1判定手段と、 を備え、 上記第2物品検出手段が、 上記許可信号を受信すると、上記掃引時間の間、所定時
    間毎に上記受信信号の信号レベルを検出する第2レベル
    検出手段と、 該第2レベル検出手段により検出された各信号レベルを
    順次記憶する第2記憶手段と、 該第2記憶手段に記憶された所定検出周期分の信号レベ
    ルを読み出し、上記各検出周期において同一時刻に検出
    された信号レベルの各平均値を算出する第2平均値算出
    手段と、 該第2平均値算出手段により算出された平均値に基づい
    て上記物品が存在するか否かを判定し、上記物品が存在
    すると判定すると、上記第2報知手段に報知動作を行わ
    せる第2判定手段と、 を備えることを特徴とする万引防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の万引防止装置におい
    て、 上記第1レベル検出手段及び第2レベル検出手段は、夫
    々、 発振周波数を制御可能な第1発振器及び第2発振器と、 該第1発振器及び第2発振器からの発振信号と上記受信
    信号とを混合して、該受信信号の周波数を異なる周波数
    に変換する第1周波数変換手段及び第2周波数変換手段
    と、 該第1周波数変換手段及び第2周波数変換手段により変
    換される上記受信信号の周波数が常に所定の測定周波数
    となるように、夫々上記第1発振器及び第2発振器の発
    振周波数を制御する第1周波数変換制御手段及び第2周
    波数変換制御手段と、 上記第1周波数制御手段及び第2周波数制御手段が送出
    する上記検出信号の周波数が変化される周期と同一の検
    出周期で、且つ当該各検出周期内にて周波数変換手段か
    らの出力信号の信号レベルを上記受信信号の信号レベル
    として検出する第1検出手段及び第2検出手段と、 を備えたことを特徴とする万引防止装置。
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