JP3469906B2 - 内燃機関の燃焼状態診断装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼状態診断装置

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JP3469906B2
JP3469906B2 JP01322292A JP1322292A JP3469906B2 JP 3469906 B2 JP3469906 B2 JP 3469906B2 JP 01322292 A JP01322292 A JP 01322292A JP 1322292 A JP1322292 A JP 1322292A JP 3469906 B2 JP3469906 B2 JP 3469906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の失火などに
よる燃焼状態の異常を判定する装置に係り、特に、自動
車用内燃機関に好適な燃焼状態診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関における、例えば失火などによ
る燃焼状態の異常は、まず、それが発生すると未燃焼ガ
スが排出されるため、大気汚染の原因となる。さらに自
動車用の内燃機関など、触媒による排気ガス浄化装置を
備えたシステムでは、燃焼状態の異常により排出された
未燃焼ガスが触媒中で燃焼し、排気ガス浄化装置が異常
な高温になって性能が低下する虞れを生じる。そこで、
これらの対策のため、例えば失火が発生したことを検出
し、それを運転者に警告したり、失火が発生している気
筒に対する燃料の供給を中止したりする必要が生じる。
【0003】ところで、このような失火の検出装置に関
する従来技術としては、例えば特公昭51−22568
号公報や、特開昭62−54138号公報によるものが
あるが、これらの従来技術では、例えば1回でも失火を
検出したら、直ちに失火発生という診断を下すのではな
く、失火検出回数が所定回数を超えたときとか、失火が
所定時間継続した場合だけ失火信号(すなわち失火発生
という診断結果)を発生するようにしている。これは、
1回の失火でも、失火発生と診断しようとするために
は、検出装置にかなりの精度が要求されるようになり、
且つ、正常時にも失火であると診断してしまう確率が増
大してしまうからである。
【0004】また、例えば排気ガス浄化装置で使用され
ている触媒は、失火が多少発生したとしても、それで直
ちに性能が低下してしまうわけではない。そこで、従来
技術では、例えば触媒の温度許容度や検出装置の精度等
から、失火回数による判定に所定のしきい値を設定し、
このしきい値を超えたときだけ失火と診断するようにし
てあり、これにより、触媒の性能を低下させる虞れのあ
る回数、又は頻度の失火については確実に診断できるよ
うにしながら、失火検出装置の精度を上げることなく、
且つ、誤診断の確率が上がらないようにすることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特に自動車
用内燃機関においては、排気ガスの充分な浄化が要求さ
れており、このため、HC、CO、NOx等の排出許容
値(排気ガス規制値)も、年々低い値、すなわち、クリア
するのに厳しい値へと移行し、従って、触媒等による排
気ガス浄化装置は、ますます重要になってきている。
【0006】また、失火の検出等の自己診断機能の付与
を、法律により義務づけているところもあり、例えば、
米国カリフォルニア州の Air Resources Board(以下、
ARBと記す)が提案し、94年式車から適用されるこ
とになった、自己診断機能の付与を義務づける法律(以
下、OBD2と記す)では、排気ガスが或る程度以上悪
化したり、触媒の性能を低下させるような頻度(所定の
エンジン回転数当たりの回数として規定されている)で
失火が発生したときには、警告を発生することが求めら
れている。
【0007】しかして、このOBD2を満足するために
は、失火の頻度として数%程度の低い値をしきい値と
し、これにより失火の診断(警告を発生するかどうかの
判定)をする必要がある。然し乍ら、このような失火の
検出は、内燃機関に掛っている負荷が大きいときは容易
であるが、負荷が小さいときは難しいというように、負
荷の大小等のエンジンの運転状態によって、検出の難易
度が異なる。さらに、低速低負荷時には多少の失火が発
生しても、排気ガスの悪化や触媒の温度上昇等の悪影響
は少ないが、高速高負荷時には少ない失火でも悪影響が
大きいというように、失火による影響も、エンジンの運
転状態によって異なる。
【0008】従来技術では、運転状態を考慮してないの
で、前記OBD2を満足しようとすると、診断のための
しきい値として、前述のように、頻度として数%という
低い値で、しかもエンジンの全運転領域にわたって同じ
に設定する必要があり、このため、例えば低負荷時には
誤診断の発生の可能性が高くなるとか、失火検出装置の
検出精度をかなり高いものとしなくてはならなくなると
いった問題がある。
【0009】これに対して、前記OBD2では、運転状
態に応じて失火回数のしきい値を設定するように記載さ
れており、失火の影響の少ない低負荷時には大きな値の
しきい値を設定することができるので、前述のような問
題は発生しにくい。しかして、この場合でも以下に述べ
るような問題が残っている。すなわち、所定回転の間の
失火回数を計測し、その所定回転経過終了時点での運転
状態に基づいたしきい値により診断をすることになるの
で、その所定回転の間に運転状態が変化した場合、失火
による影響が大きい場合でも失火と診断しなかったり、
その逆に影響がほとんど無いような場合に失火と診断し
てしまうことがあるという問題が残ってしまうのであ
る。
【0010】なお、このことは、前述の所定回転の間運
転状態が変化しない場合には、発生しないが、自動車で
は、一般に例えば加速や減速等、運転状態が変化するの
で、解決すべき問題として残る。しかして、この問題に
限った場合の解決策として、失火の回数を計測する所定
回転(または、所定期間)を短くして、その間の運転状態
の変化が大きくならないようにする方法もある。
【0011】然し乍ら、このようにすると、結果として
失火回数のしきい値を少ない値に設定せざるを得なくな
り、前述のような検出装置の要求精度の上昇等の問題が
生じてしまう。さらに、本当ならば悪影響の無いような
回数の失火であっても、頻度的にその失火が連続して発
生したら悪影響が有るようならば、失火と診断しなくて
はならなくなってしまう。
【0012】具体的には、例えば1000回転で50回
失火が発生すると悪影響がでるような場合、失火回数を
計測する回転区間を短くするため100回転に設定した
とすると、5回失火が有ったら失火という診断結果を発
生しなくてはならない。従って、仮に5回だけ失火が発
生し、それが100回転中であったとすると、悪影響が
ほとんど無い程度の失火であるにもかかわらず、失火発
生という診断結果となってしまう。
【0013】本発明の目的は、上記のような問題を解決
することにある。すなわち、失火等を検出する燃焼状態
検出装置の要求精度を必要以上に高くすることなく、ま
た、誤診断発生の確率が上ってしまうことなく、確実に
悪影響を及ぼす虞れのある頻度(または、回数等)の失火
を、精度よく診断することのできる燃焼状態診断装置を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、まず、内燃機関の失火等の燃焼状態を検出する燃焼
状態検出手段の外に、エンジンの運転状態を検出する運
転状態検出手段と、この運転状態検出手段により検出さ
れた運転状態から、その失火等による影響(排気ガスの
悪化、触媒の温度上昇等)の程度を評価する影響度評価
手段と、この影響度評価手段による評価結果から失火等
による異常燃焼発生の診断結果を発生する診断手段を設
けたものである。具体的には、上記目的を達成するた
め、内燃機関の失火等の燃焼の異常を検出する燃焼状態
検出手段と、この燃焼状態検出手段の出力により燃焼状
態を診断する診断手段とを備えた内燃機関の燃焼状態診
断装置において、内燃機関の運転状態を検出する運転状
態検出手段と、前記燃焼状態検出手段と前記運転状態検
出手段の検出結果に基づいて燃焼の異常による排気と触
の少なくとも一方に対する影響の程度を評価する影響
度評価手段とを設け、前記診断手段は、前記影響度評価
手段の評価結果を所定の期間積算し、この積算結果が所
定のしきい値を越えたとき燃焼状態が異常であることを
示す診断結果を発生し、この診断結果に基づいて前記燃
焼状態の異常診断を行なうようにしたものである。ま
た、同じく具体的には、上記目的を達成するため、内燃
機関の失火等の燃焼の異常を検出する燃焼状態検出手段
と、この燃焼状態検出手段の出力により燃焼状態を診断
する診断手段とを備えた内燃機関の燃焼状態診断装置に
おいて、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手
段と、前記燃焼状態検出手段と前記運転状態検出手段の
検出結果に基づいて燃焼の異常による排気と触媒の少な
くとも一方に対する影響の程度を評価する影響度評価手
段とを設け、前記診断手段は、前記影響度評価手段の評
価結果に時間的重み付けを施し、この時間的重み付け後
の評価結果に基づいて前記燃焼状態の異常診断を行なう
ようにしたものである。このとき、前記運転状態検出手
段は、内燃機関の吸入空気量及び供給燃料量の少なくと
も一方を、運転状態を表わすパラメータとして検出する
ように構成され、前記影響度評価手段は、このパラメー
タに基づいて評価結果を発生するように構成されている
ようにしてもよい。同じく具体的には、内燃機関の失火
等の燃焼の異常を検出する燃焼状態検出手段と、この燃
焼状態検出手段の出力により燃焼状態を診断する診断手
段とを備えた内燃機関の燃焼状態診断装置において、内
燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記
燃焼状態検出手段と前記運転状態検出手段の検出結果に
基づいて燃焼の異常による排気と触媒の少なくとも一方
に対する影響の程度を評価する影響度評価手段とを設
け、前記診断手段は、前記影響度評価手段の評価結果を
所定の期間積算し、この積算結果が所定のしきい値を越
えたとき燃焼状態が異常であることを示す診断結果を発
生し、この診断結果に基づいて前記燃焼状態の異常診断
を行なうようにしたものである。 また、同じく具体的に
は、内燃機関の失火等の燃焼の異常を検出する燃焼状態
検出手段と、この燃焼状態検出手段の出力により燃焼状
態を診断する診断手段とを備えた内燃機関の燃焼状態診
断装置において、内燃機関の運転状態を検出する運転状
態検出手段と、前記燃焼状態検出手段と前記運転状態検
出手段の検出結果に基づいて燃焼の異常による排気と触
媒の少なくとも一方に対する影響の程度を評価する影響
度評価手段とを設け、前記診断手段は、運転状態が変わ
ったときに、それぞれの運転状態に基づいた前記影響度
評価手段の評価結果に時間的重み付けを施し、この時間
的重み付け後の評価結果に基づいて前記燃焼状態の異常
診断を行なうようにしたものである。
【0015】
【作用】影響度評価手段の評価結果は、例えばその失火
1回あたりに排出される未燃焼ガスの量を表わすように
できるので、その評価結果を所定期間加算することによ
って失火によって排出されてしまう未燃焼ガスの総量を
求めることができる。そして、診断手段は、この影響度
評価手段の評価結果から排気ガスの悪化、触媒の温度上
昇等の影響を計算し、その値が許容値を超えたとき失火
等による異常燃焼発生の診断結果を発生する。
【0016】この影響度評価手段は、失火が発生したと
きの運転状態から、その失火による影響度を評価するこ
とができ、さらにその評価結果を、例えば所定期間加算
する等演算処理することにより、排気ガスの悪化や、触
媒の温度上昇等の影響を知ることができる。従って、失
火による悪影響を、たとえ運転状態が変化しているとき
であっても正確に知ることができる。
【0017】また、失火の検出が難しい低負荷領域で
は、失火による悪影響も小さいので、影響度評価手段に
より小さな値の評価結果が発生されるため、悪影響のほ
とんど無いような頻度の失火を、失火と誤診断してしま
うことがなく、この結果、失火の検出が難しい領域での
検出精度を、必要以上に上げる必要が無くなり、且つ、
誤診断の可能性を増加させてしまう虞れもなくなるり、
従って、運転者への警告や、例えば失火気筒への燃料供
給の中止等を正確に実行することができるようになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明による内燃機関の燃焼状態診断
装置について、図示の実施例により詳細に説明する。図
1は、本発明の一実施例を示すブロック図で、図におい
て、1は燃焼状態検出手段、2は運転状態検出手段、3
は影響度評価手段、そして4は診断手段である。
【0019】燃焼状態検出手段1は、例えばエンジンの
シリンダ内で燃焼が行なわれる毎に失火の発生の有無を
検出する働きをするもので、これは、例えば特開平3−
206342号公報に開示されている、内燃機関の回転
速度の変動から検出する方法を用いたものであるが、こ
れに限らず、燃焼室内の燃焼圧力、温度等から検出する
方法、排気ガス圧力の脈動、温度から検出する方法、燃
焼室内にイオンギャップを設け、その間を流れるイオン
電流から検出する方法、燃焼室内の燃焼光を測定し検出
する方法、或いは点火コイルを流れる電流波形等から検
出する方法等、数多くの公知の方法があり、これら何れ
の方法を用いるようにしてもよい。
【0020】運転状態検出手段2は、内燃機関の吸入空
気量、燃料供給量に関するパラメータ、あるいは、回転
速度、負荷、さらには、排気ガス温度、大気圧、気温等
のエンジンの運転状態に関するパラメータの中から少な
くとも1種類以上のパラメータを検出する働きをする。
【0021】影響度評価手段3は、燃焼状態検出手段
1、及び運転状態検出手段2の検出結果に基づいて、失
火による未燃焼ガスの燃焼により触媒の温度が異常に上
昇し、触媒の性能が低下するとか、未燃焼ガスにより排
気ガスの浄化が不完全になり、大気が汚染されるといっ
た失火による影響の度合いを評価し、その結果を出力す
る働きをするものであるが、ここで、この影響度評価手
段3による影響度評価の方法は、例えばエンジンの運転
状態に応じて、予じめ設定されている評価関数を用いて
行なうようになっている。
【0022】そして、このとき、用いる評価関数として
は、例えば1回の失火による触媒の損傷の程度や、排気
ガスの汚染の程度を運転状態ごとに定量化したものであ
り、影響度評価手段3は、燃焼状態検出手段1により失
火が検出される毎に、それに関する評価関数の値を評価
結果として出力する。評価関数の例を図2に示す。
【0023】まず、図2の(a)は、エンジンの吸入空気
量に対する評価関数の例で、吸入空気量が増加するのに
応じて、失火による未燃焼ガスの量が増加するため、排
気ガスの汚染の程度も大きくなる。従って、吸入空気量
に対する評価関数は、図示のように、吸入空気量の増加
に伴って、ほぼ比例する設定となる。
【0024】次に、図2(b)は、これも同じく吸入空気
量に対する評価関数の例であが、ここの場合には、排ガ
ス浄化装置での触媒の損傷の程度を考慮したものであ
る。すなわち、吸入空気量が比較的少ないときには排気
ガスの温度が低いため、多少の失火が発生しても触媒の
損傷はほとんど生じないが、吸入空気量が或る程度以上
になると、それにつれて排気ガスの温度が高くなるの
で、僅かの失火であっても触媒が損傷してしまう。従っ
て、評価関数は、図のように吸入空気量の増加に対して
途中から急激に増大するように設定してある。
【0025】また、図2の(c)は、例えば触媒の近傍で
の排気温度を考慮した場合の評価関数の例で、この場合
も、図2の(b)の場合と同様な理由により、図示のよう
な評価関数となる。なお、この場合には、さらにエンジ
ン負荷等に対する別の評価関数も設定し、これら2種類
の評価関数の、例えば積が影響度評価手段3から出力さ
れるようにしてもよく、この場合には、触媒の損傷具合
を、より正確に表わすことができる。
【0026】さらに、この評価関数としては、上記の例
における、例えば吸入空気量の代りに供給燃料量を用い
るようにしてもよく、或いは吸入空気圧力や1燃焼あた
りの燃料供給量等、エンジンの負荷に関する量と回転速
度との積を表わすパラメータを吸入空気量の代りに採用
することも可能であるし、スロットル開度と回転速度の
ように、2種類以上の運転状態パラメータを用い、これ
らの関数として評価関数を設定することもでき、その
他、例えば、気圧や気温に対して評価関数を設定した
り、或いは、これらにより、他の評価関数を補正するよ
うにすることも可能である。
【0027】ところで、以上述べた評価関数により求ま
り、影響度評価手段3から出力される評価結果は、1種
類である必要は無く、例えば失火の影響の種類により分
けられた複数の評価結果が出力されるようにしても良
い。
【0028】また、燃焼状態検出手段1が、ある所定期
間(短いことが望ましい)の間の失火の回数を検出するよ
うに構成されていた場合には、その所定期間を代表する
運転状態に対して求まる前述同様の評価関数と、失火の
回数との積を評価結果とするようにすれば良い。さら
に、燃焼状態検出手段1が失火の有無だけでなく、燃焼
状態の良否を検出するように構成されている場合には、
燃焼状態検出手段1からの検出結果のそれぞれに対して
評価関数を設定するようにしてもよく、これによれば、
さらに正確に、失火等の燃焼の異常による悪影響の程度
を求めることができるようになる。
【0029】また、燃焼状態検出手段1として、例えば
失火を検出する手段と、ノッキングを検出する手段のよ
うに、2種以上の異なった種類の燃焼の異常を検出する
手段を組み合わせて影響度評価手段3に入力し、それぞ
れに評価関数を適用することにより、例えば触媒の損傷
をいろいろな種類の異常に対し総合的に評価するように
もできる。
【0030】診断手段4は、影響度評価手段3の評価結
果に基づいて、診断結果を出力する働きをする。このと
きの診断結果を求める方法としては、例えば一定期間
(時間、点火回数等)の間、影響度評価手段3からの評価
結果を積算し、その値が所定のしきい値を超えたら異常
を示す診断結果を出力するようになっているが、これに
代えて、例えばエンジンが始動されて積算値を使うよう
にすれば、失火による未燃焼ガスの積算排出量を知るこ
とができるので、この値が所定のしきい値を超えたら異
常とするようにしても良い。また、特に触媒の損傷に重
点をおいて評価するような場合、評価結果に時間的な重
み付けを施しながら積算し、所定のしきい値と比較する
方法を採用しても良い。
【0031】図3は、本発明の一実施例が適用された内
燃機関の一例で、図において、エンジンの吸入空気は、
エアクリーナ5から吸入空気量センサ6により計量さ
れ、吸気管7、スロットルバルブ8、インテークマニホ
ールド9を経て燃焼室内に取り込まれる。排気管10の
途中には酸素濃度センサ11が設けられており、その下
流には排気ガスを浄化するための触媒12が設けられて
いる。そして、この触媒12の近傍には、排気ガスの温
度を計測するための排気温度センサ13が設けられてい
る。
【0032】次に、気筒の近傍にはノックセンサ21が
取り付けられ、エンジンのクランクシャフトには回転速
度及びクランク位置計測用の電磁ピックアップ15、1
6が設けられている。吸入空気量センサ6、酸素濃度セ
ンサ11、電磁ピックアップ15、16、ノックセンサ
21、それに排気温度センサ13からの各信号はコント
ロールユニット14に入力され、コントロールユニット
14では、これらの入力信号からエンジンに供給すべき
燃料量を計算し、インジェクタ20を駆動し、また、点
火時期を計算し、点火コイル17への電流を制御してい
る。点火コイルで発生した高圧の電流は、配電器18に
よりそれぞれの気筒の点火プラグ19に配電される。
【0033】図1に示した装置は、コントロールユニッ
ト14内に組み込まれており、それによる診断結果は、
診断結果出力端子22から出力されるが、この診断結果
出力端子22は、例えば運転席などにある異常警告燈へ
と結線され、失火発生等の異常時に点灯することによ
り、異常であることを運転者に警告する。
【0034】コントロールユニット14は、図4に示す
ように、CPU23、各センサからの信号を取り込むた
めの入力I/O24、処理プログラム及びデータを記憶
しておくためのメモリーであるROM25、データの読
み書きを行うためのメモリーであるRAM26、それに
各制御信号及び診断結果等を外部へ出力するための出力
I/O27とで構成されている。
【0035】なお、特開平3−206342号公報に示
された燃焼状態検出装置を採用した場合、燃焼状態検出
手段1自体も、上記の構成でコントロールユニット14
内に組み込むことも可能であるが、例えば、燃焼室内の
圧力により燃焼状態を検出する場合、コントロールユニ
ット14の外部に燃焼状態検出手段を設け、その出力信
号を入力I/O24から取り込むようにしても良いし、
燃焼室内の圧力に関する信号を入力I/O24から取り
込み処理するようにしても良い。
【0036】次に、CPU20の処理内容について、フ
ローチャートを用いて説明する。
【0037】図5は、所定期間毎の評価結果を加算して
いくようにした場合の一実施例で、例えば排気ガスの悪
化を評価するのに適しており、このルーチンは、例えば
毎点火サイクル毎に起動される。
【0038】ステップ101では、燃焼状態検出手段1
からの検出信号により失火の有無を調べる。失火が発生
している場合にはステップ102へ、発生していない場
合にはステップ107へ進む。ステップ102では運転
状態検出手段2から運転状態を読み込み、ステップ10
3では、運転状態に応じた評価関数を検索する。評価関
数は、例えば運転状態を示すパラメータの値に応じてR
OM25に記憶しておけば良い。そして、その検索結果
を変数MFAFとして記憶する。
【0039】次にステップ104では変数MFAFの積
算値を求め、これをTMFAFとして記憶する。ステッ
プ105では、積算値TMFAFをしきい値THAFと
比較し、THAFを超えているときは、ステップ106
で異常を示す診断結果を出力し、しきい値THAFを超
えていないときには、ステップ107へ進む。ステップ
107では、評価結果を加算する期間(例えば所定の点
火回数)をINTとし、カウンタCINTにより期間内
であるかを調べ、期間内であればステップ108でカウ
ンタCINTをインクリメントし、所定期間INT経過
時点で、ステップ109において積算値TMFAFとカ
ウンタCINTをクリアして、それぞれ処理を終了す
る。
【0040】ところで、この実施例では、失火検出毎に
積算値TMFAFとしきい値THAFとを比較している
が、例えば所定期間経過時点でのみ比較するようにして
もよく、その場合の一実施例を図6に示す。なお、この
実施例による処理内容は、図5の実施例における処理の
順序が入れ替わっただけなので、説明は省略する。
【0041】次に、図7は、本発明の別の一実施例のフ
ローチャートで、これは、評価結果に時間的重み付けを
施す場合の例で、例えば排気ガス温度の上昇による触媒
12の損傷を評価するのに適したもので、さらに、この
例では、失火が発生しなかった場合についても、失火発
生時とは別の評価関数を設定し、排気ガスの温度上昇等
を、より正確に求めることができるようになっている。
なお、このルーチンでも、例えば毎点火サイクル毎に起
動される。
【0042】まず、ステップ201では、運転状態検出
手段2から運転状態を読み込む。ステップ202では、
燃焼状態検出手段1からの検出信号により失火の有無を
調べる。そして、失火が発生している場合にはステップ
203へ、発生していない場合にはステップ204へ進
む。ステップ203では失火発生時用の評価関数Aを検
索して結果を変数MFAFに記憶する。ステップ204
では失火非発生時用の評価関数Bを検索して結果を変数
MFAFに記憶する。
【0043】ステップ205では、前回までの積算値T
MFAFに係数Kを掛けた値に、今回の変数MFAFを
加算した値を新たに積算値TMFAFとして記憶する。
このとき、係数Kの値として例えば0.0から1.0の
間の値を選ぶことにより、過去の失火の影響を徐々に少
なくして計算されることになる。なお、Kの値を固定値
ではなく、例えば内燃機関の回転速度に応じて変えてや
ることにより、時間の影響をより正確に反映させること
もできる。また、K=1とすれば、図5の実施例におけ
るステップ104や、図6の実施例におけるステップ1
14と同じになるし、図5のステップ104や図6のス
テップ114にKを導入することも可能である。
【0044】次に、ステップ206では、積算値TMF
AFをしきい値THAFと比較し、しきい値THAFを
超えているときは、ステップ207で異常を示す診断結
果を出力する。他方、しきい値THAFを超えていない
ときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、こ
の例でも、図5や図6の例と同様に、所定期間ごとに診
断するようにすることも可能である。
【0045】ところで、以上の実施例で、異常を示す診
断結果としては、例えばON/OFF信号として得るよ
うにしても良く、或いは失火の影響を示す積算値TMF
AFとして得るようにしても良い。そして、この診断結
果に基づいて、例えば、上記したように、運転者への警
告燈を点灯しても良いし、失火している気筒への燃料の
供給を中止するようにしても良い。
【0046】さらに、以上の実施例では、燃焼状態検出
手段の検出結果は失火の有無を表わすものとしたが、例
えば燃焼状態の良否を示す値を検出結果として出力して
いる場合には、その検出結果及び運転状態に対して評価
関数を設定すれば良い。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、悪
影響のほとんど無いような頻度の失火については、それ
を失火と誤診断してしまうことがなく、さらに、失火の
検出が難しい領域での検出精度を必要以上にあげること
もなく、失火による触媒の損傷の程度や、排出ガスの汚
染の程度を求めることができる。従って、運転者への警
告や、例えば失火気筒への燃料供給の中止等を正確に実
行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関の燃焼状態診断装置の一
実施例を説明するブロック図である。
【図2】本発明の一実施例において使用する評価関数の
説明図である。
【図3】本発明の一実施例が適用された内燃機関の一例
を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施例におけるコントロ−ルユニッ
トの内部構成図である。
【図5】本発明の一実施例における処理内容を示すフロ
ーチャートである。
【図6】本発明の他の一実施例における処理内容を示す
フローチャートである。
【図7】本発明のさらに別の一実施例における処理内容
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃焼状態検出手段 2 運転状態検出手段 3 影響度評価手段 4 診断手段 6 吸入空気量センサ 11 酸素濃度センサ 12 触媒 13 排気温度センサ 14 コントロールユニット 15、16 電磁ピックアップ 19 点火プラグ 20 インジェクタ 22 診断結果出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤木 工三 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (56)参考文献 特開 平3−168350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 368 F02D 45/00 364 F02D 45/00 366 G01M 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の失火等の燃焼の異常を検出す
    る燃焼状態検出手段と、この燃焼状態検出手段の出力に
    より燃焼状態を診断する診断手段とを備えた内燃機関の
    燃焼状態診断装置において、 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記燃焼状態検出手段と前記運転状態検出手段の検出結
    果に基づいて燃焼の異常による排気と触媒の少なくとも
    一方に対する影響の程度を評価する影響度評価手段とを
    設け、 前記診断手段は、前記影響度評価手段の評価結果を所定
    の期間積算し、この積算結果が所定のしきい値を越えた
    とき燃焼状態が異常であることを示す診断結果を発生
    し、この診断結果に基づいて前記燃焼状態の異常診断を
    行なうように構成されていることを特徴とする内燃機関
    の燃焼状態診断装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の失火等の燃焼の異常を検出す
    る燃焼状態検出手段と、この燃焼状態検出手段の出力に
    より燃焼状態を診断する診断手段とを備えた内燃機関の
    燃焼状態診断装置において、 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記燃焼状態検出手段と前記運転状態検出手段の検出結
    果に基づいて燃焼の異常による排気と触媒の少なくとも
    一方に対する影響の程度を評価する影響度評価手段とを
    設け、 前記診断手段は、前記影響度評価手段の評価結果に時間
    的重み付けを施し、この時間的重み付け後の評価結果に
    基づいて前記燃焼状態の異常診断を行なうように構成さ
    れていることを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の発明において、 前記運転状態検出手段は、内燃機関の吸入空気量及び供
    給燃料量の少なくとも一方を、運転状態を表わすパラメ
    ータとして検出するように構成され、 前記影響度評価手段は、このパラメータに基づいて評価
    結果を発生するように構成されていることを特徴とする
    内燃機関の燃焼状態診断装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関の失火等の燃焼の異常を検出す
    る燃焼状態検出手段と、この燃焼状態検出手段の出力に
    より燃焼状態を診断する診断手段とを備えた 内燃機関の
    燃焼状態診断装置において、 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記燃焼状態検出手段と前記運転状態検出手段の検出結
    果に基づいて燃焼の異常による排気と触媒の少なくとも
    一方に対する影響の程度を評価する影響度評価手段とを
    設け、 前記診断手段は、運転状態が変わったときに、それぞれ
    の運転状態に基づいた前記影響度評価手段の評価結果を
    所定の期間積算し、この積算結果が所定のしきい値を越
    えたとき燃焼状態が異常であることを示す診断結果を発
    生し、この診断結果に基づいて前記燃焼状態の異常診断
    を行なうように構成されていることを特徴とする内燃機
    関の燃焼状態診断装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関の失火等の燃焼の異常を検出す
    る燃焼状態検出手段と、この燃焼状態検出手段の出力に
    より燃焼状態を診断する診断手段とを備えた内燃機関の
    燃焼状態診断装置において、 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記燃焼状態検出手段と前記運転状態検出手段の検出結
    果に基づいて燃焼の異常による排気と触媒の少なくとも
    一方に対する影響の程度を評価する影響度評価手段とを
    設け、 前記診断手段は、運転状態が変わったときに、それぞれ
    の運転状態に基づいた前記影響度評価手段の評価結果に
    時間的重み付けを施し、この時間的重み付け後の評価結
    果に基づいて前記燃焼状態の異常診断を行なうように構
    成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断
    装置。
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