JP3468061B2 - 自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法並びに記録媒体 - Google Patents

自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法並びに記録媒体

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JP3468061B2
JP3468061B2 JP30755997A JP30755997A JP3468061B2 JP 3468061 B2 JP3468061 B2 JP 3468061B2 JP 30755997 A JP30755997 A JP 30755997A JP 30755997 A JP30755997 A JP 30755997A JP 3468061 B2 JP3468061 B2 JP 3468061B2
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    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/36Inputs being a function of speed
    • F16H59/38Inputs being a function of speed of gearing elements
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速時において、
各種の摩擦係合要素に対する液圧制御を行う自動変速機
の制御装置及び自動変速機の制御装置並びに記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用自動変速機では、変速
歯車機構の各種摩擦係合要素(クラッチやブレーキ等)
を選択的に油圧作動させて所定の変速段を選択し、作動
する摩擦係合要素を変更することにより他の変速段への
変速を行っている。
【0003】ところが、この変速時に選択された摩擦係
合要素への作動油圧が高すぎると、該摩擦係合要素の過
渡的な締結容量(伝達トルク容量)が過大となり、大き
な変速ショックを生じ、逆に作動油圧が低すぎると、過
渡的な伝達トルク容量が過小となり、摩擦係合要素の滑
りが増大して自動変速機の寿命低下を招くので、作動油
圧は適正に制御する必要がある。
【0004】また、これまで選択作動していた摩擦係合
要素を解放して行う変速の場合には、一気に油圧を抜い
て摩擦係合要素を解放するのではなく、所定の時間を掛
けて過渡的な伝達トルク容量を低下させて解放させるた
め、その期間の油圧を適正に調節する必要がある。
【0005】このような摩擦係合要素の解放を伴う変速
の一つは、ある摩擦係合要素からワンウェイクラッチと
呼ばれる一方向へのトルク伝達のみを行う機械的伝達機
構への変速の場合に起こり、これは一般にダウンシフト
の場合にあてはまり、変速前に作動していた摩擦係合要
素を解放する時の動作である。
【0006】このとき、過渡的に設定する油圧が高すぎ
ると、変速がなかなか進行せず、応答遅れとなってドラ
イバに違和感を与えることになったり、あるいは解放す
るべきタイミングでも摩擦係合要素が完全に解放されな
いために、長時間にわたって摩擦係合要素が滑り状態に
置かれて、自動変速機の寿命を著しく低下させたりす
る。
【0007】また、もう一つの状況として、一つの摩擦
係合要素から他の摩擦係合要素へトルクを受け渡すよう
な変速の場合があり、この場合にはアップシフト、ダウ
ンシフトの区別無く、変速前に作動していた摩擦係合要
素の解放がおこる。このとき、過渡的に設定する油圧が
高すぎると、新たに作動する摩擦係合要素も伝達トルク
容量を持ち始めるので、過渡的に2つの摩擦係合要素が
伝達トルク容量を持つ状態が発生し、自動変速機内部の
回転要素はインターロック状態となり、トルクが急減し
て大きな変速ショックを生じる。逆に、過渡的に設定す
る油圧が低すぎると、新たに作動する摩擦係合要素がま
だ伝達トルク容量を持たないために、変速機への入力ト
ルクが出力側へ伝えられない状態となり、伝達トルクの
抜けに伴う大きな変速ショックが発生し、さらに摩擦係
合要素も滑りが大きい状態となるので、寿命低下を招
く。
【0008】以上のような摩擦係合要素の解放制御の一
例として、特公平5一81793号公報に記載の技術
がある。これは、有効変速を開始するまでの期間、即ち
変速制御を開始してから入力軸回転数が増加に転じる
(イナーシャ相開始)までの期間、解放クラッチの油圧
を所定の変化速度、即ち一定の勾配で低下させるという
ものである。
【0009】つまり、ダウンシフトを例にして説明する
と、有効変速が開始されるまで所定の油圧を保持し、そ
の後有効変速の期間には変速の進行に合わせて油圧を調
節する制御である。ところが、その保持油圧が適正値か
らずれていると、上述した様な変速ショックを発生す
る。しかし、有効変速が開始される前の状況では、その
状態を直接検出する手段が無い。そのため、この技術で
は、センサによって検出が可能な有効変速の開始まで、
油圧を一定勾配で低下させることで適正値を探ろうとす
るものである。
【0010】このダウンシフトの場合について更に言う
と、有効変速期間の終了時の係合側の摩擦係合要素への
油圧制御タイミングも、作動油圧のバラツキに応じて適
正に調節する必要がある。ここで、係合側の摩擦係合要
素が、上述のワンウェイクラッチで構成されている変速
の場合には、機械的性質によりタイミングの適正化が図
られる。しかし、小型、低コスト化の目的で近年使用さ
れ始めた、解放側、係合側がともに摩擦係合要素で構成
される形式の変速機では、タイミングが適正からずれる
と、上述の解放側の摩擦係合要素の油圧制御と同様に、
インターロックやトルク抜けなど大きな変速ショックを
発生させてしまう。
【0011】この係合側の摩擦係合要素の制御タイミン
グを適正に制御する技術として、特開平8一1592
66号公報に記載の技術がある。これは、油圧の指令か
らの作動遅れを考慮して、車速が低いほど制御のタイミ
ングを早めるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た,の技術では、下記の問題があり、必ずしも十分
ではない。まず、前記の技術に関して、係合側の摩擦
係合要素と解放側の摩擦係合要素とが存在し、一つの摩
擦係合要素の作動状態を減じつつ他の摩擦係合要素を作
動状態にする形態のダウンシフトを行なう場合を例に挙
げて説明する。
【0013】摩擦係合要素の解放を行う場合には、本来
摩擦係合要素の形状から計算される伝達トルク容量を必
要な値に設定するように、油圧の指令値を逐次出力して
おけばよい。しかし、現実には摩擦係合要素に作動油圧
を供給する油圧機構の過渡的な応答特性や製品間の個体
差に起因して、所望の油圧が設定できなかったり、摩擦
係合要素特性の個体差や入力トルク検出系の誤差によ
り、真に適正な油圧を確実に設定することはできない。
【0014】そこで、前記の技術により、例えば図1
6に示す様に、有効変速が始まるまでの期間、油圧また
はその指令値を一定勾配で減じる方法が一般に用いられ
ている。ところが、この一定勾配で油圧を減じる方法
は、上述のように個体差等の発生に対して適正な油圧値
を探るのが目的であるため、急な勾配に設定することは
できない。そのため、図16の一点鎖線で示す様に、個
体差によって相対的に油圧が低すぎる場合と、図16の
二点鎖線で示す様に、油圧が高すぎる場合とで、所望の
油圧に達するまでの減圧時間に差が生じ、結果として、
それが変速の指令があってから有効変速が開始されるま
での応答時間のバラツキとなる。
【0015】その結果、例えば、運転者の加速意志によ
り引き起こされるキックダウン変速のような場合には、
ダウンシフトの反応が遅かったり、車両毎にあるいは運
転操作毎に反応時間がばらつくことにより、違和感を発
生させることになる。次に、前記の技術に関して述べ
る。
【0016】係合側の摩擦係合要素の作動を見てみる
と、作動油圧の指令から実際に油圧が変化するまでに
は、所定の応答時間があるために、有効変速の進行度合
いをギア比により監視する場合には、前記の技術の様
に、車速に応じて指令タイミングを変更する必要があ
る。
【0017】ところが、この場合にも、解放側の摩擦係
合要素の制御と同様に、係合側の摩擦係合要素の制御タ
イミングも、油圧特性の個体差の影響を受ける。すなわ
ち、指令値に対して減圧勾配が急すぎる場合には、例え
ば図17に示す様に、解放側の摩擦係合要素の油圧の低
下に伴って、有効変速の開始を検出して減圧指令を止め
たとしても、応答遅れ分で余分に減圧されることにな
る。
【0018】また、設計値よりも指令値に対する出力油
圧が低めとなる個体差を有する場合であっても、例えば
図18に示す様に、変速指令に伴う対象摩擦係合要素か
らの減圧操作に対する応答遅れ時間の間も、有効変速の
開始を検出できないため、減圧制御が実行されることに
なり、結果として必要以上に減圧されることになる。
【0019】特に、変速過渡時の油圧をアキュムレータ
を併用して発生させているような油圧制御機構を用いる
場合には、アキュムレータの作動を調節するピストン等
の作動遅れにより、圧力が低いほど、過剰な減圧が発生
する度合が大きくなる。このように、出力油圧の個体差
に対応するために所定の勾配(変化率)で減圧指令を行
なう場合には、本来必要な油圧よりも減圧し過ぎる場合
があり、その時には、係合側の摩擦係合要素への油圧供
給が未だ不十分なために、有効変速開始とともに変速は
急に進行していく。その場合、変速の進行具合は車速に
は依存しないため、前記の技術の様に、単に車速によ
って制御を切り替えるタイミングを設定したのでは、変
速ショックの発生を防止することができない。
【0020】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、第1には、製品間の固体差を補償し
て、変速の指令があってから有効変速が開始されるまで
の応答時間のバラツキを低減し、第2には、係合側の摩
擦係合要素における変速ショックを低減することができ
る自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法並び
に記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】請求項
1の発明では、変速歯車機構は、エンジンからの回転力
が入力される入力軸と、駆動輪側に回転力を出力する出
力軸との間に設けられ、液圧によって係合される複数の
摩擦係合要素(例えばクラッチやブレーキ)の係合状態
によって回転要素(例えばプラネタリギヤ)の拘束状態
が決定される。そして、係合状態切り替え手段により、
複数の摩擦係合要素の中から、変速段の切り替えに対応
して、その係合状態を切り替える摩擦係合要素を選択
し、液圧制御手段により、係合状態切り替え手段によっ
て選択された摩擦係合要素に加える液圧を制御して、変
速段を下げるダウンシフト制御を行なう。
【0022】特に、本発明では、液圧制御手段より、係
合状態から非係合状態に切り替える摩擦係合要素に加え
る液圧を制御する場合に、ダウンシフト制御の開始から
入力軸回転数が変速終了後の値に向かって上昇を始める
前の段階にて、変速初期液圧制御手段により、液圧制御
手段に対して、摩擦係合要素に加わる液圧を徐々に減少
させ、且つその減少率が時間とともに大きくなるように
制御する制御指令値を出力する。
【0023】以下、本発明の構成及びそれによる作用効
果について詳述する。本発明は、ダウンシフトを行う場
合の変速初期の制御を示し、例えば図7に示す様に、変
速指令から実質的に変速が進行する期間(いわゆる有効
変速の期間=イナーシャ相の期間)の開始までの間に制
御を行なう。
【0024】自動変速機としては、解放側の摩擦係合要
素及び係合側の摩擦係合要素の両係合状態を液圧(油
圧)により調節するタイプや、解放側の摩擦係合要素の
係合状態は液圧で制御し、係合側はワンウエイクラッチ
としたタイプがある。この両方のタイプにおいて、ダウ
ンシフト制御を行う場合、前記図16の従来例に示す様
に、解放側クラッチの液圧を直線的に低下させると、自
動変速機に個体差があるときには、変速指令があってか
ら有効変速が開始されるまでの応答時間にバラツキが生
じることがある。
【0025】例えば液圧の指令値(以下目標液圧、目標
油圧とも記す)に対して実際の液圧が低めとなる装置の
場合には、入力軸回転数の増加タイミングは早まって、
応答時間が短くなる(同図の一点鎖線参照)。逆に、例
えば目標液圧に対して実際の液圧が高めとなる場合に
は、入力軸回転数の増加タイミングは遅くなって、応答
時間が長くなる(同図の二点鎖線参照)。
【0026】そこで、本発明では、ダウンシフト制御
の場合に、係合状態から非係合状態に切り替える解放側
の摩擦係合要素(例えば解放側クラッチであるハイクラ
ッチ;H/C)に加わる液圧を徐々に減少させ、且つそ
の減少率が時間とともに大きくなるように制御する制御
指令値を出力することにより、応答時間のバラツキを少
なくすることができる。
【0027】即ち、本発明により、作動液圧のバラツキ
に対して、液圧が高すぎる場合には、減圧の速度を早
め、逆に液圧が低すぎる場合には、減圧速度が遅い期間
で有効変速が開始されるので、前記図7に示す様に、有
効変速の開始検出の幅が狭まり、応答時間のバラツキを
低減することができる。
【0028】その結果、運転者の加速意志により引き起
こされる例えばキックダウン変速のような場合には、ダ
ウンシフトの反応時間が揃うので、車両毎にあるいは運
転操作毎に反応時間がバラつくことがなく、違和感を発
生させることがない。尚、前記制御指令値としては、例
えば解放側クラッチの液圧を制御するソレノドを駆動す
る電圧のデューティ指令値が挙げられる。また、この制
御指令値により制御しようとする目標液圧の変化を示す
グラフは、通常、図7の太い実線で示す様に上に凸にな
る。
【0029】また、本発明では、変速指令後の最初の
段階では、有効変速の開始直前と比べて、目標液圧が緩
やかな減少率となるので、実際の例えば解放側クラッチ
の液圧が過度に低減することがない。つまり、通常、変
速指令の直後には、図7に示す様に、例えば解放側クラ
ッチの目標液圧をステップ的に低減するので、その後更
に急勾配で目標液圧を低減すると、予期する以上に実際
の液圧(H/C油圧)が低減して、オーバーシュートす
る可能性がある。
【0030】そこで、本発明では、変速指令後の最初の
段階では、目標液圧を徐々に(緩やかに)低減するよう
に制御する制御指令値を出力することにより、実際の液
圧の急減による応答遅れ、及びそれに起因して、係合側
の摩擦係合要素(例えばバンドブレーキB/B)にて係
合時に変速ショックが発生することを防止できる。
【0031】請求項2の発明では、変速初期液圧制御手
段は、時間に対して2次以上の高次の関数にて表される
ように制御する制御指令値を出力する。本発明は、前記
請求項1の発明を例示したものであって、液圧制御手段
に対して、時間に対して2次以上の高次の関数にて表さ
れる目標液圧となるように制御指令値を出力する。例え
ば前記図7では、上に凸の2次関数的に目標液圧を変化
させている。
【0032】これにより、反応時間のバラツキを低減で
きるとともに、変速指令直後の液圧の過度の低減を防止
することができる。請求項3の発明では、変速初期液圧
制御手段は、液圧の減少率が所定時間(例えば図14に
示すΔt)毎に切り替わって、時間に対して折れ線状の
関数にて表される液圧となるように制御する制御指令値
を出力する。
【0033】本発明は、前記請求項1の発明を例示した
ものであって、前記請求項2の様な高次の関数にて表さ
れるものではなく、例えば図14に示す様に、折れ線状
の目標液圧とするように制御指令値を出力する。これに
よっても、前記請求項2とほぼ同様に、反応時間のバラ
ツキを低減できるとともに、変速指令直後の液圧の過度
の低減を防止することができる。
【0034】特に、この場合には、所定時間Δtの長さ
を調節する(例えば適度に長くする)ことにより、演算
処理の負担を軽減できる。請求項4の発明では、変速初
期液圧制御手段が、液圧の減少率が所定値に達した後
は、液圧の減少率を所定値に固定するように制御指令値
を出力する。
【0035】つまり、本発明では、ある段階までは、目
標液圧の減少率を大きくして、目標液圧の低下勾配を増
加させるが、その後は、それ以上減少率を増加させるこ
となく、例えば最後の減少率に保持したり、又はそれよ
り小さな減少率を保つ制御を行う。
【0036】これにより、実際の液圧の過度の低下が防
止されるので、例えば解放側クラッチの液圧の応答遅
れ、及びそれに起因する係合側の摩擦係合要素における
変速ショックを防止できる。請求項5の発明では、計測
手段によって、ダウンシフト制御の開始から入力軸回転
数の増加開始(有効変速の開始)までの時間を計測し、
この計測手段によって計測した計測時間と、予め設定さ
れた基準時間とを、比較手段によって比較する。そし
て、この比較手段による結果に応じて、変更手段によ
り、入力軸回転数の過度の上昇を抑制するように、実質
的に変速が進行する期間(有効変速期間)における液圧
制御手段の制御内容を変更する。
【0037】つまり、ダウンシフト制御の開始から入力
軸回転数の増加開始までの時間である計測時間(以下ス
イープ時間とも記す)が、予め設定された基準時間に一
致する場合には、入力軸回転数の増加(即ち有効変速の
進行)は予期する望ましい範囲内であると考えられる
が、それからずれると、入力軸回転数は過度に上昇し
て、変速ショックを発生することがある。
【0038】具体的には、スイープ時間が短過ぎる場合
には、前記図7及び図16の一点鎖線で示す様に、液圧
が低めにバラついていることを示している。このとき、
変速指令直後のステップ的な減圧操作により、図18に
示した様に、過剰な減圧が発生することがある。これ
は、液圧制御系の応答遅れに起因するものである。従っ
て、スイープ時間が短すぎる場合には、減圧のし過ぎが
発生したと判断することができる。
【0039】一方、スイープ時間が長過ぎる場合には、
前記図7及び図16の二点鎖線で示す様に、液圧が高め
にバラついていることを示している。つまり、液圧が高
めにバラついても、前記図17に示した様に、過渡的な
液圧の応答現象(減圧指令を停止しても、直ちに減圧が
停止しない液圧制御の応答遅れに起因する現象)によ
り、入力軸回転数が過度に上昇して、有効変速が早めに
進行してしまうことがある。従って、スイープ時間が長
すぎる場合には、減圧のし過ぎが発生したと判断するこ
とができる。
【0040】従って、このようなスイープ時間のズレに
起因する減圧し過ぎの場合には、例えば前記図17、図
18に示した様に、入力軸回転数が急増して有効変速が
早めに進行してしまい、実際の入力軸回転数が、目標入
力軸回転数よりかなり大きくなって、係合側の摩擦係合
要素が作動する変速の終期における変速ショックが発生
することがある。
【0041】そこで、本発明では、スイープ時間と基準
時間とを比較し、入力軸回転数の過度の上昇を抑制する
ように、その比較結果に応じて液圧制御の内容、例えば
実際の入力軸回転数(又はその勾配)を目標入力軸回転
数(又はその勾配)に追従させるフィードバック制御な
どの内容を変更することにより、変速ショックを防止す
るのである。
【0042】つまり、本発明では、有効変速が開始され
る時点で、その動き(即ち入力軸回転数の動き=有効変
速の進行状態)が予測できるため、その後の液圧制御を
好適に行なうことができ、それによって、変速ショック
の発生を防止することができる。
【0043】尚、本発明は、減圧勾配が一定の技術にも
適用可能であるが、本発明の様に、目標液圧の減少率を
時間と共に増加させる場合には、有効変速の開始直前に
は、減圧勾配がかなり大きくなるので、過剰な減圧によ
る変速ショックの発生の予防に極めて有効である。
【0044】請求項6の発明では、計測時間と基準時間
との差が大きいほど、入力軸回転数の上昇の抑制の程度
を大きくするように、液圧制御手段の制御内容を変更す
る。本発明は、前記請求項5の発明を例示したものであ
って、計測時間と基準時間との差が大きいほど、液圧の
減圧の程度が大きく、よって、入力軸回転数の上昇の程
度が大きくなると考えられるので、その対策として、計
測時間と基準時間との差が大きいほど、入力軸回転数の
上昇の抑制の程度を大きくするように、液圧制御手段の
制御内容を変更するものである。
【0045】これによって、計測時間と基準時間との差
の大小にかかわらず、即ちスイープ時間の短過ぎ又は長
過ぎにかかわらず、入力軸回転数の過度の上昇を防止で
きるので、変速ショックの発生を防止できる。請求項7
の発明では、変更手段による制御内容の変更が、入力軸
回転数を目標値に追従させる制御(いわゆる有効変速期
間におけるフィードバック制御)の開始タイミングを早
める。
【0046】本発明は、前記請求項6の発明を例示した
ものであり、計測時間と基準時間との差が大きいほど、
入力軸回転数を目標値に追従させる制御の開始タイミン
グを早める。例えば図12(a)に示す様に、計測時間
(スイープ時間)と基準時間との差が大きいほど、有効
変速開始の判定のしきい値△NFを小さくして、そのフ
ィードバック制御の開始タイミングを早める。
【0047】例えば液圧系の応答遅れなどにより、フィ
ードバック制御が有効に作用するには時間が必要であ
る。そのために、本発明では、減圧をし過ぎの状況にお
いては、少しでも早くフィードバック制御が有効に作用
する状態になるのを早めて、減圧のし過ぎによって変速
が急速に進んでゆく状況を抑制する。
【0048】請求項8の発明は、変更手段による制御内
容の変更が、入力軸回転数を目標値に追従させる制御の
目標値を、より緩やかな勾配に設定する。本発明は、前
記請求項6の発明を例示したものであり、例えば図12
(b)に示す様に、計測時間(スイープ時間)と基準時
間との差が大きいほど、入力軸回転数を目標値に追従さ
せる制御の目標値Ntrを、より緩やかな勾配に設定す
る。
【0049】そうすることにより、実際の入力軸回転数
勾配が急になる場合に、フィードバック制御の出力をよ
り大きなものとする効果を得て、減圧のし過ぎによって
変速が急速に進んでゆく状況を抑制する。請求項9の発
明では、変更手段による制御内容の変更が、入力軸回転
数を目標値に追従させる制御のゲインを高める。
【0050】本発明は、前記請求項6の発明を例示した
ものであり、例えば図12(c)に示す様に、計測時間
(スイープ時間)と基準時間との差が大きいほど、入力
軸回転数を目標値に追従させる制御のゲインを高めに設
定する。そうすることにより、実際の入力軸回転数勾配
が急になる場合に、フィードバック制御の出力をより大
きなものとする効果を得て、減圧のし過ぎによって変速
が急速に進んでゆく状況を抑制する。
【0051】この場合、ゲインを大きくするのは、PI
D(比例−積分−微分)制御のうち、比例制御の項、微
分制御の項のみに作用させることがより望ましい。それ
は、比例、微分の各制御項が、入力軸回転数の勾配制御
に有効に作用するからである。
【0052】尚、本発明において、入力軸回転数を目標
値に追従させる制御とは、直接的に入力軸回転数を調節
する制御だけではなく、入力軸回転数の勾配を目標値に
追従させる制御の様に、間接的に入力軸回転数を調節す
る制御をも含む、広義の概念である。
【0053】請求項10の発明は、更に、新たな変速段
を達成するために液圧によって係合作動する別の摩擦係
合要素(係合側の摩擦係合要素である例えばバンドブレ
ーキ)を有する構成を追加し、計測時間と基準時間との
差に応じて、係合作動する別の摩擦係合要素への作動液
圧導入制御の開始タイミングを変更する。
【0054】本発明では、計測時間と基準時間との差に
応じて(従ってスイープ時間に応じて)、係合側の摩擦
係合要素への作動圧の増圧制御の開始タイミングを変更
する。これにより、適切に開始タイミングを変更できる
ので、解放側の摩擦係合要素が減圧のし過ぎにより伝達
トルク容量が不足する場合であっても、係合側の摩擦係
合要素への増圧制御によって、伝達トルク容量の不足を
補って、変速終了期の大きなショックの発生を防止する
ことができる。
【0055】請求項11の発明は、計測時間と基準時間
との差が大きいほど、係合作動する別の摩擦係合要素へ
の作動液圧導入制御の開始タイミングを早める。本発明
は、前記請求項10の発明を例示したものであり、例え
ば図12(d)に示す様に、計測時間(スイープ時間)
と基準時間との差が大きいほど、係合側の摩擦係合要素
への作動圧の増圧制御の開始タイミングを早めるため
に、例えば増圧を開始する判定しきい値△NZをより大
きくする。
【0056】そうすることによって、解放側の摩擦係合
要素が減圧のし過ぎにより伝達トルク容量が不足する場
合であっても、係合側の摩擦係合要素への増圧制御によ
って、伝達トルク容量の不足を補って、変速終了期の大
きなショックの発生を防止することができる。
【0057】請求項12の発明は、前記各請求項の自動
変速機の制御装置による制御を実行させる手段を記憶し
ている記録媒体である。例えば記録媒体としては、マイ
クロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイ
クロチップ、フロッピィディスク、ハードディスク、光
ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
【0058】つまり、上述した自動変速機の制御装置の
制御を実行させることができる例えばプログラム等の手
段を記憶したものであれば、特に限定はない。請求項1
3の発明は、自動変速機の制御方法に関する発明であ
る。本発明では、エンジンからの回転力が入力される入
力軸と、駆動輪側に回転力を出力する出力軸との間に設
けられ、液圧によって係合される複数の摩擦係合要素の
係合状態によって回転要素の拘束状態が決定される変速
歯車機構に対して、複数の摩擦係合要素の中から、変速
段の切り替えに対応して、その係合状態を切り替える摩
擦係合要素を選択し、この選択された摩擦係合要素に加
える液圧を制御して、変速段を下げるダウンシフト制御
を行なう自動変速機の制御方法において、係合状態から
非係合状態に切り替える摩擦係合要素に加える液圧を制
御する場合に、ダウンシフト制御の開始から入力軸回転
数が変速終了後の値に向かって上昇を始める前の段階に
て、摩擦係合要素に加わる液圧を徐々に減少させ、且つ
その減少率が時間とともに大きくなるように制御する制
御指令値を出力する。
【0059】本発明の制御方法では、前記請求項1の
発明と同様に、ダウンシフト制御の場合に、係合状態か
ら非係合状態に切り替える摩擦係合要素に加わる液圧を
徐々に減少させ、且つその減少率が時間とともに大きく
なように制御する制御指令値を出力することにより、応
答時間のバラツキを少なくすることができる。
【0060】即ち、本発明により、目標液圧に対する作
動液圧のバラツキに対して、実際の液圧が高すぎる場合
には、減圧の速度を早め、逆に液圧が低すぎる場合に
は、減圧速度が遅い期間で有効変速が開始されるので、
前記図7に示す様に、応答時間のバラツキを低減するこ
とができる。
【0061】その結果、運転者の加速意志により引き起
こされる例えばキックダウン変速のような場合には、ダ
ウンシフトの反応時間が揃うので、車両毎にあるいは運
転操作毎に反応時間がバラツクことがなく、違和感を発
生させることがない。 また、本発明では、変速指令後の最初の段階では、目
標液圧を緩やかな減少率を保つ様に設定するので、実際
の液圧が過度に低減することがない。
【0062】つまり、通常、変速指令の直後には、前記
図7に示す様に、例えば解放側クラッチの目標液圧を、
ステップ的に低減するので、その後更に急勾配で目標液
圧を低減しようとすると、予期する以上に実際の液圧が
低減して、オーバーシュートする可能性がある。そこ
で、本発明では、変速指令後の最初の段階では、目標液
圧を徐々に(緩やかに)低減することにより、実際の液
圧の急減による応答遅れ、及びそれに起因して、係合側
の摩擦係合要素にて係合時に変速ショックが発生するこ
とを防止できる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自動変速機の制御
装置及び自動変速機の制御方法並びに記録媒体の好適な
実施の形態を、例(実施例)を挙げて詳細に説明する。 (実施例1) a)まず、本実施例の自動変速機の制御装置の構成につ
いて説明する。
【0064】図1に示す様に、自動車に搭載されて電子
制御されるエンジン1は、自動変速機2とデファレンシ
ャルギア3を介して駆動車輪4に接続されている。前記
エンジン1は、エンジン制御用コンピュータ5を備え、
このエンジン制御用コンピュータ5には、エンジン回転
数を検出するエンジン回転数センサ6、車速(自動変速
機2の出力軸回転数)を検出する車速センサ7、エンジ
ン1のスロットル開度を検出するスロットルセンサ8、
及び吸入空気量を検出する吸入空気量センサ9の各信号
が入力される。
【0065】エンジン制御用コンピュータ5は、これら
入力情報を基に燃料噴射量を決定してエンジン1に指令
を出し、また図示しないが点火信号をエンジン1に供給
する。そして、この指令に応じて、図示しない燃料供給
装置、点火装置が作動し、エンジン1の回転に合わせて
燃料の供給と燃焼が行われ、エンジン1の駆動及びその
制御が行われる。
【0066】前記自動変速機2は、トルクコンバータ1
0及び変速歯車機構11を備えており、エンジン1から
供給される動力は、エンジン出力軸1aやトルクコンバ
ータ10を経て変速歯車機構11の入力軸12に伝達さ
れる。そして、入力軸12への変速機入力回転は、変速
歯車機構11の選択変速段に応じ増減速されて出力軸1
3に至り、この出力軸13からデファレンシャルギア3
を経て駆動車輪4に達して、自動車を走行させることが
できる。
【0067】尚、前記自動変速機2は、公知のものであ
るため、その詳細な説明は省略するが、その変速歯車機
構11は、図2に示す様に、入力軸12から出力軸13
への動力伝達経路(変速段)を決定する各種のクラッチ
(リバースクラッチR/C,ハイクラッチH/C,ロー
クラッチL/C)やブレーキ(バンドブレーキB/B,
ローアンドリバースブレーキL&R/B)などの各種摩
擦係合要素を内蔵している。
【0068】尚、LOWOWCとは、L&R/Bに並列
に接続され、L&R/Bを作動させない所定の変速段
(例えばDレンジの1速)で、エンジン1側からの駆動
力は出力軸13へ伝達するが、出力軸13からの回転力
はエンジン1側へ伝達しないようにして、過大なエンジ
ンブレーキが発生しないように作動するワンウェイクラ
ッチのことである。
【0069】前記変速歯車機構11には、図1に示す様
に、変速制御用コンピュータ14からの指令に基づき駆
動されるコントロールバルブ15が接続されており、コ
ントロールバルブ15から適宜油圧が供給され、その油
圧を各種摩擦係合要素に作動させることで変速を実現し
ている。
【0070】このコントロールバルブ15には、変速制
御用コンピュータ14の指令で変速段毎に油圧を供給す
る経路を切り換える2本の変速制御用ソレノイド15
a,bと、油圧の大きさを制御するライン圧制御用ソレ
ノイド16a、クラッチ圧制御用ソレノイド16bが配
置されている。
【0071】尚、本実施例においては、2本の変速制御
用ソレノイド15a,bを用いる構成としたが、変速段
数やコントロールバルブ15内部の構成に応じて、変速
制御用ソレノイドの本数を増やしても良い。また、変速
過渡時の作動油の急速な充填、排出のためのタイミング
を調節するソレノイドを追加しても良い。更に、ライン
圧制御用ソレノイド16a、クラッチ圧制御用ソレノイ
ド16bとしては、本実施例では以下デューティソレノ
イドとして説明するが、油圧を可変にできる機構であれ
ばリニアソレノイドなど他の手段を用いても良い。
【0072】前記変速制御用コンピュータ14は、図示
しないがCPU,ROM,RAM,I/O装置からなる
マイクロコンピュータで構成されており、前記車速セン
サ7、スロットルセンサ8に加え、入力軸12の回転数
を計測する入力軸回転数センサ17の各信号が入力さ
れ、変速すべき条件か否かの判定や、該判定結果に基づ
く各種の油性制御を実施する。
【0073】さらに、エンジン制御用コンピュータ5と
変速制御用コンピュータ14は、通信ライン18で結ば
れ、制御情報や指令を双方向に通信できるようになって
いる。この通信ライン18は、LAN(LocaI Area Net
work)の様な多重通信機構を用いても良いし、必要な通
信毎に制御用コンピュータの入出力ポートを接続する配
線でも良い。
【0074】b)次に、本実施例において変速制御用コ
ンピュータ14が実行する制御内容について、図3〜図
5のフローチャート、及び図6〜図8、図12の説明図
に基づいて説明する。尚、図3は本実施例の制御のメイ
ンルーチンを示し、図4はF/B制御の開始判定の処
理、図5は有効変速が始まるまでのスイープ期間におけ
る処理を示している。
【0075】最初に、本実施例の制御のメインルーチ
ンについて説明する。図3に示す様に、ステップ110
にて、入力軸回転数Nt、出力軸回転数(車速)No、
スロットル開度TVOを読み込む。続いてステップ12
0で、制御の状態を示すFlagの値の判定を行なう。
そして、その判定結果に応じて分岐して、下記の様に、
各々の処理を行なう。
【0076】i)Flag=0 まず、Flagの値が'0'の時(変速制御用コンピュー
タ14が初めてこのプログラムを実行するときは、Fl
agの値は'0'になっている)には、ステップ130に
進む。
【0077】ステップ130では、変速が有るか否かが
判定される。これは、例えば図6に示す様に、予めプロ
グラムされた車速Noとスロットル開度TVOの関係に
より示される変速線図に基づいて行われる。すなわち、
変速制御用コンピュータ14は、車速センサ7とスロッ
トルセンサ8からの信号を用いて、現在の運転状態が図
6の(車速とスロットル開度に応じて定めた)変速線図
のどの領域にはいるかを判定し、変速段を決定する。
尚、変速線図は、変速段決定の際のチャタリング防止の
ため、第n速(n=1,2,3)から第n+1速への変速
(アップシフト)と第m速(m=2,3,4)から第m−
1速への変速(ダウンシフト)で、アップシフトの場合
は実線、ダウンシフトの場合は破線で示すように異なる
判定線を用いている。その結果、変速有りと判断された
場合には、ステップ160へ、また変速なしと判断され
た場合にはステップ140へそれぞれ進む。
【0078】ステップ140では、変速なしの定常状態
を示すようにFlagの値が改めて'0'にリセツトされ
る。次にステップ150で、変速過渡ではない通常時の
油圧制御が行われる。この内容は、変速制御用ソレノイ
ド15a,b、ライン圧制御用ソレノイド16a,クラ
ッチ圧制御用ソレノイド16bを、それぞれ現在の変速
段を維持するように作動させるものである。
【0079】一方、変速有りと判断された場合のステッ
プ160では、本実施例においてその効果がもっとも顕
著に表されるために、例えば3→2変速であるか否かを
判断する。以下、この3→2変速を例にとって詳細に制
御内容を説明する。そして、3→2変速の場合には、ま
ずステップ170で次の演算周期のために、3→2変速
の過渡制御前半(即ち変速指令から有効変速前の期間)
に移行したことを示すために、Flagの値を'1'にセ
ットする。次にステップ180に進んで、変速制御用ソ
レノイド15a,bを、下記表1の変速段毎の状態に合
わせて駆動する。今回は2速に設定するために、変速制
御用ソレノイド15aをOFF(オフ)に、変速制御用
ソレノイド15bをON(オン)にセットする。これに
よって、下記表2に示したクラッチの係合表により、H
/Cの作動油圧の排出と、B/Bへの作動油圧の充填が
行われる。
【0080】
【表1】
【0081】尚、下記表2は、各変速段毎のクラッチの
作動を示しており、○印が締結状態(係合状態)を表
し、無印が解放状態を表している。これらの作動は、コ
ントロールバルブ15によって供給される作動油圧によ
り達成される。
【0082】
【表2】
【0083】この変速制御用ソレノイド15a,bの作
動に続いて、ステップ190に進んで、ライン圧制御用
ソレノイド16a、クラッチ圧制御用ソレノイド16b
の制御指令値であるデューティ指令値の初期値設定を行
う。本実施例の構成では、ライン圧制御用ソレノイド1
6aによってH/Cの油圧を制御し、クラッチ圧制御用
ソレノイド16bによって、B/Bの油圧を制御する。
そこで、上述の初期値は、まず、3速で係合していたH
/Cを解放するために、その油圧を所定のレベルまで下
げるようにライン圧の初期値を設定する。同時にB/B
を係合させる準備、すなわちH/Cの解放が所定の状態
に進行するまでに、作動油圧経路への圧油の充填が終了
し且つその作動油圧では未だトルク伝達が出来ないレベ
ルに保つための油圧となるように、クラッチ圧制御の初
期値を設定する。
【0084】その後、ステップ195にて、後述するス
イープ時間を計測するためのカウンタtをリセットし、
ステップ380に進む。一方、ステップ160の判断
で、3→2変速以外の変速制御の場合には、ステップ2
00以下に進んで、3→2変速以外の変速制御を実行す
る。
【0085】すなわち、ステップ200にて、他の変速
段の制御を示すために、Flagの値をxに設定する。
例えば2→1変速の場合、xの値を例えば3に設定す
る。続くステップ210にて、他の変速を行うために、
変速制御用ソレノイド15a, bを、前記表1に示す様
に切り替える。
【0086】続くステップ220にて、ライン圧制御用
ソレノイド16a、クラッチ圧制御用ソレノイド16b
の初期値(初期デューティ値)を設定する。その後、ス
テップ380に進む。 ii)Flag=1 次に、前記ステップ120の判定で、Flagの値が'
1'のときは、ステップ230以下に進んで、実際に入
力軸回転数の値が変速後の値に向かって変化する前、即
ち有効変速が発生する前のスイープ期間における制御を
実行する。つまり、変速指令直後から有効変速の開始ま
での変速初期油圧制御を実行する。
【0087】まず、ステップ230では、有効変速の開
始を検出する判定を行う。これは、入力軸回転数Ntと
出力軸回転数Noと変速前のギア比grと所定の判定し
きい値△Nとを用いて、 下記式(1)が成立したとき
に、有効変速の開始と判断するものである。
【0088】 Nt−No・gr≧△N ・・・ (1) この判定で、未だ有効変速が開始していないと判断され
たときには、ステップ235にて、カウンタtをインク
リメントする。続いて、後に詳述するステップ240の
変速初期油圧制御を実行し、その後、ステップ380に
進む。
【0089】一方、有効変速の開始を判定したときに
は、ステップ250以下に進んで、有効変速期間中の油
圧制御を実行する。まず、ステップ250では、有効変
速期間中の制御であることを示すFlagの値を'2’
にセットする。
【0090】次にステップ260に進んで、有効変速期
間中の入力軸回転数Ntを目標値Ntrに追従させるた
めの、解放側の摩擦係合要素(例えば3→2変速の場合
にはH/C)の油圧のフィードバック(F/B)制御の
開始条件か否かを判定する。このステップ260の処理
を、図4に詳しく示すが、まず、ステップ261にて、
map1(t)の値を△NFとし、続くステップ262
にて、下記式(2)によって判定するものである。
【0091】 Nt一No・gr≧△NF ・・・ (2) ここで、map1(t)は、図12(a)を用いて行な
うテーブルルックアップであり、スイープ時間tの大き
さに合わせて判定のしきい値△NFが設定できる。尚、
△NFは、△NF≧△Nを満足する所定のしきい値であ
るが、その設定方法については、後に詳述する。
【0092】また、前記ステップ260の判定結果によ
って、ステップ270のF/B制御またはステップ28
0の油圧保持制御に移るが、それぞれの油圧制御の内容
についても、後に詳述する。次に、ステップ290で
は、係合側の摩擦係合要素(例えば3→2変速の場合に
はB/B)への作動油圧の増圧制御の開始タイミングで
あるか否かが、下記(3)式よって判定される。
【0093】 No・grN−Nt≦△NZ ・・・(3) 但し、grNは変速終了後のギア比、△NZは所定の判
定しきい値である。この判定で、式(3)が成立した場
合にのみ、ステップ300の係合側摩擦係合要素への増
圧制御を行い、ステップ310へ進む。
【0094】ステップ310では、下記式(4)を用い
て解放側摩擦係合要素の油圧のF/B制御の終了条件か
否かを判定する。 No・grN−Nt≦△NFE ・・・(4) ここで、△NFEは、△NZ≧△NFEを満足する所定
のしきい値であるが、その設定方法については、後に詳
述する。
【0095】この判定で、式(4)が成立したときにの
み、ステップ320にて、解放側摩擦係合要素の油圧の
完全解放を指令し、解放側摩擦係合要素への過渡油圧制
御(いわゆるイナーシャ相におけるF/B制御)を終了
する。更に、ステップ330に進んで、係合側摩擦係合
要素への増圧制御が終了したか否かを、油圧指令値が入
力トルク(或は単にスロットル開度)に基づき予め設定
した値に達したか否かによって判定する。
【0096】この判定で終了したと判断された場合に
は、ステップ340で、Flagの値を'0'にセットし
て、変速過渡油圧制御を終了する。その後、ステップ3
80に進む。 iii)Flag=2 また、ステップ120の判定で、Flagの値が'2'と
判定された場合には、既に有効変速が開始されたと判定
されているので、前記ステップ230及び250の処理
をスキップして、前記ステップ260〜340にて、同
様な処理を行なう。その後、ステップ380に進む。
【0097】iv)Flag=x 更に、ステップ120の判定で、Flagの値が'0,
1,2'以外の値(x)に設定されているときには、ス
テップ350以下に進んで、3→2変速以外の変速過渡
の油圧制御を実行する。
【0098】この制御の内容は、対象となる摩擦係合要
素が変わるだけであるので、その内容の説明は省略す
る。この場合も、変速過渡の状態に合わせて、Flag
の値を切り替えつつ、変速制御を時系列的に進行させ、
その終了時には、Flagの値を'0'にして(ステップ
370)、過渡制御を終了する。
【0099】以上の手続きの後、ステップ380に進
む。このステップは、制御を一定時間間隔毎に実行させ
るためのタイミング調節を行っている。この一定時間と
は演算周期であって、各ソレノイドの応答速度やコント
ロールバルフ15による各摩擦係合要素への作動油圧の
応答特性、摩擦係合要素のトルク伝達特性などによって
決定され、おおよそ8〜32msec程度(本実施例で
は10msec)の範囲に設定される。
【0100】この設定時間の経過後、制御は再びステッ
プ110に戻って、同様な操作、判定が繰り返し実行さ
れる。 次に、本実施例の要部である前記ステップ240の変
速初期油圧制御について、図5のフローチャート及び図
7の説明図に基づいて説明する。
【0101】ここでは、クラッチ圧制御用ソレノイド1
6bのデューティ指令値を、図7に示す考え方に従っ
て、下記式(5)に示す様に、時間の2次関数に従う割
合で減少するように出力する。これによって、目標液圧
も2次関数に従う割合で減少する。
【0102】 ディーティ指令値=初期値−a・t2 ・・・(5) 但し、aは2次関数の係数、tは時間である。既に詳述
した様に、この図7に示す2次曲線のような目標油圧と
なる様に、制御指令値である油圧指令値(デューティ指
令値)を出力することにより、有効変速開始の直前で
は、目標油圧を示すグラフの傾きが急であるので、油圧
が高めであっても低めであっても、有効変速の開始のバ
ラツキを低減することができる。
【0103】従って、ここでは、図5に示す様に、ま
ず、ステップ410にて、変速指令直後に最初にステッ
プ的に変化させる目標油圧を初期値とし、且つ所望の2
次曲線に応じて、その係数aの値を設定する。これによ
り、2次関数が定まるので、その後は、ステップ420
にて、変速指令の時刻を'0'として、その変速指令の時
刻からの経過時間をtに代入して、前記式(5)からデ
ューティ指令値を算出する。
【0104】以後、ステップ430にて、このデューテ
ィ指令値に基づいて、クラッチ圧制御用ソレノイド16
bに加える電圧のディーティ比を調節して、解放側摩擦
係合要素に加える油圧を制御する。 c)次に、前記図3〜図5のフローチヤートに示した制
御によって得られる変速制御の進行について、図8のタ
イムチャートに基づいて説明する。
【0105】まず、時点t0の変速指令に従って、変速
制御用ソレノイド15a,bの切り替え、ライン圧制御
用ソレノイド16a、クラッチ圧制御用ソレノイド16
bの初期値を設定する。その後、クラッチ圧制御用ソレ
ノイド16bのデューティ指令値を、前記式(5)に示
す様に、時間の2次関数に従う割合で目標液圧を減圧す
るように出力する。
【0106】その後、逐次、前記式(1)の有効変速開
始の判定を行って(ステップ230)、その判定が成立
する時点t1まで、上記減圧を継続する(ステップ24
0)。ここで、前記式(1)の判定が成立すると言うこ
とは、それまで係合していて解放制御されるH/Cの伝
達トルク容量が、クラッチ油圧を減圧していくことによ
り入力トルクを下回り、その結果過剰なトルクが、入力
軸12につながる回転要素の回転数を加速することに使
われることによって、入力軸12の回転数が出力軸13
の回転数と比べて、その機械的ギヤ比の関係から離れた
大きな値になることである。
【0107】そして、入力軸回転数Ntが上昇して、前
記式(2)のF/B制御開始の条件が成立した時点t2
から(ステップ260)、入力軸回転数Ntが目標入力
軸回転数Ntrに追従するように、あるいは入力軸回転
数Ntの変化が目標入力軸回転数変化に追従するよう
に、解放側のクラッチ油圧をF/B制御する。
【0108】このF/B制御は、公知のPID(比例一
積分一微分)制御などを適用すればよい。ここで、前記
式(1)と式(2)とで判定しきい値を変えているが、
これは、前記図17で示した様に、油圧系の過渡応答に
より、入力軸回転数Ntが前記式(1)の判定が成立す
るように変化し始めた時点t1では、F/B制御が適正
に動作しないためである。
【0109】すなわち、解放側クラッチの油圧が減圧指
令を急に止めた直後では思ったように減圧を停止できな
い期間が存在し、その期間にF/B制御を開始しても、
油圧が適正に反応しないために過剰なF/B制御の補償
出力を発生させる事になるのである。このF/B制御の
不必要な動作を防ぐために、本実施例では、△Nより大
きな判定しきい値△NFを設定している。
【0110】そして、この△NFによる判定期間は、フ
ィードバックによる油圧制御を待機させる目的で、前記
式(1)の成立時点t1の制御指令値(油圧指令値)を
保持する。尚、上記のような理由のため、油圧系の応答
性能によっては、△NF=△N、即ち、前記式(1)に
よる有効変速の開始判定と同時にF/B制御を開始して
も良い。
【0111】そして、さらに変速が進行して、前記式
(3)が成立した時点t3で、係合側の摩擦係合要素で
あるB/Bへの増圧制御を開始する。これは、解放側ク
ラッチであるH/Cの伝達トルク容量が十分小さくな
り、変速がほぼ終了するタイミングで行われるからであ
る。
【0112】すなわち、解放側摩擦係合要素の伝達トル
ク容量低下に伴って、駆動源であるエンジンの回転数つ
まり入力軸回転数Ntは上昇する。そのまま放置すれ
ば、入力軸回転数Ntはどんどん上昇して行くが、上述
の解放側摩擦係合要素の作動油圧を、F/B制御により
ある程度のトルク伝達が出来る程度に保持しているた
め、全く自由に上昇していくことはない。
【0113】そこで、さらに、上昇した入力軸回転数N
tが、変速後の同期回転数に近づいたところで、係合側
摩擦係合要素の伝達トルク容量を増大させ、油圧上昇の
過渡応答も含めて、解放側、係合側の摩擦係合要素の伝
達トルク容量の和が入力トルクに一致するように係合側
摩擦係合要素への作動油圧を上昇させれば、好適にショ
ックが小さい変速が実現できる。それを実現するため
に、判定しきい値△NZを定めている。
【0114】尚、本実施例では、係合側摩擦係合要素へ
の油圧指令は、前記式(3)の判定後、一定の勾配で上
昇させる方法としたが、油圧系の過渡応答によっては
(応答が遅い場合には)、図8の(クラッチ圧制御用ソ
レノイド16aのデューティ指令値を)破線で示す様
に、ステップ的に油圧指令を上昇させる方法を採っても
良い。
【0115】その後、入力軸回転数Ntが、上記係合側
摩擦係合要素への油圧指令に基づく作動油圧の上昇時間
分を考慮して設定した判定しきい値△NFEを用いた前
記(4)の関係が成立した時点t4で、変速過渡制御は
実質的に終了と見なし、解放側摩擦係合要素の摩擦係合
要素が完全に解放されるように、その作動油圧の減圧指
令を出す。
【0116】d)以上が、本実施例の制御による基本的
作動であるが、さらに本実施例で特徴的なF/B制御開
始の判定しきい値△NFの設定方法及びそれに伴う制御
について説明する。前記図7に示したように、変速指令
から有効変速が開始されるまでの期間(スイープ期間)
は、装置における油圧値の個体差を反映している。即
ち、油圧値が設定値よりも高く出れば出るほど、スイー
プ期間は長くなる。そして、そのスイープ期間が図7に
実線で示した基準値よりも、二点鎖線で示した状態のよ
うに長くても、一点鎖線で示した状態のように短くて
も、前記図17、図18に示したように、減圧し過ぎの
状態が顕著になる。
【0117】つまり、図17に示したような状態で高圧
から急勾配で減圧している場合や、図18に示したよう
に最初から低圧側にいるような場合には、既に低すぎる
油圧のために、有効変速の期間中を適正な油圧にまで増
圧して戻すことは困難である。結果として、有効変速期
間中の入力軸回転数Ntの動きを目標入力軸回転数Nt
rに正確に追従させることは困難となり、比較的急な勾
配で回転数Ntが上昇し、変速ショックが発生する原因
となる。
【0118】この対策として、本実施例では、前記ステ
ップ240にて、カウンタtにより、変速指令から有効
変速までの時間(スイープ時間)を計測し、このスイー
プ時間と基準時間との差が大きいほど、入力軸回転数N
tを目標値Ntrに追従させるF/B制御の開始タイミ
ングを早めている。
【0119】例えば図12(a)に示す様に、スイープ
時間と基準時間とを比較して、その差が大きいほど、F
/B制御開始の判定のしきい値△NFを小さくして、有
効変速期間中のF/B制御の開始タイミングを早めてい
る。つまり、例えば油圧系の応答遅れなどにより、F/
B制御が有効に作用するには時間が必要であり、そのた
めに減圧をし過ぎの状況においては、少しでも早くF/
B制御が有効に作用する状態になるのを早めて、減圧の
し過ぎによって変速が急速に進んでゆく状況を抑制する
のである。
【0120】この様に、本実施例では、変速指令から有
効変速の開始までのスイープ期間においては、解放側の
クラッチであるH/Cの目標液圧を、2次関数に従って
変化させるように制御している。つまり、目標液圧の減
少率が時間の経過に伴って大きくなるように、ライン圧
制御用ソレノイド16aに対してデューティ指令値を出
力している。
【0121】それにより、作動油圧のバラツキに対し
て、油圧が高すぎる場合には、減圧の速度を早め、逆に
油圧が低すぎる場合には、減圧速度が遅い期間で有効変
速が開始されるので、有効変速の開始検出の幅が狭ま
り、応答時間のバラツキを低減することができる。
【0122】その結果、運転者の加速意志により引き起
こされる例えばキックダウン変速のような場合には、ダ
ウンシフトの反応時間が揃うので、車両毎にあるいは運
転操作毎に反応時間がバラツクことがなく、違和感を発
生させることがない。また、本実施例では、変速指令後
の最初の段階では、目標液圧が緩やかな減少率となる様
にデューティ指令値を出力するので、実際のH/Cの油
圧が過度に低減することがない。
【0123】その結果、実際の油圧の急減による応答遅
れ、及びそれに起因する係合時の変速ショックの発生を
防止できる。更に、本実施例では、スイープ時間と基準
時間との差が大きいほど、F/B制御開始の判定のしき
い値△NFを小さくして、そのF/B制御の開始タイミ
ングを早めている。
【0124】これにより、減圧をし過ぎの状況において
は、少しでも早くF/B制御が有効に作用する状態にな
るのを早めて、減圧のし過ぎによって変速が急速に進ん
でゆく状況を抑制して、変速ショックの発生を防止する
ことができる。 (実施例2)次に、実施例2について説明するが、前記
実施例1と同様な箇所の説明は省略又は簡略化する。
【0125】本実施例では、有効変速期間におけるF/
B制御の目標入力軸回転数Ntrの傾きを緩やかにする
ことにより、減圧のし過ぎによる変速ショックの発生を
防止するものである。本実施例の制御処理は、前記実施
例1の図3の処理とほぼ同様であるが、そのステップ2
70の処理として、図9に示す処理を採用する点に特徴
がある。
【0126】まず、図9ステップ500では、map2
(t)を用いて、F/B制御の勾配△ntrを求める。
ここで、map2(t)は、例えば図12(b)を用い
て行なうテーブルルックアップであり、スイープ時間t
の大きさに合わせて勾配△ntrが設定できる。
【0127】続くステップ510では、前回の目標入力
軸回転数Ntr(n−1)に勾配△ntrを加算して、
今回の目標入力軸Ntr(n)を算出する。続くステッ
プ520では、目標入力軸回転数Ntr(n)から実際
の入力軸回転数Nt(n)を引いて、回転数の偏差△N
t(n)を算出する。
【0128】続くステップ530では、下記式(6)か
ら、時刻nにおけるF/B制御の補償出力DFB(n)
を算出する。
【0129】
【数1】
【0130】但し、Kp、Ki、Kdは、各々比例項、
積分項、微分項のゲインを表す定数 続くステップ540では、開始値に補償出力DFB
(n)を加算して、油圧指令値を算出する。ここで、油
圧指令の開始値は、前記式(5)に基づき、スイープ制
御で減圧して、図8の時刻t1における油圧指令値に相
当する。
【0131】つまり、本実施例では、例えば図12
(b)に示す様に、スイープ時間と基準時間との差が大
きいほど、入力軸回転数Ntを目標値Ntrに追従させ
るF/B制御の目標値Ntrを、より緩やかな勾配に設
定する制御を行なう。そうすることにより、実際の入力
軸回転数勾配が急になる場合に、F/B制御の出力をよ
り大きなものとして、入力軸回転数勾配をより緩やかな
ものとすることができる。それにより、減圧のし過ぎに
よって変速が急速に進んでゆく状況を抑制して、係合時
における変速ショックの発生を防止することができる。 (実施例3)次に、実施例3について説明するが、前記
実施例1と同様な箇所の説明は省略又は簡略化する。
【0132】本実施例では、有効変速期間におけるF/
B制御のゲインを大きくすることにより、減圧のし過ぎ
による変速ショックの発生を防止するものである。本実
施例の制御処理は、前記実施例1の図3の処理とほぼ同
様であるが、そのステップ270の処理として、図10
に示す処理を採用する点に特徴がある。
【0133】まず、図10のステップ600では、ma
p3(t)を用いて、F/B制御の比例項ゲインKpt
を求める。ここで、map3(t)は、図12(c)に
代表的にその形状を示した比例項ゲイン用マップを用い
たテーブルルックアップであり、スイープ時間tの大き
さに合わせて比例項ゲインKptが設定できる。
【0134】続くステップ610では、map4(t)
を用いて、F/B制御の微分項ゲインKdtを求める。
ここで、map4(t)も、同様に図12(c)に代表
的にその形状を示した微分項ゲイン用マップを用いたテ
ーブルルックアップであり、スイープ時間tの大きさに
合わせて微分項ゲインKdtが設定できる。
【0135】続くステップ620では、前回の目標入力
軸回転数Ntr(n−1)に勾配△ntr(定数)を加
算して、今回の目標入力軸Ntr(n)を算出する。続
くステップ630では、目標入力軸回転数Ntr(n)
から実際の入力軸回転数Nt(n)を引いて、回転数の
偏差△Nt(n)を算出する。
【0136】続くステップ640では、下記式(7)か
ら、時刻nにおけるF/B制御の補償出力DFB(n)
を算出する。
【0137】
【数2】
【0138】続くステップ650では、開始値に補償出
力DFB(n)を加算して、油圧指令値を算出する。こ
こで、油圧指令の開始値は、前記式(5)に基づき、ス
イープ制御で減圧して、図8の時刻t1における油圧指
令値に相当する。尚、ここでは、勾配△ntrを定数と
しているが、前記実施例2の図9に示す様に、スイープ
時間tに応じて変更してもよい。
【0139】つまり、本実施例では、例えば図12
(c)に示す様に、スイープ時間と基準時間との差が大
きいほど、入力軸回転数Ntを目標値Ntrに追従させ
る制御のゲインを高めに設定する。そうすることによ
り、実際の入力軸回転数勾配が急になる場合に、F/B
制御の出力をより大きなものとして、入力軸回転数勾配
をより緩やかなものとすることができる。それにより、
減圧のし過ぎによって変速が急速に進んでゆく状況を抑
制して、係合時における変速ショックの発生を防止する
ことができる。 (実施例4)次に、実施例4について説明するが、前記
実施例1と同様な箇所の説明は省略又は簡略化する。
【0140】本実施例では、係合側摩擦係合要素への作
動油圧の増圧制御の開始タイミングを決める判定しきい
値△NZを大きくすることにより、減圧のし過ぎによる
変速ショックの発生を防止するものである。本実施例の
制御処理は、前記実施例1の図3の処理とほぼ同様であ
るが、そのステップ290の処理として、図11に示す
処理を採用する点に特徴がある。
【0141】まず、図11のステップ700では、ma
p5(t)を用いて、F/B制御の判定しきい値△NZ
を求める。ここで、map5(t)は、例えば図12
(d)を用いて行なうテーブルルックアップであり、ス
イープ時間tの大きさに合わせて判定しきい値△NZが
設定できる。
【0142】続くステップ710では、係合側の摩擦係
合要素への作動油圧の増圧制御の開始タイミングである
か否かが、前記(3)式よって判定される。つまり、本
実施例では、例えば図12(d)に示す様に、スイープ
時間と基準時間との差が大きいほど、係合側の摩擦係合
要素であるB/Bへの作動圧の増圧制御の開始タイミン
グを早めるために、増圧を開始する判定しきい値△NZ
をより大きくする。
【0143】そうすることによって、解放側の摩擦係合
要素(H/C)が減圧のし過ぎにより伝達トルク容量が
不足する場合であっても、係合側の摩擦係合要素(B/
B)への増圧制御によって、伝達トルク容量の不足を補
って、変速終了期の大きなショックの発生を防止するこ
とができる。 (実施例5)次に、実施例5について説明するが、前記
実施例1と同様な箇所の説明は省略又は簡略化する。
【0144】本実施例は、摩擦係合要素への導入油圧を
アキュムレータを用いて行なう例である。図13に本実
施例の自動変速機の構成を示すが、本実施例では、解放
側摩擦係合要素であるH/C及び係合側摩擦係合要素で
あるB/Bに加え、オイルポンプ151、プレッシャレ
ギュレータバルブ152、H/Cアキュムレータ15
3、B/Bアキュムレータ154を備えている。
【0145】そして、H/Cは、ライン圧制御用ソレノ
イド116aで調圧されるライン圧に基づく油圧を、H
/Cアキュムレータ152の背圧に導入して、ライン圧
からクラッチ油圧を作り、一方、B/Bは、クラッチ圧
制御用ソレノイド116bによって調圧される油圧を、
B/Bアキュムレータ154の背圧に導入して、ライン
圧からH/Cの作動油圧とは独立にクラッチ油圧を作っ
ている。
【0146】このようにH/Cアキュムレータ153及
びB/Bアキュムレータ154を使用する場合には、そ
の特性から、即ち各アキュムレータ153,154を作
動させるために使用するピストン等には、制御遅れが発
生する可能性があるので、背圧を下げて減圧状態になる
と、早い応答で増圧することは大変困難である。
【0147】従って、前記図17に示したような状態で
高圧から急勾配で減圧している場合や、図18に示した
ように最初から低圧側にいるような場合には、既に低す
ぎる油圧のために、有効変速の期間中を適正な油圧にま
で増圧して戻すことは困難である。結果として、有効変
速期間中の入力軸回転数Ntの動きを目標入力軸回転数
Ntrに正確に追従させることは困難で、比較的急な勾
配で回転数Ntが上昇していく。
【0148】そのため、本実施例においても、上述した
実施例1〜実施例4の様に、フィードバック制御や同期
点付近の制御の開始タイミングや制御の方法を変更し
て、これに対応する。既に詳述した様に、装置の固体差
によって、摩擦係合要素に対して減圧し過ぎることがあ
り、これは、摩擦係合要素への導入油圧を各アキュムレ
ータ153,154を用いて設定している場合にはより
一層顕著になるが、本実施例の場合には、各アキュムレ
ータ153,154を使用した自動変速機の場合でもあ
っても、反応時間のバラツキや変速ショックを防止する
ことができる。
【0149】尚、本発明は前記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々
の態様で実施できることはいうまでもない。 (1)例えば、前記実施例1〜5では、自動変速機の制
御装置及び自動変速機の制御方法について述べたが、本
発明は、それらに限らず、上述した自動変速機の制御を
実行させる手段を記憶している記録媒体にも適用でき
る。
【0150】この記録媒体としては、マイクロコンピュ
ータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、
フロッピィディスク、ハードディスク、光ディスク等の
各種の記録媒体が挙げられる。つまり、上述した自動変
速機の制御装置の制御を実行させることができる例えば
プログラム等の手段を記憶したものであれば、特に限定
はない。
【0151】(2)また、前記実施例1では、目標液圧
を2次関数的に変化させる様に制御指令値を出力した
が、例えば図14に示す様に、所定期間△t毎に目標液
圧の勾配を変更する制御指令値を出力してもよい。この
場合は、演算処理が軽減されるという利点がある。
【0152】更に、図15に示す様に、2次関数による
開放側の摩擦係合要素への目標液圧の減圧制御を、その
減圧勾配が予め定めた所定値に達した時点tc以降にお
いては、前記所定の減圧勾配に保持するようにしてもよ
い。この場合は、前記実施例1〜5に示したものと同様
な効果を奏するとともに、不必要に急勾配で減圧するこ
とを防止できる。
【0153】(3)前記有効変速期間の終了付近でエン
ジンのトルクダウン制御を実行してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の制御装置を内蔵した自動変速機制
御系の全体構成を示す概略構成図である。
【図2】 自動変速機の構成を示す概略構成図である。
【図3】 実施例1の制御処理を示すメインルーチンの
フローチャートである。
【図4】 実施例1のF/B制御判定処理を示すフロー
チャートである。
【図5】 実施例1の変速初期油圧制御の処理を示すフ
ローチャートである。
【図6】 シフトアップ及びシフトダウンの変速線を示
すグラフである。
【図7】 実施例1の制御における目標液圧及び変速状
態を示すタイミングチャートである。
【図8】 実施例1の変速状態を示すタイミングチャー
トである。
【図9】 実施例2のF/B制御処理を示すフローチャ
ートである。
【図10】 実施例3のF/B制御処理を示すフローチ
ャートである。
【図11】 実施例4の係合側増圧制御の開始判定処理
を示すフローチャートである。
【図12】 スイープ時間に応じて変更する制御の内容
を示し、(a)は実施例1のスイープ時間と△NFとの
関係を示すグラフ、(b)は実施例2のスイープ時間と
Ntrの傾きとの関係を示すグラフ、(c)は実施例3
のスイープ時間とF/B制御のゲインとの関係を示すグ
ラフ、(d)は実施例4のスイープ時間と△NZとの関
係を示すグラフである。
【図13】 実施例5の自動変速機の液圧制御装置の構
成を示す説明図である。
【図14】 他の実施例における目標液圧の設定方法を
示す説明図である。
【図15】 更に他の実施例における目標液圧の設定方
法を示す説明図である。
【図16】 変速時における従来技術を示す説明図であ
る。
【図17】 変速時における従来技術を示す説明図であ
る。
【図18】 変速時における従来技術を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…エンジン 2…自動変速機 5…エンジン制御用コンピュータ 6…エンジン回転
数センサ 7…車速センサ 8…スロットルセ
ンサ 10…トルクコンバータ 11…変速歯車機
構 12…入力軸 13…出力軸 14…変速制御用コンピュータ 15…コントロー
ルバルブ 15a,15b…変速制御用ソレノイド 16…ライン圧制御用ソレノイド 17…入力軸回転数センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−341527(JP,A) 特開 平5−99316(JP,A) 特開 平4−244663(JP,A) 特開 平2−21059(JP,A) 特開 平6−74327(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの回転力が入力される入力
    軸と、駆動輪側に回転力を出力する出力軸との間に設け
    られ、液圧によって係合される複数の摩擦係合要素の係
    合状態によって回転要素の拘束状態が決定される変速歯
    車機構と、 前記複数の摩擦係合要素の中から、変速段の切り替えに
    対応して、その係合状態を切り替える摩擦係合要素を選
    択する係合状態切り替え手段と、 該係合状態切り替え手段によって選択された摩擦係合要
    素に加える液圧を制御する液圧制御手段と、 を備え、前記変速段を下げるダウンシフト制御を行なう
    自動変速機の制御装置において、 前記液圧制御手段により、前記係合状態から非係合状態
    に切り替える摩擦係合要素に加える液圧を制御する場合
    に、 前記ダウンシフト制御の開始から前記入力軸回転数が変
    速終了後の値に向かって上昇を始める前の段階にて、 前記液圧制御手段に対して、前記摩擦係合要素に加わる
    液圧を徐々に減少させ、且つその減少率が時間とともに
    大きくなるように制御する制御指令値を出力する変速初
    期液圧制御手段を備えたことを特徴とする自動変速機の
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速初期液圧制御手段は、時間に対
    して2次以上の高次の関数にて表される液圧となるよう
    に制御する制御指令値を出力することを特徴とする前記
    請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変速初期液圧制御手段は、前記液圧
    の減少率が所定時間毎に切り替わって、時間に対して折
    れ線状の関数にて表される液圧となるように制御する制
    御指令値を出力することを特徴とする前記請求項1に記
    載の自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変速初期液圧制御手段は、前記液圧
    の減少率が所定値に達した後は、該液圧の減少率を所定
    値に固定するように制御する制御指令値を出力すること
    を特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の自動
    変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ダウンシフト制御の開始から前記入
    力軸回転数の増加開始までの時間を計測する計測手段
    と、 該計測手段によって計測した計測時間と、予め設定され
    た基準時間とを比較する比較手段と、 該比較手段による結果に応じて、前記入力軸回転数の過
    度の上昇を抑制するように、実質的に変速が進行する期
    間における前記液圧制御手段の制御内容を変更する変更
    手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか
    に記載の自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記計測時間と前記基準時間との差が大
    きいほど、前記入力軸回転数の上昇の抑制の程度を大き
    くするように、前記液圧制御手段の制御内容を変更する
    ことを特徴とする前記請求項5に記載の自動変速機の制
    御装置。
  7. 【請求項7】 前記変更手段による制御内容の変更が、
    前記入力軸回転数を目標値に追従させる制御の開始タイ
    ミングを早めることであることを特徴とする前記請求項
    5又は6に記載の自動変速機の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記変更手段による制御内容の変更が、
    前記入力軸回転数を目標値に追従させる制御の目標値
    を、より緩やかな勾配に設定することであることを特徴
    とする前記請求項5〜7のいずれかに記載の自動変速機
    の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記変更手段による制御内容の変更が、
    前記入力軸回転数を目標値に追従させる制御のゲインを
    高めることであることを特徴とする前記請求項5〜8の
    いずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  10. 【請求項10】 更に、新たな変速段を達成するために
    液圧によって係合作動する別の摩擦係合要素を有する構
    成を追加し、 前記計測時間と前記基準時間との差に応じて、前記係合
    作動する別の摩擦係合要素への作動液圧導入制御の開始
    タイミングを変更することを特徴とする前記請求項5〜
    9のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  11. 【請求項11】 前記計測時間と前記基準時間との差が
    大きいほど、前記係合作動する別の摩擦係合要素への作
    動液圧導入制御の開始タイミングを早めることを特徴と
    する前記請求項10に記載の自動変速機の制御装置。
  12. 【請求項12】 前記請求項1〜11のいずれかに記載
    の自動変速機の制御装置による制御を実行させる手段を
    記憶していることを特徴とする記録媒体。
  13. 【請求項13】 エンジンからの回転力が入力される入
    力軸と、駆動輪側に回転力を出力する出力軸との間に設
    けられ、液圧によって係合される複数の摩擦係合要素の
    係合状態によって回転要素の拘束状態が決定される変速
    歯車機構に対して、 複数の摩擦係合要素の中から、変速段の切り替えに対応
    して、その係合状態を切り替える摩擦係合要素を選択
    し、この選択された摩擦係合要素に加える液圧を制御し
    て、変速段を下げるダウンシフト制御を行なう自動変速
    機の制御方法において、 係合状態から非係合状態に切り替える摩擦係合要素に加
    える液圧を制御する場合に、ダウンシフト制御の開始か
    ら入力軸回転数が変速終了後の値に向かって上昇を始め
    る前の段階にて、摩擦係合要素に加わる液圧を徐々に減
    少させ、且つその減少率が時間とともに大きくなるよう
    に制御する制御指令値を出力することを特徴とする自動
    変速機の制御方法。
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