JP3467767B2 - 脆性亀裂伝播停止特性に優れた鋼材およびその製造方法 - Google Patents

脆性亀裂伝播停止特性に優れた鋼材およびその製造方法

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JP3467767B2 JP08053998A JP8053998A JP3467767B2 JP 3467767 B2 JP3467767 B2 JP 3467767B2 JP 08053998 A JP08053998 A JP 08053998A JP 8053998 A JP8053998 A JP 8053998A JP 3467767 B2 JP3467767 B2 JP 3467767B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶、海洋構造
物、低温貯蔵タンク、ラインパイプ、建築・土木構造物
等の大型構造物に使用される脆性亀裂伝播停止特性に優
れた鋼材、特に衝突や大地震等による不慮の大変形を受
けた後にも優れた脆性亀裂伝播停止特性を有する鋼材及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶、海洋構造物、低温貯蔵タンク、ラ
インパイプ、建築・土木構造物等の大型構造物において
は、脆性破壊に伴う事故が経済や環境に及ぼす影響が大
きく、高度の安全性が求められている。このため、これ
らの構造物に使用される鋼材に対して、低温靭性が要求
されることが多い。最近では特に、不慮の事故等で構造
物に亀裂が発生した場合であっても、破壊に至ることを
防止する観点から、低温における脆性亀裂伝播停止特
性、いわゆるアレスト特性が要求され始めている。さら
に、不慮の事故により構造物は通常大きな塑性変形を受
ける場合が多いため、鋼材には塑性変形による損傷を受
けた後においても所定の低温靭性を有することが要求さ
れ始めている。
【0003】すなわち、船舶においては、衝突事故後に
船舶を再使用する場合の安全性確保の点から材料に対す
る脆性亀裂伝播停止特性の要求も一段と高度化してい
る。例えば、船舶用の鋼材では、塑性変形を受けた後に
おいても高い脆性亀裂伝播停止特性、例えば10%の塑
性変形を受けた後において、Kca(0℃)≧600k
gf/mm3/2という破壊靭性値が要求がされる例も
ある。
【0004】また、阪神淡路大震災における大型建築構
造物の脆性破壊的な破損事故の経験から、構造物が大き
な力を受け大きな塑性変形を受けた場合であっても、繰
り返し起こる地震の余震応力あるいはその後の構造物の
継続使用に対する安全性の点から、建築構造用鋼材にお
いても、塑性変形を受けた後に十分な低温靭性を有する
ことが求められている。
【0005】このような高い脆性亀裂伝播停止特性は、
塑性変形を受けない圧延ままの状態であっても容易に実
現できるものではない。また、鋼材は塑性変形を受け加
工硬化するとその靭性が低下するのが一般的であり、塑
性変形後の状態において、優れた脆性亀裂伝播停止特性
を実現するのは極めて困難であるといえる。
【0006】鋼材の低温靭性、特に脆性亀裂伝播停止特
性を向上させる手段として、従来よりNi含有量を増加
させる方法が知られており、液化天然ガス(LNG)の
貯槽タンクにおいては、9%Ni鋼が商業規模で使用さ
れている。しかし、Ni量の増加はコストの大幅な上昇
を余儀なくさせるため、LNG貯槽タンク以外の用途に
は適用が難しい。
【0007】一方、LNGのような極低温まで至らな
い、いわゆる寒冷地仕様あるいはわが国における冬季仕
様の場合は、従来から制御圧延と制御冷却を組み合わせ
た加工熱処理方法、いわゆるTMCP法(Thermo
−Mechanical Control Proce
ss)が広く用いられてきた。この方法は、(1)オー
ステナイトの再結晶を繰り返すことで、オーステナイト
の細粒化を図ること、(2)オーステナイトの低温未再
結晶域の圧延における累積圧下率を大きくとり、オース
テナイト粒の展伸を増大させ、多数の変形帯を導入する
ことにより、その後のフェライト変態に際してフェライ
トの核発生サイトを増加させてフェライトの細粒化を図
ること、及び(3)圧延後の制御冷却におけるγ/α変
換比の調整によるフェライトの細粒化と微細ベイナイト
組織の導入を図ることを特徴とするものである。
【0008】TMCP法は、船舶やラインパイプに使用
される鋼板の板厚が40mm以下程度の比較的薄手の鋼
材に対しては、きわめて優れた脆性亀裂伝播停止特性を
付与することができる。しかし、鋼材の板厚が増加し
て、例えば板厚が40mmを超える鋼材になると、脆性
亀裂伝播停止特性の点で、改善の余地が残されている。
【0009】また、制御圧延において、変態したフェラ
イトに圧下を加えて集合組織を発達させることにより、
脆性亀裂伝播停止特性の向上を図るTMCP法も知られ
ている。これは、鋼材の破壊面上にセパレーションを板
厚方向と平行な方向に生ぜしめ、脆性亀裂先端の応力を
緩和させることにより、脆性破壊に対する抵抗を高める
方法である。しかし、鋼材の板厚が厚くなると、このよ
うなTMCPの効果を十分に発揮させるのが困難とな
る。また変態点以下で過度の加工を加えると、鋼材の板
厚方向の靭性が劣化するという問題がある。
【0010】一方、近年、合金コストを上昇させること
なく、鋼材の表層部の組織を超微細化する技術が、脆性
亀裂伝播停止特性を向上させる手段として提案されてい
る。例えば、特開平4−141517号公報では、脆性
亀裂が伝播する際に、鋼材表層部に発生するシアリップ
(塑性変形領域)が脆性亀裂伝播停止特性の向上に効果
があることに着目し、シアリップ部分の結晶粒を微細化
させて、伝播する脆性亀裂が有する伝播エネルギを吸収
させる方法が開示されている。
【0011】これを具体化する方法として、熱間圧延後
の制御冷却により表層部分をAr3変態点以下に冷却
し、その後制御冷却を停止して表層部分を変態点以上に
復熱させる工程を1回以上繰り返して行い、この間に鋼
材に圧下を加えることにより、繰り返し変態させ又は加
工再結晶させて、表層部分に超微細なフェライト組織又
はベイナイト組織を生成させるものである。
【0012】また、特開平5−271863号公報で
は、脆性亀裂伝播停止特性を向上させる鋼材の表層部の
組織は、平均円相当径で3μm以下の微細フェライト結
晶粒若しくはベイナイト組織が必要であること、かつそ
の微細結晶粒が集合組織を形成し結晶粒が扁平している
ことが有効であることが開示されている。
【0013】しかし、これらの開示された発明は、鋼材
表層部のみを一旦冷却した後に復熱させ、かつ復熱中に
加工を加えることによって、脆性亀裂伝播停止特性に効
果のある組織を得るものであり、実生産規模では制御が
容易ではないと考えられるプロセスである。またフェラ
イトが加工再結晶することを利用して微細組織を得てい
るが、加工再結晶フェライトは成長が起こり易く組織的
な安定性に欠けるため、微妙な熱履歴の変動により組織
や材質の不均一を生じやすいという問題がある。
【0014】そこで、特開平8−225836号公報で
は、圧延機に付属するデスケーリング装置を改良して、
冷却と圧延のタイミングを制御する方法により、上述の
不安定な組織の安定化を図る発明が開示されている。し
かし、この発明は、限られたスペースに配置されている
デスケーリング装置を、本来の目的とは異なる用途にも
使用しているため、大幅な能力増強を目指した改造が必
要となる等エンジニアリング上の課題がある。また、熱
履歴の影響を受けやすいフェライト組織の不安定性を根
本的に解決する方法には至っていないと考えられる。
【0015】さらに、先行技術に記載された脆性亀裂伝
播停止特性に優れる超微細組織が安定して得られたとし
ても、溶接学会論文集第15巻第1号148〜154ペ
ージ(1997)に示されているように、超微細組織は
必然的に表層部の硬さを増加させることになる。従っ
て、表層部の硬さはビッカース硬さで約200を超える
など板厚中心部の硬さ160〜170に比べて著しく高
くなっており、かかる表層側の超微細組織は得られる脆
性亀裂伝播停止特性を相殺するのではないかという危惧
がある。
【0016】そこで、特開平8−253812号公報で
は、板厚方向の硬度分布の均一化を目的として、Vを添
加した鋼を用いて、加熱したスラブを直接冷却して温度
差を付与しフェライトを生成させてから圧延を開始し、
圧延途中又は圧延終了後に再度変態点近傍の温度域で復
熱させる方法が開示されている。Vの析出硬化を板厚中
心部だけに作用させて、板厚方向の硬度分布の均一化を
可能とし、脆性亀裂伝播停止特性の向上が図れるという
技術的思想である。しかし、V化合物を適切に析出させ
るためには、プロセスを一層複雑させることが必要とな
り、上述の組織の不安定性の解決にはかならずしも結び
ついていないと考えられる。
【0017】以上述べてきたように、鋼材の表面に超微
細な組織を形成して脆性亀裂伝播停止特性を向上させる
ことを意図したこれらの先行技術は、工業的な規模で、
当該組織を安定して得ることは難しいと考えられる。ま
た、先行技術においては、開示された技術を用いて製造
された鋼材自体は優れた脆性亀裂伝播停止特性を有する
ことが明示されているものの、塑性変形を受けた後の破
壊靭性値については言及していないため、脆性亀裂伝播
停止特性が十分なものであるのか否かが明らかでない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塑性変形を
受けた後においても優れた脆性亀裂伝播停止特性を有す
るために必要な組織を明らかにし、そのような組織が安
定して得ることができる鋼材の製造方法を、高価な合金
元素を使用することなく、提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の達成に向けて鋭意研究を重ねた結果、以下に述べるよ
うに、塑性変形を受けた後にも優れた脆性亀裂伝播停止
特性を有する鋼材及び当該鋼材を安定して得る製造方法
の発明を完成するに至った。すなわち、脆性亀裂伝播停
止特性の向上には、フェライトを主組織とする鋼材にお
いて、フェライト結晶粒の細粒化のみならずフェライト
結晶内に形成されるサブグレインが大きな役割を果たし
ていること、これらのフェライト及びサブグレイン組織
と製造条件であるTMCP条件の関係について明らかに
するにことができた。
【0020】第1の発明は、フェライトを主組織とする
鋼材であって、扁平率が2以上でかつ短軸径が5μm以
下のフェライト結晶粒内に、最大径が5μm以下のサブ
グレインを含む組織(以下「サブグレイン組織」とい
う。)が、鋼材板厚の5%以上の部分を占めることを特
徴とする脆性亀裂伝播停止特性に優れた鋼材である。か
かるサブグレイン組織を有する鋼材は、大きな塑性変形
を受けた後であっても、優れた脆性亀裂伝播停止特性を
得ることができる。
【0021】第2から第5の発明は、この細粒フェライ
ト組織とサブグレイン組織を実際の製造において、安定
して得る方法である。すなわち第2の発明は、加熱され
た鋼スラブを所定の形状・厚さの鋼材に製造するに際し
て、下記工程からなることを特徴とする脆性亀裂伝播停
止特性に優れた鋼材の製造方法である。 (a)Ar3点以上の温度で一旦鋼スラブの圧延を中断
する工程と、(b)Ae3点−20℃以下の温度域に6
0秒以上滞在させる工程と、(c)Ar3点以下Ar3
点−100℃以上の温度域で累積圧下率50%以上の圧
延を行う工程と、(d)その後ただちに冷却速度2℃/
s以上で650℃以下の温度域まで制御冷却する工程。
この発明により、塑性変形を受けた後の脆性亀裂伝播停
止特性の向上に寄与する細粒フェライト組織とサブグレ
イン組織を安定して得ることができる。
【0022】第3の発明は、前記(a)の工程の前に、
オーステナイト未再結晶温度域で累積圧下率50%以上
の圧下を加える圧延工程を付加することを特徴とする脆
性亀裂伝播停止特性に優れた鋼材の製造方法である。こ
の発明により、フェライト組織を一層安定して、扁平率
2以上でかつ短軸径5μm以下にすることができる。
【0023】第4の発明は、前記(b)の工程を、Ae
3点−20℃以下の温度域に60秒以上滞在させる工程
に代えて、Ar3点−100℃以下の温度域に5秒以上
滞在させる工程を有することを特徴とする脆性亀裂伝播
停止特性に優れた鋼材の製造方法である。この発明によ
って、サブグレイン組織を一層安定して得ることができ
る。
【0024】第5の発明は、前記(a)の工程の前に、
オーステナイト未再結晶温度域で累積圧下率50%以上
の圧下を加える圧延工程を付加し、かつ、前記(b)の
工程を、Ae3点−20℃以下の温度域に60秒以上滞
在させる工程に代えて、Ar3点−100℃以下の温度
域に5秒以上滞在させる工程を有することを特徴とする
脆性亀裂伝播停止特性に優れた鋼材の製造方法である。
この発明により、脆性亀裂伝播停止特性の向上に有効な
サブグレイン組織と細粒フェライト結晶粒を一層安定し
て、得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明者らは、鋼材が製造された
ままの状態のみならず、塑性変形を受けた後においても
脆性亀裂伝播停止特性に優れた鋼材の開発を目標とし、
組織と特性の関係を調査した。特に、先行技術に提示さ
れた鋼材表層部に生成する超微細組織は、熱履歴の変動
に伴う安定性に欠けること、及び必然的に表層部の硬度
を増加させるため脆性亀裂伝播停止特性の向上を阻害す
るおそれがある。従って、脆性亀裂伝播停止特性に効果
のある安定した組織を見出し、それとTMCP条件との
関係の検討を行った。
【0026】検討においては、大型構造物に多用され
る、引張強度が400MPa級又は490MPa級の一
般的な構造用鋼を用いた。その化学成分は、C:0.0
2〜0.2%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.
5〜2.0%、P:0.005〜0.02%、S:0.
001〜0.005%、Sol.Al:0.01〜0.
08%、必要に応じてNb、V、Ti、Cu,Niを適
量含有するものであり、そのCeq(WESの式):
0.40%以下、Pcm:0.20%以下である。供試
鋼は連続鋳造により鋼片とした後、種々のTMCP条件
で板厚16〜30mmの鋼材を製造した。以下に、これ
らの実験結果を踏まえて、本発明において、鋼材の組織
ならびに製造条件を限定した理由について述べる。
【0027】(1)鋼材の組織 本発明はフェライトを主組織とする鋼材を対象とする。
すなわち、鋼材の組織として、フェライトが概ね80%
以上を占め、残部はパーライト又は/及びベイナイトか
らなるものである。対象をこのように限定したのは、大
型構造物に多用される引張強度が400MPa級又は4
90MPa級の一般的な構造用鋼の代表的な組織だから
である。
【0028】鋼材の脆性亀裂伝播停止特性を向上させる
最も一般的な方法は、フェライト組織の細粒化とセパレ
ーションの発生である。後者については、上述したよう
に、脆性亀裂の伝播時に、セパレーションが亀裂先端の
応力を緩和させる役割を有するからである。セパレーシ
ョンは、集合組織を発達させることによりその発生を促
進できることが知られている。そこでまず、塑性変形を
付与する前後の脆性亀裂伝播停止特性に及ぼす集合組織
及びフェライト組織の細粒化の影響を、圧延条件の異な
る種々の鋼材を用いて調査した。なお、塑性変形として
は、10%の引張予歪を鋼材に与えた。
【0029】集合組織の発達の評価は、簡易的にフェラ
イト結晶粒の伸長、すなわち光学顕微鏡を用いて観察し
た結晶粒の扁平率で評価した。ここでフェライト結晶粒
の扁平率とは、図4に示すようにフェライト結晶粒の長
軸径と短軸径の比をいう。また、脆性亀裂伝播停止特性
の評価は、NRL落重試験片を圧延方向から採取し、N
DTTを測定することにより行った。NDTTの目標値
としては、−60℃以下とした。なおNRL落重試験
は、ASTM E208規格に準拠して行い、試験片形
状はP−3試験片(厚さ15.9mm、幅51mm、長
さ127mm)とした。
【0030】フェライト結晶粒の扁乎率及び扁平フェラ
イト結晶粒の短軸径とNDTTの関係を図1、図2に示
す。塑性変形を受けた鋼材は、当然のことながら塑性変
形を受けない鋼材よりもNDTTが劣化しているが、塑
性変形の有無いずれにおいても、フェライト結晶粒の扁
乎率の増加(集合組織の発達)及び扁平フェライト結晶
粒の短軸径の減少(細粒化)によりNDTTが向上する
ことが明らかである。特に、フェライト結晶粒の扁乎率
が2以上でその短軸径が5μm以下の組織を有する場合
には、10%という大きな塑性変形を受けた後において
も、NDTTが−60℃以下を得ることができる。
【0031】この良好なNDTTを有する鋼材には、N
DTT近傍の温度で破断した試験片の破断面に明瞭なセ
パレーションが観察されたが、一方、同じ組織を有しセ
パレーションの発生が認められたにもかかわらず、ND
TTが−60℃に達しない鋼材もある。従って、フェラ
イトの細粒化とセパレーションの発生(フェライト結晶
粒の扁平率の増加)は、塑性変形を受けた後の脆性亀裂
伝播停止特性の向上に必要な条件であるが、これだけで
は、本発明の目的を達成することはできないことが判明
した。
【0032】そこで、脆性亀裂伝播停止特性には、フェ
ライトの下部構造であるサブグレインも影響している可
能性があると考え、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過
型電子顕微鏡(TEM)を用いた詳細な観察を行った。
その結果、塑性変形後のNDTTが−60℃以下を示す
鋼材においては、伸長したフェライト結晶粒の中にサブ
グレインバウンダリー(亜結晶粒界)が多数観察され、
サブグレインのような結晶下部構造も重要な働きをして
いることが窺える。
【0033】図3には、塑性変形を受ける前の鋼材のサ
ブグレインの大きさと塑性変形を受けた後のNDTTの
関係を示す。サブグレインの微細化とともにNDTTが
向上することが明らかであるが、塑性変形を受けた後の
NDTTは、母相であるフェライト結晶粒の短軸径の大
きさで層別されている。すなわち、フェライト結晶粒の
短軸径が5μmを超える場合にはサブグレインの大きさ
が5μm以下であっても、NDTTはあまり改善されて
いない。一方、フェライト結晶粒の短軸径が5μm以下
でかつサブグレインの大きさが5μm以下の場合には、
NDTT−60℃以下の目標を満たすものが多い。
【0034】また、このサブグレイン組織の占める比率
が多いほど、塑性変形を受けた後の脆性亀裂伝播停止特
性が安定して優れる。図5は、かかるサブグレイン組織
が鋼材の板厚方向に占める比率とNDTTの関係を示し
た図であり、この組織が板厚の5%以上の部分を占める
ことにより、NDTT−60℃以下が安定して得られる
ことが判明した。なお、サブグレイン組織は、鋼材の製
造時の熱履歴から、鋼材の表裏面側から優先して生成す
る。
【0035】以上述べてきたように、大きな塑性変形を
受けた後においても、鋼材が優れた脆性亀裂伝播停止特
性を有するためには、鋼材のフェライト組織の細粒化と
集合組織の発達に加えて、フェライト結晶粒内に生成す
るサブグレイン組織が重要な役割を果たしている。従っ
て、サブグレイン組織の大きさとその生成量を制御する
ことが、本発明の目的を達成できることになる。
【0036】なおここで、サブグレインとは、一般に
は、塑性変形により金属内に導入された転位がからみ合
って形成する壁(セル)とセルの内部の転位が、焼鈍に
よる回復で再配列してできるものをいい、最初のセルと
ほぼ同じ大きさで相互の方位差のきわめて小さいサブ結
晶粒をいう(金属材料技術用語辞典、金属材料技術研究
所編、日刊工業新聞社)。サブグレイン組織はフェライ
ト結晶粒界とは異なるため、鉄鋼材料の組織を現出する
腐食液(例えばナイタール、ピクラール)を用いても、
光学顕微鏡レベルの倍率では明瞭に観察され難いが、S
EMを用いた場合には明瞭に観察される。従って、本発
明においては、サブグレインの大きさは、数カ所以上の
SEM像又はSEM写真を画像処理装置を用いて、その
最大径を測定した。また、サブグレインの最大径とは、
楕円又は多角形のサブグレインを内側に包含できる最小
の円の直径をいい、その概念を図6に示す。
【0037】かかるサブグレイン組織が塑性変形後の脆
性亀裂伝播停止特性に及ぼす効果について、そのメカニ
ズムは明らかではないものの、サブグレインバウンダリ
ーがフェライト結晶粒界と同様の役割を果たし、サブグ
レインの大きさが実質的に鋼の低温靭性を支配している
と考えられる。また、このサブグレイン組織は、塑性変
形に伴なう加工硬化(導入される転位組織)の悪影響を
緩和させる役割を果たしているものと推測される。
【0038】さらに、このサブグレイン組織は、後述す
るように、制御が比較的容易であり、かつ安定して得る
ことができる。すなわち、従来の鋼材の表層部の超微細
組織は、鋼材に復熱過程を付与してフェライトの加工再
結晶を利用して得るものである。一方、本発明では、オ
ーステナイトから変態した異方性のないフェライト結晶
粒に圧下を加えて、フェライト粒に異方性(集合組織)
を付与すると同時にサブグレイン組織を形成しており、
フェライトの加工再結晶を利用するものではない。この
ため、サブグレイン組織自体も異方性(集合組織)を有
していると考えられ、鋼材自体の脆性亀裂伝播停止特性
を向上させる効果を有するが、特に圧延方向の脆性亀裂
伝播停止特性を著しく向上させている要因と考えられ
る。
【0039】このサブグレイン組織は、微小硬度計(荷
重98N)による硬さがおよそ180以下である。従っ
て、この微細組織が鋼材の表裏面部分に生成されても、
表裏面部分の延性低下を抑える効果を有していると考え
られ、このことも本発明鋼の脆性亀裂伝播停止特性の向
上に寄与しているものと考えられる。
【0040】以上のことから、フェライトを主組織とす
る鋼材であって、(イ)フェライト結晶粒が扁平率が2
以上でその短軸径が5μm以下であること、(ロ)その
フェライト結晶内に最大径5μm以下のサブグレインが
形成されていること、(ハ)このサブグレインを含む微
細なフェライト組織が鋼材板厚の5%以上の部分を占め
ること、の三つの組織的要素が塑性変形を受けた後にお
いても優れた脆性亀裂伝播停止特性を有する鋼材の必要
条件となる。
【0041】(2)鋼材のTMCP条件 つぎに、このサブグレイン組織を安定して得るために
は、加熱された鋼スラブを所定の形状・厚さの鋼材に製
造するに際して、下記の圧延・冷却条件が必要となる。
すなわち、(a)微細なフェライト結晶粒を確保する圧
延条件、(b)鋼材板厚の5%以上の部分に微細フェラ
イト組織を生成する圧延条件、(c)微細フェライトに
集合組織を発達させるとともに加工(圧延)により導入
した転位を熱的エネルギーにより再配置しサブグレイン
を形成させる圧延条件、(d)形成した微細なフェライ
ト結晶粒と微細なサブグレイン粒の粗大化を抑制する冷
却条件、である。
【0042】上記(a)に対応する工程は、Ar3点以
上のオーステナイトの未再結晶域で50%以上の累積圧
下を加えるものである。これにより、オーステナイト組
織を展伸させるとともに、オーステナイト粒内に多数の
変形帯を導入でき、最終のフェライト結晶粒の短軸径を
5μm以下とすることができる。一方オーステナイト未
再結晶域での累積圧下率が50%未満の場合には、目的
とする微細なフェライト組織が得られない。なお、この
圧延の前に、鋼スラブの加熱温度を適正化して加熱オー
ステナイト結晶粒の粗大化を防止すること及び再結晶に
よるオーステナイト粒の細粒化を図ることが望ましい。
【0043】上記(b)に対応する工程は、(a)の工
程後圧延を一旦中断して、鋼材をAe3点−20℃以下
の温度域に60秒以上滞在させる工程である。圧延を中
断する工程により、それ以前の圧延で導入された結晶組
織内の歪みが解放されるため、その後に均一な組織を得
ることができる。また、鋼材をAe3点−20℃以下の
温度域に60秒以上滞在させる工程により、フェライト
変態が促進され、所定のフェライト相の分率を確保する
ことができる。滞在する温度域がAe3変態点−20℃
未満の高温の場合には、変態に際しての過冷が小さいた
めフェライト変態に要する時間が長くなり、工業規模の
製造において、圧延能率が低下するので好ましくない。
また、滞在する時間が60秒未満では、滞在温度によっ
てはフェライト変態が十分に進まないことがあるからで
ある。なおこの工程には、当該温度域において等温保持
される場合又は当該温度域を60秒以上で冷却される場
合のいずれもが含まれる。
【0044】ここで、Ae3点とは、鋼の平衡状態にお
けるγ単相域とγ+α二相域の境界温度をいう。ここ
で、Ae3変態点を制御因子としたのは、この工程にお
いて鋼材が空冷よりも遅い速度で温度降下する場合を考
慮したものである。
【0045】なお、Ae3点は、簡易的には、鋼の加熱
時の変態点であるAc3点と冷却時の変態点であるAr
3点の平均温度として求めることができる。この場合に
は、Ae3点とAr3点の差は経験的に20〜30℃で
ある。また、Ac3点は、Ar3点は下記の経験的な簡
易式により求めることができる。 Ac3=854−179.4xC+44.4xSi−1
3.9xMn Ar3=310xC−80xMn
【0046】一方、この工程において、変態したフェラ
イト結晶粒の成長の抑制の観点からは、低温短時間の方
が望ましい。すなわち、(a)の工程後、水冷等により
Ar3点−100℃以下の温度まで冷却し、その温度域
で5秒以上滞在する工程であっても、過冷が大きいため
フェライト変態が促進され、かつフェライト結晶粒の粗
大化が抑制できるので好ましい。なお、滞在する温度が
低温すぎると、変態の駆動力が不十分となるので、例え
ばAr3点−200℃以上が望ましい。
【0047】上記(c)に対応する工程は、(a)、
(b)の工程を経た鋼材を、Ar3点以下Ar3点−1
00℃以上の温度域で累積圧下率50%以上の圧下を加
えた後圧延を終了するものである。これは、変態生成し
たフェライト結晶粒を伸長させるのと同時にフェライト
結晶粒内にサブグレインを発達させるために必要な転位
を導入するための工程である。当該温度域での圧下率を
50%以上としたのは、フェライト結晶粒の扁平率を2
以上とし、またサブグレインの発達に必要な歪を確保す
るためである。また、圧延温度をAr3点以下としたの
は、圧延温度が高温の場合は、変態生成したフェライト
が粒成長を起こし、フェライトが再結晶する場合がある
からである。また、Ar3点−100℃以上としたの
は、導入した転位を再配置するためにはある程度の熱的
エネルギが必要であるからである。
【0048】最後の上記(d)に対応する工程は、
(c)の工程終了後に2℃/s以上の冷却速度で650
℃以下まで制御冷却する工程である。これより遅い冷却
速度で冷却する場合又は制御冷却を終了する温度が65
0℃を超える場合は、生成した微細なフェライト結晶粒
と微細なサブグレイン粒の粗大化が起こるためである。
【0049】実際の製造における鋼材の温度の制御方法
としては、鋼材の表面温度を直接測定する方法又は表面
温度の冷却曲線から計算機シミュレーションにより求め
る方法がある。また、上記(a)工程から(b)工程に
移行に際して、Ar3点以上で圧延を中断してから目的
の温度域まで温度を下げる方法としては、水冷の他、衝
風冷却等を利用した強制冷却を行うことも可能である。
【0050】また、(b)工程で鋼材が滞在する温度域
と(c)工程の圧延温度域との関係において、前者が高
温の場合にはそのまま(c)工程の圧延を行うことがで
きるが、前者が低温の場合には、所定の圧延温度域まで
加熱する必要がある。この場合には、ガス加熱装置、誘
導加熱装置、直接通電加熱装置等による保温や加熱を行
っても差し支えない。さらに、(d)工程の制御冷却の
方法としては、水冷装置、空冷装置等を用いることがで
きる。
【0051】なお、本発明における圧延の素材として
は、当業分野で通常行なわれている転炉法、電炉法で精
練し、連続鋳造法、造魂法により鋳造したスラブ、ブル
ーム、ビレット、インゴット等を用いることができる。
【0052】
【実施例】本発明に基づいて製造した、塑性変形を受け
た後においても良好な脆性亀裂伝播停止特性を有する鋼
の実施例を次に示す。図7として示す表1に、供試鋼の
化学成分を示す。本表には、Ar3点及びAe3点温度
も併せて示す。これらの化学成分を有する鋼スラブか
ら、板厚30mmの厚鋼板に圧延を行い、特性を評価し
た。供試鋼板の製造条件を、図8として示す表2に本発
明例を、図9として示す表3に比較例を示す。また供試
鋼板の諸特性は、図10として示す表4に本発明例を、
図11として示す表5に比較例を示す。
【0053】ここで、サブグレインの最大径は上述の方
法で求めた。また、脆性亀裂伝播停止特性は、圧延まま
と10%予歪を与えた鋼材について、NRL落重試験に
よるNDTTと、二重引張試験によるKca(0℃)に
より評価した。二重引張試験は、日本溶接協会(WE
S)の鋼種認定試験方法に規定された脆性破壊伝播停止
試験に準拠して行った。なお、参考として、該当組織の
ビッカース硬度も併せて示した。
【0054】本発明例である鋼番1〜21は、10%の
塑性変形を付与した後であっても、NDTTが−60℃
以下、Kca(0℃)が600kgf/mm3/2以上
の優れた脆性亀裂伝播停止特性を示した。
【0055】一方、比較例の鋼番22は、圧延を中断す
る温度がAr3点以下の二相域であるため、フェライト
結晶粒は伸長されているものの、サブグレイン組織が得
られず、脆性亀裂伝播停止特性も向上しなかった。鋼番
23、24、29、30、33、35及び36は、Ae
3点−20℃以下での滞在時間が短時間であったため
に、この温度域でのフェライト変態が十分に起こらず、
その結果サブグレイン組織が十分に得られなかった。こ
のため、塑性変形を受けた後の脆性亀裂伝播停止特性は
不十分である。
【0056】鋼番25、26、27、31及び32は、
Ae3点−20℃以下又はAr3点−100℃以下にお
ける滞在時間は本発明の範囲内であり、フェライト変態
は十分に確保されている。しかし、比較例25はフェラ
イト変態後の圧延温度(表2中の圧延再開温度)がAr
3−100℃を下回ったため、鋼番26及び31は当該
圧延温度がAr3点を超えたため、鋼番27及び32は
当該温度域での圧下率が本発明の範囲に達しなかったた
め、適切な組織が得られなかった。また、鋼番28及び
34は、最終の圧延直後には目標とするサブグレイン組
織が得られていたものの、圧延後に制御冷却を行わなか
ったために、適切なサブグレイン組織が失われてしまっ
たものである。これらの比較鋼は、表5に示すように、
圧延までは脆性亀裂伝播停止特性が優れる場合がある
が、塑性変形を受けた後の脆性亀裂伝播停止特性は十分
ではない。
【発明の効果】本発明のサブグレイン組織を有する鋼材
は、塑性変形を受けた後であっても、優れた脆性亀裂伝
播停止特性を有する。また、本発明の製造方法を用いた
場合には、生成するサブグレイン組織の安定性は高い。
このため、大型構造物に使用された際に、不慮の事故等
により鋼材が大変形を受けた場合でも、構造物の大規模
な崩壊に至ることを防止することがでさる。また、本発
明の実施例では、厚板圧延で製造した厚鋼板を例示した
が、本発明の思想は、他の鋼材製造プロセス、例えば形
鋼圧延プロセスにおいても適用できることは言うまでも
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライト結晶粒の扁平率と塑性変形を付与す
る前後のNDTTの関係を示す図である。
【図2】扁乎したフェライト結晶粒の短軸径と塑性変形
を付与する前後のNDTTの関係を示す図である。
【図3】サブグレイン最大径および母相フェライト結晶
粒の短軸径と、塑性変形を受けた後のNDTTの関係を
示す図である。
【図4】フェライト結晶粒の扁平率の評価方法を示す図
である。
【図5】サブグレイン組織が鋼材の板厚方向に占める比
率と塑性変形を受けた後のNDTTの関係を示す図であ
る。
【図6】サブグレインの最大径の評価方法を示す図であ
る。
【図7】実施例として示す、供試鋼の化学成分を示す表
1を示す図である。
【図8】発明例の供試鋼板の製造条件を表2として示す
図である。
【図9】比較例の供試鋼板の製造条件を表3として示す
図である。
【図10】発明例の供試鋼板の諸特性を表4として示す
図である。
【図11】比較例の供試鋼板の諸特性を表5として示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−256229(JP,A) 特開 平5−148544(JP,A) 特開 平8−41536(JP,A) 特開 平5−9651(JP,A) 特開 平8−295982(JP,A) 特開 昭56−25926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 6/00,8/00 - 8/10 C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.02〜0.2%、S
    i:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜2.0%、
    P:0.005〜0.02%、S:0.001〜0.0
    05%、sol.Al:0.01〜0.08%、残部が
    Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェラ
    イトを主組織とする厚鋼板であって、扁平率が2以上で
    かつ短軸径が5μm以下のフェライト結晶粒内に、最大
    径が5μm以下のサブグレインを含む組織が、鋼材板厚
    の5%以上の部分を占めることを特徴とする塑性変形を
    受けた後にも優れた脆性亀裂伝播停止特性を有する厚鋼
  2. 【請求項2】 さらに、質量%でNb:0.048%以
    下、V:0.055%以下、Ti:0.011%以下、
    Cu:0.18%以下、Ni:0.09%以下の1種ま
    たは2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記
    載の塑性変形を受けた後にも優れた脆性亀裂伝播停止特
    性を有する厚鋼板
  3. 【請求項3】 加熱された鋼スラブを所定の形状・厚さ
    の鋼材に製造するに際して、下記工程からなることを特
    徴とする塑性変形を受けた後にも優れた脆性亀裂伝播停
    止特性を有する厚鋼板の製造方法。 (a)Ar3点以上の温度で一旦鋼スラブの圧延を中断
    する工程と、 (b)Ae3点−20℃以下の温度域まで空冷し、その
    温度域に60秒以上滞在させる工程と、 (c)Ar3点以下Ar3点−100℃以上の温度域で
    累積圧下率50%以上の圧延を行う工程と、 (d)その後ただちに冷却速度2℃/s以上で650℃
    以下の温度域まで制御冷却する工程。
  4. 【請求項4】 前記(a)工程の前に、オーステナイト
    未再結晶温度域で累積圧下率50%以上の圧下を加える
    圧延工程を付加することを特徴とする請求項3に記載の
    塑性変形を受けた後にも優れた脆性亀裂伝播停止特性
    有する厚鋼板の製造方法。
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