JP3464736B2 - 画素の位置誤差測定装置 - Google Patents

画素の位置誤差測定装置

Info

Publication number
JP3464736B2
JP3464736B2 JP25648195A JP25648195A JP3464736B2 JP 3464736 B2 JP3464736 B2 JP 3464736B2 JP 25648195 A JP25648195 A JP 25648195A JP 25648195 A JP25648195 A JP 25648195A JP 3464736 B2 JP3464736 B2 JP 3464736B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
diagonal
window
scanning direction
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25648195A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0998255A (ja
Inventor
真一郎 和田
浩一 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP25648195A priority Critical patent/JP3464736B2/ja
Publication of JPH0998255A publication Critical patent/JPH0998255A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3464736B2 publication Critical patent/JP3464736B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿読み取り装置
による副走査方向の走査位置または走査速度の変動や振
動等に起因する読み取り画素の副走査方向の位置誤差を
測定する位置誤差測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の方法としては、例えば
(1)「高精細画像入力装置の開発」、〔No. 940-10〕
日本機械学会第71期通常総会講演会講演論文集(IV)
〔1994-3.29 〜31, 東京〕に提案されている技術が知ら
れている。この方法では、副走査方向に並べて配置され
た等ピッチラインのテストチャートを読み取った画像、
つまり副走査方向のライン間隔で離散化された画像デー
タに対して補間演算を行い、この補間演算結果から等ピ
ッチラインの黒線、白線の中心位置を求め、テストチャ
ートの基準ピッチとの差を読み取ることにより装置の振
動などに起因する副走査方向の画素の位置誤差を算出す
るようにしている。
【0003】また、他の従来例としては、例えば(2)
特開平6−297758号公報には等ピッチラインのデ
ータが書き込まれたハードコピーのパターン読み取って
ハードコピー装置の書き込み走査線のピッチむらを計測
する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の従来の方法では次のような問題点がある。
【0005】1.等ピッチラインのパターンのエッジ
と、読み取り時のサンプリングのタイミングの位置関係
の違いによるモアレ現象により、同じ形状のパターンを
読み取っても、得られるデータが異なる。このモアレに
より、読み取りデータは必ずしもパターンのエッジの位
置と対応しないので、位置誤差の測定精度を劣化させ
る。特に等ピッチラインのパターンを精細にして読み取
り装置の分解能に近づけるとモアレの影響が顕著とな
り、条件によっては位置誤差を全く測定できなくなる。
したがって、この方法では、読み取り装置の分解能に近
い或いはそれ以下の位置誤差を高精度で測定することが
できないという問題点がある。
【0006】2.等ピッチラインのパターンを用いるの
で、モアレの影響を無視したとしても、高い周波数成分
の位置誤差を測定するためにパターンのピッチを精細に
すると、結像光学系のMTF(Modulation Transfer Ra
tio )の限界により、得られる画像の濃淡の信号の差が
小さくなり、したがって、測定精度が劣化するという問
題は避けられない。
【0007】3.以上のように上記方法では、パターン
の精細化では測定周波数帯域を高いほうに広げて精度を
上げることができないので、サンプリングしたデータを
補間する処理を行っている。その結果、より高い補間を
行うにはより多くの周辺データを用いたり、複雑な演算
処理が必要になる。更に、補間はあくまでも補間であっ
て真のデータとのずれが起きることは避けられず、測定
精度の劣化要因になる。
【0008】4.光電変換装置の特定の受光素子が副走
査方向に走査することにより得られる画像データを用い
ているので、受光素子そのものが有するノイズが測定そ
のものの精度に影響を与え、精度の劣化が起きる。
【0009】また、上記(2)の方法では、計測時には
光電変換装置によりパターンを読み込んだデータを用い
るので、読み取りデータからピッチむらを計測する点は
上記(1)の方法に類似しているが、計測に当たって読
み取り時の走査むらはないという前提でハードコピーを
読み取っている。
【0010】本発明は上記従来の問題点に鑑み、原稿読
み取り装置による副走査方向の走査位置または走査速度
の変動等に起因する読み取り画素の副走査方向の位置誤
差を高精度で測定することができる位置誤差測定装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の手段に係る画素の
位置誤差測定装置は上記目的を達成するために、原稿を
一定の時間間隔で線順次に主走査方向及び副走査方向に
走査して読み取る走査手段と、一定幅且つ主、副走査方
向に対して斜めであって副走査方向に等ピッチで配置さ
れた複数の斜線のパターンを前記走査手段が読み取った
場合の画像データに対してウインドウを設定するウイン
ドウ設定手段と少なくともウインドウ内の中心画素を
中心とする対角線上の第1の画素と、この第1の画素に
対して前記中心画素を中心として対称の位置にある第2
の画素と、前記第1の画素と前記第2の画素との差を閾
値と比較することによりウインドウ内に斜線パターンが
存在するか否かを認識判定する斜線パターン認識手段
と、前記斜線パターン認識手段により斜線パターンが存
在すると認識された場合にウインドウを前記斜線の角度
方向に順次シフトして各ウインドウ内における斜線の位
置変化に基づいて読み取り画素の副走査方向の位置誤差
を測定する位置誤差測定手段とを有することを特徴とす
る。
【0012】第2の手段は、第1の手段において、前記
対角線の傾き方向と前記斜線パターンの傾き方向は同一
であることを特徴とする。
【0013】第3の手段は、第1の手段において、前記
斜線パターン認識手段は、前記第1の画素と対角線上ま
でを含まない領域の第1の濃度値和と、前記第2の画素
と対角線上までを含まない領域の第2の濃度値和を求
め、第1の濃度値和と第2の濃度値和との差を閾値と比
較することにより前記ウインドウ内に斜線パターンが存
在するか否かを判定することを特徴とする
【0014】第4の手段は、第1ないし第3の手段にお
いて、前記斜線の長さをL 、前記斜線の主走査方向の
間隔をL前記斜線の主走査方向に対する角度をθ
して、 L<L×cosθ であることを特徴とする。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。図1は本発明に係る画像読み取り装置
の一実施例を示すブロック図、図2は図1の画像読み取
り装置を示す断面図、図3は図2の画像読み取り装置を
示す平面図、図4は図3のコンタクトガラスのコーナ部
を拡大して示す平面図、図5は斜線パターンを示す説明
図、図6は走査速度の変動に応じた斜線パターンの読み
取りデータを示す説明図、図7は斜線パターンを拡大し
て示す説明図、図8は図7の斜線パターンの読み取り値
を示す説明図、図9は斜線判定用ウィンドウを示す説明
図、図10は他の斜線判定用ウィンドウを示す説明図、
図11は斜線判定用マッチングパターンを示す説明図、
図12は重心測定用ウィンドウを示す説明図、図13は
図1の画像読み取り装置の処理を説明するためのフロー
チャート、図14は重心測定用ウィンドウにおける読み
取り値及び重心測定方法を示す説明図、図15は斜線の
長さ及び角度を示す説明図である。
【0018】先ず、図2を参照して本実施例の読み取り
装置の概略を説明する。コンタクトガラス1は筐体8に
より支持され、原稿は読み取り面を下にしてコンタクト
ガラス1上に載置される。コンタクトガラス1上の原稿
は光源2により照明され、読み取り面の反射光が第1ミ
ラー3、第2ミラー4、第3ミラー5により順次反射さ
れ、次いでレンズ6により光電変換装置7上のライン状
の光電変換素子の受光面に結像されて電気信号に変換さ
れる。
【0019】光源2と第1ミラー3は不図示の第1キャ
リッジに取り付けられ、この第1キャリッジは原稿を線
順次で読み取るために原稿面との距離を一定にしたまま
不図示の駆動装置により副走査方向(図の左右方向)に
移動する。また、第2ミラー4と第3ミラー5は不図示
の第2キャリッジに取り付けられ、この第2キャリッジ
は第1キャリッジの1/2の速度で副走査方向に移動す
る。このような方法によりコンタクトガラス1上の所定
の範囲を線順次で読み取ることができる。
【0020】また、図3に示すようにコンタクトガラス
1の回りの筐体8には、シェーディング補正のために基
準濃度を光電変換素子に読み取らせるための基準濃度板
9が主走査方向に延びるように取り付けられると共に、
第1キャリッジの副走査方向の走査位置または走査速度
を検出するために図5に示すように白地上に一定幅、4
5°の角度の多数の黒の斜線Lのパターン10が副走査
方向に等ピッチで形成されている。基準濃度板9は光電
変換装置7により読み取られて、ライン状の光電変換素
子毎の感度バラツキや、照明むら、レンズ6の周辺光量
の低下等を補正するために用いられ、また、斜線パター
ン10も同様に光電変換装置7により読み取られる。
【0021】図4は図3の2点鎖線の円CLで囲んだ領
域を拡大して示し、第1キャリッジの副走査方向の走査
位置または走査速度の測定開始時の過度現象が原稿の読
み取り範囲の先端で納まるように、斜線パターン10は
第1キャリッジによる原稿の読み取り範囲の先端より前
の待機状態まで延びている。
【0022】次に、図1を参照して本実施例の読み取り
装置を詳細に説明する。光電変換装置7は例えばライン
CCDであり、CCDの受光部に結像された原稿画像を
電気信号に変換する。この電気信号はA/D変換器21
によりディジタルの多値データに変換され、次いでシェ
ーディング補正部22により基準濃度板9の基準濃度に
基づいてシェーディング補正される。そして、このデー
タに基づいて斜線判別部23により斜線パターン10が
判別され、次いでこの判別結果に基づいて位置誤差測定
部24により副走査方向の画素の位置誤差が測定され
る。
【0023】制御部20は、光電変換装置7、A/D変
換器21、シェーディング補正部22、斜線判別部23
及び位置誤差測定部24のタイミング制御、動作条件の
設定などを行い、また、ビデオ制御信号を出力する。位
置誤差測定部24はこのビデオ制御信号に同期してビデ
オ信号と位置誤差(誤差信号)を出力する。
【0024】次に、位置誤差を測定する処理について説
明する。図6の矢印で示す主走査方向は、ラインCCD
7が線順次で同時に読み取る1ラインの画素の並びと、
この並列データを直列データに変換したときの時間軸上
の順序を示している。また、矢印で示す副走査方向は、
主走査方向の1ラインを読み取る範囲を順次移動させな
がら読み取る方向を示している。なお、移動手段として
は図2に示すように原稿を固定して走査光学系を移動さ
せる形式の他に、走査光学系を固定して原稿を移動させ
る形式が有る。
【0025】図6において主走査方向と副走査方向の各
平行な線により囲まれた四角形領域を画素とすると、こ
の画素により構成される平面は、原稿の画像を電気信号
に変換した場合に原稿画像の写像がそのまま並んでいる
という形で捉えることができる。なお、これはビットマ
ップということもある。このデータはラインCCD7か
らリアルタイムで出力される時には主走査方向、副走査
方向が時間的な順序を有するが、メモリに取り込んだ状
態ではそれぞれの画素を任意にアクセスすることができ
るので、主走査方向、副走査方向、時間の順序にとらわ
らないで扱うことができる。
【0026】図6はまた、主走査方向、副走査方向の画
素サイズが等しい場合において、副走査方向の走査速度
が変動しないときの45°の斜線10の読み取りデータ
aと、走査速度が変動するときの読み取りデータbをビ
ットマップに対応させて示している。すなわち、読み取
りデータaは副走査方向の読み取りタイミングを制御す
るクロックに対応する所定の一定速度で走査したときを
示し、ビットマップとしても45°の斜線像である。
【0027】これに対し、読み取りデータbは走査速度
の変動に応じて傾きが異なる。副走査方向の区間A−B
は走査速度が「0」のときを示し、この場合には副走査
方向の読み取りタイミングを制御するクロックによりビ
ットマップのアドレスが進んでも読み取り位置が変わら
ないので、副走査方向に平行な線となる。また、区間B
−Cは走査速度が所定速度の1/2のときを示し、この
場合にはビットマップのアドレスが進んでもその半分し
か進まない位置の画像を読み取るのでその読み取り画像
の角度は約26.57°(tan θ=0.5)である。区
間C−Dは所定速度で走査しているときを示し、45°
の角度が得られる。D以降の区間は走査速度が所定速度
の1.5倍の場合を示し、その角度は約56.31°で
ある。
【0028】したがって、走査速度が変動すると像の傾
きが異なることを測定原理として、言い換えれば斜線の
主走査方向への移動量が副走査方向に移動速度に対応す
ることを測定原理として、副走査方向の走査速度のむら
と、ミラー3〜5、レンズ6、光電変換装置7の振動な
どに起因するビットマップ画像の画素の位置誤差を測定
することができる。
【0029】なお、図6では正方形の画素を示したが、
画素が正方形ではなく、例えば主走査方向の分解能が4
00dpi、副走査方向の分解能が600dpiのよう
な画素にも適用することができる。また、45°以外の
斜線を用いても同様に、斜線画像の主走査方向への移動
量が副走査方向の読み取り速度に依存するという関係が
成立するので、画素の位置誤差を計測することができ
る。
【0030】次に、斜線パターン判別処理について説明
する。図7は図6と同様にビットマップに斜線が有る場
合を示し、図8はその場合の8ビット(0〜255)の
読み取り値を示している。なお、0=白、255=黒で
あり、主走査方向の座標をXn、副走査方向の座標をY
mとしている。また、図9は主走査方向3画素×副走査
方向3画素の斜線パターン検知用ウィンドウを示し、図
9(a)〜(e)はそれぞれ主走査方向に1画素ずつシ
フトしたウィンドウを示している。
【0031】ここで、図9(a)に示すウィンドウ(X
2〜X4、Y1〜3)内の中心画素を挟む対角方向、す
なわち中心画素を含む左上斜め方向の3つの画素値の和
Paと右下斜め方向の3つの画素値の和Qaを計算する
と、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y2) =3+1+1=5 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y3) =3+4+8=15 となる。
【0032】同様に、図9(b)〜(e)について求め
ると、 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y2) =1+4+2=7 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y3) =13+8+201=222 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y2) =4+2+3=9 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y3) =216+201+250=667 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y2) =2+18+13=33 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y3) =248+250+252=750 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y2) =18+220+216=454 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y3) =250+252+249=751 となる。
【0033】次に、中心画素と右下斜め方向の3画素
(中心画素を含む)の差Rを求めると、 Ra=15−5=10 Rb=222−7=215 Rc=667−9=658 Rd=750−33=717 Re=751−454=297 となる。
【0034】この差Rの値が大きい場合に3×3画素の
ウィンドウ内に斜線パターンが有ることを示す。したが
って、例えばRの値が500以上の場合に斜線パターン
が有ると判断すれば図9(c)(d)に示すウィンドウ
内に斜線パターンが有ると判断することができる。
【0035】次に、図10を参照して他の斜線パターン
判別処理を説明する。図10(a)〜(e)はそれぞれ
図9(a)〜(e)に示すウィンドウ内の各値を閾値=
128で2値化した場合を示し、同様に各ウィンドウ内
の中心画素の左上斜め方向の3つの画素値の和Pa〜P
eと右下斜め方向の3つの画素値の和Qa〜Qeを計算
すると、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y2) =0+0+0=0 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y3) =0+0+0=0 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y2) =0+0+0=0 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y3) =0+0+1=1 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y2) =0+0+0=0 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y3) =1+1+1=3 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y2) =0+0+0=0 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y3) =1+1+1=3 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y2) =0+1+1=2 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y3) =1+1+1=3 となる。
【0036】次に、中心画素と右下斜め方向の3画素
(中心画素を含む)の差Ra〜Reを求めると、 Ra=0−0=0 Rb=1−0=1 Rc=3−0=3 Rd=3−0=3 Re=3−2=1 となる。
【0037】したがって、この場合にも同様にこの差R
の値が大きい場合に3×3画素のウィンドウ内に斜線パ
ターンが有ることを示し、例えばRa〜Reの値が2以
上の場合に斜線パターンが有ると判断すれば図10
(c),(d)に示すウィンドウ内に斜線パターンが有
ると判断することができる。また、このように画素値を
2値化することにより、加算演算を簡単にすることがで
きる。
【0038】図11(a)〜(d)は斜線パターン検出
用のマッチングパターンを示し、図中の白領域は
「0」、黒領域は「1」を表している。先ず、画像デー
タを図10に示すように2値化し、その2値化データと
図11(a)〜(d)に示すマッチングパターンを比較
し、合致した場合に斜線パターンがあると判断する。こ
の例では、図10(c)及び図10(d)と図11
)が合致しており、このウィンドウ内に斜線パター
ンがあると判断される。
【0039】なお、上記実施例では、ウィンドウの大き
さを3×3としたが、もちろんウィンドウサイズが異な
る場合にも同様な判断方法により斜線パターンを検知す
ることができる。但し、一般にウィンドウサイズが大き
い程、判別制度は上がるが、その分処理時間が長くな
り、また回路規模も大きくなる。
【0040】次に、位置誤差の測定処理を説明する。図
12は図11に示すビットマップにける複数個の斜線
(図では3本の斜線K1 〜K3 )を示し、また、この複
数個の斜線を用いて位置誤差を測定するための10×3
のサイズのウィンドウWを示している。先ず、ウィンド
ウW内のデータ位置を求めるために主走査方向の重心を
演算し、以下、斜線K2に対してW1 →W2 →W3 のよ
うにウィンドウWを斜め左下45°の方向に1画素ずつ
シフトする。そして、斜線K2の最後のウィンドウWn
に到達すると、ウィンドウWを主走査方向のみに移動さ
せて次の斜線K3のウィンドウWn+1 に移動させる。
【0041】ここで、重心の主走査方向の位置は、45
°の斜線の場合、画素の位置が何らかの誤差要因により
移動することがなければ、図のようにウィンドウWをシ
フトさせると主走査方向に1画素ずつ移動する筈であ
る。また、画素の移動量が1画素分でない場合には、何
らかの原因により画素の位置が変動したことになり、し
たがって、位置誤差を求めることができる。位置誤差の
主要な要因が副走査方向の走査速度のむらによることが
分かっている場合には、位置誤差のデータから速度むら
にデータを変換することは容易である。
【0042】ここで、CCD固有のノイズを始めとして
様々なノイズが画像データに含まれているが、重心を求
めるために周辺の画素のデータを含む多数の画素のデー
タを用いているので、重心を求める過程でノイズの影響
を軽減してS/N比が高い測定が可能となる。この場
合、通常、ウィンドウの画素の数が多い程、S/N比が
高くなる。ウィンドウの形状は、主走査方向の重心を求
めるので主走査方向に大きいほうが望ましく、副走査方
向のサイズは1ラインでも測定可能である。
【0043】次に、重心の測定処理を説明する。図13
に示す処理は原稿の走査開始と同時にスタートし、先
ず、主走査方向、副走査方向の各座標値X、Yがイニシ
ャライズ(X=0,Y=0)される(ステップS1)。
この座標値X、Yは斜線判別用の例えば3×3のウィン
ドウ内のある画素位置例えば中心画素の座標となる。次
に、1本の斜線に対する測定回数を示す変数iがイニシ
ャライズ(i=0)される(ステップS2)。
【0044】次に斜線判別部23により斜線判別用の3
×3のウィンドウ内に斜線パターンが存在するか否かが
判断され(ステップS3)、無い場合にはその3×3の
ウィンドウを主走査方向に1画素分シフト(X=X+
1)する(ステップS4)。なお、このシフト量はウィ
ンドウの大きさ、斜線の太さに応じて決められ、1画素
以上でもよい。ステップS3において斜線パターンが存
在する場合には、重心測定用の例えば10×3のウィン
ドウW1 を設定し、そのウィンドウW1 内の重心を求め
る(ステップS5)。このとき、ウィンドウW1 の大き
さ、斜線の太さに応じて、斜線と判別された画素の位置
から主走査方向に整数画素分だけシフトし、斜線の部分
がウィンドウW1 の中心付近になるようにウィンドウW
1 を設定してもよい。
【0045】重心の測定を終了すると、重心のズレを計
算し(ステップS6)、次いで主走査方向に−1画素
分、副走査方向に+1画素分シフトしたウィンドウW2
を設定し、また、測定回数用のカウント値iを1つイン
クリメントする(ステップS7)。なお、この実施例で
は、ウィンドウWを1画素ずつ移動させているが、画素
の位置誤差を起こす原因となる振動などの周波数帯域が
低い場合には、2画素以上ずつ移動させてもよく、この
方法により測定に要する時間を短縮することができる。
【0046】次いで、予め設定された同一ラインの測定
回数nに対してi=nとならない場合にはステップS8
からステップS5に戻り、他方、i=nとなった場合す
なわちウィンドウWn に達した場合には次の斜線のウィ
ンドウWn+1 に移動させる(ステップS8→S9)。そ
の方法としては、斜線の主走査方向の間隔に相当する画
素分より整数画素mだけ、ウィンドウ座標を主走査方向
にシフトした後、測定カウント値iをクリアし(ステッ
プS2)、斜線判別処理(ステップS3)に戻る。以下
同様に、1本の斜線に対してウィンドウWn+1
n+2 、Wn+3 〜のように移動させて位置誤差を測定す
る。
【0047】このように複数の斜線を用いて位置誤差を
測定することにより、読み取り装置の読み取り範囲が縦
長であっても、副走査領域の全域に渡って位置誤差を測
定することができる。更に、主走査方向の狭い幅だけ測
定するので、主走査方向の中央部、手前、奥側のように
分けて測定することもできる。また、高い分解能で位置
誤差を測定する場合にも、斜線のパターンを細くする必
要は全くなく、システムのMTFの制約を受けずに幅が
広いパターンを用いることができる。
【0048】更に、幅が広いパターンを用いた場合、幅
に応じてウィンドウも大きくなるので結果として測定制
度を向上することができる。したがって、斜線の幅は処
理速度、リアルタイム処理を行う場合にはバッファのサ
イズ、回路規模の経済性などとのバランスを考慮して設
定すればよい。また、幅が広いパターンを用いてその片
側のエッジを検出することにより位置誤差を測定するこ
とができる。更に、例えば副走査方向の読み取りタイミ
ングに関係なく白黒パターンを副走査方向に配列すると
モアレの発生が問題となるが、本実施例では副走査方向
の読み取りタイミングと斜線の関係は常に同じであるの
でモアレの発生が問題とならず、その結果、高精度で位
置誤差を測定することができる。
【0049】次に、ウィンドウのデータと重心の計算に
ついて詳細に説明する。図14はウィンドウデータと斜
線パターンの各画素の読み取り値の関係を示し、読み取
り値は8ビットであって10進(0〜255)で示され
ている。主走査方向の重心を求めるには、副走査方向の
各列(3ライン分)の和を求め、図に示すようにこれを
左側からZ0、Z1〜Z9とするとそれぞれ18、5
0、202、427、590、562、345、15
0、37、14を求める。そして、各画素の主走査方向
の中心座標を左から順に0〜9とし、主走査方向の重心
位置をRmとすると、重心位置Rmの回りのモーメント
は0になるので、 Z0(Rm−0)+Z1(Rm−1)・・・Z9(Rm−9)=0 が成り立ち、数値を代入して計算するとRm=4.36
2が得られる。
【0050】重心を求める理由は、補間などの前処理を
必要とせず、演算を簡素化、高速化することができるか
らである。また、画像位置を求める場合、各列毎のデー
タの和の並びから補間により所定の分解能のデータ列を
得て、そのデータからピーク値が存在する位置を求める
方法を用いることができる。
【0051】次に、複数本の斜線から成るチャートの重
心を計算する場合について説明する。図12に示すよう
に複数本から成る斜線の重心を計算する場合、同一線上
の線では問題とならないが、違う線にウィンドウが移動
したときには移動前と移動後では斜線の主走査方向の間
隔が丁度、整数画素数でない限り重心の値が異なるの
で、補正しなければならない。一例として図12に示す
斜線K2のウィンドウW n の重心の値Rn が4.65と
なり、次の斜線K3に移動した場合のウィンドウWn+1
の重心の値Rn+1 が4.38、ウィンドウWn+2 の重心
の値Rn+2 が4.40、ウィンドウWn+3 の重心の値R
n+3 が4.41となった場合、ウィンドウが移動したラ
インにおける重心の差ΔRを計算する。すなわち、 ΔR=Rn −Rn+1 =4.65−4.38=0.27 となる。
【0052】この値ΔRを斜線K3の重心の値に加算
し、この加算結果を重心の値として位置誤差を求める。
この場合、ウィンドウWn+2 の重心の値Rn+2 、ウィン
ドウWn+3 の重心の値Rn+3 は、 Rn+2 =Rn+2 +ΔR=4.40+0.27=4.67 Rn+3 =Rn+3 +ΔR=4.41+0.27=4.68 となる。したがって、このように複数本の斜線から成る
チャートを使用しても、連続して高精度で位置誤差を測
定することができる。但し、斜線K2のウィンドウWn
から斜線K3のウィンドウWn+1 に移動する場合、斜線
K2、K3は主走査方向に同時に存在しなければならな
い。
【0053】図15は斜線の配置関係を示し、長さL1
の複数の斜線が主走査方向に対して角度θで配置され、
主走査方向の斜線の始点と終点の位置が同一の場合、主
走査方向の斜線間隔をL2 とすると、 L2 <L1 ×cos θ ・・・(1) の関係が成り立つように斜線を配置すれば、斜線は主走
査方向に重なるので、ウィンドウを主走査方向に移動し
て次の斜線の重心を連続して測定することができる。こ
こで、斜線の長さL1 と斜線の始点、終点の主走査方向
の位置は式(1)の大小関係が大きいほど精度を必要と
しなくなる。
【0054】次に、主走査方向の斜線の画像の移動量
と、副走査方向の画素の位置誤差の関係について説明す
る。本実施例では副走査方向の画素の位置誤差を測定す
るために、斜線を読み取った画像の主走査方向への画像
位置の移動を見ている。正方形の画素であって45°の
斜線を使って測定する場合には、前述したように主走査
方向の移動量のウィンドウ間における偏差がそのまま副
走査方向の位置誤差となる。しかし、正方形の画素でな
い場合、斜線の角度が45°でない場合には、換算を行
って副走査方向の位置誤差を得る必要がある。
【0055】図16は第2の実施例を示し、第1の実施
例における斜線判別部23及び位置誤差測定部24が省
略されている。このような構成ではシェーディング補正
部23により補正された画像データを外部のメモリに出
力し、そのデータをコンピュータにより位置誤差を測定
することができる。この方式では画像データを一旦、光
磁気ディスクなどに書き込んで保存し、必要な時に読み
出して位置誤差を測定することができるので便利な場合
もある。なお、光電変換装置7として等倍センサを用い
ている場合にはレンズの特性による周辺光量が低下する
といった問題もないので、第1、第2の実施例における
シェーディング補正部23は省略される場合もある。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
インドウ内の中心画素を中心とする対角線上の第1の画
素と、この第1の画素に対して前記中心画素を中心とし
て対称の位置にある第2の画素と、前記第1の画素と前
記第2の画素との差を閾値と比較することによりウイン
ドウ内に斜線パターンが存在するか否かを認識し、斜線
パターンが存在すると認識された場合にウインドウを前
記斜線の角度方向に順次シフトして各ウインドウ内にお
ける斜線の位置変化に基づいて読み取り画素の副走査方
向の位置誤差を測定するので、斜線パターンを確実に判
別することができる。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読み取り装置の一実施例を示
すブロック図である。
【図2】図1の画像読み取り装置を示す断面図である。
【図3】図2の画像読み取り装置を示す平面図である。
【図4】図3のコンタクトガラスのコーナ部を拡大して
示す平面図である。
【図5】斜線パターンを示す説明図である。
【図6】走査速度の変動に応じた斜線パターンの読み取
りデータを示す説明図である。
【図7】斜線パターンを拡大して示す説明図である。
【図8】図7の斜線パターンの読み取り値を示す説明図
である。
【図9】斜線判定用ウィンドウを示す説明図である。
【図10】他の斜線判定用ウィンドウを示す説明図であ
る。
【図11】斜線判定用マッチングパターンを示す説明図
である。
【図12】重心測定用ウィンドウを示す説明図である。
【図13】図1の画像読み取り装置の処理を説明するた
めのフローチャートである。
【図14】重心測定用ウィンドウにおける読み取り値及
び重心測定方法を示す説明図である。
【図15】斜線の長さ及び角度を示す説明図である。
【図16】第2の実施例の画像読み取り装置を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
7 光電変換装置 10 斜線パターン 23 斜線判別部 24 位置誤差測定部 L 斜線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−256267(JP,A) 特開 平5−298448(JP,A) 特開 平8−51527(JP,A) 特開 平5−300341(JP,A) 特開 平7−105487(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を一定の時間間隔で線順次に主走査
    方向及び副走査方向に走査して読み取る走査手段と、 一定幅且つ主、副走査方向に対して斜めであって副走査
    方向に等ピッチで配置された複数の斜線のパターンを前
    記走査手段が読み取った場合の画像データに対してウイ
    ンドウを設定するウインドウ設定手段と少なくともウインドウ内の中心画素を中心とする対角線
    上の第1の画素と、この第1の画素に対して前記中心画
    素を中心として対称の位置にある第2の画素と、前記第
    1の画素と前記第2の画素との差を閾値と比較すること
    によりウインドウ内に斜線パターンが存在するか否かを
    認識判定する斜線パターン認識手段と、 前記斜線パターン認識手段により斜線パターンが存在す
    ると認識された場合にウインドウを前記斜線の角度方向
    に順次シフトして各ウインドウ内における斜線の位置変
    化に基づいて読み取り画素の副走査方向の位置誤差を測
    定する位置誤差測定手段と、 を有する ことを特徴とする画素の位置誤差測定装置。
  2. 【請求項2】 前記対角線の傾き方向と前記斜線パター
    ンの傾き方向は同一であることを特徴とする請求項1記
    載の画素の位置誤差測定装置。
  3. 【請求項3】 前記斜線パターン認識手段は、前記第1
    の画素と対角線上までを含まない領域の第1の濃度値和
    と、前記第2の画素と対角線上までを含まない領域の第
    2の濃度値和を求め、第1の濃度値和と第2の濃度値和
    との差を閾値と比較することにより前記ウインドウ内に
    斜線パターンが存在するか否かを判定することを特徴と
    する請求項1記載の画素の位置誤差測定装置。
  4. 【請求項4】 前記斜線の長さをL 、前記斜線の主走
    査方向の間隔をL前記斜線の主走査方向に対する角
    度をθとして、 L<L×cosθ であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1
    項に記載の画素の位置誤差測定装置。
JP25648195A 1995-10-03 1995-10-03 画素の位置誤差測定装置 Expired - Fee Related JP3464736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25648195A JP3464736B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 画素の位置誤差測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25648195A JP3464736B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 画素の位置誤差測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0998255A JPH0998255A (ja) 1997-04-08
JP3464736B2 true JP3464736B2 (ja) 2003-11-10

Family

ID=17293245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25648195A Expired - Fee Related JP3464736B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 画素の位置誤差測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3464736B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7480397B2 (en) 2003-04-18 2009-01-20 Casio Computer Co., Ltd. Fingerprint image reading apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0998255A (ja) 1997-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6023537A (en) Image reading apparatus using an image reading position error measuring device
US5949922A (en) Image reading apparatus
JP3464736B2 (ja) 画素の位置誤差測定装置
JPH118734A (ja) 画像読取装置
JP3647992B2 (ja) 画像読取装置
JP3647981B2 (ja) 画像読取装置
JPH1065875A (ja) 画像読取装置
JP3464737B2 (ja) 画像読取装置
JP3517764B2 (ja) リニアスケール
JPH1079836A (ja) 画像読取装置
JP3534920B2 (ja) 画像読取装置
JP3655383B2 (ja) 画素位置測定方法、画素位置測定装置および画像読み取り装置
JP3556076B2 (ja) 画像の位置誤差測定装置
JP3614271B2 (ja) 画像読取装置
JPH1098584A (ja) 画素の位置誤差または原稿の走査速度の測定装置
JPH09163081A (ja) 画像読取装置
JP3647982B2 (ja) 画素の位置誤差測定装置および画像読取装置
JPH05172535A (ja) ピーク点検出方法及びキャリブレーション方法
JPH1075331A (ja) 画像読取装置
JPH1051649A (ja) 画像読取装置
JPH1051628A (ja) 画像読取装置
JPH09121268A (ja) 画素位置誤差校正装置および原稿走査速度校正装置
JPH11164104A (ja) 画像読取装置
JPH1042109A (ja) 画像読取装置
JPH09163103A (ja) 画像読取装置の位置誤差測定用パターン

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees