JP3464638B2 - スメクタイト−芳香族アンモニウム層間化合物及びその製造方法 - Google Patents

スメクタイト−芳香族アンモニウム層間化合物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スメクタイトをホ
スト物質とし芳香族化合物のアンモニウム塩をゲスト物
質とする新規なスメクタイト−芳香族アンモニウム層間
化合物、及び、その製造方法に関する。さらに、本発明
は、スメクタイト−芳香族アンモニウム層間化合物から
なる芳香族吸着剤、排水または汚染水中の芳香族化合物
を吸着除去するためのスメクタイト−芳香族アンモニウ
ム層間化合物からなる環境浄化剤とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機層状物質の層間に有機化合物を取り
込むことによって得られる無機有機複合体は、無機層と
有機物とが相互作用することによって、ホスト、ゲスト
単独では実現されない性質を示す可能性がある。スメク
タイト鉱物に代表される層構造粘土鉱物はそのイオン交
換性を利用することにより、層間に様々な陽イオンをイ
ンターカレートし、その表面または層間の特性を変化さ
せることが可能である。界面活性剤による疎水化、テト
ラメチルアンモニウムイオンなどを柱とした多孔体化が
すでに行われており、得られた層間化合物は色素担体や
吸着剤などとしての可能性が報告されている(小川ら、
「Bull. Chem. Soc. Jpn., 70, 2593 (1997)」)。
【0003】このような無機層状物質の層間にゲスト種
を挿入するインターカレーションにより得られる層間化
合物はナノメートルオーダーの厚さのホスト層とゲスト
層が交互に積層した構造を持つ無機有機ナノ複合物質で
ある。ゲストは層間という二次元のナノ空間に存在し、
ホスト−ゲスト間またゲスト−ゲスト間の相互作用によ
って特徴的な状態をとる。これらの相互作用とそれに由
来するミクロ構造に関する基礎科学的な興味と共に、材
料設計への展開に関しても注目が集まっている。既に、
吸着剤、触媒、イオン交換材料、イオン伝導体など幅広
い可能性が指摘されてきている(小川誠、触媒、39
(7)、557、(1997))。
【0004】さらに、層間化合物の物性は構造やホスト
−ゲスト相互作用を反映すると考えられるので、これら
の物性を基にして層間ホスト物質として粘土鉱物を用い
た層間化合物の構造やインターカレーションの機構に関
する議論も可能になると期待されてきている。さらに、
より複雑な超分子構造を実現するために、それ自身は光
反応等に関与しない種を共吸着させることなども試みら
れている(小川誠、触媒、39(7)、557、(19
97))。
【0005】また、今までにもスメクタイトなどの粘土
鉱物の層間にモノアンモニウム化合物を導入することは
知られているが、本発明のように芳香族化合物を導入し
た層間化合物は新規なものであり、これらの層間化合物
の吸着特性も新たに見いだされたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なスメ
クタイトと芳香族化合物との層間化合物、及びその簡便
な製造方法を提供するものである。また、本発明の別の
目的は、新規なスメクタイト−芳香族アンモニウム層間
化合物からなる芳香族化合物の吸着剤、環境浄化剤及び
その方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、スメクタイト
をホスト物質とし芳香族化合物をゲスト物質とする新規
なスメクタイト−芳香族層間化合物、及びその製造方
法、より詳細には、スメクタイトの層間に芳香族のアン
モニウム塩が導入された新規なスメクタイト−芳香族ア
ンモニウム層間化合物、及びスメクタイトと芳香族のア
ンモニウム塩を混合接触反応させることを特徴とするス
メクタイト−芳香族アンモニウム層間化合物の製造方法
に関する。さらに、本発明は、スメクタイト−芳香族ア
ンモニウム層間化合物からなる芳香族化合物の吸着剤、
排水または汚染水中の芳香族化合物を吸着除去するため
のスメクタイト−芳香族アンモニウム層間化合物からな
る環境浄化剤、及びその方法に関する。
【0008】本発明者らは、スメクタイトのイオン交換
性を利用して層間に芳香族化合物をインターカレート
し、その表面特性を変化させることが可能であることに
着目し、スメクタイトの層間に陽イオンとしての有機ア
ンモニウムイオンにより交換することによって従来の有
機修飾粘土物質とは異なった特性を有する新規な層間化
合物の合成を試み、スメクタイトの層間に導入するゲス
ト物質に芳香族のアンモニウム塩を用いて、混合接触反
応させる簡便な製造方法を見いだした。また、合成した
層間化合物の構造評価を行い、さらに芳香族の吸着特性
を検討した。
【0009】本発明者らは、出発物質のホスト物質にモ
ンモリロナイトを用い、ゲスト物質に塩酸パラフェニレ
ンジアミン水溶液(以下、PDA−HCl水溶液とい
う。)を用いてスメクタイト−フェニレンジアンモニウ
ム層間化合物を合成した。さらに、ホスト物質に水熱合
成Na−サポナイトを用いて同様に合成した。
【0010】生成物はいずれも緑色固体として得られ、
メタノールによる繰り返し洗浄でも色の変化は見られな
かった。赤外線吸収スペクトルには、−NH に帰属
される吸収帯が見られた。−NH の吸収帯は、モン
モリロナイト−PDA層間化合物の場合では、1560
cm−1、1580cm−1、及び2500〜2650
cm−1の範囲にみられた。一方、サポナイト−PDA
層間化合物の場合では、1560cm−1、2500〜
2650cm−1の範囲にブロードな吸収帯がみられ、
それらはモンモリロナイト−PDA層間化合物の場合よ
り弱いものであった。
【0011】生成された層間化合物のX線回折分析の結
果、基本面間隔はモンモリロナイト−PDA層間化合物
の場合1.27nm、PDA−サポナイト層間化合物の
場合1.31nmであった(図1参照)。基本面間隔か
らシリケート層の厚さ0.96nmを差し引いた層間の
拡がりは、モンモリロナイト−PDA層間化合物では
0.31nm、サポナイト−PDA層間化合物では0.
35nmであり層間のPDAはシリケート層に対し平行
に配列していると考えられる。
【0012】熱重量分析とCHN元素分析の結果から、
PDA吸着量はモンモリロナイト−PDA層間化合物で
119meq/100g、サポナイト−PDA層間化合
物で64meq/100gであった(表1〜3、図2、
及び図3)。これらは、ホストの陽イオン交換容量(C
EC)とほぼ同じ値である。以上の結果から、層間陽イ
オンがPDAイオンによって定量的に交換されているこ
とが示された。
【0013】さらに、得られた各層間化合物の吸着特性
について検討した。スメクタイトに芳香族のアンモニウ
ム塩を導入したこの新規な層間化合物は、芳香族化合
物、特にフェノール類を容易に吸着する特性が見られ
る。得られた層間化合物の芳香族化合物吸着特性を検討
するため、乾燥させた目的物と芳香族化合物とを反応さ
せた。反応条件は特に限定されないが、60℃の温度に
て反応させることが好ましい。得られた反応生成物は、
常法にて乾燥した後、X線回折分析により、層の基本面
間隔のデータが得られ、その吸着特性を検討することが
できた。
【0014】モンモリロナイト−PDA層間化合物はフ
ェノールと反応させることにより、緑色から灰色に変化
した。反応生成物は乾燥により緑色に戻り、乾燥後の基
本面間隔は反応前のモンモリロナイト−PDA層間化合
物と同様の値(1.27nm)を示した。一方、サポナ
イト−PDA層間化合物はフェノールとの反応により緑
色から茶色に変化し、さらに乾燥により紫色に変化し
た。乾燥後も紫色は保たれ、その基本面間隔は1.50
nmであった。以上のことから各層間化合物へフェノー
ルが吸着することが示され、モンモリロナイト−PDA
層間化合物とサポナイト−PDA層間化合物ではフェノ
ールとの相互作用が異なることが示唆された。
【0015】得られた層間化合物をフェノールの希薄水
溶液(5.0×10−4または5.0×10−5mol
/L)と反応させたところ、モンモリロナイト−PDA
層間化合物は緑色から変化せず、サポナイト−PDA層
間化合物は緑色から紫色へ変化した。サポナイト−PD
A層間化合物でみられた変色はフェノールの吸着を示す
ものである。以上のように、PDAをスメクタイト層間
にインターカレートした層間化合物はフェノールを吸着
し、またホストの違いによりその吸着挙動が異なること
が示された。
【0016】
【発明の実施の態様】層状粘土鉱物であるスメクタイト
は、ケイ酸塩層のもつ負電荷が、O10(OH)当た
り0.6〜0.3である2:1型粘土層間化合物であ
る。そのため層間結合が弱く、層間陽イオンが交換性を
有し、水分子や有機分子を層間に導入しやすい。層間隔
は、層間陽イオン及び層間分子の種類によって大きく変
化する。層状ケイ酸塩の媒体としての特徴には、(1)
イオン交換、極性分子の吸着などにより極めて多様なゲ
スト種を包接できる、(2)可視域で透明である、
(3)構造が安定している、(4)インターカレーショ
ンによる層の拡がりがX線回折分析で容易に決定でき
る、(5)安定なコロイドを形成し、これをキャストす
ることにより配向フィルムを形成するものがある、など
がある。
【0017】スメクタイトには、モンモリロナイト(Mo
ntmorillonite)、バイデライト(Beidellite)、ノン
トロナイト(Nontronite)等のジオクタヘドラルスメク
タイトと、サポナイト(Saponite)等のトリオクタヘド
ラルスメクタイトがある。本発明の層間化合物のホスト
物質であるスメクタイトとしては、いずれのスメクタイ
トも使用することができるが、モンモリロナイト、サポ
ナイトなどが好ましい。また、本発明のスメクタイト
は、天然のもの以外にも、例えば水熱合成したNa−サ
ポナイトなどを用いることもできる。
【0018】本発明の層間化合物のゲスト物質として
は、芳香族化合物があり、好ましくは、有機アンモニウ
ムイオンを提供する芳香族のアンモニウム塩を用いる。
本発明の芳香族のアンモニウム塩としては、芳香族部分
が平面構造となるもので陽イオン部を有するものが挙げ
られる。本発明の芳香族アンモニウム塩の芳香族部分と
しては、6員芳香環を1個以上有する単環、多環、また
は縮合環式のものが挙げられ、芳香族環中の1個または
2個以上の炭素原子がN、O、Sで置換された5または
6員の芳香環を有する単環、多環、縮合環式の芳香族で
あってもよい。多環式の芳香族の場合には、π電子系に
より平面構造となるものが好ましい。また、これらの芳
香族は1個または2個以上の基で置換されていてもよ
い。本発明の芳香族アンモニウム塩としては、分子中に
1個または2個以上のアンモニウム塩を有するものであ
ればよい。本発明の好ましい芳香族アンモニウム塩とし
ては、芳香族ジアンモニウム化合物、より好ましくは、
パラフェニレンジアンモニウム塩化合物などのフェニレ
ンジアンモニウム塩、4,4’−ジアンモニウムビフェ
ニル、ジアンモニウムナフタレンなどが挙げられる。
【0019】本発明のスメクタイト−芳香族アンモニウ
ム層間化合物は、スメクタイトと芳香族アンモニウム化
合物とを混合接触反応させることにより製造することが
できる。この方法により、スメクタイトの層間表面にイ
オン交換が起こり、芳香族アンモニウム化合物が層間に
導入された層間化合物を簡便に製造できる。
【0020】本発明の層間化合物を製造するために、ホ
スト物質とゲスト物質との混合接触反応の反応条件に
は、特に制限はなく、室温で、撹拌により行うこともで
きる。撹拌時間は、混合接触反応が十分に進行する範囲
内であればよく、好ましくは約12〜36時間、より好
ましくは約24時間程度とすることができる。
【0021】本発明の製造方法においては溶媒を用いる
のが好ましい。例えば、ホスト物質のスメクタイトは予
め懸濁させて、スメクタイト懸濁液を原料としてもよ
い。懸濁液は、例えば、水を用いて調製することができ
る。芳香族化合物は予め溶媒に溶解させておいても、製
造時に調製されたものを用いてもよい。溶媒は、反応の
必要に応じて、例えば、塩酸などを用いてpHを調整し
てもよい。これらの原料を混合して、室温下、約24時
間、十分に撹拌して反応させた後、生成物を濾過又は遠
心分離し、メタノール等で洗浄し、室温で減圧乾燥し
て、目的物を得ることができる。
【0022】スメクタイトと芳香族アンモニウム化合物
との混合比は、目的とする層間化合物に応じて適宜選択
することができるが、例えば、芳香族アンモニウム化合
物がスメクタイトのCECの1当量以上、好ましくは3
〜10当量、より好ましくは3〜7当量とすることがで
きる。得られた目的物の構造評価は、X線回折分析、赤
外線吸収スペクトル、熱分析、CHN元素分析等により
行うことができる。
【0023】また、本発明の層間化合物とフェノール希
薄水溶液とを混合し、得られた反応生成物からも吸着特
性を検討した。フェノール希薄水溶液の濃度は適宜選択
することができるが、好ましくは5×10−4mol/
L〜5×10−5mol/Lとすることができる。本発
明の層間化合物とフェノール希薄水溶液は常法で混合反
応させることができ、その後室温で静置し、遠心分離
し、目的の反応生成物が得られる。反応生成物は、反応
により色の変化を観察することができ、芳香族化合物吸
着特性を検討することができる。
【0024】以上のことから、本発明の新規なスメクタ
イト−フェニレンジアンモニウム層間化合物は、芳香族
化合物の吸着剤としても用いることができる。また、本
発明の新規なスメクタイト−フェニレンジアンモニウム
層間化合物は、芳香族類を容易に吸着する特性を持つこ
とから、排水中や汚染水中に希薄に含有されているフェ
ノール類等の芳香族化合物を吸着除去する環境浄化剤と
して、環境浄化方法に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0026】実施例1(モンモリロナイト−PDA層間
化合物の製造) ホスト物質のスメクナイトとしてモンモリロナイト(山
形県月布産、日本粘土学会参考試料、CEC:119m
eq/100g)を用いた。ゲスト物質の芳香族化合物
には、塩酸p−フェニレンジアミン(東京化成社製、以
下PDA−HClという。)を用いた。仕込量をモンモ
リロナイトのCECの5倍としたPDA−HCl水溶液
をモンモリロナイトの懸濁液と混合し、室温で、24時
間撹拌した。その後、遠心分離した(3000rpm×
10分)。室温で、メタノールにより繰り返し洗浄を行
って、室温で減圧乾燥した。緑色固体の生成物が得られ
た。生成物の評価は、X線回折分析、赤外線吸収スペク
トル、熱分析、CHN元素分析により行った。その結果
を表1〜3、図1、及び図2に示す。
【0027】実施例2(サポナイト−PDA層間化合物
の製造) ホスト物質のスメクナイトとして水熱合成Na−サポナ
イト(スメクトンSA、クニミネ工業社製、CEC:7
1meq/100g)を用いた。ゲスト物質の芳香族化
合物には、実施例1で用いたPDA−HClを用いた。
仕込量をサポナイトのCECの5倍としたPDA−HC
l水溶液を水熱合成Na−サポナイトの懸濁液と混合
し、室温で、24時間撹拌した。その後、遠心分離した
(3000rpm×10分)。室温で、メタノールによ
り繰り返し洗浄を行って、室温で減圧乾燥した。緑色固
体の生成物が得られた。生成物の評価は、X線回折分
析、赤外線吸収スペクトル、熱分析、CHN元素分析に
より行った。その結果を表1〜3、図1、及び図3に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】実施例3(フェノール吸着試験1) 実施例1で得られたモンモリロナイト−PDA層間化合
物を乾燥させた後、60℃で、フェノールと混合反応さ
せ、生成物を得た。モンモリロナイト−PDA層間化合
物はフェノールと反応させることにより、緑色から灰色
に変化した。この反応生成物は乾燥することにより緑色
に戻った。X線回折分析の結果、乾燥後の基本面間隔は
反応前のモンモリロナイト−PDA層間化合物と同様の
値(1.27nm)を示した。その結果を図4に示す。
【0032】実施例4(フェノール吸着試験2) 実施例2で得られたサポナイト−PDA層間化合物を乾
燥させた後、60℃で、フェノールを混合反応させ、生
成物を得た。サポナイト−PDA層間化合物はフェノー
ルとの反応により緑色から茶色に変化した。この反応生
成物は乾燥することにより紫色に変化した。乾燥後も紫
色は保たれた。X線回折分析の結果、乾燥後の基本面間
隔は1.50nmであった。その結果を図4に示す。
【0033】実施例5(フェノール吸着試験3) 実施例1及び2で得られた層間化合物を、それぞれ、フ
ェノールの希薄水溶液(5.0×10−4または5.0
×10−5mol/L)と混合し反応させた後、室温で
静置した。その後、遠心分離した(25000rpm×
10分)。この反応により、モンモリロナイト−PDA
層間化合物は緑色から変化せず、サポナイト−PDA層
間化合物は緑色から紫色へ変化した。サポナイト−PD
Aでみられた変色はフェノールの吸着を示すものと考え
られる。
【0034】以上の吸着試験から、本発明の層間化合物
にフェノールが吸着することが示され、モンモリロナイ
ト−PDA層間化合物とサポナイト−PDA層間化合物
ではフェノールとの相互作用が異なることが示唆され
た。
【0035】
【発明の効果】本発明は、スメクタイトをホスト物質と
し芳香族化合物をゲスト物質とする新規なスメクタイト
−芳香族アンモニウム層間化合物、及びその製造方法、
より詳細には、スメクタイトの層間に芳香族のアンモニ
ウム塩が導入された新規なスメクタイト−芳香族アンモ
ニウム層間化合物、及びスメクタイトと芳香族のアンモ
ニウム塩を混合接触反応させることを特徴とするスメク
タイト−芳香族アンモニウム層間化合物の製造方法を提
供する。さらに、本発明は、スメクタイト−芳香族アン
モニウム層間化合物からなる芳香族吸着剤、排水または
汚染水中の芳香族化合物を吸着除去するためのスメクタ
イト−フェニレンジアンモニウム層間化合物からなる環
境浄化剤、及びその方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のスメクタイト−フェニレンジ
アンモニウム層間化合物でホストとしてモンモリロナイ
トまたはサポナイトを、ゲストとして塩酸パラジフェニ
ルアミンを用いた層間化合物のX線回折分析の結果を示
す。
【図2】図2は、本発明のスメクタイト−フェニレンジ
アンモニウム層間化合物の熱分析の結果を示す。図2
(a)は、ゲスト物質を導入していないモンモリロナイ
トの熱分析の結果を示す。図2(b)は、モンモリロナ
イトにゲストとして塩酸パラジフェニルアミンを導入し
た層間化合物の熱分析の結果を示す。
【図3】図3は、本発明のスメクタイト−フェニレンジ
アンモニウム層間化合物の熱分析の結果を示す。図3
(a)は、ゲスト物質を導入していないサポナイトの熱
分析の結果を示す。図3(b)は、サポナイトにゲスト
として塩酸パラジフェニルアミンを導入した層間化合物
の熱分析の結果を示す。
【図4】図4は、本発明のスメクタイト−フェニレンジ
アンモニウム層間化合物でホストとしてモンモリロナイ
トまたはサポナイトを、ゲストとして塩酸パラジフェニ
ルアミンを用いた層間化合物のフェノール吸着特性をX
線回折分析した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/20 B01J 20/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スメクタイトの層間にフェニレンジアン
    モニウムイオンが導入されたスメクタイト−芳香族アン
    モニウム層間化合物。
  2. 【請求項2】 スメクタイトが天然または合成のスメク
    タイト鉱物である請求項1に記載のスメクタイト−芳香
    族アンモニウム層間化合物。
  3. 【請求項3】 スメクタイトがモンモリロナイトまたは
    サポナイトである請求項1または2に記載のスメクタイ
    ト−芳香族アンモニウム層間化合物。
  4. 【請求項4】 フェニレンジアンモニウムイオンがパラ
    フェニレンジアンモニウム(PDA)イオンである請求
    1〜3の何れかに記載のスメクタイト−芳香族アンモ
    ニウム層間化合物。
  5. 【請求項5】 スメクタイトをホスト物質とし、フェニ
    レンジアンモニウム化合物をゲスト物質として混合接触
    反応させることを特徴とする請求項1に記載のスメクタ
    イト−芳香族アンモニウム層間化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 スメクタイトが天然または合成のスメク
    タイト鉱物である請求項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 スメクタイトがモンモリロナイトまたは
    サポナイトである請求項またはに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 フェニレンジアンモニウム化合物がパラ
    フェニレンジアンモニウム(PDA)塩化合物である請
    求項5〜7の何れかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のスメクタイト−芳香族
    アンモニウム層間化合物からなるフェノール類の吸着
    剤。
  10. 【請求項10】 排水または汚染水中のフェノール類
    吸着除去するための請求項1に記載のスメクタイト−芳
    香族アンモニウム層間化合物からなる環境浄化剤。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のメクタイト−芳香族
    アンモニウム層間化合物により排水または汚染水中の
    ェノール類を吸着除去することを特徴とする環境浄化方
    法。
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