JP3464030B2 - 皮膚洗浄料 - Google Patents

皮膚洗浄料

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は皮膚洗浄料、特にその使
用性の改善に関する。 【0002】 【従来の技術】皮膚洗浄料、特に洗顔料については、単
に皮脂等を洗い落とすだけでなく、更に各種化粧料等を
洗い落とすことが必要とされる。このため、口紅、ファ
ンデーション、マスカラ、アイシャドウ等の油分を含む
メイクアップ化粧料を施した人は、洗顔の際、まず第一
段階としてメイクアップ化粧料となじみ易い油分を多量
に含んだクレンジングクリーム、クレンジングオイル、
クレンジングミルク、クレンジングジェル等のメイクア
ップ落し用の洗顔料を用いてほとんどのメイクアップ成
分を除去した後、第二段階として、石鹸やクレンジング
フォームなどを泡立たせて素肌洗いを行い、第一段階で
用いたメイクアップ落し用の洗浄料の残存油分を、皮膚
上の皮脂、汚れとともに洗い流すことで、すっきり感あ
るいはさっぱり感といった満足感を得ていた。 【0003】このように二段階の洗浄を必要とするの
は、油分を多量に含有する化粧落し用のクリーム類等を
用いた場合、使用後直ちに水またはぬるま湯ですすいで
も皮膚上に残った油分が十分除去されず、さっぱりした
洗浄感が得られないためであり、また、石鹸やクレンジ
ングフォーム等の泡立たせて使う素肌洗い用の洗顔料の
みでは、メイクアップ化粧料の油分に覆われた顔料、色
剤などを肌上から十分に除去できないためである。 【0004】一方、化粧行為の迅速性、簡便性が要求さ
れつつある近年、一回の操作のみでメイクアップ落とし
効果と、すっきり感、さっぱり感という素肌洗い効果と
を併せ持つ皮膚洗浄料が望まれている。この様な一段階
用の皮膚洗浄料としては、例えば特開昭63−1226
18号公報に開示されているものがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られている一段階用のメイクアップ落とし洗浄料は、す
すいだ後に皮膚に残る油分の量を少なくしたことにとど
まるものであり、石鹸やクレンジングフォームなどで泡
を立てて素肌を洗うことによって得られるさっぱり感や
洗顔後の満足感といったものを得ることはできなかっ
た。すなわち、メイクアップを落とせると同時に泡立た
せることができ、素肌洗いのさっぱり感が得られる洗浄
料の開発が望まれるわけであるが、メイクアップ落し用
の洗浄料は前述したように基本的に多量の油分や油性成
分を含有しなければならないものであり、一方、石鹸や
クレンジングフォームなどの泡立ち、さっぱり感をもた
らす洗浄料は、基本的に親水性が高いイオン性の界面活
性剤が主成分であるため、単純にこれらの成分を組み合
わせて両方の効果を得ようとしても、実際には互いにそ
の効果を打ち消し合い、ほとんど泡が立たなくなってし
まうばかりか、メイクアップを落とす効果も損なわれて
しまい満足のいくものは得られないのが現状であった。 【0006】本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は使用性、使用感触に優れると
ともに、高い洗浄効果をも有する皮膚洗浄料を提供する
ことに有る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者はかかる問題点
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシエ
チレンジエステルと、両性界面活性剤及び/又は半極性
界面活性剤とを組み合わせることにより、メイクアップ
落とし機能に加え、泡立ち機能を有し、素肌洗いのさっ
ぱり感が得られる洗浄料組成物が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本出願の請求項1記載の水性メ
イク洗浄料は、一般式化2で表わされるポリオキシエチ
レンジエステルと、両性界面活性剤及び/又は三級アミ
ンオキサイド型半極性界面活性剤を含有し、前記ポリオ
キシエチレンジエステルと前記両性界面活性剤及び/又
は三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤との配合割
合が重量比で2:1〜1:8であり、両者の合計配合量
は洗浄料全量中の1〜80重量%であることを特徴とす
る。 【化2】RCOO−(CO)n−COR (式中、Rはイソステアリル基又はオレイル基、nは6
〜16の整数である。) 【0009】また、本発明において、ポリオキシエチレ
ンジエステルがポリオキシエチレンジイソステアレート
及び/又はポリオキシエチレンジオレエートであること
が好適である。 【0010】以下、本発明の構成について詳述する。本
発明において用いられる前記化2に示す基本構造を有す
るポリオキシエチレンジエステルの酸化エチレンの平均
重合度は6〜16であり、好ましくは8〜14の範囲で
ある。平均重合度が6より低い場合には泡立ちが十分で
なくなり、逆に16より高い場合にはメイクアップを落
とす効果が十分でなくなる。また、前記化2において、
Rは、水系の洗浄剤組成物への配合であることを考慮
し、かつメイクアップ洗浄効果の点から考えるとイソス
テアリル基又はオレイル基であることが好ましい。 【0011】また、ポリオキシエチレンジエステルと共
に用いられる両性界面活性剤、半極性界面活性剤は、一
般に化粧品基剤として用いられるものを採用することが
できる。具体的には、ベタイン型(カルボキシベタイ
ン、スルホベタイン)、アミドベタイン型、アミノカル
ボン酸型、イミダゾリニウム誘導体型、三級アミンオキ
サイド型半極性界面活性剤等が挙げられる。本発明にお
いては、これらの両性界面活性剤と半極性界面活性剤の
中から一種もしくは二種以上を任意に用いることができ
る。 【0012】本発明において、ポリオキシエチレンジエ
ステルと、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤
との配合割合は、重量比で2:1〜l:8、好ましくは
1:1〜1:8の範囲であり、両者の合計配合量は、洗
浄料全量中の1〜80重量%の範囲である。この範囲外
の配合割合では、ポリオキシエチレンジエステルが多す
ぎる場合は泡立ちが充分でなく、両性界面活性剤及び/
又は半極性界面活性剤が多すぎる場合にはメイクアップ
がなじみにくく、いずれの場合も満足な結果が得られな
い。 【0013】本発明に係る皮膚洗浄料中には、上記の必
須構成成分のほかに必要に応じ、一般的に洗浄料、化粧
料などに配合される成分を配合することができる。これ
らの成分としては、グリセリン,1,3−ブタンジオー
ル、プロピレングリコール等の多価アルコール類、流動
パラフィン、高級アルコール等の油分、アニオン性界面
活性剤、カチオン性界面活性剤、増粘剤、保湿剤、防腐
剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、キレート剤、酸化防止剤、
香料などが挙げられる。 【0014】以上のように、本発明の皮膚洗浄料は、ポ
リオキシエチレンジエステルと、両性界面活性剤及び/
又は半極性界面活性剤を共存させることにより、口紅、
ファンデーション、マスカラ、アイシャドウ等のメイク
アップ化粧料を良好に落とすと同時に、水を加えること
によって泡立たせることができる。 【0015】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。実施例に先立ち、各実施例で用いた評価法を説
明する。 【0016】メイク落とし効果試験法 油性ファンデーションにマーカーとして2−エチルヘキ
シルパラメトキシケイ皮酸をO.1%含ませたもの0.
1gを、前腕内側部の4×10cmの範囲に均一に塗布
し、30分間乾燥後、被験試料0.5gを、指を用いて
通常のメイク落とし行為と同様に塗布部全体に約20秒
間なじませ、その後35℃の水道水でこすらずに洗い流
した。乾燥後、塗布部に残存しているファンデーション
を、直径2cmのガラス製カップを用いて2m1のエタノー
ルで溶出させ、エタノール中の2−エチルヘキシルパラ
メトキシケイ皮酸の量を紫外線吸収(310nm)から測
定することにより、メイク落し効果を求めた。 【0017】 洗浄効率(%)=(A2−AO)/(A1−A0)×l00 AO:ブランクの溶出液の吸収 Al:洗浄前の溶出液の吸収 A2:洗浄後の溶出液の吸収 評価 ○:メイク落し効果良好 洗浄効率90%以上 △:メイク落し効果普通 洗浄効率60%以上 ×:メイク落し効果不良 洗浄効率80%末満 【0018】起泡性試験法 2500m1容量の攪拌機付き円筒形シリンダーに40℃
の人工硬水(70ppm炭酸カルシウム)を400m1入
れ、被験試料40gと油性ファンデーンョンO.1gを
添加後、4500rpmで1分間攪拌した後の泡容量を測
定した。 評価 ◎:泡立ち極めて良好 泡容積1500m1以上 ○:泡立ち良好 泡容積1200m1以上 △:泡立ち普通 泡容積800m1以上 ×:泡立ち不良 泡容積800m1未満 【0019】官能式験(使用後のさっぱり感の評価) 各試料を用いて洗顔後の肌のさっぱり感の有無につい
て、実使用試験を専門パネラー20名により実施した。
なお、評価方法は以下の基準に従った。 ○:専門パネラー20名中15名以上がさっぱり感あり
と認めた。 △:専門パネラー20名中8名以上がさっぱり感ありと
認めた。 ×:専門パネラー20名中7名以下がさっぱり感ありと
認めた。 【0020】 【表1】 ─────────────────────────────────── 試験品 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ───────────────────────────────────ホ゜リオキシエチレン (6) シ゛イソステアレート 20 17 15 13 10 7 5 3 0ココイルアミト゛フ゜ロヒ゜ルヘ゛タイン 0 3 5 7 10 13 15 17 20 界面活性剤合計 20 ─────────────────────────────────── 精製水 残部 ─────────────────────────────────── メイク落とし効果 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ × 起泡性 × × △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ さっぱり感 × × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────── 【0021】以上のように、ポリオキシエチレンジエス
テル(ポリオキシエチレンジイソステアレート)単独で
はメイク落とし効果は比較的優れているものの、起泡
性、さっぱり感等には欠ける傾向にある。一方、両性界
面活性剤(ココイルアミドプロピルベタイン)単独で
は、起泡性、さっぱり感には優れているものの、メイク
落とし効果に欠ける。そして、ポリオキシエチレンジエ
ステルと、両性界面活性剤との共存系では、その配合割
合が重量比で2:1〜1:8、好ましくは1:1〜1:
8で優れたメイク落とし効果と使用性の両者を発揮する
ことができる。 【0022】 【表2】 ───────────────────────────────── 試験品 10 11 12 13 14 ─────────────────────────────────ホ゜リオキシエチレン (3)シ゛オレエート 10 − − − −ホ゜リオキシエチレン (6)シ゛オレエート − 10 − − −ホ゜リオキシエチレン (12)シ゛オレエート − − 10 − −ホ゜リオキシエチレン (16)シ゛オレエート − − − 10 −ホ゜リオキシエチレン (20)シ゛オレエート − − − − 10ココイルアミト゛フ゜ロヒ゜ルヘ゛タイン 10 10 10 10 10 ───────────────────────────────── 精製水 残 部 ───────────────────────────────── メイク落とし効果 △ ○ ○ ○ △ 起泡性 × ◎ ◎ ◎ ○ さっぱり感 △ ○ ○ ○ ○ ───────────────────────────────── 【0023】上記表2より明らかなように、本発明にか
かる組合せ効果は、ポリオキシエチレンジエステル分子
中に占める酸化エチレンの平均重合度が6〜16である
ポリオキシエチレンジエステルに特異的に見られる現象
である。次に、各種配合例について検証を行なった。 【0024】 【表3】 ─────────────────────────────────── 試験品 15 16 17 18 19 20 21 ─────────────────────────────────── ポリオキシエチレンジエステルホ゜リオキシエチレン (12)シ゛イソステアレート 2 5 6 6 4 - -ホ゜リオキシエチレン (8)シ゛オレエート - - - - - 4 - ホ゜リオキシエチレン (8)シ゛ラウレート - - - - - - 5 ─────────────────────────────────── 両性界面活性剤、半極性界面活性剤ココイルアミト゛フ゜ロヒ゜ルヘ゛タイン 5 - - 2 - - - 2-ココイル-N-カルホ゛キシメチル-Nーヒト゛ロキシエチルイミタ゛ソ゛リニウムヘ゛タイン - - 6 5 32 10 10 N-ラウリルヒト゛ロキシスルホヘ゛タイン 5 10 10 - - - - ─────────────────────────────────── その他 1,3−ブタンジオール 10 8 - 10 10 - - 精製水 残 余 ─────────────────────────────────── メイク落とし効果 ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ 起泡性 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ さっぱり感 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────── 【0025】以上のように各種のポリオキシエチレンジ
エステルと、各種の両性界面活性剤及び/又は半極性界
面活性剤に相乗効果が認められ、特にポリオキシエチレ
ンジエステルはジイソステアレート及び/又はジオレエ
ートであることが好ましいことが理解される。 【0026】実施例1 (1)ポリオキシエチレン(12)ジイソステアレート 8重量% (2)ラウロイルジメチル酢酸ナトリウム 10 (3)ラウロイルメチルタウリンナトリウム 4 (4)ラウリルジエタノールアミド 2 (5)1,3−ブタンジオール 15 (6)ポリエチレングリコール1500 5 (7)ヒドロキシエチルセルロース 2.5 (8)香料 適 量 (9)精製水 残 余 【0027】製法 (9)に(5),(6),(7)を溶解し、(2),
(3)と(4)を混合した後、(1),(8)を加え
て、ジェル状メイク落し用洗浄料を得た。 【0028】実施例2 (1)ポリオキシエチレン(8)ジオレエート 5重量% (2)ポリオキシエチレン(8)ジイソステアレート 1 (3)2-ウンテ゛シル-N-カルホ゛キシメチル-N-ヒト゛ロキシエチルイミタ゛ソ゛リニウムヘ゛タイントナトリウム 3 (4)l,3−ブタンジオール 10 (5)ソルビトール 8 (6)メチルセルロース 3 (7)香料 適 量 (8)精製水 残 余 【0029】製法 (8)に(4)〜(6)を溶解し、(3)を混合した
後、(1),(2),(7)を加えて、ジェル状メイク
落し用洗浄料を得た。実施例1及び2のジェル状メイク
落とし洗浄料は、メイク落とし効果、起泡性に優れ、し
かも使用後のさっぱり感も極めて良好であった。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるメイ
ク洗浄料は、ポリオキシエチレンジエステルと、両性界
面活性剤及び/又は半極性界面活性剤とを共存させるこ
とにより、メイクを落とす効果に優れてると同時に、水
を加えることによって、泡立たせることができ、使用後
の肌にさっぱりした感触を与えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 1/92 C11D 1/92 (72)発明者 中間 康成 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社 資生堂 第一リサーチセンタ ー内 (72)発明者 宮沢 清 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社 資生堂 第一リサーチセンタ ー内 (56)参考文献 特開 平3−68509(JP,A) 特開 平5−59395(JP,A) 特開 昭61−209035(JP,A) 特開 昭63−151351(JP,A) 特開 昭60−38308(JP,A) 特開 平4−82822(JP,A) 特開 平4−33999(JP,A) 米国特許3795624(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式化1で表わされるポリオキシエチ
    レンジエステルと、両性界面活性剤及び/又は三級アミ
    ンオキサイド型半極性界面活性剤を含有し、 前記ポリオキシエチレンジエステルと前記両性界面活性
    剤及び/又は三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤
    との配合割合が重量比で2:1〜1:8であり、両者の
    合計配合量は洗浄料全量中の1〜80重量%である こと
    を特徴とする水性メイク洗浄料。 【化1】RCOO−(CO)n−COR (式中、Rはイソステアリル基又はオレイル基、nは6
    〜16の整数である。)
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