JP3463285B2 - 木造軸組構造補強材用振れ止め金具、およびそれを使用した木造軸組構造 - Google Patents

木造軸組構造補強材用振れ止め金具、およびそれを使用した木造軸組構造

Info

Publication number
JP3463285B2
JP3463285B2 JP34240993A JP34240993A JP3463285B2 JP 3463285 B2 JP3463285 B2 JP 3463285B2 JP 34240993 A JP34240993 A JP 34240993A JP 34240993 A JP34240993 A JP 34240993A JP 3463285 B2 JP3463285 B2 JP 3463285B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pillar
wooden frame
horizontal member
frame structure
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34240993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07166605A (ja
Inventor
有 一 郎 林
藤 圭 二 佐
藤 昇 内
橋 五一郎 高
Original Assignee
林建設工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 林建設工業株式会社 filed Critical 林建設工業株式会社
Priority to JP34240993A priority Critical patent/JP3463285B2/ja
Publication of JPH07166605A publication Critical patent/JPH07166605A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3463285B2 publication Critical patent/JP3463285B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、我が国固有の木造軸組構
造、特に2階建て、3階建てといった多層階木造軸組構
造における柱の引っ張り耐力を増強するために採用する
補強材に係わるそれ用の振れ止め金具と、それを使用し
た木造軸組構造とに関するものであり、木造軸組構造の
柱に対する補強材の組み合わせ構造を改良する新規な振
れ止め金具と、その金具を使用した木造軸組構造とを提
供しようとするものである。
【0002】
【従来技術】建築基準法の改正によって3階建て木造軸
組建造物が普通に建築可能となる等、それまでの木造軸
組構造に対する構造上の規制が大巾に緩和されることと
なった。その結果、木造軸組構造にも様々な可能性が生
まれ、今後一層の展開、普及が期待されている。このよ
うな流れを受け、既に本願出願人においては、特願平3
−86265号発明に代表される、横架材とその上方適
当間隔の作業空間を確保して補助横架材を並置するよう
にした全く新たな木造軸組構造を完成し、従前までの木
造軸組構造では対応しきれなかった部材の規格化や切り
出し加工の簡略化、ひいては仕口部の構造強度の増強化
までを可能とすることにより、改正された建築基準法に
則って、より堅牢で且つ経済的な木造建築物を提供する
ことに成功した後、それら既に開発済みの技術的思想を
更に発展させる狙いで、木造軸組構造で最も弱点となっ
ている柱部材の浮き上がり現象の防止(柱の引っ張り耐
力の付与、増強)に有効な、特願平4−135869号
発明に代表される木造軸組構造を開発、完成させた。
【0003】この特願平4−135869号発明の木造
軸組構造では、それまで、法律で使用が義務付けられて
きた通し柱をそのまま採用する構造や、今般の法改正で
緩和された、横架材を挾んで上下に配された柱の根元、
横架材、柱頭の三者を短冊状の平鋼板でボルト締めして
連結するようにした構造に頼らず、独自に開発した横架
材の上下に分断されて配された柱を、基礎上から最上位
の横架材上端まで実質的に1本の補強材で連結一体化し
てしまう新規な木造軸組構造を提案するものであった。
この発明は、上記発明の木造軸組構造を実施化する過程
で見出された新たな知見に基づく補強材と柱との係わり
に関する金具と、その金具を使用した木造軸組構造であ
って、以下にその詳細を説示するものである。
【0004】
【発明の構成】図面に示されている代表的な実施例から
も明確に理解されるように、この発明の木造軸組構補強
材用振れ止め金具は、基本的に次のような構成から成る
ものである。即ち、木造軸組構造における土台、梁、桁
等横架材あるいは補助横架材を含む横架材を貫通し、且
つ横架材あるいは補助横架材を含む横架材間に立設され
る柱に対しては、各柱断面内に食込み状に設けた縦溝に
嵌合するか、もしくは各柱軸芯を貫通する小孔に挿通さ
れて各横架材と各柱とを上下に一体化してしまう補強材
を、略密着状に一定方向から挿通可能とする中空部を有
し、該中空部から外側所定位置には、柱に形成された縦
溝もしくは小孔の内壁に当接する嵌着部を有し、それら
中空部から嵌着部までの間を弾性素材からなる吸振部に
形成してなる木造軸組構造補強材用振れ止め金具とする
ものである。
【0005】金具の中空部は、後述の補強材に対し、略
密着状に一定方向から挿通可能とする部分であって、補
強材材径よりやや小さくした間隙部分、即ちそれは周囲
が全て閉じられた、所謂通孔であってもよく、あるいは
幾つかの小片相互で囲まれた部分、あるいはまた一つの
小片と他の部材、即ち下記する嵌着部との間に形成され
る間隙部分等によって形成され、補強材所定箇所の外周
全体あるいは外周に部分的に当接し、補強材の動き、即
ち補強材の振れを後述の吸振部に直接伝達する機能を果
たすものである。
【0006】同嵌着部は、上記中空部の外側に位置させ
て形成される部分であって、柱に形成された縦溝もしく
は小孔の内壁に当接することにより、同所に仮着状に固
定されると共に、上記した中空部を実現する部材を受支
する機能を果たすこととなる。同吸振部は、上記中空部
と嵌着部との間、即ち中空部を実現する部材によって形
成されるものであり、ゴム板やプラスチックス製発泡
体、あるいは鋼板製弾性板等の採用が可能であり、上記
のとおり、中空部を構成する側と反対側が、嵌着部に一
体成形あるいは接着、熔着等の手段で一体化され、嵌着
部に受支された構造となり、中空部に嵌合した補強材の
振れを吸収し、補強材が、柱に形成された縦溝もしくは
小孔の内壁に直接接触して不快音を発生させることがな
いよう機能するものである。
【0007】補強材は、現状において所要引張り強度お
よび経済性、取扱性等の点からして鋼棒が最も相応しい
素材と言えるが、それらの点で十分代替できる性状の素
材が開発されれば、当然それらもこの対象となり得るこ
とは言うまでもない。この補強材は、形成する作業空間
相互間に達する長さの所要強度断面を有するものとし、
両端にはネジ切り加工その他、公知の鋼棒緊結手段に見
合った加工が予め施され、鋼棒相互および鋼棒とアンカ
ーボルトとが、作業空間において簡単に緊結可能となる
ようにする。なお、最も上方にくる鋼棒の上端は、その
位置に配された横架材上面を支持部として固定されなけ
ればならないため、横架材上面への食い込みを防止する
適宜手段、例えば横架材上面に載置する適宜厚さと大き
さとを有する平鋼板(鋼棒上端を挿通する通孔が所定位
置に形成された平鋼板)との組み合わせその他が採用可
能なものに計画されていなければならない。
【0008】上記補強材によって上下方向に強化、一体
化される柱および横架材は、2階建、3階建等建造物の
規模や種類等といった各種要因に従って一般的に算出さ
れる部材断面の角材が採用されるものであり、また、そ
れらの仕口構造も、従前から採用されてきている公知の
ものの外、既に本願出願人において開発済みの特願平3
−119482号発明等に見られるような特殊な仕口構
造の採用も可能である。また、それらの材質も、木材の
無垢材に限定されるものではなく、集成材や合せ材によ
って形成されているものも当然包含される。そして、柱
については、後述する鋼棒との組合せ構造をどのように
するかにより、例えば側面に予め縦溝を形成したものと
したり、あるいは、柱芯に上下に貫通する通孔を穿設し
たものとすることになる。
【0009】これに対し、補助横架材は、本来の横架
材、即ち土台や梁、桁、胴差し、敷き桁、陸梁等の上
に、介在片を介した分だけの間隔を置いて並置される部
材であり、これらの部材断面は、本来の横架材断面に合
算されて一つの必要横架材断面強度が実現されるように
するものであり、したがって、所定の横架材、例えば梁
であれば、対象となる建造物の梁として構造強度上必要
となる断面を予め設定し、それから採用する補助横架材
断面を差し引いた部材断面が、本来の横架材に相当する
この発明の横架材の部材断面となるようにすればよい。
通常、この補助横架材の部材断面は、建て込む柱断面と
同寸の角材が採用されれば十分である。なお、これら横
架材、補助横架材に取り付く大引きや火打土台、根太掛
け等との仕口構造、および、建て込まれる柱下端との仕
口構造、更には、各横架材相互、補助横架材相互の継ぎ
手構造等については特に限定はなく、従前までの公知の
構造を含め、適宜構造の採用が可能である。
【0010】
【関連する他の発明】上記したこの発明の木造軸組構造
補強材用振れ止め金具を使用した木造軸組構造は、基本
的に次のような構成を基本としている。即ち、各階柱の
脚部を、土台、梁、桁等横架材に対して介在片を介して
所定間隔上方に浮かせて並置してなる直下の補助横架材
上に接続することにより、各階柱の脚部と土台、梁、桁
等、その直下に位置する横架材との間に作業空間を形成
する一方、この作業空間を接続部とし得る長さに形成さ
れた鋼棒製補強材を、各柱断面内に食込み状に設けら
れ、要所要所に振れ止め金具の配された縦溝、もしくは
各柱軸芯を貫通し、要所要所に振れ止め金具の配された
小孔の、各振れ止め金具に嵌合もしくは挿通させて縦設
し、それら鋼棒相互間、および鋼棒と基礎から立ち上げ
たアンカーボルト間を、夫々の位置する作業空間におい
て適宜手段で緊結、一体化することにより、分断されて
上下に配されている柱に引っ張り耐力を付与してなる木
造軸組構造とするものである。
【0011】横架材および補助横架材については記述の
とおりの構成から形成され、それらに組み合わされる介
在片は、本来の横架材に相当する横架材、即ち土台や
梁、桁、胴差し、敷き桁、陸梁等と上記した補助横架材
との間に介在されて作業空間を構成すると共に、垂直荷
重を順次下方の横架材、あるいは基礎に伝える上で支障
を来すことのないよう、その材質や大きさ、介在個数等
が吟味されて採用されなければならない。また、これら
介在片の介在位置、特に柱を建て込む辺りに位置するこ
ととなる介在片の介在位置に関しては、基礎と土台との
間に配される介在片(場合によっては採用されないこと
もある)、および横架材と補助横架材との間に配される
介在片とも、後述の鋼棒の組み込み具合を考慮し、基礎
から立ち上がるアンカーボルトとの緊結、あるいは鋼棒
相互の緊結に必要となる作業空間の形性上支障がなく、
且つ、垂直荷重の伝達に不都合を生じさせない最適な配
置を選択するようにしなければならない。また、介在片
の巾は、横架材および補助横架材の巾寸法より所定寸法
だけ大きめのものを採用し、横架材と補助横架材の間に
介在、固定された段階で、この介在片が、横架材および
補助横架材側面より突出状となるようなものとすること
もでき、その場合、その突出部分を利用して、床パネル
その他水平部材を載置、支持する機能をも兼用し得るよ
うなものとすることもできる。
【0012】アンカーボルトは、その上端ネジ切り部が
横架材である土台の上に確保されている作業空間に確実
に突出状となるのに十分な基礎上からの突出長さを有す
るよう規制して形成されなければならず、特に、基礎と
土台との間にも介在片を介在する構造を採用する場合、
従前までのものに比較し、基礎上端からの突出長は、介
在片を介在させる分だけ長めのものに予め設定して採用
することになる。基礎は、所謂従前からの現場打ちによ
る布基礎で十分であり、しかも、特に基礎と土台との間
にも介在片を介在する構造を採用する場合、その天端の
均し具合は、少なくともアンカーボルトの植設されてい
る辺りと、その間数箇所、即ち介在片を介在させる位置
の部分とだけが、所定の基準レベルに合致するように納
められていればよく、したがって、水糸を基準にして実
施する天端均し作業も、極端には上記指定箇所だけに限
って済ますことも可能である。
【0013】鋼棒は、形成する作業空間相互間に達する
長さの所要強度断面を有するものとし、両端にはネジ切
り加工その他、公知の鋼棒緊結手段に見合った加工が予
め施され、鋼棒相互および鋼棒とアンカーボルトとが、
作業空間において簡単に緊結可能となるようにする。な
お、最も上方にくる鋼棒の上端は、その位置に配された
横架材上面を支持部として固定されなければならないた
め、横架材上面への食い込みを防止する適宜手段、例え
ば横架材上面に載置する適宜厚さと大きさとを有する平
鋼板(鋼棒上端を挿通する通孔が所定位置に形成された
平鋼板)との組み合わせその他が採用可能なものに計画
されていなければならない。以下では、図面に示されて
いるこの発明を代表する幾つかの実施例に基づいて、よ
り具体的にこの発明の木造軸組補強材用振れ止め金具を
説示することとする。
【0014】
【実施例1】図1の全体斜視図、図2の柱5を中央で縦
割り状とした上、中間部を大巾に省略し、補強材4を挿
通、支持した状態で柱5の軸芯に設けた小孔51に組み
合わせた状態を示す斜視図からも理解されるように、こ
の実施例に示された木造軸組補強材用振れ止め金具は、
嵌着部1が、木製柱5の軸芯に形成された四角断面の小
孔51にやや強制的に嵌合する四角断面の短角筒状のも
のに形成され、4面各面の同一方向端縁から、先端側を
やや外側に反らせた形状の短冊状弾性片を突出形成する
と共に、各短冊状弾性片の先端側を夫々内側方向に寄
せ、嵌着部1よりも内側に収まった構造の吸振部2,
2,……に形成し、それら各吸振部2,2,……である
短冊状弾性片の先端側で囲まれた中空部3が、採用され
る補強材4の材径より小さく形成されている結果、この
中空部3に挿通された補強材4は、これら各吸振部2,
2,……に弾性保持され、嵌着部1の内側に収まる状態
(したがって、図3の軸線に沿う方向の中央縦断面図に
示されているとおり、嵌着部1を嵌着する細溝あるいは
小孔51に触れない状態)を実現することになる。
【0015】
【実施例2】図4の斜視図には、この金具の別の実施例
が示されている。この例のものも、嵌着部1が、木製柱
5の軸芯に形成された四角断面の小孔51にやや強制的
に嵌合する四角断面の短角筒状のものに形成され、吸振
部2が上記実施例と異なり、中央をやや補強材4の材形
よりも小径の中空部3としてなる弾性素材、例えばゴム
材やウレタンフォーム製のものとして形成され、該吸振
部2を短角筒状の嵌着部1の内側に接着、一体化して実
現される木造軸組補強材用振れ止め金具である。
【0016】なお、各実施例とも、木製柱5の小孔51
が四角断面で、それに嵌合する嵌着部1も略相似形の四
角断面のものとしているが、これらは、共に四角断面に
限定される訳ではなく、例えば小孔51を四角断面、嵌
着部1を円形断面のものとして組み合わせたり、あるい
は両方とも相似形の円形、楕円形、菱形その他の断面の
ものとする等は適宜変更可能であり、それらによって特
にこの発明の作用効果に格別の差異を生じさせるもので
なく、したがって、全てこの発明の技術的思想の範囲に
包含されている。
【0017】
【実施例3】図5の柱5中間部および2階の横架材7中
途より上方を大巾に省略し、それ以下の横架材、即ち、
土台6を中心とした組み合わせ構造で示す要部縦断面図
からも理解されるように、この実施例によって実現され
るこの発明の木造軸組補強材用振れ止め金具を補強材4
に組み合わせ、使用して成る代表的な木造軸組構造は、
以下に示すとおりのものである。
【0018】適宜天端均しの施された現場打ち布基礎B
には、所定の突出長さを有する如くしたアンカーボルト
が多数植設され、その中の所定のアンカーボルトB1,
B1,……だけは、立設すべき基準階の柱5根元に近接
した所定位置、即ち、小孔51に挿通される鋼棒製の補
強材4の配設される位置に規制されて形成されるように
する。
【0019】柱5の根元辺りに規制されて配されたアン
カーボルトB1,B1,……を除くその他のアンカーボ
ルト(図中省略)には、土台二つ割り程度の厚さで、土
台巾より大きくして土台側面より突出した部分を規制床
パネル載置部に兼用可能としたサイズの介在片を嵌合す
る一方、先の柱5根元辺りに配されたアンカーボルトB
1,B1には、近接させて同一厚の介在片8,8,……
を介在した上、それを支持部として土台6を横たえ、該
土台6から突出したアンカーボルトの中、図からは省略
されているが、柱5位置に対応させて配したアンカーボ
ルトB1,B1以外のアンカーボルトの上端ネジ切り部
に座金を被せ、ナット締めすることにより、先ず最下部
の横架材である土台6を布基礎B上に強固に一体化す
る。その際、必要があれば、介在片8,8,……と土台
6あるいは布基礎Bの何れかもしくは双方の間に接着剤
やジベル等を採用するようにすれば、それら介在片8,
8,……の定着がより確実なものとなる。
【0020】続いて、上記の如くして固定された土台6
上に、次の介在片9,9,……が、土台6を貫通、突出
しているアンカーボルトB1に所定間隔を置いて配さ
れ、それら全ての介在片9,9,……を支持部として補
助横架材61を載置した後、アンカーボルトB1付近の
介在片9,9を除いた、図示にはされていない同レベル
の他の介在片9,9,……位置において、補助横架材6
1、介在片9、土台6の、予め上下方向に合致させてあ
る通孔に緊結ボルト(図示せず)を貫通させ、その上下
端に座金を介してナット止めすることにより、最終的に
この補助横架材61も介在片9、土台6、その下の介在
片8を介して布基礎B上に固定された構造を実現する。
この際の、緊結ボルトによる補助横架材61、介在片
8,9、土台6の締結作業は、布基礎B上端と土台6と
の間に介在片8,8,……を介して作業空間Sが確保さ
れていることから実現可能となるものである。
【0021】こうして、土台6から突出状となっている
アンカーボルト1の周りには、図に示されているよう
に、作業空間Sが確保された構造となる。
【0022】柱5,5,……は、予め工場加工段階で軸
芯部分に小孔51が形成され、その全長に応じて2〜3
個の前記したこの発明の振れ止め金具が配され、現場に
搬入後、夫々各階の床を構成する補助横架材71(図示
せず),61,……の上に夫々柱脚を載置して立設され
るものであって、それら柱5,5,……は、土台6から
突出状となっているアンカーボルトB1,B1の軸線を
そのまま上方に垂直に延ばした線上に相当する部分が、
水平断面において柱5,5,……の軸芯に形成された小
孔51に合致するよう、規制して組み立てられる。
【0023】こうして布基礎B上に組み立てられた軸組
構造の、1階床の作業空間Sと2階床の作業空間S(図
中省略)、2階床の作業空間S(図中省略)と3階床の
作業空間S(図中省略)、および3階床の作業空間S
(図中省略)と小屋組部分の横架材上面空間との間に相
当する長さで、両端がネジ切り部に形成された鋼棒製の
補強材4,4,4を、夫々毎にその上下端ネジ切り部か
ら横架材7,6および補助横架材71(図中省略),6
1に形成してある通孔7h,6h,71h(図中省
略),61hに差し込み、各補強材4の端部ネジ切り部
が、作業空間S,S,……において相対向状となるよう
にした後、緊結用のコネクタ41,41,……で上下に
螺合、緊結する。
【0024】その結果、布基礎Bに定着され、土台6上
に突出しているアンカーボルトB1,B1,……の上端
から最上階に配された補強材4の上端、小屋組部分の横
架材上面に支持された部分までが、完全に1本化された
鋼棒製の補強材4,4,4となり、布基礎B上に組み上
げられた各横架材7,6、介在片8,8,9,9、補助
横架材71(図中省略),61、および柱5,5,……
が完全に一体化され、恰も、コンクリート構造物におけ
る鉄筋のように、この1本化された鋼棒製の補強材4,
4,4が機能し、横架材7,6によって分断された柱5
の、それらからの浮き上がり現象が確実に防止された木
造軸組構造を実現すると共に、水平外力その他で柱5,
5,……に振動を生じた場合にも、細溝あるいは小孔5
1,51,……内に挿通している補強材4,4,……
が、振れ止め金具に弾性支持されていて、共鳴すること
もなければ、細溝あるいは小孔51,51,……に接触
して雑音を発生するようなこともない構造を実現する。
【0025】
【作用効果】以上のような構成からなるこの発明の木造
軸組補強材用振れ止め金具は、浮き上がり現象の確実に
阻止された木造軸組構造を実現するために柱5,5,…
…に組み合わされる補強材4,4,……を、嵌着部1に
支持された吸振部2で弾性支持する構造に形成されてい
て、木製柱5,5,……に形成されている細溝あるいは
小孔51,51……内において、それら補強材4,4,
……が共鳴あるいは接触して雑音を発してしまう不都合
を完全に防止し、補強された構造と共に快適な空間の形
成された木造軸組構造を実現することができるものであ
る。
【0026】これら金具の木製柱5,5,……への組み
合わせ構造も、細溝あるいは小孔51,51,……に対
し、その全長の要所要所に2〜3個前後の適数個を嵌
合、組み合わせるだけで実現されるものであって、極め
て取り扱いが容易である上、その構造自体も簡潔なもの
で製造容易であり、しかも、補強材4,4,……の挿
通、組み合わせ操作についても、一方から差し込むだけ
の簡単な作業で確実に実現し得るものであることから、
補強構造全体のコスト計算上でも殆ど影響を出さない経
済的なものとして採用可能なものとすることができる。
【0027】特に、実施例に示すこの発明を代表する構
造によるものの場合、既往の角パイプをそのまま加工形
成することが可能であり、しかも、工場形成段階の木製
柱5に対し、小孔51形成加工段階で予めその小孔51
内に嵌合、配置して組み込むことが可能であり、しか
も、その半裁状の木製柱5に溝加工して張り合わせ、完
成させる段階において、これら金具が芯合わせ金具とし
ての機能も発揮することとなって、精度の高い小孔51
付き木製柱5の製造を可能にするという秀れた付加価値
も有するものとなり、その効果は更に一層高められるこ
とになる。
【0028】叙上の如く、この発明の木造軸組補強材用
振れ止め金具は、これまでの木造軸組構造では全く必要
とされていなかった新規な金具であって、補強された新
たな木造軸組構造を実現する上で欠くことができない秀
れた特徴を発揮できる上、それ自体が、その構造上から
取扱性、経済性に秀れていることから、強固で快適な空
間を実現する木造軸組構造からなる建造物を実現するた
めに大いにその威力を発揮するものといえる。また、そ
れを採用して実現される木造軸組構造は、特に柱の引っ
張り耐力が増強されて安全且つ住み心地の良いものとな
る上、構造の簡素化にも繋がり、我が国古来からの木造
軸組構造の規格化の推進にも役立つという秀れた特徴を
有するものである。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する幾つかの実施例に基づくも
のである。
【図 1】この発明の金具の全体斜視図である。
【図 2】中間部を大巾に省略し、予め補強材との組み
合わせ状態も取り入れた、木製柱への組み込み過程にお
ける斜視図である。
【図 3】中間部を大巾に省略し、表現上の都合から横
倒し状態にして補強材との組み合わせ構造を示す中央縦
断面図である。
【図 4】他の実施例によるこの発明の金具を示す全体
斜視図である。
【図 5】この発明の金具を使用した木造軸組構造の要
部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 この発明の金具の嵌着部 2 同吸振部 3 同中空部 4 補強材 41 同コネクタ 5 木製柱 51 同小孔 6 土台等の横架材 61 同土台上に空間をおいて並置される補助横架材 7 針、桁等の横架材 71 同横架材上に空間をおいて並置される補助横架
材 8 基礎上の介在片 9 横架材上の介在片 B 布基礎 B1 アンカーボルト S 作業空間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−302360(JP,A) 特開 平1−190859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/26 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造軸組構造における土台、梁、桁等横
    架材あるいは補助横架材を含む横架材を貫通し、且つ横
    架材あるいは補助横架材を含む横架材間に立設される柱
    に対しては、各柱断面内に食込み状に設けた縦溝に嵌合
    するか、もしくは各柱軸芯を貫通する小孔に挿通されて
    各横架材と各柱とを上下に一体化してしまう補強材を、
    略密着状に一定方向から挿通可能とする中空部を有し、
    該中空部から外側所定位置には、柱に形成された縦溝も
    しくは小孔の内壁に当接する嵌着部を有し、それら中空
    部から嵌着部までの間を弾性素材からなる吸振部に形成
    してなる木造軸組構造補強材用振れ止め金具。
  2. 【請求項2】 各階柱の脚部を、土台、梁、桁等横架材
    に対して介在片を介して所定間隔上方に浮かせて並置し
    てなる直下の補助横架材上に接続することにより、各階
    柱の脚部と土台、梁、桁等、その直下に位置する横架材
    との間に作業空間を形成する一方、この作業空間を接続
    部とし得る長さに形成された鋼棒製の補強材を、各柱断
    面内に食込み状に設けられ、要所要所に振れ止め金具の
    配された縦溝、もしくは各柱軸芯を貫通し、要所要所に
    振れ止め金具の配された小孔の、各振れ止め金具に嵌合
    もしくは挿通させて縦設し、それら補強材相互間、およ
    び補強材と基礎から立ち上げたアンカーボルト間を、夫
    々の位置する作業空間において適宜手段で緊結、一体化
    することにより、分断されて上下に配されている柱に引
    っ張り耐力を付与してなる請求項1記載の木造軸組構造
    補強材用振れ止め金具を使用した木造軸組構造。
JP34240993A 1993-12-13 1993-12-13 木造軸組構造補強材用振れ止め金具、およびそれを使用した木造軸組構造 Expired - Fee Related JP3463285B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34240993A JP3463285B2 (ja) 1993-12-13 1993-12-13 木造軸組構造補強材用振れ止め金具、およびそれを使用した木造軸組構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34240993A JP3463285B2 (ja) 1993-12-13 1993-12-13 木造軸組構造補強材用振れ止め金具、およびそれを使用した木造軸組構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07166605A JPH07166605A (ja) 1995-06-27
JP3463285B2 true JP3463285B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=18353512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34240993A Expired - Fee Related JP3463285B2 (ja) 1993-12-13 1993-12-13 木造軸組構造補強材用振れ止め金具、およびそれを使用した木造軸組構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3463285B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07166605A (ja) 1995-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2111149A1 (en) Wood frame construction system with prefabricated components
JP3041271B2 (ja) 木造接合工法
JP4799107B2 (ja) 木製構造材の仕口構造、横架材、柱脚構造および柱脚金具、並びにこれらを備えた木造建築物の軸組およびその組立て方法
JP4664997B2 (ja) 接合金物を有する建築物
JP2006132313A (ja) 基礎と架台の接合構造
JP3289710B2 (ja) 既存構造物の耐震補強工法および耐震補強構造
JP3463285B2 (ja) 木造軸組構造補強材用振れ止め金具、およびそれを使用した木造軸組構造
JP5596338B2 (ja) 木造建築物の補強金具及び木造建築物の補強方法
JP2001073456A (ja) H形鋼の柱・梁接合部を、高力ボルトとすみ肉溶接で接合した柱脚剛、x・y両方向共剛接架構の鉄骨建築。
JP3611876B2 (ja) 柱脚基礎・基礎梁構造
JP4660810B2 (ja) 境界梁ダンパー
JPH06193133A (ja) 鉄筋コンクリート造を主体とした建物の混合構造
JPH08277587A (ja) 軸組耐力壁とこれを使用した軸組施工法
JP3804174B2 (ja) ロ字型骨組架構による既存建築物の耐震改修方法
JP7371824B2 (ja) 建物の耐力壁構造及び建物の耐力壁の施工方法
JP3549488B2 (ja) 木造軸組住宅用筋交い
JP3572556B2 (ja) 耐震rcコアウオール建物
JP3471787B2 (ja) 木造建築物の補強部材
JP3350108B2 (ja) 階段の構築方法
JP2005179981A (ja) 構造物の制震構造
JPH02120436A (ja) 木造三階建の建物用ラーメン構造体
JP3572557B2 (ja) 耐震rcコアウオール建物
JP3357352B2 (ja) 耐震建築構造体
JP3700103B2 (ja) 鉄筋コンクリート床版の補強構造
JP2024044028A (ja) 制振装置及び制振装置の設置構造

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees