JP3462937B2 - 自動振幅等化器 - Google Patents

自動振幅等化器

Info

Publication number
JP3462937B2
JP3462937B2 JP16272095A JP16272095A JP3462937B2 JP 3462937 B2 JP3462937 B2 JP 3462937B2 JP 16272095 A JP16272095 A JP 16272095A JP 16272095 A JP16272095 A JP 16272095A JP 3462937 B2 JP3462937 B2 JP 3462937B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
amplitude
slope
unit
equalizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16272095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08163005A (ja
Inventor
健造 小林
敏雄 川崎
敏雄 田村
広幸 鬼柳
隆則 岩松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP16272095A priority Critical patent/JP3462937B2/ja
Priority to GB9902895A priority patent/GB2330743B/en
Priority to GB9902521A priority patent/GB2330742B/en
Priority to GB9519236A priority patent/GB2293948B/en
Priority to US08/533,119 priority patent/US5978415A/en
Priority to DE19535839A priority patent/DE19535839B4/de
Publication of JPH08163005A publication Critical patent/JPH08163005A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3462937B2 publication Critical patent/JP3462937B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/01Equalisers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 産業上の利用分野 従来の技術(図65〜図68) 発明が解決しようとする課題(図65〜図68) 課題を解決するための手段(図1〜図6) 作用(図1〜図6) 実施例 (a)第1実施例の説明(図7〜図19) (b)第2実施例の説明(図20) (c)第3実施例の説明(図21) (d)第4実施例の説明(図22) (e)第5実施例の説明(図23〜図25) (f)第6実施例の説明(図26) (g)第7実施例の説明(図27) (h)第8実施例の説明(図28) (i)第9実施例の説明(図29,図30) (j)第10実施例の説明(図31) (k)第11実施例の説明(図32) (l)第12実施例の説明(図33) (m)第13実施例の説明(図34〜図39) (n)第14実施例の説明(図40〜図43) (o)第15実施例の説明(図44〜図56) (p)第16実施例の説明(図57〜図59) (q)第17実施例の説明(図60,図61) (r)第18実施例の説明(図62) (s)その他(図63,図64) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、入力信号の振幅特性を
補償する自動振幅等化器に関する。近年、ディジタル多
重無線装置などにおいては、空間で発生するフェージン
グ歪みなどの伝送路歪みによる回線品質の劣化を改善す
るために、この伝送路歪みを時間領域で等化することの
できるトランスバーサル等化器が広く実用化されてい
る。
【0003】しかしながら、例えば、直交2次元型のト
ランスバーサル等化器の等化特性(シグニチャ特性とも
いう)は、「Mカーブ」と呼ばれるように、特に、IF
(中間周波数)帯の1次傾斜特性には弱いことが知られ
ている。そこで、IF信号(入力信号)の1次傾斜特性
の伝送路歪み(1次傾斜歪み)を時間領域で等化するト
ランスバーサル等化器に加えて、さらに周波数領域また
は時間領域の等化器を併用することにより、この伝送路
歪みをより効果的に補償できる技術が要求されている。
【0004】また、IF信号の2次傾斜歪みを有効に検
出し、IF信号の1次傾斜歪みだけでなく、2次傾斜歪
みをも効果的に補償して等化器の性能をさらに向上でき
る技術も要求されてきている。
【0005】
【従来の技術】図65は従来の自動振幅等化器の構成を
示すブロック図で、この図65において、100は1次
傾斜補償部,200は自動利得制御部(AGC),30
0は3波検波器,400は比較回路である。ここで、1
次傾斜補償部100は、1次傾斜振幅特性を有し、後述
する比較回路400からの制御信号に応じて、この1次
傾斜振幅特性が制御されることにより、空間を通じて伝
送されてきた受信信号の1次傾斜歪みを1次傾斜振幅特
性に応じて補償するものであり、自動利得制御部200
は、復調器などの1次傾斜補償部100の後段の回路が
正常に動作するように、1次傾斜補償部100の出力の
利得を一定に制御するものである。
【0006】また、3波検波器300は、自動利得制御
部200の出力の一部に対して3波検波を施すことによ
り、3つの異なる周波数成分f0 ,f1 - ,f2 + を検
出するものであり、比較回路400は、これら3つの周
波数成分f0 ,f1 - ,f2 + を比較することにより、
入力信号(受信信号)の1次傾斜歪みを検出して、これ
に基づき、この1次傾斜歪みを補償すべく1次傾斜補償
部100用の制御信号を出力するものである。
【0007】このような構成により、従来の自動振幅等
化器では、自動利得制御部200で利得を一定に保たれ
た入力信号の一部が3波検波器300で3波検波され、
得られた3つの周波数成分f0 ,f1 - ,f2 + が比較
回路400で比較されることにより、入力信号の1次傾
斜歪みが検出される。そして、比較部400からは、こ
の1次傾斜歪みを補償すべく、1次傾斜補償部100が
有する1次傾斜振幅特性を制御するための制御信号が出
力され、これにより、1次傾斜補償部100では、この
制御信号に応じて入力信号の1次傾斜歪みが補償され
る。
【0008】さらに、図66は従来の自動振幅等化器の
他の構成を示すブロック図で、この図66において、1
0は受信部、20′は1次傾斜補償部、30は可変利得
増幅部、40は復調部、41はトランスバーサル等化器
(TRE)、50は識別部、60は振幅検出部、70′
はスペクトラム歪検出部、80Aは混合比制御部であ
る。なお、101はアンテナである。
【0009】ここで、受信部10は、アンテナ101で
受信したRF(高周波)信号をダウンコンバートしてI
F(中間周波)信号を得るものであり、1次傾斜補償部
20′は、1次傾斜振幅特性を有し、この1次傾斜振幅
特性に応じてIF信号の1次傾斜歪みを補償するもの
で、分配器(ハイブリッド)211,ノッチフィルタな
どが有する正傾斜1次特性を利用した正傾斜1次振幅等
化部212,同じくノッチフィルタが有する負傾斜1次
特性を利用した負傾斜1次振幅等化部213,PINダ
イオードなどを用いた可変減衰器214,215及び混
合器(ハイブリッド)216を有して構成される。
【0010】また、可変利得増幅部30は、後述する振
幅検出部60からのAGC(Automatic Gain Control)信
号に応じて復調部40への出力の利得が一定になるよう
に1次傾斜補償部20′の出力の増幅度を制御するもの
であり、復調部40は、この可変利得増幅部30の出力
に対して直交検波などの所要の復調方式で復調を施すこ
とによって復調ベースバンド信号(BBS)を得るもの
である。この復調部40は、例えば、後述するごとく7
タップのトランスバーサル等化器41をそなえて構成さ
れている。
【0011】さらに、識別部50は、復調部40で得ら
れた復調ベースバンド信号を所要の識別レベルで識別す
るものであり、振幅検出部60は、シンボルタイミング
クロック信号(SCK)に同期してBBS信号と所定の
基準値(シンボルレベル)とを比較することにより、可
変利得増幅部30を自動利得制御するAGC信号を生成
するものである。
【0012】また、制御部90′は、IF信号の1次傾
斜歪みを検出して、これに基づいて、1次傾斜補償部2
0′での正傾斜1次振幅等化部212及び負傾斜1次振
幅等化部213の各出力の混合比を制御するための制御
信号を生成して1次傾斜補償部20′へ出力するもの
で、IF信号のスペクトラム中の1次傾斜歪みを検出す
るスペクトラム歪検出部70′と、このスペクトラム歪
検出部70′での検出結果に応じた制御信号を生成する
混合比生成部80′とをそなえて構成されている。
【0013】上述のごとく構成された自動振幅等化器で
は、まず、アンテナ100で受信したRF(高周波)信
号が受信部10で増幅されるとともに、図67(a)に
て後述する中心周波数f0 のIF(中間周波)信号にダ
ウンコンバートされる。そして、このIF信号は1次傾
斜補償部20′でその1次傾斜歪を補償されて、補償後
のIFEQ信号が出力される。
【0014】さらに、このIFEQ信号は、可変利得増幅
部30で増幅されて復調部40に入力され、復調部40
では、この入力信号(IFEQ信号)に対して直交検波な
どの所定の復調方式で復調が施されることによって復調
ベースンバンド信号(BBS)が得られる。そして、こ
の復調ベースンバンド信号BBSは、識別部50にて所
要の識別レベルで識別されて、受信データとして出力さ
れる。なお、振幅検出部60は、各シンボルタイミング
クロック信号SCKに同期して復調部40から出力され
るベースバンド信号(BBS)と所定の基準値(シンボ
ルレベル)とを比較することにより、復調部40の入力
信号レベルが常に一定となるように自動利得制御(AG
C)を行なっている。
【0015】ここで、上述の復調部40は、トランスバ
ーサル等化器41をそなえており、これにより、基本的
にはIF信号のフェージング歪みを時間領域で補正でき
るようになっている。そして、このトランスバーサル等
化器41には、一般的に、例えば、図67(a)中に特
性T7 で示すごとくシグニチャ特性(Mカーブ)を有す
る7タップのトランスバーサル等化器が使用される。な
お、図67(a)において、横軸はフェージング周波数
(MHZ )、縦軸はフェージングの深さ(dB)をそれ
ぞれ表している。
【0016】ところが、この7タップのトランスバーサ
ル等化器を使用して全IF帯で一律に10-3程度のエラ
ー率を実現しようとすると、フェージングによる歪(振
幅劣化)がf0 の付近で発生した場合には17dB程度
の深さまで歪みを補償(等化)できるが、両肩部(1次
傾斜)で発生した場合には15dB程度の深さまでしか
歪みを補償できない。その差は2dB程度であり、特性
7 の傾斜は比較的緩やかであった。
【0017】そこで、図67(a)に示す特性T7 の両
肩部の劣化分を別途に1次傾斜振幅等化特性を有する1
次傾斜補償部20′で補償することが考えられ、実用化
されている。すなわち、IF信号は分配器211で2波
に分波され、それぞれ正傾斜及び負傾斜の各1次傾斜形
振幅等化特性を有する正傾斜1次振幅等化部212及び
負傾斜1次振幅等化部213に入力される。そして、正
傾斜1次振幅等化部212はその入力信号を周波数領域
において正傾斜の1次振幅等化を行なう一方、負傾斜1
次振幅等化部213はその入力を周波数領域において負
傾斜の1次振幅等化を行なう。
【0018】さらに、両等化部212,213の各出力
は可変減衰器214,215で受信信号のもつ傾斜形振
幅歪みを相殺するような混合比に減衰され、混合器21
6で混合(合成)される。以下、その一例の動作につい
て詳述する。まず、スペクトラム歪検出部70′は、I
F帯両肩部における周波数(f0 −Δf,f0 +Δf)
の2点検出によりスペクトラム中の1次傾斜歪みの量を
求めると共に、IFEQ信号について正傾斜歪みを検出す
ると負の検出信号SPDを出力し、また負傾斜歪みを検
出すると正の検出信号SPDを出力する。そして、混合
比制御部80′は内部で各検出信号SPDを積分し、歪
み検出信号を生成する。
【0019】すなわち、この歪み検出信号はIFEQ信号
のスペクトラムが平坦又はf0 の付近に歪みを有する場
合は「0」の側に、IFEQ信号のスペクトラムが正傾斜
歪みを有する場合は「−」の側に、負傾斜歪みを有する
場合は「+」の側にそれぞれドライブされる。これに伴
い、可変減衰器214,215に加える制御電圧は図6
7(b)中の「a」,「b」に示すように対称に変化す
る。
【0020】なお、この場合、各可変減衰器214,2
15は、制御電圧「a」,「b」が低いとその減衰量が
「∞」に近づき、逆に制御電圧「a」,「b」が高いと
その減衰量が「0」に近づく特性を有している。さら
に、図68(a)は1次傾斜補償部20′の等化作用の
一例を説明するための図で、この図68(a)におい
て、特性pは正傾斜1次振幅等化部212の正傾斜1次
振幅等化特性、特性nは負傾斜1次振幅等化部213の
負傾斜1次振幅等化特性をそれぞれ示しており、これら
の特性p,nの合成特性がmとなる。なお、この場合
は、特性p,n双方の混合比を加味しており、この例で
はp:n=1:2としている。
【0021】そして、この合成特性mは、この図68
(a)に示すように、入力IF信号の正傾斜歪みとは逆
の特性になっており、IF信号をこの合成特性mで振幅
等化すると、出力には平坦なIFEQ信号が得られる。こ
の関係はIF信号のあらゆる1次傾斜歪み対して成り立
つよう構成されている。従って、前述の7タップのトラ
ンスバーサル等化器41に1次傾斜補償部20′を併用
した系では、両肩部におけるフェージング歪も中心部と
同様に17dBの深さまで補償でき、そのMカーブは平
坦(図示略)なものとなる。
【0022】また、このような入力信号の1次傾斜歪み
を補償する自動振幅等化器としては、他に、特開昭58
−198928号の公報に記載されている装置のよう
に、入力信号を復調した互いに直交する2種のアナログ
信号(I,Q)から受信信号の1次傾斜歪みを検出する
ことで、受信信号の1次傾斜歪みを補償して等化できる
ようにしたものも提案されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図65
に示す従来の自動振幅等化器では、1次傾斜歪みを検出
する際、比較回路400での比較の対象となる周波数成
分f0 ,f1 - ,f2 +を、回路規模が大きく高価な3
波検波器300を用いて検出しているため、自動振幅等
化器の回路規模やコストが大幅に増大してしまうという
課題がある。
【0024】さらに、図66に示す自動振幅等化器にお
いて、今日では、例えば、トランスバーサル等化器41
に代えて、図67(a)に特性T9 で示すようなMカー
ブを有する9タップのトランスバーサル等化器が使用で
きるようになっており、その等化特性は大幅に改善され
ている。そして、この9タップのトランスバーサル等化
器を使用して全IF帯で一律に10-3程度のエラー率を
実現しようとすると、フェージングがf0 の付近で発生
した場合には20dB程度の深さまで補償でき、また両
肩部(1次傾斜)で発生した場合には16dB程度の深
さまで補償できる。つまり、その差は4dB程度あり、
特性T9 の傾斜は特性T7 の傾斜に比べて急峻になって
いる。
【0025】しかし、かかる急傾斜な特性T9 を1次傾
斜補償部20′で補償しようとすると、それに伴い正傾
斜1次振幅等化部212,負傾斜1次振幅等化部213
には急傾斜な等化特性が要求されることになるが、これ
を満足するような振幅特性は、もはや2次,3次の特性
に近く、これを1次の特性で近似して使用すると、以下
のような課題が生じる。
【0026】すなわち、図68(b)において、特性p
は等化部212の正傾斜2次等化特性、特性nは等化部
213の負傾斜2次等化特性をそれぞれ示している。た
だし、この図68(b)では各2次特性を折れ線近似し
て表している。そして、これらの合成特性はmとなる。
ここに、図68(a)に示すものと同様の正傾斜歪みを
受けたIF信号が入力されると、出力のIFEQ信号の振
幅は図68(b)に示すごとく周波数f0 の付近で劣化
してしまうことになる。この関係は特性p,nの傾斜が
急峻であると常に生じ得る。
【0027】このため、9タップのトランスバーサル等
化器に1次傾斜補償部20′を併用したような系では、
Mカーブの総合等化特性EQT9 は、図67(a)に示
すように平坦とはならず、かえって周波数f0 の付近で
3dB程度劣化してしまう。また、特開昭58−198
928号の公報に記載されている装置では、上述のよう
に、入力信号を復調したアナログ信号(I,Q)から入
力信号についての1次傾斜歪みを検出するために、この
検出系もアナログ回路で構成しているので、やはり装置
の回路規模やコストが低減できないという課題がある。
【0028】さらに、従来は、上述のように入力信号の
1次傾斜歪みを検出し、これに基づいて入力信号の1次
傾斜歪みを補償して入力信号を等化することは行なわれ
ているが、入力信号の2次傾斜歪み(2次傾斜振幅特
性)を検出して、この2次傾斜歪みを補償することは行
なわれていない。本発明は、このような課題に鑑み創案
されたもので、受信信号の傾斜振幅歪を補償するための
制御信号の検出に、ディジタル復調信号のうちの一方の
信号の値の変化の方向と他方の信号の誤差情報との相関
を利用して、この検出系をディジタル回路で構成するこ
とにより、その回路規模やコストを大幅に削減できるよ
うにした、自動振幅等化器を提供することを第1の目的
とする。
【0029】また、検出した1次傾斜歪みに応じて、そ
れぞれ異なる1次傾斜振幅特性を有する等化部の各出力
を可変の混合比で混合することにより、簡素な構成で、
且つ、容易に入力信号の振幅特性(特に、1次傾斜歪
み)を補償できるようにした、自動振幅等化器を提供す
ることを第2の目的とする。さらに、入力信号の1次傾
斜歪みだけでなく、2次傾斜歪みも検出して、入力信号
の2次傾斜歪みをも高精度に補償できるようにした、自
動振幅等化器を提供することを第3の目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】図1は第1の発明の原理
ブロック図で、この図1において、1は1次傾斜形振幅
等化部、2は制御部、3は復調器、4,5はそれぞれト
ランスバーサル等化器(TRE)4,5である。ここ
で、1次傾斜形振幅等化部1は、入力信号の振幅特性を
所要の1次傾斜振幅特性に応じて補償するものであり、
制御部2は、入力信号についてのディジタル復調信号
I,Qのうちの一方の信号I(又は、Q)の値の変化の
方向を判定するとともに、この一方の信号Iに対し直交
するディジタル復調信号I,Qうちの他方の信号Q(又
は、I)から誤差情報を検出し、この誤差情報と上述の
一方の信号I(又は、Q)の値の変化の方向との相関に
基づき1次傾斜形振幅等化部1用の制御信号を出力する
ものである(請求項1)。
【0031】そして、上述の1次傾斜形振幅等化部1
は、周波数領域において1次傾斜振幅特性を有し、入力
信号の振幅特性を1次傾斜振幅特性に応じて補償するよ
うに構成してもよく(請求項2)、時間領域における等
化器により、入力信号の振幅特性を1次傾斜振幅特性に
応じて補償するように構成してもよい(請求項3)。ま
た、制御部2は、信号方向判定部21,誤差情報検出部
22及び相関演算部23で構成されており、信号方向判
定部21は、ディジタル復調信号I,Qのうちの一方の
信号I(又は、Q)の値の変化の方向を判定するもので
あり、誤差情報検出部22は、この一方の信号I(又
は、I)に対し直交するディジタル復調信号I,Qのう
ちの他方の信号Q(又は、I)から誤差情報を検出する
ものであり、相関演算部23は、誤差情報検出部22で
得られた誤差情報と信号方向判定部21で得られた一方
の信号I(又は、Q)の値の変化の方向との相関に基づ
き傾斜形振幅等化部1用の制御信号を出力するものであ
る(請求項4)。
【0032】具体的に、この信号方向判定部21は、デ
ータクロック周期、もしくはデータクロックの1/N周
期(Nは2以上の整数)で一方の信号I(又は、Q)を
サンプリングして、この一方の信号I(又は、Q)の値
の変化の方向を判定するように構成される(請求項5,
6)。また、上述の誤差情報検出部22は、上述の他方
の信号Q(又は、I)の誤差ビットから誤差情報を検出
するように構成してもよく(請求項7)、入力信号につ
いてのディジタル復調信号I,Qのうちの他方の信号Q
(又は、I)と、この他方の信号Q(又は、I)を更に
トランスバーサル等化器5で処理した等化後信号QTRE
(又は、ITRE )との差を演算する差演算部として構成
してもよい(請求項8)。
【0033】さらに、復調器3は、入力信号についての
ディジタル復調信号I,Qを得るものであり、この場合
は、この復調器3の前段に1次傾斜形振幅等化部1が設
けられているが(請求項9)、逆に、1点鎖線で示すよ
うに、復調器3の後段に、この1次傾斜形振幅等化部1
を設けてもよい(請求項10)。次に、図2は第2の発
明の原理ブロック図で、この図2において、1は1次傾
斜形振幅等化部、2′は制御部、3は復調器、4,5は
それぞれトランスバーサル等化器(TRE)4,5であ
る。
【0034】ここで、1次傾斜形振幅等化部1は、図1
に示したものと同様のものであり、制御部2′は、入力
信号についてのディジタル復調信号I,Qのうちの一方
の信号Iの値の変化の方向を判定し、この一方の信号I
に対し直交するディジタル復調信号I,Qうちの他方の
信号Qから誤差情報を検出し、この誤差情報と上述の一
方の信号Iの値の変化の方向との相関に基づいて第1相
関信号を得るとともに、他方の信号Qの値の変化の方向
を判定し、この他方の信号Qに対し直交するディジタル
復調信号I,Qのうちの一方の信号Iから誤差情報を検
出し、この誤差情報と上述の他方の信号Qの動く方向と
の相関に基づいて第2相関信号を得、更に上記の第1相
関信号及び第2相関信号から1次傾斜形振幅等化部1用
の制御信号を生成して出力するものである(請求項1
1)。
【0035】なお、この場合も、上述の1次傾斜形振幅
等化部1は、周波数領域において1次傾斜振幅特性を有
し、入力信号の振幅特性をこの1次傾斜振幅特性に応じ
て補償するように構成してもよく(請求項12)、時間
領域における等化器により、入力信号の振幅特性を1次
傾斜振幅特性に応じて補償するように構成してもよい
(請求項13)。
【0036】具体的に、この制御部2′は、図2に示す
ように、第1信号方向判定部21−1,第1誤差情報検
出部22−1,第1相関演算部23−1,第2信号方向
判定部21−2,第2誤差情報検出部22−2,第2相
関演算部23−2及び制御信号生成部24で構成され
る。ここで、第1信号方向判定部21−1は、ディジタ
ル復調信号うちの一方の信号Iの値の変化の方向を判定
するものであり、第1誤差情報検出部22−1は、この
一方の信号に対し直交するディジタル復調信号うちの他
方の信号Qから誤差情報を検出するものであり、第1相
関演算部23−1は、第1誤差情報検出部22−1で得
られた誤差情報と第1信号方向判定部21−1で得られ
た一方の信号Iの値の変化の方向との相関に基づき第1
相関信号を出力するものである。
【0037】さらに、第2信号方向判定部21−2は、
上述の他方の信号Qの値の変化の方向を判定するもので
あり、第2誤差情報検出部22−2は、上述の一方の信
号Iから誤差情報を検出するものであり、第2相関演算
部23−2は、第2誤差情報検出部22−2で得られた
誤差情報と第2信号方向判定部21−2で得られた他方
の信号Qの値の変化の方向との相関に基づき第2相関信
号を出力するものである。
【0038】また、制御信号生成部24は、第1相関演
算部23−1からの第1相関信号及び第2相関演算部2
3−2からの第2相関信号から1次傾斜形振幅等化部1
用の制御信号を生成するものである(以上、請求項1
4)。そして、このとき、第1信号方向判定部21−1
は、データクロック周期で、もしくはデータクロックの
1/N周期(Nは2以上の整数)で一方の信号Iをサン
プリングして、この一方の信号Iの値の変化の方向を判
定すべく構成され、第2信号方向判定部21−2は、デ
ータクロック周期で、もしくはデータクロックの1/N
周期(Nは2以上の整数)で他方の信号Qをサンプリン
グして、この他方の信号Qの値の変化の方向を判定すべ
く構成される(請求項15,16)。
【0039】なお、上述の第1誤差情報検出部22−1
及び第2誤差情報検出部22−2については、それぞれ
第1誤差情報検出部22−1を一方の信号Iの誤差ビッ
トから誤差情報を検出するように構成するとともに、第
2誤差情報検出部22−2を他方の信号Qの誤差ビット
から誤差情報を検出するように構成してもよい(請求項
17)。
【0040】また、第1誤差情報検出部22−1及び第
2誤差情報検出部22−2は、第1誤差情報検出部22
−1を、入力信号についてのディジタル復調信号I,Q
のうちの他方の信号Qと、この他方の信号Qを更にトラ
ンスバーサル等化器で処理した等化後信号QTRE との差
を演算する第1差演算部として構成するともに、第2誤
差情報検出部22−2を、一方の信号Iと、この一方の
信号Iを更にトランスバーサル等化器4で処理した等化
後信号ITRE との差を演算する第2差演算部として構成
してもよい(請求項18)。
【0041】ところで、この場合も、1次傾斜形振幅等
化部1は、図1に示した自動振幅等化器と同様に、復調
器3の前段に設けられているが(請求項19)、図2中
に1点鎖線で示すように、復調器3の後段に設けてもよ
い(請求項20)。次に、図3は第3の発明の原理ブロ
ック図で、この図3において、1Aは1次傾斜形振幅等
化部、2Aは制御部、3は復調器である。
【0042】さらに、1次傾斜形振幅等化部1Aは、正
傾斜振幅等化部1A−1,零傾斜振幅等化部1A−2及
び負傾斜振幅等化部1A−3と、可変減衰器1A−4〜
1A−6を有して構成されている。ここで、正傾斜振幅
等化部1A−1,零傾斜振幅等化部1A−2及び負傾斜
振幅等化部1A−3は、それぞれ周波数領域において正
傾斜,零傾斜及び負傾斜振幅等化特性を有するもので、
この場合は、正傾斜振幅等化部1A−1,零傾斜振幅等
化部1A−2及び負傾斜振幅等化部1A−3の各出力が
可変の混合比で混合されるようになっている。
【0043】また、制御部2Aは、入力信号についての
ディジタル復調信号I,Qに基づいて1次傾斜形振幅等
化部1Aでの上記混合比を制御するための混合比制御信
号を生成して1次傾斜形振幅等化部1Aへ出力するもの
である(以上、請求項21)。さらに、この場合、各可
変減衰器1A−4〜1A−6は、上述の正傾斜振幅等化
部1A−1,零傾斜振幅等化部1A−2及び負傾斜振幅
等化部1A−3に対応して設けられており、これらの各
可変減衰器1A−4〜1A−6の減衰度を制御部2Aか
らの混合比制御信号に応じて個別に制御することによ
り、正傾斜振幅等化部1A−1,零傾斜振幅等化部1A
−2及び負傾斜振幅等化部1A−3の各出力をそれぞれ
可変の混合比で混合するように構成されている(請求項
22)。
【0044】なお、零傾斜振幅等化部1A−2は、正傾
斜振幅等化部1A−1及び負傾斜振幅等化部1A−3と
同一の遅延特性を有する遅延線で構成される(請求項2
3)。ところで、具体的に、上述の制御部2Aは、図3
に示すように、1次傾斜検出部2A−1と混合比制御部
2A−2とをそなえて構成される。ここで、1次傾斜検
出部2A−1は、入力信号についてのディジタル復調信
号I,Qに基づいて入力信号の1次傾斜振幅特性を検出
するものであり、混合比生成部2A−2は、この1次傾
斜検出部2A−1での検出結果に応じて1次傾斜形振幅
等化部1Aのための混合比制御信号を生成するものであ
る(請求項24)。
【0045】このため、1次傾斜検出部2A−1は、入
力信号についてのディジタル復調信号I,Qのうちの一
方の信号I(又は、Q)の値の変化の方向を判定する信
号方向判定部と、この一方の信号I(又は、Q)に対し
直交するディジタル復調信号I,Qのうちの他方の信号
Q(又は、I)から誤差情報を検出する誤差情報検出部
と、この誤差情報検出部で得られた誤差情報と信号判定
部で得られた一方の信号I(又は、Q)の値の変化の方
向との相関に基づき入力信号についての1次傾斜振幅特
性を演算にて検出する相関演算部とをそなえて構成され
る(請求項25)。
【0046】一方、混合比生成部2A−2は、この1次
傾斜検出部2A−1で検出された1次傾斜振幅特性を積
分する積分器をそなえ、この積分器での1次傾斜振幅特
性についての積分結果が零傾斜振幅特性を示す場合は、
零傾斜振幅等化部1A−2の出力の混合比を最大にし、
且つ、正傾斜振幅等化部1A−1及び負傾斜振幅等化部
1A−3の各出力の混合比を最小にするとともに、積分
結果が負傾斜振幅特性を示す場合は、この負傾斜振幅特
性を相殺すべく正傾斜振幅等化部1A−1の出力の混合
比を大きくする一方、積分結果が正傾斜振幅特性を示す
場合は、この正傾斜振幅特性を相殺すべく負傾斜振幅等
化部1A−3の出力の混合比を大きくするような信号を
混合比制御信号として生成するように構成される(請求
項26)。
【0047】なお、この混合比生成部2A−1は、1次
傾斜検出部2A−1で検出された1次傾斜振幅特性を積
分する積分器と、この積分器での1次傾斜振幅特性につ
いての積分結果を混合比制御信号に変換する変換メモリ
とをそなえて構成してもよい(請求項27)。また、こ
の第3の発明にかかる自動振幅等化器では、入力信号に
ついてのディジタル復調信号I,Qから信号レベルの誤
差情報を検出する信号レベル誤差検出部をそなえて、混
合比生成部を、この信号レベル誤差検出部で検出された
信号レベルの誤差情報に応じて生成した混合比制御信号
の出力レベルを可変にするようにしてもよい(請求項2
8)。
【0048】次に、図4は第4の発明の原理ブロック図
で、この図4においても、1Bは1次傾斜形振幅等化
部、2Bは制御部、3は復調器であるが、1次傾斜形振
幅等化部1Bは、正傾斜振幅等化部1B−1,凸傾斜振
幅等化部1B−2及び負傾斜振幅等化部1B−3をそな
えて構成されている。ここで、正傾斜振幅等化部1B−
1,凸傾斜振幅等化部1B−2及び負傾斜振幅等化部1
B−3は、それぞれ周波数領域において正傾斜,凸傾斜
及び負傾斜振幅等化特性を有するもので、このうち正傾
斜振幅等化部1B−1及び負傾斜振幅等化部1B−3の
各出力が可変の混合比で混合され、凸傾斜振幅等化部1
B−2の出力が一定の混合比で混合されるようになって
いる。
【0049】また、制御部2Bは、入力信号についての
ディジタル復調信号I,Qに基づいて1次傾斜形振幅等
化部1Bでの上記混合比を制御するための混合比制御信
号を生成して1次傾斜形振幅等化部1Bへ出力するもの
である(請求項29)。さらに、この図4に示すよう
に、1次傾斜形振幅等化部1Bは、正傾斜振幅等化部1
B−1及び負傾斜振幅等化部1B−3に対応して可変減
衰器1B−4,1B−5をそなえており、これらの可変
減衰器1B−4,1B−5の減衰度を制御部2Bで生成
される混合比制御信号に応じて個別に制御することによ
り、正傾斜振幅等化部1B−1及び負傾斜振幅等化部1
B−3の出力をそれぞれ可変の混合比で混合するととも
に、凸傾斜振幅等化部1B−2の出力を一定の混合比で
混合するようになっている(請求項30)。
【0050】なお、具体的に、凸傾斜振幅等化部1B−
2は、入力信号のもつ所要の周波数帯域の中心に中心周
波数を有する共振回路として構成される(請求項3
1)。このため、制御部2Bは、図4に示すように、1
次傾斜検出部2B−1と混合比制御部2B−2とをそな
えて構成される。ここで、1次傾斜検出部2B−1は、
入力信号についてのディジタル復調信号I,Qに基づい
て1次傾斜振幅特性を検出するものであり、混合比生成
部2B−2は、この1次傾斜検出部2B−1での検出結
果に応じて1次傾斜形振幅等化部1Bのための混合比制
御信号を生成するものである(請求項32)。
【0051】さらに、具体的に、1次傾斜検出部2B−
1は、入力信号についてのディジタル復調信号I,Qの
うちの一方の信号I(又は、Q)の値の変化の方向を判
定する信号方向判定部と、この一方の信号I(又は、
Q)に対し直交するディジタル復調信号I,Qのうちの
他方の信号Q(又は、I)から誤差情報を検出する誤差
情報検出部と、この誤差情報検出部で得られた誤差情報
と、上述の信号判定部で得られた一方の信号I(又は、
Q)の値の変化の方向との相関に基づき、入力信号につ
いての1次傾斜振幅特性を演算にて検出する相関演算部
とをそなえて構成される(請求項33)。
【0052】一方、混合比生成部2B−2は、1次傾斜
検出部2B−1で検出された1次傾斜振幅特性を積分す
る積分器をそなえ、この積分器での1次傾斜振幅特性に
ついての積分結果が零傾斜振幅特性を示す場合は、正傾
斜振幅等化部1B−1及び負傾斜振幅等化部1B−3の
各出力の混合比を最小にするとともに、積分結果が負傾
斜振幅特性を示す場合は、この負傾斜振幅特性を相殺す
べく正傾斜振幅等化部1B−1の出力の混合比を大きく
する一方、積分結果が正傾斜振幅特性を示す場合は、こ
の正傾斜振幅特性を相殺すべく負傾斜振幅等化部1B−
3の出力の混合比を増加させるような信号を混合比制御
信号として生成するように構成される(請求項34)。
【0053】なお、この混合比生成部2B−2は、1次
傾斜検出部2B−1で検出された1次傾斜振幅特性を積
分する積分器と、この積分器での1次傾斜振幅特性につ
いての積分結果を混合比制御信号に変換する変換メモリ
とをそなえて構成してもよい(請求項35)。また、こ
の場合も、入力信号についてのディジタル復調信号I,
Qから信号レベルの誤差情報を検出する信号レベル誤差
検出部をそなえて、混合比生成部を、この信号レベル誤
差検出部で検出された信号レベルの誤差情報に応じて生
成した混合比制御信号の出力レベルを可変にするように
してもよい(請求項36)。
【0054】次に、図5は第5の発明の原理ブロック図
で、この図5において、1Cは2次傾斜形振幅等化部、
2Cは制御部、3は復調器、4,5はそれぞれトランス
バーサル等化器(TRE)である。ここで、2次傾斜形
振幅等化部1Cは、入力信号の2次傾斜振幅特性を所要
の1次傾斜振幅特性または所要の2次傾斜振幅特性に応
じて補償するものであり、制御部2Cは、入力信号につ
いてのディジタル復調信号I(又は、Q)から入力信号
の2次傾斜振幅特性を検出し、その検出結果に基づき2
次傾斜形振幅等化部1C用の制御信号を出力するもので
ある(請求項37)。
【0055】このため、2次傾斜形振幅等化部1Cは、
周波数領域において1次傾斜振幅特性または2次傾斜振
幅特性を有し、入力信号の2次傾斜振幅特性を、この1
次傾斜振幅特性または2次傾斜振幅特性に応じて補償す
るように構成される(請求項38)。なお、この2次傾
斜形振幅等化部1Cは、時間領域における等化器によ
り、入力信号の2次傾斜振幅特性を1次傾斜振幅特性ま
たは2次傾斜振幅特性に応じて補償するように構成して
もよい(請求項39)。
【0056】一方、制御部2Cは、図5に示すように、
2次傾斜検出部2C−1と信号状態監視部2C−2とを
そなえて構成される。ここで、2次傾斜検出部2C−1
は、ディジタル復調信号I(又は、Q)の値とディジタ
ル復調信号I(又は、Q)の誤差情報との相関に基づき
入力信号の2次傾斜振幅特性を検出するものであり、信
号状態監視部2C−2は、ディジタル復調信号I(又
は、Q)の値の変化状態を監視するもので、この信号状
態監視部2C−2でディジタル復調信号I(又は、Q)
の値の変化状態が特定の状態であると判定された場合
に、2次傾斜検出部2C−1で検出された2次傾斜振幅
特性に基づき2次傾斜形振幅等化部1C用の制御信号が
出力されるようになっている(請求項40)。
【0057】なお、2次傾斜検出部2C−1は、ディジ
タル復調信号I(又は、Q)を更にトランスバーサル等
化器4(又は、5)で処理した等化後信号ITRE (又
は、Q TRE )の値と等化後信号ITRE (又は、QTRE
の誤差情報との相関に基づいて、2次傾斜振幅特性を検
出するように構成してもよい(請求項41)。また、よ
り具体的には、2次傾斜検出部2C−1は、ディジタル
復調信号I(又は、Q)とディジタル復調信号I(又
は、Q)の誤差情報とについて排他的論理和演算を施す
排他的論理和演算素子をそなえて構成され(請求項4
2)、信号状態監視部2C−2は、ディジタル復調信号
I(又は、Q)に対して所要の遅延を施す遅延部と、こ
の遅延部からのディジタル復調信号I(又は、Q)の値
が特定の変化状態であるかどうかを判定する特定信号状
態判定部とをそなえて構成される(請求項43)。
【0058】さらに、上述の遅延部は、複数の遅延素子
をそなえて構成され、且つ、特定信号状態判定部が、各
遅延素子からの各ディジタル復調信号の値が所定の値を
交互に繰り返す状態であるかどうかを判定する手段とし
て構成される(請求項44)。なお、この遅延部には、
複数の遅延素子と、これらの各遅延素子からの各ディジ
タル復調信号の値が交互に繰り返す状態である場合に各
遅延素子からの各ディジタル復調信号の値について反
転,非反転処理を施すことにより一定値に変換して出力
する反転・非反転部とを設け、且つ、特定信号状態判定
部を、この反転・非反転部からの出力を受けて各ディジ
タル復調信号の値が所定の値を一定に保った状態である
かどうかを判定する手段として構成してもよい(請求項
45)。
【0059】ところで、復調器3は、入力信号について
のディジタル復調信号I,Qを得るもので、この図5で
は、2次傾斜形振幅等化部1Cが、この復調器3の前段
に設けられているが(請求項46)、復調器3の後段に
設けてもよい(請求項47)。また、2次傾斜形振幅等
化部1Cが復調器3の後段に設けられる場合は、この2
次傾斜形振幅等化部1Cが、復調器3で得られるディジ
タル復調信号I,Qの数に対応して複数設けられ、且
つ、制御部2Cが、各2次傾斜形振幅等化部に対応して
複数設けられる(請求項48)。
【0060】次に、図6は第6の発明の原理ブロック図
で、この図6において、1は1次傾斜形振幅等化部、1
Cは2次傾斜形振幅等化部、2Dは第1制御部、2Eは
第2制御部、3は復調器、4,5はそれぞれトランスバ
ーサル等化器(TRE)である。ここで、1次傾斜形振
幅等化部1は、図1に示すものと同様のもので、入力信
号の1次傾斜振幅特性を所要の1次傾斜振幅特性に応じ
て補償するものであり、2次傾斜形振幅等化部1Cは、
図5に示すものと同様のもので、入力信号の2次傾斜振
幅特性を所要の1次傾斜振幅特性または所要の2次傾斜
振幅特性に応じて補償するものである。
【0061】また、第1制御部2Dは、入力信号につい
てのディジタル復調信号I(又は、Q)から入力信号の
1次傾斜振幅特性を検出し、その検出結果に基づき1次
傾斜形振幅等化部1用の制御信号を出力するものであ
り、第2制御部2Eは、入力信号についてのディジタル
復調信号I(又は、Q)から入力信号の2次傾斜振幅特
性を検出し、その検出結果に基づき2次傾斜形振幅等化
部1C用の制御信号を出力するものである(以上、請求
項49)。
【0062】また、この場合も、1次傾斜形振幅等化部
1は、周波数領域において1次傾斜振幅特性を有し、入
力信号の1次傾斜振幅特性をその1次傾斜振幅特性に応
じて補償するように構成されるが(請求項50)、時間
領域における等化器により、該入力信号の1次傾斜振幅
特性をその1次傾斜振幅特性に応じて補償するように構
成してもよい(請求項51)。
【0063】一方、2次傾斜形振幅等化部1Cは、周波
数領域において1次傾斜振幅特性または2次傾斜振幅特
性を有し、入力信号の2次傾斜振幅特性を、この1次傾
斜振幅特性または2次傾斜振幅特性に応じて補償するよ
うに構成されるが(請求項52)、時間領域における等
化器により、入力信号の2次傾斜振幅特性を、1次傾斜
振幅特性または2次傾斜振幅特性に応じて補償するよう
に構成してもよい(請求項53)。
【0064】また、第1制御部2Dは、図1により前述
したものとそれぞれ同様の信号方向判定部21,誤差情
報検出部22及び相関演算部23をそなえて構成され、
この場合も、信号方向判定部21は、ディジタル復調信
号I,Qのうちの一方の信号I(又は、Q)の値の変化
の方向を判定するものであり、誤差情報検出部22は、
この一方の信号I(又は、Q)に対し直交するディジタ
ル復調信号I,Qのうちの他方の信号Q(又は、I)か
ら誤差情報を検出するものであり、相関演算部23は、
この誤差情報検出部22で得られた誤差情報と信号方向
判定部21で得られた一方の信号I(又は、Q)の値の
変化の方向との相関に基づき1次傾斜形振幅等化部1用
の制御信号を出力するものである(請求項54)。
【0065】なお、この第1制御部2Dは、図2に示す
制御部2′と同様に、第1信号方向判定部21−1,第
1誤差情報検出部22−1,第1相関演算部23−1,
第2信号方向判定部21−2,第2誤差情報検出部22
−2,第2相関演算部23−2及び制御信号生成部24
をそなえて構成してもよい(請求項55)。一方、第2
制御部2Eは、図5に示す2次傾斜検出部2C−1及び
信号状態監視部2C−2とそれぞれ同様の2次傾斜検出
部2E−1及び信号状態監視部2E−2をそなえて構成
される。
【0066】ここで、この場合も、2次傾斜検出部2E
−1は、ディジタル復調信号I(又は、Q)の値と、こ
のディジタル復調信号I(又は、Q)の誤差情報との相
関に基づき入力信号の2次傾斜振幅特性を検出するもの
であり、信号状態監視部2E−2は、ディジタル復調信
号I(又は、Q)の値の変化状態を監視するもので、こ
の信号状態監視部2Eでディジタル復調信号I(又は、
Q)の値の変化状態が特定の状態であると判定された場
合に、2次傾斜検出部2E−1で検出された2次傾斜振
幅特性に基づき2次傾斜形振幅等化部1C用の制御信号
を出力するように構成される(請求項56)。
【0067】ところで、この図6では、入力信号につい
てのディジタル復調信号I,Qを得る復調器3をさらに
そなえており、1次傾斜形振幅等化部1及び2次傾斜形
振幅等化部1Cが、この復調器3の前段に設けられてい
るが(請求項57)、これらの1次傾斜形振幅等化部1
及び2次傾斜形振幅等化部1Cは、復調器3の後段に設
けてもよい(請求項58)。
【0068】また、1次傾斜形振幅等化部1を復調器3
の前段に設け、且つ、2次傾斜形振幅等化部1Cを復調
器の後段に設けるようにしてもよく(請求項59)、逆
に、2次傾斜形振幅等化部1Cを復調器3の前段に設
け、且つ、1次傾斜形振幅等化部1を復調器3の後段に
設けるようにしてもよい(請求項60)。さらに、2次
傾斜形振幅等化部1Cは、復調器3で得られるディジタ
ル復調信号I,Qの数に対応して復調器3の後段に複数
設けてもよく、この場合は、第2制御部2Eが、各2次
傾斜形振幅等化部に対応して複数設けられる(請求項6
1)。
【0069】
【作用】図1に示す第1の発明の自動振幅等化器では、
入力信号の振幅特性を補償する際、制御部2によって、
入力信号についてのディジタル復調信号I,Qのうちの
一方の信号I(又は、Q)の値の変化の方向が判定され
るとともに、この一方の信号I(又は、Q)に対し直交
するディジタル復調信号I,Qのうちの他方の信号Q
(又は、I)から誤差情報が検出される。
【0070】そして、この誤差情報と一方の信号I(又
は、Q)の値の変化の方向との相関に基づき1次傾斜形
振幅等化部1用の制御信号が1次傾斜形振幅等化部1へ
出力され、これにより、1次傾斜形振幅等化部1によっ
て、入力信号の振幅特性が所要の1次傾斜振幅特性に応
じて補償される(請求項1)。このとき、1次傾斜形振
幅等化部1が、周波数領域において傾斜振幅特性を有し
て構成された場合は、周波数領域において入力信号の振
幅特性がその1次傾斜振幅特性に応じて補償され(請求
項2)、時間領域における等化器で構成された場合は、
時間領域において入力信号の振幅特性が1次傾斜振幅特
性に応じて補償される(請求項3)。
【0071】また、制御部2では、信号方向判定部21
によりディジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号I
(又は、Q)の値の変化の方向が判定され、誤差情報検
出部22によって、一方の信号I(又は、Q)に対し直
交するディジタル復調信号I,Qのうちの他方の信号Q
(又は、I)から誤差情報が検出される。これにより、
相関演算部23では、誤差情報検出部22で得られた誤
差情報と信号方向判定部21で得られた一方の信号I
(又は、Q)の値の変化の方向との相関に基づき1次傾
斜形振幅等化部1用の制御信号が生成されて傾斜形振幅
等化部1へ出力される(請求項4)。
【0072】具体的に、このとき、信号方向判定部21
では、データクロック周期、もしくはデータクロックの
1/N周期(Nは2以上の整数)で一方の信号I(又
は、Q)をサンプリングすることにより、一方の信号I
(又は、Q)の値の変化の方向が判定される(請求項
5,6)。なお、誤差情報検出部22では、誤差情報を
検出する際、他方の信号Q(又は、I)の誤差ビットか
らこの誤差情報を検出することもできる(請求項7)。
また、この誤差情報検出部22が差演算部として構成さ
れる場合には、入力信号についてのディジタル復調信号
I,Qのうちの他方の信号Q(又、I)と、この他方の
信号Q(又は、I)を更にトランスバーサル等化器5で
処理した等化後信号QTRE (又は、ITRE )との差を演
算することによって、誤差情報が検出される(請求項
8)。
【0073】また、図1に示すように、1次傾斜形振幅
等化部1が復調器3の前段に設けられれば、復調器3の
前段で入力信号の振幅特性が補償され(請求項9)、逆
に、1点鎖線で示すように、1次傾斜形振幅等化部1が
復調器3の後段に設けられれば、復調器3の後段で入力
信号の振幅特性が補償される(請求項10)。次に、図
2に示す第2の発明の自動振幅等化器では、制御部2に
よって、入力信号についてのディジタル復調信号I,Q
のうちの一方の信号Iの値の変化の方向が判定され、こ
の一方の信号Iに対し直交するディジタル復調信号I,
Qのうちの他方の信号Qから誤差情報が検出され、この
誤差情報と一方の信号Iの動く方向との相関に基づいて
第1相関信号が得られる。
【0074】また、これとともに、他方の信号Qの動く
方向が判定され、この他方の信号Qに対し直交するディ
ジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号Iから誤差情
報が検出され、この誤差情報と他方の信号Qの値の変化
の方向との相関に基づいて第2相関信号が得られる。そ
して、これらの第1相関信号及び第2相関信号から1次
傾斜形振幅等化部1用の制御信号が生成されて1次傾斜
形振幅等化部1へ出力され、これにより、1次傾斜形振
幅等化部1では、入力信号の振幅特性が所要の1次傾斜
振幅特性に応じて補償される(以上、請求項11)。
【0075】また、このとき、1次傾斜形振幅等化部1
が、周波数領域において傾斜振幅特性を有して構成され
る場合は、入力信号の振幅特性がその1次傾斜振幅特性
に応じて周波数領域において補償され(請求項12)、
時間領域における等化器で構成される場合は、入力信号
の振幅特性がその1次傾斜振幅特性に応じて時間領域に
おいて補償される(請求項13)。
【0076】ところで、具体的に、制御部2では、ディ
ジタル復調信号I,Qうちの一方の信号Iの値の変化の
方向が第1信号方向判定部21−1によって判定され、
この一方の信号Iに対し直交するディジタル復調信号
I,Qのうちの他方の信号Qから第1誤差情報検出部2
2−1によって誤差情報が検出され、これらの第1誤差
情報検出部22−1で得られた誤差情報と第1信号方向
判定部21−1で得られた一方の信号Iの値の変化の方
向との相関に基づき、第1相関演算部23−1によって
第1相関信号が出力される。
【0077】また、これとともに、他方の信号Qの値の
変化の方向が第2信号方向判定部21−2によって判定
され、この他方の信号Qに直交する一方の信号Iから第
2誤差情報検出部22−2によって誤差情報が検出さ
れ、これらの第2誤差情報検出部22−2で得られた誤
差情報と第2信号方向判定部21−2で得られた他方の
信号Qの値の変化の方向との相関に基づき、第2相関演
算部23−2によって第2相関信号が出力される。
【0078】そして、これらの第1相関信号及び第2相
関信号から制御信号生成部24によって1次傾斜形振幅
等化部1用の制御信号が生成され、これが1次傾斜形振
幅等化部1へ出力されることにより、入力信号の振幅特
性が所要の1次傾斜振幅特性に応じて補償される(以
上、請求項14)。具体的に、第1信号方向判定部21
−1では、データクロック周期で、もしくはデータクロ
ックの1/N周期(Nは2以上の整数)で一方の信号I
をサンプリングすることにより、この一方の信号Iの値
の変化の方向が判定され、第2信号方向判定部21−2
では、データクロック周期で、もしくはデータクロック
の1/N周期(Nは2以上の整数)で他方の信号Qをサ
ンプリングすることにより、この他方の信号Qの値の変
化の方向が判定される(請求項15,16)。
【0079】また、この場合、第1誤差情報検出部22
−1では一方の信号Iの誤差ビットから誤差情報を検出
し、第2誤差情報検出部22−2では他方の信号Qの誤
差ビットから誤差情報を検出することもできる(請求項
17)。
【0080】さらに、第1誤差情報検出部22−1が第
1差演算部として構成されるとともに、第2誤差情報検
出部22−2が第2誤差演算部として構成される場合、
第1誤差情報検出部22−1では、入力信号についての
ディジタル復調信号I,Qのうちの他方の信号Qと、こ
の他方の信号Qを更にトランスバーサル等化器5で処理
した等化後信号QTRE との差が第1差演算部によって演
算され、一方の信号Iと、この一方の信号Iを更にトラ
ンスバーサル等化器4で処理した等化後信号I TRE との
差が第2差演算部によって演算される。
【0081】この結果、ディジタル復調信号I,Qにつ
いての各誤差情報が、それぞれトランスバーサル等化器
4,5で等化処理の施された等化後信号ITRE ,QTRE
を用いて検出される(以上、請求項18)。ところで、
この場合も、図2に示すように、1次傾斜形振幅等化部
1が復調器3の前段に設けられことにより、復調器3の
前段で、入力信号の振幅特性が所要の1次傾斜振幅特性
に応じて補償されるが(請求項19)、図2中に1点鎖
線で示すように、この1次傾斜形振幅等化部1が復調器
3の後段に設けられる場合は、復調器の後段で入力信号
の振幅特性が補償される(請求項20)。
【0082】次に、図3に示す第3の発明の自動振幅等
化器では、入力信号についてのディジタル復調信号I,
Qに基づいて1次傾斜形振幅等化部1Aのための混合比
制御信号が制御部2Aで生成され、これが1次傾斜形振
幅等化部1Aへ出力される。そして、1次傾斜形振幅等
化部1Aでは、この制御部2Aからの混合比制御信号に
応じて、正傾斜振幅等化部1A−1,零傾斜振幅等化部
1A−2及び負傾斜振幅等化部1A−3の各出力(それ
ぞれ周波数領域において正傾斜,零傾斜及び負傾斜振幅
等化特性を有する信号)が可変の混合比で混合され、こ
れにより、入力信号の振幅特性が補償される(以上、請
求項21)。
【0083】具体的には、1次傾斜形振幅等化部1Aに
設けられた各可変減衰器1A−4〜1A−6の減衰度
が、制御部2Aからの混合比制御信号に応じて個別に制
御されることにより、正傾斜振幅等化部1A−1,零傾
斜振幅等化部1A−2及び負傾斜振幅等化部1A−3の
各出力がそれぞれ可変の混合比で混合される(請求項2
2)。
【0084】なお、零傾斜振幅等化部1A−2は、正傾
斜振幅等化部1A−1及び負傾斜振幅等化部1A−3と
同一の遅延特性を有する遅延線で構成されることによ
り、零傾斜振幅等化部1A−2の出力と正傾斜振幅等化
部1A−1及び負傾斜振幅等化部1A−3の出力とが混
合される際の位相が合わせられる(請求項23)。とこ
ろで、この場合、制御部2Aでは、1次傾斜検出部2A
−1によって、入力信号についてのディジタル復調信号
I,Qに基づいて入力信号の1次傾斜振幅特性が検出さ
れ、混合比生成部2A−2によって、この1次傾斜検出
部2A−1での検出結果に応じて1次傾斜形振幅等化部
1Aのための混合比制御信号が生成される(請求項2
4)。
【0085】より具体的に、1次傾斜検出部2A−1で
は、入力信号についてのディジタル復調信号I,Qのう
ちの一方の信号I(又は、Q)の値の変化の方向が信号
方向判定部で判定され、この一方の信号I(又は、Q)
に対し直交するディジタル復調信号I,Qのうちの他方
の信号Q(又は、I)から誤差情報が誤差情報検出部で
検出され、これらの誤差情報検出部で得られた誤差情報
と信号判定部で得られた一方の信号I(又は、Q)の値
の変化の方向との相関に基づき入力信号についての1次
傾斜振幅特性が相関演算部で演算にて検出される(請求
項25)。
【0086】一方、混合比生成部2A−2では、この1
次傾斜検出部2A−1で検出された1次傾斜振幅特性が
積分器で積分され、その積分結果が零傾斜振幅特性を示
す場合は、零傾斜振幅等化部1A−2の出力の混合比を
最大にし、且つ、正傾斜振幅等化部1A−1及び負傾斜
振幅等化部1A−3の各出力の混合比を最小にするとと
もに、積分結果が負傾斜振幅特性を示す場合は、この負
傾斜振幅特性を相殺すべく正傾斜振幅等化部1A−1の
出力の混合比を大きくする一方、積分結果が正傾斜振幅
特性を示す場合は、この正傾斜振幅特性を相殺すべく負
傾斜振幅等化部1A−3の出力の混合比を大きくするよ
うな信号が混合比制御信号として生成される(請求項2
6)。
【0087】なお、この混合比生成部2A−1は、積分
器での1次傾斜振幅特性についての積分結果を、変換メ
モリによって混合比制御信号に変換することもできる
(請求項27)。また、入力信号についてのディジタル
復調信号I,Qから信号レベルの誤差情報を検出する信
号レベル誤差検出部をそなえる場合は、混合比生成部に
よって、この信号レベル誤差検出部で検出された信号レ
ベルの誤差情報に応じて混合比制御信号の出力レベルを
可変にすることができ、これにより、1次傾斜形振幅等
化部1Aの出力レベルを調整することができる(請求項
28)。
【0088】次に、図4に示す第4の発明の自動振幅等
化器では、入力信号の振幅特性を周波数領域で補償する
際、制御部2Bによって、入力信号についてのディジタ
ル復調信号I,Qに基づいて1次傾斜形振幅等化部1B
のための混合比制御信号が生成され、これが1次傾斜形
振幅等化部1Bへ出力される。そして、1次傾斜形振幅
等化部1Bでは、この混合比制御信号に応じて、正傾斜
振幅等化部1B−1及び負傾斜振幅等化部1B−3の各
出力(それぞれ周波数領域において正傾斜及び負傾斜振
幅等化特性を有する信号)が可変の混合比で混合され、
凸傾斜振幅等化部1B−2の出力(周波数領域において
凸傾斜振幅等化特性を有する信号)が一定の混合比で混
合される(請求項29)。
【0089】具体的には、1次傾斜形振幅等化部1Bで
は、正傾斜振幅等化部1B−1及び負傾斜振幅等化部1
B−3に対応して設けられた各可変減衰器1B−4,1
B−5の減衰度が、制御部2Bで生成された混合比制御
信号に応じて個別に制御されることにより、正傾斜振幅
等化部1B−1及び負傾斜振幅等化部1B−3の各出力
がそれぞれ可変の混合比で混合されるとともに、凸傾斜
振幅等化部1B−2の出力が一定の混合比で混合される
(請求項30)。
【0090】なお、凸傾斜振幅等化部1B−2は、共振
回路として構成することにより、所望の凸傾斜振幅等化
特性を有する信号として、入力信号のもつ所要の周波数
帯域の中心に中心周波数を有する信号が得られる(請求
項31)。一方、制御部2Bでは、入力信号についての
ディジタル復調信号I(又は、Q)に基づいて1次傾斜
振幅特性が1次傾斜検出部2B−1によって検出され、
この1次傾斜検出部2B−1での検出結果に応じて1次
傾斜形振幅等化部1Bのための混合比制御信号が混合比
生成部2B−2によって生成される(請求項32)。
【0091】具体的に、1次傾斜検出部2B−1では、
入力信号についてのディジタル復調信号I,Qのうちの
一方の信号I(又は、Q)の値の変化の方向が信号方向
判定部で判定され、この一方の信号I(又は、Q)に対
し直交する他方の信号Q(又は、I)から誤差情報が誤
差情報検出部で検出され、これらの誤差情報と一方の信
号I(又は、Q)の値の変化の方向との相関に基づき、
入力信号についての1次傾斜振幅特性が相関演算部で演
算にて検出される(請求項33)。
【0092】また、混合比生成部2B−2では、1次傾
斜検出部2B−1で検出された1次傾斜振幅特性が積分
器によって積分され、その積分結果が零傾斜振幅特性を
示す場合は、正傾斜振幅等化部1B−1及び負傾斜振幅
等化部1B−3の各出力の混合比を最小にするととも
に、積分結果が負傾斜振幅特性を示す場合は、この負傾
斜振幅特性を相殺すべく正傾斜振幅等化部1B−1の出
力の混合比を増加させる一方、積分結果が正傾斜振幅特
性を示す場合は、この正傾斜振幅特性を相殺すべく負傾
斜振幅等化部1B−3の出力の混合比を増加させるよう
な信号が混合比制御信号として生成される(請求項3
4)。
【0093】なお、この場合も、積分器での1次傾斜振
幅特性についての積分結果を変換メモリによって混合比
制御信号に変換することもできる(請求項35)。ま
た、この場合も、入力信号についてのディジタル復調信
号I,Qから信号レベルの誤差情報を検出する信号レベ
ル誤差検出部をそなえる場合は、混合比生成部によっ
て、この信号レベル誤差検出部で検出された信号レベル
の誤差情報に応じて混合比制御信号の出力レベルを可変
にすることができ、これにより、1次傾斜形振幅等化部
1Aの出力レベルを調整することができる(請求項3
6)。
【0094】次に、図5に示す第5の発明の自動振幅等
化器では、入力信号の振幅特性を補償する際、入力信号
についてのディジタル復調信号I(又は、Q)から入力
信号の2次傾斜振幅特性が制御部2Cによって検出さ
れ、その検出結果に基づき2次傾斜形振幅等化部1C用
の制御信号が2次傾斜形振幅等化部1Cへ出力され、こ
れにより、入力信号の振幅特性が2次傾斜形振幅等化部
1Cで所要の2次傾斜振幅特性に応じて補償される(請
求項37)。
【0095】ここで、この場合も、2次傾斜形振幅等化
部1Cが、周波数領域において2次傾斜振幅特性を有し
て構成される場合は、入力信号の振幅特性が2次傾斜振
幅特性に応じて周波数領域において補償され(請求項3
8)、時間領域における等化器により構成される場合
は、入力信号の振幅特性が2次傾斜振幅特性に応じて時
間領域において補償される(請求項39)。
【0096】さらに、制御部2Cでは、ディジタル復調
信号I(又は、Q)の値とディジタル復調信号I(又
は、Q)の誤差情報との相関に基づき入力信号の2次傾
斜振幅特性が2次傾斜検出部2C−1によって検出さ
れ、ディジタル復調信号I(又は、Q)の値の変化状態
が信号状態監視部2C−2によって監視されている。そ
して、この信号状態監視部2C−2でディジタル復調信
号I(又は、Q)の値の変化状態が特定の状態であると
判定された場合に、2次傾斜検出部2C−1で検出され
た2次傾斜振幅特性に基づき2次傾斜形振幅等化部1C
用の制御信号が出力される(請求項40)。
【0097】なお、2次傾斜検出部2C−1では、ディ
ジタル復調信号I(又は、Q)を更にトランスバーサル
等化器4(又は、5)で処理した等化後信号ITRE (又
は、QTRE )の値と等化後信号ITRE (又は、QTRE
の誤差情報との相関に基づいて、2次傾斜振幅特性を検
出することもできる(請求項41)。さらに、このと
き、2次傾斜検出部2C−1では、ディジタル復調信号
I(又は、Q)とディジタル復調信号I(又は、Q)の
誤差情報とについて排他的論理和演算が排他的論理和演
算素子で施される(請求項42)。
【0098】一方、信号状態監視部2C−2では、ディ
ジタル復調信号I(又は、Q)に対して所要の遅延が遅
延部によって施され、この遅延部からのディジタル復調
信号I(又は、Q)の値が特定の変化状態であるかどう
かが特定信号状態判定部によって判定される(請求項4
3)。具体的に、上述の遅延部は、複数の遅延素子をそ
なえて構成され、ディジタル復調信号I(又は、Q)が
これらの各遅延素子でそれぞれ所要の遅延が施され、こ
れにより得られた各ディジタル復調信号の値が所定の値
を交互に繰り返す状態であるかどうかが特定信号状態判
定部によって判定される(請求項44)。
【0099】なお、この遅延部では、反転・非反転部に
よって、これらの各遅延素子からの各ディジタル復調信
号の値が交互に繰り返す状態である場合に各遅延素子か
らの各ディジタル復調信号の値について反転,非反転処
理を施すことにより一定値に変換して出力し、この反転
・非反転部からの出力を受けて各ディジタル復調信号の
値が所定の値を一定に保った状態であるかどうかを特定
信号状態判定部によって判定することもできる(請求項
45)。
【0100】ところで、2次傾斜形振幅等化部1Cが、
図5に示すように、復調器3の前段に設けられる場合
は、復調器3の前段で、入力信号の振幅特性が所要の2
次傾斜振幅特性に応じて補償され(請求項46)、逆
に、この2次傾斜形振幅等化部1Cが、図5中に1点鎖
線で示すように、復調器3の後段に設けられる場合は、
復調器3の後段で、同様に、入力信号の振幅特性が補償
される(請求項47)。
【0101】また、2次傾斜形振幅等化部1Cが復調器
3の後段に復調器3で得られるディジタル復調信号I,
Qの数に対応して複数設けられる場合は、これらの各2
次傾斜形振幅等化部に対応して設けられる制御部2Cに
よって、各2次傾斜形振幅等化部が制御されて各ディジ
タル復調信号I,Qに対して補償処理が施されることに
より、入力信号の振幅特性が所要の2次傾斜振幅特性に
応じて補償される(請求項48)。
【0102】次に、図6に示す第6の発明の自動振幅等
化器では、入力信号の振幅特性を補償する際、第1制御
部2Dによって、入力信号についてのディジタル復調信
号I(又は、Q)から入力信号の1次傾斜振幅特性が検
出され、第2制御部2Eによって、同じく入力信号につ
いてのディジタル復調信号I(又は、Q)から入力信号
の2次傾斜振幅特性が検出される。
【0103】そして、第1制御部2D及び第2制御部2
Eでは、それぞれの1次傾斜振幅特性及び2次傾斜振幅
特性の検出結果に基づき、1次傾斜形振幅等化部1用の
制御信号及び2次傾斜形振幅等化部1C用の制御信号が
生成され、それぞれが1次傾斜形振幅等化部1及び2次
傾斜形振幅等化部1Cへ出力される。この結果、入力信
号の振幅特性が、1次傾斜形振幅等化部1によって所要
の1次傾斜振幅特性に応じて補償され、2次傾斜形振幅
等化部1Cによって所要の2次傾斜振幅特性に応じて補
償される(以上、請求項49)。
【0104】また、この場合も、入力信号の振幅特性
は、1次傾斜形振幅等化部1が周波数領域において1次
傾斜振幅特性を有して構成された場合は、その1次傾斜
振幅特性に応じて周波数領域において補償され(請求項
50)、1次傾斜形振幅等化部1が時間領域における等
化器により構成された場合は、その1次傾斜振幅特性に
応じて時間領域において補償される(請求項51)。
【0105】同様に、2次傾斜形振幅等化部1Cが周波
数領域において2次傾斜振幅特性を有して構成された場
合は、入力信号の振幅特性はその2次傾斜振幅特性に応
じて周波数領域において補償され(請求項52)、2次
傾斜形振幅等化部1Cが時間領域における等化器により
構成された場合は、入力信号の振幅特性はその2次傾斜
振幅特性に応じて時間領域において補償される(請求項
53)。
【0106】また、具体的に、第1制御部2Dでは、デ
ィジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号I(又は、
Q)の値の変化の方向が信号方向判定部21によって判
定され、この一方の信号I(又は、Q)に対し直交する
ディジタル復調信号I,Qのうちの他方の信号Q(又
は、I)から誤差情報が誤差情報検出部22によって検
出される。
【0107】そして、これらの誤差情報と一方の信号I
(又は、Q)の値の変化の方向との相関に基づき1次傾
斜形振幅等化部1用の制御信号が相関演算部23から出
力される(請求項54)。なお、この第1制御部2D
は、図2に示す制御部2′と同様に、第1信号方向判定
部21−1,第1誤差情報検出部22−1,第1相関演
算部23−1,第2信号方向判定部21−2,第2誤差
情報検出部22−2,第2相関演算部23−2及び制御
信号生成部24により、1次傾斜形振幅等化部1用の制
御信号を生成して出力することもできる(請求項5
5)。
【0108】一方、第2制御部2Eでは、ディジタル復
調信号I(又は、Q)の値と、このディジタル復調信号
I(又は、Q)の誤差情報との相関に基づき入力信号の
2次傾斜振幅特性が2次傾斜検出部2E−1によって検
出され、ディジタル復調信号I(又は、Q)の値の変化
状態が信号状態監視部2E−2で監視される。そして、
この信号状態監視部2Eでディジタル復調信号I(又
は、Q)の値の変化状態が特定の状態であると判定され
ると、2次傾斜検出部2E−1で検出された2次傾斜振
幅特性に基づき2次傾斜形振幅等化部1C用の制御信号
が出力される(請求項56)。
【0109】ところで、この場合も、図6に示すよう
に、1次傾斜形振幅等化部1及び2次傾斜形振幅等化部
1Cが復調器3の前段に設けられた場合は、復調器3の
前段で、入力信号の振幅特性がそれぞれ所要の1次,2
次傾斜振幅特性に応じて補償されるが(請求項57)、
これらの1次傾斜形振幅等化部1及び2次傾斜形振幅等
化部1Cが復調器3の後段に設けられた場合は、復調器
3の後段で、同様に入力信号の振幅特性が補償される
(請求項58)。
【0110】また、1次傾斜形振幅等化部1を復調器3
の前段に設け、且つ、2次傾斜形振幅等化部1Cを復調
器3の後段に設けた場合は、まず復調器3の前段で、入
力信号の振幅特性が所要の1次傾斜振幅特性に応じて補
償され、復調器3の後段で、さらに所要の2次傾斜振幅
特性に応じて補償される(請求項59)。さらに、これ
とは逆に、2次傾斜形振幅等化部1Cを復調器3の前段
に設け、且つ、1次傾斜形振幅等化部1を復調器3の後
段に設けた場合は、まず復調器3の前段で、入力信号の
振幅特性が所要の2次傾斜振幅特性に応じて補償され、
復調器3の後段で、さらに所要の1次傾斜振幅特性に応
じて補償される(請求項60)。
【0111】また、この場合も、2次傾斜形振幅等化部
1Cが、復調器3で得られるディジタル復調信号I,Q
の数に対応して復調器3の後段に複数設けられる場合
は、各2次傾斜形振幅等化部1Cに対応して設けられる
各第2制御部2Eによって、各2次傾斜形振幅等化部が
制御されて各ディジタル復調信号I,Qに対して補償処
理が施されることにより、入力信号の振幅特性が所要の
2次傾斜振幅特性に応じて補償される(請求項61)。
【0112】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (a)第1実施例の説明 図7は本発明の第1実施例としての自動振幅等化器の構
成を示すブロック図で、この図7において、9はアンテ
ナ、10は受信部、11は1次傾斜補償部、12は自動
利得制御部(AGC)、13は復調器、14は制御部、
15,16はそれぞれトランスバーサル等化器(TR
E)である。
【0113】ここで、受信部10は、アンテナ9で受信
したRF(高周波)信号をIF(中間周波)信号に周波
数変換(ダウンコンバート)して1次傾斜補償部11へ
出力するものであり、1次傾斜補償部(1次傾斜形振幅
等化部)11は、周波数領域において1次傾斜振幅特性
を有しており、受信部10からのIF信号(入力信号)
の振幅特性を、この1次傾斜振幅特性に応じて補償する
ものである。
【0114】また、自動利得制御部12は、1次傾斜補
償部11からの出力信号の利得を一定に制御して復調器
13へ出力するものであり、復調器13は、自動利得制
御部12を通じて出力される1次傾斜補償部11からの
信号を直交する2種のベースバンド信号に復調し、さら
にA/D変換することでディジタル化してディジタル復
調信号I,Qを得るものであり、各トランスバーサル等
化器15,16は、ディジタル復調信号I,Qをそれぞ
れ時間領域で等化するものである。
【0115】さらに、制御部14は、復調器13を通じ
て得られるIF信号についてのディジタル復調信号I,
QからIF信号の1次傾斜歪み(1次傾斜振幅特性)を
検出し、その情報を1次傾斜補償部11が有する1次傾
斜振幅特性を制御するための制御信号として出力するも
のである。なお、本実施例では、復調器13の前段、つ
まりIF信号が入出力となる位置に1次傾斜補償部11
が設けられている。
【0116】このような構成により、この図7に示す自
動振幅等化器では、アンテナ9で受信したRF信号が、
受信部10でIF信号にダウンコンバートされ、復調器
13で直交検波されることによりベースバンド帯のディ
ジタル復調信号I,Qが得られる。そして、制御部14
では、これらのディジタル復調信号I,Qとディジタル
復調信号Qをさらにトランスバーサル等化器16で等化
処理を施した等化後信号Q TRE とを用いてIF信号の1
次傾斜歪みが検出され、その検出結果に応じて、1次傾
斜補償部11用の制御信号が1次傾斜補償部11へ出力
される。1次傾斜補償部11では、この制御信号に応じ
て自己の有する1次傾斜振幅特性が制御されることによ
り、IF信号の1次傾斜歪みが補償される。
【0117】ここで、まず、上述のごとくIF信号の1
次傾斜歪みを検出する原理について、図8〜図12を用
いて詳述する。まず、図8は、一般的な信号伝送系の概
念を示すブロック図であり、この図8において、31は
変調部、32は1次傾斜歪伝送路、33は復調部、ωB
は信号(ベースバンド)周波数、ωC は搬送(キャリ
ア)周波数、A(ω)は変調信号,B(ω)は1次傾斜
歪伝送路32で1次傾斜歪みを受けた変調信号、C
(ω)は復調信号である。
【0118】例えば、今、送信信号をcosωB tとし
て、このcosωB tを変調部31で変調すると、その
変調信号A(ω)は、次のように表される。 A(ω) =cos ωB t ×exp(j ωC t) ・・(1) ここで、オイラーの公式より、 cos θ=〔exp(jθ) +exp(-jθ)〕/2 であるから、変調信号A(ω)は、 A(ω) = 〔 exp(jωB t)+exp(-j ωB t)〕× exp(jωC t)/2 = 〔 exp〔j(ωC + ωB )t〕+exp〔j(ωC - ωB )t〕〕/2 ・・(2) となる。この式(2)は、変調信号A(ω)の中に2つ
の周波数成分(ωC + ω B ),(ωC - ωB )が存在し
ていることを表している。
【0119】さらに、上述の2つの周波数成分の振幅
を、それぞれP(ωC + ωB ),P(ωC - ωB )で表
し、これらの振幅比をγとすれば、 γ=P(ωC + ωB )/P(ωC - ωB )・・(3) となる。ここで、この振幅比γは、γ<1の場合は、図
10(a)に示すように負傾斜歪み(右下がり)を意味
し、γ>1の場合は、図10(b)に示すように正傾斜
(右上がり)をそれぞれ意味する。なお、γ=1(図示
略)の場合は零傾斜歪み(歪みなし)を意味する。
【0120】そして、この振幅比γを用いると、1次傾
斜歪みを受けた変調信号B(ω) は、次のように表現で
きる。 B(ω) =〔 exp〔j(ωC + ωB )t〕+ γexp 〔j(ωC - ωB )t〕〕/2 =〔 exp(jωC t)×((exp(j ωB t) +γexp(- j ωB t)) 〕/2 ・・(4) さらに、この変調信号B(ω) を復調部33で復調する
と、その復調信号C(ω) は、次のようになる。
【0121】 C(ω) =〔exp(j ωB t) +γexp(- j ωB t)〕/2 =(cosωB t + jsinωB t + γcos ωB t - j γsin ωB t)/2 =〔(1 +γ) cos ωB t + j(1 - γ)sinωB t 〕/2 ・・(5) このとき、実際には、復調部33で変調信号B(ω)に
対して直交検波が施されているので、直交復調出力(復
調信号)I,Qとして、 I=〔(1 +γ)cosωB t 〕/2 ・・(6) Q=〔(1 -γ)sinωB t〕/2 ・・(7) が得られる。
【0122】ここで、もしγ=1の場合は(1次傾斜歪
みがない場合は)、I=cos ωB t,Q=0となり、送
信信号(cos ωB t )そのものが復調されるが、γ>1
又はγ<1の場合は、Qが「0」とはならないので、復
調信号Iの振幅の増減に応じて「0」を中心に復調信号
Qの振幅成分が現れることになる。すなわち、γ>1又
はγ<1の場合は、復調信号Qによる直交干渉成分が生
じることがわかる。
【0123】図9は、式(6),式(7)で表される復
調信号I,Q(以下、単に信号I,Qということがあ
る)を、直交座標I−Q上にベクトル表示したものであ
るが、この図9に示すように、信号Iのベクトルは、I
軸上を(1+γ)/2の振幅でcosωB tに従って動
き、信号Qのベクトルは、Q軸上を(1−γ)/2の振
幅でsinωB tに従って動くので、信号I,Qの合成
ベクトルは、(1+γ)>(1−γ)が常に成り立つこ
とから、I軸を長軸とする楕円を描くことになる。
【0124】ここで、γ>1の場合(1次傾斜歪みが正
傾斜の場合)、復調信号I,Qは、それぞれI=cos
ωB t,Q=−sinωB tという形になるので、これ
らの信号I,Qの合成ベクトルは、図9において左回り
に回転し、この結果、Q軸上に信号Qによる誤差電圧
(誤差情報)E=−Eが生じる。逆に、γ<1の場合
(1次傾斜歪みが負傾斜の場合)、信号I,Qは、それ
ぞれI=cosωB t,Q=sinωB tという形にな
るので、信号I,Qの合成ベクトルは、今度は図9にお
いて右回りに回転し、Q軸上に誤差電圧E=+Eが生じ
る。なお、γ=1の場合は(1次傾斜歪みがない場合
は)、式(7)においてQ=0であるので、信号I,Q
の合成ベクトルは、I軸上に存在する。
【0125】図12は、以上の信号I,Qの合成ベクト
ルの回転方向,信号Iの動き(信号Iの値の変化の方
向),信号Qの誤差電圧E及び1次傾斜歪み(γ)の対
応関係(相関)を示している。そして、この図12に示
すように、信号I,Qの合成ベクトルが、図9において
左回りの場合は、正傾斜の1次傾斜歪みとなるので、信
号Iが図9の紙面下向き↓(+→−)に変化したときに
信号Qの誤差電圧が−Eとなる場合、あるいは、信号I
が図9の紙面上向き↑(−→+)に変化したときに信号
Qの誤差電圧が+Eとなる場合を検出すれば、入力信号
の1次傾斜歪みが正傾斜であることが容易に検出され
る。
【0126】一方、信号I,Qの合成ベクトルが図9に
おいて右回りの場合は、1次振幅歪みは負傾斜となるの
で、信号Iが図9の紙面下向き↓(+→−)に変化した
ときに信号Qの誤差電圧が+Eとなる場合、あるいは信
号Iが図9の紙面上向き↑(−→+)に変化したときに
信号Qの誤差電圧が−Eとなる場合を検出すれば、入力
信号の1次傾斜歪みが負傾斜であることが容易に検出さ
れる。
【0127】なお、入力信号の1次傾斜歪みが零傾斜
(γ=1の場合)であることは、復調信号Qの誤差電圧
Eが「0」、すなわち、誤差電圧Eが検出されないこと
で、効果的に検出できる。ただし、この場合は、信号I
の動きには関知しなくてもよい。以上のようにして、入
力信号cosωB tを復調部33で直交検波してディジ
タル復調信号I,Qを得て、これらの信号I,Qから、
正傾斜,負傾斜,零傾斜の各1次傾斜歪みを効果的に検
出できることがわかる。
【0128】なお、図11は上記の変調信号A(ω)
が、A(ω)=cosωB tではなく、PSK(Phase S
hift Keying)あるいはQAM(Quadrature Amplitude Mo
dulation) などの変調を施された信号であった場合のI
軸の受信アイパターンを示す図であるが、この場合で
も、受信変調信号B(ω)に1次傾斜歪み(1次以上で
もよい)が含まれていれば、復調信号Iが上あるいは下
方向に動くときに、復調信号Qに直交干渉成分の誤差電
圧E=±Eが現れるので、上述のように、信号Iの動き
を検出し、且つ、信号Qによる誤差電圧Eを検出すれ
ば、1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜などの特性
を有効に検出することができる。
【0129】このように、復調信号I,Qのうち信号I
の動く方向を判定し、この信号Iに対し直交する信号Q
から誤差電圧Eを検出することにより、これらの相関に
基づいて、入力信号の1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,
零傾斜を検出することができる。そこで、まず、ディジ
タルの復調信号I,Qを得るために、復調器13には、
図13に示すように、ハイブリッド(H)131,13
4,位相検波器132,133,局部発振器135,帯
域通過フィルタ(バンドパスフィルタ:BPF)13
6,137及びA/D変換器138,139が設けられ
る。
【0130】ここで、各ハイブリッド131,134
は、それぞれ入力された信号を2分波するものであり、
各位相検波部132,133は、それぞれ後述する局部
発振器135からの搬送波再生信号に応じて、ハイブリ
ッド131からの各IF信号に対して直交検波を施すこ
とにより互いに直交する復調ベースバンド信号I,Qを
得るものであり、局部発振器135は、搬送波に位相同
期した搬送波再生信号を生成するものである。
【0131】また、各帯域通過フィルタ136,137
は、それぞれ位相検波器132,133で得られた復調
ベースバンド信号I,Qをろ波して雑音成分などを除去
し、所要の周波数帯域の信号成分のみを通過させるもの
であり、各A/D変換器138,139は、それぞれ各
帯域通過フィルタ136,137からの復調ベースバン
ド信号I,Qのそれぞれに対してA/D変換を施すこと
によって、ディジタル復調信号I,Qを得るものであ
る。
【0132】これにより、この復調器13では、自動利
得制御部12(図7参照)からのIF信号が、ハイブリ
ッド131で2分波され、それぞれが位相検波部13
2,133へ出力される。このとき、局部発振器135
では、搬送波に位相同期した搬送波再生信号が生成され
ており、この搬送波再生信号は、ハイブリッド134で
位相がπ/2だけ異なる2波に分波され、それぞれが位
相検波部132,133へ出力される。
【0133】この結果、位相検波部132,133で
は、互いに直交する復調ベースバンド信号I,Qが得ら
れ、この復調ベースバンド信号I,Qをそれぞれ帯域通
過フィルタ136,137を介して各A/Dコンバータ
138,139に入力してA/D変換すれば、位相が互
いに90°異なるディジタル復調信号I,Qが得られ
る。
【0134】図14は、上述のごとく復調器13で得ら
れたディジタル復調信号I,QからIF信号の1次傾斜
歪みを検出する制御部14の構成を示すブロック図であ
るが、この図14に示すように、制御部14には、上昇
/下降識別部141,回転方向識別部142及び積分器
143が設けられている。ここで、上昇/下降識別部
(信号方向判定部)141は、復調器13を通じて得ら
れたディジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号I
(以下、この信号をディジタルIチャネル信号Iという
ことがある)の動く方向、すなわち、ディジタル復調信
号Iの値が、例えば、図9により前述したごとく直交座
標I−Q上で上(↑)/下(↓)のどちらに変化してい
るかを判定するものである。
【0135】また、回転方向識別部(誤差情報検出部,
相関演算部)142は、同じく復調器13で得られたデ
ィジタル復調信号Q(以下、この信号をディジタルQチ
ャネル信号Qということがある)と、このディジタル復
調信号Qをさらにトランスバーサル等化器16(図7参
照)で等化した後の等化後信号QTRE とから、ディジタ
ル信号Iに対する直交干渉成分となる誤差電圧(誤差情
報)E=±Eを検出し、この誤差電圧E=±Eと上昇/
下降識別部141で得られた信号Iの動く方向との相関
(図12参照)に基づいて、受信信号の1次傾斜歪みの
正傾斜,負傾斜,零傾斜を検出するものである。
【0136】さらに、積分器143は、回転方向識別部
142で得られた1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾
斜の検出信号を積分することにより、この信号に含まれ
る雑音成分などを除去して、1次傾斜補償部11(図7
参照)用の制御信号として出力するものである。これに
より、この制御部14では、上昇/下降識別部141に
よってディジタル復調信号Iの動く方向(信号の値の変
化の方向)が判定され、回転方向識別部142によって
ディジタル復調信号Qの誤差電圧Eが検出され、これら
のディジタル復調信号Iの動く方向と、ディジタル復調
信号Qの誤差電圧EとからIF信号の1次傾斜歪みの正
傾斜,負傾斜,零傾斜が検出される。
【0137】次に、これらの上昇/下降識別部141及
び回転方向識別部142について、図15〜図17によ
りさらに詳述する。まず、図15は上昇/下降識別部1
41の内部の構成を示す図であるが、この図15に示す
ように、上昇/下降識別部141は、レジスタ(RE
G)141−1,141−2,コンパレータ(C)14
1−3,141−4,EX−NORゲート(Exclusive
NOR 素子:排他的否定論理和演算素子)141−6,A
NDゲート141−7及びフリップフロップ回路141
−8をそなえて構成される。
【0138】ここで、レジスタ141−1は、復調器1
3からのディジタル復調信号Iに対して所要の時間だけ
遅延を施すものであり、レジスタ141−2は、レジス
タ141−1で遅延を施されたディジタル復調信号Iに
対して、さらにレジスタ141−1による遅延時間と同
じ時間だけ遅延を施すものであり、これらの各レジスタ
141−1,141−2によって、ディジタル復調信号
IのデータIB0,IB1,IB2が時系列にサンプリングさ
れるようになっている。
【0139】また、コンパレータ141−3は、レジス
タ141−1による遅延前のデータIB0と遅延後のデー
タIB1とを比較するものであり、コンパレータ141−
4は、レジスタ141−2による遅延前のデータIB1
遅延後のデータIB2とを比較するものである。さらに、
EX−NORゲート141−6は、各コンパレータ14
1−3,141−4での比較結果に対して排他的否定論
理和演算を施すものであり、ANDゲート(論理積演算
素子)141−7は、このEX−NORゲート141−
6からの演算結果とデータクロック周期Tごとにハイレ
ベル信号となるタイミングクロックとの論理積をとるも
のであり、フリップフロップ回路141−8は、コンパ
レータ141−4での比較結果と、ANDゲート141
−7での演算結果とに基づき、入力されたディジタル復
調信号Iの値の変化の方向に応じた信号を出力するもの
である。
【0140】このような構成により、この上昇/下降識
別部141では、まず、レジスタ141−1,141−
2によって、データクロック周期Tでディジタル復調信
号IのデータIB0,IB1,IB2が時系列にサンプリング
され、コンパレータ141−1によって、データIB0
データIB1とが比較され、その比較結果が検出信号C1
として出力される。なお、この検出信号C1には、IB0
>IB1,IB0=IB1,IB0<IB1という3つの場合が含
まれる。
【0141】さらに、コンパレータ141−4では、レ
ジスタ141−3からのデータIB1とレジスタ141−
4による遅延後のデータIB2とが比較され、その比較結
果が検出信号C2として出力される。なお、この場合も
検出信号C2には、IB1>I B2,IB1=IB2,IB1<I
B2という3つの場合が含まれる。そして、例えば、検出
信号C1=IB0>IB1かつ検出信号C2=IB1>IB2
ある場合、すなわち、新たに入力されたディジタル復調
信号Iのデータほどその信号レベルが増大している場合
は、ディジタル復調信号Iの動く方向が上向きと判別さ
れ、逆に、検出信号C1=IB0<IB2かつ検出信号C2
=IB1<IB2である場合は、ディジタル復調信号Iの動
く方向が下向きと判別される。
【0142】今、コンパレータ141−3での比較結果
がIB0>IB1の場合にC1=1、コンパレータ141−
4での比較結果がIB1>IB2の場合にC2=1と定義す
れば、C1〜C3についての真理値テーブルは、図16
に示すようになる。つまり、この場合、上昇/下降識別
部141からは、ディジタル復調信号Iの動く方向が上
向きの場合は「1」,下向きの場合は「0」が出力され
るようになっている。なお、図16に示すように、検出
信号C1,C2がともに「0」,「0」あるいは
「1」,「1」である場合以外は、信号Iの動く方向が
その時点では判定できないので、前時点での判定結果
(1bit前の値)が保持されるようになっている。
【0143】ところで、この上昇/下降識別部141
は、ディジタル復調信号Iをデータクロック周期Tでサ
ンプリングするようになっているが、データクロックの
1/Nの周期T/N(Nは2以上の整数)でサンプリン
グして、ディジタル復調信号Iの動く方向を判定するよ
うにしてもよく、このようにすれば、例えば、4相PS
K(Phase Shift Keying)や多値QAM(Quadrature Ampl
itude Modulation) などの変調方式で変調を施された信
号を復調して得られるディジタル復調信号Iに対して
も、同様にして、この信号Iの動く方向を判定すること
ができる。
【0144】従って、ディジタル復調信号Iが、どのよ
うな変調方式で変調を施されていても、柔軟に対応でき
るようになる。次に、図17は、回転方向識別部142
の内部構成を示す図であり、この図17において、14
2−1は減算器(SUB)、142−2はデコーダ(D
EC)である。
【0145】ここで、減算器(誤差情報検出部)142
−1は、ディジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号
Iに対し直交する他方の信号Qから、信号Iに対する直
交干渉成分である誤差電圧Eを検出するもので、この場
合は、トランスバーサル等化器16(図13参照)によ
る等化前のディジタル復調信号Qと、等化後の等化後信
号QTRE との差を演算することにより、誤差電圧Eを検
出する差演算部として構成されている。
【0146】また、デコーダ(相関演算部)142−2
は、この減算器142−1で得られた誤差電圧Eと、図
14,図15により前述した上昇/下降識別部141で
得られた信号Iの動く方向との相関(図12参照)に基
づいて、1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜を検出
し、これに応じた信号を1次傾斜補償部11用の制御信
号として出力するものである。
【0147】これにより、この回転方向識別部142で
は、トランスバーサル等化器16による等化前の信号Q
と等化後信号QTRE との差が減算器142−1で演算さ
れて信号Qの誤差電圧Eが検出され、この信号Qの誤差
電圧Eと上昇/下降識別別部141で得られた信号Iの
動く方向との相関に基づき、検出したIF信号の1次傾
斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜に応じた信号が1次傾
斜補償部11用の制御信号としてデコーダ142−2か
ら出力される。
【0148】そして、この制御信号は、積分器143
(図14参照)で積分されたのち1次傾斜補償部11へ
出力される。なお、上述の誤差電圧Eは、第3実施例に
て後述するように、トランスバーサル等化器16で等化
する前のディジタル復調信号Qのデータの一部(誤差ビ
ット)のみから検出することもできるが、この場合、こ
の等化前のディジタル復調信号Qにビット誤りなどの誤
差が生じた場合に正確な誤差電圧Eのデータが得られな
くなる可能性がある。
【0149】そこで、本実施例では、上述のごとくトラ
ンスバーサル等化器16で等化する前のディジタル信号
Qのデータから等化後のディジタル信号QTRE のデータ
を減算することで、より正確に誤差電圧Eのデータが検
出できるようにしているのである。図19は上述の制御
部14を実用の回路で構成した場合の回路の一例を示す
図であるが、以下にその動作について簡単に述べる。す
なわち、この図19において、ディジタルIチャネル信
号Iは、まず遅延器140を介して上昇/下降識別部1
41に出力され、上昇/下降識別部141でその信号の
動く方向が判定される。一方、ディジタルQチャネル信
号Qは、トランスバーサル等化器16で等化された等化
後信号QTRE と減算器142−1において入力タイミン
グが同一になるように遅延器140で遅延される。
【0150】その後、この信号Qのデータと等化後信号
TRE との差が減算器142で演算されることにより、
信号Qの誤差電圧Eが検出され、この信号Qの誤差電圧
Eと上昇/下降識別部141で得られたディジタル信号
Iの動く方向との相関が取られ、得られた信号、つまり
1次傾斜補償部11用の制御信号が積分器143を介し
て1次傾斜補償部11へ出力される。
【0151】図18はこの1次傾斜補償部11の構成を
示すブロック図で、この図18において、111はハイ
ブリッド(H)、112は正傾斜振幅等化部、114は
負傾斜振幅等化部、115,117はそれぞれ可変減衰
器、118は反転ゲートである。ここで、ハイブリッド
111は、受信部10(図7)からのIF信号を2分波
するものであり、正傾斜振幅等化部112は、正傾斜の
1次傾斜振幅特性を有しており、入力された信号の振幅
特性をこの正傾斜振幅特性に応じて振幅等化(補償)す
るものであり、負傾斜振幅等化部114は、負傾斜の1
次傾斜振幅特性を有しており、入力された信号の振幅特
性をこの正傾斜振幅特性に応じて振幅等化するものであ
る。
【0152】また、各可変減衰器115,117は、そ
れぞれ正傾斜振幅等化部112,負傾斜振幅等化部11
4の各出力信号の減衰度を調整するものであり、反転ゲ
ート118は、上述のごとくディジタル復調信号Iの動
く方向とディジタル復調信号Qの誤差電圧Eとの相関に
基づいて得られた制御部14からの制御信号の正負を反
転するものである。
【0153】具体的に、これらの正傾斜振幅等化部11
2及び負傾斜振幅等化部114は、それぞれ例えばノッ
チフィルタの正傾斜及び負傾斜2次特性の部分を利用し
て構成でき、各可変減衰器115,117には、例え
ば、可変抵抗などを用いて構成できる。上述のごとく構
成された1次傾斜補償部11では、IF信号の1次傾斜
歪みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)に応じて制御部
14から出力された制御信号が、各可変減衰器115,
117へ入力されることにより、正傾斜振幅等化部11
2により正傾斜の振幅等化を受けた信号と、負傾斜振幅
等化部114により負傾斜の振幅等化を受けた信号との
各出力レベルがそれぞれ各可変減衰器115,117で
調整されたのち合波される。
【0154】この結果、入力信号の1次傾斜歪みの正傾
斜,負傾斜が相殺されて、1次傾斜歪が補償される。な
お、反転ゲート118は、制御部14からの制御信号の
正負を反転して可変減衰器117へ出力している。ま
た、この1次傾斜補償部11は、第13実施例にて後述
するごとく、零傾斜振幅等化部(この零傾斜振幅等化部
は、例えば、同軸線やマイクロストリイプライン等の通
過特性がフラットな遅延線を用いて構成できる)を、正
傾斜振幅等化部112及び負傾斜振幅等化部114と並
列に設け、この零傾斜振幅等化部の出力側に可変減衰器
を設けるように構成してもよい。
【0155】以上のように、本発明の第1実施例として
の自動振幅等化器によれば、制御部14において、上昇
/下降識別部141によりディジタルIチャネル信号I
の動く方向を判別するとともに、回転方向識別部142
の減算器142−1によりディジタルQチャネル信号Q
の誤差電圧Eを検出し、これらの信号Iの動く方向と信
号Qの誤差電圧Eとの相関に基づき、入力信号の1次傾
斜歪みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)を検出して、
その検出信号を1次傾斜補償部11用の制御信号として
出力するので、入力信号の1次傾斜歪みを検出する検出
系(制御部14)の回路をディジタル化することがで
き、これにより自動振幅等化器の回路規模やコストを大
幅に削減できるとともに、本等化器の補償能力も大幅に
向上するという利点がある。
【0156】また、図15にて前述したように、上昇/
下降識別部141では、各レジスタ141−1,141
−2により信号Iをデータクロック周期Tでサンプリン
グして、各コンパレータ141−3,141−4で各デ
ータIB0,IB1,IB2を比較することにより、信号Iの
動く方向を判定するので、極めて容易に、この回路をデ
ィジタル化することができ、これにより、その回路規模
やコストを大幅に削減することができるとともに、より
精度高く、ディジタル復調信号Iの動く方向を判定でき
るようになる。
【0157】さらに、この上昇/下降識別部141は、
ディジタル復調信号Iをデータクロック周期Tの1/N
の周期T/Nでサンプリングすることによっても、この
信号Iの動く方向を判定できるので、例えば、どのよう
な変調方式(例えば、4相PSKなど)で変調を施され
た信号でも、そのディジタル復調信号Iの動く方向を判
定でき、これにより、本等化器の汎用性も大幅に向上す
る。
【0158】また、本実施例の自動振幅等化器によれ
ば、1次傾斜補償部11を復調器13の前段に設けると
いう簡素な構成で、復調器13の前段においてIF信号
に対してその1次傾斜歪みを補償することができるの
で、本等化器の回路を規模を必要最小限に抑えながら、
確実に、入力信号の1次傾斜歪みを補償することができ
る。
【0159】なお、本実施例では、信号の動く方向をデ
ィジタル復調信号Iから判定し、誤差電圧(誤差情報)
Eをディジタル復調信号Qから検出しているが、逆に、
信号の動く方向をディジタル復調信号Qから判定し、誤
差電圧Eをディジタル復調信号Iから検出するようにし
ても、同様に、入力信号の1次傾斜歪みを検出すること
ができる。
【0160】(b)第2実施例の説明 図20は本発明の第2実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図20に示す等化
器は、図7により前述したものとそれぞれ同様のアンテ
ナ9,受信部10,自動利得制御部(AGC)12,復
調器13及びトランスバーサル等化器15,16をそな
えるほか、制御部14aをそなえて構成されている。な
お、この場合も、1次傾斜補償部11は、第1実施例と
同様に、復調器13の前段に設けられている。
【0161】ここで、制御部14aは、第1実施例にて
前述した制御部14と同様に、復調器13を通じて得ら
れるIF信号(入力信号)についてのディジタル復調信
号I,Qと各ディジタル復調信号I,Qをさらにトラン
スバーサル等化器15,16で処理した各等化後信号I
TRE ,QTRE からIF信号の1次傾斜歪みの特性(正傾
斜,負傾斜,零傾斜)を検出して、1次傾斜補償部11
用の制御信号を出力するものであるが、この場合は、信
号の動く方向と誤差電圧(誤差情報)Eとを各ディジタ
ル復調信号I,Qのそれぞれから検出するようになって
いる。
【0162】すなわち、この制御部14aは、ディジタ
ル復調信号I,Qのうちの一方の信号Iの動く方向(信
号Iの値の変化の方向)を判定し、この信号Iに対し直
交する他方のディジタル復調信号Qから誤差情報Eを検
出し、この誤差情報Eと一方の信号Iの動く方向との相
関に基づいて、入力信号の1次傾斜歪みの正傾斜,負傾
斜,零傾斜に応じた検出信号(第1相関信号)を得ると
ともに、他方の信号Qの動く方向を判定し、この信号Q
に対し直交する信号Iから誤差情報Eを検出し、この誤
差情報Eと信号Qの動く方向との相関に基づいて、同様
に1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜に応じた検出
信号(第2相関信号)を得、さらに、これらの各検出信
号から1次傾斜補償部11用の制御信号を生成して出力
するように構成される。
【0163】このため、制御部14aは、図20に示す
ように、図14に示した上昇/下降識別部141,回転
方向識別部142,積分器143とそれぞれ同様の上昇
/下降識別部141A,141B,回転方向識別部14
2A,142B,積分器143A,143Bをそなえる
ほか、さらにORゲート(論理和演算素子)144をそ
なえて構成されている。
【0164】ここで、上昇/下降識別部(第1信号方向
判定部)141Aは、復調器13で得られたディジタル
復調信号I,Qのうちの一方の信号Iの動く方向を判定
するものであり、回転方向識別部142Aは、この信号
Iに対し直交するディジタル復調信号I,Qのうちの他
方の信号Qから信号Iに対する直交干渉成分となる誤差
情報Eを検出し、この信号Qによる誤差情報Eと上昇/
下降識別部141Aで得られた信号Iの動く方向との相
関に基づいて、第1相関信号を出力するものであり、積
分器143Aは、回転方向識別部142Aで得られた第
1相関信号を積分するものである。
【0165】これに対し、上昇/下降識別部(第2信号
方向判定部)141Bは、復調器13を通じて得られた
ディジタル信号I,Qのうちの他方の信号Qの動く方向
を判定するものであり、回転方向識別部142Bは、デ
ィジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号Iから信号
Qに対する直交干渉成分となる誤差情報Eを検出し、こ
の信号Iによる誤差情報Eと上昇/下降識別部141B
で得られたディジタル復調信号Qの動く方向との相関か
ら第2相関信号を出力するものであり、積分器143B
は、回転方向識別部142Bで得られた第2相関信号を
積分するものである。
【0166】そして、ORゲート(制御信号生成部)1
44は、各積分器143A,143Bの出力に対して論
理和演算を施すことによって1次傾斜補償部11用の制
御信号を生成して出力するものである。なお、各回転方
向識別部142A,142Bは、それぞれ図14に示す
回転方向識別部142と同様のものであるので、それぞ
れの構成も図17に示すように、減算器(SUB)14
2A−1,142B−1及びデコーダ(DEC)142
A−2,142B−2を有して構成される。
【0167】このような構成により、この図16に示す
自動振幅等化器でも、1次傾斜補償部11の1次傾斜特
性が制御部14aからの制御信号に応じて制御されるこ
とにより、IF信号の1次傾斜歪みが補償される。以
下、この動作について詳述する。まず、制御部14aで
は、図14に示す制御部14と同様に、ディジタル復調
信号I,Qのうちの一方の信号Iをデータクロック周期
Tでサンプリングすることにより、この信号Iの動く方
向が上昇/下降識別部141Aで判定され、この一方の
信号Iに対し直交するディジタル復調信号I,Qのうち
の他方の信号Qから信号Iに対する直交干渉成分である
誤差情報Eが回転方向識別部142Aで検出される。
【0168】具体的に、この回転方向識別部142Aで
は、ディジタル復調信号Qとこのディジタル復調信号Q
をさらにトランスバーサル等化器16で等化した等化後
信号QTRE との差が減算器142A−1で演算されるこ
とによりディジタル復調信号Qによる誤差情報Eが検出
される。そして、これらの信号Qによる誤差情報Eと信
号Iの動く方向との相関に基づいて入力信号の1次傾斜
歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜が検出され、この1次傾
斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜に応じて、デコーダ1
42A−2から第1相関信号が出力される。
【0169】一方、このとき、信号方向判定部141B
では、ディジタル復調信号I,Qのうちの他方のディジ
タル復調信号Qをデータクロック周期Tでサンプリング
することにより、この信号Qの動く方向が判定され、こ
のディジタル復調信号Qに対し直交するディジタル復調
信号Iから信号Qに対する直交干渉成分である誤差情報
Eが回転方向識別部142Bで検出される。
【0170】具体的に、この回転方向識別部142Bで
は、ディジタル復調信号Iとこのディジタル復調信号I
をさらにトランスバーサル等化器15で等化した等化後
信号QTRE との差が減算器142B−1で演算されるこ
とによりディジタル復調信号Iによる誤差情報Eが検出
される。そして、これらの信号Iによる誤差情報Eと信
号Qの動く方向との相関に基づいて入力信号の1次傾斜
歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜が検出され、この1次傾
斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜に応じて、デコーダ1
42B−2から第2相関信号が出力される。
【0171】その後、上述のごとく得られた各相関信号
は、各積分器143A,143Bでそれぞれ積分され、
ORゲート144で論理和演算が施されることにより、
入力信号の1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜に応
じた1次傾斜補償部11用の制御信号が1次傾斜補償部
11へ出力される。これにより、1次傾斜補償部11で
は、この制御信号に応じて第1実施例と同様にして、I
F信号の1次傾斜歪みが、復調器13の前段で補償され
る。
【0172】以上のように、本発明の第2実施例として
の自動振幅等化器によれば、IF信号の1次傾斜歪みの
特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)を、信号Iの動く方向
とデ信号Qによる誤差情報Eとの相関に基づいて検出す
るだけでなく、信号Qの動く方向と信号Iによる誤差情
報Eとの相関にも基づいて検出するので、1次傾斜補償
部11用制御信号の検出感度や精度を大幅に向上させる
ことができ、これにより、第1実施例に示す自動等化器
と同様の効果ないし利点が得られるほか、本等化器の性
能もさらに大幅に向上する。
【0173】なお、本実施例でも第1実施例と同様に、
上昇/下降識別部141Aでは、データクロックの1/
N周期T/N(Nは2以上の整数)でディジタル復調信
号Iをサンプリングし、上昇/下降識別部141Bで
は、データクロックの1/N周期T/Nでディジタル復
調信号Qをサンプリングすることより、それぞれディジ
タル復調信号I,Qの動く方向を判定することもでき
る。
【0174】(c)第3実施例の説明 図21は本発明の第3実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図21に示す自動
振幅等化器も、それぞれ図7に示すものと同様のアンテ
ナ9,受信部10,1次傾斜補償部11,自動利得制御
部(AGC)12及び復調器13をそなえるほか、制御
部14bをそなえて構成されている。
【0175】ここで、制御部14bは、復調器13を通
じて得られるディジタル復調信号I,Qのみから入力信
号の1次傾斜歪みを検出して〔第1実施例及び第2実施
例では、ディジタル復調信号I,Q及び等化後信号Q
TRE (ITRE )から検出していた〕、1次傾斜補償部1
1用の制御信号を生成して出力するもので、図21に示
すように、上昇/下降識別部145,誤差ビット検出部
146,デコーダ(DEC)147及び積分器148で
構成される。
【0176】そして、上昇/下降識別部145は、第1
実施例に示した上昇/下降識別部141(図14,図1
5参照)と同様のもので、復調器13で得られたディジ
タル信号I,Qのうち一方の信号Iをデータクロック周
期Tでサンプリングして比較することにより、この信号
Iの動く方向を判定するものであり、誤差ビット検出部
(誤差情報検出部)146は、ディジタル復調信号Qの
データの一部(誤差ビット)のみから、この信号Qによ
る信号Iの直交干渉成分である誤差電圧(誤差情報)E
=±Eを検出するものである。
【0177】また、デコーダ147は、上昇/下降識別
部145で得られた判定結果と誤差ビット検出部146
で得られた誤差情報Eとの相関に基づいて1次傾斜補償
部11が有する正傾斜,負傾斜の1次傾斜振幅特性を制
御する制御信号を生成するものであり、積分器148
は、デコーダ147で得られた制御信号を積分すること
により平均化して、この制御信号に含まれる雑音成分な
どを除去してから1次傾斜補償部11へ出力するもので
ある。
【0178】なお、この場合も、上昇/下降識別部14
5は、第1実施例と同様に、データクロックの1/Nの
周期T/N(Nは2以上の整数)でディジタル復調信号
Iをサンプリングして、ディジタル復調信号Iの動く方
向を判定するようにしてもよい。上述のごとく構成され
た制御部14bでは、上昇/下降識別部145によりデ
ィジタル復調信号Iの動く方向が判定され、誤差ビット
検出部146によりディジタル復調信号Qのデータの一
部(誤差ビット)のみから誤差情報Eが検出され、これ
らの信号Iの動く方向と信号Qによる誤差情報Eとの相
関から、入力信号の1次傾斜歪みの特性(正傾斜,負傾
斜,零傾斜)が検出される。
【0179】つまり、本実施例における自動振幅等化器
では、第1実施例にて前述したごとく、ディジタル復調
信号Qの誤差情報Eが、復調器13で得られたディジタ
ル信号Qとこのディジタル信号Qをトランスバーサル等
化器16で等化した等化後信号QTRE との差を演算する
ことにより検出されるのではなく、復調器13で得られ
たディジタル復調信号Qのデータの一部(誤差ビット)
のみから検出されている。
【0180】そして、この検出信号は、デコーダ147
で1次傾斜歪みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)に応
じた信号に変換されることにより、1次傾斜補償部11
用の制御信号が生成されて、積分器148を通じて1次
傾斜補償部11へ出力される。これにより、1次傾斜補
償部11では、図18にて前述したごとく、各可変減衰
器115,117の減衰度が制御部14bからの制御信
号に応じて制御され、正傾斜振幅等化部112及び負傾
斜振幅等化部114の各出力が所要の比率で混合され
て、IF信号の1次傾斜歪みが(復調器13の前段で)
補償される。
【0181】以上のように、本発明の第3実施例として
の自動振幅等化器によれば、ディジタル信号Qの誤差情
報Eを、誤差ビット検出部146によってディジタル復
調信号Qのデータの一部(誤差ビット)のみから検出で
きるので、第1実施例に示した自動振幅等化器の回路規
模やコストをさらに低減できる利点がある。なお、この
場合も、本実施例では、信号の動く方向をディジタル復
調信号Iから判定し、誤差情報Eをディジタル復調信号
Qから検出しているが、逆に、信号の動く方向をディジ
タル復調信号Qから判定し、誤差情報Eをディジタル復
調信号Iから検出するようにしてもよい。
【0182】(d)第4実施例の説明 図22は本発明の第4実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図22に示す自動
振幅等化器も、図7に示すものとそれぞれ同様のアンテ
ナ9,受信部10,1次傾斜補償部11,自動利得制御
部(AGC)12及び復調器13をそなえるほか、制御
部14cをそなえて構成されている。
【0183】そして、この制御部14cは、ORゲート
144,上昇/下降識別部145A,145B,誤差ビ
ット識別部146A,146B,デコーダ(DEC)1
47A,147B及び積分器148A,148Bをそな
えて構成されている。つまり、この制御部14cは、簡
単に言えば、第2実施例に示した制御部14aの回転方
向識別部142Aを誤差ビット検出部(第1誤差情報検
出部)146Aとデコーダ(第1相関演算部)147A
とで構成し、且つ、回転方向識別部142Bを誤差ビッ
ト検出部(第2誤差情報検出部)146Bとデコーダ
(第2相関演算部)147Bとで構成したものである。
【0184】従って、この場合も、復調器13で得られ
たディジタル復調信号Iが、上昇/下降識別部145A
でデータクロック周期Tでサンプリングされ比較される
ことにより、この信号Iの動く方向が判定され、ディジ
タル復調信号Qの誤差情報Eが誤差ビット検出部147
Aによりディジタル復調信号Qのデータの一部(誤差ビ
ット)のみから検出される。
【0185】そして、このようにして得られた信号Iの
動く方向と信号Qの誤差情報Eとの相関に基づき、デコ
ーダ147Aから入力信号の1次傾斜歪みの特性(正傾
斜,負傾斜,零傾斜)に応じた信号が第1相関信号とし
て出力される。また、このとき、復調器13で得られた
ディジタル復調信号Qが、上昇/下降識別部145Bで
データクロック周期Tでサンプリングされ比較されるこ
とにより、この信号Qの動く方向が判定され、さらにデ
ィジタル復調信号Iの誤差情報Eが、この信号Iのデー
タの一部(誤差ビット)のみから誤差ビット検出部14
6Bで検出される。
【0186】そして、このようにして得られたディジタ
ル信号Qの動く方向とディジタル信号Iの誤差情報Eと
の相関に基づいて、デコーダ147Bから入力信号の1
次傾斜歪みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)に応じた
信号が第2相関信号として出力される。その後、各デコ
ーダ147A,147Bから出力された各相関信号は、
それぞれ積分器148A,148Bで積分されて、OR
ゲート144で論理和演算が施されることにより、各デ
ィジタル復調信号I,Qのいずれか一方でも1次傾斜歪
みが検出された場合に、1次傾斜補償部11用の制御信
号が1次傾斜補償部11へ出力される。
【0187】以降は、第1実施例と同様にして、1次傾
斜補償部11によって、入力信号の1次傾斜歪みが、復
調器13の前段において補償される。以上のように、本
発明の第4実施例としての自動振幅等化器によれば、デ
ィジタル信号Q(又は、I)の誤差情報Eを、ディジタ
ル信号Q(又は、I)のデータの一部(誤差ビット)の
みから検出できるので、第2実施例にて前述した等化器
と同様の効果ないし利点があるほか、さらに、その回路
規模やコストを低減できるという利点がある。
【0188】なお、この場合も第2実施例と同様に、上
昇/下降識別部141Aは、データクロックの1/Nの
周期T/N(Nは2以上の整数)でディジタル復調信号
Iをサンプリングし、上昇/下降識別部141Bは、デ
ータクロックの1/Nの周期T/Nでディジタル復調信
号Qをサンプリングするようにしてもよい。 (e)第5実施例の説明 図23は本発明の第5実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図23に示す自動
振幅等化器も、アンテナ9,受信部10,自動利得制御
部(AGC)12,復調器13,制御部14,トランス
バーサル等化器15,16をそなえるほか、1次傾斜補
償部11Aをそなえて構成されている。
【0189】また、1次傾斜補償部11Aは、図24に
示すように、ハイブリッド(H)111A,114A及
びIFトランスバーサル等化器(TRE:以下、単にト
ランスバーサル等化器という)112A,113Aを有
して構成されている。ここで、ハイブリッド111A
は、直交2次元型のもので、受信部10からの入力信号
を互いにπ/2だけ異なる信号に2分波するものであ
り、各トランスバーサル等化器112A,113Aは、
制御部14からの制御信号に応じて、ハイブリッド11
1Aで2分波された入力信号の1次傾斜歪みをそれぞれ
時間領域で等化することにより補償するものであり、ハ
イブリッド114Aは、各トランスバーサル等化器11
2A,113Aからの等化後信号の位相を同相にして出
力するものである。
【0190】つまり、この1次傾斜補償部11Aは、第
1実施例にて前述した1次傾斜補償部11がIF帯の入
力信号の1次傾斜歪みを周波数領域において補償するも
のであったのに対し、IF帯の入力信号の1次傾斜歪み
を時間領域で補償するようになっているのである。さら
に、図25は上述のトランスバーサル等化器112A
(113A)の内部構成を示す図で、この図21に示す
ように、トランスバーサル等化器112A(113A)
は、複数のレジスタ(REG)1121,1122,・
・・,タップ(乗算器)1123,1124,112
5,・・・,メモリ(ROM)1126を有して構成さ
れる。
【0191】ここで、各レジスタ1121,1122,
・・・は、入力信号(ハイブリッド111Aで2分波さ
れた信号)を時系列に記憶して各タップ1124,11
25,・・・への出力信号を所要の時間だけ遅延させる
ものであり、各タップ1123,1124,1125,
・・・は、それぞれの重み付け係数(タップ係数)を独
立に調整することにより、各レジスタ1121,112
2,・・・で遅延された入力信号の1次傾斜歪みを等化
するものである。
【0192】また、メモリ1126は、上述の各タップ
係数を調整する重み付けデータを記憶しておくもので、
制御部14からの制御信号に応じて、各重み付けデータ
をそれぞれタップ1123,1124,1125,・・
・へ出力することにより、各タップ1123,112
4,1125,・・・のタップ係数が独立に調整される
ようになっている。
【0193】なお、図23において、アンテナ9,受信
部10,自動利得制御部(AGC)12,復調器13,
制御部14及びトランスバーサル等化器15,16は、
それぞれ図7にて前述したものと同様のものであり、ま
た、この場合も、1次傾斜補償部11Aは、復調器13
の前段に設けられている。このような構成により、本実
施例における自動振幅等化器でも、第1実施例と同様
に、制御部14によって復調器13で得られたディジタ
ル復調信号I,Qから入力信号の1次傾斜歪みの正傾
斜,負傾斜,零傾斜が検出され、その検出結果に応じた
1次傾斜補償部11A用の制御信号が1次傾斜補償部1
1Aへ出力される。
【0194】具体的には、この場合も、ディジタル復調
信号Iが上昇/下降識別部141によってデータクロッ
ク周期Tでサンプリングされ比較されることにより、こ
の信号Iの動く方向が判定され、ディジタル復調信号Q
と、このディジタル復調信号Qをトランスバーサル等化
器16で等化した等化後信号QTRE との差が回転方向識
別部142で演算されることにより、ディジタル復調信
号Qの誤差情報Eが検出される。
【0195】そして、さらに、この信号Qの誤差情報E
と上昇/下降識別部141で得られた信号Iの動く方向
との相関に基づいて、入力信号の1次傾斜歪みの特性
(正傾斜,負傾斜,零傾斜)が検出される。なお、この
場合も、ディジタル復調信号Iをデータクロックの1/
N周期T/N(Nは2以上の整数)でサンプリングすれ
ば、例えばディジタル復調信号IがQPSKなどで復調
された信号であった場合でも、同様にしてディジタル復
調信号Iの動く方向を判定することができる。
【0196】さらに、上述のごとく回転方向識別部14
2で得られた検出信号は、積分器143で積分され、1
次傾斜補償部11A用の制御信号として1次傾斜補償部
11Aへ出力される。これにより、1次傾斜補償部11
Aでは、この制御信号に応じてメモリ1126から各タ
ップ1123,1124,1125,・・・へそれぞれ
重み付け係数が出力されて、各トランスバーサル等化器
112A,113Aの各タップ係数が調整され、入力信
号(IF信号)の1次傾斜歪みが、復調器13の前段に
おいて時間領域で補償される。
【0197】以上のように、本発明の第5実施例として
の自動振幅等化器によれば、時間領域において等化処理
を施すトランスバーサル等化器112A,113Aを用
いて構成された1次傾斜等化部11Aによって、入力信
号の1次傾斜歪みを時間領域においても容易に補償でき
るので、第1実施例にて前述した等化器と同様の効果な
いし利点が得られるほか、より正確に、入力信号の1次
傾斜歪みを補償できるようになる。
【0198】なお、本実施例においても第1実施例と同
様に、信号の動く方向をディジタル復調信号Qから判定
し、誤差情報Eをディジタル復調信号Iから検出するよ
うにしてもよい。 (f)第6実施例の説明 図26は本発明の第6実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図26に示すよう
に、1次傾斜補償部11A以外の各構成要素は、それぞ
れ第2実施例の図20に示したものと同様のものであ
り、1次傾斜補償部11Aは、第5実施例にて上述した
ものと同様のものである。
【0199】つまり、この図26に示す自動振幅等化器
は、第2実施例に示した自動振幅等化器の1次傾斜補償
部11に、第5実施例に示した1次傾斜補償部11Aを
用いることにより、入力信号の1次傾斜歪みを時間領域
においても補償できるようなっている。従って、この場
合も制御部14aでは、復調器13で得られたディジタ
ル復調信号Iが、上昇/下降識別部141Aによりデー
タクロック周期Tでサンプリングされ比較されることに
よって、この信号Iの信号の動く方向が判定される一
方、ディジタル復調信号Qが、上昇/下降識別部141
Bにより同じくデータクロック周期Tでサンプリングさ
れ比較されることによって、信号Qの動く方向が判定さ
れる。
【0200】なお、この場合も、ディジタル復調信号
I,Qを、それぞれデータクロックの1/N周期T/N
(Nは2以上の整数)でサンプリングすれば、例えばデ
ィジタル復調信号I,QがそれぞれQPSKなどで復調
された信号であった場合でも、同様にしてディジタル復
調信号I,Qの動く方向をそれぞれ判定することができ
る。
【0201】そして、回転方向識別部142Aでは、デ
ィジタル復調信号Qと、このディジタル復調信号Qをト
ランスバーサル等化器16で等化した後の等化後信号Q
TREとの差が演算されることにより、この信号Qの誤差
情報Eが検出され、回転方向識別部142Bでは、ディ
ジタル復調信号Iと、このディジタル復調信号Iをトラ
ンスバーサル等化器15で等化した後の等化後信号I
TRE との差が演算されることにより、この信号Iの誤差
情報Eが検出される。
【0202】さらに、回転方向識別部142Aでは、デ
ィジタル復調信号Iの動く方向とディジタル復調信号Q
の誤差情報Eとの相関に基づき、入力信号の1次傾斜歪
みの特性が検出され、回転方向識別部142Bでは、逆
に、ディジタル復調信号Qの動く方向とディジタル復調
信号Iの誤差情報Eとの相関に基づき、入力信号の1次
傾斜歪みが検出される。
【0203】さらに、上述のようにして得られた各検出
信号は、各積分器143A,143Bで積分され、OR
ゲート144で論理和演算が施されて1次傾斜補償部1
1A用の制御信号として、各トランスバーサル等化器1
12A,113A(図24参照)へ出力される。そし
て、各トランスバーサル等化器112A,113A内
(図21参照)では、第5実施例にて前述したごとく、
制御部14aからの制御信号に応じて、各タップ112
3〜1125のタップ係数が調整するされて、入力信号
の1次傾斜歪みが時間領域において等化されて補償され
る。
【0204】以上のように、本発明の第6実施例として
の自動振幅等化器によれば、第2実施例に示した1次傾
斜補償部11を、トランスバーサル等化器112A,1
13Aを用いた1次傾斜等化部11Aで構成すること
で、時間領域においても受信信号の1次傾斜歪みを容易
に補償でき、これにより、第2実施例にて前述した等化
器と同様の効果ないし利点が得られるほか、より正確に
入力信号の1次傾斜歪みを補償できるようになる。
【0205】(g)第7実施例の説明 図27は本発明の第7実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図27に示すよう
に、1次傾斜補償部11A以外の各構成要素は、それぞ
れ第3実施例の図21に示したものと同様のものであ
り、1次傾斜補償部11Aは、第5実施例にて前述した
ものと同様のものである。
【0206】つまり、この図27に示す自動振幅等化器
は、第3実施例に示した自動振幅等化器の1次傾斜補償
部11に代えて、第5実施例に示した時間領域において
1次傾斜歪みを等化する1次傾斜補償部11Aを用いる
ことにより、入力信号(IF信号)の1次傾斜歪みを時
間領域においても補償できるようになっている。このよ
うな構成により、本実施例でも、制御部14bでは、上
昇/下降識別部145により復調器13で得られたディ
ジタル復調信号Iがデータクロック周期Tでサンプリン
グされ比較されることによって、この信号Iの動く方向
が判定されるとともに、誤差ビット検出部146により
ディジタル復調信号Qのデータの一部(誤差ビット)の
みからこの信号Qの誤差情報Eが検出される。
【0207】そして、これらの信号Iの動く方向と信号
Qの誤差情報Eとの相関に基づき、入力信号の1次傾斜
歪みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)が検出され、こ
の検出結果に応じて、1次傾斜補償部11A用の制御信
号がデコーダ(DEC)147から出力される。さら
に、この制御信号は積分器148により積分された後、
1次傾斜補償部11Aへ出力される。
【0208】1次傾斜補償部11Aでは、この場合も、
第5実施例にて前述したごとく、この制御部14bから
の制御信号に応じて、各トランスバーサル等化器112
A,113A(図24参照)の各タップ1123,11
24,1125,・・・のタップ係数が調整され、これ
により、入力信号の1次傾斜歪みが時間領域において補
償される。
【0209】以上のように、本発明の第7実施例として
の自動振幅等化器によれば、第3実施例に示した1次傾
斜補償部11を、トランスバーサル等化器112A,1
13Aを用いた1次傾斜等化部11Aで構成すること
で、入力信号の1次傾斜歪みを時間領域においても簡単
に補償できるようになる。なお、本実施例でも、ディジ
タル復調信号Iを、上昇/下降識別部145Aによりデ
ータクロックの1/N周期T/N(Nは2以上の整数)
でサンプリングすれば、例えば、ディジタル復調信号I
がQPSKなどで復調された信号であった場合でも、同
様にしてディジタル復調信号Iの動く方向を判定するこ
とができる。
【0210】(h)第8実施例の説明 図28は本発明の第8実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図28に示すよう
に、1次傾斜補償部11A以外の各構成要素は、それぞ
れ第4実施例の図22に示したものと同様のものであ
り、1次傾斜補償部11Aは、第5実施例にて前述した
ものと同様のものである。
【0211】つまり、この図28に示す自動振幅等化器
は、第4実施例に示した自動振幅等化器の1次傾斜補償
部11に代えて、第5実施例に示した1次傾斜補償部1
1Aを用いてIF帯域の入力信号の1次傾斜歪みを時間
領域においても補償できるようになっている。このよう
な構成により、本実施例でも、制御部14cでは、上昇
/下降識別部145Aにより復調器13で得られたディ
ジタル復調信号Iがデータクロック周期Tでサンプリン
グされ比較されることによって、この信号Iの動く方向
が判定されるとともに、誤差ビット検出部146Aによ
りディジタル復調信号Qのデータの一部(誤差ビット)
のみから、この信号Qの誤差情報Eが検出される。
【0212】また、このとき同時に、上昇/下降識別部
145Bによりディジタル復調信号Qがデータクロック
周期Tでサンプリングされ比較されることによって、こ
の信号Qの動く方向が判定されるとともに、誤差ビット
検出部146Bによりディジタル復調信号Iのデータの
一部(誤差ビット)のみから、この信号Iの誤差情報E
が検出される。
【0213】なお、この場合も、ディジタル復調信号
I,Qを、それぞれデータクロックの1/N周期T/N
(Nは2以上の整数)でサンプリングすれば、例えばデ
ィジタル復調信号I,QがそれぞれQPSKなどで復調
された信号であった場合でも、同様にしてディジタル復
調信号I,Qの動く方向をそれぞれ判定することができ
る。
【0214】そして、上昇/下降識別部145Aで得ら
れたディジタル復調信号Iの動く方向と、誤差ビット検
出部146Aで得られたディジタル復調信号Qの誤差情
報Eのデータとの相関に基づき、入力信号の1次傾斜歪
みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)が検出され、これ
に応じた信号が第1相関信号としてデコーダ(DEC)
147Aから出力される。
【0215】また、同時に、上昇/下降識別部145B
で得られたディジタル復調信号Qの動く方向と、誤差ビ
ット検出部146Aで得られたディジタル復調信号Iの
誤差情報Eのデータとの相関に基づき、さらに入力信号
の1次傾斜歪みが検出され、これに応じた信号がデコー
ダ(DEC)147Bから第2相関信号として出力され
る。
【0216】そして、上述のごとく得られた各相関信号
は、各積分器148A,148Bで積分され、ORゲー
ト144で論理和演算を施される。つまり、上述の第1
相関信号,第2相関信号のいずれか一方が出力された場
合は、入力信号に1次傾斜歪みが含まれているので、検
出された相関信号に応じた1次傾斜補償部11A用の制
御信号が1次傾斜補償部11Aへ出力される。
【0217】これにより、1次傾斜補償部11Aでは、
この場合も、制御部14cからの制御信号に応じて、各
トランスバーサル等化器112A,113Aのタップ係
数が調整されて、入力信号の1次傾斜歪が時間領域にお
いて補償される。以上のように、本発明の第8実施例と
しての自動振幅等化器によれば、第4実施例に示した周
波数領域において1次傾斜振幅特性を有する1次傾斜補
償部11の代わりに、第5実施例に示したトランスバー
サル等化器112A,113Aを用いた1次傾斜等化部
11Aを用いることで、入力信号の1次傾斜歪みを時間
領域においても容易に補償できるようになる。
【0218】(i)第9実施例の説明 図29は本発明の第9実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図であるが、この図29に示すよう
に、1次傾斜補償部11B以外の各構成要素は、それぞ
れ第5実施例の図23に示したものと同様のものであ
る。そして、1次傾斜補償部11Bは、この図29に示
すように、復調器13の後段に設けられている。
【0219】つまり、本実施例における1次傾斜補償部
11Bは、前述の各実施例における1次傾斜補償部1
1,11Aのように復調器13でディジタル化される前
のIF帯域の入力信号の1次傾斜歪みを補償するのでは
なく、復調器13を通じて得られるベースバンド帯域の
各ディジタル復調信号I,Qの1次傾斜歪みを補償する
ようになっている。
【0220】このため、この1次傾斜補償部11Bは、
図30に示すように、ベースバンドトランスバーサル等
化器(TRE:以下、単にトランスバーサル等化器とい
う)111B〜114Bと、加算部115B,116B
を有して構成されている。ここで、各トランスバーサル
等化器111B〜114Bは、それぞれ第5実施例の図
24にて前述したトランスバーサル等化器112A(1
13A)と同様のもので、その内部の構成も図25に示
したものと同様であり、加算部115Bは、各トランス
バーサル等化器111B,113Bで等化された信号を
加算するものであり、加算部116Bは、各トランスバ
ーサル等化器112B,114Bで等化された信号を加
算するものである。
【0221】上述のごとく構成された1次傾斜補償部1
1Bでは、トランスバーサル等化器111B,112B
により制御部14(図29参照)からの制御信号に応じ
て、ディジタル復調信号Iの1次傾斜歪みが時間領域に
おいて補償されるとともに、ディジタル復調信号Qの1
次傾斜歪も時間領域において補償される。なお、各トラ
ンスバーサル等化器111B〜114Bでの詳細な動作
は、それぞれ第5実施例の図25にて前述したものと同
様である。
【0222】そして、トランスバーサル等化器111
B,113Bで等化処理を施された各ディジタル復調信
号I,Qは、加算部115Bで加算されて、等化後のデ
ィジタル復調信号Iとして出力され、トランスバーサル
等化器112B,114Bで等化処理を施された各ディ
ジタル復調信号I,Qは、加算部116Bで加算され
て、等化後のディジタル復調信号Qとして出力される。
【0223】制御部14では、この場合も、これらのデ
ィジタル復調信号I,Qから入力信号の1次傾斜歪みが
検出され、1次傾斜補償部11B用の制御信号が得られ
る。すなわち、上昇/下降識別部141によりディジタ
ル復調信号Iがデータクロック周期Tでサンプリングさ
れ比較されることによって、この信号Iの動く方向が判
定され、回転方向識別部142によりディジタル復調信
号Qの誤差情報Eが検出される。
【0224】そして、これらのディジタル復調信号Iの
動く方向とディジタル復調信号Qの誤差情報Eのデータ
との相関に基づき、入力信号の1次傾斜歪みの特性(正
傾斜,負傾斜,零傾斜)が検出され、これに応じて、1
次傾斜補償部11B用の制御信号が1次傾斜補償部11
Bへ出力される。この結果、1次傾斜補償部11Bで
は、この制御信号に応じて、各トランスバーサル等化器
111B〜114Bの各タップ係数が調整されて、ベー
スバンド帯域の各ディジタル復調信号I,Qに対してそ
れぞれ等化処理が施されることにより、入力信号の1次
傾斜歪みが、復調器13の後段で等化されて補償され
る。
【0225】以上のように、本発明の第9実施例として
の自動振幅等化器によれば、第5実施例にて前述したI
F帯域の信号に対して動作する1次傾斜補償部11Aの
代わりに、ベースバンド帯域の信号に対して動作する1
次傾斜補償部11Bを復調器13の後段に設けること
で、復調器13の出力であるベースバンド帯域のディジ
タル復調信号I,Qそれぞれの1次傾斜歪みを時間領域
で補償することができるので、第5実施例に示した自動
振幅等化器の汎用性に大いに寄与する。
【0226】なお、本実施例でも、上昇/下降識別部1
41を、ディジタル復調信号Iをデータクロックの1/
N周期T/N(Nは2以上の整数)でサンプリングして
このディジタル復調信号Iの動く方向を判定するように
すれば、どのような変調方式(例えば、4相PSKや多
値QAMなど)で変調された信号でも、そのディジタル
復調信号Iの動く方向を容易に判定することができる。
【0227】また、本実施例では、ディジタル復調信号
Iからこのディジタル復調信号Iの動く方向を判定し、
ディジタル復調信号Qからその誤差情報Eを検出してい
るが、逆に、ディジタル復調信号Qからこのディジタル
復調信号Qの動く方向を判定し、ディジタル復調信号I
からその誤差情報Eを検出するようにしてもよい。 (j)第10実施例の説明 図31は本発明の第10実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図であるが、この図31に示す自
動振幅等化器は、第6実施例の図26に示した1次傾斜
補償部11Aの代わりに、1次傾斜補償部11Bを復調
器13の後段に設けることで、復調器13を通じて得ら
れるベースバンド帯域の各ディジタル復調信号I,Qか
らそれぞれ1次傾斜歪みを検出して、これらの1次傾斜
歪みを各ディジタル復調信号I,Qごとに独立に時間領
域で補償できるようになっている。
【0228】従って、本実施例における1次傾斜補償部
11Bも、第9実施例に示した1次傾斜補償部11Bと
同様に、トランスバーサル等化器111B〜114B及
び加算部115B,116B(図30参照)からなるも
のであり、さらに各トランスバーサル等化器111B〜
114Bの内部も、図21に示したものと同様のもので
ある。
【0229】このような構成により、本実施例における
自動振幅等化器でも、制御部14aによって、ディジタ
ル復調信号I,Qから入力信号の1次傾斜歪みの特性
(正傾斜,負傾斜,零傾斜)が検出され、これに基づ
き、1次傾斜補償部11B用の制御信号が生成され1次
傾斜補償部11Bへ出力される。具体的に、この制御部
14aでは、この場合も、復調器13を通じて得られる
ディジタル復調信号Iが、上昇/下降識別部141Aに
よりデータクロック周期Tでサンプリングされ比較され
ることによって、この信号Iの信号の動く方向が判定さ
れる一方、ディジタル復調信号Qが、上昇/下降識別部
141Bによりデータクロック周期Tでサンプリングさ
れ比較されることによって、この信号Qの信号の動く方
向が判定される。
【0230】なお、この場合も、ディジタル復調信号
I,Qを、それぞれデータクロックの1/N周期T/N
(Nは2以上の整数)でサンプリングすれば、例えばデ
ィジタル復調信号I,QがそれぞれQPSKなどで復調
された信号であった場合でも、同様にしてディジタル復
調信号I,Qの動く方向をそれぞれ判定することができ
る。
【0231】そして、回転方向識別部142Aでは、デ
ィジタル復調信号Qと、このディジタル復調信号Qをト
ランスバーサル等化器16で等化した後の等化後信号Q
TREとの差が演算されることにより、ディジタル復調信
号Qの誤差情報Eが検出され、回転方向識別部142B
では、ディジタル復調信号Iと、このディジタル復調信
号Iをトランスバーサル等化器15で等化した後の等化
後信号ITRE との差が演算されることにより、この信号
Iの誤差情報Eが検出される。
【0232】さらに、回転方向識別部142Aでは、上
述のごとく得られた信号Iの動く方向と信号Qの誤差情
報Eとの相関に基づいて、入力信号の1次傾斜歪みの特
性が検出され、これに応じた信号が第1相関信号として
出力され、回転方向識別部142Bでは、信号Qの動く
方向と信号Iの誤差情報Eとの相関に基づいて、同様
に、入力信号の1次傾斜歪みの特性が検出され、これに
応じた信号が第2相関信号として出力される。
【0233】そして、これらの各相関信号は、それぞれ
積分器143A,143Bで積分されORゲート144
で論理和演算を施されることにより、各回転方向識別部
142A,142Bからいずれかの相関信号が得られた
場合、すなわち、ディジタル復調信号I,Qのいずれか
一方から入力信号に1次傾斜歪みがあることが検出され
た場合に、その特性(正傾斜,負傾斜,零傾斜)に応じ
た信号が、1次傾斜補償部11B用の制御信号として出
力される。
【0234】この結果、1次傾斜補償部11Bでは、第
9実施例にて前述したごとく、この制御信号に応じて各
トランスバーサル等化器111B〜114B(図30)
の各タップ係数が調整されて、入力信号の1次傾斜歪み
が、復調器13の後段で時間領域において等化され補償
される。以上のように、本発明の第10実施例としての
自動振幅等化器によれば、第6実施例にて前述した1次
傾斜補償部11Aの代わりに、1次傾斜補償部11Bを
復調器13の後段に設けることにより、ベースバンド帯
域のディジタル復調信号I,Qの各1次傾斜歪みが時間
領域で補償されるので、第6実施例に示した自動振幅等
化器の適用範囲を大いに広げることができる。
【0235】(k)第11実施例の説明 図32は本発明の第11実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図であるが、この図32に示す自
動振幅等化器は、第7実施例の図27に示した1次傾斜
補償部11Aに代えて、1次傾斜補償部11Bが復調器
13の後段に設けられ、これにより、復調器13を通じ
て得られるベースバンド帯域のディジタル復調信号I,
Qの各1次傾斜歪みが時間領域において補償されるよう
になっている。
【0236】このため、本実施例における1次傾斜補償
部11Bも、第9実施例に示した自動振幅等化器の1次
傾斜補償部11Bと同様に、トランスバーサル等化器1
11B〜114B(図30参照)を用いて構成され、さ
らに各トランスバーサル等化器111B〜114Bも図
25に示したトランスバーサル等化器112A(113
A)と同様に構成される。
【0237】上述のごとく構成された本実施例における
自動振幅等化器でも、第9実施例にて前述したごとく、
制御部14bによって、ディジタル復調信号I,Qから
入力信号の1次傾斜歪みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾
斜)が検出される。具体的に、この制御部14bでは、
まず、復調器13を通じて得られたディジタル復調信号
Iが、上昇/下降識別部145によりデータクロック周
期Tでサンプリングされ比較されることによって、この
信号Iの動く方向が判定されるとともに、誤差ビット検
出部146によりディジタル復調信号Qのデータの一部
(誤差ビット)のみから、この信号Qの誤差情報Eが検
出される。
【0238】なお、この場合も、ディジタル復調信号I
を、データクロックの1/N周期T/N(Nは2以上の
整数)でサンプリングすれば、例えばディジタル復調信
号IがQPSKなどで復調された信号であった場合で
も、同様にしてディジタル復調信号Iの動く方向を判定
することができる。そして、これらの信号Iの動く方向
と信号Qの誤差情報Eとの相関に基づいて、入力信号の
1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜特性が検出さ
れ、これに応じた信号が、デコーダ(DEC)から1次
傾補償部11B用の制御信号として出力される。
【0239】これにより、1次傾斜補償部11Bでは、
この制御信号に応じて、1次傾斜補償部11Bの各トラ
ンスバーサル等化器111B〜114Bの各タップ係数
が調整されて、入力信号の1次傾斜歪みが、復調器13
の後段で時間領域において等化され補償される。以上の
ように、本発明の第11実施例としての自動振幅等化器
によれば、第9,第10実施例と同様に、第7実施例に
て前述した1次傾斜補償部11Aの代わりに、1次傾斜
補償部11Bを復調器13の後段に設けて、復調器13
を通じて得られるベースバンド帯域のディジタル復調信
号I,Qそれぞれの1次傾斜歪みを時間領域において補
償できるので、第7実施例に示した自動振幅等化器の適
用範囲を大いに広げることができる。
【0240】なお、本実施例では、ディジタル復調信号
Iからこの信号Iの動く方向を判定するとともに、ディ
ジタル復調信号Qのデータの一部(誤差ビット)からこ
の信号Qの誤差情報Eを検出しているが、逆に、ディジ
タル復調信号Qからこの信号Qの動く方向を判定すると
ともに、ディジタル復調信号Iのデータの一部(誤差ビ
ット)からこの信号Iの誤差情報Eを検出するようにし
てもよい。
【0241】(l)第12実施例の説明 図33は本発明の第12実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図であるが、この図33に示す自
動振幅等化器は、第8実施例の図28に示した1次傾斜
補償部11Aの代わりに、1次傾斜補償部11Bを復調
器13の後段に設けることにより、復調器13を通じて
得られるベースバンド帯域のディジタル復調信号I,Q
の各1次傾斜歪みを時間領域において補償できるように
なっている。
【0242】このため、本実施例における1次傾斜補償
部11Bも、第9実施例に示した1次傾斜補償部11B
と同様に、トランスバーサル等化器111B〜114B
(図30参照)を用いて構成され、さらに各トランスバ
ーサル等化器111B〜114Bの内部も図25に示し
たトランスバーサル等化器112A(113A)と同様
に構成される。
【0243】このような構成により、本実施例における
自動振幅等化器でも、制御部14cによって、ディジタ
ル復調信号I,Qから入力信号の1次傾斜歪みの特性
(正傾斜,負傾斜,零傾斜)が検出され、これに応じて
1次傾斜補償部11B用の制御信号が1次傾斜補償部1
1Bへ出力される。具体的に、この制御部14cでは、
復調器13を通じて得られたディジタル復調信号Iが、
上昇/下降識別部145Aによりデータクロック周期T
でサンプリングされ比較されることによって、この信号
Iの動く方向が判定されるとともに、誤差ビット検出部
146Aによりディジタル復調信号Qのデータの一部
(誤差ビット)のみからこの信号Qの誤差情報Eが検出
される。
【0244】また、このとき同時に、ディジタル復調信
号Qが、上昇/下降識別部145Bによりデータクロッ
ク周期Tでサンプリングされ比較されることにより、こ
の信号Qの動く方向が判定されるとともに、ディジタル
復調信号Iのデータの一部(誤差ビット)のみから誤差
ビット検出部146Bにより信号Iの誤差情報Eが検出
される。
【0245】なお、この場合も、各上昇/下降識別部1
45A,145Bにおいて、ディジタル復調信号I,Q
をそれぞれデータクロックの1/N周期T/N(Nは2
以上の整数)でサンプリングすれば、例えばディジタル
復調信号I,QがQPSKなどで復調された信号であっ
た場合でも、同様にしてディジタル復調信号I,Qの動
く方向をそれぞれ判定することができる。
【0246】そして、上昇/下降識別部145Aで得ら
れた信号Iの動く方向と、誤差ビット検出部146Aで
得られた信号Qの誤差情報Eとの相関にもとづき、入力
信号の1次傾斜歪みの正傾斜,負傾斜,零傾斜が検出さ
れ、これに応じた信号が、デコーダ(DEC)147A
から第1相関信号として出力される。また、同時に、上
昇/下降識別部145Bで得られた信号Qの動く方向
と、誤差ビット検出部146Aで得られた信号Iの誤差
情報Eとの相関に基づき、さらに入力信号の1次傾斜歪
みの正傾斜,負傾斜,零傾斜が検出され、これに応じた
信号がデコーダ(DEC)147Bから第2相関信号と
して出力される。
【0247】さらに、上述のごとく得られた各相関信号
は、各積分器148A,148Bで積分され、ORゲー
ト144により論理和演算を施されることにより、各回
転方向識別部142A,142Bからいずれかの相関信
号が得られた場合、すなわち、ディジタル復調信号I,
Qのいずれか一方から入力信号に1次傾斜歪みがあるこ
とが検出された場合に、その特性(正傾斜,負傾斜,零
傾斜)に応じた信号が、1次傾斜補償部11B用の制御
信号として出力される。
【0248】この結果、1次傾斜補償部11Bでは、第
9実施例にて前述したごとく、この制御信号に応じて各
トランスバーサル等化器111B〜114B(図30)
の各タップ係数が調整されて、入力信号の1次傾斜歪み
が、復調器13の後段で時間領域において等化され補償
される。以上のように、本発明の第12実施例としての
自動振幅等化器によれば、第9〜第11実施例と同様
に、第8実施例にて前述した1次傾斜補償部11Aの代
わりに、1次傾斜補償部11Bを復調器13の後段に設
けて、復調器13を通じて得られるベースバンド帯域の
ディジタル復調信号I,Qの各1次傾斜歪みを時間領域
において補償できるので、第8実施例に示した自動振幅
等化器の適用範囲を大いに広げることができる。
【0249】(m)第13実施例の説明 図34は本発明の第13実施例としての自動振幅等化の
構成を示すブロック図で、この図34において、10は
受信部、20Aは1次傾斜補償部、30は可変利得増幅
部、40は復調部、50は識別部、60は振幅検出部、
90は制御部、101はアンテナである。
【0250】ここで、受信部10は、アンテナ101で
受信されるRF(高周波)信号を周波数変換(ダウンコ
ンバート)して所要のIF(中間周波)信号を得るもの
であり、1次傾斜補償部(1次傾斜形振幅等化部)20
Aは、受信部10を通じて得られるIF信号(入力信
号)の1次傾斜歪みを、本実施例では、正傾斜,負傾
斜,零傾斜の3種の1次傾斜振幅特性に応じて補償する
もので、図34に示すように、入力信号を3分波する分
配器201,正傾斜振幅等化部202,零傾斜振幅等化
部203,負傾斜振幅等化部204,可変減衰器205
〜207,混合器208を有して構成される。
【0251】そして、正傾斜振幅等化部202は、周波
数領域において正傾斜振幅等化特性を有するもので、例
えばノッチフィルタの正傾斜2次特性の部分を利用して
構成され、零傾斜振幅等化部203は、周波数領域にお
いて零傾斜振幅等化特性を有するもので、本実施例で
は、通過特性がフラットな遅延線が使用され、正傾斜振
幅等化部202及び負傾斜振幅等化部204と同一の遅
延特性を有して構成される。これは、例えば所定の長さ
の同軸線,マイクロストリップライン等で構成できる。
【0252】また、負傾斜振幅等化部204は、周波数
領域において負傾斜振幅等化特性を有するもので、例え
ば、同じくノッチフィルタの負傾斜2次特性の部分を利
用して構成される。さらに、各可変減衰器205〜20
7は、それぞれ正傾斜振幅等化部202,零傾斜振幅等
化部203及び負傾斜振幅等化部204の各出力の減衰
度を、後述する制御部90Aで生成される混合比制御信
号に応じて制御するものであり、混合器208は、各可
変減衰器205〜207の出力を合成して混合するもの
である。なお、各可変減衰器205〜207は、例え
ば、PINダイオードなどを用いて構成される。
【0253】つまり、この1次傾斜補償部20Aは、制
御部90からの混合比制御信号に応じて、正傾斜振幅等
化部202,零傾斜振幅等化部203及び負傾斜振幅等
化部204の各出力が可変の混合比で混合されるように
構成されている。また、可変利得増幅部30は、後述す
る振幅検出部60からのAGC(Automatic Gain Contro
l)信号に応じて復調部40への出力の利得が一定になる
ように1次傾斜補償部20Aの出力の増幅度を制御する
ものであり、復調部40は、この可変利得増幅部30の
出力に対して直交検波などの所要の復調方式で復調を施
すことによって復調ベースバンド信号(BBS)を得る
ものである。なお、本実施例では、この復調部40は、
図37にて後述するごとく9タップのトランスバーサル
等化器41をそなえて構成されている。
【0254】さらに、識別部50は、復調部40で得ら
れた復調ベースバンド信号を所要の識別レベルで識別す
るものであり、振幅検出部60は、シンボルタイミング
クロック信号(SCK)に同期してBBS信号と所定の
基準値(シンボルレベル)とを比較することにより、可
変利得増幅部30を自動利得制御するAGC信号を生成
するものである。
【0255】また、制御部90Aは、復調部40を通じ
て得られるディジタル値の復調ベースバンド信号(ディ
ジタル復調信号)からIF信号の1次傾斜歪みを検出し
て、これに基づいて、1次傾斜補償部20Aでの上記混
合比を制御するための混合比制御信号を生成して1次傾
斜補償部20Aへ出力するもので、図34に示すよう
に、スペクトラム歪検出部70Aと混合比生成部80A
とをそなえて構成されている。
【0256】ここで、スペクトラム歪検出部(1次傾斜
検出部)70Aは、IF信号についてのディジタル復調
信号からIF信号の1次傾斜歪みの特性(正傾斜,負傾
斜,零傾斜)を検出して、これに応じた検出信号(検出
結果)SPDを出力するものであり、混合比生成部80
Aは、このスペクトラム歪検出部70Aからの検出信号
SPDに応じて1次傾斜補償部20のための混合比制御
信号を生成して出力するものである。なお、これらのス
ペクトラム歪検出部70Aと混合比生成部80Aの詳細
構成については後述する。
【0257】以下、上述のごとく構成された本実施例に
おける自動振幅等化器の動作について詳述する。まず、
制御部90Aでは、スペクトラム歪検出部70Aによ
り、ディジタル復調信号からIF信号の1次傾斜歪みの
正傾斜,負傾斜,零傾斜特性が検出され、これに応じた
検出信号SPDが混合比生成部80Aへ出力される。
【0258】そして、混合比生成部80Aでは、この検
出信号SPDを積分することにより、歪み検出信号が生
成され、これが1次傾斜補償部20用の混合比制御信号
として出力される。具体的に、この歪み検出信号は、例
えば、IFEQ信号のスペクトラムが平坦、又は周波数f
0 の付近に歪みを有する場合は「0」の側に、IFEQ
号が正傾斜の歪みを有する場合は「−」の側に、また負
傾斜の歪みを有する場合は「+」の側にそれぞれドライ
ブされる。
【0259】つまり、この混合比制御信号に応じて、可
変減衰器205〜207の減衰度を調整する各制御電圧
a〜cがそれぞれ図35(a)に示すごとく制御され
る。例えば、歪み検出信号が「0」(零傾斜)の場合
は、制御電圧cが最大(可変減衰器206の減衰量=
0)で、かつ残りの制御電圧a,bは共に最小(可変減
衰器205,207の減衰量=∞)となる。この場合の
IF信号は零傾斜振幅等化部203を介してそのまま出
力される。
【0260】また、歪み検出信号が「−」(正傾斜)の
側に変化すると、制御電圧cは最小に向けて減少し、か
つ制御電圧bは最大に向けて上昇する。制御電圧aは最
小のままである。従って、この領域では零傾斜振幅等化
部203と負斜振幅等化部204とが協動してIF信号
に対して振幅等化が施される。一方、歪検出信号が
「+」(負傾斜)の側に変化すると、制御電圧cは最小
に向けて減少し、かつ制御電圧aは最大に向けて上昇す
る。制御電圧bは最小のままである。従って、この領域
では零傾斜振幅等化部203と正斜振幅等化部202と
が協動してIF信号に対して振幅等化が施される。
【0261】次に、図35(b)を用いて1次傾斜補償
部20AによるIF信号の等化作用の一例を説明する。
この図35(b)において、特性zは零傾斜振幅等化部
203が有する零傾斜振幅等化特性、特性nは負傾斜振
幅等化部204が有する負傾斜振幅等化特性をそれぞれ
示しており、これらの合成特性はmとなる。そして、こ
の図35(b)に示すごとくこの特性mは入力のIF信
号の正傾斜歪みとは逆特性になっている。
【0262】従って、IF信号を合成特性mで振幅等化
(補償)すると、出力には平坦なIFEQ信号が得られ
る。なお、IF信号が図68(b)により前述したよう
に、正傾斜1次歪みを受けている場合でも、出力のIF
EQ信号には図66に示した自動振幅等化器に比べて格段
に特性の改善が得られる。このように、本発明の第13
実施例としての自動振幅等化器によれば、IF信号(入
力信号)に正傾斜,負傾斜などの1次傾斜歪みがある場
合でも、1次傾斜補償部20Aによって、正傾斜振幅等
化部202,零傾斜振幅等化部203及び負傾斜振幅等
化部204の各出力を可変の混合比で混合することによ
り、1次傾斜補償部20Aの出力には常に平坦なフェー
ジング特性をもったIFEQ信号を得ることができる。
【0263】従って、9タップのトランスバーサル等化
器41は、全IF帯に渡って20dB程度の深さまでの
フェージング歪みを一様に10-3のエラー率で等化(補
償)することができ、この結果、図35(c)の等化特
性EQT9 に示すごとく、極めて効果的にIF信号の1
次傾斜歪みを補償することができる。 (m−1)第13実施例の変形例の説明 図36は本発明の第13実施例の変形例としての自動振
幅等化器構成を示すブロック図であるが、この図36に
示す自動振幅等化器は、図34に示すものに比して、制
御部90B及び振幅検出部60をそなえ、且つ、可変利
得増幅部30が省かれている点が異なる。
【0264】ここで、制御部90Bは、本変形例でも、
復調部40を通じて得られるIF信号についてのディジ
タル復調信号の1次傾斜歪みを検出して、その検出結果
に応じて1次傾斜補償部20Aの正傾斜振幅等化部20
2,零傾斜振幅等化部203及び負傾斜振幅等化部20
4の各出力の混合比を制御する混合比制御信号を生成す
るものであるが、本実施例では、スペクトラム歪検出部
70B及び混合比生成部80Bを有して構成され、混合
比生成部80Bに振幅検出部60からのAGC信号が入
力されるようになっている。
【0265】そして、この振幅検出部(信号レベル誤差
検出部)60は、識別部50による識別前後のディジタ
ル復調信号から信号レベルの誤差情報を検出して、AG
C信号として出力するものである。つまり、本変形例に
おける混合比生成部80Bは、この振幅検出部60から
のAGC信号を混合比制御信号a〜cの生成と同時処理
することにより、各混合比制御信号a〜cの出力レベル
を可変にして、独自のAGCループを実現するよう構成
されており、これにより、図34に示す可変利得増幅部
30を省いて本等化器の回路規模を大幅に削減してい
る。
【0266】なお、スペクトラム歪検出部(1次傾斜検
出部)70Bは、前述のスペクトラム歪検出部70Aと
同様もので、復調部40を通じて得られるディジタル復
調信号I,Qのうちの一方の信号の動き(値の変化の方
向)を判定するとともに、この一方の信号に対する直交
干渉成分である他方の信号の誤差電圧(誤差情報)Eを
検出し、これらの相関に基づいて、1次傾斜歪みの正傾
斜,負傾斜,零傾斜の特性を検出するものである。
【0267】図37は上述の復調部40及びスペクトラ
ム歪検出部70Bの詳細構成を示すブロック図で、復調
部40において、41A,41Bはそれぞれトランスバ
ーサル等化部(TRE)、42A,42Bはそれぞれ位
相検波部、43A,43BはそれおれIF帯のバンドパ
スフィルタ(BPF)、44A,44BはそれぞれA/
D変換器(A/D)、45は局部発振器(LO)、4
6,47はそれぞれハイブリッドである。
【0268】一方、スペクトラム歪検出部70Bにおい
て、701,702はそれぞれ8ビットのレジスタ(R
EG)、703,704はそれぞれコンパレータ(C)
で、これらにより入力信号についてのディジタル復調信
号のうちの一方の信号の動く方向を判定する信号方向判
定部が構成される。また、705は減算器(SUB)、
706はデコーダ(DEC)である。
【0269】このような構成により、まず復調部40で
は、IFEQ信号がハイブリッド46により2分波され、
位相検波部42A,42Bにそれぞれ入力される。一
方、局部発振器45は、搬送波に位相同期した搬送波再
生信号を生成しており、この搬送波再生信号はハイブリ
ッド47でπ/2だけ位相の異なる2波に分波され、位
相検波部42A,42Bにそれぞれ入力される。
【0270】位相検波部42A,42Bでは、入力信号
に対してそれぞれ搬送波再生信号に応じた位相検波を施
すことにより、復調ベースバンド信号I,Qが得られ、
これらの復調ベースバンド信号I,Qがそれぞれ各A/
D変換器44A,44BでA/D変換されることによ
り、ディジタル復調信号I,QのデータIB ,QB が得
られる。
【0271】さらに、各データIB ,QB は、トランス
バーサル等化部41A,41Bによってそれぞれ時間領
域で振幅等化され、等化後のディジタル復調信号I,Q
のデータIT ,QT が得られる。一方、スペクトラム歪
検出部70Bでは、レジスタ701,702によってシ
ンボルタイミング毎のディジタル復調信号IのデータI
B が時系列に記憶される。この状態で、コンパレータ7
03では、現時点の信号IのデータIB0と一つ前の時点
の信号IのデータIB1とが比較され、比較結果として検
出信号C1 が出力される。なお、この検出信号C1
は、IB0>IB1,IB0=IB1,IB0<IB1のときの各検
出信号が含まれる。
【0272】さらに、このとき、コンパレータ704で
は、一つ前の時点の信号IのデータIB1と更に一つ前の
時点の信号IのデータIB2とが比較され、比較結果とし
て検出信号C2 が出力される。なお、この検出信号C1
には、IB1>IB2,IB1=I B2,IB1<IB2のときの各
検出信号が含まれる。一方、減算器(誤差情報検出部)
705では、トランスバーサル等化器41Bによる等化
前の信号QのデータQB から等化後のデータQT が差し
引かれることにより誤差電圧(±E)の検出データ(誤
差情報)Eが検出される。
【0273】そして、デコーダ(相関演算部)706で
は、これらの検出信号C1 ,C2 及び検出データEに基
づき、図12にて前述したような相関に従って、2ビッ
ト(b1 ,b0 )から成る正傾斜の検出信号(0,
1),負傾斜の検出信号(1,0)及び零傾斜の検出信
号(0,0又は1,1)が得られ、混合比生成部80へ
出力される。
【0274】具体的に、このデコーダ706では、例え
ば、検出信号C1 =IB0>IB1かつ検出信号C2 =IB1
>IB2がともに満足された場合は信号Iの動きは上向き
と判断され、検出信号C1 =IB0<IB1かつ検出信号C
2 =IB1<IB2がともに満足された場合は、信号Iの動
きは下向きと判断される。一方、誤差電圧±Eの検出デ
ータEについては、該検出データEが0を基準とする±
ΔEの微小範囲内にあるときは「0」と判断される。ま
たE>+ΔEの時は「+」と判断され、E<−ΔEの時
は「−」と判断される。
【0275】なお、この場合も、信号Iの上/下方向の
動きは2点以上の復調信号Iを時系列に比較することで
容易に判別できる。また、復調信号Iの動きはシンボル
点毎に検出しても良いし、それよりも短い周期で検出し
ても良い。さらに、図38は混合比生成部80Bの詳細
構成を示すブロック図で、この図38において、801
は差動増幅回路(DFA)、802はローパスフィルタ
(LPF)、803,804は反転増幅回路(IA)、
805〜808は半波整流回路(HRA)、809は反
転増幅回路(IA)、810は非反転増幅回路(NI
A)、811はレベルコンバータ(LVC)である。
【0276】ここで、差動増幅回路801は、1次傾斜
歪みの検出信号SPDにかかる2ビット(b1 ,b0
の信号レベルの差分を電圧信号に変換するものであり、
ローパスフィルタ(積分器)802は、差動増幅回路8
01からの出力(歪み検出信号)、すなわちIF信号の
1次傾斜歪みについての検出結果を積分するものであ
り、各反転増幅回路803,804は、ローパスフィル
タ802で積分された歪み検出信号を利得1で反転して
それぞれ半波整流回路806,808へ出力するもので
ある。
【0277】また、半波整流回路805は、ローパスフ
ィルタ805からの歪み検出信号が負の時は、入力に比
例する正レベルの電圧信号を、歪み検出信号が零及び正
の時は零の電圧信号をそれぞれ混合比制御電圧bとして
出力するものであり、半波整流回路806は、反転増幅
回路803で反転された歪み検出信号が、正の時は入力
に比例する正レベルの電圧信号を、零及び負の時は零の
電圧信号を混合比制御信号aとして出力するものであ
る。
【0278】さらに、半波整流回路807は、混合比制
御信号bと同様の信号bを生成するものであり、半波整
流回路808は混合比制御信号aと同等の信号aを生成
するものであり、反転増幅回路809は、負(−)の入
力端子で加算される信号(a+b)と、正(+)の入力
端子に入力される正の基準電圧レベルVREF 〔ただし、
REF ≧MAX(a+b)とする〕とに応じて、信号電
圧(a+b)を反転した形の電圧信号を混合比制御信号
cとして出力するものである。
【0279】また、非反転増幅回路810は、振幅検出
部60からのAGC信号に応じた基準電圧を各半波整流
回路805,806及び反転増幅回路809へ供給する
ものである。なお、レベルコンバータ811は、非反転
増幅回路810の出力を受けて、これをグランドレベル
Gを基準にして上記基準電圧レベルVREF とは逆方向に
レベルシフトするような電圧信号VREF/に変換するもの
で、この図38中に破線で示すように、この電圧信号V
REF/を半波整流回路805,806の正(+)の入力端
子に加えるように回路を構成してもよい。
【0280】上述のごとく構成された混合比生成部80
Bでは、差動増幅回路801によって入力信号の1次傾
斜歪みの検出信号SPDに係る2ビット(b1 ,b0
の信号レベルの差分が電圧信号に変換される。すなわ
ち、正傾斜歪みの検出信号(0,1)は、論理0レベル
−論理1レベルにより負の電圧信号に変換され、負傾斜
歪みの検出信号(1,0)は、論理1レベル−論理0レ
ベルにより正の電圧信号に変換され、零傾斜歪みの検出
信号(0,0又は1,1)は零の電圧信号に変換され
る。そして、得られた各電圧信号は、ローパスフィルタ
(積分器)802により積分される。
【0281】また、半波整流回路805からは、歪み検
出信号が負の時は入力に比例する正レベルの電圧信号
が、歪み検出信号が零及び正の時は零の電圧信号が、そ
れぞれ図35(a)に示したような電圧波形をもった混
合比制御信号bとして出力される。さらに、反転増幅回
路803からは、利得1で反転した歪み検出信号が半波
整流回路806へ出力され、これにより、半波整流回路
806からは、歪み検出信号が正の時は入力に比例する
正レベルの電圧信号が、歪み検出信号が零及び負の時は
零の電圧信号が、それぞれ図35(a)に示したような
電圧波形をもった混合比制御信号aとして出力される。
【0282】同様にして、半波整流回路807からは、
混合比制御信号bと同等の信号bが出力され、且つ、半
波整流回路808からは、混合比制御信号aと同等の信
号aが出力される。そして、これらの信号a,bは反転
増幅回路809の負(−)の入力端子で加算(a+b)
される一方、反転増幅回路809の正(+)の入力端子
には正の基準電圧レベルVREF が入力される。
【0283】この結果、反転増幅回路809の出力に
は、信号電圧(a+b)を反転した形の電圧信号〔例え
ば(a+b)=0の時にVREF ≧MAX(a+b)〕
が、図35(a)に示したような電圧波形をもつ混合比
制御信号cとして出力される。つまり、この混合比生成
部80では、スペクトラム歪検出部70で検出された1
次傾斜歪の特性についての積分結果が零傾斜歪みを示す
場合は、零傾斜振幅等化部204の出力の混合比を最大
にし、且つ、正傾斜振幅等化部202及び負傾斜振幅等
化部203の各出力の混合比を最小にするとともに、積
分結果が負傾斜歪みを示す場合は、この負傾斜歪みを相
殺すべく正傾斜振幅等化部202の出力の混合比を増加
させる一方、積分結果が正傾斜歪みを示す場合は、この
正傾斜歪みを相殺すべく負傾斜振幅等化部204の出力
の混合比を増加させるような信号が混合比制御信号a〜
cとして生成されている。
【0284】なお、上記の基準電圧レベルVREF を内部
で固定にしたものが図34に示す混合比制御部80Aの
構成となる。また、この図38に示す混合比生成部80
Bは、さらに非反転増幅回路810をそなえており、こ
の非反転増幅回路810の「+」入力端子に、振幅検出
部60からのAGC信号が入力されている。AGC信号
は、各シンボルタイミングにおける復調ベースバンド信
号BBSが規定のシンボルレベルと一致している場合は
所定の正の基準電圧レベルAGCREF になる。これに対
応する非反転増幅回路810の出力レベルは上記の基準
電圧レベルVREF である。
【0285】そして、例えば、何らかの理由によりディ
ジタル復調信号(BBS)が規定のシンボルレベルを超
え、これに伴いAGC信号のレベルが下がると、基準電
圧レベルVREF も下がり、混合比制御信号cのレベルも
下がる。これにより零傾斜振幅等化部203の寄与分は
相対的に減少し、系の利得が下がる。一方、復調ベース
バンド信号BBSが規定のシンボルレベルを下回り、こ
れに伴いAGC信号が上がると、基準電圧レベルVREF
も上がり、混合比制御信号cのレベルも上がる。これに
より零傾斜振幅等化部203の寄与分は相対的に増大
し、系の利得が上がる。
【0286】つまり、零傾斜振幅等化部203の寄与分
のみでAGC制御を行うので、この制御が極めて容易に
行えるようになる。なお、非反転増幅回路810の出力
をレベルコンバータ811に入力するとともに、これを
グランドレベルGを基準にして上記基準電圧レベルV
REF とは逆方向にレベルシフトするような電圧信号V
REF/に変換し、これを半波整流回路805,806の+
入力端子に加えるように回路を構成しても良い。こうす
れば、零傾斜振幅等化部203の寄与分とともに、正傾
斜,負傾斜振幅等化部202,204の寄与分も同時に
増減し、AGC制御のループゲインが上がる。
【0287】また、半波整流回路805〜808に代え
て、いわゆる関数発生回路を使用しても良い。こうすれ
ば、図35(a)に示すごとく直線的な混合比制御信号
a〜cではなく、任意の曲線状の混合比制御信号a〜c
が得られ、振幅等化特性及び又はAGC特性を歪み検出
信号に応じてダイナミックに変化させることが可能とな
る。
【0288】図39は混合比生成部80Bの他の構成を
示すブロック図で、この図39において、821は減算
器(SUB)、822は加算器、823はアキュムレー
タ(ACC)、824〜826はROM、827〜82
9はD/Aコンバータ(D/A変換器)、830はA/
Dコンバータ(A/D変換器)である。そして、この図
39に示す混合比生成部80では、減算器821がスペ
クトラム歪の検出信号SPDに係る2ビット信号
(b1 ,b0 )の差分をとり、正/負のサイン1ビット
と、マグニチュード1ビットから成る計2ビット信号を
出力する。すなわち、正傾斜歪みの検出信号(0,1)
は(0−1)の演算により−1の2ビット信号に変換さ
れ、負傾斜歪みの検出信号(1,0)は1−0の演算に
より+1の2ビット信号に変換される。また零傾斜歪検
出信号(0,0又は1,1)は(0−0又は1−1)の
演算により0の2ビット信号に変換される。
【0289】また、加算器822は、減算器821の各
出力信号をアキュムレータ823に累積加算(積分)す
る。一方、A/Dコンバータ830は、振幅検出部60
からのAGC信号をディジタル信号(例えば4ビット)
に変換する。そして、アキュムレータ823の出力は、
ROM(変換メモリ)824〜826のアドレス入力A
1 に入力され、A/Dコンバータ830の出力は、RO
M824〜826のアドレス入力A2 にそれぞれ入力さ
れる。なお、アドレス入力A 1 ,A2 はどちらが上位,
下位であってもよい。
【0290】また、ROM824〜826は、アドレス
入力A1 (歪み検出信号)に対応する番地に、図35
(a)に示すごとく特性の制御信号データb,a,cを
それぞれ記憶しており、これらの制御信号データb,
a,cの値は、アドレス入力A2(AGC信号)によっ
て所要の方向にレベルシフトされ、又は増幅度を変える
べく調整される。
【0291】そして、ROM824〜826より読み出
された各制御信号データb,a,c(例えば8ビット)
は、D/Aコンバータ827〜829によりそれぞれア
ナログ電圧の混合比制御信号b,a,cに変換される。
このように、本実施例では、関数発生手段としてROM
824〜826を使用しているので、どのような混合比
制御信号b,a,cでも極めて容易に発生できる。例え
ば、外部のシミュレーションにより最適な制御関数b,
a,cを求め、これらを容易にROM824〜826に
組み込むことができる。
【0292】なお、ROM824〜826のアドレスビ
ット数及びデータビット数は任意で良い。またROM8
24〜826に代えて、図38により前述したような制
御電圧の制御を論理回路で構成しても良い。 (n)第14実施例の説明 図40は本発明の第14実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図で、この図40に示す自動振幅
等化器は、第13実施例に示す1次傾斜補償部20Aの
代わりに凸傾斜振幅等化部209を用いて構成された1
次傾斜補償部20Bをそなえ、さらに、制御部90Aの
代わりにスペクトラム歪検出部70C及び混合比生成部
80Cからなる制御部90Cをそなえて構成されてい
る。
【0293】ここで、凸傾斜振幅等化部209は、例え
ば、中心周波数がf0 であるようなLC共振回路で構成
され、その出力は可変減衰器を介することなく常に一定
の混合比で混合器208に入力されるようになってい
る。つまり、本実施例における1次傾斜補償部20A
は、正傾斜振幅等化部202及び負傾斜振幅等化部20
4に対応して可変減衰器205,207をそなえ、これ
らの各可変減衰器205,207の減衰度を、後述する
制御部90で生成される混合比制御信号a,bに応じて
個別に制御することにより、正傾斜振幅等化部202及
び負傾斜振幅等化部204の出力をそれぞれ可変の混合
比で混合するとともに、凸傾斜振幅等化部209の出力
が一定の混合比で混合されるようになっている。
【0294】また、制御部90Cは、復調部40を通じ
て得られるIF信号についてのディジタル復調信号の1
次傾斜歪みを検出して、その検出結果に応じて1次傾斜
補償部20Bの正傾斜振幅等化部202,負傾斜振幅等
化部204の各出力の混合比を制御する混合比制御信号
a,bを生成するものである。なお、本実施例でも、混
合比生成部80Cに振幅検出部60からのAGC信号が
入力され、独自のAGCループが実現されている。
【0295】そして、本実施例における混合比生成部8
0Cは、凸傾斜振幅等化部209の出力が一定の混合比
で混合されることから、正傾斜振幅等化部202,負傾
斜振幅等化部204の各出力の混合比を制御する混合比
制御信号a,bのみを生成すべく、図41に示すよう
に、図38に示す混合比生成部80Bにおける反転増幅
回路804,809及び半波整流回路807,808を
省いた構成となっている。なお、本実施例でも、スペク
トラム歪検出部70Cは、第13実施例にて前述したス
ペクトラム歪検出部70Bと同様のものである。
【0296】このような構成により、本実施例における
自動振幅等化器でも、まず制御部90Cでは、スペクト
ラム歪検出部(1次傾斜検出部)70によって、入力信
号についてのディジタル復調信号(BBS)に基づいて
入力信号の1次傾斜歪の特性(正傾斜,負傾斜,零傾
斜)特性が検出され、混合比生成部80によって、スペ
クトラム歪検出部70での検出結果に応じて混合比制御
信号a,bが生成される。
【0297】具体的には、この場合も、スペクトラム歪
検出部70Cでは、図37にて前述したごとく、入力信
号についてのディジタル復調信号I,Qのうちの一方の
信号Iの動く方向が各レジスタ701,702と各コン
パレータ703,704とにより判定され、この一方の
信号Iに対し直交するディジタル復調信号I,Qのうち
の他方の信号Qから減算器(誤差情報検出部)705に
よって誤差情報Eが検出される。
【0298】そして、これらの信号Iの動く方向と信号
Qの誤差情報Eとの相関に基づいて、入力信号について
の1次傾斜歪みの特性が、デコーダ(相関演算部)70
6によって演算にて検出されて2ビット(b1 ,b0
の歪み検出信号SPDとして混合比生成部80Cへ出力
される。これにより、この混合比生成部80Cでは、第
13実施例の変形例にて前述したごとく1次傾斜補償部
20Bの正傾斜振幅等化部202,負傾斜振幅等化部2
04の各出力の混合比を可変にするための混合比制御信
号a,bが生成されて1次傾斜補償部20Bへ出力され
る。
【0299】具体的に、この混合比生成部80Cでは、
歪み検出信号SPDがローパスフィルタ(積分器)80
2で積分され、この積分結果が零傾斜歪みを示す場合、
つまり、1次傾斜歪みがない場合は、正傾斜振幅等化部
202及び負傾斜振幅等化部204の各出力の混合比を
均一にするとともに、積分結果が負傾斜歪みを示す場合
は、この負傾斜歪みを相殺すべく正傾斜振幅等化部20
2の出力の混合比を増加させる一方、積分結果が正傾斜
歪みを示す場合は、この正傾斜歪みを相殺すべく負傾斜
振幅等化部204の出力の混合比を増加させるような混
合比制御信号a,bが生成される。
【0300】なお、この場合も、この混合比生成部80
Cは、図42に示すように、図39により前述した減算
器(SUB)821,加算器822,アキュムレータ
(ACC)823,ROM(変換メモリ)824,82
5,D/Aコンバータ(D/A変換器)827,828
及びA/Dコンバータ(A/D)830をそなえて構成
すれば、極めて簡素な構成で、上述の各混合比制御信号
a,bを得ることができる。
【0301】次に、上述のごとく得られた各混合比制御
信号a,bに応じた1次傾斜補償部20BによるIF信
号の1次傾斜歪みの等化動作について詳述する。図43
(a),図43(b)はそれぞれ本等化器の動作を説明
するための図であり、この場合も、図68(b)にて前
述したものと同様の動作条件を想定している。ただし、
各等化特性p,n及びこれらの合成特性mは省略してい
る。
【0302】そして、この図43(a)において、IF
EQ′信号は図66により前述した1次傾斜補償部20′
の出力に対応する。これは、この図43(a)に示すご
とく周波数f0 の付近で3dB程度劣化するような凹形
状のものであった。この劣化は特性p,nが共に急傾斜
(非線形)特性を有しているために起こったものであ
り、従って、劣化の大きさは常に一定となる。
【0303】そこで、凸傾斜振幅等化部209の凸傾斜
特性を、図43(a)に示すごとく周波数f0 の付近で
常に3dB程度の特性改善をもたらすような凸形状に選
ぶ。ここで、このような凸形状は、いわゆるLC共振回
路のQ(共振特性の尖鋭度)を適宜に選択することで容
易に得られる。従って、この図40に示す本等化器によ
れば、IFEQ′信号を常に一定の凸傾斜特性で振幅等化
する形となり、出力には常に平坦なフェージング特性を
もったIFEQ信号が得られる。
【0304】このように、本実施例における自動振幅等
化器によれば、1次傾斜補償部20Aが、正傾斜振幅等
化部202及び負傾斜振幅等化部204に加えて、凸傾
斜振幅等化部209をそなえ、正傾斜振幅等化部202
及び負傾斜振幅等化部204の出力をそれぞれ可変の混
合比で混合するとともに、凸傾斜振幅等化部の出力を一
定の混合比で混合するので、IF信号(入力信号)の正
傾斜歪み,負傾斜歪みに係わらず、極めて高精度に、こ
れらの1次傾斜歪みを補償することができ、この結果、
1次傾斜補償部20Aの出力には、常に平坦なフェージ
ング特性をもったIFEQ信号が得られる。
【0305】従って、例えば、タップ数が9タップとい
う高性能なトランスバーサル等化器41を併用した場合
も、このトランスバーサル等化器41は、全IF帯域に
渡って20dB程度の深さまでのフェージング歪みを一
様に10-3のエラー率の範囲内で等化でき、この結果、
図43(b)に示すごとく平坦な等化特性EQT9 を得
ることができる。
【0306】なお、本実施例では1次傾斜歪みの自動等
化について述べたが、本発明はこれに限定されず、例え
ば、伝送路歪が固定化されているような場合では、1次
傾斜補償部20Aに、各等化部202〜204のみをそ
れぞれ単独で用いても同等の効果が得られる。また、本
実施例では、1次傾斜補償部20AのIF信号への適用
例について述べたが、本発明はこれに限定されずベース
バンド信号などにも適用可能である。
【0307】(o)第15実施例の説明 図44は本発明の第15実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図で、この図44において、9は
アンテナ、10は受信部、11は1次傾斜補償部、12
は自動利得制御部(AGC)、13′は復調器、14′
は1次傾斜制御部、15はトランスバーサル等化器(T
RE)、17A,17BはそれぞれA/D変換器、18
は2次傾斜補償部、19は2次傾斜制御部である。な
お、本実施例では、1次傾斜補償部11及び2次傾斜補
償部18が復調器13′の前段に設けられている。
【0308】ここで、受信部10は、アンテナ9で受信
したRF(高周波)信号をIF(中間周波)信号に周波
数変換(ダウンコンバート)して1次傾斜補償部11へ
出力するものであり、1次傾斜補償部(1次傾斜形振幅
等化部)11は、受信部10からのIF信号(入力信
号)の傾斜歪み(振幅特性)を周波数領域において1次
傾斜振幅特性に応じて補償するものである。
【0309】このため、本実施例における1次傾斜補償
部11も、第1実施例と同様、図45に示すように、ハ
イブリッド(H)111,周波数領域において正傾斜の
1次傾斜振幅特性をもつ正傾斜振幅等化部112,周波
数領域において負傾斜の1次傾斜振幅特性をもつ負傾斜
振幅等化部114及び可変減衰器115,117を有し
て構成される。
【0310】また、自動利得制御部12は、1次傾斜補
償部11からの出力信号の利得を一定に制御して復調器
13′へ出力するものであり、復調器13′は、自動利
得制御部12を通じて出力される1次傾斜補償部11か
らの信号を直交検波することにより互いに直交する2種
の復調ベースバンド信号I,Qを得るものであり、各A
/D変換器17A,17Bは、この復調ベースバンド信
号I,QをA/D変換することによりディジタル復調信
号I,Qを得るものである。
【0311】トランスバーサル等化器15は、各ディジ
タル復調信号I,Qをそれぞれ時間領域で等化して等化
後信号ITRE ,QTRE として出力するものである。とこ
ろで、1次傾斜制御部(第1制御部)14′は、第1実
施例にて前述した制御部14と同様のもので、復調器1
3′及び各A/D変換器17A,17Bを通じて得られ
るディジタル復調信号I,QからIF信号の1次傾斜歪
みを検出し、その検出結果を1次傾斜補償部11用の制
御信号、具体的には、各可変減衰器115,117の減
衰度を調整する制御信号として出力するものである。
【0312】このため、本実施例でも、この1次傾斜制
御部14Aは、図46に示すように、図14により前述
したものとそれぞれ同様の上昇/下降識別部141,回
転方向識別部142及び積分器143を有して構成され
る。従って、この場合も、上昇/下降識別部(信号方向
判定部)141は、ディジタル復調信号I,Qのうちの
一方の信号Iをデータクロック周期でサンプリングして
比較することにより、この信号Iの動く方向(信号Iの
値の変化の方向)を判定するものであり、回転方向識別
部(誤差情報検出部,相関演算部)142は、この信号
Iに対し直交するディジタル復調信号Qから誤差電圧
(誤差情報)E=±Eを検出し、この信号Qの誤差情報
Eと上昇/下降識別部141で得られた信号Iの動く方
向との相関(図12参照)に基づき、上述の制御信号を
生成して出力するものである。積分器143は、この回
転方向識別部142で得られた制御信号を積分するもの
である。
【0313】また、2次傾斜補償部(2次傾斜形振幅等
化部)18は、IF信号の傾斜歪み(振幅特性)を周波
数領域において2次傾斜振幅特性に応じて補償するもの
で、図47に示すように、コンデンサ181,185,
抵抗182,184,PINダイオード183及びコイ
ル(L)186Aとコンデンサ(C)186Bとからな
る共振回路186をそなえて構成される。
【0314】ここで、共振回路186は、例えば、受信
したIF信号の中心周波数がf0 であった場合に、図4
8に示すように、周波数f0 付近の振幅が最も高くなる
ような共振特性(2次傾斜振幅特性)をもった共振信号
を発生するもので、後述する2次傾斜制御部19からの
制御信号に応じてPINダイオード183の抵抗値が制
御されることによって、この共振回路186の共振特性
の尖鋭度「Q」が制御されて、IF信号の2次傾斜歪み
が2次傾斜振幅特性に応じて等化(補償)されるように
なっている。
【0315】そして、2次傾斜制御部(第2制御部)1
9は、本実施例の要部となる部分で、ディジタル復調信
号I(又は、Q)からIF信号の2次傾斜歪み(2次傾
斜振幅特性)を検出し、その検出結果に基づき2次傾斜
補償部18用の制御信号、つまり、上述の共振回路18
6の尖鋭度「Q」を制御するための制御信号を生成して
2次傾斜補償部18へ出力するものである。
【0316】このため、この2次傾斜制御部14Bは、
図49に示すように、信号状態監視部190,ANDゲ
ート196,フリップフロップ回路(FF)197,1
98,2次傾斜検出部199,フリップフロップ回路
(FF)201及び積分器202をそなえて構成され
る。ここで、信号状態監視部190は、ディジタル復調
信号I(Qでもよい)の信号データ(値)Dの変化状
態、例えば、後述するごとく受信アイパターンが2値の
場合であれば“1”,“0”が繰り返される状態かどう
かを監視するもので、本実施例では、この図49に示す
ように、フリップフロップ回路(FF)191A−1,
191A−2,191B−1,191B−2からなる遅
延部191と交番信号判定部192とをそなえて構成さ
れる。なお、以下では、説明の便宜上、受信アイパター
ンが2値(“1”,“0”)の場合を想定するが、2値
以上の多値の場合でも同様である。
【0317】そして、各フリップフロップ回路(遅延素
子)191A−1,191A−2,191B−1,19
1B−2は、A/D変換器17A(A/D変換器17
B)を通じて得られるディジタル復調信号I(Q)に対
してそれぞれ所要の遅延を施すもので、本実施例では、
後述する2次傾斜検出部196への信号データDを基点
として、前方2段(フリップフロップ回路191A−
1,191A−2)、後方2段(フリップフロップ回路
191B−1,191B−2)で信号データDに対して
それぞれ遅延が施され、計5点の時刻での信号データD
が取られるようになっている。
【0318】なお、この遅延部191は、フリップフロ
ップ回路191A−1〜191A−M(Mは自然数),
フリップフロップ回路191B−1〜191B−N(N
は自然数)により前方M段、後方N段の構成にしてもよ
い。また、交番信号判定部(特定信号状態判定部)19
2は、これらの各フリップフロップ回路191A−1,
191A−2,191B−1,191B−2からのディ
ジタル復調信号Iの各信号データDが“1”,“0”を
交互に繰り返す状態(特定の変化状態)であるかどうか
を判定するもので、この場合は、各信号データDが
“1”,“0”を交互に繰り返す状態であると判定され
たときに“H”レベル信号が出力されるようになってい
る。
【0319】さらに、ANDゲート193は、2つの入
力に対して論理積演算を施すもので、交番信号判定部1
92での判定結果と所要のタイミングクロックパルスと
がともに“H”レベルとなったときに“H”レベル信号
が出力されるようになっている。また、2次傾斜検出部
196は、フリップフロップ回路191A−1,191
A−2でそれぞれ遅延を施されたディジタル復調信号I
の信号データDと、A/D変換器17Aでの識別レベル
と信号データDのシンボルレベルとの誤差により生じる
誤差信号(誤差情報)εとの相関に基づきIF信号の2
次傾斜歪みを検出するもので、本実施例では、EX−O
Rゲート(排他的論理和演算素子)197によって、デ
ィジタル復調信号IのデータDと誤差情報εとについて
排他的論理和演算が施されるようになっている。
【0320】なお、この2次傾斜検出部196は、図4
4に1点鎖線で示すように、ディジタル復調信号I(Q
でもよい)をさらにトランスバーサル等化器15で処理
した等化後信号ITRE (QTRE )の信号データDと誤差
信号εとについてEX−ORゲート197で排他的論理
和演算を施すようにすれば、より高精度に、その相関に
基づいてIF信号の2次傾斜歪みを検出できるようにな
る。
【0321】また、各フリップフロップ回路194,1
95は、この2次傾斜検出部196によるディジタル復
調信号IのデータDと誤差情報εとについての演算タイ
ミングが一致するよう各フリップフロップ回路191A
−1,191A−2に対応して設けられた遅延素子であ
る。さらに、フリップフロップ回路198は、2次傾斜
検出部196でのEX−ORゲート203による演算結
果、つまり検出されたIF信号の2次傾斜歪みをラッチ
しておき、ANDゲート193から“H”レベル信号を
受けるごとに、その検出結果を出力するものであり、積
分器199は、この検出結果を積分することにより平均
化して、2次傾斜補償部18用の制御信号として出力す
るものである。
【0322】つまり、この図49に示す2次傾斜制御部
19は、信号状態監視部190でディジタル復調信号I
の信号データDが、例えば“1”,“0”を交互に繰り
返すような特定の変化状態であると判定された場合に、
2次傾斜検出部196で検出されたIF信号の2次傾斜
歪みに基づき2次傾斜補償部18用の制御信号が出力さ
れるようになっている。
【0323】上述のごとく構成された本実施例の自動振
幅等化器では、1次傾斜制御部14′によってIF信号
の1次傾斜歪みが検出され、その検出結果に基づき、1
次傾斜補償部11用の制御信号が生成され1次傾斜補償
部11の各可変減衰器115,117へ出力される。具
体的には、本実施例でも、この1次傾斜制御部14′で
は、復調器13′,各A/D変換器17A,17Bを通
じて得られるディジタル復調信号I,Qのうちの一方の
信号Iの動く方向が上昇/下降識別部141で判定さ
れ、ディジタル復調信号Qとこの信号Qをさらにトラン
スバーサル等化器15で処理した後の等化後信号QTRE
との差が回転方向識別部142で演算されることにより
信号Qの誤差情報Eが検出される。
【0324】そして、回転方向識別部142では、これ
らの信号Iの動く方向と信号Qの誤差情報との相関(図
12参照)に基づいて、IF信号の1次傾斜歪みの特性
(正傾斜,負傾斜,零傾斜)が検出され、これに応じた
信号が1次傾斜補償部11用の制御信号として出力され
る。これにより、1次傾斜補償部11では、この1次傾
斜制御部14′からの制御信号に応じて、各可変減衰器
115,117の減衰度が調整され正傾斜振幅等化部1
12及び負傾斜振幅等化部114の各出力が可変の混合
比で混合されて、IF信号の1次傾斜歪みが1次傾斜振
幅特性に応じて確実に相殺されて補償される。
【0325】さらに、本等化器では、このとき、2次傾
斜制御部19によって、ディジタル復調信号I(Qでも
よい)からIF信号の2次傾斜歪みが検出され、この検
出結果に応じて2次傾斜補償部18用の制御信号が2次
傾斜補償部18へ出力され、これにより、IF信号の1
次傾斜歪みに加えて2次傾斜歪みも補償される。以下、
この2次傾斜制御部19によるIF信号の2次傾斜歪み
の検出原理について詳述する。
【0326】まず、受信部10でダウンコンバートされ
ることにより得られたIF信号は、空間上でフェージン
グなどの歪みを受けていない場合は、例えば、図50
(a)に示すような正常なスペクトラムをもっている
が、2次傾斜歪みを受けている場合、このスペクトラム
は、図50(b)に示すように、中心周波数f0 付近が
凹状となったスペクトラムになる。
【0327】そして、このような2次傾斜歪みをもつI
F信号が復調器13′で復調されると、復調ベースバン
ド信号I,Qの片チャネル分のスペクトラムは、図50
(c)に示すように、1次傾斜歪みをもったスペクトラ
ム、つまり周波数の低い成分と高い成分との間で振幅に
差を生じたスペクトラムとなる。従って、逆に、復調ベ
ースバンド信号Iの周波数の低い成分と高い成分との間
の振幅差(歪み量)を検出できれば、容易に、復調器1
3′による復調前のIF信号の2次傾斜歪みを検出でき
ることになる。
【0328】そこで、本実施例では、信号状態監視部1
90によって周波数の高い成分の信号を検出し、2次傾
斜検出部196によってその歪み量を検出することによ
り、IF信号の2次傾斜歪みを検出している。ここで、
まず、周波数の高い成分の信号であるが、これは、図5
1(a)に示すような受信アイパターン上で矢印に示す
ような経路を取る信号である。そして、このような周波
数の高い成分の信号が、図51(b)に示すように、受
信アイパターンのアイ(開口部)が最も開いた点ごとに
“H”レベルとなる最適なA/D変換タイミングに従っ
てA/D変換されると、その信号データDは、“0”,
“1”を繰り返す状態(交番データ)になる。
【0329】従って、ディジタル復調信号Iの信号デー
タDが、このように“0”,“1”を繰り返す交番デー
タであれば、その信号は周波数の高い成分の信号である
と判定できる。信号状態監視部190では、このような
理論に基づいた判定が行われており、A/D変換器17
Aからのディジタル復調信号IのデータDが各フリップ
フロップ回路191A−1,191A−2,191B−
1,191B−2でそれぞれ所要の遅延を施され、それ
ぞれが交番信号判定部192へ出力されることにより、
これらの各信号データDが“0”,“1”を繰り返す交
番データであるかどうかが確実に交番信号判定部192
で判定される。
【0330】そして、この結果、各信号データDが交番
データであると判定された場合には、交番信号判定部1
92から“H”レベル信号が出力される。一方、周波数
の高い成分の信号の歪み量であるが、これは、上述のご
とく信号状態監視部190によってディジタル復調信号
Iの信号データDが交番データであると判定された場合
のディジタル復調信号Iの歪み量であるので、ディジタ
ル復調信号Iの誤差信号εを検出すればよい。
【0331】ここで、ディジタル復調信号Iの歪み量
は、ディジタル復調信号Iの信号データDと誤差信号ε
との排他的論理和演算によって得られることが分かって
いる。そこで、本実施例では、2次傾斜検出部196に
よって、ディジタル復調信号Iの信号データDと誤差信
号εとに対してEX−ORゲート197で排他的論理和
演算を施すことにより、ディジタル復調信号Iの歪み量
を検出している。
【0332】例えば、図52(a)に示すように、周波
数の高い成分の信号の振幅が所定のA/D変換レベルよ
りも小さい場合は、(信号データD,誤差信号ε)の組
合せは、(0,1)又は(1,0)となるので、排他的
論理和演算による演算結果は“1”となり、逆に、図5
2(b)に示すように、周波数の高い成分の信号の振幅
が所定のA/D変換レベルよりも大きい場合は、(信号
データD,誤差信号ε)の組合せは、(0,0)又は
(1,1)となるので、排他的論理和演算による演算結
果は“0”となる。
【0333】そして、この2次傾斜検出部196での検
出結果は、フリップフロップ回路201で一端ラッチさ
れ、ANDゲート196から“H”レベル信号を受けた
場合にのみ、すなわち、ディジタル復調信号Iの信号デ
ータDが“0”,“1”を繰り返す交番データであると
判定された場合にのみ有効なデータとして出力される。
つまり、IF信号の2次傾斜歪みの特性を示すデータと
して周波数の高い成分の信号の歪み量が出力される。
【0334】その後、上述のごとく得られたIF信号の
2次傾斜歪みのデータは積分器202で平均化されて2
次傾斜補償部18用の制御信号として出力され、これに
より、2次傾斜補償部18(図47参照)では、この制
御信号に応じてPINダイオード183の電流値が調整
されて共振回路186(図48参照)の尖鋭度「Q」が
制御され、この結果、図50(b)に示すごとく凹状に
生じているIF信号の2次傾斜歪みが確実に相殺され補
償される。
【0335】なお、図53(a)〜図53(c)はそれ
ぞれ等化器の等化特性(Mカーブ)の一例を示す図で、
図53(a)はトランスバーサル等化器15のみを用い
た場合、図53(b)はトランスバーサル等化器15に
1次傾斜補償部11のみを併用した場合、図53(c)
はトランスバーサル等化器15に1次傾斜補償部11と
2次傾斜補償部18とを併用した場合である。
【0336】そして、図53(c)に示すように、トラ
ンスバーサル等化器15,1次傾斜補償部11に加えて
2次傾斜補償部18を併用することで、等化器のビット
エラー率(BER)が劣化して瞬断などが生じることを
表す斜線部分の範囲が、図53(a),図53(b)に
示すものに比して大幅に小さくなっており、本等化器の
等化特性が飛躍的に向上していることがわかる。
【0337】以上のように、本発明の第15実施例とし
ての自動振幅等化器によれば、1次傾斜制御部14′及
び1次傾斜補償部11によってIF信号(入力信号)に
ついてのディジタル復調信号I,QからIF信号の1次
傾斜歪み(1次傾斜振幅特性)を検出してこの1次傾斜
歪みを補償するとともに、2次傾斜制御部19によって
ディジタル復調信号I(Qでもよい)からIF信号の2
次傾斜歪み(2次傾斜振幅特性)を検出し、これに基づ
きIF信号の2次傾斜歪みも補償することができるの
で、さらに、本等化器の等化能力を飛躍的に向上させる
ことができる。
【0338】また、本実施例における自動振幅等化器に
よれば、復調器13′の前段にそれぞれ1つずつ1次傾
斜補償部11及び2次傾斜補償部18を設けるという極
めて簡素な構成で、IF信号の1次傾斜歪み,2次傾斜
歪みの両方を有効に補償することができる。なお、本実
施例では、1次傾斜補償部11の後段に2次傾斜補償部
18が配置されているが、この配置関係は逆にしても同
様である。
【0339】また、1次傾斜補償部11には、図54に
示すような1次傾斜補償部11Aを用いてもよい。ここ
で、この図54に示す1次傾斜補償部11Aは、第5実
施例において図24に示したものと同様のもので、ハイ
ブリッド(H)111A,114A,トランスバーサル
等化器(TRE)112A,113Aを有して構成され
ている。
【0340】つまり、この1次傾斜補償部11Aは、図
24にて前述したのと同様に、時間領域において1次傾
斜振幅等化特性を有するトランスバーサル等化器(TR
E)112A,113Aを用いることで、IF信号の1
次傾斜歪みを時間領域において補償できるようになって
いるのである。なお、各トランスバーサル等化器112
A,113Aの構成は図25に示すものとそれぞれ同様
である。
【0341】従って、この1次傾斜補償部11Aでは、
1次傾斜制御部14′からの制御信号に応じて、第5実
施例にて前述したごとくトランスバーサル等化器112
A,113Aの各タップ係数が制御されて、IF信号の
1次傾斜歪みが時間領域において補償されるので、例え
ば、IF信号の1次傾斜歪みが遅延時間差の長い干渉波
によって生じたものである場合などには、極めて有効
に、このIF信号の1次傾斜歪みを補償することができ
る。
【0342】また、本実施例における2次傾斜補償部1
8は、共振回路186を用いて周波数領域において2次
傾斜振幅特性を有するように構成されているが、この2
次傾斜補償部18も、上述の1次傾斜補償部11Aと同
様に、ハイブリッド111A,114A,トランスバー
サル等化器112A,113Aを用いて構成すれば、2
次傾斜制御部19からの制御信号に応じて、各トランス
バーサル等化器112A,113Aのタップ係数が制御
されることにより、IF信号の2次傾斜歪みを時間領域
において確実に補償することができる。
【0343】従って、IF信号の2次傾斜歪みが遅延時
間差の長い干渉波によって生じたものである場合でも、
極めて有効に、このIF信号の2次傾斜歪みを補償する
ことができる。また、1次傾斜制御部14′では、ディ
ジタル復調信号I,Qのうち、信号Iの動く方向を判定
し信号Qから誤差情報Eを検出して、これらの相関に基
づいてIF信号の1次傾斜歪みを検出しているが、本実
施例でも、逆に、信号Qの動く方向を判定し信号Iから
誤差情報Eを検出して、これらの相関に基づいてIF信
号の1次傾斜歪みを検出するようにしてもよい。
【0344】なお、この1次傾斜制御部14′には、図
55に示すように、図20により前述した制御部14a
と同様の上昇/下降識別部141A,141B(第1,
第2信号方向判定部),回転方向識別部142A,14
2B(第1,第2誤差情報検出部,第1,第2相関演算
部),積分器143A,143B及びOR素子144を
有する1次傾斜制御部14a′を用いてもよい。
【0345】これにより、この1次傾斜制御部14a′
では、第2実施例にて前述したごとく、各上昇/下降識
別部141A,141Bによってそれぞれディジタル復
調信号I,Qの双方の信号の動く方向を判定し、回転方
向識別部142A,142Bによって各ディジタル復調
信号I,Qと各ディジタル復調信号I,Qをトランスバ
ーサル等化器15で処理した等化後信号ITRE ,QTRE
との誤差情報を検出して、それぞれ信号Iの動く方向と
信号Qの誤差情報との相関及び信号Qの動く方向と信号
Iの誤差情報との相関に基づいて1次傾斜補償部11用
の制御信号を得ることができる。
【0346】従って、この場合は、より精度の高い1次
傾斜補償部11用の制御信号が得られ、さらに確実にI
F信号の1次傾斜歪みを補償することができるようにな
る。さらに、本実施例における2次傾斜制御部19は、
信号状態監視部190によって、ディジタル復調信号I
のデータDが“0”,“1”を繰り返す交番データであ
るかどうかを判定することによって、周波数の高い成分
の信号を検出するように構成されているが、この2次傾
斜制御部19は、例えば、図56に示す2次傾斜制御部
19′のように、反転・非反転部191Cを設け、交番
信号判定部192に代えて一定信号判定部192′を設
けて構成してもよい。
【0347】ここで、反転・非反転部191Cは、各フ
リップフロップ回路(遅延素子)191A−1,191
A−2,191B−1,191B−2からの各ディジタ
ル復調信号I(Qでもよい)の値が“0”,“1”を交
互に繰り返す状態である場合に各ディジタル復調信号I
の値について反転,非反転処理を施すことにより各ディ
ジタル復調信号Iの値を“0”又は“1”の一定値に変
換して出力するもので、この場合は、反転ゲート191
C−1,191C−2によって反転処理が施されること
により、各ディジタル復調信号Iの値が“0”又は
“1”の一定値に変換されて出力されるようになってい
る。
【0348】従って、この場合、一定信号判定部(特定
信号状態判定部)192′では、この反転・非反転部1
91Cからの出力を受けて各ディジタル復調信号Iの値
が“0”又は“1”の値を一定に保った状態であるかど
うかの判定を行うだけで、容易に、ディジタル復調信号
Iが周波数の高い成分の信号かどうかを検出することが
できる。
【0349】なお、この場合も、遅延部191は、図4
9により前述したごとく、フリップフロップ回路191
A−1〜191A−Mの前方M段、フリップフロップ回
路191B−1〜191B−Mの後方N段の構成にでき
るが、この場合、反転・非反転部191Cは、各フリッ
プフロップ回路191A−1〜191A−M,191B
−1〜191B−Mの総数の半数の反転ゲート191C
−1〜191C−n(nは自然数)をそなえて構成され
る。
【0350】(p)第16実施例の説明 図57は本発明の第16実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図で、この図57において、図4
2に示す符号と同一符号が指す部分はそれぞれ図42に
て前述したものと同様のものであるが、この図57に示
す自動振幅等化器は、2次傾斜補償部18A,18Bが
復調器13′の後段に信号I,Qに対応して設けられ、
さらに、これらの各2次傾斜補償部18A,18Bに対
応して図44に示す2次傾斜制御部19とそれぞれ同様
の2次傾斜制御部19A,19Bが設けられている。
【0351】ここで、各2次傾斜補償部(2次傾斜形振
幅等化部)18A,18Bは、図58に示すように、そ
れぞれ抵抗18−1〜18−4,18−9,18−1
3,コンデンサ(C)18−6,18−7,18−1
1,コイル(L)18−5,18−10及びPINダイ
オード18−8,18−12を有して構成され、周波数
領域において図59に示すような1次傾斜振幅特性を有
するように構成される。
【0352】そして、これらの各2次傾斜補償部18
A,18Bは、それぞれ対応する2次傾斜制御部19
A,19Bからの制御信号に応じて、それぞれのPIN
ダイオード18−8,18−12を流れる電流値が制御
されることにより、図59に示す1次傾斜振幅特性が制
御されて、各復調ベースバンド信号I,Qに対して振幅
の等化処理が施されるようになっている。
【0353】つまり、本実施例における各2次傾斜補償
部18A,18Bは、第15実施例にて前述したよう
に、2次傾斜歪みをもったIF信号は復調器13′で復
調(直交検波)されると1次傾斜歪みをもった復調ベー
スバンド信号I,Qになるので、図59に示す1次傾斜
振幅特性に応じてIF信号の2次傾斜歪みが復調器1
3′の後段で補償されるようになっているのである。
【0354】このような構成により、本実施例における
自動振幅等化器でも、1次傾斜制御部14′によって、
復調器13′,各A/D変換器17A,17Bを通じて
得られるディジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号
Iの動く方向が判定され、ディジタル復調信号Qとこの
信号Qをさらにトランスバーサル等化器15で処理した
後の等化後信号QTRE との差が演算されることにより信
号Iに対する直交干渉成分である信号Qの誤差情報Eが
検出される。
【0355】そして、これらの信号Iの動く方向と信号
Qの誤差情報Eとの相関(図12参照)に基づいて、I
F信号の1次傾斜歪みの特性(正傾斜,負傾斜,零傾
斜)が検出され、これに応じた信号が1次傾斜補償部1
1用の制御信号として出力され、1次傾斜補償部11で
は、この制御信号に応じて、IF信号の1次傾斜歪みが
補償される。
【0356】なお、この場合も、1次傾斜制御部14′
では、ディジタル復調信号I,Qのうちの信号Qの動く
方向を判定し、ディジタル復調信号Iとこの信号Iをさ
らにトランスバーサル等化器15で処理した後の等化後
信号ITRE との差を演算することにより信号Qに対する
直交干渉成分である信号Iの誤差情報Eを検出し、これ
らの相関に基づいて、IF信号の1次傾斜歪みを検出す
ることもできる。
【0357】一方、このとき、各2次傾斜制御部19
A,19Bでは、第15実施例にて前述したごとく、各
ディジタル復調信号I,Qの信号データDが“0”,
“1”を交互に繰り返す交番データであるかどうかの判
定が行われ、交番データであった場合に、信号データD
と信号誤差εとについて排他的論理和演算を施すことに
よって得られたディジタル復調信号I,Qそれぞれの歪
み量がIF信号の2次傾斜歪みとして検出され、この検
出結果に基づいて、各2次傾斜補償部18A,18B用
制御信号がそれぞれ独立に出力される。なお、本実施例
では、各ディジタル復調信号I,Qをさらにトランスバ
ーサル等化器15で処理した等化後信号ITR E ,QTRE
のそれぞれの信号データDと誤差信号εとからIF信号
の2次傾斜歪みを検出している。
【0358】これにより、各2次傾斜補償部18A,1
8Bでは、各2次傾斜制御部19A,19Bからの制御
信号に応じて、それぞれPINダイオード18−8,1
8−12を流れる電流値が調整されて、コイル18−
5,コンデンサ18−6,18−7からなるLC共振回
路とコイル18−10,コンデンサ18−11からなる
LC共振回路の尖鋭度「Q」が制御される。この結果、
各復調ベースバンド信号I,Qに対してそれぞれ振幅の
等化処理が施され、これにより、IF信号の2次傾斜歪
みが復調器13′の後段で補償される。
【0359】このように、本発明の16実施例としての
自動振幅等化器によれば、復調器13′の前段に1次傾
斜補償部11が設けられるとともに、復調器13′の後
段に各ディジタル復調信号I,Qに対応して2次傾斜補
償部18A,18Bが設けられ、且つ、これらの各2次
傾斜補償部18A,18Bに対応して2次傾斜制御部1
9A,19Bが設けられているので、1次傾斜補償部1
1によってIF信号の1次傾斜歪みを復調器13′の前
段で補償することができるとともに、各2次傾斜制御部
19A,19Bによってディジタル復調信号I,Qのそ
れぞれからIF信号の2次傾斜歪みを検出し、これに基
づいて各2次傾斜補償部18A,18BによってIF信
号の2次傾斜歪みを復調器13′の後段でそれぞれ独立
に補償することができ、これにより、IF信号の1次傾
斜歪み,2次傾斜歪みの両方をより確実に補償すること
ができるようになる。
【0360】なお、本実施例でも、周波数領域において
1次傾斜歪みを補償する1次傾斜補償部11に代えて、
図54により前述した時間領域において1次傾斜歪みを
補償する1次傾斜補償部11Aを用いることができ、各
2次傾斜補償部18A,18Bも、それぞれ図54に示
すような時間領域において振幅等化を施すトランスバー
サル等化器112A,113Aを用いてIF信号の2次
傾斜歪みを時間領域において補償するようしてもよい。
【0361】また、本実施例でも、1次傾斜制御部1
4′には、図55により前述した制御部14a′を用い
てもよく、各2次傾斜制御部19A,19Bには、図5
6により前述した2次傾斜制御部19′をそれぞれ用い
てもよい。 (q)第17実施例の説明 図60は本発明の第17実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図で、この図60において、図4
4に示す符号と同一符号が指す部分はそれぞれ図44に
より前述したものと同様のものであるが、この図60に
示す自動振幅等化器は、2次傾斜補償部18が復調器1
3′の前段に設けられ、且つ、1次傾斜補償部11Bが
復調器13′の後段に設けられている。
【0362】ここで、1次傾斜補償部11Bは、第9実
施例にて前述したものと同様のもので、図61に示すよ
うに、ベースバンドトランスバーサル等化器(TRE:
以下、単にトランスバーサル等化器という)111B〜
114Bと、加算部115B,116Bを有して構成さ
れている。ここで、各トランスバーサル等化器111B
〜114Bは、それぞれ第5実施例の図24にて前述し
たトランスバーサル等化器112A(113A)と同様
のもので、内部の各タップ係数を調整することにより、
時間領域においてベースバンド帯のディジタル復調信号
I,Qの1次傾斜歪みを1次傾斜振幅特性に応じて補償
するものである。なお、それぞれの内部の構成は図25
に示したものと同様である。
【0363】また、加算部115Bは、各トランスバー
サル等化器111B,113Bで等化処理を施された信
号を加算して等化後のディジタル復調信号Iとして出力
するものであり、加算部116Bは、各トランスバーサ
ル等化器112B,114Bで等化処理を施された信号
を加算して等化後のディジタル復調信号Qとして出力す
るものである。
【0364】上述のごとく構成された本実施例における
自動振幅等化器では、第15実施例にて前述したごと
く、受信部10からのIF信号(入力信号)についての
ディジタル復調信号I(Qでもよい)を基にこのIF信
号の2次傾斜歪みが2次傾斜制御部19によって検出さ
れ、その検出結果に基づいて、2次傾斜補償部18用の
制御信号が出力される。
【0365】これにより、まず、2次傾斜補償部18で
は、この2次傾斜制御部19からの制御信号に応じて、
共振回路186(図47参照)の尖鋭度「Q」が制御さ
れることにより、IF信号の2次傾斜歪みが復調器1
3′の前段で周波数領域において補償される。一方、1
次傾斜補償部14′では、本実施例でも、ディジタル復
調I,Qのうちの一方の信号Iの動く方向(信号Iの値
の変化の方向)が判定されるとともに、他方の信号Q
と、この信号Qをさらにトランスバーサル等化器15で
処理した等化後信号QTRE との誤差情報Eが検出され、
これらの信号Iの動く方向と信号Qの誤差情報Eとの相
関に基づき、IF信号の1次傾斜歪みが検出され、これ
に応じて1次傾斜補償部11B用の制御信号が生成され
て出力される。
【0366】これにより、1次傾斜補償部11Bでは、
この1次傾斜制御部14′からの制御信号に応じて、各
トランスバーサル等化器111B〜114Bの各タップ
係数が制御されてベースバンド帯の各ディジタル復調信
号I,Qに対して振幅の等化処理が時間領域において施
され、この結果、IF信号の1次傾斜歪みが、2次傾斜
歪みに続いて補償される。
【0367】なお、この場合も、1次傾斜制御部14′
では、ディジタル復調信号I,Qのうちの信号Qの動く
方向を判定し、ディジタル復調信号Iとこの信号Iをさ
らにトランスバーサル等化器15で処理した後の等化後
信号ITRE との差を演算することにより信号Qに対する
直交干渉成分である信号Iの誤差情報Eを検出し、これ
らの相関に基づいて、IF信号の1次傾斜歪みを検出す
ることもできる。
【0368】このように、本発明の17実施例としての
自動振幅等化器によれば、受信部10を通じて得られた
IF信号(入力信号)の2次傾斜歪みが2次傾斜補償部
18によって復調器13′の前段で補償されるととも
に、IF信号の1次傾斜歪みが1次傾斜補償部11Bに
よって復調器13′の後段で補償されるので、この場合
も、確実に、IF信号の1次傾斜歪み,2次傾斜歪みの
両方を補償して、本等化器の等化能力を大幅に向上させ
ることができる。
【0369】また、本実施例では、1次傾斜補償部11
Bに、時間領域において振幅等化を施すトランスバーサ
ル等化器111B〜114Bを用いているので、例え
ば、1次傾斜歪みが遅延時間差の長い干渉波によって生
じたものである場合などには、極めて有効に、IF信号
の1次傾斜歪みを時間領域において補償することができ
る。
【0370】なお、本実施例でも、2次傾斜補償部18
は、それぞれ図54に示すようなトランスバーサル等化
器112A,113Aを用いれば、IF信号の2次傾斜
歪みを時間領域において補償できるので、例えば、2次
傾斜歪みが遅延時間差の長い干渉波によって生じたもの
である場合などには、極めて有効に、このIF信号の2
次傾斜歪みを時間領域において補償することができる。
【0371】また、1次傾斜制御部14′には、図55
により前述した制御部14a′を用いてもよく、2次傾
斜制御部19には、図56により前述した2次傾斜制御
部19′を用いてもよい。 (r)第18実施例の説明 図62は本発明の第18実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図であるが、この図62に示す自
動振幅等化器は、1次傾斜補償部11B及び2次傾斜補
償部18A,18Bがそれぞれ復調器13′の後段に設
けられている。なお、本実施例における1次傾斜補償部
11Bは第17実施例の図60により前述したものと同
様であり、各2次傾斜補償部11A,11Bはそれぞれ
第16実施例の図57により前述したものと同様であ
る。
【0372】このような構成により、本実施例の自動振
幅等化器でも、各2次傾斜制御部19A,19Bによっ
て、受信部10を通じて得られるIF信号(入力信号)
についてのディジタル復調信号I,QからIF信号の2
次傾斜歪みが検出され、その検出結果に基づいて、各2
次傾斜補償部18A,18B用の制御信号が出力され
る。
【0373】これにより、各2次傾斜補償部18A,1
8Bでは、各2次傾斜制御部19A,19Bからの各制
御信号に応じて、図59に示すような1次傾斜振幅特性
が制御されて、ベースバンド帯では1次傾斜歪みとなる
IF信号の2次傾斜歪みが、周波数領域において補償さ
れる。一方、1次傾斜制御部14′では、本実施例で
も、ディジタル復調信号I,Qのうちの一方の信号Iの
動く方向(信号Iの値の変化の方向)が判定されるとと
もに、他方の信号Qと、この信号Qをさらにトランスバ
ーサル等化器15で処理した等化後信号QTRE との誤差
情報Eが検出される。そして、これらの信号Iの動く方
向と信号Qの誤差情報Eとの相関に基づいて、1次傾斜
補償部11B用の制御信号が生成されて出力される。
【0374】これにより、1次傾斜補償部11Bでは、
この1次傾斜制御部14′からの制御信号に応じて各ト
ランスバーサル等化器111B〜114B(図61参
照)の各タップ係数が制御されて、各ディジタル復調信
号I,Qに対して時間領域での振幅等化が施され、IF
信号の2次傾斜歪みに続いて1次傾斜歪みが補償され
る。
【0375】なお、この場合も、1次傾斜制御部14′
では、ディジタル復調信号I,Qのうちの信号Qの動く
方向を判定し、ディジタル復調信号Iとこの信号Iをさ
らにトランスバーサル等化器15で処理した後の等化後
信号ITRE との差を演算することにより信号Qに対する
直交干渉成分である信号Iの誤差情報Eを検出し、これ
らの相関に基づいて、IF信号の1次傾斜歪みを検出す
ることもできる。
【0376】このように、本発明の第18実施例として
の自動振幅等化器によれば、受信部10を通じて得られ
たIF信号(入力信号)の2次傾斜歪みが各2次傾斜制
御部19A,19Bによって検出され、これに基づいて
各2次傾斜補償部18によってこの2次傾斜歪みが復調
器13′の後段で補償されるとともに、IF信号の1次
傾斜歪みが1次傾斜制御部14′によって検出され、こ
れ基づいて1次傾斜補償部11Bによってこの1次傾斜
歪みが復調器13′の後段で補償されるので、この場合
も、確実に、IF信号の1次傾斜歪み,2次傾斜歪みの
両方を補償でき、これにより本等化器の等化能力が大幅
に向上する。
【0377】また、本実施例でも、1次傾斜補償部11
Bに、時間領域において振幅等化を施すトランスバーサ
ル等化器111B〜114Bを用いているので、例え
ば、1次傾斜歪みが遅延時間差の長い干渉波によって生
じたものである場合などには、極めて有効に、IF信号
の1次傾斜歪みを時間領域において補償することができ
る。
【0378】なお、本実施例では、各2次傾斜補償部1
8A,18Bの後段に1次傾斜補償部11Bが配置され
ているが、この配置関係は逆にしても同様である。ま
た、本実施例でも、各2次傾斜補償部18A,18B
は、それぞれ図54に示すようなトランスバーサル等化
器112A,113Aを用いてIF信号の2次傾斜歪み
を時間領域において補償するように構成してもよい。
【0379】また、1次傾斜制御部14′には、図55
により前述した制御部14a′を用いてもよく、各2次
傾斜制御部19A,19Bには、図56により前述した
2次傾斜制御部19′を用いてもよい。 (s)その他 なお、上述の第15実施例〜第18実施例に示した自動
振幅等化器は、IF信号の1次傾斜歪み,2次傾斜歪み
の両方を補償すべく1次傾斜補償部11(11A,11
B),1次傾斜制御部14′(14a′)と2次傾斜補
償部18(18A,18B),2次傾斜制御部19(1
9′,19A,19B)とを組み合わせて構成している
が、図63,図64に示すように、2次傾斜補償部18
(18A,18B)及び2次傾斜制御部19(19A,
19B)を単独に用いて、IF信号の2次傾斜歪みのみ
を補償するように構成することも可能である。
【0380】そして、図63に示す自動振幅等化器で
は、図47により前述したものと同様の2次傾斜補償部
18が復調器13′の前段に設けられている。これによ
り、この場合も、第15実施例にて前述したごとく、2
次傾斜制御部19によって受信部10を通じて得られる
IF信号(入力信号)についてのディジタル復調信号I
(Qでもよい)からIF信号の2次傾斜歪みが検出さ
れ、その検出結果に基づいて2次傾斜補償部18用の制
御信号が出力される。
【0381】そして、2次傾斜補償部18では、この2
次傾斜制御部19からの制御信号に応じて、共振回路1
86(図47参照)の尖鋭度「Q」が制御されて、IF
信号の2次傾斜歪みが復調器13′の前段で周波数領域
において確実に補償される。なお、この場合も、2次傾
斜補償部18は、図54に示すような時間領域において
2次傾斜歪みの振幅等化を施すトランスバーサル等化器
112A,113Aを用いて構成してもよく、また、2
次傾斜制御部19には、図56により前述した2次傾斜
制御部19′を用いてもよい。
【0382】一方、図64に示す自動振幅等化器では、
各ディジタル復調信号I,Qに対応して図58により前
述したものとそれぞれ同様の2次傾斜補償部18A,1
8Bが復調器13′の後段に設けられ、且つ、これらの
各2次傾斜補償部18A,18Bに対応して2次傾斜制
御部19A,19Bが設けられている。これにより、こ
の場合も、第16実施例にて前述したごとく、各2次傾
斜制御部19A,19Bによって、受信部10を通じて
得られるIF信号(入力信号)についてのディジタル復
調信号I,QのそれぞれからIF信号の2次傾斜歪みが
検出され、それぞれの検出結果に基づいて各2次傾斜補
償部18A,18B用の制御信号が出力される。
【0383】そして、各2次傾斜補償部18A,18B
では、対応する2次傾斜制御部19A,19Bからの制
御信号に応じて、図59に示すような1次傾斜振幅特性
が制御されて、復調器13′からの各復調ベースバンド
信号I,Qに対して振幅等化が施されることにより、I
F信号の2次傾斜歪みが復調器13′の後段で周波数領
域において確実に補償される。
【0384】なお、この場合も、2次傾斜補償部18
は、図54に示すような時間領域において2次傾斜歪み
の振幅等化を施すトランスバーサル等化器112A,1
13Aを用いて構成してもよく、また、各2次傾斜制御
部19A,19Bには、図56により前述した2次傾斜
制御部19′を用いてもよい。
【0385】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の自動振幅
等化器によれば、制御部によって入力信号についてのデ
ィジタル復調信号うちの一方の信号の値の変化の方向を
判定するとともに、この一方の信号に対し直交するディ
ジタル復調信号のうちの他方の信号から誤差情報を検出
し、この誤差情報と一方の信号の値の変化の方向との相
関に基づき1次傾斜形振幅等化部用の制御信号を出力
し、1次傾斜形振幅等化部によって入力信号の振幅特性
を所要の1次傾斜振幅特性に応じて補償するので、制御
部をディジタル化して1次傾斜形振幅等化部用の制御信
号をディジタル復調信号から得ることができ、これによ
り自動振幅等化器の回路規模やコストを大幅に削減でき
るとともに、その補償精度も大幅に向上させることがで
きるという利点がある(請求項1)。
【0386】また、本発明の自動振幅等化器によれば、
上述の1次傾斜形振幅等化部を、周波数領域において傾
斜振幅特性を有し、該入力信号の振幅特性を該傾斜振幅
特性に応じて補償するように構成してもよく、時間領域
における等化器により、入力信号の振幅特性を1次傾斜
振幅特性に応じて補償するように構成してもよいので、
請求項1記載の自動振幅等化器の適用範囲を大いに広げ
ることができる利点がある(請求項2,3)。
【0387】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、上述の制御部が、ディジタル復調信号うちの一方の
信号の値の変化の方向を判定する信号方向判定部と、こ
の一方の信号に対し直交するディジタル復調信号のうち
の他方の信号から誤差情報を検出する誤差情報検出部
と、この誤差情報検出部で得られた誤差情報と信号方向
判定部で得られた一方の信号の値の変化の方向との相関
に基づき傾斜形振幅等化部用の制御信号を出力する相関
演算部とをそなえて構成されているので、この制御部を
ディジタル回路で極めて容易に実現でき、これにより自
動振幅等化器の回路規模やコストを大幅に削減できると
ともに、その補償精度も大幅に向上させることができる
利点がある(請求項4)。
【0388】また、本発明の自動振幅等化器によれば、
上述の信号方向判定部を、データクロック周期で、もし
くはデータクロック周期でディジタル復調信号のうちの
一方の信号をサンプリングして、この一方の信号の値の
変化の方向を判定すべく構成してもよいので、この信号
方向判定部をディジタル回路で極めて容易に構成でき、
これにより自動振幅等化器の回路規模やコストを大幅に
削減できるとともに、その性能も大幅に向上させること
ができる利点がある(請求項5)。
【0389】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、上述の信号方向判定部を、データクロックの1/N
周期(Nは2以上の整数)でディジタル復調信号のうち
の一方の信号をサンプリングして、この一方の信号の値
の変化の方向を判定すべく構成してもよいので、どのよ
うな復調方式で復調されたディジタル復調信号でも、こ
の信号の値の変化の方向を判定でき、これにより自動振
幅等化器の汎用性が向上するという利点がある(請求項
6)。
【0390】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、上述の誤差情報検出部を、上述の他方の信号の誤差
ビットから誤差情報を検出するように構成してもよいの
で、自動振幅等化器の回路規模やコストを大幅に削減で
きる利点がある(請求項7)。また、本発明の自動振幅
等化器によれば、上述の誤差情報検出部を、入力信号に
ついてのディジタル復調信号のうちの他方の信号と、こ
の他方の信号を更にトランスバーサル等化器で処理した
等化後信号との差を演算する差演算部として構成しても
よいので、ディジタル復調信号のうちの他方の信号から
得られる誤差情報がより正確になり、これにより自動振
幅等化器の精度や性能を大幅に向上させることができる
利点がある(請求項8)。
【0391】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、1次傾斜形振幅等化部を復調器の前段,後段のいず
れに設けてもよいので、例えば、回路設計上の柔軟性な
どに大いに寄与する(請求項9,10)。さらに、本発
明の自動振幅等化器によれば、入力信号の振幅特性を所
要の1次傾斜振幅特性に応じて補償する1次傾斜形振幅
等化部と、入力信号についてのディジタル復調信号うち
の一方の信号の値の変化の方向を判定し、この一方の信
号に対し直交するディジタル復調信号うちの他方の信号
から誤差情報を検出し、この誤差情報と一方の信号の値
の変化の方向との相関に基づいて第1相関信号を得ると
ともに、他方の信号の値の変化の方向を判定し、この他
方の信号に対し直交するディジタル復調信号うちの一方
の信号から誤差情報を検出し、この誤差情報と他方の信
号の値の変化の方向との相関に基づいて第2相関信号を
得、更に上記の第1相関信号及び第2相関信号から傾斜
形振幅等化部用の制御信号を生成して出力する制御部と
をそなえて構成されているので、請求項1記載の自動振
幅等化器と同様の利点があるほか、1次傾斜形振幅等化
部用の制御信号の検出感度や精度を大幅に向上させるこ
とができ、これにより自動振幅等化器の精度をさらに大
幅に向上させることができる利点がある(請求項1
1)。
【0392】また、本発明の自動振幅等化器によれば、
上述の1次傾斜形振幅等化部を、周波数領域において所
要の1次傾斜振幅特性を有し、入力信号の振幅特性を1
次傾斜振幅特性に応じて補償するように構成してもよ
く、時間領域における等化器により、入力信号の振幅特
性を1次傾斜振幅特性に応じて補償するように構成して
もよいので、請求項1記載の自動振幅等化器の適用範囲
を大いに広げることができる利点がある(請求項12,
13)。
【0393】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、上述の制御部を、ディジタル復調信号うちの一方の
信号の値の変化の方向を判定する第1信号方向判定部
と、この一方の信号に対し直交するディジタル復調信号
うちの他方の信号から誤差情報を検出する第1誤差情報
検出部と、この第1誤差情報検出部で得られた誤差情報
と第1信号方向判定部で得られた一方の信号の値の変化
の方向との相関に基づき第1相関信号を出力する第1相
関演算部とをそなえるとともに、他方の信号の値の変化
の方向を判定する第2信号方向判定部と、一方の信号か
ら誤差情報を検出する第2誤差情報検出部と、この第2
誤差情報検出部で得られた誤差情報と第2信号方向判定
部で得られた他方の信号の値の変化の方向との相関に基
づき第2相関信号を出力する第2相関演算部と、第1相
関演算部からの第1相関信号及び第2相関演算部からの
第2相関信号から1次傾斜形振幅等化部用の制御信号を
生成する制御信号生成部とをそなえて構成してもよいの
で、請求項7記載の自動振幅等化器をディジタル回路で
極めて容易に実現でき、これにより自動振幅等化器の回
路規模やコストを大幅に削減できるとともに、その補償
精度も大幅に向上させることができる利点がある(請求
項14)。
【0394】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、上述の第1信号方向判定部を、データクロック周期
で一方の信号をサンプリングして、この一方の信号の値
の変化の方向を判定すべく構成されるとともに、上述の
第2信号方向判定部を、データクロック周期で他方の信
号をサンプリングして、この他方の信号の値の変化の方
向を判定すべく構成してもよいので、この信号方向判定
部をディジタル回路で極めて容易に構成でき、これによ
り自動振幅等化器の回路規模やコストを大幅に削減でき
るとともに、その性能も大幅に向上させることができる
利点がある(請求項15)。
【0395】また、本発明の自動振幅等化器によれば、
上述の第1信号方向判定部を、データクロックの1/N
周期(Nは2以上の整数)で一方の信号をサンプリング
して、この一方の信号の値の変化の方向を判定すべく構
成するとともに、上述の第2信号方向判定部を、データ
クロックの1/N周期(Nは2以上の整数)で他方の信
号をサンプリングして、この他方の信号の値の変化の方
向を判定すべく構成してもよいので、どのような復調方
式で復調されたディジタル復調信号でも、ディジタル復
調信号のうちの一方の信号,他方の信号の値の変化の方
向を判定でき、これにより自動振幅等化器の汎用性が向
上するという利点がある(請求項16)。
【0396】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、上述の第1誤差情報検出部を、一方の信号の誤差ビ
ットから誤差情報を検出するように構成するとともに、
上述の第2誤差情報検出部を、他方の信号の誤差ビット
から誤差情報を検出するように構成してもよいので、請
求項7記載の自動振幅等化器の回路規模やコストを大幅
に削減できる利点がある(請求項17)。
【0397】また、本発明の自動振幅等化器によれば、
上述の第1誤差情報検出部を、入力信号についてのディ
ジタル復調信号のうちの他方の信号と、この他方の信号
を更にトランスバーサル等化器で処理した等化後信号と
の差を演算する第1差演算部として構成するとともに、
上述の第2誤差情報検出部を、一方の信号と、この一方
の信号を更にトランスバーサル等化器で処理した等化後
信号との差を演算する第2差演算部として構成してもよ
いので、ディジタル復調信号のうちの一方及び他方の信
号から得られる誤差情報がより正確になり、これにより
自動振幅等化器の精度や性能を大幅に向上させることが
できる利点がある(請求項18)。
【0398】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、1次傾斜形振幅等化部を復調器の前段,後段のいず
れに設けてもよいので、例えば、回路設計上の柔軟性な
どに大いに寄与する(請求項19,20)。また、本発
明の自動振幅等化器によれば、制御部で生成される混合
比制御信号に応じて、1次傾斜形振幅等化部の正傾斜振
幅等化部,零傾斜振幅等化部及び負傾斜振幅等化部の各
出力(それぞれ周波数領域において正傾斜,零傾斜及び
負傾斜振幅等化特性を有する信号)を可変の混合比で混
合して入力信号の振幅特性を補償することができるの
で、極めて簡素な構成で、より精度高く入力信号の振幅
特性を補償でき、これにより、本等化器による入力信号
に対する補償能力が大幅に向上するという利点がある
(請求項21)。
【0399】このとき、具体的には、制御部からの混合
比制御信号に応じて、1次傾斜形振幅等化部に設けられ
た各可変減衰器の減衰度が個別に制御されることによ
り、正傾斜振幅等化部,零傾斜振幅等化部及び負傾斜振
幅等化部の各出力がそれぞれ可変の混合比で混合される
ので、確実に、上記の混合比を制御して入力信号の振幅
特性を補償することができる(請求項22)。
【0400】なお、零傾斜振幅等化部は、正傾斜振幅等
化部及び負傾斜振幅等化部と同一の遅延特性を有する遅
延線で構成されることにより、正傾斜振幅等化部,零傾
斜振幅等化部及び負傾斜振幅等化部の各出力の位相がず
れることなく混合されるので、正確に所望の混合比で上
記の各出力を混合して入力信号の振幅特性を補償するこ
とができるようになる(請求項23)。
【0401】ところで、この場合、制御部では、1次傾
斜検出部によって、入力信号についてのディジタル復調
信号に基づいて入力信号の1次傾斜振幅特性が検出さ
れ、混合比生成部によって、この1次傾斜検出部での検
出結果に応じて1次傾斜形振幅等化部のための混合比制
御信号が生成されるので、1次傾斜検出部,混合比生成
部をディジタル化した極めて簡素な構成で、高精度な1
次傾斜形振幅等化部のための混合比制御信号を生成する
ことができる(請求項24)。
【0402】具体的に、1次傾斜検出部では、入力信号
についてのディジタル復調信号のうちの一方の信号の値
の変化の方向が信号方向判定部で判定され、この一方の
信号に対し直交するディジタル復調信号のうちの他方の
信号から誤差情報が誤差情報検出部で検出され、これら
の誤差情報検出部で得られた誤差情報と信号判定部で得
られた一方の信号の値の変化の方向との相関に基づき入
力信号についての1次傾斜振幅特性が相関演算部で演算
にて検出されるので、確実に、入力信号の1次傾斜振幅
特性を検出することができる(請求項25)。
【0403】一方、混合比生成部では、この1次傾斜検
出部で検出された1次傾斜振幅特性が積分器で積分さ
れ、その積分結果が零傾斜振幅特性を示す場合は、零傾
斜振幅等化部の出力の混合比を最大にし、且つ正傾斜振
幅等化部及び負傾斜振幅等化部の各出力の混合比を最小
にするとともに、積分結果が負傾斜振幅特性を示す場合
は、この負傾斜振幅特性を相殺すべく正傾斜振幅等化部
の出力の混合比を増加させる一方、積分結果が正傾斜振
幅特性を示す場合は、この正傾斜振幅特性を相殺すべく
負傾斜振幅等化部の出力の混合比を増加させるような信
号が混合比制御信号として生成されるので、極めて容易
に、1次傾斜形振幅等化部での混合比を制御できるよう
になる(請求項26)。
【0404】なお、この混合比生成部は、積分器での1
次傾斜振幅特性についての積分結果を、変換メモリによ
って混合比制御信号に変換することもできるので、より
簡素な構成で、上記の混合比制御信号を得ることがで
き、これにより、混合比制御部の回路規模を大幅に削減
することができる(請求項27)。また、入力信号につ
いてのディジタル復調信号から信号レベルの誤差情報を
検出する信号レベル誤差検出部の出力を混合比生成部へ
入力することにより、信号レベル誤差検出部で検出され
た信号レベルの誤差情報に応じて混合比制御信号の出力
レベルを可変にして1次傾斜形振幅等化部の出力レベル
を調整することができるので、1次傾斜形振幅等化部の
出力レベルを一定に保つための回路を個別に設けること
なく、極めて簡素な構成で、1次傾斜形振幅等化部の出
力レベルを一定に保つことができる(請求項28)。
【0405】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、入力信号の振幅特性を周波数領域で補償する際、制
御部で入力信号についてのディジタル復調信号に基づい
て生成された混合比制御信号に応じて、1次傾斜形振幅
等化部の正傾斜振幅等化部及び負傾斜振幅等化部の各出
力(それぞれ周波数領域において正傾斜及び負傾斜振幅
等化特性を有する信号)が可変の混合比で混合され、凸
傾斜振幅等化部の出力(周波数領域において凸傾斜振幅
等化特性を有する信号)が一定の混合比で混合されるの
で、正傾斜振幅等化部及び負傾斜振幅等化部では補償し
きれない入力信号の振幅特性をも、極めて有効に補償す
ることができる(請求項29)。
【0406】このとき、具体的に、1次傾斜形振幅等化
部では、正傾斜振幅等化部及び負傾斜振幅等化部に対応
して設けられた各可変減衰器の減衰度が、制御部で生成
された混合比制御信号に応じて個別に制御されることに
より、正傾斜振幅等化部及び負傾斜振幅等化部の各出力
がそれぞれ可変の混合比で混合されるとともに、凸傾斜
振幅等化部の出力が一定の混合比で混合されるので、極
めて容易に、所望の混合比で上記の各出力を混合して、
確実に、入力信号の振幅特性を補償することができる
(請求項30)。
【0407】なお、凸傾斜振幅等化部は、入力信号のも
つ所要の周波数帯域の中心に中心周波数を有する共振回
路として構成することにより、容易に、所望の凸傾斜振
幅等化特性を得ることができる(請求項31)。一方、
このとき、制御部では、入力信号についてのディジタル
復調信号に基づいて1次傾斜振幅特性が1次傾斜検出部
によって検出され、この1次傾斜検出部での検出結果に
応じて1次傾斜形振幅等化部のための混合比制御信号が
混合比生成部によって生成されるので、極めて簡素な構
成で、入力信号の1次傾斜振幅特性を検出して、これを
で補償するための1次傾斜形振幅等化部用の制御信号を
得ることができる(請求項32)。
【0408】具体的に、この場合、1次傾斜検出部で
は、入力信号についてのディジタル復調信号のうちの一
方の信号の値の変化の方向が信号方向判定部で判定さ
れ、この一方の信号に対し直交する他方の信号から誤差
情報が誤差情報検出部で検出され、この誤差情報と一方
の信号の値の変化の方向との相関に基づき、入力信号に
ついての1次傾斜振幅特性が相関演算部で演算にて検出
されるので、確実に、入力信号の1次傾斜振幅特性を検
出することができる(請求項33)。
【0409】また、混合比生成部では、この1次傾斜検
出部で検出された1次傾斜振幅特性が積分器によって積
分され、その積分結果が零傾斜振幅特性を示す場合は、
正傾斜振幅等化部及び負傾斜振幅等化部の各出力の混合
比を最小にするとともに、積分結果が負傾斜振幅特性を
示す場合は、この負傾斜振幅特性を相殺すべく正傾斜振
幅等化部の出力の混合比を増加させる一方、積分結果が
正傾斜振幅特性を示す場合は、この正傾斜振幅特性を相
殺すべく負傾斜振幅等化部の出力の混合比を増加させる
ような信号が混合比制御信号として生成されるので、極
めて容易に、1次傾斜形振幅等化部での混合比を制御で
きるようになる(請求項34)。
【0410】なお、この場合も、この混合比生成部は、
積分器での1次傾斜振幅特性についての積分結果を、変
換メモリによって混合比制御信号に変換することもでき
るので、より簡素な構成で、上記の混合比制御信号を得
ることができ、これにより、混合比制御部の回路規模を
大幅に削減することができる(請求項35)。また、こ
の場合も、入力信号についてのディジタル復調信号から
信号レベルの誤差情報を検出する信号レベル誤差検出部
の出力を混合比生成部へ入力することにより、信号レベ
ル誤差検出部で検出された信号レベルの誤差情報に応じ
て混合比制御信号の出力レベルを可変にして1次傾斜形
振幅等化部の出力レベルを調整することができるので、
1次傾斜形振幅等化部の出力レベルを一定に保つための
回路を個別に設けることなく、極めて簡素な構成で、1
次傾斜形振幅等化部の出力レベルを一定に保つことがで
きる(請求項36)。
【0411】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、入力信号の2次傾斜振幅特性を補償する際、入力信
号についてのディジタル復調信号から入力信号の2次傾
斜振幅特性が制御部で検出され、その検出結果に基づき
2次傾斜形振幅等化部用の制御信号が2次傾斜形振幅等
化部へ出力されて、入力信号の2次傾斜振幅特性が2次
傾斜形振幅等化部で所要の1次傾斜振幅特性または2次
傾斜振幅特性に応じて補償されるので、確実に、入力信
号の2次傾斜振幅特性を補償することができる(請求項
37)。
【0412】ここで、2次傾斜形振幅等化部は、周波数
領域において1次傾斜振幅特性または2次傾斜振幅特性
を有するように構成すれば、入力信号の2次傾斜振幅特
性を周波数領域において、この1次傾斜振幅特性または
2次傾斜振幅特性に応じて極めて容易に補償することが
できるようになる(請求項38)。一方、この2次傾斜
形振幅等化部は、時間領域における等化器により1次傾
斜振幅特性または2次傾斜振幅特性に応じて補償するよ
うに構成すれば、入力信号が時間的に大きな遅延を受け
ていた場合などでも、極めて確実に、その2次傾斜振幅
特性を1次傾斜振幅特性または2次傾斜振幅特性に応じ
て補償することができるようになる(請求項39)。
【0413】また、より具体的に、制御部では、ディジ
タル復調信号の値とディジタル復調信号の誤差情報との
相関に基づき入力信号の2次傾斜振幅特性が2次傾斜検
出部によって検出され、信号状態監視部でディジタル復
調信号の値の変化状態が特定の状態であると判定された
場合に、2次傾斜検出部で検出された2次傾斜振幅特性
に基づき2次傾斜形振幅等化部用の制御信号が出力され
るので、極めて簡素な構成で、確実に、入力信号の2次
傾斜振幅特性を検出してこれを補償することができる
(請求項40)。
【0414】なお、2次傾斜検出部では、ディジタル復
調信号を更にトランスバーサル等化器で処理した等化後
信号の値と、この等化後信号の誤差情報との相関に基づ
いて、2次傾斜振幅特性を検出すれば、より高精度に、
入力信号の2次傾斜振幅特性を検出することができるよ
うになる(請求項41)。さらに、このとき、2次傾斜
検出部では、ディジタル復調信号とディジタル復調信号
の誤差情報とについて排他的論理和演算を排他的論理和
演算素子で施せば、極めて容易に、入力信号の2次傾斜
振幅特性を検出することができる(請求項42)。
【0415】一方、信号状態監視部では、ディジタル復
調信号に対して所要の遅延が遅延部によって施され、こ
の遅延部からのディジタル復調信号の値が特定の変化状
態であるかどうかが特定信号状態判定部によって判定さ
れるので、確実に、ディジタル復調信号の値が特定の変
化状態であるかどうかの判定を行うことができる(請求
項43)。
【0416】具体的には、上述の遅延部を、複数の遅延
素子をそなえて構成すれば、ディジタル復調信号がこれ
らの各遅延素子でそれぞれ所要の遅延が施され、これに
より得られた各ディジタル復調信号の値が所定の値を交
互に繰り返す状態であるかどうかが特定信号状態判定部
によって判定されるので、極めて容易に、上述の信号状
態判定部を実現することができる(請求項44)。
【0417】なお、この遅延部を、複数の遅延素子と、
これらの各遅延素子からの各ディジタル復調信号の値が
交互に繰り返す状態である場合に各遅延素子からの各デ
ィジタル復調信号の値について反転,非反転処理を施す
ことにより一定値に変換して出力する反転・非反転部と
を設けて構成すれば、この反転・非反転部からの出力を
受けて各ディジタル復調信号の値が所定の値を一定に保
った状態であるかどうかが特定信号状態判定部によって
判定されるので、特定信号状態判定部をより簡素な構成
にできるとともに、内部での判定処理も極めて容易に行
うことができるようになる(請求項45)。
【0418】ところで、2次傾斜形振幅等化部が復調器
の前段に設けられた場合は、この復調器の前段で入力信
号の振幅特性を所要の2次傾斜振幅特性に応じて確実に
補償することができ(請求項46)、逆に、この2次傾
斜形振幅等化部が復調器の後段に設けられた場合は、こ
の復調器3の後段で、同様に、入力信号の振幅特性を確
実に補償することができる(請求項47)。
【0419】また、2次傾斜形振幅等化部が復調器の後
段に復調器で得られるディジタル復調信号の数に対応し
て複数設けられ、これらの各2次傾斜形振幅等化部に対
応して制御部が設けられる場合は、各制御部からの制御
信号に応じて各2次傾斜形振幅等化部がそれぞれ独立に
制御されて、各ディジタル復調信号のそれぞれに対して
補償処理が施されるので、より精度高く、入力信号の振
幅特性を2次傾斜振幅特性に応じて補償することができ
る(請求項48)。
【0420】さらに、本発明の自動振幅等化器によれ
ば、入力信号の振幅特性を補償する際、第1制御部によ
って、入力信号についてのディジタル復調信号から入力
信号の1次傾斜振幅特性を検出し、第2制御部によっ
て、同じく入力信号についてのディジタル復調信号から
入力信号の2次傾斜振幅特性を検出し、それぞれの1次
傾斜振幅特性及び2次傾斜振幅特性の検出結果に基づ
き、入力信号の1次傾斜振幅特性,2次傾斜振幅特性の
両方を、1次傾斜形振幅等化部及び2次傾斜形振幅等化
部によって補償することができるので、本自動振幅等化
器の補償能力を大幅に向上させることができる(請求項
49)。
【0421】また、この場合も、1次傾斜形振幅等化部
は、周波数領域において1次傾斜振幅特性を有するよう
に構成すれば、入力信号の1次傾斜振幅特性を、周波数
領域においてこの1次傾斜振幅特性に応じて極めて容易
に補償することができるようになり(請求項50)、時
間領域における等化器により入力信号の1次傾斜振幅特
性を補償するように構成すれば、入力信号が時間的に大
きな遅延を受けていた場合などでも、極めて確実に、そ
の振幅特性を1次傾斜振幅特性に応じて補償することが
できるようになる(請求項51)。
【0422】一方、2次傾斜形振幅等化部は、周波数領
域において1次傾斜振幅特性または2次傾斜振幅特性を
有するように構成すれば、入力信号の2次傾斜振幅特性
を、この1次傾斜振幅特性または2次傾斜振幅特性に応
じて極めて容易に補償することができるようになり(請
求項52)、時間領域における等化器により1次傾斜振
幅特性または2次傾斜振幅特性に応じて振幅を補償する
ように構成すれば、入力信号が時間的に大きな遅延を受
けていた場合などでも、極めて確実に、その2次傾斜振
幅特性を1次傾斜振幅特性または2次傾斜振幅特性に応
じて補償することができるようになる(請求項53)。
【0423】また、このとき、第1制御部では、ディジ
タル復調信号のうちの一方の信号の値の変化の方向を信
号方向判定部で判定し、この一方の信号に対し直交する
ディジタル復調信号のうちの他方の信号から誤差情報を
誤差情報検出部で検出し、さらに、この誤差情報と一方
の信号の値の変化の方向との相関に基づき1次傾斜形振
幅等化部用の制御信号を相関演算部から出力することが
できるので、極めて簡素な構成で、この第1制御部を実
現でき、これにより本自動振幅等化器の回路規模やコス
トを大幅に削減できるとともに、その補償精度も大幅に
向上させることができる(請求項54)。
【0424】なお、この第1制御部は、ディジタル復調
信号のうちの一方の信号の値の変化の方向を判定する第
1信号方向判定部と、この一方の信号に対し直交するデ
ィジタル復調信号のうちの他方の信号から誤差情報を検
出する第1誤差情報検出部と、この第1誤差情報検出部
で得られた誤差情報と第1信号方向判定部で得られた一
方の信号の値の変化の方向との相関に基づき第1相関信
号を出力する第1相関演算部とをそなえるとともに、他
方の信号の値の変化の方向を判定する第2信号方向判定
部と、一方の信号から誤差情報を検出する第2誤差情報
検出部と、この第2誤差情報検出部で得られた誤差情報
と第2信号方向判定部で得られた他方の信号の値の変化
の方向との相関に基づき第2相関信号を出力する第2相
関演算部と、第1相関演算部からの第1相関信号及び第
2相関演算部からの第2相関信号から1次傾斜形振幅等
化部用の制御信号を生成する制御信号生成部とをそなえ
て構成してもよく、この場合は、ディジタル復調信号の
うちの一方の信号,他方の信号の両方に基づいて入力信
号の1次傾斜振幅特性を検出することができるので、1
次傾斜形振幅等化部用の制御信号の検出感度や精度を大
幅に向上させることができ、これにより本自動振幅等化
器の精度をさらに大幅に向上させることができる(請求
項55)。
【0425】一方、第2制御部では、ディジタル復調信
号の値と、このディジタル復調信号の誤差情報との相関
に基づき入力信号の2次傾斜振幅特性が2次傾斜検出部
によって検出され、信号状態監視部でディジタル復調信
号の値の変化状態が特定の状態であると判定されると、
2次傾斜検出部で検出された2次傾斜振幅特性に基づき
2次傾斜形振幅等化部用の制御信号が出力されるので、
極めて簡素な構成で、確実に、入力信号の2次傾斜振幅
特性を検出してこれを補償することができる(請求項5
6)。
【0426】ところで、このとき、本発明の自動振幅等
化器によれば、1次傾斜形振幅等化部及び2次傾斜形振
幅等化部を復調器の前段にそれぞれ設けるという簡素な
構成で、入力信号の振幅特性(1次傾斜振幅特性,2次
傾斜振幅特性の両方)を、復調器の前段でそれぞれ所要
の1次,2次傾斜振幅特性に応じて確実に補償すること
ができる(請求項57)。
【0427】また、これらの1次傾斜形振幅等化部及び
2次傾斜形振幅等化部を復調器の後段に設ければ、復調
器の後段で、同様に入力信号の振幅特性を確実に補償す
ることができる(請求項58)。また、1次傾斜形振幅
等化部を復調器の前段に設け、且つ、2次傾斜形振幅等
化部を復調器の後段に設ければ、入力信号の振幅特性
を、まず復調器の前段で所要の1次傾斜振幅特性に応じ
て補償し、復調器の後段でさらに所要の2次傾斜振幅特
性に応じて確実に補償することができる(請求項5
9)。
【0428】さらに、これとは逆に、2次傾斜形振幅等
化部を復調器の前段に設け、且つ、1次傾斜形振幅等化
部を復調器の後段に設けても、入力信号の振幅特性を、
まず復調器の前段で所要の2次傾斜振幅特性に応じて補
償し、復調器の後段でさらに所要の1次傾斜振幅特性に
応じて確実に補償することができる(請求項60)。ま
た、この場合も、2次傾斜形振幅等化部を、復調器で得
られるディジタル復調信号の数に対応して復調器の後段
に複数設け、これらの各2次傾斜形振幅等化部に対応し
て第2制御部を設ければ、対応する第2制御部によって
各2次傾斜形振幅等化部が制御されて各ディジタル復調
信号それぞれに対して補償処理が施されるので、より高
精度に入力信号の振幅特性を所要の2次傾斜振幅特性に
応じて補償することができる(請求項61)。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の原理ブロック図である。
【図2】第2の発明の原理ブロック図である。
【図3】第3の発明の原理ブロック図である。
【図4】第4の発明の原理ブロック図である。
【図5】第5の本発明の原理ブロック図である。
【図6】第6の発明の原理ブロック図である。
【図7】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器の
構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器の
動作原理を説明するための図である。
【図9】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器の
動作原理を説明するための図である。
【図10】(a),(b)はそれぞれ本発明の第1実施
例としての自動振幅等化器の動作原理を説明するための
図である。
【図11】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
の動作原理を説明するための図である。
【図12】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
の動作原理を説明するための図である。
【図13】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
における復調器の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
における制御部の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
における上昇/下降識別部の構成を示すブロック図であ
る。
【図16】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
における上昇/下降識別部の真理値テーブルを示す図で
ある。
【図17】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
における回転方向識別部の構成を示すブロック図であ
る。
【図18】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
における1次傾斜補償部の構成を示すブロック図であ
る。
【図19】本発明の第1実施例としての自動振幅等化器
における制御部を実用の回路で構成した場合の一例を示
す図である。
【図20】本発明の第2実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の第3実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の第4実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第5実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の第5実施例としての自動振幅等化器
における1次傾斜補償部の内部構成を示すブロック図で
ある。
【図25】本発明の第5実施例としての自動振幅等化器
におけるトランスバーサル等化器の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図26】本発明の第6実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図27】本発明の第7実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第8実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図29】本発明の第9実施例としての自動振幅等化器
の構成を示すブロック図である。
【図30】本発明の第9実施例としての自動振幅等化器
における1次傾斜補償部の内部構成を示すブロック図で
ある。
【図31】本発明の第10実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図32】本発明の第11実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図33】本発明の第12実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図34】本発明の第13実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図35】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第13実
施例としての自動振幅等化器の動作を説明するための図
である。
【図36】本発明の第13実施例の変形例としての自動
振幅等化器の構成を示すブロック図である。
【図37】本発明の第13実施例の変形例としての自動
振幅等化器における復調部及びスペクトラム歪検出部の
構成を示すブロック図である。
【図38】本発明の第13実施例の変形例としての自動
振幅等化器における混合比生成部の構成を示すブロック
図である。
【図39】本発明の第13実施例の変形例としての自動
振幅等化器における混合比生成部の他の構成を示すブロ
ック図である。
【図40】本発明の第14実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図41】本発明の第14実施例としての自動振幅等化
器における混合比生成部の構成を示すブロック図であ
る。
【図42】本発明の第14実施例としての自動振幅等化
器における混合比生成部の他の構成を示すブロック図で
ある。
【図43】(a),(b)はそれぞれ本発明の第14実
施例としての自動振幅等化器の動作を説明するための図
である。
【図44】本発明の第15実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図45】本発明の第15実施例としての自動振幅等化
器における1次傾斜補償部の構成を示すブロック図であ
る。
【図46】本発明の第15実施例としての自動振幅等化
器における1次傾斜制御部の構成を示すブロック図であ
る。
【図47】本発明の第15実施例としての自動振幅等化
器における2次傾斜補償部の構成を示すブロック図であ
る。
【図48】本発明の第15実施例としての自動振幅等化
器における2次傾斜補償部が有する共振特性の一例を示
す図である。
【図49】本発明の第15実施例としての自動振幅等化
器における2次傾斜制御部の構成を示すブロック図であ
る。
【図50】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第15実
施例としての自動振幅等化器の動作を説明するための図
である。
【図51】(a),(b)はそれぞれ本発明の第15実
施例としての自動振幅等化器の動作を説明するための図
である。
【図52】(a),(b)はそれぞれ本発明の第15実
施例としての自動振幅等化器の動作を説明するための図
である。
【図53】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第15実
施例としての自動振幅等化器の等化能力を説明するため
の等化特性の一例を示す図である。
【図54】本発明の15実施例としての自動振幅等化器
における1次傾斜補償部の他の構成を示すブロック図で
ある。
【図55】本発明の15実施例としての自動振幅等化器
における1次傾斜制御部の他の構成を示すブロック図で
ある。
【図56】本発明の15実施例としての自動振幅等化器
における2次傾斜制御部の他の構成を示すブロック図で
ある。
【図57】本発明の第16実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図58】本発明の第16実施例としての自動振幅等化
器における2次傾斜補償部の構成を示すブロック図であ
る。
【図59】本発明の第16実施例としての自動振幅等化
器における2次傾斜補償部が有する振幅特性の一例を示
す図である。
【図60】本発明の第17実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図61】本発明の第17実施例としての自動振幅等化
器における1次傾斜補償部の構成を示すブロック図であ
る。
【図62】本発明の第18実施例としての自動振幅等化
器の構成を示すブロック図である。
【図63】本発明のその他の実施例としての自動振幅等
化器の構成を示すブロック図である。
【図64】本発明のその他の実施例としての自動振幅等
化器の構成を示すブロック図である。
【図65】従来の自動振幅等化器の構成を示すブロック
図である。
【図66】従来の自動振幅等化器の他の構成を示すブロ
ック図である。
【図67】(a),(b)はそれぞれ従来の自動振幅等
化器の動作を説明するための図である。
【図68】(a),(b)はそれぞれ従来の自動振幅等
化器の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 1次傾斜形振幅等化部 1C 2次傾斜形振幅等化部 1A−1,1B−1,112,202 正傾斜振幅等化
部 1A−2,203 零傾斜振幅等化部 1A−3,1B−3,204,114 負傾斜振幅等化
部 1A−4〜1A−6,1B−4,1B−5,115,1
17,205〜207可変減衰器 1B−2 凸傾斜振幅等化部 2,2′,2A〜2C,14,14a〜14c,90A
〜90C 制御部 2D 第1制御部 2E 第2制御部 2A−1,2B−1,2E−1 1次傾斜検出部 2A−2,2B−2,2E−2 混合比生成部 2C−1 2次傾斜検出部 2C−2 信号状態監視部 3,13,13′ 復調器 4,5,15,16,41A,41B,112A,11
3A,111B〜114B トランスバーサル等化器
(TRE) 9,101 アンテナ 10 受信部 11,11A,11B,20A,20B 1次傾斜補償
部(1次傾斜形振幅等化部) 12 自動利得制御部(AGC) 14′,14a′ 1次傾斜制御部(第1制御部) 17A,17B A/D変換器 18,18A,18B 2次傾斜補償部(2次傾斜形振
幅等化部) 18−1〜18−4,18−9,18−13,182,
184 抵抗 18−5,18−10,186B コイル(L) 18−6,18−7,18−11,181,185,1
86B コンデンサ(C) 18−8,18−11,18−12,183 PINダ
イオード 19,19′,19A,19B 2次傾斜制御部(第2
制御部) 21 信号方向判定部 21−1 第1信号方向判定部 21−2 第2信号方向判定部 22 誤差情報検出部 22−1 第1誤差情報検出部 22−2 第2誤差情報検出部 23 相関演算部 23−1 第1相関演算部 23−2 第2相関演算部 24 制御信号生成部 30 可変利得増幅部 31,40 変調部 32 1次傾斜歪伝送路 33 復調部 42A,42B,132,133 位相検波部 43A,43B,136,137 帯域通過フィルタ
(バンドパスフィルタ:BPF) 44A,44B,138,139,830 A/Dコン
バータ(A/D変換器) 45,135 局部発振器(LO) 46,47,111,111A,114A,131,1
34 ハイブリッド(H) 50 識別部 60 振幅検出部(信号レベル誤差検出部) 70A〜70C スペクトラム歪検出部(1次傾斜検出
部) 80A〜80C 混合比生成部 100 1次傾斜補償部 115B,116B 加算部 118,191C−1,191C−2 反転ゲート 140 遅延器 141,l45 上昇/下降識別部(信号方向判定部) 141A,145A 上昇/下降識別部(第1信号方向
判定部) 141B,145B 上昇/下降識別部(第2信号方向
判定部) 141−1,141−2,141−5,701,70
2,1121,1122レジスタ(REG) 141−3,141−4,703,704 コンパレー
タ(C) 141−6 EX−NORゲート(Exclusive NOR 素
子:排他的否定論理和演算素子) 141−7,193 ANDゲート(論理積演算素子) 141−8,194,195,198 フリップフロッ
プ回路(FF) 142,142A,142B 回転方向識別部 142−1,705 減算器(差演算部) 142A−1 減算器(第1差演算部) 142B−1 減算器(第2差演算部) 142−2,147,706 デコーダ(DEC)(相
関演算部) 142A−2,147A デコーダ(DEC)(第1相
関演算部) 142B−2,147B デコーダ(DEC)(第2相
関演算部) 142 回転方向識別部 143,143A,143B,148,148A,14
8B 積分器 144 ORゲート(論理和演算素子:制御信号生成
部) 146 誤差ビット検出部(誤差情報検出部) 146A 誤差ビット検出部(第1誤差情報検出部) 146B 誤差ビット検出部(第2誤差情報検出部) 186 共振回路 190 信号状態監視部 191,191C 遅延部 191A−1,191A−2,191B−1,191B
−2 フリップフロップ回路(FF:遅延素子) 192 交番信号判定部(特定信号状態判定部) 196 2次傾斜検出部 197 EX−ORゲート(排他的論理和演算素子) 199 積分器 201 分配器 208 混合器 801 差動増幅回路(DFA) 802 ローパスフィルタ(LPF:積分器) 803,804 反転増幅回路(IA) 805〜808 半波整流回路(HRA) 809 反転増幅回路(IA) 810 非反転増幅回路(NIA) 811 レベルコンバータ(LVC) 821 減算器(SUB) 822 加算器 823 アキュムレータ(ACC) 824,825 ROM(変換メモリ) 827,828 D/Aコンバータ(D/A変換器) 1123〜1125 タップ(乗算器) 1126 メモリ(ROM)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼柳 広幸 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25 号 富士通東北ディジタル・テクノロジ 株式会社内 (72)発明者 岩松 隆則 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−157641(JP,A) 特開 昭57−183139(JP,A) 特開 昭59−33940(JP,A) 特開 昭63−48022(JP,A) 特開 昭58−198928(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 3/06 H03H 17/00 H03H 21/00 H04L 27/01

Claims (61)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号の振幅特性を補償する自動振幅
    等化器において、 該入力信号の振幅特性を所要の1次傾斜振幅特性に応じ
    て補償する1次傾斜形振幅等化部と、 該入力信号についてのディジタル復調信号のうちの一方
    の信号の値の変化の方向を判定するとともに、該一方の
    信号に対し直交する該ディジタル復調信号のうちの他方
    の信号から誤差情報を検出し、この誤差情報と該一方の
    信号の値の変化の方向との相関に基づき該1次傾斜形振
    幅等化部用の制御信号を出力する制御部とをそなえて構
    成されたことを特徴とする、自動振幅等化器。
  2. 【請求項2】 該1次傾斜形振幅等化部が、周波数領域
    において該1次傾斜振幅特性を有し、該入力信号の振幅
    特性を該1次傾斜振幅特性に応じて補償するように構成
    されていることを特徴とする、請求項1記載の自動振幅
    等化器。
  3. 【請求項3】 該1次傾斜形振幅等化部が、時間領域に
    おける等化器により、該入力信号の振幅特性を該1次傾
    斜振幅特性に応じて補償するように構成されていること
    を特徴とする、請求項1記載の自動振幅等化器。
  4. 【請求項4】 該制御部が、該ディジタル復調信号のう
    ちの一方の信号の値の変化の方向を判定する信号方向判
    定部と、該一方の信号に対し直交する該ディジタル復調
    信号のうちの他方の信号から誤差情報を検出する誤差情
    報検出部と、該誤差情報検出部で得られた誤差情報と該
    信号方向判定部で得られた該一方の信号の値の変化の方
    向との相関に基づき該1次傾斜形振幅等化部用の制御信
    号を出力する相関演算部とをそなえて構成されたことを
    特徴とする請求項1記載の自動振幅等化器。
  5. 【請求項5】 該信号方向判定部が、データクロック周
    期で該一方の信号をサンプリングして、該一方の信号の
    値の変化の方向を判定すべく構成されていることを特徴
    とする請求項1記載の自動振幅等化器。
  6. 【請求項6】 該信号方向判定部が、データクロックの
    1/N周期(Nは2以上の整数)で該一方の信号をサン
    プリングして、該一方の信号の値の変化の方向を判定す
    べく構成されていることを特徴とする請求項1記載の自
    動振幅等化器。
  7. 【請求項7】 該誤差情報検出部が、該他方の信号の誤
    差ビットから誤差情報を検出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の自動振幅等化器。
  8. 【請求項8】 該誤差情報検出部が、該入力信号につい
    てのディジタル復調信号のうちの該他方の信号と、該他
    方の信号を更にトランスバーサル等化器で処理した等化
    後信号との差を演算する差演算部として構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の自動振幅等化器。
  9. 【請求項9】 該入力信号についての該ディジタル復調
    信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該1次傾
    斜形振幅等化部が該復調器の前段に設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の自動振幅等化器。
  10. 【請求項10】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該1次
    傾斜形振幅等化部が該復調器の後段に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載の自動振幅等化器。
  11. 【請求項11】 入力信号の振幅特性を補償する自動振
    幅等化器において、 該入力信号の振幅特性を所要の1次傾斜振幅特性に応じ
    て補償する1次傾斜形振幅等化部と、 該入力信号についてのディジタル復調信号のうちの一方
    の信号の値の変化の方向を判定し、該一方の信号に対し
    直交する該ディジタル復調信号うちの他方の信号から誤
    差情報を検出し、この誤差情報と該一方の信号の値の変
    化の方向との相関に基づいて第1相関信号を得るととも
    に、該他方の信号の値の変化の方向を判定し、該他方の
    信号に対し直交する該ディジタル復調信号のうちの該一
    方の信号から誤差情報を検出し、この誤差情報と該他方
    の信号の値の変化の方向との相関に基づいて第2相関信
    号を得、更に上記の第1相関信号及び第2相関信号から
    該1次傾斜形振幅等化部用の制御信号を生成して出力す
    る制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、自
    動振幅等化器。
  12. 【請求項12】 該1次傾斜形振幅等化部が、周波数領
    域において該1次傾斜振幅特性を有し、該入力信号の振
    幅特性を該1次傾斜振幅特性に応じて補償するように構
    成されていることを特徴とする、請求項11記載の自動
    振幅等化器。
  13. 【請求項13】 該1次傾斜形振幅等化部が、時間領域
    における等化器により、該入力信号の振幅特性を該1次
    傾斜振幅特性に応じて補償するように構成されているこ
    とを特徴とする、請求項11記載の自動振幅等化器。
  14. 【請求項14】 該制御部が、該ディジタル復調信号の
    うちの一方の信号の値の変化の方向を判定する第1信号
    方向判定部と、該一方の信号に対し直交する該ディジタ
    ル復調信号のうちの他方の信号から誤差情報を検出する
    第1誤差情報検出部と、該第1誤差情報検出部で得られ
    た誤差情報と該第1信号方向判定部で得られた該一方の
    信号の値の変化の方向との相関に基づき該第1相関信号
    を出力する第1相関演算部とをそなえるとともに、該他
    方の信号の値の変化の方向を判定する第2信号方向判定
    部と、該一方の信号から誤差情報を検出する第2誤差情
    報検出部と、該第2誤差情報検出部で得られた誤差情報
    と該第2信号方向判定部で得られた該他方の信号の値の
    変化の方向との相関に基づき該第2相関信号を出力する
    第2相関演算部と、該第1相関演算部からの該第1相関
    信号及び該第2相関演算部からの該第2相関信号から該
    1次傾斜形振幅等化部用の制御信号を生成する制御信号
    生成部とをそなえて構成されていることを特徴とする請
    求項11記載の自動振幅等化器。
  15. 【請求項15】 該第1信号方向判定部が、データクロ
    ック周期で該一方の信号をサンプリングして、該一方の
    信号の値の変化の方向を判定すべく構成されるととも
    に、該第2信号方向判定部が、データクロック周期で該
    他方の信号をサンプリングして、該他方の信号の値の変
    化の方向を判定すべく構成されていることを特徴とする
    請求項11記載の自動振幅等化器。
  16. 【請求項16】 該第1信号方向判定部が、データクロ
    ックの1/N周期(Nは2以上の整数)で該一方の信号
    をサンプリングして、該一方の信号の値の変化の方向を
    判定すべく構成されるとともに、該第2信号方向判定部
    が、データクロックの1/N周期(Nは2以上の整数)
    で該他方の信号をサンプリングして、該他方の信号の値
    の変化の方向を判定すべく構成されていることを特徴と
    する請求項11記載の自動振幅等化器。
  17. 【請求項17】 該第1誤差情報検出部が、該一方の信
    号の誤差ビットから誤差情報を検出するように構成され
    るとともに、該第2誤差情報検出部が、該他方の信号の
    誤差ビットから誤差情報を検出するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項11記載の自動振幅等化器。
  18. 【請求項18】 該第1誤差情報検出部が、該入力信号
    についてのディジタル復調信号のうちの該他方の信号
    と、該他方の信号を更にトランスバーサル等化器で処理
    した等化後信号との差を演算する第1差演算部として構
    成されるとともに、該第2誤差情報検出部が、該一方の
    信号と、該一方の信号を更にトランスバーサル等化器で
    処理した等化後信号との差を演算する第2差演算部とし
    て構成されていることを特徴とする請求項11記載の自
    動振幅等化器。
  19. 【請求項19】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該1次
    傾斜形振幅等化部が該復調器の前段に設けられているこ
    とを特徴とする請求項11記載の自動振幅等化器。
  20. 【請求項20】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該1次
    傾斜形振幅等化部が該復調器の後段に設けられているこ
    とを特徴とする請求項11記載の自動振幅等化器。
  21. 【請求項21】 入力信号の振幅特性を周波数領域で補
    償する自動振幅等化器において、 周波数領域において正傾斜振幅等化特性を有する正傾斜
    振幅等化部と、周波数領域において負傾斜振幅等化特性
    を有する負傾斜振幅等化部と、周波数領域において零傾
    斜振幅等化特性を有する零傾斜振幅等化部とを有する1
    次傾斜形振幅等化部をそなえ、且つ、該1次傾斜形振幅
    等化部が、該正傾斜振幅等化部,該負傾斜振幅等化部及
    び該零傾斜振幅等化部の各出力を可変の混合比で混合す
    るように構成されるとともに、 該入力信号についてのディジタル復調信号に基づいて該
    1次傾斜形振幅等化部での上記混合比を制御するための
    混合比制御信号を生成して該1次傾斜形振幅等化部へ出
    力する制御部をそなえていることを特徴とする、自動振
    幅等化器。
  22. 【請求項22】 該1次傾斜形振幅等化部が、該正傾斜
    振幅等化部,該負傾斜振幅等化部及び該零傾斜振幅等化
    部に対応して複数の可変減衰器をそなえるとともに、該
    複数の可変減衰器の減衰度を該制御部から出力される該
    混合比制御信号に応じて個別に制御することにより、該
    正傾斜振幅等化部,該負傾斜振幅等化部及び該零傾斜振
    幅等化部の出力をそれぞれ可変の混合比で混合するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項21記載の自
    動振幅等化器。
  23. 【請求項23】 該零傾斜振幅等化部が、該正傾斜振幅
    等化部及び該負傾斜振幅等化部と同一の遅延特性を有す
    る遅延線で構成されていることを特徴とする請求項21
    記載の自動振幅等化器。
  24. 【請求項24】 該制御部が、 該入力信号についてのディジタル復調信号に基づいて該
    1次傾斜振幅特性を検出する1次傾斜検出部と、該1次
    傾斜検出部での検出結果に応じて該混合比制御信号を生
    成する混合比生成部とをそなえて構成されていることを
    特徴とする請求項21記載の自動振幅等化器。
  25. 【請求項25】 該1次傾斜検出部が、該入力信号につ
    いての該ディジタル復調信号のうちの該一方の信号の値
    の変化の方向を判定する信号方向判定部と、該一方の信
    号に対し直交する該ディジタル復調信号のうちの他方の
    信号から誤差情報を検出する誤差情報検出部と、該誤差
    情報検出部で得られた誤差情報と該信号判定部で得られ
    た該一方の信号の値の変化の方向との相関に基づき該入
    力信号についての該1次傾斜振幅特性を演算にて検出す
    る相関演算部とをそなえて構成されていることを特徴と
    する請求項24記載の自動振幅等化器。
  26. 【請求項26】 該混合比生成部が、 該1次傾斜検出部で検出された該1次傾斜振幅特性を積
    分する積分器をそなえ、該積分器での該1次傾斜振幅特
    性についての積分結果が零傾斜振幅特性を示す場合は、
    該零傾斜振幅等化部の出力の混合比を最大にし、且つ、
    該正傾斜振幅等化部及び該負傾斜振幅等化部の各出力の
    混合比を最小にするとともに、該積分結果が負傾斜振幅
    特性を示す場合は、該負傾斜振幅特性を相殺すべく該正
    傾斜振幅等化部の出力の混合比を増加させる一方、該積
    分結果が正傾斜振幅特性を示す場合は、該正傾斜振幅特
    性を相殺すべく該負傾斜振幅等化部の出力の混合比を増
    加させるような信号を該混合比制御信号として生成する
    ように構成されていることを特徴とする請求項24記載
    の自動振幅等化器。
  27. 【請求項27】 該混合比生成部が、該1次傾斜検出部
    で検出された該1次傾斜振幅特性を積分する積分器と、
    該積分器での該1次傾斜振幅特性についての積分結果を
    該混合比制御信号に変換する変換メモリとをそなえて構
    成されていることを特徴とする請求項24記載の自動振
    幅等化器。
  28. 【請求項28】 該入力信号についてのディジタル復調
    信号から信号レベルの誤差情報を検出する信号レベル誤
    差検出部をそなえるとともに、該混合比生成部が、該信
    号レベル誤差検出部で検出された該誤差情報に応じて該
    混合比制御信号の出力レベルを可変にするように構成さ
    れていることを特徴とする請求項24記載の自動振幅等
    化器。
  29. 【請求項29】 入力信号の振幅特性を周波数領域で補
    償する自動振幅等化器において、 周波数領域において正傾斜振幅等化特性を有する正傾斜
    振幅等化部と、周波数領域において負傾斜振幅等化特性
    を有する負傾斜振幅等化部と、周波数領域において凸傾
    斜振幅等化特性を有する凸傾斜振幅等化部とを有する1
    次傾斜形振幅等化部をそなえ、且つ、該1次傾斜形振幅
    等化部が、該正傾斜振幅等化部及び該負傾斜振幅等化部
    の各出力を可変の混合比で混合し、該凸傾斜振幅等化部
    の出力を一定の混合比で混合しうるように構成されると
    ともに、 該入力信号についてのディジタル復調信号に基づいて該
    1次傾斜形振幅等化部での上記混合比を制御するための
    混合比制御信号を生成して該1次傾斜形振幅等化部へ出
    力する制御部をそなえていることを特徴とする、自動振
    幅等化器。
  30. 【請求項30】 該1次傾斜形振幅等化部が、 該正傾斜振幅等化部及び該負傾斜振幅等化部に対応して
    複数の可変減衰器をそなえ、該複数の可変減衰器の減衰
    度を該混合比制御信号に応じて個別に制御することによ
    り、該正傾斜振幅等化部及び該負傾斜振幅等化部の出力
    をそれぞれ可変の混合比で混合するとともに、該凸傾斜
    振幅等化部の出力を一定の混合比で混合するように構成
    されていることを特徴とする請求項29記載の自動振幅
    等化器。
  31. 【請求項31】 該凸傾斜振幅等化部が、該入力信号の
    もつ所要の周波数帯域の中心に中心周波数を有する共振
    回路として構成されていることを特徴とする請求項29
    記載の自動振幅等化器。
  32. 【請求項32】 該制御部が、 該入力信号についてのディジタル復調信号に基づいて該
    1次傾斜振幅特性を検出する1次傾斜検出部と、該1次
    傾斜検出部での検出結果に応じて該混合比制御信号を生
    成する混合比生成部とをそなえて構成されたことを特徴
    とする、請求項29記載の自動振幅等化器。
  33. 【請求項33】 該1次傾斜検出部が、該入力信号につ
    いての該ディジタル復調信号のうちの該一方の信号の値
    の変化の方向を判定する信号方向判定部と、該一方の信
    号に対し直交する該ディジタル復調信号のうちの他方の
    信号から誤差情報を検出する誤差情報検出部と、該誤差
    情報検出部で得られた誤差情報と該信号判定部で得られ
    た該一方の信号の値の変化の方向との相関に基づき該入
    力信号についての該1次傾斜振幅特性を演算にて検出す
    る相関演算部とをそなえて構成されたことを特徴とする
    請求項32記載の自動振幅等化器。
  34. 【請求項34】 該混合比生成部が、 該1次傾斜検出部で検出された該1次傾斜振幅特性を積
    分する積分器をそなえ、該積分器での該1次傾斜振幅特
    性についての積分結果が零傾斜振幅特性を示す場合は、
    該正傾斜振幅等化部及び該負傾斜振幅等化部の各出力の
    混合比を最小にするとともに、該積分結果が負傾斜振幅
    特性を示す場合は、該負傾斜振幅特性を相殺すべく該正
    傾斜振幅等化部の出力の混合比を増加させる一方、該積
    分結果が正傾斜振幅特性を示す場合は、該正傾斜振幅特
    性を相殺すべく該負傾斜振幅等化部の出力の混合比を増
    加させるような信号を該混合比制御信号として生成する
    ように構成されたことを特徴とする、請求項32記載の
    自動振幅等化器。
  35. 【請求項35】 該混合比生成部が、該1次傾斜検出部
    で検出された該1次傾斜振幅特性を積分する積分器と、
    該積分器での該1次傾斜振幅特性についての積分結果を
    該混合比制御信号に変換する変換メモリとをそなえて構
    成されていることを特徴とする請求項32記載の自動振
    幅等化器。
  36. 【請求項36】 該入力信号についてのディジタル復調
    信号から信号レベルの誤差情報を検出する信号レベル誤
    差検出部をそなえるとともに、該混合比生成部が、該信
    号レベル誤差検出部で検出された該誤差情報に応じて該
    混合比制御信号の出力レベルを可変にするように構成さ
    れていることを特徴とする請求項32記載の自動振幅等
    化器。
  37. 【請求項37】 入力信号の振幅特性を補償する自動振
    幅等化器において、 該入力信号の2次傾斜振幅特性を所要の1次傾斜振幅特
    性または所要の2次傾斜振幅特性に応じて補償する2次
    傾斜形振幅等化部と、 該入力信号についてのディジタル復調信号から該入力信
    号の2次傾斜振幅特性を検出し、その検出結果に基づき
    該2次傾斜形振幅等化部用の制御信号を出力する制御部
    とをそなえて構成されたことを特徴とする、自動振幅等
    化器。
  38. 【請求項38】 該2次傾斜形振幅等化部が、周波数領
    域において該1次傾斜振幅特性または該2次傾斜振幅特
    性を有し、該入力信号の2次傾斜振幅特性を該1次傾斜
    振幅特性または該2次傾斜振幅特性に応じて補償するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項37記載の
    自動振幅等化器。
  39. 【請求項39】 該2次傾斜形振幅等化部が、時間領域
    における等化器により、該入力信号の2次傾斜振幅特性
    を該1次傾斜振幅特性または該2次傾斜振幅特性に応じ
    て補償するように構成されていることを特徴とする請求
    項37記載の自動振幅等化器。
  40. 【請求項40】 該制御部が、 該ディジタル復調信号の値と該ディジタル復調信号の誤
    差情報との相関に基づき該入力信号の2次傾斜振幅特性
    を検出する2次傾斜検出部と、該ディジタル復調信号の
    値の変化状態を監視する信号状態監視部とをそなえ、 該信号状態監視部で該ディジタル復調信号の値の変化状
    態が特定の状態であると判定された場合に、該2次傾斜
    検出部で検出された該2次傾斜振幅特性に基づき該2次
    傾斜形振幅等化部用の制御信号を出力するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項37記載の自動振幅等
    化器。
  41. 【請求項41】 該2次傾斜検出部が、該ディジタル復
    調信号を更にトランスバーサル等化器で処理した等化後
    信号の値と該等化後信号の誤差情報との相関に基づい
    て、該2次傾斜振幅特性を検出するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項40記載の自動振幅等化器。
  42. 【請求項42】 該2次傾斜検出部が、該ディジタル復
    調信号と該誤差情報とについて排他的論理和演算を施す
    排他的論理和演算素子をそなえたことを特徴とする請求
    項40記載の自動振幅等化器。
  43. 【請求項43】 該信号状態監視部が、該ディジタル復
    調信号に対して所要の遅延を施す遅延部と、該遅延部か
    らのディジタル復調信号の値が特定の変化状態であるか
    どうかを判定する特定信号状態判定部とをそなえて構成
    されていることを特徴とする請求項40記載の自動等化
    器。
  44. 【請求項44】 該遅延部が、複数の遅延素子をそなえ
    て構成され、且つ、該特定信号状態判定部が、各遅延素
    子からの各ディジタル復調信号の値が所定の値を交互に
    繰り返す状態であるかどうかを判定する手段として構成
    されていることを特徴とする請求項43記載の自動振幅
    等化器。
  45. 【請求項45】 該遅延部が、複数の遅延素子をそなえ
    て構成されるとともに、これらの各遅延素子からの各デ
    ィジタル復調信号の値が交互に繰り返す状態である場合
    に各遅延素子からの各ディジタル復調信号の値について
    反転,非反転処理を施すことにより一定値に変換して出
    力する反転・非反転部が設けられ、且つ、該特定信号状
    態判定部が、該反転・非反転部からの出力を受けて各デ
    ィジタル復調信号の値が所定の値を一定に保った状態で
    あるかどうかを判定する手段として構成されていること
    を特徴とする請求項43記載の自動振幅等化器。
  46. 【請求項46】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該2次
    傾斜形振幅等化部が該復調器の前段に設けられているこ
    とを特徴とする請求項37記載の自動振幅等化器。
  47. 【請求項47】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該2次
    傾斜形振幅等化部が該復調器の後段に設けられているこ
    とを特徴とする請求項37記載の自動振幅等化器。
  48. 【請求項48】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該2次
    傾斜形振幅等化部が該復調器で得られる該ディジタル復
    調信号の数に対応して該復調器の後段に複数設けられ、
    且つ、該制御部が、各2次傾斜形振幅等化部に対応して
    複数設けられていることを特徴とする請求項37記載の
    自動振幅等化器。
  49. 【請求項49】 入力信号の振幅特性を補償する自動振
    幅等化器において、 該入力信号の1次傾斜振幅特性を所要の1次傾斜振幅特
    性に応じて補償する1次傾斜形振幅等化部と、 該入力信号の2次傾斜振幅特性を所要の1次傾斜振幅特
    性または2次傾斜振幅特性に応じて補償する2次傾斜形
    振幅等化部と、 該入力信号についてのディジタル復調信号から該入力信
    号の1次傾斜振幅特性を検出し、その検出結果に基づき
    該1次傾斜形振幅等化部用の制御信号を出力する第1制
    御部と、 該入力信号についてのディジタル復調信号から該入力信
    号の2次傾斜振幅特性を検出し、その検出結果に基づき
    該2次傾斜形振幅等化部用の制御信号を出力する第2制
    御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、自動振
    幅等化器。
  50. 【請求項50】 該1次傾斜形振幅等化部が、周波数領
    域において該1次傾斜振幅特性を有し、該入力信号の1
    次傾斜振幅特性を該1次傾斜振幅特性に応じて補償する
    ように構成されていることを特徴とする請求項49記載
    の自動振幅等化器。
  51. 【請求項51】 該1次傾斜形振幅等化部が、時間領域
    における等化器により、該入力信号の1次傾斜振幅特性
    を該1次傾斜振幅特性に応じて補償するように構成され
    ていることを特徴とする請求項49記載の自動振幅等化
    器。
  52. 【請求項52】 該2次傾斜形振幅等化部が、周波数領
    域において該1次傾斜振幅特性または該2次傾斜振幅特
    性を有し、該入力信号の2次傾斜振幅特性を該1次傾斜
    振幅特性または該2次傾斜振幅特性に応じて補償するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項49記載の
    自動振幅等化器。
  53. 【請求項53】 該2次傾斜形振幅等化部が、時間領域
    における等化器により、該入力信号の2次傾斜振幅特性
    を該1次傾斜振幅特性または該2次傾斜振幅特性に応じ
    て補償するように構成されていることを特徴とする請求
    項49記載の自動振幅等化器。
  54. 【請求項54】 該第1制御部が、 該ディジタル復調信号のうちの一方の信号の値の変化の
    方向を判定する信号方向判定部と、該一方の信号に対し
    直交する該ディジタル復調信号のうちの他方の信号から
    誤差情報を検出する誤差情報検出部と、該誤差情報検出
    部で得られた誤差情報と該信号方向判定部で得られた該
    一方の信号の値の変化の方向との相関に基づき該1次傾
    斜形振幅等化部用の制御信号を出力する相関演算部とを
    そなえて構成されていることを特徴とする請求項49記
    載の自動振幅等化器。
  55. 【請求項55】 該第1制御部が、 該ディジタル復調信号のうちの一方の信号の値の変化の
    方向を判定する第1信号方向判定部と、該一方の信号に
    対し直交する該ディジタル復調信号のうちの他方の信号
    から誤差情報を検出する第1誤差情報検出部と、該第1
    誤差情報検出部で得られた誤差情報と該第1信号方向判
    定部で得られた該一方の信号の値の変化の方向との相関
    に基づき第1相関信号を出力する第1相関演算部とをそ
    なえるとともに、該他方の信号の値の変化の方向を判定
    する第2信号方向判定部と、該一方の信号から誤差情報
    を検出する第2誤差情報検出部と、該第2誤差情報検出
    部で得られた誤差情報と該第2信号方向判定部で得られ
    た該他方の信号の値の変化の方向との相関に基づき第2
    相関信号を出力する第2相関演算部と、該第1相関演算
    部からの該第1相関信号及び該第2相関演算部からの該
    第2相関信号から該1次傾斜形振幅等化部用の制御信号
    を生成する制御信号生成部とをそなえて構成されている
    ことを特徴とする請求項49記載の自動振幅等化器。
  56. 【請求項56】 該第2制御部が、 該ディジタル復調信号の値と該ディジタル復調信号の誤
    差情報との相関に基づき該入力信号の2次傾斜振幅特性
    を検出する2次傾斜検出部と、該ディジタル復調信号の
    値の変化状態を監視する信号状態監視部とをそなえ、 該信号状態監視部で該ディジタル復調信号の値の変化状
    態が特定の状態であると判定された場合に、該2次傾斜
    検出部で検出された該2次傾斜振幅特性に基づき該2次
    傾斜形振幅等化部用の制御信号を出力するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項49記載の自動振幅等
    化器。
  57. 【請求項57】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該1次
    傾斜形振幅等化部及び該2次傾斜形振幅等化部が該復調
    器の前段に設けられていることを特徴とする請求項49
    記載の自動振幅等化器。
  58. 【請求項58】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該1次
    傾斜形振幅等化部及び該2次傾斜形振幅等化部が該復調
    器の後段に設けられていることを特徴とする請求項49
    記載の自動振幅等化器。
  59. 【請求項59】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該1次
    傾斜形振幅等化部が該復調器の前段に設けられ、且つ、
    該2次傾斜形振幅等化部が該復調器の後段に設けられて
    いることを特徴とする請求項49記載の自動振幅等化
    器。
  60. 【請求項60】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該2次
    傾斜形振幅等化部が該復調器の前段に設けられ、且つ、
    該1次傾斜形振幅等化部が該復調器の後段に設けられて
    いることを特徴とする請求項49記載の自動振幅等化
    器。
  61. 【請求項61】 該入力信号についての該ディジタル復
    調信号を得る復調器をさらにそなえるとともに、該2次
    傾斜形振幅等化部が該復調器で得られる該ディジタル復
    調信号の数に対応して該復調器の後段に複数設けられ、
    且つ、該第2制御部が、各2次傾斜形振幅等化部に対応
    して複数設けられていることを特徴とする請求項49記
    載の自動振幅等化器。
JP16272095A 1994-09-27 1995-06-28 自動振幅等化器 Expired - Lifetime JP3462937B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16272095A JP3462937B2 (ja) 1994-09-27 1995-06-28 自動振幅等化器
GB9902895A GB2330743B (en) 1994-09-27 1995-09-20 Automatic amplitude equalizer
GB9902521A GB2330742B (en) 1994-09-27 1995-09-20 Automatic amplitude equalizer
GB9519236A GB2293948B (en) 1994-09-27 1995-09-20 Automatic amplitude equalizer
US08/533,119 US5978415A (en) 1994-09-27 1995-09-25 Automatic amplitude equalizer
DE19535839A DE19535839B4 (de) 1994-09-27 1995-09-26 Automatischer Amplitudenentzerrer

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23182494 1994-09-27
JP6-231824 1994-09-27
JP6-238977 1994-10-03
JP23897794 1994-10-03
JP16272095A JP3462937B2 (ja) 1994-09-27 1995-06-28 自動振幅等化器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08163005A JPH08163005A (ja) 1996-06-21
JP3462937B2 true JP3462937B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=27322050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16272095A Expired - Lifetime JP3462937B2 (ja) 1994-09-27 1995-06-28 自動振幅等化器

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5978415A (ja)
JP (1) JP3462937B2 (ja)
DE (1) DE19535839B4 (ja)
GB (1) GB2293948B (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6249554B1 (en) * 1997-07-15 2001-06-19 Agere Systems Guardian Corp. Power based digital automatic gain control circuit
JPH11112461A (ja) * 1997-08-05 1999-04-23 Sony Corp デジタル通信の受信機
JP3411208B2 (ja) * 1998-03-13 2003-05-26 富士通株式会社 デジタル無線受信装置
JP3676576B2 (ja) 1998-07-17 2005-07-27 富士通株式会社 自動遅延等化器及び自動遅延等化方法並びに自動遅延・振幅等化器及び自動遅延・振幅等化方法
KR100318952B1 (ko) 1999-12-29 2002-01-04 윤종용 무선통신시스템에서 채널 추정을 위한 장치 및 방법
US6469574B1 (en) 2001-01-26 2002-10-22 Applied Micro Circuits Corporation Selectable equalization system and method
US20030067997A1 (en) * 2001-10-04 2003-04-10 Mark Kintis Intermediate frequency signal amplitude equalizer for multichannel applications
US6785622B2 (en) * 2001-10-29 2004-08-31 Agilent Technologies, Inc. Method and apparatus for performing eye diagram measurements
US7660344B2 (en) * 2002-06-28 2010-02-09 Bwa Technology, Inc. AGC fine-tuning by the adaptive time domain equalizer
US7561652B2 (en) * 2003-04-22 2009-07-14 Paul Kevin Hall High frequency spread spectrum clock generation
JP4641715B2 (ja) * 2003-11-14 2011-03-02 富士通株式会社 歪補償装置及び無線基地局
JP4573627B2 (ja) * 2004-11-05 2010-11-04 富士通株式会社 光通信装置の光出力自動減衰回路
JP2009130809A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Nec Electronics Corp 通信装置
US7916672B2 (en) * 2008-01-22 2011-03-29 Texas Instruments Incorporated RF processor having internal calibration mode
US8351493B2 (en) * 2008-11-18 2013-01-08 Gennum Corporation Folding sequential adaptive equalizer
US10608849B1 (en) * 2019-04-08 2020-03-31 Kandou Labs, S.A. Variable gain amplifier and sampler offset calibration without clock recovery

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE791373A (fr) * 1971-11-17 1973-03-01 Western Electric Co Egaliseur automatique pour systeme de transmission de donnees amodulation de phase
US3906347A (en) * 1973-10-11 1975-09-16 Hycom Inc Transversal equalizer for use in double sideband quadrature amplitude modulated system
JPS5182548A (en) * 1974-12-27 1976-07-20 Fujitsu Ltd Jidotokaki
JPS5910094B2 (ja) * 1978-04-12 1984-03-07 日本電気株式会社 振幅等化装置
US4237554A (en) * 1979-03-01 1980-12-02 Bell Telephone Laboratories, Incorporated Coefficient tap leakage for fractionally-spaced equalizers
CA1152166A (en) * 1979-12-03 1983-08-16 Toshihiko Ryu Amplitude equalizer
EP0048475B1 (en) * 1980-09-24 1986-01-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Transversal equalizer
CA1181817A (en) * 1982-04-28 1985-01-29 John D. Mcnicol Intermediate frequency slope compensation control arrangements
EP0106136A3 (en) * 1982-09-13 1985-10-16 Communications Satellite Corporation Digitally controlled transversal equalizer
JPS59194540A (ja) * 1983-04-19 1984-11-05 Nec Corp 自動適応型等化器
CA1275710C (en) * 1986-08-18 1990-10-30 Toshiaki Suzuki Amplitude equalizer
JPH0744473B2 (ja) * 1993-02-02 1995-05-15 日本電気株式会社 復調システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08163005A (ja) 1996-06-21
DE19535839A1 (de) 1996-04-04
DE19535839B4 (de) 2010-06-02
GB2293948B (en) 1999-05-19
US5978415A (en) 1999-11-02
GB2293948A (en) 1996-04-10
GB9519236D0 (en) 1995-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3462937B2 (ja) 自動振幅等化器
CN109560825B (zh) 零中频接收机正交误差校正方法
CN110089038B (zh) 噪声抑制装置、噪声抑制方法、以及使用它们的接收装置、接收方法
US20070253512A1 (en) Method for acquiring timing and carrier synchronization of offset-QPSK modulated signals
KR900002330B1 (ko) 무선 수신기
WO2020109453A1 (en) Single channel receiver and receiving method
EP1884016B1 (en) Method and system for i/q imbalance and dc offset correction
JP3676576B2 (ja) 自動遅延等化器及び自動遅延等化方法並びに自動遅延・振幅等化器及び自動遅延・振幅等化方法
JPH1041992A (ja) 準同期検波復調装置
US7529314B2 (en) Carrier phase detector
CN100514951C (zh) 用于数字调制的装置和方法
US20160226686A1 (en) Receiving apparatus and receiving method
US7933362B2 (en) Multilevel QAM symbol timing detector and multilevel QAM communication signal receiver
KR100676568B1 (ko) 타이밍추출장치 및 방법 그리고 그 타이밍추출장치를구비한 복조장치
JP3576415B2 (ja) Ofdm受信装置
Haruyama et al. A software defined radio platform with direct conversion: SOPRANO
US8774323B2 (en) Device and method for determining a symbol during reception of a signal coupled with a quadrature signal pair (I,Q) for QAM frequency control and/or rotation control
KR19980021021A (ko) 디지탈 록 검출회로
JP2000188580A (ja) Ofdm受信装置
GB2330742A (en) Automatic amplitude equalizer
US7366233B1 (en) Assembly for measurement demodulation and modulation error detection of a digitally modulated receive signal
JPH09214461A (ja) ディジタル多重無線の交差偏波伝送受信機
JPH0748677B2 (ja) 等化器
KR100744092B1 (ko) 직접 변환 수신기 및 수신 방법
JPH10257107A (ja) 周波数変調方法及びモデム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030729

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080815

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090815

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090815

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term