JP3462252B2 - 成形用金型 - Google Patents

成形用金型

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JP3462252B2 JP02836594A JP2836594A JP3462252B2 JP 3462252 B2 JP3462252 B2 JP 3462252B2 JP 02836594 A JP02836594 A JP 02836594A JP 2836594 A JP2836594 A JP 2836594A JP 3462252 B2 JP3462252 B2 JP 3462252B2
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講二 坂根
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多希雄 田坂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂、ゴム組成物、ワ
ックス等の成形に用いる成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂の射出成形を例にとると、射出成形
における製品設計と金型設計には、通常の部品設計とは
異なる特異性がある。すなわち、設計者が製品の具体的
な形状を数値化し、図面化して製品設計を完了しても、
すぐに樹脂製品が得られるわけではなく、製品設計が完
了した時点で該製品を作るための転写工具である成形用
金型を設計しなければならない。そして樹脂製品を新規
に設計する毎に、新しい金型を製作する必要がある。し
かも、この金型から製造される製品は、それ自体を手直
し出来ないため、金型(特にそのコア及びキャビティ)
には極めて高い精度が要求される。
【0003】従来、金型としては金属製のものが汎用さ
れているが、上記した様に金属を用いて極めて高い精度
を要求される金型を製作することは非常に困難であり、
莫大なコスト及び長時間を要するので、樹脂製品を開発
する上での大きな妨げとなっている。特に、多品種少量
生産化が進む現状においては、以前の少品種量産の時代
に比べ、試作用、評価用、製品用などに必要となる金型
の数量が飛躍的に増大し、また新製品の開発時には、デ
ザインの変更や機能性能向上、製品価格低減などを目的
とした設計変更ひいては金型の設計変更の発生が避けら
れないため、金型の製造に要するコストを低下させるこ
とが強く望まれている。さらに商品サイクルの短縮化も
顕著になっているため、金型の製作を短期間に行うこと
が非常に重要になっている。
【0004】この様な現状に鑑み、加工性の良い焼き入
れ可能な鋼材を金型材料としたり、金型材料や部品を標
準化したり、キャビティ及びコアの部分だけを変更する
カセット型の金型を製作したり、更にコンピューターに
よる金型設計の合理化を行うなど種々の方法が提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方法も従来と同様に金属を金型のコア及びキャビティ
材料とするものであり、十分な改善効果を得ているとは
言えない。そこで本発明は、従来の、コア及びキャビテ
ィを金属材料で形成した成形用金型と比べると、安価
に、短期間で製作することができ、精度の点についても
要求に応じ得る成形用金型を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、金型の中で
も特に製作が困難で製作コストが高く、製作に長時間を
要するキャビティ及びコアの材料を樹脂で代替すること
により、金型製作コストの低減化及び製作期間の短縮化
を図るべく鋭意研究を重ねた結果、優れた切削加工性及
び高い機械的強度を有する成形型用の熱可塑性樹脂組成
物を得ることに成功し、該樹脂組成物を用いれば、これ
から例えば直方体形状等の成形体を容易に得て、それを
切削加工するだけで容易に、精度よく、安価にキャビテ
ィ及びコアを製作できることを見いだし、先に特許出願
した(特願平6−319号)。その樹脂組成物は熱可塑
性樹脂、無機質繊維状強化材及び無機質粒子状充填材か
らなる組成物であって曲げ強さが1000kgf/cm
2 以上、曲げ弾性率が70000kgf/cm2 以上で
あり、切削加工可能な熱可塑性樹脂組成物である。
【0007】そして該樹脂組成物からなるキャビティ及
びコアは高い機械的強度を有するものであるが、これら
に、例えば射出成形による連続的な樹脂製品の成形にも
十分耐えることのできる機械的強度を付与するには、該
樹脂製のコア及びキャビティのそれぞれを補強を兼ねる
保持部材により保持して使用すればよいこと、及び樹脂
製のコア及びキャビティとすることによる耐久性の低下
については、それらを冷却できる手段を設ければよいこ
とに着目し、本発明を完成した。
【0008】前記課題を解決する本発明の成形用金型
は、樹脂製コア及び樹脂製キャビティ、前記コアを保持
するコア保持手段、前記キャビティを保持するキャビテ
ィ保持手段、前記コア及びキャビティのうち少なくとも
一方の温度を検出する温度検出手段、前記コア及びキャ
ビティに冷却用気体を吹きつける手段、及び前記温度検
出手段により検出される温度が予め定めた温度条件を満
足するように該温度検出手段により検出された温度に応
じて前記気体吹きつけ手段の運転を制御する制御部を備
え、前記コア及びキャビティが熱可塑性樹脂、無機質繊
維状強化材及び無機質粒子状充填材からなる組成物であ
って曲げ強さが1000kgf/cm2 以上、曲げ弾性
率が70000kgf/cm2 で、切削加工可能な熱可
塑性樹脂組成物から形成されている成形用金型である。
【0009】また、本発明は前記課題を解決する成形用
金型として、樹脂製コア及び樹脂製キャビティ、前記コ
アを保持するコア保持手段、及び前記キャビティを保持
するキャビティ保持手段を備え、前記コア及びキャビテ
ィが熱可塑性樹脂、無機質繊維状強化材及び無機質粒子
状充填材からなる組成物であって曲げ強さが1000k
gf/cm2 以上、曲げ弾性率が70000kgf/c
2 以上で、切削加工可能な熱可塑性樹脂組成物から形
成されており、前記コア及びキャビティにはそれぞれ金
属製放熱用フィンを付設してある成形用金型も提供す
る。
【0010】本発明の金型を適用し得る材料としては、
特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、例え
ば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム組成物、金属鋳
造用の鋳型製造するためのワックス、樹脂成形時に成形
型内にセットする低融点金属(錫、ビスマス、鉛などを
主成分とした融点140℃前後の金属または合金)など
を挙げることができる。
【0011】また、本発明の金型は、代表的には射出成
形用の金型であるが、この他、注形成形、ブロー成形、
ロストコア成形などにも適用できる種々の成形用金型が
考えられる。本発明の金型は、前記樹脂製のコア及びキ
ャビティ、こらの保持手段、コア及び(又は)キャビテ
ィの温度検出手段、前記冷却用気体を吹きつける手段等
を備える他は、2プレート金型、突き出しスリーブ及び
/又はストリッパプレートを備えた金型、3プレート金
型、割型(アンダーカット処理機構を有する金型)、内
面ネジ金型等の従来の金型と同様の構造をとることがで
きる。
【0012】コア及びキャビティの材料となる熱可塑性
樹脂組成物は、既述のとおり、必須成分として熱可塑性
樹脂、無機質繊維状強化材及び無機質粒子状充填材を含
み、曲げ強さが1000kgf/cm2 以上、曲げ弾性
率が70000kgf/cm 2 以上で切削加工が可能な
ものである。或いはさらに比較的融点の高い樹脂材料等
の成形に採用できるように熱変形温度180℃以上のも
のであってもよい。ワックス等の低融点材料を成形する
ときや、シリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を注型成形す
る際には、熱変形温度は180℃以上である必要はな
い。
【0013】ここで「切削加工が可能」とは、旋盤、ボ
ール盤、フライス盤などの一般的な切削機械で、その切
削工具を著しく傷めることなく切削加工ができることを
意味する。また、前記「熱変形温度」は、米国材料試験
協会規格(ASTM)D648に規定されている方法で
18.6kgf/cm2 応力下で測定したときの温度で
ある。前記曲げ強さ、曲げ弾性率の各値はASTM D
792で規定されている方法で測定したときのものであ
る。
【0014】前記熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性
樹脂としては、後記する無機質繊維状強化材と無機質粒
子状充填材のそれぞれ所定量と混合したときに、前記に
規定の機械的強度及び切削加工性を発現し得るものを使
用すればよい。このような熱可塑性樹脂は実際の試験に
より容易に選定できるが、その具体例を挙げると、例え
ば、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレンをブレンド
した変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン
ナフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエ
テールケトン、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン
4・6、ナイロンMXD6などの熱可塑性ポリアミド、
ポリサルホン、ポリアリルサルホン、ポリエーテルサル
ホン、ポリチオエーテルサルホンなどである。熱可塑性
樹脂は1種を単独で又は2種以上を併用して使用でき
る。相溶性の悪い2種以上の熱可塑性樹脂を併用する場
合には、公知の相溶化剤を使用することも可能である。
【0015】熱可塑性樹脂の配合量は特に制限されず広
い範囲から適宜選択できるが、通常本組成物全量の40
〜70重量%程度とすればよい。40重量%を著しく下
回ると、得られる組成物の成形加工性が悪くなる可能性
がある。一方、70重量%をはるかに超えると、上記の
規定の強度を得ることができず、樹脂成形時に変形や破
損が生じる恐れがある。
【0016】前記無機質繊維状強化材は、前記に規定し
た曲げ強さ及び曲げ弾性率を得るために、或いはさらに
所望の熱変形温度(例えば180℃以上)を得るため、
並びに切削加工時の表面平滑性を確保するために使用す
る。該無機質繊維状強化材としては、ガラス繊維、炭素
繊維、岩石繊維などを除く公知のものが使用でき、例え
ば、繊維状チタン酸カリウム、繊維状ケイ酸カルシウ
ム、繊維状ホウ酸マグネシウム、繊維状硫酸マグネシウ
ム、繊維状硫酸カルシウム、繊維状炭酸カルシウム、繊
維状ホウ酸アルミニウム等のウィスカーなどを挙げるこ
とができる。これらは1種を単独で使用してもよく、又
は2種以上を併用してもよい。
【0017】無機質繊維状強化材の繊維径、アスペクト
比及びモース硬度は特に制限はないが、平均繊維径5μ
m以下、アスペクト比3以上且つモース硬度6以下のも
のが好ましい。無機質繊維状強化材の平均繊維径が5μ
mよりも著しく大きいと、本組成物から得られる成形型
の表面平滑性が低下する可能性がある。またアスペクト
比が3よりも著しく小さくなると、規定の曲げ強さ及び
曲げ弾性率が得られない恐れがあり、或いはさらに所望
の熱変形温度(例えば180℃以上)が得られない恐れ
がある。更にモース硬度が6よりもはるかに大きいと、
切削加工性が低下し、切削加工具を傷める可能性があ
る。
【0018】無機質繊維状強化材の配合量は特に制限さ
れず、広い範囲から適宜選択できるが、通常本組成物全
量の20〜40重量%程度とすればよい。20重量%を
著しく下回ると、規定の強度が得られない恐れがある。
一方、40重量%を著しく超えると、本組成物の材質が
脆くなる可能性がある。前記無機質粒子状充填材は、前
記熱可塑性樹脂組成物の機械的強度及びメッキ密着性を
一層向上させるために使用する。通常成形型には、表面
平滑性、耐久性及び離型性を向上させるために金属メッ
キを施すことがあり、そのためメッキ密着性が良好であ
ることが望まれる。無機質粒子状充填材としては公知の
ものを使用でき、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ピ
ロリン酸カルシウムなどを挙げることができる。これら
は一種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用し
てもよい。無機質粒子状充填材の粒子径は特に制限され
ないが、切削加工後の表面平滑性などを考慮すると、通
常平均粒子径20μm程度以下、好ましくは10μm程
度以下とすればよい。また無機質粒子状充填材のモース
硬度も特に制限はないが、通常6程度以下とするのがよ
い。前記と同様にモース硬度が6程度よりもはるかに大
きいと、切削加工性が低下し、切削加工具を傷める可能
性がある。
【0019】無機質粒子状充填材の配合量は特に制限さ
れず広い範囲から適宜選択できるが、通常本組成物全量
の10〜30重量%程度とすればよい。10重量%を著
しく下回ると、メッキ密着性の向上効果が十分に現れな
い恐れがある。一方30重量%をはるかに超えると、本
組成物の機械的強度が低下する可能性がある。前記熱可
塑性樹脂組成物には、前記の規定の機械的強度及び切削
加工性を低下させない範囲で、例えば、熱安定剤、離型
剤、着色剤などの公知の樹脂添加剤を添加してもよい。
【0020】また、該組成物は、公知の方法に従って、
例えば、熱可塑性樹脂、無機質繊維状強化材及び無機質
粒子状充填材並びに必要に応じて他の樹脂添加剤の所定
量を、タンブラミキサーなどの公知のブレンダーで均一
に混合し、押出機などの公知の溶融混練機で混練するこ
とにより製造できる。該組成物は通常ペレットの形状と
される。
【0021】該組成物からなるキャビティ及びコアは、
例えば、該組成物のペレットを溶融させて押出成形、圧
縮成形などの通常の方法に従って成形して所望の形状及
び大きさの成形物を得、この成形物に直接切削加工して
所望の形状のコア及びキャビティを形成することにより
製造できる。ここで成形物の形状は、特に制限されない
が、立方体状、直方体状、円柱体状などのブロック体を
例示できる。また成形物の大きさも得ようとする成形型
の形状及び大きさに応じて広い範囲から適宜選択できる
が、例えば直方体の場合には、通常厚さ30〜50mm
程度、幅300〜1000mm程度の平板形とすればよ
い。これをそのまま、或いは幅300mm程度、長さ3
00mm程度のブロック材に切断して使用すればよい。
成形物の切削加工には、通常の機械加工法、例えばフラ
イス加工、リーマ加工、研削加工、レーザー加工などが
採用できる。また該成形物は超音波溶着や接着剤による
接着が可能であり、例えば、本組成物の微粉をエポキシ
系接着剤に分散させたものをパテとし、これを用いて補
修することもできる。
【0022】前記コア及びキャビティには、成形時の温
度制御などを目的として、空冷又は水冷用の流路を形成
してもよい。また、本発明成形用金型のコア、キャビテ
ィの合わせ面に樹脂漏れ防止用パッキン溝などを加工し
てパッキンを装着することもできる。金属メッキを施し
てもよい。コア及びキャビティに冷却用気体を吹きつけ
る手段を備えた本発明金型において、該手段としては、
例えば、該コア及びキャビティへ向け、より望ましくは
その高温に加熱される高温部にむけ冷却用気体を吹きつ
けるためのノズル、低温高圧空気(例えば−10℃〜−
55℃、3〜7kg/cm2 程度)を発生させる装置、
該発生装置で発生させた低温高圧空気をノズルへ導く手
段を備えるものや、成形条件(時間、温度、圧力等)が
一定しているときには、前記低温高圧空気発生装置に代
えて圧縮空気発生装置を採用したり、さらにはノズルへ
供給さる圧縮空気に水を添加して空気とともに霧状に吹
きつけるための水添加装置を採用したもの等も考えられ
る。但し、水添加については錆の発生を考慮して採用す
るか否かを決めなければならない。
【0023】また、この金型における前記コア及びキャ
ビティのうち少なくとも一方の温度を検出する温度検出
手段としては、非接触で高速で応答する赤外線放射温度
計の他、抵抗温度計、熱電対温度計等を例示できる。赤
外線放射温度計は温度制御の繰り返し安定性と成形作業
効率向上のうえで有利である。抵抗温度計や熱電対温度
計を採用する場合は、コアやキャビティの温度測定しよ
うとする部分(例えば射出成形用コアのゲート近傍部
分)へ向け温度計を挿入する孔、溝等を形成し、そこに
温度計を配置することが考えられる。以上のほか、ヒー
トラベル(例えばミクロン株式会社製)を温度測定しよ
うとする部分に貼着してもよい。ヒートラベルはコアや
キャビティに孔や溝を設けなくてもよいので、その加工
が不要であり、また孔や溝を設けることによる強度低下
も回避される。ヒートラベルは研究室や実験室で予備実
験として成形作業を行うときに簡便なものであり、ま
た、安価につく。
【0024】コア及びキャビティに金属製放熱用フィン
を付設した本発明金型は、研究室や実験室で予備実験と
して成形作業を行うときに適している。この場合、フィ
ンとしてアルミ系及び(又は)銅系のものを採用する
と、冷却時間が長くなるが、急激な冷却によって変形が
生じる樹脂材料の成形の場合には適している。また、放
熱用フィンを付設するときは、該フィンを設けたコアや
キャビティの表面にニッケル、クロム等の金属メッキを
施し、放熱用フィンへの熱伝達性を高めてもよい。
【0025】
【実施例】以下図面を参照しつつ、本発明の実施例につ
いて説明する。図1は1実施例の断面図であり、図2は
他の実施例の断面図である。図1の成形用金型は射出成
形用の金型であり、一部を除いて従来の射出成形用金型
と実質上同構造である。この金型Aは、固定側金型A1
と可動側金型A2とからなっている。
【0026】固定側金型A1は樹脂製のキャビティ1
を、可動側金型A2は樹脂製のコア2を備えている。キ
ャビティ1及びコア2はいずれも熱可塑性樹脂40〜
70重量%、平均繊維径5μm以下、アスペクト比3
以上、且つモース硬度6以下の無機質繊維状強化材20
〜40重量%、及び平均粒子径20μm以下、モース
硬度6以下の無機質粒子状充填材10〜30重量%から
なる組成物であって曲げ強さが1000kgf/cm2
以上、曲げ弾性率が70000kgf/cm2 以上及び
熱変形温度が180℃以上である既述の熱可塑性樹脂組
成物のペレットを平板形に押出成形して、その平板を切
削加工することで精度良く形成されている。
【0027】固定側金型A1において、キャビティ1は
キャビティホルダ11から突出させた位置決めピン12
により位置決めされて該ホルダに当接されている。さら
に、ホルダ11に取り外し可能にネジ13で固定された
保持部材14によってホルダ11に固定されている。ま
た、これによって該キャビティは補強されている。キャ
ビティホルダ11には成形温度調節等に用いる冷却水通
路15を形成してある。ホルダ11は固定側取付け板1
6に当接固定されている。
【0028】また、固定側金型A1にはスプルSを形成
したスプルブッシュ17が嵌着されており、これは取付
け板16に固定したロケーティングリング18で固定さ
れている。可動側金型A2において、コア2はコアホル
ダ21から突出させた位置決めピン22により位置決め
されて該ホルダに当接されている。さらに、ホルダ21
に取り外し可能にネジ23で固定された保持部材24に
よってホルダ21に固定されている。また、これによっ
て該コアは補強されている。コアホルダ21には成形温
度調節等用の冷却水通路25を形成してある。ホルダ2
1は受板26に当接固定されている。
【0029】この実施例及び後ほど説明するもう一つの
実施例では、保持部材14、24の形状及び寸法を適宜
変更することにより、キャビティ1及びコア2の形状及
び寸法を変更することができ、ひいてはキャビティ1及
びコア2の軽量化及び小型化を図ることもできる。ここ
で保持部材14、24の材質は、キャビティ1及びコア
2を保持し得る強度を有するものであれば特に制限はな
いが、例えば、鋼等の金属を例示できる。ここではS1
5C〜S45Cの範囲の一般構造用鋼が採用さる。
【0030】キャビティホルダ11及びコアホルダ21
における冷却水通路15及び25は必ずしも必要ではな
く、自然冷却で足りるのであればなくてもよい。前記の
受板26の外側には可動側取付けフレーム3があり、こ
れは板体31、32及び両板間のスペーサブロック33
を備えている。フレーム3には位置決めピン34を立設
してあり、コアホルダ21はこれに嵌合することで位置
決めされている。また、フレーム3の板体31にはコア
ホルダ21の高さを決定する高さ基準ブロック35が立
設されており、これは受板26に当接している。ブロッ
ク35から離れた位置では押圧ロッド36がフレーム板
体32に立設されており、板体31を貫通して受板26
に当接している。ロッド36には受板26の上昇動作を
補助するバネ360が嵌装されている。
【0031】固定側金型A1にはガイドピン19が突設
され、該ピンは可動側金型A2におけるガイドピンブッ
シュ191、192を摺動可能に貫通している。可動側
金型A2はこれらピン及びブッシュに案内されて固定側
金型A1に接近離反でき、コア2はキャビティ1に対し
正しい位置で嵌脱できる。図1に示す状態では型締めが
行われ、キャビティ1及びコア2がパーティングライン
P−Pで接触しあい、両者間にスプルSに続くランナR
及びゲートGが形成されている。
【0032】可動側取付けフレーム3において、フレー
ム板体32上には突出し板37が配置されており、これ
に突出しピン38及びスプルロックピン39が突設され
ている。ピン38は受板26及びコアホルダ21を貫通
してコア2の上面まで達している。スプルロックピン3
9も受板26及びコアホルダ21を貫通してランナRに
達し、スプルSに臨んでいる。突出し板37は成形機の
一部であるエジェクタロッド30により駆動される。
【0033】本実施例金型は、さらに、キャビティ1及
びコア2に冷却用空気を吹きつける装置4を備えてお
り、これは低温高圧空気発生装置41、キャビティホル
ダ11に設けた空気吹出しノズル42、及び装置41か
らノズル42へ低温空気を導く配管43からなってい
る。低温高圧空気発生装置41はここでは株式会社メク
ト製のエアロマート90を採用しているが、サンワエン
タープライズ株式会社製のコルダー190−75SV
等、種々のものを採用できる。ノズル42はキャビティ
1及びコア2へ低温空気を吹きつける複数の空気噴出孔
を備えている。
【0034】本実施例金型は、さらに、キャビティ1及
びコア2の温度を検出する赤外放射温度計5(株式会社
キーエンス製のIT2−50)を備えている。この温度
計5はコアホルダ21に設けられている。ノズル42は
主としてキャビティ1及びコア2の高温になりやすい高
温部(代表的にはゲート及びその近傍部分)に向け、成
形後型開きしたときに、低温空気を吹きつけられるよう
に設置することが望ましく、本実施例ではそのように設
置してある。また、このようなノズル42の設置によ
り、型開きしたときキャビティ及びコアの冷却と同時に
成形品を冷却することもできる。温度計5もかかる高温
部の温度を検出できるように設置することが望ましく、
本実施例ではそのように設置してある。但し、ノズル4
2及び温度計5の位置は本実施例に限定されるものでは
ない。
【0035】温度計5で検出されたキャビティ1及びコ
ア2の温度は装置4の制御部6へ入力される。制御部6
はマイクロプロセッサを含み、入力された検出温度に応
じて装置41の運転を制御する。その制御の仕方は、入
力される検出温度が予め設定した基準温度以上になると
ノズル42から低温空気をキャビティ1及びコア2へ予
め定めた時間吹きつけるように装置4(より具体的には
その低温高圧空気発生装置41)を動作させ、そのあと
停止するものである。そしてこの基準温度は、型開きし
たとき温度計5により検出されるキャビティ1及びコア
2の温度より低く設定してある。従って通常、制御部6
は型開きされると低温空気吹きつけ装置4に指示してキ
ャビティ1及びコア2に低温空気を吹きつける。そし
て、実験等により予め定めた前記の時間の空気吹きつけ
により検出温度が所定のものまで低下する結果となる。
なお、制御部6はこのような制御を行うものに限定され
る必要はなく、例えば検出温度が予め定めた第1の基準
温度以上であると装置4を作動させ、検出温度が第1の
基準温度より低温の第2の基準温度まで降下すると低温
空気の吹きつけを停止させるもの等種々の制御を行うも
のが考えられ、要するに温度計5により検出される温度
が予め定めた温度条件を満足するように温度計5により
検出される温度に応じて空気吹きつけ装置4を制御でき
るものであればよい。
【0036】以上説明した射出成形用金型Aによると次
のように成形が行われる。すなわち、この金型が図示し
ない射出成形機に組み込まれ、該成形機の図示しない溶
融成形材料の射出ノズルが固定側金型A1のロケーティ
ングリング18にてスプルSに位置決め接続される。金
型Aは図1に示すとおり型締めされる。この型締めは成
形機の図示しない駆動部により可動側取付けフレーム3
をキャビティ側へ押すことで、高さ基準ブロック35及
び押圧ロッド36にて受板26、コアホルダ21及びコ
ア2を押して行われる。溶融材料射出ノズルから射出さ
れた材料は、スプルS、ランナR及びゲートGを経て樹
脂製キャビティ1とコア2で形成される空間に充填され
る。充填された材料がキャビティホルダ11の冷却水通
路15及びコアホルダ21の冷却水通路25に流される
温度調節用冷却水により冷却されて固化して形状を維持
し得る状態になった後、フレーム3が下降せしめられて
コア2が下降し、パーティングラインP−Pでキャビテ
ィ1とコア2とが分離して型開きされる。また、この型
開き後、突出し板37及びそれに支持された突出しピン
38及びスプルロックピン39がエジェクタロッド30
により押し出され、通常コア2の方に着いてくる成形品
が突出しピン38によりコア2から離型されるととも
に、スプルSがスプルロックピン39により閉じられ
る。
【0037】制御部6は、成形開始前から成形、それに
続く型開き、さらに成形品の離型に至る間のいずれにお
いても、温度計5で検出される温度が前記基準温度以上
になると、冷却空気吹きつけ装置4に指示して、キャビ
ティ1及びコア2を冷却するためノズル42から低温空
気を噴出させ得るが、本実施例では、基準温度を型開き
直後に検出されるキャビティ1及びコア2の高温度に注
目して前記のように定めてあり、従って通常の成形操作
においては、型開きしたときに検出される温度に応じて
冷却空気吹きつけを指示する。これによって、キャビテ
ィ1、コア2が急速冷却される。
【0038】成形品取り出し後は、再び型締めされ、次
の成形が行われるが、この再型締めのとき、突出し板3
7に支持された図示しないリタ−ンピンが固定側金型A
1の所定部分に当接して押し戻されることで、突出しピ
ン38及びスプルロックピン39及びそれらを支持する
突出し板37も当初位置に復帰する。次に本発明の他の
実施例について図2を参照して説明する。
【0039】この成形用金型Bは、割型構造を備えてお
り、側面に空孔又はリブやネジ部などのアンダーカット
部分を有する成形品を成形するためのものである。この
金型Bは、前記金型Aと実質上同構造の金型においてコ
ア2に代えてコア2aを採用するとともにスライドコア
7及びスライドコアバックアップ部材8を採用したもの
である。コア2aは金型Aの場合と同様にコアホルダ2
1に固定されている。スライドコア7はアンダーカット
部分71を備えており、バックアップ部材8によりコア
2aに対して所定位置に位置決めされ、コア2aととも
に一つのコアを形成する。スライドコア7はコアホルダ
21上に摺動可能に載置されており、該コアに設けたネ
ジ孔にネジ棒72が螺合され、該ネジ棒は電動モータ7
3にて正転、逆転駆動される。モータ73はコアホルダ
21を貫通して受板26に支持されている。スライドコ
ア7はモータ73の運転により成形位置(図2に示す位
置)又はそれより前進した離型位置をとることができ
る。
【0040】また、この金型Bでは受板26と可動側取
付けフレーム3との間に板状のバックアップ部材ホルダ
80が配置されており、バックアップ部材8はコアホル
ダ21及び受板26を昇降可能に貫通しており、ネジ8
1により該ホルダ80に固定支持されている。受板26
にはガイドピン82が突設され、これはホルダ80に設
けたガイドピンブッシュ83を摺動可能に貫通してフレ
ーム3に達している。ホルダ80はこのピン82に案内
されて昇降できる。ホルダ80の他の部分には雌ネジ部
92が固定されており、これにネジ棒91が螺合してお
り、該ネジ棒は電動モータ9により正転、逆転駆動され
る。モータ9はフレーム3に支持されている。
【0041】高さ基準ブロック35、突出しピン38、
スプルロックピン39、押圧ロッド36及び位置決めピ
ン34はいずれもバックアップ部材ホルダ80を貫通し
ており、従ってホルダ80はモータ9の駆動によるネジ
棒91の回転により受板26とフレーム3との間を往復
動でき、それによってバックアップ部材8はスライドコ
ア7をバックアップする位置(図2に示す位置)又はそ
れより下降してスライドコア7の離型位置への前進を許
す位置をとることができる。押圧ロッド36にはホルダ
80の上昇動作を補助するバネ361を嵌装してある。
【0042】この金型Bによると、次のように成形が行
われる。すなわち、金型Aの場合と同様に図示しない射
出成形機に組み込まれ、該成形機の図示しない溶融成形
材料の射出ノズルが固定側金型A1のロケーティングリ
ング18にてスプルSに位置決め接続される。また、金
型Aの場合と同様に型締めされる。但しこの金型Bで
は、バックアップ部材8がコア2aまで上昇せしめられ
てバックアップ位置におかれ、スライドコア7がこの部
材8に当接するまで前進せしめられ、図2に示す成形位
置をとる。かくして金型Aの場合と同様に成形が行われ
る。
【0043】キャビティ1及びコア間の空間に射出され
た溶融材料は、固化して形状を維持し得る状態になった
後、金型Aの場合と同様に型開きされて離型され、取り
出される。制御部6の指示に基づく冷却空気吹きつけ装
置4によるキャビティ1、コア2a及びスライドコア7
の冷却及び成形品の冷却についても金型Aの場合と同様
に行われる。
【0044】但し、この金型Bでは、型開きにあたり、
先ず、モータ9の運転によりバックアップ部材ホルダ8
0が下降し、それによバックアップ部材8も下降する。
次いでモータ73の運転によりスライドコア7がコアホ
ルダ26とパーティングラインP−Pに沿って前進し、
離型位置をとる。かくしてスライドコア7が成形品のア
ンダーカット部から解放される。引き続き可動側金型A
2全体がキャビティ1から分離(型開き)される。
【0045】以下に図1に示すようにアンダーカット部
分のない本発明に係る射出成形用金型を用いた射出成形
の実験例1及び2について説明する。この実験において
使用した金型のコア及びキャビティの材料はいずれも次
の組成の熱可塑性樹脂組成物ペレットであった。ポリフ
ェニレンサルファイド(フォートロンW300、ポリプラス
チック株式会社製)25重量部、ポリエーテルイミド
(ウルテム1010-1000 、日本ジーイープラスチック株式
会社製25重量部、チタン酸カリウムウイスカー(ティ
スモN-102、平均繊維径0.4 μm 、平均繊維長14μm 、
アスペクト比35、モース硬度4 、大塚化学株式会社製)
30重量部、タルク(タルクMS、平均粒子径9μm 、
モース硬度1、日本タルク株式会社製)20重量部を4
5mm二軸押出機を用いてシリンダー温度330℃で混
練押し出しつつカッターでペレット化したものである。
【0046】そして、このペレットを、厚さ50mmの
シート用ダイを装着した押出機を用いて、シリンダー温
度330℃で押出加工し、厚さ50mm、幅300m
m、長さ300mmのブロック体を作り、これを切削加
工してコア及びキャビティを作った。該ブロック体の物
性値は次のとおりである。 引っ張り強度:802kgf/cm2 曲げ強度:1344kgf/cm2 曲げ弾性率:143600kgf/cm 2 〔実験例1〕 1)成形品:図3に示すように周囲フランジaを有し、
底壁に孔bを設けた箱形成形品(寸法L=60mm W
=30mm H=18mm) 2)成形品材質:ABS樹脂 3)成形条件 使用成形機:住友ネスタール50トン SG50 キャビティ温度:45℃ コア温度:45℃ 成形機ノズル温度:235℃ シリンダー前部温度:235℃ シリンダー中央部温度:230℃ シリンダー後部温度:200℃ 計量:20cc/ショット 射出圧力:1290kgf/cm 2 射出時間:1.56秒 冷却空気吹きつけ装置4による冷却時間:25秒 4)成形結果 射出圧力1290kgf/cm 2 、成形サイクルタイム
30秒の連続ショットにより上記成形品を精度良く得る
ことができた。また、本実験例では冷却空気吹き付けに
よるキャビティ及びコアの冷却効果も確認された。 5)使用した成形型用樹脂組成物の切削加工条件と所要
加工時間(工具寸法単位はミリメートル) 固定側キャビティ 可動側コア 使用工具: φ2フラットエンドミル φ2フラットエンドミル 回転数 : 3500rpm 3500rpm 送り速度: 400〜500mm/分 1260mm/分 (手送り) 仕込量(深さ):2mm 0.02mm 合計加工時間: 約153分 約237分 このようにキャビティ及びコアは比較的短時間で切削加
工のみで製作することができた。 〔実験例2〕 1)成形品:図4に示す外輪郭形状を有し、全体に略一
様な壁厚さを残して内部を空洞にした成形品(寸法L=
34mm W=15mm H=25.5mm) 2)成形部品材質:ワックス 3)成形条件 使用成形機:ワックスインジェクター キャビティ温度:14℃ コア温度:14℃ 成形機ノズル温度:90℃ 射出圧力:50kgf/cm 2 射出時間:60秒 4)成形結果 射出圧力50kgf/cm 2 、成形サイクルタイム60
秒の連続ショットにより上記成形品を精度良く得ること
ができた。 5)使用した成形型用樹脂組成物の切削加工条件と所要
加工時間(工具寸法単位はミリメートル) 固定側キャビティは、深さ6mm形状の仕上げ加工であ
る 可動側コアは、コマ取り付け部段仕上げ加工である。
【0047】 固定側キャビティ 可動側コア 使用工具; φ2ボールエンドミル φ2フラットエンドミル 回転数 ; 3500rpm 3000rpm 送り速度; 180mm/分 180mm/分 仕込量(深さ);0.051mm 0.1mm 合計加工時間; 約15分 約5分 このようにキャビティ及びコアは比較的短時間で切削加
工のみで製作することができた。次に図5に示す平面視
円形状の成形品(寸法r1=9mm r2=6.5mm
H=2.8mm h=0.95mm)を得るためのキャ
ビティ及びコアの製作実験例について説明する。 〔実験例〕 本実験例は3次元加工の時間例を示す。 1)使用した成形型用樹脂組成物の切削加工条件と所要
加工時間 (キャビティ加工) 加工内容 切削工具 切削速度 主軸回転数 送り速度 送り量 (mm/分) (rpm) (mm/ 分) (mm) 粗加工 3mm 径の2枚刃 80 8500 1500 0.09 超硬ソリット゛エント゛ミル 傾斜部 3mm 径の2枚刃 80 8500 1500 0.09 超硬ソリット゛エント゛ミル 底 面 3mm 径の2 枚刃 80 8500 1500 0.09 超硬ホ゛ールエント゛ミル (コア加工) 加工内容 切削工具 切削速度 主軸回転数 送り速度 送り量 (mm/分) (rpm) (mm/ 分) (mm) 粗加工 3mm 径の2枚刃 80 8500 1500 0.09 (2mm 径 超硬ソリット゛エント゛ミル ×幅1.5mm) 1.5mm 径の2枚刃 56 12000 20/300 0.01 超硬ソリット゛エント゛ミル 傾斜部 1mm 径の2枚刃 37 12000 750 0.03 (幅2mm ミソ゛) 超硬ホ゛ールエント゛ミル R1ミゾ 2mm 径の2枚刃 75 12000 650 0.02 超硬ホ゛ールエント゛ミル 底面仕上 1mm 径の2枚刃 37 12000 600 0.02 超硬ソリット゛エント゛ミル 2)加工工数 以上の実験からキャビティ及びコアがプログラム工数、
測定時間を含めても約10時間で製作完了することが確
認された。
【0048】このように本発明に係る樹脂製キャビティ
及びコアは比較的短時間で切削加工により製作できるか
ら、成形品の試作又は少量の部品生産の工数低減、納期
短縮、コスト低減等に有効であることが分かる。本発明
は前記実施例に限定されるものではなく、他にも種々の
態様で実施できる。例えば、キャビティ及びコアのうち
少なくとも一方の温度を検出する手段として、図6に示
すように、コア2のゲートG近傍部分の温度を検出でき
るように、コア2に温度検出手段挿入穴2hを設け、こ
こに例えば熱電対温度計の温度検出端Tを挿入するよう
にしてもよい。
【0049】また、キャビティ及びコアの冷却手段とし
て、図7に示すように、前記の冷却空気吹きつけ装置4
に代えて、又は該装置の採用とともに金属製の放熱用フ
ィンFをコア2bに付設してもよい。また、この例では
放熱用フィンFへの伝熱効果を上げるためにコア表面に
は金属メッキを施してある。キャビティにも同様に放熱
用フィン、或いはさらに金属メッキを施すことができ
る。このように放熱用フィンFを設けることで冷却空気
吹きつけ装置4を省略するときは、金型全体の構造が簡
素化され、安価になるので、研究室での試作や実験に適
する。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、従来のコア及びキャビ
ティを金属材料で形成した成形用金型と比べると、安価
に、短期間で製作することができ、設計変更にも簡単に
応じることができ、精度の点についても要求に応じ得る
成形用金型を提供することができる。
【0051】樹脂製のキャビティ及びコアをキャビティ
保持手段及びコア保持手段で保持し、キャビティ及びホ
ルダに冷却用気体を吹きつけられるようにするか又はそ
れらに放熱用フィンを設けるときは、成形時の圧力及び
温度に耐え得る耐久性を付与できる。コア及びキャビテ
ィを形成している熱可塑性樹脂組成物の熱変形温度を1
80℃以上とするときは、比較的高融点の樹脂等の成形
にも対応できる。
【0052】キャビティ及びコアを取り外し可能の保持
部材でキャビティホルダ及びコアホルダに固定する構造
とするときは、該キャビティ及びコアの取り外しが容易
で、メンテナンス性良好となる。また、キャビティ及び
コアを小型及び軽量化でき、これにより、キャビティ及
びコアの保管が容易になり、生産スペースと費用の節減
も可能になる。さらに、形状及び大きさの異なるキャビ
ティ及びコアだけをカセット方式で取り替えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例の断面図である。
【図3】本発明金型を用いて射出成形される成形品の1
例を示すもので、(A)はその平面図、(B)は(A)
のX−X線に沿う断面図、(C)は(A)のY−Y線に
沿う断面図である。
【図4】本発明金型を用いて射出成形される成形品の他
の例を示すもので、(A)はその正面図、(B)はその
側面図である。
【図5】本発明金型を用いて射出成形される成形品のさ
らに他の例を示す断面図である。
【図6】本発明に係るコアへの温度検出手段配置の他の
例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るコアの他の例の斜視図である。
【符号の説明】
A、B 射出成形用金型 A1 固定側金型 A2 可動側金型 1 キャビティ 2、2a、2b コア 11 キャビティホルダ 13 ネジ 14 保持部材 16 固定側取付け板 17 スプルブッシュ 18 ロケーティングリング 19 ガイドピン 191 ガイドピンブッシュ S スプル R ランナ G ゲート 21 コアホルダ 23 ネジ 24 保持部材 26 受板 3 可動側取付けフレーム 35 コアホルダ用高さ基準ブロック 36 押圧ロッド 361 バネ 37 突出し板 38 突出しピン 39 スプルロックピン 4 冷却空気吹きつけ装置 41 低温高圧空気発生装置 42 ノズル 43 配管 5 温度計 6 制御部 7 スライドコア 71 コア7のアンダーカット部分 72 ネジ棒 73 スライドコア駆動用電動モータ 80 スライドコアホルダ 8 スライドコアバックアップ部材 81 ネジ 82 スライドコアガイドピン 83 ガイドピンブッシュ 9 バックアップ部材ホルダ80駆動用の電動モータ 91 ネジ棒 92 雌ネジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田坂 多希雄 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式 会社徳島研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−273650(JP,A) 特開 平6−55647(JP,A) 特開 平5−285999(JP,A) 特開 平5−253992(JP,A) 特開 平5−124042(JP,A) 特開 昭51−119765(JP,A) 特開 平7−205156(JP,A) 実開 平5−35223(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製コア及び樹脂製キャビティ、前記
    コアを保持するコア保持手段、前記キャビティを保持す
    るキャビティ保持手段、前記コア及びキャビティのうち
    少なくとも一方の温度を検出する温度検出手段、前記コ
    ア及びキャビティに冷却用気体を吹きつける手段、及び
    前記温度検出手段により検出される温度が予め定めた温
    度条件を満足するように該温度検出手段により検出され
    る温度に応じて前記気体吹きつけ手段の運転を制御する
    制御部を備えており、 前記コア及びキャビティは、 熱可塑性樹脂40〜70重量%と、 平均繊維径5μm以下、アスペクト比3以上且つモース
    硬度6以下の無機質繊維状強化材20〜40重量%と、 平均粒子径20μm以下且つモース硬度6以下の無機質
    粒子状充填材10〜30重量%とからなる熱可塑性樹脂
    組成物で形成されており、 該熱可塑性樹脂組成物は 曲げ強さが1000kgf/c
    2 以上、曲げ弾性率が70000kgf/cm2 以上
    で、切削加工可能であり、該熱可塑性樹脂組成物におけ
    る前記熱可塑性樹脂は変成ポリフェニレンエーテル、芳
    香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
    エーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑
    性ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリルサルホン、ポ
    リエーテルサルホン、ポリチオエーテルサルホンから選
    ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、前記無機
    質繊維状強化材は繊維状チタン酸カリウム、繊維状ケイ
    酸カルシウム、繊維状ホウ酸マグネシウム、繊維状硫酸
    マグネシウム、繊維状硫酸カルシウム、繊維状炭酸カル
    シウム及び繊維状ホウ酸アルミニウムから選ばれた少な
    くとも1種のウィスカーであり、前記無機質粒子状充填
    材はタルク、炭酸カルシウム及びピロリン酸カルシウム
    から選ばれた少なくとも1種の充填材である成形用金
    型。
  2. 【請求項2】 樹脂製コア及び樹脂製キャビティ、前記
    コアを保持するコア保持手段、及び前記キャビティを保
    持するキャビティ保持手段を備えており、 前記コア及びキャビティは、 熱可塑性樹脂40〜70重量%と、 平均繊維径5μm以下、アスペクト比3以上且つモース
    硬度6以下の無機質繊維状強化材20〜40重量%と、 平均粒子径20μm以下且つモース硬度6以下の無機質
    粒子状充填材10〜30重量%とからなる熱可塑性樹脂
    組成物で形成されており、 該熱可塑性樹脂組成物は 曲げ強さが1000kgf/c
    2 以上、曲げ弾性率が70000kgf/cm2 以上
    で、切削加工可能であり、該熱可塑性樹脂組成物におけ
    る前記熱可塑性樹脂は変成ポリフェニレンエーテル、芳
    香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
    エーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑
    性ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリルサルホン、ポ
    リエーテルサルホン、ポリチオエーテルサルホンから選
    ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、前記無機
    質繊維状強化材は繊維状チタン酸カリウム、繊維状ケイ
    酸カルシウム、繊維状ホウ酸マグネシウム、繊維状硫酸
    マグネシウム、繊維状硫酸カルシウム、繊維状炭酸カル
    シウム及び繊維状ホウ酸アルミニウムから選ばれた少な
    くとも1種のウィスカーであり、前記無機質粒子状充填
    材はタルク、炭酸カルシウム及びピロリン酸カルシウム
    から選ばれた少なくとも1種の充填材であり、 前記コア及びキャビティにはそれぞれ金属製放熱用フィ
    ンを付設してある成形用金型。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂組成物は熱変形温度1
    80℃以上である請求項1又は2記載の成形用金型。
  4. 【請求項4】 射出成形用金型である請求項1、2又は
    3記載の成形用金型。
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