JP3460229B2 - 雑音低減装置 - Google Patents

雑音低減装置

Info

Publication number
JP3460229B2
JP3460229B2 JP02448592A JP2448592A JP3460229B2 JP 3460229 B2 JP3460229 B2 JP 3460229B2 JP 02448592 A JP02448592 A JP 02448592A JP 2448592 A JP2448592 A JP 2448592A JP 3460229 B2 JP3460229 B2 JP 3460229B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
pair
microphones
pass filter
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02448592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05188972A (ja
Inventor
徹 佐々木
仁 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP02448592A priority Critical patent/JP3460229B2/ja
Publication of JPH05188972A publication Critical patent/JPH05188972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3460229B2 publication Critical patent/JP3460229B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、雑音低減装置、特に
マイクロホン出力の雑音成分を低減させると共に、無指
向性のマイクロホンを用いてステレオ感のある音声出力
を得ることの可能な雑音低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロホンは、音波の音圧の変化を振
動板の機械的な振動に変換し、該振動に基づき電気音響
変換系を動作させる構造のものが多い。従って、マイク
ロホンで収音する際、何らかの要因によって振動板に影
響が及ぼされると雑音が発生することになる。
【0003】上述の要因が風であれば風による雑音〔以
下、これを風雑音と称する〕が発生し、また、上述の要
因が外部から加えられる振動であれば振動による雑音
〔以下、これを振動雑音と称する〕が発生する。
【0004】上述の風雑音を低減する従来技術として
は、例えば、以下のようなものがある。 (1)ウインドスクリーン〔風防〕の使用 (2)電気的/音響的ハイパスフィルタの使用 (3)低音域で無指向性を示す構成の採用
【0005】また、上述の振動雑音を低減する従来技術
としては、例えば、以下のようなものがある。 (1)防振機構の採用 (2)無指向性マイク素子の採用 (3)アナログの雑音キャンセル方式
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の風雑音を低減す
る従来技術にあっては、夫々、以下のような問題点があ
った。 (1)に対して・・・機器の小型化に反する。 一般的に、風防の外形寸法が大きい程、また、マイクロ
ホンと風防内壁との距離が大きい程、風雑音は小さくな
る。
【0007】(2)に対して・・・収音品質が低下す
る。 風雑音は低域成分が主体であるため、低域をカットする
ことは風雑音に対して有効である。しかしながら、この
場合には、風雑音のみならず音声の低域成分も同様にカ
ットされてしまう。
【0008】(3)に対して・・・風雑音の低下するレ
ベルが不十分である。 有指向性のマイクロホンに比較して無指向性のマイクロ
ホンでは、風雑音のレベルが低下する。しかしながら、
実際にはマイクロホン周囲の筐体の影響等によって、
「低音域で無指向性を示す構成」を採用するだけでは、
十分に低いレベルとはならない。
【0009】従って、マイクロホンを備えてなる機器が
一層小型化すると共に、より高い収音品質が望まれる現
在の状況にあって、上述の従来技術のみを以てしては風
雑音をより一層低減させることが困難になりつつある。
このことは、振動雑音に対しても同様にあてはまるもの
である。
【0010】ところで、従来は、無指向性のマイクロホ
ンのみを用いてステレオ感のある音声出力を得ることは
できないものであった。
【0011】従って、この発明の第1の目的は、小型化
が可能で雑音を確実に除去し得る雑音低減装置を提供す
ることにある。また、この発明の第2の目的は、無指向
性のマイクロホンを用いてステレオ感のある音声出力を
得ることの可能な雑音低減装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる発明
は、近接して配設される一対のマイクロホンと、一対の
マイクロホンの出力を減算する第1の減算手段と、一対
のマイクロホンの出力のうちのいずれか一方のマイクロ
ホンの出力を主要入力とすると共に、第1の減算手段か
らの出力を参照入力とし、主要入力および参照入力に基
づいて適応処理を施す適応処理手段と、一対のマイクロ
ホンの出力の内のいずれか一方のマイクロホンの出力の
位相を移相する移相手段と、一対のマイクロホンの出力
のうちの他方のマイクロホンの出力と移相手段の出力を
減算する第2の減算手段と、適応処理手段の出力の低音
域成分を通過させる低域通過フィルタ手段と、第2の減
算手段の出力の高音域成分を通過させる高域通過フィル
タ手段と、低域通過フィルタ手段の出力と高域通過フィ
ルタ手段の出力とを合成する手段とを備えた雑音低減装
置である
【0013】請求項3にかかる発明は、近接して配設さ
れる一対のマイクロホンと、一対のマイクロホンの出力
の低音域成分を通過させる一対の低域通過フィルタ手段
と、一対のマイクロホンの出力の高音域成分を通過させ
る一対の高域通過フィルタ手段と、一対の低域通過フィ
ルタ手段の出力を減算する第1の減算手段と、一対の低
域通過フィルタ手段の出力のうちのいずれか一方の低域
通過フィルタ手段の出力を主要入力とすると共に、第1
の減算手段からの出力を参照入力とし、主要入力および
参照入力に基づいて適応処理を施す適応処理手段と、一
対の高域通過フィルタ手段の出力のうちのいずれか一方
の高域通過フィルタ手段の出力の位相を移相する移相手
段と、一対の高域通過フィルタ手段の出力のうちの他方
の高域通過フィルタ手段の出力と移相手段の出力を減算
する第2の減算手段と、適応処理手段の出力と第2の減
算手段の出力とを合成する手段とを備えた雑音低減装置
である。
【0014】
【作用】請求項1にかかる雑音低減装置の作用について
説明する。一方及び他方のマイクロホンの出力には、音
声信号成分と雑音成分が含まれている。他方のマイクロ
ホンの出力から一方のマイクロホンの出力が減算される
ことによって、第1の差信号が形成される。この第1の
差信号は雑音成分のみであり、雑音成分が分離される。
【0015】この結果、一方のマイクロホンからの出力
には音声信号成分と雑音成分が含まれ、他方のマイクロ
ホンからの出力は雑音成分のみとされる。上述の音声信
号成分と雑音成分の含まれる出力が主要入力とされ、雑
音成分のみの出力が参照入力とされる。
【0016】参照入力が主要入力の雑音成分に等しくな
るように適応的に処理される。そして、適応的に処理さ
れた参照入力が主要入力から減算されることより、主要
入力の内、雑音成分のみが最小化、即ち、キャンセルさ
れる。そして、この音声信号から第1の信号成分、即
ち、低域で且つ無指向性の音声信号成分が分離される。
【0017】一対のマイクロホンは、所定の間隔をもっ
て配設されており、また、一対のマイクロホンの内、他
方のマイクロホンの出力が移相される。
【0018】一方のマイクロホンの出力〔主要入力〕か
ら、移相せしめられた他方のマイクロホンの出力が減算
されることによって、有指向性の第2の差信号が形成さ
れる。そして、この第2の差信号から第2の信号成分、
即ち、有指向性で且つ中域及び高域の信号成分が分離さ
れる。
【0019】第1及び第2の信号成分が合成され、出力
音声信号とされる。この結果、雑音低減装置から得られ
る出力は、単一指向性を有するものとされる。
【0020】請求項2にかかる雑音低減装置の作用につ
いて説明する。請求項1に記載されている雑音低減装置
を2系統設ける。2系統の内、一方の系統をLチャンネ
ルのマイクロホンの出力とし、他方の系統をRチャンネ
ルのマイクロホンの出力とする。これによって、ステレ
オ感のある音声出力を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図1乃至
図8を参照して説明する。図1の構成に於いて、近接し
て配置されている一対のマイクロホン1、2では、周囲
の音声が収音され電気信号に変換されて出力される。該
マイクロホン1、2は同種のマイクロホンであり、図3
に示されるように、近接して配置されているため、同一
の音声及び雑音が電気信号に変換されて出力される。
【0022】マイクロホン1、2の配置の状態が図3に
示されている。このマイクロホン1、2は主軸が同一直
線上とされ、また、マイクロホン1、2の受音面1a、
2aがセパレータ20を介し距離dの間隔を置いて対向
状態に配されている。
【0023】マイクロホン1、2が、図示のような状態
で配置されている場合には、マイクロホン1、2に入力
される音声信号間で所定の位相差が生じ、また、マイク
ロホン1、2の低域に於ける出力の内、音声信号成分は
略々同相、風雑音成分は略々無相関、振動雑音成分は相
互に逆相となることが知られている。
【0024】図1に於いて、マイクロホン1から出力さ
れる電気信号はA/D変換回路3に供給され、マイクロ
ホン2から出力される電気信号はA/D変換回路4に供
給される。
【0025】A/D変換回路3、4では、マイクロホン
1、2から供給される電気信号がデジタル信号に変換さ
れる。A/D変換回路3にて変換されたデジタル信号が
(S+n)で表わされる主要入力とされる。また、A/
D変換回路4にて変換されたデジタル信号が(S+(n
*))で表わされる。
【0026】この一実施例の説明に於いて、Sは音声信
号成分を表わし、n及び(n*)は、振動雑音成分と風
雑音成分からなる雑音成分を表わしている。また、雑音
成分n、(n*)は加法性を有し、雑音成分(n*)は
主要入力(S+n)の雑音成分nと相関を有するものと
されている。
【0027】上述の主要入力(S+n)が、加算器5、
適応ノイズキャンセラ6に設けられている遅延回路7、
更に、加算器22に供給される。また、A/D変換回路
4の出力が移相回路21に供給されると共に、A/D変
換回路4から出力され負符号の付されてなる信号が加算
器5に供給される。
【0028】加算器5では、負符号が付されてなるA/
D変換回路4の出力、即ち、〔−(S+(n*))〕
に、上述の主要入力(S+n)が加算される。この加算
の結果、音声信号成分Sは除去され、(n−(n*))
で表されてなる参照入力が形成される。該参照入力(n
−(n*))は適応ノイズキャンセラ6の適応フイルタ
9に供給される。
【0029】適応ノイズキャンセラ6の遅延回路7で
は、主要入力(S+n)が所定時間、遅延せしめられた
後に出力され、加算器8に供給される。この遅延量は、
適応処理のための演算に要する時間遅れ或いは適応フイ
ルタ9に於ける時間遅れ等に相当するものとされ、シス
テムの構成により適宜、設定可能とされている。
【0030】加算器8では、遅延回路7からの出力と、
適応フイルタ9から出力され負符号の付されてなる信号
Yとの加算がなされる。この信号Yは、後述するよう
に、主要入力(S+n)中の雑音成分nに類似する成分
とされている。
【0031】従って、加算器8では、主要入力(S+
n)から雑音成分nが減算される。換言すれば、主要入
力(S+n)の雑音成分nは最小化され、実質的にはキ
ャンセルされる。音声信号成分Sは、適応フィルタ9に
フィードバックされると共に、ローパスフィルタ11に
供給される。
【0032】ローパスフイルタ11では、適応ノイズキ
ャンセラ6の出力の内、低域で且つ無指向性の音声信号
成分Sが抽出され、加算器12に供給される。
【0033】一方、移相回路21では、図1に示される
構成の回路ブロック26の特性を単一指向特性、具体的
にはカージオイド形状の特性とするために、A/D変換
回路4からの出力に対して所定量の移相が施される。
【0034】この移相回路21をアナログ的に構成した
場合の一例が図4に示されている。この移相回路21
は、抵抗Ro及びコンデンサCoからなるローパスフイ
ルタである。このローパスフイルタに於いて、抵抗Ro
が大であると全指向特性を呈し、また、抵抗Roが小で
あると両指向特性、いわゆる「8の字」形の特性を呈す
る。このローパスフイルタによって、A/D変換回路4
からの出力に対し所定量の位相θ2が与えられる。該移
相されてなる信号が加算器22に供給される。
【0035】加算器22では、主要入力(S+n)と、
上述のθ2だけ移相されてなる信号〔−(S+(n
*))〕との加算がなされる。前述のように、マイクロ
ホン1、2入力時に所定の位相差θ1が生ずるように配
されており、また、移相回路15では、上述の信号〔−
(S+(n*))〕に所定量の位相θ2が付与される。
【0036】従って、この加算器22から出力される信
号の位相は〔θ2±θ1〕の範囲内となる。マイクロホ
ン1、2間の出力に位相差〔±θ1〕が存在するのは、
マイクロホン1、2に対する音源の相対的な位置による
ものである。
【0037】そして、例えば、θ2=θ1である場合、
〔θ2+θ1=2×θ2〕となり、〔θ2−θ1=0〕
となる。特性図上に於いて、図示せぬも上述の〔θ2+
θ1=0〕はカージオイドの後端部、即ち、特性図上の
0度方向に対応する。そして、上述の〔θ2±θ1〕の
値に応じてレベルも変化することになり、これによっ
て、単一指向特性が得られる。加算器22の出力がハイ
パスフィルタ17に供給される。
【0038】ハイパスフィルタ17では、加算器22の
出力の内、高域の信号成分が分離される。そして、該高
域の信号成分が加算器12に供給される。
【0039】加算器12では、ローパスフイルタ11か
ら供給される低域の音声信号成分Sに、ハイパスフィル
タ17から供給される高域の信号成分が加算される。こ
れによって、低域から高域まで所定の全帯域にわたる音
声信号成分Sが合成される。これによって、低域では無
指向性、また、中、高域では単一指向特性の信号成分が
得られる。該信号成分はD/A変換回路13に供給され
る。
【0040】D/A変換回路13では、デジタル信号で
表されている音声信号成分Sがアナログ信号に変換さ
れ、該アナログ信号が端子14から取出される。
【0041】以下、適応ノイズキャンセラ6の適応フイ
ルタ9の作用について説明する。適応フイルタ9では、
主要入力(S+n)の雑音成分nに類似する成分として
の信号Yが形成される。即ち、適応ノイズキャンセラ6
の出力が主要入力(S+n)の音声信号成分Sに似るよ
うにフイルタ特性が逐次自己調整される。
【0042】適応フイルタ9は、図2に示される構成の
FIRフイルタ型の適応形線形結合器が用いられてい
る。図2の構成に於いて、DL1〜DLLは遅延回路を
表わし、MP0〜MPLは係数乗算器を表している。ま
た、16は加算器、15、17は夫々、端子を表してい
る。
【0043】上述の遅延回路DL1〜DLLに於ける
〔Z-1〕は単位サンプリング時間の遅延を表し、係数乗
算器MP0〜MPLに供給されるWnkは加重係数を表し
ている。加重係数Wnkが固定されていれば通常のFIR
デジタルフイルタである。
【0044】ここで、適応フイルタ9を、適応動作させ
るためのアルゴリズムについて説明する。この適応フイ
ルタ9に於ける演算のアルゴリズムは、各種のものを使
用できるが、計算量が比較的少なく、実用的で且つ多用
されているLMS(最小平均自乗)アルゴリズムについ
て、以下に説明する。
【0045】入力ベクトルXkを Xk =〔Xk k-1 k-2 ・・・・・・Xk-L 〕 として表せば、適応フイルタ9の出力Yk は、 で与えられる。
【0046】遅延回路7の出力をdk とすれば、その差
分出力〔残差出力〕εk は、 εk =dT KO−Xk k となる。上式に於いて、“dT KO”は“dk ”の高域用
信号を表している。LMS(最小平均自乗)法では加重
ベクトルの更新は以下の式に従って行われる。 Wk+1 =Wk +2μεk k 上式に於けるμは、適応の速度と安定性を決める利得因
子、いわゆるステップゲインである。
【0047】加重ベクトルを上述のようにして更新して
いくことによって、システムの出力パワーを最小化する
よう動作がなされる。以下、この動作を定式化して説明
する。簡単のため、遅延回路7を無視した場合、加算器
8からの差分出力εは、 ε=S+n−Y である。
【0048】εの自乗の期待値は、以下の式で表され
る。 E[ε2 ]=E[S2 ]+E[(n−Y)2 ]+2E
[S(n−Y)] ここで、Sはn及びYと無相関であるところから、上式
に於いて、 E[S(n−Y)]=0 となる。従って、(ε)の自乗の期待値E[ε2 ]は以
下の式で表される。 E[ε2 ]=E[S2 ]+E[(n−Y)2
【0049】適応フイルタ9は、E〔ε2 〕が最小にな
るように調整されるが、E〔S2 〕は影響を受けないの
で、以下の式のようになる。 Emin 〔ε2 〕=E〔S2 〕+Emin 〔(n−Y)2
【0050】E[S2 ]は適応フィルタ9の加重ベクト
ルの更新の影響を受けないことから、E[ε2 ]が最小
化されることは、E[(n−Y)2 ]が最小化されるこ
とを意味している。従って、適応フィルタ9の出力Y
は、[n]の最良の最小自乗推定値になっている。
【0051】E〔(n−Y)2 〕が最小化される時、
〔ε−S=n−Y〕であることから、E〔(ε−
S)2 〕も最小化される。従って、適応フイルタ9を調
整して全出力パワ−を最小化することは、差分出力εが
音声信号成分Sの最良の最小自乗推定値になることに等
しい。
【0052】差分出力εは、一般的に音声信号成分Sに
多少の雑音成分が加わったものとなるが、出力される雑
音成分は(n−Y)で与えられるので、E〔(n−Y)
2 〕を最小化することは出力の信号対雑音比を最大化す
ることに等しい。
【0053】この一実施例では、図1に示される構成の
回路ブロック26を図5のように二系統設けることによ
り、無指向性のマイクロホン1、2であってもステレオ
感のある音声出力を得ることができるようになされてい
る。
【0054】図5中、L、Rチャンネルの回路ブロック
26、27の夫々は、単一指向特性を有することから、
L、Rチャンネルの回路ブロック26、27からの音声
出力を端子14e、14fから取出すことによって、音
声出力にステレオ感をもたせることが可能となる。
【0055】尚、回路ブロック26、27と、マイクロ
ホン1、2の接続状態については、図示の例に限定され
るものではない。例えば、図6に示されるように、マイ
クロホン1、2を共通に用い、該マイクロホン1、2の
出力を、回路ブロック26、27の夫々に供給するよう
にしてもよい。
【0056】この場合には、マイクロホン1、2の接続
されるチャンネルは、回路ブロック26、27では相互
に逆となる。即ち、Lチャンネルの回路ブロック26で
は、マイクロホン1、2とA/D変換回路3、4が図1
に示されるように接続されているが、Rチャンネルの回
路ブロック27では、マイクロホン1とA/D変換回路
4が接続され、マイクロホン2とA/D変換回路3が接
続されている。
【0057】また、この図5及び図6に於いて、低域に
ついては、例えば、Lチャンネルの回路ブロック26の
出力を用いることができる。
【0058】図7には、一実施例の第1の変形例が示さ
れている。この第1の変形例が、前述の一実施例と異な
る点は、A/D変換回路3と適応ノイズキャンセラ6の
入力側の間に加算器41が配されていると共に、A/D
変換回路4と適応ノイズキャンセラ6の入力側の間に加
算器42が配されていることである。
【0059】この場合、加算器41に於いて、A/D変
換回路3、4から供給されるデジタル信号には双方とも
正符号が付されている。しかしながら、加算器42に於
いては、A/D変換回路3から供給されるデジタル信号
には正符号が付され、A/D変換回路4から供給される
デジタル信号には負符号が付されている。
【0060】従って、加算器41の出力には、レベル的
に2倍となった音声信号成分Sと、雑音成分(n+(n
*))が含まれ、これらの加算された値、即ち、〔2S
+(n+(n*))〕が主要入力とされる。該主要入力
〔2S+(n+(n*))〕が端子43から取出され
る。
【0061】また、加算器42の出力は、音声信号成分
Sが同相であるために除去されて雑音成分(n−(n
*))のみとされ、該雑音成分(n−(n*))が参照
入力とされる。該参照入力(n−(n*))が端子44
から取出される。また、雑音成分の内、振動雑音成分は
相互に逆相になるためキャンセルされ、その結果、殆ど
風雑音成分のみとされる。これによって、雑音低減効果
をより一層高めることが可能となる。
【0062】この第1の変形例を用いた場合には、A/
D変換回路3の出力側の点PAから取出された出力を一
実施例に示される加算器22に供給するようになすと共
に、A/D変換回路4の出力側の点PBから取出された
出力を一実施例に示される移相回路21に供給するよう
になすことが必要である。尚、その他の構成、作用、効
果等の内容については、前述の一実施例と同様につき、
一実施例と共通する部分には同一符号を付し重複する説
明を省略する。
【0063】図8には、一実施例の第2の変形例が示さ
れている。この第2の変形例が、前述の一実施例と異な
る点は、適応ノイズキャンセラ6の処理のみをデジタル
信号で行い、他の信号処理は全てアナログ信号で行って
いることである。従って、一実施例に示される加算器
5、12、22をアナログの加算器36、39、37に
変更すると共に、移相回路21をアナログの移相回路3
5に変更している。
【0064】また、マイクロホン1、2の出力側に夫
々、アナログのローパスフイルタ31、32を設けるこ
とにより、低域の信号成分のみを以後の回路ブロックに
供給している。そして、上述のローパスフイルタ31、
32の入出力双方の信号成分を取り出し加算器33、3
4で差分を求めることにより、高域の信号成分を抽出
し、該高域の信号成分を、加算器37、移相回路35等
に供給していることである。尚、その他の構成、作用、
効果等の内容については、前述の一実施例と同様につ
き、一実施例と共通する部分には同一符号を付し重複す
る説明を省略する。
【0065】この一実施例によれば、マイクロホン1、
2の主軸が同一直線上とされ、受音面1a、2aがセパ
レータ20を介し距離dの間隔を置いて対向状態に配さ
れているため、入力される音声信号間で位相差が生じ
る。適応ノイズキャンセラ6にて、主要入力(S+n)
から雑音成分nが減算される。換言すれば、主要入力
(S+n)の雑音成分nは最小化されて実質的にはキャ
ンセルされ、音声信号成分Sのみが取出され、ローパス
フィルタ11にて低域で且つ無指向性の音声信号成分S
が取出される。
【0066】また、主要入力(S+n)と、移相回路2
1にて移相されなるマイクロホン2の出力〔−(S+
(n*))〕とが加算器22にて加算されることで、該
加算器22から出力される信号成分を有指向性、この場
合には単一指向特性とすることができる。この単一指向
特性とされた加算器22の出力からは、ハイパスフィル
タ23にて高域の信号成分が取出される。
【0067】加算器12にて、低域の音声信号成分Sと
高域の信号成分が加算される。これによって、低域では
無指向性、高域では単一指向性特性とされてなる音声信
号出力が形成される。
【0068】従って、通常の一対のマイクロホン1、2
を用いることによって、雑音成分をキャンセルすること
ができる。この雑音成分の除去に関しては、風防を使用
せず、また、マイクロホン1、2が近接して配置される
ため機器の小型化に貢献でき、そして、電気的/音響的
ハイパスフィルタ等を使用する必要がないため収音品質
の低下を防止することができる。
【0069】また、通常の一対のマイクロホン1、2を
用いることによって、振動雑音成分を除去できる。そし
て、図1に示される構成の回路ブロックを2チャンネ
ル、即ち、L、Rチャンネルの回路ブロック26、2
7、設けることによって、無指向性のマイクロホン1、
2を用いていながら、ステレオ感のある音声出力を得る
ことが可能である。
【0070】そして、適応ノイズキャンセラ6を用いて
いるので、風雑音及び/または振動雑音の特性〔例え
ば、レベル或いはスペクトル分布等〕が変化しても、適
応フイルタ9の特性が自動的に更新され、風雑音成分を
安定して低減させることができる。
【0071】更に、雑音の種類毎に処理系を用意せずと
も、単一の処理系で良好な収音品質を実現しうる。
【0072】この一実施例の第2の変形例によれば、マ
イクロホン1からA/D変換回路3を介してなる出力が
加算器41、42に供給され、また、マイクロホン2か
らA/D変換回路4を介してなる出力が加算器41に供
給されると共に、A/D変換回路4の出力に負符号の付
加されてなる信号が加算器43に供給される。従って、
上述の一実施例と同様の効果に加えて、音声信号成分S
のレベルを、前述の一実施例に比して2倍に高めること
ができる。
【0073】この実施例に示される雑音低減装置は、多
方面の収音システムに対して適用が可能である。例え
ば、小型携帯用のビデオカメラ装置に対して、或いは単
品のマイクロホンに対して適用が可能である。この実施
例に示される一対のマイクロホン1、2は、指向性の有
無を問わず使用可能である。
【0074】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、雑音成分をキ
ャンセルすることができるという効果がある。また、雑
音成分の除去に関しては、風防を使用せず、一対のマイ
クロホンを近接して配置するため機器の小型化に貢献で
き、そして、電気的/音響的ハイパスフィルタ等を使用
する必要がないため収音品質の低下を防止することがで
きるという効果がある。更に、雑音の種類毎に処理系を
用意せずとも、単一の処理系で良好な収音品質を実現し
うるという効果がある。
【0075】また、実施例によれば、適応ノイズキャン
セラを用いているので、雑音〔風雑音成分+振動雑音成
分〕の特性〔例えば、レベル或いはスペクトル分布等〕
が変化しても、適応フイルタの特性が自動的に更新さ
れ、風雑音成分を安定して低減させることができるとい
う効果がある。
【0076】請求項2の発明によれば、請求項1の効果
に加えて、無指向性の一対のマイクロホンを用いていな
がら、ステレオ感のある音声出力を得ることができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】適応フイルタの構成を示すブロック図である。
【図3】一対のマイクロホンの配置の例を示す図であ
る。
【図4】アナログの移相回路の例を示す回路図である。
【図5】ステレオ出力を得るための構成を示すブロック
図である。
【図6】ステレオ出力を得るに際して、一対のマイクロ
ホンの出力をL及びRチャンネルの回路ブロックで使用
する構成を示すブロック図である。
【図7】一実施例の第1の変形例を示すブロック図であ
る。
【図8】一実施例の第2の変形例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1、2 マイクロホン 1a、2a 受音面 5、12、22、36、37、41、42 加算器 6 適応ノイズキャンセラ 11 ローパスフイルタ 20 セパレータ 21 移相回路 23 ハイパスフィルタ 26 Lチャンネルの回路ブロック 27 Rチャンネルの回路ブロック d 距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近接して配設される一対のマイクロホン
    と、 上記一対のマイクロホンの出力を減算する第1の減算手
    段と、 上記一対のマイクロホンの出力のうちのいずれか一方の
    マイクロホンの出力を主要入力とすると共に、上記第1
    の減算手段からの出力を参照入力とし、上記主要入力お
    よび参照入力に基づいて適応処理を施す適応処理手段
    と、 上記一対のマイクロホンの出力の内のいずれか一方のマ
    イクロホンの出力の位相を移相する移相手段と、 上記一対のマイクロホンの出力のうちの他方のマイクロ
    ホンの出力と上記移相手段の出力を減算する第2の減算
    手段と、 上記適応処理手段の出力の低音域成分を通過させる低域
    通過フィルタ手段と、 上記第2の減算手段の出力の高音域成分を通過させる高
    域通過フィルタ手段と、 上記低域通過フィルタ手段の出力と上記高域通過フィル
    タ手段の出力とを合成する手段とを備えたことを特徴と
    する雑音低減装置。
  2. 【請求項2】 上記主要入力は、上記一対のマイクロホ
    ンの出力を加算して供給されることを特徴とする請求項
    1記載の雑音低減装置。
  3. 【請求項3】 近接して配設される一対のマイクロホン
    と、 上記一対のマイクロホンの出力の低音域成分を通過させ
    る一対の低域通過フィルタ手段と、 上記一対のマイクロホンの出力の高音域成分を通過させ
    る一対の高域通過フィルタ手段と、 上記一対の低域通過フィルタ手段の出力を減算する第1
    の減算手段と、 上記一対の低域通過フィルタ手段の出力のうちのいずれ
    か一方の低域通過フィルタ手段の出力を主要入力とする
    と共に、上記第1の減算手段からの出力を参照入力と
    し、上記主要入力および参照入力に基づいて適応処理を
    施す適応処理手段と、 上記一対の高域通過フィルタ手段の出力のうちのいずれ
    か一方の高域通過フィルタ手段の出力の位相を移相する
    移相手段と、 上記一対の高域通過フィルタ手段の出力のうちの他方の
    高域通過フィルタ手段の出力と上記移相手段の出力を減
    算する第2の減算手段と、 上記適応処理手段の出力と上記第2の減算手段の出力と
    を合成する手段とを備えたことを特徴とする雑音低減装
    置。
  4. 【請求項4】 上記主要入力は、上記一対の低域通過フ
    ィルタ手段の出力を加算して供給されることを特徴とす
    る請求項3記載の雑音低減装置。
JP02448592A 1992-01-14 1992-01-14 雑音低減装置 Expired - Fee Related JP3460229B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02448592A JP3460229B2 (ja) 1992-01-14 1992-01-14 雑音低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02448592A JP3460229B2 (ja) 1992-01-14 1992-01-14 雑音低減装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05188972A JPH05188972A (ja) 1993-07-30
JP3460229B2 true JP3460229B2 (ja) 2003-10-27

Family

ID=12139493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02448592A Expired - Fee Related JP3460229B2 (ja) 1992-01-14 1992-01-14 雑音低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3460229B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5338766A (en) * 1993-03-26 1994-08-16 The Procter & Gamble Company Superabsorbent polymer foam

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05188972A (ja) 1993-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3279612B2 (ja) 雑音低減装置
US6917688B2 (en) Adaptive noise cancelling microphone system
JP3154151B2 (ja) マイクロホン装置
JP5681326B2 (ja) ノイズを除去するためのペア型マイクロホン
US20040086137A1 (en) Adaptive control system for noise cancellation
US7031460B1 (en) Telephonic handset employing feed-forward noise cancellation
JPH06269084A (ja) 風雑音低減装置
WO1999051059A1 (en) Apparatus and methods for combining audio compression and feedback cancellation in a hearing aid
EP2695398A1 (en) Rejecting noise with paired microphones
US10341766B1 (en) Microphone apparatus and headset
US7181026B2 (en) Post-processing scheme for adaptive directional microphone system with noise/interference suppression
US20230300516A1 (en) Ear-wearable device with active noise cancellation system that uses internal and external microphones
JP3460229B2 (ja) 雑音低減装置
JP2006237816A (ja) 演算装置、収音装置、及び、信号処理プログラム
JP2006203358A (ja) エコーキャンセル回路および移動無線端末装置
JP3084883B2 (ja) 雑音低減装置
JP2002171591A (ja) ステレオマイクロホン装置、雑音低減処理方法及び装置
EP1305975A2 (en) Adaptive microphone array system with preserving binaural cues
JP3561920B2 (ja) 雑音低減装置
JPH06269085A (ja) マイクロホン装置
JPH05218805A (ja) 適応処理装置
US20230186890A1 (en) Audio processing device
JP2003235091A (ja) 集音装置、集音方法、音声認識装置、通信機器および補聴器
JPH06284490A (ja) 適応型雑音低減システム及びこれを用いた未知の系の伝達特性同定方法
JPH06292291A (ja) マイクロホン装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees