JP3459398B2 - 層間接続バイア・ホールを有する多層プリント基板の製造方法 - Google Patents
層間接続バイア・ホールを有する多層プリント基板の製造方法Info
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Description
板の製造方法に係り、とくに各層間を接続するために構
成されたバイア・ホールを持つ回路基板の形成方法に関
する。 【0002】 【従来の技術】多層化された回路基板における各層間を
接続するには、層間を結ぶ穴つまりバイア・ホールを設
けて穴内壁にメッキを施し、各層に設けられた回路パタ
ーン同士を接続することが行われている。そしてバイア
・ホールの形成には、旧来のドリル加工法に換わって高
密度加工ができるレーザー照射法を用いることが一般化
している。 【0003】この高密度加工を行った多層プリント基板
において、バイア・ホールを形成するには、図4に示す
ように中間層バイア・ホールH1の位置と第1層バイア
・ホールH2の位置とを異ならせる場合と、図5に示す
ように重なり合わせたバイア・ホールH0を設ける場合
とがある。 【0004】このうち前者は、バイア・ホール形成のた
めの所要面積が大であるから高密度化の目的には沿わな
い。そこで、高密度化に適する後者がより一般化してい
る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このように中間層間を
接続するバイア・ホールH1と第1層目のバイア・ホー
ルH2とを位置合わせする方法が主流になっているが、
図6に示すように設計の都合上完全に同心位置にならな
いことがある。 【0006】すなわち、図6に示すように中間層のバイ
ア・ホールH1と第1層のバイア・ホールH2とが多少
偏心していると、内層のバイア・ホールH1の形成後に
外層のバイア・ホールH2を形成するために外層の回路
パターンを利用してレーザービームを照射すると、外層
の回路パターンの内側であって内層の回路パターンの外
側になる部分はレーザービームに照射され、破線で示す
X部として示すように異常に深い貫通孔が形成されるこ
とがある。この場合、スルーホール・メッキを行うと、
図6の場合で第6層まで導通するバイア・ホールとなっ
てしまい、不具合である。 【0007】本発明は上述の点を考慮してなされたもの
で、高密度化に適しており、しかもバイア・ホールに不
具合の生じない多層プリント基板およびその製造方法を
提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、それぞれ絶縁層上に回路パターンを形成して
なる回路基板を少なくとも3枚積層して多層化し、層間
をバイア・ホールにより接続する多層プリント基板の製
造方法において、第1の回路基板を用意し、この第1の
回路基板上に接着剤により第2の回路基板を固着し、こ
の第2の回路基板におけるバイア・ホール部を回路パタ
ーン・エッチングにより除去してバイア・ホール形成領
域を形成し、前記バイア・ホール形成領域に、レーザー
ビーム照射手段により、前記第1の回路基板までの前記
第2の回路基板における絶縁層および接着剤を除去して
第1の穴を形成し、この第1の穴にスルーホール・メッ
キを施し、前記第2の回路基板に対し接着剤により第3
の回路基板を固着し、この第3の回路基板に前記第1の
穴よりも径の小さいバイア・ホール形成用の回路パター
ンを形成し、前記第3の回路基板における回路パターン
を利用してレーザービーム照射手段により前記バイア・
ホール周りの絶縁層および接着剤を除去して前記第1の
穴よりも径の小さい第2の穴を形成し、この穴にスルー
ホール・メッキを施す、工程を含むことを特徴とする、
層間接続バイア・ホールを有する多層プリント基板の製
造方法、を提供するものである。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例の構造
を概念的に示したもので、上部に縦断面図を、下部に俯
瞰図を示している。 【0010】これら両図から分かるように、回路基板は
絶縁層11、積層接着剤12、絶縁層13、積層接着剤
14、絶縁層15が積層されて5層構造の積層回路基板
を構成している。そして、絶縁層11、13および15
の図における各上面には、回路パターンつまりランド2
1,22,24(要部のみ図示)が形成されている。 【0011】そして、積層回路基板の全5層を貫通し、
同心配置されて内径が2段に変化する構成のバイア・ホ
ールが形成されている。このバイア・ホールは、2段構
成の下側が大径で上側が小径であり、大径部分がランド
21とランド22とを接続するもの、小径部分がランド
22とランド24とを接続するものである。 【0012】このバイア・ホールを構成するために、俯
瞰図に示すように、ランド21,22,24が同心配置
されており、最内層にあるランド21の外径はφe、内
径はφc、中間にあるランド22の外径はφd、内径は
φc、最外層にあるランド24の外径はφb、内径はφ
aである。そして、各外径同士、内径同士を比べると何
れも外層側の径が小となっており、図示ではφb<φdと
なっている。 【0013】このバイア・ホールには、内層のランド2
1と中間のランド22とを接続するようにメッキ層23
が形成され、メッキ層22と外層のランド24とを接続
するためにメッキ層25が形成されている。 【0014】このように形成された各バイア・ホール
は、それらを図示上下方向に投影したとき、そのうちの
最大径のバイア・ホールにおける輪郭内に他のものが包
含される状態となっている。 【0015】図2および図3は、図1に示したバイア・
ホールを形成するための工程を示したもので、図2にお
ける4工程A−D、図3における4工程E−Hは一連の
工程である。ここで、各回路基板における銅箔はエッチ
ング処理を経ると回路パターンとなるが、エッチング処
理の前後を通じて同一符号を付している。 【0016】まず図2において、最初の工程Aでは、絶
縁層11の上面にバイア・ホールの底面を形成するのに
適当な大きさのランド21を持った第1の回路基板を用
意する。回路基板を形成するには、通常の銅張り積層板
材料、つまりガラス−エポキシ系、ポリイミド等が利用
できる。 【0017】ランド21の中心位置が、バイア・ホール
の中心位置である。そして、第1の回路基板の上面を被
うように積層接着剤12を介在させて第2の回路基板を
積層し、この第2の回路基板の銅箔にランド22を形成
する。ランド22には、第1の回路基板における回路パ
ターンと同心位置にバイア・ホールを形成するために、
銅箔を除去した部分が形成される。 【0018】第2の工程Bでは、第2の回路基板の上方
からランド22を介して、異方性処理手段であるレーザ
ービーム照射による樹脂成分の除去が行われる。レーザ
ーとしては、エキシマ・レーザー、CO2レーザー等の
樹脂成分を昇華させ得るものであればよい。これらレー
ザーによるビームが照射され、第2の回路基板の絶縁層
13および積層接着剤12が除去されて、第1の回路基
板におけるランド21の上面が露出される。 【0019】異方性処理手段とは、図示の場合は図示縦
方向に向かって物質を除去する作用をするが、図示横方
向にはなんら作用しない手段を言い、その点で縦横両方
向に作用する等方性処理手段ともいうべきエッチング等
とは相違する。 【0020】第3の工程Cでは、ランド21とランド2
2とを接続するようにメッキ層23を形成する。メッキ
は、通常のスルーホール・メッキによればよい。これに
より第1のバイア・ホールが形成される。 【0021】第4の工程Dでは、メッキ層23を被うよ
うに、積層接着剤14を介在させて絶縁層15および銅
箔24を有する第3の回路基板を積層する。これにより
図3の工程Eに移行する。 【0022】図3に示す第5の工程Eでは、第4の工程
Dにより第1の回路基板ないし第3の回路基板が積層さ
れた状態となっている。すなわち、絶縁層11、ランド
21からなる第1の回路基板上に、絶縁層13、ランド
22からなる第2の回路基板が積層接着剤12を介し積
層されてメッキ層23によりランド21とランド22と
が接続された状態となり、かつその上に絶縁層15およ
び銅箔24からなる第3の回路基板が積層接着剤14を
介して積層されている。 【0023】第6の工程Fでは、エッチングにより銅箔
を処理してバイア・ホールを形成するためのランド24
を形成する。これは第1の工程Aと同様の状態である。
このランド24は、第2のバイア・ホールを形成するた
めのものであるが、第2のバイア・ホールは第1のバイ
ア・ホールよりも径が小であるから回路パターンもその
ように形成する。 【0024】次いで第7の工程Gによりレーザービーム
を照射し、絶縁層15および積層接着剤14を回路パタ
ーンにしたがって除去する。これは、第2の工程と同様
の状態である。これにより、ランド24に被われておら
ずメッキ層23よりも上側にある絶縁層15および積層
接着剤14がすべて除去されて、2段構造のバイア・ホ
ールが形成される。 【0025】この状態で、第8の工程Hによりランド2
4の上からバイア・ホールを含めてメッキ層25を形成
する。この結果、メッキ層25によってランド21,2
2,24が全て接続された状態となる。すなわち、メッ
キ層23によりランド21とランド22とが接続され、
メッキ層25によりメッキ層23とランド24とが接続
され、結果として3つのランド21,22,24が接続
された状態となる。 【0026】以上の工程に続いて、通常のプリント基板
製造工程を適用して多層プリント基板を製造する。 【0027】偏心型バイア・ホールの場合は、外層のバ
イア・ホール全体が最内層のバイア・ホールの内壁より
も内側にあれば、同心ではなくても段付きバイア・ホー
ルとして構成することができる。ただし、工程作業にお
ける位置ずれを考慮すると、実際にはある程度の余裕を
見ておく必要はある。 【0028】(応用例)上記実施例では、2段構造のバ
イア・ホールを例示したが、回路基板を4段以上積層し
3段以上のバイア・ホールで相互接続を行う構成につい
ても本発明を適用することができる。 【0029】 【0030】また、上記実施例では、積層するために接
着剤を用いることとしたが、これをプリプレグなどの等
価物に置き換えてもよい。 【0031】また、メッキ処理の前に残留物を除去する
ために、過マンガン酸液に浸漬すると一層よい。 【0032】 【発明の効果】本発明は上述のように、多層プリント基
板における層間接続用バイア・ホールを形成するにつ
き、外層回路基板の回路パターンを利用してレーザービ
ーム照射手段により不要物質を除去してメッキ層で被う
ようにしたため、内層のバイア・ホールの範囲内に外層
のバイア・ホールが配置される包含型バイア・ホールが
形成される。この結果、高密度化に対応しながら導通信
頼性を損なわないプリント基板を提供することができ
る。
説明図。 【図3】図2に示した実施例の工程後半部を示す説明
図。 【図4】従来のバイア・ホールの構造例を示すもので、
バイア・ホールの位置を変える場合の説明図。 【図5】従来のバイア・ホールの構造例を示すもので、
同径重複型バイア・ホールの説明図。 【図6】従来のバイア・ホールの製造時の問題点を示す
説明図。 【符号の説明】 11,13,15 絶縁層 12,14 積層接着剤 21,22,24 ランド 23,25 メッキ層
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】それぞれ絶縁層上に回路パターンを形成し
てなる回路基板を少なくとも3枚積層して多層化し、層
間をバイア・ホールにより接続する多層プリント基板の
製造方法において、 第1の回路基板を用意し、 この第1の回路基板に接着剤により第2の回路基板を固
着し、 この第2の回路基板におけるバイア・ホール部を回路パ
ターン・エッチングにより除去してバイア・ホール形成
領域を形成し、 前記バイア・ホール形成領域に、レーザービーム照射手
段により、前記第1の回路基板までの前記第2の回路基
板における絶縁層および接着剤を除去して第1の穴を形
成し、 この第1の穴にスルーホール・メッキを施し、 前記第2の回路基板に対し接着剤により第3の回路基板
を固着し、 この第3の回路基板に前記第1の穴よりも径の小さいバ
イア・ホール形成用の回路パターンを形成し、 前記第3の回路基板における回路パターンを利用してレ
ーザービーム照射手段により前記バイア・ホール周りの
絶縁層および接着剤を除去して前記第1の穴よりも径の
小さい第2の穴を形成し、 この穴にスルーホール・メッキを施す、 工程を含むことを特徴とする、層間接続バイア・ホール
を有する多層プリント基板の製造方法。
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