JP3457680B2 - 生物活性セラミックス及び生物活性セラミックスの製造方法 - Google Patents

生物活性セラミックス及び生物活性セラミックスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は、新規な生物活性セラミック組成物及びその
ようなセラミック組成物を製造する方法に関する。本発
明は、荷重負担補綴器具でそのような生物活性セラミッ
ク組成物を使用することを含めた種々の整形外科的処置
法にも関する。本発明は、そのような生物活性セラミッ
クスの製造方法にも関する。
〔発明の背景〕
全ての生物活性移植組織片に共通の特性は、移植した
時それらの表面にヒドロキシ炭酸リン灰石(HCA)層が
形成されることである。人間の骨の物質は、本質的にコ
ラーゲンが浸透したヒドロキシアパタイト、Ca5[(O
H)−(PO4]である。骨物質の再生は、無機ヒドロ
キアパタイトから進行する。この物質は骨物質の付着点
として働くと考えられている。ヒドロキアパタイト核か
ら出発して、実質的に完全な骨がこのようにして再生
し、発達する。生物活性物質は組織と移植物体との間の
界面で化学反応を受ける。その表面反応は、界面の所で
組織を結合させることになる。生物活性セラミックスの
生物活性度の大きさは、組成及び構造に依存する。同様
に、ガラスセラミックスの機械的性質は、就中、変数と
して、体積分率、粒径、結晶相、及び結晶形態に依存す
る。従って、生物活性セラミックスの組成及びその製造
方法が、得られるセラミックの性質に大きな影響を与え
る。
ガラスセラミック材料の製造過程は、古典的には核生
成段階と成長段階とからなる二段階事項として見做され
て来た。ガラスセラミック系の核生成反応速度は、核生
成速度曲線によって表される。核生成速度曲線を作成す
る最も一般的な方法は、二段階法である。第一段階は、
親ガラスを種々の熱処理温度及び熱処理時間で熱処理す
ることにより核生成したマトリックス試料をつくること
である。このマトリックス試料を、第一段階で発生した
核が顕微鏡で観察出来る大きさまで成長するのに充分な
時間及び温度の第二熱処理にかける。
成長反応速度は、成長速度曲線によって表され、それ
ら曲線も二段階法によって決定する。第一段階では、全
ての試料を同じ熱処理で核生成させる。第二段階では、
それらの核を種々の熱処理時間及び熱処理温度で成長さ
せる。光学的顕微鏡測定により特定の温度での結晶粒径
の発達を熱処理時間の関数として決定し、成長速度を計
算する。
以前の生物活性セラミックスは、優れた物理的強度
と、高水準の生物活性度の両方の利点を併合することが
できないので、不満足なものであることが判明してい
る。例えば、既知のガラスセラミックスの一つの欠点
は、それらの核形成傾向が比較的低いことである。更に
単位体積当たり形成される核の数が、多くの因子に依存
するので、技術的に制御することが非常に困難なことで
ある。米国特許第3,981,736号(第2欄、第58行〜第68
行参照)。
WO93/17976には、骨代替物として、粒状の生物活性ガ
ラス又はガラスセラミックスが記載されている。それら
は、充填用、例えば、頭蓋顔面骨欠陥、洞リフト(sinu
s lift)、歯槽強化、及び骨嚢胞腫に対し有用であると
して記載されている。記載されているガラスは、次の組
成を有する: SiO2 53.0〜62.0% Na2O 15.0〜30% CaO 10.0〜25.0% P2O5 0.0〜8.0% B2O3 0.0〜3.0% Al2O3 0.0〜1.5% 記載されているセラミック材料製造方法は、原料を混
合し、それを約1350℃で数時間加熱することを含んでい
る。この後、溶融物を黒鉛板上に注ぎ、そのガラスのガ
ラス転移温度近辺で1時間〜数時間アニールする。次に
そのガラスを粉砕し、その基礎ガラスを約650〜1000℃
に数時間加熱することによりセラミックスを生成させ
る。これらの組成物は、生物活性度が低い欠点を有す
る。
従って、本発明の目的は、自然の骨と同様な大きな生
物活性度及び制御された機械的性質の両方を有する生物
活性セラミックを与えることである。
本発明の更に別の目的は、そのような優れた生物活性
セラミックスを製造する方法を与えることである。
〔発明の開示〕
本発明は、47〜51%のSiO2、23〜25%のCaO、23〜25
%のNa2O、及び0〜6%のP2O5からなる生物活性セラミ
ック組成物に関し、その生物活性セラミックは、患者に
移植して約30時間内にHCAの少なくとも薄層を形成する
生物活性度レベルを有する。本発明は、生物活性セラミ
ックガラス組成物の製造方法のみならず種々の整形外科
的処置法にも関する。さらに本発明は、この生物活性ガ
ラスセラミックス組成物からなる整形外科用荷重負担移
植組織片、歯科用荷重負担移植組織片、補強繊維、補強
粒状体および自己繁殖的骨片にも関する。この生物活性
ガラスセラミックス組成物と重合体とからなる生体適合
重合体および軟組織処置のための注射可能混合物にも関
する。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、SS、SSP4、及びSSP6組成物の核生成速度を温
度の関数として示したグラフである。
図2は、SSP4及びSSP6の結晶成長速度を示すグラフで
ある。
図3は、SSP6組成物の結晶化の幾つかの体積%(8、
36、60、87、及び100%)の場合のガラスセラミックス
の微細結晶構造を示す光学的顕微鏡写真である。
図4、図5、及び図6は、SBFに曝す前、及び20時間
及び40時間曝した後のSSP6ガラス及びガラスセラミック
スのFTIRスペクトルを示す図である。
図7は、HCA層形成の開始時間を測定するため、7〜9
6時間SBF溶液に曝した、SS、SSP4、及びSSP6のガラス及
びガラスセラミックス円板の生物活性度レベルを示すグ
ラフである。
図8は、SSP4組成物の種々の結晶体積分率の時のX線
回折像を示す図である。
図9は、夫々ガラスセラミックスの微細な結晶構造を
示す顕微鏡写真である。
図10は、SSP4組成物のMOR〔曲げ強度(Modulus of Ru
pture)〕を、13μmの一定の粒径をもつ結晶の体積分
率の関数として示したグラフである。
図11は、種々の移植材料及び皮質及び柱の骨の弾性率
を示すグラフである。
図12は、SSP4組成物の弾性率を、13μmの粒径をもつ
結晶の体積分率の関数として示したグラフである。
図13は、SSP4及びSSP6のガラス及びガラスセラミック
のビッカース硬度を、結晶化度%の関数として示したグ
ラフである。
図14は、SSP4(粒径13μm)の破壊靭性(Kic)を示
すグラフである。
〔発明の詳細な説明〕
本出願人は、特別な範囲のシリカ含有量を有する生物
活性セラミックガラスが、優れた物理的及び機械的性質
の両方を与えることを図らずも発見した。もしセラミッ
クのシリカ含有量が低過ぎると、そのセラミックは三次
元的構造が悪くなり、従って、機械的性質が悪くなる。
もしシリカ含有量が高過ぎると、セラミックを形成する
のに必要な核生成及び結晶化中に生物活性が失われる。
例えば、本発明に従う組成物は、インビトロで(in vit
ro,生体外で)時間の問題としてHCA層を形成することが
できるのに対し、従来の組成物は数日間でもHCA層を形
成することができない。もしHCA層が迅速に形成されな
いと、適切な骨の結合が行われない。
本出願人は、親ガラスのこの組成範囲内で(セラミッ
クに関する組成範囲は、別に指示しない限り、常に親ガ
ラスに関して表されている)、種々のガラス組成物に対
し核生成を変えることにより機械的性質を調節し、結晶
化計画を与えることができることも発見した。このこと
は、機械的性質を調節し、その機械的性質を自然の骨組
織の機械的性質に遥かに近く一致させることが可能にな
る結果を与える。移植材料の機械的性質と周囲の生体内
組織とを一層よく適合させることにより、応力遮蔽(st
ress shielding)の問題を回避することができる。応力
遮蔽は、骨が適切に荷重を受けるのを妨げる。健康を維
持するためには骨は引張荷重を受けていなければならな
いので、臨床的問題が生ずる。応力遮蔽は、適用された
荷重が最も低いか又は圧縮状態になっている領域の骨を
弱くする。圧縮荷重を受けていないか又は受けている骨
は、破骨細胞増殖を受け、それは骨吸収をもたらす。移
植材料が臨床的に成功するためには、界面での迅速な結
合と共に機械的性質の機能的適合を同時に達成する必要
がある。ここで与える技術は、核生成及び結晶化を精密
に制御することにより、自然の骨と同様な範囲の機械的
性質を生じさせる能力を有する。
本出願人は、親ガラスのこの組成物範囲内で、他のガ
ラスセラミック法と比較して、非常に短時間でガラスを
核生成及び結晶化することができることも発見した。例
えば、本発明による組成物の多くは、他の方法の場合の
数日か数週間に比較して、24時間の問題として生成させ
ることができる。この意外に短い製造時間は、他のガラ
スセラミックと比較して経済的な利点となる。本発明に
よる組成物は、骨の再生、脊椎固定のためのスペーサ
ー、顎の骨及び他の荷重を受ける骨の置換を含めた多く
の用途でも有用である。従って、本発明は種々の処置法
にも関する。
本発明による組成物は、補綴器具のような複合体材料
と組合せてもよく、自原的骨片として用いることもでき
る。複合体材料は、本発明によるセラミック組成物と、
ポリスルホン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ
ラクテック アシッド(polylactic acid,ポリ乳酸)、
ポリグリコール酸、吸収性バイオポリマー、及びウレタ
ンとの組合せにより形成することができる。生物活性セ
ラミックは、好ましくは最終組成物の10〜50重量%の量
で、重合前又は重合後に添加することができる。
次の実施例は、本発明の幾つかの態様を更に例示する
ために与えられており、本発明を何ら限定するものでは
ない。
実施例 本発明による次の組成を有する生物活性ガラスセラミ
ックスを製造した: I. 製造されたガラス組成物 次の実験で用いたガラスは、5μのシリカ、炭酸カル
シウム、炭酸ナトリウム、及び燐酸ナトリウムのような
高純度材料を用いて製造した。表1にガラス組成とそれ
らの試料コード番号を与える。
全てのバッチは140gのガラスを生ずるように計算し
た。バッチは、ボールミルで3時間完全に混合した。
140gのガラスバッチが溶融するまで、30分間に亙り白
金合金ルツボに数回導入することにより、ガラスを製造
した。炭酸塩の分解により各バッチの完全な混合が確実
に行われた。デジタル温度制御器を具えた高温炉で溶融
を行なった。ガラスバッチは1300〜1360℃の温度範囲で
溶融した。全てのガラスバッチは5〜7時間均質化し、
均一な組成物になるようにした。均質性を向上させるた
め、40分毎にルツボを炉から取り出し、ガラスが高度に
粘稠になるまで完全に震盪した。次にそれを均質化温度
まで再加熱した。
核生成、結晶化、及び生物活性の研究のために用いた
ガラスは、黒鉛型中に注入し、8mm×30mmの円筒に形成
した。機械的性質の研究に用いた試料は、34mmの長さ及
び5.5mmの厚さを有する長方形の形を有する分割黒鉛型
中へ注型した。夫々の試料を注入した後、ルツボを炉へ
戻し、次の試料を注入する前に溶融温度に到達させた。
各試料片は、注型直後にアニーリング炉中へ入れ、少
なくとも7時間450℃で熱処理した。アニーリング後、
それら円筒を約3mmの厚さの円板に切断した。これらの
円板を用いてガラス及びガラスセラミックスの核生成及
び成長速度、及び生物活性度を決定した。
II. 核生成及び結晶化 ガラスセラミック材料の製造過程は、古典的には核生
成段階と成長段階からなる二段階事項と見做されてき
た。
(A) 核生成 ガラスセラミック系の核生成反応速度は、核生成速度
曲線により表される。核生成速度曲線を作成するための
最も一般的な方法は、二段階法である。第一段階は、種
々の熱処理温度及び熱処理時間で熱処理することにより
核が発生したマトリックス試料を作ることである。この
マトリックス試料に充分な時間及び温度の第二熱処理を
与え、第一段階で発生した核を顕微鏡で観察することが
できる大きさまで成長させる。
次に試料を横断するように切断し、研磨する。研磨
は、最初は320、600、及び1200グリットのSiC研磨紙を
用い、次にCeO2(1μm)を用いた第二最終研磨の二段
階で行なう。結晶を露出するため、研磨した表面をHF
(0.05%)溶液で約8秒間エッチングする。
次に各試料について標準的立体的測定を行なった。単
位面積当たりの核の数、直径の逆数の平均、及び結晶形
状因子から体積核生成速度を計算する(式1)。温度の
関数として体積核生成速度を次の式を用いて決定する。
NV=N/A.Ψ.[Σ(1/d)]/n ここで Ψ=立方体については1、球については2/π (1) (式中、NVは体積核生成速度であり、Nは結晶の数であ
り、Aは面積であり、Ψは形状因子であり、dは結晶の
直径又は対角線の長さである。) 図1は、SS、SSP4、及びSSP6組成物の核生成速度を温度
の関数として示している。P2O5含有量は、核生成速度に
劇的な影響を与える。僅か4%のP2O5で核生成速度を10
3分の1に減少するのに充分である。
P2O5の量が6%だと一層顕著になり、核生成速度は106
分の1に減少する。しかし、最大核生成速度の温度は、
P2O5含有量を増大しても余り変化しない。即ち、SS、SS
P4、及びSSP6組成物に対し560、555、及び555℃であ
る。
B. 成長速度 成長反応速度は成長速度曲線により表され、それらも
二段階法で決定される。第一段階では全ての試料を同じ
熱処理で核生成させる。第二段階ではそれらの核を種々
の熱処理時間及び熱処理温度で成長させる。光学的顕微
鏡測定により、特定の温度での結晶粒径の発達を熱処理
時間の関数として決定し、成長速度を計算する。成長速
度曲線は成長温度の関数として描かれている(図2)。
図2は、SSP4及びSSP6組成物についての結晶成長速度
を示している。P2O5は成長及び核生成反応速度に同じ影
響を与えることが観察されており、即ち、P2O5の量を増
大すると成長速度が減少する。この材料により核生成及
び成長速度を制御することができることは、ガラス/セ
ラミックの最終的機械的性質を制御する能力を与える結
果になる。
III. ガラス及びガラスセラミック生物活性度 生物活性物質は、組織とその移植物質との間の界面で
化学反応を受ける。その表面反応により界面での組織の
結合を生ずる。
全ての生物活性移植組織片に共通な特性は、移植した
時それらの表面にヒドロキシ炭酸リン灰石(HCA)層を
形成することである。
ガラス表面化学で変化を分析する最も万能の表面分析
法の一つは、フーリエ変換赤外分光分析(FTIRS)であ
る。FTIR法は、表面のSi−O−Si及びP−O振動モード
のような化学的組成物についての情報を与え、表面層内
に起きる相変化を検出することもできる。例えば、FTIR
Sによって生物活性ガラス表面上のヒドロキシ炭酸リン
灰石層の結晶化を容易に検出することができる。生物活
性ガラスについて特に問題になる領域での分子振動を表
2に列挙する。
III. 熱処理 前に記載した核生成及び結晶化の研究を用いて、SS、
SSP4、及びSSP6のガラス組成物について異なった結晶体
積分率のものを調製した。表3は、三つの組成物につい
て用いた熱処理範囲を示している。
図3は、SSP6組成物について幾つかの結晶化体積%
(8、36、60、87、及び100%)の時のガラスセラミッ
クスの光学的微細構造を示している。SSP6ガラスの均質
な核生成により得られた微細構造は非常に均一であり、
粒径は8〜25μmの範囲にある。この均一な微細構造に
より、ガラス/セラミックを生理学的荷重下におくと、
力の一層均一な分布を与える結果になる。
B. 溶液試験 生物活性ガラスのインビトロ(生体外)試験では、生
理学的体液を再生するため異なった種類の溶液を用い
た。人間の血漿に最も近い溶液は、疑似体液(SBF−K
9)であり、それを我々の実験で用いた。
C. 生物活性試験 インビトロ生物活性試験は、ガラス又はガラスセラミ
ック表面積(SA)対溶液体積(V)の比を0.1cm-1に固
定し、温度を36.5℃に設定して行なった。溶液は磁器撹
拌棒により撹拌した。全ての試料についてSBF−K9溶液
に曝す前及び曝した後にFTIR分光分析を行なった。
SBFに曝す前及び20時間及び40時間曝した後のSSP6ガ
ラス及びガラスセラミックスのFTIRスペクトルを図4、
5、及び6に示す。未反応無定形ガラスに対する図4の
IRスペクトルの最も顕著な変化は、700cm-1〜400cm-1
間で見られる。36体積%より大きな結晶化では、新しい
ピークが460cm-1、575cm-1、及び650cm-1で現れ、それ
らは結晶質HCA相の発達に起因する。図5で、試料片をS
BF溶液に20時間曝した時、60%より大きな結晶化度を有
するガラスセラミックスは無定形燐酸カルシウム膜の発
達だけを示していた。しかし、60%より低い結晶化度を
持つガラスセラミックスは、同じ時間で結晶質HCAの形
成を示している。図6で、SBFに40時間曝した後、60%
より大きな結晶化度を有するガラスセラミックスも、完
全に発達した結晶質HCA層を示していた。図5及び6の
両方で、ガラスセラミックの結晶相に伴われる殆どのピ
ークが無くなっており、示されている全てのピークは、
無定形燐酸カルシウム層であるか、下のガラス/セラミ
ックス表面を覆っている充分発達したHCA層を示す結晶
質HCA相によるものである。
結晶質HCA層の形成速度は、生物活性物質にとって非
常に重要な特性である。それにも拘わらず生物活性度の
レベルが界面の厚さ及び柔らかい組織の結合を決定する
(生物活性度指数、IB>8)。
HCA形成の開始時間を用いて生物活性度レベルを評価
した。SS、SSP4、及びSSP6のガラス及びガラスセラミッ
クス円板をSBF溶液に7〜96時間曝し、HCA層形成開始時
間を測定した。結果を図7に示す。これらの曲線は微細
構造を制御することによりガラス/セラミックの生物活
性度を制御することができることを示している。
以前開発された殆どの市販生物活性ガラスセラミック
スは、一層低い生物活性度レベルを有する。例えば、A/
Wガラスセラミックスは、SBF溶液に7日間曝した後にHC
A層を発生する(45S5より12倍も遅い)。
研究したガラス及びガラスセラミックスの全てが、SB
F溶液に曝すと、結晶質HCA層を形成した。SSP6組成物に
ついて、HCA結晶化の開始時間は、無定形ガラスの10時
間から、100%結晶質のものについての22時間まで変化
した。殆ど同じような挙動がSSP4組成物について示され
ており、10時間から25時間に変化した。両方の組成物に
ついてHCA形成の開始時間は60%の結晶化度に到達する
まで結晶化度%と共に増大し、その点で開始時間は比較
的一定になった。P2O5を含まない組成物SSは、異なった
挙動を示している。例えば、結晶化度%は、60%の結晶
化度になるまで、生物活性度レベルに影響を与えない
(HCA結晶質層の開始時間に達するまで27時間)。60%
より高い結晶化度では、HCA形成のための時間は27時間
から100%結晶化試料の35時間まで増大した。
インビトロ試験結果は、SS、SSP4、及びSSP6のガラス
及びガラスセラミックスが、SBF溶液中で試験した時、
高い生物活性度レベルを維持していることを示してい
る。100%まででさえ結晶化度に伴う生物活性度の実質
的損失はない。SSP4及びSSP6のガラスセラミックスにつ
いて観察されているHCA形成の反応速度は、他の生物活
性ガラスセラミックス、特にA/Wガラスセラミックにつ
いて報告されているものよりも数倍にまでなった。
IV. 機械的性質 ガラスセラミックスの機械的性質は、就中、変数とし
て、結晶の体積分率、粒径、結晶相、及び結晶形態に依
存する。機械的性質に対する結晶量及び粒径の影響も研
究された。この系で生じたガラスセラミックスの結晶の
粒径分布は、光学顕微鏡により示されているように、常
に非常に均一である。研究された全ての組成物でX線回
折は唯一種類の結晶相、1Na2O.2CaO.3SiO2を生じている
(図8)。図8は、SSP4組成物について異なった結晶体
積分率でのX線回折結果を示している。
次の機械的性質に対する結晶化度の影響を決定した:
破壊強度、弾性率、微小硬さ、及び破壊靭性。全ての機
械的性質は結晶化によって改良された。部分的に結晶化
したガラスセラミックスは、無定形ガラスよりも遥かに
強く大きな靭性を持っていたが、依然として自然の骨の
機械的性質の範囲内にあった。
A. 結晶体積分率の影響 1.熱処理 結晶の量又は体積分率のガラスセラミックスに与える
影響を評価するためには、粒径を固定しなければならな
い。これを達成するため、各種類の微細構造のための熱
処理を決定しなければならない。熱処理の第二段階、成
長は、同じ粒径を生ずるようにどの微細構造についても
同じでなければならない。核生成処理を用いて希望する
ように結晶体積分率を変化させた。
SSP4組成物について、粒径を全て13μmとして三つの
異なった結晶%(34、60、及び100%)のものを生成さ
せた。用いた熱処理は表4に示してある。図9は夫々の
ガラスセラミックスの微細構造を示している。
2.曲げ強度(MOR) 材料の強度は、それが破壊する時の応力の大きさであ
る。材料は、延伸(引張)荷重又は曲げ荷重(破壊係
数、MOR、即ち曲げ強度)の下にあるよりも圧縮荷重下
で種々の応力水準で破壊するので、用いる試験方法を特
定化する必要がある。ガラスセラミックスのMORを測定
するため、4点荷重又は曲げ試験が好ましい。長方形の
試料片の曲げ強度は、式2によって与えられる: MOR=3P(L−a)/2bd2 (2) (式中、Pは試料片を破壊するのに必要な荷重であり、
Lは外側支点間距離であり、aは内側加重2点間距離で
あり、bは試料片の幅であり、dは試料片の厚さであ
る)。
MOR決定で制御すべき最も重要な因子は、加重速度、
スパン対試料片厚さの比(L/d)、及び試験片配列状態
である。比L/dは少なくとも10:1でなければならない
か、又は式2への補正を行わなければならない。試験片
は加重中、捩れないようにする。
全ての曲げ強度の決定で、この実験では次の条件を用
いた:加重速度、0.1mm/分、及び比L/d=8。試料片は
幅5.4mm、厚さ3.5mmの長方形であった。
図10はSSP4組成物についてのMORを、粒径を13μmの
一定値として結晶の体積分率の関数として示している。
各点は少なくとも六つの試料の平均値に相当し、誤差棒
は標準偏差を示している。曲げ強度は、ガラスについて
の80MPaから、34%の結晶体積分率を持つガラスセラミ
ックスについての214MPaまで2.7倍増大した。34%より
大きな結晶化度を持つガラスセラミックスは、MORの僅
かな減少を示していたが、それらの値は依然としてガラ
スよりも遥かに大きかった。スチューデントt試験によ
り決定して、種々の結晶%を持つ試料のMORの間には統
計的差はなかった。
3.弾性率 荷重負担移植組織片の最も重要な物理的性質の一つ
は、弾性率、即ち、材料の剛性である。移植組織片が骨
よりも遥かに大きな弾性率を有する場合、応力遮蔽問題
が起きる。応力遮蔽骨と移植組織片との間の界面は、骨
が弱化するにつれて劣化する。骨、界面、又は移植組織
片の緩み及び(又は)破壊が起きる。
図11は、種々の移植組織材料及び皮質及び柱の骨につ
いての弾性率を示している。皮質骨の弾性率は7〜25GP
aの範囲にあり、海綿骨は0.05〜0.5GPaである。本例の
セラミックスについての弾性率は、皮質骨の範囲にあ
る。
弾性率は、4点曲げ試験中に得られる荷重対たわみ曲
線を用いて測定することができる。それは式3により計
算する: E=P(L1−L2)(2L1 2+2L1L2−L2 2)/96.I.δ
(3) 〔式中、Pは荷重であり、L1は外側支点間距離であり、
L2は内側加重点間距離であり、δはたわみであり、Iは
幾何学的慣性モーメント(幅b及び高さdの長方形の棒
についてはI=bd3/12)である〕。
図12は、SSP4組成物の弾性率を13μmの粒径での結晶
体積分率の関数として示している。弾性率は結晶化と共
に増大し、ガラスに対する35GPaから完全に結晶化した
時の62GPaまで、ガラスよりも77%高くなる。SS系につ
いては結晶化と共に弾性率が増大するにも拘わらず、他
の結晶質生物活性物質と比較して、それは依然として皮
質骨の弾性率によく適合している。弾性率が結晶化度の
%を変えることにより調節することができることに注目
することは非常に重要である。このことは、機械的強度
及び生物活性度を低下することなく、50〜62GPaの値を
与える結果になる(図9及び7)。この範囲の弾性率は
結晶化度の%と共に殆ど直線的に増大することに注意さ
れたい。この直線性により、微細構造及び得られる機械
的性質を良好に制御することができる。
4.ビッカース微小硬度 多相系のビッカース微小硬度測定を全ての相について
結果を評価するために行われなけらばならない。前に述
べたように、SS系では、唯一つの結晶相しか持っていな
いので、微小硬度測定はガラスと結晶相との両方の内部
で行われた。SSP4及びSSP6のガラスセラミック試料を、
種々の%の結晶化度を持つように調製し、試験した。13
μmの粒径を持つSSP4組成物についての熱処理は表5に
与えてある。
図13は微小硬度の結果を示し、この場合各点は少なく
とも10の測定の平均値を表す。結晶はガラス相よりも堅
く、SSP4については44〜28%、SSP6については約22%増
大したことが観察される。SSP4組成物の結晶はSSP6より
も堅い。
ガラス相の微小硬度は約40%まで結晶化度%と共に増
大し、40%〜60%で殆ど変化しなくなり、結晶化度が60
%より大きくなると減少する。結晶相の微小硬度は、62
%の体積分率まで殆ど一定であり、それより結晶化度%
が高くなると共に減少する。この挙動はSSP4及びSSP6の
両方の組成物で観察され、結晶及びガラス相の間の微小
応力によるものであろう。
部分的に結晶化したガラスセラミックスでは冷却中ガ
ラス転移温度よりも低い所でガラスと結晶層との熱膨張
係数の差により残留微小応力が生ずる。微小応力の大き
さは、弾力性、ガラス及び結晶、及び結晶面に依存す
る。
残留微小応力は、X線回折を用いて測定され、ガラス
と結晶との間の界面で140MPaに達することが示されてい
る。理論的には結晶が互いに近くなり、ぶつかるように
なると微小応力は減少する。この点で残留微小応力は減
少し始め、従って、結晶化度%が高いガラスセラミック
スでは微小応力は低下する。
4.破壊靭性 ガラス及びガラスセラミックの破壊靭性を、固体表面
中へ硬度圧子を押込むための標準微小硬度測定器を用い
て押込み法により測定した。ピラミッド型圧子をガラス
又はガラスセラミック試料片中に押込んだ時、それは、
塑性圧痕、加重段階で圧痕境界に沿って走る亀裂群、及
び残留引張り応力の作用による加重除去後に形成される
径方向の亀裂群を生ずる(図14)。これらの応力の大き
さ及び分布、従って、得られた亀裂の特性及び大きさ
は、式4及び5に記載するように、圧子の幾何学的形態
及び硬さの両方、弾性定数、緩和性、及び材料の他の性
質に依存する。
Kic=0.24α-1(E/H)0.4(P/c3/2)(c/a)c/(18a) (4) ここで、 α=14{1−8[(4v−0.5)/(1+v)]
(5) (式中、Eは弾性率であり、Hは堅さであり、Pは圧子
に加えた荷重であり、cは圧痕の中心から測定した亀裂
の長さであり、aはくぼみの大きさであり、vはポアソ
ン比である)。
ガラス及びガラスセラミック試料片は、表5に示した
のと同じ熱処理を用いて調製し、切断して1μmの表面
仕上げまで研磨した。破壊靭性は34%まで結晶化度%と
共に増大することが観察されている。結晶化度が34〜62
%の範囲内で、Kicは殆ど一定であり、Kicは62%より大
きな結晶体積分率では減少する(図14)。
最良の破壊靭性は34〜62%の結晶化度範囲内に入り、
それは無定形ガラスよりも35%高い。SSP6組成物は、測
定が行われたガラス及び完全結晶化ガラスセラミックの
二点でSSP4よりも幾らか高い破壊靭性を示していた。
B.粒径の影響 前に示したように、結晶化は曲げ強度、硬度、破壊靭
性、及び弾性率を改良する。最もよい機械的性質を示す
微細構造は34〜60%の結晶化及び13μmの粒径範囲にあ
る。粒径効果を評価するため、二つの結晶化体積分率
(34及び60%)で粒径を5〜21μに変えた時の試料の曲
げ強度対微細構造を測定した。
1.熱処理 結晶化体積分率は一定であるが異なった粒径をもつ試
料を製造するための熱処理計画を作成した。用いた核生
成及び成長処理を表6に与える。結晶微細構造は各熱処
理に対し非常に均一な結晶分布を示している。
2.曲げ強度 4点曲げ強度試験を、前のIV.A.2.節に記載したのと
同じ条件で行なった。部分的に結晶化したガラスセラミ
ックスは、全て無定形ガラスよりも少なくとも2.2倍強
かった。34%の結晶化度を持つ部分的に結晶化したガラ
スセラミックスは、60%の結晶を持つガラスセラミック
スよりも良い曲げ強度を持っていた。同じ挙動が図10で
観察されている。
理論的には曲げ強度は粒径が小さくなると共に増大す
る。このことは21〜13μmの粒径に対して観察されてい
る。しかし、13μmよりも小さな粒径については改良は
見られない。最も悪い結果は5μmの粒径及び60%の結
晶化度のときである。
臨床移植組織片として好ましい材料は、13μmの粒径
及び34%の結晶化度を持つ部分的に結晶化されたガラス
セラミックスである。この材料は最適機械的性能を有
し、インビトロ試験で僅か17時間でHCAの形成を示して
いる。
他の例 他の比較例は、A/Wガラスセラミックである。A/Wは次
のようにして作った。慣用的溶融・急冷により3CaO・P2
O5−CaO・SiO2−MgO・CaO・2SiO2・CaF2系の親ガラスを
製造した。次にその親ガラスを5℃/分の速度で1050℃
で結晶化した。この方法は、最初のガラス相に対する結
晶相の体積変化により、多くの亀裂を持ち構造的一体性
のない本体ガラスをもたらした。その本体ガラスを次に
5μ粉末に粉砕し、固体成形物へホットプレスし、830
℃で再焼成し、完全に緻密化した。得られたガラスセラ
ミックを次に希望の形へ機械加工した。
本発明のガラス/セラミック組成物は、親ガラスを黒
鉛型に注型することにより真の成形部品に近いものに作
ることができる。次にそれら部品を体積変化を起こすこ
となく核生成及び結晶化し、亀裂のない構造的一体性を
持つ本体ガラス/セラミックを与える。A/Wガラスは、
本発明のガラスセラミック又は骨よりも遥かに大きな弾
性率を有する。移植物質と本来の骨との間の不適合は、
本来の骨の応力遮蔽及び再吸収を起こす結果になる。比
較として本発明のガラス/セラミックは、本来の骨の機
械的性質に適合するように調節することができ(図11参
照)、応力遮蔽に伴われる問題を少なくする。
本発明の種々の修正及び変更が、本発明の範囲及び本
質から離れることなく当業者には明らかになるであろう
が、本発明は、ここに記載した例示的態様に不当に限定
されるものではないことを理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘンチ,ラリイ,エル. イギリス国 エヌダブリュ1 6ビーエ イ ロンドン,グレントワース ストリ ート,クラレンス ゲイト ガーデンズ 38 (72)発明者 ラ トアール,ガイ アメリカ合衆国32606 フロリダ州ゲイ ンズビル,エヌ.ダブリュ.シックステ ィス テラス 4416 (72)発明者 フィルホ,オスカー,ピー. ブラジル国 サンパウロ,564―050 サ オ カルロス,ジャルディム サンタ パウラ,シーイーピー―13,ルア ロザ リアーノ ベリミ,355 (72)発明者 ザノット,エドガー ブラジル国 サンパウロ,シーイーピー ―13560 サオ カルロス,ビア ワシ ントン ルイズ,ケイエム.235,シー ピー 676,デパルメンタ ド エンジ エンハリア ド マテリアイス,ユニベ ルシタド フェデラル ド サオ カル ロス (56)参考文献 特表 平10−504476(JP,A) 米国特許4775646(US,A) 欧州特許出願公開206726(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 1/00 - 14/00 C03B 32/02 C04B 35/00 - 35/22 A61L 15/00 - 33/00 WPI

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO247〜51重量%、CaO23〜25重量%、Na2
    O23〜25重量%、及びP2O50〜6重量%からなる生物活性
    ガラスセラミックス組成物であって、該組成物を患者へ
    移植した後、30時間以内にHCAの少なくとも薄層を形成
    するような生物活性度レベルを有し、且つ34〜60%の結
    晶化度を有する、上記組成物。
  2. 【請求項2】更に、13μmの粒径を有する、請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】更に、100MPa〜214MPaの曲げ強度を有す
    る、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】更に、35〜62GPaの弾性率を有する、請求
    項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】更に、0.40〜0.55Kicの破壊靭性を有す
    る、請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生物
    活性ガラスセラミックス組成物の製法において、生物活
    性ガラスを核生成加熱して核を形成し、然る後、前記核
    を結晶成長加熱して結晶を成長させることからなる、上
    記製法。
  7. 【請求項7】核生成加熱を550℃で行う、請求項6に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】核生成加熱を1〜25時間行う、請求項6に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】結晶成長加熱を620〜680℃の温度で行う、
    請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】結晶成長加熱を6〜66時間行う、請求項
    6に記載の方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス組成物からなる移植組織片。
  12. 【請求項12】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス組成物からなる整形外科用荷
    重負担移植組織片。
  13. 【請求項13】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス組成物からなる歯科用荷重負
    担移植組織片。
  14. 【請求項14】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス組成物と重合体とからなる生
    体適合重合体。
  15. 【請求項15】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス組成物からなる補強繊維。
  16. 【請求項16】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス組成物からなる補強粒状体。
  17. 【請求項17】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス組成物と重合体とからなる、
    軟組織処置のための注射可能混合物。
  18. 【請求項18】請求項1〜5のいずれか1項に記載の生
    物活性ガラスセラミックス材料からなる自己繁殖的骨
    片。
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