JP3457298B2 - 加工性に優れた脱膜型樹脂被覆チタン材、その製造方法及び脱膜方法 - Google Patents

加工性に優れた脱膜型樹脂被覆チタン材、その製造方法及び脱膜方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性、特に耐か
じり性に優れた脱膜型の樹脂被覆チタン材、その製造方
法及び脱膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン材料は一般に、軽量であること、
比強度が高いこと、耐食性に優れていることなどから、
電子機器の筐体に供されている。しかしながら、チタン
は加工性が悪く、プレス加工等において潤滑性を付与す
るために一般的に行われる高粘度のプレス油を塗油する
油潤滑にて深絞り加工を行うと、被加工材と金型との間
でかじりが生じる問題があった。かかる問題点に対処す
べく、チタン材の加工性を向上させる手段として、特開
平6−1988号公報には被加工材表面をIn等の特定
金属で被覆することにより潤滑性を向上させ、加工後に
該被覆金属を除去する技術が、また特開平9−1085
6号公報にはβ型チタン合金に絞り加工を行う工程を複
数とし、各絞り工程ごとに前処理として溶体化熱処理を
行う技術、更に該加工後に時効処理などを行う技術が開
示されている。
【0003】ところで、金属の深絞り加工に関しては、
とりわけ飲料用の缶体製造分野では被加工金属材料表面
にポリエステル系の樹脂被膜、例えばポリエチレンテレ
フタレート(以下、PETという。)を貼り付ける技術
が一般的に知られているが、かかる樹脂被膜は加工後に
脱膜されることを想定したものではない。すなわち、飲
料用缶体等の用途に供される金属材料は厚さ0.1mm
前後の鋼板やアルミ板であり、その薄さゆえの加工の困
難さ、及び缶体に充填される飲料の味、香り、風味など
を損なわないよう加工後においてもPET等のフィルム
は貼付された状態のまま使用される。特開昭61−14
9340号公報には、加工性等の向上を目的としてPE
Tフィルムで被覆された金属板が開示されているが、該
被覆金属板は塑性加工後もPETフィルムとの接着が維
持された状態で使用され、PETフィルムが脱膜される
ものではない。
【0004】一方、飲料用等の缶体以外の金属加工分野
では、脱膜型の塗装金属材料が知られており、例えば特
開平9−156029号公報や特開昭51−6826号
公報に該脱膜型の樹脂被覆金属材料が開示されている。
これらにおいては、被加工金属材料表面にアクリル系樹
脂、金属石鹸等を含有する被膜を形成することにより、
加工性を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−198
8号公報に開示された材料表面を特定金属で被覆する技
術では、In等の高価な金属を使用することからコスト
アップは避けられず、また加工後に該被覆金属を除去す
るが、酸洗処理により除去するため、酸含有洗浄排水に
よる環境汚染の問題や、酸洗によりテンパローリングに
よる表面肌を維持できないなど、問題点を有する。前記
特開平9−10856号公報に開示された技術では、複
数の絞り工程ごとに前処理として溶体化熱処理を行い、
加工後に時効処理を行うものであるため非効率的であ
り、また各プレス工程に焼鈍工程が必要となるため工程
の複雑化により作業能率は著しく低下する。また、専用
の半製品用の熱処理炉が必要であることからコストアッ
プは避けられず、更にエネルギー消費量が高いなどの問
題がある。
【0006】また、チタンは難加工性材料の中でも特に
加工が難しい上、テンパーローリングによる変形抵抗の
増加、表面粗さから、1mm以下の比較的薄い材料であ
っても、前記特開平9−156029号公報や特開昭5
1−6826号公報に開示されているような脱膜型の被
覆による潤滑被覆では通常の油塗布による油潤滑とさほ
ど変わりなく、プレスでの金型とのかじりが生じ製品と
して利用できないなど、チタン材についてはこれら技術
の適用は実用性に欠ける。
【0007】一方、前記特開昭61−149340号公
報に代表されるPETフィルムを貼り付ける方法では、
塑性加工後も金属材料とPETフィルム等の樹脂フィル
ムとの接着が維持され該フィルムが脱膜されるものでは
ないため、該公報に開示された技術を加工のためだけの
潤滑被膜(脱膜型の樹脂被膜)には利用できない。すな
わち、該公報に開示された技術によっては一旦接着され
た樹脂被膜を剥離させることは困難であり、ゆえに加工
後塗装を必要としたり、金属の肌を利用する場合の被加
工金属材料の加工性向上手段としては利用することがで
きない。
【0008】このように、難加工性金属の中でも特に加
工が難しいチタン材については実用レベルにおいて満足
のいく加工性を有するものは未だ開発されておらず、ま
た加工時における潤滑性を付与するために脱膜型の樹脂
被膜を用いた場合において、該樹脂被膜を剥離するため
の技術も未だ提供されていないのが実情である。
【0009】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、加工性、特に耐かじり性に優れる脱膜型の
樹脂被覆チタン材及びその製造方法を提供することを目
的とする。本発明はまた、酸洗処理を行うことなくチタ
ン材表面に形成された樹脂皮膜を除去する樹脂被覆チタ
ン材の脱膜方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、チタン板の少なく
とも片面に微小な凹凸を形成し、該凹凸を形成した表面
を接着剤を介して樹脂フィルムで被覆したことにより、
深絞りを行ってもかじりが発生せず、また直角曲げ部に
おいても凹凸にムラが生じずしかも意匠性に優れた脱膜
型樹脂被覆チタン材料を製造するに至ったものである。
さらに、該脱膜型樹脂被覆チタン材を、所定温度の中性
塩溶液中で陰極電解することにより容易且つ完全に樹脂
被膜を接着剤ごと剥離させることに成功したものであ
る。
【0011】すなわち、前記課題は以下の構成を有する
本発明により達成された。
【0012】(1) チタン材の少なくとも片面に表面
粗さRa0.5〜20.0μmの凹凸模様が施されてお
り、該凹凸模様が施されたチタン材表面上に厚さ10〜
35μmのポリエステル系フィルムが貼り付けられてい
ることを特徴とする、加工性に優れた脱膜型樹脂被覆チ
タン材。
【0013】
【0014】(2) チタン材の少なくとも片面に表面
粗さRa0.5〜20.0μmの凹凸模様を施す工程
と、該凹凸模様が施されたチタン材表面上に厚さ10〜
35μmのポリエステル系フィルムを接着剤を介して貼
り付ける工程とを具備することを特徴とする、加工性に
優れた脱膜型樹脂被覆チタン材の製造方法。
【0015】(3) チタン材の少なくとも片面に凹凸
模様を施す手段は、凹凸模様が施されたロールを用いて
圧延率3〜10%にて前記チタン材を圧延することによ
る、(2)に記載の加工性に優れた脱膜型樹脂被覆チタ
ン材の製造方法。
【0016】
【0017】(4) ポリエステル系フィルム貼付け時
のチタン材の到達板温は120〜260℃であることを
特徴とする、(2)又は(3)に記載の加工性に優れた
脱膜型樹脂被覆チタン材の製造方法。
【0018】(5) ポリエステル系フィルムの貼付け
に使用する接着剤はポリエステル系接着剤であることを
特徴とする、(2)〜(5)のいずれか1項記載の加工
性に優れた脱膜型樹脂被覆チタン材の製造方法。
【0019】(6) (2)に記載の脱膜型樹脂被覆チ
タン材の脱膜方法であって、該脱膜型樹脂被覆チタン材
に塑性加工を施した後、液温が室温〜80℃である中性
塩溶液中で陰極電解することによりポリエステル系フィ
ルムを剥離することを特徴とする脱膜方法。
【0020】(7) 中性塩は硫酸ナトリウムであるこ
とを特徴とする、(6)に記載の脱膜方法。
【0021】(8) (2)〜(5)のいずれか1項記
載の製造方法により製造された脱膜型樹脂被覆チタン材
の脱膜方法であって、該脱膜型樹脂被覆チタン材に塑性
加工を施した後、液温が室温〜80℃である中性塩溶液
中で陰極電解することにより樹脂フィルムを剥離するこ
とを特徴とする脱膜方法。
【0022】(9) 中性塩は硫酸ナトリウムであるこ
とを特徴とする、(8)に記載の脱膜方法。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明に係る脱膜型樹脂被覆チタン材にお
いて、「チタン材」には、工業用純チタン(所定型格の
JIS等の市販品)及びその合金が含まれる。チタン材
の厚さに特に制限はなく、用途に応じて適宜選ぶことが
できる。また、本発明において「脱膜型」とは、凹凸を
形成したチタン材表面上に貼付された樹脂フィルムが、
少なくとも塑性加工終了までは剥離せず、塑性加工後に
特定条件下において剥離可能であることを意味する。
【0025】本発明に係る樹脂被覆チタン材は、チタン
板の少なくとも片面に微小な凹凸が形成されている。本
発明において「微小な凹凸」とは、表面粗さRa0.5
〜20.0μmの無方向性の凹凸、もしくは規則的な凹
凸であり、該凹凸を有することにより本発明のチタン材
は耐指紋性、防眩性を有し、さらに意匠性にも優れる。
【0026】チタン材表面への凹凸の形成方法として
は、微小な凹凸が形成された冷間圧延用のワークロール
を用い、好ましくは圧延率3〜10%程度で圧延するこ
とにより形成することができる。圧延率が3%未満の場
合は転写率が不充分であるため目的とする凹凸を得るこ
とが困難であり(図1参照)、一方10%を超えると加
工硬化により2次加工性低下させてしまう。より好まし
くは、圧延率3〜5%である。
【0027】本発明の樹脂被覆チタン材は、前記方法に
より微小な凹凸が形成されたチタン材表面上に、樹脂フ
ィルムを接着剤を介して貼り付けることにより形成され
る。好適な樹脂フィルムを所定条件下において凹凸を有
するチタン材表面上に貼り付けることにより、該樹脂フ
ィルムが潤滑被膜として有効に機能し、チタン材表面に
凹凸を施したことによりもたらされる変形抵抗の上昇に
よる加工性の低下を抑制して良好な加工を行うことが可
能となる。耐指紋性、防眩性および意匠性に優れ、更に
加工性にも優れる脱膜型樹脂被覆チタン材は、微小な凹
凸が施された材料表面上に樹脂フィルムが貼り付けられ
た本発明により初めて提供されたものである。
【0028】以下に、樹脂フィルムの貼付け方法につい
て説明する。
【0029】本発明において表面に微小な凹凸が施され
たチタン材は、脱脂後、所定温度に加熱される。次い
で、凹凸が施されたチタン材表面上に、予め接着剤が塗
布されたシート状の樹脂フィルムを重ね、ロールにて加
圧することにより樹脂フィルムをチタン材の凹凸が施さ
れた表面に接着する。
【0030】本発明の樹脂被覆チタン材は既述のごとく
脱膜型であり、樹脂フィルム貼付け時のチタン材温度、
樹脂フィルムの種類及び厚さ、接着剤の種類、加圧条件
は加工後における樹脂被膜の剥離の容易さに大きく影響
を及ぼすため、これらの条件設定は本発明において重要
である。すなわち、本発明は、樹脂被膜をチタン材に貼
り付ける条件を、少なくとも塑性加工中には剥離せず、
塑性加工後に中性塩溶液中で陰極電解にて脱膜すること
を予め想定した条件にて貼り付けることにより、チタン
材の加工性向上を実現させたものである。
【0031】本発明における樹脂フィルムとしては、ポ
リエステル系のものを好ましく用いることができ、特に
PETフィルムが好ましい。該樹脂フィルムの厚さは1
0〜35μmが好ましい。厚さが10μm未満では深絞
りに際し金型内での充分なすべりが得られずかじりが生
じ得、一方35μmを超えると資源の無駄になるだけで
なく加工中の剥離の原因にもなり得る。また、接着剤と
してはホットメルトタイプの例えばポリエステル系のも
のを用いることができ、特にポリエチレン系のものが好
ましい。
【0032】チタン材料の好ましい到達板温は、樹脂フ
ィルムに塗布される接着剤の融点に応じて適宜選択する
ことができるが、好ましくは120〜260℃である。
チタン材の到達板温が120℃未満の場合には未溶融部
分が貼付け面に巣となって加工中に剥離起点となり得、
一方260℃を超えると樹脂フィルムとしてPETフィ
ルムを用いた場合に該フィルムの融点以上となるため、
良好な貼付け面を得ることが困難となる。
【0033】樹脂被膜が形成された後は、本発明の樹脂
被覆チタン材は強制冷却又は自然冷却される。その後、
該チタン材はコイル状に巻き取られた状態で加工業者に
提供され得る。あるいはコイル状に巻き取られた後、ス
リッタ、レベラなどにより切板として提供してもよい。
【0034】コイル状、又は切板状等として提供され得
る本発明の樹脂被膜チタン材は、プレス、ベンダなどで
塑性加工が施される。一般に電子機器の筐体に用いられ
る場合は加工度の高い深絞りが要求されるが、本発明の
樹脂被膜チタン材は充分な耐深絞り性、耐かじり性を有
する。
【0035】本発明の樹脂被覆チタン材は脱膜型であ
り、本発明は該脱膜方法においても特徴を有する。以下
に、本発明における樹脂被膜の脱膜方法について説明す
る。
【0036】すなわち、本発明の樹脂被覆チタン材の樹
脂被膜は、塑性加工後、所定温度の中性塩溶液中で陰極
電解することにより接着剤ごと除去される。ここで言う
「中性塩」としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等を挙げることができる
が、安全性、経済性の観点から硫酸ナトリウムを好適に
使用することができる。中性塩溶液の濃度は好ましくは
1〜15質量%であり、さらに好ましくは2〜5質量%
である。濃度が15質量%を超えてもそれ以上の効果は
得られず、一方1質量%未満では電解質濃度が低すぎる
ために電力がかかるようになり得る。また、中性塩溶液
の温度は好ましくは室温(約20℃)〜90℃であり、
さらに好ましくは40〜80℃である。室温に満たない
場合には剥離に時間を要し効率が悪く、一方90℃を超
えると安全的な問題が生じ得る。電解を行う際の電流値
は接着界面での剥離進行速度を左右し、125mA/c
以上が望ましい。125mA/cm未満では不経
済となる。通電時間は中性塩溶液の温度に応じて適宜設
定することができる。例えば80℃であれば数分での剥
離が可能であるが、40℃となると十数分の時間を要す
る。この脱膜工程はプレス等の加工後の工程であるの
で、例えばタイロッドを残したまま連続して打ち抜いて
ゆき、プレスに付随した連続式の脱膜槽内で脱膜しても
よい。脱膜後のチタン材は、水洗などを経て部品として
組立工程に送られ得る。
【0037】本発明における脱膜方法によれば、酸洗処
理を行うことなく容易且つ完全に樹脂被膜を剥離するこ
とができるため、加工後塗装が必要とされる場合や、金
属の肌を利用する場合に特に有効である。
【0038】
【実施例】純チタンJIS一種材に対し、放電加工によ
る表面粗さRa3.0μmの微小な凹凸を持つロールを
用い、圧延率5%のテンパーローリングを施すことによ
り、微小な凹凸をチタン材表面に形成した。5%テンパ
ーローリングにより加工性は低下し、図2に示したよう
に素材の60%程度であった。その後表面をアルカリ脱
脂し、膜厚35μmのPETフィルムを、ポリエチレン
系接着剤を用いて140℃に加熱した基材両面に、貼り
付け圧力12kg/cmにて接着させた。
【0039】2次加工性はカッピン試験(ポンチ径33
mm、ブランク径64〜80mm、しわ押さえ力900
kgf)、およびJIS Z 2247A法に準ずるエ
リクセン試験により評価した。潤滑条件に関しPETフ
ィルムを用いた本発明例とPETフィルムに替えて油潤
滑を用いた比較例についての評価結果を図3及び図4に
示した。テンパーローリングにより加工性低下を示した
にもかかわらず(図2)、PETフィルム潤滑効果によ
り2次加工性評価はほぼ素材同様の特性を示しているこ
とが図3および図4よりわかる。
【0040】PETフィルムの脱膜工程においては、8
0℃に加熱した5%硫酸ナトリウム水溶液中において印
加電圧1.25mA/mmにて2分以内での剥離を評
価した。結果を図5に示す。
【0041】潤滑条件に関し、比較例として油潤滑を用
いた場合と本発明例であるPETフィルムを用いた場合
における、加工後のカップ肩部における肌合い変化を比
較した結果を図6に示す。PETフィルムを用いた本発
明例(b図)においては肌合い変化は見られず、油潤滑
を用いた比較例(a図)に比べはるかに優れていること
がわかる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による脱膜
型樹脂被覆チタン材は2次加工時においても同様の加工
性を示し、加工性に極めて優れることがわかった。また
本発明による脱膜方法を用いれば潤滑被膜である樹脂被
膜を容易に剥離することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面粗さRa3.0μmを持つ冷間圧延ロー
ルにて所定の圧延を行ったときの素材表面粗さを示すグ
ラフ。
【図2】 純チタン1種素材及び5%のテンパーローリ
ングを行った同材のS−Sカーブを示すグラフ。
【図3】 純チタン1種素材(PET潤滑)及び5%テ
ンパーローリングを行った同材(油潤滑、PET潤滑)
のカッピング試験結果を示すグラフ。
【図4】 純チタン1種素材及び5%テンパーローリン
グを行った同材の油及びPET潤滑下でのエリクセン試
験結果を示すグラフ。
【図5】 到達板温140℃で貼り付けたサンプルでの
脱膜処理における電解処理温度と剥離時間との関係を示
すグラフ。
【図6】 図3で示したカッピング試験後のサンプル表
面を示す写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C25F 1/00 C25F 1/00 Z (72)発明者 八代 利之 東京都板橋区舟渡四丁目10番1号 日本 金属株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−114013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B21B 1/22 B21B 3/00 B21D 22/08 B21D 31/00 C25F 1/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン材の少なくとも片面に表面粗さR
    a0.5〜20.0μmの凹凸模様が施されており、該
    凹凸模様が施されたチタン材表面上に厚さ10〜35μ
    mのポリエステル系フィルムが貼り付けられていること
    を特徴とする、加工性に優れた脱膜型樹脂被覆チタン
    材。
  2. 【請求項2】 チタン材の少なくとも片面に表面粗さR
    a0.5〜20.0μmの凹凸模様を施す工程と、該凹
    凸模様が施されたチタン材表面上に厚さ10〜35μm
    のポリエステル系フィルムを接着剤を介して貼り付ける
    工程とを具備することを特徴とする、加工性に優れた脱
    膜型樹脂被覆チタン材の製造方法。
  3. 【請求項3】 チタン材の少なくとも片面に凹凸模様を
    施す手段は、凹凸模様が施されたロールを用いて圧延率
    3〜10%にて前記チタン材を圧延することによる、
    求項2に記載の加工性に優れた脱膜型樹脂被覆チタン材
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステル系フィルム貼付け時のチタ
    ン材の到達板温は120〜260℃であることを特徴と
    する、請求項2又は3に記載の加工性に優れた脱膜型樹
    脂被覆チタン材の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステル系フィルムの貼付けに使用
    する接着剤はポリエステル系接着剤であることを特徴と
    する、請求項2〜4のいずれか1項記載の加工性に優れ
    た脱膜型樹脂被覆チタン材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の脱膜型樹脂被覆チタン
    材の脱膜方法であって、該脱膜型樹脂被覆チタン材に塑
    性加工を施した後、液温が室温〜80℃である中性塩溶
    液中で陰極電解することによりポリエステル系フィルム
    を剥離することを特徴とする脱膜方法。
  7. 【請求項7】 中性塩は硫酸ナトリウムであることを特
    徴とする、請求項6に記載の脱膜方法。
  8. 【請求項8】 請求項2〜5のいずれか1項記載の製造
    方法により製造された脱膜型樹脂被覆チタン材の脱膜方
    法であって、該脱膜型樹脂被覆チタン材に塑性加工を施
    した後、液温が室温〜80℃である中性塩溶液中で陰極
    電解することによりポリエステル系フィルムを剥離する
    ことを特徴とする脱膜方法。
  9. 【請求項9】 中性塩は硫酸ナトリウムであることを特
    徴とする、請求項8に記載の脱膜方法。
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