JP3457278B2 - アクティブマトリクス装置およびそれを用いた電子装置 - Google Patents
アクティブマトリクス装置およびそれを用いた電子装置Info
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Description
用いて構成された半導体集積回路に関する。特に、液晶
表示装置やダイナミックRAM(DRAM)のように、
マトリクス構造を有し、そのスイッチング素子としてM
OS型もしくはMIS(金属−絶縁体−半導体)型電界
効果型素子(以上を、MOS型素子と総称する)を有す
るアクティブマトリクス回路とそれを駆動するための駆
動回路が同一基板上に形成されたモノリシック型アクテ
ィブマトリクス装置に関する。特に本発明は、MOS型
素子として絶縁表面上に比較的、低温で形成される薄膜
半導体トランジスタを使用する装置に関する。
表示装置において、薄膜状の活性層(活性領域ともい
う)を有する絶縁ゲート型の半導体装置、いわゆる薄膜
トランジスタ(TFT)を各画素のスイッチング用に利
用したマトリクス回路、いわゆるアクティブマトリクス
回路の研究がおこなわれている。なかでも、アクティブ
マトリクス回路のみならず、その駆動のための周辺回路
をもTFTによって同一基板上に形成した一体型(モノ
リシック型)アクティブマトリクス装置が注目を集めて
いる。モノリシック型アクティブマトリクス装置におい
ては、膨大な端子の接続は不要であり、したがって、マ
トリクスの密度を高めることも可能であり、製造歩留り
も向上することが期待された。
性層に用いたTFTを使用することが必要であった。と
いうのは、駆動回路は非常に高速で動作することが要求
されたからである。このようなTFTを得るには、従来
の半導体技術をそのまま援用してもよかったが、その場
合には基板材料として900℃以上の高温に耐える材料
が必要であった。しかしながら、そのような材料は石英
ガラス等に限られ、大面積では非常に基板コストが上昇
した。
製造プロセスの最高温度をより低温、すなわち800℃
以下、好ましくは600℃以下とすることが必要であっ
た。また、高価な基板を用いるだけの余裕があっても、
回路を構成する他の材料の耐熱性の問題からより低い温
度で処理することが必要とされることもあった。そのた
め、活性層は800℃以下の長時間にわたる熱アニー
ル、もしくはレーザー光等の強光を照射することによっ
て瞬間的に結晶化をおこなう光アニール(レーザーアニ
ール等)等によって、アモルファスシリコンを結晶化さ
せて用いた。また、ゲート絶縁膜としては、通常の半導
体プロセスで用いられる熱酸化膜が用いられないので、
プラズマCVD法、大気圧CVD法、スパッタリング法
等の気相成長法によって、800℃以下の温度で成膜さ
れた酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素等の膜が用いら
れた。
ンを用いたTFTにおいては、ゲート電極に逆バイアス
電圧を印加した場合のドレイン電流(リーク電流)が大
きいことが問題であった。この点に関してはゲート電極
がドレインが重ならないような状態(オフセット状態)
となるように設計することによって大きく改善できるこ
とが知られている。このようなトランジスタをオフセッ
トゲート型トランジスタという。ただし、このようなオ
フセット状態をフォトリソグラフィー工程によって再現
性良く実現することは不可能であった。特開平5−11
4724、同5−267167はこの問題に回答を与え
たもので、そこに示されるように、ゲート電極を陽極酸
化することによって、陽極酸化による増加分をうまく用
いて、オフセットを形成することができた。
酸化物で被覆するということはオフセットゲートを意図
しなくても、例えば、アルミニウムのように耐熱性の不
十分な材料によってゲート電極を構成する場合、その後
の加熱プロセス(例えば、レーザー照射、CVD法によ
る成膜工程等)におけるヒロックの発生を抑止するとい
う効果を有していた。
ば、気相成長法によって形成された絶縁膜は、膜質が悪
く、また、シリコン膜表面とゲート絶縁膜との界面の接
合性も良くないため、電荷捕獲中心(トラップセンタ
ー)がシリコンとの界面や絶縁膜内部に多く存在した。
特に電子を捕獲するセンターが多かった。この結果、こ
のような材料で形成されたTFTを長時間使用している
と、電子がトラップセンターに多く捕獲され、TFTの
特性に悪影響を及ぼした。
された陽極酸化物も同様に多くのトラップ準位を有し、
特に、アルミニウムの陽極酸化物である酸化アルミニウ
ムは電子をトラップしやすかった。このような問題によ
って、TFTを長時間使用することによる特性の悪化が
もたらされた。具体的には、Nチャネル型のTFTにお
いては、図7(A)に示すように、捕獲された電子によ
って、ドレインとチャネル形成領域の境界部分に、弱い
P型の領域が形成された。これはNチャネル型TFTに
おいては、ドレイン電流を妨げるものである。
ットゲート型のTFTにおいては顕著であった。という
のは、ゲート電極の直下に形成された場合には、実際の
動作においては、ゲート電極の印加電圧によってこの領
域を小さくすることが可能であった。しかしながら、オ
フセット領域に生じた場合には、ゲート電極の影響は小
さく、また、ドレイン領域からも離れており、まったく
制御不能な領域となった。また例えば、ゲート電極の周
囲に形成された陽極酸化物も同様な問題を有する。特
に、ドレイン電圧が弱い場合には、本来、ソースからド
レインまで伸びるべき反転層(チャネル)が、この弱い
P型領域によって妨げられ、加えて、ドレイン電圧が低
いため、チャネル形成領域を移動するキャリヤ(Nチャ
ネル型TFTであるので、電子)の速度も小さく、正常
な状態に比較してドレイン電流の減少をもたらした。
(図7(B))
な状態であっても反転層自体がソース側に後退し、ま
た、電子の速度も大きいので、このような弱いP型の領
域の存在はさして問題とはならず、正常な状態と変わら
ない特性が得られた。このような現象はNチャネル型T
FTのしきい値電圧の変動を意味している。すなわち、
しきい値電圧の安定していることの要求される用途、例
えば、アクティブマトリクス回路のスイッチング素子、
もしくはその周辺駆動回路のアナログスイッチ素子には
用いられないということを意味していた。なお、Pチャ
ネル型TFTにおいては、このようなトラップされた電
子はチャネル領域にドレインと同じ導電型の領域を拡げ
るだけであり、その結果、特性の劣化は深刻なものでは
なかった。
Pチャネル型TFTの相補型回路(CMOS)とすれ
ば、長時間の使用によってNチャネル型TFTは劣化
し、相補型回路として機能しないという問題もあった。
モノリシック型アクティブマトリクス装置においては、
例えば、アクティブマトリクス回路およびソースドライ
バの出力端においては、アナログスイッチが必要とされ
ているが、アナログスイッチを形成するには上記のよう
な問題を考慮しなければならない。また、モノリシック
型アクティブマトリクス装置においては、米国特許45
82395のように、周辺駆動回路の論理回路に通常、
CMOS回路が用いられるが、これも上記のような劣化
の問題を考慮する必要がある。本発明はこのような困難
な課題に対して解答を与えんとするものである。
縁膜との界面や、ゲート絶縁膜内部に電荷捕獲中心(ト
ラップセンター)が発生すると、TFT特性に悪影響が
およぶ。 特に、Nチャネル型のTFTでは、前記電荷捕
獲中心によって捕獲された電子によって、ドレインとチ
ャネル形成領域の境界部分に、弱いP型の領域が形成さ
れる。これはNチャネル型のTFTにおいては、ドレイ
ン電流を妨げ、特性に悪影響を与える。 そのため、CM
OS回路を用いた駆動回路では、Nチャネル型TFTの
特性の劣化により、相補型回路として機能しないという
問題がある。このような問題は、特に液晶表示装置等の
電界の効果によって光の透過性や反射性が変化する材料
を利用し、対向する電極との間にこれらの材料をはさ
み、対向電極との間にアナログ的な電界をかけて、画像
表示をおこなうためのアクティブマトリクス回路と、そ
れを駆動するための周辺回路とを同一基板上に有する集
積回路、すなわち、モノリシック型アクティブマトリク
ス装置においては、第1に解決せねばならない問題点で
あった。
ス状に配置された、薄膜トランジスタを用いた画素と、
前記画素を駆動する、薄膜トランジスタを用いたシフト
レジスタと、 を有し、 前記基板上に形成された薄膜トラ
ンジスタは全てPチャネル型であり、 前記シフトレジス
タの薄膜トランジスタはエンハンスメント型の薄膜トラ
ンジスタおよびディプレッション型の薄膜トランジスタ
であり、 前記画素の薄膜トランジスタはエンハンスメン
ト型の薄膜トランジスタであることを特徴とするアクテ
ィブマトリクス装置である。 本発明の第2は、 同一基板
上に、 マトリクス状に配置された、薄膜トランジスタを
用いた画素と、 前記画素を駆動する、薄膜トランジスタ
と抵抗を用いたシフトレジスタと、 を有し、 前記基板上
に形成された薄膜トランジスタは全てPチャネル型であ
り、 前記シフトレジスタの薄膜トランジスタはエンハン
スメント型の薄膜トランジスタであり、 前記画素の薄膜
トランジスタはエンハンスメント型の薄膜トランジスタ
であることを特徴とするアクティブマトリクス装置であ
る。 なお、前記抵抗は、前記画素および前記シフトレジ
スタの薄膜トランジスタの活性層となる島状薄膜半導体
と同時にパターニングされる島状薄膜半導体を用いて形
成されていてもよい。 なお、前記島状薄膜半導体は、前
記画素および前記シフトレジスタの薄膜トランジスタの
ソースおよびドレインと同じ濃度で、P型を付与する不
純物元素を含んでいてもよい。 なお、前記島状薄膜半導
体は、前記画素および前記シフトレジスタの薄膜トラン
ジスタのソースおよびドレインと同じ濃度で、P型を付
与する不純物元素を含む領域と、前記領域より低い濃度
でP型を付与する不純物元素を含む領域とによりなって
いてもよい。 なお、前記画素は、画素電極を有し、 前記
画素の薄膜トランジスタのソースまたはドレインと接す
る電極と、前記画素電極とは、同じ絶縁膜の表面に接す
るように配置され、且つ前記電極は、前記画素電極と接
していてもよい。 本発明の第3は、 同一基板上に、 薄膜
トランジスタを用いたDRAMと、 前記DRAMを駆動
する、薄膜トランジスタを用いたシフトレジスタと、 を
有し、 前記基板上に形成された薄膜トランジスタは、全
てPチャネル型であり、 前記シフトレジスタの薄膜トラ
ンジスタは、エンハンスメント型の薄膜トランジスタお
よびディプレッション型の薄膜トランジスタであり、 前
記DRAMの薄膜トランジスタは、エンハンスメント型
の薄膜トランジスタ であることを特徴とするアクティブ
マトリクス装置である。 本発明の第4は、 同一基板上
に、 薄膜トランジスタを用いたDRAMと、 前記DRA
Mを駆動する、薄膜トランジスタと抵抗を用いたシフト
レジスタと、 を有し、 前記基板上に形成された薄膜トラ
ンジスタは、全てPチャネル型であり、 前記シフトレジ
スタの薄膜トランジスタは、エンハンスメント型の薄膜
トランジスタであり、 前記DRAMの薄膜トランジスタ
は、エンハンスメント型の薄膜トランジスタであること
を特徴とするアクティブマトリクス装置である。 なお、
前記抵抗は、前記DRAMおよび前記シフトレジスタの
薄膜トランジスタの活性層となる島状薄膜半導体と同時
にパターニングされる島状薄膜半導体を用いて形成され
てもよい。 なお、前記島状薄膜半導体は、前記DRAM
および前記シフトレジスタの薄膜トランジスタのソース
およびドレインと同じ濃度で、P型を付与する不純物元
素を含んでいてもよい。 なお、前記島状薄膜半導体は、
前記DRAMおよび前記シフトレジスタの薄膜トランジ
スタのソースおよびドレインと同じ濃度で、P型を付与
する不純物元素を含む領域と、前記領域より低い濃度で
P型を付与する不純物元素を含む領域とによりなってい
てもよい。 なお、前記アクティブマトリクス装置を用い
たことを特徴とする電子装置であってもよい。 なお、前
記アクティブマトリクス装置にCMOS型の半導体チッ
プが接続されたことを特徴とする電子装置であってもよ
い。
ティブマトリクス回路と、アク ティブマトリクス回路を
駆動するシフトレジスタとを有し、前記基板上に形成さ
れた薄膜トランジスタは、全てPチャネル型であるとし
たアクティブマトリクス装置である。アクティブマトリ
クス回路は、マトリクス状に配置された画素またはDR
AMである。
荷捕獲中心によって捕獲された電子はチャネル領域にド
レインと同じ導電型の領域を拡げるだけであり、特性の
劣化が深刻な問題とならない。
タを構成するPチャネル型の薄膜トランジスタとして、
エンハンスメント型の薄膜トランジスタとディプレッシ
ョン型の薄膜トランジスタの両方を用いるので、エンハ
ンストメント型の薄膜トランジスタのみでなるシフトレ
ジスタよりも、電源線の数を少なくできる。
タをエンハンスメント型の薄膜トランジスタと抵抗によ
り構成することにより、エンハンストメント型の薄膜ト
ランジスタのみでなるシフトレジスタよりも、電源線の
数を減らすことができる。
型液晶ディスプレーを作製した例を説明する。図8には
本実施例のモノリシック型液晶ディスプレーのブロック
図を示す。液晶ディスプレーを構成する要素回路、すな
わち、シフトレジスタX(ソースドライバー用)および
Y(ゲートドライバー用)、ソースドライバーのアナロ
グスイッチ、アナログバッファー等の回路、およびアク
ティブマトリクス回路に用いられるTFTは全てPチャ
ネル型である。図5には本実施例のシフトレジスタ(1
段)の回路図を示す。
VDD、VSS、VGGの3本が必要であり、この場合、VDD
>VSSである。また、VGGはTFTの特性を考慮して最
適な値が決定され、好ましくは、VSS程度、あるいは、
それ以下である。以下に、このようなモノリシック型液
晶ディスプレーの回路作製工程について図1を用いて説
明する。基板としては、コーニング社7059番もしく
はNHテクノグラス社NA35もしくはNA45等の低
アルカリガラスあるいは無アルカリガラスを用いること
が望ましい。基板は、TFT作製プロセスの加熱工程に
おいて収縮することを防止するために、適当な熱処理を
ほどこしておいてもよい。この基板101上に下地膜と
して、厚さ100〜500nm、例えば、200nmの
酸化珪素膜102を堆積した。
50nmのアモルファスシリコン膜を堆積し、500〜
600℃で熱アニール処理をおこなうことによって結晶
化させた。この際にはニッケル等の結晶化を助長する金
属元素を微量添加して、結晶化温度を低下せしめ、さら
に、熱アニール時間を短縮させてもよい。例えば、ニッ
ケルを1×1018原子/cm3以上、混在させると、5
50℃、4〜8時間で結晶化が完了した。結晶化工程の
後、レーザーもしくはそれと同等な強光を照射して、結
晶性を改善してもよい。
シリコン膜にレーザーもしくはそれと同等な強光を照射
する、いわゆる光アニールによって結晶化してもよい。
その後、結晶化したシリコン膜をエッチングして、島状
領域103、104、105を形成した。ここで、領域
103および104は周辺駆動回路(ソースドライバー
やゲートドライバー)を構成するTFTに用いられ、ま
た、領域105はアクティブマトリクス回路を構成する
TFTに用いられる。そして、プラズマCVD法によっ
て厚さ100〜150nm、例えば、120nmの酸化
珪素膜106を堆積し、これをゲート絶縁膜とした。さ
らに、スパッタリング法によってアルミニウム膜を30
0〜800nm、例えば、500nm堆積し、これをエ
ッチングして、ゲート電極107、108、109を形
成した。(図1(A))
同5−267167と同じ条件で、電解溶液中でゲート
電極107〜109に電圧を印加し、ゲート電極の側面
および上面に陽極酸化物の被膜110、111、112
を形成した。陽極酸化物の厚さは150〜300nm、
例えば、200nmとした。また、この厚さはシフトレ
ジスタに用いるTFTやアナログバッファーに用いるT
FT、アクティブマトリクス回路に用いるTFT等、T
FTの用途に応じて違えるようにしてもよかった。なぜ
ならば、陽極酸化物の厚さは特開平5−114724に
記述されているようにオフセット領域の幅を決定する要
因であり、オフセット幅の違いによってTFTの特性が
異なるからである。(図1(B))
に応じて分断した後、イオンドーピング法(プラズマド
ーピング法ともいう)によって全面にホウ素をドーピン
グした。ドーピング装置としては日新電機社製のものを
用いた。この際のドーズ量としては2×1014〜5×1
015原子/cm2、例えば、5×1014原子/cm2とし
た。また、加速電圧は、ゲート絶縁膜を透過してシリコ
ン膜に注入される必要から、30〜80kV、例えば、
65kVとした。ドーピング後、全面にレーザー光を照
射して、ドーピングされたホウ素の活性化をおこなっ
た。レーザーとしてはKrFもしくはXeClエキシマ
ーレーザーを用いた。レーザーのエネルギー密度は15
0〜350mJ/cm2、例えば、200mJ/cm2と
した。この際、基板を200〜400℃に加熱すると、
レーザーのエネルギー密度を低下させる効果があった。
このようにして、シリコン領域103〜105にゲート
電極および陽極酸化物をマスクとして自己整合的にホウ
素の注入されたP型領域(ソース/ドレイン)113、
114、115が形成された。(図1(C))
00〜800nm、例えば、500nmの酸化珪素膜も
しくは窒化珪素膜116を堆積した。さらに、スパッタ
リング法によって厚さ50〜150nm、例えば、50
nmの透明導電被膜、例えば、インディウム錫酸化物被
膜(ITO)を堆積した。そして、これをエッチングし
て、アクティブマトリクス回路領域(画素領域)に画素
電極117を形成した。(図1(D))その後は、各T
FTのソース/ドレイン、および図示されていないがゲ
ート電極にコンタクトホールを形成し、窒化チタン膜と
アルミニウム膜の多層膜によって電極・配線118、1
19、120、121、122を形成した。以上のよう
にして周辺駆動回路領域のTFT123、124(図5
参照)と画素領域のTFT125(図8参照)を形成し
た。これらのTFTはいずれもPチャネル型である。
(図1(E))
ク型液晶ディスプレーを作製した例を説明する。本実施
例のモノリシック型液晶ディスプレーのブロック図は実
施例1のもの(図8)と同じである。図6には本実施例
のシフトレジスタ(1段)の回路図を示す。本実施例で
は全てのTFTをPチャネル型とするが、エンハンスメ
ント型のTFT以外に負荷としてデプレッション型のT
FTも用いることを特長とする。この回路においては電
源線としては、VDD、VSSの2本のみで良く、実施例1
のようにVGGは不要である。そのため、回路の集積化と
いう点で好ましい。また、一般に動作速度も実施例1の
場合に比較すると速い。この場合も、VDD>VSSであ
る。
ィスプレーの回路作製工程について図2を用いて説明す
る。基板として無アルカリガラスを用いた。この基板2
01上に下地膜として、厚さ100〜500nm、例え
ば、200nmの酸化珪素膜202を堆積した。さら
に、厚さ30〜150nm、例えば、50nmのホウ
素、燐等の導電性を付与する元素が可能な限り低濃度な
アモルファスシリコン膜203を堆積し、さらに、その
上に厚さ100〜300nm、例えば、200nmの酸
化珪素膜204を堆積した。そして、フォトレジスト2
05でマスクした。酸化珪素膜204はホウ素イオンの
注入工程によって、アモルファスシリコン膜の表面が荒
れないようにするためである。
ン注入法(イオン・インプランテーション法)によっ
て、ホウ素をシリコン膜中に選択的に注入した。ここで
は、イオンドーピング法を用い、加速電圧65kV、ド
ーズ量1×1013〜2×1014原子/cm2でホウ素を
注入し、弱いP型領域206を形成した。この領域には
デプレッション型TFTが形成される。(図2(A))
その後、フォトレジストのマスク205および酸化珪素
膜204を除去し、熱アニール処理もしくはレーザー照
射等の処理によってアモルファスシリコン膜202を結
晶化させた。
グして、島状領域207、208、209を形成した。
ここで、領域207および208は周辺駆動回路(ソー
スドライバーやゲートドライバー)を構成するTFTに
用いられ、また、領域209はアクティブマトリクス回
路を構成するTFTに用いられる。さらに、領域207
はデプレッション型TFTに、また、領域208、20
9はエンハンスメント型TFTに用いられる。その後、
ゲート絶縁膜を堆積し、実施例1と同様に側面および上
面が陽極酸化物で被覆されたゲート電極210、21
1、212を形成した。(図2(B))
に応じて分断した後、イオンドーピング法によって全面
にホウ素をドーピングした。この際のドーズ量として
は、5×1014原子/cm2とした。また、加速電圧は
65kVとした。ドーピング後、全面にレーザー光を照
射して、ドーピングされたホウ素の活性化をおこなっ
た。このようにして、シリコン領域207〜209にゲ
ート電極および陽極酸化物をマスクとして自己整合的に
ホウ素の注入されたP型領域(ソース/ドレイン)21
3、214、215が形成された。(図2(C))その
後、層間絶縁物として、全面に厚さ、500nmの酸化
珪素膜もしくは窒化珪素膜216を堆積し、また、透明
導電被膜によって、アクティブマトリクス回路領域(画
素領域)に画素電極217を形成した。(図2(D))
ト電極・配線にコンタクトホールを形成し、窒化チタン
膜とアルミニウム膜の多層膜によって電極・配線21
8、219、220、221、222を形成した。以上
のようにして周辺駆動回路領域のTFT223、224
(図6参照)と画素領域のTFT225を形成した。こ
れらのTFTはいずれもPチャネル型であるが、TFT
223はチャネル形成領域が弱いP型であり、デプレッ
ション型のトランジスタである。一方、TFT224と
225は、チャネル形成領域が真性もしくは実質的に真
性であり、エンハンスメント型のトランジスタである。
(図2(E))
ク型液晶ディスプレーを作製した例を説明する。本実施
例のモノリシック型液晶ディスプレーのブロック図は実
施例1のもの(図8)と同じである。図4には本実施例
のシフトレジスタ(1段)の回路図を示す。本実施例で
は全てのTFTをPチャネル型とするが、負荷として抵
抗を用いることを特長とする。この回路においても、実
施例2と同様に電源線としては、VDD、VSSの2本のみ
で良い。また、一般に動作速度も実施例1の場合に比較
すると速い。この場合も、VDD>VSSである。このよう
な回路の断面図を図3に示す。これらの回路は実施例1
や実施例2で説明した集積回路作製技術を用いて作製さ
れる。ここでは、その詳細は省略する。
あり、領域302は周辺駆動回路のTFT、領域303
は画素領域のTFTである。抵抗301は真性シリコン
領域を抵抗として用いる。このような抵抗を形成するに
は図1に示されるTFT123に対してソース/ドレイ
ンを形成するためのドーピングをおこなった後、そのゲ
ート電極を除去すればよい。しかしながら、この場合に
は真性シリコンを抵抗として用いるため、概して抵抗値
が大きく、通常1MΩ以上となる。このため、回路の動
作速度が遅いという問題がある。
あり、領域305は周辺駆動回路のTFT、領域306
は画素領域のTFTである。抵抗304は弱いP型のシ
リコン領域を抵抗として用いる。このような抵抗を形成
するには図2に示されるTFT223に対してソース/
ドレインを形成するためのドーピングをおこなった後、
そのゲート電極を除去すればよい。この場合には弱いP
型シリコンを抵抗として用いるため、通常100kΩ程
度となる。
あり、領域308は周辺駆動回路のTFT、領域309
は画素領域のTFTである。抵抗307はP型シリコン
領域を抵抗として用いる。このような抵抗を形成するに
は図1に示されるTFT123を形成する工程の途中で
ゲート電極を除去し、その後にホウ素のドーピングをお
こなえばよい。しかしながら、この場合にはP型シリコ
ンを抵抗として用いるため、概して抵抗値が小さく、通
常10kΩ以下となる。このため、回路の消費電力が多
いという問題がある。
ゲート電極形成・陽極酸化の工程(例えば、図1
(B))と、ホウ素ドーピングの工程(図1(C))の
間に、ゲート電極につながる配線を分断する工程がある
ので、そのときに同時におこなえばよい。しかし、図3
(A)および(B)の構造を形成するには、ドーピング
後にゲート電極を除去しなければならず、フォトリソグ
ラフィーの工程が1つ増えることとなる。
リシック型アクティブマトリクス液晶ディスプレーのみ
に関するものであった。もちろん、このようにし形成さ
れたアクティブマトリクス液晶ディスプレーを用いてよ
り高度なシステムを構築することができる。図9にはそ
のようなシステムのブロック図を示す。
た構成を有する液晶ディスプレーの少なくとも一方の基
板上に、通常のコンピュータのメインボードに取り付け
られている半導体チップを固定することによって、小型
化、軽量化、薄型化をおこなった例である。特に、アク
ティブマトリクス回路を有する基板にこれらのチップを
取り付ける。本発明ではアクティブマトリクス回路およ
びその周辺駆動回路にPチャネル型TFTのみを用いる
ので、通常のCMOS型の周辺駆動回路を用いた場合に
比較して消費電力が大きくなるという欠点があった。そ
のため、このようなシステムでは液晶ディスプレーパネ
ル以外のチップはCMOS化されたチップを用いて、消
費電力を下げることが必要である。アクティブマトリク
ス回路を有する基板は本発明のモノリシック型アクティ
ブマトリクス回路を有する。
液晶ディスプレーの基板でもあり、その上にはTFT
(11)、画素電極12、補助容量13を具備する画素
が多数形成されたアクティブマトリクス回路14と、そ
れを駆動するためのXデコーダー/ドライバー、Yデコ
ーダー/ドライバー、XY分岐回路がTFTによって形
成されている。
さらに他のチップを取り付ける。そして、これらのチッ
プはワイヤボンディング法、COG(チップ・オン・グ
ラス)法等の手段によって、基板15上の回路に接続さ
れる。図9において、補正メモリー、メモリー、CP
U、入力ポートは、このようにして取り付けられたチッ
プであり、この他にも様々なチップを取り付けてもよ
い。
入力された信号を読み取り、画像用信号に変換する回路
である。補正メモリーは、アクティブマトリクスパネル
の特性に合わせて入力信号等を補正するためのパネルに
固有のメモリーのことである。特に、この補正メモリー
は、各画素固有の情報を不揮発性メモリーとして有し、
個別に補正するためのものである。すなわち、電気光学
装置の画素に点欠陥のある場合には、その点の周囲の画
素にそれに合わせて補正した信号を送り、点欠陥をカバ
ーし、欠陥を目立たなくする。または、画素が周囲の画
素に比べて暗い場合には、その画素により大きな信号を
送って、周囲の画素と同じ明るさとなるようにするもの
である。画素の欠陥情報はパネルごとに異なるので、補
正メモリーに蓄積されている情報はパネルごとに異な
る。
ものとその機能は同様で、特にメモリーは各画素に対応
した画像メモリーをRAMとして持っている。これらの
チップはいずれもCMOS型のものである。
す。基板20に対向して基板19が設けられ、その間に
は液晶が挟持されている。また、基板20には、アクテ
ィブマトリクス回路21と、それを駆動するための周辺
駆動回路22、23、24がTFTを用いて構成されて
いる。そして、これらの回路の形成された面に、メイン
メモリーチップ26、MPU(マイクロ演算回路)2
7、補正メモリー28を接着し、各チップを基板20上
の回路と接続した。例えば、COG(チップ・オン・グ
ラス)法によってチップを接続する場合には、基板20
上には、図10の29に示すような配線が、固定部分2
5に形成された。
いは図12に示されるものを用いた。図11の方法で
は、基板30上の配線31とチップ32の電極部33に
設けられた導電性の突起物(バンプ)34とを接触さ
せ、基板30とチップ32間を有機樹脂35で固定し
た。バンプとしては、無電界メッキによって形成した金
を用いればよい。
の間に導電性の粒子(例えば、金の粒子)44を分散さ
せた有機樹脂によって基板とチップを接着し、基板40
上の配線41とチップ42の電極部43の間に存在した
導電性粒子44との接触によって、回路の接続をおこな
った。接着に使用した有機樹脂としては、光硬化性もし
くは熱硬化性のもの、あるいは自然硬化性のものを用い
た。なお、液晶ディスプレーへの液晶の注入は、チップ
を接着してからでもよい。
基板にCPU、メモリーまでもが形成され、1枚の基板
で簡単なパーソナルコンピュータのような電子装置を構
成することができた。また、チップの接続法に関して
は、公知のワイヤボンディング法によってもよい。実施
例1乃至実施例4では、モノリシック型アクティブマト
リクス装置の信頼性を向上させることができた。その他
に通常のCMOS回路を用いてアクティブマトリクス装
置を形成する場合に比較して、プロセスの簡略化の効果
もある。例えば、実施例1においては、CMOSを形成
する場合に比較して、異種不純物ドーピングのためのフ
ォトリソグラフィー工程およびN型不純物注入工程が省
略されている。 もっとも、実施例2においては、弱いP
型領域を形成するために、フォトリソグラフィー工程と
ドーピング工程がそれぞれ1回必要であるので、通常の
CMOSを形成する場合と同じだけの工程が必要であ
る。しかしながら、ドーピングのマスクとして、フォト
レジスト等を用い、かつ、高いドーズ量のイオンをドー
ピングした場合には、フォトレジストが炭化して除去す
ることが難しく、通常、長時間のアッシング(灰化)工
程が必要となったのであるが、実施例2の場合には、ド
ーズ量自体が小さい上、酸化珪素膜204(図2)をエ
ッチングすることによって、フォトレジスト205をリ
フトオフ法によって除去できる。このため、通常のCM
OS工程に比較すると、ドーピング後のフォトレジスト
マスクの除去工程が容易である。
トリクス回路と、アクティブマトリクス回路を駆動する
シフトレジスタとを有し、前記基板上に形成された薄膜
トランジスタは、全てPチャネル型であるとしたアクテ
ィブマトリクス装置である。 Pチャネル型の薄膜トラン
ジスタでは、特性の劣化が深刻な問題とならないので、
アクティブマトリクス装置の信頼性を向上させることが
できる。 本発明は、シフトレジスタを構成するPチャネ
ル型の薄膜トランジスタとして 、エンハンスメント型の
薄膜トランジスタとディプレッション型の薄膜トランジ
スタの両方を用いることにより、エンハンストメント型
の薄膜トランジスタのみでなるシフトレジスタよりも電
源線の数を少なくできるので、シフトレジスタの回路を
集積化することができる。また、シフトレジスタの動作
速度を速くすることができる。 また本発明は、シフトレ
ジスタをエンハンスメント型の薄膜トランジスタと抵抗
により構成することにより、エンハンストメント型の薄
膜トランジスタのみでなるシフトレジスタよりも、電源
線の数を減らすことができるので、シフトレジスタの回
路を集積化することができると共に、シフトレジスタの
動作速度を速くすることができる。更に、抵抗の抵抗値
を適当に定めることによって、消費電力と動作速度のバ
ランスがとれたシフトレジスタが得られる。
す。
す。
スタの回路図を示す。
スタの回路図を示す。
スタの回路図を示す。
明する。
ロック図を示す。
す。
す。
用) 105・・・・・・島状シリコン領域(画素回路用) 106・・・・・・ゲート絶縁膜 107、108・・ゲート電極(周辺駆動回路用) 109・・・・・・ゲート電極(画素回路用) 110〜112・・陽極酸化物被膜 113〜115・・P型領域 116・・・・・・層間絶縁物 117・・・・・・画素電極 118〜122・・電極・配線
Claims (13)
- 【請求項1】同一基板上に、 マトリクス状に配置された、薄膜トランジスタを用いた
画素と、 前記画素を駆動する、薄膜トランジスタを用いたシフト
レジスタと、 を有し、 前記基板上に形成された薄膜トランジスタは 全てPチャ
ネル型であり、前記シフトレジスタの薄膜トランジスタは エンハンスメ
ント型の薄膜トランジスタおよびディプレッション型の
薄膜トランジスタであり、 前記画素の薄膜トランジスタはエンハンスメント型の薄
膜トランジスタであることを特徴とするアクティブマト
リクス装置。 - 【請求項2】同一基板上に、 マトリクス状に配置された、薄膜トランジスタを用いた
画素と、 前記画素を駆動する、薄膜トランジスタと抵抗を用いた
シフトレジスタと、 を有し、 前記基板上に形成された薄膜トランジスタは 全てPチャ
ネル型であり、前記シフトレジスタの薄膜トランジスタは エンハンスメ
ント型の薄膜トランジスタであり、 前記画素の薄膜トランジスタはエンハンスメント型の薄
膜トランジスタであることを特徴とするアクティブマト
リクス装置。 - 【請求項3】請求項2において、 前記抵抗は、前記画素および前記シフトレジスタの薄膜
トランジスタの活性層となる島状薄膜半導体と同時にパ
ターニングされる島状薄膜半導体を用いて形成されるこ
とを特徴とするアクティブマトリクス装置。 - 【請求項4】請求項3において、 前記島状薄膜半導体は、前記画素および前記シフトレジ
スタの薄膜トランジスタのソースおよびドレインと同じ
濃度で、P型を付与する不純物元素を含むことを特徴と
するアクティブマトリクス装置。 - 【請求項5】請求項3において、 前記島状薄膜半導体は、前記画素および前記シフトレジ
スタの薄膜トランジスタのソースおよびドレインと同じ
濃度で、P型を付与する不純物元素を含む領域と、前記
領域より低い濃度でP型を付与する不純物元素を含む領
域とによりなることを特徴とするアクティブマトリクス
装置。 - 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれか一におい
て、 前記画素は、画素電極を有し、 前記画素の薄膜トランジスタのソースまたはドレインと
接する電極と、前記画素電極とは、同じ絶縁膜の表面に
接するように配置され、且つ前記電極は、前記画素電極
と接していることを特徴とするアクティブマトリクス装
置。 - 【請求項7】同一基板上に、 薄膜トランジスタを用いたDRAMと、 前記DRAMを駆動する、薄膜トランジスタを用いたシ
フトレジスタと、 を有し、 前記基板上に形成された薄膜トランジスタは 全てPチャ
ネル型であり、前記シフトレジスタの薄膜トランジスタは エンハンスメ
ント型の薄膜トランジスタおよびディプレッション型の
薄膜トランジスタであり、 前記DRAMの薄膜トランジスタはエンハンスメント型
の薄膜トランジスタであることを特徴とするアクティブ
マトリクス装置。 - 【請求項8】同一基板上に、 薄膜トランジスタを用いたDRAMと、 前記DRAMを駆動する、薄膜トランジスタと抵抗を用
いたシフトレジスタと、 を有し、 前記基板上に形成された薄膜トランジスタは 全てPチャ
ネル型であり、前記シフトレジスタの薄膜トランジスタは エンハンスメ
ント型の薄膜トランジスタであり、 前記DRAMの薄膜トランジスタはエンハンスメント型
の薄膜トランジスタであることを特徴とするアクティブ
マトリクス装置。 - 【請求項9】請求項8において、 前記抵抗は、前記DRAMおよび前記シフトレジスタの
薄膜トランジスタの活性層となる島状薄膜半導体と同時
にパターニングされる島状薄膜半導体を用いて形成され
ることを特徴とするアクティブマトリクス装置。 - 【請求項10】請求項9において、 前記島状薄膜半導体は、前記DRAMおよび前記シフト
レジスタの薄膜トランジスタのソースおよびドレインと
同じ濃度で、P型を付与する不純物元素を含むことを特
徴とするアクティブマトリクス装置。 - 【請求項11】請求項9において、 前記島状薄膜半導体は、前記DRAMおよび前記シフト
レジスタの薄膜トランジスタのソースおよびドレインと
同じ濃度で、P型を付与する不純物元素を含む領域と、
前記領域より低い濃度でP型を付与する不純物元素を含
む領域とによりなることを特徴とするアクティブマトリ
クス装置。 - 【請求項12】請求項1乃至請求項11のいずれか一に
記載のアクティブマトリクス装置を用いたことを特徴と
する電子装置。 - 【請求項13】請求項1乃至請求項11のいずれか一に
記載のアクティブマトリクス装置にCMOS型の半導体
チップが接続されたことを特徴とする電子装置。
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JP2001203368A JP2001203368A (ja) | 2001-07-27 |
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