JP3457115B2 - 分散剤の製造方法 - Google Patents

分散剤の製造方法

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JP3457115B2 JP34574795A JP34574795A JP3457115B2 JP 3457115 B2 JP3457115 B2 JP 3457115B2 JP 34574795 A JP34574795 A JP 34574795A JP 34574795 A JP34574795 A JP 34574795A JP 3457115 B2 JP3457115 B2 JP 3457115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、塗料、イン
キ等の製造の際に顔料等の分散性を向上させる分散剤の
製造方法および当該分散剤を用いる分散液の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗料、インキ等の製造においては、顔料
の分散性の向上、塗料等の貯蔵安定性の向上、色分かれ
の防止、塗膜の光沢の改善等の目的で種々の分散剤が使
用されている。この様な目的のため、ポリアミン化合物
とポリエステルまたはアクリル樹脂を結合させた構造の
分散剤が、特開昭61−174939号公報、特開昭6
3−197529号公報、特開昭54−37082号公
報、特開昭48−79178号公報等に記載されてい
る。
【0003】特開昭54−37082号公報および特開
昭48−79178号公報に記載の、12−ヒドロキシ
ステアリン酸等の長鎖の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を
脱水縮合したポリエステルを使用した分散剤は、各種の
顔料に対して広く分散性能を有するが、高濃度の顔料分
散液においては、分散液の流動性や、塗料、インキ等の
着色力の点で充分満足な性能を得るに至っていない。さ
らに、この様な構造の分散剤は、金属に塗工する塗料、
インキ等に用いた場合、塗膜と金属面の密着性を低下さ
せる。
【0004】また、特開昭61−174939号公報お
よび特開昭63−197529号公報には、長鎖モノカ
ルボン酸でカプロラクトンのようなラクトン類を開環重
合させたポリエステル鎖を有する分散剤が記載されてい
る。しかしながら、ラクトン類は、一般的には、通常の
チタンあるいはスズ系の触媒を使用した場合、カルボン
酸には付加しにくく、したがって、未反応のカルボン酸
が残存し、高分子量のラクトンホモポリマー、または、
設計よりはるかに高分子量のカルボン酸変性ラクトン重
合体が生成する。すなわち、分散剤において、立体反発
層を形成するラクトン重合体の分子量コントロールが困
難であるため、分散能の高い分散剤の合成が困難であ
る。またこの様な高分子量のラクトン重合体は結晶性が
高く、塗料、インキ等の製造にこの様な分散剤を使用し
た場合、保存中、分散剤が塗料またはインキ中で結晶化
して、塗膜の外観を損なうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリアミン化合物とポ
リエステルより構成される顔料分散剤において、ポリア
ミン化合物は、顔料に吸着する役目を有し、ポリエステ
ル(ラクトン重合体)はポリアミン化合物が吸着した顔
料の周囲に立体的な反発層を構成する役目を有する。一
般に、顔料吸着層のポリアミン化合物は吸着するアミノ
基の含有量が高い方が有利であり、また立体的な反発層
であるラクトン重合体も、適切な分子量を有すると共に
その含有量が多い方が有利である。しかしながら、ラク
トン重合体の含有量を多くすれば、ラクトン重合体のカ
ルボキシル基と反応してアミド基を形成するアミノ基が
増加し、顔料に吸着するアミノ基の含有量が減少してし
まい、顔料分散性、ミルベースの流動性、保存安定性を
損なうという問題を生ずる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、主鎖の部分に
分岐構造を有するラクトン重合体をポリアミン化合物と
反応させることにより合成される分散剤が、従来報告さ
れている直鎖状のポリエステル鎖を有する分散剤より、
少量で優れた分散性を与え、またこれを用いて調製した
ミルベースの流動性および保存安定性も優れることを見
いだした。すなわち、本発明者は使用するラクトン重合
体に分岐構造をもたせることにより、より少ないラクト
ン重合体で有効な立体反発層が形成され、さらにアミド
基を形成するアミノ基の量を減少させ、高いアミノ基含
有量を有する顔料分散剤の製造が可能であることを見い
だした。また、高度に分岐構造を持たせることにより、
ポリラクトン重合体は、結晶性が低くなって分散剤とし
た場合にも非結晶性となり、塗料中で結晶化する問題を
起こしにくくなり、良好な塗膜外観が得られることを見
いだした。これらの知見に基づき本発明は完成された。
【0007】すなわち、本発明は、2個以上のヒドロキ
シル基を有するモノカルボン酸と、下記一般式(1)で
表されるラクトン化合物とを共重合させて得られる分岐
構造含有カルボキシル基末端ポリラクトン化合物にポリ
アミン化合物を反応させることを特徴とする分散剤の製
造方法を提供する。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Rはメチル基で置換されていても
よい炭素数2〜10の直鎖アルキレン基である。)
【0010】
【発明の実施の形態】分岐構造含有カルボキシル基末端
ポリラクトン化合物(以下、単にポリラクトン化合物と
もいう)は、2個以上のヒドロキシル基を有するモノカ
ルボン酸(以下、単にヒドロキシカルボン酸ともいう)
を開始剤あるいは共重合成分として一般式(1)で表さ
れるラクトン化合物を開環重合させて得られる。
【0011】ここで使用することのできるヒドロキシカ
ルボン酸としては、ヒドロキシル基を2個以上有してい
ればよく、脂肪族、芳香族、および不飽和のヒドロキシ
カルボン酸を使用することができる。例としては 2,
2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール
酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、2,2−ジメチロ
ールペンタン酸、ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキ
シイソフタル酸、酒石酸、グルコン酸、4,4−ビス
(ヒドロキシフェニル)酪酸、4,4−ビス(ヒドロキ
シフェニル)吉草酸等を使用できる。
【0012】ラクトン化合物としては、ε−カプロラク
トン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラ
クトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
2−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン
等、一般式(1)で表されるラクトン類を使用すること
ができる。これらは、単独でまたは混合して用いてよ
い。一般式(1)において、メチル基の数は0から直鎖
アルキレン基の炭素数の2倍までの任意の数であり、好
ましくは1〜3である。また、直鎖アルキレン基(側鎖
のメチル基を除く)の炭素数は好ましくは2〜5であ
る。
【0013】2個以上のヒドロキシル基を有するヒドロ
キシカルボン酸とラクトン化合物を共重合させて得られ
る分岐構造を有するポリラクトン化合物(分岐構造含有
カルボキシル基末端ポリラクトン化合物、または単にポ
リラクトン化合物ともいう)の数平均分子量は、通常、
100から5000の範囲であり、好ましくは500か
ら3000の範囲である。ポリラクトン化合物の分子量
が100未満では、顔料の回りに十分な立体反発層を形
成することができず、また、分子量が5000を超える
と分散剤全体の分子量が大きくなりすぎ、塗料またはイ
ンキ用ビヒクルとの相溶性が低下し、また顔料分散性も
低下するので好ましくない。
【0014】ポリラクトン化合物中の分岐度は好ましく
は平均で3以上である。これ未満では、直鎖状のポリラ
クトン鎖と比較して立体反発層の増大効果がなく、製造
された分散剤も結晶性が高くなる傾向がある。また、平
均の分岐度が20を超えると分散剤の水酸基含有量が高
くなりすぎ、トルエン、キシレン等の非極性の溶剤に溶
解しにくくなるので好ましくない。なお、この分岐度
は、ポリラクトン化合物の酸価AV(mgKOH/g)
により式:M=(56.1×fAV×1000)/AVか
ら求められるポリラクトン化合物の分子量M(ここでf
AVはポリラクトン化合物1分子中の−COOH基の数)
及びポリラクトン化合物のヒドロキシル価OHV(mg
KOH/g)より式:分岐度=(OHV×M/56.1
×10000)−1=(OHV×fAV/AV)−1によ
り与えられる。
【0015】ポリラクトン化合物は、ヒドロキシカルボ
ン酸およびラクトン類を脱水管、コンデンサーの接続し
た反応器に仕込み、触媒を添加しラクトン類を開環重合
脱水、エステル交換することにより合成することができ
る。
【0016】このエステル交換の反応温度は、通常90
〜250℃、好ましくは120〜230℃の範囲であ
る。反応温度が90℃未満では反応速度がきわめて遅
く、一方230℃を超えるとラクトン類の開環反応以外
の副反応、たとえばラクトン類の環状ダイマーの生成反
応や、脱水縮合反応が起こりやすいため、目標の分子量
のカルボキシル基末端ポリラクトン類が合成しにくく、
さらに、反応物の分解や着色が起こりやすいので好まし
くない。
【0017】エステル化触媒としては、オクチル酸ス
ズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレート、
モノブチルスズヒドロキシブチルオキシド等の有機スズ
化合物、酸化第一スズ、塩化第一スズ等のスズ化合物、
テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テ
トラプロピルチタネート等が使用できる。触媒の使用量
は、通常、0.1〜1000ppm、好ましくは1〜1
00ppmである。触媒量が1000ppmを超える
と、樹脂の着色が激しくなり、製品の安定性に悪影響を
与える恐れがある。逆に、触媒の使用量が1ppm未満
であるとラクトン類の開環重合速度やエステル化反応速
度がきわめて遅くなるので好ましくない。
【0018】また、空気存在下で反応すると着色する傾
向があるので、窒素気流下等の不活性雰囲気下でエステ
ル交換反応させることが好ましい。
【0019】本発明の製造方法では、上記の分岐構造含
有カルボキシル基末端ポリラクトン化合物とポリアミン
化合物を反応させて顔料分散剤を合成する。本発明に使
用されるポリアミンは、その数平均分子量が100〜2
0000であることが好ましい。分子量が100未満で
は顔料の吸着部分の分子量が低すぎて、ポリアミン化合
物を使用した効果が得られないことがあり、また分子量
が20000を超えると、顔料分散剤全体の分子量が大
きくなりすぎ、逆に顔料粒子間の会合を招いたり、分散
性の低下をまねく可能性がある。ポリアミン化合物とし
ては種々の化合物が使用できるが、分散剤とした場合の
性能に優れ、また工業的にも入手しやすいポリエチレン
イミンが好ましい。
【0020】ポリラクトン化合物とポリアミン化合物の
反応比率はカルボキシル基とアミノ基のモル比が1:1
から1:99の範囲となるようにすることが好ましい。
【0021】このアミド化反応はポリアミンとポリラク
トン化合物を脱水管、コンデンサーの接続した反応器に
仕込み、適当な脱水溶媒、たとえばトルエン、キシレン
の存在下に脱水縮合させるか、または窒素気流下で反応
させることにより行うことができる。アミド化反応の温
度は、通常90〜210℃、好ましくは100〜170
℃の範囲である。90℃未満の温度では、アミド化反応
の速度がきわめて遅く、また210℃を超えると、反応
物の分解や着色が起こりやすいので好ましくない。
【0022】穏和な反応条件下、すなわち低い反応温度
あるいは短い反応時間では、アミノ基とカルボキシル基
との塩が形成され、厳しい反応条件下、すなわち高い反
応温度あるいは長い反応時間ではアミド結合が形成され
る。従って、合成される分散剤は、アミド、アミノ基と
カルボキシル基との塩、または、それら両方の混在とな
ることがあり、これらはすべて本発明の範囲に包含され
る。また、アミド化反応終了後、ジメチル硫酸の様な適
当なアルキル化剤を使用することにより、アミノ基の一
部を4級アンモニウム塩にしてもよい。
【0023】アミド化反応はキシレン、トルエンなどの
芳香族溶剤、あるいはMIBK、アノンなどのケトン系
溶剤のような、ラクトン類と反応しない適当な溶剤中で
行うことが出来る。反応に使用した溶剤は除いてもよ
く、またそのまま製品として使用することもできる。ま
た、アミド化触媒としてはオクチル酸スズ、ジブチルス
ズオキシド、ジブチルスズラウレート、モノブチルスズ
ヒドロキシブチルオキシド等の有機スズ化合物、酸化第
一スズ、塩化第一スズ等のスズ化合物、テトラブチルチ
タネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチ
タネート等のチタン化合物、p−トルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸等の有機酸または硫酸、燐酸等の無機
酸が使用できる。
【0024】触媒の使用量は、反応系中の重量基準で、
通常0.1〜1000ppm、好ましくは1〜100p
pmである。触媒量が1000ppmを超えると、樹脂
の着色が激しくなり、製品の安定性に悪影響を与える。
逆に、触媒の使用量が0.1ppm未満になるとポリラ
クトン化合物と、ポリアミン化合物とのアミド化反応の
速度がきわめて遅くなるので好ましくない。
【0025】また、空気存在化で反応すると着色する傾
向があるので、窒素気流下等の不活性雰囲気下で反応さ
せることが望ましい。
【0026】このようにして合成された分散剤は、ポリ
ラクトン末端がヒドロキシル基で終了している。このヒ
ドロキシル基が、塗料化後の焼付け工程において、メラ
ミン樹脂またはイソシアネートと反応することにより、
本分散剤は、塗膜の一部として強固に組み込まれる。こ
のため、塗膜中の分散剤のブリードまたは結晶化が起こ
らず、また、この分散剤によって捕捉される顔料は、ブ
リードまたは顔料の再凝集が起こりにくい。
【0027】また、適当な分子量の分散剤を使用するこ
とにより、アルコール類のような比較的極性の高い溶剤
を使用した顔料分散にも適用することが可能である。
【0028】本発明で提供される分散剤は、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、黄色酸化鉄、べんが
ら、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、フタロシア
ニン類、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合多環系
顔料(スレン系、インジゴ系、ペリレン系、ペリノン
系、フタロン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イ
ソインドリノン系、ジケトピロロピロール系顔料)、お
よび、磁性粉等について優れた分散性を有し、また製造
されたミルベースは流動性、保存安定性が良好である。
【0029】本発明の製造方法によれば、従来使用され
ていたものよりもアミノ基含有量が高く、優れた性能を
有する顔料分散剤を製造することが可能となる。また、
分岐構造を有するポリラクトン化合物は同程度の分子量
の直鎖状のラクトン重合体に比較して結晶性が低く、こ
の結果、本発明により製造される顔料分散剤の結晶性を
抑えることが可能となり、塗料に配合した際、分散剤が
結晶化し塗膜の光沢を損なうといった問題が起こりにく
い。
【0030】さらに、特開昭61−174939号公報
および特開昭63−197529号公報に記載の製造方
法のように、カルボン酸でラクトン類を開環する工程を
経ないため、高分子量のラクトンホモポリマーが含有さ
れない。このため、本発明の製造方法によれば、各種ビ
ヒクルに対し相溶性が高く、塗料あるいはインキ中で分
散剤が結晶化することがなく、優れた塗膜外観を与え、
塗料と金属面との密着性も損なわず、そして、顔料に吸
着するアミノ基の含有量が高い、顔料分散性能に優れた
分散剤を容易に製造できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、「部」は重量部を意味する。
【0032】なお、OH価、酸価、アミン価は、以下に
記載の方法によって測定したものである。 (1)OH価:JIS K−1557に準拠した。 (2)酸価:JIS K−1557に準拠した。 (3)アミン価:塩酸による滴定法により求めた。
【0033】(製造例1:中間体ポリラクトン化合物の
合成(中間体1))コンデンサー、窒素導入管、かくは
ん機、温度計および脱水管を備えた2L反応機に、ジメ
チロールプロピオン酸178.8部、ε−カプロラクト
ン843.5部およびテトラブチルチタネート0.1部
を仕込み、窒素気流下、170度で反応させ、残存する
カプロラクトンが1%以下になった後、210℃で、酸
価が5.6KOHmg/gになるまで加熱、脱水縮合し
ポリラクトン化合物を合成した。得られた中間体1のポ
リラクトン化合物のOH価は81KOHmg/gであっ
た。
【0034】(製造例2:中間体ポリラクトン化合物の
合成(中間体2))コンデンサー、窒素導入管、かくは
ん機、温度計および脱水管を備えた2L反応機にジメチ
ロールプロピオン酸268.0部、ε−カプロラクトン
766.2部およびテトラブチルチタネート0.1部を
仕込み、窒素気流下、170度で反応させ、残存するカ
プロラクトンが1%以下になった後、210℃で、酸価
が5.8KOHmg/gになるまで加熱、脱水縮合しポ
リラクトン化合物を合成した。得られた中間体2のポリ
ラクトン化合物のOH価は115KOHmg/gであっ
た。
【0035】(実施例1:分散剤の合成)コンデンサ
ー、窒素導入管、かくはん機および温度計を備えた2L
反応機に中間体1を1000部仕込み、ついでポリエチ
レンイミン(日本触媒工業社製 sp−200、数平均
分子量10000)を74部仕込み、120℃で反応さ
せた。アミン価が41mgKOH/gとなったところで
反応を停止した。NMRにより求めた反応生成物のポリ
エステル鎖の数平均分子量は約1500であった。
【0036】(実施例2:分散剤の合成)コンデンサ
ー、窒素導入管、かくはん機および温度計を備えた2L
反応機に中間体1を1000部仕込み、ついでポリエチ
レンイミン(日本触媒工業社製 sp−200、数平均
分子量10000)を123部仕込み、120℃で反応
させた。アミン価が80mgKOH/gとなったところ
で反応を停止した。NMRにより求めた反応生成物のポ
リエステル鎖の数平均分子量は約1500であった。
【0037】(実施例3:分散剤の合成)コンデンサ
ー、窒素導入管、かくはん機および温度計を備えた2L
反応機に中間体2を1000部仕込み、ついでポリエチ
レンイミン(日本触媒工業社製 sp−200、数平均
分子量10000)を95部仕込み、120℃で反応さ
せた。アミン価が40mgKOH/gとなったところで
反応を停止した。NMRにより求めた反応生成物のポリ
エステル鎖の数平均分子量は約1000であった。
【0038】(実施例4:分散剤の合成)コンデンサ
ー、窒素導入管、かくはん機および温度計を備えた2L
反応機に中間体2を1000部仕込み、ついでポリエチ
レンイミン(日本触媒工業社製 sp−200、数平均
分子量10000)を143部仕込み、120℃で反応
させた。アミン価が80mgKOH/gとなったところ
で反応を停止した。NMRにより求めた反応生成物のポ
リエステル鎖の数平均分子量は約1000であった。
【0039】(実施例5:分散ペーストの製造)キナク
リドン(大日精化工業社製 クロモファインレッド68
20:C.I−Pigment Violet19)3
5部、実施例2の分散剤3部、MIBK33.5部、キ
シレン33.5部およびガラスビーズ100部を分散機
(レッドデビル社製)で60分間分散させた。分散ペー
ストは、良好な流動性を示し、1週間経過後も、流動性
を示した。
【0040】(実施例6:分散ペーストの製造)カーボ
ンブラック(デッグサ社製 FW200:C.I−Pi
gment Black 7)20部、実施例1の分散
剤10部、キシレン70部およびガラスビーズ100部
を分散機(レッドデビル社製)で60分間分散させた。
分散ペーストは、良好な流動性を示し、1週間経過後
も、流動性を示した。
【0041】(実施例7:分散ペーストの製造)フタロ
シアニンブルー(大日精化工業社製 クロモファインブ
ルー4920:C.I−Pigment Blue1
5:3)45部、実施例3の分散剤4部、キシレン2
5.5部,ブチルセロソルブアセテート25.5部およ
びガラスビーズ100部を分散機(レッドデビル社製)
で1時間分散させた。分散ペーストは、良好な流動性を
示し、1週間経過後も、流動性を示した。
【0042】(実施例8:分散ペーストの製造)ジケト
ピロロピロール(チバガイギー社製 IRGAZIN
DPP RedBO:C.I−Pigment Red
254)40部、実施例4の分散剤3部、MIBK3
3.5部,キシレン33.5部およびガラスビーズ11
0部を分散機(レッドデビル社製)で60分間分散させ
た。分散ペーストは、良好な流動性を示し、1週間経過
後も、流動性を示した。
【0043】(製造例3:中間体ポリエステルの合成
(中間体3))コンデンサー、窒素導入管、かくはん機
および温度計を備えた2L反応機にカプロン酸116
部、カプロラクトンモノマー1379部およびテトラブ
チルチタネート2部を仕込み、窒素気流下、185℃で
18時間反応させた。得られた中間体3のポリカプロラ
クトンの酸価は37.9KOHmg/gであった。
【0044】(比較例1:分散剤の合成)コンデンサ
ー、脱水管、窒素導入管、かくはん機および温度計を備
えた2L反応機に製造例3の中間体3を1000部仕込
み、ついでポリエチレンイミン(日本触媒工業社製 s
p−200、数平均分子量10000)を74部、脱水
溶剤としてトルエン600ccを仕込み、150℃で反
応させた。脱水された水の量が14ccとなったところ
で反応を停止した。生成物(トルエン溶液)の一部の溶
剤除去後のアミン価は42KOHmg/gであった。
【0045】(比較例2:分散ペーストの製造)カーボ
ンブラック(デッグサ社製 FW200:C.I−Pi
gment Black 7)20部、比較例1の分散
剤10部、キシレン70部、ガラスビーズ100部を分
散機(レッドデビル社製)で60分間分散させた。分散
ペーストは、流動性を示した。
【0046】<塗料評価>実施例6および比較例2で製
造した分散ペーストを、表−1に示した配合組成で塗料
化し、配合直後の塗料および低温放置(0℃、3日間)
後の塗料で作製した塗膜の表面光沢度の測定(60度)
を行った。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明で製造した顔料分散剤は、分岐骨
格を有するポリラクトン部分を用いていることにより様
々な顔料に対して良好な分散性を示し、また、塗料化後
低温にて放置していても分散剤が結晶化することがな
い。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個以上のヒドロキシル基を有するモノ
    カルボン酸と、下記一般式(1)で表されるラクトン化
    合物とを共重合させて得られる分岐構造含有カルボキシ
    ル基末端ポリラクトン化合物にポリアミン化合物を反応
    させることを特徴とする分散剤の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 2個以上のヒドロキシル基を有するモノ
    カルボン酸と、一般式(1)で表されるラクトン化合物
    のモル比が1:50〜1:1であることを特徴とする請
    求項1記載の分散剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 分岐構造含有カルボキシル基末端ポリラ
    クトン化合物とポリアミン化合物の反応物が、塩、アミ
    ド、または、それらの混合物であることを特徴とする請
    求項1または2記載の分散剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 分岐構造含有カルボキシル基末端ポリラ
    クトン化合物の数平均分子量が100〜5000である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の分
    散剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリアミン化合物の数平均分子量が10
    0から20000であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項記載の分散剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミン化合物がポリエチレンイミン
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記
    載の分散剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 ラクトン化合物がε−カプロラクトンで
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載
    分散剤の製造方法。
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