JP3456604B2 - 多層被覆粒状肥料 - Google Patents

多層被覆粒状肥料

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JP3456604B2 JP30096594A JP30096594A JP3456604B2 JP 3456604 B2 JP3456604 B2 JP 3456604B2 JP 30096594 A JP30096594 A JP 30096594A JP 30096594 A JP30096594 A JP 30096594A JP 3456604 B2 JP3456604 B2 JP 3456604B2
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/30Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings
    • C05G5/37Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings layered or coated with a polymer

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は肥効の持続期間の異なる
肥効調節型肥料において、作物の養分要求パターンに合
わせて適期に適量の養分供給が可能な被覆粒状肥料に関
する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】近年の農業を
とりまく環境は大きく変化している。例えば、農業就労
者の高齢化、労働人口の減少に伴なう省力型農業の進
行、農産物の輸入自由化を背景にした低コスト農業の推
進そして生態と調和したいわゆる環境保全型農業の促進
が見受けられる。
【0003】このような状況の中で化学肥料の置かれる
立場もその例外ではなく、この環境の変化への対応が迫
られている。即ち、より省力型で施肥効率の高い肥料並
びにその施用法が求められている。現在、化学肥料施用
の現場で起こっている問題を挙げてみると速効性肥料多
用による低利用率に基づく河川、地下水への流亡等の環
境負荷の増大や、特に施設園芸の如く、下層土への塩類
流去のすくないところでの塩類濃度障害の発現である。
【0004】このような問題を解決するため、各種の肥
効調節型肥料が提案され、実用化されている。本目的の
肥料の一つとして被覆肥料が挙げられる。被覆肥料は硫
黄、珪酸塩等の無機物や合成樹脂等を被覆材として粒状
肥料の表面を被覆して肥料成分の溶出、肥効をコントロ
ールしたものであるが、近年その肥効制御技術は急速に
高まり、より高精度化の様相を呈してきた。
【0005】例えば、被覆材中に水溶性の界面活性剤を
予め添加しその量でもって溶出量を制御したり、タルク
等の無機物を添加することで温度依存性を緩和したりす
る試みがなされているが、特に最近は適期適量の養分量
を供給できるように被覆材中に水に可溶あるいは膨潤す
る物質を導入した、いわゆる時限放出型の粒状被覆肥料
が提案されている(特公平5ー20634号)。
【0006】この方法によれば、施肥後一定期間溶出が
押さえられしかる後に速やかに溶出が行われる事が示さ
れている。しかしながら、その制御技術は高精度とは云
い難く、また製造時均一な成膜化のため被覆資材を有機
溶媒に溶解希釈して用いるため、製造時における毒性、
引火性や溶媒の回収と云った安全性の面に加え、肥料中
に残留する有毒物質による環境汚染が問題視されてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる問題を
解決すべく鋭意検討の結果、製造時溶剤を全く使用せ
ず、しかも耐水性に優れた成膜技術と作物の養分要求特
性に適応した被覆材と溶出制御技術を見いだし本発明に
到達した。
【0008】本発明者らは既に有機溶媒を使用せずワッ
クス類の成膜技術を使用することによる多層被覆粒状肥
料の製造法を見いだし出願(特願平6−111014
号)したが、本特許はこれらの系においてより高度の肥
効制御技術を付加することで溶出機能の改善を行なった
ものである。
【0009】すなわち本発明は粒状肥料の表面がワック
ス類で一次被覆され、さらにその表面をアルキッド樹脂
と水に可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくと
も、1種類を含む材で二次被覆された後、一次被覆材を
溶融もしくは軟化処理してなり、一次被覆材が被覆肥料
に対し2〜15重量%、二次被覆材のうちのアルキッド
樹脂が被覆肥料に対し4〜10重量%で且つ水に可溶あ
るいは膨潤する物質の添加量がアルキッド樹脂に対し
0.2〜10重量%である多層被覆粒状肥料および、粒
状肥料の表面がアルキッド樹脂又はワックス類と水に可
溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1種
類を含む材で一次被覆され、その外層がワックス類で二
次被覆されさらにその表面をアルキッド樹脂と水に可溶
あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1種類
を含む材で三次被覆された後、一次被覆材および/また
は二次被覆材を溶融もしくは軟化処理してなり、一次被
覆材におけるアルキッド樹脂又はワックス類が被覆肥料
に対し0.5〜3重量%で且つ水に可溶あるいは膨潤す
る物質の添加量がアルキッド樹脂又はワックス類に対し
1〜10重量%、二次被覆材が被覆肥料に対し2〜12
重量%、三次被覆材のうちのアルキッド樹脂が被覆肥料
に対し4〜10重量%で且つ水に可溶あるいは膨潤する
物質の添加量がアルキッド樹脂に対し0.2〜7重量%
である多層被覆粒状肥料、さらに、被覆最外層のアルキ
ッド樹脂および/または被覆最内層のアルキッド樹脂又
はワックス類に水に可溶あるいは膨潤する物質から選ば
れた少なくとも、1種類を含む材を添加した多層被覆粒
状肥料を提供するものである。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
使用されるワックス類としては合成ワックス、天然ワッ
クス、配合ワックスのいずれかを使用できるが被覆肥料
の保管環境から60℃以上の融点を有するワックスが好
ましい。また、EVA等の改質材を含有せしめて使用す
ることもできる。
【0011】また、製造時の各工程における均一被覆性
を考慮したときのワックス類に要求される物性として適
度な融点分布が必要となる。即ち、三層被覆(第一層:
ワックス+膨潤材、第二層:ワックス類 第三層:アル
キッド樹脂)を例に取って述べると先ず第一層、第二層
の被覆は溶融したワックスを肥料表面に噴霧し瞬間的に
固化せしめて被膜を形成する。
【0012】このときのワックスの分子量分布(融点分
布)は極力均一な成膜化を図ることと最終段階(第三層
を被覆した後)でワックスを溶融処理し、平滑で均一な
膜を得るためには、例えば被覆温度を80℃とすると、
融点が80℃以下のワックスが3〜10重量%含むこと
が望ましく、また、溶融処理温度を90℃とすると、ワ
ックスは90℃以下で50〜80重量%溶融するものが
望ましい。
【0013】即ち、最外層のアルキッド樹脂を被覆し
て、内部のワックス類を加熱溶融させ成膜する場合、5
0重量%以上溶融することが絶対条件になる。一方、9
0℃以下で80重量%以上溶融するワックスの場合は軟
化溶融処理したとき内層が完全に液状化するため被覆時
に膜破損の恐れがあり好ましくない。ワックス類で一次
被覆され、さらにその表面をアルキッド樹脂と水に可溶
あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1種類
を含む材で二次被覆された多層被覆粒状肥料の場合のワ
ックス類の添加量は被覆肥料に対し2〜15重量%が望
ましい。
【0014】一方、アルキッド樹脂又はワックス類と水
に可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、
1種類を含む材で一次被覆され、その外層がワックス類
で二次被覆されさらにその表面をアルキッド樹脂と水に
可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1
種類を含む材で三次被覆された多層被覆粒状肥料の場合
のワックス類の添加量は第一層に使用したときは、被覆
肥料に対し0.5〜3重量%、第二層としては被覆肥料
に対し2〜12重量%が望ましい。
【0015】ワックス類の量がこれらの範囲以下の場合
は肥料表面全面を均一に成膜する事が困難となり溶出の
抑制効果が小さい。また、これ以上の場合では溶出抑制
効果が大きすぎ肥効制御が困難になるのに加え肥料有効
成分量が低下するため好ましくない。
【0016】更に、本発明においてもちいるアルキッド
樹脂とは無水フタル酸、無水マレイン酸等の多塩基酸と
ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコール
及び変性剤としての天然植物油または植物脂あるいは天
然動物脂と加熱縮合して得られる一般的なもので良く特
にその種類は限定されるものではない。
【0017】天然植物油または植物脂としては例えば、
大豆油、亜麻仁油、桐油、サーフラワー油、ヤシ油、パ
ーム油等が挙げられる。天然動物油としては例えば牛脂
が挙げられる。分子量は500〜5,000の範囲のも
のが好ましい。分子量が500未満の場合には不飽和油
との反応により生成する被膜が脆く、また硬化乾燥速度
も遅いため塗膜形成に長時間要する。
【0018】一方、分子量が5,000を越える場合に
は高粘度となり効率よく均一に被膜を形成することが困
難となる。また、分子中に共役二重結合を有する不飽和
油、エステルガムおよびボイル油を含有せしめて使用す
ることもできる。
【0019】分子中に共役二重結合を有する不飽和油と
しては例えば桐油、脱水ヒマシ油等が挙げられる。桐油
は共役二重結合を持つエレオステアリン酸を主成分とし
ている。脱水ヒマシ油は共役二重結合を持つ9,11リ
ノール酸を多く含む。これらの桐油、脱水ヒマシ油等を
そのままあるいは目的成分を精製して用いることもでき
る。
【0020】これらの不飽和油はアルキッド樹脂を希釈
し粘度を下げる効果とともにそれ自体金属石鹸の存在
下、不飽和油同士またはアルキッド樹脂と架橋し樹脂化
(固形化)するものである。
【0021】金属石鹸類としては通常、マンガン、コバ
ルト、ジルコニウム、ニッケル、鉄、鉛等のナフテン酸
類またはオクチル酸類が使用できる。例えばオクチル酸
ジルコニウム、ナフテン酸マンガン、オクチル酸コバル
トの単独またはその混合物を使用することができ、その
量はアルキッド樹脂と不飽和油の合計の0.5〜3重量
%の範囲が好ましい。これ以下では反応速度が遅く、ま
た、これ以上の場合は均一な成膜が困難となる。
【0022】エステルガルとはガムロジン、ウッドロジ
ン、トール油ロジンとグリセリン、ポリグリセリン、グ
リセリンピッチを常圧下で加熱して得られるロジン酸グ
リセリンエステルである。
【0023】ボイル油とは乾性油を常圧下で加熱して適
度のコンシステンシーを与え、脱色し乾燥剤を加えて乾
燥性を改良したものであり、乾性油としてはアマニ油、
エノ油、桐油、麻実油、大豆油、イワシ油が挙げられ
る。
【0024】ワックス類で一次被覆され、さらにその表
面をアルキッド樹脂と水に可溶あるいは膨潤する物質か
ら選ばれた少なくとも、1種類を含む材で二次被覆され
た多層被覆粒状肥料の場合のアルキッド樹脂の添加量は
被覆肥料に対し4〜10重量%が望ましい。
【0025】一方、アルキッド樹脂又はワックス類と水
に可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、
1種類を含む材で一次被覆され、その外層がワックス類
で二次被覆されさらにその表面をアルキッド樹脂と水に
可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1
種類を含む材で三次被覆された多層被覆粒状肥料の場合
のアルキッド樹脂の添加量は第一層に使用したときは、
被覆肥料に対し0.5〜3重量%、第三層は被覆肥料に
対し4〜10重量%が望ましい。
【0026】アルキッド樹脂の添加量が上記の値以下に
おいてはワックス類の被覆が充分でなく溶融、軟化処理
時にワックス類が表面上に滲みでてブロッキング等を起
こす。また、これ以上においては経済的でない。
【0027】水に可溶あるいは膨潤する物質としては界
面活性剤、エチレングリコール等のグリコール類とその
誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリオレフィングリコール類およびこれらの
誘導体、イソブチレン重合体、アクリル酸−ビニールア
ルコール共重合体、澱粉グラフト重合体、澱粉類等が挙
げられる。
【0028】水に可溶あるいは膨潤する樹脂の添加量
は、二次被覆層に配合する場合はアルキッド樹脂に対し
0.2〜10重量%が好ましい。これ以下においては溶
出に殆ど変化が見られない。また、これ以上においては
早い時期から溶出が始まり、いわゆる誘導期間が失われ
る。また、水に可溶あるいは膨潤する物質を一次および
三次被覆に添加する場合における添加量は一次被覆でワ
ックス類に対し1〜10重量%、三次被覆でアルキッド
樹脂に対し0.2〜7重量%が好ましい。
【0029】膨潤する樹脂の添加量は肥料表面への均一
塗布性と分散性およびワックス層を破壊するために有効
な範囲で制約され上記以下の添加では効果がなく、これ
以上加えても効果はあがらない。
【0030】本発明において被覆される肥料は通常、使
用される塩安、尿素、塩化加里等の単肥やNK化成、塩
加燐安、燐硝安加里等の複合肥料及び粒状の有機肥料等
のいずれでもよく特に制限されるものではない。又、被
覆方法は流動型や回転ドラム等の各れでも使用できる。
【0031】更にワックス類の添加量は被覆肥料に対し
2〜15重量%が望ましい。これ以下においては溶融、
軟化処理時の初期溶出抑制効果が小さい。また、これ以
上の場合溶出抑制効果が大きすぎて、肥効調節が充分お
こなえない。また、ワックス類の被覆温度は、ワックス
類の軟化温度以下であれば特に限定されるものではない
が、通常20〜150℃であり、熱エネルギーを考慮す
ると、常温に近い方が経済的である。また、初期溶出抑
制を目的におこなう溶融、軟化処理温度はワックス類の
溶融温度以上であれば特に限定されるものではないが最
適には溶融温度より5〜20℃高くするのが好ましく、
20℃以上にしても熱エネルギー的にも経済的ではな
い。
【0032】本発明の構成は溶出を抑制するワックス類
とその成膜技術並びに溶出を制御する最外層および/ま
たは最内層に設けた膜欠陥を誘起する技術に基づくもの
である。
【0033】ここで、肥料溶出(立ち上げと制御)の考
え方と溶出抑制のメカニズムとの関係を説明する。まず
本発明における溶出制御のメカニズムは一次被覆層のワ
ックス類の優れた耐水性とアルキッド樹脂系の最外層被
覆後に加熱溶融処理を行うことにより最外部のアルキッ
ド樹脂層に浸透しアルキッド樹脂の多孔性という熱硬化
性樹脂の欠陥を補う波及効果によって生み出される。
【0034】即ち、被覆成膜後ワックスの融点以上に加
熱することで成膜された一次、二次被覆層のワックスと
アルキッド層への浸透によりワックスとアルキッド層界
面の融着ならびにアルキッド層の欠陥補修による相乗効
果により溶出抑制と後半での溶出速度の制御が可能とな
る。
【0035】この場合の溶融処理温度はワックス類が3
0重量%、好ましくは50重量%以上溶融する領域が望
ましく、これ以下の場合にはワックス層の成膜と外層へ
のワックスの浸透が不十分で溶出抑制は困難である。
【0036】一方、溶出の立ち上げは最外層に予め設け
た欠陥とその程度により制御することが出来る。即ち、
水(水蒸気)の肥料内部への浸入は最外層に予め設けた
膜欠陥を通し内層のワックス層の一部の欠陥を通して肥
料を溶解する。
【0037】飽和溶液となった時点から、内外層の濃度
差により膜外部への溶出が始まるわけであるが、予め最
内層に水に可溶あるいは膨潤する物質(一種の欠陥誘発
剤)を入れておくと溶出は促進される。
【0038】この間の溶出制御は主に欠陥誘発剤の添加
量で支配される。ワックス層からの肥料成分の溶出は膨
張剤の場合はその膨張による膜の破壊で起こる訳である
が、ワックス類は比較的耐圧強度が小さいためこの膨張
圧では最外層のアルキッド層までは至らず、ワックス層
の段階で留まる。
【0039】従って、溶出が開始した後の溶出制御も最
外層のアルキッド層でコントロール可能である。即ち、
溶出の抑制/立ち上げ/立ち上げ後の制御の三段階の制
御が可能となる。具体的な制御手段としては、ワックス
類、アルキッド等の熱硬化性樹脂の種類、膜厚の制御、
欠陥誘発剤の種類・添加量でも可能であるし、最終段階
で加熱処理しワックスの成膜、浸透性を支配する処理温
度、時間等でも制御できる。
【0040】本発明において粒状肥料を被覆する方法
は、流動若しくは転動状態にする公知の方法により行う
ことができる。例えば、流動装置や噴霧流動装置により
流動状態に、回転パン、回転ドラム等により転動状態に
することが出来る。
【0041】また、被覆後の加熱処理は、加熱できる装
置で有れば特に限定されるものではないが、一次被覆層
および/または二次被覆層を溶融若しくは軟化状態にす
るため、被覆層の厚さの片寄りをなくす意味においても
流動もしくは転動状態にした方が好ましい。
【0042】本発明における被覆材の添加法としては、
効率よく分散添加出来れば噴霧、滴下によらず実施する
ことが出来る。通常、空気を用いて二流体ノズルによる
噴霧添加が好ましい。
【0043】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 塔径が10cmの流動被覆装置に平均粒径が3.3mm
の尿素800gを仕込み、下部より70m3/Hrで熱
風を送り流動させ70℃に保持した。
【0044】一方、上部より85℃に加熱したパラフィ
ンワックス(融点=75.4℃)を60℃の被覆温度で
2流体ノズルを用い、1.2g/minの速度で噴霧
し、一定膜厚の一次被覆粒状肥料を得た(被覆率=約6
重量%)。その後、上部より60℃に加熱したアルキッ
ド樹脂(60%大豆油変性アルキッド樹脂30%、ロジ
ン酸グリセリンエステル15%、桐油30%、ボイル油
20%、金属石鹸3%、皮張り防止剤2%)と高吸水樹
脂((株)住友精化製アクアキープ10SH)の混合物
を2流体ノズルを用い1.7g/minの速度で噴霧
し、一定膜厚の二次被覆粒状肥料を得た(被覆率=約8
%)。二次被覆終了後、熱風で80℃に昇温し20分溶
融処理を行った後、常温まで冷却し、目的の被覆肥料を
得た。得られた被覆肥料は窒素(N)の溶出試験に供し
た。アルキッド樹脂と高吸水樹脂との混合比は表1に示
した。
【0045】また、その結果を表2に示した。この溶出
率の測定は被覆粒状肥料を一定量の水に投入し、25℃
の恒温槽内に放置し一定期間後に取り出し、肥料と溶液
を分別し、水中に溶出した窒素分を定量し求める。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】実施例2、比較例1、2 塔径が10cmの流動被覆装置に平均粒径が3.3mm
の尿素800gを仕込み、下部より70m3/Hrで熱
風を送り流動させ70℃に保持した。
【0049】一方、上部より60℃に加熱されたアルキ
ッド樹脂(60%大豆油変性アルキッド30%、ロジン
酸グリセリンエステル15%、桐油30%、ボイル20
%、金属石鹸3%、皮張り防止剤2%)と高吸水樹脂
((株)住友精化製アクアキープ10SH)の混合物を
70℃の被覆温度で1.7g/minの速度で噴霧し、
一定膜厚の一次被覆粒状肥料を得た(被覆率=約1重量
%)。
【0050】一次被覆終了後、上部より85℃に加熱し
たパラフィンワックス(融点=75.4℃)を60℃の
被覆温度で2流体ノズルを用い1.2g/minの速度
で噴霧し、一定膜厚の二次被覆粒状肥料を得た(被覆率
=約6重量%)。
【0051】二次被覆終了後さらに上部より60℃に加
熱されたアルキッド樹脂(60%大豆油変性アルキッド
30%、ロジン酸グリセリンエステル15%、桐油30
%、ボイル20%、金属石鹸3%、皮張り防止剤2%)
と高吸水樹脂((株)住友精化製アクアキープ10S
H)の混合物を70℃の被覆温度で1.7g/minの
速度で噴霧し、一定膜厚の三次被覆粒状肥料を得た(被
覆率=約8重量%)。
【0052】三次被覆終了後、熱風で80℃に昇温し2
0分溶融処理を行った後、常温まで冷却し、目的の被覆
肥料を得た。得られた被覆肥料は窒素(N)の溶出試験
に供した。三次被覆層の高吸水樹脂の混合比は表3に示
すようにアルキッド樹脂に対し2.0重量%に固定した
(2.0重量%以外のものを比較例とした)。また、一
次被覆で用いるアルキッド樹脂と高吸水樹脂との混合比
は表3に示した。また、その結果を表4に示した。溶出
試験は実施例1に準ずる。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】実施例3、比較例3、4 塔径が10cmの流動被覆装置に平均粒径が3.3mm
の尿素800gを仕込み、下部より70m3 /Hrで熱
風を送り流動させ70℃に保持した。
【0056】一方、上部より85℃に加熱したパラフィ
ンワックス(融点=75.4℃)と高吸水樹脂((株)
住友精化製アクアキープ10SH)の混合物を60℃の
被覆温度で2流体ノズルを用い1.2g/minの速度
で噴霧し、一定膜厚の一次被覆粒状肥料を得た(被覆率
=約1.5重量%)。
【0057】一次被覆終了後、上部より85℃に加熱し
たパラフィンワックス(融点=75.4℃)を60℃の
被覆温度で2流体ノズルを用い1.2g/minの速度
で噴霧し、一定膜厚の二次被覆粒状肥料を得た(被覆率
=約5.5重量%)。
【0058】二次被覆終了後さらに上部より60℃に加
熱されたアルキッド樹脂(60%大豆油変性アルキッド
30%、ロジン酸グリセリンエステル15%、桐油30
%、ボイル20%、金属石鹸3%、皮張り防止剤2%)
と高吸水樹脂((株)住友精化製アクアキープ10S
H)の混合物を70℃の被覆温度で2流体ノズルを用い
1.7g/minの速度で噴霧し、一定膜厚の三次被覆
粒状肥料を得た(被覆率=約8重量%)。
【0059】三次被覆終了後、熱風で80℃に昇温し2
0分溶融処理を行った後、常温まで冷却し、目的の被覆
肥料を得た。得られた被覆肥料は窒素(N)の溶出試験
に供した。三次被覆層の高吸水樹脂の混合比は表5に示
すようにアルキッド樹脂に対し2.0重量%に固定した
(2.0重量%以外のものを比較例とした)。また、一
次被覆で用いるパラフィンワックスと高吸水樹脂との混
合比は表5に示した。また、その結果を表6に示した。
溶出試験は実施例1に準ずる。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【発明の効果】従来、特願平6−111014号でワッ
クス類で一次被覆し、その後、アルキッド樹脂等で二次
被覆し得られた被覆粒状肥料をさらに溶融、軟化処理す
ることによりブロッキングを起こすことなく噴霧付着し
た粒子間の欠陥を修復する方法を開示したが当該方法で
は作物の必要適期の養分供給可能な被覆粒状肥料という
点で必ずしも満足できるものではなかった。そこで、ア
ルキッド樹脂またはアルキッド樹脂およびワックス類に
水に可溶あるいは膨潤する物質等を混合し、さらにワッ
クス類を溶融、軟化処理することにより初期溶出を従来
法より低く押さえると共に溶出開始後は溶解が速やかで
且つ、溶出期間後期での溶出が大きく低下せず確実に溶
解完了するという、作物の必要適期に必要な養分供給を
可能とした被覆粒状肥料を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−315975(JP,A) 特開 平6−191980(JP,A) 特開 平6−56567(JP,A) 特開 平6−87684(JP,A) 特開 平2−275792(JP,A) 特開 昭63−147888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C05G 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状肥料の表面がワックス類で一次被覆
    され、さらにその表面をアルキッド樹脂と水に可溶ある
    いは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1種類を含
    む材で二次被覆された後、一次被覆材を溶融もしくは軟
    化処理してなることを特徴とする多層被覆粒状肥料。
  2. 【請求項2】 一次被覆材が被覆肥料に対し2〜15重
    量%、二次被覆材のうちのアルキッド樹脂が被覆肥料に
    対し4〜10重量%で且つ水に可溶あるいは膨潤する物
    質の添加量がアルキッド樹脂に対し0.2〜10重量%
    である請求項1記載の多層被覆粒状肥料。
  3. 【請求項3】 粒状肥料の表面がアルキッド樹脂又はワ
    ックス類と水に可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた
    少なくとも、1種類を含む材で一次被覆され、その外層
    がワックス類で二次被覆されさらにその表面をアルキッ
    ド樹脂と水に可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少
    なくとも、1種類を含む材で三次被覆された後、一次被
    覆材および/または二次被覆材を溶融もしくは軟化処理
    してなることを特徴とする多層被覆粒状肥料。
  4. 【請求項4】 一次被覆材におけるアルキッド樹脂又は
    ワックス類が被覆肥料に対し0.5〜3重量%で且つ水
    に可溶あるいは膨潤する物質の添加量がアルキッド樹脂
    又はワックス類に対し1〜10重量%、二次被覆材が被
    覆肥料に対し2〜12重量%、三次被覆材のうちのアル
    キッド樹脂が被覆肥料に対し4〜10重量%で且つ水に
    可溶あるいは膨潤する物質の添加量がアルキッド樹脂に
    対し0.2〜7重量%である請求項3記載の多層被覆粒
    状肥料。
  5. 【請求項5】 被覆最外層のアルキッド樹脂および/ま
    たは被覆最内層のアルキッド樹脂又はワックス類に水に
    可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1
    種類を含む材を添加したことを特徴とする請求項1〜4
    記載の多層被覆粒状肥料。
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