JP3454315B2 - 果実の品質向上および生育促進固体組成物 - Google Patents

果実の品質向上および生育促進固体組成物

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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/20Liquid fertilisers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルチンを有効成分とし
て含有する果実の品質向上および生育促進組成物に関す
る。さらに詳しくいえば、果実の生育促進作用を有する
水に難溶性のルチンを使用時に散布しやすい液剤に容易
に誘導することができ、果実に散布されたルチンの果皮
表面への付着性が良好でその効力が持続し、果実の品質
向上に有効な固体状の組成物に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】ナシ等の果樹に薬剤あるいは
肥料の水溶液を散布した場合、果面に作用した含有成分
の垂れ等により収穫時の果面に縦縞模様の傷害(以下、
当業界の慣用に従い単に「縦縞」という。)が発生す
る。薬剤中に添加される界面活性剤も縦縞の原因物質と
して挙げられているが、その詳細は未だ明らかではな
い。
【0003】最近、水溶性固着性ポリマーを薬液中に添
加して散布を行なうと、ポリマーが果皮のコルク化を促
進し、縦縞の発生を防止ないし抑制するとの報告がなさ
れている(平成2年度版、福島県果樹試験場業務報
告)。同報告によれば、ポリオキシエチレングリコール
アルキルエーテル等をデラン水和剤に添加してナシに散
布すると、縦縞のほとんど見られない外観良好な果実が
得られる。上記方法は、簡便で成績も良好なことから、
他の種々の活性物質ないし肥料に応用することにより縦
縞発生の少ない実用性の高い組成物が得られるものと期
待される。植物の生育促進作用を有することが知られて
いるルチン、およびマンガン、ほう素などの微量要素(m
icronutrient) との混合物(特公昭49-31789号、特開昭
55-64504号公報等参照。)もかかる応用が期待される配
合肥料組成物である。
【0004】ところが、ルチンは水に難溶性であるた
め、使用に際しては実際上大きな制約がある。すなわ
ち、植物の生育促進剤・生育調節剤として用いる場合、
適当な濃度で広く散布し植物体に吸収し易くするために
は、ルチンを水溶化して水溶解希釈液とするのが望まし
いが、水に難溶であるルチンを水溶液化にするには散布
前の準備に多大の手間と時間を要することになる。この
ため、市販品においては、ホウ砂との混溶によりルチン
−ホウ素錯体を形成してルチンを溶解せしめ、液体製剤
として需要者に提供されている。ところが、液体製剤
は、低温条件下に保存すると凍結膨張して容器を破損す
るため寒冷地での利用には不便である。また、高濃度の
液体製剤とすることができないため、輸送コストや保存
スペースが大きく不経済である。さらに、長期保存する
場合、ルチンの沈殿が生成・肥大化して薬剤としての効
果が低下する。こうした問題点を解消するための方策は
使用時に容易に水に溶解希釈し得る固体製剤を開発する
ことに尽きるが、そのためにはルチンを水に溶解性の形
態に誘導する必要がある。
【0005】このような状況において、従来、種々の方
法によりルチンの易溶化が試みられてきた。例えば、特
公昭25-1677 号には脂肪族アミンを添加する方法が記載
されており、特公昭26-2724 号にはモノハロゲノ酢酸を
作用させる方法、特公昭29-1285 号にはロンガリットを
作用させて亜硫酸化合物とする方法が記載されている。
また、上記特公昭49-31789号では、まずアンモニア水に
溶解し、その後、水で希釈する方法が記載されている。
さらに、特公昭54-32073号および特開平1-213293号に
は、ルチンにデンプンまたはその加水分解物を添加しグ
ルカノトランスフェラーゼの作用によってルチノース残
基にグルコース残基を転移させて水溶化を図る方法が記
載されている。
【0006】しかし、アミン等を添加する方法ではかか
る添加剤が薬剤の毒性や活性に影響を及ぼす場合があり
好ましくない。アンモニア水に溶解する方法は、農家に
おいてこの方法を行なう場合には作業者にとって操作の
手間や操作時の悪臭が不都合である。また、この方法で
液体製剤として供給する場合でも、冬季の凍結や長期保
存による沈殿析出の問題が残る。特にマンガン等の微量
要素(micronutrient)を含有する場合にはルチンとのキ
レートが生成し、不溶性の沈殿を生じたり、ルチンの酸
化分解を引き起こすという問題もある。さらに、トラン
スフェラーゼを使用する方法は、処理にかかるコストが
大きく農園芸用組成物の製造には実際上適さない。な
お、従来の液体製剤の製造原料であるルチンとホウ砂の
混合物をそのまま固体製剤として提供することも考えら
れ、特公昭49-31789号公報にはそのような製剤例の記載
がある。しかし、この場合、最終的に得られる溶液中の
ルチン濃度は高いものの、ルチンーホウ素が錯体を形成
して溶解・安定するまでには長時間の撹拌が必要であ
り、需要者方において実施する場合には設備や手間の負
担が大きく実際的でない。
【0007】さらに、上記公報に記載されているような
マンガン、ほう素などの微量要素からなる液体製剤で
は、これに果実のコルク化を促進する水溶性(固着性)
ポリマーを混溶すると、微量要素成分であるホウ砂と水
溶性固着性ポリマーが反応し、水溶液のゲル化をもたら
す。この結果、ルチン−微量要素を実用的濃度とする
と、保存中に粘度が増大し、十分な流動性のある製剤、
すなわち、使用時容易に水で希釈できる製剤が提供でき
ない。流動性を高めるためには成分濃度を低くすればよ
いが、有効成分単位量当たりの物流コストが過大となり
実際的でない。
【0008】
【解決しようとする課題】従って、本発明の課題は、保
存状態では水溶性固着性ポリマーとホウ素との反応によ
るゲル化が起こらず、使用時には容易に水に溶解せしめ
ることができ、縦縞の発生等果実の品質に悪影響を及ぼ
すことがない、固体状のルチン製剤を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のル
チン含有製剤の問題点を解消すべく、ルチン−ホウ砂含
有製剤の改良を試み、従来の液体製剤中で生成・存在し
ていると考えられるルチン−ホウ素錯体の安定性および
水溶性について検討した。この結果、かかるルチン−ホ
ウ素錯体は、水分を除去しても長期間安定な粉末として
得られ、水溶性固着性ポリマーと混合してもゲル化増粘
の問題を引き起こさずに保存・輸送ができること、しか
もこの混合物は水溶性が高いことを確認し、本発明を完
成するに至った。
【0010】
【発明の構成】すなわち、本発明は 1)粉末化したルチン−ホウ素錯体と水溶性固着性ポリ
マーを含有することを特徴とする果実の品質向上および
生育促進固体組成物、 2)粉末化したルチン−ホウ素錯体と水溶性固着性ポリ
マーと水溶性肥料および/または水溶性糖類とを含有す
ることを特徴とする果実の品質向上および生育促進固体
組成物、 3)粉末化したルチン−ホウ素錯体(A)と水溶性固着
性ポリマー(B)と水溶性肥料および/または水溶性糖
類および/または水溶性塩類(C)との配合割合は、
(A)が1〜60重量%、(B)が5〜30重量%、
(C)が10〜94重量%である前記2に記載の果実の
品質向上および生育固体促進組成物、および 4)さらに界面活性剤および/または水溶性塩類(D)
を組成物の総量中10重量%まで含有する前記3に記載
の果実の品質向上および生育促進固体組成物、を提供す
るものである。
【0011】本発明のルチン−ホウ素錯体粉末(以下、
「水溶化ルチン」という)の製造のためには、まず、ホ
ウ砂水溶液に撹拌しながらルチンを添加し、ルチンの全
量を溶解させる。ルチンが溶解して錯体を形成するまで
には長時間を要するが、肥料生産のための通常の設備を
有する工場では、自動運転等により比較的容易に行なう
ことができる。ルチンはホウ砂に対しモル比で1以下の
量を用いる。ルチンが過剰であるとその全量が錯体とな
らないため、次工程の蒸発乾固の際に難溶性ルチンが析
出する。錯体は1:1で形成されるものと考えられるた
め、ホウ砂過剰では錯体を形成していないホウ砂が混在
することになるが、ホウ砂はそれ自体が肥料分であるた
め、特に添加量を制限する必要がない限り問題ない。溶
解をより容易にするため、水溶液を常温以上沸点以下、
好ましくは50℃〜90℃に加熱してルチンを添加する
ことが好ましい。溶解に要する時間は、目的とするルチ
ン濃度、溶解槽の性能にもよるが、通常、30分〜1時
間程度である。
【0012】本発明で用いる水溶化ルチンは、上記の溶
解工程に続いて水分を蒸発させることにより得られる。
蒸発乾固は、熱風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥または噴霧
乾燥など、既知の任意の方法を用いることができる。比
較的低温での噴霧乾燥または凍結乾燥が好ましい。噴霧
乾燥によれば微細な粉末を得ることができる。また、比
較的低温、好ましくは60℃以下の真空ないし減圧乾燥
あるいは凍結乾燥で錯体が安定に析出する。
【0013】製剤化は、水溶化ルチンに、水溶性固着性
ポリマー、および水溶性肥料成分、水溶性糖類、さらに
必要に応じ水溶性塩類、粉状の界面活性剤等の補助剤を
粉体混合し、慣用の粉砕手段、例えば、ハンマーミル、
ピンミル、ジェットミル等で微粉砕しそのまま粉末製剤
とするか、あるいは、これをコンパクティングロール等
の加圧成形機で加圧成型造粒するか、または、少量の水
または有機溶剤を加えて混練し押出造粒機等で造粒、乾
燥して顆粒製剤とするか、あるいはまた、打錠機で打錠
してタブレット製剤として行なうことができる。組成物
中における水溶化ルチンの添加量は、水難溶性ルチン3
水和物に換算して1〜60重量%、好ましくは5〜20
重量%とする。添加量が少ないとルチンの効果が十分に
発揮されず、多いと溶解性が悪くなり、コスト高とな
る。
【0014】本発明で使用する水溶性固着性ポリマー
は、散布時の薬液の飛散を防ぎ、薬剤・肥料成分を、そ
の効力が十分持続するだけの期間植物体上へ固着させる
性質を有するものである。その例としては、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン
オキシドおよびこれらの脂肪酸エステルまたはアルキル
エーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、各種変性デンプン等の合成または半合成水溶性高分
子、ゼラチン、トラガントゴム、アラビヤゴム、アルギ
ン酸ナトリウム、コンニャク、コーンスターチ等の天然
水溶性高分子が挙げられる。果面の状態を良好に保つと
いう目的から、これらの成分の添加量は、5〜30重量
%、好ましくは10〜20重量%とする。
【0015】ルチンによる生育促進作用を十分に発揮さ
せるためには、水溶性肥料成分もしくは糖類またはこれ
に加えて水溶性塩類を併用することが望ましい。この目
的のために組成物に加えられる肥料成分、糖類等の水溶
性成分の添加量は、10重量%以上94重量%である。
10重量%未満であるとその効果が十分発揮されず、9
4重量%を越えるとルチンの添加量が少なくなりルチン
の効果が十分に発揮されなくなる。肥料成分の例として
は、尿素、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の窒
素含有成分、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等のリ
ン含有成分、硫酸カリウム等のカリウム含有成分、ホウ
砂のようなホウ素含有成分、硫酸マンガンのようなマン
ガン含有成分、硫酸マグネシウムのようなマグネシウム
含有成分等が挙げられる。糖類の例としては、デキスト
リン、乳糖、果糖、ショ糖、ブドウ糖が挙げられる。水
溶性塩類の例としては、食塩、ボウ硝、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウム、マレイン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0016】また、本発明組成物を実際に散布するに際
してはさらに水で希釈するが、この際の希釈性ないし分
散性、植物への展着性、さらに植物体への吸収性を高め
る目的から界面活性剤その他の補助剤等を添加すること
が好ましい。この添加量は慣用のとおりであり、10重
量%以下、2.5 〜5重量%が好ましい。10重量%を越
えると泡立ちが多くなり、散布性能が悪くなる。場合に
よっては植物に対して薬害が出やすくなることがある。
界面活性剤の例としては、オレイン酸ナトリウム、ステ
アリン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキ
ルジフェニルエーテルサルフェート、アルキルジフェニ
ルエーテルジスルホネート、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸ナトリ
ウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩等
が挙げられる。特にサルフェート型またはスルホネート
型の界面活性剤が好ましい。
【0017】
【発明の具体的開示】以下に実施例を挙げて説明する
が、本発明は下記の記載に制限されるものではない。実施例1 ホウ砂10水塩 5.8gを水40.0gに加え、撹拌しながら
60℃に昇温して撹拌を続けホウ砂を溶解した。次い
で、この水溶液に撹拌しながら水難溶性ルチン3水塩1
0.0gを加えて溶解した。この水溶液を60℃水浴上で
ロータリーエバポレータ−を用いて減圧乾燥し、乳鉢で
粉砕して水溶化ルチン粉末を得た。得られた水溶化ルチ
ン粉末15.8g(水難溶性ルチン3水塩として10.0g、ホ
ウ砂10水塩 5.8g相当)、ポリビニルアルコール(ゴ
ーセノールGL−05 (分子量300。日本合成化学工
業株式会社製) )20.0g、硫酸マンガン1水塩 3.0g、
およびブドウ糖61.2gを電気ミキサーで十分に混合して
から遠心粉砕機(日本精機株式会社製)で粉砕、さらに
電気ミキサーで均一混合して水難溶性ルチン3水和物と
して10重量%相当量およびポリビニルアルコール20.0
重量%を含有する水溶性ルチン粉末製剤(粉末製剤1)
を得た。
【0018】比較例1 ポリビニルアルコール20.0gを使用せず、代わりにブド
ウ糖を20.0g増量して81.2gとした他は実施例1と同様
の操作により、水溶性固着性ポリマーを含有しない水溶
性ルチン粉末製剤(比較製剤A)を得た。
【0019】比較例2 水溶化ルチン粉末15.8gと硫酸マンガン1水塩 3.0gを
使用せず、代わりにブドウ糖を18.8g増量して80.0gと
した他は実施例1と同様の操作により、ルチンと肥料成
分とを含有しない水溶性ルチン粉末製剤(比較製剤B)
を得た。
【0020】実施例2 ホウ砂10水塩 144.0gを水 600.0gに加え、撹拌しな
がら80℃に昇温して撹拌を続けホウ砂を溶解した。次
いで、この水溶液に撹拌しながら水難溶性ルチン3水塩
100.0gを加えて溶解した。この水溶液をヤマトスプレ
ードライヤーGB−21型機(ヤマト科学株式会社製)
を用いて、吹き込み温度100℃、排気温度50℃〜5
2℃で乾燥し、水溶化ルチン粉末を得た。得られた水溶
化ルチン粉末24.4g(水難溶性ルチン3水塩として10.0
g、ホウ砂10水塩14.4g相当)、ポリビニルアルコー
ル(ゴーセノールGL−05 (分子量 500。日本合成化
学工業株式会社製) )20.0g、硫酸マンガン1水塩 7.7
g、リグニンスルホン酸ナトリウム 3.0gおよびブドウ
糖44.9gを実施例1と同様にして水難溶性ルチン3水和
物として10重量%相当量を含有する水溶性ルチン粉末
製剤(粉末製剤2)を得た。
【0021】実施例3 ホウ砂10水塩290gを水1200gに加え、撹拌しなが
ら80℃に昇温して撹拌を続けホウ砂を溶解した。次い
で、この水溶液に撹拌しながら水難溶性ルチン3水塩 5
00gを加えて溶解した。この水溶液を実施例2と同様に
して乾燥し、水溶化ルチン粉末を得た。得られた水溶化
ルチン粉末79g(水難溶性ルチン3水塩として50
g、ホウ砂10水塩29g相当)、カルボキシメチルセ
ルロース(試薬1級)100g,ホウ砂10水塩29
g、硫酸マンガン1水塩26g、ジアルキルスルホコハ
ク酸ナトリウム25g、第一リン酸カルシウム347
g、硫酸アンモニウム100gおよびショ糖294gを
ポリエチレン袋で混合してから、サンプルミル(ホソカ
ワミクロン株式会社製)で粉砕して、水難溶性ルチン3
水和物として5重量%相当量を含有する水溶性ルチン粉
末製剤(粉末製剤3)を得た。
【0022】実施例4 実施例1で得られた粉末製剤をコンパクティングロール
(Freund Industrial Co. Ltd. 製、ローラーコンパクタ
ー MODEL mini)で加圧成型し、解砕機(FreundIndustria
l Co. Ltd. 製、解砕機 TYPE mini) で解砕後、 0.5m
mおよび 1.0mm篩で篩別して、水難溶性ルチン3水和
物として10重量%相当量を含有する 0.5mm〜 1.0m
mの水溶性ルチン顆粒製剤(顆粒製剤1)を得た。
【0023】試験例1(溶解性試験) 粉末製剤1〜3および顆粒製剤1を用いてその溶解性を
調べたところ、15℃の水に溶解するに要する時間は短
時間であり、ゲル化増粘を生じることなく散布液を調製
することができた。
【0024】試験例2(品質向上・生育促進効果) 粉末製剤1および2ならびに比較製剤AおよびBを用
い、それぞれを1000倍に希釈した水溶液を7年生の梨
(品種:幸水)に7月18日、7月23日、7月31日
の3回、1区3樹当たり45リットル散布した。9月1
3日に、果重(50果/1区)、果実面のコルク質の形
成状態(品質)(50果/1区)、糖度(10果/1
区)について調査した。なお、コルク質形成状態の評価
は、表1に従い各果実について決定される指数の平均値
(コルク化指数):
【0025】
【数1】コルク化指数={Σ(指数×調査果数)/(4
×調査果数)}×100
【0026】により示す。コルク化指数が70以上であ
れば縦縞はほとんど観察されず良好な外観である。結果
を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】本結果より、粉末製剤1および2を溶解希
釈して調製した水溶液を散布した実験区では、無散布区
と比較すると、梨の果重が10%以上増加し、果実外観
も優れている。また、糖度にも若干の増加が見られ、収
穫適期も早まった。果重および糖度の改善する効果なら
びに収穫適期を早期化する効果はルチンを使用しない場
合(比較製剤B)には観察されない。また、水溶性固着
性ポリマーを使用しないでルチンのみを用いた場合(比
較製剤A)にはコルク化指数が低く、収穫適期を早期化
する効果も十分には発揮されなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の組成物は、従来の水難溶性ルチ
ンに代えて水溶化ルチンを使用し、これに水溶性固着性
ポリマー、水溶性肥料成分等を配合して固体製剤として
いるため、使用時容易に水に溶解希釈でき、高濃度製剤
によるゲル化増粘等の問題がない。本剤の組成物は、ル
チンおよび微量要素の働きにより花芽増加、生育促進に
よる収量増加および収穫に要する期間の短縮、糖度の増
加等の効果を有する。また、水溶性、固着性ポリマーを
含有するため、果面のコルク層の形成が促進されて品質
向上効果を有する上に、上記水溶性固着性ポリマーがル
チン等の有効成分を植物体上に固着させるため、これら
の成分の効果が持続し多雨地域においてもすぐれた効果
を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−64504(JP,A) 特開 平2−221207(JP,A) 特開 昭50−140449(JP,A) 特公 昭49−31789(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 7/00 A01N 43/16 A01N 55/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末化したルチン−ホウ素錯体と水溶性
    固着性ポリマーを含有することを特徴とする果実の品質
    向上および生育促進固体組成物。
  2. 【請求項2】 粉末化したルチン−ホウ素錯体と水溶性
    固着性ポリマーと水溶性肥料および/または水溶性糖類
    および/または水溶性塩類を含有することを特徴とする
    果実の品質向上および生育促進固体組成物。
  3. 【請求項3】 粉末化したルチン−ホウ素錯体(A)と
    水溶性固着性ポリマー(B)と水溶性肥料および/また
    は水溶性糖類および/または水溶性塩類(C)との配合
    割合は、(A)が1〜60重量%、(B)が5〜30重
    量%、(C)が10〜94重量%である請求項2に記載
    の果実の品質向上および生育促進組成物。
  4. 【請求項4】 さらに界面活性剤(D)を組成物の総量
    中10重量%まで含有する請求項3に記載の果実の品質
    向上および生育促進固体組成物。
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