JP3453485B2 - 鋳物砂の処理方法及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳物砂の処理方法及び鋳型の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガス硬化にお
ける鋳物砂の処理方法及び鋳型の製造方法に関するもの
である。
【0002】更に詳しくは、水溶性フェノール樹脂を粘
結剤として用い、これを炭酸ガスで硬化せしめるプロセ
スに用いられる改良された鋳物砂の処理方法及び鋳型の
製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】有機粘結剤を用いて主型や中子のような
鋳型を製造する造型法として、自硬性鋳型造型法、クロ
ーニング鋳型造形法(シェル法)、コールドボックス鋳
型造型法が公知である。特に、自硬性鋳型造型法は、機
械鋳物分野を中心に生産性、鋳物品質、安全衛生上の観
点から、無機系に代わり既に汎用的な造型法となってい
る。
【0004】一方、従来、中、高速で鋳型を製造するに
は、フェノール樹脂を粒状耐火物に被覆した、いわゆる
コーテッドサンドを加熱硬化して鋳型を製造するクロー
ニング鋳型造型法が幅広く使用されている。
【0005】しかし、クローニング鋳型造型法において
は、鋳型製造時の省エネルギー、鋳型生産速度、更に鋳
型、鋳物の品質という点で問題点があり、その問題点を
改善するため、ガス状またはエロゾル状物質を硬化剤と
して常温硬化させるコールドボックス鋳型造型法が、ク
ローニング鋳型造型法を代替する鋳型の製造法として鋳
物業界で真剣に導入が試みられて来たが、いずれも硬化
ガスとして蟻酸メチル、アミン等の有毒ガスを使用する
ため造型時の作業環境及び注湯後の環境が劣悪となり、
その改善が望まれていた。
【0006】そこで、炭酸ガス硬化性鋳型造型法が近年
開発されたが、この造型法は自硬性鋳型造型法、クロー
ニング鋳型造型法(シェル法)、コールドボックス鋳型
造型法に比べて、作業環境、鋳物品質、及び鋳型造型生
産性が優れるということで注目されている。これらの炭
酸ガス硬化性鋳型造型法に用いられる粘結剤組成物とし
ては特公平4-76947 号公報、特開平4-339535号公報、特
開平7-185731号公報等に開示されている。
【0007】さらに、水溶性フェノール樹脂を粘結剤と
して用いて有機エステルで硬化させる鋳型造型法におい
て、耐火性粒状材料に酸を付与することが特開平5-5017
6 号公報に記載されているが、再使用のために再生した
耐火性粒状材料(有機エステル硬化で使用されたもの)
を用いる際の鋳型の強度向上を目的とするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】炭酸ガス硬化性鋳型造
型法は、粘結剤中に硫黄原子を含まないためフラン樹脂
やレゾールフェノール樹脂を有機スルフォン酸や硫酸の
ような酸で硬化する酸硬化性鋳型造型法に比較して浸硫
の傾向が小さい等の長所を有するが、反面酸硬化性鋳型
造型法に比較して、鋳型強度が低いため、造型に必要と
なる樹脂の添加量が非常に多くなり、注湯時の発生ガス
量が多くガス欠陥が出やすい、経済性も良くないといっ
た欠点を有していた。
【0009】また、一旦鋳造に使用した回収砂では鋳型
強度が新砂に比べ低く、鋳込み再生を繰り返していく
と、更に鋳型強度が低下し、樹脂混練砂の可使時間が短
いといった欠点を有している。従って、再使用のために
再生した耐火性粒状材料を使用して鋳型を製造するに
は、鋳型強度を維持するために樹脂の使用量及び新砂の
補給量を多くする必要があるといった問題点を有してお
り、改良が望まれている。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、これら
問題点を解決すべく、鋭意研究の結果、水溶性フェノー
ル樹脂を粘結剤とし、これを炭酸ガスで硬化せしめる鋳
型の製造方法において、酸解離指数pKa が 5.0以下の酸
を併用することにより、鋳型強度及び樹脂混練砂の可使
時間が大幅に向上することを見出し本発明を完成するに
至った。
【0011】すなわち、本発明は、水溶性フェノール樹
脂を炭酸ガスで硬化させる鋳型製造法に用いられる耐火
性粒状材料に酸解離指数pKa が 5.0以下の酸を付与する
ことを特徴とする鋳物砂の処理方法に関する。
【0012】また、本発明は、水溶性フェノール樹脂を
炭酸ガスで硬化させる鋳型製造法において、耐火性粒状
材料に酸解離指数pKa が 5.0以下の酸を付与させて使用
することを特徴とする鋳型の製造方法に関する。
【0013】さらに、本発明は、耐火性粒状材料が、再
使用のために再生した耐火性粒状材料(以下、再生砂と
いう)を50重量%以上含むものであり、さらに再生砂が
灼熱減量が 5.0重量%以下の再生砂である上記の鋳物砂
の処理方法又は鋳型の造型方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(酸の説明)本発明に用いられる酸は酸解離指数pKa
5.0以下のものである。酸の中でも酸解離指数pKa
5.0以下のものは、再生砂に残留しているアルカリと結
合し易く、強アルカリ塩となると同時に炭酸アルカリ塩
の脱炭酸作用が生じる効果が大きくなると推定され、再
生砂の鋳型強度が向上する。
【0015】本発明に用いられる酸解離指数pKa が 5.0
以下の酸としては、無機酸及び有機酸のどちらも使用で
きる。無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、燐酸
等が挙げられる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、蓚酸、
安息香酸、グリコール酸等のカルボン酸、スルファミン
酸、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸等のスルホン酸や、メチル燐酸、エチル燐
酸等の有機燐酸エステル等が挙げられる。本発明におい
ては、これらの中から選ばれる単独又は2種以上を使用
することで、再生砂の鋳型強度が向上する。
【0016】(鋳物砂の処理方法の説明)本発明の鋳物
砂に酸を付与する処理方法は特に限定されてないが、耐
火性粒状材料 100重量部に酸解離指数pKa が 5.0以下の
酸0.0001〜15重量部、好ましくは0.001〜10重量部を混
練する方法が好ましい。混練方法は、耐火性粒状材料と
酸が程良く均一に混ざるものであれば、特に限定されな
い。この処理砂を用いて、炭酸ガス硬化法による鋳型の
製造には周知の方法が適用できる。
【0017】(鋳型製造法の説明)鋳型製造法として
は、水溶性フェノール樹脂を炭酸ガスで硬化させる炭酸
ガス硬化法が用いられる。本発明において、炭酸ガス硬
化法によって鋳型を製造するには、耐火性粒状材料 100
重量部に、酸解離指数pKa が 5.0以下の酸を0.0001〜15
重量部、好ましくは 0.001〜10重量部、及び水溶性フェ
ノール樹脂 0.5〜15重量部、好ましくは 0.7〜10重量部
を周知の方法で混練し、木型等の模型に手込め又は加圧
空気でのブローイングにより模型中に充填し、炭酸ガス
を耐火性粒状材料に対して 0.1〜30重量部、好ましくは
0.2〜20重量部通気させることにより鋳型を製造するこ
とができる。この時、任意の割合で炭酸ガスに空気を混
合させてもよく、また、炭酸ガスのガス温度として通常
0〜100 ℃で通気されるが、更にガスを加熱(100 ℃以
上)させて用いてもよい。ガス圧、通気量は特に限定さ
れない。
【0018】尚、耐火性粒状材料と酸解離指数pKa
5.0以下の酸と水溶性フェノール樹脂との混練方法とし
ては、前記の鋳物砂処理方法の説明で記載したように、
予め酸で処理した耐火性粒状材料と水溶性フェノール樹
脂とを混練してもよいし、耐火性粒状材料と酸と水溶性
フェノール樹脂とを同時に混練してもよく、特に限定さ
れるものではない。
【0019】(耐火性粒状材料の説明)本発明に用いる
耐火性粒状材料は、再生砂を50重量%以上含むものであ
ることが好ましく、鋳型強度を高く樹脂混練砂の可使時
間を長く保持させるには、再生砂の灼熱減量が 5.0重量
%以下が好ましく、更に 2.0重量%以下が最も好まし
い。本発明における再生砂とは再使用のために再生した
耐火性粒状材料のことをいう。再生砂としては、水溶性
フェノール樹脂を粘結剤として炭酸ガスで硬化させた鋳
型を組み立て鋳造した後、取り出した使用済み鋳型(塊
状の凝集体)を機械的な振動などにより砂粒単位にまで
ばらばらにしたものを用いることができる。さらに、こ
のように回収した砂を砂再生機やばい焼機に供して砂表
面をスクラビング等の再生処理を行ったものも用いるこ
とができる。再生処理した砂を用いると、粘結剤で鋳型
を造型した場合の鋳型強度向上が図られる。また、本発
明で使用される再生砂の灼熱減量が 5.0重量%以下が好
ましい理由としては再生砂の無機表面が多くなり、更に
2.0重量%以下であれば無機表面上の水酸基が豊富にな
り、粘結剤との結合力が高まるからである。耐火性粒状
材料の種類としては石英質を主成分とする珪砂の他、ク
ロマイト砂、ジルコニア砂、オリビン砂、人工合成ムラ
イト砂等の無機耐火性粒状物が使用されるが、特に限定
されるものではない。
【0020】(水溶性フェノール樹脂の説明)本発明に
用いられる水溶性フェノール樹脂とは、炭酸ガスで硬化
可能な樹脂であり、フェノール、クレゾール、レゾルシ
ノール、 3,5−キシレノール、ビスフェノールA、その
他の置換フェノールを含めたフェノール類及びこれらの
混合物と、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、フルフラールアルデヒド及びこれらの混合物のよう
なアルデヒドとの反応によって得られるフェノール樹脂
が挙げられる。これらのフェノール樹脂の縮合に用いら
れる適当なアルカリ性物質は水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウム及びこれらの混合物である
が、これらの中でも水酸化カリウムが好ましい。
【0021】本発明においては、硬化促進剤として硼
砂、アルミン酸ソーダ、錫酸ソーダ等のオキシアニオン
化合物から選ばれる1種以上を水溶性フェノール樹脂 1
00重量部に対して1〜10重量部を添加して用いてもよ
い。
【0022】更に、本発明においては、グリコールエー
テルを水溶性フェノール樹脂に添加してもよい。通常、
グリコールエーテルの添加量は、オキシアニオン化合物
を添加した水溶性フェノール樹脂 100重量部に対し1〜
20重量部添加配合する。グリコールエーテルとしては、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル等が挙げられる。
【0023】また、さらに鋳型強度を向上させる目的で
シランカップリング剤等の化合物を添加してもよい。シ
ランカップリング剤の添加量は、水溶性フェノール樹脂
100重量部に対して、好ましくは0.01〜3重量部であ
り、さらに好ましくは 0.1〜1重量部である。
【0024】
【作用】酸解離指数pKa が 5.0以下の酸を使用すること
により、水溶性フェノール樹脂を使用した鋳型から再生
された再生砂を用いて鋳型を製造する際に、鋳型強度及
び可使時間が著しく改善される機構については以下のよ
うに推定される。再生を繰り返すうちに、再生砂灼熱減
量成分として蓄積したアルカリ成分(例えばK2CO3 、Na
2CO3等の塩やKOH 、NaOH等の水酸化物)が、酸解離指数
pKa が 5.0以下の酸により中和及び脱炭酸されることに
より再生砂と粘結剤の反応性が回復する。
【0025】
【実施例】以下、実施例をもって本発明の詳細を説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。尚、以下の例における「%」は、「重量%」で
ある。
【0026】<比較例1〜3及び実施例1〜14で用いる
再生砂の調製方法>国産5号珪砂の新砂 100重量部に対
して、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5%
(樹脂に対して)を含有する水溶性フェノール樹脂(固
形分60%)を3重量部添加混練した混合物をガス硬化用
模型に充填し、炭酸ガス(ガス圧2kg/cm2、通気量100L
/min.)を新砂 100重量部に対して、3重量部通気し造型
した鋳型を用い、FC−250(S/M=3.5)相当品を
鋳造し、回収した砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造
(株)製M型ロータリーリクレーマーを用いて再生し
た。以上の工程を5回繰り返して得られた再生砂を試験
用再生砂(灼熱減量 0.9%)とした。
【0027】比較例1〜2及び実施例1〜8 炭酸ガス硬化型鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、上記の再生砂100重量部に対して、酸価(KOH
mg/g)を 500に調整した表1に示す酸の水溶液を0.3重量
部、及びγ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5%
(樹脂に対して)を含有する炭酸ガス硬化型水溶性フェ
ノール樹脂(固形分60%)を3重量部添加混練した混合
物を3時間密封状態で放置した後、50mmφ×50mmh のガ
ス硬化用テストピース用模型に充填を行い、炭酸ガス
(ガス圧2kg/cm2、通気量20L/min.)を再生砂 100重量
部に対して、3重量部通気し、続いてテストピースを直
ちに抜型し24時間後の抗圧力を測定した。結果を表1に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】*1:科学便覧基礎編II改訂2版(日本化学
会編)より *2:G.E.K. Branch and M.Calvin, The Theory of Orga
nic Chemistry, Prentice Hall, Englewood Cliffs, N.
J., 1945,p.207より *3:J.Horyna, Collection Czech. Chem. Commun.,24,1
956,2637(1959);27,1324(1961)より。
【0030】表1の結果より、比較例1〜2のテストピ
ースに比べて、実施例1〜8のテストピースの鋳型強度
が高いことが判る。即ち、本発明の方法によれば、鋳型
強度及び可使時間が改善されることが明白である。
【0031】比較例3及び実施例9〜14 炭酸ガス硬化型鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、上記の再生砂80重量部と新砂20重量部との混
合物に対して、酸価(KOHmg/g)を 500に調整した表2に
示す酸の水溶液を表2に示す量、及びγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン 0.5%(樹脂に対して)を含有す
る炭酸ガス硬化型水溶性フェノール樹脂(固形分60%)
を3重量部添加混練した混合物を3時間密封状態で放置
した後、50mmφ×50mmh のガス硬化用テストピース用模
型に充填を行い、炭酸ガス(ガス圧2kg/cm2,通気量20
L/min.)を再生砂80重量部と新砂20重量部との混合物に
対して、3重量部通気し、続いてテストピースを直ちに
抜型し24時間後の抗圧力を測定した。結果を表2に示
す。
【0032】
【表2】
【0033】表2の結果より、比較例3のテストピース
に比べて、実施例9〜14のテストピースの鋳型強度が高
いことが判る。即ち、本発明の方法によれば、鋳型強度
及び可使時間が改善されることが明白である。
【0034】<比較例4〜5及び実施例15〜22で用いる
再生砂の調製方法>国産6号珪砂の新砂 100重量部に対
して、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5%
(樹脂に対して)を含有する水溶性フェノール樹脂(固
形分60%)を3重量部添加混練した混合物をガス硬化用
模型に充填し、炭酸ガス(ガス圧2kg/cm2、通気量100L
/min.)を新砂 100重量部に対して、3重量部通気し造型
した鋳型を用い、FC−250(S/M=3.5)相当品を
鋳造し、回収した砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造
(株)製M型ロータリーリクレーマーを用いて再生し
た。以上の工程を5回繰り返して得られた再生砂を試験
用再生砂(灼熱減量 0.9%)とした。
【0035】比較例4〜5及び実施例15〜22 炭酸ガス硬化型鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、上記の再生砂100重量部に対して、酸価
(KOHmg/g)を 250に調整した表3に示す酸の水溶液を0.
3重量部、及びγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
0.5%(樹脂に対して)を含有する炭酸ガス硬化型水溶
性フェノール樹脂(固形分60%)を3重量部添加混練し
た混合物を3時間密封状態で放置した後、50mmφ×50mm
h のガス硬化用テストピース用模型に充填を行い、炭酸
ガス(ガス圧2kg/cm2,通気量20L/min.)を再生砂 100
重量部に対して、3重量部通気し、続いてテストピース
を直ちに抜型し24時間後の抗圧力を測定した。結果を表
3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3の結果より、比較例4〜5のテストピ
ースに比べて、実施例15〜22のテストピースの鋳型強度
が高いことが判る。即ち、本発明の方法によれば、鋳型
強度及び可使時間が改善されることが明白である。
【0038】<比較例6〜7及び実施例23〜30で用いる
再生砂の調製方法>国産6号珪砂の新砂 100重量部に対
して、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5%
(樹脂に対して)を含有する水溶性フェノール樹脂(固
形分60%)を5重量部添加混練した混合物をガス硬化用
模型に充填し、炭酸ガス(ガス圧2kg/cm2、通気量100L
/min.)を新砂 100重量部に対して、5重量部通気し造型
した鋳型を用い、FC−250(S/M=3.5)相当品を
鋳造し、回収した砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造
(株)製M型ロータリーリクレーマーを用いて再生し
た。以上の工程を5回繰り返して表4に示す灼熱減量
(%)の再生砂を得、これを試験用再生砂とした。
【0039】比較例6〜7及び実施例23〜30 炭酸ガス硬化型鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、表4に示す灼熱減量(%)の再生砂 100重量
部に対して、酸価(KOHmg/g)を 500に調整した表4に示
す酸の水溶液を 0.3重量部、及びγ−アミノプロピルト
リエトキシシラン0.5%(樹脂に対して)を含有する炭
酸ガス硬化型水溶性フェノール樹脂(固形分60%)を4
重量部添加混練した混合物を3時間密封状態で放置した
後、50mmφ×50mmh のガス硬化用テストピース用模型に
充填を行い、炭酸ガス(ガス圧2kg/cm2,通気量20L/mi
n.)を再生砂 100重量部に対して、4重量部通気し、続
いてテストピースを直ちに抜型し24時間後の抗圧力を測
定した。結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】表4の結果より、比較例6〜7のテストピ
ースに比べて、実施例23〜30のテストピースの鋳型強度
が高いことが判る。即ち、本発明の方法によれば、鋳型
強度及び可使時間が改善されることが明白である。
【0042】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、再生
砂を使用して鋳型を製造する場合において、本発明の方
法によれば、従来の製造方法によって得られる鋳型に比
べ高強度の鋳型が得られると同時に樹脂混練砂の可使時
間が改善される。その結果、粘結剤の使用量の低減が可
能になるので、鋳物砂の再生が容易となると同時に、鋳
込み時に鋳型から発生するガス量も低減できるため、ガ
ス欠陥の発生が抑制され良好な鋳物が製造でき、実用上
有益なものとなる。また、本発明の酸を使用することに
より鋳型製造時の可使時間も長くすることが可能にな
り、実用上鋳型の製造が容易になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−50176(JP,A) 特開 平8−215788(JP,A) 特開 平6−126378(JP,A) 特開 平6−210391(JP,A) 特開 平6−210392(JP,A) 特開 平6−210393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 9/12 B22C 1/00 - 1/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性フェノール樹脂を炭酸ガスで硬化
    させる鋳型製造法に用いられる耐火性粒状材料に酸解離
    指数pKa が 5.0以下の酸を付与することを特徴とする鋳
    物砂の処理方法。
  2. 【請求項2】 耐火性粒状材料が再使用のために再生し
    た耐火性粒状材料を50重量%以上含むものである請求項
    1記載の鋳物砂の処理方法。
  3. 【請求項3】 再使用のために再生した耐火性粒状材料
    が灼熱減量 5.0重量%以下のものである請求項2記載の
    鋳物砂の処理方法。
  4. 【請求項4】 水溶性フェノール樹脂を炭酸ガスで硬化
    させる鋳型製造法において、耐火性粒状材料に酸解離指
    数pKa が 5.0以下の酸を付与させて使用することを特徴
    とする鋳型の製造方法。
  5. 【請求項5】 耐火性粒状材料が再使用のために再生し
    た耐火性粒状材料を50重量%以上含むものである請求項
    4記載の鋳型の製造方法。
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