JP3452352B2 - 回転軸装置 - Google Patents

回転軸装置

Info

Publication number
JP3452352B2
JP3452352B2 JP18487199A JP18487199A JP3452352B2 JP 3452352 B2 JP3452352 B2 JP 3452352B2 JP 18487199 A JP18487199 A JP 18487199A JP 18487199 A JP18487199 A JP 18487199A JP 3452352 B2 JP3452352 B2 JP 3452352B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotary shaft
housing
passage
spacer
vacuum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18487199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001012483A (ja
Inventor
浩一 北村
章 近森
政雄 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Machine Industries Co Ltd
Original Assignee
Koyo Machine Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Machine Industries Co Ltd filed Critical Koyo Machine Industries Co Ltd
Priority to JP18487199A priority Critical patent/JP3452352B2/ja
Publication of JP2001012483A publication Critical patent/JP2001012483A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3452352B2 publication Critical patent/JP3452352B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)
  • Jigs For Machine Tools (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸側に吸着部
を備えた真空引き装置、その他の回転軸装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、小径円板等のワークを回転させ
ながら加工する加工機、或いはワークを回転させながら
洗浄する洗浄機では、ワークの着脱が容易に行えるよう
に、回転軸の一端にワーク用の吸着部を備えた真空引き
装置が使用されている。
【0003】この種の真空引き装置は、従来、上端に吸
着部を有する回転軸を上下一対の転がり軸受を介してハ
ウジングにより回転自在に支持し、その回転軸に、吸着
部に連通する吸引通路を、ハウジングの両転がり軸受間
に、真空源側に接続される吸引通路を夫々形成し、ハウ
ジングの内径側で上下の転がり軸受間に、回転軸側の吸
引通路とハウジング側の吸引通路とを連通する連通路を
設けると共に、この連通路の上下両側にオイルシール、
その他の接触式シールを設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の真空引き装置
は、連通路の上下両側に接触式シールを設けて、この接
触式シールにより各転がり軸受側から連通路側への大気
の進入を防止するようにしている。
【0005】しかし、回転軸が8000〜10000回
/分程度の高速で回転する場合には、オイルシール等の
接触式シールでは、その接触部分の摩擦熱による発熱が
著しく、シール寿命が非常に短くなる。従って、安定し
たシール性能を長期間に亘って維持することができず、
短期間で接触式シールの交換が必要となる等の問題があ
る。
【0006】本発明は、このような従来の課題に鑑み、
安定したシール性能を長期間に亘って継続的に維持でき
ると共に、構造が簡単で容易且つ安価に製作でき、しか
も交換、その他のメンテナンスを容易にできる回転軸装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸着部を有す
る上下方向の回転軸と、回転軸を少なくとも上下一対の
軸受を介して回転自在に支持するハウジングと、回転軸
に形成され且つ吸着部に連通する真空引き通路と、ハウ
ジングの両軸受間に形成され且つ真空源に接続される真
空引き通路とを夫々備え、ハウジングの内径側で両軸受
間に、両真空引き通路を連通する連通路を設けた回転軸
装置において、両軸受間で且つ連通路の上下両側に、回
転軸側とハウジング側との間をシールするラビリンスシ
ールを備え、該両ラビリンスシール間に、回転軸側の真
空引き通路からの液体を溜める溜まり部と、溜まり部の
液体を底壁部の通孔からハウジング側の真空引き通路を
経て外部に回収可能に両真空引き通路を連通する連通路
とを設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて詳述する。
【0009】図1及び図2は本発明の第1の実施形態を
例示する。図1において、W は小径円板等のワークであ
り、1 は回転軸装置としての真空引き装置で、加工機、
洗浄機等に組み込まれている。
【0010】真空引き装置1 は、上下方向の回転軸2
と、この回転軸2 の上端側に設けられ且つワークW を真
空引きにより着脱自在に吸着する吸着部3 と、上下一対
の転がり軸受4 を介して回転軸2 を回転自在に支持する
ハウジング5 とを備え、その回転軸2 に吸着部3 に連通
する流体通路6 が、ハウジング5 に図外の真空源に接続
される流体通路7 が夫々設けられ、その回転軸2 とハウ
ジング5 との間に、流体通路6 と流体通路7 とを連通す
る連通路8 と、この連通路8 の上下両側に配置されたラ
ビリンスシール9 とが設けられている。
【0011】吸着部3 は、上面側の中央に略同心状に吸
着凹部10が形成されており、回転軸2 の上端側の固定ボ
ルト11等により着脱自在に固定されている。回転軸2
は、その上部側の中心部分に、吸着部3 の吸着部凹部10
に連通する流体通路6 が軸方向に形成されると共に、下
端側が図外の駆動源に連結され、その駆動源により高速
で回転駆動されるようになっている。
【0012】ハウジング5 は、所定の支持枠12側に、こ
の支持枠12から上側に突出するように固定されている。
このハウジング5 には、上下の転がり軸受4 間の略中央
に、径方向に貫通する流体通路7 が形成されている。転
がり軸受4 は、例えばボール軸受等であって、外輪13と
内輪14との間に多数のボール15を介在してなり、上下方
向に所定の間隔をおいてハウジング5 と回転軸2 との間
に介在されている。
【0013】各転がり軸受4 の内輪14は、回転軸2 の小
径部16に着脱自在に套嵌されると共に、回転軸2 の大径
部17の上下両端の段部と、小径部16側に螺合された固定
ナット18との間で内輪押さえ体19を介して固定されてい
る。各転がり軸受4 の外輪13は、ハウジング5 の内径側
に嵌合されると共に、上下の外輪13間に介在された外輪
用間座21,22 と、ハウジング5 の上下両端に固定された
外輪押さえ体20とにより固定されている。
【0014】ハウジング5 の内径側は、上下の各転がり
軸受4 に亘る上下方向の全体が略同一径であり、その内
径側に各転がり軸受4 の外輪13、外輪用間座21,22 及び
外輪押さえ体20が着脱自在に嵌合されている。外輪押さ
え体20は、そのフランジ部がハウジング5 の上下の両端
面にボルト等で着脱自在に固定されている。なお、内輪
押さえ体19の外径面と外輪押さえ体20の内径面との間に
は微小間隙があり、両者は非接触状態で相対回転可能に
なっている。
【0015】外輪用間座21,22 は、上下の転がり軸受4
間に1個又は複数個、例えば3個あり、その中央の外輪
用間座21に連通路8 が形成されている。なお、この連通
路8は、外輪用間座21の内径側の周溝23と、この周溝23
から流体通路7 側に連通する径方向の通孔24とにより構
成されている。なお、連通路8 は、上下の転がり軸受4
間の略中央に配置されている。
【0016】上下の各外輪用間座22には、その内径側に
ラビリンスシール9 が夫々設けられている。ラビリンス
シール9 は、上下の転がり軸受4 間で且つ連通路8 の上
下両側において、回転軸2 側とハウジング5 側との間を
シールするためのものであり、図2に示すように、各外
輪用間座22の内径側に一体に形成された絞り壁25と、回
転軸2 の大径部17の外径側のシール面29とによって構成
されている。
【0017】絞り壁25は、外輪用間座22の上下方向に所
定間隔(例えば、略等間隔)をおいて複数個設けられて
おり、従って、外輪用間座22の内径側には絞り壁25と凹
部26とが上下方向に交互に形成されている。
【0018】各絞り壁25は、内径側の軸方向の寸法が小
さくなる断面台形状であって、周方向に連続して環状に
形成され、またその連通路8 に近い内側面27と、これと
反対の外側面28の直径方向に対する傾斜角度は、各転が
り軸受4 側からの大気が進入し難くなるように、内側面
27に比較して外側面28が小さくなっている。 従って、
外輪用間座22の内径側の断面形状は、その外側面28で大
気の進入を阻止するように、複数個の絞り壁25によって
全体として略鋸歯状に構成されている。
【0019】各絞り壁25の内端側の内径と回転軸2 側の
シール面29の外径との間隙は、例えば直径で0.02〜
0.05mm程度の微小間隙となっている。なお、シー
ル面29は平滑面となっいる。
【0020】上下の外輪用間座22の外径側には、0リン
グ等のシール材30が設けられ、このシール材30によりハ
ウジング5 の内径側と外輪用間座21,22 の外径側との間
がシールされている。
【0021】上記構成の真空引き装置1 では、ワークW
を回転軸2 上の吸着部3 に装着する場合には、流体通路
7 を制御弁等により真空源に接続すれば、吸着部凹部10
内が真空源の真空引きによって負圧となるので、その上
に載置されたワークW を吸着部3 により吸着して固定で
きる。ワークW を取り外す場合には、制御弁等により真
空引きを解除すれば良い。
【0022】従って、回転軸2 上の吸着部3 にワークW
を装着して、そのワークW を回転軸2 廻りに高速回転さ
せながら所定の加工、洗浄等の処理を行うに当たって
も、吸着部3 に対するワークW の着脱を容易且つ確実に
行うことができる。
【0023】回転軸2 は上下の転がり軸受4 を介してハ
ウジング5 に回転自在に支持されており、ワークW の吸
着中は、ハウジング5 と回転軸2 との間の連通路8 を介
して、ハウジング5 側の流体通路7 と回転軸2 側の流体
通路6 とが連通して真空引きを行う。
【0024】この場合、連通路8 の上下両側にはラビリ
ンスシール9 があるので、このラビリンスシール9 によ
ってハウジング5 側と回転軸2 側との間をシールでき、
各転がり軸受4 側から連通路8 への大気の進入を防止で
きる。
【0025】また非接触式のラビリンスシール9 を採用
しているため、従来の接触式シールを使用する場合に比
較して、摩擦熱によるシール部分の発熱、摩耗等の問題
も生じない。このため耐久性が著しく向上し、安定した
シール性能を長期間に亘って継続的に維持でき、シール
の点検、交換等のメンテナンスの回数を極力少なくでき
る。
【0026】しかもラビリンスシール9 は、上下の転が
り軸受4 の外輪13間に配置された外輪用間座22に絞り壁
25を一体に形成し、外輪用間座22をラビリンスシール9
用に兼用しているので、ラビリンスシール9 用の専用の
部材が不要であり、構造を簡単にできると共に、ラビリ
ンスシール9 の点検、交換等のメンテナンスを行う際に
は、その外輪用間座21,22 を着脱すれば良く、容易にで
きる。外輪用間座21,22 は連通路8 用とラビリンスシー
ル9 用とに分けているため、夫々の加工も容易である。
【0027】またラビリンスシール9 は、回転軸2 の軸
方向に複数個の絞り壁25を有し、その絞り壁25の内径と
回転軸2 側のシール面29の外径との隙間を微小間隙にす
ると共に、各絞り壁25の内側面27に比較して外側面28の
傾斜角度を軸方向に対して直角に近い角度に設定し、複
数個の絞り壁25を含む断面形状を鋸歯形状にしているの
で、ラビリンスシール9 からの大気の進入を極力防止で
き、十分なシール性能を確保できる。
【0028】図3は本発明の第2の実施形態を例示し、
絞り壁25の外側面28を回転軸2 の直径方向に略平行、即
ち回転軸2 の軸方向に対して略直角にしたものである。
この場合には、この絞り壁25の外側面28によって、大気
が進入するときの流動抵抗が更に大になり、ラビリンス
シール9 のシール性能が向上する利点がある。
【0029】図4は本発明の第3の実施形態を例示し、
絞り壁25の外側面28を内側面27と同じ方向に傾斜させた
ものである。この場合には、各絞り壁25自体の内径側
が、回転軸2 の軸方向の外方に傾斜した状態となってい
る。
【0030】従って、図4に矢印で示すように、外側の
絞り壁25の内側面27に沿って進入する大気があっても、
その内側の絞り壁25を通過するときに、内側の外側面28
と外側の内側面27との間の凹部26内で一部が循環するこ
とになる。従って、この場合には、外向きに傾斜する各
絞り壁25を通過しない限り、大気は連通路8 側に進入で
きないので、ラビリンスシール9 のシール性能は更に向
上する。
【0031】図5は本発明の第4の実施形態を例示す
る。この実施形態では、上下の転がり軸受4 間の外輪用
間座21が1個であり、この外輪用間座21の内径側の軸心
方向の略中央に周溝23が、その軸方向の両側に絞り壁25
が夫々形成されている。一方、回転軸2 の大径部17の外
径側にも、外輪用間座21の周溝23及び絞り壁25に相対向
して周溝31と絞り壁32が形成されている。そして、2個
の周溝23,31 により連通路8 が構成され、またその両側
の絞り壁25と絞り壁32とにより各ラビリンスシール9 が
構成されている。
【0032】このようにラビリンスシール9 の絞り壁2
5,32 は、外輪用間座21の内径側と回転軸2 の外径側と
に設けても良い。なお、外輪用間座21は1個に限定され
るものではなく、2個以上の複数個とし、その各々を連
通路8 用とラビリンスシール9用とに分けても良い。
【0033】図6は本発明の第5の実施形態を例示す
る。この実施形態では、回転軸2 の大径部17の外径側
に、上下の転がり軸受4 の内輪14間の間隔に対応する内
輪用間座33が套嵌され、この内輪用間座33の外径側に、
外輪用間座21の周溝23と絞り壁25とに夫々対応して周溝
31と絞り壁32とが設けられている。
【0034】そして、外輪用間座21と内輪用間座33との
間に、周溝23,31 による連通路8 と、絞り壁25,32 によ
るラビリンスシール9 とが設けられている。なお、内輪
用間座33の内径側と回転軸2 の外径側との間は、0リン
グ等のシール材34によりシールされている。
【0035】このように回転軸2 の外径側に内輪用間座
33を套嵌して、この内輪用間座33と外輪用間座21との間
に連通路8 及びラビリンスシール9 を設けても良い。
【0036】なお、この実施形態では、回転軸2 の大径
部17に内輪用間座33を套嵌しているが、上下の転がり軸
受4 の固定構造によっては、大径部17を省略して回転軸
2 の外径側に直接内輪用間座33を套嵌し、この内輪用間
座33によって上下の転がり軸受4 の内輪14間の間隔を規
制することも可能である。
【0037】また外輪用間座21を省略して、ハウジング
5 の内径側に転がり軸受4 の外輪13側を規制する段部を
設け、そのハウジング5 の内径側を平滑状のシール面と
し、内輪用間座33の絞り壁32とハウジング5 側のシール
面とによってラビリンスシール9 を構成しても良い。
【0038】図7は本発明の第6の実施形態を例示し、
上下の転がり軸受4 間に、回転軸2側の真空引き通路36
からの液体を溜める溜まり部38と、溜まり部38の液体を
回収できるように回転軸2 側の真空引き通路36とハウジ
ング5 側の真空引き通路37を連通する連通路39とを備え
たものである。
【0039】回転軸2 には、上下の転がり軸受4 間に段
差部40を介して上大径部41と下小径部42とが設けられる
と共に、段差部40の上側近傍に、真空引き通路36の下端
側の通孔36a が径方向に設けられている。またハウジン
グ5 の内径側には、段差部40を挟んで上大径部41と下小
径部42とに対応する外輪用間座21が設けられ、この外輪
用間座21に溜まり部38が一体に形成されている。
【0040】外輪用間座21は、上大径部41の外径側との
間に所定の間隔をおいて通孔36a に対応する外周壁部43
と、段差部40の下側近傍で下小径部42の外径側近傍に位
置する内周壁部44と、外周壁部43及び内周壁部44間の底
壁部45とを一体に備え、その外周壁部43と内周壁部44と
底壁部45とによって溜まり部38が形成されている。
【0041】また外輪用間座21の下部には、ハウジング
5 の真空引き通路37に連通する周溝46が溜まり部38の底
壁部45の下側に形成され、この周溝46と溜まり部38とを
上下に連通する通孔47が底壁部45に形成されている。
【0042】従って、溜まり部38と通孔47と周溝46とに
よって、回転軸2 側の真空引き通路36とハウジング5 側
の真空引き通路37とを連通する連通路39が構成されてお
り、また真空引き時に通孔47、周溝46を介して溜まり部
38内の液体を真空引き通路37側に回収できるようになっ
ている。
【0043】外輪用間座21の下端側に0リング等のシー
ル材48が設けられている。また上大径部41及び下小径部
42の外径側に、ラビリンスシール9 用のシール面41a,42
a が形成されている。なお、真空引き通路36は図1の流
体通路6 に、真空引き通路37は流体通路7 に夫々対応
し、またその他の構成は図1と略同様である。
【0044】この種の真空引き装置1 において、ワーク
W 側に冷却液、洗浄液等の液体を供給した場合、ワーク
W を真空引きにより吸着部3 に吸着するときに、吸着凹
部10内の液体が真空引き通路36を経て上下の転がり軸受
4 間で回転軸2 とハウジング5 との間に進入したり、或
いは吸着凹部10に溜まった液体が自然流下により真空引
き通路36を経て進入したりすることがある。
【0045】しかし、この実施形態では、真空引き通路
36の下端部に対応して溜まり部38を設けているため、仮
に真空引き通路36から液体が進入するようなことがあっ
ても、その液体を溜まり部38で捕捉して溜めることがで
き、下側の転がり軸受4 側へと液体が流れることはな
い。従って、その真空引き通路36から進入する液体によ
って、下側の転がり軸受4 のグリース等の潤滑剤が流れ
るような問題を解消でき、下側の転がり軸受4 の潤滑性
を維持できる。
【0046】また溜まり部38に溜まった液体は、真空引
きにより通孔47、周溝46を経てハウジング5 の真空引き
通路37から外部に容易に回収できる。このため溜まり部
38に溜まった液体が、溜まり部38から溢流する等の問題
が生じることもない。
【0047】特に外周壁部43で真空引き通路36の通孔36
a を取り囲んでいるため、回転軸2の回転時の遠心力に
よって通孔36a からの液体が飛散しても、その液体の飛
沫を外周壁部43で受けて溜まり部38に案内できる。また
上大径部41の下端の段差部40の下側に内周壁部44がある
ため、上大径部41側から滴下する液体も溜まり部38で確
実に受けることができる。
【0048】なお、この実施形態では、中間の外輪用間
座21に溜まり部38を設け、その上下の外輪用間座22にラ
ビリンスシール9 を設けているが、これらの外輪用間座
21,22は一体に構成しても良いし、中間の外輪用間座21
と上下の何れか一方の外輪用間座22とを一体にしても良
い。
【0049】また溜まり部38は、外輪用間座21に設けず
に、ハウジング5 の内径側に一体に形成しても良い。従
って、溜まり部38は、少なくともハウジング5 の内径側
に固定されていれば十分であり、ハウジング5 に一体に
設けるか否かは問題ではない。
【0050】なお、溜まり部38をハウジング5 に一体に
設けた場合、溜まり部38の底壁部45の通孔47等は、ハウ
ジング5 側の真空引き通路7 の一部を構成し、溜まり部
38の上側の空間部分が連通路39を構成することになる。
また溜まり部38の底部側に連通するように、ハウジング
5 に径方向に真空引き通路37を形成しても良い。
【0051】図8は食い違い式のラビリンスシール9 を
採用したものであり、この場合にも同様に実施可能であ
る。図8の(A)は外輪用間座22の絞り壁25が内輪用間
座33の凹部35に、内輪用間座33の絞り壁32が外輪用間座
22の凹部26に夫々対応している。そして、各絞り壁25,3
2 の軸方向の厚さは略同じになっている。
【0052】また図8の(B)は外輪用間座22の絞り壁
25が内輪用間座33の凹部35に、内輪用間座33の絞り壁32
が外輪用間座22の凹部26に夫々対応している。そして、
各絞り壁25,32 の軸方向の厚さは、外輪用間座22の絞り
壁25が薄く、内輪用間座33の絞り壁32が厚くなってい
る。なお、各絞り壁25,32 の厚さは、逆でも良い。
【0053】このようにラビリンスシール9 には、外輪
用間座22の絞り壁25と内輪用間座33の絞り壁32とを軸方
向に交互に設けた食い違い式のものを採用しても良い。
この場合には、外輪用間座22の絞り壁25と内輪用間座33
の絞り壁32とによって、両者間の流路がジグザグの迷路
状になるので、各ラビリンスシール9 のシール性能が更
に向上する。
【0054】なお、内輪用間座33の絞り壁32の外径は、
外輪用間座22の絞り壁25の内径よりも僅かに小径になっ
ている。これによって外輪用間座22内に内輪用間座33を
軸方向に挿入することが可能であり、組み立て、分解等
を容易に行うことが可能である。
【0055】この実施形態では、ハウジング5 の内径側
に外輪用間座22を、回転軸2 の外径側に内輪用間座33を
夫々設け、これらに絞り壁25,32 を形成しているが、外
輪用間座22と内輪用間座33との何れか一方を省略し、そ
の省略した側の絞り壁25又は絞り壁32をハウジング5 の
内径側又は回転軸2 の外径側に一体に形成しても良い。
【0056】以上、本発明の実施形態について詳述した
が、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であ
る。例えば、図5及び図6では、各絞り壁25,32 の内外
両側面を夫々回転軸2 の軸方向に対して略直角にしてい
るが、図2〜図4のような断面形状にしても良い。
【0057】また各絞り壁25,32 は、機械加工が可能で
ある限り、先端側が軸方向の外側に屈曲する断面L字
状、先端側が軸方向の両側に突出する断面T字状、或い
は断面S字状等の特殊な断面形状にすることも可能であ
る。
【0058】更に実施形態では、加工機、洗浄機等に使
用する真空引き装置1 を例示しているが、その用途は加
工機、洗浄機等に限定されるのものではなく、回転軸2
の軸方向の先端側、中間側、その他の適当箇所に吸着部
3 を備えたものであれば、それらの全てに採用可能であ
ることは言うまでもない。
【0059】また実施形態の真空引き装置1 は、回転軸
2 を上下方向に配置した縦型を例示しているが、縦型に
限定されず、例えば回転軸2 は横方向に配置しても良い
し、斜め方向に配置しても良い。従って、横型式、斜め
傾斜式、その他の各種形式のものに採用することができ
る。
【0060】また実施形態では、真空引き装置1 を例示
しているが、流体通路6,7 、連通路8 を経て圧搾ガスを
送るようにしても良いし、また液体等を送るようにして
も良い。従って、本発明は、真空引き装置1 以外のもの
にも採用可能である。なお、流体通路6,7 、連通路8 を
経て圧搾ガス等の加圧流体を送る場合には、ラビリンス
シール9 の絞り壁25の向きを逆にすれば効果的である。
【0061】転がり軸受4 にはボール軸受以外のもの、
例えばローラ軸受等を使用しても良い。また転がり軸受
4 は回転軸2 の軸方向に少なくとも2個あれば良く、3
個以上の転がり軸受4 を介して回転軸2 を支持するよう
にしても良い。また転がり軸受4 に代えて滑り軸受を使
用しても良い。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、両軸受間で且つ連通路
上下両側に、回転軸側とハウジング側との間をシール
するラビリンスシールを備えているので、従来の接触式
シールを使用する場合に比較して、安定したシール性能
を長期間に亘って継続的に維持できると共に、構造が簡
単で容易且つ安価に製作でき、交換、その他のメンテナ
ンスを容易にできる利点がある。また両ラビリンスシー
ル間に、回転軸側の真空引き通路からの液体を溜める溜
まり部と、溜まり部の液体を底壁部の通孔からハウジン
グ側の真空引き通路を経て外部に回収可能に両真空引き
通路を連通する連通路とを設けているので、回転軸側の
真空引き通路を経て進入する液体があっても、その液体
によって軸受の潤滑性が損なわれることもない。またラ
ビリンスシールの絞り壁を両軸受間の間座に設けている
ので、ラビリンスシール専用の部材が不要であり、構造
を簡単にできる。
【0063】更に両軸受間に、連通路用の間座とラビリ
ンスシール用の間座とを設け、後者間座に、ラビリンス
シールを構成する絞り壁を上下方向に複数個形成してい
るので、各間座の加工が容易であると共に、必要に応じ
て各間座を個々に交換できる。
【0064】更にハウジングの内径側の外輪用間座に
方向に複数個の絞り壁を設け、回転軸の外径側を平滑
なシール面とし、絞り壁とシール面とによりラビリンス
シールを構成しているので、ラビリンスシールの構造を
簡単にできる。ラビリンスシールの各絞り壁を鋸歯状に
構成しているので、ラビリンスシールのシール性能が向
上する。
【0065】また両軸受間の外輪用間座に溜まり部を設
けているので、構造を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す真空引き装置の
断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す要部の拡大断面
図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す要部の断面図で
ある。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す要部の断面図で
ある。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す要部の断面図で
ある。
【図6】本発明の第5の実施形態を示す要部の断面図で
ある。
【図7】本発明の第6の実施形態を示す要部の断面図で
ある。
【図8】(A)及び(B)は本発明の食い違い式ラビリ
ンスシールを示す要部の断面図である。
【符号の説明】
2 回転軸 3 吸着部 4 転がり軸受 5 ハウジング 6,7 流体通路 8 連通路 9 ラビリンスシール 21,22 外輪用間座 25,32 絞り壁 29 シール面 33 内輪用間座 36,37 真空引き通路 38 溜まり部 39 連通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 政雄 埼玉県和光市松ノ木島町1661−1 株式 会社原田製作所内 (56)参考文献 特開 平5−227696(JP,A) 特開 平8−111956(JP,A) 特開 昭60−32324(JP,A) 特開 平11−163106(JP,A) 実開 昭58−80138(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/80 B23Q 3/08 F16J 15/447 H01L 21/304 651 B23Q 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着部を有する上下方向の回転軸と、前
    記回転軸を少なくとも上下一対の軸受を介して回転自在
    に支持するハウジングと、前記回転軸に形成され且つ前
    記吸着部に連通する真空引き通路と、前記ハウジングの
    前記両軸受間に形成され且つ真空源に接続される真空引
    通路とを夫々備え、前記ハウジングの内径側で前記両
    軸受間に、前記両真空引き通路を連通する連通路を設け
    た回転軸装置において、前記両軸受間で且つ前記連通路
    上下両側に、前記回転軸側と前記ハウジング側との間
    をシールするラビリンスシールを備え、該両ラビリンス
    シール間に、前記回転軸側の前記真空引き通路からの液
    体を溜める溜まり部と、前記溜まり部の液体を底壁部の
    通孔から前記ハウジング側の前記真空引き通路を経て外
    部に回収可能に前記両真空引き通路を連通する前記連通
    路とを設けたことを特徴とする回転軸装置。
  2. 【請求項2】 前記ラビリンスシールの絞り壁を前記両
    軸受間の間座に設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の回転軸装置。
  3. 【請求項3】 前記両軸受間に、前記連通路用の間座と
    前記ラビリンスシール用の間座とを設け、前記後者間座
    に、前記ラビリンスシールを構成する絞り壁を上下方向
    に複数個形成したことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の回転軸装置。
  4. 【請求項4】 前記ハウジングの内径側の外輪用間座に
    上下方向に複数個の前記絞り壁を設け、前記回転軸の外
    径側を平滑なシール面とし、前記絞り壁と前記シール面
    とにより前記ラビリンスシールを構成したことを特徴と
    する請求項2又は3に記載の回転軸装置。
  5. 【請求項5】 前記ハウジングの内径側の外輪用間座に
    前記溜まり部を設けたことを特徴とする請求項1〜4の
    何れかに記載の回転軸装置。
  6. 【請求項6】 前記回転軸の前記両軸受間にその上大径
    部と下小径部との間の段差部を設けると共に、該段差部
    の上側近傍に、前記回転軸側の前記真空引き通路の下端
    側の通孔を設け、前記ハウジングの内径側の外輪用間座
    に、前記上大径部の外径側との間に所定の間隔をおいて
    前記真空引き通路の前記通孔に対応する外周壁部と、前
    記段差部の下側近傍で前記下小径部の外径側近傍に位置
    する内 周壁部と、前記外周壁部及び前記内周壁部間の底
    壁部とを一体に備え、前記外周壁部と前記内周壁部と前
    記底壁部とによって前記溜まり部を形成したことを特徴
    とする請求項1〜5の何れかに記載の回転軸装置。
JP18487199A 1999-06-30 1999-06-30 回転軸装置 Expired - Lifetime JP3452352B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18487199A JP3452352B2 (ja) 1999-06-30 1999-06-30 回転軸装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18487199A JP3452352B2 (ja) 1999-06-30 1999-06-30 回転軸装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001012483A JP2001012483A (ja) 2001-01-16
JP3452352B2 true JP3452352B2 (ja) 2003-09-29

Family

ID=16160780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18487199A Expired - Lifetime JP3452352B2 (ja) 1999-06-30 1999-06-30 回転軸装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3452352B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003314707A (ja) * 2002-04-17 2003-11-06 Rix Corp リップシールおよび回転軸のシール構造
DE102007059281A1 (de) * 2007-12-08 2009-06-10 Schaeffler Kg Anordnung zur Lagerung und Radial-Axialabdichtung zwischen einem Gehäuse und einem beweglichen Element
JP5245909B2 (ja) * 2009-02-25 2013-07-24 日本精工株式会社 軸受ユニット
CN112879673A (zh) * 2021-02-05 2021-06-01 哈尔滨工程大学 一种水下干式舱井口管道穿舱密封结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001012483A (ja) 2001-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2628526B2 (ja) ころがり軸受装置
JP5386343B2 (ja) 潤滑剤を受容するための多孔要素を有する軸受け
US6234489B1 (en) Bearing isolator
US5487631A (en) Machine tools
JPS6366929B2 (ja)
JP2001153144A (ja) アンギュラ型玉軸受
WO2005121579A1 (ja) 転がり軸受の潤滑構造
JP3452352B2 (ja) 回転軸装置
US6181513B1 (en) Spindle motor and a hard disk drive apparatus including such a motor
JP2010230058A (ja) 密封装置および転がり軸受
US6170832B1 (en) Fluid ring seal system and method
US6739757B2 (en) Bearing unit
JPH084776A (ja) 軸受密封装置
JP3552029B2 (ja) 回転軸装置
US5046868A (en) Bearing wiper seal
JP2012117628A (ja) 密封装置および転がり軸受
JP2003083456A (ja) 軸受密封装置
JPH11315843A (ja) 軸シール装置
US20030047879A1 (en) Rotary sealing device
JP3680279B2 (ja) 連続鋳造機用ロール軸受の密封装置、密封方法および連続鋳造機
JP2005349540A (ja) スピンドル装置
JPH11344128A (ja) 軸受密封装置およびその使用方法
JP2009092127A (ja) 転がり軸受
JP2012045666A (ja) 主軸装置及びそれを備えた工作機械
US20240063680A1 (en) Dustproof seal structure

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3452352

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150718

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term