JP3451337B2 - 金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調整用処理液及び表面調整方法 - Google Patents

金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調整用処理液及び表面調整方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼、亜鉛めっき
鋼板、及びアルミニウム、及びマグネシウム合金等の金
属材料の表面に施されるりん酸塩被膜化成処理におい
て、その化成処理前に化成反応の促進および短時間化な
らびにりん酸塩被膜結晶の微細化を図るために用いられ
る表面調整用処理液及び表面調整方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】昨今、自動車のりん酸塩処理においては
塗装後の耐食性向上のため、また、塑性加工用のりん酸
塩処理においてはプレス時の摩擦低減またはプレス型寿
命延長のために金属表面に微細で緻密なりん酸塩被膜結
晶を形成することが求められている。そこで、微細で緻
密なりん酸塩被膜結晶を得るために金属表面を活性化
し、りん酸塩被膜結晶析出のための核をつくる目的で、
りん酸塩被膜化成処理工程の前に表面調整工程が採用さ
れている。以下に微細で緻密なりん酸塩被膜結晶を得る
ために行われている一般的なりん酸塩被膜化成工程を例
示する。
【0003】(1)脱脂 (2)水洗(多段) (3)表面調整 (4)りん酸塩被膜化成処理 (5)水洗(多段) (6)純水洗。
【0004】表面調整工程は、りん酸塩被膜結晶を微細
で緻密なものにするために用いられる。その組成物に関
しては、例えば米国特許第2874081号、第232
2349号、及び第2310239号などにより公知と
なっており、表面調整剤に含まれる主たる構成成分とし
てチタン、ピロリン酸イオン、オルソリン酸イオン及び
ナトリウムイオン等が開示されている。上記表面調整組
成物は「ジャーンステッド塩」と称され、その水溶液に
はチタンイオンとチタンコロイドが含まれる。
【0005】脱脂、水洗を行った金属を前記表面調整組
成物の水溶液に浸漬もしくは、噴霧することによってチ
タンコロイドが金属表面に吸着する。吸着したチタンコ
ロイドが次工程のりん酸塩被膜化成処理工程においてり
ん酸塩被膜結晶析出の核となり、化成反応の促進および
りん酸塩被膜結晶の微細化、緻密化が可能となる。現在
工業的に利用されている表面調整組成物は全てジャーン
ステッド塩を利用したものである。しかしながら、ジャ
ーンステッド塩から得られるチタンコロイドを表面調整
工程に用いた場合、種々の問題点があった。
【0006】第1の問題点としては、表面調整用処理液
の経時劣化が挙げられる。従来の表面調整組成物を用い
る場合、その組成物を水溶液とした直後はりん酸塩被膜
結晶の微細化及び緻密化に関して著しい効果を発揮す
る。しかし、水溶液とした後に数日間が経過すると、チ
タンコロイドが凝集することにより、前記表面調整用処
理液の使用の有無に関わらずその効果が失われ、得られ
るりん酸塩被膜結晶は粗大化する。
【0007】そこで、特開昭63−76883号公報に
は、表面調整用処理液中のチタンコロイドの平均粒径を
測定し平均粒径がある一定値未満になるように表面調整
用処理液を連続的に廃棄し、更に廃棄された分の表面調
整組成物を補給することによって表面調整効果を維持管
理する方法が提案されている。しかし、この方法は表面
調整用処理液の効果に対する要因を定量的に管理するこ
とを可能としたが、効果を維持するためには表面調整用
処理液を廃棄する必要があった。また、この方法で表面
調整用処理液の効果を、水溶液とした初期と同等に維持
するためには多量の表面調整用処理液の廃棄を必要とす
る。従って、実際には使用される工場の排水処理能力の
問題もあり、連続的な表面調整用処理液の廃棄と全量更
新を併用してその効果を維持している。
【0008】第2の問題点としては、表面調整用処理液
を建浴する際に使用される水質によって、その効果及び
寿命が大きく左右されることが挙げられる。通常表面調
整用処理液を建浴する際には工業用水が使用される。し
かし、周知の通り工業用水にはカルシウム、マグネシウ
ム等の全硬度の元になるカチオン成分が含まれており、
その含有量は使用される工業用水の水源によってまちま
ちである。ここで、従来の表面調整用処理液の主成分で
あるチタンコロイドは、水溶液中でアニオン性の電荷を
持つことにより、その電気的反発力によって沈降せずに
分散していることが知られている。従って、工業用水中
にカチオン成分であるカルシウムやマグネシウムが多量
に存在するとチタンコロイドはカチオン成分によって電
気的に中和され、反発力を失い凝集沈澱を引き起こすこ
とによってその効果を失う。
【0009】そこで、カチオン成分を封鎖し、チタンコ
ロイドの安定性を維持する目的でピロリン酸塩等の縮合
りん酸塩を表面調整用処理液に添加する方法が提案され
ている。しかし、縮合りん酸塩を表面調整用処理液に多
量に添加すると縮合りん酸が鋼板表面と反応し不活性被
膜を形成するために、その後のりん酸塩被膜化成処理工
程において化成不良が発生する弊害を有する。また、極
端にマグネシウムやカルシウム含有量が多い地域では純
水を用いて表面調整用処理液の建浴及び給水を行う必要
があり経済面でも極めて不利である。第3の問題点とし
て、使用条件における温度、pHの制約が挙げられる。
具体的には、温度35℃以上、pH8.0〜9.5以外
の範囲ではチタンコロイドが凝集し表面調整効果を発揮
することが出来なくなる。従って、従来の表面調整組成
物を使用する際には定められた温度、pH範囲で使用す
る必要があり、かつ、脱脂剤等に表面調整組成物を添加
して金属表面の清浄化と活性化の効果を長時間に渡って
一液で発揮させることは不可能であった。
【0010】第4の問題点として、表面調整用処理液の
効果によって得られるりん酸塩被膜結晶の微細化の限界
値が挙げられる。表面調整効果はチタンコロイドが金属
表面に吸着してりん酸塩被膜結晶析出の際の核を形成す
ることにより得られる。従って、表面調整工程で金属表
面に吸着したチタンコロイドの数が多ければ多いほど微
細で緻密なりん酸塩被膜結晶が得られる。
【0011】その為には、表面調整用処理液中のチタン
コロイドの数を増やす、すなわちチタンコロイドの濃度
を高めることが容易に考えられる。しかし、濃度を増す
と表面調整用処理液中でのチタンコロイド同士の衝突頻
度が増し、衝突することによってチタンコロイドの凝集
沈澱が発生する。現在使用されているチタンコロイドの
濃度の上限は表面調整用処理液中のチタンとして100
ppm以下であり、それ以上にチタンコロイド濃度を増
やすことによってりん酸塩被膜結晶を微細化することは
従来技術では不可能であった。
【0012】そこで、特開昭56−156778号公報
および特開昭57−23066号公報では、ジャーンス
テッド塩以外の表面調整剤として鋼帯表面に2価または
3価の金属の不溶性りん酸塩を含む懸濁液を加圧下に吹
き付ける表面調整方法が開示されている。しかし、この
表面調整方法は被処理物に懸濁液を加圧下に吹き付けて
初めてその効果が発揮されるため通常の浸漬および噴霧
処理によって施されるりん酸塩被膜化成処理の表面調整
には使用できなかった。
【0013】また、特公昭40−1095号公報では亜
鉛めっき鋼板を高濃度の2価または3価金属の不溶性り
ん酸塩懸濁液に浸漬する表面調整方法が開示されてい
る。しかし、この方法で示される実施例は亜鉛めっき鋼
板に限られており、かつ表面調整効果を得るためには最
低30g/L以上の高濃度の不溶性りん酸塩懸濁液を用
いる必要があった。従って、ジャーンステッド塩の問題
点は種々提示されているにも関わらず、現在までのとこ
ろ、それに代わりうる新しい技術は未だ提示されていな
いのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の抱
える前記課題を解決し、りん酸塩被膜化成処理におい
て、化成反応の促進および短時間化、ならびに得られる
りん酸塩被膜結晶の微細化を図るために用いられる、経
時安定性に優れた新規な表面調整用処理液および表面調
整方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決するための手段について鋭意検討し、従来方法にお
ける問題点を解決し、かつ、りん酸塩被膜結晶の品質を
さらに向上させることが可能である新規な表面調整用処
理液および表面調整方法を完成するに至った。
【0016】すなわち本発明は(1)2価およびまたは
3価の金属の1種以上を含有するりん酸塩から選ばれる
1種以上のりん酸塩粒子と、促進成分として単糖類、多
糖類及びその誘導体から選ばれる1種以上とを含有する
ことを特徴とする、金属のりん酸塩被膜化成処理前の表
面調整用処理液である。
【0017】また(2)2価およびまたは3価の金属の
1種以上を含有するりん酸塩から選ばれる1種以上のり
ん酸塩粒子と、促進成分として正りん酸、ポリりん酸ま
たは有機ホスホン酸化合物の1種以上とを含有すること
を特徴とする、金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調
整用処理液である。
【0018】また(3)2価およびまたは3価の金属の
1種以上を含有するりん酸塩から選ばれる1種以上のり
ん酸塩粒子と、促進成分として酢酸ビニルの重合体また
はその誘導体もしくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体
と酢酸ビニルとの共重合体からなる水溶性高分子化合物
の1種以上とを含有することを特徴とする、金属のりん
酸塩被膜化成処理前の表面調整用処理液である。
【0019】また(4)2価およびまたは3価の金属の
1種以上を含有するりん酸塩から選ばれる1種以上のり
ん酸塩粒子と、促進成分として下記化学式1に示される
単量体もしくはα,β不飽和カルボン酸単量体の中から
選ばれる少なくとも1種以上と、前記単量体と共重合可
能な単量体50重量%以下とを重合して得られる重合体
または共重合体の1種以上とを含有することを特徴とす
る、金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調整用処理液
である。
【0020】
【化2】
【0021】前記りん酸塩粒子は粒径5μm以下のもの
を含み、その濃度が0.001〜30g/Lであり、且
つ、前記2価もしくは3価の金属がZn、Fe、Mn、
Ni、Co、Ca、およびAlの中から選ばれる少なく
とも1種であることが好ましい。また前記(1)〜
(4)において促進成分の合計濃度は1〜2000pp
mであることが好ましい。
【0022】更に前記水溶液中にアルカリ金属塩もしく
はアンモニウム塩またはこれらの混合物を含有すること
が好ましい。前記アルカリ金属塩もしくはアンモニウム
塩がオルソりん酸塩、メタりん酸塩、オルソ珪酸塩、メ
タ珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸
塩、ホウ酸塩、および有機酸塩の中から選ばれる少なく
とも1種であり、且つ、その濃度が0.5〜20g/L
であることが好ましい。
【0023】本発明の金属のりん酸塩被膜化成処理前の
表面調整方法は、該金属表面を前記表面調整用処理液と
接触させることを特徴とするものである。
【0024】更に、本発明品の表面調整用処理液は高p
H域での安定性および高温下での安定性が従来技術であ
るチタンコロイドと比較して非常に優れているため、ノ
ニオン性界面活性剤もしくはアニオン性界面活性剤、ま
たはこれらの混合物と、アルカリビルダーを添加するこ
とによって金属表面の清浄化と活性化を兼ねた脱脂兼表
面調整処理方法にも使用することができるのである。
【0025】以下に本発明品である表面調整用処理液を
脱脂兼表面調整工程に使用した、りん酸塩化成被膜処理
工程の1例を示す。本発明品である表面調整用処理液を
脱脂兼表面調整工程に用いることによって、従来技術で
は不可能であった脱脂表面調整間の水洗工程を省略する
ことができるのである。尚、本発明品である表面調整用
処理液は幅広いpH域で使用可能であり、且つ様々なア
ルカリ金属塩を添加することができるため、被処理金属
の表面汚染状況によっては、工程(1)の脱脂兼表面調
整工程の前に予備洗浄もしくは予備脱脂工程を使用する
ことができる。
【0026】(1)脱脂兼表面調整 (2)りん酸塩被膜化成処理 (3)水洗(多段) (4)純水洗。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明における各々の成分の作用
を詳細に説明する。2価およびまたは3価の金属の1種
以上を含有するりん酸塩から選ばれる1種以上のりん酸
塩粒子(以下、単に「2価もしくは3価の金属のりん酸
塩粒子」と称する)と、促進成分とは本発明における必
須成分である。本発明の目的は前記の通り、りん酸塩処
理前に金属表面を活性化し、りん酸塩被膜結晶析出のた
めの核をつくるために用いられる表面調整用処理液を提
供することにある。本発明者等は、ある特定の濃度、粒
径の2価もしくは3価の金属のりん酸塩粒子は、ある特
定の促進成分を含む水溶液中で被処理金属の表面に吸着
し、後のりん酸塩被膜結晶析出の際の核となり更にりん
酸塩化成処理反応速度を高めることを見出したのであ
る。
【0028】また、2価もしくは3価の金属のりん酸塩
粒子は、りん酸塩化成処理浴およびりん酸塩化成処理被
膜と類似した成分であるために、りん酸塩化成処理浴へ
持ち込まれても化成処理浴に悪影響を与えず、また、り
ん酸塩被膜中に核となって取り込まれてもりん酸塩化成
被膜の性能に悪影響を与えない利点も有している。本発
明で用いられる2価もしくは3価の金属のりん酸塩粒子
としては下記に示す様な例が挙げられる。
【0029】Zn3(PO4)2,Zn2Fe(PO4)2,Zn2Ni(PO4)2,Ni
3(PO4)2,Zn2Mn(PO4)2,Mn3(PO4)2,Mn2Fe(PO4)2,Ca3(PO4)
2,Zn2Ca(PO4)2,FePO4,AlPO4,CoPO4,Co3(PO4)2およびそ
れ等の水和物。
【0030】また、被処理金属の表面に形成されるりん
酸塩被膜結晶の粒径は、反応初期に析出した単位面積あ
たりの結晶数が多いほど微細になることが知られてい
る。これは、りん酸塩被膜の結晶の成長は隣り合う結晶
同士が接触し金属表面を覆い尽くした時点で完結するこ
とから、反応初期に析出した結晶数が多ければ隣り合う
結晶間の距離が小さくなり短時間で微細な結晶が金属表
面を覆いつくすからである。従って、短時間で微細なり
ん酸塩結晶を析出させるためには、りん酸塩化成処理前
に結晶の核を多く付与することが効果的であり、その為
には核となる物質の粒径が小さいほど有利であることは
言うまでもない。
【0031】また、不溶性物質を水溶液中で安定に分散
させるためにも本発明で用いられる2価もしくは3価の
金属のりん酸塩粒子の粒径は5μm以下であることが望
ましい。ただし、仮に5μm以上の粒径の2価もしくは
3価の金属のりん酸塩粒子が本発明における表面調整用
処理液中に存在しても、本発明の効果に対しては何ら影
響を与えることは無く、表面調整用処理液中の5μm以
下の微粒子の濃度が、ある濃度に達して初めてその効果
が発揮されるのである。
【0032】更に本発明に用いられる2価もしくは3価
の金属のりん酸塩粒子は、りん酸塩結晶が析出する際の
核となるばかりではなく析出反応そのもを促進する効果
も担っている。すなわち表面調整処理工程において該金
属表面に吸着した2価もしくは3価の金属のりん酸塩粒
子の一部はりん酸塩化成処理浴中で溶解することによっ
て、該金属表面のごく近傍にりん酸塩結晶の主成分を供
給するため、りん酸塩結晶の初期析出反応を著しく促進
するのである。
【0033】りん酸塩結晶が析出する際の核となり、且
つ、りん酸塩結晶の初期析出反応を促進するためには、
2価もしくは3価の金属のりん酸塩粒子濃度としては
0.001〜30g/Lが好ましい。なぜならば、2価
もしくは3価の金属のりん酸塩粒子の濃度が0.001
g/Lよりも小さいと金属表面に吸着する2価もしくは
3価の金属のりん酸塩粒子の量が少ないためにりん酸塩
結晶の初期析出反応を促進することができず、また結晶
の核となる2価もしくは3価の金属のりん酸塩粒子の数
も少ないために反応は促進されない。2価もしくは3価
の金属のりん酸塩粒子濃度が30g/Lよりも大きくて
も、それ以上はりん酸塩化成処理反応を更に促進する効
果は得られないために経済的に不利なだけである。
【0034】次に本発明の表面調整用処理液に必須に含
有せしめる促進成分を説明する 。従来技術にも示した
通り過去においても2価もしくは3価の金属の不溶性の
りん酸塩を加圧下に吹き付けて表面調整を行う方法が試
みられている。しかし、過去の方法ではあくまでも加圧
下に2価もしくは3価の金属の不溶性のりん酸塩を吹き
付ける必要があった。加圧下に吹き付ける理由は、表面
調整効果を発揮させるためには不溶性のりん酸塩を金属
表面にぶつけて反応させる、またはショットピーニング
の様に金属表面にキズをつける必要があったためであ
る。また、浸漬処理によって表面調整効果を得るために
は、従来方法では2価または3価の金属の不溶性のりん
酸塩の濃度を極端に高める必要があった。
【0035】本発明者らは、後で述べる本発明の何れか
の促進成分が存在すると2価もしくは3価の金属のりん
酸塩粒子の濃度が低濃度で、且つ金属表面に物理的な力
を加えない浸漬処理においても表面調整効果が発揮され
ることを見出したのである。従って、本発明においては
表面調整用処理液に被処理物を接触させるだけで良く、
従来技術とは全く反応機構を異にするものである。
【0036】本発明の促進成分は2価もしくは3価の金
属のりん酸塩粒子の分散安定性を高め、且つ、2価もし
くは3価の金属のりん酸塩粒子の金属表面への吸着を促
進する働きを有している。すなわち促進成分は、2価も
しくは3価の金属のりん酸塩粒子表面に吸着し、その電
荷による反発力および立体障害作用によって表面調整用
処理液中での2価もしくは3価の金属のりん酸塩同士の
衝突を妨げることによって凝集沈降を防止する。また促
進成分は、その構造上金属表面への吸着能力を有してい
るため2価もしくは3価の金属のりん酸塩粒子の金属表
面への吸着を促進し表面調整用処理液へ被処理金属を接
触させるだけで表面調整効果が得られる様になるのであ
る。
【0037】促進成分の濃度は1〜2000ppmであ
ることが望ましい。この濃度が1ppm未満では被処理
金属を表面調整用処理液に接触させただけでは表面調整
効果が発揮されず、2000ppmを越えるとそれ以上
の効果は期待できないばかりか、過剰な促進成分が被処
理金属表面に吸着しりん酸塩化成処理性を妨害する恐れ
がある。
【0038】前記(1)の本発明では促進成分として単
糖類、多糖類及びその誘導体から選ばれる1種以上を含
有せしめる。本発明に用いられる単糖類、多糖類、及び
その誘導体の基本構成糖類としては、例えばフルクトー
ス、タガトース、プシコース、スルボース、エリトロー
ス、トレオース、リボース、アラビノース、キシロー
ス、リキソース、アロース、アルトロース、グルコー
ス、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及
びタロースなどから選ぶことができる。
【0039】従って、単糖類を用いる場合は前記基本構
成糖類そのものを、多糖類を用いる場合は前記基本構成
糖類のホモ多糖もしくはヘテロ多糖を、また、それらの
誘導体としては、基本構成糖類の水酸基をNO2,C
3,C24OH,CH2CH(OH)CH3,CH2CO
OH等の置換基でエーテル化して得られる単糖類や、前
記置換基で置換された単糖類を構造に含むホモ多糖やヘ
テロ多糖を使用することもでき、また数種類の単糖類、
多糖類、及びその誘導体を組み合わせて使用しても構わ
ない。
【0040】糖類の分類を行う際に、加水分解の度合い
によって単糖類、小糖類、及び多糖類と分類される場合
があるが、本発明では加水分解により2個以上の単糖類
を生ずるものを多糖類、それ自身が、それ以上加水分解
されない糖類を単糖類とした。
【0041】本発明の用途は生体化学反応とは無関係で
あるため基本構成糖類の立体配置および施光性によって
効果が左右されることはなく、D−単糖、L−単糖と施
光性(+,−)のいかなる組み合わせでも使用すること
ができる。また、単糖類、多糖類、及びその誘導体の水
溶性を高めるために前記単糖類、多糖類、及びその誘導
体のナトリウム塩またはアンモニウム塩を使用してもな
んら問題はない。更に前記構造で水溶化が困難な場合は
予め水と相溶性を有する有機溶剤に溶解した後に使用し
ても構わない。
【0042】前記(2)の本発明では促進成分として、
正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物の1
種以上を含有せしめる。正りん酸はオルソりん酸であ
り、ポリりん酸としてはピロりん酸、トリりん酸、トリ
メタりん酸、テトラメタりん酸、ヘキサメタりん酸もし
くはそのナトリウム塩及びアンモニウム塩を使用するこ
とができる。また、有機ホスホン酸化合物としてはアミ
ノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチ
レンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレン
ホスホン酸もしくはそのナトリウム塩等を使用すること
ができる。更に、前記正りん酸、ポリりん酸または有機
ホスホン酸化合物の1種類を使用しても何種類かを組み
合わせて使用してもなんら差し支えない。
【0043】前記(3)の本発明では促進剤として、酢
酸ビニルの重合体またはその誘導体もしくは酢酸ビニル
と共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体からな
る水溶性高分子化合物の1種以上を含有せしめる。本発
明における酢酸ビニルの重合体またはその誘導体として
は、酢酸ビニル重合体のケン化物であるポリビニルアル
コール、更にポリビニルアルコールをアクリロニトリル
によるシアノエチル化して得られるシアノエチル化ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアルコールをホルマリン
によるアセタール化して得られるホルマール化ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルアルコールを尿素によるウレ
タン化して得られるウレタン化ポリビニルアルコール、
及びポリビニルアルコールにカルボキシル基、スルホン
基、アミド基等を導入した水溶性高分子化合物を使用す
ることができる。また、本発明における酢酸ビニルと共
重合可能な単量体としてはアクリル酸、クロトン酸、無
水マレイン酸等を使用することができる。
【0044】前記酢酸ビニルの重合体またはその誘導体
もしくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニル
との共重合体は水溶性でさえあれば本発明における効果
を十分に発揮することができる。従ってその重合度及び
官能基の導入率に効果が左右されること無く、また前記
単量体もしくは共重合体の1種類を使用しても何種類か
を組み合わせて使用しても何ら差し支えはない。
【0045】次に前記(4)の本発明の促進成分である
下記化学式1に示される単量体もしくはα,β不飽和カ
ルボン酸単量体の中から選ばれる少なくとも1種以上
と、前記単量体と共重合可能な単量体50重量%以下と
を重合して得られる重合体または共重合体の効果につい
て説明する。
【0046】
【化3】
【0047】化学式1に示される単量体としてはアクリ
ル酸チメル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル
酸ヒドロキシメチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブ
チル、アクリル酸ヒドロキシペンチル、メタクリル酸ヒ
ドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシ
ブチル、メタクリル酸ヒドロキシペンチル等を使用する
ことができる。
【0048】またα,β不飽和カルボン酸単量体として
はアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸等を使用す
ることができる。前記単量体と共重合可能な単量体とし
ては酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、ビニルスルホ
ン酸等を使用することができる。また、前記単量体のう
ち1種類の単量体を重合して得られた重合体を使用して
も、前記単量体の何種類かを組み合わせて重合して得ら
れた共重合体を使用しても何ら差し支えない。
【0049】更に本発明の表面調整用処理液にはアルカ
リ金属塩もしくはアンモニウム塩またはそれらの混合物
を含有することができる。アルカリ金属塩もしくはアン
モニウム塩としてはオルソりん酸塩、メタりん酸塩、オ
ルソ珪酸塩、メタ珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、
亜硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、および有機酸塩の群から
選ばれる少なくとも1種の塩の形であれば特に限定され
るものではない。また、前記アルカリ金属塩もしくはア
ンモニウム塩を2種以上組み合わせて使用しても何ら問
題はない。
【0050】本発明に使用されるアルカリ金属塩もしく
はアンモニウム塩は一般的には工業用洗浄剤に使用され
るアルカリビルダーに準ずるものである。すなわち工業
用洗浄剤のアルカリビルダーに期待される効果、硬水軟
化性、油分の洗浄作用により本発明に用いられる表面調
整用処理液の液安定性を更に高め、且つ、洗浄剤として
の効果を発揮させるのである。
【0051】アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩の
濃度は0.5〜20g/Lであることが望ましい。濃度
が0.5g/L未満では硬水軟化作用、洗浄作用が発揮
されず、20g/Lを越えるとそれ以上の効果は期待で
きず経済的に不利なだけである。
【0052】本発明における表面調整用処理液は従来法
と異なりあらゆる使用環境でその効果を継続することが
可能である。すなわち、従来法と比較して下記に示す様
な利点を有している。 (1)経時安定性が高い。 (2)Ca、Mg等の硬度成分が混入しても効果が衰え
にくい。 (3)高温度での使用が可能である。 (4)様々なアルカリ金属塩を添加することができる。 (5)幅広いpH域での安定性が高い。
【0053】従って、従来法では継続して安定した品質
を維持することができなかった脱脂兼表面調整剤として
も使用する事が可能である。その際、脱脂兼表面調整工
程における洗浄力を高めるために前記アルカリ金属塩も
しくはアンモニウム塩以外の公知の無機アルカリビルダ
ー、有機ビルダー、及び界面活性剤等を添加しても構わ
ない。また、脱脂兼表面調整に関わらず表面調整用処理
液に持ち込まれたカチオン成分等による影響を打ち消す
ために公知のキレート剤、縮合りん酸塩等を添加しても
構わない。
【0054】また、本発明の表面調整方法は表面調整用
処理液と金属表面を接触させるだけで良く、接触時間、
表面調整用処理液の温度等に制限はない。更に本発明の
表面調整方法は、鉄鋼、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム
またはアルミニウム合金、及びマグネシウム合金等のり
ん酸塩処理が施される、あらゆる金属素材に適用可能で
ある。
【0055】更に本発明の表面調整処理の後に施される
りん酸塩化成処理方法に関しては、浸漬処理方法、スプ
レー処理方法、電解処理方法等のあらゆる工法を適用す
ることができる。また、析出させるりん酸塩被膜に関し
ても、りん酸塩であればりん酸亜鉛、りん酸マンガン、
及びりん酸亜鉛カルシウム等、なんら限定されるもので
はない。
【0056】
【実施例】次に本発明の表面調整用処理液を適用した際
の効果を実施例と比較例を用いて詳細に説明する。ただ
し、りん酸塩処理の一例として、塗装下地用のりん酸亜
鉛処理を示したものであり、本発明における表面調整用
処理液の用途を何ら限定するものでは無い。
【0057】(供試板)実施例と比較例に用いた供試板
の略号と内訳を以下に示す。 SPC(冷延鋼板:JIS−G−3141) EG(両面電気亜鉛めっき鋼板:めっき目付量20g/
2) GA(両面合金化溶融亜鉛めっき鋼板:めっき目付量4
5g/m2) Zn−Ni(両面電気亜鉛ニッケルめっき鋼板:めっき
目付量20g/m2) Al(アルミニウム板:JIS−5052) MP(マグネシウム合金板:JIS−H−4201)。
【0058】(処理工程)各供試板は下記の工程で処理
した。アルカリ脱脂→水洗→表面調整処理→りん酸亜鉛
被膜の形成→水洗→脱イオン水洗。アルカリ脱脂は、実
施例、比較例ともに、ファインクリーナーL4460(登録
商標:日本パーカライジング(株)製)を2%に水道水で
希釈し、42℃、120秒スプレーして使用した。
【0059】表面調整処理には、後述する実施例、比較
例の各表面調整用処理液を使用し被処理物を浸漬して行
った。りん酸亜鉛被膜の形成は、実施例、比較例とも
に、パルボンドL3020(登録商標:日本パーカライジン
グ(株)製)を4.8%に水道水で希釈し、成分濃度、全
酸度、遊離酸度、促進剤濃度を現在、自動車用りん酸亜
鉛処理として一般に用いられている濃度に調整し、42
℃、120秒浸漬して使用した。水洗及び脱イオン水洗
は何れも、室温、30秒スプレーである。
【0060】(りん酸亜鉛被膜の評価方法)表面調整処
理後に形成したりん酸亜鉛被膜は、下記の方法により、
その外観、被膜重量(C.W)、被膜結晶サイズ(C.
S)、P比を測定した。外観:目視観察により、りん酸
亜鉛被膜のスケ、ムラの有無を評価した。◎:均一良好
な外観、 ○:一部ムラあり、 △:ムラ、スケあり、
×:スケ多し、 ××:化成被膜なし。
【0061】被膜重量(C.W):りん酸亜鉛被膜形成
後の供試板の重量を測定し(W1(g)とする)、次に下記
に示す剥離液、剥離条件にてりん酸亜鉛被膜を剥離し供
試板の重量を測定し(W2(g)とする)、下記式により
求めた。 被膜重量(g/m2)=(W1−W2)/(面積)。 冷延鋼板の場合は、剥離液:50%クロム酸水溶液、剥
離条件:75℃、15分の浸漬で、また亜鉛めっき鋼板
の場合は、剥離液:重クロム酸アンモニウム2重量%+
28%アンモニア水49重量%+純粋49重量%、剥離
条件:常温、15分の浸漬で行った。またアルミニウム
及びマグネシウム合金の場合は、蛍光X線分析装置でり
ん酸亜鉛被膜中のPを定量し、Pの含有量からホパイト
被膜の付着量を算出した。 被膜結晶サイズ(C.S):りん酸亜鉛被膜を走査型電
子顕微鏡(SEM)を用いて1500倍に拡大した像を
観察し、結晶粒径を調査した。 P比:実施例、比較例ともにSPC鋼板についてのみ、
X線回折装置を用いてりん酸亜鉛被膜中のフォスフォフ
ィライト結晶のX線強度(P)とホバイトのX線強度
(H)を測定し、下記式によりP比を求めた。 P比=P/(P+H)。
【0062】表1に本発明の請求項1の実施例で使用し
た表面調整用処理液の組成を示した。表2は比較例で使
用した各表面調整用処理液の組成である。使用した単糖
類、多糖類、及びその誘導体は市販品、例えばダイセル
化学工業株式会社、第1工業製薬株式会社、旭化成工業
株式会社製、大日本製薬株式会社等、の中から、その基
本構成糖の種類、重合度、置換基、置換度をもとに選定
した。尚、置換基については化学式2に基本構成糖の一
つであるグルコースを例示した。
【0063】
【化4】
【0064】グルコースの場合はR1、R2、R3の3ヵ
所の水酸基をエーテル化することができる。本実施例で
は置換基の種類と、置換度(置換基による基本構成糖1
単位あたりの水酸基の置換数)変えてその効果を調査し
た。また、水溶性が低い単糖類、多糖類、及びその誘導
体についてはナトリウム塩を使用した。なお、経時試験
は表面調整用処理液を調整後、10日間室温で放置した
後に実施した。
【0065】(実施例1)50℃に加温した0.5mol
/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛
溶液100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム
溶液100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含
む水溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させ
た後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得
られた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物
は一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト(Zn2Fe
(PO4)2・4H2O)であった。前記フォスフォフィライト1k
gに対し表1に示す単糖類、多糖類、及びその誘導体を
予めイソプロピルアルコールと水で10wt%に希釈溶解
したものを50g添加した後、直径0.5mmのジルコ
ニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕した。粉
砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト濃度が
1g/Lとなるように調整して表面調整用処理液として
使用した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレー
ザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:
(株)堀場製作所)で測定した結果、0.5μmであっ
た。
【0066】(実施例2)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト(Zn2Fe(PO4)2
・4H2O)であった。表1に示す単糖類、多糖類、及びその
誘導体を予めイソプロピルアルコールと水で10wt%に
希釈溶解したもの1kgに対し、前記フォスフォフィラ
イト100g添加した後、直径0.5mmのジルコニア
ビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕した。粉砕
後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト濃度が1
g/Lとなるように調整して表面調整用処理液として使
用した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記の
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した結
果、0.5μmであった。
【0067】(実施例3)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト(Zn2Fe(PO4)2
・4H2O)であった。前記フォスフォフィライト1kgに対
し表1に示す単糖類、多糖類、及びその誘導体を予め水
で10wt%に希釈溶解したものを100g添加した後、
直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミル
で約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォ
スフォフィライト濃度が1g/Lとなるように調整し
た。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記のレー
ザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した結果、
0.5μmであった。更にアルカリ塩として亜硝酸ナト
リウム試薬を0.5g/L添加したものを表面調整用処
理液として使用した。
【0068】(実施例4)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2
・4H2O]であった。表1に示す単糖類、多糖類、及びその
誘導体を予め水で10wt%に希釈溶解したもの1kgに
対し、前記フォスフォフィライト50g添加した後、直
径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで
約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォス
フォフィライト濃度が1g/Lとなるように調整した。
調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記のレーザー
回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した結果、0.5
μmであった。更にアルカリ塩として硫酸マグネシウム
7水和物試薬を0.5g/L添加したものを表面調整用
処理液として使用した。
【0069】(実施例5)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2
・4H2O]であった。表1に示す単糖類、多糖類、及びその
誘導体を予め水で10wt%に希釈溶解したもの1kgに
対し、前記フォスフォフィライト50g添加した後、直
径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで
約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォス
フォフィライト濃度が1g/Lとなるように調整して表
面調整用処理液として使用した。調整後の懸濁液中の微
粒子の平均粒径を前記のレーザー回折/散乱式粒度分布
測定装置で測定した結果、0.5μmであった。
【0070】(実施例6)50℃に加温した0.5mol/L
の硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液10
0mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液10
0mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶液
を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、傾
斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた沈
澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部第
3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2・4
H2O]であった。表1に示す単糖類、多糖類、及びその誘
導体を予め水で10wt%に希釈溶解したもの1kgに対
し、前記フォスフォフィライト1kg添加した後、直径
0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約
1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフ
ォフィライト濃度が1g/Lとなるように調整して表面
調整用処理液として使用した。調整後の懸濁液中の微粒
子の平均粒径を前記のレーザー回折/散乱式粒度分布測
定装置で測定した結果、0.5μmであった。
【0071】(実施例7)表1に示す単糖類、多糖類、
及びその誘導体を予め水で10wt%に希釈溶解したもの
1kgに対し、Zn3(PO4)2・4H2O試薬1kg添加した後、
直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミル
で約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のZn
3(PO4)2・4H2O濃度が1g/Lとなるように調整して表面
調整用処理液として使用した。調整後の懸濁液中の微粒
子の平均粒径を前記レーザー回折/散乱式粒度分布測定
装置で測定した結果、0.6μmであった。
【0072】(実施例8)Zn3(PO4)2・4H2O試薬1kgに
対し表1に示す単糖類、多糖類、及びその誘導体を予め
水で10wt%に希釈溶解したものを10g添加した後、
直径10mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで
約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のZn3(PO
4)2・4H2O濃度が1g/Lとなるように調整した。調整後
の懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記のレーザー回折/
散乱式粒度分布測定装置で測定した結果、1.2μmで
あった。更にアルカリ塩としてメタ珪酸ナトリウム試薬
を5g/L添加したものを表面調整用処理液として使用
した。
【0073】(実施例9)50℃に加温した0.1mol/L
の硝酸カルシウム溶液1Lに1mol/Lの硝酸亜鉛溶液2
00mLを加え、更に1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム
溶液200mLを加えて沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
ショルタイト[Zn2Ca(PO4)2・2H2O]であった。前記ショル
タイト1kgに対し表1に示す単糖類、多糖類、及びそ
の誘導体を予め水で10wt%に希釈溶解したものを10
g添加した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用
いたボールミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で
懸濁液中のショルタイト濃度が10g/Lとなるように
調整した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記
のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した結
果、0.4μmであった。更にアルカリ塩として炭酸ナ
トリウム試薬を1g/L添加したものを表面調整用処理
液として使用した。
【0074】(実施例10)50℃に加温した0.1mol
/Lの硝酸カルシウム溶液1Lに、1mol/Lの硝酸亜鉛溶
液200mLを加え、更に1mol/Lのりん酸1水素ナトリ
ウム溶液200mLを加えて沈澱を生成させた。沈澱を含
む水溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させ
た後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得
られた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物
はショルタイト[Zn2Ca(PO4)2・2H2O]であった。前記ショ
ルタイト1kgに対し表1に示す単糖類、多糖類、及び
その誘導体を予め水で10wt%に希釈溶解したものを1
0g添加した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを
用いたボールミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水
で懸濁液中のショルタイト濃度が5g/Lとなるように
調整した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記
のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した結
果、0.4μmであった。更にアルカリ塩として第3り
ん酸ナトリウム試薬を10g/L、界面活性剤として市
販のポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル2g
/L添加したものを表面調整用処理液として使用した。
尚、本実施例では脱脂処理を行なわず、防錆油が付着し
たままのテストピースに、直接、洗浄を兼ねた表面調整
処理を行った。
【0075】(比較例1)従来技術の表面調整用処理液
であるプレパレンZN(登録商標:日本パーカライジン
グ(株)製)水溶液の標準条件で表面調整処理を行った。
【0076】(比較例2)従来技術の表面調整用処理液
であるプレパレンZN水溶液に、表2に示す通りアルカ
リ塩として硫酸マグネシウム7水和物試薬を0.5g/
L添加したものを表面調整用処理液として使用した。
【0077】(比較例3)50℃に加温した0.5mol/L
の硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2
・4H2O]であった。前記フォスフォフィライトを直径0.
5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで前記の
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した懸濁
液中の平均粒径が0.5μmになるまで粉砕した。粉砕
後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト濃度が1
g/Lとなるように調整して表面調整用処理液として使
用した。
【0078】(比較例4)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2
・4H2O]であった。前記フォスフォフィライトを乳鉢で約
2分間粉砕した。粉砕後、水道水で希釈し5μmのペー
パーフィルターで濾過を行い濾液を廃棄した。得られた
沈澱物を80℃で1時間乾燥し、乾燥した粉末1kgに
対し表1に示す単糖類、多糖類、及びその誘導体を予め
イソプロピルアルコールと水で10wt%に希釈溶解した
ものを50g添加した。前記乾燥粉末と高分子単糖類、
多糖類、及びその誘導体を乾燥粉末の濃度が1g/Lと
なるように水道水で調整して表面調整用処理液として使
用した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記の
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した結
果、6.5μmであった。
【0079】表3に実施例における表面調整用処理液を
用いたりん酸亜鉛処理において得られた化成処理被膜の
被膜特性を示す。表4は各比較例における表面調整用処
理液を用いたりん酸亜鉛処理において得られた化成処理
被膜の被膜特性である。
【0080】表3および表4より本発明品である表面調
整用処理液は従来技術の欠点であった経時安定性が著し
く向上していることが確認される。比較例3と実施例1
および実施例2から表面調整効果に対する単糖類、多糖
類、及びその誘導体の効果が明らかとなっている。ま
た、比較例3においては表面調整用処理液として調整し
た直後は実施例1よりも劣るものの従来技術である比較
例1と同等以上の表面調整効果を有していた。
【0081】しかし比較例3では、2価もしくは3価の
金属のりん酸塩の粉砕が著しく困難であり、且つ、10
日経時後の処理液には2価もしくは3価の金属のりん酸
塩の沈澱が生じていた。これは比較例3においては単糖
類、多糖類、及びその誘導体を添加していないため、2
価もしくは3価の金属のりん酸塩の再凝集が起こったた
めである。更に単糖類、多糖類、及びその誘導体、アル
カリ金属の種類、及び処理温度を変えてもその効果は変
わらず従来技術と同等以上に緻密で微細な結晶を得るこ
とができた。
【0082】表5に本発明の請求項2の実施例で使用し
た表面調整用処理液の組成を示す。尚、表5及び表2の
比較例5では正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン
酸化合物を単に「りん化合物」と記した。表5の実施例
及び比較例5に使用したりん化合物は試薬及び市販品
(例えば日本モンサント工業(株)製等)の中から、その
構造をもとに選定した。また、本発明の効果に表面調整
用処理液のpHの制限はないが、りん化合物のpHが著
しく低い場合は、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の
溶解を防止するため予め水酸化ナトリウムでりん化合物
のpHを中性に調整した。なお、経時試験は表面調整用
処理液を調整後、10日間室温で放置した後に実施し
た。
【0083】(実施例11)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。前記フォスフォフィライト1kg
に対し表5に示すりん化合物を予め水で10wt%に希釈
溶解したものを2g添加した後、直径0.5mmのジル
コニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕した。
粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト濃度
が5g/Lとなるように調整した。調整後の懸濁液中の
微粒子の平均粒径を前記のレーザー回折/散乱式粒度分
布測定装置で測定した結果、0.5μmであった。更に
アルカリ塩として硫酸マグネシウム7水和物試薬を0.
5g/L添加したものを表面調整用処理液として使用し
た。
【0084】(実施例12)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。前記フォスフォフィライト1kg
に対し表5に示すりん化合物を予め水で10wt%に希釈
溶解したものを1kg添加した後、直径0.5mmのジ
ルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕し
た。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト
濃度が1g/Lとなるように調整した。調整後の懸濁液
中の微粒子の平均粒径を前記のレーザー回折/散乱式粒
度分布測定装置で測定した結果、0.5μmであった。
更にアルカリ塩としてメタ珪酸ナトリウム試薬を1g/
L添加したものを表面調整用処理液として使用した。
【0085】(実施例13)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。表5に示すりん化合物を予め水で
10wt%に希釈溶解したもの1kgに対し、前記フォス
フォフィライト200g添加した後、直径10mmのジ
ルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕し
た。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト
濃度が1g/Lとなるように調整して表面調整用処理液
として使用した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径
を前記のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定
した結果、1.7μmであった。
【0086】(実施例14)Zn3(PO4)2・4H2O 試薬1k
gに対し、表5に示すりん化合物を予め水で10wt%に
希釈溶解したもの100gを添加した後、直径0.5m
mのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉
砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中の Zn3(PO4)2・4H2O
濃度が5g/Lとなるように調整した。調整後の懸濁液
中の微粒子の平均粒径を前記のレーザー回折/散乱式粒
度分布測定装置で測定した結果、0.6μmであった。
更にアルカリ塩として炭酸ナトリウム試薬を5g/L添
加したものを表面調整用処理液として使用した。
【0087】(実施例15)50℃に加温した0.1mo
l/Lの硝酸カルシウム溶液1Lに1mol/Lの硝酸亜鉛溶液
200mLを加え、更に1mol/Lのりん酸1水素ナトリウ
ム溶液200mLを加えて沈澱を生成させた。沈澱を含む
水溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
ショルタイト[Zn2Ca(PO4)2・2H2O]であった。表5に示す
りん化合物を予め水で10wt%に希釈溶解したもの1k
gに対し前記ショルタイト1kgを添加した後、直径
0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約
1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のショルタ
イト濃度が10g/Lとなるように調整した。調整後の
懸濁液中の微粒子の平均粒径を前記のレーザー回折/散
乱式粒度分布測定装置で測定した結果、0.5μmであ
った。更にアルカリ塩として第3りん酸ナトリウム試薬
を10g/L、界面活性剤として市販のポリオキシエチ
レンノニルフェノールエーテル2g/L添加したものを
表面調整用処理液として使用した。尚、本実施例では脱
脂処理を行なわず、防錆油が付着したままのテストピー
スに、直接、洗浄を兼ねた表面調整処理を行った。
【0088】(比較例5)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2
・4H2O]であった。前記フォスフォフィライトを乳鉢で約
2分間粉砕した。粉砕後、水道水で希釈し5μmのペー
パーフィルターで濾過を行い濾液を廃棄した。得られた
沈澱物を80℃で1時間乾燥して粉末を得た。表2の比
較例5に示すりん化合物を予め水で10wt%に希釈した
もの500gに対し、前記乾燥粉末100gを添加した
後、乾燥粉末の濃度が1g/Lとなるように水道水で調
整して表面調整用処理液として使用した。調整後の縣濁
液中の微粒子の平均粒径を前記のレーザー回折/散乱式
粒度分布測定装置で測定した結果、6.5μmであっ
た。
【0089】表6に実施例における表面調整用処理液を
用いたりん酸亜鉛処理において得られた化成処理被膜の
被膜特性を示す。また表4の比較例5に比較例5におけ
る表面調整用処理液を用いたりん酸亜鉛処理において得
られた化成処理被膜の被膜特性を示す。
【0090】表6および表4より本発明品である表面調
整用処理液は従来技術の欠点であった経時安定性が著し
く向上していることが確認される。比較例3と実施例1
3から表面調整効果に対する正りん酸、ポリりん酸また
は有機ホスホン酸化合物の効果が明らかとなっている。
【0091】また、比較例3においては表面調整用処理
液として調整した直後は実施例11よりも劣るものの従
来技術である比較例1と同等以上の表面調整効果を有し
ていた。しかし比較例3では、2価もしくは3価の金属
のりん酸塩の粉砕が著しく困難であり、且つ、10日経
時後の処理液には2価もしくは3価の金属のりん酸塩が
沈澱が生じていた。これは比較例3においては正りん
酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物を添加して
いないため、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の再凝
集が起こったためである。更に正りん酸、ポリりん酸ま
たは有機ホスホン酸化合物、アルカリ金属の種類、及び
処理温度を変えてもその効果は変わらず従来技術と同等
以上に緻密で微細な結晶を得ることができた。
【0092】表7に本発明の請求項3の実施例で使用し
た表面調整用処理液の組成を示す。尚、表7及び表2の
比較例6では酢酸ビニルの重合体またはその誘導体もし
くは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの
共重合体からなる水溶性高分子化合物を単に「水溶性高
分子化合物」と記した。表中の酢酸ビニルの重合体また
はその誘導体は、過酸化物を開始剤として酢酸ビニルを
重合し、更にケン化反応やアセタール化反応等によって
実施例に示す官能基を付与した。また、酢酸ビニルと共
重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体は、酢酸ビ
ニルと各々の単量体の重合反応によって合成した。な
お、経時試験は表面調整用処理液を調整後、10日間室
温で放置した後に実施した。
【0093】(実施例16)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。前記フォスフォフィライト1kg
に対し表7に示す水溶性高分子化合物を予め水で10wt
%に希釈溶解したものを2g添加した後、直径0.5m
mのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉
砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィラ
イト濃度が5g/Lとなるように調整した。調整後の懸
濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度
分布測定装置で測定した結果、0.5μmであった。更
にアルカリ塩としてメタ珪酸ナトリウム試薬を0.5g
/L添加したものを表面調整用処理液として使用した。
【0094】(実施例17)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。表7に示す水溶性高分子化合物を
予め水で10wt%に希釈溶解したもの500gに対し、
前記フォスフォフィライト100g添加した後、直径
0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約
1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフ
ォフィライト濃度が1g/Lとなるように調整して表面
調整用処理液として使用した。調整後の懸濁液中の微粒
子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置
で測定した結果、0.5μmであった。
【0095】(実施例18)表7に示す水溶性高分子化
合物を予め水で10wt%に希釈溶解したもの1kgに対
し、Zn3(PO4)2・4H2O試薬50g添加した後、直径0.5
mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間
粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のZn3(PO4)2・4H2O
濃度が1g/Lとなるように調整した。調整後の懸濁液
中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布
測定装置で測定した結果、0.5μmであった。更にア
ルカリ塩として硫酸マグネシウム7水和物試薬を0.5
g/L添加したものを表面調整用処理液として使用し
た。
【0096】(実施例19)50℃に加温した0.1mo
l/Lの硝酸カルシウム溶液1Lに1mol/Lの硝酸亜鉛溶液
200mLを加え、更に1mol/Lのりん酸1水素ナトリウ
ム溶液200mLを加えて沈澱を生成させた。沈澱を含む
水溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
ショルタイト[Zn2Ca(PO4)2・2H2O]であった。表7に示す
水溶性高分子化合物を予め水で10wt%に希釈溶解した
もの1kgに対し、前記ショルタイト500g添加した
後、直径10mmのジルコニアビーズを用いたボールミ
ルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のシ
ョルタイト濃度が5g/Lとなるように調整した。調整
後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱
式粒度分布測定装置で測定した結果、1.6μmであっ
た。更にアルカリ塩として炭酸ナトリウム試薬を5g/
L添加したものを表面調整用処理液として使用した。
【0097】(実施例20)50℃に加温した0.1mo
l/Lの硝酸カルシウム溶液1Lに1mol/Lの硝酸亜鉛溶液
200mLを加え、更に1mol/Lのりん酸1水素ナトリウ
ム溶液200mLを加えて沈澱を生成させた。沈澱を含む
水溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
ショルタイト[Zn2Ca(PO4)2・2H2O]であった。前記ショル
タイト1kgに対し表7に示す水溶性高分子化合物を予
め水で10wt%に希釈溶解したもの10g添加した後、
直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミル
で約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のショ
ルタイト濃度が30g/Lとなるように調整した。調整
後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱
式粒度分布測定装置で測定した結果、0.3μmであっ
た。更にアルカリ塩として第3りん酸ナトリウム試薬を
10g/L、界面活性剤として市販のポリオキシエチレ
ンノニルフェノールエーテル2g/L添加したものを表
面調整用処理液として使用した。尚本実施例では脱脂処
理を行わず、防錆油が付着したままのテストピースに、
直接、洗浄を兼ねた表面調整処理を行った。
【0098】(比較例6)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液10
0mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶液
を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、傾
斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた沈
澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部第
3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2・4
H2O]であった。前記フォスフォフィライトを乳鉢で約2
分間粉砕した。粉砕後、水道水で希釈し5μmのペーパ
ーフィルターで濾過を行い濾液を廃棄した。得られた沈
澱物を80℃で1時間乾燥して粉末を得た。表2の比較
例6に示す水溶性高分子化合物を予め水で10wt%に希
釈溶解したもの500gに対し、前記乾燥粉末100g
添加した後、乾燥粉末の濃度が1g/Lとなるように水
道水で調整して表面調整用処理液として使用した。調整
後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱
式粒度分布測定装置で測定した結果、6.5μmであっ
た。
【0099】表8に実施例における表面調整用処理液を
用いたりん酸亜鉛処理において得られた化成処理被膜の
被膜特性を示す。また表4の比較例6に比較例6におけ
る表面調整用処理液を用いたりん酸亜鉛処理において得
られた化成処理被膜の被膜特性を示す。
【0100】表8および表4より本発明品である表面調
整用処理液は従来技術の欠点であった経時安定性が著し
く向上していることが確認される。比較例3と実施例1
7から表面調整効果に対する酢酸ビニルの重合体または
その誘導体もしくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と
酢酸ビニルとの共重合体からなる水溶性高分子化合物の
効果が明らかとなっている。また、比較例3においては
表面調整用処理液として調整した直後は実施例16より
は劣るものの従来技術である比較例1と同等以上の表面
調整効果を有していた。
【0101】しかし比較例3では、2価もしくは3価の
金属のりん酸塩の粉砕が著しく困難であり、且つ、10
日経時後の処理液には2価もしくは3価の金属のりん酸
塩の沈澱が生じていた。これは比較例3においては酢酸
ビニルの重合体またはその誘導体もしくは酢酸ビニルと
共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体からなる
水溶性高分子化合物を添加していないため、2価もしく
は3価の金属のりん酸塩の再凝集が起こったためであ
る。更に酢酸ビニルの重合体またはその誘導体もしくは
酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重
合体からなる水溶性高分子化合物、アルカリ金属の種
類、及び処理温度を変えてもその効果は変わらず従来技
術と同等以上に緻密で微細な結晶を得ることができた。
【0102】表9に本発明の請求項4の実施例で使用し
た表面調整用処理液の組成を示す。表9及び表2の比較
例7の単量体を過硫酸アンモニウムを触媒として重合し
重合体または共重合体を得た。また、水溶性に難点のあ
る単量体については市販の界面活性剤を使用して乳化し
た後に重合した。本発明の効果に表面調整用処理液のp
Hの制限はないが、重合体または共重合体のpHが著し
く低い場合は、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の溶
解を防止するため、予め水酸化ナトリウムで重合体また
は共重合体のpHを中性に調整した。なお、経時試験は
表面調整用処理液を調整後、10日間室温で放置した後
に実施した。
【0103】(実施例21)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。前記フォスフォフィライト1kg
に対し表9に示す重合体または共重合体を予め水で10
wt%に希釈溶解したものを1g添加した後、直径0.5
mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間
粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィ
ライト濃度が10g/Lとなるように調整した。調整後
の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式
粒度分布測定装置で測定した結果、0.5μmであっ
た。更にアルカリ塩として亜硝酸ナトリウム試薬を0.
5g/L添加したものを表面調整用処理液として使用し
た。
【0104】(実施例22)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。表9に示す重合体または共重合体
を予め水で10wt%に希釈溶解したもの500gに対
し、前記フォスフォフィライト100g添加した後、直
径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで
約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォス
フォフィライト濃度が1g/Lとなるように調整して表
面調整用処理液として使用した。調整後の懸濁液中の微
粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装
置で測定した結果、0.5μmであった。
【0105】(実施例23)50℃に加温した0.5mo
l/Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液
100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液
100mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水
溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(P
O4)2・4H2O]であった。表9に示す重合体または共重合体
を予め水で10wt%に希釈溶解したもの1kgに対し、
前記フォスフォフィライト25g添加した後、直径0.
5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時
間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフ
ィライト濃度が0.5g/Lとなるように調整した。調
整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散
乱式粒度分布測定装置で測定した結果、0.5μmであ
った。更にアルカリ塩として硫酸マグネシウム7水和物
試薬を0.5g/L添加したものを表面調整用処理液と
して使用した。
【0106】(実施例24)50℃に加温した0.1mo
l/Lの硝酸カルシウム溶液1Lに1mol/Lの硝酸亜鉛溶液
200mLを加え、更に1mol/Lのりん酸1水素ナトリウ
ム溶液200mLを加えて沈澱を生成させた。沈澱を含む
水溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
ショルタイト[Zn2Ca(PO4)2・2H2O]であった。前記ショル
タイト1kgに対し表9に示す重合体または共重合体を
予め水で10wt%に希釈溶解したものを1.5g添加し
た後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボー
ルミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中
のショルタイト濃度が10g/Lとなるように調整し
た。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回
折/散乱式粒度分布測定装置で測定した結果、0.6μ
mであった。更にアルカリ塩として炭酸ナトリウム試薬
を1g/L添加したものを表面調整用処理液として使用
した。
【0107】(実施例25)50℃に加温した0.1mo
l/Lの硝酸カルシウム溶液1Lに1mol/Lの硝酸亜鉛溶液
200mLを加え、更に1mol/Lのりん酸1水素ナトリウ
ム溶液200mLを加えて沈澱を生成させた。沈澱を含む
水溶液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた
後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得ら
れた沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は
ショルタイト[Zn2Ca(PO4)2・2H2O]であった。前記ショル
タイト1kgに対し表9に示す重合体または共重合体を
予め水で10wt%に希釈溶解したものを20g添加した
後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボール
ミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中の
ショルタイト濃度が5g/Lとなるように調整した。調
整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散
乱式粒度分布測定装置で測定した結果、0.6μmであ
った。更にアルカリ塩として第3りん酸ナトリウム試薬
を10g/L添加したものを表面調整用処理液として使
用した。
【0108】(実施例26)表9に示す重合体または共
重合体を予め水で10wt%に希釈溶解したもの1kgに
対し、Zn3(PO4)2・4H2O試薬1kg添加した後、直径10
mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間
粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のZn3(PO4)2・4H2O
濃度が1g/Lとなるように調整した。調整後の懸濁液
中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布
測定装置で測定した結果、1.2μmであった。更にア
ルカリ塩としてメタ珪酸ナトリウム試薬を5g/L、界
面活性剤として市販のポリオキシエチレンノニルフェノ
ールエーテル2g/L添加したものを表面調整用処理液
として使用した。尚、本実施例では脱脂処理を行わず、
防錆油が付着したままのテストピースに、直接、洗浄を
兼ねた表面調整処理を行った。
【0109】(実施例27)Zn3(PO4)2・4H2O試薬1kg
に対し表9に示す重合体または共重合体を予め水で10
wt%に希釈溶解したものを50g添加した後、直径0.
5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時
間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のZn3(PO4)2・4H
2O濃度が1g/Lとなるように調整して表面調整用処理
液として使用した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒
径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した
結果、0.5μmであった。
【0110】(比較例7)50℃に加温した0.5mol/
Lの硫酸鉄(II)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液1
00mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液1
00mLを交互に加え沈澱を生成させた。沈澱を含む水溶
液を90℃で1時間加温して沈澱粒子を熟成させた後、
傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた
沈澱物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈澱物は一部
第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[Zn2Fe(PO4)2
・4H2O]であった。前記フォスフォフィライトを乳鉢で約
2分間粉砕した。粉砕後、水道水で希釈し5μmのペー
パーフィルターで濾過を行い濾液を廃棄した。得られた
沈澱物を80℃で1時間乾燥し、乾燥した粉末1kgに
対し表2の比較例7に示す重合体または共重合体を予め
水で10wt%に希釈溶解したものを100g添加した。
前記乾燥粉末と重合体または共重合体の混合物を乾燥粉
末の濃度が1g/Lとなるように水道水で調整して表面
調整用処理液として使用した。調整後の懸濁液中の微粒
子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置
で測定した結果、6.5μmであった。
【0111】表10に実施例における表面調整用処理液
を用いたりん酸亜鉛処理において得られた化成処理被膜
の被膜特性を示す。また表4の比較例7に比較例7にお
いて得られた化成処理被膜の被膜特性を示す。
【0112】表10および表4より本発明品である表面
調整用処理液は従来技術の欠点であった経時安定性が著
しく向上していることが確認される。比較例3と実施例
22および実施例27から表面調整効果に対する重合体
または共重合体の効果が明らかとなっている。
【0113】また、比較例3においては表面調整用処理
液として調整した直後は実施例21よりは劣るものの従
来技術である比較例1と同等以上の表面調整効果を有し
ていた。しかし比較例3では、2価もしくは3価の金属
のりん酸塩の粉砕が著しく困難であり、且つ、10日経
時後の処理液には2価もしくは3価の金属のりん酸塩の
沈澱が生じていた。これは比較例3においては重合体ま
たは共重合体を添加していないため、2価もしくは3価
の金属のりん酸塩の再凝集が起こった為である。更に重
合体または共重合体、アルカリ金属の種類、及び処理温
度を変えてもその効果は変わらず従来技術と同等以上に
緻密で微細な結晶を得ることができた。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】
【0123】
【表10】
【0124】
【発明の効果】前述した通り本発明の表面調整用処理液
は従来技術であるチタンコロイドの欠点であった経時安
定性を格段に向上し、従来技術では不可能であったりん
酸塩被膜結晶サイズを更に微細化することを可能とし
た。従って、本発明の表面調整用処理液を用いた技術は
従来技術と比較して経済的に有利であり、かつ従来技術
と同等以上の性能を与えることを可能としたのである。
フロントページの続き (72)発明者 坂内 洋勝 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日 本パーカライジング株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−25489(JP,A) 特開 昭56−156778(JP,A) 特開 昭57−23066(JP,A) 特開 昭59−226181(JP,A) 特公 昭57−23066(JP,B1) 特表 平9−502768(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径5μm以下の少なくとも1種以上の
    2価または3価の金属のりん酸塩粒子と、単糖類、多糖
    類及びその誘導体から選ばれる1種以上とを含有するこ
    とを特徴とする、金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面
    調整用処理液。
  2. 【請求項2】 粒径5μm以下の少なくとも1種以上の
    2価または3価の金属のりん酸塩粒子と、有機ホスホン
    酸化合物またはその塩の少なくとも1種を含有すること
    を特徴とする、金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調
    整用処理液。
  3. 【請求項3】 粒径5μm以下の少なくとも1種以上の
    2価または3価の金属のりん酸塩粒子と、酢酸ビニルの
    重合体またはその誘導体もしくは酢酸ビニルと共重合可
    能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体からなる水溶性高
    分子化合物の1種以上とを含有することを特徴とする、
    金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調整用処理液。
  4. 【請求項4】 粒径5μm以下の少なくとも1種以上の
    2価または3価の金属のりん酸塩粒子と、下記化学式に
    示される単量体もしくはα,β不飽和カルボン酸単量体
    の中から選ばれる少なくとも1種以上と、前記単量体と
    共重合可能な単量体50重量%以下とを重合して得られ
    る重合体または共重合体の1種以上とを含有することを
    特徴とする、金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調整
    用処理液。 【化1】
  5. 【請求項5】 粒径5μm以下のりん酸塩粒子の濃度が
    0.001〜30g/Lであることを特徴とする、請求
    項1から請求項4のいずれかの金属のりん酸塩被膜化成
    処理前の表面調整用処理液。
  6. 【請求項6】 前記2価およびまたは3価の金属がZ
    n、Fe、Mn、Ni、Co、Ca、およびAlの中か
    ら選ばれることを特徴とする、請求項5の金属のりん酸
    塩被膜化成処理前の表面調整用処理液。
  7. 【請求項7】 単糖類、多糖類及びその誘導体から選ば
    れる1種以上の合計濃度が1〜2000ppmである、
    請求項1または請求項5または請求項6の金属のりん酸
    塩被膜化成処理前の表面調整用処理液。
  8. 【請求項8】 有機ホスホン酸化合物またはその塩の少
    なくとも1種の合計濃度が1〜2000ppmである、
    請求項2または請求項5または請求項6の金属のりん酸
    塩被膜化成処理前の表面調整用処理液。
  9. 【請求項9】 酢酸ビニルの重合体またはその誘導体も
    しくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルと
    の共重合体からなる水溶性高分子化合物の1種以上の合
    計濃度が1〜2000ppmである、請求項3または請
    求項5または請求項6の金属のりん酸塩被膜化成処理前
    の表面調整用処理液。
  10. 【請求項10】 下記化学式に示される単量体もしくは
    α,β不飽和カルボン酸単量体の中から選ばれる少なく
    とも1種以上と、前記単量体と共重合可能な単量体50
    重量%以下とを重合して得られる重合体または共重合体
    の1種以上の合計濃度が1〜2000ppmである、請
    求項4ないし請求項6の金属のりん酸塩被膜化成処理前
    の表面調整用処理液。 【化2】
  11. 【請求項11】 アルカリ金属塩もしくはアンモニウム
    塩またはこれらの混合物を含有することを特徴とする請
    求項1から請求項10のいずれかの金属のりん酸塩被膜
    化成処理前の表面調整用処理液。
  12. 【請求項12】 アルカリ金属塩もしくはアンモニウム
    塩がオルソりん酸塩、メタりん酸塩、オルソ珪酸塩、メ
    タ珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸
    塩、ホウ酸塩、および有機酸塩の中から選ばれる少なく
    とも1種であり、且つ、その濃度が0.5〜20g/L
    である、請求項11に記載の金属のりん酸塩被膜化成処
    理前の表面調整用処理液。
  13. 【請求項13】 金属表面にりん酸塩化成被膜を形成す
    るにあたり、あらかじめ該金属表面を請求項1〜12の
    いずれか1項に記載の表面調整用処理液と接触させるこ
    とを特徴とする金属のりん酸塩被膜化成処理前の表面調
    整方法。
  14. 【請求項14】 金属表面にりん酸塩化成被膜を形成す
    るにあたり、あらかじめ該金属表面をノニオン性界面活
    性剤もしくはアニオン性界面活性剤、またはこれらの混
    合物と、請求項1〜12に記載の表面調整用処理液と接
    触させることを特徴とする金属のりん酸塩被膜化成処理
    前の表面調整方法。
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