JP3451331B2 - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
光記録媒体及びその製造方法Info
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Description
を有する光記録媒体及びその製造方法に関する。
ク)の開発が活発化してきている。これは、従来のCD
と異なりユーザが情報を記録することが可能で且つ記録
後の信号は従来のCDの規格を満足するため、市販CD
プレーヤで再生可能であるという特徴をもつ。このよう
なメディアを実現する方法の1つとして、特開平2−4
2652号公報において、基板上に色素をスピンコーテ
ィングして記録層を設け、その背後に金属反射層を設け
ることが提案されている。更に、後の特開平2−132
656号公報に述べられているように、記録層の複素屈
折率、膜厚を適当に選ぶことにより、記録後の信号がC
D規格を満足するようになり、追記型CDとし商品化さ
れている。
42652号公報及び特開平2−132656号公報で
示されている色素を用いた追記型CDは、耐光性の点で
は未だ十分なものではなかった。即ち、太陽光に長時間
さらされて放置された場合等に信号特性が変化し、CD
規格を満足することができないという欠点があった。こ
れは記録層に用いられる色素材料、特に従来用いられて
いたシアニン系色素が光により変化することに起因して
いる。そこでこの変化を抑制するために、特開昭63−
159090号公報に示されているように、記録層に光
安定化剤を含有することが知られている。しかし、光安
定化剤を少量(20%以下)添加した場合には、十分な
耐光性を得ることができず、逆に多量(20%以上)に
添加すると、記録層の光学的及び/又は熱的な特性が変
化し、各種の信号品質が低下するという問題点があっ
た。
ては、高耐光性色素であるフタロシアニン化合物を用い
た追記型CDが開示されている。これは、フタロシアニ
ン化合物に特定の基を付加することにより、フタロシア
ニン化合物をスピンコートした記録層の複素屈折率を追
記型CDに必要な値に調節し、高耐光性追記型CDを実
現したものである。しかし、特開平3−62878号公
報に開示されている追記型CDは、従来のシアニン系色
素を記録層に用いたものに比べ、再生信号の品質が劣っ
ていた。即ち、再生信号を構成する個々の信号の長さ
(ピット長)が本来のCD信号の理論値からずれやす
く、再生エラーが発生する場合があるという問題点があ
った。
号に関する問題点のないフタロシアニン化合物を記録層
に用いた高耐光性光記録媒体、及びその製造方法を提供
することにある。
重ねた結果、前記従来技術の光記録媒体において、後記
一般式(I)で表わされるフタロシアニン系化合物を用
いることにより、前述の問題点を解決できるということ
を見い出し、本発明を完成するに至った。
も記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層が
下記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化
合物を主成分として構成されていることを特徴とする光
記録媒体が提供される。
わす。 M:2価の金属原子、置換3価金属原子、2置換4価金
属原子又はオキシ金属。A1とA2、A3とA4、A5
とA6及びA7とA8:それぞれのどちらか一方は下記
一般式(II)で表わされるオキシ(若しくはチオ)フェ
ニル系基又は下記一般式(III)で表わされるチオフェ
ニル系基、他方は水素原子又はハロゲン原子であり、か
つ下記一般式(II)で表わされるオキシ(若しくはチ
オ)フェニル系基又は下記一般式(III)で表わされる
チオフェニル系基を、それぞれ少なくとも一つ有する。 一般式(II):
しくは分岐のアルコキシ基、他はそれぞれ独立に炭素数
1〜10の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素
数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子又は水素原子。 R6〜R10:それぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖、
分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜3のアルコ
キシ基、ハロゲン原子又は水素原子。)
て、前記一般式(I)で表わされるフタロシアニン系化
合物のMが、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びPd2+から選
ばれた少なくとも一つの2価金属原子である化合物を使
用した記録層を設けてなる光記録媒体が、また前記一般
式(I)で表わされるフタロシアニ系化合物のR5、R6
及びR10が、それぞれ独立にメチル、エチル、n−プロ
ピル、iso−プロピル、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロピルオキシ、iso−プロピルオキシから選ばれる一
つの基である化合物を使用した記録層を設けてなる光記
録媒体が、また前記記録層が710〜750nmの範囲
に光吸収ピーク波長(λmax)を有するものである光
記録媒体が提供される。
及び/又は案内溝が形成されてなる基板上に、直接又は
他の層を介して前記一般式(I)で表わされる金属フタ
ロシアニン系化合物を主成分とする記録層を塗布成膜手
段により設け、その上に直接又は他の層を介して光反射
層を真空成膜手段により設け、更にその上に保護層を設
けることを特徴とする光記録媒体の製造方法が提供され
る。
本発明の光記録媒体は、記録層が一般式(I)で表わさ
れる金属フタロシアニン系化合物を主成分として構成さ
れていることを特徴とする。
としては、2価の金属原子、1置換3価金属原子、2置
換4価金属原子又はオキシ金属原子が用いられるが、具
体的には次のものが挙げられる。
h2+、Pd2+、Pt2+、Mn2+、Mg2+、Ti2+、Be
2+、Ca2+、Ba2+、Cd2+、Hg2+、Pb2+、Sn2+
など。 〈1置換3価金属〉 Al−Cl、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−
Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、
In−Br、In−I、In−F、Tl−Cl、Tl−
Br、Tl−I、Tl−F、Al−C6H5、Al−C6
H4(CH3)、In−C6H5、In−C6H4(C
H3)、In−C10H7、Mn(OH)、Mn(OC
6H5)、Mn〔OSi(CH3)3〕、FeCl、RuC
lなど。
I2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeI2、G
eF2、SnCl2、SnBr2、SnI2、SnF2、T
iCl2、TiBr2、TiF2、Si(OH)2、Ge
(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(O
H)2、TiR2、CrR2、SiR2、SnR2、GeR2
〔Rはアルキル基、フェニル基、ナフチル基及びその誘
導体を表わす〕、Si(OR’)2、Sn(OR’)2、
Ge(OR’)2、Ti(OR’)2、Cr(OR’)2
〔R’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリア
ルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基及びそ
の誘導体を表わす〕、Sn(SR-)2、Ge(SR-)2
〔R-はアルキル基、フェニル基、ナフチル基及びその
誘導体を表わす〕など。 〈オキシ置換〉 VO、MnO、TiOなど。
u2+、Zn2+、Pd2+が好ましい。これらは、耐光性が
良好であり、記録層のλmaxが710〜750nm近
傍となるためである。記録層のλmaxが710〜75
0nmの範囲にあると、追記型CDに必要な複素屈折率
を得やすい。
れる下記一般式(II)で表わされるオキシ(若しくはチ
オ)フェニル系基中、QはO又はS原子を表わし、また
R1〜R5は少なくとも一つは炭素数4〜10の直鎖若し
くは分岐のアルコキシ基、他はそれぞれ独立に炭素数1
〜10の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数
1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表
わす。
しては、n−ブチルオキシ、iso−ブチルオキシ、t
ert−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、n−ペ
ンチルオキシ、neo−ペンチルオキシ、iso−ペン
チルオキシ、tert−ペンチルオキシ、1−メチルブ
チルオキシ、2−メチルブチルオキシ、n−ヘキシルオ
キシ、シクロヘキシルオキシ、アダマンチルオキシ、ノ
ルボルニルオキシ、ベンジルオキシ、などが挙げられる
が、好ましくはR1及び/又はR5に分岐のアルコキシ基
を有するものが良い。R1、R5に分岐のアルコキシ基を
有する化合物は、レーザー光波長域において良好な複素
屈折率(特に高い屈折率)を得やすいためである。ま
た、R1〜R5のその他(R1〜R5で炭素数4〜10のア
ルコキシ基でないもの)の具体例としては、水素原子、
メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、sec
−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、tert
−ペンチル、neo−ペンチル、1−メチルブチル、2
−メチルブチル、n−ヘキシル、2−エチルブチル、シ
クロヘキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキ
シ、iso−プロピルオキシの各基や、F、Cl、B
r、I各原子などが挙げられる。
れ、下記一般式(III)で表わされるチオフェニル系基
のR6〜R10は、同じであってもあるいは異なっていて
もよく、R6〜R10はそれぞれ独立に炭素数1〜10の
直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜3の
アルコキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表わす。
メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、sec
−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、tert
−ペンチル、neo−ペンチル、1−メチルブチル、2
−メチルブチル、n−ヘキシル、2−エチルブチル、シ
クロヘキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキ
シ、iso−プロピルオキシの各基や、F、Cl、B
r、I各原子などが挙げられるが、好ましくはR6及び
/又はR10にアルキル基、アルコキシ基を有するものが
良い。R6、R10にアルキル基、アルコキシ基を有する
化合物は、良好な複素屈折率(特に高い屈折率)を得や
すいためである。なお、R1〜R10において炭素数が1
0より大きくなると、記録層の単位膜厚当りの吸光度が
低下し、良好な複素屈折率が得にくくなるので好ましく
ない。
ン系化合物は、対応するフタロニトリル混合物の環化反
応などにより容易に合成することができる。即ち、下記
(IVI)及び(V)の混合物を、例えば1,8−ジアザビ
シクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセンの存在下、金属
誘導体とアルコール中加熱反応することにより容易に合
成できる。
されるオキシ(若しくはチオ)フェニル系基と前記一般
式(III)で表わされるチオフェニル系基の比率は1/
3〜3/1が好ましく、更にこの範囲の比率を有する化
合物の混合物で記録層を形成することが好ましい。一般
式(II)の基の比率が大きくなると再生信号のピット長
ずれが生じやすく、逆に一般式(III)の基の比率が大
きくなると色素の分解温度が高くなり、記録感度が低下
しやすい。また、混合物とすることにより色素の溶解性
が向上し、記録層の成膜性が良くなる。
子である。ハロゲン原子としては、F、Cl、Br、I
各原子を挙げることができ、好ましくはCl、Br原子
が良い。ハロゲン原子を付加することにより、色素の分
解温度が低くなり、記録感度が向上しやすいためであ
る。
β位には、記録感度を向上する、記録層の吸収波長を調
節する、塗布溶媒に対する溶解性を向上する等の理由で
他の基を付加してもよく、このような基としては、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基、アルキルチオ基、スルホン酸基、スルホン酸ア
ミン基などを挙げることができる。
前述の環化反応後、フタロシアニン化合物をハロゲン化
溶媒中、ハロゲン化剤(Br2など)と反応させること
などにより容易に行なうことができる。但し、この場合
異性体が多く存在するので、ハロゲンの数、付加位置は
特定しにくい。
系化合物のみではなく、該フタロシアニン系化合物に加
えて、従来より情報記録媒体の記録材料として知られて
いる任意の色素を混合して用いることができる。このよ
うな色素としては、例えば、シアニン系色素、ピリリウ
ム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、ス
クワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色
素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、インドフ
ェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニル
メタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウム系
・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げるこ
とができる。更に、必要に応じて他の第3成分、例えば
バインダー、安定剤等を含有させることができる。な
お、記録層の膜厚は、100〜5000Åが好ましく、
特に500〜3000Åが望ましい。記録層の膜厚が、
この範囲より薄くなると記録感度が低下し、また厚くな
ると反射率が低下するからである。
報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から
任意に選択することができる。基板材料の例としては、
ポリメチルメタクリレートのようなアクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリエステル、ソーダ石灰ガラス等
のガラス及びセラミックスを挙げることができる。特に
寸法安定性、透明性及び平面性などの点から、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル及びガ
ラスなどを挙げることができる。
面性の改善、接着力の向上及び記録層の変質の防止の目
的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料として
は、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/
メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重
合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリル
アミド、スチレン/スルホン酸共重合体、スチレン/ビ
ニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩
化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高
分子物質:シランカップリング剤などの有機物質:及び
無機酸化物(SiO2、Al2O3等)、無機フッ化物
(MgF2)などの無機物質を挙げることができる。な
お、下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲
にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
キング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸の形
成の目的で、プレグループ層が設けられてもよい。プレ
グループ層の材料としては、アクリル酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのう
ちの少なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光
重合開始剤との混合物を用いることができる。
の向上及び記録時における感度の向上の目的で、反射層
が設けられてもよい。反射層の材料である光反射性物質
はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例
としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ca、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Siなどの金属及び半金属を挙
げることができる。これらのうちで好ましいものはA
u、Al及びAgである。これら物質は単独で用いても
よいし、あるいは二種以上の組合せで又は合金として用
いてもよい。なお、反射層の層厚は一般に100〜30
00Åの範囲にある。また、反射層は基板と記録層との
間に設けられてもよく、この場合には情報の記録再生は
記録層側(基板とは反対の側)から行なわれる。
録層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護層が
設けられてもよい。この保護層は、基板の記録層が設け
られていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設け
られてもよい。保護層に用いられる材料の例としては、
SiO、SiO2、MgF2、SnO2等の無機物質、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂を挙げるこ
とができる。なお、保護層の層厚は一般的には500Å
〜50μmの範囲にある。
いて説明する。本発明の光記録媒体の製造方法は、表面
に情報ピット及び/又は案内溝が形成されてなる基板上
に、直接又は他の層を介して前記一般式(I)で表わさ
れる金属フタロシアニン系化合物を主成分とする記録層
を塗布成膜手段により設け、その上に直接又は他の層を
介して光反射層を真空成膜手段により設け、更にその上
に保護層を設けることを特徴とする。即ち、本発明の製
造方法は、下記の工程からなる。 (イ)表面に情報ピット及び/又は案内溝が形成されて
いる基板上に、直接又は他の層を介して前記一般式
(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成
分とする記録層を塗布成膜手段により設ける工程、 (ロ)記録層上に直接又は他の層を介して光反射層を真
空成膜手段により設ける工程、及び (ハ)記録層上に保護層を設ける工程。
又は案内溝が形成されている基板上に、直接又は他の層
を介して、前記金属フタロシアニン系化合物を主成分と
する記録層が塗布成膜手段により設けられる。即ち、前
記フタロシアニン系化合物を溶媒に溶解し、液状の塗布
液として基板上にコートすることにより、記録層が形成
される。この塗布液を調整するための溶媒としては、公
知の有機溶媒(例えばアルコール、セルソルブ、ハロゲ
ン化炭素、ケトン、エーテル等)を使用することができ
る。また、コート方法としては、記録層の濃度、粘度、
溶剤の乾燥温度を調節することにより層厚を制御できる
ため、スピンコート法が望ましい。
下塗層を設けることが、基板表面の平面性の改善や接着
力の向上あるいは記録層の変質防止等の目的で、行なわ
れる。この場合の下塗層は、例えば前述した下塗層用物
質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調整したの
ち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エク
ストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗
布することにより形成することができる。
層を介して光反射層が真空成膜手段により設けられる。
即ち、前述した光反射性物質を、例えば蒸着、スパッタ
リング又はイオンプレーティングすることにより、光反
射層が記録層の上に形成される。
れる。即ち、前述した無機物質や種々の樹脂からなる保
護層用材料を、真空成膜又は塗布成膜することにより形
成される。特にUV硬化性樹脂を用いるのが、好まし
く、該樹脂をスピンコート後、紫外線照射により硬化し
て形成される。
発明はこれらに限定されるものではない。
板の表面上に、深さ約1200Åの案内溝凹凸パターン
を有する基板を用意し、後記表1中(1)で表わされる
フタロシアニン化合物の記録層を、テトラヒドロフラ
ン、2−ブトキシエタノール、メチルシクロヘキサンか
らなる混合溶媒を塗布液としてスピンコートすることに
より設けた。なお、フタロシアニン化合物(1)は、A
を有するフタロニトリルとA’を有するフタロニトリル
を比率(1/3)で混合し、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕−7−ウンデセン及び金属塩化物を加え
て、1−ペンタノール中加熱反応することにより得た。
形成された記録層のλmaxは730nmであった。ま
た、記録層の膜厚は約1500Åであった。記録層の上
にAuスパッタ法によりAuを約800Åの厚さに設け
反射層とし、更にその上に紫外線硬化樹脂からなる保護
層を約5μmの厚さに設けて、本発明の光記録媒体を得
た。
N.A.0.5、線速1.2m/sの条件でEFM信号
を記録し、再生信号のピット長をインターバルアナライ
ザーにより測定したところ、標準CD(Test5B)
からのピット長のずれは40ns以下であり、追記型C
D規格(オレンジブック)を満足する値であった。
化合物について、実施例1と同様に光記録媒体を作成し
且つ評価したところ、記録層のλmaxは表1のとお
り、710〜750nmの範囲にあり、再生信号のピッ
ト長ずれは40ns以内であった。
ン化合物について、実施例1と同様に光記録媒体を作成
し、且つ評価したところ、記録層のλmaxは表1のと
おり、710〜750nmの範囲にあったが、再生信号
のピット長ずれは、11Tピットで−60ns以下であ
り、追記型CD規格を満足することができなかった。
一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物
を主成分として構成されていることから、信号特性に優
れ、再生エラーが発生しにくく、且つ耐光性に優れてい
る。
(I)で表わされるフタロシアニン系化合物のMがNi
2+、Cu2+、Zn2+及びPd2+から選ばれたものとした
ことから、耐光性が更に向上し、追記型CDに必要な複
素屈折率を得やすくなるという効果が加わる。
(I)で表わされるフタロシアニン系化合物のR5、R6
及びR10が、それぞれ独立にメチル、エチル、n−プロ
ピル、iso−プロピル、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロピルオキシ、iso−プロピルオキシから選ばれたも
のとしたことから、レーザー光波長域において良好な複
素屈折率を得やすいという効果が加わる。
ピーク波長が710〜750nmの範囲にあるものとし
たことから、レーザー光波長において、適切な複素屈折
率をより確実に得られるという効果が加わる。
層を塗布成膜手段により形成させ、且つ光反射層を真空
成膜手段により形成させるものとしたことから、本発明
の光記録媒体を容易に安定して製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも記録層を設けてなる
光記録媒体において、該記録層が下記一般式(I)で表
わされる金属フタロシアニン系化合物を主成分として構
成されていることを特徴とする光記録媒体。 【化1】 (式中、M及びA1〜A8は、それぞれ以下のものを表
わす。 M:2価の金属原子、置換3価金属原子、2置換4価金
属原子又はオキシ金属。A1とA2、A3とA4、A5
とA6及びA7とA8:それぞれのどちらか一方は下記
一般式(II)で表わされるオキシ(若しくはチオ)フェ
ニル系基又は下記一般式(III)で表わされるチオフェ
ニル系基、他方は水素原子又はハロゲン原子であり、か
つ下記一般式(II)で表わされるオキシ(若しくはチ
オ)フェニル系基又は下記一般式(III)で表わされる
チオフェニル系基を、それぞれ少なくとも一つ有する。 一般式(II): 【化2】 一般式(III): 【化3】 Q:O又はS原子。 R1〜R5:少なくとも一つは炭素数4〜10の直鎖若
しくは分岐のアルコキシ基、他はそれぞれ独立に炭素数
1〜10の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素
数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子又は水素原子。 R6〜R10:それぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖、
分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜3のアルコ
キシ基、ハロゲン原子又は水素原子。) - 【請求項2】 前記一般式(I)で表わされるフタロシ
アニン系化合物のMが、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びP
d2+から選ばれた少なくとも一つの2価金属原子である
請求項1に記載の光記録媒体。 - 【請求項3】 前記一般式(I)で表わされるフタロシ
アニン系化合物のR5、R6及びR10が、それぞれ独立に
メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、メ
トキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、iso−プロ
ピルオキシから選ばれる一つの基である請求項1に記載
の光記録媒体。 - 【請求項4】 前記記録層が710〜750nmの範囲
に光吸収ピーク波長(λmax)を有するものである請
求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。 - 【請求項5】 表面に情報ピット及び/又は案内溝が形
成されてなる基板上に、直接又は他の層を介して前記一
般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を
主成分とする記録層を塗布成膜手段により設け、その上
に直接又は他の層を介して光反射層を真空成膜手段によ
り設け、更にその上に保護層を設けることを特徴とする
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30850795A JP3451331B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP30850795A JP3451331B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09123603A JPH09123603A (ja) | 1997-05-13 |
JP3451331B2 true JP3451331B2 (ja) | 2003-09-29 |
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ID=17981861
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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