JP3449285B2 - 熱歪吸収体およびそれを用いたパワー半導体装置 - Google Patents

熱歪吸収体およびそれを用いたパワー半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導を行う線膨
張率の異なる2つの部材間に配置され、熱伝導性能を損
なわずになおかつ熱応力を低減するために2つの部材間
の熱伸び差を吸収する熱歪吸収体およびそれを用いたパ
ワー半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図23は、例えば特開平7−14264
7号公報に記載された従来の半導体装置の構成を示す断
面図である。図において、1は半導体モジュール、2は
けい素で構成されているパワー半導体素子、3は両面に
銅等の金属の箔が接着されたアルミナや窒化アルミニウ
ム等からなる絶縁性基板、35はアルミニウム(Al)
やAl系合金、または銅(Cu)やCu系合金等の高熱
伝導性の薄い金属板を波形状に加工した伝熱性金属フォ
イル、40はパッケージ、41は熱伝導性の良い銅やア
ルミニウム等で形成したキャップ、5はこれも熱伝導性
の良い銅やアルミニウム等で形成されているヒートシン
ク等の冷却装置、6、7、8、9ははんだである。伝熱
性金属フォイル35の拡大斜視図を図24に示す。図に
おいて、36は可撓性を大きくするための切溝である。
【0003】キャップ41上に伝熱性金属フォイル3
5、絶縁性基板3、およびパワー半導体素子2が順には
んだ6、7、8で接合され、パッケージ40に封入され
て半導体モジュール1が形成されており、この半導体モ
ジュール1は冷却装置5にはんだ9で接合されている。
半導体モジュール1の運転時、パワー半導体素子2で発
生する熱は、絶縁性基板3と伝熱性金属フォイル35お
よびキャップ41を介して、冷却装置5に伝導し、冷却
される。
【0004】半導体モジュール1の構成部材の線膨張率
は、パワー半導体素子2のけい素で約2.6×10-6
K、絶縁性基板3の窒化アルミニウムで約4×10-6
K、キャップ41やヒートシンク等の冷却装置5は銅で
約16.6×10-6/K、アルミニウムで約23.2×
10-6/Kである。このようにパワー半導体素子2や絶
縁性基板3とキャップ41やヒートシンク等の冷却装置
5との間で、使用されている部材の線膨張率が違うた
め、運転時の温度変化による熱伸び量に大きな差が発生
する。また、大容量化にともないパワー半導体素子2か
らの発熱量は増加し、さらに長期信頼性の観点から熱サ
イクル数も増大している。このように、運転時に生じる
温度変化によってパワー半導体素子2とキャップ41の
熱伸び量に大きな差が生じ、それが繰り返されるるた
め、絶縁性基板3とキャップ41間は、この熱伸び差を
吸収するため可撓性の大きな伝熱性金属フォイル35に
より接続した構成が採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、伝熱性
金属フォイル35は可撓性を得るために例えば0.1m
mというような薄い金属板で構成されているので熱通過
方向に垂直な面の面積すなわち熱通過断面積が小さく、
従って熱抵抗が大きく冷却性能が低いという問題があっ
た。また、この波形状の伝熱性金属フォイル35は波の
進行方向の可撓性は大きなが、波と直角方向については
途中に切溝36があるとはいえ剛性が大きく、従って可
撓性が小さなため、絶縁性基板3とキャップ41間の熱
伸び差を充分吸収しきれず、はんだ割れや伝熱性金属フ
ォイル35自身に無理な力が加わり破壊するという強度
上の問題があった。
【0006】この発明は、上記のような従来のものの問
題点を解決するためになされたものであり、熱伝導を行
う線膨張率の異なる2つの部材間に配置され、熱伝導性
能を損なわずになおかつ熱応力を低減することができる
熱歪吸収体を提供することを目的とし、さらにそれを用
いたパワー半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成に係
る熱歪吸収体は、線膨張率の異なる部材間に配置される
ものであって、線膨張率の異なる少なくとも2枚の熱伝
導性金属板を圧着してなり、これら複数の金属板にまた
がって形成された溝によって仕切られた複数の柱状の梁
とその支持部で構成されたものである。
【0008】本発明の第2の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1の構成に加えて、溝は一方の金属板側から他方
の金属板へ所定深さ食い込むように形成されているもの
である。
【0009】本発明の第3の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第2の構成に加えて、食い込む深さは梁の幅の1/
4以上であるものである。
【0010】本発明の第4の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1の構成に加えて、溝は複数の金属板にまたがっ
て中央部に形成されており、両端に支持部を有するもの
である。
【0011】本発明の第5の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1ないし4のいずれかの構成に加えて、中央部の
梁の断面積を周辺部の梁の断面積よりも大きくしたもの
である。
【0012】本発明の第6の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1ないし5のいずれかの構成に加えて、溝は碁盤
の目状に形成されており、梁は角柱状であるものであ
る。
【0013】本発明の第7の構成に係るパワー半導体装
置は、パワー半導体素子と放熱部とを有するパワー半導
体装置において、上記パワー半導体素子から放熱部への
熱伝導路中に、線膨張率の異なる少なくとも2枚の熱伝
導性金属板を圧着してなるものであって、これら複数の
金属板にまたがって形成された溝によって仕切られた複
数の柱状の梁とその支持部で構成された熱歪吸収体を配
置し、該熱歪吸収体の線膨張率の小さな方の金属板をパ
ワー半導体素子側と、線膨張率の大きな方の金属板を放
熱部側とそれぞれ接合したものである。
【0014】本発明の第8の構成に係るパワー半導体装
置は、上記第7の構成に加えて、熱歪吸収体の溝は一方
の金属板側から他方の金属板へ所定深さ食い込むように
形成されているものである。
【0015】本発明の第9の構成に係るパワー半導体装
置は、上記第8の構成に加えて、食い込む深さは梁の幅
の1/4以上であるものである。
【0016】本発明の第10の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7の構成に加えて、熱歪吸収体の溝は複
数の金属板にまたがって中央部に形成されており、両端
に支持部を有するものである。
【0017】本発明の第11の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7ないし10のいずれかの構成に加え
て、熱歪吸収体は、中央部の梁の断面積を周辺部の梁の
断面積よりも大きくしたものである。
【0018】本発明の第12の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7ないし11のいずれかの構成に加え
て、熱歪吸収体の溝は碁盤の目状に形成されており、梁
は角柱状であるものである。
【0019】本発明の第13の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7の構成に加えて、放熱部は板状であ
り、該放熱部の熱歪吸収体が配置された側と反対側に放
熱部よりも線膨張率の大きな金属を接合したものであ
る。
【0020】本発明の第14の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第13の構成に加えて、放熱部よりも線膨
張率の大きな金属の厚さは、その弾性係数をE2、放熱
部の弾性係数をE1、放熱部の厚さをh1とした場合に、
式(1)で求めた値h2の0.5倍以上2倍以下である
ものである。
【0021】
【数2】
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1によるパワー半導体装置の構成を示す正面図
である。図において、1は例えばIGBT(Insulated
Gate Bipolar Transistor)素子等を搭載したパワー半
導体モジュール、2は例えばIGBT素子等のパワー半
導体素子であり、主要部はけい素で構成されている。3
は両面に銅等の金属の箔が接着された、アルミナや窒化
アルミニウム等からなる絶縁性基板、4は銅やアルミニ
ウム等からなる放熱用金属ベース板、5はヒートシンク
等の冷却装置、6、7、8および9ははんだ、10は熱
歪吸収体(以下、マイクロビーム板と称する。)であ
る。11はモリブデンやタングステン等の線膨張率の小
さな材料からなる第1の熱伝導性金属板、12は銅やア
ルミニウム等の線膨張率の大きな材料からなる第2の熱
伝導性金属板である。13はロールクラッドや爆発圧着
等により形成された圧着部である。マイクロビーム板1
0は線膨張率の小さな絶縁性基板3と線膨張率の大きな
放熱用金属ベース板4との間に配置され、線膨張率の小
さな材料からなる第1の熱伝導性金属板11が線膨張率
の小さな絶縁性基板3すなわちパワー半導体素子2側に
接合され、線膨張率の大きな材料からなる第2の熱伝導
性金属板12が線膨張率の大きな放熱用金属ベース板4
すなわち放熱部側に接合されている。
【0023】図2は図1のマイクロビーム板の一部を拡
大して示す正面図、図3は図2の矢視X−Xから見た断
面図である。図において、14は第1と第2の熱伝導性
金属板11,12にまたがって形成された溝、10aは
溝14によって仕切られた複数の柱状の梁(以下、マイ
クロビームと称する。)、10bは支持部である。本実
施の形態では、溝14は碁盤の目状に形成されており、
マイクロビーム10aは角柱状である。また、溝14は
第2の金属板12側から第1の金属板11へ所定深さ食
い込むように形成されている。
【0024】このように構成されたものにおいて、モジ
ュールの運転時、パワー半導体素子2で発生する熱は、
絶縁性基板3、マイクロビーム板10および放熱用金属
ベース板4を介して、冷却装置5に伝導し、冷却され
る。このとき、線膨張率の小さな絶縁性基板3と線膨張
率の大きな放熱用金属ベース板4の間で熱伸び差が発生
する。この熱伸び差は中央では0であるが端に行くほど
大きくなり端部では図4に示すように、δ1となるが、
図4のようにマイクロビーム12が撓むことによって熱
伸び差は吸収される。また、図5に示すように、第1の
金属板11と第2の金属板12の圧着部13近傍では、
温度上昇によってマイクロビーム10aが線膨張率の小
さな第1の金属板11から線膨張率の大きな第2の金属
板12へ行くにしたがって徐々に膨らんで変形するが、
その影響長さXはマイクロビーム10aの幅Wの略半分
又はそれ以下であるので、第1の金属板11に食い込む
溝15の深さVをマイクロビーム10aの幅Wの1/4
以上例えば略半分程度にすれば変形の影響は第1の金属
板11の主要部分(厚さUの部分)すなわち支持部10
bには現われない。なお、支持部10bもマイクロビー
ム10aの撓みを支持するためにある程度の厚みが必要
である。この厚みは支持部10bの材質によっても異な
るが、例えば2mm程度は必要である。
【0025】図6(a)(b)に本実施の形態によるマ
イクロビーム板10の各寸法の一例を示す。(a)は上
面図、(b)は正面図である。本実施の形態ではマイク
ロビーム10aの断面積は一定とした。なお、図6にお
いて各寸法の単位はmmである。また、明確のため、
(a)ではマイクロビーム部に網かけを施して示してい
る。この例では、マイクロビーム板10は、線膨張率の
小さな材料であるモリブデンからなる縦35.5mm、
横31.5mm、厚さ3mmの第1の金属板11と線膨
張率の大きな材料である銅からなる縦35.5mm、横
31.5mm、厚さ12mmの第2の金属板12とを圧
着した後、第2の金属板12側から第1の金属板11に
1mm食い込んだ状態まで溝14の幅0.5mmで碁盤
の目状に溝加工して密集した多数の幅1.5mm、長さ
13mmの角柱状の梁すなわちマイクロビーム10aを
形成することにより形成される。なお、第1の金属板1
1の溝加工されないで残った部分10bが支持部とな
る。図6では支持部の厚さは2mmである。
【0026】以上のように、本実施の形態によれば、絶
縁性基板3と放熱用金属ベース板4との間に熱伸び差が
生じても、支持部10bには無理な熱応力は発生せず、
はんだ7および8が破損することはなく長期信頼性が高
い。また、マイクロビーム10a部分の熱通過断面積は
従来の伝熱性金属フォイル35に比べて格段に大きく、
絶縁性基板3と放熱用金属ベース板4はこのような熱通
過断面積の大きなマイクロビーム板10を介して結合さ
れているので、従来の伝熱性金属フォイル35を介した
接合に比べて熱抵抗が低く冷却性能を向上させることが
できる。
【0027】実施の形態2.熱伸び差は中央では零で端
部に行くほど大きくなるので、マイクロビーム10aの
撓み量も中央では零で端部に行くほど大きくなる。この
ように、中央部では撓み量は小さいのでマイクロビーム
10aの断面積を大きくしてもマイクロビーム10aの
曲げ応力を許容応力以下にすることができる。図7
(a)(b)に中央に行くほど溝のピッチを大きくして
マイクロビームの断面積を大きくした本発明の実施の形
態2によるマイクロビーム板を示す。(a)は上面図、
(b)は正面図である。このようにして熱通過断面積を
増やすと熱抵抗が減るので冷却性能をさらに向上させる
ことができる。なお、明確のため、(a)ではマイクロ
ビーム部に網かけを施して示している。
【0028】なお、この図7では溝のピッチを2方向に
対して大きくすることにより断面積を大きくしている
が、必ずしも2方向共に大きくしなくてもよく、1方向
だけ大きくすることもできる。図8(a)(b)に中央
に行くほど溝のピッチを1方向だけ大きくすることによ
り断面積を大きくした例を示す。(a)は上面図、
(b)は正面図である。なお、明確のため、(a)では
マイクロビーム部に網かけを施して示している。
【0029】以上のように、本実施の形態によれば、熱
伸び差の小さな中央部のマイクロビームの断面積を熱伸
び差の大きな周辺部のマイクロビームの断面積よりも大
きくしたので、例えば周辺部のマイクロビームの断面積
を実施の形態1と同じにした場合には、実施の形態1に
比べて熱通過断面積を増やすことができ、冷却性能をさ
らに向上させることができる。なお、本実施の形態は、
実施の形態1に限らず、以下の各実施の形態にも適用し
て冷却性能や熱伸び差の吸収特性をより向上させること
ができる。
【0030】実施の形態3.図9は本発明の実施の形態
3によるパワー半導体装置の構成を示す正面図である。
図において、18は放熱用金属ベース板を兼用した銅や
アルミニウム等からなるヒートシンク等の冷却装置であ
り、絶縁性基板3等のその他の構成部材の材料は実施の
形態1と同様である。本実施の形態においては、マイク
ロビーム板10はアルミナや窒化アルミニウム等からな
る線膨張率の小さな絶縁性基板3と放熱用金属ベース板
を兼用した銅やアルミニウム等からなる線膨張率の大き
な冷却装置18の間に配置され、線膨張率の小さな第1
の金属板11がパワー半導体素子2側すなわち絶縁性基
板3に、線膨張率の大きな第2の金属板12が放熱部側
すなわち放熱用金属ベース板を兼用した冷却装置18に
それぞれはんだ7および8により接合されている。
【0031】モジュールの運転時、パワー半導体素子2
で発生する熱は、絶縁性基板3およびマイクロビーム1
0を介して、冷却装置5に伝導し、冷却される。このと
き、線膨張率の小さな絶縁性基板3と線膨張率の大きな
冷却装置5の間で熱伸び差が発生するが、その間を実施
の形態1と同様のマイクロビーム板10で結合すること
によってマイクロビーム板10の支持部10bには無理
な熱応力は発生せず、はんだ7および8が破損すること
はなく長期信頼性が高い。また、絶縁性基板3と冷却装
置5はこの熱通過断面積の大きなマイクロビーム板10
を介して結合されているので、従来の伝熱性金属フォイ
ル35を介した接合に比べて熱抵抗が低く冷却性能を向
上させることができる。
【0032】実施の形態4.図10は本発明の実施の形
態4によるパワー半導体装置の構成を示す正面図であ
る。本実施の形態においては、放熱用金属ベース板4は
モリブデンやタングステン等の線膨張率の小さな材料か
らなり、ヒートシンク等の冷却装置5は銅やアルミニウ
ム等の線膨張率の大きな材料からなる。その他の構成部
材の材料は実施の形態1と同様である。マイクロビーム
板10は線膨張率の小さな材料からなる放熱用金属ベー
ス板4と線膨張率の大きな材料からなる冷却装置5との
間に配置され、線膨張率の小さな第1の金属板11がパ
ワー半導体素子2側すなわち放熱用金属ベース板4に、
線膨張率の大きな第2の金属板12が冷却部側すなわち
冷却装置5にそれぞれはんだ8および9により接合され
ている。
【0033】モジュールの運転時、パワー半導体素子2
で発生する熱は、絶縁性基板3、放熱用金属ベース板4
およびマイクロビーム板10を介して、冷却装置5に伝
導し、冷却される。このとき、線膨張率の小さな放熱用
金属ベース板4と線膨張率の大きな冷却装置5の間で熱
伸び差が発生するが、その間を実施の形態1と同様のマ
イクロビーム板10で結合することによって、マイクロ
ビーム板10の支持部10bには無理な熱応力は発生せ
ず、はんだ8および9が破損することはなく長期信頼性
が高い。また、放熱用金属ベース板4と冷却装置5はこ
の熱通過断面積の大きなマイクロビーム板10を介して
結合されているので、従来の伝熱性金属フォイルを介し
た接合に比べて熱抵抗が低く冷却性能を向上させること
ができる。
【0034】実施の形態5.図11は本発明の実施の形
態5によるパワー半導体装置の構成を示す正面図であ
る。本実施の形態では、放熱用金属ベース板4や冷却装
置5等の各構成部材の材料および配置は図10で示した
実施の形態4と同じであるが、マイクロビーム板10の
構成が異なる。すなわち、マイクロビーム板10はモリ
ブデンやタングステン等の線膨張率の小さな材料からな
る第1の金属板11と銅やアルミニウム等の線膨張率の
大きな材料からなる第2の金属板12を圧着13したも
のを、線膨張率の小さな第1の金属板11側から線膨張
率の大きな第2の金属板12に食い込んだ状態まで碁盤
の目状に溝加工し、線膨張率の大きな第2の金属板12
をマイクロビーム支持部として少し残すようにしたもの
である。マイクロビーム板10を拡大して図12(a)
(b)に正面図および下面図でそれぞれ示す。なお、図
12において、各寸法の単位はmmである。なお、明確
のため、(b)ではマイクロビーム部に網かけを施して
示している。マイクロビーム板10は、線膨張率の小さ
な材料からなる放熱用金属ベース板4と線膨張率の大き
な材料からなる冷却装置5との間に配置され、線膨張率
の小さな第1の金属板11が放熱用金属ベース板4に、
線膨張率の大きな第2の金属板12が冷却装置5にそれ
ぞれはんだ8および9により接合されている。
【0035】モジュールの運転時、パワー半導体素子2
で発生する熱は、絶縁性基板3、放熱用金属ベース板4
およびマイクロビーム板10を介して、冷却装置5に伝
導し、冷却される。このとき、線膨張率の小さな放熱用
金属ベース板4と線膨張率の大きな冷却装置5の間で熱
伸び差が発生するが、その間をマイクロビーム板10で
結合することによって、線膨張率の小さな放熱用金属ベ
ース板4はマイクロビーム板の同じく線膨張率の小さな
第1の金属板11とはんだ付されるのと、マイクロビー
ムの撓みによる熱伸び差吸収作用によって放熱用金属ベ
ース板4には無理な熱応力は発生せず、はんだ8および
9が破損することはなく長期信頼性が高い。また、放熱
用金属ベース板4と冷却装置5はこの熱通過断面積の大
きなマイクロビーム板10を介して結合されているの
で、従来の伝熱性金属フォイル35を介した接合に比べ
て熱抵抗が低く冷却性能を向上させることができる。
【0036】なお、本実施の形態では線膨張率の小さな
第1の金属11側から線膨張率の大きな第2の金属12
に食い込むように溝加工しているので、支持部10bは
第2の金属12の方に形成され第1の金属板11の方に
は形成されないため、銅やアルミニウムに比べて熱伝導
率が小さく一般に高価であるモリブデンやタングステン
等の第1の金属板11の厚さを薄くすることが可能とな
り、安価でしかも熱伝導率が向上したマイクロビーム板
10が得られる。ただし、マイクロビーム10aは線膨
張率の大きな第2の金属12部分の長さがある程度必要
である上に支持部10bも形成するので、第2の金属板
12の厚さは上記各実施の形態に比べて厚くする必要が
ある。図12の例では第1の金属板11の厚さが2m
m、第2の金属板12の厚さが15mmである。
【0037】実施の形態6.図13は本発明の実施の形
態6によるパワー半導体装置の構成を示す正面図であ
る。図において、17はマイクロビーム板10の第1の
金属板を兼用したモリブデンやタングステン等の線膨張
率の小さな材料からなる放熱用金属ベース板である。ヒ
ートシンク等の冷却装置5は銅やアルミニウム等の線膨
張率の大きな材料からなる。その他の構成部材の材料は
実施の形態1と同様である。本実施の形態では、マイク
ロビーム板10は、モリブデンやタングステン等の線膨
張率の小さな材料からなる放熱用金属ベース板17と銅
やアルミニウム等の線膨張率の大きな材料からなる第2
の金属板12を圧着13したものを、第2の金属板12
側から放熱用金属ベース板17に少し食い込む状態ま
で、碁盤の目状に溝加工したものである。パワー半導体
素子2は絶縁性基板3上にはんだ6で接合され、絶縁性
基板3はマイクロビーム板10の第1の金属板を兼用し
た放熱用金属ベース板17上にはんだ7で接合され、放
熱用金属ベース板17と一体となったマイクロビーム板
10は冷却装置5上にはんだ9で接合される。
【0038】モジュールの運転時、パワー半導体素子2
で発生する熱は、絶縁性基板3および放熱用金属ベース
板17と一体となったマイクロビーム板10を介して、
冷却装置5に伝導し、冷却される。このとき、線膨張率
の小さな絶縁性基板3と線膨張率の大きな冷却装置5の
間で熱伸び差が発生するが、その間をマイクロビーム板
10で結合することによって、マイクロビーム板10の
支持部である線膨張率の小さな放熱用金属ベース板17
の溝14が形成されていない部分は線膨張率の異なる材
料を接合している圧着13面から離れているのと、マイ
クロビームの撓みによる熱伸び差吸収作用によって、こ
の支持部には無理な熱応力は発生せず、はんだ7および
9が破損することはなく長期信頼性が高い。また、放熱
用金属ベース板4と冷却装置5はこの熱通過断面積の大
きなマイクロビーム板10を介して結合されているの
で、従来の伝熱性金属フォイル35を介した接合に比べ
て熱抵抗が低く冷却性能を向上させることができる。図
14にマイクロビームの撓む様子を示す。図において、
δ2はマイクロビーム10aの端部における撓み量であ
る。
【0039】実施の形態7.図15は本発明の実施の形
態7によるパワー半導体の構成を示す正面図である。図
において、4はモリブデンやタングステン等の線膨張率
の小さな材料からなる放熱用金属ベース板、19はマイ
クロビーム板10の第2の金属板を兼用した銅やアルミ
ニウム等の線膨張率の大きな材料からなるヒートシンク
等の冷却装置である。その他の構成部材の材料は実施の
形態1と同様である。本実施の形態では、マイクロビー
ム板10は、銅やアルミニウム等の線膨張率の大きな材
料からなる第2の金属板を兼用した冷却装置19にモリ
ブデンやタングステン等の線膨張率の小さな材料からな
る第1の金属板11を圧着13したものを、線膨張率の
小さな第1の金属板11側から第2の金属板を兼用した
冷却装置19に食い込む状態まで、碁盤の目状溝加工し
たものである。パワー半導体素子2は絶縁性基板3上に
はんだ6で接合され、絶縁性基板3は放熱用金属ベース
板4上にはんだ7で接合され、放熱用金属ベース板4は
冷却装置と一体となったマイクロビーム板10にはんだ
8で接合される。
【0040】モジュールの運転時、パワー半導体素子2
で発生する熱は、絶縁性基板3、放熱用金属ベース板4
および冷却装置と一体となったマイクロビーム板10を
介して冷却装置19に伝導し、冷却される。このとき、
線膨張率の小さな放熱用金属ベース板4と線膨張率の大
きな冷却装置19の間で熱伸び差が発生するが、その間
をマイクロビームで結合することによって、線膨張率の
小さな放熱用金属ベース板4は線膨張率の異なる材料を
接合している圧着13面から離れているのと、マイクロ
ビームの撓みによる熱伸び差吸収作用によって、放熱用
金属ベース板4には無理な熱応力は発生せず、はんだ7
および9が破損することはなく長期信頼性が高い。ま
た、放熱用金属ベース板4と冷却装置19は熱通過断面
積の大きなマイクロビームを介して結合されているの
で、従来の伝熱性金属フォイル35を介した接合に比べ
て熱抵抗が低く冷却性能を向上させることができる。
【0041】実施の形態8.図16は本発明の実施の形
態8によるパワー半導体装置の構成を示す正面図であ
る。図において、20は冷却装置5より線膨張率の大き
なバイメタル金属であり、例えば、冷却装置5に銅を使
用した場合、バイメタル金属20にアルミニウム等を使
用する。21は圧着部またははんだであり、圧着または
はんだによりバイメタル金属20を冷却装置5に接合し
ている。図17は図16の要部を拡大して示す正面図、
図18は本実施の形態の作用を説明する図である。本実
施の形態においては、冷却装置5はその反パワー半導体
素子2側にはフィン等が形成されておらず板状であり、
バイメタル金属20が接合されている点を除けば、実施
の形態6と同様の構成を有している。
【0042】モジュールの運転時、マイクロビーム板1
0の熱伸び差吸収作用は実施の形態6の場合と同様であ
るのでここでは説明を省略する。本実施の形態では、図
16〜図18に示すように、冷却装置5より線膨張率の
大きなバイメタル金属20を冷却装置5の反パワー半導
体素子2側に接合しているので、モジュールの運転時に
冷却装置5は図18に示すようにパワー半導体素子2側
が凹むように湾曲し、マイクロビーム10aで吸収する
撓み量(中央では0であるが端に行くほど大きくなり端
部ではδ3)はバイメタル金属20が接合されていない
実施の形態6の図14における撓み量(端部ではδ2)
より小さくて済み、従ってマイクロビーム10aの長さ
を短くしたり断面積を大きくしたりすることができ、熱
抵抗が小さくなるので冷却効果はさらに向上する。
【0043】また、例えば、板状の冷却装置5に銅を使
用し、バイメタル金属20にアルミニウムを使用した場
合、冷却装置5の厚さを16mmとすると、マイクロビ
ーム10aで吸収すべき撓み量δ3は、図19に示す様
にバイメタル金属20の厚さh2によって異なり、δ3が
最小となる点が存在する。即ち、湾曲することによって
生じる曲率半径が最小となりバイメタル効果が最大とな
る点が存在する。
【0044】そこで、図20を用いてバイメタル効果が
最大となるバイメタル金属20の厚さについて説明す
る。図20に示すように各部の大きさを下表のように定
義する。
【0045】
【表1】
【0046】歪量の釣合いより α1ΔT1+ P1/(A1E1)+ h1/(2R1) = α2ΔT2− P2/(A2E2)− h2/(2R2) …(11) ∴ α2ΔT2−α1ΔT1= h/R+ P{1/(A1E1)+ 1/(A
2E2)}モーメントの釣合いより Ph = M1+ M2 = E1I1/R1+ E2I2/R2 = (E1I1+E2I2)/R …(12) 式(11)(12)より極率は 1/R= (α2ΔT2−α1ΔT1)/[ h+ {1/(A1E1)+ 1/(A2E2)}(E1I1+E2I2)/h] …(13) 撓み角は(片側) θ= L/2・1/R=L/2・ (α2ΔT2−α1ΔT1)/ [ h+ {1/(A1E1)+ 1/(A2E2)}(E1I1+E2I2)/h]…(14) 式(13)および式(14)の分母 f(h2)=h+ {1/(A1E1)+ 1/(A2E2)}(E1I1+E2I2)/h …(15) が最小となる時に式(13)の曲率が最大、曲率半径が
最小となり、また、式(14)の撓み角が最大となりバ
イメタル効果が最大となる。式(15)に 式(a),
(b),(c)を代入すると
【0047】
【数3】
【0048】この値が最小となるh2 を求めると
【0049】
【数4】
【0050】これを無次元化して図にすると図21のよ
うになる。例えば、冷却装置5に銅を使用し、バイメタ
ル金属20にアルミニウムを使用するとE1=12000kgf/
mm2、E2=7200kgf/mm2、E2/E1=0.6、h2/h1=0.
626となり、冷却装置5の厚さをh=16mmとする
と、バイメタル効果が最も大きく曲率半径が最小となる
バイメタル金属20の厚さはh2=0.626×16=10m
mとなる。また、図19からも分かるように、バイメタ
ル金属20の厚さh2は、バイメタル効果が最も大きく
曲率半径が最小となるバイメタル金属20の厚さ(10
mm)の0.5倍(5mm)から2.0倍(20mm)
の間の値で比較的大きなバイメタル効果が得られ、撓み
量δ3が小さくなる。したがって、バイメタル金属の厚
さを上式で求めた値h2の0.5倍以上2.0倍以下の
値とすることによってマイクロビーム板10で吸収すべ
き撓み量δ3を小さくすることができる。
【0051】なお、バイメタル金属20と冷却装置5と
を放熱用金属ベース板と一体となったマイクロビーム板
10にはんだ付けする操作としては、次の3操作が考え
られ、接合する手順としては次の3ケースが考えられ
る。 操作1:バイメタル金属20を冷却装置に圧着する。 操作2:バイメタル金属20を冷却装置にはんだ付けす
る。 操作3:冷却装置5を放熱用金属ベース板と一体となっ
たマイクロビーム板10にはんだ付けする。 ケース1:操作1を行ってから操作3を行う。 ケース2:操作2と操作3を一括して同時に行う。 ケース3:操作2の高温はんだ付けを行ってから操作3
の低温はんだ付けを行う。
【0052】なお、ケース1と3において、バイメタル
金属20が接合された冷却装置5を放熱用金属ベース板
と一体となったマイクロビーム板10にはんだ付けする
際、バイメタル金属20と一体となった冷却装置5はは
んだ付け温度に加熱されて、バイメタル金属20と冷却
装置5の線膨張率の差によって湾曲し、マイクロビーム
板10にはんだ付けする面(以下この面を面1と言う)
も湾曲する。しかるに、放熱用金属ベース板と一体とな
ったマイクロビーム板10の冷却装置5側の面(以下こ
の面を面2と言う)はマイクロビーム10aに分割され
てはいるが平面であるのではんだ付けが多少難しくなる
場合が生じる。このとき、はんだ付けする方法として次
の3ケースが考えられる。 ケース4:面1の湾曲量がはんだの厚さに比べて小さな
のでそのままはんだ付する。 ケース5:放熱用金属ベース板17は薄く剛性が低いの
で、面2を面1に沿わせて湾曲させてはんだ付する。 ケース6:バイメタル金属20と一体となった冷却装置
5をはんだの溶融温度まで加熱した状態で面1を平面加
工し、その後はんだ付する。ケース6の場合は、はんだ
付する際、バイメタル金属20と一体となった冷却装置
5はんだ付温度まで加熱されているので面1は平面にな
っており、平面の面2と平面と平面のはんだ付となるの
で良好なはんだ付を行うことができる。
【0053】なお、本実施の形態では実施の形態6にお
いて、冷却装置5の反パワー半導体素子2側にバイメタ
ル金属20を接合した場合について説明したが、上記各
実施の形態1〜5や7にも適用できるのは言うまでもな
い。
【0054】実施の形態9.なお、上記各実施の形態で
は、マイクロビーム板10として溝14が一方の金属板
11(または12)側から他方の金属板12(または1
1)へ所定深さ食い込むように形成されているものにつ
いて説明したが、これに限るものではなく、図22に示
すように溝14が2枚の金属板11,12にまたがって
中央部に形成されており、両端に支持部10bを有する
ものであってもよく、この場合には両端が支持部10b
であるので、他の部材との接合が容易となる。
【0055】なお、上記各実施の形態では、パワー半導
体素子2から放熱部5への熱伝導路中で様々な場所にマ
イクロビーム板10を配置した場合につて説明したが、
要は、線膨張率の最も大きく異なる部材間にマイクロビ
ーム板10を配置するのが最も効果的である。ただし、
実施の形態1の図1と実施の形態4の図10を比べた場
合、図1の方が、マイクロビーム板10を個々のパワー
半導体素子2に小さく分割して接合しているので、熱伸
び差が小さくより吸収しやすいという利点はある。
【0056】なお、上記各実施の形態では熱歪吸収体す
なわちマイクロビーム板10をパワー半導体装置の熱歪
吸収に用いた場合について説明したが、これに限るもの
ではなく、例えばガソリンエンジンなどの燃焼室等の内
壁を冷却したり、ごみ焼却炉などの燃焼炉の熱を利用し
たりする時の熱伝導路としても用いることができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の構成に係
る熱歪吸収体は、線膨張率の異なる部材間に配置される
ものであって、線膨張率の異なる少なくとも2枚の熱伝
導性金属板を圧着してなり、これら複数の金属板にまた
がって形成された溝によって仕切られた複数の柱状の梁
とその支持部で構成されたので、熱伝導性能を損なわず
になおかつ両部材の線膨張率の違いによる熱伸び差を吸
収して熱応力を低減することができる。
【0058】本発明の第2の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1の構成に加えて、溝は一方の金属板側から他方
の金属板へ所定深さ食い込むように形成されているの
で、製造が容易である。
【0059】本発明の第3の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第2の構成に加えて、食い込む深さは梁の幅の1/
4以上であるので、熱応力を効果的に低減することがで
きる。
【0060】本発明の第4の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1の構成に加えて、溝は複数の金属板にまたがっ
て中央部に形成されており、両端に支持部を有するの
で、熱歪吸収体の両側に配置される部材との接合が容易
である。
【0061】本発明の第5の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1ないし4のいずれかの構成に加えて、中央部の
梁の断面積を周辺部の梁の断面積よりも大きくしたの
で、冷却性能をさらに向上させたり、熱伸び差の吸収特
性をより向上させたりすることができる。
【0062】本発明の第6の構成に係る熱歪吸収体は、
上記第1ないし5のいずれかの構成に加えて、溝は碁盤
の目状に形成されており、梁は角柱状であるので、容易
にしかもスペースファクター良く梁を形成することがで
きる。
【0063】本発明の第7の構成に係るパワー半導体装
置は、パワー半導体素子と放熱部とを有するパワー半導
体装置において、上記パワー半導体素子から放熱部への
熱伝導路中に、線膨張率の異なる少なくとも2枚の熱伝
導性金属板を圧着してなるものであって、これら複数の
金属板にまたがって形成された溝によって仕切られた複
数の柱状の梁とその支持部で構成された熱歪吸収体を配
置し、該熱歪吸収体の線膨張率の小さな方の金属板をパ
ワー半導体素子側と、線膨張率の大きな方の金属板を放
熱部側とそれぞれ接合したので、パワー半導体素子から
放熱部への熱伝導性能を損なわずに、なおかつ線膨張率
の違いによる熱伸び差を吸収してパワー半導体装置に発
生する熱応力を低減することができる。
【0064】本発明の第8の構成に係るパワー半導体装
置は、上記第7の構成に加えて、熱歪吸収体の溝は一方
の金属板側から他方の金属板へ所定深さ食い込むように
形成されているもで、製造が容易である。
【0065】本発明の第9の構成に係るパワー半導体装
置は、上記第8の構成に加えて、食い込む深さは梁の幅
の1/4以上であるので、熱応力を効果的に低減するこ
とができる。
【0066】本発明の第10の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7の構成に加えて、熱歪吸収体の溝は複
数の金属板にまたがって中央部に形成されており、両端
に支持部を有するので、熱歪吸収体の両側に配置される
部材との接合が容易である。
【0067】本発明の第11の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7ないし10のいずれかの構成に加え
て、熱歪吸収体は、中央部の梁の断面積を周辺部の梁の
断面積よりも大きくしたので、パワー半導体素子から放
熱部への熱伝導性能をさらに向上させたり、熱伸び差の
吸収特性をより向上させたりすることができる。
【0068】本発明の第12の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7ないし11のいずれかの構成に加え
て、熱歪吸収体の溝は碁盤の目状に形成されており、梁
は角柱状であるので、容易にしかもスペースファクター
良く梁を形成することができる。
【0069】本発明の第13の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第7の構成に加えて、放熱部は板状であ
り、該放熱部の熱歪吸収体が配置された側と反対側に放
熱部よりも線膨張率の大きな金属を接合したので、熱歪
吸収体で吸収すべき撓み量を小さくすることができ、梁
の長さを短くしたり断面積を大きくしたりできるので、
パワー半導体素子から放熱部への熱伝導性能をさらに向
上させることができる。
【0070】本発明の第14の構成に係るパワー半導体
装置は、上記第13の構成に加えて、放熱部よりも線膨
張率の大きな金属の厚さは、その弾性係数をE2、放熱
部の弾性係数をE1、放熱部の厚さをh1とした場合に、
式(1)で求めた値h2の0.5倍以上2倍以下とする
ことにより、上記第13の構成による効果を効率的に得
ることができる。
【0071】
【数5】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるパワー半導体装
置の構成を示す正面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係わり図1のマイク
ロビーム板の一部を拡大して示す正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係わり図2の矢視X
−Xから見た断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係わりマイクロビー
ム板の作用を説明する図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係わりマイクロビー
ム板の圧着部近傍を拡大して作用を説明する図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係わるマイクロビー
ム板の各寸法の一例を示し、(a)は上面図、(b)は
正面図である。
【図7】 本発明の実施の形態2に係わるマイクロビー
ム板の各寸法の一例を示し、(a)は上面図、(b)は
正面図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係わるマイクロビー
ム板の各寸法の別の例を示し、(a)は上面図、(b)
は正面図である。
【図9】 本発明の実施の形態3によるパワー半導体装
置の構成を示す正面図である。
【図10】 本発明の実施の形態4によるパワー半導体
装置の構成を示す正面図である。
【図11】 本発明の実施の形態5によるパワー半導体
装置の構成を示す正面図である。
【図12】 本発明の実施の形態5に係わるマイクロビ
ーム板の各寸法の一例を示し、(a)は上面図、(b)
は正面図である。
【図13】 本発明の実施の形態6によるパワー半導体
装置の構成を示す正面図である。
【図14】 本発明の実施の形態6に係わりマイクロビ
ーム板の撓む様子を示す図である。
【図15】 本発明の実施の形態7によるパワー半導体
装置の構成を示す正面図である。
【図16】 本発明の実施の形態8によるパワー半導体
装置の構成を示す正面図である。
【図17】 本発明の実施の形態8に係わり図16の要
部を拡大して示す正面図である。
【図18】 本発明の実施の形態8に係わりマイクロビ
ーム板の撓む様子を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態8に係わり撓み量とバ
イメタル金属の厚さの関係を示す特性図である。
【図20】 本発明の実施の形態8に係わる説明図であ
る。
【図21】 本発明の実施の形態8に係わりバイメタル
金属と冷却装置の厚さの比とバイメタル金属と冷却装置
の縦弾性計数の比との関係を示す特性図である。
【図22】 本発明の実施の形態10に係わるマイクロ
ビーム板の一部を拡大して示す正面図である。
【図23】 従来パワー半導体装置の構成を示す断面図
である。
【図24】 図23の伝熱性金属フォイルを拡大して示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 パワー半導体モジュール、2 パワー半導体素子、
3 絶縁性基板、4放熱用金属ベース板、5 冷却装
置、6〜9 はんだ、10 マイクロビーム板、10a
マイクロビーム、10b 支持部、11 第1の金属
板、12 第2の金属板、13 圧着部、14 溝、1
7 第1の金属板を兼用した放熱用金属ベース版、18
放熱用金属ベース版を兼用した冷却装置、19 第2
の金属板を兼用した冷却装置、20 バイメタル金属、
21 はんだまたは圧着部、35伝熱性金属フォイル、
36 切溝、40 パッケージ、41 キャップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/34 - 23/473

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線膨張率の異なる部材間に配置されるも
    のであって、線膨張率の異なる少なくとも2枚の熱伝導
    性金属板を圧着してなり、これら複数の金属板にまたが
    って形成された溝によって仕切られた複数の柱状の梁と
    その支持部で構成されたことを特徴とする熱歪吸収体。
  2. 【請求項2】 溝は一方の金属板側から他方の金属板へ
    所定深さ食い込むように形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の熱歪吸収体。
  3. 【請求項3】 食い込む深さは梁の幅の1/4以上であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の熱歪吸収体。
  4. 【請求項4】 溝は複数の金属板にまたがって中央部に
    形成されており、両端に支持部を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の熱歪吸収体。
  5. 【請求項5】 中央部の梁の断面積を周辺部の梁の断面
    積よりも大きくしたことを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の熱歪吸収体。
  6. 【請求項6】 溝は碁盤の目状に形成されており、梁は
    角柱状であることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れかに記載の熱歪吸収体。
  7. 【請求項7】 パワー半導体素子と放熱部とを有するパ
    ワー半導体装置において、上記パワー半導体素子から放
    熱部への熱伝導路中に、線膨張率の異なる少なくとも2
    枚の熱伝導性金属板を圧着してなるものであって、これ
    ら複数の金属板にまたがって形成された溝によって仕切
    られた複数の柱状の梁とその支持部で構成された熱歪吸
    収体を配置し、該熱歪吸収体の線膨張率の小さな方の金
    属板をパワー半導体素子側と、線膨張率の大きな方の金
    属板を放熱部側とそれぞれ接合したことを特徴とするパ
    ワー半導体装置。
  8. 【請求項8】 熱歪吸収体の溝は一方の金属板側から他
    方の金属板へ所定深さ食い込むように形成されているこ
    とを特徴とする請求項7に記載のパワー半導体装置。
  9. 【請求項9】 食い込む深さは梁の幅の1/4以上であ
    ることを特徴とする請求項8に記載のパワー半導体装
    置。
  10. 【請求項10】 熱歪吸収体の溝は複数の金属板にまた
    がって中央部に形成されており、両端に支持部を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載のパワー半導体装置。
  11. 【請求項11】 熱歪吸収体は、中央部の梁の断面積を
    周辺部の梁の断面積よりも大きくしたものであることを
    特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載のパワ
    ー半導体装置。
  12. 【請求項12】 熱歪吸収体の溝は碁盤の目状に形成さ
    れており、梁は角柱状であることを特徴とする請求項7
    ないし11のいずれかに記載のパワー半導体装置。
  13. 【請求項13】 放熱部は板状であり、該放熱部の熱歪
    吸収体が配置された側と反対側に放熱部よりも線膨張率
    の大きな金属を接合したことを特徴とする請求項7に記
    載のパワー半導体装置。
  14. 【請求項14】 放熱部よりも線膨張率の大きな金属
    厚さは、その弾性係数をE2、放熱部の弾性係数をE1
    放熱部の厚さをh1とした場合に、式(1)で求めた値
    2の0.5倍以上2倍以下であることを特徴とする請
    求項13に記載のパワー半導体装置。 【数1】
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