JP3446279B2 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JP3446279B2
JP3446279B2 JP35156093A JP35156093A JP3446279B2 JP 3446279 B2 JP3446279 B2 JP 3446279B2 JP 35156093 A JP35156093 A JP 35156093A JP 35156093 A JP35156093 A JP 35156093A JP 3446279 B2 JP3446279 B2 JP 3446279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は無段変速機、特にエン
ジン側から入力された入力トルクを、トルクコンバータ
を介して出力する第1動力伝達経路と、上記トルクコン
バータをバイパスして無段変速機構を介して出力する第
2動力伝達経路とを有する無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などに搭載される無段変速機とし
て、例えば特開平5−26326号公報に開示されてい
るように、トルクコンバータから出力されるエンジン出
力を減速機構で減速して出力する第1動力伝達経路と、
トルクコンバータをバイパスして設置された無段変速機
構を介してエンジン出力を出力する第2動力伝達経路と
を備え、これらの動力伝達経路を運転状態に応じて切り
換えるようにしたものがある。
【0003】これによれば、第1動力伝達経路が形成さ
れたときには、トルクコンバータのトルク増大作用によ
り、良好な発進性ないし加速性が得られることになる。
一方、第2動力伝達経路が形成されたときには、無段変
速機構の特性を生かして、運転状態に応じた適切な変速
比を変速ショックを生じさせことなく実現することが
可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては、例えば無段変速機構の最大減速比を境として
第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とが切り換えられ
るようになっていたため、第2動力伝達経路が形成され
たときには、全ての伝達トルクを無段変速機構が受け持
たなければならず、無段変速機構が大型化するという問
題がある。
【0005】この発明は、トルクコンバータを経由する
第1動力伝達経路と、トルクコンバータをバイパスして
無段変速機構を経由する第2動力伝達経路とが設定可能
とされた無段変速機における上記の問題に対処するもの
で、無段変速機構ないし無段変速機をコンパクトに構成
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1発明という)は、エンジン側
から入力された入力トルクを、トルクコンバータを介し
て出力する第1動力伝達経路と、トルクコンバータをバ
イパスして無段変速機構を介して出力する第2動力伝達
経路とを有する無段変速機において、上記トルクコンバ
ータのトルク比が無段変速機構の最大減速比よりも大き
く設定されていると共に、上記第1動力伝達経路を断接
する第1動力伝達経路断接手段と、同じく第2動力伝達
経路を断接する第2動力伝達経路断接手段と、当該無段
変速機の変速比が、無段変速機構の最大減速比とトルク
コンバータの速度比が1となる変速比との間の領域にお
いて、上記第1、第2動力伝達経路の双方を介して動力
が伝達されるように上記第1、第2動力伝達経路断接手
段を作動させる制御手段とが設けられていることを特徴
とする。
【0007】 また 、本願の請求項に係る発明(以下、
発明という)は、上記第1発明における制御手段
を、当該無段変速機の変速比が、無段変速機構の最大減
速比とトルクコンバータの速度比が1となる変速比との
間の領域において、入力トルクが所定値よりも大きいと
きに、上記第1、第2動力伝達経路の双方を介して動力
が伝達されるように上記第1、第2動力伝達経路断接手
段を作動させるように構成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】上記の構成によれば次の作用が得られる。
【0009】 すなわち、第1、第2発明のいずれにおい
ても、当該無段変速機の変速比が、第2動力伝達経路に
備えられた無段変速機構の最大減速比とトルクコンバー
タの速度比が1となる変速比との間の領域において、第
1、第2動力伝達経路が併用されることになるので、伝
達トルクが第1動力伝達経路側のトルクコンバータでも
分担されることになり、これによって無段変速機構が全
体的にコンパクトに構成されることになる。
【0010】 加えて 、トルクコンバータのトルク比が無
段変速機構の最大減速比よりも大きく設定されることに
なるので、トルクコンバータの出力を減速するための減
速機構が不要となって無段変速機の軸方向寸法が短縮さ
れると共に、第2動力伝達経路の使用時における伝達効
率が向上することにもなる。
【0011】 また 、第発明によれば、入力トルクが大
きいときに第1、第2動力伝達経路を併用するようにな
っているので、特に低変速比側における伝達効率の悪化
が確実に回避されることになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0013】 図1に示すように、当該自動車のパワート
レインを構成するエンジン1には、第1実施例に係る無
段変速機2が連結されている。この無段変速機2は、エ
ンジン1の出力軸1aに連結されたトルクコンバータ3
を有すると共に、このトルクコンバータ3の後方には同
様な構成とされた一対のトロイダル型の無段変速機構4
a,4bを有する無段変速装置4が配置されている。そ
して、この無段変速装置4の後方には、トルクコンバー
タ3もしくは該トルクコンバータ3をバイパスして上記
無段変速機構4a,4bを経由した動力、または双方を
経由した動力を正逆転させる前後進切換装置5が配置さ
れていると共に、該前後進切換装置5から出力された動
力が出力軸6を介して図外の駆動輪に伝達されるように
なっている。
【0014】 上記トルクコンバータ3は、エンジン1の
出力軸に連結されたケーシング3aと一体のポンプ3b
と、このポンプ3bに対向配置されて該ポンプ3bによ
り作動油を介して駆動されるタービン3cと、該タービ
ン3cと上記ポンプ3bとの間に配置された一対のステ
ータ3d,3dとを有し、上記タービン3cと一体回転
するタービンシャフト3eが、同一軸線上に配置された
中間軸7に第1動力伝達経路形成用の第1クラッチ61
を介して連結されている。また、上記タービンシャフト
3eに外嵌された中空シャフト3fの前端側がワンウェ
イクラッチ3g,3gを介して上記ステータ3d,3d
に連結されていると共に、この中空シャフト3fの後端
側は変速機ケーシング8に一体とされている。さらに、
上記中空シャフト3fに外嵌されたポンプシャフト3h
は、その前端側が上記ケーシング3aに連結されている
と共に、その中間部にオイルポンプ9が設けられてい
る。そして、このポンプシャフト3hの後端側と、上記
中空シャフト3fに遊嵌合された出力ギヤ81との間に
第2動力伝達経路形成用の第2クラッチ62が介設され
ている。
【0015】 一方、上記無段変速装置4における一対の
無段変速機構4a,4bは、それぞれ上記中間軸7上に
該軸7に対して回転自在に設けられた入力ディスク4
c,4cと、各入力ディスク4c,4cに対向配置され
て中間軸7と一体回転する出力ディスク4d,4dと、
該出力ディスク4d,4dと入力ディスク4c,4cと
の間に両ディスクにそれぞれ接触した状態で回転及び傾
動可能に配置された各一対のパワーローラ4e…4eと
を有する。
【0016】 そして、上記両無段変速機構4a,4bに
おける各入力ディスク4c,4c間には、これらの入力
ディスク4c,4cに対して相対回転可能とされた中間
ディスク4fが配置されていると共に、この中間ディス
ク4fと各入力ディスク4c,4cの間に複数のローデ
ィングカム4g…4gがそれぞれ介装されている。これ
らのローディングカム4g…4gは、入力ディスク4
c,4cに入力される入力トルクが大きくなるほど、各
カム4g…4gによる各入力ディスク4c,4cに対す
る押付力が増大するようになっている。
【0017】 さらに、上記中間ディスク4fを介して各
入力ディスク4c,4cにエンジン1の出力を入力する
ための動力伝達軸10が上記中間軸7に平行に配置され
ている。この動力伝達軸10の前端側に設けられた第1
ギヤ82には、上記中空シャフト3fに遊嵌合された出
力ギヤ81が中間ギヤ83を介して噛合連結されている
と共に、該伝達軸10の後端側に設けられた第2ギヤ8
4には、上記中間ディスク4fに設けられた入力ギヤ8
5が噛合されている。したがって、上記第2クラッチ6
2が締結された場合には、トルクコンバータ3をバイパ
スしたエンジン出力が、動力伝達軸10を介して上記無
段変速装置4における各無段変速機構4a,4bの入力
ディスク4c,4cにそれぞれ入力され、図のように、
各パワーローラ4e…4eの傾動角度に応じた所定の変
速比で入力ディスク4c,4cの回転が変速されて出力
ディスク4d,4dに伝達されるようになっている。
【0018】 ここで、上記トルクコンバータ3は、その
トルク比が上記無段変速装置4(無段変速機構4a,4
b)の最大減速比よりも大きくなるように構成されてい
る。
【0019】 また、上記前後進切換装置5は、ダブルピ
ニオン式の遊星歯車機構5aを有し、上記中間軸7の後
端側に連結されたサンギヤ5bにはインナピニオン5c
が噛合されていると共に、該インナピニオン5cとアウ
タピニオン5dとを固定支持するキャリヤ5eが、中間
軸7と同一軸心上に配置された上記出力軸6に連結され
ている。そして、この出力軸6には、上記アウタピニオ
ン5dに噛合されたリングギヤ5fが第3クラッチ63
を介して連結されている。さらに、このリングギヤ5f
がブレーキ64を介して変速機ケーシング8に連結され
ている。したがって、ブレーキ64を解放し、かつ第3
クラッチ63を締結すれば、中間軸7に伝達された回転
がそのまま出力軸6に伝達され、該出力軸6が前進方向
に回転駆動される。また、ブレーキ64を締結し、かつ
第3クラッチ63を解放すれば、中間軸7に伝達された
回転が逆転して出力軸6に伝達され、該出力軸6が後進
方向に回転駆動されることになる。
【0020】 次に、図2により、上記各クラッチ61〜
63及びブレーキ64の作動を制御する制御システムに
ついて説明する。
【0021】 すなわち、無段変速機2に備えられた油圧
コントロールバルブユニット110からは第1〜第3ク
ラッチ61〜63及びブレーキ64にそれぞれ作動圧ラ
イン111〜114が導かれていると共に、これらの作
動圧ライン111〜114上に、第1〜第3クラッチ6
1〜63及びブレーキ64に対する作動圧の給排を切り
換える第1〜第4ON−OFFソレノイドバルブ121
〜124が設置されている。これらのON−OFFソレ
ノイドバルブ121〜124は、コントローラ130か
らの制御信号を受けてON,OFF制御される。その場
合に、例えば第1ON−OFFソレノイドバルブ121
をONとしたときには、第1クラッチ61のアクチュエ
ータに作動圧が供給され、それに伴って第1クラッチ6
1が締結する。そして、該第1ON−OFFソレノイド
バルブ121をOFFとしたときには、上記作動圧が排
圧されることになって第1クラッチ61が解放する。な
お、第2、第3クラッチ62,63及びブレーキ64に
ついても、第2〜第4ON−OFFソレノイドバルブ1
22〜124をそれぞれONとしたときに締結されるよ
うになっている。
【0022】 ここで、上記コントローラ130には、運
転者によって操作されるシフトレバーの位置を検出する
シフト位置センサ131からの信号、エンジン回転数を
検出するエンジン回転センサ132からの信号、タービ
ン回転数を検出するタービン回転センサ133からの信
号、無段変速機2の入力トルクを代表するスロットル開
度を検出するスロットルセンサ134からの信号などが
入力されるようになっている。そして、コントローラ1
30は、これらの信号に基づいて上記第1〜第4ON−
OFFソレノイドバルブ121〜124をON,OFF
することにより、第1〜第3クラッチ61〜63及びブ
レーキ64の締結状態を制御する。
【0023】 すなわち、コントローラ130は、シフト
位置センサ131からの信号が後進位置を示すときに
は、第1、第4ON−OFFソレノイドバルブ121,
124をONとする。したがって、第2クラッチ62が
解放され、また第1クラッチ61が締結されると共に、
前後進切換装置5におけるブレーキ64が締結されるこ
とになる。これにより、トルクコンバータ3を経由する
第1動力伝達経路が形成され、タービンシャフト3eか
ら第1クラッチ61を介して中間軸7に伝達された回転
が逆転して出力軸6に伝達されることになって、該出力
軸6が後進方向に回転駆動される。
【0024】 また、コントローラ130は、上記シフト
位置センサ131からの信号が中立位置を示すときに
は、第1〜第4ON−OFFソレノイドバルブ121〜
124を全てOFFとする。したがって、第1〜第3ク
ラッチ61〜63及びブレーキ64が全て解放される。
【0025】 なお、第3ON−OFFソレノイドバルブ
121のみをONとして上記第3クラッチ63を締結す
るようにしてもよい。この場合、動力伝達経路上流側の
第1、第2クラッチ61,62が共に解放されているこ
とから、出力軸6に動力が伝達されることはない。
【0026】 そして、コントローラ130は、シフト位
置センサ131からの信号が前進位置を示すときには、
図3に示すフローチャートに従って上記第1〜第4ON
−OFFソレノイドバルブ121〜124をON,OF
Fすることにより、上記第1〜第3クラッチ61〜63
及びブレーキ64の作動を次のように制御する。
【0027】 すなわち、コントローラ130は、ステッ
プS1で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2でエ
ンジン回転数とタービン回転数とに基づいてトルクコン
バータ3の速度比e(=エンジン回転数/タービン回転
数)を演算して、ステップS3でこの速度比eが上記無
段変速装置4(無段変速機構4a,4b)の最大減速比
αよりも大きいか否かを判定する。
【0028】 コントローラ130は、速度比eが上記最
大減速比αよりも大きいと判定したときには、ステップ
S4に進んで第1〜第4ON−OFFソレノイドバルブ
121〜124を、ON,OFF,ON,OFFとす
る。したがって、第2クラッチ62が解放され、また第
1クラッチ61が締結されると共に、前後進切換装置5
における第3クラッチ63が締結される。これにより、
トルクコンバータ3を経由する第1動力伝達経路が形成
されて、タービンシャフト3eから第1クラッチ61を
介して中間軸7に伝達された回転がそのまま出力軸6に
伝達されることになって、該出力軸6が前進方向に回転
駆動される。
【0029】 コントローラ130は、上記ステップS3
において速度比eが上記最大減速比αよりも小さいと判
定したときには、ステップS5に進んでスロットル開度
θが所定値βよりも大きいか否かを判定する。つまり、
無段変速機2の入力トルクが大きいか否かを判定するの
である。そして、スロットル開度θが所定値よりも大き
くないと判定したときには、ステップS6へ移って第1
〜第4ON−OFFソレノイドバルブ121〜124
を、それぞれOFF,ON,ON,OFFとする。した
がって、第1クラッチ61が解放される一方、第2クラ
ッチ62が締結される。これにより、トルクコンバータ
3をバイパスする第2動力伝達経路が形成されることに
なって、エンジン1の出力トルクが無段変速装置4にお
ける各無段変速機構4a,4bに入力されることにな
る。
【0030】 したがって、無段変速機2の入力トルクが
小さい場合においては、図4に示すように、無段変速機
2の変速比が無段変速装置4の最大減速比αよりも大き
い時には、トルクコンバータ3を経由した第1動力伝達
経路が単独で使用されると共に、無段変速機2の変速比
が上記最大減速比αよりも小さくなると、トルクコンバ
ータ3をバイパスして無段変速装置4における無段変速
機構4a,4bを経由する第2動力伝達経路が単独で使
用されることになる。
【0031】 図3のフローチャートのステップS5に戻
り、コントローラ130はエンジン1のスロットル開度
θが所定値βよりも大きいと判定した時には、ステップ
S7を実行してトルクコンバータ3の速度比eが1より
も大きいか否かを判定する。上記速度比eが1よりも大
きい時には、ステップS8を実行して、第1〜第4ON
−OFFソレノイドバルブ121〜124を、それぞれ
ON,ON,ON,OFFとする。したがって、第1、
第2クラッチ61,62が共に締結されることになっ
て、トルクコンバータ3を経由する第1動力伝達経路及
び該トルクコンバータ3をバイパスして無段変速装置4
における各無段変速機構4a,4bを経由する第2動力
伝達経路の双方が形成されることになる。
【0032】 一方、コントローラ130は、上記ステッ
プS7においてトルクコンバータ3の速度比eが1より
も大きくないと判定した時には、ステップS6を実行し
て、第1〜第4ON−OFFソレノイドバルブ121〜
124を、それぞれOFF,ON,ON,OFFとす
る。したがって、第1クラッチ61が解放される一方に
おいて、第2クラッチ62が締結されることになり、ト
ルクコンバータ3をバイパスして無段変速装置4におけ
る各無段変速機構4a,4bを経由する第2動力伝達経
路が形成されることになる。
【0033】 このように、無段変速機2の入力トルクが
大きい場合においては、図5に示すように、無段変速機
2の変速比が無段変速装置4の最大減速比αよりも大き
い時には、トルクコンバータ3を経由した第1動力伝達
経路が単独で使用されると共に、上記変速比が上記速度
比eの1に対応する直結状態(変速比=1)よりも小さ
くなると、トルクコンバータ3をバイパスして無段変速
機構4a,4bを経由する第2動力伝達経路が単独で使
用されることになる。
【0034】 そして、無段変速機2の変速比が上記最大
減速比αと1との間の領域においては、第1、第2動力
伝達経路が併用されることになる。これにより、過大な
入力トルクがトルクコンバータ3側でも分担されること
になり、その分だけ無段変速装置4ないし無段変速機構
4a,4bの受持トルクが軽減されることから、無段変
速装置4を全体的にコンパクトに構成することが可能と
なる。
【0035】 特に、実施例のように、トルクコンバータ
3のトルク比を無段変速機構4a,4bの最大減速比よ
りも大きく設定することにより、トルクコンバータ3の
出力を減速するための減速機構が不要となって無段変速
機2の軸方向寸法が短縮されることになる。しかも、減
速機構を設けないことにより、第2動力伝達経路の使用
時において、トルクコンバータ3に減速機構が連動して
空転することによる機械的損失が防止されることになっ
て、伝達効率が向上することにもなる。
【0036】 次に、図6を参照して、本案の第2実施例
について説明する。
【0037】 この第2実施例に係る無段変速機20は、
上記第1実施例と同様に、エンジン1の出力軸1aに連
結されたトルクコンバータ23を有すると共に、このト
ルクコンバータ23の後方には同様な構成とされた一対
のトロイダル型の無段変速機構34a,34bを有する
無段変速装置24が配置されている。そして、この無段
変速装置24の後方には、トルクコンバータ23もしく
は該トルクコンバータ23をバイパスして上記無段変速
機構4a,4bを経由した動力、または双方を経由した
動力を正逆転させる前後進切換装置25が配置されてい
ると共に、該前後進切換装置25から出力された動力が
出力軸11を介して図外の駆動輪に伝達されるようにな
っている。
【0038】 上記トルクコンバータ23は、エンジン1
の出力軸1aに連結されたケーシング23aと一体のポ
ンプ23bと、このポンプ23bに対向配置されて該ポ
ンプ23bにより作動油を介して駆動されるタービン2
3cと、該タービン23cと上記ポンプ23bとの間に
直列に配置された一対のステータ23d,23dとを有
し、後述する無段変速装置24に動力を伝達する入力軸
12が、上記タービン23cと一体回転する中空状のタ
ービンシャフト23eを貫通して配置されていると共
に、該入力軸12に遊嵌合された出力ギヤ86と上記タ
ービンシャフト23eの後端側との間には、第1動力伝
達経路を形成する第1クラッチ65が介設されている。
【0039】 また、上記タービンシャフト23eに外嵌
された中空シャフト23fの前端側がワンウェイクラッ
チ23g,23gを介して上記ステータ23d,23d
に連結されていると共に、この中空シャフト23fの後
端側は変速機ケーシング8に一体とされている。さら
に、上記中空シャフト23fに外嵌されたポンプシャフ
ト23hは、その前端側が上記ケーシング23aに連結
されていると共に、その後端部にオイルポンプ9が設け
られている。そして、上記ケーシング23aに第2動力
経路形成用の第2クラッチ66が対接配置されて、この
第2クラッチ66に上記入力軸12の前端側が連結され
ている。
【0040】 そして、この実施例においては、上記無段
変速装置24が次のような構成とされている。つまり、
この無段変速装置24に備えられた一対の無段変速機構
34a,34bを構成する各入力ディスク24c,24
cは、上記入力軸12上に該軸12に対して回転自在に
設けられていると共に、これらの入力ディスク24c,
4c間に対向配置された一体の出力ディスク24d,2
4dが、両入力ディスク24c,24cを連結する中空
状の連結軸24eに回転自在に支持されている。そし
て、これらの出力ディスク24d,24dと入力ディス
ク24c,24cとの間に、一対のパワーローラ24f
…24fが両ディスクにそれぞれ接触した状態で回転及
び傾動可能に配置されている。
【0041】 さらに、上記両無段変速機構34a,34
bにおける各入力ディスク24c,24cの外側には、
これらの入力ディスク24c,24cに対して相対回転
可能とされた端部ディスク24g,24gがそれぞれ配
置されていると共に、これらの端部ディスク24g,2
4gと各入力ディスク24c,24cの間に複数のロー
ディングカム24h…24hがそれぞれ介装されてい
る。そして、これらの端部ディスク24g,24gが上
記入力軸12にそれぞれ連結されている。
【0042】 また、上記第2動力伝達経路の一部を構成
する動力伝達軸13が、上記入力軸12に平行に配置さ
れている。この動力伝達軸13の前端側に設けられた第
1ギヤ87が、上記入力軸12に遊嵌合された出力ギヤ
86に噛合されていると共に、該伝達軸13の後端側に
設けられた第2ギヤ88には、上記入力軸12と同一軸
心上の中間軸14の前端側に設けられた第3ギヤ89が
噛合されている。また、この動力伝達軸13の中間部分
に設けられた第4ギヤ90には、上記出力ディスク24
d,24dの外周部分に形成された第2出力ギヤ91が
中間ギヤ92を介して噛合連結されている。
【0043】 したがって、上記第1クラッチ65が締結
された場合には、トルクコンバータ23をバイパスした
エンジン出力が、入力軸12を介して上記無段変速装置
24における各無段変速機構34a,34bの入力ディ
スク24c,24cにそれぞれ入力されて、各パワーロ
ーラ24f…24fの傾動角度に応じた所定の変速比で
入力ディスク24c,24cの回転が変速されて出力デ
ィスク24d,24dに伝達されることになる。そし
て、出力ディスク24d,24dに伝達された出力回転
が、上記第2出力ギヤ91を介して動力伝達軸13に伝
達されると共に、第2、第3ギヤ88,89を介して前
後進切換装置25に入力されることになる。
【0044】 なお、この実施例においても、上記トルク
コンバータ23は、そのトルク比が上記無段変速装置2
4(無段変速機構34a,34b)の最大減速比よりも
大きくなるように構成されている。
【0045】 また、上記前後進切換装置25は、上記第
1実施例と同様な構成とされている。したがって、第3
クラッチ67を締結し、かつブレーキ68を解放すれ
ば、中間軸14に伝達された回転がそのまま出力軸11
に伝達されることになって、該出力軸11が前進方向に
回転駆動される。また、第3クラッチ67を解放し、か
つブレーキ68を締結すれば、中間軸14に伝達された
回転が逆転して出力軸11に伝達されることになって、
該出力軸11が後進方向に回転駆動される。
【0046】 この実施例においても、上記第1〜第3ク
ラッチ65〜67及びブレーキ68が上記第1実施例と
同様に制御されるようになっている。
【0047】 つまり、無段変速機20の入力トルクが大
きい場合においては、前述の図5に示すように、無段変
速機20の変速比が無段変速装置24の最大減速比αよ
りも大きい時には、トルクコンバータ23を経由した第
1動力伝達経路が単独で使用されると共に、上記変速比
が上記速度比eの1に対応する直結状態(変速比=1)
よりも小さくなると、トルクコンバータ23をバイパス
して無段変速装置24における無段変速機構34a,3
4bを経由する第2動力伝達経路が単独で使用されるこ
とになる。
【0048】 そして、無段変速機20の変速比が上記最
大減速比αと1との間の領域においては、第1、第2動
力伝達経路が併用されることになる。したがって、この
実施例においても、過大な入力トルクがトルクコンバー
タ23側でも分担されることになり、その分だけ無段変
速装置24ないし無段変速機構34a,34bの受持ト
ルクが軽減されることから、無段変速装置24を全体的
にコンパクトに構成することが可能となるのである。
【0049】 また、トルクコンバータ23のトルク比を
無段変速機構34a,34bの最大減速比よりも大きく
設定することにより、トルクコンバータ23の出力を減
速するための減速機構が不要となって無段変速機20の
軸方向寸法が短縮されることになる。しかも、減速機構
を設けないことにより、第2動力伝達経路の使用時にお
いて、トルクコンバータ23に減速機構が連動して空転
することによる機械的損失が防止されることになって、
伝達効率が向上することにもなる。
【0050】
【発明の効果】 以上のように本発明によれば、トルク
コンバータを経由する第1動力伝達経路と、トルクコン
バータをバイパスして無段変速機構を経由する第2動力
伝達経路とが設定可能とされた無段変速機において、
段変速機の変速比が、第2動力伝達経路に備えられた無
段変速機構の最大減速比とトルクコンバータの速度比が
1となる変速比との間の領域において、第1、第2動力
伝達経路が併用されることになるので、伝達トルクが第
1動力伝達経路側のトルクコンバータでも分担されるこ
とになり、これによって無段変速機構が全体的にコンパ
クトに構成されることになる。
【0051】 加えて 、トルクコンバータのトルク比が無
段変速機構の最大減速比よりも大きく設定されることに
なるので、トルクコンバータの出力を減速するための減
速機構が不要となって無段変速機の軸方向寸法が短縮さ
れると共に、第2動力伝達経路の使用時における伝達効
率が向上することにもなる。
【0052】 また 、第発明によれば、入力トルクが大
きいときに第1、第2動力伝達経路を併用するようにな
っているので、特に低変速比側における伝達効率の悪化
が確実に回避されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例に係る無段変速機が搭載された自
動車のパワートレインの骨子図である。
【図2】 第1実施例に係る無段変速機のシステム図で
ある。
【図3】 第1実施例のコントローラの制御動作を示す
フローチャート図である。
【図4】 低負荷状態における前進走行時の変速比に対
する制御パターンを示す図である。
【図5】 同じく高負荷状態における前進走行時の変速
比に対する制御パターンを示す図である。
【図6】 第2実施例に係る無段変速機が搭載された自
動車のパワートレインの骨子図である。
【符号の説明】
1 エンジン 3 トルクコンバータ 4 無段変速装置 4a,4b 無段変速機構 130 コントローラ 134 スロットルセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−26326(JP,A) 特開 平1−172679(JP,A) 特開 昭53−137375(JP,A) 特開 昭62−56661(JP,A) 特開 平5−296316(JP,A) 特開 平4−300449(JP,A) 特開 平4−366051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 47/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン側から入力された入力トルク
    を、トルクコンバータを介して出力する第1動力伝達経
    路と、トルクコンバータをバイパスして無段変速機構を
    介して出力する第2動力伝達経路とを有する無段変速機
    において、上記トルクコンバータのトルク比が無段変速
    機構の最大減速比よりも大きく設定されていると共に、
    上記第1動力伝達経路を断接する第1動力伝達経路断接
    手段と、同じく第2動力伝達経路を断接する第2動力伝
    達経路断接手段と、当該無段変速機の変速比が、無段変
    速機構の最大減速比とトルクコンバータの速度比が1と
    なる変速比との間の領域において、上記第1、第2動力
    伝達経路の双方を介して動力が伝達されるように上記第
    1、第2動力伝達経路断接手段を作動させる制御手段と
    が設けられていることを特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 制御手段は、当該無段変速機の変速比
    が、無段変速機構の最大減速比とトルクコンバータの速
    度比が1となる変速比との間の領域において、入力トル
    クが所定値よりも大きいときに、上記第1、第2動力伝
    達経路の双方を介して動力が伝達されるように上記第
    1、第2動力伝達経路断接手段を作動させるように構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速
    機。
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