JP3444512B2 - 水溶性エポキシ樹脂及びこれを使用した自己乳化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

水溶性エポキシ樹脂及びこれを使用した自己乳化性エポキシ樹脂組成物

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JP3444512B2 JP12081894A JP12081894A JP3444512B2 JP 3444512 B2 JP3444512 B2 JP 3444512B2 JP 12081894 A JP12081894 A JP 12081894A JP 12081894 A JP12081894 A JP 12081894A JP 3444512 B2 JP3444512 B2 JP 3444512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水溶性エポキシ樹脂及び
これを使用した自己乳化性エポキシ樹脂組成物に関する
ものである。詳しくは、本発明は硬化物が耐水性、防食
性及び耐アルカリ性に優れた、高水溶性および高エマル
ジョン安定性の自己乳化性エポキシ樹脂組成物およびこ
の主要成分たる水溶性エポキシ樹脂に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年溶剤使用による火災の危険、大気汚
染に伴う公害の問題、及び人体に及ぼす影響などから、
溶剤の使用規制が厳しくなりつつある。この弊害を取り
除くべく水系エポキシ樹脂が各種開発されている。例え
ば、界面活性剤を用いて、ホモミキサ−で高速攪拌して
製造されるエポキシ樹脂エマルジョンが知られている
が、これは、界面活性剤による悪影響により、耐水性
が悪い、上塗り塗料との密着性が悪い、機械安定性
が悪い等の問題点がある。
【0003】また、界面活性剤を用いずにエポキシ樹脂
に水溶性をもたせるものとしては、特開昭51-92900号公
報に、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとポリ
オキシエチレングリコールのジグリシジルエーテルとビ
スフェノールAとを、反応せしめた物が開示されてい
る。
【0004】さらに、界面活性剤を用いずにエポキシ樹
脂に水溶性をもたせるものとしては、米国特許第4,315,
044 号明細書に、ジフェノールのジグリシジルエーテル
とジフェノールとポリオキシアルキレングリコールのジ
グリシジルエーテルとを、反応せしめた物が開示されて
いる。
【0005】さらにまた、米国特許第4,399,242 号明細
書には、ジフェノールのジグリシジルエーテルとジフェ
ノールとポリオキシアルキレングリコールのジグリシジ
ルエーテルと、ジイソシアネートとを、反応せしめた物
が開示されている。
【0006】さらにまた、特開平2−38443号公報
には、二官能以上のエポキシ樹脂と多価フェノールとさ
らに脂肪族ポリオールと二官能以上のエポキシ樹脂とモ
ノ及びポリイソシアネートとより成る縮合生成物が開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの方法は
いずれも、ポリエチレングリコールの一級OHが一部組
成物中に残ったり、架橋密度が上がらない等の理由で硬
化後の耐水性が悪いとか、防食性が悪いとか、耐アルカ
リ性が悪いとか、また組成物自体の水溶性が低いとか、
エマルジョン安定性が悪いといった欠点を有しており、
エポキシ樹脂本来の重防食塗料用途に使用できなかっ
た。
【0008】従って本発明の目的は上記問題点を解消
し、防食性、耐水性および耐アルカリ性が良好な硬化物
が得られる、高水溶性でかつ高エマルジョン安定性を有
する水溶性エポキシ樹脂及び自己乳化性エポキシ樹脂組
成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決すべく鋭意研究した結果、特定含リンポリオキシア
ルキレンポリオール樹脂と酸無水物とを特定条件下で反
応させて得られるカルボキシル基含有化合物を、特定条
件下で特定エポキシ樹脂と反応させることにより優れた
効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】即ち本発明は、P−OH結合を少なくとも
2個有するリン化合物の酸、そのエステル又は塩と、少
なくともエチレンオキサイド30重量%を含むアルキレ
ンオキサイドとから得られる分子量400〜10000
の含リンポリオキシアルキレンポリオール樹脂(A)と
酸無水物化合物とを、酸無水物基/水酸基の当量比が
1.0〜1.1の割合で反応させて得られるカルボキシ
ル基含有化合物(B)と、分子内に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂(C)とを、該カルボキシル基
含有化合物(B)のカルボキシル基1当量に対してエポ
キシ樹脂(C)が0.75モル以上1.5モル未満とな
る割合で反応せしめて得られる水溶性エポキシ樹脂であ
る。
【0011】また、本発明はこの水溶性エポキシ樹脂1
0〜70重量部と、分子内に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂90〜10重量部とを混合して得られ
る自己乳化性エポキシ樹脂組成物である。
【0012】さらに本発明は、P−OH結合を少なくと
も2個有するリン化合物の酸、そのエステル又は塩と、
少なくともエチレンオキサイド30重量%を含むアルキ
レンオキサイドとから得られる分子量400〜1000
0の含リンポリオキシアルキレンポリオール樹脂(A)
と酸無水物化合物とを、酸無水物基/水酸基の当量比が
1.0〜1.1の割合で反応させて得られるカルボキシ
ル基含有化合物(B)と、分子内に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂(C)とを、該カルボキシル基
含有化合物(B)のカルボキシル基1当量に対してエポ
キシ樹脂(C)が1.5モル〜4.0モルとなる割合で
反応せしめて得られる自己乳化性エポキシ樹脂組成物で
ある。
【0013】本発明において使用することのできる分子
量400〜10000の含リンポリオキシアルキレンポ
リオール樹脂(A)としては、例えば一般式 a(ZO)P〔[ (OCH2 CH2 )m(OR)n OH] 〕3-a (1) (式中、ORはアルキレンオキサイド基、ZはH−、リ
ン酸のモノエステル基又はその塩、mはエチレンオキサ
イド基の重合度を示す数、nはアルキレンオキサイド基
の重合度を示す数で、総分子量が400〜10000、
実用的効率性の点で好ましくは500〜3000となる
に相当する数(但し、エチレンオキサイド基は30重量
%以上、好ましくは50重量%以上とする)、aは整数
で0か1を示す)で表される含リンポリオキシアルキレ
ンポリオールがある。
【0014】かかる含リンポリオキシアルキレンポリオ
ール樹脂(A)を構成し得る少なくとも2個のP−OH
結合を有する酸としては、例えばオルトリン酸、メタリ
ン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン
酸、ホスフィン酸等が挙げられ、特にオルトリン酸が好
ましい。
【0015】また、上記(1)式中のZにおけるリン酸
エステルとしては、上記リン酸のモノエステル、例え
ば、リン酸モノメチル、リン酸モノエチル、リン酸モノ
ブチル、リン酸モノフェニルが挙げられ、特にリン酸モ
ノフェニルが好ましい。
【0016】また、上記(1)式中のZにおけるリン酸
塩としては、上記リン酸の一価塩、例えばリン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、リン酸アンモ
ニウム等が挙げられ、特にリン酸モノカリウムが好まし
い。
【0017】さらに上記(1)式中のORのアルキレン
オキサイドとしては、例えばプロピレンオキサイド、ブ
チレンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられ
る。
【0018】次に、本発明に使用する酸無水物化合物は
特に限定されるべきものではないが、好ましくは芳香族
酸無水物、例えば、無水フタル酸、無水トリメリト酸、
無水ピロメリト酸、環状脂肪族酸無水物、例えば、無水
マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジ
ック酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等を挙げるこ
とができ、最も好ましくはメチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸である。
【0019】本発明に使用するカルボキシル基含有化合
物(B)は、上記含リンポリオキシアルキレンポリオー
ル(A)に、上記酸無水物化合物を反応させて得られ
る。
【0020】具体的には、上記含リンポリオキシアルキ
レンポリオール(A)の水酸基1当量に対して、上記酸
無水物化合物の酸無水物基が1.0 〜1.1 当量、実用的効
率性の点で好ましくは1.0 〜1.05当量となるように反応
させる。上記範囲よりも少なくとも多くとも硬化物の耐
水性が悪くなる。
【0021】反応温度は通常40〜140℃で、実用的
効率性の点で好ましくは80〜120℃とし、反応時間
は1〜5時間、実用的効率性の点で好ましくは2〜3時
間とする。
【0022】次に、本発明において使用する、分子内に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)も特
に限定されるべきものではなく、公知のエポキシ樹脂す
べてを使用することができるが、好ましいものとして次
のものを例示することができる。例えば、エピクロルヒ
ドリンもしくはβ−メチルエピクロルヒドリンと、ビス
フェノールA、ビスフェノールFもしくはビスフェノー
ルスルホンから得られるエポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加
物のポリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコー
ル、1,6 −ヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン等のような多価アルコールのポリグリシ
ジルエーテル、アジピン酸、フタル酸、ダイマー酸など
のポリカルボン酸のポリグリシジルエステル及びポリグ
リシジルアミン等である。
【0023】更に、上記のエポキシ樹脂をビスフェノー
ルAやビスフェノールFのようなポリフェノール類、あ
るいは、アジピン酸やセバチン酸のようなポリカルボン
酸で変性したエポキシ樹脂も利用できる。
【0024】本発明の水溶性エポキシ樹脂は、上記カル
ボキシル基含有化合物(B)と、上記分子内に2個以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)とを反応させ
て得られる。この反応は上記カルボキシル基含有化合物
(B)のカルボキシル基1当量に対して、上記エポキシ
樹脂(C)が0.75モル以上1.5モル未満、実用的
効率性の点で好ましくは0.9〜1.1モルで反応させ
るものである。
【0025】この反応においては、基本的にはカルボキ
シル基と、エポキシ樹脂のエポキシ基が1対1で反応す
るものであり、理論的にはカルボキシル基1当量当たり
エポキシ樹脂(C)が1.0モルで充分である。しか
し、過剰のエポキシ樹脂はカルボキシル基と反応せずに
残存しても、後述の自己乳化性エポキシ樹脂組成物のエ
ポキシ樹脂として使用できるので、問題はない。しか
し、1.5モルを超えるとエポキシ当量が下がり水溶性
ではなくなってしまうので、不適当である。一方、0.
75モルよりも少ないとエポキシ当量が大きくなり過
ぎ、耐水性が悪くなり不適当である。
【0026】上記カルボキシル基含有化合物(B)と上
記エポキシ樹脂(C)との反応によって得られる水溶性
エポキシ樹脂のエポキシ当量は300〜2000、好ま
しくは400〜1500とする。
【0027】この反応には、触媒として3級アミン、例
えばトリブチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルベンジルアミン、2,4,6-トリスジメチルアミノメチル
フェノール、ジメチルエタノールアミン等を使用するこ
とができる。
【0028】この場合の反応温度は通常100〜170
℃、好ましくは120〜140℃とし、反応時間は3〜
10時間、好ましくは5〜8時間とする。
【0029】本発明の水溶性エポキシ樹脂は、主に、他
のエポキシ樹脂と混合することにより自己乳化性のエポ
キシ樹脂組成物を得ることに使用することができる。
【0030】次に、本発明の自己乳化性エポキシ樹脂組
成物は、上記水溶性エポキシ樹脂10〜70重量部、好
ましくは30〜50重量部と、分子内に2個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ樹脂90〜30重量部、好まし
くは70〜50重量部とを混合して得られる。この際、
分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と
して、上記樹脂(C)を使用することができる。ここ
で、水溶性エポキシ樹脂の量が上記より少ないと乳化安
定性が悪くなり、一方多過ぎると硬化後の耐水性が悪く
なる。
【0031】また、本発明の自己乳化性エポキシ樹脂
は、予め水を混合しておくこともできる。混合比は、自
己乳化性エポキシ樹脂/水=10〜100/90〜0
(重量比)、好ましくは、50〜100/50〜0(重
量比)の範囲であれば支障なく使用することができる。
上記範囲より水が多いと乳化安定性が悪くなるので、好
ましくない。
【0032】また、本発明の自己乳化性エポキシ樹脂組
成物は、上述の通り上記水溶性エポキシ樹脂と分子内に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を混合して
得ることができるが、上記カルボキシル基含有化合物
(B)と、上記エポキシ樹脂(C)とを、カルボキシル
基1当量当たりエポキシ樹脂を、1.5モル〜4.0モ
ル、実用的効率性の点で好ましくは2.0〜3.5モル
の割合で反応させることによっても得ることができる。
【0033】即ち、カルボキシル基に対して過剰なエポ
キシ樹脂は未反応のまま残存し、上記分子内に2個以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂として、反応の結果
生成する水溶性エポキシ樹脂とともに本発明の自己乳化
性エポキシ樹脂組成物を構成する。
【0034】更に、水の混合は任意の時点で可能であ
り、例えば予め自己乳化性エポキシ樹脂組成物と水を混
合しておいて使用現場へ輸送することもでき、あるい
は、使用現場で自己乳化性エポキシ樹脂組成物と水を混
合することもできる。
【0035】次に本発明の自己乳化性エポキシ樹脂組成
物は、従来公知の塩基性硬化剤を用いて室温又は低温で
硬化させることができ、その使用量は通常の使用量の範
囲でよく、概ねエポキシ当量/アミン当量比=0.75
〜1.25であれば差し支えない。
【0036】塩基性硬化剤としては、例えば脂肪族ポリ
アミン、脂環式ポリアミン、マンニッヒ塩基、アミン−
エポキシ付加生成物、ポリアミドポリアミン、液状芳香
族ポリアミン等を挙げることができる。
【0037】これらのうち好ましい具体例として、脂肪
族ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミ
ン、1,4−ビス−(3−アミノプロピル)ピペラジン
等のポリアルキレンポリアミン、m−キシレンジアミ
ン、p−キシレンジアミン等を挙げることができる。
【0038】脂環式ポリアミンとしては、例えば1,2
−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6
−ジエチルシクロヘキセン、イソホロンジアミン等を挙
げることができる。
【0039】マンニッヒ塩基としてはポリアミン類、特
にトリエチレントリアミン、イソホロンジアミン、m−
キシレンジアミン、p−キシレンジアミン等と、アルデ
ヒド類、特にホルムアルデヒド、及び、核に少なくとも
1個のアルデヒド反応性部位を持つ1価又は多価のフェ
ノール類、例えば種々のクレゾール類およびキレノール
類、p−tert−ブチルフェノール、レゾルシン等の
フェノール類との縮合反応物を挙げることができる。
【0040】アミン−エポキシ付加生成物としては、例
えばトリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミ
ン、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、p−
キシレンジアミン等のポリアミン類と、エポキシ樹脂、
例えば、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル等のグリ
シジルエーテル類との反応生成物、又は、該ポリアミン
類とグリシジルエステル類、例えばカージュラE(登録
商標:油化シェルエポキシ社)等との反応生成物を挙げ
ることができる。
【0041】ポリアミドポリアミンとしては、ポリアミ
ン類とポリカルボン酸や二量体化脂肪酸との反応により
得られるものを使用することができ、例えば、エチレン
ジアミンとダイマー酸の反応生成物等を挙げることがで
きる。
【0042】液状芳香族ポリアミンとしては、例えば、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン等の芳香族ポリアミンと、グリシジルエーテル類、例
えばフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールFのジグリシジルエーテルとの、又は、グ
リシジルエステル類、例えばカージュラE等との反応生
成物を挙げることができる。
【0043】本発明の自己乳化性エポキシ樹脂組成物に
は、上記塩基性硬化剤に加えて、反応性希釈剤、非反応
性希釈剤、充填剤、顔料、可塑剤、チキソトロッピック
剤、難燃性物質等のような常用の変性剤を含有せしめる
ことができる。本発明の組成物において併用することの
できる適当な希釈剤、充填剤、顔料、可塑剤としては、
モノグリシジルエーテル、ジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、キシレン樹脂、ベンジルアルコール、
コールタール、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケ
イ砂、セメント、カオリン、水酸化アルミニウム、ベン
トナイト、シリカ、エロジール、二酸化チタン、カーボ
ンブラック、グラファイト、酸化鉄の如き酸化物等を挙
げることができる。
【0044】
【作用】本発明の水溶性エポキシ樹脂は水溶性が高く、
乳化性に優れており、他のエポキシ樹脂と混合すること
によって自己乳化性のエポキシ樹脂組成物を得ることが
できる。また本発明の自己乳化性エポキシ樹脂組成物
は、本発明のエポキシ樹脂、他のエポキシ樹脂、硬化
剤、充填剤、顔料等を構成成分とし水を基体とする分散
物であってこれらはそれぞれ任意の公知の方法で製造す
ることができる。得られた分散物は、適当な方法、例え
ばはけ塗り、ローラー、スプレー、ドクタープレート塗
装等の方法で塗装することができる。このようして得ら
れる硬化物は、耐水性、防食性および耐アルカリ性に優
れた効果を発揮する。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。含リンポリオキシアルキレンポリオール化合物(A)の
製造例 製造例−1 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、リン酸モノフェニル174gと水酸化カリウム0.5
gとを仕込み、エチレンオキサイド825gを反応温度
130℃、圧力2atmで15時間かけ供給し反応を行わし
め、水酸基価112KOH/100mg 、分子量1000の含リ
ンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−1)を得
た。
【0046】製造例−2 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、オルトリン酸98gと水酸化カリウム1gとを仕込
み、エチレンオキサイド2000gとプロピレンオキサ
イド900gとをランダムに、仕込み温度130℃、圧
力2atmで15時間かけ供給し反応を行わしめ、水酸基価
56KOH/100mg 、分子量3000の含リンポリオキシエ
チレンポリオール化合物(A−2)を得た。
【0047】製造例−3 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、リン酸一カリウム136gと水酸化カリウム1gと
を仕込み、エチレンオキサイド864gを仕込み温度1
30℃、圧力2atmで5時間かけ供給し反応を行わしめ、
しかる後プロピレンオキサイド1000gを仕込み温度
130℃、圧力2atmで更に5時間かけ供給し反応を行わ
しめ、水酸基価56KOH/100mg 、分子量2000の含リ
ンポリオキシアルキレンポリオ−ル化合物(A−3)を
得た。
【0048】製造例−4 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、亜リン酸82gと水酸化カリウム1gとを仕込み、
エチレンオキサイド188gとブチレンオキサイド23
0gとをランダムに、仕込み温度130℃、圧力2atmで
15時間かけ供給し反応を行わしめ、水酸基価224KO
H/100mg 、分子量500の含リンポリオキシエチレンポ
リオール化合物(A−4)を得た。
【0049】製造例−5 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、リン酸モノメチル96gと水酸化カリウム1gとを
仕込み、エチレンオキサイド4500gを仕込み温度1
30℃、圧力2atmで10時間かけ供給し反応を行わし
め、しかる後プロピレンオキサイド2000gを仕込み
温度130℃、圧力2atmで更に5時間かけ供給し反応を
行わしめ、更にブチレンオキサイド1400gを仕込み
温度130℃圧力2atmで5時間かけ供給し反応を行わし
め、水酸基価14KOH/100mg 、分子量8000の含リン
ポリオキシエチレンポリオール化合物(A−5)を得
た。
【0050】製造例−6 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、リン酸モノフェニル174gと水酸化カリウム0.5
gとを仕込み、エチレンオキサイド4825gを反応温
度130℃、圧力2atmで15時間かけ供給し反応を行わ
しめ、水酸基価22KOH/100mg 、分子量5000の含リ
ンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−6)を得
た。
【0051】カルボキシル基含有化合物(B)の製造例 製造例−7 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−1で得られた分子量1000
の含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−
1)500gと無水フタル酸150gを仕込み、120
℃で3時間反応させ、酸価86のカルボキシル基含有化
合物(B−1)を得た。なお、この場合の酸無水物と含
リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−1)の
酸無水物基/水酸基の当量比は1.01である。
【0052】製造例−8 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−2で得られた分子量3000
の含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−
2)1000gとメチルヘキサヒドロ無水フタル酸17
0gを仕込み、120℃で3時間反応させ、酸価48の
カルボキシル基含有化合物(B−2)を得た。なお、こ
の場合の酸無水物と含リンポリオキシエチレンポリオー
ル化合物(A−2)の酸無水物基/水酸基の当量比は
1.01である。
【0053】製造例−9 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−3で得られた分子量2000
の含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−
3)1000gとメチルヘキサヒドロ無水フタル酸17
0gを仕込み、120℃で3時間反応させ、酸価48の
カルボキシル基含有化合物(B−3)を得た。なお、こ
の場合の酸無水物と含リンポリオキシエチレンポリオー
ル化合物(A−3)の酸無水物基/水酸基の当量比は
1.01である。
【0054】製造例−10 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−4で得られた分子量500の
含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−4)
250gと無水マレイン酸98gを仕込み、120℃で
3時間反応させ、酸価160のカルボキシル基含有化合
物(B−4)を得た。なお、この場合の酸無水物と含リ
ンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−4)の酸
無水物基/水酸基の当量比は1.00である。
【0055】製造例−11 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−5で得られた分子量8000
の含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−
5)4000gと無水マレイン酸98gを仕込み、12
0℃で3時間反応させ、酸価13.7のカルボキシル基
含有化合物(B−5)を得た。なお、この場合の酸無水
物と含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−
5)の酸無水物基/水酸基の当量比は1.00である。
【0056】製造例−12 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−6で得られた分子量5000
の含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(A−
6)2500gとメチルヘキサヒドロ無水フタル酸17
0gを仕込み、120℃で3時間反応させ、酸価21の
カルボキシル基含有化合物(B−6)を得た。なお、こ
の場合の酸無水物と含リンポリオキシエチレンポリオー
ル化合物(A−6)の酸無水物基/水酸基の当量比は
1.01である。
【0057】本発明の水溶性エポキシ樹脂の製造例 製造例−13 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−7で得られた酸価86のカル
ボキシル基含有化合物(B−1)650gとエポキシ樹
脂(C−1)(商品名:アデカグリシロールED−50
5,旭電化工業株式会社製,エポキシ当量150,3官
能エポキシ樹脂)450gとジメチルベンジルアミン3
gとを仕込み、150℃で8時間反応させ酸価0で反応
を終了させ、水溶性エポキシ樹脂(D−1)を得た。エ
ポキシ当量は550であった。なお、この反応において
カルボキシル基1当量に対するエポキシ樹脂のモル数は
1.0モルである。
【0058】製造例−14 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−8で得られた酸価48のカル
ボキシル基含有化合物(B−2)1160gとエポキシ
樹脂(C−2)(商品名:アデカレジンEP−410
0,旭電化工業株式会社製,エポキシ当量190,ビス
フェノールA型エポキシ樹脂)380gとジメチルベン
ジルアミン3gとを仕込み、150℃で8時間反応させ
酸価0で反応を終了させ、水溶性エポキシ樹脂(D−
2)を得た。エポキシ当量は1540であった。なお、
この反応においてカルボキシル基1当量に対するエポキ
シ樹脂のモル数は1.0モルである。
【0059】製造例−15 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−9で得られた酸価48のカル
ボキシル基含有化合物(B−3)1160gとエポキシ
樹脂(C−3)(商品名:アデカレジンEP−490
0,旭電化工業株式会社製,エポキシ当量170,ビス
フェノールF型エポキシ樹脂)340gとトリエタノー
ルアミン3gとを仕込み、150℃で8時間反応させ酸
価0で反応を終了させ、水溶性エポキシ樹脂(D−3)
を得た。エポキシ当量は1500であった。なお、この
反応においてカルボキシル基1当量に対するエポキシ樹
脂のモル数は1.0モルである。
【0060】製造例−16 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−10で得られた酸価160の
カルボキシル基含有化合物(B−4)350gと上記エ
ポキシ樹脂(C−1)(アデカグリシロールED−50
5)360gとトリエタノールアミン3gとを仕込み、
150℃で8時間反応させ酸価0で反応を終了させ、水
溶性エポキシ樹脂(D−4)を得た。エポキシ当量は5
05であった。なお、この反応においてカルボキシル基
1当量に対するエポキシ樹脂のモル数は0.8モルであ
る。
【0061】製造例−17 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−11得られた酸価13.7の
カルボキシル基含有化合物(B−5)4000gとエポ
キシ樹脂(C−4)(商品名:アデカレジンEP−43
40,旭電化工業株式会社製,エポキシ当量250,ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂)700gとトリエタノ
ールアミン3gとを仕込み、150℃で8時間反応させ
酸価0で反応を終了させ、水溶性エポキシ樹脂(D−
5)を得た。エポキシ当量は2610であった。なお、
この反応においてカルボキシル基1当量に対するエポキ
シ樹脂のモル数は1.4モルである。
【0062】製造例−18 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−12得られた酸価21のカル
ボキシル基含有化合物(B−6)2670gとフェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂(C−5)(商品名:DE
N−438,ダウ社製,エポキシ当量180,平均3.
6官能樹脂)650gとトリエタノールアミン3gとを
仕込み、150℃で8時間反応させ酸価0で反応を終了
させ、水溶性エポキシ樹脂(D−6)を得た。エポキシ
当量は1270であった。なお、この反応においてカル
ボキシル基1当量に対するエポキシ樹脂のモル数は1.
0モルである。本発明の自己乳化性エポキシ樹脂の製造例
【0063】製造例−19 製造例−13で得られた水溶性エポキシ樹脂(D−1)
(エポキシ当量550)30gと上記エポキシ樹脂(C
−2)(アデカレジンEP−4100)70gとを混合
し自己乳化性エポキシ樹脂(E−1)を得た。エポキシ
当量は236であった。
【0064】製造例−20 製造例−14で得られた水溶性エポキシ樹脂(D−2)
(エポキシ当量1540)50gと上記エポキシ樹脂
(C−3)(アデカレジンEP−4900)50gとを
混合し自己乳化性エポキシ樹脂(E−2)を得た。エポ
キシ当量は306であった。
【0065】製造例−21 製造例−15で得られた水溶性エポキシ樹脂(D−3)
(エポキシ当量1500)30gとエポキシ樹脂(C−
6)(商品名:アデカレジンEP−5100,旭電化工
業株式会社製,エポキシ当量475,ビスフェノールA
型エポキシ樹脂)40gとエポキシ樹脂(C−7)(商
品名:アデカグリシロールED−503,旭電化工業株
式会社製,エポキシ当量165,脂肪族エポキシ樹脂)
30gとを混合し自己乳化性エポキシ樹脂(E−3)を
得た。エポキシ当量は350であった。
【0066】製造例−22 製造例−16で得られた水溶性エポキシ樹脂(D−4)
(エポキシ当量505)30gと上記エポキシ樹脂(C
−2)(アデカレジンEP−4100)40gと上記エ
ポキシ樹脂(C−7)(アデカグリシロールED−50
3)30gとを混合し自己乳化性エポキシ樹脂(E−
4)を得た。エポキシ当量は219であった。
【0067】製造例−23 製造例−17で得られた水溶性エポキシ樹脂(D−5)
(エポキシ当量2610)30gと上記エポキシ樹脂
(C−3)(アデカレジンEP−4900)40gとエ
ポキシ樹脂(C−8)(商品名:アデカグリシロールE
D−506,旭電化工業株式会社製,エポキシ当量32
0,脂肪族エポキシ樹脂)30gとを混合し自己乳化性
エポキシ樹脂(E−5)を得た。エポキシ当量は295
であった。
【0068】製造例−24 製造例−18で得られた水溶性エポキシ樹脂(D−6)
(エポキシ当量1270)50gと上記エポキシ樹脂
(C−3)(アデカレジンEP−4900)50gとを
混合し自己乳化性エポキシ樹脂(E−6)を得た。エポ
キシ当量は299であった。
【0069】製造例−25 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−11で得られた酸価13.7
のカルボキシル基含有化合物(B−5)4000gと上
記エポキシ樹脂(C−2)(アデカレジンEP−410
0)1520gとジメチルベンジルアミン3gとを仕込
み、150℃で8時間反応させ酸価0で反応を終了さ
せ、自己乳化性エポキシ樹脂(E−7)を得た。エポキ
シ当量は788であった。なお、この反応においてカル
ボキシル基1当量に対するエポキシ樹脂のモル数は4.
0モルである。
【0070】製造例−26 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに製造例−12で得られた酸価21のカ
ルボキシル基含有化合物(B−6)2670gと上記エ
ポキシ樹脂(C−1)(アデカグリシロールED−50
5)900gとトリエタノールアミン3gとを仕込み、
150℃で8時間反応させ酸価0で反応を終了させ、自
己乳化性エポキシ樹脂(E−8)を得た。エポキシ当量
は714であった。なお、この反応においてカルボキシ
ル基1当量に対するエポキシ樹脂のモル数は2.0モル
である。
【0071】比較製造例−1 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに分子量1000のポリエチレングリコ
ール500gとメチルヘキサヒドロ無水フタル酸170
gとを仕込み、当量比は1.01にて120℃で3時間
反応させ、酸価84の予備縮合物を得た。更に、上記エ
ポキシ樹脂(C−2)(アデカレジンEP−4100)
380gとジメチルベンジルアミン5gとを仕込み、1
50℃で10時間反応させ酸価0で反応を終了させた。
エポキシ当量は1050であった。なお、この反応にお
いてカルボキシル基1当量に対するエポキシ樹脂のモル
数は1.0モルである。得られたエポキシ樹脂50gと
上記エポキシ樹脂(C−2)(アデカレジンEP−41
00)50gとを混合しエポキシ当量322の樹脂組成
物(H−1)を得た。
【0072】比較製造例−2 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、リン酸モノフェニル174gと水酸化カリウム0.5
gとを仕込み、エチレンオキサイド126gを反応温度
130℃、圧力2atmで15時間かけ供給し反応を行わし
め、水酸基価375KOH/100mg 、分子量300の含リン
ポリオキシエチレンポリオール化合物(G−1)を得
た。得られた(G−1)150gとメチルヘキサヒドロ
無水フタル酸170gとを仕込み、120℃で3時間反
応させ、酸価175のカルボキシル基含有化合物を得
た。なお、(G−1)と酸無水物の当量比は1.01で
ある。更に、上記エポキシ樹脂(C−2)(アデカレジ
ンEP−4100)380gとジメチルベンジルアミン
5gとを仕込み、150℃で10時間反応させ酸価0で
反応を終了させた。エポキシ当量は700であった。な
お、この反応においてカルボキシル基1当量に対するエ
ポキシ樹脂のモル数は1.0モルである。得られたエポ
キシ樹脂50gと上記エポキシ樹脂(C−2)(アデカ
レジンEP−4100)50gとを混合し、エポキシ当
量300の樹脂組成物(H−2)を得た。
【0073】比較製造例−3 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、リン酸モノフェニル174gと水酸化カリウム0.5
gとを仕込み、エチレンオキサイド10126gを反応
温度130℃、圧力2atmで15時間かけ供給し反応を行
わしめ、水酸基価11KOH/100mg 、分子量10300の
含リンポリオキシエチレンポリオール化合物(G−2)
を得た。得られた(G−2)5150gとメチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸170gとを仕込み、120℃で3
時間反応させ、酸価5のカルボキシル基含有化合物を得
た。なお、(G−2)と酸無水物の当量比は1.01で
ある。更に、上記エポキシ樹脂(C−2)(アデカレジ
ンEP−4100)380gとジメチルベンジルアミン
5gとを仕込み、150℃で10時間反応させ、酸価0
で反応を終了させた。エポキシ当量は5700であっ
た。なお、この反応においてカルボキシル基1当量に対
するエポキシ樹脂のモル数は1.0モルである。得られ
たエポキシ樹脂50gと上記エポキシ樹脂(C−2)
(アデカレジンEP−4100)50gとを混合し、エ
ポキシ当量378の樹脂組成物(H−3)を得た。
【0074】比較製造例−4 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管、アルキレンオキ
サイド導入管を備えたステンレス製オートクレーブ中
に、分子量2000のポリエチレングリコ−ル1000
gとエポキシ樹脂(C−4)(アデカレジンEP−43
40,エポキシ当量250)900gとトルエンジイソ
シアネート174gとジブチルチンジラウレート0.5
gとを仕込み、100℃で5時間反応させ、赤外分光分
析(IR)でNCO吸収基の消えるまで反応させた。こ
のようにして得られた樹脂(H−4)のエポキシ当量は
600であった。
【0075】比較製造例−5 温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたガラス製
4ツ口フラスコに分子量1000のポリエチレングリコ
ールのジグリシジルエーテル(商品名:EX−861,
長瀬産業株式会社社製,エポキシ当量700)300g
と上記エポキシ樹脂(C−2)(アデカレジンEP−4
100)700gとを混合し、エポキシ当量245の樹
脂(H−5)を得た。
【0076】比較製造例−6 強制乳化型エポキシ樹脂アデカレジンEPE−041T
(商品名:190gのアデカレジンEP−4100に、
ノニルフェノールにエチレンオキサイドを50モル付加
した乳化剤10gを加え、水85gを添加し、ホモミキ
サーを用いて強制乳化したエマルジョン:固形分70
%:旭電化工業株式会社製)(H−6)を使用した。
【0077】実施例1〜8,比較例1〜6 製造例19〜26で得られた自己乳化性エポキシ樹脂組
成物(E−1)〜(E−8)および比較製造例1〜6で
得られたエポキシ樹脂(H−1)〜(H−6)の各々と
水とを下記の表1に示す配合処方で混合してその乳化性
を試験し、次いでアデカハードナーEH−220(旭電
化工業株式会社製、活性水素当量=76、変性脂肪族ポ
リアミン)で硬化させ、その塗膜物性について試験し
た。かかる試験方法は以下の通りである。
【0078】乳化性 乳化が良好であった場合を○、分離が発生した場合を
△、乳化しなかった場合を×とした。塗膜状態 塗膜が良好に行われ、艶がある場合を○、造膜できなか
った場合を×とした。 接着性 碁盤目100目中、モルタルに対するテープによる剥離
試験により剥離が0のときを100とし、50のときを
50とした。耐水性 水に7日間浸漬していおいたときに、7日間変化しなか
った場合を○、塗膜変化、膨れ、白化が生じた場合を×
とした。耐食性 5%食塩水に7日間浸漬していおいたときに、7日間変
化しなかった場合を○、塗膜変化、膨れ、白化が生じた
場合を×とした。耐アルカリ性 10%水酸化ナトリウム水溶液に7日間浸漬していおい
たときに、7日間変化しなかった場合を○、塗膜変化、
膨れ、白化が生じた場合を×とした。硬度 塗膜の硬度を鉛筆硬度に準拠して評価した。得られた結
果を下記の表1および表2に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の水溶
性エポキシ樹脂は水溶性が高く、乳化性に優れており、
他のエポキシ樹脂と混合することによって自己乳化性の
エポキシ樹脂組成物を得ることができる。また、本発明
の自己乳化性エポキシ樹脂組生物においては、耐水性、
防食性および耐アルカリ性に優れた効果を奏する塗膜を
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古庄 憲治 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 川崎 秀夫 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−206982(JP,A) 特開 平5−148447(JP,A) 特開 昭63−112668(JP,A) 特開 平7−316440(JP,A) 特開 平2−212570(JP,A) 特開 昭63−284217(JP,A) 特開 平6−87916(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/14 C09D 163/00 - 163/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P−OH結合を少なくとも2個有するリ
    ン化合物の酸、そのエステル又は塩と、少なくともエチ
    レンオキサイド30重量%を含むアルキレンオキサイド
    とから得られる分子量400〜10000の含リンポリ
    オキシアルキレンポリオール樹脂(A)と酸無水物化合
    物とを、酸無水物基/水酸基の当量比が1.0〜1.1
    の割合で反応させて得られるカルボキシル基含有化合物
    (B)と、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポ
    キシ樹脂(C)とを、該カルボキシル基含有化合物
    (B)のカルボキシル基1当量に対してエポキシ樹脂
    (C)が0.75モル以上1.5モル未満となる割合で
    反応せしめて得られる水溶性エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水溶性エポキシ樹脂1
    0〜70重量部と、分子内に2個以上のエポキシ基を有
    するエポキシ樹脂90〜10重量部とを混合して得られ
    る自己乳化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 P−OH結合を少なくとも2個有するリ
    ン化合物の酸、そのエステル又は塩と、少なくともエチ
    レンオキサイド30重量%を含むアルキレンオキサイド
    とから得られる分子量400〜10000の含リンポリ
    オキシアルキレンポリオール樹脂(A)と酸無水物化合
    物とを、酸無水物基/水酸基の当量比が1.0〜1.1
    の割合で反応させて得られるカルボキシル基含有化合物
    (B)と、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポ
    キシ樹脂(C)とを、該カルボキシル基含有化合物
    (B)のカルボキシル基1当量に対してエポキシ樹脂
    (C)が1.5モル〜4.0モルとなる割合で反応せし
    めて得られる自己乳化性エポキシ樹脂組成物。
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