JP3444429B2 - イオントラップ質量分析計の改良された使用方法 - Google Patents

イオントラップ質量分析計の改良された使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオントラップ質量分
析計(以下イオントラップ装置)をそのイオントラップ
装置に補助電圧を印加することにより使用する方法に関
し、特に、化学イオン化モードでイオントラップ装置を
動作させ、多重質量分析実験(MSという)を行う方法
に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】しばし
ば、イオン貯蔵またはイオントラップ検出器といわれて
いる四重極イオントラップは質量分析を行う周知の装置
である。イオントラップはリング電極、および内側トラ
ッピング容積を画成する2つの共軸のエンドキャップ電
極から成る。電極のそれぞれは好適には双曲面を有し、
適当なACおよびDC電圧(通常、それぞれ“V”およ
び“U”と表される)が電極に加えられるとき、四重極
トラッピング場が生成される。これは単に、リング電極
とエンドキャップ電極との間に、固定された周波数(通
常“f”と表される)を印加することで達成される。追
加的なDC電圧の使用は任意である。
【0003】典型的に、イオントラップはサンプル分子
を、イオン化するイオントラップに導入することによる
操作される。動作トラッピング・パラメータに依存し
て、イオンは比較的長期間トラップ内に安定して含まれ
得る。あるトラップ条件で、広範囲な質量がトラップ内
に同時に保持される。このようにトラップされたイオン
を検知する種々の手段が知られている。知られている一
つの方法は、一つまたはそれ以上のトラップ・パラメー
タを走査し、その結果、イオンが連続して不安定にな
り、イオンを電子増倍管またはこれと同等な検出器を用
いて検出できるところのトラップを出て行く。他の方法
は、一連の質量のイオンをトラップから連続して走査
し、検出するという共鳴放出技術の使用である。
【0004】トラッピング場の数学的記述は、複雑であ
るがよく展開されている。イオントラップの使用者には
馴染みのある安定性包絡線が図1に示されている。ある
半径r0で、U、Vおよびfがある値をもつイオントラ
ップに対し、イオンの質量電荷数(m/e)がトラップ
されるかどうかは、以下の2つの式についての解に依存
する。
【0005】az=(−8eU)/(mr0 2ω2) qz=(4eV)/(mr0 2ω2) ここで、ωは2πfに等しい。
【0006】これらの式を解くことで、ある値m/eに
対しaおよびqが与えられる。あるイオンに対し、点
(a,q)が図1の安定性包絡線内にあるとき、そのイ
オンは四重極場によりトラップされる。点(a,q)が
図1の安定性包絡線の外にでているとき、そのイオンは
イオントラップ内にトラップされず、イオントラップ内
で生成されたいかなるイオンも急速に出て行く。U、V
またはfの値を変えることで、特定の質量のイオンを四
重極場内にトラップできるか否かを制御できる。この分
野で、質量および質量/電荷数という言葉は交換して使
用できることは知られている。しかし、正確には質量/
電荷数という言葉の使用が適切である。
【0007】DC電圧が存在しないと、上記式は事実
上、z軸方向、すなわち電極の軸線方向での安定性に関
連する。イオンはr方向、すなわちその軸線に対し半径
方向で不安定になる前にこの軸線方向で不安定になる。
したがって、安定性の問題はz方向の安定性に限定する
のが通常である。安定性における差(differential)
は、不安定なイオンがz軸方向、すなわち軸線方向にイ
オントラップから出て行くという事実から生ずる。
【0008】市販のイオントラップの機器において、D
C電圧、Uはゼロにセットされる。上記式のうちの第1
の式から分かるように、U=0のとき、すべての質量値
に対しaz=0である。上記式のうちの第2の式から分
かるように、qzの値はイオン粒子の質量に逆比例す
る。すなわち、質量の値が大きくなればなるほど、qz
の値は低くなる。さらに、Vの値が高くなればなるほ
ど、qzの値は高くなる。図1の安定性包絡線から分か
るように、U=0の場合で、ある値のvに対し、あるカ
ットオフ値より上の全ての質量のものが四重極場内にト
ラップされる。カットオフ値より上の全ての質量のもの
がこのようなトラッピング場内で安定であるけれども、
トラップされる特定の質量のイオンの量が空間電荷効果
により限定される。以下で議論するように、このような
量についての限定はまた、Vの大きさの関数となる。
【0009】イオントラップ内でサンプル分子をイオン
化する種々の方法が知られている。おそらく、最も一般
的な方法は、サンプルを電子ビームに晒すことである。
電子がサンプル分子に衝突すると、サンプル分子はイオ
ン化される。この方法は、一般的に電子衝突イオン化ま
たは“EI”といわれている。
【0010】イオントラップでサンプル分子をイオン化
する一般的に使用されている方法は化学イオン化または
“CI”である。化学イオン化は、イオントラップ内で
通常EIによりイオン化され、サンプルイオンを形成す
るためにサンプル分子と反応できる試薬ガスを使用す
る。一般的に使用される試薬ガスには、エタン、イソブ
タン、アンモニアがある。化学イオン化が“より柔軟
な”イオン化技術と考えられている。多くのサンプルに
関し、CI技術ではEI技術よりもイオン生成量が少な
く、そのため質量分析計が簡単化される。化学イオン化
は、四重極イオントラップのみならず、四重極質量フィ
ルター等のような殆どの在来のタイプの質量分析計とと
もに日常的に使用される周知の技術である。
【0011】他の、より特殊なイオン化方法もまた質量
分析計に使用できる。たとえば、光イオン化は、イオン
トラップ内に含まれるすべての分子に効果を及ぼす、電
子衝突イオン化と似た周知の技術である。
【0012】今日使用されている多くのイオントラップ
質量分析計システムはサンプル分離および導入装置のよ
うなガスクロマトグラフ(“GC”)を含む。この目的
でGCを使用するとき、GCから抽出されたサンプルが
連続して質量分析計(これは周期的な質量分析をなすよ
うにセットされる)へ流入する。このような分析は、典
型的に約1秒当たり1度の走査の頻度(周波数)で達成
され得る。この頻度は、ピークが数秒から何十秒の間に
わたって近代的な高分解能のGCから典型的に抽出さる
ことから、受け入れることのできるものである。この装
置でCI実験を実行するとき、試薬ガスの連続流が維持
される。実際上の問題として、GCからイオントラップ
へのサンプルガスの流れを妨げることは望ましいことで
はない。同様に、サンプル流上でCIおよびEI実験の
両方をなすとき、イオントラップへの試薬ガスの流れを
妨げることは望ましいことではない。
【0013】CIを実行するとき、試薬ガス(これは化
学的にサンプルガスと反応し、イオン化する)をイオン
化する必要がある。特に、イオントラップでの電子衝突
イオン化は試薬ガスをイオン化する望ましい方法であ
る。しかし、電子ビームが試薬ガスをイオン化するため
に、注入されるとき、サンプルがイオントラップに存在
すると、サンプルもまたEIに支配される。前述したよ
うに、サンプルをイオントラップに導入される前に分離
するためにクロマトグラフィが使用される場合、サンプ
ルガスの流れを妨げることは現実的ではない。したがっ
て、サンプルをイオン化することもなく試薬ガスをイオ
ン化することが現実的な方法である。したがって、緩和
処理が図られない限り、サンプルイオンがCIおよびE
Iの両方により形成され、潜在的に混乱した結果に至る
ことになる。
【0014】この問題の従来の解決手段は、“四重極イ
オントラップ化学イオン化質量分析計の操作方法”と題
する、米国特許第4,686,367号(ローリス等、
1987年8月11日に発行)に記載されている。この
米国等第4,686,367号の方法は、試薬ガスがイ
オン化される一方で、イオントラップによりトラップさ
れたサンプルイオンの数を最小にすることで、サンプル
へのEIの効果を最小化するもののようである。これを
行うものとして教示する方法は、EIプロセスの間にイ
オントラップに低電圧Vを印加することで、その結果低
い質量の試薬ガスはトラップされるが、高い質量のイオ
ンの数は少ない。この特許の言葉でいうと、“十分に低
いRF値(すなわち、Vの値)では、高い分子量のイオ
ンは十分にトラップされない。そのため、低いRF電圧
では低い質量のイオンのみが貯蔵される。”(第5欄、
第33−36行)上で説明しように、RFのみの方法
(上記特許では好適なものとし、イオントラップの商業
ベースとして知れられている実施例において使用される
方法)を使用して操作すると、イオントラップは本質的
に、RFトラッピング電圧の値によりセットされるカッ
トオフ質量より上の全ての質量のものをトラップする。
低い質量のイオンをトラップするために、イオンが試薬
イオンであろうと、サンプルイオンであろと、Vを十分
に低い値にセットすることが必要である。Vを十分に低
くセットすると、空間電荷効果のため高い質量のイオン
をトラップするとき、イオントラップは本質的に効率が
悪くなる。これを理論的な考察では、特定の質量のイオ
ンを貯蔵するイオントラップの内部の容積がVの値に比
例し、その質量に反比例する。したがって、あるVの値
に対し、イオントラップのより小さい容積が低い質量の
イオンよりも高い質量のイオンを貯蔵するために利用可
能となる。その容積が非常に小さいとき、貯蔵され得る
イオンの数は空間電荷効果により減少する。
【0015】Vを低値にセットすると、すべての高い質
量のイオンがイオントラップより出て行くことに注目す
べきである。このようなイオンは安定性包絡線内で図を
描くaおよびqの値を有し続ける。米国特許第4,68
6,367号の技術に従ってなされ得るすべては、EI
プロセスの間、イオントラップ内の高い質量のイオンの
数を減ずることである。この点で、“低RF電圧で低い
質量のイオンのみが貯蔵される”というこの特許の記述
は誤りのようである。以下で記述するように、米国特許
第4,686,367号の方法を用いてなした実験で、
実験の結果はEIにより生成された高い質量のイオンの
検出可能な量が存在するこを示す。さらに、トラップさ
れ続く高い質量のイオンの数が質量に依存し、その結果
質量が試薬イオンに近いがそれよりも高いサンプルイオ
ンの実質的な数がトラップされることになる。
【0016】試薬分子がさまざまな質量を有する種々の
イオンを形成する。最も低い試薬イオンをトラップする
ことのみ必要な電圧(これは高い質量のイオンを除去す
るために必要な電圧)より実質的に低いRF電圧でのイ
オン化はトラップされる試薬イオンの数を高い質量のサ
ンプルイオンととも減少させる。この効果は質量に関
連し、その結果より高い質量の試薬イオンがイオントラ
ップから不相応と思えるほど失われる。
【0017】イオントラップ内に一つのサンプルの流上
でEIおよびCI実験の両方をなすときに関連した問題
が存在する。上述したように、実際上の理由のため、試
薬ガスのイオントラップへの流れを停止することは望ま
しくない。しかし、EI実験が実行されるとき、試薬ガ
スが存在するならば、試薬ガスはイオン化され、それら
が反応の生ずる前にイオントラップから除去されない限
り、試薬ガスイオンが生成され、サンプルのCI(化学
的イオン化)がなされ得る。サンプル流上でEI実験が
なされるときは、この問題が生じない。その理由は、試
薬ガス流がこの実験の間、単に離しておけるからであ
る。
【0018】しかし、トラッピング電圧を低下する方法
を適用しても、イオントラップから低い質量の試薬イオ
ンを除去していないのでこの問題を解決することにはな
らない。米国特許第4,686,367号が教示するよ
うに、この問題を解決するために使用する一つの解決策
は、低い質量の試薬イオンを貯蔵しないようにRFトラ
ッピング電圧を上昇させることである。しかし、これ
は、トラッピング条件を通常使用されるものから変化さ
せる不所望の効果をもたらす。たとえば、トラッピング
電圧が質量20およびそれ以上のイオンを貯蔵するため
にセットされると、イオントラップに入る電子の平均イ
オン化エネルギーは70eVである。質量43のメタン
質量イオンを除去するように、質量45およびそれ以上
のイオンのみを貯蔵するためのトラッピング電圧の上昇
は、平均電子エネルギーの2倍になる。このような増加
は、多くの組成物の質量スペクトルを変化させ、サンプ
ルイオンに対するトラッピング効率を減少させる。
【0019】CIプロセスにおいて、質量分析を受ける
生成物イオンの数を最適にすることが望ましい。生成物
イオンが非常に少ないと、質量分析はノイズのあるもの
となり、生成物イオンが非常に多いと、分解能および線
形性が失われる。生成物イオンの形成は、イオントラッ
プにある試薬イオンの数、イオントラップ内のサンプル
分子の数、試薬イオンとサンプルイオンと間の反応率、
および試薬イオンがサンプル分子と反応できる反応時間
の関数である。EIイオン化時間を増加させること、す
なわち、より長い時間電子ビームを維持することにより
イオントラップ内に存在する試薬イオンの数を増加させ
ることができる。同様に、反応時間を増加させること
で、イオントラップ内で形成されたサンプルイオンの数
を増加させることができる。
【0020】この課題に向けられた従来の方法は、“化
学イオン化モードでの四重極イオントラップ質量分析計
の操作のダイナミックレンジおよび感度を増加させる方
法”と題する米国特許第4,771,172号(ウエバ
ー−グラボウ等、1988年9月13日に発行)に示さ
れている。この特許は、結果を最適化するように、CI
モードでイオントラップで使用するパラメータを調節す
る方法に関する。パラメータを最適するために、この特
許は、各質量分析に先立って、米国特許第4,686,
367号の方法に従ってなされるCI“前走査(presca
n)”を成し遂げる方法を教示する。この前走査は完全な
CI走査サイクルで、このサイクルで、イオン化および
反応時間が通常の分析的走査において使用するものより
も短い値に固定され、生成物イオンが通常の分析的走査
の場合より速くイオントラップから走査される。前走査
の間、イオントラップから飛び出し、生じた生成物イオ
ンは質量分析されず、イオン信号は全生成物イオン信号
を与えるために単に積分される。前走査の間、イオント
ラップ内の生成物イオンの総数が測定され、パラメー
タ、すなわち後に続く質量分析走査に対しイオン化時間
および/または反応時間が調節される。
【0021】したがって、この特許は、イオントラップ
内で生成物イオンの決定総数を得るため、イオントラッ
プ内の含有量の“前走査”を最初になすことから成る2
段プロセスに関し、その後に米国特許第4,686,3
67号に教示するタイプの質量分析走査がなされ、質量
分析のパラメータが前走査の間に収集されたデータに基
づいて調節される。イオントラップ内のサンプル量を見
積もるために前走査を使用してダイナミックレンジを広
げる、従来の方法の欠点は、前走査を実行するための追
加の時間を必要とし、したがって同じ時間でなし得る分
析走査が少なくなるということである。各前走査が時間
を消費するばかりでなく、それぞれが、質量分析走査に
対してパラメータを調節したときに、その使用とは別に
独立した価値をもたないデータを生成する。しかし、質
量分析走査パラメータに調節は、条件を変えたときにの
み必要となる。各走査に対しては調節を行う必要はな
く、したがって、多くの場合、時間を消費することに加
えて、前走査はどの有用な目的もかなえることがない。
したがって、ダイナミックレンジ内で走査するために、
化学イオン化実験の間、イオントラップを調節する改良
された方法が必要となる。
【0022】いわゆるMS n実験を行う際にイオントラッ
プ質量分析計を使用したいという要請がある。MSn
験において、一種類の一塊のイオンがイオントラップで
分離され、細分片に解離する。サンプル種から直接生成
されたその細分片は従来はドウター(daughter)イオン
として知られ、サンプルはペアレント(parent)イオン
といわれている。そのドウターイオンはまたグランドド
ウター(granddaughter)イオンを生成すべく分離され
る。nの値は形成されるイオン発生の数をいう。したが
って、MS2またはMS/MS実験では、ドウターイオ
ンのみが形成され、分析される。
【0023】MSn実験を行う従来の方法が、“MS/
MSモードでイオントラップを走査する方法”と題する
米国特許4,736,101号(サイカ等、1988年
4月5日に発行)に記載されている。当該イオン種類の
分離後に、ペアレントイオンは当該イオンの共鳴周波数
に同調された一つの補助AC周波数の発生手段により共
鳴励起される。補助周波数の振幅は、イオントラップ内
でイオンの発信がより大きくなるように、イオンがエネ
ルギーを得られるが、しかし、イオンがイオントラップ
から飛び出すほど十分に大きくはないレベルにセットさ
れる。イオンがイオントラップ内で振動するので、それ
らはイオントラップ内で減衰ガスの分子と衝突し、衝突
誘導される解離を受け、ドウターイオンが形成される。
ドウターイオンの質量/電荷数と関連した共鳴周波数を
適用することにより、それらイオンは同様に細分片に分
かれ得る。
【0024】米国特許第4,736,101号の方法の
困難なところは、当該イオンの正確な共鳴周波数が演繹
的に決定できず、帰納的に決定されなけらばならないこ
とである。イオンの共鳴周波数(永年周波数ともいわれ
る)は、質量/電荷数、イオントラップ内のイオンの
数、単純には正確に決定できない他のパラメータととも
に変化する。したがって、イオン種の正確な共鳴周波数
は経験的に決定されなけらばならない。経験的な決定
は、静的なサンプルがイオントラップに導入されるとき
別段の困難性もなく成し遂げられるけれども、GCの出
力のようなダイナミックなサンプルが使用されるとき、
非常に困難となる。
【0025】当該サンプルイオンの前述した問題を解説
するための従来のアプローチは、計算された周波数を中
心とした広帯域励起を使用することである。たとえば、
このような広帯域励起が約10kHzの帯域を有し得
る。他の方法は、周波数前走査を行うこと、すなわち当
該領域の周波数レンジにわたって補助場を掃引し、共鳴
周波数を経験的に観測することである。しかし、これら
の解決策のいずれも満足のいくものではない。
【0026】そこで、本発明の目的は、より単純で従来
から知られている方法よりも効率的で、イオン化および
反応プロセスの間でRFトラッピング場を変える必要な
く、試薬ガスのイオン化の間、イオントラップ内で生成
されるサンプルイオンを除去する新規な方法を提供する
ことである。
【0027】本発明の他の目的は、試薬ガスの存在の下
でイオントラップ内で電子衝突イオン化実験を行い、こ
れによりイオントラップ内で形成する試薬ガスを、それ
らがサンプル分子と反応する前にイオントラップから除
去する方法を提供することである。
【0028】さらに、本発明の目的は、イオントラップ
のダイナミックレンジ内で操作するためにイオントラッ
プにおいて利用する実験パラメータを最適化する方法を
提供することである。
【0029】さらに、本発明の他の目的は、イオントラ
ップ内でサンプル種の共鳴周波数の経験的な決定を必要
としない、イオントラップ内でMSn実験を行う、単純
で高効率な方法を提供することである。
【0030】さらに、本発明の他の目的は、イオントラ
ップを走査し、質量スペクトルを得る他の方法を提供す
ることである。
【0031】
【課題を解決するための手段】これら、および当業者が
以下の説明、特許請求の範囲、図面を読むことにより明
らかになるであろう他の目的は、補助場をイオントラッ
プに印加することによる新規な方法により実施できる。
一実施例において、本発明は、所望の範囲にある質量電
荷数を有するイオンが安定してトラップされるように、
イオントラップのトラッピング場のパラメータを調節
し、イオントラップの内容物をイオン化し、試薬イオン
でなくサンプルイオンをイオントラップから飛び出させ
るために、補助AC電圧をイオントラップに印加するこ
とから成る。補助AC電圧は高い質量のサンプルイオン
の共鳴周波数に対応する周波数成分を有する広帯域電
圧、または、選択されたカットオフ質量以上の質量のみ
をイオントラップから飛び出さるために、選択された振
幅を有する低周波電圧のいずれかでもよい。
【0032】本発明の他の実施例において、補助AC場
がイオントラップの内容物の電子イオン化の間に形成さ
れる、サンプルイオンでなく試薬イオンを、共鳴して飛
び出させて除去するために使用される。その結果、EI
実験が、トラッピング場の再調節をすることなく、試薬
ガス流の存在で行い得る。
【0033】本発明の他の実施例において、イオントラ
ップの一つの走査の間に測定される最高ピークに関連し
た質量のスペクトルデータが調節のために使用され、必
要なら、イオントラップがダイナミックレンジ内で走査
されるように、実験パラメータが続く走査の間利用され
る。
【0034】本発明の他の実施例において、低周波補助
双極電圧がイオントラップに印加され、イオントラップ
内でイオンを細分化するために使用され、イオントラッ
プの内容物を走査するために使用し得る。
【0035】
【実施例】本発明を実施するための装置が図2に示され
ている。イオントラップ10の断面が示されている。こ
のイオントラップ10は、上エンドキャップ電極30及
び下エンドキャップ電極35とともに同軸的に整合され
たリング電極20から成る。好適に、これらトラップの
電極は、双曲線状の内側表面を有するが例えば断面の形
状が円の弧となる電極であってもトラッピング場を形成
し得る。イオントラップ質量分析計の設計と組み立て
は、当業者において周知であって、詳細な説明が為され
る必要はない。ここで説明される型のイオントラップの
商業用モデルは、モデル指定サターンの下で本件譲受人
によって販売されている。
【0036】サンプルガス、例えばガスクロマトグラフ
40からのガスが、イオントラップ10内へ導入され
る。GC(ガスクロマトグラフ)が典型的には大気圧で
作動するので、イオントラップが大きく減じられた圧力
で作動する間は、圧力を減じる手段(図示せず)が必要
となる。このような圧力を減じる手段は在来のもので、
当業者によって周知である。本発明は、サンプルソース
としてGCを使用して説明されるが、このサンプルソー
スは本発明の一部分として考慮されるものではなく、ガ
スクロマトグラフを使用するとの制限をなすものではな
い。他のサンプルソース、例えば特殊なインターフェー
スを有する液体クロマトグラフのようなものも使用され
得る。
【0037】化学的イオン化試験を行うための試薬ガス
50のガス源もイオントラップに接続される。サンプル
とイオントラップ10の内側に導入されるガスは、後述
のように、電子ボンバートメントによってイオン化する
ことができる。フィラメント電源65によって電力が与
えられる熱イオンフィラメント60からの電子ビーム
は、ゲート電極70によって制御される。上エンドキャ
ップ電極30の中央には、フィラメント60及びゲート
電極70によって生成された電子ビームがトラップの内
側に進入できるように穴があけられている。この電子ビ
ームがサンプルのと試薬の分子にトラップ内で衝突する
ことにより、それらがイオン化される。サンプルガスお
よび試薬ガスの電子衝突イオン化は、詳細な説明を要し
ない周知のプロセスである。
【0038】トラッピング場は、所望の範囲内の質量電
荷数のイオンが安定的にトラップされるような所望の周
波数及び振幅を有するAC(交流)電圧の適用によって
形成される。RF発生器80は、この場を形成するため
に使用され、リング電極へ印加される。トラッピング場
を修正し図1の安定性線図の異なる部分で動作するよう
にDC(直流)電圧を印加してもよいことが周知である
が、実際上として、商業的に利用できるイオントラップ
は全てACトラッピング場だけを使用して作動する。
【0039】イオンの質量電荷数を決定するためのいろ
いろな方法が知られ、このイオンがイオントラップ内に
トラップされることでサンプルの質量スペクトルが得ら
れる。1つの知られている方法は、連続した質量電荷数
のイオンが順番どおりに飛び出すようにトラップを走査
することである。第1の知られているトラップ走査の方
法は、イオンが順次不安定になり、例えば電子増倍管手
段90を使用してイオンが検出されるトラップを出てい
くように、AC電圧の大きさのようなトラッピングパラ
メータの1つを走査することである。
【0040】他の知られているトラップ走査方法は、イ
オントラップ10の上下エンドキャップ30及び35を
横切って印加される補助AC双極子電圧を含む。このよ
うな電圧は、変圧器110によって上下エンドキャップ
電極に結合される補助波形生成器100によって形成さ
れる。補助AC場は、トラップ内にイオンを共鳴的に飛
び出させるために使用される。トラップ内の各々のイオ
ンは、共鳴周波数を有し、この共鳴周波数は、その質量
電荷数の関数でありトラッピング場のパラメータであ
る。イオンがその共鳴周波数で補助RF場によって励起
されるとき、場からエネルギーを得るし、もし効果的な
エネルギーがイオンに接続されるならば、その強制振動
はトラップの境界領域を越える。すなわち、トラップか
ら飛び出す。このようにして飛び出したイオンは、電子
増倍管90又は同等の検出器によっても検出される。共
鳴放射走査技術を使用するとき、トラップの内容物は、
補助RF場の周波数の1つを走査するか又はACトラッ
ピング電圧、V、の大きさのようなトラッピングパラメ
ータの1つを走査することによって順番に走査される。
AC電圧の大きさを走査することが好適とされる。更
に、イオントラップを走査する方法を以下で説明する。
【0041】本発明の1つの実施例で、補助RF生成器
100は、先に説明したとおりトラップを走査するため
に使用することができ、試薬ガスがイオン化されている
時間中にEIによって形成されるサンプルイオンを共鳴
的に飛び出させるために使用される広帯域RF場を生成
することが可能である。図3の(a)は、試薬ガスをイ
オン化するために使用される電子ビームのゲートを示し
ている。t1で開始してt2で終了するように電子ゲー
ト70がオンになり、中性の試薬ガスから試薬イオンを
形成するために電子ビームがトラップに進入できる。電
子がトラップ内に入ることを可能にする電子ゲートに一
致する図3の(b)に示されるように、補助波形生成器
100は、t1に開始しt2に終了する時間間隔におい
て、トラップの上下エンドキャップ30及び35に広帯
域信号を印加する。示されるとおり、広帯域励起はゲー
ト時間を越える。変形的に、補助広帯域信号の印加は、
t1よりも遅れて又はt2よりも遅れても、すなわち、
電子のイオン化が完了した後に開始し得る。同様に、補
助信号は、t1よりも前の時間で開始することもでき
る。不必要なサンプルイオンの除去のための補助場が、
イオンが形成される伸長した時間間隔の終了後の伸長し
た時間間隔の間“on”の状態を保たれることは重要な
ことである。
【0042】上下エンドキャップへ印加される広帯域A
C電圧は、協調することのないもの(双極励起)又は協
調するもの(四重極励起)のいずれかであり得る。四重
極励起を得ることの他の方法は、上下エンドキャップへ
ではなく、図11に示されるようにリング電極への補助
波形の適用である。
【0043】補助波形は、トラップされたイオンによる
共鳴パワーの吸収により、最大質量の試薬イオンよりも
大きい質量の不必要なサンプルイオンを飛び出させるよ
うな十分な振幅の周波数の範囲を含んでいる。サンプル
イオンの各々は、補助波形の周期成分に共鳴する。それ
に従って、それらは補助場からパワーを吸収し、トラッ
ピング場から出て行く。この補助場が不必要なイオンを
飛び出させた後、それはオフとなりCI試薬イオンがC
Iサンプルイオンを生産するためにサンプル原子と反応
する。これらのイオンは、その後、先に説明したとお
り、在来の方法で検出するためにトラップから走査され
る。
【0044】先に説明した補助波形は、広帯域であり、
飛び出す最も低い質量に対応する最初の周波数成分と飛
び出される最も高い質量に対応する最後の周波数成分と
を有する。最初の周波数と最後の周波数との間は一連の
離散した周波数成分であり、この離散した周波数成分
は、均等または不均等な間隔がとられ、任意的か又は固
定した関数的関係を有する。この周波数成分の振幅は一
様とすることができ、或いは、それらは、ハードウェア
の周波数従属性に対して補償するように又はトラップ内
に貯蔵された質量の分布のためq値の分布に対して補償
するように関数的な形状に仕立てることができる。広帯
域波形は、波形の最初と最後の成分の間の共鳴周波数を
有する全てのイオンがこの補助場によって共鳴的に飛び
出されるように、十分な数の周波数成分を有している。
したがって、EI中に形成される全てのサンプルイオン
は、質量解析走査以前にトラップから除去され、影響が
及ぼされる質量範囲内にはギャップが無い。
【0045】実際上、CI試験で使用される試薬ガス
は、トラップの内容物のEI中に形成される試薬イオン
が、ほとんどの場合において質量電荷数がサンプルイオ
ンよりも低いように、分子質量が全て低い。稀な場合で
あるが、試薬ガスよりも低い質量のサンプルイオンが形
成される場合、特定周波数が、特定の質量のものをその
他のものと共に飛び出させるため、広帯域励起に付加し
てもよい。
【0046】従来技術を越えた発明の利点は、CI試薬
ガスのイオン化中にEIによって形成される不必要なサ
ンプルイオンを取り除く能力である。これらのイオンを
飛び出させる能力により、一層大きい放出電流と一層長
いイオン化時間の利用が可能となる。従って、CIの感
度が増加する。
【0047】図4は、従来技術で使用される走査条件を
使用するテトラクロルエタンのサンプルの残存EIスペ
クトルを示す。図5は、広帯域波形を使用するイオン化
工程の間に形成されるサンプルイオンの除去を示す。図
6は、従来技術の方法を使用するトラップ内に存するメ
タンの試薬ガスを有するトリクロルエタンとPFTBA
のサンプルの残存EIスペクトルを示す。図7は、本願
発明の広帯域波形を使用するイオン化工程中に形成され
るサンプルイオンの除去を示す。質量がそれらよりも僅
かに上であるサンプルイオンが除去されたにもかかわら
ず、質量43のところに試薬イオンが残存していること
がわかる。図8は、補助波形がオフであることを除い
て、図7と同様の条件下のスペクトルを示している。図
9は、従来技術の方法を使用するヘクサクロルベンゼン
のスペクトルを示している。EIイオンの混合細分片
が、質量282、284、286、288及び290の
ところで観測される。さらに、(CIから)陽子が付加
されたサンプルによるイオンが、質量283、285、
287、289及び291のところで観測される。図1
0は、ここで説明された方法を使用するスペクトルを示
している。EIプロセスからの不必要なイオンが、ほぼ
完璧に取り除かれていることがわかる。
【0048】本発明のその他の様態において、1つの走
査から得るデータは、トラップを確実にダイナミックレ
ンジで作動するため、それに続く走査のパラメータを調
整するために必要であれば使用される。好適には、走査
の最も強いイオンの振幅(ベースピーク)が、次の走査
のイオン化及び又は反応時間を調整するために使用され
る。ベースピークの大きさは、ベースピークの実質的に
一定のイオン数が保たれるように、それに続く走査のイ
オン化及び反応時間を調整するために使用される。走査
中にトラップから飛び出される電荷の多くがベースピー
クのためであることから、それは、トラップ内のサンプ
ルからの全電荷量の良好な表示となる。トラップ内でほ
ぼ一定の全サンプル電荷を保つことによって、サンプル
のダイナミックレンジが増加し得る。変形的に、1つの
走査からの質量スペクトル情報で、例えば当該サンプル
イオンのみに注目するため、つまり特定の種類のものを
最適化するためにそれに続く質量分析走査のパラメータ
を調整することが可能である。好適に、先行する走査を
基にした走査のパラメータを調整するとき、反応時間と
イオン化時間の両方が、設定した比率で変化する。これ
は、1つの走査から次の走査へその結果を標準化するこ
とを一層容易にする。
【0049】この発明の方法の利点は、広いダイナミッ
クレンジのサンプルに対する走査時間を減少させること
である。これは、トラップ内のサンプル量の計測とし
て、先行する走査からのベースピークの強さを使用する
ことによって達成される。したがって、従来技術で使用
される、時間を消費する前走査の必要性がなくなる。
【0050】広帯域補助場も、EI試験が行われる場
合、トラップからの試薬イオンを除去するために使用さ
れる。イオントラップの使用者は、同一のサンプルでE
I及びCI試験の両方を行うことを希望し得る。このよ
うな状況の下で、EIを行っている間にトラップ内へ試
薬ガスの流れを停止することは好ましくなく、まだ試薬
イオンが存在していることが、恐らく分析データを混乱
させるであろう。補助RF広帯域励起を使用することに
よって、サンプルの電子衝突イオン化中に形成された全
ての試薬イオンは、それらが形成されるとすぐにトラッ
プから共鳴的に飛び出す。図3に示される同一のタイミ
ングシーケンスは、本発明におけるこの態様を実施する
ために使用され得る。本発明におけるこの実施例で、広
帯域RF励起は、周波数範囲が低い質量の試薬イオンの
みを除去するように設定されるべきことを除いて、先に
説明した変形例に従うことで為される。
【0051】図2の波形生成器100は、質量スペクト
ルを得るためにCI試験を行い、MSn試験を行、そ
してトラップの内容物を走査するために低周波数非共鳴
場を印加するために使用される。波形生成器100から
の低周波数補助電圧が、イオントラップ10の上下エン
ドキャップ30及び35に双極場として印加される。こ
の双極場の周波数は、トラップ内に蓄積される全てのイ
オン(サンプルイオン或いは試薬イオン)の共鳴周波数
に無関係である。この波形は、好適に方形波であるが、
正弦波形、鋸波形または三角波形を含むほとんど全ての
波形であってもよい。とくに、補助電圧の周波数は、1
00Hzから数千Hzの間というように比較的低いもの
である。本発明が、サンプルイオンの共鳴周波数範囲の
開始付近である約10000Hz以下の周波数で為され
得ることが試験よりわかる。しかし、好適に、この周波
数は数百Hzの範囲内であるべきである。
【0052】補助方形波双極場がトラッピン場のプソイ
ドポテンシャルウェルの中央をz軸に沿う異なった位置
へ変形的に移されるとされている。トラッピング場のプ
ソイドポテンシャルウェルの中心がそれぞれ移され、ト
ラッピング場からトラップされたイオンが変換エネルギ
ーを取り出し、新しい中心の周りで振動を開始する。し
たがって、この振動の中心の移動は、振動の大きさを増
大する。一般に、イオンが背景のガスへエネルギーを失
うとき、これらイオンは、新しい中心へ向かって移動す
る。もし、方形波のところで極性を変えるときのように
プソイドポテンシャル場の中心が移動するならば、この
プロセスは反復する。場が変化される以前にイオンが新
しい中心に向かって移り得るように、補助双極場の周波
数は低くとるべきであることがわかるだろう。
【0053】上述したように、プソイドポテンシャルウ
ェルの中心が移動する場合、イオンは、空間内の新しい
点の周囲で振動を開始し、一層付勢的になる。イオンに
付加されるエネルギーは、多数のイオンが減衰ガスと衝
突することで解離するのに十分なものである。それによ
って、ドウターイオンが形成される。このプロセスが反
復されるとき、より一層のイオンが解離する。この方法
のそのの利点は、共鳴励起以上のエネルギーをイオン
に与えることであり、したがって、いくつかの場合にお
いて、結果的に一層イオンの細分化となり得る。
【0054】先に説明された方法が、イオントラップ内
のイオンの共鳴周波数に頼っていないことから、トラッ
プ内のイオン全てに同時に動作する。したがって、この
方法を使用して、それぞれのイオンの細分片に係わる共
鳴周波数を印加する必要なく、様々なイオンの細分片の
生成物を形成することが可能である。もし望むのであれ
ば、当該種類のイオンは、最初にトラップ内で分離され
る。
【0055】この方法を使用すると、成分識別を容易に
する成分の完全な“指紋”を得ることが可能である。た
だ、質量電荷数は、それだけでペアレントイオンを明確
に識別するために使用することができない。しかし、親
イオンの質量電荷数だけでなく全てのイオンの細分片の
質量の知識は、そのペアレントを明確に識別するために
使用することができる。
【0056】低周波電圧をイオントラップに印加するこ
とは、一定のカットオフされた質量以上の質量を有する
イオンがイオントラップから除去されるためのメカニズ
ムとして使用され得ることが分かった。このカットオフ
の質量は、補助的低周波電圧値の関数である。どのよう
にしてイオントラップが動作しているかという1つのモ
デルは、イオンが、他の物質との間の質量電荷数の関数
であるポテンシャルウェルの“深さ”を有するポテンシ
ャルウェル内に本質的にトラップされることである。質
量が大きくなると、ウェルはより浅くなる。低周波の補
助場の適用により大きい質量のイオン除去という現象が
観測されること大きい質量に係わるポテンシャルウェ
ルの深さが比較的浅いことに関係しているとされてい
る。特に、プソイドポテンシャルウェルの中心の転移に
より、大きい質量のイオンがウェルバリアーに勝るのに
十分なエネルギーを得て、イオントラップを出て行くと
考えられる。
【0057】この現象は、化学イオン化試験およびイオ
ントラップの走査の両方を有利にするために利点され得
る。先に説明したとおり、化学イオン化試験を行うと
き、試薬ガスのEI中で形成される大きい質量のサンプ
ルイオンを除去することが必要である。このサンプルイ
オンの除去の変形的な方法は、先に説明したとおり、試
薬イオンが影響なく出て行く一方で、トラップから全て
のサンプルイオンを除去するために効果的な値の低周波
補助場を印加することである。この補助低周波場を印加
することにおけるタイミングシーケンスは、図3に描か
れているとおりであるか又はそれと共に関係して先に説
明された全ての変形的タイミングシーケンスであってよ
い。この転に関し注目すべきは、間隔が千分の一秒以下
である図3の(a)のイオン化期間が、低周波補助電圧
の半周期よりも短い間隔であることである。したがっ
て、図3の(b)に示されるように補助電圧の適用間隔
は、より一層長い間隔であり、図3には示していない。
【0058】低周波補助電圧の適用も、質量スペクトル
が得られるようにイオントラップを走査するためのメカ
ニズムとして使用され得る。これは、補助的低周波電圧
値によって為される。もしこの補助電圧が開始時にあっ
て低く更に上向きの勾配であるなら、大半はトラップか
ら小さくなる順番で順次飛び出す。変形的に、低周波補
助電圧は、一定に保たれ、同等の効果を得るためにトラ
ッピングパラメータの一つが走査される。
【0059】図12は、在来方法で得られた1、1、1
−トリクロロエタンの質量スペクトルである。質量97
でのピークは、CH 3 CCl2 + に対応する。対比して、
図13は、低周波補助方形波電圧(100Hz、42ボ
ルト)が20ミリ秒間印加されたことを除いて図12と
同様の試験パラメータを使用して得られる、1、1、1
−トリクロロエタンの質量スペクトルである。質量97
のピーク強度が減少され、質量61(CH 2 CCL +
イオンが豊富にあることが、図13からわかる。非共鳴
励起の結果のように、質量97のイオンはエネルギーを
吸収し、質量61のイオンを形成するために解離され
た。
【0060】図14および図15は、補助方形波の周波
数がそれぞれ300と600Hzに設定されたことを除
いて、図12および図13の結果を得るために使用され
たパラメータと同一のものを使用して得られた1、1、
1−トリクロロエタンのスペクトルを示している。図1
3、14および15のスペクトルの類似性は、解離が広
い範囲にわたって補助場の周波数と大きく独立している
ことを示している。最後に、図16は、従来技術の方法
を使用して、すなわち非共鳴低周波方形波を使用するの
ではなく、139.6KHz(イオン質量97のz軸の
共鳴周波数)の非共鳴正弦波を800mVのレベルで2
0ms間印加することで得られた1、1、1−トリクロ
ロエタンの質量スペクトルを示している。両方法による
ドウターイオンの生成量がほぼ同一であることがわか
る。
【0061】図17、18および19は、本発明の方法
が、イオントラップから大きい質量のイオンを除去する
ためにどのように使用されたかを示すために、いろいろ
な条件下でのPFTBAの質量スペクトルを示してい
る。図17は、ペアレントイオン及び細分片イオンの両
方を含む完全な質量スペクトルを示している。図18
は、131以上の質量を有する全てのイオンが、補助方
形波の電圧が20Vに上昇したときにトラップから除去
されたことを示している。図19は、電圧が33Vへ上
昇すると100以上の質量を有する全てのイオンがトラ
ップから除去されることを示している。
【0062】図20、21および22は、低周波補助場
を使用することによってイオントラップから大きい質量
のイオンが除去できる化学イオン化試験の応用例が示さ
れている。図20、21および22は、それぞれ図5、
7および10と同一のCI試験であることを示してい
る。しかし、トラップから不必要なサンプルイオンを除
去するために広帯域共鳴飛び出しが使用されたのではな
く、低周波補助波形が使用された。結果は、どちらの方
法によっても実質的に同一であることがわかる。図20
の結果は、600Hzの周波数を有する補助場を使用し
て得られ、図21の結果は、300Hzの周波数の補助
場を使用して得られ、そして、図22の結果は、400
Hzの周波数を有する補助場を使用して得られた。それ
ぞれの場合において、補助電圧の大きさは20と40V
との間であった。
【0063】本発明が好適実施例と関連して説明されて
きたけれども、このように説明された事柄が制限をもた
らすことを意図としたものではなく、その他の変形物お
よび同等物が当業者によって容易に為されるであろう。
このことから、本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照
することによってのみ決定されるべきである。例えば、
本発明が電子衝突イオン化の工程の前になした化学イオ
ン化試験を行うことに関連して部分的に説明されてきた
けれども、その方法が電子衝突イオン化に代わって光イ
オン化を使用して行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオントラップに関連する安定線図を示す。
【図2】本発明の方法を実施するために使用される装置
の部分的概要図を示す。
【図3】本発明に従って電子衝突イオン化のために使用
される電子ビームのゲートに関係する補助広帯域AC場
の制御を示しているグラフである。
【図4】本発明と従来技術とを比較するサンプルの質量
スペクトルである。
【図5】本発明と従来技術とを比較するサンプルの質量
スペクトルである。
【図6】本発明と従来技術とを比較するサンプルの質量
スペクトルである。
【図7】本発明と従来技術とを比較するサンプルの質量
スペクトルである。
【図8】本発明と従来技術とを比較するサンプルの質量
スペクトルである。
【図9】本発明と従来技術とを比較するサンプルの質量
スペクトルである。
【図10】本発明と従来技術とを比較するサンプルの質
量スペクトルである。
【図11】本発明を実施するために使用される図2の装
置の変形的配列を示す。
【図12】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示すサンプルの質量スペクトルで
ある。
【図13】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示すサンプルの質量スペクトルで
ある。
【図14】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示すサンプルの質量スペクトルで
ある。
【図15】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示すサンプルの質量スペクトルで
ある。
【図16】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示すサンプルの質量スペクトルで
ある。
【図17】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示す質量スペクトルである。
【図18】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示す質量スペクトルである。
【図19】イオントラップから大きい質量のイオンを除
去するために使用される補助的低周波場の適用がどのよ
うに為されているかを示す質量スペクトルである。
【図20】化学イオン化試験を行うことで使用される補
助的低周波場がどのように適用されているかを示す質量
スペクトルである。
【図21】化学イオン化試験を行うことで使用される補
助的低周波場がどのように適用されているかを示す質量
スペクトルである。
【図22】化学イオン化試験を行うことで使用される補
助的低周波場がどのように適用されているかを示す質量
スペクトルである。
【符号の説明】
10 ...イオントラップ 20 ...リング電極 30 ...上エンドキャップ電極 35 ...下エンドキャップ電極 40 ...ガスクロマトグラフ 50 ...試薬ガス 60 ...熱イオンフィラメント 65 ...フィラメント電源 70 ...ゲート電極 80 ...トラッピング場用RF発生器 90 ...電子増倍管 100...補助波形生成器 110...変圧器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミングダ・ウォン アメリカ合衆国カリフォルニア州ウォル ナー・クリーク、シスキュー・コート 211 (56)参考文献 欧州特許362432(EP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/42 H01J 49/10

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオントラップ質量分析計を化学イオン
    化モードで使用する方法であって, 所望の範囲内にある質量電荷数を有するイオンが,イオ
    ントラッップ質量分析計内に安定してトラッップされる
    ようにイオントラップ質量分析計のトラッピング場のパ
    ラメータを調節する工程と,サンプル をイオントラップ質量分析計に導入する工程
    と, 試薬ガスをイオントラップ質量分析計に導入する工程
    と, 所望の範囲内にある質量電荷数を有するサンプルおよび
    試薬のイオンが,イオントラッップ質量分析計内で形成
    されるようにイオントラップ質量分析計内でサンプルお
    よび試薬ガスをイオン化する工程と, 前記イオン化工程の間に形成されるサンプルイオンをイ
    オントラップ質量分析計から飛び出させるために,補助
    AC場をイオントラップ質量分析計に印加する工程と,前記調節工程により決定された前記トラッピング場のパ
    ラメータを変化させることなく,前記試薬イオンおよび
    前記サンプルを反応させる工程と, から成る方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって, 前記イオン化工程が,サンプルおよび試薬イオンが電子
    衝突イオン化により形成されるように,イオントラップ
    質量分析計の内容物を電子ビームにさらすことから成る
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって, 前記イオン化工程が,サンプルおよび試薬イオンが光イ
    オン化により形成されるように,イオントラップ質量分
    析計の内容物を光にさらすことから成る方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場が,前記イオン化工程の間,イオントラ
    ップ質量分析計に印加される,ところの方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場が,前記イオン化工程が完了した後のあ
    る時間間隔の間,イオントラップ質量分析計に印加され
    る,ところの方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場のイオントラップ質量分析計への印加
    が,前記イオン化工程が開始するときよりも遅くなく始
    まり,前記イオン化工程が完了した後のある時間間隔の
    間続く,ところの方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場が四重極場である,ところの方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場が双極場である,ところの方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場が単極場である,ところの方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場がイオントラップ質量分析計のエンドキ
    ャップに印加される,ところの方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場がイオントラップ質量分析計のリング電
    極に印加される,ところの方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の方法であって, 前記補助AC場が,前記サンプルイオンをイオントラッ
    プ質量分析計から共鳴して飛び出させるための,広帯域
    励起であり, 前記広帯域補助AC場がサンプルイオンのみをイオント
    ラップ質量分析計から飛び出させるように,前記補助A
    C場に含まれる最高周波数成分が,試薬イオンをイオン
    トラップ質量分析計から出て行かせるのに必要な周波数
    以下である,ところの方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって, 前記補助AC場が,最低の質量電荷数のサンプルイオン
    をイオントラップ質量分析計から飛び出させるのに対応
    する最高の周波数,および最高の質量電荷数のサンプル
    イオンをイオントラップ質量分析計から飛び出させるの
    に対応する最低の周波数を有する,ところの方法。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の方法であって, イオントラップ質量分析計内の実質的にすべてのサンプ
    ルイオンが前記補助AC場により飛び出すように,前記
    補助AC場が前記最高および最低の周波数成分の間に,
    一連の離散した周波数成分から成る,ところの方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって, 前記離散した周波数成分が一定に離れている,ところの
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の方法であって, 前記離散した周波数成分が不定に離れている,ところの
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の方法であって, 前記離散した周波数成分が任意な相で離れている,とこ
    ろの方法。
  18. 【請求項18】 請求項14に記載の方法であって, 前記離散した周波数成分が固定した関数関係をもつ相を
    有している,ところの方法。
  19. 【請求項19】 請求項14に記載の方法であって, 前記離散した周波数成分が一定の振幅を有している,と
    ころの方法。
  20. 【請求項20】 請求項14に記載の方法であって, 前記離散した周波数成分が選択された関数形に形成され
    た振幅を有している,ところの方法。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の方法であって,前記反応工程は, サンプルイオンが化学イオン化により
    連続して形成されるように,前記イオン化工程の間に形
    成されたサンプルイオンがイオントラップ質量分析計か
    ら除去された後に,選択された反応期間の間,前記サン
    プルと前記試薬イオンとの反応を可能にする工程をさら
    に有する,ところの方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法であって, トラッピング場が,前記イオン化および前記反応工程の
    間,一定に保たれる方法。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の方法であって, 連続した質量電荷数のサンプルイオンがイオントラップ
    質量分析計から飛び出し,順番に検出されるように,前
    記サンプルイオンが化学イオン化により形成された後
    に,イオントラップ質量分析計を走査する工程をさらに
    含む,ところの方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって, 前記走査工程の間,検出された最高のピークの大きさに
    基づいて反応期間を調節した後に,前記請求項21の工
    程を繰り返す,ところの方法。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の方法であって, 前記走査工程の間,検出された最高のピークの大きさに
    基づいてイオン化時間を調節した後に,前記請求項21
    の工程を繰り返す,ところの方法。
  26. 【請求項26】 請求項23に記載の方法であって, 前記走査工程の間,検出された最高のピークの大きさに
    基づいてイオン化工程の期間および反応期間の両方を調
    節した後に,前記請求項21の工程を繰り返す,ところ
    の方法。
  27. 【請求項27】 請求項23に記載の方法であって, 前記反応期間が,イオントラップ質量分析計内の電荷の
    総量が一つの走査から他の走査へ実質的に一定に維持さ
    れるように調節される,ところの方法。
  28. 【請求項28】 請求項1に記載の方法であって, サンプルイオンが非共鳴での飛び出しによりイオントラ
    ップ質量分析計から除去されるように,前記補助AC場
    が低周波双極場である,ところの方法。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の方法であって, 前記低周波補助場が100−10,000Hzの範囲の
    周波数を有する,ところの方法。
  30. 【請求項30】 請求項28に記載の方法であって, 前記補助AC場が方形波の波形を有する,ところの方
    法。
  31. 【請求項31】 イオントラップ質量分析計を,試薬
    ガスのイオントラップ質量分析計への連続した供給の
    間,電子衝突イオン化モードで使用する方法であって, 所望の範囲内にある質量電荷数を有するイオンが,イオ
    ントラッップ質量分析計内に安定してトラッップされる
    ようにイオントラップ質量分析計のトラッピング場のパ
    ラメータを調節する工程と, サンプルを,試薬ガスの流入の流れを有するイオントラ
    ップ質量分析計に導入する工程と, 所望の範囲内にある質量電荷数を有するサンプルおよび
    試薬のイオンが,イオントラッップ質量分析計内で電子
    衝突イオン化により形成されるように,イオントラップ
    質量分析計内のサンプルおよび試薬ガスを電子ビームに
    さらす工程と,前記電子衝突イオン化の間に形成される
    試薬イオンを,イオントラップ質量分析計から共鳴して
    飛び出させるために,広帯域補助AC場をイオントラッ
    プ質量分析計に印加し,前記広帯域補助AC場によりサ
    ンプルイオンのみをイオントラップ質量分析計内に維持
    する工程と,電子衝突イオン化の質量スペクトルを他の測定のため
    に,試薬ガスの存在の下で得るために,連続した 質量電
    荷数のサンプルイオンがイオントラップ質量分析計から
    飛び出し,検出されるように前記イオントラップ質量分
    析計を走査する工程と,から成る方法。
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