JP3440134B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3440134B2 JP13217994A JP13217994A JP3440134B2 JP 3440134 B2 JP3440134 B2 JP 3440134B2 JP 13217994 A JP13217994 A JP 13217994A JP 13217994 A JP13217994 A JP 13217994A JP 3440134 B2 JP3440134 B2 JP 3440134B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下「N
MR」と略記する)現象を利用して被検体の所望部位の
断層画像を得る磁気共鳴イメージング装置(以下、MR
I装置という)に関し、特に血流描画手段を有するMR
I装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】MRI装置は、NMR現象を利用して被
検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以下単
にスピンと称す)の密度分布、緩和時間分布等を計測し
て、その計測データから被検体の任意の断面を画像表示
するものであり、このため所定のパルスシーケンスで、
関心領域のスピンを励起する高周波パルスと位置情報を
得るための傾斜磁場を繰り返し印加して、関心領域から
NMR信号を収集する。画像に必要なNMR信号を得る
シーケンスとして一般的な手法としてスピンエコー法が
あり、ここではスピン系の励起を90°パルスを用いて
励起し、信号読み出しのために更に180°パルスを用
いるものである。さらに90°パルスより小さいプリッ
プ角(α゜)のパルスを用い、信号の読み出しにスピン
の勾配反転を利用したグラディエントエコー法等の高速
イメージング方法がある。 【0003】またMRI装置によるイメージング法には
二次元及び三次元の計測法があり、その特徴により使い
分けられる。三次元イメージング法は、三次元のデータ
を収集するためステップ数がきわめて多くなるが、高速
イメージングなどと組合せることにより広範囲でかつ高
分解能の情報を得ることができる。三次元イメージング
法にはフーリエ変換法と投影復元法があるが、三次元フ
ーリエ変換法は、位相エンコードのための2つの傾斜磁
場の振幅(強度)を独立に変化させてデータ収集を繰り
返し、三次元マトリックスのデータを得る。即ち、矩形
状のプロファイルで画像化領域をほぼカバーする領域を
励起し、スライス方向にも位相エンコード傾斜磁場を加
え、各スライスを分離し、三次元マトリックスのデータ
を得るものであり、以下に述べる血流描画にも採用され
ている。 【0004】MRI装置における血流描画法としては、
飛行時間法(Time-of-flight法、以下、TOF法とい
う)、位相法があり(特願平3-311469号)、位相法には
更に、血流による位相拡散の有無を用いて差分を行なう
Phase-sensitive法(「Cerebral MR Angioimaging(脳
血管磁気共鳴画像法)の研究―第1報―」( 福井啓二
他、CT研究10(2) 1988年)、133頁〜142頁)と、血流
による位相拡散の極性を反転し、差分を行なう位相シフ
ト法(Phase-contrast)("Magnetic resonance angiog
raphy, Dumoulin CL, et al. Radiology 161:717〜720,
1986")とがある。 【0005】TOF法は、スラブ(スライス)状の関心
領域の血管に、外部から磁化状態が異なるスピンが流入
し、周辺組織の静止スピンとの信号強度差が生じること
を利用して血流分布を画像化する手法であり、この信号
強度差は血流速によって変化し、高速流ほどスラブ(ス
ライス)内での多重励起による飽和が起こりにくく、信
号強度が増加する。TOF法のうち、血流を高信号で描
出するために利用している流入効果については、”Magn
etic Resonance Imaging, Second Edition, Stark DD e
t al. edited, Mosby-Year Book, Inc., pp299〜334,19
92"に詳述されている。 【0006】上述の血流描画手法により血流を描画する
際に、プリサチュレーションを適用することにより、動
静脈を分離描出する方法がある。この方法は、図6
(b)に示すように、被検体内の撮像対象領域Aに対し
特定の方向から流入する血流スピン61のみを事前に高
周波パルスにより励起し(B)、飽和状態とすること
で、その血流スピンを無信号化する方法である。尚、図
6(a)はプリサチュレーションを行わない場合を示し
ている。ところで生体内においては図7に示すように多
くの部位で、動脈71及び静脈72は互いに逆方向に流
れており、プリサチュレーションを行なう領域B、B’
として撮像対象領域Aに隣接する側のいずれかを選択す
ることで、動静脈71、72の選択的描出が可能にな
る。 【0007】プリサチュレーションパルスを付加した場
合の三次元TOF法のパルスシーケンスを図8に示す。
このパルスシーケンスでは、関心領域のスピンを励起す
るためのα゜パルス103以降は通常の三次元TOFパ
ルスシーケンスであるが、このα゜パルス103に先立
ち、プリサチュレーション高周波パルス101を照射
し、同時にスライス方向の傾斜磁場Gs201を印加す
ることでスライス方向に選択された領域(関心領域に隣
接領域)のみを励起している。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで被検体の選択
された領域のみを均一に励起するためには、図9(a)
に示すように周波数空間で選択位置に相当する周波数f
=f1を中心として帯域幅BWの範囲を矩形状に高周波
磁場で励起することになるが、そのためには時間軸上で
無限長のSinc関数をエンベロープとする高周波磁場が必
要となる。しかしながら、実際上は計測時間の関係か
ら、数周期に切りだしたSinc関数または類似の関数、そ
れらを変形した関数を高周波磁場のエンベロープとして
用いることになるため、これらの高周波磁場パルスでは
完全な矩形で選択励起を行なうことができず、サイドロ
ープを有する台形状となる。 【0009】既に述べたように三次元の計測において
は、画像化領域をほぼカバーする領域を励起し、スライ
ス方向に位相エンコード傾斜磁場を加え、各スライスを
分離するものであるから、励起プロファイルが台形状と
なり撮像領域全域に亘って均一なフリップ角で励起する
ことができない場合には、スラブの両側に相当するスラ
イスの信号強度が低下する。これに伴い、投影血管像も
血流の流入部、流出部の信号強度が低下し、血管を均一
な輝度で描出することができなかった。更に、図9
(b)に示すように励起領域Cが画像化領域Aに比べ厚
すぎる場合、画像化領域外の生体組織も励起を受け、ス
ライス方向のフーリエ変換後は折り返しとなって反対側
のスライスに重畳してしまう。これに対し、同図(c)
に示すように励起領域Cが薄すぎる場合、折り返しは発
生しないが、スラブの端部にあたるスライスがスラブ中
心部に比べ低いフリップ角で励起されることになり、取
得される信号も低いものとなる。 【0010】実際に三次元血流描画シーケンスで用いら
れる高周波磁場では、折り返しが発生しないように励起
領域Cを選択しており、投影像Dにおけるスラブ端部の
血管は図9(c)に示すように輝度が低下し、特に末梢
動脈ではもとの信号が太い動脈に比べ小さいので、この
ような輝度の低下があると有効な診断情報を得ることが
できない。 【0011】本発明はこのような投影血管像のシェーデ
ィングを抑制し、撮像領域内血管、特に動脈系撮像時の
流出部にあたる末梢動脈を均一な輝度で描出することが
可能な血流描画方法を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するため手段】このような目的を達成する
本発明の本発明のMRI装置は、被検体に静磁場を与え
る静磁場発生手段と、該被検体に傾斜磁場を与える傾斜
磁場発生手段と、被検体の生体組織を構成する原子の原
子核にNMRを起こさせる高周波パルスをある所定のパ
ルスシーケンスで繰り返し印加するシーケンサと、この
シーケンサからの高周波パルスにより被検体の生体組織
の原子核にNMRを起こさせるために高周波磁場を照射
する送信系と、NMRにより放出されるエコー信号を検
出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号を用
いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られた画像
を表示する手段とを構え、核磁気共鳴により放出される
エコー信号の計測を繰り返し行って断層像を得るMRI
装置において、シーケンサは、被検体内の血流を描出す
る三次元フーリエ変換に基づくパルスシーケンスを備
え、該パルスシーケンスは、高周波パルスによる励起領
域を画像化領域に対して、所望の血流の流出側にシフト
するよう励起周波数を置換すると共に、画像化領域に隣
接する流出側の領域を予備励起し、該隣接領域からのエ
コー信号を抑制するものである。 【0013】この場合、高周波パルスの励起プロファイ
ル、即ち、励起される領域の励起強度プロファイルは、
矩形であっても、また血流の流れ方向に沿って増加する
傾斜を有していてもよい。 【0014】 【作用】励起領域を所望の血流の流出側へシフトするこ
とにより、流出側において励起プロファイルが傾斜する
ことを防止し、関心領域(スラブ)端部の信号低下を抑
制することができる。また、流出側の隣接領域をプリサ
チュレーションパルスによって、事前に励起、飽和させ
ることにより、励起領域のシフトによって画像化領域外
の生体組織からのNMR信号に起因して折り返し信号が
生じるのを抑制することができる。 【0015】またこのようなパルスシーケンスを備えた
MRI装置では、シーケンサの制御により、まずプリサ
チュレーションパルスを照射し、所望の血流の流出部に
相当する画像化領域外のスピンを飽和させ、続いて搬送
周波数が流出側に△fだけシフトした高周波磁場(帯域
幅BW+2△f)で励起を行ない、得られるNMR信号
を収集する。得られた信号は信号処理系で三次元血管デ
ータとして再構成し、この三次元血管データを複数の二
次元画像に投影する。 【0016】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図3は本発明によるMRI装置の全体
構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NM
R現象を利用して被検体の断層像を得るもので、図3に
示すように、静磁場発生磁石2と、磁場勾配発生系3
と、送信系4と、受信系5と、信号処理系6と、シーケ
ンサ7と、中央処理装置(CPU)8とを備えて成る。 【0017】静磁場発生磁石2は、被検体1の周りにそ
の体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を
発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをもっ
た空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導
方式の磁場発生手段が配置されている。磁場勾配発生系
3は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル
9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電
源10とから成り、後述のシーケンサ7からの命令に従
ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動するこ
とにより、X、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場Gx、G
y、Gzを被検体1に印加するようになっている。この
傾斜磁場の加え方により被検体1に対するスライス面を
設定することができる。 【0018】シーケンサ7は、被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁
場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加
するもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層
像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系4及び磁
場勾配発生系3並びに受信系5に送るようになってい
る。送信系4は、シーケンサ7から送り出される高周波
パルスにより被検体1の生体組織を構成する原子の原子
核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場パルスを
照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周
波増幅器13と送信側の高周波コイル14aとから成
り、高周波発振器11から出力された高周波パルスをシ
ーケンサ7の命令にしたがって変調器12で振幅変調
し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器1
3で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波
コイル14aに供給することにより、電磁波である高周
波パルスが被検体1に照射されるようになっている。本
発明においては、高周波パルスとして、それによる被検
体の励起領域が隣接する領域側にシフトするような励起
パルスを発生することができるように、高周波発振器1
1はシーケンサ7の命令に従い搬送波の周波数をシフト
する機能を備えている。 【0019】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信
号)を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと
増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17
とから成り、送信側の高周波コイル14aから照射され
た電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)
は被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで
検出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介して
A/D変換器17に入力してディジタル量に変換され、
さらにシーケンサ7からの命令によるタイミングで直交
位相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集
データとされ、その信号が信号処理系6に送られるよう
になっている。 【0020】信号処理系6は、CPU8と、磁気ディス
ク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT等の
ディスプレイ20とから成り、CPU8でフーリエ変
換、補正係数計算、画像再構成等の処理を行い、任意断
面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行
って得られた分布を画像化してディスプレイ20に断層
像として表示するようになっている。なお、図3におい
て、送信側及び受信側の高周波コイル14a、14bと
傾斜磁場コイル9は、被検体1の周りの空間に配置され
た静磁場発生磁石2の磁場空間内に設置されている。 【0021】ここで本発明においては、シーケンサ7が
血流描出のためのシーケンスを起動し、計測データを信
号処理系6で再構成することにより、三次元の血管デー
タを作成する。この血流描出方法のためのシーケンス
を、図2に示す。このパルスシーケンスは三次元のTO
F法に基づくパルスシーケンスであり、図9のパルスシ
ーケンスと同様に、高周波パルス102以降の、撮影領
域を画像化するためのシーケンスの他に、動静脈の選択
的描出を行なうためのプリサチュレーションパルス10
1を備えている。 【0022】ここで、プリサチュレーションパルス10
1は、図1(a)に示すように画像化領域(スラブ)A
に隣接する領域Bのスピンを予備励起するためのもの
で、所定の領域を所定のフリップ角で励起することがで
きるパルスであれば良く、FM波でも振幅変調による高
周波パルスであっても良い。プリサチュレーションパル
スの励起する帯域幅は適宜設定することができるが、画
像化領域を励起しないように、画像化領域と接する側の
周波数の限界を決定する。即ち、画像化領域の中心周波
数がf1でその帯域がBWであるとき、プリサチュレー
ションパルスの励起する帯域における下限或いは上限の
周波数はf1+BW/2またはf1−BW/2とする。
尚、図1の例では下限の周波数をf1+BW/2にして
いるが、画像化しようとする血流が動脈か静脈かにより
プリサチュレーションする領域が異なるのは言うまでも
ない。このようなプリサチュレーションパルスの励起す
る帯域は、プリサチュレーションパルス101が高周波
パルスである場合、その搬送波の周波数及びそれと同時
に印加されるスライス方向の傾斜磁場Gs201の傾斜
を適当に選択することにより決められる。 【0023】また図2のパルスシーケンスにおいて、高
周波パルス102は、少なくとも画像化領域を含む領域
を励起し、NMR信号を得るためのパルスで、90°或
いはそれよりフリップ角の小さいα°パルスで、その搬
送波の周波数は撮像スラブ中心に相当する周波数f1に
対し△fだけ隣接領域側(末梢血管側)にシフトしてお
り、帯域幅は中心周波数がf1のときにおける帯域幅B
Wに対して、BW+2△fとなる。このような高周波パ
ルスによる励起プロファイルCと画像化領域Aとの関係
を図1(a)に示す。中心周波数を△fシフトすること
により、励起プロファイルCの帯域がプリサチュレーシ
ョン領域B(隣接領域)に広がっていることがわかる。 【0024】高周波パルス102以降は撮像領域内を画
像化する部分で、従来の三次元TOFシーケンスと同一
の構成である。即ち、位相エンコード方向に位相エンコ
ードするための傾斜磁場302、スライス方向に位相エ
ンコードするための傾斜磁場Gs205及びエコー信号
を読み出すためのリードアウト(周波数エンコード)傾
斜磁場Gf403を含み、更に流れによる位相誤差を除
去するために極性反転した傾斜磁場204、204’及
び402、402’が加えられている。尚、プリサチュ
レーションパルス101の直後にくわえられる傾斜磁場
202、301、401は、ディフェイズにより横磁化
を消失させるスポイラー勾配である。また傾斜磁場Gs
201、203はそれぞれパルス101、102による
励起領域を決定するための磁場である。 【0025】次に図2のパルスシーケンスによる血流描
画について説明する。まずプリサチュレーションパルス
101により、対象とする血管を含む撮像領域(スラブ)
Aに対し、流出側の撮像領域外であって撮像領域に隣接
する生体組織を事前に励起し、この領域B内のスピンを
飽和させ、同領域Bからの信号を抑制する。これによっ
て画像化しようとする血流と反対方向の流れ、例えば静
脈も無信号化できる。続いて傾斜磁場パルス203と同
時にα°パルス101(中心周波数f1+△f)を印加
することにより、帯域幅BW+2△fの領域を励起す
る。引き続きスライスエンコード、位相エンコードの各
傾斜磁場205、302を印加した後、リードアウトの
傾斜磁場403を印加しながらエコー信号501を計測
する。プリサチュレーションパルス101印加からエコ
ー信号501計測までを所定の繰り返し時間TRでスラ
イスエンコード傾斜磁場205及び位相エンコード傾斜
磁場302をそれぞれ独立して変化させながら、繰り返
すことにより三次元データを得る。 【0026】得られた三次元データを信号処理系6にお
いてフーリエ変換することで三次元血管データとする。
これら三次元のデータセットは、血流または血管が相対
的に高信号で描出された二次元画像を積み重ねたもので
あり、このままでは血管の走行や形状を把握するのは困
難であるので、X線血管造影像やDSA(Digital Subtr
action Angiography)と同様の投影血管像を作成する投
影方法により、任意の二次元投影像に変換される。 【0027】例えば、図4に示すように、血管の一部分
をそれぞれ部分的に含む連続した多数枚の二次元画像か
ら成る三次元データを、所望の投影方向から投影する。
一般的には、冠状断、矢状断、軸横断の方向に投影する
が、血管の前後関係等奥行き知覚を得るには、ある軸を
中心とした回転、たとえば±45゜程度角度のついた投
影から、5゜〜10゜おきに投影像を作成し、それらを
動画像として表示することによって、血管の奥行き情報
を把握可能になる。 【0028】尚、ある視点から三次元のデータを投影す
る方法としては、光線軸跡法(raytracing)を用いるこ
とができる。特にある光軸上にある信号値の最大のもの
を、血管と見做し、最大値により1枚の投影像を作成す
る最大値投影法(Maximum Intensity Projection) 或い
は、最小値により投影像を作成する最小値投影法(Mini
mum Intensity Projection)は、光線上の画素値を加算
する方法に比べノイズの影響を受けにくいので好適であ
る。 【0029】このようにして得られる本発明の血管像D
は、図1(b)に示すようにプリサチュレーション領域
に隣接する画像端部において末梢血管を均一な輝度で描
出することできる。尚、プリサチュレーション領域と反
対側の端部では、励起プロファイルが傾斜しているため
に信号が弱くなるが、一般に反対側は太い血管となるの
で診断には影響がない。 【0030】また、本実施例においては、画像化のため
の高周波パルスとしてその励起プロファイルがほぼ台形
のものについて説明したが、励起プロファイルとして傾
斜した形状のものを用いることができる。図5(a)、
(b)はそのような本発明の他の実施例について簡略化
して示したものである。傾斜した励起プロファイルC
は、高周波パルスを最適化された励起パルス波形で振幅
変調することにより、或いは位相変調することにより実
現できる。この実施例でも、励起プロファイルCを流出
側にシフトさせることにより、画像端部からの信号の低
下を防止している。更にこの実施例では血流方向に沿っ
て増加する傾斜したプロファイルとすることで、スラブ
内の多重の励起による血流の飽和を抑制する効果を付加
することができる。 【0031】更に以上の実施例では、TOF法について
述べたが、本発明は、血流を描出する三次元フーリエ変
換に基づくパルスシーケンスを含むものであれば、位相
法(Phase Sensitive法、Phase Contrast法)について
も適用でき、同様の効果を得ることができる。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、励
起領域を所望の血流の流出側へシフトすることにより、
関心領域(スラブ)端部の信号低下を抑制することがで
き、且つ流出側の隣接領域をプリサチュレーションパル
スによって、事前に励起、飽和させることにより、励起
領域のシフトによって画像化領域外の生体組織からのN
MR信号に起因して折り返し信号が生じるのを抑制する
ことができる。これにより撮像領域内の血管を広い範囲
に亘って均一な信号強度で描出することができる。また
プリサチュレーションする領域を異ならせることによ
り、動脈と静脈を分離して描画できる。 【0033】さらに関心領域を励起する励起プロファイ
ルとして傾斜したプロファイルのものを用いることによ
り、スラブ内での多重励起による飽和を補正することが
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による血流描画方法の1実施例を説明す
る図。 【図2】本発明のMRI装置における三次元TOFアン
ジオグラフィのパルスシーケンスを模式的に表わしたタ
イミング線図。 【図3】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示
すブロック図。 【図4】血管像投影表示方法の説明図。 【図5】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の他の実施
例を示す説明図。 【図6】プリサチュレーションによる血流信号の無信号
化の原理を示す模式図。 【図7】プリサチュレーションによる動静脈の選択的描
出の原理を示す模式図。 【図8】従来のプリサチュレーション付加型三次元TO
F法のパルスシーケンスを模式的に表わしたタイミング
線図。 【図9】(a)〜(c)はそれぞれ従来のMRI装置に
おける三次元血流描画方法による励起プロファイルCと
得られる画像Dとの関係を示す説明図。 【符号の説明】 1・・・・・・被検体 2・・・・・・磁場発生装置 3・・・・・・磁場勾配発生系 4・・・・・・送信系 5・・・・・・受信系 6・・・・・・信号処理系 7・・・・・・シーケンサ 8・・・・・・CPU 9・・・・・・傾斜磁場コイル 101・・・・・・プリサチュレーションパルス 102・・・・・・高周波パルス(励起パルス) 501・・・・・・NMR信号(エコー信号) A・・・・・・画像化領域 B・・・・・・隣接領域

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】被検体に静磁場を与える静磁場発生手段
    と、該被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、
    前記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気
    共鳴を起こさせる高周波パルスをある所定のパルスシー
    ケンスで繰り返し印加するシーケンサと、このシーケン
    サからの高周波パルスにより被検体の生体組織の原子核
    に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する
    送信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号
    を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号
    を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られた
    画像を表示する手段とを備え、核磁気共鳴により放出さ
    れるエコー信号の計測を繰り返し行って断層像を得る磁
    気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサは、
    前記被検体内の血流を描出する三次元フーリエ変換に基
    づくパルスシーケンスを備え、該パルスシーケンスは、
    前記高周波パルスとして励起強度プロファイルが略台形
    である高周波パルスを用い、この高周波パルスによる励
    起領域画像化領域に対して、所望の血流の流出側にシ
    フトするよう励起周波数の中心周波数をシフトし且つそ
    の帯域を拡張すると共に、前記画像化領域に隣接する流
    出側の領域を予備励起し、該隣接領域からのエコー信号
    を抑制することを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
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