JP3437230B2 - 眼底血流計 - Google Patents

眼底血流計

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JP3437230B2 JP30737093A JP30737093A JP3437230B2 JP 3437230 B2 JP3437230 B2 JP 3437230B2 JP 30737093 A JP30737093 A JP 30737093A JP 30737093 A JP30737093 A JP 30737093A JP 3437230 B2 JP3437230 B2 JP 3437230B2
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検眼の眼底部にレー
ザー光を照射し、眼底部からの散乱反射光を受光して解
析し、血流速度を計測する眼底血流計に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8は眼底血流計の従来例であり、眼科
診断に通常用いられているスリットランプを改造したも
のである。光路K1には照明光学系が配置されており、白
色観察用光源1からの白色光は、孔あきミラー2で反射
され、スリット3、レンズ4、被検眼Eの角膜の屈折力
を相殺して眼底Eaを観察可能にするコンタクトレンズ5
を介して眼底Eaを照明する。また、孔あきミラー2の背
後の光路上には測定用のHe−Neレーザー光を発する
測定用光源6が配置されており、測定用光源6からの測
定光は孔あきミラー2の中央の開口部を通り、観察用光
源1からの光束と同軸にされ、眼底Eaを点状に照明す
る。
【0003】眼底Eaからの散乱反射光は、角度α’をな
す2本の受光光路K2、K3上の対物レンズ7a、7b、ミ
ラー8a、8b、ミラー9a、9b、接眼レンズ10
a、10bを介してスポット像として検者に観察され
る。検者は接眼レンズ10a、10bを覗いて眼底Eaを
観察しながら測定部位を選択する。
【0004】図9は血管Ev内の血流速度の測定時に検者
に観察される眼底像である。照明光により照明されてい
る領域I内で測定対象となる眼底Ea上の血管Evを、接眼
レンズ10a、10bの焦点面に予め用意されているス
ケールSCに合軸すると、測定用光源6からのレーザー光
と血管Evが合軸され、測定用光源6によるスポット像PS
により測定部位が決定される。このとき、測定光による
眼底Eaからの反射光束は、光ファイバ11a、11bを
介してフォトマルチプライヤ12a、12bで受光され
る。
【0005】この受光信号は血管Ev内を流れる血流によ
りドップラシフトした成分と、静止している血管壁で反
射された成分とが干渉することによって生ずる所定のビ
ート信号を含んでおり、このビート信号を周波数解析し
血管Ev内の血流速度が求められる。
【0006】図10はフォトマルチプライヤ12a、1
2bの受光信号を周波数解析した結果の一例であり、横
軸は周波数Δf 、縦軸はその出力ΔSを示している。周
波数の最大値Δfmaxと、入射方向の波数ベクトルκi 及
び受光方向の波数ベクトルκs と、血流の速度ベクトル
υとの関係は、 Δfmax=(κs −κi )・υ …(1) と表すことができる。
【0007】従って、フォトマルチプライヤ12a、1
2bのそれぞれの受光信号から算出された周波数の最大
値Δfmax1 、Δfmax2 と、レーザー光の波長λと、測定
部位の屈折率nと、眼内における受光光路K2、K3の成す
角度αと、眼内で受光光路K2、K3の作る平面と血流の速
度ベクトルの成す角度βを用いて式(1) を変形すると、
血流の最大速度Vmaxは、 Vmax=λ・|Δfmax1 −Δfmax2 |/(n・α・ cosβ) …(2) と表すことができる。
【0008】このように2方向から計測を行うことによ
り測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底Ea上の任意
の血管Ev内の血流を自在な方向から測定することができ
る。また、2本の受光光路K2、 K3の作る面と眼底Eaとの
交線Aと、血流の速度ベクトルυと交線Aの成す角度β
との関係から、真の血流速度を測定するためには、交線
Aを速度ベクトルυに一致させて、 cosβ=1にする必
要がある。このため、受光光学系全体を回転させるか、
或いは受光光学系中にイメージローテータを配置し、光
学的に一致させるように構成されている。なお、眼底Ea
上の血管Ev内の血流速度の測定例は、Feke,IEEE Transa
ctions of Biomedical Engineering,VolBME-34,No.9,Se
pt.1987,pp.673-680 等に説明されている。
【0009】図11は乳頭部での血流速度を測定する場
合の検者により観察される眼底像であり、照明光により
照明されている領域I内で、測定対象となる乳頭部の中
央部と接眼レンズ10a、10bの焦点面に予め用意さ
れているスケールSCとを合致させると、測定用光源6に
よるスポット像PSにより測定部位が決定される。このと
き、測定光による眼底Eaでの反射光は、光ファイバ11
a、11bを介してフォトマルチプライヤ12a、12
bで受光される。この受光信号を周波数解析し、乳頭部
Enでの血流速度が求められる。このとき乳頭部En内の眼
底血管Ev以外の血流の速度ベクトルの方向は不規則であ
り、ここでの測定光の散乱反射方向も不規則となるの
で、2つのフォトマルチプライヤ12a、12bにより
受光される2つの受光信号の周波数解析の結果はほぼ同
じになる。
【0010】図12は乳頭部En内の血流からの受光信号
を周波数解析した結果の一例であり、横軸は周波数Δf
、縦軸はその出力Sを示している。周波数Δf及び出
力Sと、信号振幅K、眼内での受光光路K2、 K3のなす角
度αとの関係は、 S(Δf)=−K・ log(Δf/α) …(3) という近似式で表すことができ、図中に太い実線で表さ
れている。
【0011】図13は式(3) を横軸に周波数Δfの対数
をとって図示したものであり、式(3) は勾配(−K)
と、横軸との切片αを持つ直線となり、黒点は測定値で
ある。
【0012】レーザー光の波長λを用いて式(3) を変形
すると、乳頭部En内の血流の最大速度Vmaxは、次式で与
えられる。 Vmax=α・λ/2 …(4)
【0013】式(4) に表されるように、血管Ev内の血流
速度測定時とは異なり、乳頭部Enでの血流による測定光
束の散乱反射の方向は多様であるため、2本の受光光路
K2、K3の作る平面と血流の速度ベクトルυとの成す角度
βによらずに、真の乳頭部内血流速度を測定することが
できる。なお、乳頭部内の血流速度の測定例は、Sebag,
et al.,Investigative Ophthalmology & Visual Scienc
e,Vol 26,No.10,Oct.1985,pp.1415-1422に説明されてい
る。
【0014】また他の従来例として、一般的な眼底カメ
ラに機能追加した眼底血流計が、Milbocker:ARVO,Annua
l Meeting paper presentation No.2769,4 May 1990 に
開示されており、この論文は米国特許第5106184
号公報に開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
(1) しかしながら、従来例では、フォトマルチプライヤ
の受光信号の周波数解析時に、血流速度が血管内による
ものか、或いは乳頭部の血管外によるものかの判別を検
者自身が行っているため判別が不確実である。また、血
管内の血流速度計測時と乳頭部での血管外の血流速度測
定時とでは、血流速度の算出方法が異なり、算出方法を
その都度変更することは容易ではない。
【0016】(2) 乳頭部内の血流速度は必ずしも均一で
はなく、測定部位によって差異を生ずるため、単一の診
断指標を得るためには、複数個所の血流を測定して平均
血流速度を求める必要があり、従来例のような測定では
長時間を要する。
【0017】本発明の第1の目的は、上述の問題点(1)
を解消し、容易にかつ正確に血管内の血流速度と、乳頭
内の血流速度とを計測し得る眼底血流計を提供すること
にある。
【0018】本発明の第2の目的は、上述の問題点(2)
を解消し、乳頭部での血管外の血流速度を容易にかつ短
時間に計測し得る眼底血流計を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る眼底血流計は、可干渉の測定光を被検眼
の眼底の測定部位へ導く測定光照射系と、該測定部位か
らの散乱反射を集光する集光光学系と、該集光光学系に
より集光された光束を検出する検出手段と、該検出手段
の検出信号をスペクトル解析し、乳頭部を流れる血流状
態を算出する演算手段とを有する眼底血流計において、
前記測定光を所定の測定部位に偏向するための光束偏向
手段と、該光束偏向手段により乳頭部内の複数部位を所
定のパターンに従って走査するための偏向制御手段とを
有し、前記演算手段は前記複数部位での前記走査に同期
して血流状態を算出することを特徴とする。
【0020】
【0021】
【作用】上述の構成を有する本発明の眼底血流計は、測
定光により予め定められたパターンで被検眼の眼底の乳
頭部内の複数部位を走査し、複数部位について血流速度
を計測し平均血流速度を求める。
【0022】
【0023】
【実施例】本発明を図1〜図7に図示の実施例に基づい
て詳細に説明する。図1は第1の実施例の構成図であ
り、眼底カメラの形式を利用したものである。被検眼E
と対向している対物レンズ21の背後の光路上には、イ
メージローテータ22、孔あきミラー23、アパーチャ
24が配置され、アパーチャ24の背後にはイメージス
タビライザ25が設けられ、被検眼E側から順次にレン
ズ26、27、ガルバノメトリックミラー28、レンズ
29、30、ガルバノメトリックミラー31が配置され
ている。
【0024】イメージスタビライザ25においては、レ
ンズ26、27、29、30によりガルバノメトリック
ミラー28、31は孔あきミラー23と共役関係を持
ち、ガルバノメトリックミラー28では紙面と垂直方向
に回転軸を有し、ガルバノメトリックミラー31はこの
回転軸と直交する紙面内に回転軸Bを有し、ガルバノメ
トリックミラー28、31は操作桿33にそれぞれ接続
されている。
【0025】イメージスタビライザ25の背後の光路上
には観察光学系34が設けられ、イメージスタビライザ
25側から光路に沿って、移動自在のフォーカシングレ
ンズ35、ハーフミラー36が順次に配置され、ハーフ
ミラー36の反射方向の光路上には、ハーフミラー3
7、レンズ38、テレビカメラ39が配列され、テレビ
カメラ39の出力はモノクロ用のテレビモニタ40、記
録装置41にそれぞれ接続されている。
【0026】ハーフミラー37の反射方向の光路上に
は、ミラー42、レンズ43、イメージインテンシファ
イヤ付の二次元CCDセンサ44が配置され、血管検出
系45が構成され、二次元CCDセンサ44の出力は、
図2に示すようにトラッキング用制御部46、駆動回路
47を介してガルバノメトリックミラー28、31に接
続されている。
【0027】ハーフミラー36の背後の光路上には、レ
ンズ48、アパーチャ49、レンズ50、半導体レーザ
ーから成る測定用レーザー光源51が配置され、測定用
レーザー光源51にはレーザー駆動回路52、システム
制御部53の出力が接続され、システム制御部53には
トラッキング用制御部46の入出力も接続されている。
【0028】孔あきミラー23の入射方向の光路上に
は、リレーレンズ54、55、リングスリット56、フ
ィールドレンズ57、ミラー58、コンデンサレンズ5
9、可視光カットフィルタ60、ハロゲンランプ等から
成る照明用光源61が配置され、照明光学系を構成して
いる。
【0029】孔あきミラー23とアパーチャ24の間に
は、光路に関して対称的に小ミラー対62a、62bが
配置されている。小ミラー対62a、62bのそれぞれ
の反射方向の光路上には、レンズ63a、63b、フォ
トマルチプライヤ63a、63bが配置されている。な
お、重複を避けるために小ミラー対62a、62bのう
ち、小ミラー62aの反射方向の光路上の部材のみを示
している。フォトマルチプライヤ64a、64bの出力
は、図3に示すように血流速度算出部65のスペクトル
アナライザ65a、65bにそれぞれ接続され、信号処
理部65cを経て血流速度算出部65の外部の表示部6
6に接続されている。
【0030】ここで、被検眼Eの瞳孔上でのアパーチャ
24、リングスリット56、小ミラー対62a、62b
の像は、図4に示すようにそれぞれアパーチャ像2
4’、リング像56’、小ミラー像62a’、62b’
とされている。
【0031】照明用光源61からの照明光は、可視光カ
ットフィルタ60、コンデンサレンズ59、ミラー5
8、フィールドレンズ57を介してリングスリット56
上に結像される。リングスリット56を二次的な光源と
する光は、リレーレンズ54、55により孔あきミラー
23に一度結像され、イメージローテータ22を通り対
物レンズ21により、被検眼Eの瞳孔上で図4に示すリ
ング像56’として再び結像され、被検眼Eの眼底Eaを
ほぼ一様に照明する。なお、フィールドレンズ57は光
束を効率良く被検眼E内に導く作用をする。
【0032】眼底Eaでの反射光束は同じ光路を戻り、孔
あきミラー23の開口部、アパーチャ24を通り、イメ
ージスタビライザ25を通り、観察光学系34のフォー
カシングレンズ35を通りハーフミラー36で反射さ
れ、ハーフミラー37で2方向に分割される。ハーフミ
ラー37を透過した光束は、レンズ38を通り、眼底像
Ea’としてテレビカメラ39に結像し、テレビモニタ4
0に映出される。検者はテレビモニタ40を観察しなが
ら装置のアライメント及び測定部位の選択を行う。
【0033】一方、ハーフミラー37により反射された
光束は、ミラー42、レンズ43により二次元CCDセ
ンサ44上で、テレビカメラ39で撮像される眼底像E
a’よりも拡大された血管像Ev’として撮像される。
【0034】測定用レーザー光源51からのレーザー光
は、レンズ50、アパーチャ49、レンズ48、ハーフ
ミラー36、フォーカシングレンズ35、イメージスタ
ビライザ25、アパーチャ24、孔あきミラー23の開
口部、イメージローテータ22、対物レンズ21を通
り、図4に示すように瞳孔上でアパーチャ像24’とさ
れ、被検眼Eの眼底Eaを点状に照明する。眼底Eaでの反
射光束は同じ光路を戻り、その一部分は孔あきミラー2
3の後方に設けられた小ミラー対62a、62bにより
2方向に反射される。
【0035】小ミラー対62a、62bで反射されない
光束は、図4に示すように瞳孔上でアパーチャ像24’
から取り出され、アパーチャ24、イメージスタビライ
ザ25を通り、観察光学系34のハーフミラー36で反
射され、ハーフミラー37、レンズ38を通り、照明用
光源61による眼底像Ea’と共に1個の小円から成るス
ポット像PSとしてテレビカメラ39に結像し、テレビモ
ニタ40に映出される。
【0036】一方、小ミラー対62a、62bで反射さ
れた光束は、図4に示すように瞳孔上で小ミラー像62
a’、62b’から取り出された光束であり、レンズ6
3a、63bを通りフォトマルチプライヤ64a、64
bで受光される。小ミラー像62a’、62b’を見込
む測定角度αを求め、この受光信号から従来例のように
ドップラ測定原理を用いて、被検眼E内の血流速度を求
めることができる。
【0037】測定に際しては、眼底Eaの測定部位を選択
するために先ずフォーカシングレンズ35を調整して、
テレビモニタ40の眼底像Ea’のピントを合わせる。レ
ーザー光はレンズ50により眼底Eaと共役なアパーチャ
49の位置にスポット像PSとして結像し、レンズ48を
経てその共役関係が調整されている。従って、検者がフ
ォーカシングレンズ35を矢印方向に移動すると、テレ
ビカメラ39の撮像面、二次元CCDセンサ44の撮像
面、レンズ50の焦点面が同時に眼底Eaと共役になるた
め、テレビカメラ39で撮像される眼底像Ea’及びスポ
ット像PSと、二次元CCDセンサ44で受光されている
血管像Ev’のピント合わせがなされることになる。
【0038】図5は血流速度計測方法を示すフローチャ
ート図であり、検者は上述したピント合わせの終了後
に、システム制御部53において測定モードを選択して
入力する。先ず、血管Ev内の血流速度測定を行う。図6
は検者による観察視野を示し、ここではスポット像PSは
視野の中心に固定されており、眼底像Ea’が動くように
認識される。なお、座標軸Aの方向は小ミラー対62
a、62bの中心を結んだ平面と眼底Eaとの交線の方向
を示す。検者は操作桿33を操作してガルバノメトリッ
クミラー28、31を回転し、眼底像Ea’の観察領域を
移動させ、図6に示すように視野中央のスポット像PSに
測定する血管Evを合致させる。そして、イメージローテ
ータ22を回転すると、眼底像Ea’は視野の中心にある
スポット像PSを軸として矢印Eの方向に回転される。検
者は測定対象となる血管Evの走行方向を軸Aの方向に合
致させればよい。これは、従来例の式(2) において cos
β=1とすることを意味している。
【0039】従来例で述べたように、速度検出の原理は
血管壁からの散乱反射光と血流中の散乱反射光との干渉
信号から得られるので、測定中に軸A方向に眼球が移動
しても、血管Evの血流が軸Aの方向にほぼ平行なため測
定結果は影響を受けない。しかし、軸Aと直交する平面
内で眼球が移動した場合には、測定用レーザー光源51
からの測定光が血管Ev上の測定部位からずれてしまい測
定不能となる。この実施例では、血管検出系45とイメ
ージスタビライザ25が共働して、この軸Aと、これに
直交する軸D方向の二次元のトラッキングを行ってい
る。
【0040】スポット像PSによって測定部位が決定され
て測定が開始されると、システム制御部53から同期信
号S1が二次元CCDセンサ44に出力され、CCDセン
サ44は画像信号をトラッキング用制御部46に出力す
る。CCDセンサ44の画像信号は、図2に示すトラッ
キング用制御部46の増幅器46aにおいて適当な信号
レベルに増幅され、A/D変換器46bでデジタル信号
とされ、相互相関処理部46cに取り込まれ、眼底Eaの
移動の基準とするため内部のメモリに保持される。血流
速度測定中には、トラッキング用制御部46はCCDセ
ンサ44からの画像像信号を逐次に取り込み、相互相関
処理部46cにおいて、メモリに保持されている測定開
始時の血管像Ev1'と現在の血管像Ev2'との二次元相互相
関処理を利用して、眼底Eaの相対移動量(Δx,Δy)
を算出する。制御関数部46dにおいてはその値に基づ
いて駆動信号が作成され、D/A変換器46eでアナロ
グ化されて駆動回路47に出力される。駆動回路47に
よりガルバノメトリックミラー28、31を駆動し、常
にセンサ44の血管像Ev’の位置が一定になるよう制御
される。
【0041】トラッキング用制御部46から、トラッキ
ングが正常に行われたことをシステム制御部53に伝達
されると、制御部53は血流速度算出部65に計測開始
信号S2を出力する。この間に、図3に示すように眼底Ea
からの測定光による散乱反射光はフォトマルチプライヤ
64a、64bで受光されて光電変換がなされて電気信
号とされる。血流速度算出部65は計測開始信号S2を検
知すると、フォトマルチプライヤ64a、64bからの
受光信号を取り込み、内部のスペクトルアナライザ65
a、65bにおいて周波数解析してスペクトル信号とし
て信号処理部65cに出力する。信号処理部65cは選
択された測定モードに基づいて算出手段を判断し、従来
例の式(2) で示すフォトマルチプリライヤ63a、63
bの受光信号の周波数の最大値Δfmax1 、Δfmax2 から
血管Ev内の血流速度を求め、表示部66に表示する。
【0042】図5のフローチャート図に示すように、乳
頭部内の血流速度の測定方法は2通りあり、1つは乳頭
部内の一点を測定する方法で、残りは複数部位を測定し
て平均値を求める方法である。検者は何れの方法を採用
するかを適宜に判断する。
【0043】乳頭部内の任意の1点での測定を行う場合
は、検者は操作桿33を操作してガルバノメトリックミ
ラー28、31を回転し、眼底像Ea’の観察領域を移動
させ、乳頭部内の測定したい部位をスポット像PSに合致
する。測定部位が決定されると、システム制御部53は
血流速度算出部65に計測開始信号を出力する。血流速
度算出部65は選択された測定モードに基づいて血流速
度の算出方法を判断し、フォトマルチプライヤ64a、
64bの受光信号から式(4) に示す角度αを求め、血流
の最大速度Vmaxを算出する。このとき、フォトマルチプ
ライヤ64a、64bの受光信号はほぼ同一となるた
め、1回の測定に対し1つの血流速度値が算出される。
【0044】乳頭部内の複数点の測定を行う場合は、操
作桿33を操作して図7に示すように乳頭部Enの中心付
近をスポット像PSに合致させる。この位置が測定の基準
点Mとなり、この基準点Mに関して対称的な8つの測定
点m1〜m8上で測定が行われる。乳頭部Enは直径約2mm
の円であるが、全体としてやや楕円形をしているため、
8つの測定点m1〜m8は、基準点Mを中心にした直径1.
5mmの円周上の45°間隔毎の位置に設定されてい
る。なお、測定点m1〜m8の多くが眼底Eaの血管Ev上にあ
る場合には、なるべく血管Ev上に測定点m1〜m8がないよ
うにイメージローテータ22により眼底像Ea’を回転す
る必要がある。基準点Mが決定されると、システム制御
部53はトラッキング用制御部46に測定開始を指示す
る。
【0045】トラッキング用制御部46はイメージスタ
ビライザ25のガルバノメトリックミラー28、31を
回転し、測定光を図7に示す基準点Mを中心とする円周
上で走査し、45°間隔で停留しながら各測定点m1〜m8
で血流速度を測定する。この走査を3回繰り返して血流
速度を計測して平均値を求める。各点での測定は約50
m秒間で行われ、血流速度の平均値は約2秒で算出され
る。このように、イメージスタビライザ25は血管Ev内
の血流速度の計測時と異なり、トラッキングは行わずに
単なる高速偏向器として機能している。
【0046】複数点を測定する場合には、誤って血管Ev
内の血流を測定してしまう可能性がある。これに対して
血流速度検出部64の信号処理部65cでは、スペクト
ルアナライザ63a、63bからのスペクトル信号を波
形解析し、血管Ev内の血流によるスペクトル信号と、血
管Ev外の血流によるスペクトル信号の違いを検出し、血
管Ev内の血流によるスペクトル信号であれば、この信号
から算出された血流速度を除外して平均血流速度を求め
ている。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼底血
流計は、測定光を予め定められたパターンで眼底の乳頭
部を走査して複数の血流速度を測定し、乳頭部での平均
血流速度を短時間で算出することができる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成図である。
【図2】ガルバノメトリックミラー制御部のブロック回
路構成図である。
【図3】血流速度算出部のブロック回路構成図である。
【図4】照明光束と観察光束の関係の説明図である。
【図5】血流速度計測方法のフローチャート図である。
【図6】血管内血流速度測定時の眼底像の説明図であ
る。
【図7】乳頭部内血流速度測定時の眼底像の説明図であ
る。
【図8】従来例の構成図である。
【図9】血管内血流速度測定時の眼底像の説明図であ
る。
【図10】血管内血流による受光信号の周波数分析のグ
ラフ図である。
【図11】乳頭部内血流速度測定時の眼底像の説明図で
ある。
【図12】乳頭部内血流による受光信号の周波数分析の
グラフ図である。
【図13】乳頭部内血流による受光信号の周波数分析の
グラフ図である。
【符号の説明】
22 イメージローテータ 24 アパーチャ 25 イメージスタビライザ 28、31 ガルバノメトリックミラー 34 観察光学系 39 テレビカメラ 40 テレビモニタ 44 二次元CCDセンサ 45 血管検出系 51 測定用レーザー光源 61 照明用光源 62a 小ミラー 64a フォトマルチプライヤ 65 血管流速算出部 66 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/026 A61B 5/0285 A61B 3/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可干渉の測定光を被検眼の眼底の測定部
    位へ導く測定光照射系と、該測定部位からの散乱反射を
    集光する集光光学系と、該集光光学系により集光された
    光束を検出する検出手段と、該検出手段の検出信号をス
    ペクトル解析し、乳頭部を流れる血流状態を算出する演
    算手段とを有する眼底血流計において、前記測定光を
    定の測定部位に偏向するための光束偏向手段と、該光束
    偏向手段により乳頭部内の複数部位を所定のパターン
    従って走査するための偏向制御手段とを有し、前記演算
    手段は前記複数部位での前記走査に同期して血流状態
    算出することを特徴とする眼底血流計。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、前記複数部位での血流
    状態に基づいて乳頭部での血流状態を算出することを特
    徴とする請求項に記載の眼底血流計。
  3. 【請求項3】 前記演算手段は、前記スペクトル解析
    結果に基づいて、血管内の血流による結果と血管外の血
    流による結果とを区別し、乳頭部内かつ血管外の血流速
    度のみの結果を用いて血流状態を算出ことを特徴とする
    請求項に記載の眼底血流計。
  4. 【請求項4】 血管外の血流状態を測定する第1の測定
    モードと血管内の血流速度を測定する第2の測定モード
    を切換える測定モード選択手段を有することを特徴とす
    る請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載の眼底血流
    計。
  5. 【請求項5】 乳頭部内の血流状態を算出するための第
    1のスペクトル解析手段と、血管内の血流状態を算出す
    るための第2のスペクトル解析手段とを有し、前記測定
    モードの切換えに応じて前記第1のスペクトル解析手段
    と第2のスペクトル解析手段を切換えることを特徴とす
    る請求項4に記載の眼底血流計。
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