JP3434321B2 - 光記録方法 - Google Patents

光記録方法

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JP3434321B2
JP3434321B2 JP17404593A JP17404593A JP3434321B2 JP 3434321 B2 JP3434321 B2 JP 3434321B2 JP 17404593 A JP17404593 A JP 17404593A JP 17404593 A JP17404593 A JP 17404593A JP 3434321 B2 JP3434321 B2 JP 3434321B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、フォトンモードの光記
録媒体を用いた光記録方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、次世代の光記録技術として、フォ
トンモードで反応するフォトクロミック材料を用いた光
記録技術が活発に検討されている。光記録媒体に用いら
れるフォトクロミック材料としては、例えば、寺尾他著
「光メモリの基礎」P.92〜97,P.129〜13
1(1990年 コロナ社発行)に記載されているよう
な、スピロピラン、アゾベンゼン、フルギド、ジアリー
ルエテン等の数多くのフォトクロミック化合物が知られ
ている。 【0003】このようなフォトクロミック化合物におい
て一般に知られているフォトクロミック反応は、フォト
クロミック化合物分子自身が特定波長の光を吸収して分
子構造が変化し、この分子構造の変化とともに吸収スペ
クトルや屈折率等の光学的特性が変化する反応である。 【0004】図2は、このようなフォトクロミック反応
を示しており、分子構造Aを有するフォトクロミック化
合物分子が特定波長λ1 の光を吸収して、分子構造Bに
変化する。また変化した分子構造Bのフォトクロミック
化合物分子は、別の波長λ2の光や、又は熱(ΔH)に
より、再び同じ構造Aの状態に戻すこともできる。従っ
て、特定波長λ1 又はλ2 の光を記録又は消去用の光と
して用い、さらに吸収スペクトルや屈折率等の変化を検
出することのできる光を再生用の光として用いることに
より、書換え可能な光記録媒体を構成することができ
る。 【0005】下記の化学式は、代表的なスピロピラン系
フォトクロミック材料のフォトクロミック反応にともな
う分子構造の変化を示す化学式である。 【0006】 【化1】 【0007】図3は、上記分子構造の変化にともなう吸
収スペクトルの変化を示す図である。図3に示されるよ
うに、光照射前のスペクトル(1)が、350nmの波
長の光照射により分子構造が上記化学式のように変化
し、これにともなってスペクトル(2)に変化する。こ
の変化後の分子構造の分子に500nmの光照射または
熱を加えることにより、その一部が元の分子構造に戻
り、スペクトル(3)に変化する。 【0008】下記の化学式は、代表的なジアリールエテ
ン系材料のフォトクロミック反応にともなう分子構造の
変化を示す化学式である。 【0009】 【化2】 【0010】図4は、上記ジアリールエテン系材料の分
子構造の変化にともなう吸収スペクトルの変化を示す図
である。図4に示すように、開環体のスペクトル(1)
が、閉環体のスペクトル(2)に変化し、600nm近
傍で特有の吸収を有するようになる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】このようなフォトンモ
ードで反応するフォトクロミック化合物を用いた光記録
媒体を高転送速度で使用するためには、記録感度をでき
るだけ高めることが必要となる。また記録に用いる光の
強度として充分なパワーが得られないような場合におい
ても、記録感度を高めることにより実用的な記録速度に
対応することができる。 【0012】ところで、従来一般的に認識されているフ
ォトクロミック反応は、図2に示したように、一つのフ
ォトクロミック化合物分子が光(フォトン)を吸収し
て、フォトクロミック反応を生じるメカニズム(以下、
「1分子過程的」メカニズムと呼ぶ)である。本発明者
らは、第53回応用物理学会学術講演会(1992年秋
季)17a−T−9において、記録感度が、吸収の強さ
を表す分子吸光係数ε(l/mol・cm)と反応の量
子収率kとの積ε・kに比例する(記録感度がJ/cm
2 で表される場合は反比例する)ことを報告している。
従って、ε・kが大きければ大きい程記録感度が高いと
いうことができるが、量子収率kは本来確率を示すもの
であり、最大値1を超えることはできない。また分子吸
光係数εを極端に大きくするような分子設計も困難であ
り、また仮にできてもそれによって量子収率が逆に低下
するという問題を生じる。従って、従来のフォトクロミ
ック材料を用いて記録感度を高めることは容易なことで
はなかった。 【0013】本発明の目的は、従来の光記録に比較し、
記録感度を著しく高めることのできる、新規なフォトン
モードの光記録方法を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、エネルギー受容
体分子となるフォトクロミック化合物分子を含有する光
記録媒体中に、エネルギー供与体分子を存在させること
により、著しく記録感度を高め得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】本発明の光記録方法は、エネルギー供与体
として働くジアリールエテン系フォトクロミック化合物
の開環体分子と、エネルギー受容体として働く上記ジア
リールエテン系フォトクロミック化合物の閉環体分子と
を含む光記録媒体に、開環体分子及び閉環体分子の両方
が吸収を有する波長の光を記録用光として照射して、開
環体分子を励起状態とし、励起状態の開環体分子から閉
環体分子へエネルギーを移動させることによって、閉環
体分子に開環反応を生じさせて記録状態にすることを特
徴としている。 【0020】また、本発明の光記録方法は、単に「情報
の記録」のみに限定されるものではなく、既に光記録媒
体に記録されている「情報の消去」にも適用できるもの
である。 【0021】 【作用】図1は、本発明の光記録媒体及び光記録方法に
おける作用を模式的に示す図である。図1において、A
及びBはエネルギー受容体分子の分子構造を示してお
り、Cはエネルギー供与体分子を示している。 【0022】本発明に従えば、図1(a)に示すよう
に、エネルギー供与体分子Cが特定波長λ2 の光を吸収
して励起状態となり、分子構造Bのエネルギー受容体分
子にエネルギーを供与する。これによって分子構造Bの
エネルギー受容体分子が分子構造Aの状態に変化して記
録状態となる。 【0023】また、図1(b)のようにエネルギー供与
体分子Cの濃度が相対的に大きくなると、分子構造Bの
エネルギー受容体分子に対するエネルギー移動の確率が
増加するので、さらに記録感度を向上させることができ
る。 【0024】また、分子構造Bのエネルギー受容体分子
が特定波長λ2 の光に対して感度を有する場合、例えば
エネルギー受容体分子がフォトクロミック化合物である
場合には、図1(c)のように、直接この光を吸収して
フォトクロミック反応が生じる。従って、このような場
合、従来と同様の1分子過程のフォトクロミック反応と
なるが、エネルギー供与体分子Cを存在させることによ
り、図1(a)又は図1(b)のようなメカニズムが並
行して存在することになり、従来の1分子過程のフォト
クロミック反応よりも大幅に記録感度を向上させること
ができる。 【0025】 【実施例の説明】実施例1 まず、上記(化2)に示すジアリールエテン系フォトク
ロミック化合物を用い、溶媒中での感度を測定した。こ
のフォトクロミック化合物の開環体は、図4のスペクト
ル(1)に示すように、400〜520nmに吸収を有
しており、この領域の波長の光を照射することにより閉
環反応が起こり、吸収スペクトル(1)から吸収スペク
トル(2)に変化する。また閉環体にのみ吸収がある5
20〜700nmの波長領域の光を閉環体に照射する
と、逆反応である開環反応が生じ開環体に戻り吸収スペ
クトル(2)から吸収スペクトル(1)に変化する。従
って、例えば波長458nm、488nm、515nm
等のArレーザー光を照射して閉環反応させ、例えば波
長633nmのHeNeレーザー光を照射して開環反応
させることによって光記録を行うことができる。 【0026】まず、このフォトクロミック化合物の分子
吸光係数εと量子収率kの積を求めるため、照射時間t
と吸光度Aの関係をプロットした。フォトクロミック化
合物の感度を表す積ε・kは、このようなプロットの傾
きから求めることができる。 【0027】図5は、上記(化2)に示すフォトクロミ
ック材料のベンゼン溶液にλ=633nmの波長の光を
照射し開環反応させた際の、λ=600nmにおける吸
光度A(閉環体濃度に相当する)の変化をプロットした
図である。縦軸は−lnAであり、横軸は照射時間t
(s)である。図5に示すように、グラフが直線状とな
り反応感度を示す指数であるε・kが一定であり、上述
の1分子過程のフォトクロミック反応で閉環体が生成し
ていることを示している。このグラフの傾きから、ε・
k=1700(l/mol・cm)が得られる。 【0028】波長λが458nm、488nm、515
nm等の光で閉環反応させる際にも同様にしてε・kを
求めることができる。この際縦軸は、−ln(A(t)
−A(∞))とする必要がある。これはこのような波長
域においては、開環体だけではなく閉環体も吸収を有す
るからであり、閉環反応においては逆反応も同時に進行
するので、光照射を充分長い間行った後の光定常状態で
は、閉環体と開環体が一定の割合で混合した状態となっ
ている。なお、図4においては(2)の状態を閉環体に
対応するとして説明しているが、厳密には閉環体と開環
体が混合した状態である。従って、このような場合得ら
れる見かけのε・kは、閉環反応のε・kと開環反応の
ε・kの和になっているが、この見かけのε・kは、λ
=633nmによる開環反応と同様に、やはり光定常状
態に至る時係数の逆数に対応するので、このような波長
における記録感度を表す指数として解釈することができ
る。 【0029】次に、フォトクロミック化合物をポリマー
薄膜中に含有させた薄膜状態におけるフォトクロミック
化合物の記録感度を測定した。図6は、上記ジアリール
エテン系フォトクロミック化合物をポリビニルブチラー
ル(PVB)樹脂に約1重量%の希薄濃度で混合して形
成した薄膜について、上記と同様に記録感度の指数であ
るε・kを求めるため、照射時間tと−lnAとの関係
をプロットしたグラフである。測定に用いた薄膜は、P
VB樹脂のベンゼン溶液中にこのフォトクロミック化合
物を添加し、予め青色光を充分に照射して閉環状態、正
確には光定常状態とした後に、スピンコートして形成し
たものである。この薄膜にλ=633nmの光を照射
し、開環反応を生じさせた。 【0030】図6に示されるように、プロットの傾斜は
直線となっており、やはり1分子過程でフォトクロミッ
ク反応が生じていることを示している。プロットの傾斜
から、記録感度の指数としてのε・kは1500(l/
mol・cm)という値が得られた。 【0031】なお、高分子媒質中のフォトクロミック反
応においては、環境温度等の実験条件によって、図6に
示すような直線のプロットとならずに、上方に膨らんだ
曲線になる場合がある。この原因としては、高分子中で
のフォトクロミック分子の環境の差による量子収率の分
散という考え方が提案されているが、フォトクロミック
反応自体は1分子過程であることには変わりない。この
場合、測定される反応感度は時間とともに徐々に低下す
る。 【0032】PVB樹脂中における上記フォトクロミッ
ク化合物の濃度を30重量%と高濃度にして同様に測定
した結果、図6と同様にプロットが直線的になり、1分
子過程でフォトクロミック反応が生じていることがわか
った。 【0033】以上の点から閉環体のみが吸収を有する波
長の光による開環反応の場合は、1分子過程でフォトク
ロミック反応が生じている。図7は、上記フォトクロミ
ック材料が1重量%の希薄濃度でPVB樹脂に含有され
ている薄膜について、閉環体及び開環体の両方が吸収を
有する波長、すなわちλ=515nmの光を照射して開
環反応させた際の照射時間tと−lnAの関係を示す図
である。図7から明らかなように、プロットの勾配は直
線的であり、やはり1分子過程でフォトクロミック反応
が起こっていることがわかる。なおε・kの値は130
0(l/mol・cm)であった。 【0034】図8は、上記と同様のフォトクロミック材
料を30重量%の高濃度で含有するPVB樹脂の薄膜に
図7の場合と同様に、λ=515nmの光を照射して開
環反応させた際の照射時間tと−lnAとの関係を示し
た図である。図8に示されるように、この場合において
は、プロットが下方に膨らむ曲線状となり、反応の進行
とともに反応感度が向上していることがわかる。反応の
初期ではε・k=1300(l/mol・cm)程度で
あるものが、反応の後期(t=300(s))ではε・
k=10000(l/mol・cm)となり、約7.7
倍に反応感度が向上している。 【0035】これは、このフォトクロミック化合物の開
環体分子が本発明に従うエネルギー供与体となり、λ=
515nmの光を吸収して励起状態となり、このエネル
ギーが閉環体に移動することによって閉環体の開環反応
が進行することに基づいている。 【0036】このメカニズムは、以下のように示すこと
ができる。 【0037】 【化3】 【0038】上記のように、この一連の反応において
は、フォトクロミック化合物分子の開環体分子がエネル
ギー供与体となり、この開環体分子が特定波長の光を吸
収することによって励起状態となり、そのエネルギーを
エネルギー受容体分子である閉環体分子に移動させるこ
とによって閉環体分子の開環反応を生じさせている。 【0039】図9は、上記フォトクロミック化合物を種
々の濃度に変化させたPVB薄膜について、同様にλ=
515nmの光を照射し、反応感度の指数であるε・k
の変化を、開環体濃度(mol/l)を横軸にして示し
たものである。フォトクロミック化合物の全濃度(開環
体と閉環体の合計の濃度)が0.040(mol/l)
では、ε・kが1300(l/mol・cm)で一定で
あるが、それ以上の濃度になると、ε・kが増大する傾
向が認められた。なお、図9において、矢印は反応の進
行方向を示している。 【0040】また、図9から明らかなように、それぞれ
の濃度において反応の初期のε・kは1300(l/m
ol・cm)程度であるものが、反応の後期においては
ε・kが増大しており、特に高濃度のもの程ε・kの増
大が大きくなるという傾向が認められた。これは、エネ
ルギー供与体である開環体が反応後期で増加し、かつ高
濃度のもの程閉環体に対し近い距離にエネルギー供与体
である開環体が存在しているため、エネルギー移動が起
こり易くなることに起因している。 【0041】また、図9に示されるように、開環体の濃
度が同じであっても、反応感度であるε・kが異なる場
合がある。例えば、開環体濃度1mol/lにおいて、
フォトクロミック化合物の全濃度が1.13(mol/
l)である場合と、1.85(mol/l)である場合
においてε・kが異なっている。これは、開環体濃度と
閉環体濃度の比率の違いによるものと思われる。 【0042】図10は、フォトクロミック化合物分子の
全濃度が比較的低い場合のエネルギー供与体からのエネ
ルギー移動を模式的に示しており、図11はフォトクロ
ミック化合物分子の全濃度が比較的高い場合のエネルギ
ー移動を模式的に示している。図10及び図11におい
て、○は開環体を示しており、●は閉環体を示してい
る。図10に示されるようにフォトクロミック化合物分
子の全濃度が低い場合には、反応の後期において閉環体
濃度が閉環体濃度に比べ相対的に著しく低くなり、1つ
の閉環体に対して多数の開環体からエネルギーが移動す
る。この結果、見かけの反応感度を示すε・kが非常に
大きい値となる。 【0043】これに対して、図11に示すように、フォ
トクロミック化合物分子の全濃度が比較的高い場合に
は、同じ開環体濃度であっても、相対的にかなり多くの
閉環体が存在しており、閉環体に対するエネルギーの移
動が図10に示す低濃度の場合程集中することがない。
従って、見かけの反応感度であるε・kはそれ程大きな
値とはならない。 【0044】以上の実験においては、λ=515nmの
光を照射しているが、開環体と閉環体の両方に吸収のあ
る波長の光であればその他の波長の光でもよい。図12
は、λ=458nmの光を照射し開環反応させた時の光
照射時間tと−lnAとの関係を示した図である。図1
2から明らかなように、この場合においても、同じ傾向
が認められ、エネルギー供与体である開環体からエネル
ギー受容体である閉環体へのエネルギー移動により、閉
環体の開環反応が起きている。 【0045】実施例2 下記(化4)に示すジアリールエテン系フォトクロミッ
ク化合物を用い、実施例1と同様にして、反応感度を測
定した。 【0046】 【化4】 【0047】図13は、上記のジアリールエテン系フォ
トクロミック材料の吸収スペクトルを示しており、実線
は閉環状態の吸収スペクトルを示しており、一点鎖線は
開環状態の吸収スペクトルを示している。 【0048】このジアリールエテン系フォトクロミック
材料を高濃度0.6mol/l及び低濃度0.05mo
l/lの2種の濃度でポリスチレン中に分散し薄膜を形
成した。形成した薄膜に、閉環体及び開環体が共に吸収
を有する波長515nmの光を照射し、開環反応を起こ
させた際の反応感度を測定した。 【0049】図14は、このようにして測定した反応感
度を示しており、横軸は閉環体濃度に比例する、波長6
00nmにおける吸光度を示している。図14(a)は
高濃度の薄膜サンプルに対応しており、図14(b)は
低濃度の薄膜サンプルに対応している。図14(a)か
ら明らかなように、高濃度の場合には、反応の進行(矢
印方向)とともに反応感度が約3倍に向上している。こ
れは、反応の進行とともに生成する開環体がエネルギー
供与体分子となり、この開環体からエネルギー受容体分
子である閉環体へエネルギーが移動することによるもの
と考えられる。 【0050】同様に、図14(b)から明らかなよう
に、低濃度の場合にも反応の進行とともに反応感度が上
昇している。しかしながら、高濃度の場合程の著しい反
応感度の上昇ではない。 【0051】実施例3 下記(化5)に示すジアリールエテン系フォトクロミッ
ク化合物を用い、実施例1と同様にして、反応感度を測
定した。 【0052】 【化5】 【0053】図15は、上記のジアリールエテン系フォ
トクロミック材料の吸収スペクトルを示しており、実線
は閉環状態の吸収スペクトルを示しており、一点鎖線は
開環状態の吸収スペクトルを示している。 【0054】このジアリールエテン系フォトクロミック
材料を高濃度0.6mol/l及び低濃度0.05mo
l/lの2種の濃度でポリスチレン中に分散し薄膜を形
成した。形成した薄膜に、閉環体及び開環体が共に吸収
を有する波長515nmの光を照射し、開環反応を起こ
させた際の反応感度を測定した。 【0055】図16は、このようにして測定した反応感
度を示しており、横軸は閉環体濃度に比例する、波長6
00nmにおける吸光度を示している。図16(a)は
高濃度の薄膜サンプルに対応しており、図16(b)は
低濃度の薄膜サンプルに対応している。図16(a)か
ら明らかなように、高濃度の場合には、反応の進行(矢
印方向)とともに反応感度が約3倍以上に向上してい
る。これは、反応の進行とともに生成する開環体がエネ
ルギー供与体分子となり、この開環体からエネルギー受
容体分子である閉環体へエネルギーが移動することによ
るものと考えられる。 【0056】同様に、図16(b)から明らかなよう
に、低濃度の場合にも反応の進行とともに反応感度が約
1.5倍程度上昇している。実施例4 下記(化6)に示すジアリールエテン系フォトクロミッ
ク化合物を用い、実施例1と同様にして、反応感度を測
定した。 【0057】 【化6】 【0058】図17は、上記のジアリールエテン系フォ
トクロミック材料の吸収スペクトルを示しており、実線
は閉環状態の吸収スペクトルを示しており、一点鎖線は
開環状態の吸収スペクトルを示している。 【0059】このジアリールエテン系フォトクロミック
材料を高濃度0.5mol/l及び低濃度0.04mo
l/lの2種の濃度でポリスチレン中に分散し薄膜を形
成した。形成した薄膜に、閉環体及び開環体が共に吸収
を有する波長488nmの光を照射し、開環反応を起こ
させた際の反応感度を測定した。 【0060】図18は、このようにして測定した反応感
度を示しており、横軸は閉環体濃度に比例する、波長6
00nmにおける吸光度を示している。図18(a)は
高濃度の薄膜サンプルに対応しており、図18(b)は
低濃度の薄膜サンプルに対応している。図18(a)か
ら明らかなように、高濃度の場合には、反応の進行(矢
印方向)とともに反応感度が約2倍程度に向上してい
る。これは、反応の進行とともに生成する開環体がエネ
ルギー供与体分子となり、この開環体からエネルギー受
容体分子である閉環体へエネルギーが移動することによ
るものと考えられる。 【0061】また図18(b)から明らかなように、低
濃度の場合には、反応の進行とともに反応感度が低下し
た。これは、エネルギー供与体分子からエネルギー受容
体分子へのエネルギー移動があまり寄与していないこと
を示している。 【0062】実施例5 下記(化7)に示すジアリールエテン系フォトクロミッ
ク化合物を用い、実施例1と同様にして、反応感度を測
定した。 【0063】 【化7】 【0064】図19は、上記のジアリールエテン系フォ
トクロミック材料の吸収スペクトルを示しており、実線
は閉環状態の吸収スペクトルを示しており、一点鎖線は
開環状態の吸収スペクトルを示している。 【0065】このジアリールエテン系フォトクロミック
材料を高濃度0.5mol/l及び低濃度0.05mo
l/lの2種の濃度でポリスチレン中に分散し薄膜を形
成した。形成した薄膜に、閉環体及び開環体が共に吸収
を有する波長488nmの光を照射し、開環反応を起こ
させた際の反応感度を測定した。 【0066】図20は、このようにして測定した反応感
度を示しており、横軸は閉環体濃度に比例する、波長6
00nmにおける吸光度を示している。図20(a)は
高濃度の薄膜サンプルに対応しており、図20(b)は
低濃度の薄膜サンプルに対応している。 【0067】図20(a)から明らかなように、この実
施例において高濃度の場合、反応が進行しても反応感度
はほぼ一定である。しかしながら、一般にマトリックス
中でのフォトクロミック反応においては、反応の進行と
ともに反応感度が低下することを考慮すれば、反応感度
が一定であるということは、本発明に従うエネルギー移
動による反応感度の向上が微かながらも寄与していると
考えられる。 【0068】また図20(b)に示されるように、この
実施例において低濃度の場合には、反応の進行とともに
反応感度が低下した。従って、本発明に従うエネルギー
移動による反応の向上はあまり寄与していないものと思
われる。 【0069】比較例 下記(化8)に示すジアリールエテン系フォトクロミッ
ク化合物を用い、実施例1と同様にして、反応感度を測
定した。 【0070】 【化8】 【0071】図21は、上記のジアリールエテン系フォ
トクロミック材料の吸収スペクトルを示しており、実線
は閉環状態の吸収スペクトルを示しており、一点鎖線は
開環状態の吸収スペクトルを示している。 【0072】このジアリールエテン系フォトクロミック
材料を高濃度0.5mol/l及び低濃度0.06mo
l/lの2種の濃度でポリスチレン中に分散し薄膜を形
成した。形成した薄膜に、閉環体及び開環体が共に吸収
を有する波長488nmの光を照射し、開環反応を起こ
させた際の反応感度を測定した。 【0073】図22は、このようにして測定した反応感
度を示しており、横軸は閉環体濃度に比例する、波長6
00nmにおける吸光度を示している。図22(a)は
高濃度の薄膜サンプルに対応しており、図22(b)は
低濃度の薄膜サンプルに対応している。 【0074】図22(a)に示されるように、上記(化
8)に示すジアリールエテン系フォトクロミック材料を
用いた場合には、高濃度であっても、反応の進行ととも
に反応感度が低下している。また図22(b)に示され
るように、低濃度の場合にもやはり反応感度が低下して
いる。これらの結果から、このジアリールエテン系フォ
トクロミック化合物を用いた場合には、本発明に従うエ
ネルギー移動による感度向上は、ほとんど寄与しないも
のと考えられる。 【0075】以上の実施例1〜5及び比較例の結果に関
し、使用したジアリールエテン系フォトクロミック化合
物について考察すると、実施例1〜実施例4において用
いたフォトクロミック化合物は非対称構造を有してお
り、実施例5及び比較例で用いたフォトクロミック化合
物は対称構造を有している。実施例5では高濃度におい
て本発明に従うエネルギー移動による感度向上がわずか
に認められる程度であり、比較例では高濃度おいても本
発明に従うエネルギー移動による感度向上が認められな
い。これらのことを考慮すると、ジアリールエテン系フ
ォトクロミック化合物材料としては、対称構造を有する
化合物よりも、非対称構造を有する化合物のほうが、本
発明に従うエネルギー移動による増感の効果が大きいも
のと考えられる。 【0076】これらの実験結果を基にして本発明に従う
エネルギー移動のメカニズムに関し、以下考察する。光
化学反応によるエネルギー移動のメカニズムは、以下の
3種のものが知られいている。 【0077】(イ)共鳴機構:エネルギー供与体とエネ
ルギー受容体の遷移モーメント間の相互作用によるもの
であり、両分子は、数個以上の媒体分子を隔てたままエ
ネルギー移動を起こす。 【0078】(ロ)衝突機構:エネルギー供与体とエネ
ルギー受容体の電子雲の重なり(衝突)によって起こ
り、従って上記(イ)共鳴機構よりも近距離において相
互作用する。 【0079】(ハ)再吸収機構:エネルギー供与体が発
する蛍光をエネルギー受容体が再吸収することにより生
じる。本発明に従うエネルギー移動が、上記(ハ)再吸
収機構によるものであったとすれば、エネルギー移動の
効率は分子濃度の絶対値ではなく、光学濃度すなわち吸
光度に依存するはずである。図23は、図9に示したデ
ータと同じデータを示しており、横軸に吸光度をとって
プロットしなおした図である。これらのサンプルにおい
て分子濃度は異なるが、膜厚を調整することにより、吸
光度が同程度になるように設定されている。本発明に従
うエネルギー移動が上記(ハ)再吸収機構によるもので
あれば、各サンプルは同じ直線上にのるはずであるが、
図23に示されるように、吸光度ではなく、分子濃度に
応じて感度上昇の効果が変化している。従って、本発明
に従うエネルギー移動は、上記(ハ)再吸収機構による
ものではないと推測される。 【0080】また、本発明に従うエネルギー移動が、上
記(ロ)衝突機構によりものであれば、分子濃度が高く
なり、特定の濃度(分子間距離が数Å以下になる濃度)
になったときに、急激に増感効果が出現するものと考え
られるが、図23に示されるように、本発明に従うエネ
ルギー移動ではそのような挙動を示しておらず、従って
本発明に従うエネルギー移動は、上記(ロ)衝突機構に
よるものではないと推測される。 【0081】一方、上記(イ)共鳴機構は、図23に示
す実験結果を十分に説明することができ、さらに、非対
称型のフォトクロミック化合物の方が本発明に従うエネ
ルギー移動による増感効果を得やすいという結果も十分
に説明することができる。すなわち、非対称型のフォト
クロミック化合物は、双極子モーメントが大きく、従っ
て遷移モーメントが大きいため、(イ)共鳴機構によれ
ば、効率的にエネルギー移動を起こすことができる。従
って、ジアリールエテン系フォトクロミック材料をエネ
ルギー供与体分子及びエネルギー受容体分子とした本発
明に従うエネルギー移動は、この(イ)の共鳴機構によ
って発現されるものと推測される。 【0082】以上の実施例においては、フォトクロミッ
ク化合物がエネルギー受容体として働き、フォトクロミ
ック化合物の開環体がエネルギー供与体として働く例を
示しているが、エネルギー受容体としてフォトクロミッ
ク化合物以外の、エネルギー受容により分子構造が変化
し得る化合物を用いてもよく、またエネルギー供与体と
してフォトクロミック化合物以外の、光を吸収してエネ
ルギーを供与し得る化合物を用いてもよい。また、エネ
ルギー受容体としてフォトクロミック化合物を用いる場
合であっても、フォトクロミック化合物とは別体の化合
物をエネルギー供与体分子として用いることができる。
この場合、このようなエネルギー供与体分子が吸収を有
する特定波長の光を照射すればよく、必ずしもフォトク
ロミック化合物が吸収を有する波長の光である必要はな
い。 【0083】以下、エネルギー供与体分子として、エネ
ルギー受容体分子であるフォトクロミック化合物とは異
なる色素分子を使用した参考例について説明する。参考例 エネルギー受容体分子となるフォトクロミック材料とし
ては、下記(化9)に示すジアリールエテン系フォトク
ロミック材料を用いた。 【0084】 【化9】 【0085】図24は、このジアリールエテン系フォト
クロミック材料の吸収スペクトルを示す図である。また
エネルギー供与体分子としては、下記(化10)に示す
シアニン色素(商品名NK−1532,日本感光色素社
製)を用いた。 【0086】 【化10】 【0087】図25は、上記の色素をポリスチレン中に
分散させたときの吸収スペクトルを示す図である。図2
5に示されるように、この色素は、λ=458nm及び
λ=515nmにおいて吸収を有しており、λ=633
nmでは吸収が存在しない。 【0088】次に、光記録媒体のサンプルとして、ポ
リスチレン中に上記フォトクロミック材料を、0.1m
ol/lの濃度で分散させ、薄膜化したもの、ポリス
チレンに上記フォトクロミック材料をと同じ濃度含有
し、さらに上記色素を0.02mol/lの濃度で分散
させ、薄膜化したもの並びにポリスチレン中に上記フ
ォトクロミック材料をと同じ濃度含有し、さらに上記
色素を0.05mol/lの濃度で含有させ分散し薄膜
化したものの3種類を準備した。 【0089】図26は、これら3種類のサンプル〜
の吸収スペクトルを示す図である。上記光記録媒体のサ
ンプル〜に対して、Arレーザーのλ=458n
m、λ=515nm、及びλ=633nmの光を照射し
て、開環反応を起こした際の見かけの反応感度ε・k
(l/mol・cm)を、実施例1と同様にして求め
た。なお、サンプル及びについては、色素の吸収に
よるロスを補正している。 【0090】図27は、λ=515nmの光を照射し、
開環反応を行った際の反応感度を示す図である。横軸は
λ=620nmにおける吸光度を示しており、フォトク
ロミック閉環体分子の濃度に比例した値となっている。
また縦軸は反応感度ε・kを示している。図27(a)
は、(b)は、(c)はに対応している。 【0091】図27(a)に示されるように、フォトク
ロミック化合物のみを添加した場合、フォトクロミック
化合物がエネルギー供与体分子及びエネルギー受容体分
子として働き、本発明に従うエネルギー移動により反応
の進行とともに(すなわち吸光度の減少とともに)、感
度が向上している。 【0092】また図27(b)に示されるように、色素
を低濃度で加えたのサンプルについては、このような
感度の向上に加えて、全体的に感度が上昇している。す
なわち、反応初期においてでは500〜1000(l
/mol・cm)であるものが、では3000(l/
mol・cm)となり約3倍となっており、反応後期で
も、2倍程度の感度向上が認められる。 【0093】さらに図27(c)に示されるように、色
素を高濃度で加えたサンプルにおいては、反応初期に
おいて極めて反応感度が高くなっており、反応後期にお
いて感度が減少し3500(l/mol・cm)となる
ものの、に比べると大幅に反応感度が向上している。
これらの結果から色素分子がエネルギー供与体として働
き、エネルギー受容体分子であるフォトクロミック分子
にエネルギーが移動していることがわかる。 【0094】図28は、λ=458nmの光を照射し開
環反応した際の反応感度を示しており、(a)は、
(b)は、(c)はのサンプルに対応している。図
28(a)〜(c)から明らかなように、サンプルで
は、反応の進行とともに感度が1500(l/mol・
cm)から2700(l/mol・cm)に向上してい
るのに対し、色素を添加したサンプル及びでは、2
500(l/mol・cm)から4500(l/mol
・cm)に大幅に感度が向上してる。このような結果か
ら、λ=458nmの光を照射して開環反応させた場合
にも、色素分子がエネルギー供与体分子として働き、エ
ネルギー受容体分子であるフォトクロミック分子に対し
て本発明に従うエネルギー移動が生じていることがわか
る。 【0095】図29は、λ=633nmの光を照射して
開環反応を起こさせた場合の反応感度を示しており、
(a)は、(b)は、(c)はのサンプルに対応
している。図28(a)〜(c)から明らかなように、
色素分子が吸収を有していないλ=633nmの光を照
射した場合には、色素分子を添加しても、大きな感度向
上が認められず、このような波長では、本発明に従うエ
ネルギー移動が生じないことがわかる。 【0096】なお、本発明に従うエネルギー移動が寄与
しない場合、反応感度は本来一定であるべきであるが、
このように高分子媒質中で反応感度が低下するのは、実
施例1においても述べたように、フォトクロミック分子
を取り巻く環境の差により、反応の量子収率に分散が生
じたためと考えられる。 【0097】 【0098】以上のように本発明に従えば、従来にない
新規なフォトンモードの光記録を実現することができ、
記録感度を飛躍的に向上させることができる。従って、
高転送速度で情報を記録するようなシステム、例えば高
品位動画のデジタル光ディスク装置等に用いる光記録媒
体に本発明を適用することができる。 【0099】また、記録レーザーパワーとして高いパワ
ーを得にくいような装置、例えば青色半導体レーザーを
用いる光ディスク装置にも応用することができる。図3
0は、最近提案されている、高い記録パワーは期待でき
ないが超高密度記録が可能なフォトン−STMを利用し
た光メモリー装置の構成を示す図である。フォトン−S
TMについては、例えば、第11回応用物理学会スクー
ル『ミクロの世界を見る』(1992年9月5日)テキ
ストP.3〜P.15、「超光学顕微鏡の動向」大津元
一著で詳細に説明されており、光記録への応用に関して
も第8頁で述べられている。 【0100】図30を参照して、フォトン−STMで
は、光プローブ1の上端から光を入射させて、光プロー
ブ1内を導波させ、鋭くとがった光プローブ1の先端部
11からしみ出すエバネッセント光2を利用して、基板
3上に設けられたフォトクロミック薄膜4に反応を起こ
し記録が行われる。エバネッセント光2は、物体界面に
光の波長のオーダーで局在する光であり、この場合プロ
ーブ先端部11をフォトクロミック薄膜4に波長以下の
距離にまで近づけることにより記録がなされる。通常の
光ディスク装置では、対物レンズによりレーザー光を集
光するため、そのスポット径を回折限界以下にすること
ができず、そのため現在の記録密度約1bit/μm2
を大幅に向上させることができなかった。フォトン−S
TMでは、記録密度はプローブ先端11の径で決まるた
め、そのプローブ先端を細くすればそれに応じていくら
でも高密度化が可能になる。現状では、およそ102
10 3 bit/μm2 程度が可能と考えられている。 【0101】このフォトン−STMでは、極めて微弱な
エバネッセント光を用いているため、現状では実用的な
記録速度が得られていない。本発明に従う光記録媒体を
用いることにより高感度で記録できるため、このような
フォトン−STMメモリーにおいても、本発明に従う光
記録媒体を用いることより、実用的な記録速度を達成す
ることができる。 【0102】 【発明の効果】本発明では、特定の波長の光を吸収して
励起状態となりフォトクロミック化合物などのエネルギ
ー受容体分子にエネルギーを供与するエネルギー供与体
分子を含むことにより、記録感度を大幅に向上させるこ
とができる。 【0103】従って、高転送速度で情報を記録する装置
や、記録レーザーのパワーとして高いパワーを得にくい
ような光学記録装置において、実用化可能な光記録媒体
及び光記録方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明における反応メカニズムを説明するため
の模式図。 【図2】従来の1分子過程的な反応メカニズムを説明す
るための模式図。 【図3】スピロピラン系フォトクロミック材料の吸収ス
ペクトルを示す図。 【図4】実施例1で用いたジアリールエテン系フォトク
ロミック材料の吸収スペクトルを示す図。 【図5】実施例1におけるλ=633nmの光の照射時
間と吸光度の関係を示す図。 【図6】実施例1におけるλ=633nmの光の照射時
間と吸光度の関係を示す図。 【図7】実施例1におけるλ=515nmの光の照射時
間と吸光度の関係を示す図。 【図8】実施例1におけるλ=515nmの光の照射時
間と吸光度の関係を示す図。 【図9】実施例1におけるフォトクロミック材料の含有
濃度を変化させたときの開環体濃度とε・kとの関係を
示す図。 【図10】実施例1におけるフォトクロミック化合物分
子が比較的低濃度の場合におけるエネルギー供与体から
のエネルギー移動を示す模式図。 【図11】実施例1におけるフォトクロミック化合物分
子が比較的高濃度の場合におけるエネルギー供与体から
のエネルギー移動を示す模式図。 【図12】実施例1におけるλ=458nmの光照射の
照射時間と吸光度の関係を示す図。 【図13】実施例2で用いたジアリールエテン系フォト
クロミック材料の吸収スペクトルを示す図。 【図14】実施例2における吸光度と反応感度との関係
を示す図。 【図15】実施例3において用いたジアリールエテン系
フォトクロミック材料の吸収スペクトルを示す図。 【図16】実施例3における吸光度と反応感度との関係
を示す図。 【図17】実施例4において用いたジアリールエテン系
フォトクロミック材料の吸収スペクトルを示す図。 【図18】実施例4における吸光度と反応感度との関係
を示す図。 【図19】実施例5において用いたジアリールエテン系
フォトクロミック材料の吸収スペクトルを示す図。 【図20】実施例5における吸光度と反応感度との関係
を示す図。 【図21】比較例において用いたジアリールエテン系フ
ォトクロミック材料の吸収スペクトルを示す図。 【図22】比較例における吸光度と反応感度との関係を
示す図。 【図23】図9に示すデータを、吸光度と反応感度との
関係にプロットしなおした図。 【図24】参考例で用いたジアリールエテン系フォトク
ロミック材料の吸収スペクトルを示す図。 【図25】参考例において用いた色素分子の吸収スペク
トルを示す図。 【図26】参考例において作製したフォトクロミック材
料及び色素分子を含有する薄膜の吸収スペクトルを示す
図。 【図27】参考例においてλ=515nmの光を照射し
開環反応させた際の反応感度を示す図。 【図28】参考例においてλ=458nmの光を照射し
開環反応させた際の反応感度を示す図。 【図29】参考例においてλ=633nmの光を照射し
開環反応させた際の反応感度を示す図。 【図30】フォトン−STMを利用した光メモリー装置
を示す概略構成図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−24245(JP,A) 特開 平3−75635(JP,A) 特開 平3−284743(JP,A) 特開 平5−127303(JP,A) 特開 平6−155889(JP,A) 特開 平6−167764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/73 503

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エネルギー供与体として働くジアリール
    エテン系フォトクロミック化合物の開環体分子と、エネ
    ルギー受容体として働く前記ジアリールエテン系フォト
    クロミック化合物の閉環体分子とを含む光記録媒体に、
    前記開環体分子及び閉環体分子の両方が吸収を有する波
    長の光を記録用光として照射して、前記開環体分子を励
    起状態とし、励起状態の開環体分子から前記閉環体分子
    へエネルギーを移動させることによって、前記閉環体分
    子に開環反応を生じさせて記録状態にすることを特徴と
    する、光記録方法
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