JP3433939B2 - 移動交換装置における短メッセージ処理 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、セルラー無線ネットワークの移動交換装置
において、先行する「短メッセージ」（短いメッセージ
のこと）を移動交換装置からＢ加入者に配送している最
中に次の短メッセージを受け取った場合に、この短メッ
セージを処理する方法に関する。また、本発明は、一時
に１つの短メッセージをＢ加入者に配送する短メッセー
ジ配送手段と、Ｂ加入者の動作を監視して、短メッセー
ジの配送を検出し、先行する短メッセージの配送が実行
中の場合に他の短メッセージの配送を防止する手段と、
を備えたセルラー無線ネットワークにおける移動交換装
置に関する。

セルラー無線ネットワークでは、短メッセージを、セ
ルラー無線ネットワークと離間された短メッセージサー
ビスセンター（SC）を介して伝送することが知られてい
る。短メッセージを伝送し転送するため１つの装置が、
GSM03.40、1992年２月の“Technical Realization of S
hort Message Services Point to Point"、ETSI/PTに記
述されている。この仕様には、短メッセージサービスセ
ンター（SC）をセルラー無線ネットワークの移動交換装
置にインタフェースすること、及び、このセンターが、
セルラー無線ネットワークの外部若しくはある加入者
（Ａ加入者）から、セルラー無線ネットワークの他の加
入者（Ｂ加入者）若しくは短メッセージの受け取り及び
／又は伝送を行なうことができる外部メッセージ手段
へ、短メッセージを伝送し転送する際の、短メッセージ
サービスセンターの機能が記述されている。無線経路を
介してGSM端末装置、移動交換装置、短メッセージサー
ビスセンターの間で短メッセージの送信を行なうこと
は、GSM04.11、1992年２月の“MS−BSS Interface−Sup
port of Short Message Service（ｐ−ｐ）”、ETSI/PT
12によって詳細に記述されている。

GSM03.40によれば、短メッセージサービスセンターが
Ｂ加入者へ短メッセージの伝送を試みたがＢ加入者に到
達不可能である場合は、メッセージ待ちデータリストが
ホーム位置レジスタ（HLR）に含有されることになる。
このリストは、Ｂ加入者の各々について、それらＢ加入
者に転送されるべき短メッセージを記憶している短メッ
セージセンターSCのアドレスを記憶する。故に、Ｂ加入
者がネットワークに接続されると、つまり、Ｂ加入者の
移動無線装置に短メッセージを伝送することができるよ
うになると、そのＢ加入者が登録された領域内のビジタ
ー位置レジスタ（VLR）は、ネットワークにおいてＢ加
入者が再び出現したことの表示をＢ加入者のHLRに伝送
する。Ｂ加入者のHLRは、これにより、その加入者のメ
ッセージ待ちデータリストに含まれる短メッセージサー
ビスセンターに対する警告メッセージの伝送を開始し、
その短メッセージサービスセンターに、Ｂ加入者がその
セルラー無線ネットワークの領域内で動作可能となった
ことを、また、Ｂ加入者の移動無線装置へ短メッセージ
の伝送を試行可能であることを、表示する。この種の状
態は、例えば、加入者が夜間は移動無線装置のスイッチ
を切っておき、昼間にそのスイッチを入れるような場
合、あるいは、その加入者が移動無線装置を仕事で使用
するにあたってそれをその仕事時間の開始時に開始させ
るような場合に発生し得る。警告メッセージは、短メッ
セージサービスセンターからセルラー無線装置を通ずる
Ｂ加入者への、Ｂ加入者の短メッセージの送信を開始す
る。短メッセージサービスセンター（SC）は、その短メ
ッセージをＢ加入者のMSISDN（移動基地国際PSTN/ISDN
番号）に基づいて記憶する。しかしながら、短メッセー
ジサービスセンター（SC）は、異なる複数のMSISDN番号
があるＢ加入者や同一のＢ加入者に属しているかどうか
は知らない。このため、同一のＢ加入者に幾つかの短メ
ッセージの伝送を同時に開始することがある。同様に、
セルラー無線ネットワークに接続された複数の短メッセ
ージサービスセンターが同一のＢ加入者に実質的に同時
に短メッセージの伝送を試みた場合、VLRに関連する移
動交換装置は先行する短メッセージの後に受け取られた
短メッセージを伝送することができないため、否定的な
応答確認を短メッセージサービスセンターに伝送しなけ
ればならない。このように、移動交換装置で短メッセー
ジが衝突すると、セルラー無線ネットワーク上に否定的
な応答確認を短メッセージサービスセンターへ向けて配
送することになる。短メッセージサービスセンター（S
C）は、これにより、所定の時間間隔だけ待って、再び
短メッセージの伝送を試みる。Ｂ加入者に対して２つ以
上の短メッセージの配送が試行されたがそのときはＢ加
入者はセルラー無線ネットワークに接続されていなかっ
たという状況を想像する。Ｂ加入者の移動無線装置にア
ドレス指定された短メッセージは、この結果、後にＢ加
入者に配送されるメッセージとして、異なる短メッセー
ジサービスセンターのメモリに記憶される。Ｂ加入者が
セルラー無線ネットワークのその領域内で動作するよう
になったとき、Ｂ加入者のHLRは、Ｂ加入者にアドレス
指定された短メッセージを記憶しているような全ての短
メッセージサービスセンターに警告メッセージを伝送す
る。全ての短メッセージサービスセンターが、その後、
ほぼ同時にＢ加入者の短メッセージの送信を試みる。こ
の結果、移動交換装置は一時に１つの短メッセージしか
伝送できないために、このＢ加入者の位置領域の移動交
換装置で短メッセージの衝突状態が発生する。例えば、
10個の異なる短メッセージサービスセンターが短メッセ
ージの伝送を試みた場合、この位置領域の移動交換装置
からＢ加入者への最初のメッセージの配送（つまり、特
許請求の範囲における「先行するメッセージ」）は配送
されることになるが、次の９つの短メッセージを伝送し
ようとしても失敗してしまうだろう。この結果、これら
の短メッセージを送信した短メッセージサービスセンタ
ーは、位置領域の移動交換装置から短メッセージの配送
が成功しなかったことを表示する否定的な応答確認を受
け取る。９つの失敗したメッセージの伝送を行った９つ
の短メッセージサービスセンターは、Ｂ加入者への配送
のため、Ｂ加入者の位置領域の移動交換装置に新たな短
メッセージの伝送を試みる。ここでもまた、８つの後続
メッセージはＢ加入者に到達しないが、最初の短メッセ
ージ（つまり、特許請求の範囲における「先行するメッ
セージ」）はＢ加入者に到達し、それらの成功しなかっ
た配送は短メッセージサービスセンターに対して否定的
な応答確認の伝送を生じさせる。２つ以上の移動無線装
置、若しくは、これらの移動無線装置がネットワークに
接続されていない場合に短メッセージの配送を試行する
ような複数の端末装置が、ネットワークに実質的に同時
に接続された場合、上の状態は更に悪化する。この場
合、移動無線装置がセルラー無線ネットワークに接続さ
れたときに、幾つかの短メッセージサービスセンターが
Ｂ加入者に対して短メッセージの配送を試行するが、成
功するのはその試行の中のほんのわずかであろう。成功
しなかった伝送を表示する応答確認や短メッセージの再
配送は、セルラー無線ネットワークにおいて信号トラフ
ィックをかなり増加させ、この結果、移動通信に大きな
悪影響を及ぼし、また、セルラー無線ネットワークの動
作を害する。

本発明の目的は、移動交換装置の同一のＢ加入者にア
ドレス指定された短メッセージを実質的に同時に受け取
ることによって引き起こされる問題を防止して、短メッ
セージの配送を高速化し、セルラー無線ネットワーク内
における不必要な信号通信や短メッセージトラフィック
を減少させることにある。

セルラーネットワークの移動交換装置で受け取った短
メッセージのこの新たな処理方法は、先行する短メッセ
ージの配送中に受け取った短メッセージをメモリに記憶
し、この短メッセージを、移動交換装置からＢ加入者へ
の先行する短メッセージの配送完了後に、移動交換装置
からＢ加入者へ配送することを特徴とする。

セルラー無線ネットワークの本発明による新たな移動
交換装置は、拒否された短メッセージを記憶するメモリ
手段と、Ｂ加入者動作制御手段に応答して、拒否された
短メッセージをメモリ手段から読み出し、先行する短メ
ッセージの配送が完了したときに、Ｂ加入者への短メッ
セージの配送を開始するような待ち行列制御手段と、を
備えることを特徴とする。

本発明は、次の短メッセージを移動交換装置で受け取
ったときに先行する短メッセージがＢ加入者へ配送中で
あったために、Ｂ加入者への配送が成功しなかった短メ
ッセージを、Ｂ加入者の位置領域の移動交換装置のメモ
リに記憶する、という概念に基づく。

セルラー無線ネットワークの移動交換装置で受け取っ
た短メッセージを処理する本発明の方法と、このセルラ
ー無線ネットワークの移動交換装置の利点は、移動交換
装置で短メッセージを実質的に同時に受け取ることを防
止することによって生じる。言い換えれば、Ｂ加入者の
位置領域の移動交換装置において短メッセージの衝突を
防止することによって、不成功の配送を示す否定的な応
答確認が不必要な信号通信や短メッセージトラフィック
と同様に防止される。故に、本発明による方法と移動交
換装置を用いれば、短メッセージの配送は高速化され、
また、セルラー無線装置のオーバーロードによって引き
起こされるインタフェースのリスクは減少する。

以下、本発明を添付図面を参照しつつ詳細に記述す
る。

第１図は、本発明による方法および移動交換装置で使
用できるセルラー無線装置を示す図、 第２図は、本発明による移動交換装置を示すブロック
図である。

本発明による方法を本発明の第１の適用領域であるデ
ジタルGSM移動無線装置に関連して以下に記述するが、
本発明による方法をGSM装置以外の装置やその変形に使
用することも可能である。GSM移動無線装置の基本構成
および基本機能は当業者によく知られており、GSM装置
の仕様、特に、GSM勧告、01.02,11.30,11.31,11.32,03.
04に比較的正確に定義されている。

GSMネットワークは通常は、第１図に示されているよ
うに、位置データのような移動無線装置のデータを永久
的に記憶するデータベースである、１つのホーム位置レ
ジスタHLRを備える。この装置はまた、各サービス領域
において１つ若しくは２つ以上の幾つかのビジター位置
レジスタVLRを備える。ビジター位置レジスタVLRは、移
動無線装置のデータを記憶するデータベースであり、一
方、移動無線装置は、VLRの領域、つまり、移動無線装
置の位置領域内を訪問するようなものである。VLRは１
つの位置領域（LAI）の正確さで移動無線装置MSの位置
を知っている。一方、HLRは、移動無線装置MSがどのVLR
領域に訪問したかを知っており、移動無線装置終了呼出
し（mobile radio terminating calls）を電話ネットワ
ークに対するルーティングデータ、つまり、Ｂ加入者の
位置領域のVLRアドレスに付与する。HLRは必要なルーテ
ィングデータをVLRから受け取る。HLRとVLRが、移動無
線ネットワークの他の構成要素と信号接続されることは
稀にしかない。第１図に示された装置において、各サー
ビス領域は、各サービス領域の移動交換装置MSCに接続
された専用のビジター位置レジスタVLRを有する。第１
図は２個のサービス領域を示す。一方は、移動交換装置
MSC1とビジター位置レジスタVLR1であり、もう一方は、
移動交換装置MSC2とビジター位置レジスタVLR2を備え
る。各サービス領域は１つ若しくは２つ以上の位置領域
（LAI）を含み、トラフィックは、各位置領域内部にお
いて、幾つかの固定無線基地、つまりベーストランシー
バ基地BTS、を制御するベース基地コントローラBSCによ
って制御される。上述の各無線セルは１つのベース基地
BTSを備え、各ベース基地コントローラBTSは幾つかのセ
ルにサービスを提供する。セルに存在する移動無線MS
は、セルのベース基地BTSと２方向の無線接続を確立す
る。信号接続と音声チャンネルの双方が、ベース基地コ
ントローラBSCと移動交換装置MSCの間に確立される。移
動交換装置MSC1は、ベース基地BTS1、BTS2を制御するベ
ース基地コントローラBSC1を制御する。これに対応し
て、他のサービス領域内のMSC2は、ベース基地コントロ
ーラBSC2とベース基地BTS3、BTS4を備える位置領域を制
御する。

GSMネットワークは通常は、他のネットワーク、例え
ば、公衆交換網電話ネットワークPSTN、他の移動無線ネ
ットワークPLMN、パケット交換型データネットワークPS
PDN、ISDN、若しくは短メッセージサービスセンターSC
にゲートウエイMSC・GMSCと呼ばれる特別な移動交換装
置を介して接続される。ネットワークの１つ若しくは２
つ以上（持しくは全ての）移動交換装置がGMSCとして動
作する。音声チャンネル接続は、GMSCからネットワーク
のいづれかの他の移動交換装置MSCにスイッチ交換され
得る。GMSCはまた、HLRと信号接続を有する。HLRは複数
のVLRと信号接続を有する。また、ISDN交換のような他
のデータ送信装置の交換は、GMSCとしても動作し得る。
第１図は、更に、セルラー無線ネットワーク上で移動無
線装置MSに短メッセージを配送する短メッセージサービ
スセンターSCを示す。

第２図において、短メッセージセンターSC1は、GMSC3
を介して、Ｂ加入者MS4の移動交換装置MSC5や、MSC5に
接続されているＢ加入者位置領域のビジター位置レジス
タVLR6へ短メッセージを配送する（２）。本発明は、ベ
ース基地コントローラBSC7やベース基地BTS8を介して移
動交換装置MSC5からＢ加入者MS4に先行するメッセージ
が配送されるような状態で動作し得る。短メッセージ受
け取ると、移動交換装置５は、SendInfoForIncomingCal
lメッセージを伝送することにより、短メッセージのた
めにルーティングデータを伝送するようVLR6に要求を行
なう。VLRは、Page（IMSI,TMSI,LAI）メッセージを伝送
することによって返答し、そのサービス領域内のＢ加入
者をページング（page）するよう移動交換装置MSCに要
求する。しかしながら、Ｂ加入者のページングの前に、
移動交換装置５のＢ加入者の動作を制御する手段OC9
は、Ｂ加入者と移動交換装置５の無線基地８の間に無線
接続が存在すること、および移動交換装置で受け取られ
た先行する短メッセージがＢ加入者４に配送されたこ
と、を検出する。これにより、移動交換装置は、否定的
な応答確認PageNack（Busy Subscriber）をVLR6に伝送
し、Ｂ加入者が短メッセージの伝送でビジー状態にある
ことを表示する。VLRは、否定的なSendInfoForIncoming
CallNack（Impossible Call Completion）応答確認を
伝送することによって返答する。これにより、移動交換
装置５に設けられた待ち行列制御手段QCM10は、後に受
け取られて拒否された短メッセージを短メッセージ記憶
手段MM11に記憶し、その伝送が繰り返されるのを待つ。
メモリ11に記憶される短メッセージに識別コードが割り
当てられ、この識別コードに基づいて、逐次的にメモリ
11を検索することが可能とされる。これは、Ｂ加入者動
作制御手段OC9が先行する短メッセージの配送が完了し
たことを検出し、このことを待ち行列制御手段QCM10に
報告したときに発生する。QCM10は、拒否された短メッ
セージをメモリ手段MM11から読み出し、それを短メッセ
ージ伝送手段SMDM13に転送し、（12）、ベース基地制御
器７とベース基地８を介してＢ加入者の移動無線装置４
に配送する。Ｂ加入者への短メッセージの配送は、その
処理識別コードを用いて短メッセージ伝送手段SMDM13を
初期化することによって行われる。

これらに関連する図面および記述は、本発明の概念を
示すことのみを目的とする。これらの詳細につき、セル
ラー無線ネットワークの移動交換装置で受け取った短メ
ッセージの処理方法やセルラー無線ネットワークの移動
交換装置に本発明に従って特許請求の範囲内で変更を加
えることも可能である。主にGSM装置を参照して本発明
を記述しているが、他の型の無線装置にも同様に適用可
能である。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−128937（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−178243（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−112751（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−135828（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−197042（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−190950（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04B 7/24 - 7/26 H04Q 7/00 - 7/38 H04L 12/54 - 12/66

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】セルラー無線装置の移動交換装置（MSC）
   において、 一時に所定数の短メッセージを加入者（４）に配送する
   短メッセージ配送手段（13）であって、前記短メッセー
   ジは短メッセージサービスセンター（SC）から前記移動
   交換装置（SC）で受け取られるものであり、前記短メッ
   セージサービスセンター（SC）は、前記移動交換装置
   （MSC）を介して前記加入者（４）へ配送される短メッ
   セージを記憶している、前記短メッセージ配送手段（1
   3）と、 前記加入者（４）の動作を監視して、該加入者（４）に
   対する前記短メッセージの配送を検出し、前記先行する
   短メッセージの配送中に他の短メッセージが配送される
   ことを防止する加入者動作監視手段（９）と、を備え、
   前記移動交換装置（MSC）は更に、 拒否された短メッセージを記憶するメモリ手段（11）
   と、 前記加入者動作監視手段（９）に応答して、拒否された
   短メッセージを前記メモリ手段（11）から読み出し、前
   記先行する短メッセージの配送が完了したときに前記加
   入者への前記短メッセージの配送を開始する待ち行列制
   御手段（10）と、 を備えることを特徴とする移動交換装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の移動交換装置において、前
   記加入者への短メッセージの配送が、その処理識別コー
   ドによる短メッセージ配送手段（13）の呼出しによって
   開始される移動交換装置。