JP3429943B2 - 積層チップ部品の分離方法及び装置 - Google Patents

積層チップ部品の分離方法及び装置

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JP3429943B2
JP3429943B2 JP4842296A JP4842296A JP3429943B2 JP 3429943 B2 JP3429943 B2 JP 3429943B2 JP 4842296 A JP4842296 A JP 4842296A JP 4842296 A JP4842296 A JP 4842296A JP 3429943 B2 JP3429943 B2 JP 3429943B2
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宏之 前野
和亮 朝河
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層チップ部品の
分離方法及び装置に関するもので、より具体的には、未
焼結のグリーン状態の積層ブロックを構成する複数の積
層チップ部品相互の粘着状態を解消(分離)したり、隣
接する積層チップ部品を所定距離だけ離して整列(分
離)するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体フィルタ,チップコンデンサ,チ
ップトランスなどの積層チップ部品を製造するには、ま
ず、多数の誘電体セラミックシート(グリーンシート)
を積層し、一体化することにより図9に示すような扁平
な誘電体ブロック1を形成する。なお、誘電体ブロック
1を構成する各グリーンシートのうち所定の物の表面に
は、所定パターンの導電体ペーストが印刷されている。
【0003】そして、通常は1つの誘電体ブロック1か
ら多数のチップ部品(積層チップ部品2)を同時に製造
することから、上記グリーンシートの表面に形成するパ
ターンは、1つの積層チップ部品を構成するための導電
体のパターンを縦横方向に繰り返した形状となる。従っ
て、図示するように、積層チップ部品2を構成する部分
が縦横方向に整列状態で形成される。
【0004】そこで、誘電体ブロック1に対して、横方
向に等間隔に切断刃を挿入して切り込みを入れ、次に切
断刃を90度回転させて縦方向に等間隔に切断刃を挿入
して切り込みを入れる。このとき切断刃を挿入する位置
は、隣接する積層チップ部品2の境界で、ブランク4上
の所定位置に設けられたマーカを基準に決定される。そ
して、最初に横方向に切断刃を挿入した際に、切断によ
り分離された部分が離れたり、倒れたりすると次の縦方
向の切断が行えないので、切断刃の刃幅は誘電体ブロッ
ク1よりも短くしておく。従って、縦横方向に切断刃を
挿入し、誘電体ブロック1から積層チップ部品2単位に
分断した後も、その誘電体ブロック1の周囲には無端状
の枠部分(ブランク)が残る。
【0005】つまり、誘電体ブロック1は、中央部分の
多数の積層チップ部品2が形成された積層チップ部品形
成領域3の部分と、その周囲に存在するの積層チップ部
品として使用されない枠状のブランク4に区分けされ
る。そして、そのブランク4によって、切断刃により一
旦分離された積層チップ部品2も相互に離反することな
く接触しあった状態を保持する。
【0006】従って、その後人手によりブランク4を積
層チップ部品形成領域3から取り外して除去する。さら
に積層チップ部品形成領域3を折り曲げたりして各積層
チップ部品2を一個ずつ分離する。そして、1個ごとに
相互に離反状態となった積層チップ部品2の側面に対し
て印刷を行う必要から、分離された積層チップ部品を印
刷機用の搬送トレーの上面に並べる。この時、後工程と
して行われる印刷工程が行い易いように、積層チップ部
品2を同一方向に向けるともに、互いに所定距離だけ離
しつつ、縦横方向に整列するように並べるのが好まし
い。そして、係る搬送トレーごと各積層チップ部品2を
印刷機に搬送して、各積層チップ部品2の表面に印刷工
程を行うようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の積層チップ部品の分離方法では、以下に示す問
題を有している。すなわち、誘電体ブロック1はグリー
ン状態であるので、柔らかい。従って、手動による折り
曲げの際に余分な力が加わると、積層チップ部品2が変
形してしまい、不良品となるおそれがある。
【0008】さらにグリーン状態であるので、たとえ前
工程で切断刃による分離を行っていても、ブランク4に
よって相互に接触した積層チップ部品2同士は再度粘着
され、離反しにくくなる。そして時間がたつにつれて粘
着力は強くなる。そのため、互いに粘着して一体化され
分離・離反しにくくなっている。よって、人手によるブ
ランク4の取り外しや、各積層チップ部品2同士の分離
・離反処理を行う際には、積層チップ部品2同士を引き
離そうとして必然的に大きな力をかけやすく、上記した
問題がより顕著に発生する。
【0009】また、印刷機用の搬送トレーに積層チップ
部品を並べる際に、人手によって縦横方向に等間隔にし
かも各積層チップ部品2の向きをそろえて配置するの
は、煩雑であるとともに時間がかかる。さらに、積層チ
ップ部品2は非常に小さい(数mm四方程度)ため、向
きが間違ってしまうおそれもあり、係る場合にそのまま
側面印刷をすると、不良品となってしまう。
【0010】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、グリーン状態の積層ブロックを変形させることな
く積層チップ部品相互の密着・粘着状態を解消したり、
さらには、積層ブロックから積層チップ部品を離反させ
るとともに整列させることが、迅速かつ正確に行うこと
ができる積層チップ部品の分離方法及び装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る積層チップ部品の分離方法では、周
囲に枠状のブランクを有し、そのブランクで囲まれた領
域内に、縦横方向に複数の積層チップ部品が配置され、
かつ、各積層チップ部品を仕切る位置には予め切り込み
が形成されているものの隣接する積層チップ部品が相互
に粘着状態にある未焼結の積層ブロックを処理対象と
し、以下の2の処理を行うようにした(請求項1)。
【0012】第1の処理 前記ブランクを表裏両面から挟持するとともに、前記領
域を基準としてその厚み方向に少なくとも前記積層ブロ
ックの厚み分移動させて前記領域から離脱させる。
【0013】第2の処理 前記複数の積層チップ部品のうち、縦方向及び横方向に
それぞれ1個おきに該当する前記積層チップ部品に対し
てその表面側より上側ピンを接触させるとともに、残り
の積層チップ部品に対してその裏面側よりピンを接触さ
せ、その状態で表裏両側に位置する下側ピンを相対的に
前進移動させて、隣接する積層チップ部品を厚み方向で
反対方向に移動させて粘着状態を解除する。
【0014】上記第1の処理と第2の処理は、同時に行
ってもよく、或いはいずれかを先に行うようにしてもよ
い。そして、第1の処理を行うことにより、ブランク
は、積層チップ部品から切り離され、取り外される。よ
って、多数の積層チップ部品に対する外周からの抑えが
なくなる。さらに第2の処理を行うことにより、隣接す
る積層チップ部品は厚み方向反対側に移動させるので、
粘着状態が解消される。そして、上記のように第1の処
理を行ってブランクによる外周からの抑えがないので、
解消された粘着状態が保持され、たとえ相互に接触して
いたとしても再度粘着状態にはならない。よって、粘着
状態を解除するという分離処理が完了する。
【0015】一方、別の解決手段としては、水平平面内
で縦横方向に接触状態で配置された複数の積層チップ部
品を、縦横方向にそれぞれ所定距離だけ離した状態で整
列する分離方法であって、前記複数の積層チップ部品の
うち横方向に並んだ1列分の積層チップ部品を保持する
とともに、次の配置箇所に移し替える処理を1列単位で
繰り返し行い、かつ、その移し替える際に隣接する横方
向の各列の積層チップ部品を縦方向に所定距離だけ離す
ようにした第1の処理ステップと、前記第1の処理ステ
ップを実行して移し替えられ、縦方向に離された複数の
積層チップ部品に対し、横方向に並んだ1列分の積層チ
ップ部品を保持するとともに、次の配置箇所に移し替え
る処理を1列単位で繰り返し行い、かつ、その移し替え
る際に隣接する縦方向の各列の積層チップ部品を横方向
に所定距離だけ離すようにした第2の処理ステップとを
行うようにした(請求項2)。
【0016】すなわち、第1の処理ステップを実行する
ことにより、X軸方向に並んだ1列の積層チップ部品を
同時に保持するため、1列方向には整列状態が維持され
ながら拡張トレーに移し替えられる。そして、拡張トレ
ーに置く際に、Y軸方向に所定距離を離すので、拡張ト
レー上に移し替えられた状態では、X軸方向には隣接す
る積層チップ部品は接触状態で、Y軸方向には所定間隔
ごとに離れる。これにより、Y軸方向に見ると、各積層
チップ部品は、それぞれ直線上に並ぶ(上記した所定間
隔に相当する距離は離れる)。
【0017】そして、第2の処理ステップを実行するこ
とにより、Y軸方向に所定間隔を置きながら直線状に並
んだ1列の積層チップ部品を保持するとともに、次の領
域に移し替えるので、その移し替えの際にY軸方向の整
列状態は維持される。そして、移し替え時にX軸方向に
所定間隔毎に離すように置くので、第1,第2の処理ス
テップを実施することにより、X,Y方向にそれぞれ所
定の距離だけ離れた整列状態に分離される。
【0018】そして、上記した請求項1に記載の分離方
法を実行して得られた、水平平面内で縦横方向に粘着状
態が解除された状態で接触する複数の積層チップ部品に
対し、請求項2に記載の分離方法を実行すると、ブラン
ク付きの積層ブロックから、自動的に複数の積層チップ
部品を相互に所定距離だけ離した整列状態に分離するこ
とができる。
【0019】そして、請求項3を実施するための装置と
しては、周囲に枠状のブランクを有し、そのブランクで
囲まれた領域内に、縦横方向に複数の積層チップ部品が
配置され、かつ、各積層チップ部品を仕切る位置には予
め切り込みが形成されているものの隣接する積層チップ
部品が相互に粘着状態にある未焼結の積層ブロックの各
部位に対して厚み方向に押圧することにより、前記ブラ
ンクを除去するとともに隣接する前記積層チップ部品の
粘着状態を解除する第1の分離装置と、水平平面内で縦
横方向に接触状態で配置された複数の積層チップ部品
を、縦横方向にそれぞれ所定距離だけ離した状態で整列
する第2の分離装置とを備える。
【0020】そして、前記第1の分離装置は、請求項1
に示す処理を実施するためのもので前記所定の積層チッ
プ部品に当接可能な下方に向けて突き出される複数の上
側ピンと、その上側ピンを昇降移動させる機構と、外周
に配置され前記ブランクに当接可能な上側ブランク除去
部を有する上金型と、上方に向けて突き出される複数の
下側ピンと、前記上側ピンより受けた力により下方に押
し下げられる下側受け部と、外周に配置され前記ブラン
クに当接可能な下側ブランク除去部を有する下金型とを
備える。
【0021】また、前記第2の分離装置は、請求項2に
示す処理を実施するためのもので、積層チップ部品形成
領域を構成する複数の積層チップ部品のX軸列を保持す
るX軸ヘッドと、複数の積層チップ部品のY軸列を吸着
するY軸ヘッドを有するヘッドと、そのヘッドを3次元
上の任意の位置に移動させる移動手段と、前記ヘッドに
より移動された積層チップ部品を、Y軸方向に離した状
態で1時的に整列配置するための拡張トレーとを備えて
構成した(請求項4)。
【0022】そして好ましくは、前記下金型に、先端が
傾斜可能な受け板(実施の形態では、「滑り板」)を取
り付ける。そして、その受け板は、前記下金型を水平移
動して前記上金型の下方に位置する時には前記受け板の
先端が傾斜し、前記下金型を逆方向に移動して前記受け
板が前記上金型の下方に位置する時には前記受け板が水
平状態を保つようにすることである。このようにする
と、第1の分離装置で除去されたブランクを受け板を介
して外部に排除することができる。
【0023】また、本発明でいう分離とは、接触状態に
ある積層チップ部品が離れることはもちろんのこと、相
互に接触していたとしても、未焼結のグリーン状態(粘
着している)から粘着状態を解除することも意味する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に係る積層ブロック分離装
置及び積層ブロック分離方法の実施の形態を詳述する。
図1は本発明に係る分離装置の実施の形態を示してい
る。本形態では、図9に示すように、前工程で積層チッ
プ部品2の形状にそって切り込みが形成され、周囲がブ
ランク4で囲まれ、中央部に多数の積層チップ部品2が
粘着力によって相互に密着状態の積層ブロック1に対
し、ブランク4を取り外すとともに、隣接する積層チッ
プ部品2同士の粘着力を弱めて、各積層チップ部品2を
相互に離反しやすい状態に分離するための装置である。
【0025】分離装置10は、昇降移動する上金型11
と、下金型12で構成されている。そして、下金型12
上に積層ブロック1を載置した状態で上金型11が下降
移動し、両金型11,12間で積層ブロック1を挟むと
ともに、上下方向に所定の圧力で押圧するようになって
いる。
【0026】そして、両金型11,12は、ともにブラ
ンク4に当接し除去する機構部分と、積層チップ部品形
成領域3に当接し各積層チップ部品2ごとに分離する機
構部分とを有し、両者はそれぞれ独立して昇降するよう
になっている。
【0027】まず上金型11側について説明すると、そ
の最外周にブランク4に当接する上側ブランク除去部1
6を備えている。この上側ブランク除去部16は、上下
に開口した四角筒状に形成され、その底面が積層ブロッ
ク1のブランク4に当接するブランク吸着部16aとな
る。このブランク吸着部16aは、内方に突出したフラ
ンジ部を有し、その先端側の上面が係止面16bとな
る。さらに上側ブランク除去部16内には上下方向に延
びる吸引孔16cが形成されその吸引孔16cの下端
が、ブランク吸着部16aに開口されている。そして、
吸引孔16cの上端は図外のバキュームポンプに接続さ
れている。
【0028】この上側ブランク除去部16内に、積層チ
ップ部品形成領域3に当接し、各積層チップ部品2ごと
に分離するための機構が相対的に昇降移動可能に収納さ
れている。すなわち、まず上側ブランク除去部16の内
周形状に略一致する外形状を有する四角柱状の上側本体
13を上下移動自在に収納する。
【0029】この上側本体13は、その底面に比較的面
積の大きい平面四角形状の凹所13aが形成され、上側
本体13の上面中央にも比較的面積の小さい平面四角形
状の凹部13bが形成されている。この凹部13bの上
方開口部位は一回り広くなり、段部13cが形成され
る。さらに、上側本体13の中央を貫通する貫通孔13
dを形成し、その貫通孔13dを介して凹所13aと凹
部13bが連通する。
【0030】そして、上記凹所13a内に、扁平矩形状
のベースプレート14を昇降移動可能に挿入配置してい
る。このベースプレート14の外形状は、凹所13aの
内形状と同一または若干小さくするとともに、その肉厚
は、凹所13aの深さよりも薄くしている。これによ
り、ベースプレート14が凹所13a内で昇降移動可能
となる。そして、このベースプレート14の底面には、
千鳥状に多数の上側ピン14aが配設されている。すな
わち、図2に示すように、各上側ピン14aは、積層ブ
ロック1の各積層チップ部品2に対向する位置で、しか
も横一例でみると1個おきに配置されるとともに、n列
目とn+1列目では、配置位置を積層チップ部品1個分
だけ横にずらして配置されている。
【0031】さらに、上側本体13の下面には、上記上
側ピン14aに対向する位置に孔部15aを有する上側
受け台15が取り付けられ、一体化している。これによ
り、凹所13aの開口部は、この上側受け台15により
閉塞され、ベースプレート14は、凹所13a内に収納
されることになる。
【0032】この上側受け台15は、扁平矩形状に形成
され、その上端外周縁に、全周にわたって外側に突出す
るフランジ部16bが形成される。このフランジ部16
bの部分で、上側本体13の底面と接合される。そし
て、そのフランジ部16bの外形状が上側本体13の下
面の外形状とほぼ一致し、上側受け台15の下端の外形
状が上側ブランク除去部16の底面のブランク吸着部1
6aの内周縁形状とほぼ一致するようにしている。これ
により、上側受け台15の下端は、ブランク除去部16
の底面開口部より、露出する。
【0033】さらに、無負荷時の平常状態では、図1に
示すように、受け台15の下端面とブランク除去部16
のブランク吸着部16aとが同一平面上に位置するとと
もに、ブランク吸着部16aの係止面16bと上側受け
台15のフランジ部15bとの間には、所定の隙間が形
成される。これにより、ブランク除去部16が、上記隙
間に相当する距離だけ上側本体13に対して相対的に上
昇移動可能となる。
【0034】さらにまた、上側受け台15の肉厚は、上
側ピン14aの長さよりも薄くしている。これにより、
ベースプレート14が下降して上側受け台15の上面に
接触すると、上側ピン14aの下端は上側受け台15の
底面から突出する。
【0035】そして、このベースプレート14の昇降移
動が、シリンダまたはエアプレスにより行われ、具体的
には、以下のような動力伝達機構を介してシリンダまた
はエアプレスの駆動力が伝達されるようにしている。す
なわち、ベースプレート14の上面中央に取付板18を
介して連結ロッド17の下端が取付けられる。この連結
ロッド17は、上側本体13に形成した貫通孔13d内
をスラスト移動可能に挿入され、その上端が凹部13b
内に位置している。そして、その連結ロッド17の上端
は、係止板19に取り付けられる。係止板19の外形状
は、凹部13bの上方開口部位に形成された一回り広い
空間の内形状に一致させ、その空間内に位置させる。
【0036】さらに、上側本体13の上面に、凹部13
bの外周縁を覆い、前記係止板19の離脱を抑止するス
トッパ21を取り付ける。これにより、このストッパ2
1の内周縁部と、凹部13bの開口側の段部13cとの
間で、係止板19が移動するようになる。
【0037】また係止板19の上面には、シリンダロッ
ド等の駆動源に連結するための連結部材20が取り付け
られている。さらにまた、連結ロッド17の上方部位
は、コイルスプリング22内に挿入され、そのコイルス
プリング22の両端は、凹部13bの底面と係止板19
に当接している。これにより、無負荷時はコイルスプリ
ング22の弾性力により、係止板19に対して上方に付
勢するようにする。よって、図1に示すようにベースプ
レート14が上昇し、上側ピン14aの下端と上側受け
台15の下面とが一致する状態に保持される。そして、
シリンダが伸張すると、係止板19がコイルスプリング
22を圧縮変形させながら下降移動し、それに追従して
連結ロッド17,ベースプレート14が下降する。これ
により、上側ピン14aが上側受け台15より突出する
ようになる。
【0038】なお、上金型11は、上記したシリンダに
基づくベースプレート14(上側ピン14a)の昇降移
動とは別の駆動機構に従って、上金型11全体が大きく
昇降移動するようになっている。
【0039】次に、下金型12の構成について説明す
る。この下金型12の構成は、基本的には、上記した上
金型11の構成と同じである。すなわち、最外周に下側
ブランク除去部26を備え、その上面に形成されるブラ
ンク押上部26aと、上記した上側ブランク除去部16
のブランク吸着部16aとの間で積層ブロック1のブラ
ンク4をその上下両面より挟持するようになっている。
なお、この下側ブランク除去部26にも、吸引孔26c
が形成され、吸引可能としている。
【0040】そして、下側ブランク除去部26内に、相
対的に上下移動可能に下側本体23を収納し、その下側
本体23の上面に形成された凹所23a内にベースプレ
ート24を上下移動可能に配置している。そして、凹所
23を閉塞するように下側本体23の上面に下側受け台
25のフランジ部25bを接合している。
【0041】上記ベースプレート24の上面所定位置
に、多数の下側ピン24aが起立形成され、下側受け台
25に形成された孔部25a内に下側ピン24aが挿入
配置される。そして、この下側ピン24aの配置レイア
ウトも、上側ピン14aと同様に千鳥状で、積層ブロッ
ク1の各積層チップ部品2に対向する位置で、しかも横
一例でみると1個おきに配置されるとともに、n列目と
n+1列目では、配置位置を積層チップ部品1個分だけ
横にずらした位置に配置している。そしてさらに、上側
ピン14aの未形成位置に、下側ピン24aが位置する
ようにしている。これにより、積層チップ部品形成領域
3の横一列あるいは縦一列を着目した場合に、隣接する
積層チップ部品2に対して上側ピン14aと下側ピン2
4aとが交互に当接するようになる。そして、各積層チ
ップ部品2は、対応する上側ピン14aと下側受け台2
5の間、あるいは下側ピン24aと上側受け台15の間
で、その上下から挟持されるようになる。
【0042】さらに、下側受け台25の下端に形成され
たフランジ部25bが、下側ブランク吸着部26の係止
面26bと当接して移動を抑止する点でも上金型11と
同様である。但し、下金型12では、図1に示すよう
に、無負荷の平常状態では、フランジ部25bと係止面
26bがすでに当接しており、その状態でブランク吸着
部26aと下側受け台25並びに下側ピン24aの上面
が同一面状に位置するようになっている。
【0043】さらに、ベースプレート24の下面には、
取付板28が接着され、さらにその下側に連結ロッド2
7,係止板29,連結部材30が順次接続される。そし
て、連結ロッド27は、下側本体23の中心軸状に形成
された貫通孔23d内をスラスト移動可能に挿入され
る。また、係止板29は、下側本体23の下面に形成さ
れた凹部23b内に収納され、ストッパ31と段部23
cの間で移動可能となっている。さらに、連結ロッド2
7と同軸状に配置されたコイルスプリング32の両端
が、凹部23bの底面と係止板29間に当接している構
成も上金型11と同じである。
【0044】但し、上金型11では、駆動源(シリン
ダ)を連結部材20に接続し、上側ピン24a(ベース
プレート24)に伝達するようにしたが、下金型12側
では、連結部材30には駆動源を接続せずに固定系とし
ている。つまり、上側ピン24aが下降すると、その押
圧力が積層チップ部品2を介して下側受け台25に伝わ
り、下側受け台25を下降移動させる。しかし、ベース
プレート24は固定されているので、下降移動せず、下
側ピン24aもその位置をとどめる。よって、相対的に
下側ピン24aが上昇し、下側受け台25の上面よりも
突出するようになる。
【0045】そして、下金型12側の駆動源(シリンダ
等)からの動力は、下側ブランク除去部26に伝達さ
れ、それを上昇移動させるようになっている。そして、
その上昇により生じる押圧力がブランク4を介して上側
ブランク除去部16に伝達され、その上側ブランク除去
部16を上昇可能としている。
【0046】次に、上記した実施の形態の分離装置10
を用いて、積層ブロックのブランクを除去し、各積層チ
ップ部品を分離する本発明の分離方法の実施の形態の一
例について説明する。本形態において、ブランク除去と
積層チップ部品の分離の作業は同時になされるが、係る
作業の方法を分かりやすくするため、図3(ブランクを
除去するまでの説明図)と図4(積層チップ部品を分離
するまでの説明図)に別々に現した。
【0047】まず、図3(A)に示すように、無負荷状
態であるので、上側受け台15の下面と、上側ブランク
除去部16に設けられたブランク吸着部16aの下面と
は同一平面上に位置する。同様に、下側プレート25の
上面と、下側ブランク除去部26に設けられたブランク
押上部26aの上面とも同一平面上に位置する。そし
て、上金型11は、上方位置をしめ下金型12から離れ
ている。
【0048】この状態で、下金型12の上面(下側プレ
ート25の上面と下側ブランク除去部26の上面)に、
積層ブロック1を配置する。このとき、積層ブロック1
を構成するブランク4が、ブランク押上部26aの上方
に位置するように配置する(同図(A))。そして、位
置がずれないように、下側ブランク除去部26内の吸引
孔26cを介してブランク4部分を吸着保持する。
【0049】次に、上金型11を下降させて、上金型1
1と下金型12の間で積層ブロック1を挟む。これによ
り、ブランク4は、その両面に上側,下側ブランク除去
部16,26が当接し、積層チップ部品形成領域3は、
その両面に上側,下側受け台15,25が当接する。こ
のとき、上側ブランク除去部16に形成された吸引孔1
6cを介してブランク4を吸引する(同図(B))。
【0050】次いで、下側ブランク除去部26を上方に
上げる。すると、その押上力が、ブランク4を介して上
側ブランク除去部16のブランク吸引部16aに伝わ
る。そして、各ブランク除去部16,26は、その内周
空間に配置された各受け台15,25等とは相互に独立
して昇降移動可能となっているので、上記押上力に基づ
いて上側ブランク除去部16が上昇する。従って、ブラ
ンク押上部26aとブランク吸着部16aとの間で挟持
されたブランク4もそれに伴い上昇移動する。しかし、
両受け台15,25は移動しないので、その受け台1
5,25間に挟持された積層チップ部品形成領域3も移
動しない。従って、ブランク4のみが上昇するので、積
層チップ部品形成領域3とブランク4の粘着状態が解消
され、分離される。そして、上記上昇距離を積層ブロッ
ク1の厚み(例えば2.5mm程度)よりも大きく(例
えば5mm程度)移動するようにしているので、ブラン
ク4は完全に切り離される(同図(C))。
【0051】一方、同図(B)から(C)のブランクの
分離工程と同時に、図4に示すように隣接する積層チッ
プ部品2相互の分離処理も行う。すなわち、図3(B)
に示した状態の積層ブロック1の周辺を拡大して示すと
図4(A)のようになっており、また、図3(C)に示
した状態の積層ブロック1の周辺を拡大して示すと図4
(B)のようになっている。そして、図4(A),
(B)を比較するとわかるように、上側ブランク除去部
16と下側ブランク除去部26が上昇し、ブランク4を
積層チップ部品形成領域3から分離している。
【0052】一方、積層チップ部品形成領域3に着目す
ると、図4(A)に示すように、上側ピン14aの下端
は上側受け台15の下面と同一平面上に位置し、下側ピ
ン24aの上端は下側受け台25の上面と同一平面上に
位置している。したがって、この状態では、積層ブロッ
ク1は、その上下から全面に均一に圧力が加わってお
り、平坦な状態を維持する。
【0053】そして、積層チップ部品形成領域3の上方
に位置する上側ピン14aは、縦横方向にそれぞれ1個
おきの積層チップ部品2に接触し、下側受け台25との
間でその積層チップ部品2を挟持する。また、上側ピン
14aに接触しない積層チップ部品2は、下側ピン24
aと上側受け台15との間で挟持される。
【0054】そして、ベースプレート14(上側ピン1
4a)が連係されたシリンダ等を作動させて、ベースプ
レート14(上側ピン14a)を下降移動させる。この
時の移動距離は、積層ブロック1の肉厚(2.5mm程
度)よりも短く(例えば0.5mm程度)している。こ
の下降移動にともない、下側受け台25並びに下側本体
23も下降移動する。そして連結部材30は固定してい
るので、コイルスプリング32が圧縮変形されるととも
に、下側ピン24aは下降しない。したがって、下側ピ
ン24aと上側受け台15で挟まれた積層チップ部品2
は、移動することなくその位置を維持し、上側ピン14
aと、下側受け台25で挟まれた積層チップ部品2が下
降移動する。よって、隣り合う積層チップ部品2同士の
高さ位置がずれるので、各積層チップ部品2は相互に粘
着状態が解消され、分離される(同図(B))。
【0055】次いで、上金型11全体を上昇する。この
とき、ブランク4は、吸着孔部16cで吸着されている
ので、上側ブランク除去部16に保持されたまま持ち上
げられる(図2(D))。また、上側ピン14aが上昇
すると、積層チップ部品2を介して伝達された下側受け
台25への押圧力が解除されるので、コイルスプリング
32が弾性復元力により伸張し、下側本体23,下側受
け台25を持ち上げ、これにより、下側ピン24aの上
端と下側受け台25の上面とが同一平面上に位置する初
期状態に復帰する。
【0056】そして、後述するように下金型12を水平
移動させることにより、下側受け台25上面に複数の積
層チップ部品に分離された状態の積層チップ部品形成領
域3を残存させる(同図(E))。
【0057】上記した方法により、隣接する各積層チッ
プ部品2は、相互に分離状態(粘着力を低下させた状
態)にすることができる。そして、ブランク4が除去さ
れているので、外周囲から積層チップ部品2相互を互い
に所定の力で押しつける力がないので、上記分離状態が
維持される。
【0058】このとき、分離された各積層チップ部品同
士の位置は隣り合ったままであるが、誘電体フィルタ等
を製造するための印刷作業を容易に行うには、積層チッ
プ部品同士が少しだけ距離をおいて離れた位置となり、
さらに、積層チップ部品配置位置が縦横方向で整列され
ているのが望ましい。
【0059】そこで、本発明においては、上記した分離
装置(第1の分離装置)10を備え、さらに、積層チッ
プ部品の配置位置を印刷機に搬送しやすい状態に隣接す
る積層チップ部品同士を所定距離だけ離すとともに、縦
横方向に整列することのできる第2の分離装置を備えた
積層チップ部品の分離装置を提供した。
【0060】すなわち、図5〜図7は係る積層チップ部
品の分離装置の実施の形態を示している。同図に示すよ
うに、略板形状の作業台33の上面に、係る作業台33
の表面形状と同形状であり、所定厚みのベース34を設
けており、係るベース34の表面が凹凸のない平面とな
るようにしている。係るベース34の上面所定位置に
は、前述した第1の分離装置10が配置されている。
【0061】図示するように、第1の分離装置10は、
長方形の頂点に配置された4本の柱35の上端に天板3
6が支持され、その柱35と天板36により形成される
空間内に、上記した上金型11と下金型12とが配置さ
れる。そして、天板36に取り付けられたシリンダ37
等により、上金型11全体が昇降移動される。また、上
金型11の上面のカップリング38により、ベースプレ
ート14(上側ピン14a)が昇降移動するようになっ
ている。
【0062】さらに、下金型12は、上記したようにそ
の高さ位置は変わらないものの、水平方向に移動し、柱
35,天板36で形成される空間の外部に移動できるよ
うになっている。すなわち、下金型12は、ベース34
の上面に設置されたガイドレール39上に配置されてお
り、そのガイドレール39に沿って前後進移動可能とな
っている。
【0063】そして、略L字型の2つの取付器具40を
介してベース34上に設置されたシリンダ41のシリン
ダロッド42が、上記した下金型12の側面に連結さ
れ、シリンダロッド42の往復移動に追従して下金型1
2が前後進移動する。つまり、シリンダロッド42が完
全に突出した際には、下金型12は、上金型11の下方
に位置し、シリンダロッド42がシリンダ41内に収納
された状態では、図5に示すように下金型12は柱35
の外側に位置するように設定されている。
【0064】また、シリンダロッド42の取付面と反対
側の下金型12の側面には、略L字型の滑り板43の一
端43aが取り付けられている。この滑り板43は、中
間部位に設けられたヒンジ部43bにより、その他端4
3c側が、図5に示すような水平状態と、同図中二点鎖
線で示すように下方傾斜状の2つの姿勢をとるようにな
る。つまり、図示するように、下金型12が完全に引き
出された状態では、滑り板43の他端43cは、ベース
34上に起立配置された第1支持棒45aの上端に取り
付けられた第1ローラ46aに支持されてその下降移動
が抑止されるので、その板面が水平状態を保つ。一方、
下金型12が図示の状態から右側に移動して上金型11
の下方に位置すると、ヒンジ部43bが、上記第1ロー
ラ46aよりも外側(図中右側)に位置するので、滑り
板43の他端43cは、ヒンジ部43bを中心に時計方
向に回転し、下方傾斜状になる。そして、その他端43
cが、第2支持棒45bの上端に取り付けられた第2ロ
ーラ46bに支持され、それ以上の下降が抑止され、所
定角度の傾斜状態を保持する。さらに、本例では、その
第2支持棒45bの外側に、トレー47を置いておき、
滑り板43上を滑り落ちてきたブランクを一時的に貯留
するようになっている。
【0065】一方、ベース34の上面所定位置、すなわ
ち、ガイドレール39の延長方向に作業台50が配置さ
れている。この作業台50は、縦長で、その上面に第1
の分離装置10側から順に拡張トレー51,搬送トレー
52が配置されている。また、作業台50の上面の高さ
は下金型12の上面の高さにほぼ等しい。すなわち、拡
張トレー51,搬送トレー52は上面が下金型12とほ
ぼ同じ高さとなるように配置されている。
【0066】拡張トレー51は、その上面にX軸方向に
伸びる溝54を複数本有している。各溝54は、同じ長
さであり、また、Y軸方向に等距離だけ離して形成され
ている。なお本明細書では、図5,図6に示すように、
ベース34の平面と直交する上下方向をZ軸とし、下金
型12の移動方向をX軸とし、両軸と直交する方向をY
軸としている。さらに、各溝54の第1の分離装置10
側は、開口させている。また、その各溝54の反対側の
端部に隣接する拡張トレー51の上面には、拡張トレー
51の上面より少し高くなる帯状の突起55が形成され
ている。そしてこの突起55はY軸方向に伸びるように
形成されている。
【0067】そして、上記溝54内に積層チップ部品2
を挿入することにより、複数の積層チップ部品2をX軸
方向に1列に並ばせるようになっている。従って、溝5
4の幅は、積層チップ部品2の幅とほぼ同じか若干広く
設定することになる。さらに本例では、溝54の深さ
と、突起55の高さの和を分離対象の積層チップ部品2
の厚みよりも小さくなるようにしている。これにより、
図7に示すように、溝54内に積層チップ部品2を挿入
した際に、その積層チップ部品2の上端が突起55より
も上方に突出するようになり、溝54内の挿入及び溝5
4からの取り出しをスムーズに行えるようにしている。
【0068】また、搬送トレー52は、拡張トレー51
の形状と比較してX軸方向に長い扁平長方形状としてい
る。
【0069】そして、本発明では、下金型12上に配置
された隣接する積層チップ部品2同士の密着状態が解除
された積層チップ部品2を拡張トレー51に移し替え、
さらにその拡張トレー51上に位置する積層チップ部品
2を搬送トレー52上に移し替え、その移し替え時に隣
接する積層チップ部品2同士を離すようになっており、
係る積層チップ部品2の移し替え処理を3軸ロボット6
0により行うようにしている。
【0070】すなわち、3軸ロボット60は、よく知ら
れているように、アクチュエータをX軸方向に移動させ
るためのX軸レールやその駆動装置からなるX軸移動装
置61の上に、アクチュエータをY軸方向に移動させる
ためのY軸レールやその駆動装置からなるY軸移動装置
62を装着し、Y軸移動装置62全体をX軸方向に移動
可能としている。さらに、そのY軸移動装置62には、
Z軸移動装置63を取付け、Z軸移動装置63全体をY
軸方向に移動可能としている。そして、このZ軸移動装
置63に、連結板65を介してアクチュエータであるバ
キュームヘッド66が取り付けられている。すなわち、
Z軸移動装置63の一部であるZ軸レールに移動可能に
装着されたスライダ63aに、連結板65の上端部が固
定される。そして連結板65の下端部にバキュームヘッ
ド66が取り付けられている。
【0071】バキュームヘッド66は、略L字形状の第
1ヘッド取付部67aにより連結板51に固定されたX
軸ヘッド66aと、直方体形状に設けられた第2ヘッド
取付部67bにより連結板51に取り付けられたY軸ヘ
ッド66bとを備え、各ヘッド66a,66bは、図外
のバキュームポンプに接続され所定のタイミングで、そ
れぞれ独立して吸引し、ヘッド66a,66bに接触す
る積層チップ部品2を吸着保持できるようになってい
る。そして、上記した両トレー51,52並びに3軸ロ
ボット60等により、第2の分離装置が構成される。
【0072】次に、上記した積層チップ部品の分離装置
の実施の形態を用いて、本発明に係る分離方法の実施の
形態を説明する。まず、第1の分離装置10を動作させ
て、積層ブロック1のブランクを除去するとともに、隣
接する積層チップ部品2同士の粘着状態を解除する。す
なわちシリンダ41を作動させてシリンダ内にシリンダ
ロッド42を収納し下金型12を外部に引き出す。そし
て露出した下金型12上に、図9に示すような前工程で
予め所定位置に切れ目が形成された積層ブロック1を位
置合わせをしつつ設置する。次いで、シリンダ41を上
記と逆に動作させてシリンダロッド42を突出させ、下
金型12を上金型11の下方に位置させる。その状態
で、上記したのと同様の処理を行い第1の分離装置10
を動作させ、ブランク4を上金型11側に吸着させると
ともに、密着状態が解消された積層チップ部品2が下金
型12上に保持される。なお、係る工程は、上記したの
と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0073】次に、第2の分離装置を動作させ、積層チ
ップ部品同士を離すとともとに、整列させる分離工程を
行う。つまり、シリンダロッド42を収納する方向にシ
リンダ41を動作させ、下金型12を上金型11の下方
から、作業台35の方向に移動させる。これにより、下
金型12は、図5,6に示す状態に位置し、上金型11
の下方には、下金型12と連動して移動する滑り板34
が、水平状態を保持しつつ位置する。そして、上金型1
1の吸引処理を停止する。すると、上金型11により吸
着されていたブランクは、上金型11から離れて、滑り
板43上に位置する。係るブランクは、滑り板43上の
ヒンジ部43bより下金型12と反対方向に離れた位置
に配置される。
【0074】次いで、3軸ロボット60を動作させ、バ
キュームヘッド66を下金型12の上方に移動させる。
このとき、バキュームヘッド66を構成するX軸ヘッド
66aが積層チップ部品形成領域の上方で、所定のX方
向の1列に並んだ積層チップ部品2の上方に位置するよ
うに移動させる。本例では、端から順に移し替えるの
で、図8に示すように、図中一番上側の一列の積層チッ
プ部品2にX軸ヘッド66aを対向させる。そして、Z
軸移動装置63を作動させてX軸ヘッド66aを下降移
動刺せ、一列目の積層チップ部品2に当接させる。その
状態で吸引しX軸ヘッド66aに積層チップ部品2を吸
着させる。
【0075】そして、3軸ロボット60を動作させて、
1列の積層チップ部品2を吸着したX軸ヘッド66a
を、拡張トレー51の上面に移動させる。具体的には、
拡張トレー51の対応する溝54の上方に位置させる。
そして、一列の積層チップ部品2を溝54内に挿入す
る。その挿入は、突起55よりも手前側から積層チップ
部品2を挿入し、溝54内で積層チップ部品2を突起5
5側に向けて移動させる。そして突起55に突き当たる
まで行う。
【0076】X軸ヘッド66aを下金型12と拡張トレ
ー51の間を往復移動させながら、上記処理を各列ごと
に順に行う(図示の例では,,…というように数字
の順に行う)。そして、各積層チップ部品を対応する溝
54内に挿入することにより、隣接する積層チップ部品
の列は隣接する溝54間の間隔に対応する距離だけ離れ
る。これにより、各列の積層チップ部品2の先端は、突
起55に当接するので、各列の位置合せが行われ、Y軸
方向にも所定距離をおいて整列することになる(図8
(B))。この様に、下金型12から拡張トレー51に
全ての積層チップ部品を移し替えると、各積層チップ部
品2は、Y軸方向に所定距離だけ離れ、X軸方向には接
触するような位置関係で整列されることになる。
【0077】次に,3軸ロボット60を作動させて、Y
軸ヘッド66bを拡張トレー51の上面に並べられた積
層チップ部品2の上方に位置させる。具体的には、Y軸
方向に並んだ所定の1列の積層チップ部品(隣接する積
層チップ部品は離れている)の上に位置させる。この状
態でZ軸移動装置63を作動させてバキュームヘッド
(Y軸ヘッド66b)を下降させ、対向する積層チップ
部品2に当接させる。これにより、積層チップ部品2は
値Y軸ヘッドに吸着保持される。
【0078】次いで、Z軸移動装置63を上記と逆方向
に作動させてバキュームヘッド66を上昇させるととも
に、X軸移動装置61を作動させて、バキュームヘッド
(Y軸ヘッド66b)を、第1の分離装置10側に移動
させる。これにより、積層チップ部品2は、斜め後方
(突起55と反対側)に向けて上昇する。さらに、同図
(B),(C)に示すように、Y軸方向の各列の積層チ
ップ部品の移し替えは、′,′,…というように、
後側より順に行う。従って、拡張トレー51内の各溝5
4から各積層チップ部品2が引き上げられる際には、そ
の前方に隣接する積層チップ部品に対して交替しながら
上昇するので、スムーズに溝から引き上げることがで
き、残った積層チップ部品2は溝54内に整列状態で収
納されたままとなる。
【0079】そして、バキュームヘッド66を搬送トレ
ー52の上方に移動させ、Y軸ヘッド66bの吸引を止
める。すると、Y軸ヘッド66bに吸引されていた各積
層チップ部品がY軸ヘッド66bから離れ、係る搬送ト
レー52の上面に積層チップ部品形成領域のY軸方向に
平行な一列が配置される。このとき、各列を搬送トレー
52上に配置する際に、図8(C)に示すように、X軸
方向に所定の距離をおきながら配置する。
【0080】よって、各積層チップ部品2はX,Y方向
にそれぞれ所定の距離だけ離れた整列状態で分離され、
搬送トレー52の上面に並べられる。なお、各積層チッ
プ部品2は、この後、搬送トレー52ごと移動されて、
次の印刷工程に使用される。
【0081】そして、下金型12の上面には新たな積層
ブロックを配置し、係る下金型12を上金型11の下方
に移動させる。これにともない、下金型12に取り付け
られた滑り板43も移動し、ヒンジ部43bが、第1ロ
ーラ46aよりも外側に位置する。すると、滑り板43
は折れ曲がり、他端43cが下方傾斜する。よって、滑
り板43の上面に配置されていたブランクは滑り落ちて
除去される。
【0082】なお、上記した各実施の形態では、第1の
分離装置10単体及び第1の分離装置と第2の分離装置
をともに実装した2つの例について説明したが、本発明
はこれに限ることはなく、第2の分離装置単体及びその
第2の分離装置を用いた分離方法の部分のみでももちろ
んよい。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る積層チップ
部品の分離方法及び装置では、ブランクを除去し、同時
に、隣り合った積層チップ部品同士の高さ位置を1度ず
らすことにより、隣り合った積層チップ部品同士の粘着
力を解除することができる。しかも、積層ブロックに加
わる力は、厚み方向であるので、積層ブロックは折れ曲
がることがなく、積層チップ部品を移動させる際に余分
な力をかけることなく移動することができる。
【0084】このとき、X軸に平行となる列の積層チッ
プ部品を全て移動させ、かつ、各X軸に平行な列同士を
所定距離だけ移動させ、また,Y軸に平行となる列の積
層チップ部品を全て移動させ、かつ、各Y軸に平行な列
同士を所定距離だけ移動させているので、最終的に積層
チップ部品同士は所定距離だけ離された位置に、X軸,
Y軸に整列されて配置される。そのため、各積層チップ
部品に対して印刷作業が行いやすくなり、誘電体フィル
タ等を製造する製造時間が短縮され、生産性が良好とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層チップ部品の分離装置の分離
装置の1例を示す図である。
【図2】本発明に係る積層チップ部品の分離方法におい
て、ブランク除去の方法を説明するための図である。
【図3】上側ピンの形成位置を示す図である。
【図4】本発明に係る積層チップ部品の分離方法を説明
するための図である。
【図5】本発明に係る積層チップ部品の分離装置の形態
を示す正面図である。
【図6】本発明に係る積層チップ部品の分離装置の形態
を示す平面図である。
【図7】拡張トレーの表面を拡大した図である。
【図8】第2の分離装置の作用を説明する図である。
【図9】分離前の積層チップ部品の整列状態を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 分離装置(第1の分離装置) 11 上金型 12 下金型 14 ベースプレート 14a 上側ピン 16 上側ブランク除去部 24 ベースプレート 24a 下側ピン 25 下側受け台 26 下側ブランク除去部 51 拡張トレー 52 搬送トレー 66 バキュームヘッド 66a X軸ヘッド 66b Y軸ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−283281(JP,A) 特開 平3−173108(JP,A) 特開 平3−157910(JP,A) 特開 平3−151615(JP,A) 特開 昭64−46905(JP,A) 特開 昭59−177913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲に枠状のブランク(4)を有し、そ
    のブランクで囲まれた領域(3)内に、縦横方向に複数
    の積層チップ部品(2)が配置され、かつ、各積層チッ
    プ部品を仕切る位置には予め切り込みが形成されている
    ものの隣接する積層チップ部品が相互に粘着状態にある
    未焼結の積層ブロック(1)に対し、 前記ブランクを表裏両面から挟持するとともに、前記領
    域(3)を基準としてその厚み方向に少なくとも前記積
    層ブロックの厚み分移動させて前記領域から離脱させ、 一方、前記複数の積層チップ部品のうち、縦方向及び横
    方向にそれぞれ1個おきに該当する前記積層チップ部品
    に対してその表面側より上側ピン(14a)を接触させ
    るとともに、残り積層チップ部品に対してその裏面側よ
    りピンを接触させ、その状態で表裏両側に位置する下側
    ピン(24a)を相対的に前進移動させて、隣接する積
    層チップ部品を厚み方向で反対方向に移動させて粘着状
    態を解除するようにした積層チップ部品の分離方法。
  2. 【請求項2】 水平平面内で縦横方向に接触状態で配置
    された複数の積層チップ部品(2)を、縦横方向にそれ
    ぞれ所定距離だけ離した状態で整列する分離方法であっ
    て、 前記複数の積層チップ部品のうち横方向に並んだ1列分
    の積層チップ部品を保持するとともに、次の配置箇所
    (51)に移し替える処理を1列単位で繰り返し行い、
    かつ、その移し替える際に隣接する横方向の各列の積層
    チップ部品を縦方向に所定距離だけ離すようにした第1
    の処理ステップと、 前記第1の処理ステップを実行して移し替えられ、縦方
    向に離された複数の積層チップ部品に対し、横方向に並
    んだ1列分の積層チップ部品を保持するとともに、次の
    配置箇所(52)に移し替える処理を1列単位で繰り返
    し行い、かつ、その移し替える際に隣接する縦方向の各
    列の積層チップ部品を横方向に所定距離だけ離すように
    した第2の処理ステップとを行うようにした積層チップ
    部品の分離方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の分離方法を実行して得
    られた、水平平面内で縦横方向に粘着状態が解除された
    状態で接触する複数の積層チップ部品に対し、請求項2
    に記載の分離方法を実行するようにした積層チップ部品
    の分離方法。
  4. 【請求項4】 周囲に枠状のブランク(4)を有し、そ
    のブランクで囲まれた領域(3)内に、縦横方向に複数
    の積層チップ部品(2)が配置され、かつ、各積層チッ
    プ部品を仕切る位置には予め切り込みが形成されている
    ものの隣接する積層チップ部品が相互に粘着状態にある
    未焼結の積層ブロック(1)の各部位に対して厚み方向
    に押圧することにより、前記ブランクを除去するととも
    に隣接する前記積層チップ部品の粘着状態を解除する第
    1の分離装置(10)と、 水平平面内で縦横方向に接触状態で配置された複数の積
    層チップ部品を、縦横方向にそれぞれ所定距離だけ離し
    た状態で整列する第2の分離装置とを備え、 前記第1の分離装置は、前記所定の積層チップ部品に当
    接可能な下方に向けて突き出される複数の上側ピン(1
    4a)と、その上側ピンを昇降移動させる機構(17,
    19,20,22)と、外周に配置され前記ブランクに
    当接可能な上側ブランク除去部(16)を有する上金型
    (11)と、 上方に向けて突き出される複数の下側ピン(24a)
    と、前記上側ピンより受けた力により下方に押し下げら
    れる下側受け部(25)と、外周に配置され前記ブラン
    クに当接可能な下側ブランク除去部(26)を有する下
    金型(12)とを備え、 前記第2の分離装置は、積層チップ部品形成領域(3)
    を構成する複数の積層チップ部品(2)のX軸列を保持
    するX軸ヘッド(66a)と、複数の積層チップ部品の
    Y軸列を吸着するY軸ヘッド(66b)を有するヘッド
    (66)と、 そのヘッドを3次元上の任意の位置に移動させる移動手
    段(60)と、 前記ヘッドにより移動された積層チップ部品を、Y軸方
    向に離した状態で一時的に整列配置するための拡張トレ
    ー(51)とを備えたことを特徴とする積層チップ部品
    の分離装置。
  5. 【請求項5】 前記下金型に、先端が傾斜可能な受け板
    (43)を取り付け、 かつ、前記下金型を水平移動して前記上金型の下方に位
    置する時には前記受け板の先端が傾斜し、 前記下金型を逆方向に移動して前記受け板が前記上金型
    の下方に位置する時には前記受け板が水平状態を保つよ
    うにしたことを特徴とする請求項4に記載の積層チップ
    部品の分離装置。
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