JP3421387B2 - 抵抗溶接機の電極間電圧測定装置及び測定方法 - Google Patents

抵抗溶接機の電極間電圧測定装置及び測定方法

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JP3421387B2 JP14203793A JP14203793A JP3421387B2 JP 3421387 B2 JP3421387 B2 JP 3421387B2 JP 14203793 A JP14203793 A JP 14203793A JP 14203793 A JP14203793 A JP 14203793A JP 3421387 B2 JP3421387 B2 JP 3421387B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワークを挟んだ2つ
の電極間に溶接用電流を流してそのジュール熱によって
そのワークの溶接を行う抵抗溶接機における両電極間の
電圧を測定する装置及び方法に関するものである。そし
て、特に、両電極間に流される溶接用電流が時間的に変
化するものであって、各電極に接続されたリード線によ
って両電極間の電圧を測定しようとするとその溶接用電
流によってそのリード線に誘導電圧が生じる場合におい
て、その誘導電圧成分を含まない正確な電極間電圧を測
定する装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4に示すように、抵抗溶接機40で
は、2つの電極44a,44b間に2つのワークW,W
が挟まれ、両電極44a,44b間に大きな溶接用電流
iが流され、その電流iによって生じたジュール熱によ
って両ワークW,Wが溶接される。そして、かかる抵抗
溶接溶接機による溶接の途中においては、その溶接の段
階において両電極44a,44b間の電圧が変化するこ
とがわかっている。このため、その電極間電圧を測定す
ることによって、その時点において溶接がどの段階まで
進んでいるかがわかるのである。そして、溶接段階に応
じて電極44a,44bの加圧等を適宜行うことによっ
て、良好な溶接を行うことができるのである。
【0003】したがって、そのためには両電極44a,
44b間の電圧を正確に測定することが必要である。し
かしながら、図4中のアーム42aから電極44a,4
4b間を通ってアーム42bを流れる溶接用電流iが時
間的に変化するものの場合においては、各電極44a,
44bに接続されたリード線72a,72bを各アーム
42a,42bに這わせてその検出端74a,74b間
の電圧を検出すると、その検出電圧Vは次のようにな
る。 V=V0 +M・di/dt ここで、V0 は電極間電圧であり、V0 =R・iと表さ
れる(Rは電極間抵抗である)。Mはリード線72a,
72bとアーム42a,42bとの間の相互インダクタ
ンスである。すなわち、検出電圧Vは、電極間電圧V0
=R・iのみでなく、両アーム42a,42bを流れる
電流iによって両リード線72a,72bに誘導される
誘導電圧M・di/dtが加算された値となる。この誘
導電圧成分が含まれているため、電極間電圧V0 を正確
に求めることはできないのである。
【0004】このような背景の下、電極間電圧V0 を求
めることを目的とした装置が、特開昭62−10138
6号公報に開示されている。この装置では、ロゴスキー
コイルによって溶接用電流iの微分値e(t)=−M′
・di/dtが求められ(公報では−M・di/dtと
表されている)、それが増幅器で増幅率αで増幅されて
α・e(t)=−α・M′・di/dtとされる。そし
て、この値が前述の検出電圧V=V0 +M・di/dt
(公報ではV 0 +K・di/dtと表されている)に加
算されて次のようにされる。 V+α・e(t)=V0 +M・di/dt−α・M′・di/dt =V0 +(M−α・M′)・di/dt そして、増幅率αの値がα=M/M′と設定されること
によって、電極間電圧V0 が、V+α・e(t)=V0
=R・iと求められるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に記載の装置では、増幅器における増幅率αの値を
α=M/M′と設定する方法が開示されていない。この
ため、何度も試行錯誤的に増幅率αの値を変更し、誘導
成分(M−α・M′)・di/dtがゼロとなるように
導いていくしかない。しかし、それでは、その手順が非
常に煩雑であり、正確に電極間電圧V0 =R・iを求め
ることが困難となる。
【0006】そこで、本発明は、抵抗溶接機の電極間電
圧を容易に測定することができる装置及び方法を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、図1に模式的に示すよう
に、ワークWを挟んだ2つの電極A,A間に時間的に変
化する電流を流してそのジュール熱によってワークWの
溶接を行う抵抗溶接機における両電極A,A間の電圧を
測定する装置B1であって、各電極A,Aに接続された
リード線L,Lの検出端間の電圧を検出する電圧検出手
段C1と、両電極A,A間を流れる電流を時間的に微分
した値を検出する電流微分値検出手段D1と、電流微分
値検出手段D1によって検出された電流微分値を増幅す
る増幅手段E1と、電圧検出手段C1によって検出され
た電圧の値と増幅手段E1によって増幅された電流微分
値との差である減算値を算出する減算手段F1と、前記
減算値を時間的に微分する微分手段G1と、微分手段G
1によって微分された値の極性を判断する極性判断手段
H1と、極性判断手段H1による判断結果に基づいて増
幅手段E1における増幅率を適宜変更する増幅率変更手
段I1と、増幅率変更手段I1による増幅率の変動が平
滑化されたときにおける減算値を両電極A,A間の電圧
として取り出す電圧取出手段J1とを有することを特徴
とする。
【0008】また、請求項2に係る発明は、同じく図1
に模式的に示すように、請求項1に係る発明に対して、
電圧検出手段C1によって検出された検出端間電圧の極
性を適宜切り換える電圧極性切換手段Kと、電流微分値
検出手段D1によって検出された電流微分値の極性を適
宜切り換える電流微分値極性切換手段Pとが付加された
ことを特徴とする。
【0009】また、請求項3に係る発明は、図2に模式
的に示すように、ワークWを挟んだ2つの電極A,A間
に時間的に変化する電流を流してそのジュール熱によっ
てワークWの溶接を行う抵抗溶接機における両電極A,
A間の電圧を測定する方法B2であって、各電極A,A
に接続されたリード線L,Lを用いて両電極A,A間の
電圧を検出する電圧検出段階C2と、両電極A,A間を
流れる電流を時間的に微分した値を検出する電流微分値
検出段階D2と、電流微分値検出段階D2で検出された
電流微分値を増幅する増幅段階E2と、電圧検出段階C
2で検出された電圧の値と増幅段階E2で増幅された電
流微分値との差である減算値を算出する減算段階F2
と、前記減算値を時間的に微分する微分段階G2と、微
分段階G2において微分された値の極性を判断する極性
判断段階H2と、極性判断段階H2における判断結果に
基づいて増幅段階E2における増幅率を適宜変更する増
幅率変更段階I2と、増幅率変更段階I2による増幅率
の変動が平滑化されたときにおける減算値を両電極A,
A間の電圧として取り出す電圧取出段階J2とを有する
ことを特徴とする。
【0010】また、請求項4に係る発明は、同じく図2
に模式的に示すように、請求項3に係る発明において、
増幅率変更段階I2が、極性判断段階H2が実行される
ごとに増減幅を半減させて増幅段階E2の増幅率を変更
するものであることを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1に係る発明においては、まず、電圧検
出手段C1によって、各電極A,Aに接続されたリード
線L,Lの検出端間の電圧が検出される。検出端間電圧
には、両電極A,A間の電圧のみでなく、電極A,A間
に流される電流によってリード線L,Lに生じた誘導電
圧成分が含まれている。一方、電流微分値検出手段D1
によって、両電極A,A間を流れる電流を時間的に微分
した値が検出され、それが増幅手段E1によって増幅さ
れて増幅電流微分値とされる。そして、その検出端間電
圧と増幅電流微分値との差である減算値が減算手段F1
によって算出され、その減算値が微分手段G1によって
時間的に微分される。この微分値の極性は、増幅手段E
1における増幅率が適切な値よりも大きいか小さいかを
示すものであり、それが極性判断手段H1によって判断
され、その判断結果に基づいて増幅率変更手段I1によ
ってその増幅率が適宜変更される。そして、その変動が
平滑化されたときにおける前記減算値が、前記検出端間
電圧から前記誘導電圧成分を含まない両電極A,A間の
電圧と一致するため、電圧取出手段J1によってその減
算値が電極間電圧として取り出される。このように、こ
の発明によれば、リード線L,Lの検出端間の検出端間
電圧から容易に誘導電圧成分が除去されて、両電極A,
A間の電圧が容易に測定されるのである。
【0012】また、請求項2に係る発明においては、電
圧検出手段C1によって検出されたリード線L,Lの検
出端間の電圧の極性が、電圧極性切換手段Kによって適
宜切り換えられる。また、電流微分値検出手段D1によ
って検出された電流微分値の極性が、電流微分値極性切
換手段Pによって適宜切り換えられ、その電流微分値が
増幅手段E1によって増幅される。すなわち、減算手段
F1においては各々適宜極性が切り換えられた値同士に
よって減算処理され、それ以後の処理がされるのであ
り、配線ミス等によって電圧検出手段C1においてリー
ド線L,Lの検出端間の電圧が本来の極性とは逆に検出
されたり、電流微分値検出手段D1において両電極A,
A間を流れる電流の微分値が本来の極性とは逆に検出さ
れた場合においても、両電極A,A間の電圧が容易に測
定されるのである。
【0013】また、請求項3に係る発明においては、請
求項1に係る発明の各手段C1〜J1による処理が、対
応する各段階C2〜J2において行われ、両電極A,A
間の電圧が容易に測定される。
【0014】また、請求項4に係る発明おいては、極性
判断段階H2が実行されるごとに、増幅率変更段階I2
における増幅段階E2の増幅率の変更が、その増減幅を
半減するようにして行われる。これは一般に2進木検索
法とよばれるものであり、増幅段階E2における増幅率
の変動が最短時間で平滑化される。このため、両電極
A,A間の電圧が迅速に測定される。
【0015】
【実施例】
<第1実施例>次に、請求項1,3及び4の発明を具体
化した実施例を図3〜図6に基づいて説明する。この装
置は、図3に示すように、CPU10及び各種の回路1
2,14,16等を有している。そのうちの抵抗溶接機
40(図3中符号なし)は、図4に示すように、1対の
アーム42a,42bを有し、その先端には電極44
a,44b(電極A,Aに該当する)が設けられている
(図3も参照)。そして、図3中の電源回路30及びス
イッチング回路32によって、アーム42aから電極4
4a,44b間を経てアーム42bに溶接用電流iが流
され、両電極44a,44b間に挟まれたワークW,W
において発生したジュール熱によって両ワークW,Wが
溶接されるのである。
【0016】まず、図3中の電源回路30及びスイッチ
ング回路32について、図5に基づいて説明する。交流
電源50からの電流は、整流回路52によって整流され
て脈流とされ、コンデンサ54によって平滑化され、ト
ランジスタ回路56を流れる。トランジスタ回路56の
トランジスタ58a及びトランジスタ58bには、イン
バータ制御のためのパルス状のスイッチング信号を出力
するスイッチング回路32が接続されている。スイッチ
ング回路32では、両信号出力線60a,60bともか
らオフ信号が出力される時間を挟んで、各信号出力線6
0a,60bから交互にオン信号が出力される。これに
よって、順に、トランジスタ58aがオン,両トランジ
スタ58a,58bがオフ,トランジスタ58bがオ
ン,両トランジスタ58a,58bがオフとされ(以
下、トランジスタ58a,58bの一方がオン状態のこ
とをトランジスタ58がオン状態であるといい、両トラ
ンジスタ58a,58bともオフ状態のことをトランジ
スタ58がオフ状態であるという)、変圧器62の1次
コイル64側では、どちらの方向へも電流が流れない時
間を挟んで各方向へ交互へ電流が流れる。そして、その
変圧器62及びダイオード66を経て、電極44a,4
4b間には、図6(1) に示すように、変圧され整流され
かつかなり平滑化された溶接用電流iが流れる。タイミ
ングt1・t2間でトランジスタ58がオフ状態であ
り、タイミングt2・t3間でオン状態であり、タイミ
ングt3・t4間でオフ状態であり、タイミングt4・
t5間でオン状態というように、交互にオンオフ状態が
繰り返される。すなわち、変圧器62のコイル等の平滑
作用によって、トランジスタ58がオン状態とされると
徐々に電流iが増加していき、オフ状態とされると徐々
に電流iが減少していくのであり、電流iの値は図示の
ように三角波状となるのである。このように、溶接用電
流iは時間的に変化するのである。
【0017】図3に示すように、一方の電極44aには
トロイダルコイル70が設けられており、それに基づい
て電流微分値検出回路12(電流微分値検出手段D1に
該当する)によって、電極44a,44b間を流れる溶
接用電流iを時間的に微分した値(電流微分値)di/
dtが検出される。その検出結果は図6(2) のとおりで
ある。すなわち、前述のようにトランジスタ58のオン
オフに対応して電流iが三角波状とされているため、d
i/dtの値は、トランジスタ58がオン状態であるt
2・t3間,t4・t5間,…,t14・t15間,…
は正の値となり、トランジスタ58がオフ状態であるt
1・t2間,t3・t4間,…,t13・t14間,…
は負の値となる。そして、トランジスタ58のオンから
オフへの切換時であるタイミングt2,t4,…,t1
4,…では電流微分値di/dtは急激に増加し(その
傾きd2 i/dt2 は非常に大きな正の値である)、ト
ランジスタ58のオフからオンへの切換時であるタイミ
ングt3,t5,…,t15,…では急激に減少してい
る(その傾きd2 i/dt2 は絶対値が非常に大きな負
の値である)。
【0018】また、図3〜図5に示すように、各電極4
4a,44bにはリード線72a,72b(リード線
L,L)が接続されており、各リード線72a,72b
は各アーム42a,42bを這わせられ、その検出端7
4a,74bは電圧検出回路14(電圧検出手段C1に
該当する)に接続されている。その検出端間電圧Vは次
式で表され、その検出結果は図6(3) のとおりである。 V=V0 +M・di/dt ここで、V0 は電極間電圧であり、V0 =R・iと表さ
れる(Rは電極間抵抗である)。また、Mはリード線7
2a,72bとアーム42a,42bとの間の相互イン
ダクタンスである。すなわち、リード線72a,72b
においてはアーム42a,42bを流れる溶接用電流i
によって誘導電圧M・di/dtが生じるため、両リー
ド線72a,72bの検出端74a,74b間には、電
極間電圧V0 にその誘導成分が加算された電圧が検出さ
れるのである。
【0019】図6(2) のように検出された電流微分値d
i/dtの値は、増幅回路16(増幅手段E1に該当す
る)において増幅度αで増幅され、次式に示す増幅電流
微分値ADが出力される。 AD=α・di/dt この増幅電流微分値ADの検出結果は図6(4) のとおり
である。図6(4) では、後述するように増幅率αの値が
時間的に変化させられている。
【0020】減算回路18(減算手段Fに該当する)に
おいては、電圧検出回路14で検出された検出端間電圧
Vの値(図6(3) )から、増幅電流微分値ADの値(図
6(4) )が減算され、次式に示す減算値Sが出力され
る。その減算値Sの検出結果は図6(5) のとおりであ
る。 S=V−AD =V0 +M・di/dt−α・di/dt =V0 +(M−α)di/dt
【0021】この減算値Sは、微分回路20(微分手段
G1に該当する)によって微分され、次式に示す減算微
分値DSが出力される。その減算微分値DSの検出結果
は図6(6) のとおりである。 DS=dS/dt =dV0 /dt+(M−α)d2 i/dt2
【0022】この減算微分値DSは、極性検出回路22
(極性検出手段H1に該当する)に入力され、その極性
(正負)が検出され、次のように、増幅回路16におけ
る増幅率αの値がMの値となるように調整される(それ
が増幅率変更手段I1に該当する)。この調整は2進木
検索法によってなされる。2進木検索法とは、増幅率α
の全範囲nをまず半分に分けて、増幅率αの値をその中
央値n/2であると仮定する。そして、種々の処理の結
果から増幅率αの値はn/2よりも小さい値であるべき
と判断された場合は、増幅率αは全範囲nの前半部分の
中央値であるn/4であると仮定する。そして、次に、
増幅率αの値がn/4よりも大きな値であるべきと判断
された場合は、n/4とn/2との間の中央値である3
n/8であると仮定する。このような判断を繰り返すこ
とによって、増幅率αの値は適切な値に最も速く落ち着
くのである。すなわち、増幅率αの範囲がnであるとき
に、上記の処理を行う回数はNは、N=log2nで済むの
である。この実施例の場合、増幅率αの値が0〜255
とされる。すると、その範囲nが256=28 であるた
め、N=8となり、8回の繰り返し処理で済むのであ
る。このことは、同時に、増減幅は毎回半減されてゆく
ことに相当する。前述の場合、極性判断が実行されるご
とに、n/4,n/8,n/16,…の幅で増減してゆ
くのである。
【0023】まず、タイミングt2では、増幅率αの値
は0〜256の中央値の128とされる。その際、前述
したように、図6(2) のグラフにおけるタイミングt3
におけるdi/dtの傾きから、d2 i/dt2 は絶対
値の大きな負の値である。それはタイミングt5,t
7,t9,…t15,…においても同様であり、これら
のタイミングにおいては減算微分値DSの第1項dV0
/dt=d(i・R)/dt=R・di/dtはほとん
ど無視できる。一方、タイミングt3における減算微分
値DSの値は図6(6) から明らかなように大きな正の値
である。このことから、減算微分値DSにおける(M−
α)の値は負であり、増幅率αの値は128では大きす
ぎたことがわかる。このため、タイミングt4におい
て、増幅率αの値は0〜128の中央値の64とされ
る。増幅率αを64にした状態において、タイミングt
5における減算微分値DSの極性が判断される。この例
ではプラスであり(図6(6) )、64が大きすぎたこと
を示している。このため、タイミングt6において、増
幅率αの値は、0〜64の中央値の32とされる。する
と、タイミングt7において減算微分値DSの極性が負
であると検出されている。このため、増幅率αの値は3
2では小さすぎたことがわかる。このため、タイミング
t8において、増幅率αの値は、32〜64の中央値の
48であるとされる。すると、タイミングt9において
も減算微分値DSの極性が負であると検出され、48で
も小さすぎたことがわかる。このため、タイミングt1
0において、増幅率αの値は、48〜64の中央値の5
6とされる。このようにして、タイミングt12・t1
4間の増幅率αの値は60,タイミングt14・t16
間は62,タイミングt16・t18間は63となり、
その後は交互62と63となる。このようにして、増幅
率αの値は、62または63として平滑化される。
【0024】そして、以上のようにして増幅率αの値が
平滑化された際のタイミング(タイミングt16以降)
においては、減算値Sにおける相互インダクタンスMの
値と増幅率αの値が等しいこととなる。このため、その
タイミングにおける減算値Sの第2項である(M−α)
di/dtの値はゼロとなり、減算値Sの値は、S=V
0 となり、電極間電圧V0 =i・Rの値が求められるの
である。
【0025】以上のように、この装置及び方法によれ
ば、誘導電圧成分を含まない電極間電圧を容易に測定す
ることができるのである。
【0026】<第2実施例>次に、請求項2の発明を具
体化した実施例を、同じく図3〜図6に基づいて、、第
1実施例との相違点を中心に説明する。図3に示すよう
に、この装置では、電流微分値検出回路12と増幅回路
16との間に、極性検出回路90及び極性切換回路92
(電流微分値極性切換手段Pに該当する)が付加されて
いる。また、電圧検出回路14と減算回路18との間に
も、極性検出回路94及び極性切換回路96(電圧極性
切換手段Kに該当する)が付加されている。そして、各
極性検出回路90,94では、図6(2),(3) 中のタイミ
ングt2のトランジスタ58のオフからオンへの切換時
直後における電流微分値di/dt及び検出端間電圧V
の極性が検出される。そして、各極性切換回路92,9
6においては、タイミングt2直後でのそれらの極性が
正となるように、適宜それらの極性の反転が行われる。
すなわち、図6(2),(3) においては、タイミングt2直
後ののトランジスタ58のオフからオンへの切換時直後
の電流微分値di/dt及び検出端間電圧Vの極性は正
であるため、両値ともそのままとされるが、もし負であ
ればそれが正となるようにタイミングt2以降の極性が
反転されるのである。
【0027】このため、この装置では次のような効果が
ある。各電極44a,44bに接続されたリード線72
a,72bの検出端74a,74bが、配線ミス等によ
って電圧検出回路14に対して逆に接続された場合にお
いては、その検出端間電圧VはV=−V0 −M・di/
dtと、前述とは正負が逆になる。また、電流微分値検
出回路12においても接続が逆であれば、電流微分値d
i/dtが前述とは正負が逆になる。しかしながら、こ
の装置によれば、このような場合においても、自動的に
その極性が切り換えられ、減算回路18以降の処理が円
滑に行われるのである。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、誘導成分が除去された
両電極A,A間の電圧を容易に測定することができる。
このため、その電圧によって溶接がどの段階まで進んで
いるかがわかり、それに応じて電極A,Aの加圧等を適
宜行うことによって、ワークWを良好に溶接することが
できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の発明の内容を模式的に
示したブロック図である。
【図2】請求項3及び請求項4の発明の内容を模式的に
示したブロック図である。
【図3】本発明の第1・第2実施例の装置の全体を示す
ブロック図である。
【図4】図3における抵抗溶接機40の要部を示す図で
ある。従来の一般的な抵抗溶接機40の説明図を兼ね
る。
【図5】図3における電源回路30及びスイッチング回
路32の具体的内容を示す配線図である。
【図6】図3中の各回路における検出値を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
12 電流微分値検出回路(電流微分値検出手段D1) 14 電圧検出回路(電圧検出手段C1) 16 増幅回路(増幅手段E1) 18 減算回路(減算手段F1) 20 微分回路(微分手段G1) 22 極性検出回路(極性判断手段H1) 92 極性切換回路(電流微分値極性切換手段P) 94 極性切換回路(電圧極性切換手段K)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/25 G01R 19/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを挟んだ2つの電極間に時間的に
    変化する電流を流してそのジュール熱によってそのワー
    クの溶接を行う抵抗溶接機における前記両電極間の電圧
    を測定する装置であって、 前記各電極に接続されたリード線の検出端間の電圧を検
    出する電圧検出手段と、 前記両電極間を流れる電流を時間的に微分した値を検出
    する電流微分値検出手段と、 前記電流微分値検出手段によって検出された電流微分値
    を増幅する増幅手段と、 前記電圧検出手段によって検出された電圧の値と前記増
    幅手段によって増幅された電流微分値との差である減算
    値を算出する減算手段と、 前記減算値を時間的に微分する微分手段と、 前記微分手段によって微分された値の極性を判断する極
    性判断手段と、 前記極性判断手段による判断結果に基づいて前記増幅手
    段における増幅率を適宜変更する増幅率変更手段と、 前記増幅率変更手段による増幅率の変動が平滑化された
    ときにおける前記減算値を前記両電極間の電圧として取
    り出す電圧取出手段とを有することを特徴とする抵抗溶
    接機の電極間電圧測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抵抗溶接機の電極間電
    圧測定装置であって、 前記電圧検出手段によって検出された検出端間電圧の極
    性を適宜切り換える電圧極性切換手段と、 前記電流微分値検出手段によって検出された電流微分値
    の極性を適宜切り換える電流微分値極性切換手段とが付
    加されたことを特徴とする抵抗溶接機の電極間電圧測定
    装置。
  3. 【請求項3】 ワークを挟んだ2つの電極間に時間的に
    変化する電流を流してそのジュール熱によってそのワー
    クの溶接を行う抵抗溶接機における前記両電極間の電圧
    を測定する方法であって、 前記各電極に接続されたリード線の検出端間の電圧を検
    出する検出端間電圧検出段階と、 前記両電極間を流れる電流を時間的に微分した値を検出
    する電流微分値検出段階と、 前記電流微分値検出段階で検出された電流微分値を増幅
    する増幅段階と、 前記電圧検出段階で検出された電圧の値と前記増幅段階
    で増幅された電流微分値との差である減算値を算出する
    減算段階と、 前記減算値を時間的に微分する微分段階と、 前記微分段階において微分された値の極性を判断する極
    性判断段階と、 前記極性判断段階における判断結果に基づいて前記増幅
    段階における増幅率を適宜変更する増幅率変更段階と、 前記増幅率変更段階による増幅率の変動が平滑化された
    ときにおける前記減算値を前記両電極間の電圧として取
    り出す電圧取出段階とを有することを特徴とする抵抗溶
    接機の電極間電圧測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の抵抗溶接機の電極間電
    圧測定方法であって、 前記増幅率変更段階は、前記極性判断段階が実行される
    ごとに増減幅を半減させて前記増幅段階の増幅率を変更
    するものであることを特徴とする抵抗溶接機の電極間電
    圧測定方法。
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