JP3421253B2 - アモルファス巻鉄心変圧器 - Google Patents
アモルファス巻鉄心変圧器Info
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- JP3421253B2 JP3421253B2 JP29176798A JP29176798A JP3421253B2 JP 3421253 B2 JP3421253 B2 JP 3421253B2 JP 29176798 A JP29176798 A JP 29176798A JP 29176798 A JP29176798 A JP 29176798A JP 3421253 B2 JP3421253 B2 JP 3421253B2
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- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、アモルファス磁性
材を用いた巻鉄心（本明細書中、「アモルファス巻鉄
心」という。）を有する変圧器及び巻鉄心の製造方法に
関する。 【０００２】 【従来の技術】変圧器は、高電圧・小電流の交流電力を
低電圧・大電流の交流電力に、また、その逆の変換を行
う機器であり、磁気回路を構成する鉄心と電気回路を構
成するコイルとを具備している。そして、鉄心の材料と
して、けい素鋼板以外にアモルファス磁性材料を使用す
ることが知られており、また、鉄心の構造として、積層
鉄心以外に鉄心材を巻回した巻鉄心が知られている。 【０００３】従来のアモルファス巻鉄心変圧器に使用す
る巻鉄心に関する技術としては、図３（ａ）〜（ｃ）に
示すものが上げられる。この技術は、切断し積層したア
モルファス薄帯１を、治具３、４ａ、４ｂにより成形、
拘束し焼鈍する。この焼鈍によりアモルファス巻鉄心１
を成形すると共に残留応力を取り除いている。その後、
拘束治具３、４ａ、４ｂを外し、コイル２に挿入、鉄心
開口部をラップして、鉄心コイル組立体とし、そして、
アモルファス巻鉄心変圧器とする。 【０００４】アモルファス巻鉄心は、アモルファス薄帯
積層体であり、薄帯間に空隙を有しているため、治具に
より成形、拘束する際、締め付けて空隙を減らしてい
る。アモルファス薄帯の積み厚方向の厚さ寸法により、
締め付ける度合いを管理している。従来は、締め付ける
部分によって締付量を変化させることは、考慮しておら
ず、全体を同一の締付量で締め付けていた。締め付ける
度合いは、アモルファス巻鉄心を締め付けた状態の鉄心
断面積に占める、アモルファス薄帯（材料）の真の断面
積の割合で示し、「占積率」で表示することができる。
例えば占積率８０％とは１００の断面積を持ったアモル
ファス巻鉄心の材料が占る真の断面積は８０と言うこと
になる。また、アモルファス薄帯の積み厚方向の厚さ寸
法による管理とは、次に示すような考えにより行ってい
る。 【０００５】幅Ｗのアモルファス巻鉄心の真の断面積を
Ｓとし、そして、占積率をＡ％とすると、締め付ける厚
さ寸法Ｔは、 Ｔ＝（Ｓ／Ｗ）／（Ａ／１００） となり、この厚さ寸法Ｔとなるように締め付けている。
なお、アモルファス巻鉄心の真の断面積Ｓは、アモルフ
ァス薄帯の重量、比重及び長さ等により求めることがで
きる。 【０００６】アモルファス巻鉄心変圧器は、けい素鋼板
を鉄心とした変圧器に比べ鉄心の占積率を約１０〜１５
％程低く設定する必要がある。これは、占積率を高く設
定すると、残留応力が残ることや、焼鈍の際アモルファ
ス薄帯間で焼き付き等が起って鉄損が著しく悪化するた
めである。 【０００７】また、アモルファス巻鉄心は飽和磁束密度
が低いため磁束密度を低く設定しなければならず、これ
らを考慮すると、アモルファス巻鉄心は、けい素鋼板の
鉄心に比べ約５０％断面積が大きくなる。 【０００８】このようなアモルファス巻鉄心を使用し、
そして、銅損をけい素鋼板変圧器と同等に設定する変圧
器は、電線も多く使用するため、全体として大型化せざ
るを得ないものとなっている。 【０００９】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、アモルファ
ス巻鉄心を使用することによる大型化を防いだ構造の変
圧器を提供することを目的とする。 【００１０】 【課題を解決するための手段】本発明は、アモルファス
材薄帯を多層に巻回したアモルファス巻鉄心と該アモル
ファス巻鉄心が挿入された複数のコイルを備えるアモル
ファス巻鉄心変圧器において、前記アモルファス巻鉄心
は、多層に積層したアモルファス材薄帯をＵ字状に変形
し、該Ｕ字状の先端を突き合せて成形型及び締付治具を
使用して成形し、コイルに挿入されるコア部を積層方向
に拘束し、焼鈍残留応力を取り除いて、前記コア部の占
積率を、該コイルに挿入されないヨーク部より高くし、
８８〜９６％としたアモルファス巻鉄心変圧器である。 【００１１】 【００１２】 【００１３】 【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態を説明
する。以下、本発明のアモルファス巻鉄心変圧器の一実
施例について、図１及び図２を用いて説明する。図１
は、実施例のアモルファス巻鉄心変圧器の巻鉄心の説明
図である。図２は、実施例のアモルファス巻鉄心変圧器
の巻鉄心の製造工程の説明図である。 【００１４】実施例１を説明する。本実施例のアモルフ
ァス巻鉄心変圧器に使用する巻鉄心１の構造の一例を図
１に示す。この巻鉄心１において、コア部１ａの占積率
はヨーク部１ｂより高くなっている。コア部１ａは、コ
イル内に挿入される部分であり、一方、ヨーク部１ｂ
は、コア部１ａ以外であり、コイルの外に出ている部分
である。 【００１５】本実施例のアモルファス巻鉄心におけるコ
ア部１ａの占積率をヨーク部１ｂより高くする方法の一
例を説明する。多層に積層したアモルファス材薄帯をＵ
字状に変形する（図２ａ参照）。次に、先端を突合せ、
成形型３及び治具４ａを使用して成形し拘束し（図２ｂ
参照）、焼鈍して残留応力を取り除く。その際、厚さ寸
法Ｔａの管理によりコア部１ａの占積率を８８〜９６％
とし、ヨーク部１ｂは拘束しない。これにより、コア部
１ａの占積率はヨーク部より高くすることができる。得
られた巻鉄心１をコイル２に挿入する（図２ｃ参照）。
そして、従来例と同様に組立てて、アモルファス巻鉄心
変圧器を製造する。得られたアモルファス巻鉄心変圧器
は、巻鉄心のコア部１ａの占積率が高いので鉄損を悪化
させるが、この悪化分をヨーク部１ｂの占積率の低さに
よる鉄損の低下分で打ち消すことができる。 【００１６】このように、コア部１ａの占積率を上げて
鉄損が悪化する部分を少なくすることで、鉄損の悪化を
押さえることができるため、巻鉄心１の大きさを抑制
し、コイル２の周長を短かくでき、電線の使用量を削減
することが可能となる。その結果、このアモルファス巻
鉄心を使用することにより、鉄心、コイルの大型化を押
えた変圧器構造を得ることができる。 【００１７】以上、アモルファス巻鉄心１のコア部１ａ
を成形型３及び治具４ａにより成形、拘束をし、そし
て、ヨーク部１ｂを拘束しない実施例を説明したが、図
３における従来例と同様に拘束し、その際、治具４ａの
拘束による厚さＴａの管理と治具４ｂの拘束による厚さ
Ｔｂの管理とを異なるようにすることによって、コア部
１ａの占積率がヨーク部１ｂより高くすることは可能で
ある。その際、コア部１ａの占積率は、８８〜９６％で
あることが好ましい。 【００１８】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アモルファス巻鉄心を使用することによる大型化を防い
だ構造の変圧器を得ることができる。
材を用いた巻鉄心（本明細書中、「アモルファス巻鉄
心」という。）を有する変圧器及び巻鉄心の製造方法に
関する。 【０００２】 【従来の技術】変圧器は、高電圧・小電流の交流電力を
低電圧・大電流の交流電力に、また、その逆の変換を行
う機器であり、磁気回路を構成する鉄心と電気回路を構
成するコイルとを具備している。そして、鉄心の材料と
して、けい素鋼板以外にアモルファス磁性材料を使用す
ることが知られており、また、鉄心の構造として、積層
鉄心以外に鉄心材を巻回した巻鉄心が知られている。 【０００３】従来のアモルファス巻鉄心変圧器に使用す
る巻鉄心に関する技術としては、図３（ａ）〜（ｃ）に
示すものが上げられる。この技術は、切断し積層したア
モルファス薄帯１を、治具３、４ａ、４ｂにより成形、
拘束し焼鈍する。この焼鈍によりアモルファス巻鉄心１
を成形すると共に残留応力を取り除いている。その後、
拘束治具３、４ａ、４ｂを外し、コイル２に挿入、鉄心
開口部をラップして、鉄心コイル組立体とし、そして、
アモルファス巻鉄心変圧器とする。 【０００４】アモルファス巻鉄心は、アモルファス薄帯
積層体であり、薄帯間に空隙を有しているため、治具に
より成形、拘束する際、締め付けて空隙を減らしてい
る。アモルファス薄帯の積み厚方向の厚さ寸法により、
締め付ける度合いを管理している。従来は、締め付ける
部分によって締付量を変化させることは、考慮しておら
ず、全体を同一の締付量で締め付けていた。締め付ける
度合いは、アモルファス巻鉄心を締め付けた状態の鉄心
断面積に占める、アモルファス薄帯（材料）の真の断面
積の割合で示し、「占積率」で表示することができる。
例えば占積率８０％とは１００の断面積を持ったアモル
ファス巻鉄心の材料が占る真の断面積は８０と言うこと
になる。また、アモルファス薄帯の積み厚方向の厚さ寸
法による管理とは、次に示すような考えにより行ってい
る。 【０００５】幅Ｗのアモルファス巻鉄心の真の断面積を
Ｓとし、そして、占積率をＡ％とすると、締め付ける厚
さ寸法Ｔは、 Ｔ＝（Ｓ／Ｗ）／（Ａ／１００） となり、この厚さ寸法Ｔとなるように締め付けている。
なお、アモルファス巻鉄心の真の断面積Ｓは、アモルフ
ァス薄帯の重量、比重及び長さ等により求めることがで
きる。 【０００６】アモルファス巻鉄心変圧器は、けい素鋼板
を鉄心とした変圧器に比べ鉄心の占積率を約１０〜１５
％程低く設定する必要がある。これは、占積率を高く設
定すると、残留応力が残ることや、焼鈍の際アモルファ
ス薄帯間で焼き付き等が起って鉄損が著しく悪化するた
めである。 【０００７】また、アモルファス巻鉄心は飽和磁束密度
が低いため磁束密度を低く設定しなければならず、これ
らを考慮すると、アモルファス巻鉄心は、けい素鋼板の
鉄心に比べ約５０％断面積が大きくなる。 【０００８】このようなアモルファス巻鉄心を使用し、
そして、銅損をけい素鋼板変圧器と同等に設定する変圧
器は、電線も多く使用するため、全体として大型化せざ
るを得ないものとなっている。 【０００９】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、アモルファ
ス巻鉄心を使用することによる大型化を防いだ構造の変
圧器を提供することを目的とする。 【００１０】 【課題を解決するための手段】本発明は、アモルファス
材薄帯を多層に巻回したアモルファス巻鉄心と該アモル
ファス巻鉄心が挿入された複数のコイルを備えるアモル
ファス巻鉄心変圧器において、前記アモルファス巻鉄心
は、多層に積層したアモルファス材薄帯をＵ字状に変形
し、該Ｕ字状の先端を突き合せて成形型及び締付治具を
使用して成形し、コイルに挿入されるコア部を積層方向
に拘束し、焼鈍残留応力を取り除いて、前記コア部の占
積率を、該コイルに挿入されないヨーク部より高くし、
８８〜９６％としたアモルファス巻鉄心変圧器である。 【００１１】 【００１２】 【００１３】 【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態を説明
する。以下、本発明のアモルファス巻鉄心変圧器の一実
施例について、図１及び図２を用いて説明する。図１
は、実施例のアモルファス巻鉄心変圧器の巻鉄心の説明
図である。図２は、実施例のアモルファス巻鉄心変圧器
の巻鉄心の製造工程の説明図である。 【００１４】実施例１を説明する。本実施例のアモルフ
ァス巻鉄心変圧器に使用する巻鉄心１の構造の一例を図
１に示す。この巻鉄心１において、コア部１ａの占積率
はヨーク部１ｂより高くなっている。コア部１ａは、コ
イル内に挿入される部分であり、一方、ヨーク部１ｂ
は、コア部１ａ以外であり、コイルの外に出ている部分
である。 【００１５】本実施例のアモルファス巻鉄心におけるコ
ア部１ａの占積率をヨーク部１ｂより高くする方法の一
例を説明する。多層に積層したアモルファス材薄帯をＵ
字状に変形する（図２ａ参照）。次に、先端を突合せ、
成形型３及び治具４ａを使用して成形し拘束し（図２ｂ
参照）、焼鈍して残留応力を取り除く。その際、厚さ寸
法Ｔａの管理によりコア部１ａの占積率を８８〜９６％
とし、ヨーク部１ｂは拘束しない。これにより、コア部
１ａの占積率はヨーク部より高くすることができる。得
られた巻鉄心１をコイル２に挿入する（図２ｃ参照）。
そして、従来例と同様に組立てて、アモルファス巻鉄心
変圧器を製造する。得られたアモルファス巻鉄心変圧器
は、巻鉄心のコア部１ａの占積率が高いので鉄損を悪化
させるが、この悪化分をヨーク部１ｂの占積率の低さに
よる鉄損の低下分で打ち消すことができる。 【００１６】このように、コア部１ａの占積率を上げて
鉄損が悪化する部分を少なくすることで、鉄損の悪化を
押さえることができるため、巻鉄心１の大きさを抑制
し、コイル２の周長を短かくでき、電線の使用量を削減
することが可能となる。その結果、このアモルファス巻
鉄心を使用することにより、鉄心、コイルの大型化を押
えた変圧器構造を得ることができる。 【００１７】以上、アモルファス巻鉄心１のコア部１ａ
を成形型３及び治具４ａにより成形、拘束をし、そし
て、ヨーク部１ｂを拘束しない実施例を説明したが、図
３における従来例と同様に拘束し、その際、治具４ａの
拘束による厚さＴａの管理と治具４ｂの拘束による厚さ
Ｔｂの管理とを異なるようにすることによって、コア部
１ａの占積率がヨーク部１ｂより高くすることは可能で
ある。その際、コア部１ａの占積率は、８８〜９６％で
あることが好ましい。 【００１８】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アモルファス巻鉄心を使用することによる大型化を防い
だ構造の変圧器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例のアモルファス巻鉄心変圧器に使用する
巻鉄心の説明図。 【図２】実施例のアモルファス巻鉄心変圧器の巻鉄心の
製造工程の説明図。 【図３】従来技術のアモルファス巻鉄心変圧器の巻鉄心
の製造工程の説明図。 【符号の説明】 １ アモルファス巻鉄心 ２ コイル ３ 成形型 ４ａ、４ｂ 締付治具
巻鉄心の説明図。 【図２】実施例のアモルファス巻鉄心変圧器の巻鉄心の
製造工程の説明図。 【図３】従来技術のアモルファス巻鉄心変圧器の巻鉄心
の製造工程の説明図。 【符号の説明】 １ アモルファス巻鉄心 ２ コイル ３ 成形型 ４ａ、４ｂ 締付治具
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 稲垣 勝敏
新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地１
株式会社日立製作所 産業機器事業部
内
(56)参考文献 特開 平６−283355（ＪＰ，Ａ)
特開 平10−256053（ＪＰ，Ａ)
特開 平５−217775（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
H01F 27/24
H01F 27/25
H01F 41/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 アモルファス材薄帯を多層に巻回したア
モルファス巻鉄心と該アモルファス巻鉄心が挿入された
複数のコイルを備えるアモルファス巻鉄心変圧器におい
て、前記 アモルファス巻鉄心は、多層に積層したアモルファ
ス材薄帯をＵ字状に変形し、該Ｕ字状の先端を突き合せ
て成形型及び締付治具を使用して成形し、コイルに挿入
されるコア部を積層方向に拘束し、焼鈍残留応力を取り
除いて、前記コア部の占積率を、該コイルに挿入されな
いヨーク部より高くし、８８〜９６％としたことを特徴
とするアモルファス巻鉄心変圧器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29176798A JP3421253B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | アモルファス巻鉄心変圧器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29176798A JP3421253B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | アモルファス巻鉄心変圧器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000124035A JP2000124035A (ja) | 2000-04-28 |
| JP3421253B2 true JP3421253B2 (ja) | 2003-06-30 |
Family
ID=17773164
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29176798A Expired - Lifetime JP3421253B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | アモルファス巻鉄心変圧器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3421253B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4638713B2 (ja) * | 2004-10-29 | 2011-02-23 | 一郎 笹田 | センサ用コイル及びそれを用いた磁気センサ |
| JP2023176086A (ja) | 2022-05-31 | 2023-12-13 | 株式会社日立製作所 | 静止電磁機器用鉄心 |
-
1998
- 1998-10-14 JP JP29176798A patent/JP3421253B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000124035A (ja) | 2000-04-28 |
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Legal Events
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