JP3420426B2 - 銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板 - Google Patents

銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスセラミック
磁器と同時焼成が可能な銅メタライズ組成物と、該銅メ
タライズ組成物を用いてガラスセラミック磁器と同時焼
成し、ガラスセラミック磁器の絶縁基体に銅(Cu)か
ら成る配線層を形成した、誘電率が低く、低抵抗の導体
を有する各種回路基板や高周波用多層配線基板等に好適
なガラスセラミック配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミナ質セラミックスは、
電気絶縁性や化学的安定性等の特性に優れていることか
ら半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージ
や、半導体素子の他に各種電子部品を搭載した混成集積
回路装置等の各種配線基板用絶縁基体として多用されて
いる。
【0003】近年、高周波化及び高密度化が進むICや
LSI等の半導体素子を搭載する配線基板には、前記ア
ルミナ質セラミックスから成る絶縁基体より更に低い誘
電率とより低い配線抵抗が要求されるようになり、該要
求に適用できる絶縁基体としてガラスセラミックスが、
また該ガラスセラミックスと同時焼成できる焼成温度が
低い低抵抗の導体として、例えば銅(Cu)、金(A
u)、銀(Ag)で配線層を形成することが注目され、
高周波化及び高密度化が進む通信分野で使用する配線基
板として前記ガラスセラミックスから成る絶縁基体と低
抵抗導体とを組合せたガラスセラミック配線基板の開発
がなされており、とりわけ前記低抵抗導体としてCuに
よる配線化が鋭意進められている。
【0004】係るガラスセラミック配線基板は、一般に
はガラスセラミック原料粉末と有機バインダー、溶媒か
ら成る泥漿をドクターブレード法等のシート成形方法で
成形し、得られたガラスセラミックグリーンシートにス
ルーホールを形成し、該スルーホールに銅メタライズ組
成物を含む銅ペーストを充填し、次に、前記グリーンシ
ート上に銅ペーストを用いて所定の配線パターンを印刷
形成した後、位置合わせして複数枚加圧積層し、該積層
体を加熱してバインダーの除去及びガラスセラミックグ
リーンシートと銅メタライズ組成物とを同時焼成するこ
とにより作製されていた。
【0005】前述のようにガラスセラミック磁器と同時
焼成可能な銅メタライズ組成物としては、銅メタライズ
組成物中にガラス粉末を含有するものが多く提案されて
おり、その一例として700℃以上の温度で溶融するガ
ラス粉末を5〜24体積%の割合で銅粉末と混合するこ
とが特開平5−243700号公報等に提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記銅
メタライズ組成物をガラスセラミックグリーンシート上
に印刷して同時焼成した場合、ガラス粉末の混合割合が
5体積%でも該ガラス粉末が焼成後の銅配線層表面に浮
いて残存し易く、後工程の半田濡れ性が悪いという課題
があった。
【0007】また、同時焼成する際、前記銅メタライズ
組成物とガラスセラミック磁器との焼結開始温度が異な
ると焼成過程での収縮のズレから、更に焼結終了温度が
相違して銅メタライズ組成物が先に緻密化するとガラス
セラミック磁器の収縮が抑制され、その結果、焼成後の
絶縁基体には大きな反りやうねり等の変形が発生すると
いう課題があり、例えば、縦50mm、横20mm、厚
さ1mmの寸法形状を有するガラスセラミック磁器の片
面のみに銅メタライズ層を形成した場合、その変形量が
0.5mmを越えるものであった。
【0008】その上、同時焼成後の銅配線層とガラスセ
ラミック磁器との界面における接着強度が、例えば、2
mm角の銅配線層に半田接合したリード線を接合面に対
して垂直に引っ張って評価するとその剥離荷重は3Kg
程度と低く、未だ充分とは言えず、更に接着強度の向上
及び安定化が必要であるという課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑みなされたもの
で、銅配線層とガラスセラミック磁器とを同時焼成する
ことができ、後工程の半田濡れ性等を阻害せず、かつガ
ラスセラミック磁器から成る絶縁基体の反りやうねり等
の変形を効果的に防止することができ、銅配線層とガラ
スセラミック磁器との界面の接着強度が高く、安定した
接着強度が得られる銅メタライズ組成物と、該銅メタラ
イズ組成物を用いて同時焼成し、ガラスセラミック磁器
の絶縁基体にCuから成る配線層を形成した、誘電率が
低く、低抵抗の導体を有する各種回路基板や高周波用多
層配線基板等に好適なガラスセラミック配線基板を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するための方法について検討した結果、銅メタラ
イズ組成物中にガラスセラミック磁器中のガラス成分の
粘性を低下させることができる金属酸化物を添加すると
ともに、Cuの焼結を遅らせることのできる無機物を同
時添加することにより、ガラスセラミック磁器と銅配線
層との接着強度を高く維持しながら、同時焼成後の銅配
線層への半田濡れ性が改善でき、絶縁基体の反り等の変
形も低減できることを知見したものである。
【0011】即ち、本発明の銅メタライズ組成物は、8
00〜1100℃でガラスセラミック磁器と同時焼成可
能なCuを主成分とする銅メタライズ組成物であり、該
組成物中に、前記ガラスセラミック磁器中のガラス成分
の粘性を同時焼成時に低下させることができる金属酸化
物として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びBの
内の少なくとも1種の酸化物を前記Cu100重量部に
対して0.1〜5.0重量部と、該Cuの焼結を遅らせ
ることができる無機物を0.1〜5.0重量部の割合で
含有することを特徴とするものである。
【0012】とりわけ、前記ガラスセラミック磁器中の
ガラス成分としてはSiO2 、Al2 3 、アルカリ土
類金属の酸化物及びB2 3 を含有するとともに、前記
金属酸化物がCaOであり、かつ前記無機物がAl2
3 、SiO2 、ZrO2 の内の少なくとも1種であるこ
とがより望ましいものである。
【0013】また、本発明のガラスセラミック配線基板
は、ガラスセラミック磁器中のガラス成分の粘度を低下
させることができる金属酸化物として、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、及びBの少なくとも1種の酸化物を
Cu100重量部に対して0.1〜5.0重量部と、前
記Cuの焼結を遅らせることができる無機物を0.1〜
5.0重量部含有した銅メタライズ組成物を、窒素雰囲
気中、800〜1100℃の温度でガラスセラミック磁
器と同時焼成して形成した銅配線層を有することを特徴
とするものである。
【0014】更に、前記ガラスセラミック配線基板は、
ガラスセラミック磁器中のガラス成分が、少なくともS
iO2 、Al2 3 、アルカリ土類金属の酸化物及びB
2 3 を含有するとともに、前記金属酸化物がCaOで
あり、かつ前記無機物がAl2 3 、SiO2 、ZrO
2 の内の少なくとも1種であることがより望ましいもの
である。
【0015】
【作用】本発明によれば、銅メタライズ組成物が、ガラ
スセラミック磁器中のガラス成分と反応し、該ガラス成
分の粘性を低下させ得る金属酸化物、即ち、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、及びBの内の少なくとも1種の
酸化物を含有し、更にCuの焼結を遅らせ得る無機物も
含有することから、800〜1100℃の温度で同時焼
成してもガラス成分が銅配線層表面に浮いて残存するこ
となく、しかも銅メタライズ組成物の収縮開始温度がガ
ラスセラミック磁器の収縮開始温度に近づき、ガラスセ
ラミック磁器中のガラス成分が前記無機物と反応して粘
性が低下し、銅メタライズ組成物中のCu粒子の隙間へ
浸透し、その結果、銅配線層の接着強度が向上するとと
もに、前記無機物によりCuの焼結の開始が遅らせられ
て焼成後の絶縁基体の反りやうねり等の変形が極めて小
さいガラスセラミック配線基板を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の銅メタライズ組成
物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板について
詳述する。
【0017】本発明の銅メタライズ組成物とは、Cuを
主成分とし、該Cu以外に同時焼成時にガラスセラミッ
ク磁器中のガラス成分と反応してガラス成分の粘性を低
下させることができる金属酸化物と、前記Cuの焼結を
遅らせることができる無機物を含有させたものであり、
前記金属酸化物は、Cu100重量部に対してアルカリ
金属、アルカリ土類金属、及びBの少なくとも1種の酸
化物を0.1〜5.0重量部とするもので、かつ前記無
機物は、Cu100重量部に対して0.1〜5.0重量
部とするものである。
【0018】本発明において、前記金属酸化物として
は、例えば、Na2 O、K2 O等のアルカリ金属の酸化
物、CaO、BaO、SrO等のアルカリ土類金属の酸
化物や、B2 3 等が挙げられるが、ガラスセラミック
磁器中のガラス成分の組成に応じて適宜選択することが
必要であるが、ガラスセラミック磁器中のガラス成分が
SiO2 −Al2 3 −B2 3 −アルカリ土類金属酸
化物系ガラス、特に結晶性ガラスである場合、銅メタラ
イズ組成物中に金属酸化物として特にCaO成分を添加
することにより、前記ガラス成分の粘性を効果的に低下
させ、かつ該ガラス成分をCu粒子間に浸透させること
ができる。
【0019】また、前記金属酸化物の含有量がCu10
0重量部に対して0.1重量部未満になると、ガラスセ
ラミック磁器中のガラス成分を銅メタライズ組成物中に
浸透させる効果が小さく接着強度が低下し、5.0重量
部を越えるとガラスセラミック磁器中のガラス成分が過
度に銅メタライズ組成物中に浸透し、銅配線層表面に析
出して銅配線層の半田濡れ性やメッキ処理性が劣化する
上、接着強度も低下する傾向を示す。
【0020】従って、前記金属酸化物の含有量は0.1
〜5.0重量部に特定され、特に0.5〜3.0重量部
が望ましい。
【0021】また、前記金属酸化物は、炭酸塩や硝酸
塩、酢酸塩等の化合物の他、それらの複合酸化物を用い
ることも可能である。
【0022】一方、前記Cuの焼結を遅くし得る無機物
としては、Al2 3 、SiO2 、ZrO2 、ムライト
(3Al2 3 ・2SiO2 )、コージェライト(2M
gO・2Al2 3 ・5SiO2 )等が挙げられるが、
銅メタライズ組成物が前記ガラス成分の浸透により早く
焼結してしまうのを防ぎ、かつガラス成分と添加した無
機物とによりガラスセラミック磁器と銅配線層との界面
で強固に接着すると言う点ではAl2 3 、SiO2
ZrO2 の少なくとも1種が好適である。
【0023】前記無機物の含有量が、Cu100重量部
に対して0.1重量部未満の場合、前記Cuの焼結を遅
らせる効果が小さく、絶縁基体に反り等の変形が大とな
り、5.0重量部を越えると、得られた銅配線層が緻密
化せず、それはとりもなおさず収縮量の減少となること
から、ガラスセラミック磁器と銅配線層との接着強度が
低下するとともに、反りが大となる。
【0024】従って、その含有量は0.1〜5.0重量
部に特定され、より好ましくは0.5〜3.0重量部と
なる。
【0025】次に、銅メタライズ組成物中のCuは、平
均粒径が2〜8μm(BET法による比表面積が0.1
〜1.0m2 /g)、好ましくは平均粒径が3〜7μm
(比表面積が0.2〜0.5m2 /g)の球状銅粉末を
用いるのが好ましい。
【0026】また、前記銅メタライズ組成物を用いて銅
ペーストを調製する場合、該メタライズ組成物に添加さ
れるビヒクル中のバインダーには、窒素雰囲気中での熱
分解性に優れたメタクリル酸樹脂、具体的には、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸ノルマルブチル等を用
いるのが望ましく、前記ビヒクルの溶剤には、ブチルカ
ルビトールアセテート、ジブチルフタレート、αテルピ
ネオール等が好適であり、前記銅ペーストは、例えば銅
粉末100重量部にバインダーを2〜6重量部と溶媒を
添加混合して調製される。
【0027】また、本発明で用いられるガラスセラミッ
ク磁器組成物としては、ガラス成分とセラミックフィラ
ー成分から成るものを用い、ガラス成分としては周知の
ガラスを用いることができるが、特に焼成時に結晶化す
る結晶性ガラスが望ましく、該結晶性ガラスからの結晶
相の析出により強度を向上でき、この結果、銅配線層の
接着強度も向上させることができる。
【0028】一方、セラミックフィラー成分としては、
ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
ストロンチウム、チタン酸バリウム、アルミナ、ムライ
ト、フォルステライト、ジルコニア、スピネル等を用い
ることができる。
【0029】次に、絶縁基体としては、例えばSiO2
−Al2 3 −B2 3 −MgO−ZnO系結晶性ガラ
スとセラミックフィラーから成る原料粉末に窒素雰囲気
下での熱分解性に優れたメタクリル酸イソブチル等のア
クリル系樹脂の有機バインダーを、固形分で前記原料粉
末に対して8〜20重量%と、フタル酸エステル等の可
塑剤及びトルエン等の溶媒を添加して調製した泥漿を周
知のシート成形法でグリーンシートを成形する。
【0030】得られたグリーンシート表面の所定位置に
前述のような銅メタライズ組成物を含有するペーストを
印刷して導体パターンを形成した後、該シートを位置合
わせして複数枚加圧積層する。
【0031】その後、前記積層体を300〜500℃の
水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で熱処理してグリーンシー
ト及び銅ペースト中のバインダーや可塑剤、溶媒を分解
除去し、次いで温度を700〜800℃に上げてグリー
ンシート及び銅ペースト中の残留炭素を除去する。
【0032】この時、処理温度が700℃より低いと残
留する炭素を効率良く除去できず、焼成後の絶縁基体中
に炭素が残留し、800℃より高いと焼成収縮による絶
縁基体の緻密化が急激に進行し、絶縁基体内部に未分解
の炭素が残留し、絶縁基体の色調不良や絶縁不良が発生
する。
【0033】その後、乾燥窒素雰囲気中、800〜11
00℃、より望ましくは900〜1050℃の温度でガ
ラスセラミック磁器と銅メタライズ組成物とを同時焼成
することにより、本発明の銅配線層を有するガラスセラ
ミック配線基板を形成することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の銅メタライズ組成物及びそれ
を用いたガラスセラミック配線基板について、実施例に
基づき具体的に詳述する。
【0035】先ず、平均粒径が5.0μmの球状銅粉末
100重量部に対して、金属酸化物と無機物をそれぞれ
表1及び表2に示す割合で秤量し、それに有機バインダ
ーとしてメタクリル酸イソブチルと、溶媒としてブチル
カルビトールアセテート及びジブチルフタレートの混合
溶液を添加して混練し、ペースト状の銅メタライズ用試
料を作製した。
【0036】尚、前記銅メタライズ用試料中の有機バイ
ンダー量は、球状銅粉末100重量部に対して3重量部
とした。
【0037】また、表1及び表2に示す銅メタライズ組
成物の金属酸化物及び無機物、ガラスセラミック磁器の
ガラス成分及びフィラー成分の種類の詳細は、表3に記
載した通りである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】一方、絶縁基体用のガラスセラミック成形
体は、SiO2 44重量%、Al23 28重量%、M
gO11重量%、ZnO8重量%、B2 3 9重量%の
組成を有する結晶性ガラス粉末60重量%と、セラミッ
クフィラーとして、ジルコン酸カルシウム20重量%、
チタン酸ストロンチウム16重量%、アルミナ4重量%
から成るガラスセラミック原料粉末100重量部に対し
て、有機バインダーとしてメタクリル酸イソブチル樹脂
を固形分で14重量部、可塑剤としてフタル酸ジブチル
を7重量部添加し、それにトルエンを溶媒として添加し
てボールミルにより40時間混合して調製した泥漿を、
ドクターブレード法により厚さ0.3mmのグリーンシ
ートに成形した。
【0042】かくして得られたペースト状の銅メタライ
ズ用試料を用いて、前記ガラスセラミックグリーンシー
ト上に焼成後の形状が縦2mm、横2mm(2mm
角)、厚さ15μmとなる銅配線層用パターンを形成
し、これを最上層として銅配線層用パターンを形成して
いないグリーンシート6枚を加圧積層したものと、焼成
後の形状が縦50mm、横20mm、厚さ15μmとな
る銅配線層用パターンを作成し、これを最上層として銅
配線層用パターンを形成していないグリーンシートを焼
成後の全体の厚さが1mmとなるように加圧積層し、パ
ターンにそって切断した2種類を準備した。
【0043】次いで、ガラスセラミック成形体及び銅メ
タライズ用試料中の有機バインダー等の有機成分を分解
除去するために、水蒸気を含んだ窒素雰囲気中、750
℃の温度で3時間保持する熱処理を行って残留炭素量を
200ppm以下に低減した後、雰囲気を乾燥窒素に切
り替え、900℃に昇温して1時間保持する焼成を行
い、銅配線層を有する評価用のガラスセラミック配線基
板を得た。
【0044】かくして得られた評価用のガラスセラミッ
ク配線基板を用いて、2mm角の銅配線層に厚さ2.5
μmのNiメッキを行い、その上に厚さ0.1μmのA
uメッキをした後、該メッキ被覆層上にCu系のリード
線を銅配線層表面と平行に半田接合し、その時の半田濡
れ部を目視検査して半田濡れ性の良否を、また、前記リ
ード線を銅配線層表面に対して垂直方向に曲げ、該リー
ド線を10mm/min.の引っ張り速度で垂直方向に
引っ張り、リード線が剥離した時の荷重を銅配線層の接
着強度として評価した。
【0045】また、ガラスセラミック配線基板の反り
は、縦50mm、横20mmの銅配線層部分の変形量を
計測し、該変形値を相対反りとして評価した。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】表4及び表5から明らかなように、銅メタ
ライズ組成物に含有される金属酸化物の量が0.1重量
部未満の試料番号1、38、52では、半田濡れ性も良
好であり相対反りも小さいものの、接着強度が2.3k
g/2mm角以下と弱く、逆に5.0重量部を越える試
料番号8、43、57は、相対反りは小さいものの、半
田濡れ性が悪く、簡単にリード線が剥がれてしまい接着
強度測定ができなかった。
【0049】また、銅メタライズ組成物に含有される無
機物の量が0.1重量部未満の試料番号9、16、3
2、44では、相対反りが0.54mm以上と大であ
り、5.0重量部を越える試料番号15、21、35、
47は相対反りが0.58mm以上と大きく、接着強度
は1.5kg/2mm角以下と極めて弱くなっている。
【0050】それらに対して、本発明ではいずれも半田
濡れ性が良好で接着強度も3.1kg/2mm角以上と
高く、相対反りも0.46mm以下と小さくなってい
る。
【0051】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の銅メタ
ライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基
板は、銅メタライズ組成物が、ガラスセラミック磁器中
のガラス成分と反応し、該ガラス成分の粘性を低下させ
得る金属酸化物、即ち、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、及びBの内の少なくとも1種の酸化物を含有し、更
にCuの焼結を遅らせ得る無機物も含有することから、
銅メタライズ組成物の収縮開始温度がガラスセラミック
磁器の収縮開始温度に近づき、800〜1100℃の温
度で同時焼成してもガラス成分が銅配線層表面に浮いて
残存することがなく、しかもガラスセラミックスが液相
を生成する温度で、銅メタライズ組成物もほぼ同時に液
相を生成し、両者の収縮も同時に開始されて最終的に絶
縁基体の反りやうねり等の変形が極めて小さくなると共
に、ガラスセラミック磁器中のガラス成分が銅粒子間に
浸透し、その結果、銅配線層の接着強度を高く維持した
ガラスセラミック配線基板を得ることができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】800〜1100℃の温度でガラスセラミ
    ック磁器と同時焼成可能な銅を主成分とする銅メタライ
    ズ組成物において、該銅メタライズ組成物中に、前記同
    時焼成時にガラスセラミック磁器中のガラス成分の粘性
    を低下させ得る金属酸化物として、アルカリ金属、アル
    カリ土類金属、及びホウ素(B)の少なくとも1種の酸
    化物を前記銅(Cu)100重量部に対して0.1〜
    5.0重量部と、前記銅(Cu)の焼結を遅らせ得る無
    機物を0.1〜5.0重量部含有することを特徴とする
    銅メタライズ組成物。
  2. 【請求項2】前記ガラスセラミック磁器中のガラス成分
    が、少なくともシリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2
    3 )、アルカリ土類金属の酸化物及び酸化ホウ素(B
    2 3 )を含有するとともに、前記金属酸化物がカルシ
    ア(CaO)であり、かつ前記無機物がアルミナ(Al
    2 3 )、シリカ(SiO2 )、ジルコニア(Zr
    2 )の内の少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1記載の銅メタライズ組成物。
  3. 【請求項3】ガラスセラミック磁器中のガラス成分の粘
    度を低下させ得る金属酸化物として、アルカリ金属、ア
    ルカリ土類金属、及びホウ素(B)の少なくとも1種の
    酸化物を銅(Cu)100重量部に対して0.1〜5.
    0重量部と、前記銅(Cu)の焼結を遅らせ得る無機物
    を0.1〜5.0重量部含有した銅メタライズ組成物
    を、窒素雰囲気中、800〜1100℃の温度でガラス
    セラミック磁器と同時焼成して形成した銅配線層を有す
    るガラスセラミック配線基板。
  4. 【請求項4】前記ガラスセラミック磁器中のガラス成分
    が、少なくともシリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2
    3 )、アルカリ土類金属の酸化物及び酸化ホウ素(B
    2 3 )を含有するとともに、前記金属酸化物がカルシ
    ア(CaO)であり、かつ前記無機物がアルミナ(Al
    2 3 )、シリカ(SiO2 )、ジルコニア(Zr
    2 )の内の少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項3記載のガラスセラミック配線基板。
JP10713696A 1996-04-26 1996-04-26 銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板 Expired - Fee Related JP3420426B2 (ja)

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