JP3419955B2 - 辛味抑制剤 - Google Patents

辛味抑制剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、辛味抑制剤に関し、特
に、辛味を有する食品に添加することにより辛味を効果
的に抑制する辛味抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】辛味は、特有の刺激や風味をもたらす味
としてうま味などと共に食品には欠かせないなのとなっ
ている。一般に辛味成分には、食品に対して例えば、か
らし類の辛味成分のように肉類や魚介類の品質劣化遅
延、腐敗防止効果があったり、また人体に対しては、こ
れを摂取することで食欲を増進させたり、体温を上昇さ
せ、発汗作用を促すなどの生理活性を高めるなどの効果
があることは良く知られている。特に辛味に対する生理
現象については、例えば、辛味成分の摂取による体脂肪
の低下(Kawada,T.,Watanabe,
T.,Iwai,K.,et al.,J.Nutr
i.,116,1272,1986,木村繁、香辛料成
分の食品機能、光生館、165,1989)、エネルギ
ー代謝の増大(Henry,C.K.and Emer
y,B.,Hum.Num.Clin.Nutr.,4
0c,165,1986)など多数の研究が報告されて
いる。このように、辛味成分は食品全般、またヒトの健
康維持に重要な役割を果たしている。また近年食生活の
洋風化、多様化が進み、また加工食品の増大にともない
辛味成分の消費量は年々増加しており、それに伴い辛味
成分の用途も拡大している。
【0003】しかしながら、好ましい風味付けのために
辛味成分を多量に使用する場合や辛味成分の持つ防腐作
用を利用するために通常量より多量の辛味成分を用いる
場合、あるいは健康管理などの生理効果を高める目的で
多量の辛味成分を摂取する場合には、辛味成分自身の強
い刺激は、その使用に際して障害となる。
【0004】わさび、からし類などの辛味を抑制するた
めに、糖類、多価アルコール、サイクロデキストリン、
あるいは食用油(特公昭54−14657号公報、特公
平5−82186号公報)などを用いる方法が提案され
ている。しかしながら、これらのものは一般に辛味抑制
作用は小さく、特に糖類などはその効果を充分に発揮さ
せる程の添加量とするとその食品自体の味を変えてしま
ったり、またサイクロデキストリンなどは辛味成分の本
来有する風味付け、防腐、あるいは生理活性効果などを
も弱めてしまうなどの問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、風味付け、防腐の目的で辛味成分を食品に多量に添
加する場合や、健康維持、管理などの目的で辛味成分を
多量に摂取する場合などにおいてもその辛味成分の持つ
風味付け、防腐、あるいは生理活性効果などの特性が失
われることなく辛味を抑制し、その食品を食べ易くする
ことが可能な辛味抑制剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、鋭意検討を行った結果、モノ又はジグリセ
リドとポリカルボン酸とのエステルが辛味抑制に大きく
作用することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明はモノ又はジグリセリド
とポリカルボン酸とのエステルを含有する辛味抑制剤を
提供するものである。また本発明は当該辛味抑制剤を含
有する食品を提供するものである。
【0008】本発明に用いられるモノ又はジグリセリド
とポリカルボン酸とのエステルは、例えばモノ又はジグ
リセリドにポリカルボン酸又はその反応性誘導体を反応
させることにより製造される。
【0009】本発明におけるモノグリセリドを構成する
脂肪酸残基としては、特に制限されないが、好ましくは
炭素数8〜22、特に好ましくは炭素数12〜18の飽
和又は不飽和の脂肪酸残基である。
【0010】また、ジグリセリドを構成する脂肪酸残基
としては、特に制限されないが、上記モノグリセリドを
構成する脂肪酸残基、後述するポリカルボン酸残基のう
ち1種又は2種以上の混合されたものを挙げることがで
きる。特に好ましいモノ又はジグリセリドの脂肪酸残基
としては、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸が挙げられる。なお、ジグリセリ
ドの場合は、上記脂肪酸残基の2種の組み合わせでもよ
い。また当該モノ又はジグリセリドとしては、モノグリ
セリド、ジグリセリド及びこれらの混合物でもよいし、
またこれにトリグリセリドが含まれていてもよい。
【0011】本発明におけるポリカルボン酸としては、
特に制限されないが、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸等の飽和ジカルボン酸;マレイン酸、メチル
マレイン酸、フマル酸、メチルフマル酸等の不飽和ジカ
ルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ
ポリカルボン酸;ヒドロキシカルボン酸の水酸基が酢酸
あるいはシュウ酸等の上記で挙げたカルボン酸で全部又
は一部がエステル化されたジアセチル酒石酸等のエステ
ル化ポリカルボン酸等を挙げることができる。
【0012】またポリカルボン酸の反応性誘導体として
は、酸無水物が好ましく、当該酸無水物としては、例え
ば無水ジアセチル酒石酸、無水マレイン酸、無水フタル
酸、無水コハク酸が好ましく、特に好ましくは無水ジア
セチル酒石酸、無水コハク酸が挙げられる。
【0013】モノ又はジグリセリドとポリカルボン酸又
はその反応性誘導体(以下、ポリカルボン酸類という)
とのエステル化反応は、特に制限されず、モノ又はジグ
リセリドとポリカルボン酸類を混合し、85〜200℃
の温度で0.1〜3時間行えばよい。また、モノ又はジ
グリセリドとポリカルボン酸類との比率は、モノ又はジ
グリセリド1部に対してポリカルボン酸類0.1〜10
倍(モル倍率)とするのが好ましい。また、エステル化
反応を行なう場合に、ピリジン等のアミン類及び塩基性
の触媒を添加してもよい。この場合、より低温でかつ短
時間で反応を終了することができる。
【0014】上記反応により得られたエステルは、その
まま、辛味抑制剤として用いることができ、モノグリセ
リドとポリカルボン酸とのエステル及びジグリセリドと
ポリカルボン酸とのエステルがともに含まれていてもよ
く、その含有量比も特に制限されない。未反応のポリカ
ルボン酸類やモノ又はジグリセリド、更にこれらの重合
物を含んでいてもよいが、モノ又はジグリセリドとポリ
カルボン酸とのエステル以外の成分の含量が反応生成物
中好ましくは80重量%以下、より好ましくは50重量
%以下、更に好ましくは30重量%以下、特に好ましく
は5重量%以下に精製して用いることが好ましい。
【0015】これらの精製方法としては、シリカゲルク
ロマトグラフィー等の疎水性の吸着カラムや、ゲルクロ
マトグラフィー等の分子量分画カラム等を使用した精製
方法を用いることができる。
【0016】本発明に用いられるモノ又はジグリセリド
とポリカルボン酸とのエステルはその塩を含まない。
【0017】本発明の辛味抑制剤に含まれる上記エステ
ルは、得られたエステルが粉末状であればそのまま使用
することができる。また得られたエステルが、液状のエ
ステルであれば、蛋白質、デンプン、糖類、高分子セル
ロース等と混合することにより粉末化し用いることがで
きる。更に、上記エステルのうちで、不飽和脂肪酸残基
を有する場合には、酸化を防止する目的で抗酸化剤を添
加することができる。抗酸化剤としては例えば、酢酸ト
コフェロール(商品名サンカトール、太陽化学社製;サ
ンカノン、丸善化成社製;商品名サンメリン、三栄源・
エイ・エフ・アイ社製)等が挙げられる。
【0018】また、上記エステルを食用油(トリグリセ
リド)に溶解させて用いることも可能で、例えば大豆
油、ナタネ油、コーン油、パーム油、綿実油、椰子油、
パーム核油、米油、胡麻油、サフラワー油、ハイオレイ
ックサフラワー油、サンフラワー油及びハイオレイック
サンフラワー油等の植物油脂;牛脂、ラード、魚油、鯨
油及び乳脂等の動物油脂;これらの分別油;またこれら
を水素添加したもの;そしてエステル交換したものの1
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】更に、上記エステルは、苦味低減化剤とし
て使用する場合、界面活性剤と併用することができ、界
面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、レシ
チン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤等が挙
げられる。
【0020】本発明の辛味抑制剤は、辛味を有する食品
(辛味成分を本来的に含有している辛味を有する食品や
辛味成分を添加することで辛味が付与された食品)に配
合することにより、その辛味を抑制できる。辛味成分と
しては、唐辛子(赤、黒、黄)、胡椒、山椒、わさび、
玉ねぎ、大根、ねぎ、にんにく、生姜などから抽出され
るものを挙げることができる。具体的には、唐辛子由来
のカプサイシン、胡椒由来のピペリン、シャビシン、山
椒由来のα−、β−サンショオール、スピラントール、
大根、黒辛子、山椒由来のアリールカラシ油、シロカラ
シ由来のシナルビンカラシ油、アブラナ由来のクロトニ
ルカラシ油、ニオイアラセイトウ由来のヘイロリン、オ
ランダカラシ、モクセイソウ由来のフェニルエチルカラ
シ油、コショウソウ由来のベンジルカラシ油、エゾスズ
シロ由来のエリソリン、ねぎ、にんにく由来のジアリル
ジスルフィド、玉ねぎ、にんにく由来のプロピルアリル
ジスルフィド、玉ねぎ由来のジアリルスルフィド、玉ね
ぎ由来のジプロピルジスルフィド、にんにく由来のジア
リルトリスルフィド、生姜由来のジンゲロン、ショウガ
オール、アフリカ産生姜由来のジンゲロール、パラドー
ル、ヤナギタデ由来のタデオナール等を挙げることがで
きる。更に上記成分を化学合成した辛味成分を挙げるこ
とができる。
【0021】上記のような辛味成分を本来的に含有して
いる辛味を有する食品の例としては、からし粉、わさび
粉、粉山椒、及び胡椒などの固体状(乾燥粉砕物)香辛
料、及び練りからし、練りわさび、練り生姜、及びにん
にくペーストなどのペースト状香辛料、七味唐辛子、カ
レー粉、タバスコ、塩−コショウ、ラー油、辛子味噌、
及びトウバンジャン等の調合香辛料を挙げることができ
る。
【0022】また上記のような辛味成分を添加すること
により、辛味が付与された食品の例としては、スナック
菓子、焼き菓子、麺類(インスタント麺類も含む)、粉
末スープを含むスープ類、味噌汁、カレーのルー、焼き
肉のタレ、焼き肉、明太子、キムチ等の漬物類、塩辛
類、飴、チューインガム、チョコレート、キャンディ
類、野菜ジュース、コーヒー、ココア、紅茶、緑茶、醗
酵茶、半醗酵茶、清涼飲料、機能性飲料、ドレッシン
グ、マヨネーズ等の乳化食品、豆乳、豆腐等の大豆食
品、魚肉、すり身、焼き魚等の水産加工品、ソース、味
噌、醤油、ケチャップ等の調味料、米飯、食用油、パ
ン、ケーキ類、スパゲッティー等のパスタ類、ピーナッ
ツ等のナッツ類、おでん等の煮物類、醗酵食品、健康食
品等を挙げることができる。上記辛味を有する食品に含
まれる辛味成分は、カプサイシン、ピペリン、アリール
カラシ油、α−サンショオール、β−サンショオール、
及びショウガオールからなる群より選ばれるものである
ことが好ましい。
【0023】適用に際しては、辛味を有する食品の形態
が、水溶液、懸濁物、乳化物等の液状又はペースト状の
場合には、本発明の辛味抑制剤を添加し、充分に攪拌、
分散する方法を利用することができる。また辛味を有す
る食品の形態が、粉末等の固形物の場合には、本発明の
辛味抑制剤を単に添加、混合する方法を利用することが
できる。また辛味抑制剤を水等に分散させ、これと固形
物の形態にある辛味を有する食品等を混合し、均一化し
た後、脱水する方法を利用しても良い。なお、上記辛味
を有する食品等が、水に難溶性の辛味成分を有する場合
には、ヘキサン等の有機溶剤やエタノール等のアルコー
ル類を用い、これらの成分を溶解させた後、本発明に係
る辛味抑制剤を添加することもできる。
【0024】本発明の辛味抑制剤の配合量は、食品中、
好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.
01〜5重量%、更に好ましくは0.1〜3重量%;食
品中の苦味を呈する成分1重量部に対し、好ましくは
0.1〜1000重量部、特に好ましくは0.1〜50
重量部である。
【0025】また本発明の辛味抑制剤を用いる場合に
は、上記のように辛味を有する食品に直接添加して辛味
を抑制する方法以外に、辛味を有する食品の食前、食後
又は食中に本発明の辛味抑制剤を口に含むか、あるいは
口に含んだ後咀嚼することにより辛味を抑制するという
方法を利用することもできる。例えば、辛味抑制剤を含
む飲料を作成しておき、辛味を有する食品の食前、食後
又は食中にこれを口に含むことにより辛味を緩和し、口
内に残る刺激感を除去することができる。
【0026】このような場合に用いる好ましい辛味抑制
剤の形態としては、例えば、チューインガム、飴、キャ
ンディー類、チョコレート類、清涼飲料、ジュース類、
醗酵飲料、スープ類、及び茶類に本発明の辛味抑制剤を
含有させた形態を挙げることができる。またこの際の辛
味抑制剤の食品中の含有量も前述と同量を含ませること
ができる。すなわち、辛味抑制剤の配合量は食品中、好
ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.0
1〜5重量%、更に好ましくは0.1〜3重量%であ
る。なお、健康維持、管理の目的で、辛味成分を多量に
摂取する場合においても、辛味成分に本発明の辛味抑制
剤を混合し、辛味物質として用いることができる。そし
てこの際の辛味抑制剤も上記の含有量とすることができ
る。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、これは単に例示であって本発明を制限する
ものではない。また、配合量は、断らない限り重量%を
示す。
【0028】参考例1 高純度モノステアリン酸グリセリン(純度93%以上、
製品名:エキセルT−95、花王(株)社製)と無水コ
ハク酸を1:1(モル比率)で混合し、95〜120℃
の温度条件下で1時間攪拌しながらエステル化を行い、
モノグリセリドと無水コハク酸のエステルを含む成分A
を得た。
【0029】参考例2 高純度ジラウリン酸グリセリン(純度75%)と無水コ
ハク酸を1:1(モル比率)で混合し、95℃の温度条
件下で1時間攪拌しながらエステル化を行い、ジグリセ
リドと無水コハク酸のエステルを含む成分Bを得た。
【0030】参考例3 中純度モノステアリン酸グリセリン(純度50%以上、
製品名:エキセル150、花王(株)社製)と無水コハ
ク酸を1:1(モル比率)で混合し、95℃の温度条件
下で1時間攪拌しながらエステル化を行い、ジグリセリ
ドと無水コハク酸のエステルとモノグリセリドと無水コ
ハク酸のエステルを含む成分Cを得た。
【0031】実施例1 代表的な辛味成分である、カプサイシンの水溶液に参考
例1で得られた成分Aを最終濃度が0.3〜1.0%に
なるように添加し、効果を評価した。比較例としては、
中性脂質であるトリアシルグリセロール(コーン油)を
用いた。
【0032】〔評価方法〕評価は、辛味の強さを被験者
として、20代から40代の男女10名による官能評価
で行い、下記の6段階による基準で評価し、平均値で表
した。 辛味の強さ6:強烈な辛味を感じる。 辛味の強さ5:強い辛味を感じる。 辛味の強さ4:強くはないが、辛味を感じる。 辛味の強さ3:わずかに辛味を感じる。 辛味の強さ2:辛味を知覚できる程度感じる。 辛味の強さ1:辛味を感じない。 なお、対照例として成分Aを添加しない場合の辛味強度
も同様な方法で評価した。結果を下記の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果から、本発明に従う成分Aを使
用することにより辛味を低減できることは明らかであ
る。
【0035】実施例2 市販のレトルトカレー(辛口)を用い、参考例2で得ら
れた成分Bを用いた以外は、上記実施例1と同様な方法
で辛味強度を評価した。また、対照例として、成分B無
添加の場合の辛味強度も示した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2の結果から、本発明に従う成分Bを使
用することにより辛味を低減できることは明らかであ
る。成分Bを添加したカレーは辛味が低減したが、辛味
食品を食した後に感じる発汗作用は、辛味抑制剤を添加
していないカレーと同じであった。
【0038】実施例3 市販の中華スープへ、辛味成分として七味唐辛子及び胡
椒を添加し、このものへ成分Cを添加したときの辛味評
価を行った。評価の方法は、実施例1と同様の方法にて
行った。結果を表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】表3の結果から、本発明に従う成分Cを使
用することにより辛味を低減できることは明らかであ
る。通常では、辛味が強すぎ食べることができない食品
でも、辛味抑制剤を添加することにより、程よい辛味と
なり食することができた。成分Cを添加した中華スープ
は辛味が低減したが、辛味食品を食した後に感じる発汗
作用は、辛味抑制剤を添加していない中華スープと同じ
であった。
【0041】実施例4 辛口カレーを食べる際に、口中に辛味感を除去する目的
で、成分Aを最終濃度が0.3%になるように水に分散
させ、辛味抑制液を作成した。被験者には、辛味カレー
をおおさじのスプーンで2杯口に入れ、良く味わった後
に、辛味抑制液を飲むように指示した。その結果、後味
がすっきりとし、後に残る辛味もなく、口中が非常にさ
っぱりとした。対照として水を用い同様の方法にて評価
した結果、後味の改善は認められず、辛味も除去できな
かった。結果を表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】実施例5 辛い中華料理の代表であるエビのチリソースを食べると
きに、飲物として、成分Aを最終濃度が1.0%になる
ように分散させた水溶液を作成し、これを飲みながらチ
リソースを食べ、口に残る辛味の評価を行った。その結
果、辛味が顕著に抑えられた。比較例として、ウーロン
茶を用いた場合、辛味の除去効果は認められなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明に従う辛味抑制剤は優れた辛味抑
制作用を示すため、これを用いることによって適度な辛
さに抑えることができる。従って食品に辛味成分を多量
に添加した場合でも非常に食べ易くなる。またこのよう
に辛味を抑制しても辛味成分自身の持つ風味や防腐効果
などは殆ど低下することはない。更に健康維持、管理な
どの目的で辛味成分を多量に摂取する場合などにおいて
も本発明に従う辛味抑制剤を使用することで、辛味は適
度に抑制することができるから飲み易く、かつ発汗作用
からみても辛味成分の生理活性効果も弱められることは
ない。
フロントページの続き (72)発明者 大辻 一也 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−25644(JP,A) 特開 昭59−160523(JP,A) 特開 平5−236919(JP,A) 特開 昭59−45854(JP,A) 特開 昭60−6161(JP,A) 特開 昭61−152226(JP,A) 特開 昭58−209937(JP,A) 特開 平5−227893(JP,A) 特開 平1−210029(JP,A) 特開 昭62−262968(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノ又はジグリセリドとポリカルボン酸
    とのエステルを含有することを特徴とするソフトキャン
    ディー以外の食品に使用する辛味抑制剤。
  2. 【請求項2】 ポリカルボン酸が、ジアセチル酒石酸、
    マレイン酸、フタル酸、クエン酸及びコハク酸から選ば
    れるものである請求項1記載の辛味抑制剤。
  3. 【請求項3】 モノ又はジグリセリドの脂肪酸残基が、
    炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸残基の1種以
    上である請求項1記載の辛味抑制剤。
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