JP3417885B2 - 窒化アルミニウム粉末 - Google Patents
窒化アルミニウム粉末Info
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Description
末に関し、特に、電子部品の放熱材料としてグリースや
合成ゴム中に充填するのに好適な、耐水性に優れた窒化
アルミニウム粉末に関する。 【0002】 【従来技術】電子部品の多くは使用中に熱を発生するの
で、その電子部品を適切に機能させるためには、その電
子部品から熱を取り除くことが必要である。そこで、高
熱電導性かつ電気絶縁性を有する窒化アルミニウムを、
電子部品の放熱材料として応用することが期待されてい
る。この場合の使用形態は、成形物として或はグリース
や合成ゴムの充填剤としての形態等多岐に渉っている。 【0003】しかしながら、窒化アルミニウムは耐水性
が悪く、特に粉末の場合には空気中に放置した状態でも
徐々に分解が進み、アンモニアを発生してアルミニウム
の水酸化物に変質する。従って、窒化アルミニウム粉末
を、例えば、樹脂の高放熱化のための充填材として使用
する場合には、耐水性の悪さが問題となる。 【0004】そこで、従来より窒化アルミニウムの耐水
性を改善するために、有機高分子を窒化アルミニウム粉
末表面に被覆したり、窒化アルミニウム粉末表面を酸化
して酸化アルミニウム層を設け、これを保護膜とするな
どの試みがなされている。また、特開平4−32150
6号公報には、オルガノシランオリゴマーとシラノール
基を有するポリオルガノシロキサンとを触媒を用いて反
応させることにより、窒化アルミニウム粉末表面を被覆
する技術も提案されている。しかしながら、これらのい
ずれの方法によっても、窒化アルミニウムの耐水性を十
分なものとすることはできなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、窒化ア
ルミニウムの耐水性を改善するために鋭意検討した結
果、一定のオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物
によって窒化アルミニウムの表面を処理することによ
り、耐水性に優れた窒化アルミニウム粉末を得ることが
できることを見出し本発明に到達した。従って本発明の
目的は、放熱材料を構成する充填剤として好適な、耐水
性に優れた窒化アルミニウム粉末を提供することにあ
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
一般式R1 aR2 bSi(OR3)4−a−bで表され
るオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物に
よって表面処理されてなることを特徴とする窒化アルミ
ニウム粉末(但し、上式中、R1は、炭素数10〜15
のアルキル基、R2は炭素数1〜8の非置換叉は置換の
1価炭化水素基、R3は炭素数1〜6のアルキル基、a
は1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の
整数である)によって達成された。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明において表面処理剤として
用いられるオルガノシランの上記一般式におけるR1の
具体例としては、例えば、デシル基、ドデシル基、テト
ラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。炭素数が
10より小さいと処理された窒化アルミニウム粉末の耐
水性が十分でなく、15より大きいとオルガノシランが
常温で固化するので、取り扱いが不便な上、グリースや
合成ゴムに充填した場合には、低温特性が低下する。ま
た、aは1、2あるいは3であるが特に1であることが
好ましい。 【0008】また、上記一般式中のR2は、炭素数1〜
8の飽和叉は不飽和の1価の炭化水素基であり、このよ
うな基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基等を挙げることができる。R2の具体例として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシ
ル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロヘキシル基、ビニル基、ア
リル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、
2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチ
ル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフロロプロピ
ル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、p−クロロ
フェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。本
発明においてはこれらの中でも特にメチル基が好まし
い。また、R3としては、炭素数1〜6のアルキル基の
うち、特に、メチル基及びエチル基が好ましい。尚、R
1、R2、R3は、下記の如く、それぞれ2種以上とな
る場合もある。 【0009】前記一般式で表されるオルガノシランの具
体例としては、下記のものを挙げることができる。 C10H21Si(OCH3)3、C12H25Si
(OCH3)3、C10H 21Si(CH3)(OCH
3)2、C10H21Si(C6H5)(OC
H3)2、C10H21Si(CH3)(COCH3)
2、C10H21Si(CH=CH2)(OC
H3)2、C10H21Si(CH2CH2CF3)
(OCH 3)2 【0010】前記一般式で表されるオルガノシランは、
窒化アルミニウム粉末100重量部に対し0.1〜30
重量部使用することが好ましく、特に0.5〜10重量
部使用することが好ましい。使用量が0.1重量部より
少ないと、耐水性の乏しいものとなるし、30重量部よ
り多くても効果が増大することがなく、不経済である。 【0011】本発明に用いられる窒化アルミニウム粉末
は、一般に六方晶またはウルツ鉱型の結晶構造を有する
III−V族の窒化物であり、外観は白〜灰白色を呈
し、粒子形状は、製法にもよるが不定形〜球状の粉末で
ある。本発明においては、平均粒径が0.1〜100μ
mという幅広い範囲の窒化アルミニウム粉末が使用可能
であるが、均一な成形体、グリース、合成ゴム等を得る
ためには1〜10μmのものを使用することが好まし
く、特に2〜5μmのものを使用することが好ましい。
また、比表面積は0.1〜100m2/gの範囲のもの
が使用可能であり、均一な成形体、グリース、合成ゴム
等を得るためには1〜10m2/gのものを使用するこ
とが好ましく、特に2〜5m2/gのものを使用するこ
とが好ましい。 【0012】かかる窒化アルミニウム粉末の製造方法と
しては、金属アルミニウム粉と窒素あるいはアンモニア
とを直接反応させる直接窒化法、アルミナと炭素の混合
粉末を窒素あるいはアンモニア雰囲気下で加熱し、還元
と窒化を同時に行わせるアルミナ還元法、またはアルミ
ニウムの蒸気と窒素とを直接反応させる方法、AlCl
3・NH3の熱分解等の製造方法が挙げられる。製法に
より、化学組成(不純物)、粒径や形状及び粒度分布等
の特性が異なってくるが、本発明で用いられる窒化アル
ミニウム粉末は、何れの製法で作られたものでも使用す
ることができ、これらの異なった製法のものを混合して
使用しても良い。 【0013】本発明の表面処理された窒化アルミニウム
は、公知の方法で製造することができる。例えば、窒化
アルミニウムとオルガノシランあるいはその部分加水分
解物を、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリ
ミキサー(何れも井上製作所(株)製混合機の登録商
標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の
登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工
業(株)製混合機の登録商標)等の混合機を用いて混合
する。 【0014】この場合、必要ならば50〜150℃に加
熱しても良い。尚、混合に際してはトルエン、キシレ
ン、石油エーテル、ミネラルスピリット、イソパラフィ
ン、イソプロピルアルコール、エタノール等の溶剤を用
いても良い。これらの溶剤を用いた場合には、混合後、
真空装置など用いて溶剤を除去することが好ましい。こ
のようにして製造した本発明の窒化アルミニウム粉末
は、グリースやゴムシートの充填剤として、あるいは、
それを焼結させた高純度窒化アルミニウム成形体として
使用することもできる。 【0015】 【発明の効果】本発明の窒化アルミニウムは、大幅に耐
水性が改善され、加水分解反応に伴うアンモニアの発生
が抑制されるので高湿下での使用が可能である上、熱電
導性が良好であるので特に放熱材料の充填剤として好適
である。 【0016】 【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、窒化アルミニウム粉末の耐湿効果の評価は次のよう
にして行った。 【0017】耐湿試験 栓のできる250mlのポリ容器に窒化アルミニウム粉
末5g及び水95gを入れた後、栓をして振とう機にて
48時間振とう(室温)させた。次いで濾紙を用いて濾
液を採取し、そのpHを(株)堀場製作所のpH測定機
(型式F−15)を用いて測定した。 【0018】実施例1.成分(A−1)のオルガノシラ
ン10gと、窒化アルミニウム粉末(B−1)(不定
形、平均粒子径2.0μm、比表面積4.0m2/g)
1000gを5リットルプラネタリーミキサー(井上製
作所(株)製)に投入し、室温で30分間攪拌混合して
表面処理窒化アルミニウム粉末を得た。耐湿試験後のp
Hは7.9であった。 【0019】実施例2及び3.成分(A−1)のオルガ
ノシランの配合量を表1の様にした外は、実施例1と全
く同様にして表面処理窒化アルミニウム粉末を得た。こ
れらの耐湿試験後のpHは表1に示した通りである。 【0020】 【表1】 【0021】実施例4〜6.実施例1で使用した(A−
1)のオルガノシランをそれぞれ(A−2)、(A−
3)及び(A−4)のオルガノシランに変更した外は、
実施例1と全く同様にして表面処理窒化アルミニウム粉
末を得た。これらの耐湿試験後のpHは表1に示した通
りである。 【0022】比較例1.上記実施例で用いた窒化アルミ
ニウム粉末(B−1)について、未処理のまま耐湿試験
を行ったところ、表1に示した如く、pHは11.5で
あった。 【0023】比較例2.窒化アルミニウム粉末(B−
1)を、500℃の酸素雰囲気下で30分間熱処理し、
表面に酸化アルミニウム層を形成させた粉末(B−2)
を得た。得られた窒化アルミニウム粉末について実施例
1と全く同様にして耐湿試験を行ったところ、表1に示
した如く、pHは11.5であった。 【0024】比較例3.4及び5.実施例1で使用した
(A−1)のオルガノシランを、それぞれ(A−5)、
(A−6)及び(A−7)のオルガノシランに変更した
外は、実施例1と全く同様にして表面処理窒化アルミニ
ウム粉末を得た。得られた粉末について耐湿試験を行っ
たところ、表1に示した如く、pHはそれぞれ11.
3、10.5及び9.3であった。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式R1 aR2 bSi(OR3)
4−a−bで表されるオルガノシラン及び/又はその部
分加水分解縮合物によって表面処理されてなることを特
徴とする窒化アルミニウム粉末;但し、上式中、R
1は、炭素数10〜15のアルキル基、R2は炭素数1
〜8の非置換叉は置換の1価炭化水素基、R3は炭素数
1〜6のアルキル基、aは1〜3の整数、bは0〜2の
整数、a+bは1〜3の整数である。
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