JP3416998B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JP3416998B2
JP3416998B2 JP21882593A JP21882593A JP3416998B2 JP 3416998 B2 JP3416998 B2 JP 3416998B2 JP 21882593 A JP21882593 A JP 21882593A JP 21882593 A JP21882593 A JP 21882593A JP 3416998 B2 JP3416998 B2 JP 3416998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビームを静電的
に走査してウエーハに照射するイオン注入装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ハイブリッドスキャン方式のイオ
ン注入装置は、一対の電極板からなるH1電極、V電
極、およびH2電極を有しており、V電極に偏向電圧を
印加すると共に、図3に示すように、H1電極およびH
2電極に相互に逆位相となる三角波状の走査電圧を印加
することによって、イオンビームをV電極により垂直方
向に偏向させながら、H1電極およびH2電極により水
平方向に平行走査させるようになっている。
【0003】ところで、イオンビームがH1電極および
H2電極を通過する際の偏向角θは、理想的には tanθ
=(VS /2E)・(L/D)の関係式により求められ
るようになっている。ここで、VS は走査電圧、Eはイ
オンビームのエネルギー、Lは電極長、Dは電極間距離
である。
【0004】これにより、従来のイオン注入装置は、H
1電極およびH2電極の電極長をL1 およびL2 とし、
電極間距離をD1 およびD2 とした場合、一般的にはL
1 /D1 =L2 /D2 の関係式を満足するように、電極
長L1 ・L2 および電極間距離D1 ・D2 を設定するこ
とによって、H1電極の走査電圧に対応した偏向角θで
走査されたイオンビームをH2電極により平行化させる
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イオン
ビームの偏向角θは、上述の関係式に加えて電極間の電
界強度は一定としても、ビームエネルギー、およびそれ
に関連してイオンビームの電極間の通過時間も変動要因
として有しており、従来のイオン注入装置では、このビ
ームエネルギー、およびそれに関連する電極内のイオン
ビームの通過時間の影響によりイオンビームの平行度が
ウエーハ面上で全て一定とならないという問題がある。
【0006】基本的には、L1 /D1 =L2 /D2 とす
ることによって、H1電極でイオンビームが偏向される
角度とH2電極で逆方向に偏向される角度とが一致し、
平行ビームが得られるが、厳密にはイオンビームの位置
(スイープ方向=H方向)によって受ける偏向の力の強
さが異なる。これは、ビームの軌道の違いによって受け
る実効的な偏向の力(ビームエネルギー、ビーム所
在位置の電界強度、電界を受ける時間の組み合わせに
よる)が異なるためであると考えられる。この結果、ビ
ームの位置(スイープ方向=H方向)によってウエーハ
面上でのビームの入射角度が異なることになる。
【0007】これにより、イオンビームの平行度がウエ
ーハ面上で全て一定にならないと、例えばウエーハがト
レンチ構造の表面を有していると、シャドウ効果によっ
て特性にバラツキを生じさせる場合がある。
【0008】そこで、イオンビームの平行度を高めるよ
うに、H1電極およびH2電極の電極長や電極間隔を調
整する方法が考えられるが、この場合には、イオンビー
ムのウエーハへの照射角度が固定されたものになる。ウ
エーハの種類によっては、イオンビームを所定の照射角
度でもって照射させてイオン注入する仕様も考えられる
ため、上記のH1電極およびH2電極の電極長や電極間
隔を調整する方法では、このような各種のウエーハの仕
様に容易に対応することができないという問題がある。
【0009】従って、本発明においては、イオンビーム
の平行度を高めることができると共に、ウエーハへのイ
オンビームの照射角度を容易に変更可能なイオン注入装
置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
イオン注入装置は、上記課題を解決するために、一対の
電極板からなる電極対をイオンビームの進行方向に向か
って複数段並ぶように備え、上記電極対に電圧を印加す
ることによりイオンビームを走査するイオン注入装置で
あって、最終段の上記電極対を通過したイオンビームを
平行に走査するための走査電圧を所定の上記電極対に印
加する走査電圧印加手段を有するイオン注入装置におい
て、上記電極対へのイオンビームの入射位置における電
位を変化させて偏向角度を調整するバイアス電圧を、上
記所定の上記電極対のうちの少なくとも一つの電極対
印加するバイアス電圧印加手段を有していることを特徴
としている。
【0011】また、請求項2に係る発明のイオン注入装
置は、請求項1のイオン注入装置ににおいて、上記所定
の上記電極対は、上記複数段の上記電極対のうちの二つ
の上記電極対であることを特徴としている。
【0012】また、請求項3に係る発明のイオン注入装
置は、請求項1または2に記載のイオン注入装置におい
て、上記最終段の上記電極対は上記所定の上記電極対に
含まれており、上記バイアス電圧印加手段は上記最終段
の上記電極対に上記バイアス電圧を印加することを特徴
としている。
【0013】
【作用】上記の構成によれば、一対の電極板からなる複
数段の電極対のうち、走査電圧印加手段によって走査電
圧が印加される所定の電極対のうちの少なくとも一つ
電極対を、バイアス電圧印加手段が印加するバイアス電
圧により任意の電位に変化させることによって、該電極
対を通過する際のイオンビームのエネルギーの増減量を
調整することが可能である。従って、例えばイオンビー
ムが上記電極対に入射する際に、入射位置における走査
電圧による電位がイオンビームのエネルギーを減少させ
てイオンビームの偏向角度に誤差を生じさせる場合で
も、バイアス電圧によりイオンビームのエネルギーの減
少量または増加量を調整することによって、偏向の受け
具合を調整することが可能になる。これにより、例えば
イオンビームの平行度を高める処理や、ウエーハの仕様
に対応した照射角度でもってイオンビームをウエーハに
照射させる処理が、バイアス電圧を設定することにより
容易に行なえることになる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図1および図2に基づい
て説明すれば、以下の通りである。
【0015】本実施例に係るイオン注入装置は、図1に
示すように、イオンビーム1を水平方向に平行走査する
と共に図示しないウエーハをプラテンにより垂直方向に
往復移動させることによって、ウエーハの全面にイオン
ビーム1を均一に照射させるようになっている。イオン
ビーム1の走査は、垂直方向に対して平行な電極面を有
した一対の電極板からなるH1電極2・2(電極対)お
よびH2電極3・3(電極対)により行なわれるように
なっており、H1電極2・2とH2電極3・3とは、電
極長L1 ・L2 および電極間距離D1 ・D2 がL1 /D
1 =L2 /D2の関係式を満足するように設定されてい
る。
【0016】上記のH1電極2・2およびH2電極3・
3には、図2のバイアス電圧が重畳された三角波状の走
査電圧を出力する水平走査用電源5が接続されている。
この水平走査用電源5は、三角波発生部6aとオフセッ
ト発生部6bと加算器6cとを有した波形発生器6(走
査電圧印加手段)を有しており、ウエーハのセンターを
中心としてイオンビーム1を走査する場合は、オフセッ
ト発生部6bのオフセットが略ゼロになる。波形発生器
6は、三角波信号Hscanに任意のオフセット信号H
offsetを加算した走査基本信号を形成し、これにビーム
エネルギーに相当する信号(通常、オートトラッキング
信号と称している)を掛け合わせたうえ出力するように
なっている。尚、三角波信号Hscanとオフセット信号H
offsetとを加算した走査基本信号は、基本波形のスキャ
ンおよびオフセットを決定するHscanダイヤル値および
offsetダイヤル値によって制御されるものである。そ
して、波形発生器6は、走査電源インターフェースユニ
ット7(走査電圧印加手段)に接続されており、この走
査電源インターフェースユニット7に走査信号を出力す
るようになっている。
【0017】上記の走査電源インターフェースユニット
7は、増幅率が1倍に設定された反転増幅器7aと非反
転増幅器7bとを有しており、両増幅器7a・7bに
は、波形発生器6からの走査信号が入力されるようにな
っている。そして、これらの両増幅器7a・7bは、図
2に示すように、位相の180度ずれた三角波状の走査
電圧となる走査信号をそれぞれ出力するようになってい
る。
【0018】上記の走査電源インターフェースユニット
7は、図1に示すように、走査信号加算器8(バイアス
電圧印加手段、走査電圧印加手段)に接続されている。
走査信号加算器8は、2入力の第1加算器8aと第2加
算器8bとを有しており、第1加算器8aおよび第2加
算器8bの一方の入力部には、走査電源インターフェー
スユニット7の反転増幅器7aおよび非反転増幅器7b
の出力部がそれぞれ接続されている。一方、第1加算器
8aおよび第2加算器8bの他方の入力部には、バイア
ス信号を出力するバイアス電圧発生器10(バイアス電
圧印加手段)が接続されており、バイアス電圧発生器1
0には、ビームエネルギー信号と波形発生器6からのH
scanのダイヤル値とが入力されるようになっている。
【0019】上記のバイアス電圧発生器10は、下記の
(1)式を実行する演算部と、(1)式中の変数y(H
scan)を格納した変数格納部とを有しており、三角波信
号Hscanに対応した変数y(Hscan)とビームエネルギ
ー信号と走査信号加算器8の増幅率Bとを(1)式に代
入して得られるHBIAS特性を示すバイアス信号を出力す
ることによって、イオンビーム1の平行度を調整するよ
うになっている。
【0020】f(Hscan)=ビームエネルギー信号×y
(Hscan)/B … (1)上記のバイアス電圧発生
器10からのバイアス信号が入力される走査信号加算器
8は、バイアス信号を上述の走査電源インターフェース
ユニット7からの走査信号にそれぞれ加算するようにな
っている。この走査信号加算器8は、増幅部9a・9b
を有した走査電源アンプ9(バイアス電圧印加手段、バ
イアス電圧印加手段)に接続されており、走査電源アン
プ9は、バイアス信号が加算された走査信号を所定の増
幅率Bでもって増幅し、H1電極2・2およびH2電極
3・3に出力するようになっている。
【0021】上記のH1電極2・2とH2電極3・3と
の間には、垂直方向に対して平行な電極面を有した一対
の電極板からなるV電極4・4が設けられている。この
V電極4・4には、例えば2段階の偏向電圧が印加され
るようになっている。これにより、V電極4・4は、イ
オンビーム1を偏向させずに直進させる直進軌道と、直
進軌道から垂直方向に第1偏向角度でもってイオンビー
ム1を偏向させる第1軌道と、直進軌道から垂直方向に
第2偏向角度でもってイオンビーム1を偏向させる第2
軌道とを形成するようになっている。
【0022】上記の直進軌道上には、ダンプファラデー
が配設されている。また、第1軌道上には、複数のファ
ラデーからなる例えば16点の多点フロントファラデー
が配設されている。尚、この多点フロントファラデー
は、後述の多点バックファラデーと共に、イオンビーム
1の平行度等を求める際に使用されるようになってい
る。
【0023】さらに、第2軌道上には、ドーズファラデ
ーと反対側のオーバースキャンを確認するためのビーム
ファラデー、不要なイオンビーム1を遮断するマスクス
リット、イオン注入中のウエーハの移動速度等の制御お
よび注入量のモニターに使用されるドーズファラデー、
および複数のファラデーからなる例えば11点の多点バ
ックファラデーが配設されている。上記のマスクスリッ
トと多点バックファラデーとの間には、メカニカルスキ
ャン機構のプラテンが配設されており、このプラテン
は、ウエーハを垂直方向に往復移動させるようになって
いる。
【0024】上記の構成において、イオン注入装置の動
作について説明する。
【0025】先ず、イオンビーム1の平行度を高めた
り、イオンビーム1のウエーハへの照射角度を所定の角
度に設定するため、(1)式中の変数y(Hscan)が求
められることになる。即ち、任意のイオンビーム1のビ
ーム位置(スイープ方向=Hscan)に対応した任意の変
数y(Hscan)が乗算されたときに、イオンビーム1が
所望の走査状態となるように、変数y(Hscan)がシミ
ュレーションや実験により決定されることになる。そし
て、決定された変数y(Hscan)は、走査電源アンプ9
の変数格納部に登録されることになる。
【0026】次に、イオン注入装置が立ち上げられる場
合、イオンビーム1が生成された後、波形発生器6の三
角波発生部6aから三角波信号Hscanが加算器6cに出
力されることになる。加算器6cには、オフセット発生
部6bからの一定のオフセット信号Hoffsetが入力され
ており、三角波信号Hscanは、加算器6cにおいてオフ
セット信号Hoffsetが加算された後、ビームエネルギー
信号(オートトラッキング信号)を乗算のうえ走査信号
として出力されることになる。走査信号は、走査電源イ
ンターフェースユニット7の反転増幅器7aおよび非反
転増幅器7bに入力されることになり、両増幅器7a・
7bは、180度位相のずれた三角波状の走査信号をそ
れぞれ出力することになる。そして、これらの走査信号
は、走査信号加算器8の第1加算器8aおよび第2加算
器8bにそれぞれ入力されることになる。
【0027】一方、波形発生器6の三角波発生部6aか
ら出力された三角波信号Hscanのダイヤル値は、走査電
源アンプ9に出力されている。走査電源アンプ9は、三
角波信号Hscanのダイヤル値に対応する変数y
(Hscan)を変数格納部から読み出し、この変数y(H
scan)とビームエネルギー信号と走査信号加算器8の増
幅率Bとを(1)式に代入してHBIAS特性を示すバイア
ス信号を出力することになる。
【0028】上記のバイアス信号は、走査信号加算器8
の第1加算器8aおよび第2加算器8bにそれぞれ出力
されることになり、上述の走査電源インターフェースユ
ニット7からの走査信号にそれぞれ加算されることにな
る。そして、バイアス信号が加算された走査信号は、走
査信号加算器8の増幅部9a・9bにそれぞれ出力さ
れ、所定の増幅率Bでもって増幅された後、H1電極2
・2およびH2電極3・3に走査電圧として出力される
ことになる。
【0029】上記の走査電圧がH1電極2・2およびH
2電極3・3に印加されると、イオンビーム1がH1電
極2・2により偏向されることによって水平方向に走査
された後、V電極4・4を介してH2電極3・3を通過
することになる。そして、H1電極2・2により走査さ
れたイオンビーム1がH2電極3・3の正電位側の電極
近傍に位置する高電位部を進行するとき、イオンビーム
1のエネルギーがH2電極3・3の電位により低下する
ため、一旦減速されてから再び加速されて元の速度に復
帰することになる。
【0030】尚、上記の動作を厳密に説明すると、電極
内でビームエネルギーが一時的に変化するのは、H2電
極3・3内だけではなくH1電極2・2内においても起
こるものである。但し、H1電極2・2とH2電極3・
3とでは、イオンビーム1の通過する側の電位の極性が
逆であるので、H1電極2・2については、電極内で一
時的にビームエネルギーが増大する一方、H2電極3・
3については、電極内で一時的にビームエネルギーが減
少する方向にある。従って、本来は、H1電極2・2お
よびH2電極3・3の両者による影響を総合してシミュ
レーション或いは実験によって必要な変数f(Hscan
を求めることが重要である。また、この変数f
(Hscan)は、バイアス電圧を両電極2・2・3・3・
3に印加するか、H1電極2・2およびH2電極3・3
の何れか一方に印加するかによって異なるものとなる。
【0031】今、走査電圧がバイアス信号を含んでいな
い場合に、H2電極3・3の中心位置からH2電極3・
3に近づけば近づく程、イオンビーム1が内側により強
く偏向されているとする。つまり、走査電圧がバイアス
信号を含んでいない場合には、電位差が0であるH2電
極3・3の中間位置からH2電極3・3に近づく程、電
極内でのビームエネルギーの低下と電極内のビーム通過
時間の増大とによりイオンビーム1が過度に偏向して内
側方向に進行することになるからである。これに対し、
本実施例の走査電圧のように、バイアス信号を加えるこ
とによって、イオンビーム1を全てウエーハに垂直に平
行度良く走査させるには、以下のように動作することに
なる。尚、以下の動作は、H2電極3・3に着目して説
明するものである。
【0032】即ち、図2に示すように、第1時間t0
おいては、走査電圧が上限および下限の状態になってお
り、バイアス電圧がGND電位よりも低下した下限の状
態になっている。これらの電圧が印加されたH1電極2
・2は、イオンビーム1を最も偏向させてH2電極3・
3方向に進行させることになる。従って、イオンビーム
1のH2電極3・3への入射位置は、H2電極3・3の
電極板に最も近い位置となり、イオンビーム1は、H2
電極3・3の高電位の影響を受けてエネルギーを低下さ
せることになる。
【0033】この際、走査電圧と共にバイアス電圧が印
加されたH2電極3・3の電位は、走査電圧のみが印加
されたときと比較して、バイアス電圧分低下したものに
なっている。従って、イオンビーム1のエネルギーの低
下量は、走査電圧のみが印加されたときの低下量よりも
少ないものとなり、結果として、H2電極3・3におけ
るイオンビーム1の通過速度は、走査電圧のみの印加時
よりも増大することになる。これにより、H2電極3・
3におけるイオンビーム1の偏向角度は、バイアス電圧
により減少することになり、イオンビーム1は、バイア
ス電圧により調整された偏向角度でもってウエーハ方向
に進行することになる。
【0034】上記の第1時間t0 と同様の動作は、第1
時間t0 から第2時間t1 にかけて、走査電圧およびバ
イアス電圧によるイオンビーム1の偏向量および偏向角
の調整量を減少させながら行なわれることになる。そし
て、第2時間t1 においては、バイアス電圧がGND電
位に一致した状態になっているため、走査電圧のみがH
1電極2・2およびH2電極3・3に印加されることに
なり、イオンビーム1は、走査電圧のみに応じた偏向角
度でもってH1電極2・2およびH2電極3・3を通過
し、ウエーハ方向に進行することになる。
【0035】次に、第2時間t1 から第3時間t2 にお
いては、第1時間t0 から第2時間t1 までと類似の動
作となる。但し、第2時間t1 から第3時間t2 にかけ
て走査電圧およびバイアス電圧によるイオンビーム1の
偏向量および偏向角の調整量を増加させながら行なわれ
ることになる。
【0036】尚、本実施例においては、H1電極2・2
およびH2電極3・3にバイアス電圧を印加するように
なっているが、H1電極2・2およびH2電極3・3の
少なくとも一方にバイアス電圧を印加するようになって
いても良い。但し、この場合には、H1電極2・2およ
びH2電極3・3の何れに印加するかによって印加する
バイアス特性が異なることに注意する必要がある。
【0037】このように、本実施例のイオン注入装置
は、イオンビーム1のH2電極3・3への入射位置にお
ける電位がイオンビーム1のエネルギーを減少させ、こ
のエネルギーの減少がイオンビーム1の偏向角度に誤差
を生じさせることに着目し、入射位置における電位を変
化させて偏向角度を調整するバイアス電圧を走査電圧と
共にH1電極2・2およびH2電極3・3の少なくとも
一方に印加するようになっている。
【0038】即ち、イオン注入装置は、最終段の電極対
となるH2電極3・3を通過したイオンビームが平行に
走査されるように、H1電極2・2およびH2電極3・
3に走査電圧を印加するバイアス電圧印加手段である波
形発生器6等と、電極対へのイオンビーム1の入射位置
における電位を変化させて偏向角度を調整するバイアス
電圧を少なくとも一つの電極対に印加するバイアス電圧
印加手段であるバイアス電圧発生器10とを有した構成
になっている。
【0039】上記の構成によれば、H1電極2・2およ
びH2電極3・3の少なくとも一方をバイアス電圧によ
り任意の電位に変化させることによって、イオンビーム
1のエネルギーの増減量を調整することが可能である。
従って、イオンビーム1のH2電極3・3への入射位置
における電位がイオンビーム1のエネルギーを減少或い
は増大させ、このエネルギーの減少或いは増大がイオン
ビーム1の偏向角度に誤差を生じさせる場合でも、この
偏向角度の誤差をバイアス電圧によるイオンビーム1の
エネルギーの減少量或いは増加量の調整により解消させ
ることが可能である。これにより、イオンビーム1が所
望の軌道を進行するように、バイアス電圧を設定するこ
とによって、例えばイオンビーム1の平行度を高める処
理や、ウエーハの仕様に対応した照射角度でもってイオ
ンビーム1をウエーハに照射させる処理が容易に行なえ
ることになる。
【0040】尚、本実施例におけるイオン注入装置は、
H1電極2・2およびH2電極3・3の二つの電極対に
よりイオンビーム1を走査するようになっているが、こ
れに限定されることはなく、三つ以上の電極対によりイ
オンビーム1を走査するようになっていても良い。
【0041】
【発明の効果】請求項1に係る発明のイオン注入装置
は、以上のように、一対の電極板からなる電極対をイオ
ンビームの進行方向に向かって複数段並ぶように備え、
上記電極対に電圧を印加することによりイオンビームを
走査するイオン注入装置であって、最終段の上記電極対
を通過したイオンビームを平行に走査するための走査電
圧を所定の上記電極対に印加する走査電圧印加手段を有
するイオン注入装置において、上記電極対へのイオンビ
ームの入射位置における電位を変化させて偏向角度を調
整するバイアス電圧を、上記所定の上記電極対のうちの
少なくとも一つの電極対に印加するバイアス電圧印加手
段を有している構成である。
【0042】また、請求項2に係る発明のイオン注入装
置は、以上のように、請求項1のイオン注入装置におい
て、上記所定の上記電極対は、上記複数段の上記電極対
のうちの二つの上記電極対である構成である。
【0043】また、請求項3に係る発明のイオン注入装
置は、以上のように、請求項1または2に記載のイオン
注入装置において、上記最終段の上記電極対は上記所定
の上記電極対に含まれており、上記バイアス電圧印加手
段は上記最終段の上記電極対に上記バイアス電圧を印加
する構成である。
【0044】これにより、一対の電極板からなる電極対
をイオンビームの進行方向に向かって複数段並ぶように
備え、上記電極対に電圧を印加することによりイオンビ
ームを走査するイオン注入装置であって、最終段の上記
電極対を通過したイオンビームを平行に走査するための
走査電圧を所定の上記電極対に印加する走査電圧印加手
段を有するイオン注入装置において、以下の効果が得ら
れる。すなわち、走査電圧が印加される電極対のうち少
なくとも一つの電極対をバイアス電圧により任意の電位
に変化させることによって、電極対を通過する際のイオ
ンビームのエネルギーの増減量を調整することが可能で
あるため、例えばイオンビームの平行度を高める処理
や、ウエーハの仕様に対応した照射角度でもってイオン
ビームをウエーハに照射させる処理が、バイアス電圧を
設定することにより容易に行なえることになるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン注入装置における水平走査用電
源のブロック図である。
【図2】走査電圧とバイアス電圧との関係を示すグラフ
である。
【図3】従来例を示すものであり、走査電圧を示すグラ
フである。
【符号の説明】 1 イオンビーム 2 H1電極(電極対) 3 H2電極(電極対) 4 V電極 5 水平走査用電源 6 波形発生器(走査電圧印加手段) 7 走査電源インターフェースユニット(走査電圧印
加手段) 8 走査信号加算器(バイアス電圧印加手段、走査電
圧印加手段) 9 走査電源アンプ(バイアス電圧印加手段、走査電
圧印加手段) 10 バイアス電圧発生器(バイアス電圧印加手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/317

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の電極板からなる電極対をイオンビー
    ムの進行方向に向かって複数段並ぶように備え、上記電
    極対に電圧を印加することによりイオンビームを走査す
    るイオン注入装置であって、最終段の上記電極対を通過
    したイオンビームを平行に走査するための走査電圧を所
    定の上記電極対に印加する走査電圧印加手段を有するイ
    オン注入装置において、 上記電極対へのイオンビームの入射位置における電位を
    変化させて偏向角度を調整するバイアス電圧を、上記所
    定の上記電極対のうちの少なくとも一つの電極対に印加
    するバイアス電圧印加手段を有していることを特徴とす
    るイオン注入装置。
  2. 【請求項2】上記所定の上記電極対は、上記複数段の上
    記電極対のうちの二つの上記電極対であることを特徴と
    する請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 【請求項3】上記最終段の上記電極対は上記所定の上記
    電極対に含まれており、上記バイアス電圧印加手段は上
    記最終段の上記電極対に上記バイアス電圧を印加するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のイオン注入装
    置。
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