JP3416447B2 - ガスタービンの翼冷却空気供給システム - Google Patents
ガスタービンの翼冷却空気供給システムInfo
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Description
空気で効果的に冷却する翼冷却空気供給システムに関
し、特に、ロータを蒸気冷却する場合に動翼を空気冷却
可能とするものである。
部の断面図で、動翼への冷却空気の流れを示している。
図4において、50は静翼で51が外側シュラウド、5
2が内側シュラウドである。60は動翼であり、タービ
ンディスク61の翼根部62に取付けられて静翼50の
間で回転する。
ービンの動翼60は空気で冷却されており、ロータ冷却
空気の一部で冷却される。即ち、ロータディスク翼根部
62にはラジアルホール65があけられており、ロータ
冷却空気100は各ディスクキャビティ64に導かれ、
ラジアルホール65を通りプラットフォーム63の下部
まで導かれ、動翼60に供給される。
静翼と動翼の詳細図である。図3において、50は静翼
で、外側シュラウド51と内側シュラウド52を有し、
内部には軸方向に空気管53が貫通しており、シール用
空気110が外側シュラウド51側からキャビティ54
に導かれ、穴57を通って通路56へ流出している。通
路56内の圧力は燃焼ガス通路より高め、一部を燃焼ガ
ス通路へ放出し、高温ガスの侵入を防いでいる。なお、
55はラビリンスシールであり、同じく高温ガスのシー
ル用である。
ータ冷却空気100をディスクキャビティ64内へ導
き、ロータディスク翼根部62内部に貫通したラジアル
ホール65を通り、プラットフォーム63下部でシール
プレート66で囲まれたシャンク部61へ導き、ここか
ら動翼60の冷却用通路へ供給される。又、ロータ冷却
空気の一部を用いる代りに圧縮機からの空気をクーラを
通して冷却し、ディスクキャビティ64へ導くことも行
なわれている。
スタービンの翼の冷却は空気冷却であり、特に動翼にお
いてはロータ冷却空気の一部を導き、冷却している。近
年、空気の代りに蒸気による冷却方式が研究されてお
り、ロータ系の冷却を蒸気で行う場合には、冷却用の空
気がロータから得ることができないため、従来の構造で
は動翼の空気冷却ができないことになる。
うに、シール用空気を翼の内部を貫通する空気管53か
ら静翼のキャビティ54に吹き出し、キャビティ54内
部を高圧に保持して通路56の圧力を燃焼ガス通路圧力
より高くすることにより翼内部への高温ガスの侵入を防
いでいる。すなわちキャビティ54に吹き出した空気は
穴57及び通路56を通り、高温燃焼ガス通路へ一部を
流出しており、この空気量が増加すると、ガスタービン
の効率低下につながる。
却用空気をロータ冷却用空気の一部を用いるのではな
く、静翼から導いて動翼に供給するようにし、ロータの
冷却に蒸気冷却方式を採用した場合においても、動翼の
空気冷却を可能とすることにある。
の供給を効果的に行う構造のガスタービンの翼冷却空気
供給システムを提供することにある。
翼に冷却空気を供給するのは第1の課題と同じである
が、この空気供給系統からの冷却空気をシール用の空気
として利用すると共に動翼の冷却を行うことができるガ
スタービンの翼冷却空気供給システムを提供することに
ある。
の第1、第2の課題を解決するために、それぞれ次の
(1)、(2)の手段を提供する。
数の動翼と、同動翼に交互に配置され、外側、内側シュ
ラウドを有し、同内側シュラウドの下部にシール用キャ
ビティを、同シール用キャビティの下部にシールボック
スを有する複数の静翼とを有するガスタービンの翼冷却
空気供給システムであって;前記静翼を外側シュラウド
から内側シュラウドに向って貫通し、前記シールボック
スに挿入された空気管と;前記動翼の翼根部に設けら
れ、冷却空気を前記動翼へ導く動翼側冷却空気導入部
と;前記シールボックスに設けられ、前記空気管と連通
すると共に前記動翼側冷却空気導入部の入口に向って開
放する冷却空気通路とを具備してなり;前記空気管に冷
却空気を送り、前記冷却空気通路から前記動翼側冷却空
気導入部の入口に向って冷却空気を吹出し、同動翼側冷
却空気導入部より前記動翼に送ると共に、前記静翼の外
側シュラウド側より供給される冷却空気のうち前記空気
管に供給される空気は全量を前記動翼に供給し、前記静
翼を冷却する空気のうち、前縁部通路に供給される冷却
空気は前記静翼のキャビティに送り、シール用空気とす
ることを特徴とするガスタービンの翼冷却空気供給シス
テム。
数の動翼と、同動翼に交互に配置され、外側、内側シュ
ラウドを有し、同内側シュラウドの下部にシール用キャ
ビティを、同シール用キャビティの下部にシールボック
スを有する複数の静翼とを有するガスタービンの翼冷却
空気供給システムであって;前記静翼を外側シュラウド
から内側シュラウドに向って貫通し、前記キャビティに
連通する空気通路と;前記動翼の翼根部に設けられ、冷
却空気を前記動翼へ導く動翼側冷却空気通路と;前記シ
ールボックスに設けられ、前記キャビティと前記動翼側
冷却空気通路とを接続するシールボックス側冷却空気通
路とを具備してなり、前記静翼の空気通路に冷却空気を
送り、前記キャビティを燃焼ガス通路より高圧にすると
共に、前記動翼側冷却空気通路に冷却空気を通して前記
動翼に送ることを特徴とするガスタービンの翼冷却空気
供給システム。
翼の空気管から供給され、シールボックスに設けた冷却
空気通路から動翼側の冷却空気導入部の入口に吹出し、
冷却空気導入部より動翼に導かれるが、この冷却空気は
静翼から高圧、低温のまま直接動翼に供給できるので、
動翼の空気冷却をロータ冷却空気の一部で冷却する従来
の空気冷却と同様に動翼を効果的に冷却できる。このよ
うな翼冷却空気供給システムはロータを蒸気冷却するガ
スタービンにおいても翼の空気冷却として適用できる。
の冷却に用いられ、静翼のシール用空気は静翼の前縁部
に別に通して前縁部を冷却した後、キャビティの加圧に
用いられるので、上記の効果に加えて、冷却空気の有効
活用がなされる。
静翼の空気通路から供給された冷却空気はまずキャビテ
ィに流入し、キャビティ内を燃焼ガス通路よりも高圧に
した後、動翼側冷却空気通路に導かれ、動翼に供給され
るので、冷却空気が有効活用され、結果的に動翼、静翼
間から燃焼ガス通路に逃げる空気量を少くすることがで
きる。このような翼の冷却空気供給システムは(1)の
発明と同様にロータを蒸気冷却するガスタービンにおい
ても翼の空気冷却として適用できる。
て図面に基いて具体的に説明する。図1は本発明の実施
の第1形態に係るガスタービンの翼冷却空気供給システ
ムを適用した翼部の断面図である。
ュラウド11と内側シュラウド12を有し、13は翼内
部を貫通する空気管で冷却用空気100を導く。14は
内側シュラウド12下部のキャビティで、内部には空気
管13と接続するチューブ13aがキャビティ内部と密
閉して通過している。15はシールボックスで、ラビリ
ンスシール15aを支持している。16a,16bは内
側シュラウド12の両端部のシール部12a,12bと
で形成される通路、17はシールボックス15に貫通し
て設けられ、キャビティ14と通路16aとを連通する
空気穴、18はシールボックス15に設けられ、空気管
13と連接するチューブ13aと動翼側の冷却空気室2
4とを連通する冷却空気通路、19Aはシール用空気通
路で外側シュラウド11から空気101を導くもの、1
9B,19C,19D,19E,19Fは空気通路でサ
ーペンタイン冷却流路を形成している。
ンク部、22はロータディスク翼根部で、22aの突起
部を有し、静翼のシールボックス15との間でシール部
28を形成している。23はプラットフォーム、24は
翼根部22において突出部22a、シール部28、静翼
のシールボックス15及びラビリンスシール15aとで
形成された冷却空気室であり、静翼側のシールボックス
15に設けられた冷却空気通路18と連通している。
れたラジアルホールで、冷却空気室24と翼根部22及
びシャンク部21に形成された空気溜り27に連通して
いる。このように、冷却空気室24、ラジアルホール2
5、空気溜り27で空気導入部を構成している。26は
プラットフォーム23下部のシールプレートで、静翼側
のシール部12bとで通路16bを形成している。な
お、静翼10の通路19A〜19Fの内部の70は、冷
却空気流に乱れを与え、熱伝達率を向上させるためのタ
ービュレータである。
冷却は蒸気で行なわれており、蒸気キャビティ200を
有し、ここからの蒸気でロータが冷却される。静翼10
と動翼20は空気冷却であり、まず空気101の一部は
外側シュラウド11から前縁側の通路19Aより翼内に
流入し、前縁を冷却すると共にキャビティ14に吹き出
し、シールボックス15の空気穴17を通り、所定の圧
力以上で通路16aを通り、シール部12aを通過し高
温ガス通路側に一部流出する。従って、このシール用空
気により燃焼ガス通路のロータ側は燃焼ガス通路の圧力
より高圧に保持されて高温ガスの燃焼ガス通路のロータ
側への侵入が防止される。
り、19Bの低部から19Cを上昇し、以下順に19
D,19E,19Fを通り一部後縁側から放出しながら
サーペンタイン冷却を行い、冷却後の高温となった空気
は通路16bを通り、シール部12bから後縁側のガス
流路へ流出する。
11から空気管13内に流入し、下部に連接されたチュ
ーブ13aを通り、更に冷却空気通路18を通って冷却
空気室24内に入り、高圧、低温の冷却空気として滞留
する。冷却空気室24に入った冷却空気は動翼側のラジ
アルホール25を通り、空気溜り27に入り、プラット
フォーム23から図示省略の動翼20に設けられた冷却
用の空気通路に導かれ、動翼20を空気冷却する。
動翼冷却用の空気は、静翼10に設けられた空気管1
3、チューブ13aから専用に供給され、空気管13、
チューブ13aは独立したルートであるので、高圧、低
温を維持したまま動翼10に直接供給され、動翼10の
冷却を効果的に行うことができる。
の通路19Aで独立して供給され、かつ、この通路19
Aは空気101により前縁部の冷却を行い、その後にシ
ール用として用いられるのでシール用、冷却用を兼用で
き、空気の有効活用を実現できる。
翼冷却空気供給システムは、ロータを蒸気冷却するガス
タービンの場合でも、翼、特に動翼10に空気を供給す
ることができ、翼の空気冷却を可能にするものである。
却空気供給システムを適用した翼部の断面図である。図
2において、本実施の第2形態においては、静翼から動
翼の冷却用に供給された空気の一部を静翼のシール用の
空気にも活用できるようにし、空気を有効に活用して
動、静翼間から燃焼ガス通路に逃げる空気を少くした点
に特徴を有している。以下、これらの特徴につき説明す
る。
ュラウド31と内側シュラウド32とを有し、33は翼
内部の空気通路である。なお、この空気通路33は翼内
部に形成した通路でも、チューブを設けても良い。34
はキャビティ、35はシールボックスであり、動翼40
との間をシールするラビリンスシール35aを支持して
いる。36は通路、37はシールボックス35に設けら
れ、キャビティ34と通路36とを連通する空気通路、
38a,38bは静翼の内側シュラウド32端部と動翼
のプラットフォーム43端部間のシール、39はラビリ
ンスシール35aと動翼のロータディスク翼根部42と
の間に設けられたバッフル板47との間に形成された空
気溜りである。
ム43下部のシャンク部、42はロータディスク翼根
部、44,45はそれぞれ冷却空気通路でロータディス
クに貫通して設けられ、空気溜り39とロータディスク
翼根部42の冷却空気通路45に連通している。ロータ
ディスク翼根部42及びシャンク部41の空気通路部は
シールプレート46でシールし、供給された冷却空気を
燃焼ガス通路に逃がさずに確実に翼40へ供給される。
車室側からの冷却空気100は空気通路33を通り、翼
内からキャビティ34に流入し、空気通路37を通り所
定圧以上でラビリンスシール35aを通過して空気溜り
39に入る。空気通路37を通って流出した空気のう
ち、一部は通路36を通り、高圧の燃焼ガス以上の圧力
となるとシール38aを通過して燃焼ガス通路へ流出す
る。これにより、キャビティ34内は燃焼ガス通路より
高圧に保持されて高圧燃焼ガスの燃焼ガス通路のロータ
側への侵入を防止する。
4,45を通り、図示していないロータディスク翼根部
42に設けられた通路を経由してシャンク部41に入
り、動翼40の冷却用通路へ供給され、動翼40を冷却
し、冷却後の空気は燃焼ガス通路へ放出される。なお、
プラットフォーム43下部の翼根部42とシャンク部4
1の両側はシールプレート46でシールされているので
冷却空気を燃焼ガス通路に逃がさずに確実に動翼40に
供給することができる。
静翼30の空気通路33から供給された冷却空気は燃焼
ガス通路に逃すことなく、確実に動翼40に供給し、動
翼40を冷却することができると共に、空気通路33の
冷却空気の一部をキャビティ34に供給し、シール用空
気としても供給するので、シール用に専用に通路を設け
てキャビティ34にシール用空気を送り、ほとんどの空
気を燃焼ガス通路に逃す方式と比べると燃焼ガス通路に
逃す空気量を少くすることができる。
空気供給システムにおいても、第1形態のシステムと同
様に、ロータを蒸気冷却するガスタービンの場合でも、
動翼40に冷却空気を供給することができ、翼の空気冷
却を可能にするものである。
タに取付けた複数の動翼と、同動翼に交互に配置され、
外側、内側シュラウドを有し、同内側シュラウドの下部
にシール用キャビティを、同シール用キャビティの下部
にシールボックスを有する複数の静翼とを有するガスタ
ービンの翼冷却空気供給システムであって;前記静翼を
外側シュラウドから内側シュラウドに向って貫通し、前
記シールボックスに挿入された空気管と;前記動翼の翼
根部に設けられ、冷却空気を前記動翼へ導く動翼側冷却
空気導入部と;前記シールボックスに設けられ、前記空
気管と連通すると共に前記動翼側冷却空気導入部の入口
に向って開放する冷却空気通路とを備えたことを特徴と
しているので、冷却空気は前記冷却空気通路から前記動
翼側冷却空気導入部の入口に向って吹出し、同動翼側冷
却空気導入部より動翼へ送られ、この空気は静翼から高
圧、低温のまま直接送られるため動翼の冷却効果を高め
ることができる。
ンの翼の空気冷却のシステムとして用いることができ
る。
給される冷却空気のうち前記空気管に供給される空気は
全量を前記動翼に供給し、前記静翼を冷却する空気のう
ち、前縁部通路に供給される冷却空気は前記静翼のキャ
ビティに送り、シール用空気とすることを特徴としてい
るので、空気管からの冷却空気は全量が動翼の冷却に用
いられ、静翼のシール用空気は静翼の前縁部に別に通し
て前縁部を冷却した後、キャビティの加圧に用いられ、
上記の効果に加えて、冷却空気の有効活用がなされる。
翼と静翼とを有するガスタービンの翼冷却空気供給シス
テムであって;前記静翼を外側シュラウドから内側シュ
ラウドに向って貫通し、前記キャビティに連通する空気
通路と;前記動翼の翼根部に設けられ、冷却空気を前記
動翼へ導く動翼側冷却空気通路と;前記シールボックス
に設けられ、前記キャビティと前記動翼側冷却空気通路
とを接続するシールボックス側冷却空気通路とを備えた
ことを特徴としているので、冷却空気がまずキャビティ
に流入し、キャビティ内を燃焼ガス通路よりも高圧にし
た後、動翼側冷却空気通路に導かれ、動翼に供給され、
冷却空気が有効活用され、結果的に動翼、静翼間から燃
焼ガス通路に逃げる空気量を少くすることができる。
(1)の発明と同様にロータを蒸気冷却するガスタービ
ンの翼の空気冷却のシステムとして用いることができ
る。
システムを適用した静翼及び動翼翼根部の断面図であ
る。
システムを適用した静翼と動翼翼根部の断面図である。
ステムを適用した動翼の断面図である。
の冷却空気の流れを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 翼根部を介してロータに取付けた複数の
動翼と、同動翼に交互に配置され、外側、内側シュラウ
ドを有し、同内側シュラウドの下部にシール用キャビテ
ィを、同シール用キャビティの下部にシールボックスを
有する複数の静翼とを有するガスタービンの翼冷却空気
供給システムであって;前記静翼を外側シュラウドから
内側シュラウドに向って貫通し、前記シールボックスに
挿入された空気管と;前記動翼の翼根部に設けられ、冷
却空気を前記動翼へ導く動翼側冷却空気導入部と;前記
シールボックスに設けられ、前記空気管と連通すると共
に前記動翼側冷却空気導入部の入口に向って開放する冷
却空気通路とを具備してなり;前記空気管に冷却空気を
送り、前記冷却空気通路から前記動翼側冷却空気導入部
の入口に向って冷却空気を吹出し、同動翼側冷却空気導
入部より前記動翼に送ると共に、前記静翼の外側シュラ
ウド側より供給される冷却空気のうち前記空気管に供給
される空気は全量を前記動翼に供給し、前記静翼を冷却
する空気のうち、前縁部通路に供給される冷却空気は前
記静翼のキャビティに送り、シール用空気とすることを
特徴とするガスタービンの翼冷却空気供給システム。 - 【請求項2】 翼根部を介してロータに取付けた複数の
動翼と、同動翼に交互に配置され、外側、内側シュラウ
ドを有し、同内側シュラウドの下部にシール用キャビテ
ィを、同シール用キャビティの下部にシールボックスを
有する複数の静翼とを有するガスタービンの翼冷却空気
供給システムであって;前記静翼を外側シュラウドから
内側シュラウドに向って貫通し、前記キャビティに連通
する空気通路と;前記動翼の翼根部に設けられ、冷却空
気を前記動翼へ導く動翼側冷却空気通路と;前記シール
ボックスに設けられ、前記キャビティと前記動翼側冷却
空気通路とを接続するシールボックス側冷却空気通路と
を具備してなり、前記静翼の空気通路に冷却空気を送
り、前記キャビティを外部より高圧にすると共に、前記
動翼側冷却空気通路に冷却空気を通して前記動翼に送る
ことを特徴とするガスタービンの翼冷却空気供給システ
ム。
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