JP3410375B2 - 電力変換システム及び電力変換方法 - Google Patents

電力変換システム及び電力変換方法

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JP3410375B2
JP3410375B2 JP34283198A JP34283198A JP3410375B2 JP 3410375 B2 JP3410375 B2 JP 3410375B2 JP 34283198 A JP34283198 A JP 34283198A JP 34283198 A JP34283198 A JP 34283198A JP 3410375 B2 JP3410375 B2 JP 3410375B2
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英樹 深澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力変換システム
及び電力変換方法に関し、特に、誘導モータ、発電機の
ように速度制御下で電力変換が行われる電力変換システ
ム又は電力変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導発電機、誘導モータは、ますますそ
の高精度化が図られている。高速から停止寸前の低速ま
での広範囲の速度領域における速度制御、低トルクから
高トルクまでの広範囲のトルク領域におけるトルク制御
を含む電力変換精度の向上が求められている。
【0003】このような電力変換精度は、それに用いら
れる半導体デバイスに影響される。半導体デバイスに用
いられている複数のスイッチング素子である半導体素子
が同時に動作する場合、その同時性が失われて全体とし
て動作しないデッドタイムが発生する。電流方向が変化
する零クロスポイント近傍におけるデッドタイムの存在
は、電力変換精度に大きく影響する。
【0004】デッドタイムに電圧補正を行って電力変換
精度を向上させるための技術が知られている。そのよう
な技術は、相電流の方向に対して一律の電圧を指令電圧
に加算して補正するデッドタイム補正に関している。相
電流の方向に対して一律の電圧を指令電圧に加算して低
下電圧分を補償するこのような擬似的なデッドタイム補
正は、スイッチング素子が理想的な場合にはすぐれた技
術方法である。
【0005】電流により飽和電圧が非直線的に変化する
現実の半導体デバイスを用いるときは、一律の電圧補正
を行っただけでは電流変化により誤差が生じ、特に、低
い周波数領域の既述の零クロス近傍では、電流変動によ
る磁歪音が生じ、モータの場合、トルクリップルが生じ
るという問題を解消できない。
【0006】電力変換の向上は、中性点電流の存在によ
り著しく低下する。仮想上の中性点には電流が流れ、そ
の電流は電流損を招く。デッドタイム補償が行われると
同時に、デッドタイム補償が行われた補正電圧に関して
中性点電流を適正化することが、付加的な問題になる。
【0007】半導体デバイスの変換特性(Vce(sa
t)−Ic特性)に応じた最適な補正によるデッドタイ
ム補償が行われることが望まれる。更に、最適なデッド
タイム補償を行った上で、デッドタイムの中性点電流制
御を行うことが望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、電力
変換効率がより向上する電力変換システムを提供するこ
とにある。本発明の他の課題は、有効なデッドタイム補
償を行った上で適正な中性点電流の制御を行うことによ
り電力変換効率を向上させる電力変換システムを提供す
ることにある。本発明の更に他の課題は、電力変換精度
を向上させるとともに磁歪音低減効果を奏することがで
きる電力変換システムを提供することにある。本発明の
更に他の課題は、電力変換精度、電力変換効率を向上さ
せるとともにトルクリップル低減効果を奏することがで
きる電力変換システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が請求項に対応して表現される次の記載中に現れ
る()つきの数字は、請求項の記載事項が詳しく後述さ
れる実施の複数の形態のうちの少なくとも1つの形態の
部材、工程、動作に対応することを示すが、本発明の解
決手段がそれらの数字が示す実施の形態の部材、工程、
動作に限定して解釈されるためのものではなく、その対
応関係を明白にするためのものである。
【0010】本発明による電力変換システムは、複数の
スイッチング素子により時刻列の各時刻で制御される複
数相の電圧(in”∧””k+1”)による電力を供給
するための電源(2)と、電源(2)が供給する電力を
受けて運動する運動体1と、複数のそのスイッチング素
子のデッドタイムの変換特性に対応した非線形補償電圧
(111)をその時刻でその電圧(in”∧””k+
1”)に付加するための補償電圧発生器(107)と、
3相電圧の中性点電圧を零点電圧化するための零点化器
(112’,112)とからなり、デッドタイム補正と
中性点零電位化との両補正制御により、電力変換効率が
高精度に向上する。
【0011】その零点化は数学的に完全に前記中性点を
零電圧にする必要がなく、むしろ、数学的に近似的にそ
の中性点を零電圧にすることの方が好ましい。近似的に
零電圧化された中性点電圧は周期的であることが更に好
ましい。3相をsin(θ),sin(θ+120),
sin(θ+240)を角度範囲に分けて線形演算する
プログラムによる中性点電圧を制御する。これらの基本
電圧は、電気磁気系の内側の物理量でありその系の外部
から人為的に与える情報ではなく、物理系として制御系
が自己完結しており、零点化が高精度であり、電力変換
効率を高精度に向上させることができる。零点電圧化
は、プログラム化された変調ルール(112,11
2’)により行われ、その変調ルールは複数が与えられ
ていることが好ましい。
【0012】本発明による電力変換方法は、デッドタイ
ムの電圧を補正するためのステップと、3相の中性点電
圧を零電位化するためのステップとからなる。その零電
位化は近似的であることが好ましい。零電位化の後の中
性点電圧は、零点近傍で120度間隔の周期的電圧であ
り、120度の位相差を互いに持つ3つの概ねサインカ
ーブで表される電圧から合成される。内部の物理的情報
のみから中性点の零電位化が行われ、高精度の電力変換
効率が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に一致対応して、本発明によ
る電力変換システムは、速度制御モータの誘導モータ運
動部1の速度制御電圧の補償を行うデッドタイム補償電
圧発生部101を含んでいる。デッドタイム補償電圧発
生部101は、U相補償電圧102U、V相補償電圧1
02V、W相補償電圧102Wを発生する。U相補償電
圧102U、V相補償電圧102V、W相補償電圧10
2Wは、2相3相変換器104から出力されるU相・2
相3相変換出力105U、V相・2相3相変換出力10
5V、W相・2相3相変換出力105Wに付加される。
【0014】誘導モータ運動部1は、当然に、ロータ、
ステータを備え、そのステータ側に供給される電気的入
力を運動力に変換してロータに供給する運動系である。
このような運動系は、入力電圧、入力電流、一次側、二
次側磁束のような変数ベクトルを含むベクトル方程式で
記述される。
【0015】誘導モータ運動部1は、駆動回路としての
パワー・ドライビング・ユニットであるPDU2により
駆動される。PDU2は、3相(直流・交流)電力を周
期的・交番的に誘導モータ運動部1の3相入力部に供給
することができる。誘導モータ運動部1は、その型式を
問われず、本発明は各種型式の誘導モータに適用するこ
とができる。
【0016】PDU2からの出力は、駆動用コンピュー
タ3により制御される。駆動用コンピュータ3は、パル
ス・ワイド・モジュレーション機能を有し、U,V,W
の3相の電圧力を受けて、PDU2に時刻ごとの直流電
流を出力させるように波形幅の計算を行う波形幅計算機
である。波形幅計算機3には、U相電圧106U、V相
電圧106V、W相電圧106Wが送信される。
【0017】U相電圧106U、V相電圧106V、W
相電圧106Wは、次式で示される: U相電圧106U=U相・2相3相変換出力105U+
U相補償電圧102U V相電圧106V=V相・2相3相変換出力105V+
V相補償電圧102V W相電圧106W=W相・2相3相変換出力105W+
W相補償電圧102W
【0018】速度制御のために、誘導モータ運動部1と
PDU2の間の3相の電流供給線の2本には、U相電流
センサ4、V相電流センサ5が接続されている。2つの
U相電流センサ4、V相電流センサ5が検出する位相差
から、誘導モータ運動部1に供給される一次側電流ベク
トル、一次側電圧ベクトルが求められる。このようなベ
クトルの検出は、他の多様な検出手段によっても可能で
ある。
【0019】制御系には、それの第1,第2外部接続点
6,7から2つの第1,第2電流指令信号8,9が入力
される。第1電流指令信号8はd軸電流指令信号であ
り、第2電流指令信号9はq軸電流指令信号である。d
軸電流指令信号8は第1電流制御コントローラ11に入
力され、q軸電流指令信号は第2電流制御コントローラ
12に入力される。
【0020】第1電流制御コントローラ11の第1制御
用信号13、第2電流制御コントローラ12の制御用信
号14の第1回転・静止座標変換器15、第2回転・静
止座標変換器16によるそれぞれの座標変換は、次周期
の推定回転角度信号17を参照し非干渉化処理がなされ
て行われる。第1回転・静止座標変換器15、第2回転
・静止座標変換器16により適正な位相情報を与えられ
た電気信号を受ける2相3相変換器104は、適正な位
相を持つ既述のU相・2相3相変換出力105U、V相
・2相3相変換出力105V、W相・2相3相変換出力
105Wを出力する。
【0021】U相電流センサ4、V相電流センサ5が検
出する2つの相の電流信号19,21は、他の2相3相
変換器により逆変換されて、更に、静止・回転座標変換
器22により回転座標系上でのd軸フィードバック信号
23、q軸フィードバック信号24に変換され、d軸電
流指令,q軸電流指令に第1,第2外部接続点6,7
で、第1電流指令信号8、第2電流指令信号9に負の値
としてそれぞれに足し加えられる。このようなフィード
バックにより、誘導モータ運動部1に指令通りの電力を
供給することができる。
【0022】静止・回転座標変換器22により一回転座
標系上の信号に変換されたd軸フィードバック信号2
3、q軸フィードバック信号24は、第1回転・静止座
標変換器15、第2回転・静止座標変換器16で変換さ
れた変換信号が参照されて、他の回転静止座標変換器2
5により静止座標系上での信号に再度変換され、次周期
推定回転速度を計算により求める次周期推定回転速度算
定器26に入力される。
【0023】次周期推定回転速度算定器26は、誘導モ
ータ運動部1のロータの回転数・回転位置を直接的に検
出する速度検出センサを用いないで、誘導モータ運動部
1の電圧ベクトル、電流ベクトル、固有のベクトルのよ
うな物理量ベクトルから直接に計算により誘導モータ運
動部1の電源側回転周波数ωを求めることができるコン
ピュータである。本発明は、このようなセンサレス速度
制御を例示しているがその速度制御のためには自由に任
意の速度制御方法を採択することができる。
【0024】次周期推定回転速度算定器26は、その電
源側回転周波数ωに対応する推定速度信号27を出力す
る。逆算器28が、次周期推定回転速度算定器26と第
1回転・静止座標変換器15との間に介設されている。
逆算器28は、次周期推定回転速度算定器26がその計
算により求めた推定速度から推定位置を逆算して求める
ことができる。
【0025】その推定位置である推定回転角度信号29
は、第1回転・静止座標変換器15に入力され、次周期
の2相3相変換のために参照される。回転・静止座標変
換は、ロータに対して相対的に回転するステータの回転
ベクトルをその回転座標系から静止座標系上の値として
変換するための計算機部分である。
【0026】回転静止座標変換器25により再度変換さ
れ、一方で次周期推定回転速度算定器26に入力される
信号は、他方では、デッドタイム補償電圧発生用2相3
相変換器で3相用信号に変換され、既述のデッドタイム
補償電圧発生部101に入力される。
【0027】図2は、デッドタイム補償電圧発生回路1
07を示している。デッドタイム補償電圧発生回路10
7は、既述の第1電流制御コントローラ11、第2電流
制御コントローラ12を含む電流補償器108、既述の
2相3相変換器104、デッドタイム補償電圧発生部1
01とを備えている。電流補償器108には、既述第
1,第2電流指令信号8(id*),9(iq*),d
軸フィードバック信号23(id)、q軸フィードバッ
ク信号24(iq)又はそれらに基づく制御用電流が入
力される。2相3相変換器104には、次周期の推定回
転角度信号17(θ(k+1))が入力される。図中、
信号、ベクトル量などが推定値であることが、それらを
示す記号の上にマーク”∧”をつけることにより表され
ている。
【0028】デッドタイム補償電圧発生部101には、
U相電流センサ4、V相電流センサ5が検出する2つの
相の電流信号19,21又はそれらに基づく信号が次周
期推定値(in(k+1))として入力される。電流記
号iの右側の添字nは、各相U、V、Wをに対応する数
字1,2,3である。デッドタイム補償電圧発生部10
1は、IGBT・Vce−Ic・特性に対応するデッド
タイム補償電圧Vdead(k+1)を出力することができ
るデッドタイム補償電圧発生器(図示せず)を内部に備
えている。
【0029】2相3相変換器104は、既述の通り、U
相・2相3相変換出力105U、V相・2相3相変換出
力105V、W相・2相3相変換出力105W(Vn
(k+1))を出力し、加算器109により既述の足し
加え{Vn(k+1)+Vdead(k+1)}が実行され
る。このような足し加えは、慣用の電圧加算器により行
われる。
【0030】PDU2、駆動用コンピュータ3から構成
される電圧・電流発生器からは、時刻系列t(k)ごと
に、適正な波形を与えられた駆動用電力である電圧・電
流が生成されて、誘導モータ運動部1に供給される。そ
の電圧・電流発生器には、多くのトランジスタ、サイリ
スタと称されるスイッチング素子である半導体デバイス
が組み込まれ、パルス・ワイド・モジュレーションによ
りデジタル制御を行い、任意の波形のパワーを時刻列t
(k)に出力することができる。
【0031】よく知られているように、スイッチング素
子は理想的素子として製造されておらず、電流変化によ
りその飽和電圧が非線形に変化する特性を持つ一方で、
その制御回路では、これを形成する上下のスイッチング
素子が同時に通電しない休止時間(デッドタイム)を発
生させる。その実電流値in(k)は、時刻列tnの各
時刻t(k)において、異常電流になっている。
【0032】デッドタイム補償電圧発生部101は、こ
のようなデッドタイム時の電圧を補償するデッドタイム
補償電圧Vdead111を発生させる。デッドタイム時の
電圧の形態は、個々の半導体デバイスの特性に依存し、
多様である。用いる半導体デバイスのその特性に応じた
デッドタイム補償電圧Vdead111を発生させる必要が
ある。電流方向が変化するゼロクロス付近の零電流ポイ
ント近傍で非線形なデッドタイム補償電圧を発生させる
ことが、特に望ましい。
【0033】図2は、その零点近傍でサインカーブに近
似したVce−Ic特性の波形を示している。このよう
な特性は、個々の半導体デバイスの特性であり、一般的
・普遍的ではない。図3は、デッドタイム補償電圧発生
回路107が発生する合成電圧の波形を示している。そ
の電流値は、時系列t(n)の任意の時刻で、その半導
体デバイスの特性に基づいて異常電流になっており、そ
の電流に対応して電圧は線形に変化しない。
【0034】デッドタイム補償電圧Vdead(k+1)
は、零点近傍付近で、その零点に対して正負π/2の範
囲でsin(si)で表される電圧として採択されてい
る。sは、スカラー化定数である。その飽和電流s<i
>として正負π/2が採択され、デッドタイム補償電圧
Vdead(k+1)は、−π/2より小さい範囲では概ね
一定の負電圧が採択され、+π/2より大きい範囲では
概ね一定の正電圧が採択され、零ポイントで零電圧基準
線にクロスしている:
【0035】 Vdead(k+1)= a・sin(si) −π/2<si<π/2 Vdead(k+1)= a si<−π/2、π/2<si 合成出力電圧Vn”∧”(k+1) = 2相3相変換出力Vn(k+1)+a・sin(si) 又は、 合成出力電圧Vn”∧”(k+1) = 2相3相変換出力Vn(k+1)+a
【0036】図4は、デッドタイム補償電圧Vdead(k
+1)の付加により補償された合成電圧出力Vn(k+
1)を更に中性点変調により制御して、電力変換精度を
更に向上させるための技術を示している。デッドタイム
補償電圧発生部101から出力された3相の合成出力電
圧Vn”∧”(k+1)は、中性点零電位化器112に
入力される。図4は、PWM指令電圧がサイン波形型3
相交流の電圧波形である場合を示している。3相交流で
は、通常、中性点電圧Vmidがノコギリ形で発生して
いる。次の第1プログラムにより中性点電流の零電位化
を行う。
【0037】 for n=1:360 第2,3相に関して: The1=2*pi*1/3;The2=2*pi*2/3; 第1相に関して: The=2*pi*n/360; 次のように、最大値、最小値を設定する: 第1相と第2相について: if(sin(The)>sin(The+The1)) max=sin(The); min=sin(The+The1); else max=sin(The+The1); min=sin(The); end
【0038】第1相と第3相について: if(sin(The+The2)>max) max=sin(The+The2); end if(sin(The+The2)<min) min=sin(The+The2); end
【0039】このような最大・最小値の設定により次の
計算が行われる。 mid=(max+min)*0.5 この値を各相から減じると、値は零になる。既述のプロ
グラムを数学的に一般化すれば、次の群: {sin(θ)、sin(θ+120)、sin(θ+240)} から選択される2つの要素を足し加えその加算値を2で
割った値を、その群から既述のプログラムで指定される
要素から減算すれば、常に零になる。次の公式を用い
る: sin(α+β)=sin(α)cos(β) −sin(β)cos(α) このような加算・減算を時系列t(k)で行うことによ
り中性点電圧Vmid(t(k))は各時刻t(k)で
零である。
【0040】このようなVmid(k)(=(max+
min)*0.5)が、中性点零電位化器112から出
力され、各相加算点113U,V,Wで合成出力電圧V
n”∧”(k+1)から減算される。このような中性点
零電位化の結果、3相電圧は、図6に示されるように、
sin波形にはならないが、綺麗に位相間隔がずれた3
相電圧が得られることになる。逆に言えば、図6に示す
ような3相電圧を与えれば、中性点は零電位になる。
【0041】図7は、PWM指令相電圧の波形が変形サ
インカーブである場合の中性点零電位化の他の実施形態
を示している。図6に示すように結果として得る3相電
圧波形(ノコギリ形中性点電圧が発生している)に対し
て、既述の電圧補正を行えば、図8に示されるように、
逆に綺麗なサイン波形の出力電圧が当然に得られる。こ
のように、中性点零電位化は、逆変換群を含む。
【0042】図9は、PWM指令相電圧が飽和電圧を含
む場合の中性点零電位化の更に他の実施形態を示してい
る。既述の実施形態と同じ中性点零電位化は、図10に
示されるように、非飽和電圧の綺麗な3相電圧に変換す
ることができる。
【0043】図11は、デッドタイム補償電圧Vdead
(k+1)の付加により補償された合成電圧出力Vn
(k+1)を更に中性点変調により制御して、電力変換
精度を更に向上させるための他の中性点零電位化の他の
実施の形態を示している。デッドタイム補償電圧発生部
101から出力された3相の合成出力電圧Vn”∧”
(k+1)は、中性点零電位化器112’に入力され
る。
【0044】合成出力電圧Vn”∧”(k+1)の各相
U,V,Wは、それぞれに、零点近傍を除いて電圧降下
型波形を有している。この場合の中性点電流は、次の第
2プログラムにより生成される(図5参照)。 for n=1:360 第2相,3に関して: The1=2*pi*1/3;The2=2*pi*2/3; 第1相に関して: The=2*pi*n/360; 次のように、最大値、最小値を設定する: 第1相と第2相について: if(sin(The)>sin(The+The1)) max=sin(The); min=sin(The+The1); else max=sin(The+The1); min=sin(The); end
【0045】第1相と第3相について: ここまでのプログラムは、既述のプログラムに全く同じ
である。
【0046】
【0047】相電圧の組(第1相電圧,第2相電圧,第
3相電圧)の組から選択した1つの相電圧をmax、m
inとして、mid電圧の組(−(1−max),(1
+max))組から選択したmid電圧を、相電圧の組
(第1相電圧,第2相電圧,第3相電圧)から減じて得
られる3相電圧を示すと、図12のようになる。
【0048】図12が示す3相電圧の部分を60度から
90度の範囲に関し既述のプログラムにより計算して例
示すれば、次の通りである。デッドタイム補正を行った
後の電圧は近似的には、 sin(θ),sin(θ+120),sin(θ+240)、 mid=−1+sin(θ), 中性点零電圧化後の3相電圧は、 1, 1−(3/2)sin(θ)+{(3の平方根)/2}cos(θ) 1−(3/2)sin(θ)−{(3の平方根)/2}cos(θ) θ=60で、これらの3相電圧は順に、1,0.15,
0.732であり、θ=90で、1,−0.5、−0.
5である。これら3相電圧を足し加えることにより、そ
の範囲の中性点電圧が得られる。この中性点電圧は、θ
=90の縦軸に対して線対称であり、その対称な60度
の1単位幅の電圧が零電圧線である横軸に対して対称に
なり、120度の間隔で繰り返す周期関数になる。
【0049】このように零点近傍で周期的に変動する近
似的中性点電圧が得られる。このような近似的中性点電
圧を3相交流電気磁気回転系に与えれば、エネルギーの
伝達効率はより高くなる。3相交流は、最小の電線構成
により効率のよい電力供給を行っている。エネルギーの
伝達効率は、中性点電位という仮想電線を基に考えられ
ているため、実際には中性点にアンバランスな電流が流
れ、損失が発生している。空間ベクトル場からスカララ
ー場に射影した3相電圧の中性点電位は瞬間的に発生す
る電圧の中央値である。PWM発生装置から生成される
電圧は常にアンバランスを起こしている。
【0050】このような中性点零電位化により、3相電
圧の中性点電位を線間電圧の中央値に固定した電圧を供
給することができる。このため、図6,12に示される
ように、中性点電圧は零又は零近傍に固定することがで
きる。更に、中性点零電位化は、電力変換精度を向上さ
せると同時に、特に周波数の零クロス付近での電流変動
による磁歪音の発生を抑制し、モータに関しては、トル
クリップルの発生を抑制することができる。
【0051】中性点が零電位化された3相交流の生成
は、電圧の生成限界を大きく向上させることができる。
200V直流から200V交流を生成することもでき
る。モータに適用した場合、その交流は、綺麗な3相交
流である。
【0052】実験からの推測によれば、このような波形
電圧を印加して、正常な電力供給を行うことができる。
通常のキャリア比較を行った場合は、アンバランスなど
中性点に仮想接地した浮遊容量から電流の流れ損失が起
きる。実施の形態に示されるように、中性点変調を行う
と、漏れ電流の発生、損失を概ね完全に抑制することが
できる。
【0053】零電位化の変調ルールは、1台の電力変換
器について複数が与えられ、それらの切替・選択が行わ
れることが好ましい。変調ルールの選択は、その製品の
出荷時に選択して以後固定することが好ましい。あるい
は、ユーザーが実地運転を行って、それが用いられ外部
環境に最もよく適応する変調ルールを選択することがで
きるようにすることも好ましい。
【0054】
【発明の効果】本発明による電力変換システム及び電力
変換方法は、電力変換精度を向上させることができる。
特に、零点近傍でのその諸問題を解決することができ
る。更に付加的にいえば、トルクリップルの低減効果、
低速運転時の磁歪音低減効果がある。電圧補正後の中性
点零電位化が特に効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による電力変換システムの実施
の形態を示す回路図である。
【図2】図2は、デッドタイム補償器を示す回路図であ
る。
【図3】図3は、補償後の合成電圧出力を示す波形図で
ある。
【図4】図4は、中性点零電圧化を示す回路図である。
【図5】図5は、3相電圧波形を示す波形図である。
【図6】図6は、中性点零電位化後の3相電圧波形を示
す波形図である。
【図7】図7は、他の3相電圧波形を示す波形図であ
る。
【図8】図8は、中性点零電位化後の他の3相電圧波形
を示す波形図である。
【図9】図9は、更に他の3相電圧波形を示す波形図で
ある。
【図10】図10は、中性点零電位化後の更に他の3相
電圧波形を示す波形図である。
【図11】図11は、他の中性点零電位化器を示す回路
図である。
【図12】図12は、更に他の中性点零電圧化を示す波
形図である。
【符号の説明】
2…電源 101…補償電圧発生器 112’零点化器 t(k)…時刻 Vn(k)…電圧 111…非線形補償電圧(Vdead)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/537 H02M 7/48 H02P 7/622

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のスイッチング素子により時刻列の各
    時刻で制御される3相の電圧による電力を供給するため
    の電源と、 前記電源が供給する電力を受けて運動する運動体と、 前記複数のスイッチング素子のデッドタイムの変換特性
    に対応した補償電圧を前記時刻で前記電圧に付加するた
    めの補償電圧発生器と、前記3相をsin(θ),sin(θ+120),si
    n(θ+240)で表して、次のプログラム: if (sin(θ)>sin(θ+120)) max=sin(θ);min=sin(θ+12
    0); end if (sin(θ+240)>max max=sin(θ+240); end if (sin(θ+240)<min min=sin(θ+240); end if (max*max>=min*min mid=
    −(1−max); end if (max*max<=min*min mid=
    (1+min); end により生成されるmidにより、3相電圧を、{sin
    (θ)−mid}、{sin(θ+120)−mi
    d},{sin(θ+240)−mid}にして、 前記
    3相電圧の中性点電圧を近似的に零電圧化するための零
    点化器とからなる電力変換システム。
  2. 【請求項2】デッドタイムの電圧を補正するためのステ
    ップと、 3相の中性点電圧を近似的に零電位化するためのステッ
    プとからなり、前記零電位化の後の前記中性点電圧は、零点近傍で12
    0度間隔の周期的電圧 であり、120度の位相差を互い
    に持つ3つの概ねサインカーブで表される電圧から合成
    される 電力変換方法。
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