JP3407061B2 - 農用作業車 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は例えばロータリ作業機を
装備させて耕耘作業などを行う農用作業車に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、実開昭５９−１９６７５５号公報
に示す如く、ミッションケース上側に軸支させる入力軸
の一側に入力プーリを設け、主変速ギヤ及び２段の前進
ギヤを介して主変速軸を入力軸に連結させると共に、３
段の副変速ギヤ及び出力ギヤを介して副変速軸を主変速
軸に連結させる技術がある。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、主変
速用のフォーク軸を２本設け、二組のフォークと主変速
ギヤの切換を行っているから、入力軸に対して副変速軸
が離間して配置され、入力軸と副変速軸の軸間距離を縮
少し得ず、例えば下側に車輪を装設させるミッションケ
ースの上側に主及び副変速用のギヤをコンパクトに配置
し得ず、両側に車輪を設けて前側にエンジンを設けるミ
ッションケースの背面側を利用して主及び副変速操作具
を設ける必要があり、ミッションケース上側に設ける操
向ハンドルの方向転換またはロータリ作業機の取付など
が制限される等の不具合がある。 【０００４】 【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、ミッ
ションケース上側に軸支させる入力軸の一側に入力プー
リを設け、主変速ギヤ及び２段の前進ギヤを介して主変
速軸を入力軸に連結させると共に、３段の副変速ギヤ及
び出力ギヤを介して副変速軸を主変速軸に連結させる農
用作業車において、主変速ギヤを切換える主変速フォー
ク軸と、副変速軸の軸芯孔に内挿させて副変速ギヤを切
換える副変速フォーク軸の各操作部を、ミッションケー
スの側面で入力プーリの設置範囲内に突設させると共
に、前記副変速軸の中間に副変速出力用の輪体を設け、
副変速軸の一方の側部に片寄らせて前進ギヤを設け、副
変速軸のもう一方の側部に片寄らせて副変速ギヤを設け
るもので、ミッションケースと入力プーリの間で入力プ
ーリの設置高さに主変速及び副変速用の各フォーク軸の
操作部をコンパクトに配置し得ると共に、前記輪体を挾
んで副変速軸の両側に主変速用のギヤと副変速用のギヤ
を分けてコンパクトに配置し得、主変速軸と副変速軸の
軸間距離を従来よりも短縮し得、例えばエンジンと作業
機を前後に設けかつ左右に走行輪を設けるミッションケ
ースの上側に主及び副変速軸をコンパクトに内設し得、
例えば主変速の前進２速と副変速の３速の切換によって
後進が３速になる変速構造を容易に得られ、しかも操向
ハンドル及び主変速レバーを前後に振換え可能な構造を
容易に得られ、変速操作を煩雑にすることなく後進作業
性の向上などを行い得るものである。 【０００５】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。図１は副変速機構部の説明図、図２は管理機の側
面図、図３は同平面図、図４はミッションケース上部説
明図、図５は同下部説明図、図６は主変速機構部の説明
図、図７はミッションケース上部側面図であり、図中
（１）はエンジン、（２）は前記エンジン（１）を載せ
るエンジン台、（３）は前記エンジン台（２）を前側に
固定させるミッションケース、（４）は前記ミッション
ケース（３）両側に車軸（５）を介して取付ける左右一
対の走行輪、（６）は前記ミッションケース（３）にヒ
ッチ（７）を介して牽引連結させるロータリ作業機、
（８）は前記ミッションケース（３）上部にハンドルベ
ース（９）を介して連設させる操向ハンドル、（１０）
は前記ミッションケース（３）に前後振換え自在に支持
させる主変速レバー、（１１）は前記操向ハンドル
（８）に設ける副変速レバー、（１２）は同左右一対の
サイドクラッチレバー、（１３）は走行クラッチレバー
であり、エンジン（１）の出力プーリ（１４）とミッシ
ョンケース（３）の入力プーリ（１５）の間に走行クラ
ッチテンションローラ（１６）を介して駆動ベルト（１
７）を張設させ、エンジン（１）出力をミッションケー
ス（３）に伝達させると共に、ロータリ作業機（６）の
ロータリ爪（１８）を回転させて耕耘作業を行わせるよ
うに構成している。 【０００６】さらに、図４、図６、図７に示す如く、入
力プーリ（１５）及び主変速ギヤ（１９）及びＰＴＯ出
力プーリ（２０）を設ける入力軸（２１）と、シフトフ
ォーク（２２）を介して主変速ギヤ（１９）を摺動させ
るフォーク軸（２３）と、後進ギヤ（２４）を設けるカ
ウンタ軸（２５）と、前進１速及び２速ギヤ（２６）
（２７）を設ける主変速軸（２８）をミッションケース
（３）に軸支させ、主変速軸（２８）に遊転軸支させる
１速ギヤ（２６）をカウンタ軸（２５）にカウンタギヤ
（２９）（３０）を介して連結させ、カウンタ軸（２
５）を主変速軸（２８）にカウンタギヤ（３１）（３
２）を介して連結させ、前進２段後進１段の主変速機構
（３３）を形成するもので、フォーク軸（２３）にシフ
トアーム（３４）を介して主変速レバー（１０）を連結
させ、後進ギヤ（２４）または１速ギヤ（２６）または
２速ギヤ（２７）に変速ギヤ（１９）を択一噛合させる
主変速レバー（１０）操作を行うように構成している。 【０００７】さらに、図１、図４、図６に示す如く、ボ
ールクラッチ（３５）（３６）（３７）を介して係脱自
在に低中高速用ギヤ（３８）（３９）（４０）を設ける
副変速軸（４１）をミッションケース（３）に軸支さ
せ、前記各ギヤ（３８）〜（４０）を主変速軸（２８）
の低中高速出力ギヤ（４２）（４３）（４４）に常時噛
合させると共に、副変速軸（４１）の軸芯位置にフォー
ク軸（４５）を摺動自在に内挿させ、各ボールクラッチ
（３５）〜（３７）を択一係合動作させるシフタ（４
６）をフォーク軸（４５）に設け、低中高速用３段の副
変速機構（４７）を形成するもので、フォーク軸（４
５）を軸芯方向に摺動させてシフタ（４６）を変位さ
せ、各ボールクラッチ（３５）〜（３７）を介して低中
高速用ギヤ（３８）〜（４０）を副変速軸（４１）に択
一係合させ、低速、中速、高速の出力切換を行うように
構成している。 【０００８】さらに、図１、図４、図７、図８、図９に
示す如く、前記フォーク軸（４５）の一端側に圧縮バネ
（４８）を巻装させ、フォーク軸（４５）の他端部をミ
ッションケース（３）外側方に出入自在に突設させると
共に、円筒形の固定カム（４９）と回転カム（５０）を
備え、ミッションケース（３）に回り止めピン（５１）
を介して固定カム（４９）を取付け、固定カム（４９）
中心部を遊嵌挿通させるフォーク軸（４５）端部にネジ
（５２）及びナット（５３）を介して回転カム（５０）
を回転自在に取付けるもので、回転カム（５０）に一体
固定させる副変速アーム（５４）を副変速レバー（１
１）に副変速ワイヤ（５５）を介して連結させ、また前
記アーム（５４）に戻りバネ（５５ａ）を連結させると
共に、多段的に形成する固定カム（４９）の低中高速カ
ムフロア平坦面（５６）（５７）（５８）に回転カム
（５０）のカム平坦面（５９）を対向させ、副変速レバ
ー（１１）操作によって回転カム（５０）をフォーク軸
（４５）回りに回転させ、低中高速カムフロア平坦面
（５６）〜（５８）のいずれかにカム平坦面（５９）を
択一当接させ、圧縮バネ（４８）に抗してフォーク軸
（４５）を進出させ、また前記バネ（４８）によってフ
ォーク軸（４５）を退入させ、前記シフタ（４６）によ
る低中高速の出力切換を行わせるように構成している。 【０００９】さらに、図４、図５、図７に示す如く、前
記副変速軸（４１）にスプロケット（６０）を一体形成
し、またボールクラッチ型サイドクラッチ（６１）（６
２）を介して車軸（５）にスプロケット（６３）を軸支
させ、各スプロケット（６０）（６３）をチェン（６
４）によって連結させると共に、サイドクラッチ（６
１）（６２）をバネ（６５）（６６）に抗して切操作す
るサイドクラッチアーム（６７）（６７）を設け、前記
サイドクラッチレバー（１２）にサイドクラッチワイヤ
（６８）を介してサイドクラッチアーム（６７）を連結
させ、前記レバー（１２）操作によってサイドクラッチ
（６１）（６２）を切動作させるように構成している。 【００１０】上記から明らかなように、ミッションケー
ス（３）上側に軸支させる入力軸（２１）の一側に入力
プーリ（１５）を設け、主変速ギヤ（１９）及び２段の
前進ギヤである１速及び２速ギヤ（２６）（２７）を介
して主変速軸（２８）を入力軸（２１）に連結させると
共に、３段の副変速ギヤである低中高速用ギヤ（３８）
〜（４０）及び低中高速出力ギヤ（４２）〜（４４）を
介して副変速軸（４１）を主変速軸（２８）に連結させ
る農用作業車において、主変速ギヤ（１９）を切換える
主変速フォーク軸（２３）と、副変速軸（４１）の軸芯
孔に内挿させて低中高速用ギヤ（３８）〜（４０）を切
換える副変速フォーク軸（４５）の各操作部を、ミッシ
ョンケース（３）の側面で入力プーリ（１５）の設置範
囲内に突設させると共に、前記副変速軸（４１）の中間
に副変速出力用の輪体であるスプロケット（６０）を設
け、副変速軸（４１）の一方の側部に片寄らせて前進１
速及び２速ギヤ（２６）（２７）を設け、副変速軸（４
１）のもう一方の側部に片寄らせて低中高速用ギヤ（３
８）〜（４０）を設ける。そして、ミッションケース
（３）と入力プーリ（１５）の間で入力プーリ（１５）
の設置高さに主変速及び副変速用の各フォーク軸（２
３）（４５）の操作部をコンパクトに配置させると共
に、前記スプロケット（６０）を挾んで副変速軸（４
１）の両側に主変速用の１速及び２速ギヤ（２６）（２
７）と副変速用の低中高速用ギヤ（３８）〜（４０）を
分けてコンパクトに配置させ、主変速軸（２８）と副変
速軸（４１）の軸間距離を従来よりも短縮させ、例えば
エンジン（１）と作業機（６）を前後に設けかつ左右に
走行輪（４）を設けるミッションケース（３）の上側に
主及び副 変速軸（２８）（４１）をコンパクトに内設さ
せ、例えば主変速の前進２速と副変速の３速の切換によ
って後進が３速になる変速構造を容易に得られ、しかも
操向ハンドル（８）及び主変速レバー（１０）を前後に
振換え可能な構造を容易に得られ、変速操作を煩雑にす
ることなく後進作業性の向上などを行う。 【００１１】さらに、図１０に示す如く、バネ（６９）
によって出入自在に突出支持させるピン（７０）を前記
車軸（５）にケース（７１）を介して埋込み、走行輪
（４）のボス（７２）に車軸（５）を内挿時、ボス（７
２）の抜止め孔（７３）にピン（７０）が係入保持され
るように構成している。 【００１２】 【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、ミッションケース（３）上側に軸支させる入力軸
（２１）の一側に入力プーリ（１５）を設け、主変速ギ
ヤ（１９）及び２段の前進ギヤ（２６）（２７）を介し
て主変速軸（２８）を入力軸（２１）に連結させると共
に、３段の副変速ギヤ（３８）〜（４０）及び出力ギヤ
（４２）〜（４４）を介して副変速軸（４１）を主変速
軸（２８）に連結させる農用作業車において、主変速ギ
ヤ（１９）を切換える主変速フォーク軸（２３）と、副
変速軸（４１）の軸芯孔に内挿させて副変速ギヤ（３
８）〜（４０）を切換える副変速フォーク軸（４５）の
各操作部を、ミッションケース（３）の側面で入力プー
リ（１５）の設置範囲内に突設させると共に、前記副変
速軸（４１）の中間に副変速出力用の輪体（６０）を設
け、副変速軸（４１）の一方の側部に片寄らせて前進ギ
ヤ（２６）（２７）を設け、副変速軸（４１）のもう一
方の側部に片寄らせて副変速ギヤ（３８）〜（４０）を
設けるもので、ミッションケース（３）と入力プーリ
（１５）の間で入力プーリ（１５）の設置高さに主変速
及び副変速用の各フォーク軸（２３）（４５）の操作部
をコンパクトに配置できると共に、前記輪体（６０）を
挾んで副変速軸（４１）の両側に主変速用のギヤ（２
６）（２７）と副変速用のギヤ（３８）〜（４０）を分
けてコンパクトに配置でき、主変速軸（２８）と副変速
軸（４１）の軸間距離を従来よりも短縮でき、例えばエ
ンジン（１）と作業機（６）を前後に設けかつ左右に走
行輪（４）を設ける ミッションケース（３）の上側に主
及び副変速軸（２８）（４１）をコンパクトに内設で
き、例えば主変速の前進２速と副変速の３速の切換によ
って後進が３速になる変速構造を容易に得ることがで
き、しかも操向ハンドル（８）及び主変速レバー（１
０）を前後に振換え可能な構造を容易に得ることがで
き、変速操作を煩雑にすることなく後進作業性の向上な
どを行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】 【図１】副変速機構部の説明図。 【図２】管理機の側面図。 【図３】同平面図。 【図４】ミッションケース上部説明図。 【図５】同下部説明図。 【図６】主変速機構部の説明図。 【図７】ミッションケース上部側面図。 【図８】副変速カム部の分解図。 【図９】同展開説明図。 【図１０】車軸部の説明図。 【符号の説明】 （３） ミッションケース（１５） 入力プーリ （１９） 主変速ギヤ （２１） 入力軸 （２３） 主変速フォーク軸 （２６） １速ギヤ（前進ギヤ） （２７） ２速ギヤ（前進ギヤ） （２８） 主変速軸 （３８）〜（４０） 低中高速用ギヤ（副変速ギヤ） （４１） 副変速軸 （４５） 副変速フォーク軸（６０） スプロケット（副変速出力用の輪体）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−10151（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−196755（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−84675（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01B 33/08 B60K 17/08 F16D 15/00

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 ミッションケース（３）上側に軸支させ
   る入力軸（２１）の一側に入力プーリ（１５）を設け、
   主変速ギヤ（１９）及び２段の前進ギヤ（２６）（２
   ７）を介して主変速軸（２８）を入力軸（２１）に連結
   させると共に、３段の副変速ギヤ（３８）〜（４０）及
   び出力ギヤ（４２）〜（４４）を介して副変速軸（４
   １）を主変速軸（２８）に連結させる農用作業車におい
   て、主変速ギヤ（１９）を切換える主変速フォーク軸
   （２３）と、副変速軸（４１）の軸芯孔に内挿させて副
   変速ギヤ（３８）〜（４０）を切換える副変速フォーク
   軸（４５）の各操作部を、ミッションケース（３）の側
   面で入力プーリ（１５）の設置範囲内に突設させると共
   に、前記副変速軸（４１）の中間に副変速出力用の輪体
   （６０）を設け、副変速軸（４１）の一方の側部に片寄
   らせて前進ギヤ（２６）（２７）を設け、副変速軸（４
   １）のもう一方の側部に片寄らせて副変速ギヤ（３８）
   〜（４０）を設けることを特徴とする農用作業車。