JP3407014B2 - 結晶層厚・組成決定方法及び装置、結晶層厚・組成算出装置、結晶層製造方法及び装置並びに記憶媒体 - Google Patents

結晶層厚・組成決定方法及び装置、結晶層厚・組成算出装置、結晶層製造方法及び装置並びに記憶媒体

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JP3407014B2
JP3407014B2 JP01998898A JP1998898A JP3407014B2 JP 3407014 B2 JP3407014 B2 JP 3407014B2 JP 01998898 A JP01998898 A JP 01998898A JP 1998898 A JP1998898 A JP 1998898A JP 3407014 B2 JP3407014 B2 JP 3407014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実質的な3元化合
物半導体Ax 1-x C(組成x)の結晶層が基板上にエ
ピタキシャル成長された試料の結晶層厚及び組成を決定
する結晶層厚・組成決定方法及び装置、結晶層厚・組成
算出装置、結晶層製造方法及び装置並びに記憶媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体結晶、例えばHg1-x Cd
x Te結晶は、赤外線受光素子として用いられ、基板上
にエピタキシャル成長、例えばLPE成長される。特
に、CdZnTe基板上にエピタキシャル成長したHg
1-x Cdx Te結晶層は、転位密度が他の基板上に成長
したものより一桁低く、赤外線受光素子の性能が良いた
め、広く用いられている。
【0003】近年、赤外線受光素子の性能向上のため、
組成の均一性及び再現性の良いHg 1-x Cdx Te結晶
層を製造することが要求されている。従来の結晶層厚決
定方法では、ウェーハ上にエピタキシャル成長された結
晶層の周辺部を劈開し、光学顕微鏡で劈開断面の厚さを
測定していた。しかし、破壊測定であるため、結晶層の
面内任意の位置での測定ができず、結晶層面内厚さを保
証することができない。
【0004】また、従来の組成x決定法としては、結晶
層の比抵抗から組成を求める方法(例えば特開昭53−
135262号公報)がある。しかし、組成の精度がΔ
x=0.01程度と悪く、かつ、破壊測定であるのでウ
ェーハ上の任意の位置での測定ができず、結晶層面内組
成を保証することができない。他の組成x決定法とし
て、結晶層の一部で光伝導素子を製造し、カットオフ波
長を測定して結晶のエネルギーギャップの値を求め、エ
ネルギーギャップと組成xとの関係式に基づいて組成x
を求める方法がある。この方法では、組成精度がΔx=
0.0001程度と良いが、結晶層を破壊してしまうの
で、ウェーハ上の任意の位置での測定ができず、製造し
た結晶層の面内組成を保証することができない。
【0005】非破壊で結晶層の面内任意の位置の厚み及
び組成を測定する方法として、分光透過率を用いる方法
が提案されている(例えば、E. Finkman et al. :J. Ap
pl.Phys., 50, 4356, (1979) )。
【0006】この方法では、Hg1-x Cdx Te結晶層
の分光透過率を測定し、これから干渉フリンジ周期c
(cm-1)を求め、結晶層厚さt を、次式で求める。 t=1/(2×n×c) ・・・(1) ここに、nは屈折率である。
【0007】また、組成xは、次のようにして求められ
る。すなわち、得られた結晶層厚さt 及び吸収係数α=
500cm-1を次式、 T=Tmax ・exp(−αt) ・・・(2) に代入したときの透過率Tを求め、分光透過率がこの透
過率Tになるときの波数νcoを読み取る。ここにTmax
は、分光透過率から干渉フリンジを除去した後の分光透
過率の最大値である。この波数νcoを波長(カットオフ
波 長)λcoに換算し、さらにこれを、式 λco=1.240/Eg ・・・(3) で半導体結晶のエネルギーギャップEg に換算する。E
g は、温度T及び組成xに依存しており、次式(G. L.
Hansen et al., J. Appl. Phys., 53, 7099, (1982),
p.7100 )、 Eg=−0.302+1.93×x+5.35×10-4×T×(1−2×x) −0.810×x2+0.832×x3 ・・・(4) にエネルギーギャップEg 及び分光透過率測定時の絶対
温度Tを代入して、組成xを求めることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が上記方法で、実際に結晶層の厚さt及び組成xを計
算したところ、計算値と実測値が合わず、上記方法が利
用できないことがわかった。本発明の目的は、このよう
な問題点に鑑み、実質的な3元化合物半導体Ax 1-x
Cの結晶層が基板上にエピタキシャル成長された試料の
結晶層厚及び組成を精度良く決定することができる結晶
層厚・組成決定方法及び装置、結晶層厚・組成算出装
置、結晶層製造方法及び装置並びに記憶媒体を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】請求項
1の結晶層厚決定方法では、実質的な3元化合物半導体
x 1-x C(組成x)の結晶層が基板上にエピタキシ
ャル成長された試料の分光透過率又は該結晶層の分光反
射率である分光透過/反射率を測定して該結晶層での光
路差に基づく干渉フリンジの周期cを求め、該干渉フリ
ンジ周期c、該組成x及び式t=1/{(2(β−γ・
x) c}に基づいて該結晶層の厚さtを求め、ここに
β及びγは定数である。
【0010】組成xは、例えば、EPMA(電子プロー
ブマイクロアナリシス)で測定し又は、結晶層の一部で
光伝導素子を製造し、カットオフ波長を測定して結晶の
エネルギーギャップの値を求め、エネルギーギャップと
組成xとの関係式に基づいて組成xを求めてもよい。結
晶層製造において組成xがほぼ一定している場合には、
測定せずにそのxの値を用いててもよい。
【0011】この結晶層厚決定方法によれば、干渉フリ
ンジ周期c及び組成xの値から結晶層厚tを精度良く決
定することができるという効果を奏する。請求項2で
は、請求項1において、上記組成xの関数として表され
た上記3元化合物半導体のエネルギーギャップEg の式
に、上記分光透過/反射率から求めたエネルギーギャッ
プの値を代入して、該組成xを求める。
【0012】結晶層製造において組成xがほぼ一定して
いる場合には、そのxの値を用いて厚さを決定すること
ができるが、この方法によれば組成xが一定していなく
ても結晶層厚tを精度良く決定することができるという
効果を奏する。ここに実質的な3元化合物半導体Ax
1-x Cとは、4元以上であっても上記方法で得られる結
果とほぼ同じ結果が得られることを意味する(以下同
様)。
【0013】請求項3の結晶層厚決定方法では、請求項
1又は2において、上記結晶層の厚さt及び組成xの異
なる複数の試料を作成し、該複数の試料について、上記
分光透過/反射率を測定し、その結果から上記干渉フリ
ンジ周期cを求め、上記組成xを求め、該結晶層を劈開
してその厚さtを測定し、該干渉フリンジ周期cと該組
成xと該厚さtとから最小自乗法により上記定数β及び
γを決定する。
【0014】この結晶層厚決定方法によれば、各種化合
物半導体に本発明を適用することが可能になるという効
果を奏する。請求項4の結晶層厚決定方法では、請求項
1乃至3のいずれか1つにおいて、上記3元化合物半導
体はHg1-x Cdx Te結晶であり、上記厚さt及び上
記干渉フリンジ周期cの単位がそれぞれcm及びcm-1
のとき上記定数β及びγはそれぞれ略4.66及び略
4.69である。
【0015】この結晶層厚決定方法によれば、Hg1-x
CdxTe結晶層の厚みtを精度良く決定することがで
きるという効果を奏する
【0016】
【0017】請求項5では、実質的な3元化合物半導体
x1-xC(組成x)の結晶層が基板上にエピタキシャ
ル成長された試料の分光透過率又は該結晶層の分光反射
率である分光透過/反射率を測定して該結晶層の厚さt
及び組成xを求める結晶層厚・組成決定方法において、
該分光透過/反射率から該結晶層での光路差に基づく干
渉フリンジの周期cを求め、該干渉フリンジが無いと仮
定したときの、該分光透過/反射率の分光透過率略最大
値Tmax1又はこれに相当する分光反射率略最小値を求
め、該組成x0の初期値を求め又は該初期値が与えら
れ、 (1)式t=1/{(2(β0−γ0・x0)c}に基づ
き該厚さtを求め、ここにβ0及びγ0は定数であり、 (2)該組成x0の関数として表された該3元化合物半
導体のエネルギーギャップEgの式に、該分光透過/反
射率が透過率Tmax・exp(−αt)又はこれに相当
する反射率になるときの波数に対応したエネルギーギャ
ップの値を代入して、該組成x0を算出し、ここに吸収
係数αは定数であり、該厚さt及び該組成x0が収束す
るまでステップ(1)及び(2)を繰り返し実行し、そ
の収束後、該組成x0を補正式x=η・x0+μで補正
し、ここにη及びμは定数である。
【0018】この結晶層厚・組成決定方法によれば、結
晶層の厚さと組成とが未知である場合に、これらを同時
に精度良く決定することが可能になるという効果を奏す
る。請求項の結晶層厚・組成決定方法では、請求項
において、上記3元化合物半導体はHg1-xCdxTe結
晶であり、上記厚さt、上記干渉フリンジ周期c及び上
記吸収係数αの単位がそれぞれcm、cm-1及びcm-1
のとき上記定数α、β0、γ0、η及びμはそれぞれ略5
00、略4.53、略4.34、略1.08及び略−
0.03である。
【0019】この結晶層厚・組成決定方法によれば、H
1-xCdxTe結晶層について、厚さと組成とが未知で
ある場合に、これらを同時に精度良く決定することが可
能になるという効果を奏する。請求項7では、実質的な
3元化合物半導体Ax1-xC(組成x)の結晶層が基板
上にエピタキシャル成長された試料の分光透過率又は該
結晶層の分光反射率である分光透過/反射率を測定して
該結晶層の厚さt及び組成xを求める結晶層厚・組成決
定方法において、該結晶層が未知の厚みt1のときとこ
れをエッチングした未知の厚みt2のときとの該分光透
過/反射率をそれぞれ第1結晶層の第1分光透過/反射
率及び第2結晶層の第2分光透過/反射率として測定
し、該第1分光透過/反射率から該第1結晶層での光路
差に基づく干渉フリンジの周期c1を求め、該第2分光
透過/反射率から該第2結晶層での光路差に基づく干渉
フリンジの周期c2を求め、該干渉フリンジが無いと仮
定したときの、該第1分光透過/反射率の分光透過率略
最大値Tmax1又はこれに相当する分光反射率略最小値並
びに該第2分光透過/反射率の分光透過率略最大値Tma
x2又はこれに相当する分光反射率略最小値を求め、該第
1結晶層の未知の該組成をx1とし、該厚みt2の該結晶
層の未知の該組成をx2としたとき、該組成x1及びx2
の初期値x01及びx02を求め、 (1)式t1=1/{(2(β0−γ0・x01)c1}及
びt2=1/{(2(β0−γ0・x02)cに基づき該厚
さt1及びt2を求め、ここにβ0及びγ0は定数であり、 (2)組成勾配δxをδx=(x01−x02)/(t1−
t2)として求め、 (3)該組成xの関数として表された該3元化合物半導
体のエネルギーギャップEgの式に、該第1分光透過/
反射率が透過率Tmax1・exp(−αt1)又はこれに
相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギー
ギャップの値を代入して、該組成xをx01として算出
し、該エネルギーギャップEgの式に、該第2分光透過
/反射率が透過率Tmax2・exp(−αt2)又はこれ
に相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギ
ーギャップの値を代入して、該組成xをx02として算出
し、ここに吸収係数αは定数であり、 (4)該組成x01及びx02をそれぞれ式x1=(1−κ
・δx)x01+ξ・δx及びx2=(1−κ・δx)x0
2+ξ・δxで補正して該組成x1及びx2を求め、ここ
にκ及びξは定数であり、該厚さt1、t2及び該組成x
01及びx02が収束するまでステップ(1)〜(3)を繰
り返し実行して該厚さt1、t2及び該組成x1及びx2を
求める。
【0020】この結晶層厚・組成決定方法によれば、結
晶層の厚さと組成と組成勾配とが未知である場合に、組
成勾配δxが所定範囲を超えても組成の精度を確保する
ことが可能になるという効果を奏する。また、厚みt2
の結晶層が厚みt1 の結晶層をエッチングしたものであ
るので、エピタキシャル成長を2段階で行う必要がない
という効果を奏する。
【0021】請求項では、請求項において、上記厚
みt1及びt2の上記結晶層の各々につき、上記分光透過
/反射率が最大値の略1/2になるときの波数に対応し
たエネルギーギャップの値を上記エネルギーギャップE
gの式に代入して、該組成x1及びx2の初期値x01及び
x02を求める。この結晶層厚・組成決定方法によれば、
結晶層厚tが未知であっても組成初期値を決定すること
ができるという効果を奏する。
【0022】請求項の結晶層厚・組成決定方法では、
請求項7又は8において、上記3元化合物半導体はHg
1-xCdxTe結晶であり、上記厚さt、上記干渉フリン
ジ周期c及び上記吸収係数αの単位がそれぞれcm、c
-1及びcm-1のとき上記定数α、β0、γ0、κ及びξ
はそれぞれ略500、略4.53、略4.34、略16
2及び略61.6である。
【0023】この結晶層厚・組成決定方法によれば、H
1-xCdxTe結晶について請求項7又は8の上記効果
が得られるという効果を奏する
【0024】
【0025】
【0026】請求項10の結晶層厚・組成決定方法で
は、請求項5乃至9のいずれか1つにおいて、上記干渉
フリンジが無いと仮定したときの上記透過率略最大値
は、上記分光透過率の干渉フリンジ部をその平均値で置
き換えて平坦化したときの最大値に略相当する。請求項
11の結晶層厚・組成決定方法では、請求項10におい
て、上記干渉フリンジが無いと仮定したときの上記透過
率略最大値は、測定した波数域の低域側の干渉フリンジ
の各周期での最大値と最小値の平均値を降順に並べたと
きの1番目又は2番目の値である。
【0027】この結晶層厚・組成決定方法によれば、コ
ンピュータにより確実に、適当な、干渉フリンジが無い
と仮定したときの透過率略最大値を求めることができ
る。請求項12の結晶層厚・組成決定方法では、請求項
5乃至11のいずれか1つにおいて、上記分光透過/反
射率として分光反射率を測定し、該分光反射率の最大値
及び最小値がそれぞれ0%及び最大%になるように該分
光反射率を1次変換したものを分光透過率とみなして上
記処理を行う。
【0028】この最大%は任意の値でよく、例えば10
0%である。この結晶層厚・組成決定方法によれば、厚
みt及び組成xの決定において、結晶層又は基板が透過
しない実質的な3元化合物半導体にも、分光透過率を用
いた場合とほぼ同一処理を行えばよいという効果を奏す
【0029】
【0030】請求項13の結晶層組成分布決定方法で
は、請求項5乃至12のいずれか1つに記載の方法を実
施して上記組成xを求め、上記基板と上記結晶層との界
面付近での相互拡散による該組成の分布を、絶対温度T
のときの拡散係数Dが、 D=A×2.36×10 10-3.53Bx ×exp(−2.2
4×104 /T)cm2/sec に略等しいとして算出し、ここにA=0.75及びB=
0.85である。この結晶層組成分布決定方法によれ
ば、結晶層の厚み及び表面部組成が未知であっても、結
晶層及び相互拡散層の組成を知得することができるとい
う効果を奏する。請求項14の結晶層組成分布決定方法
では、請求項13において、上記結晶層を劈開し、これ
を所定時間エッチング液に浸すことによりエッチピット
列を生成し、上記算出した組成分布の界面位置を該エッ
チピット列の位置に対応させる。
【0031】請求項15の結晶層製造方法では、 (1)実質的な3元化合物半導体A x 1-x C(組成x)
の結晶層をエピタキシャル成長させ、 (2)請求項7又は8記載の方法を実施し、その際、上
記エッチングの前に、得られた上記組成xの勾配δxの
値に基づいて、上記結晶層の表面の組成xを所定値にす
るためのエッチング時間を決定し、該エッチングでは、
該結晶層に対し該エッチング時間だけエッチングする。
【0032】この結晶層製造方法によれば、組成の均一
性と再現性のよい結晶層を製造することができ、良質な
デバイスを得ることが可能になるという効果を奏する。
請求項16の結晶層製造方法では、請求項15におい
て、上記結晶層のエッチング面を平坦にするために上記
ステップ(2)の次に該結晶層の表面をポリッシング
し、その分だけ上記ステップ(2)でのエッチング時間
を短縮する。
【0033】この結晶層製造方法によれば、凹凸の少な
い結晶層を製造することができるという効果を奏する。
請求項17の結晶層製造方法では、上記結晶層の表面の
組成xが所定値に収束するまで上記ステップ(2)を繰
り返し実施する。この結晶層製造方法によれば、組成の
均一性と再現性のよりよい結晶層を製造することがで
き、より良質なデバイスを得ることが可能になるという
効果を奏する。
【0034】請求項18では、請求項15乃至17のい
ずれか1つに記載の方法を実施し、その結果に基づい
て、上記結晶層の上記組成が所定値になったときの該結
晶層の厚みが所定値になるように、上記ステップ(1)
におけるエピタキシャル成長用原料比を調整する。この
結晶層製造方法によれば、結晶層の厚みと組成との両方
の再現性が向上するという効果を奏する。
【0035】請求項19では、実質的な3元化合物半導
体Ax1-xC(組成x)の結晶層が基板上にエピタキシ
ャル成長された試料の分光透過率又は該結晶層の分光反
射率である分光透過/反射率の測定データが供給され、
該データに基づいて該結晶層の厚さt及び組成xを求め
る結晶層厚・組成算出装置において、未知の厚みt1の
該結晶層である第1結晶層とこれをエッチングした未知
の厚みt2の該結晶層である第2結晶層との該分光透過
/反射率の測定データがそれぞれ第1分光透過/反射率
及び第2分光透過/反射率として格納される記憶手段
と、データ処理手段とを有し、該データ処理手段は、該
第1分光透過/反射率から該第1結晶層での光路差に基
づく干渉フリンジの周期c1を求め、該第2分光透過/
反射率から該第2結晶層での光路差に基づく干渉フリン
ジの周期c2を求め、該干渉フリンジが無いと仮定した
ときの、該第1分光透過/反射率の分光透過率略最大値
Tmax1又はこれに相当する分光反射率略最小値並びに該
第2分光透過/反射率の分光透過率略最大値Tmax2又は
これに相当する分光反射率略最小値を求め、該第1結晶
層の未知の該組成をx1とし、該厚みt2の該結晶層の未
知の該組成をx2としたとき、該組成x1及びx2の初期
値x01及びx02を求め、 (1)式t1=1/{(2(β0−γ0・x01)c1}及
びt2=1/{(2(β0−γ0・x02)cに基づき該厚
さt1及びt2を求め、ここにβ0及びγ0は定数であり、 (2)組成勾配δxをδx=(x01−x02)/(t1−
t2)として求め、 (3)該組成xの関数として表された該3元化合物半導
体のエネルギーギャップEgの式に、該第1分光透過/
反射率が透過率Tmax1・exp(−αt1)又はこれに
相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギー
ギャップの値を代入して、該組成xをx01として算出
し、該エネルギーギャップEgの式に、該第2分光透過
/反射率が透過率Tmax2・exp(−αt2)又はこれ
に相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギ
ーギャップの値を代入して、該組成xをx02として算出
し、ここに吸収係数αは定数であり、 (4)該組成x01及びx02をそれぞれ式x1=(1−κ
・δx)x01+ξ・δx及びx2=(1−κ・δx)x0
2+ξ・δxで補正して該組成x1及びx2を求め、ここ
にκ及びξは定数であり、該厚さt1、t2及び該組成x
01及びx02が収束するまで該処理(1)〜(4)を繰り
返し実行して該厚さt1、t2及び該組成x1及びx2を求
める。
【0036】請求項20の記憶媒体では、請求項19
載のデータ処理手段での処理を実行するプログラムが記
憶されている。請求項21の結晶層製造装置では、実質
的な3元化合物半導体Ax1-xC(組成x)の結晶層を
基板上にエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長
装置と、該基板と該結晶層との接合物の分光透過率又は
該結晶層の分光反射率を測定する分光測定装置と、エッ
チングにより該結晶層の表面の組成xを所定値にするた
めのエッチング装置と、請求項19記載の結晶層厚・組
成算出装置とを有する。
【0037】
【発明の実施形態及び実施例】以下、図面に基づいて本
発明の実施形態及び実施例を説明する。 [結晶層厚決定方法]最初に、Hg1-x Cdx Te結晶
層をCd1-z Znz Te基板上にエピタキシャル成長し
た試料のHg1-x Cdx Te結晶層厚tを、組成xを用
いて決定する方法を説明する。図4は、この決定の手順
を示すフローチャートである。
【0038】図2は、厚さ10μm、20μm、30μ
m及び40μmのこの結晶層の分光透過率をFT−IR
で測定した結果を示しており、横軸は波数(c
- 1 )、縦軸は透過率(%)である。これらの厚さ
は、結晶層を劈開して光学顕微鏡で測定したものであ
る。従来の分光法で結晶層厚さtを求めても精度が悪
い。そこで、次のようにして結晶層厚さtを求める。以
下、括弧内の符号は図中のステップ識別符号である。
【0039】(1a )試料の分光透過率を測定する(図
2参照)。 (2a )この分光透過率から、結晶層での光路差に基づ
く干渉フリンジの周期cを求める。 (3a )組成xを、例えば次の〜にいずれかにより
求める。 EPMA(電子プローブマイクロアナリシス)で組成
xを測定する。
【0040】結晶層の一部で光伝導素子を製造し、カ
ットオフ波長を測定して結晶のエネルギーギャップの値
を求め、エネルギーギャップと組成xとの関係式に基づ
いて組成xを求める。 図3の分光透過率10において、透過率が最大値Tm
の1/2になるカットオフ波数νcoを求め、これをカッ
トオフ波長λcoに換算し、上式(3)に代入してエネル
ギーギャップEg に換算し、さらに、このエネルギーギ
ャップEg 及び分光透過率測定時の絶対温度Tを上式
(4)に代入して、組成xを求める。図2中に矢印で示
す点の波数は、上式(2)を用いて得られるものである
が、これは前記のような透過率が最大値Tm の1/2に
なる波数とほぼ同じになることがわかる。
【0041】結晶層製造において組成xがほぼ一定し
ている場合には、測定せずにそのxの値を用いる。上記
〜のうち、最も精度がよいのはである。(4a )
次式、 t=1/{(2(β−γ・x)c} ・・・(5) に、c及びxを代入して、結晶層厚さtを求める。ここ
に、β及びγは定数であり、Hg1-x Cdx Te結晶層
の場合、厚さt及び干渉フリンジ周期cの単位をそれぞ
れcm及びcm-1とすると、 β=4.6641、γ=4.6914 ・・・(6) である。
【0042】定数β及びγは、次のようにして決定し
た。結晶層の厚さt及び組成xの異なる多数の試料を作
成し、その各々につき、分光透過率を測定して干渉フリ
ンジ周期cを求め、上記の方法で組成xを求め、上式
(5)が最も精度良く成立するように最小自乗法で定数
β及びγを決定した。
【0043】厚さtの誤差は、0.18<x0 <0.4
0及び0≦|δx|≦0.002μm-1の範囲内におい
て、1%以内であることを確認した。ここにδxは、厚
さ方向の組成xの勾配である。
【0044】なお、Hg1-x Cdx Te結晶層の厚さt
が、光学顕微鏡で観察したものであるので、例えば温度
500℃以上で10時間以上エピタキシャル成長する場
合には、相互拡散層が大きくなり、光学顕微鏡で観察し
たHg1-x Cdx Te/ Cd 1-z Znz Te界面と、x
=1となる真のHg1-x Cdx Te/ Cd1-z Znz
eの界面にずれが生ずる。しかし、通常のLPE、MO
CVD及びMBE成長では、このずれは0.1μm程度
であり、問題にならない程度小さい。
【0045】次に、具体的数値例を挙げる。 Hg1-x Cdx Te結晶層(x=0.225)をCd
1-z Znz Te基板(z=0.033)上にLPE成長 組成勾配δx=−0.0005μm-1 フリンジ周期c=56.3cm-1 結晶層厚t=25.0μm [結晶層組成決定方法]次に、結晶層厚tを用いて結晶
層組成xを決定する方法について述べる。図5は、この
決定の手順を示すフローチャートである。
【0046】従来の分光法で組成xを求めても精度が悪
い。そこで、次のようにして組成xを求める。 (1b )試料の分光透過率を測定する。 (2b )干渉フリンジができないと仮定した場合の透過
率最大値Tmax を次のようにして求める。
【0047】図3において、測定した波数域の低域側、
例えば分光透過率が最大値Tm の1/2になる点での接
線11と最大値Tm の直線との交点の波数νc 以下の領
域における、干渉フリンジの各周期での最大値と最小値
の平均値を降順に並べたときの1番目(又は2番目)の
値を、Tmax として求める。このようにすれば、コンピ
ュータで容易かつ確実に、適当なTmax を求めることが
できる。
【0048】(3b )上式(2)に、このTmax 、α=
500cm-1、及び、前述の方法又は顕微鏡で劈開断面
を観察して求めた結晶厚さtを代入して、透過率Tを求
める。 (4b )分光透過率がTになる点(図2中に矢印で示す
点)のカットオフ波数νcoを求め、上記ステップ(3a
)と同様にして組成xを求め、これをx0 とする。 (5b )次の補正式に組成x0 を代入して、補正された
組成xを求める。 x=η・x0 +μ ・・・(7) ここに、η及びμは定数であり、Hg1-x Cdx Te結
晶層の場合、 η=1.0809、μ=−0.0308 ・・・(8) である。
【0049】このようにして求めたHg1-x Cdx Te
結晶層の組成xは、精度Δx=0.0005程度が保証
されることを確認した。次に、具体的数値例を挙げる。 Cd1-z Znz Te基板上にHg1-x Cdx Te結晶層
をLPE成長 t=25μm、Tmax=55%、T=15.758
%、 測定温度295K、x0 =0.1793、x=0.16
30 [結晶層厚・組成決定方法1]次に、結晶層の厚さと組
成とが未知である場合に、上述の2つの方法を組み合わ
せて、結晶層の厚さと組成とを同時により精度良く決定
する方法について述べる。図6は、この決定の手順を示
すフローチャートである。
【0050】(1c )試料の分光透過率を測定する。 (2c )この分光透過率から、結晶層での光路差に基づ
く干渉フリンジの周期cを求める。 (3c )Tmax を上記ステップ(2b )の方法で求め
る。 (4c )組成x0 の初期値を、例えば上記ステップ(3
a )の方法で求め、又は、、0<x0 <1の範囲の適当
な値、例えば0.2を組成x0 に代入する。 (5c )次式(5’)にc及びx0 を代入して、結晶層
厚さtを求める。 t=1/{(2(β0 −γ0 ・x0 )c} ・・・(5’) ここに、β0 及びγ0 は定数であり、Hg1-x Cdx
e結晶層の場合、厚さt及び干渉フリンジ周期cの単位
をそれぞれcm及びcm-1とすると、 β0 =4.5304、γ0 =4.3403 ・・・(6’) であって、上記(6)とは異なる値である。
【0051】(6c )上式(2)に、Tmax 、α=50
0cm-1及び結晶厚さtを代入して、透過率Tを求め
る。 (7c )分光透過率がTになる点(図2中に矢印で示す
点)のカットオフ波数νcoを求め、上記ステップ(3a
)と同様にして組成x0 を求める。 (8c )|t−tb |<εかつ|x0 −xb |<εであ
れば処理を終了する。ここにεは収束判定値であり、t
b 及びxb はそれぞれt及びxの前回値である。tb 及
びxb の初期値は、ステップ4c以前において、初回で
収束したと判定されないように例えば大きな値にしてお
く。
【0052】(9c )tb←t、x0 b←x0 と代入し
てtb及びxbを更新し、ステップ(5c )へ戻る。 (10c )上式(7)に組成x0 を代入して、補正され
た組成xを求める。このような方法により、結晶層の厚
さt及び組成xが未知であっても、精度良く結晶層の厚
さ及び組成を決定することが可能となる。
【0053】Hg1-x Cdx Te結晶層の場合、組成の
精度Δx=0.0005以内を確保するためには、結晶
層厚さ方向の組成勾配δxが0.0001≦|δx|≦
0.001μm-1である必要があることがわかった。 [結晶層厚・組成決定方法2]次に、結晶層の厚さと組
成と組成勾配とが未知である場合に、組成勾配δxが上
記範囲を超えても組成の精度Δx=0.0005以内を
確保することが可能な厚さ・組成決定方法を説明する。
図7は、この決定の手順を示すフローチャートである。
図1は、この方法を用いた後述の結晶層製造装置の概略
を示すフローチャートである。
【0054】図1において、エピタキシャル成長装置2
0で基板1a上に結晶層1bをエピタキシャル成長させ
る。 (1d )分光測定装置21、例えばFT−IRで、試料
1の分光透過率1を測定し、その測定データ(波数及び
これに対応した透過率のデータ)を結晶層厚・組成算出
装置22の記憶部に格納する。結晶層厚・組成算出装置
22は、例えば一般的な入出力装置を備えたコンピュー
タシステムである。
【0055】(2d )エッチング装置23で試料1の結
晶層1aをエッチングし、これを試料2とする。 (3d )分光測定装置21で試料2の分光透過率2を測
定し、その測定データを結晶層厚・組成算出装置22の
記憶部に格納する。以下のステップ4d 〜13d での処
理は、結晶層厚・組成算出装置22で実行される。
【0056】(4d )分光透過率1及び2の測定データ
から干渉フリンジ周期c1 及びc2をそれぞれ求める。 (5d )試料1及び2のTmax1及びTmax2をそれぞれ、
上記ステップ(2b )の方法で求める。 (6d )試料1及び2の組成x1 及びx2 の初期値x01
及びx02をそれぞれ、例えば上記ステップ(3a )の方
法で求める。
【0057】(7d )上式(5’)にc1 及びx0 =x
01を代入して結晶層厚さt=t1 を求め、上式(5’)
にc2 及びx0 =x02を代入して結晶層厚さt=t2 を
求める。 (8d )結晶層厚・組成算出装置22で、組成勾配δx
を次式により求める。 δx=(x01−x02)/(t1 −t2 ) ・・・(9) (9d )上式(2)にTmax 、α=500cm-1及び結
晶厚さt1 を代入して、透過率T1 を求め、上式(2)
にTmax 、α=500cm-1及び結晶厚さt2を代入し
て、透過率T2 を求める。
【0058】(10d )分光透過率がT1 になる点のカ
ットオフ波数νco1 を求め、上記ステップ(3a )と同
様にして組成x01を求める。分光透過率がT2 になる点
のカットオフ波数νco2 を求め、上記ステップ(3a )
と同様にして組成x02を求める。 (11d )|t1 −tb1|<ε、|t2 −tb2|<ε、
|x01−x01b |<εかつ|x2 −x02b |<εであれ
ば処理を終了する。ここにεは収束判定値であり、tb
1、tb2、x01b 及びx02b はそれぞれt1 、t2 、x0
1及びx02の前回値であり、これら初期値は例えば上述
のように大きな値にしておく。
【0059】(12d )tb1 ←t1 、tb2 ←t2 、
x01b←x01、x02b←x02と代入してtb1 、tb2
、x01b及びx02bを更新し、ステップ(7d )へ戻
る。 (13d )組成x0 =x01を式、 x=(1−κ・δx)x0 +ξ・δx ・・・(10) で補正して組成x=x1 を求め、同様に組成x0 =x02
をこの式で補正して組成x=x2 を求める。
【0060】ここに、κ及びξは定数であり、Hg1-x
Cdx Te結晶層の場合、 κ=161.8、ξ=61.60 ・・・(11) である。このような方法により、測定精度Δx=0.0
005以内となる組成勾配の範囲がδxが0≦|δx|
≦0.05μm-1程度まで広がり、実用上充分となる。
【0061】本方法は、LPE 成長のような厚さ方向に組
成勾配のある成長法で成長した結晶層の組成及び厚さ測
定に、特に有効である。以上の具体的数値例は、Hg
1-x Cdx Te結晶層の表面がポリッシング面である場
合の値である。Hg1-x Cdx Te結晶層の表面がエッ
チング面である場合には、その組成をxe とすると、ポ
リッシング面のHg1-x Cdx Te結晶層の組成xp に
対し、 xe =xp −0.00063 ・・・(12) なる式で補正すれば、実際の組成に合うことが分かった
(ただし、エッチング液としては、Hg1-x Cdx Te
結晶層で最もよく用いられる臭素とメタノールの混合液
を用いた)。これは、表面状態で透過率が変わるためで
ある。以上の説明では、分光透過率を用いた場合につい
て述べたが、本発明は、分光反射率を用いても同様に実
施することができる。分光反射率の場合、例えば、全反
射を0%の透過率とし、最小の反射率を透過率100%
として一次変換したものを、分光透過率とみなして、上
記と同じ計算式で計算することにより、分光透過率を用
いた場合と同じ効果が得られる。このスケール拡大は、
求められる組成xの値には影響しない。
【0062】また、分光測定装置としては、フーリエ変
換型赤外分光装置に限られず、グレーティング方式やそ
の他各種の分光測定装置を用いることができる。ただ
し、測定精度上、測定ビーム径は5mm以下であること
が望ましい。 [相互拡散層の組成分布決定方法]次に、Cd1-z Zn
z Te基板/Hg1-x Cdx Te結晶層の界面付近での
相互拡散層の組成分布決定方法について説明する。
【0063】組成分布計算プログラムはライブラリの一
部として提供されており、これに、界面位置と相互拡散
の拡散係数D(x,T)を入力することにより、組成分
布が得られる。図8(A)はこの分布の例を示してい
る。従来では、 D=3.15×1010-3.53x・exp(−2.24×1
4 /T) なる式が用いられていた(K. Zanio and T. Massoput,
J. Electron. Mater. ,15(1986), 103)。
【0064】しかし、この式を用いても実際とのフィッ
ティング精度が良くないことがわかった。そこで、上式
にパラメータA、B及びCを次のように入れた式、 D=A・3.15×1010-3.53xB ・exp(−2.2
4×104 C/T) を用い、計算された組成分布と実際の組成分布とのフィ
ッティング精度を良くするためのパラメータA、B及び
Cの値を求めたところ、A=0.75,B=0.85,
C=1のときに、実際の組成分布に合うことがわかっ
た。実際の相互拡散層の組成分布は、試料Hg1-x Cd
x Te/ Cd1-z Znz Te劈開断面をEPMA(電子
プローブマイクロアナリシス)で分析して、厚み方向各
位置での組成xを求めた。
【0065】このフィッティングは、成長前のCd1-z
Znz Te基板の表面位置を、試料Hg1-x Cdx Te
/ Cd1-z Znz Te劈開断面上の図8(B)に示すよ
うなエッチピット列1cのある位置として行った。エッ
チピット列1cは、CrO3:H2SO4 :HCl :H20 =20
g:75cc:35cc:240ccの液で10秒エッ
チングして出した。
【0066】以上述べた数値例で精度確保のための他の
条件は、Cd1-z Znz Te基板の組成z の範囲が0≦
z≦0.07であり、Hg1-x Cdx Te結晶層の厚さ
tの範囲が1μm<t<100μmである。後者につい
ては、Hg1-x Cdx Te結晶層の厚さが1μm以下だ
と干渉フリンジが1 周期もでなくなり、100 μm以上だ
と干渉フリンジが小さくなり過ぎて、バックグラウンド
のノイズと区別できなくなるためである。
【0067】また、Hg1-x Cdx Te結晶層がZnを
含み、4元のHg1-x-w Cdx Zn w Teと表されると
き、その組成wが0<w<0.01の範囲内であれば、
以上の具体的数値を含む計算式でHg1-x-w Cdx Zn
w Te結晶層の厚さt及び組成xを測定することがで
き、この場合、4元であっても実質的には3元の化合物
半導体結晶であり、本発明に含まれる。
【0068】[結晶層製造方法及び装置]次に、上記厚
さ・組成決定方法2を利用した組成精度及び再現性の良
いHg1- x Cdx Te結晶層の製造方法及び装置(図
1)について説明する。図9は、結晶層製造手順を示す
フローチャートである。 (1e )基板1a上に結晶層1bをエピタキシャル成長
させる。
【0069】(2e )上記厚さ・組成決定方法2を、例
えば一辺が3〜5cm□の試料に対しその面内の9点に
ついて、実施する。 (3e )組成xが許容誤差範囲内で目標値(以下に述べ
るステップ6e での研磨量、及び、エッチング面と研磨
面との間の上式(12)による補正を考慮した目標値)
になっていれば、最終的に得られた厚さt及び組成xの
データを、エピタキシャル成長装置20での成長条件と
関連付けて記憶装置に記憶し、ステップ6e へ進む。
【0070】(4e )得られた組成xの勾配δxの値に
基づいて、結晶層1bの表面の組成xの平均値(上記の
場合、9点の平均値)を上記目標値にするためのエッチ
ング時間を決定する。 (5e )結晶層1bに対しエッチング装置23で、決定
した時間だけエッチングする。例えば、臭素とメタノー
ルの混合液(10g/300cc)でのエッチング速度
は約6μm/minである。このエッチングは、図7の
ステップ2dでのエッチングであって、これと独立に行
われるものではない(前回エッチングしたものが図7の
ステップ1d の試料1となる)。次にステップ2e (図
7のステップ3d )へ戻る。
【0071】(6e )結晶層1bのエッチング面を平坦
にするために、結晶層1bの表面をポリッシングする。
研磨傾きを避けるために、研磨量δtは0.5μm<δ
t<3μmの範囲内にしたほうがよい。例えば、δt=
1.5μmとする。次に、ステップ2e へ戻る。ステッ
プ3e で、組成xが目標値になったときの結晶層厚tが
目標値になっていなければ、ステップ3e でのデータ記
憶で蓄積されたデータに基づいて、結晶層厚tが目標値
になるように、エピタキシャル成長装置20での原料比
調整などのエピタキシャル成長条件を変更する。これに
より、組成の均一性と再現性のよい結晶層を製造するこ
とができ、良質なデバイスを得ることが可能となる。
【0072】上記厚さ・組成決定方法2によれば、上記
具体的数値例の場合に厚さ誤差1%以内、組成の精度Δ
x=0.0005以内で測定できるので、この製造方法
によれば、面内の厚さ、組成が保証された良質なHg
1-x Cdx Te結晶層を製造することができる。特に、
LPE成長では、成長表面が略等組成面となるので、本
発明によれば製造された結晶層の組成ばらつきを従来の
1/2以下にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る結晶層製造装置の概略
を示すブロック図である。
【図2】結晶層厚の異なる4つの試料の分光透過率測定
結果及びカットオフ波数に対応した透過率を示す図であ
る。
【図3】干渉フリンジができないと仮定したときの透過
率最大値Tmax 決定方法及び略カットオフ波数νcoの求
め方を示す図である。
【図4】結晶層厚決定手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】結晶層組成決定手順を示すフローチャートであ
る。
【図6】結晶層厚・組成決定手順を示すフローチャート
である。
【図7】組成勾配を考慮した結晶層厚・組成決定手順を
示すフローチャートである。
【図8】(A)は基板/結晶層界面付近の拡散による組
成分布を示す線図であり、(B)はこの分布の界面位置
に結晶層のエッチピット列を対応させて示す図である。
【図9】結晶層製造手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 試料 1a 基板 1b 結晶層 20 エピタキシャル成長装置 21 分光測定装置 22 結晶層厚・組成算出装置 23 エッチング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−474(JP,A) 特開 平5−79972(JP,A) 特開 昭60−50936(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 PATOLIS

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的な3元化合物半導体Ax1-x
    (組成x)の結晶層が基板上にエピタキシャル成長され
    た試料の分光透過率又は該結晶層の分光反射率である分
    光透過/反射率を測定して該結晶層での光路差に基づく
    干渉フリンジの周期cを求め、 干渉フリンジ周期c、組成x及び式t=1/{(2(β
    −γ・x)c}に基づいて該結晶層の厚さtを求め、こ
    こにβ及びγは定数であることを特徴とする結晶層厚決
    定方法。
  2. 【請求項2】 上記組成xの関数として表された上記3
    元化合物半導体のエネルギーギャップEgの式に、上記
    分光透過/反射率から求めたエネルギーギャップの値を
    代入して、該組成xを求めることを特徴とする請求項1
    記載の結晶層厚決定方法。
  3. 【請求項3】 上記結晶層の厚さt及び組成xの異なる
    複数の試料を作成し、該複数の試料について、 上記分光透過/反射率を測定し、その結果から上記干渉
    フリンジ周期cを求め、 上記組成xを求め、該結晶層を劈開してその厚さtを測
    定し、 該干渉フリンジ周期cと該組成xと該厚さtとから最小
    自乗法により上記定数β及びγを決定することを特徴と
    する請求項1又は2記載の結晶層厚決定方法。
  4. 【請求項4】 上記3元化合物半導体はHg1-xCdx
    e結晶であり、上記厚さt及び上記干渉フリンジ周期c
    の単位がそれぞれcm及びcm-1のとき上記定数β及び
    γはそれぞれ略4.66及び略4.69であることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の結晶層
    厚決定方法。
  5. 【請求項5】 実質的な3元化合物半導体Ax1-x
    (組成x)の結晶層が基板上にエピタキシャル成長され
    た試料の分光透過率又は該結晶層の分光反射率である分
    光透過/反射率を測定して該結晶層の厚さt及び組成x
    を求める結晶層厚・組成決定方法において、 該分光透過/反射率から該結晶層での光路差に基づく干
    渉フリンジの周期cを求め、該干渉フリンジが無いと仮
    定したときの、該分光透過/反射率の分光透過率略最大
    値Tmax1又はこれに相当する分光反射率略最小値を求
    め、 組成x0の初期値を求め又は該初期値が与えられ、 (1)式t=1/{(2(β0−γ0・x0)c}に基づ
    き該厚さtを求め、ここにβ0及びγ0は定数であり、 (2)該組成x0の関数として表された該3元化合物半
    導体のエネルギーギャップEgの式に、該分光透過/反
    射率が透過率Tmax・exp(−αt)又はこれに相当
    する反射率になるときの波数に対応したエネルギーギャ
    ップの値を代入して、該組成x0を算出し、ここに吸収
    係数αは定数であり、 該厚さt及び該組成x0が収束するまでステップ(1)
    及び(2)を繰り返し実行し、その収束後、該組成x0
    を補正式x=η・x0+μで補正し、ここにη及びμは
    定数である、 ことを特徴とする結晶層厚・組成決定方法。
  6. 【請求項6】 上記3元化合物半導体はHg1-xCdx
    e結晶であり、上記厚さt、上記干渉フリンジ周期c及
    び上記吸収係数αの単位がそれぞれcm、cm-1及びc
    -1のとき上記定数α、β0、γ0、η及びμはそれぞれ
    略500、略4.53、略4.34、略1.08及び略
    −0.03であることを特徴とする請求項5記載の結晶
    層厚・組成決定方法。
  7. 【請求項7】 実質的な3元化合物半導体Ax1-x
    (組成x)の結晶層が基板上にエピタキシャル成長され
    た試料の分光透過率又は該結晶層の分光反射率である分
    光透過/反射率を測定して該結晶層の厚さt及び組成x
    を求める結晶層厚・組成決定方法において、 該結晶層が未知の厚みt1のときとこれをエッチングし
    た未知の厚みt2のときとの該分光透過/反射率をそれ
    ぞれ第1結晶層の第1分光透過/反射率及び第2結晶層
    の第2分光透過/反射率として測定し、 該第1分光透過/反射率から該第1結晶層での光路差に
    基づく干渉フリンジの周期c1を求め、該第2分光透過
    /反射率から該第2結晶層での光路差に基づく干渉フリ
    ンジの周期c2を求め、 該干渉フリンジが無いと仮定したときの、該第1分光透
    過/反射率の分光透過率略最大値Tmax1又はこれに相当
    する分光反射率略最小値並びに該第2分光透過/反射率
    の分光透過率略最大値Tmax2又はこれに相当する分光反
    射率略最小値を求め、 該第1結晶層の未知の該組成をx1とし、該厚みt2の該
    結晶層の未知の該組成をx2としたとき、該組成x1及び
    x2の初期値x01及びx02を求め、 (1)式t1=1/{(2(β0−γ0・x01)c1}及
    びt2=1/{(2(β0−γ0・x02)cに基づき該厚
    さt1及びt2を求め、ここにβ0及びγ0は定数であり、 (2)組成勾配δxをδx=(x01−x02)/(t1−
    t2)として求め、 (3)該組成xの関数として表された該3元化合物半導
    体のエネルギーギャップEgの式に、該第1分光透過/
    反射率が透過率Tmax1・exp(−αt1)又はこれに
    相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギー
    ギャップの値を代入して、該組成xをx01として算出
    し、該エネルギーギャップEgの式に、該第2分光透過
    /反射率が透過率Tmax2・exp(−αt2)又はこれ
    に相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギ
    ーギャップの値を代入して、該組成xをx02として算出
    し、ここに吸収係数αは定数であり、 該厚さt1、t2及び該組成x01及びx02が収束するまで
    ステップ(1)〜(3)を繰り返し実行し、その収束
    後、該組成x01及びx02をそれぞれ式x1=(1−κ・
    δx)x01+ξ・δx及びx2=(1−κ・δx)x02
    +ξ・δxで補正し、ここにκ及びξは定数である、 ことを特徴とする結晶層厚・組成決定方法。
  8. 【請求項8】 上記厚みt1及びt2の上記結晶層の各々
    につき、上記分光透過/反射率が最大値の略1/2にな
    るときの波数に対応したエネルギーギャップの値を上記
    エネルギーギャップEgの式に代入して、上記組成x1及
    びx2の初期値x01及びx02を求めることを特徴とする
    請求項7記載の結晶層厚・組成決定方法。
  9. 【請求項9】 上記3元化合物半導体はHg1-xCdx
    e結晶であり、上記厚さt、上記干渉フリンジ周期c及
    び上記吸収係数αの単位がそれぞれcm、cm-1及びc
    -1のとき上記定数α、β0、γ0、κ及びξはそれぞれ
    略500、略4.53、略4.34、略162及び略6
    1.6であることを特徴とする請求項7又は8記載の結
    晶層厚・組成決定方法。
  10. 【請求項10】 上記干渉フリンジが無いと仮定したと
    きの上記透過率略最大値は、上記分光透過率の干渉フリ
    ンジ部をその平均値で置き換えて平坦化したときの最大
    値に略相当することを特徴とする請求項5乃至9のいず
    れか1つに記載の結晶層厚・組成決定方法。
  11. 【請求項11】 上記干渉フリンジが無いと仮定したと
    きの上記透過率略最大値は、測定した波数域の低域側の
    干渉フリンジの各周期での最大値と最小値の平均値を降
    順に並べたときの1番目又は2番目の値であることを特
    徴とする請求項10記載の結晶層厚・組成決定方法。
  12. 【請求項12】 上記分光透過/反射率として分光反射
    率を測定し、該分光反射率の最大値及び最小値がそれぞ
    れ0%及び最大%になるように該分光反射率を1次変換
    したものを分光透過率とみなして上記処理を行うことを
    特徴とする請求項5乃至11のいずれか1つに記載の結
    晶層厚・組成決定方法。
  13. 【請求項13】 請求項5乃至12のいずれか1つに記
    載の方法を実施して上記組成xを求め、 該基板と該結晶層との界面付近での相互拡散による該組
    成の分布を、絶対温度Tのときの拡散係数Dが、 D=A×2.36×1010-3.53xB×exp(−2.24
    ×104 /T)cm2/sec に略等しいとして算出し、ここにA及びBは定数である
    ことを特徴とする結晶層組成分布決定方法。
  14. 【請求項14】 上記結晶層を劈開し、これを所定時間
    エッチング液に浸すことによりエッチピット列を生成
    し、 上記算出した組成分布の界面位置を該エッチピット列の
    位置に対応させることを特徴とする請求項13記載の結
    晶層組成分布決定方法。
  15. 【請求項15】 (1)実質的な3元化合物半導体Ax
    1-xC(組成x)の結晶層をエピタキシャル成長さ
    せ、 (2)請求項7又は8記載の方法を実施し、その際、上
    記エッチングの前に、得られた上記組成xの勾配δxの
    値に基づいて、上記結晶層の表面の組成xを所定値にす
    るためのエッチング時間を決定し、該エッチングでは、
    該結晶層に対し該エッチング時間だけエッチングする、 ことを特徴とする結晶層製造方法。
  16. 【請求項16】 上記結晶層のエッチング面を平坦にす
    るために上記ステップ(2)の次に該結晶層の表面をポ
    リッシングし、その分だけ上記ステップ(2)でのエッ
    チング時間を短縮することを特徴とする請求項15記載
    の結晶層製造方法。
  17. 【請求項17】 上記結晶層の表面の組成xが所定値に
    収束するまで上記ステップ(2)を繰り返し実施するこ
    とを特徴とする請求項15又は16記載の結晶層製造方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項15乃至17のいずれか1つに
    記載の方法を実施し、その結果に基づいて、上記結晶層
    の上記組成が所定値になったときの該結晶層の厚みが所
    定値になるように、上記ステップ(1)におけるエピタ
    キシャル成長用原料比を調整することを特徴とする結晶
    層製造方法。
  19. 【請求項19】 コンピュータに、 実質的な3元化合物半導体Ax1-xC(組成x)の結晶
    層が基板上にエピタキシャル成長された試料の分光透過
    率又は該結晶層の分光反射率である分光透過/反射率の
    測定データが供給され、該データに基づいて該結晶層の
    厚さt及び組成xを求める結晶層厚・組成算出装置にお
    いて、 未知の厚みt1の該結晶層である第1結晶層とこれをエ
    ッチングした未知の厚みt2の該結晶層である第2結晶
    層との該分光透過/反射率の測定データがそれぞれ第1
    分光透過/反射率及び第2分光透過/反射率として格納
    される記憶手段と、 データ処理手段とを有し、該データ処理手段は、 該第1分光透過/反射率から該第1結晶層での光路差に
    基づく干渉フリンジの周期c1を求め、該第2分光透過
    /反射率から該第2結晶層での光路差に基づく干渉フリ
    ンジの周期c2を求め、 該干渉フリンジが無いと仮定したときの、該第1分光透
    過/反射率の分光透過率略最大値Tmax1又はこれに相当
    する分光反射率略最小値並びに該第2分光透過/反射率
    の分光透過率略最大値Tmax2又はこれに相当する分光反
    射率略最小値を求め、 該第1結晶層の未知の該組成をx1とし、該厚みt2の該
    結晶層の未知の該組成をx2としたとき、該組成x1及び
    x2の初期値x01及びx02を求め、 (1)式t1=1/{(2(β0−γ0・x01)c1}及
    びt2=1/{(2(β0−γ0・x02)cに基づき該厚
    さt1及びt2を求め、ここにβ0及びγ0は定数であり、 (2)組成勾配δxをδx=(x01−x02)/(t1−
    t2)として求め、 (3)該組成xの関数として表された該3元化合物半導
    体のエネルギーギャップEgの式に、該第1分光透過/
    反射率が透過率Tmax1・exp(−αt1)又はこれに
    相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギー
    ギャップの値を代入して、該組成xをx01として算出
    し、該エネルギーギャップEgの式に、該第2分光透過
    /反射率が透過率Tmax2・exp(−αt2)又はこれ
    に相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギ
    ーギャップの値を代入して、該組成xをx02として算出
    し、ここに吸収係数αは定数であり、 該厚さt1、t2及び該組成x01及びx02が収束するまで
    ステップ(1)〜(3)を繰り返し実行し、その収束
    後、該組成x01及びx02をそれぞれ式x1=(1−κ・
    δx)x01+ξ・δx及びx2=(1−κ・δx)x02
    +ξ・δxで補正し、ここにκ及びξは定数である、 を実行させるためのプログラムを記録したことを特徴と
    するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  20. 【請求項20】 実質的な3元化合物半導体A x 1-x
    (組成x)の結晶層が基板上にエピタキシャル成長され
    た試料の分光透過率又は該結晶層の分光反射率である分
    光透過/反射率の測定データに基づいて、該結晶層の厚
    さt及び組成xをコンピュータで求めるプログラムを記
    録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 該測定データは、未知の厚みt1の該結晶層である第1
    結晶層の第1分光透過/反射率の測定データと、該第1
    結晶層をエッチングした未知の厚みt2の結晶層である
    第2結晶層の第2分光透過/反射率の測定データとを含
    み、 該プログラムは、 該第1分光透過/反射率から該第1結晶層での光路差に
    基づく干渉フリンジの周期c1を求め、該第2分光透過
    /反射率から該第2結晶層での光路差に基づく干渉フリ
    ンジの周期c2を求める手順と、 該干渉フリンジが無いと仮定したときの、該第1分光透
    過/反射率の分光透過率略最大値Tmax1又はこれに相当
    する分光反射率略最小値並びに該第2分光透過/反射率
    の分光透過率略最大値Tmax2又はこれに相当する分光反
    射率略最小値を求める手順と、 該第1結晶層の未知の該組成をx1とし、該厚みt2の該
    結晶層の未知の該組成をx2としたとき、該組成x1及び
    x2の初期値x01及びx02を求め、 (1)式t1=1/{(2(β0−γ0・x01)c1}及
    びt2=1/{(2(β0−γ0・x02)cに基づき該厚
    さt1及びt2を求め、ここにβ0及びγ0は定数であり、 (2)組成勾配δxをδx=(x01−x02)/(t1−
    t2)として求め、 (3)該組成xの関数として表された該3元化合物半導
    体のエネルギーギャップEgの式に、該第1分光透過/
    反射率が透過率Tmax1・exp(−αt1)又はこれに
    相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギー
    ギャップの値を代入して、該組成xをx01として算出
    し、該エネルギーギャップEgの式に、該第2分光透過
    /反射率が透過率Tmax2・exp(−αt2)又はこれ
    に相当する反射率になるときの波数に対応したエネルギ
    ーギャップの値を代入して、該組成xをx02として算出
    し、ここに吸収係数αは定数であり、 該厚さt1、t2及び該組成x01及びx02が収束するまで
    ステップ(1)〜(3)を繰り返し実行し、その収束
    後、該組成x01及びx02をそれぞれ式x1=(1−κ・
    δx)x01+ξ・δx及びx2=(1−κ・δx)x02
    +ξ・δxで補正する手順、 とを有し、ここにκ及びξは定数であることを特徴とす
    る記録媒体。
  21. 【請求項21】 実質的な3元化合物半導体Ax1-x
    (組成x)の結晶層を基板上にエピタキシャル成長させ
    るエピタキシャル成長装置と、 該基板と該結晶層との接合物の分光透過率又は該結晶層
    の分光反射率を測定する分光測定装置と、 エッチングにより該結晶層の表面の組成xを所定値にす
    るためのエッチング装置と、 請求項19記載の結晶層厚・組成算出装置と、 を有することを特徴とする結晶層製造装置。
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