JP3404350B2 - 音声符号化パラメータ取得方法、音声復号方法及び装置 - Google Patents

音声符号化パラメータ取得方法、音声復号方法及び装置

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JP3404350B2 JP2000060932A JP2000060932A JP3404350B2 JP 3404350 B2 JP3404350 B2 JP 3404350B2 JP 2000060932 A JP2000060932 A JP 2000060932A JP 2000060932 A JP2000060932 A JP 2000060932A JP 3404350 B2 JP3404350 B2 JP 3404350B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声信号をデジタ
ル化して所定の時間間隔毎にその特徴を表す音声符号化
パラメータを取得する音声符号化パラメータ取得方法お
よび装置、ならびに、前記音声符号化パラメータに基づ
いて元の音声信号を合成する音声復号方法及び装置に関
するものであり、音声符号化パラメータを符号化して伝
送または蓄積し、伝送先または蓄積先から必要な時に音
声符号化パラメータを復元し、復元した音声符号化パラ
メータから音声信号を合成して音声を伝えるデジタル携
帯電話やデジタル音声蓄積装置などに使用して好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】デジタル化された音声信号は、データ圧
縮、誤り処理、多重化などさまざまなデジタル信号処理
が可能になるため、固定電話や移動電話に限らず音声を
利用するマルチメディアシステムなどに広く取り入れら
れている。アナログの音声信号をデジタル化するには、
一般に入力音声周波数帯域の2倍以上の標本化周波数で
標本化し、耳に識別できない程度の量子化ステップで量
子化することが必要なため、アナログ信号と比較し広い
伝送周波数帯域幅を必要とする。そのため、一旦デジタ
ル化された音声信号は、要求される音声品質に応じてさ
まざまな符号化方式や変調方式によりデータの圧縮が行
われている。音声の持つ特徴を積極的に利用する事によ
り、効率的な圧縮を行う事が出来る。例えば、適応型差
分パルス符号変調(ADPCM)方式は音声波形の周期
性や人間の聴覚感度の対数特性を利用した波形符号化方
式で、128kbpsのデジタル音声を32kbps程度に圧縮
して圧縮前と変わらない音声品質を得ており、電話の基
幹伝送やPHSシステムに利用されている。波形符号化
方式は標本化点を最低1ビットで表現するものであるた
め、標本化周波数が8KHzの場合では原理的に8kbps以
下に音声符号化速度を下げる事は出来ない。
【0003】低い音声符号化速度を得るために、音声を
所定の時間間隔のセグメントに分割し、そのセグメント
毎に、音声合成パラメータと残差音源信号を伝送する符
号励振線形予測(CELP)を基本とする方式がある。
日本の携帯無線電話で用いられているVSELPやPS
I−CELP方式は、20msecや40msec間隔の音声信
号の線形予測分析により得られる人間の声道フィルタ特
性を近似する線形予測係数(LPC)と、聴感的に入力
音声に近い波形を合成する事が出来る残差音源信号を符
号化する事で低い音声符号化速度を実現している。また
残差音源信号を効率良く符号化するために、複数の残差
音源波形を持った符号帳を用意し、その符合帳のエント
リ番号と利得を伝送している。これらの詳細は電波産業
会の規格書RCR−STD27Fに詳しく記載されてい
る。このCELPを基本とする方式は、適切な大きさの
符合帳をうまく設計する事で音声符号化速度3〜4kbps
程度まで実現されている。
【0004】更に低い音声符号化速度を得るために、音
声合成パラメータのみを伝送して上記のCELP方式に
おける音源符合帳を用いない音声符号化を行う方式があ
る。米国国防省の標準音声符号化方式のFS−1015
は、ピッチ周波数、LPC係数、ルート二乗平均振幅、
有声/無声判定情報の音声合成パラメータにより音声符
号化・復号を行うLPCボコーダ(Vocoder)方式の音
声符号化方式で、2.4kbpsの音声符号化速度を得てい
る。この方式は音声の特徴を積極的に利用しているが、
合成音声的な音質になり、特に背景雑音下で復号音声品
質が著しく劣化する欠点を有していた。また、衛星携帯
電話に一部使用されているIMBE(Improved Multiba
nd Excitation)方式は、音声時間セグメントを周波数
領域に変換して音声ピッチ、音声ハーモニクス振幅、周
波数帯域を複数に分割した周波数バンドの有声/非有声
情報で音声符号化を行う方式で、音声セグメントの各バ
ンド毎に有声音モデルと無声音モデルを選択して合成す
るために、背景雑音下や混合音声の場合にも合成音声の
劣化が少なく、前記LPCボコーダに比べて優れている
と報告されている。
【0005】図14は、一般的な音声符号化伝送装置の
構成を示した図である。音声符号化パラメータ抽出部3
02は音声入力端子301から入力された標本化・量子
化された音声デジタル信号を、所定の時間間隔のセグメ
ントに分割し、そのセグメント毎に音声符号化パラメー
タを抽出する。抽出する音声符号化パラメータは音声符
号化方式により決定され、例えば前記のIMBE方式で
は、音声ピッチ、音声ハーモニクスの振幅、各周波数バ
ンドの有声/無声情報である。パラメータ符号化部30
3は、抽出した音声符号化パラメータを効果的に符号化
して符号量を低減せしめ、送信部304を介して伝送路
305に送り出す。パラメータ復号化部307は受信部
306で受け取った符号を復号して音声符号化パラメー
タを復元し、音声合成部308は音声符号化パラメータ
抽出部の動作と逆の動作により合成音声を作成し音声出
力端子309から音声デジタル信号を出力する。
【0006】図15は前記IMBE方式の場合における
前記音声符号化パラメータ抽出部302の内部構成図で
ある。デジタル入力音声信号301は基本周波数推定部
401に入力され、ここで音声の基本周波数が推定され
る。基本周波数の推定には、自己相関関数や周波数スペ
クトルの対数の逆フーリエ変換であるケプストラムのピ
ークを検出する方法など多くの方法があり、例えば、古
井著「デジタル音声処理」東海大学出版会、1985年
9月25日 等に記載されている。周波数スペクトル計
算部402では、ハミング窓等の窓関数により切り出し
た有限長の音声セグメントを周波数分析して音声周波数
スペクトルを得る。基本周波数修正部403は、前記基
本周波数推定部401で推定された音声基本周波数の近
傍の周波数範囲でA−b−S(Analysis-by-Synthesi
s)手法により合成スペクトルと前記周波数スペクトル
計算部402で算出した音声周波数スペクトルとの誤差
最小条件により修正した基本周波数ωoを得る。有声強
度計算部404は該修正された基本周波数ωoに基づい
て、周波数帯域を複数の周波数バンド(周波数区間)k
(k=1,2,...,K)に分割し、各周波数バンド毎に合成さ
れた合成スペクトルと音声周波数スペクトルの誤差を計
算し、閾値判定により有声/無声情報V[k]を出力す
る。スペクトル包絡計算部405は有声/無声情報V
[k]により、有声バンドではA−b−S手法で求めた各
ハーモニクスの振幅、無声バンドでは各ハーモニクスの
持つ周波数帯域での周波数スペクトルのルート二乗平均
値(RMS値)をスペクトル包絡絶対値|A(ω)|として
出力する。
【0007】図16は、前記IMBE方式の場合におけ
る前記音声合成部308の内部構成を示す図である。こ
の図に示すように、音声合成部308は、有声音声合成
部508と無声音声合成部509に大別される。有声音
声合成部508において、高調波音源部501では、有
声/無声情報V[k]と基本周波数ωoにより、有声と判定
される周波数区間において、基本周波数ωoとその高調
波の音源をスペクトル包絡|A(ω)|に対応する振幅で駆
動して複数の音源信号を生成する。高調波加算部502
では高調波音源部501で発生した複数の音源信号を加
算合成し、有声バンドに対応する音声信号を生成する。
また、無声音声合成部509において、雑音音源部50
3は、白色雑音を生成し、周波数変換部504で適当な
窓関数により処理した後、フーリエ変換(FFT)して
周波数領域の信号に変換する。雑音抽出部505で、周
波数領域の信号に変換された白色雑音からV[k]により
無声と指定された周波数バンドの白色雑音スペクトルを
取りだし、スペクトル包絡|A(ω)|の周波数バンド毎の
パワーに一致する様に各スペクトルの振幅を調整する。
逆周波数変換部506では無声バンドに対応する雑音区
間の周波数スペクトルを逆フーリエ変換(IFFT)す
ることにより音声波形に変換する。加算部507では、
有声音声合成部508の高調波加算部502からの有声
音声波形と、無声音声合成部509の逆周波数変換部5
06で時間軸波形信号に変換した無声音声波形とを加算
し、最終的な有声音と無声音を持った合成音声を得てい
る。このIMBE方式の詳細は、”Multiband Excitati
on Vocoder”, IEEETransactions on Acoustics,speec
h, and signal processing, vol.36,No.8,August 1988,
pp1223-1235に詳しく記載されている。このように、音
声をデジタル化して低ビットレートの音声符号化を実現
する方法として、音声合成モデルに基づく音声符号化パ
ラメータを抽出して符号化を行うIMBE方式等の分析
合成型の音声符号化方式が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた様に、低ビ
ットレート音声符号化のためには分析合成型の音声符号
化方式が有効であるが、残差音源信号を用いず音声合成
パラメータでのみ音声の合成を行うため、符号化方式に
よっては合成音的な音質になりやすい。低ビットレート
音声符号化を実現する分析合成型の音声符号化としての
IMBE方式は、入力音声をセグメントに分割して音声
フレームを切り出し、フレームの周波数帯域を複数のバ
ンドに分割してそのバンドに含まれる周波数成分が有声
か無声かを判定し、バンド毎に有声音合成モデルと無声
音合成モデルを設定し、それらを加算して合成音声を得
る事で、背景雑音等が入った有声音や、有声と無声の混
在したフレームでの合成音声品質を改善している。符号
化パラメータとしての、音声基本周波数(音声ピッ
チ)、有声/無声情報、スペクトル包絡情報の推定の正
確さは、再生音声の品質を決める上で重要である。音声
基本周波数は前述の自己相関法により求める事も出来る
が、上記IMBE方式では整数倍ピッチまで拡張した自
己相関関数で評価を行い1/2ピッチ精度で基本周波数
推定を行う方法が示されている。また、スペクトル包絡
を求めるには、抽出された基本周波数ωoと周波数分析
窓の周波数スペクトルを用いて前述のA―b−S手法で
推定されるが、前記推定された基本周波数の精度ではス
ペクトル包絡の推定には精度が不足するため、推定基本
周波数の近傍を1/4ピッチ精度で探索しながらスペク
トル包絡を同時に推定する手法を取っている。
【0009】このスペクトル包絡を求める手順は以下の
とおりである。まず、入力音声セグメントの信号s(n)
を周波数分析窓wR(n)で範囲を−110から110サン
プルに制限した後、256段のFFTにより周波数スペ
クトルSw(m)を式(1)により得る。
【数1】 次に、基本周波数ωoのL次高調波(L=1,2,...,Lma
x;(Lmax+0.5)・ωo<2π)を中心周波数として上記周
波数分析窓wR(n)の周波数スペクトルEw(ω)の広がり
を持ち、式(2)で示す包絡値ALのスペクトルの総和
で上記音声セグメントのスペクトルSw(m)を近似し、そ
の個々の高調波の包絡値ALを求める。
【数2】
【0010】この時、ωoを1/4ピッチ精度で変化さ
せながら、誤差最小二乗法で各高調波の包絡値ALを算
出し、求まったωoとALによりスペクトル誤差評価値E
(ωo)
【数3】 が最小となるωoを基本周波数修正値とし、その時の各
高調波の振幅ALをスペクトル包絡値とする。また、
(4)式に示すスペクトル誤差相対値Dkを閾値判定す
る事により各周波数帯域(al〜bl)の有声強度を推定
している。
【数4】
【0011】ここで、ωoを探索する場合の変化ステッ
プと、実際の音声基本周波数の誤差が判定結果に及ぼす
影響について考察する。音声基本周波数は、個人や男女
により開きはあるが、男性では中心が約125Hz、女性
は約2倍の基本周波数を持ち、全体で70Hzから400
Hzの範囲にある。また評価する基本周波数の誤差はL次
高調波ではL倍の周波数誤差に拡大される。表1は音声
基本周波数ωo(=2πfo)のピッチ誤差ΔPにより発
生する周波数誤差Δfと2kHz付近の高調波領域での周
波数誤差Δf(2kHz)を式(5)により計算したもので
ある。ここでfsは音声セグメントの標本化周波数であ
る。
【数5】
【0012】
【表1】
【0013】表1からわかるように実際の音声基本周波
数(音声ピッチ)の推定誤差ΔPが1ピッチの場合で
は、2kHz付近の高調波の周波数誤差は±25〜±75H
zまで及び、256段FFTで周波数分析した場合のス
ペクトル間隔8000/256=31.25Hz以上になる。また、f
o=300Hzでは、ΔPが0.5ピッチの時に2kHz付近の高調
波スペクトル誤差は38Hzになり、ΔPが0.25の場合によ
うやく19Hzになる。一方、周波数分析窓をハミング窓と
して式(4)で計算したFFT256段の場合のスペク
トル評価誤差を図17に示す。例えば、fo=275Hzの基
本周波数を持つ標準的な女性の場合、基本周波数ピッチ
はPi=29であるが、基本周波数の推定をPi=28と
推定し、−1ピッチの誤差があった場合、推定した基本
周波数はfo=8000/(29-1)=285.7(Hz)、基本周波数誤
差はΔfo=10.7Hzになり、図17より正規化スペクト
ル誤差Dk=0.1になる。更に、推定ピッチPi=27の
場合では、−2ピッチの推定誤差、基本周波数誤差は2
1Hzになり、Dk=0.3になり、正規化スペクトル誤差に
よる有声/無声判定へ与える影響が大きい。さらに、ハ
ーモニクス高調波の場合には基本周波数誤差は高調波次
数分拡大される。例えば1/4ピッチ誤差の場合では、
推定基本周波数は8000/(29-0.25)=278.26(Hz)にな
り、基本周波数誤差Δfo=3.26Hzであるが、2kHz付近
では2000/275倍拡大して23.7Hzの周波数誤差になり、
図17より正規化スペクトル誤差は0.01程度から0.35以
上にまで拡大し、有声/無声判定誤りの原因となる。有
声/無声情報やスペクトル包絡情報は音声セグメント全
体を特徴づけるパラメータでもあり、これらの推定の誤
りは、既に述べた様に符号化音声の品質に与える影響が
大きい。
【0014】また、IMBE方式における音声復号にお
いては、前記図16に示したように、無声音ではランダ
ム雑音音源を周波数変換(FFT)し、音声符号化パラ
メータにより指示された無声音の周波数範囲のみ抽出し
た後、逆周波数変換(IFFT)して無声音の音声を合
成している。この場合、周波数変換が2段必要であり、
特に、符号化音声品質を高めるため音声セグメントの更
新周期を短く設定した場合に演算負荷が大きいという欠
点がある。
【0015】そこで、本発明は、音声基本周波数の変化
に係らず、高精度の有声強度判定を行うことができ、ス
ペクトル雑音に対し誤り耐性の強い音声符号化方法およ
び装置を提供することを目的としている。また、演算負
荷の小さな音声復号方法および装置を提供することを目
的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の音声符号化パラメータの取得方法は、デジ
タル化された音声信号を、ある一定の繰り返し周期で、
所定のセグメント長で抜き取った音声セグメントから音
声符号化パラメータを取得する音声符号化パラメータの
取得方法であって、前記音声セグメントから音声基本周
波数を取得するステップ、前記音声基本周波数により決
定される可変長の適応窓により前記音声信号を抜き取っ
た可変長セグメントから第1の周波数スペクトルを取得
するステップ、前記音声信号を固定長の窓により抜き取
った固定長セグメントから第2の周波数スペクトルを取
得するステップ、前記第1の周波数スペクトルを複数の
周波数バンドに分割するステップ、前記第1の周波数ス
ペクトルの周波数スペクトルパワー、前記各周波数バン
ドの周波数スペクトルパワー、前記各周波数バンドに含
まれるハーモニクス数、各ハーモニクスのハーモニクス
振幅およびハーモニクス帯域幅により前記各周波数バン
ド毎の有声強度を決定するステップ、および、前記第2
の周波数スペクトルから前記音声基本周波数の整数倍の
周波数を中心としてその周波数帯域幅が音声基本周波数
になる様に分割した各ハーモニクス帯域のスペクトルパ
ワーを計算するステップを含むものである。また、前記
可変長の適応窓の長さは、前記可変長の適応窓の周波数
スペクトル分布の帯域幅と前記音声基本周波数の関係に
より決定されるものである。さらに、前記可変長の適応
窓は、前記音声基本周波数に対応する周期の4倍以上の
長さを持つハミング窓とされている。
【0017】さらにまた、本発明の音声復号方法は、デ
ジタル化された音声信号を、ある一定の繰り返し周期で
抜き取った音声セグメントの音声基本周波数と、該音声
セグメントの周波数スペクトルを音声基本周波数の整数
倍を中心としてその周波数帯域幅が音声基本周波数にな
る様に分割した各ハーモニクス帯域のスペクトルパワー
と、前記音声セグメントの周波数スペクトルを複数の周
波数バンドに分割した各周波数バンドが有声音か無声音
かを判別した判別情報からなる音声符号化パラメータに
よって音声を合成する音声復号方法であって、前記判別
情報が有声を示す前記周波数バンドでは、その中心周波
数が前記音声基本周波数の整数倍の周波数を持ち、且
つ、対応する前記ハーモニクス帯域のスペクトルパワー
と同等になる振幅を持った正弦波群を生成し、また、前
記判別情報が無声を示す周波数バンドでは、中心対称ラ
ンダム系列と中心反対称ランダム系列を雑音信号の周波
数スペクトル系列の実部と虚部と見なし、前記2つのラ
ンダム系列から該周波数バンドに対応する区間を抽出
し、対応する前記ハーモニクス帯域のスペクトルパワー
と同じになる様に振幅調整した後、逆フーリエ変換によ
りその実部を得て無声フレーム信号とし、1つ前のセグ
メントの無声フレーム信号と今回得た前記無声フレーム
信号間で線形補間することにより無声音声を生成した
後、前記生成した正弦波群と加算して合成音声を得るも
のである。
【0018】さらにまた、本発明の音声符号化パラメー
タの取得装置は、デジタル化された音声信号を、ある一
定の繰り返し周期で、所定のセグメント長で抜き取った
音声セグメントから音声符号化パラメータを取得する音
声符号化パラメータの取得装置であって、前記音声セグ
メントから音声基本周波数を取得する手段、前記音声基
本周波数により決定される可変長の適応窓により前記音
声信号を抜き取った可変長セグメントにより第1の周波
数スペクトルを取得する手段、前記音声信号を固定長の
窓により抜き取った固定長セグメントにより第2の周波
数スペクトルを取得する手段、前記第1の周波数スペク
トルを複数の周波数バンドに分割する手段、前記第1の
周波数スペクトルから周波数スペクトルパワー、前記各
周波数バンドの周波数スペクトルパワー、前記各周波数
バンドに含まれるハーモニクス数、各ハーモニクスのハ
ーモニクス振幅およびハーモニクス帯域幅により前記各
周波数バンド毎の有声強度を決定する手段、および、前
記第2の周波数スペクトルから前記音声基本周波数の整
数倍の周波数を中心としてその周波数帯域幅が音声基本
周波数になる様に分割した各ハーモニクス帯域のスペク
トルパワーを計算する手段を有するものである。
【0019】さらにまた、本発明の音声復号装置は、デ
ジタル化された音声信号を、ある一定の繰り返し周期で
抜き取った音声セグメントの音声基本周波数と、該音声
セグメントの周波数スペクトルを音声基本周波数の整数
倍を中心としてその周波数帯域幅が音声基本周波数にな
る様に分割した各ハーモニクス帯域のスペクトルパワー
と、前記音声セグメントの周波数スペクトルを複数の周
波数バンドに分割した各周波数バンドが有声音か無声音
かを判別した判別情報からなる音声符号化パラメータに
よって音声を合成する音声復号装置であって、前記判別
情報が有声を示す前記周波数バンドでは、その中心周波
数が前記音声基本周波数の整数倍の周波数を持ち、且
つ、対応する前記ハーモニクス帯域のスペクトルパワー
と同等になる振幅を持った正弦波群を生成する手段、中
心対称ランダム系列と中心反対称ランダム系列の雑音信
号を発生する手段、前記2つのランダム系列から前記判
別情報が無声を示す前記周波数バンドに対応する区間を
抽出する手段、抽出したランダム系列の雑音信号を、そ
のスペクトルパワーが前記判別情報が無声を示す前記周
波数バンドに対応するハーモニクス帯域のスペクトルパ
ワーと同じになる様に振幅調整する手段、該振幅調整さ
れたランダム系列の雑音信号を逆フーリエ変換し、無声
フレーム信号を生成する手段、1つ前のセグメントの無
声フレーム信号と今回の無声フレーム信号を線形補間す
ることにより無声音声を生成する手段、および、前記生
成された正弦波群と生成された無声音声を加算する手段
を有するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の音声符号化パラメータの
取得方法、音声復号方法および装置は、例えば、音声符
号化、特に低ビットレートの音声符号化での音声符号化
パラメータを安定に推定する方法および装置、さらには
推定した音声符号化パラメータによって音声復号する方
法および装置に組み込み使用することができるが、ここ
では、前記図14に示した音声符号化伝送装置の音声符
号化パラメータ抽出部302、および音声合成部308
に本発明を適応した場合を例にとって説明する。また、
本発明は、種々の音声符号化方式に適用することが可能
であるが、ここでは、IMBE方式に適用した場合を例
にとって説明する。
【0021】図1は本発明の音声符号化パラメータの取
得方法が適用された音声符号化パラメータ抽出部のブロ
ック構成図である。この図に示すように、本発明の音声
符号化パラメータ抽出部は、入力音声信号301からそ
の基本周波数ωoを推定する基本周波数推定部401、
入力音声信号フレームを周波数分析して得た周波数スペ
クトルを複数の周波数バンドに分割し、各バンドごとに
その有声/無声を示す有声強度情報V[k]を出力する有
声強度計算部404、および、入力音声信号を固定長の
窓を用いて周波数分析し、スペクトル包絡|B(ω)|を計
算するスペクトル包絡計算部405の3つの部分から構
成されている。
【0022】ここで、本発明の音声符号化パラメータの
取得方法においては、従来方式のように合成音声と入力
音声の周波数スペクトル誤差を有声・無声の評価値とす
ることはせず、入力音声の周波数スペクトルのある周波
数バンドに含まれる音声のハーモニクス振幅を入力音声
スペクトル振幅から計測して、そのハーモニクス振幅を
有声強度あるいは有声/無声の判定の評価値としてい
る。そして、前記入力音声の周波数スペクトルを計測す
るにあたり、スペクトル分析窓の幅を入力音声の推定基
本周波数に応じて適応的に調節する事で周波数分解能を
調節し、むやみに時間分解能を低下する事なく、必要な
周波数分解能を得る手法を取っている。また、各周波数
バンドに含まれるハーモニクスの数を計測し、そのハー
モニクス数をもう一つの評価値として、期待されるハー
モニクス数にどれだけ近いかを判定する。更に、各ハー
モニクスの周波数の幅(ハーモニクス幅)を計測して前
記スペクトル分析窓により期待されるハーモニクス幅に
どれだけ近いかを判定することにより、判定の確実性を
向上させている。さらにまた、入力音声のパワー(エネ
ルギー)が小さい場合は無声であるとの知見から、入力
音声の周波数スペクトルパワーさらには各周波数バンド
の音声周波数スペクトルパワーも評価値に加えるように
している。また、スペクトル包絡の抽出にあたっては、
前記スペクトル分析窓と分析長の異なる固定長の窓を用
いた第2の周波数分析により入力音声の周波数スペクト
ルを取りだし、推定音声基本周波数の整数倍の周波数間
隔毎に音声基本周波数幅の領域にあるスペクトルパワー
の平方根として抽出している。
【0023】この理由について、図3、図4、図5を用
いてさらに説明する。図3はほとんど有声音声で出来て
いる音声セグメントの周波数スペクトル振幅値(対数
値)の例である。横軸は256点の高速離散フーリエ変
換(FFT)した場合の離散周波数である。この図に示
すように、スペクトル振幅にはある一定の間隔で適度の
幅を持った明瞭な高調波スペクトルが観測されており、
その対数振幅や幅も広範囲の周波数にわたり安定な振幅
を持っている。この事から、ある周波数バンド内のハー
モニクス振幅とその数は、基本周波数ωoの推定誤差の
影響を受けずに計測できる事が予想できる。また、図4
は無声音声が多い音声セグメントの周波数スペクトル振
幅値(対数値)の例である。この場合は、定められた周
波数バンド内でのハーモニクス振幅やハーモニクス幅は
小さく、また一定レベル以上のハーモニクスの数も少な
くなっている事が読みとれ、その値は基本周波数ωoの
推定誤差Δωoの影響をあまり受けない事も読み取れ
る。以上の考察により、有声/無声の判定に、周波数ス
ペクトル振幅対数値から計測したハーモニクス振幅、あ
る閾値以上の振幅を持った有効なハーモニクス数、ハー
モニクスの幅、さらには入力音声のパワー、周波数バン
ドの音声パワーを判定評価に使用するようにしている。
【0024】また、周波数分析窓の長さ(時間範囲)T
w(sec)又はLw(サンプル)と音声基本周波数fo(Hz)又
はピッチP(サンプル)の関係を考察すると、図5の様に
スペクトル振幅には基本周波数の整数倍にハーモニクス
中心が現れ、周波数分析窓がハミング窓の場合には各ハ
ーモニクスの帯域幅は4/Twになる。従って、ハーモ
ニクスの谷が隣のハーモニクスの谷より中心に侵入しな
い事を条件として、式(6)により周波数分析窓の長さ
を決める。
【数6】
【0025】なお、周波数分析窓の長さは、式(6)に
より基本ピッチの4倍として基本周波数に比例して変化
させても良いが、実用的には基本ピッチにより何段階か
に分類して設定しても良い。例えば、ピッチが20増加
する毎に切り替えて、式(7)により第1の周波数分析
窓をピッチの変化に応じて設定しても良い。
【数7】 ここでceil(x)はxを超える最小の整数を与える関数で
あり、また、分析窓長は中心対称の奇数で且つ分析窓長
がピッチ範囲より想定される長さ以外になる事を防止す
るため制限をしている。図6に、抽出した基本ピッチP
に対するLwの設定例を示す。また、窓関数として式
(8)に示す適応ハミング窓を用いた場合の窓関数値w
s(n)の計算結果を図7に示す。(ただしFFT段数M=
512として計算した)
【数8】
【0026】さらに、本発明では、基本周波数foの間
に何本のスペクトル本数pを設定するかで必要なFFT
段数のMを決める事が出来る。例えば標本化周波数が8
kHzの場合には式(9)により決定できる。
【数9】 ここで、最小の基本周波数を60Hzとした場合では、p=
4の場合にはM=533になり、512段程度のFFT
段数が必要である事がわかる。
【0027】以上のように、本発明の音声符号化パラメ
ータ取得方法によれば、音声基本周波数(ピッチ)によ
り適応的に窓サイズが設定される周波数分析窓を用い、
基本周波数の範囲から決定される段数のFFTにより周
波数スペクトルを得ているため、ハーモニクス間のスペ
クトル相互干渉を少なくすることができる。そして、こ
のようにして得た周波数スペクトルから、ハーモニクス
振幅、ハーモニクス数、ハーモニクス幅、フレームエネ
ルギー(フレームパワー)、バンドエネルギー(バンド
パワー)を計測し、各周波数バンド毎の有声/無声情報
を得るようにしているため、有声/無声の判定に詳細ピ
ッチが不要となり、ピッチ誤りに起因する判定誤りの可
能性を減少させることができる。また、スペクトル包絡
情報の取得は、前記有声/無声判定とは分離して行うよ
うにし、固定窓サイズのFFTによりハーモニクス帯域
毎のエネルギーの平方根から得るようにしている。した
がって、無声/有声判定の誤りがあったとしてもそれに
影響を受けないスペクトル包絡情報を得ることができ
る。
【0028】図2は、本発明の音声復号方法が適用され
た音声復号装置の一構成例を示すブロック図である。こ
の図に示すように、音声復号装置は、復号された音声パ
ラメータのうちの基本周波数ωoとスペクトル包絡|B
(ω)|が入力され有声音声を合成する有声音声合成部5
08、復号された音声符号化パラメータのうちの有声/
無声情報(有声強度情報)V[k]および前記スペクトル
包絡|B(ω)|が入力される無声音声合成部509、およ
び、加算部507から構成されている。ここで、有声音
声合成部508は前記図16に示した従来の音声合成部
508と同様の高調波音源部501と高調波加算部50
2から構成されており、高調波音源部501は、基本周
波数ωoおよび有声/無声情報に基づいて、該基本周波
数ωoおよび有声とされた周波数バンドに対応するその
高調波信号を発生し、前記スペクトル包絡情報|B(ω)|
に基づいて、それら各周波数の信号の振幅を制御して、
高調波加算部502でそれらを加算する。
【0029】また、無声音声合成部509は、対称ラン
ダム系列発生部201、反対称ランダム系列発生部20
2、ランダム系列抽出部203、逆周波数変換部204
およびフレーム補間部205から構成されている。そし
て、有声/無声判別情報V[k]が無声を示す周波数バン
ドでは、対称ランダム系列発生部201で発生される中
心対称ランダム系列と反対称ランダム系列発生部202
で発生される中心反対称ランダム系列を雑音信号の周波
数スペクトル系列の実部と虚部と見なし、前記ランダム
系列抽出部203において前記2つのランダム系列から
対応する無声の周波数バンドを抽出し、そのパワーを対
応した無声のハーモニクス帯域のパワーと同じになる様
に振幅調整した後、逆周波数変換部204で逆フーリエ
変換(IFFT)することによりその実部を得てこれを
無声フレーム信号とし、フレーム補間部205で1つ前
の無声フレーム信号とフレーム間で線形補間することに
より無声音声を生成した後、加算器507において前記
生成した正弦波群と加算して合成音声を得るようにして
いる。
【0030】すなわち、本発明の音声復号方法において
は、従来方式の様に雑音音源からFFTにより雑音音源
に対応した周波数スペクトルを作成するのではなく、対
称ランダム系列発生部201および反対称ランダム系列
発生部202から発生されるランダム雑音シーケンスか
ら、直接、雑音音源に相当する周波数スペクトルを作成
する方法を取っている。そして、その周波数スペクトル
から無声周波数バンドに対応する周波数帯域を抽出し、
逆FFTによって実時間軸での無声音声を生成した後、
フレーム間で補間重みが1になる線形補間によって必要
なフレーム長さの無声音を合成するようにしている。こ
れにより、1回の逆フーリエ変換のみで無声音声を合成
することが可能となり、演算量を少なくすることが可能
となる。
【0031】ここで、前記ランダムシーケンスの発生に
条件を設定する必要がある。これは、逆FFTによって
時間軸シーケンスに変換した場合に、虚数部分が発生せ
ず、FFTスペクトルの全パワーが実時間軸シーケンス
に現れるようにする条件と同じである。この条件は式
(10)で表現できる。
【数10】 ここで、Sw(m)は周波数スペクトルと見なしたランダム
シーケンス、Reは実部、Imは虚部、mは周波数スペクト
ルでm=0の時がDC成分を表す。
【0032】前記図1に示した本発明の音声符号化方法
が適用された音声符号化装置についてさらに詳細に説明
する。図1において、音声入力端子301から入力され
た8kHz程度の標本化周波数で標本化された音声デジタ
ル信号は、基本周波数推定部401に入力され、ここ
で、例えば20msecの時間間隔毎に一定長の音声セグメ
ント(フレーム)を取り出し、そのセグメント内での音
声基本周波数ωoを推定する。基本周波数の推定方法に
は、自己相関を用いる方法や、ケプストラムを用いる方
法がある事は前述の通りである。
【0033】また、前記音声デジタル信号は、有声強度
計算部404およびスペクトル包絡計算部405にも入
力される。スペクトル包絡計算部405において、第2
スペクトル計算部111は、該音声セグメントを固定窓
処理部110でハミング窓等の窓関数で窓処理した信号
を高速フーリエ変換(FFT)することにより離散的な
周波数スペクトル値B[m]を計算する。デジタル音声入
力信号の標本化周波数をfsとし、256点のFFTを
行った場合、計算される周波数スペクトルB[m]は次の
式(11)で表される周波数間隔fd毎に計算される。
【数11】
【0034】スペクトルパワー計算部112は、前記基
本周波数推定部401で推定された基本周波数ωoの整
数倍の周波数を中心とし該基本周波数と等しい帯域幅を
有する各ハーモニクス帯域毎に、前記周波数スペクトル
B[m]の二乗和の平方根を算出し、これをスペクトル包
絡値|B(ω)|として出力する。
【0035】有声強度計算部404は、適応窓処理部1
01、第1スペクトル計算部102、フレームエネルギ
ー計算部103、バンドエネルギー計算部104、対数
変換部105、バンドハーモニクス振幅計算部106、
バンドハーモニクス幅計算部107、バンドハーモニク
ス数計算部108、有声強度判定部109により構成さ
れる。
【0036】適応窓処理部101は、音声信号s(n)に
対し、前記基本周波数推定部401で推定された音声基
本周波数ωoから前述した式(6)〜(8)で適応的に
設定した長さのハミング窓で窓処理を行い、第1スペク
トル変換部102で式(12)に示すFFTにより音声
セグメントの周波数スペクトルA[m]を得る。ここでM
はFFTサンプル数である。
【数12】
【0037】フレームエネルギー計算部103は、周波
数スペクトルA[m]から、前記適応窓によるエネルギー
低下分を補償したフレームの平均エネルギー(「フレー
ムエネルギー」あるいは「フレームパワー」と呼ぶ)E
fを式(13)により計算する。ここで、第2項により
窓関数によるエネルギー減少を補償している。
【数13】
【0038】バンドエネルギー計算部104は、各周波
数バンド毎の平均エネルギー(「バンドエネルギー」あ
るいは「バンドパワー」と呼ぶ)Eb[k](k=1,...,K)
を計算するものであり、バンドエネルギーEb[k]は、第
kバンドのスペクトル区間を[ak,bk]とすると、次の
式(14)で表わされる。
【数14】 ここで、バンドの周波数範囲を基本周波数ωoの3倍に
設定する場合には、ak,bkは、
【数15】 になる。ただし、floor(x)はxを越えない最大の整数を
示す。
【0039】対数変換部105は、前記第1スペクトル
計算部102で計算された周波数スペクトル値|A[m]|
の対数値を計算して、対数スペクトル振幅列LA[m]を
計算する。
【数16】
【0040】バンドハーモニクス振幅計算部106は、
各周波数バンド内のハーモニクス振幅AhまたはBhを計
算する。図8を用いて、ハーモニクス振幅の評価方法に
ついて説明する。ハーモニクス振幅はスペクトル振幅|
A[m]|のデータ列の極大値とその最近傍の極小値の差で
あるが、ハーモニクス振幅が線形で表されている場合に
はその振幅はスペクトル強度に比例して増減する。そこ
で、スペクトル振幅の極大値H0とその前後の極小値H
1、H2との差を極大値H0で正規化した値Ah1、Ah2を
ハーモニクス振幅の評価値とすれば、スペクトル強度に
関係しないハーモニクス強度が評価できる。ここで、A
h1とAh2の小さい方をハーモニクス振幅評価値Ahとす
ると、
【数17】 となる。または、スペクトル極大値とスペクトル極小値
の比でハーモニクス強度を表したハーモニクス評価値B
hで評価しても良い。すなわち、
【数18】 このBh1やBh2はハーモニクスのピークからの減衰量を
デシベル単位で表したもので、前記図3に示した音声の
スペクトル振幅測定結果からも、スペクトル周波数やス
ペクトル振幅の影響が少ない妥当なハーモニクス強度の
評価単位である事がわかる。
【0041】バンドハーモニクス幅計算部107は、前
記対数変換部105の出力を受けて、前記各スペクトル
振幅極大値の直前の極小値と直後の極小値との間の周波
数間隔をそのハーモニクスの幅として算出する。バンド
ハーモニクス数計算部108は、前記対数変換部105
の出力を受けて、前記式(15)で示した周波数バンド
の周波数スペクトル範囲に含まれるハーモニクスの数H
nを計算する。ハーモニクス数の計算は、FFTで得ら
れる離散的周波数akからbkまで周波数スペクトル振幅
20log10|A[m]|とその前後のスペクトル振幅20log10|
A[m-1]|、20log10|A[m+1]|を比較し、いずれの値よ
りも多きければm番目のスペクトルはスペクトルの極大
点でハーモニクスの中心周波数に最も近いスペクトルで
あると判断する。すなわち、
【数19】
【0042】ここで、計算されたスペクトル対数値をそ
のまま用いて上記方法により極大値の数を数えると、ス
ペクトル雑音の影響を受けて雑音によるスペクトル極大
値を数えてしまう弊害があるため、予めスペクトル雑音
除去を行い雑音による誤計数を防止するようにしてい
る。このスペクトル雑音除去の方法について図9を参照
して説明する。図9の(A)と(C)はスペクトル雑音
のある場合を示しており、m+1とm+2のスペクトル
振幅が逆転している。連続した4本のスペクトルの組に
対してスペクトル振幅の差分の符号が−+−または+−
+の場合には極大値があり、その極大値はそれぞれm+
2番目かm+1番目に現れて、その極大値の振幅はm+
1番目とm+2番目の振幅の差になることがわかる。そ
こで、m+1番目とm+2番目のスペクトルの差が雑音
レベルを考慮したある閾値より小さければ、m+1番目
とm+2番目のスペクトル振幅を両者の平均値に置きか
える事により、図9の(B)と(C)に示す様にスペク
トル雑音を除去する事が出来る。
【0043】有声強度判定部109は、前記フレームエ
ネルギー計算部103、バンドエネルギー計算部10
4、対数変換部105、バンドハーモニクス振幅計算部
106、バンドハーモニクス幅計算部107およびバン
ドハーモニクス数計算部108で算出された、フレーム
エネルギー(フレームパワー)Ef、バンドエネルギー
(バンドパワー)Eb[k]、ハーモニクス振幅Hpw[n]
[0]、ハーモニクス幅Hpw[n][1]、ハーモニクス数Hnの
各パラメータを用いて、バンド毎の有声強度V[k]を計
算し出力する。ここで、Hpw[n][0]はその周波数バンド
におけるハーモニクスの振幅(AhあるいはBh)の上位
n個までの振幅で、Hpw[n][1]はそれに対応するハーモ
ニクス幅を表している。
【0044】この有声強度V[k]は、入力パラメータを
閾値判定して得られる2値の有声/無声の判定結果でも
良いし、入力パラメータの判定値の重み付き加算による
多値レベルを持った判定結果でも良い。あるいは、入力
パラメータの判定値の重み付き加算結果を閾値判定して
得られる2値の判定結果であっても良い。有声強度V
[k]として2値の判定結果を用いる場合は、各バンド毎
に有声か無声かを切り替えて音声合成を行うこととな
る。多値の判定結果(例えば、0.0〜1.0の範囲の値をと
る)の場合には、個々のバンド毎に合成した有声と無声
の合成音声を重みつき加算合成して最終合成音声を生成
すればよい。
【0045】図10、図11は、図1における前記有声
強度計算部404の処理内容を示す処理フロー図であ
る。有声強度計算が開始されると、ステップ1401で
基本周波数ωoと周波数スペクトル振幅|A[m]|を受け取
り、1402でそれらをデータ領域に設定する。ここで
基本周波数ωoを使用しているが、これはバンド数やバ
ンドの周波数範囲を決定するのに使用するものであり、
有声強度の判定に直接使用するものではない。ステップ
1403ではバンド数Kを決めるが、各バンドにh本の
ハーモニクスを含む様に設定した場合には、バンド数K
は、
【数20】 で計算される。ここで、ceil(x)はx以上で最小の整数
を示す。例えば、h=3程度に設計してバンド数Kを計
算する。hとωoが決まれば、前記式(15)により各
バンド番号k=1,2,...,Kに対して各バンドの中に入る
FFTスペクトルの周波数領域[ak,bk]を計算する。
【0046】ステップ1404では、フレームパワーE
f、および、バンドパワーEb[k](k=1,2,...,K)を、前
記式(13)、式(14)より計算する。
【数21】
【数22】 次に、ステップ1405でスペクトル振幅|A[m]|の対
数を取りデシベルに変換した対数振幅LA[m]を計算す
る。
【数23】 次に、1406でスペクトル雑音除去を行う。このスペ
クトル雑音除去の処理フロー(ステップ1421〜14
28)については後述する。
【0047】次に、有声強度V[k]の判定を行う。ま
ず、ステップ1407でフレーム全体のパワー(フレー
ムパワー)Efが所定の閾値Th0より小さいフレームは音
声パワーが少なく雑音領域と考えられる場所であるの
で、ステップ1416ですべてのバンドを無声と設定し
てバンドループに入らずに終了する。一方、フレームパ
ワーEfが閾値Th0より大きいフレームに対しては、ステ
ップ1408〜1415のバンドループに入る。このバ
ンドループでは、まずステップ1409でその周波数バ
ンドのパワーEb[k]を評価し、所定の閾値Th1以下の場
合はそのバンドにはエネルギーが少ないと判断して、無
声V[k]=0と設定する(ステップ1414)。閾値Th1
より大きい場合は、ステップ1410でバンドのハーモ
ニクス振幅Hpw[n][0]とハーモニクス幅Hpw[n][1]とハ
ーモニクス数Hnを計算する。なお、フローチャート中
では、ハーモニクス振幅Hpw[n][0]とハーモニクス幅H
pw[n][1]とをまとめてHpw[n][2]と表記している。この
ステップ1410のハーモニクス振幅とハーモ二クス
幅、ハーモニクス数の計算の処理フロー(ステップ14
30〜1450)については、後述する。
【0048】次に、ステップ1411でハーモニクス数
Hnを評価し、設定したバンド内ハーモニクス数hとの
差がある範囲外(閾値Th20以下、閾値Th21以上)であれ
ば無声V[k]=0と判定する(ステップ1414)。例
えば、バンドあたりのハーモニクス数hを3本と設定し
た場合は2以下、4以上は無声音と判定する。次に、ス
テップ1412でハーモニクス振幅Hpw[n][0]とハー
モニクス幅Hpw[n][1]を評価し、それぞれ所定の閾値Th
3、Th6より小さい場合はハーモニクス振幅が少ないか、
そのバンド幅が狭い無声音と判定する(ステップ141
4)。ハーモニクス幅の閾値は適応窓処理部101で設
定された窓関数により適応的に設定される。たとえば
(8)式の適応ハミング窓の場合は、ハーモニクス幅は
適応ハミング窓スペクトル分布の正、負の第1の谷間距
離で表されるメインローブのスペクトル幅と関連づけて
考えるのが妥当である。ハミング窓のメインローブのス
ペクトル幅Mwは窓長LwとFFT段数Mにより(2
1)式で計算されるので、Th6はこの値と関連して実用
的な閾値を設定する。
【数24】 同様に、Th3はハミング窓の第1の減衰量に関連してお
り、基本周波数と適応窓処理部の窓長が前記(6)式の
条件を満たしている場合には、ハミング窓の第1の谷の
減衰量をベースとして実用的な値を設定する。以上で無
声音と判定されなかったバンドは、ステップ1413で
有声バンド(V[k]=1)と設定する。以上の動作を各
バンド毎に最大Kバンドまで計算し各有声強度V[k]に
設定し終えると、ステップ1417でこの有声強度計算
部404の処理を終える。
【0049】このようにして、フレームパワーEfにつ
いて閾値判定し(1407)、各バンドについて、その
バンドパワーEb[k]について閾値判定し(1409)、
ハーモニクス数Hnについて閾値判定し(1411)、
さらに、ハーモニクス振幅Hpw[n][0]とハーモニクス
幅Hpw[n][1]について閾値判定(1412)して、こ
れらの判定結果から2値(0あるいは1)の有声強度V
[k]を決定することができる。なお、前述のように、有
声強度V[k]は、このような2値の情報に限られること
はなく、前記各閾値判定の結果に対してそれぞれ所定の
重みを付け、これらを加算することにより、多値(例え
ば、0.0〜1.0の範囲)の有声強度を算出するようにして
もよい。あるいは、重み付け加算の結果を所定の閾値を
用いて判定し、2値の値とすることもできる。
【0050】次に、前記ステップ1406のスペクトル
雑音除去のサブルーチン1421〜1428の処理内容
について説明する。ステップ1421で受け取ったスペ
クトル振幅の対数値LA[*]に対して、ステップ142
2〜1427のノイズ除去ループに入る。このノイズ除
去ループでは、連続した4点の周波数スペクトル振幅の
中に小さな極大点があるかどうかをチェックしている。
もし小さな極大点があれば、その極大点に最も振幅値が
近いスペクトル振幅との平均を取り、両者のスペクトル
振幅をその平均値で置き換え、小さなスペクトル極大点
を無くす処理を行う。
【0051】まず、ステップ1423で、連続した4点
の差分d1、d2、d3を計算し、その符号s1、s
2、s3を計算する。次に、ステップ1424でs1と
s3が同じ符号でs2と異なるかを判定する。その結果
が真である場合は極大点が真中の2点のいずれかであ
る。前記図9に示した様に、極大点の振幅はs1とs2
が両方正、両方負の場合いずれでも同じd2の絶対値で
表され、ステップ1425により|d2|が所定の閾値Th
4より小さな場合には、ステップ1426でLA[m+1]と
LA[m+2]をそれらの平均値で置きかえる事で小さな極
大値の平滑除去を行う。以上の平滑化処理を最後の4点
のスペクトルが取れるまでバンド内で繰り返し、スペク
トル雑音による極大点の除去を行っている。なお、前記
図9から、極大点を除去すれば、その直前または直後の
極小点も同時に取れる事がわかる。
【0052】次に、前記ステップ1410のハーモニク
ス数Hnとハーモニクス振幅Hpw[n][0]、ハーモニクス
幅Hpw[n][1]の計算サブルーチン1430〜1450の
処理内容を図11を用いて説明する。まず、ステップ1
431で対数スペクトル振幅LA[m]、基本周波数ωo、
バンド番号k(k=1,2,...,K)、バンドスペクトル範囲
[ak,bk]を入力として処理を開始する。ステップ14
32で、極大値の数を計数する極大値数カウンタNpk、
極小値の数を計数する極小値数カウンタNbtm、極大値
の振幅を格納する極大値メモリApk[*]、極小値の振幅
を格納する極小値メモリAbtm[*]、ハーモニクスの振幅
を格納するハーモニクス振幅メモリHpw[*][0]、ハーモ
ニクスの帯域幅を格納するハーモニクス幅メモリHpw
[*][1]、ハーモニクスの数を計数するハーモニクス数カ
ウンタHnをそれぞれ0に初期化する。また、ハーモニ
クス幅の開始点mb1と終了点mb2をそのバンドのスペクト
ル開始点akに設定する。
【0053】次に、ステップ1433でピーク・ボトム
計算ループ(ステップ1433〜1448)に入り、ス
テップ1434で対数スペクトル振幅LA[m]がLA[m-
1]、LA[m+1]より大きい場合は、LA[m]が極大値と判
定しステップ1435へ移動する。ステップ1435
で、発見された極大値がバンド内で始めて発見された場
合であるかを検出し、始めて検出された場合には、ステ
ップ1436で極大値数カウンタNpk及び極小値数カウ
ンタNbtmに1を設定し、その極大値LA[m]を極大値メ
モリApk[1]に、初期値LA[ak]を極小値メモリAbtm
[1]に記録する。始めて検出されたものでないときは、
ステップ1437で極大値数カウンタNpkをインクリメ
ントし、極大値LA[m]を極大値メモリApk[Npk]に記
録する。
【0054】一方、前記ステップ1434のピーク検出
でピークでないと判定された場合には、引き続いてステ
ップ1438で極小値であるかの判定を行う。この判定
は、前記ステップ1434の極大値判定と同様な手法で
行い、この結果極小値と判定された場合には、ステップ
1439で極小値数カウンタNbtmをインクリメント
し、極小値LA[m]を極小値メモリAbtm[Nbtm]に記録
する。さらに、ハーモニクス幅の計算のため、mb1をmb2
に更新し、mb2には現在のスペクトル周波数mを設定す
る。極大値、極小値判定ともNoと判定された場合は、
ステップ1441でボトム/ピーク検出ループの最後で
あるかを判定し、最後のループの場合はステップ144
2に進み、極大値数カウンタ値Npkと極小値数カウンタ
値Nbtmが同じであるか否かを判定する。同じである場
合には、ステップ1440で極小値数カウンタNbtmを
インクリメントし、極小値メモリAbtm[Nbtm]にLA
[bk]を記録し、ハーモニクス幅の計算のため、mb1をmb
2に更新し、mb2には現在のバンドの最終スペクトル周波
数bkを設定する。この手順ですべての極大値が検出さ
れ、その前後の極小値も記録される。
【0055】次に、ステップ1443で、極小値が検出
された時点でその前に極大値があるかを判定し、もしあ
れば、その極大値を新たなハーモニクスとしてステップ
1444でその振幅Haを計算する。ステップ1444
では、その極大値と前後の極小値との振幅差の平均値を
ハーモニクス振幅Haとしている。しかし、ハーモニク
ス振幅形状の対称性を重要と考えて判定する場合には、
前記式(18)で示した様に、最小値でHaを計算して
も良い。次に、ステップ1450でハーモニクス幅Hw
を計算し、ステップ1445で、Haを所定の閾値Th5と
比較し、閾値より大きい場合だけ、ハーモニクス数Hn
を更新し(ステップ1446)、上位n個のハーモニク
ス振幅をHpw[n][0]にハーモニクス幅Hpw[n][1]を記録
する(ステップ1447)。ステップ1447のmaxN
(Hpw[n],Ha,Hw)は、HaがHpw[n][0]の配列要素の最
小値より大きい場合にハーモニクス振幅を示す第1の配
列要素の最小値と置きかえ、同時にハーモニクス幅を示
すその配列番号の第2要素をHwと置き換える関数を示
している。すべてのピーク/ボトム計算ループを終える
と、ステップ1449で、バンド内でのハーモニクスの
数Hnと上位n個のハーモニクス振幅と幅Hpw[n][2]を
戻している。以上、有声強度計算部404の処理内容を
詳細なフロー図で説明した。
【0056】次に、前記図2に示した本発明の音声復号
方法が適用された音声復号装置における無声音声合成部
509について詳細に説明する。前述のように対称ラン
ダム系列発生部201は中心対称ランダム系列を発生
し、反対称ランダム系列発生部202は中心反対称ラン
ダム系列を発生する。ここで、中心対称ランダム系列
は、系列中のある1点(中心とする)からみて、振幅極
性ともに左右対称(すなわち、中心で折り返したとき
に、中心の左右にある系列が完全に一致している状態)
であるランダム系列をいい、中心反対称ランダム系列
は、中心からみて振幅は左右対称であるが極性は反転し
ているランダム系列をいう。実際には、逆周波数変換部
204において実行される逆フーリエ変換処理の段数
(逆FFT段数とよぶ)の1/2の長さのランダム系列
を発生させ、これを発生順序の逆方向に複写することに
より、前記中心対称のランダム系列を発生させることが
でき、また、前記逆FFT段数の1/2のランダム系列
を発生させ、これを発生順序の逆方向に極性を反転して
複写することにより、前記中心反対称のランダム系列を
発生させることができる。
【0057】このようにして前記対称ランダム系列発生
部201および反対称ランダム系列発生部202で発生
された2つのランダム系列は、ランダム系列抽出部20
3に供給され、ここで、該2つのランダム系列を周波数
スペクトル系列の実部と虚部と見なして、前記有声/無
声情報により無声と指定された周波数バンドに対応する
区間の系列が抽出されるとともに、抽出したスペクトル
パワーを前記スペクトル包絡情報B|(ω)|に対応した無
声ハーモニクス帯域のパワーと同じになる様に振幅調整
される。この振幅調整された無声ハーモニクス帯域スペ
クトルは逆周波数変換部204において逆フーリエ変換
されて時間領域の信号に変換され、無声フレーム信号に
対応する該逆FFTの段数と同じ数の時間軸データ系列
が得られる。
【0058】このようにして得られた例えば256個
(逆FFT段数が256段の場合)のデータは、フレー
ム補間部205に入力され、前記音声セグメントの更新
周期に対応したデータ数(例えば、20msec周期であれ
ば160個のデータ)に補間合成される。これは、前の
セグメントから得られた時間軸データとこのセグメント
の時間軸データとを補間重みの和が1になる条件で線形
補間するものである。このようにして合成された無声音
声は、前記加算器507に供給され、前述した有声音声
合成部508からの有声音声と加算される。
【0059】図12は上述した無声音声合成の処理フロ
ーを示す図である。まず、ステップ1602でパラメー
タ復号化部からハーモニクスのスペクトル包絡情報|B
(ω)|、音声基本周波数ωo、バンド有声無声情報V[k]
を受け取り、バンド数Kmaxを(20)式により再生す
る。ここで、各バンドに含まれるハーモニクス数hはシ
ステムで予め決定されている。フレームサイズFsizeは
予め設定している音声セグメント更新間隔で、fs=800
0Hz、セグメント更新周期を10msecとした場合はFsize
=80である。ステップ1603はIFFT段数Mに2
56を使用する場合はFFTスペクトル数の実部、虚部
それぞれ256要素を0に初期化する。ステップ160
4はランダムFFTスペクトル発生の初期化で、システ
ム立ち上げ時のみ必要で、連続音声再生時には不要であ
る。
【0060】ステップ1605〜1614は処理フレー
ムのバンド数の回数だけ処理されるループで、無声バン
ドの周波数帯域の無声音声のスペクトルをハーモニクス
帯域毎に再生加算し、フレームの無声音スペクトル全体
を再生するループである。ステップ1606は要素数が
IFFT段数の半分のランダムシーケンスを順次生成す
るもので、例えば、前記IMBE方式では(22)式で
発生させており、本方式でも同様の方式で生成しても良
い。但し、ここでは実部と虚部用の2系列のランダムシ
ーケンスu[n]を発生し、u[n]は直流成分を除去するた
め、53125/2を減じた値を用いる。
【数25】
【0061】ステップ1607〜1613はハーモニク
スループであり、各バンドに含まれるハーモニクス数の
回数だけ処理される。まず、ステップ1608で、各バ
ンド内にある第l次ハーモニクスのスペクトル範囲[a
l,bl]を(23)式により計算し、ステップ1609
で、その範囲だけ前記ランダムシーケンスu[n]から抜
き取り、u[al,bl]を取り出す。
【数26】 ここで、Mは逆FFT(IFFT)の段数である。
【0062】次に、ステップ1610で取り出した抽出
スペクトルのパワーが1になる様に(24)式によりス
ペクトルを正規化する。ここでU(m)は実部と虚部のラ
ンダムシーケンスu_real[m]とu_imag[m]をベクトルで表
現したものであり、U1(m)は正規化された抽出スペク
トルu_Real[m]とu_Imag[m]をベクトル表現したものであ
る。
【数27】 ステップ1611はハーモニクスのスペクトル包絡情報
|B(ω)|により、ハーモニクス帯域内のエネルギーが元
音声の帯域内エネルギーと同じになる様に(25)式に
より抽出スペクトルを振幅調整する。
【数28】 ここで最後の項のMは、ステップ1616でのM段IF
FTの出力が実時間信号レベルに合うために必要な係数
である。次に、ステップ1612でレベル調整された抽
出スペクトルを対応するFFTスペクトルバッファーS_
real[M],S_imag[M]に設定する。
【0063】以上の処理を各バンド、各バンド内のハー
モニクス毎に実行した後、ステップ1615に進み、前
記式(10)の関係を満足する負の周波数のFFTスペ
クトル部分を設定し、ステップ1616でのM段のIF
FTで得る時間軸信号の実部に、全スペクトルエネルギ
ーが集まり、虚部には信号が現れない様にしている。ス
テップ1617では現在フレームと前フレームから得た
それぞれサンプル数Mの信号から、式(26)に示す補
間関数ws(n)のフレーム間補間によりフレームサンプル
数(Fsize)の無声音の復号音声を得る。そして、ステ
ップ1618で無声音の復号音声を報告し、図2の加算
部507にて別に合成された有声音声合成部508の音
声と加算し最終の合成音声を得る。図13は、前記フレ
ーム補間関数ws(n)の例を示す図である。ここで、L1は
補間関数の一定レベル範囲、L2は補間最大範囲、L1〜
L2間は直線補間範囲である。
【数29】
【0064】なお、以上においては、音声符号化方式と
してIMBE方式を採用した音声符号化伝送装置の音声
符号化パラメータ抽出部に本発明の音声符号化パラメー
タの取得方法を適用した場合を例にとって説明したが、
本発明の音声符号化パラメータ抽出方法および装置は、
これに限られることはなく、MELP(Mixed Excitati
on Linear Prediction)方式など、1フレームの周波数
スペクトルを複数の周波数バンドに分割し、各周波数バ
ンド毎に有声/無声を判定する場合に全く同様に適用す
ることができる。また、音声復号方式としてIMBE方
式を採用した音声符号化伝送装置の無声音の音声復号部
に適用した場合を例にとって説明したが、本発明の無声
音声復号方法および装置は、これに限られることはな
く、MELP方式など、1フレームの周波数スペクトル
を複数の周波数バンドに分割し、各周波数バンド毎に有
声/無声を判定する場合にも同様に適用することができ
る。
【0065】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明の音声符号化パ
ラメータの取得方法および装置によれば、音声基本周波
数により、音声ハーモニクス高調波スペクトルがお互い
に分離する様に適応的な可変長窓処理を行った音声セグ
メントから周波数スペクトルを求め、検出するハーモニ
クス振幅とハーモニクス幅とハーモニクス数の信頼性を
高め、さらに、音声セグメントのパワー、音声セグメン
トを複数の周波数バンドに分割した各周波数バンドのパ
ワーにより、有声強度あるいは有声/無声情報を取得し
ているため、音声基本周波数の変化によらず、ハーモニ
クスのレベルの低い部分へのハーモニクス高調波雑音の
影響が少ない有声強度判定を行うことが可能となる。し
たがって、スペクトル雑音に対し、誤り耐性の強い音声
符号化パラメータの取得方法を提供することができる。
また、本発明の音声復号方法および装置によれば、無声
音声の復号において、ランダム雑音からFFTによって
ランダム周波数スペクトルを作成せず、直接ランダム周
波数スペクトルを生成する事が出来るため、無声音声信
号の復号時にFFTとIFFTの計算のうち、IFFT
計算のみで無声音声を合成する事が出来、従来の方法に
比べて演算負荷の小さな音声復号方法を提供する事が出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の音声パラメータ取得方法が適用され
た音声符号化パラメータ抽出部の構成を示すブロック図
である。
【図2】 本発明の音声復号方法が適用された音声合成
部の構成を示すブロック図である。
【図3】 音声セグメントの対数スペクトル振幅(有声
部)の例を示す図である。
【図4】 音声セグメントの対数スペクトル振幅(無声
部)の例を示す図である。
【図5】 ハーモニクスのスペクトル形状を説明するた
めの図である。
【図6】 第1の周波数分析窓長の設定例を示す図であ
る。
【図7】 第1の周波数分析窓の形状の例を示す図であ
る。
【図8】 ハーモニクス振幅を説明するための図であ
る。
【図9】 スペクトル雑音除去を説明するための図であ
る。
【図10】 有声強度計算処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図11】 ハーモニクス計算処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図12】 無声音声合成処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図13】 無声音声のフレーム間補間を説明するため
の図である。
【図14】 音声符号化伝送装置の構成を説明するため
の図である。
【図15】 従来の音声符号化パラメータ抽出部のブロ
ック図である。
【図16】 従来の音声合成部のブロック図である。
【図17】 正規化スペクトル誤差とピッチ周波数誤差
の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
101 適応窓処理部 102 第1スペクトル計算部 103 フレームエネルギー計算部 104 バンドエネルギー計算部 105 対数変換部 106 バンドハーモニクス振幅計算部 107 バンドハーモニクス幅計算部 108 バンドハーモニクス数計算部 109 有声強度判定部 110 固定窓処理部 111 第2スペクトル計算部 112 スペクトル包絡計算部 201 対称ランダム系列発生部 202 反対称ランダム系列発生部 203 ランダム系列抽出部 204 逆周波数変換部 205 フレーム補間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−295593(JP,A) 特開 平8−272398(JP,A) 特開 平10−124092(JP,A) 特開 平7−261796(JP,A) 特表 昭62−502572(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル化された音声信号を、ある一定
    の繰り返し周期で、所定のセグメント長で抜き取った音
    声セグメントから音声符号化パラメータを取得する音声
    符号化パラメータの取得方法であって、 前記音声セグメントから音声基本周波数を取得するステ
    ップ、 前記音声基本周波数により決定される可変長の適応窓に
    より前記音声信号を抜き取った可変長セグメントから第
    1の周波数スペクトルを取得するステップ、 前記音声信号を固定長の窓により抜き取った固定長セグ
    メントから第2の周波数スペクトルを取得するステッ
    プ、 前記第1の周波数スペクトルを複数の周波数バンドに分
    割するステップ、 前記第1の周波数スペクトルの周波数スペクトルパワ
    ー、前記各周波数バンドの周波数スペクトルパワー、前
    記各周波数バンドに含まれるハーモニクス数、各ハーモ
    ニクスのハーモニクス振幅およびハーモニクス帯域幅に
    より前記各周波数バンド毎の有声強度を決定するステッ
    プ、および、 前記第2の周波数スペクトルから前記音声基本周波数の
    整数倍の周波数を中心としてその周波数帯域幅が音声基
    本周波数になる様に分割した各ハーモニクス帯域のスペ
    クトルパワーを計算するステップを含むことを特徴とす
    る音声符号化パラメータの取得方法。
  2. 【請求項2】 前記可変長の適応窓の長さは、前記可変
    長の適応窓の周波数スペクトル分布の帯域幅と前記音声
    基本周波数の関係により決定される事を特徴とする前記
    請求項1記載の音声符号化パラメータの取得方法。
  3. 【請求項3】 前記可変長の適応窓は、前記音声基本周
    波数に対応する周期の4倍以上の長さを持つハミング窓
    である事を特徴とする前記請求項1記載の音声符号化パ
    ラメータの取得方法。
  4. 【請求項4】 デジタル化された音声信号を、ある一定
    の繰り返し周期で抜き取った音声セグメントの音声基本
    周波数と、該音声セグメントの周波数スペクトルを音声
    基本周波数の整数倍を中心としてその周波数帯域幅が音
    声基本周波数になる様に分割した各ハーモニクス帯域の
    スペクトルパワーと、前記音声セグメントの周波数スペ
    クトルを複数の周波数バンドに分割した各周波数バンド
    が有声音か無声音かを判別した判別情報からなる音声符
    号化パラメータによって音声を合成する音声復号方法で
    あって、 前記判別情報が有声を示す前記周波数バンドでは、その
    中心周波数が前記音声基本周波数の整数倍の周波数を持
    ち、且つ、対応する前記ハーモニクス帯域のスペクトル
    パワーと同等になる振幅を持った正弦波群を生成し、ま
    た、前記判別情報が無声を示す周波数バンドでは、中心
    対称ランダム系列と中心反対称ランダム系列を雑音信号
    の周波数スペクトル系列の実部と虚部と見なし、前記2
    つのランダム系列から該周波数バンドに対応する区間を
    抽出し、対応する前記ハーモニクス帯域のスペクトルパ
    ワーと同じになる様に振幅調整した後、逆フーリエ変換
    によりその実部を得て無声フレーム信号とし、1つ前の
    セグメントの無声フレーム信号と今回得た前記無声フレ
    ーム信号間で線形補間することにより無声音声を生成し
    た後、前記生成した正弦波群と加算して合成音声を得る
    音声復号方法。
  5. 【請求項5】 デジタル化された音声信号を、ある一定
    の繰り返し周期で、所定のセグメント長で抜き取った音
    声セグメントから音声符号化パラメータを取得する音声
    符号化パラメータの取得装置であって、 前記音声セグメントから音声基本周波数を取得する手
    段、 前記音声基本周波数により決定される可変長の適応窓に
    より前記音声信号を抜き取った可変長セグメントにより
    第1の周波数スペクトルを取得する手段、 前記音声信号を固定長の窓により抜き取った固定長セグ
    メントにより第2の周波数スペクトルを取得する手段、 前記第1の周波数スペクトルを複数の周波数バンドに分
    割する手段、 前記第1の周波数スペクトルから周波数スペクトルパワ
    ー、前記各周波数バンドの周波数スペクトルパワー、前
    記各周波数バンドに含まれるハーモニクス数、各ハーモ
    ニクスのハーモニクス振幅およびハーモニクス帯域幅に
    より前記各周波数バンド毎の有声強度を決定する手段、
    および、 前記第2の周波数スペクトルから前記音声基本周波数の
    整数倍の周波数を中心としてその周波数帯域幅が音声基
    本周波数になる様に分割した各ハーモニクス帯域のスペ
    クトルパワーを計算する手段を有することを特徴とする
    音声符号化パラメータの取得装置。
  6. 【請求項6】 デジタル化された音声信号を、ある一定
    の繰り返し周期で抜き取った音声セグメントの音声基本
    周波数と、該音声セグメントの周波数スペクトルを音声
    基本周波数の整数倍を中心としてその周波数帯域幅が音
    声基本周波数になる様に分割した各ハーモニクス帯域の
    スペクトルパワーと、前記音声セグメントの周波数スペ
    クトルを複数の周波数バンドに分割した各周波数バンド
    が有声音か無声音かを判別した判別情報からなる音声符
    号化パラメータによって音声を合成する音声復号装置で
    あって、 前記判別情報が有声を示す前記周波数バンドでは、その
    中心周波数が前記音声基本周波数の整数倍の周波数を持
    ち、且つ、対応する前記ハーモニクス帯域のスペクトル
    パワーと同等になる振幅を持った正弦波群を生成する手
    段、 中心対称ランダム系列と中心反対称ランダム系列の雑音
    信号を発生する手段、 前記2つのランダム系列から前記判別情報が無声を示す
    前記周波数バンドに対応する区間を抽出する手段、 抽出したランダム系列の雑音信号を、そのスペクトルパ
    ワーが前記判別情報が無声を示す前記周波数バンドに対
    応するハーモニクス帯域のスペクトルパワーと同じにな
    る様に振幅調整する手段、 該振幅調整されたランダム系列の雑音信号を逆フーリエ
    変換し、無声フレーム信号を生成する手段、 1つ前のセグメントの無声フレーム信号と今回の無声フ
    レーム信号を線形補間することにより無声音声を生成す
    る手段、および、 前記生成された正弦波群と生成された無声音声を加算す
    る手段を有することを特徴とする音声復号装置。
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