JP3402820B2 - シガレットパックの包装構造及びシガレットパックの自動販売機への供給方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シガレットパックの結
束体に係り、詳しくは複数個のシガレットパックをひと
まとめにした中間包装に関する。

【０００２】

【従来の技術】工場において生産され、２０本程度のシ
ガレットを揃えてパッキングしたシガレットパックは、
所定個数をひとまとめにしてカートンあるいはパーセル
等の単位にして包装紙等により完全に覆われて中間包装
される。さらに、これらの単位の包みは、所定数まとめ
られ、ダンボール箱等の容器に詰められて販売店等に納
品される。

【０００３】販売店等においては、ダンボール箱等を開
封してカートンあるいはパーセル等の単位で包装された
中間包装品を取り出し、中間包装品の包装紙を剥いだ
後、個々のシガレットパックを店頭に並べたり、また、
自動販売機に装填するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、シガ
レットの販売量が増加し、シガレットパックは自動販売
機によって販売されることが多くなっている。これに伴
って自動販売機は大型化して、収納されるシガレットパ
ックの数量が増加する傾向にある。自動販売機には、シ
ガレットの種類あるいは銘柄毎に複数のシガレットパッ
クを一定の向きで積み重ねるように装填する複数の装填
コラム（以下、単にコラムという）が上下に延びて設け
られている。このコラムには、中間包装から取り出した
シガレットパックを予め数個重ねた状態で投入すること
も可能になっているが、このコラムへの投入の際、単に
重ねただけのシガレットパックは、コラムにきちんと装
填されずにこぼれ落ちることがある。従って、通常は、
重ねる数をせいぜい２個または３個程度として、シガレ
ットパックを確実にコラムに投入するようにしている。

【０００５】このように、シガレットパックをコラムに
２個または３個ずつ投入するとなると、大量に販売する
ことが要求され、大型化により収納量の増加した自動販
売機では、シガレットパックの装填に手間がかかり、こ
れに要する時間が長くなってしまう。このように装填に
要する時間が長くなると、シガレットパックの売上げ等
にも影響を及ぼす虞がある。

【０００６】また、シガレットの販売量が増加すると、
中間包装に使用する包装紙の量が増加することになる。
このように包装紙使用量が増加すると、販売店等におい
て破棄される包装紙の量も増えることになり、省資源が
叫ばれる今日の情勢に反することになる。本発明は、上
述した事情に基づきなされたもので、その目的とすると
ころは、省資源化とともに、シガレットパックの自動販
売機への装填の便宜を図ったシガレットパックの結束体
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項１の発明は、上面が開口可能な矩形の箱
内にシガレットパックの結束体を配列して収容するシガ
レットパックの包装構造において、前記シガレットパッ
クの結束体は、複数のシガレットパックを平らに積み重
ねた集合パックと、前記積み重ねた集合パックに上下方
向で巻き付けられ、前記集合パックの側面で一方の端部
が他方の端部に重ね合い、上側の端部の最先部を除き両
端部が剥離可能に接着された縦帯と、前記積み重ねた集
合パックの上下方向に前記縦帯に交差するよう巻き付け
られ、前記集合パックの上面で一方の端部が他方の端部
に重ね合い、上側の端部の最先部を除き両端部が剥離可
能に接着された横帯とからなり、該シガレットパックの
結束体が前記箱内に収容されたとき、前記縦帯の端部は
前記箱の側面に対向して位置し、前記横帯の端部は前記
箱の前記上面に対向して位置してなることを特徴とす
る。

【０００８】また、請求項２の発明は、請求項１におい
て、前記シガレットパックの結束体の前記縦帯及び横帯
の端部に各々摘み部を形成したことを特徴とする。ま
た、請求項３の発明は、前面の開口した装填コラム内に
シガレットパックを積み重ねて収容してなるシガレット
パックの自動販売機への供給方法において、複数のシガ
レットパックを平らに積み重ねた集合パックに上下方向
で縦帯を巻き付け、該縦帯の一方の端部と他方の端部と
を前記集合パックの側面で重ね合わせるとともに上側の
端部の最先部を除き剥離可能に接着してシガレットパッ
クの結束体を生成する工程と、該シガレットパックの結
束体を前記縦帯の両端部が前記装填コラムの開口した前
面を向くよう前記自動販売機の前記装填コラム内に供給
する工程と、前記縦帯の一方の端部と他方の端部との接
着を剥離し、前記一方の端部または他方の端部を引いて
前記縦帯を取り外す工程とからなることを特徴とする。

【０００９】

【作用】請求項１のシガレットパックの包装構造によれ
ば、シガレットパックを上方に向けて平らに積み重ねて
まとめた集合パックは、製造時には、縦向きに上下方向
で縦帯が巻き付けられ、さらに縦帯と交差するように横
向きに上下方向で横帯が巻き付けられ、それぞれ縦帯の
両端部が集合パックの側面で接着され、横帯の両端部が
集合パックの上面で接着されてシガレットパックの結束
体にされた後、上面が開口可能な矩形の箱内に、縦帯の
両端部が箱の側面に対向して位置するとともに横帯の両
端部が箱の上面に対向して位置するよう収容されて出荷
される。 従って、箱の上面を開口して結束体を箱から取
り出す際、箱の上面側に位置する横帯の上側の端部を引
くことにより、横帯の両端部の接着が剥離して各結束体
の横帯のみを縦帯を残したまま容易に取り外し可能とな
り、シガレットパックを縦帯だけで集合パックとしたま
ま纏めて自動販売機に装填可能である。 このとき、集合
パックの側面を横に向けて自動販売機に装填すれば、各
結束体の縦帯については、集合パックの側面に位置する
縦帯の上側の端部を引くことにより、両端部の接着が剥
離して自動販売機内で容易に取り外し可能である。 これ
により、シガレット販売者の行う一連のシガレットパッ
ク取り出し作業等の負担が軽減される。

【００１０】また、請求項２のシガレットパックの包装
構造によれば、シガレットパックの結束体の縦帯及び横
帯の端部に形成された摘み部を摘むようにすることで、
縦帯と横帯とは確実に取り外される。また、請求項３の
シガレットパックの自動販売機への供給方法によれば、
複数のシガレットパックを平らに積み重ねた集合パック
に上下方向で縦帯を巻き付け、該縦帯の一方の端部と他
方の端部とを集合パックの側面で重ね合わせるとともに
上側の端部の最先部を除き剥離可能に接着することでシ
ガレットパックの結束体が生成され、このシガレットパ
ックの結束体を自動販売機の装填コラム内に供給する
と、縦帯の両端部が装填コラムの開口した前面を向くこ
とになり、この状態で縦帯の上側の端部の最先部を引く
ことにより、縦帯の一方の端部と他方の端部との接着が
剥離して縦帯が容易に取り外される。

【００１１】

【実施例】図１を参照すると、結束パック１が示されて
いる。同図に示すように、結束パック１の要素である集
合パック２は、５個のシガレットパックＴがそれぞれ横
置きに積み重ねられて構成されている。これらのシガレ
ットパックＴは、それぞれに一対有する正面部３同士が
互いに接し、それらの外周形状が一致するように向きが
揃えられている。尚、シガレットパックＴは、例えば２
０本のシガレットをひとまとめにして専用の包装紙で箱
状にパッキングしたものであり、包装紙の厚さと包装方
法によってソフトパックとハードパック等に分類され
る。

【００１２】また、この集合パック２では、シガレット
パックＴは、上蓋部４と底部５とがひとつ置きに互い違
いに逆方向を向くようにして積み重ねられている。この
ように、互い違いに積み重ねることにより、例えば、薄
紙で包装したソフトパックのように上蓋部４と底部５の
剛性が違い、積み重ねによる潰れ量がそれぞれ異なるよ
うな場合でも、最も下段に位置するシガレットパックＴ
の正面部３と、最も上段に位置するシガレットパックＴ
の正面部３との姿勢を互いに平行に維持できる。尚、ハ
ードパックの場合には、上蓋部４と底部５の剛性は殆ど
同じである為、ソフトパックのように互い違いにして積
む必要はない。

【００１３】集合パック２には、各シガレットパックＴ
の上蓋部４あるいは底部５とを合わせて形成される一対
の縦面１０，１０と最下段と最上段のシガレットパック
Ｔの正面部３，３の形成する一対の上下面１１，１１と
に跨がって所定幅（１０〜３０m/m 、好ましくは２０m/
m ）のフィルムテープ２０（縦帯）が、シガレットパッ
クＴを潰さない程度の強さで巻き付けられている。フィ
ルムテープ２０（縦帯）の幅を１０m/m 以下とすると強
度が低下し好ましくなく、３０m/m 以上とすると取り扱
いが不便となり好ましくない。このフィルムテープ２０
は、例えば、熱劣化性、熱可塑性のフィルムテープから
なっており、シガレットパックＴを結束するのに充分な
引張強度を有しているものが好ましい。尚、フィルムテ
ープ２０は、紙製であってもよく、和紙、片面アート紙
等が好ましいが、市販されており入手が容易な点で特に
片面アート紙が好ましい。

【００１４】フィルムテープ２０の両端部、即ち端部２
０ａと端部２０ｂは、一方の縦面１０の面上において、
端部２０ａが端部２０ｂの外側に位置するように互いに
重ね合わされ、接着部２２において接着されている。こ
れにより、シガレットパックＴが縦方向で束ねられ、縦
面１０，１０がそれぞれ面として安定している。接着部
２２の接着は、ヒートシール、プリコートホットメルト
が好ましいが、量産性、生産性からはヒートシールが好
ましい。フィルムテープ２０が熱劣化性、熱可塑性の材
料である場合には、例えば、例えば、ヒートシーラ（図
示せず）等の接着装置によって接着部２２が加熱されな
がら加圧されて達成される。この接着は、強度があまり
高くなく、接着部２２を間にしてフィルムテープ２０を
両手で互いに離間する方向に強めに引っ張ると接着部２
２は剥離するようになっている。

【００１５】フィルムテープ２０が紙製である場合に
は、例えば、一般的な糊等の接着剤、粘着性の接着剤ま
たは再粘着性のアクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン
系樹脂またはポリ酢酸ビニル等の接着剤によって接着部
２２が形成される。再粘着性の接着剤によって接着部２
２を形成すると、接着部２２を間にしてフィルムテープ
２０を両手で互いに離間する方向に強めに引っ張ること
で接着部２２を剥離することができる一方、必要に応じ
てフィルムテープ２０を互いに再度接着することもでき
る。また、一方の粘着面に対し他方の粘着面の粘着力が
弱い、強弱セロハン両面テープ（例えば、ニチバン製の
型番ＣＷ−Ｄ１５Ｓ）により接着部２２を形成すること
もできる。

【００１６】端部２０ａの接着部２２よりも先端側に
は、摘み部（上側に位置する一端）２４が延びている。
この摘み部２４は、指で摘み、手前にひくことで接着部
２２の接着を上述のように剥離させるためのものであ
り、確実に摘めるだけの長さが確保されている。集合パ
ック２には、さらに、各シガレットパックＴの側面部
６，６を合わせて形成される一対の横面１２，１２と上
記一対の上下面１１，１１とに跨がって、フィルムテー
プ２０同様のフィルムテープ（横帯）２６が、フィルム
テープ２０の外側に交差するように位置してシガレット
パックＴを潰さない程度の強さで巻かれている。

【００１７】フィルムテープ２６の両端部、即ち端部２
６ａと端部２６ｂは、一方の上下面１１の面上におい
て、端部２６ａが端部２６ｂの外側に位置するように互
いに重ね合わされ、接着部２８において接着されてい
る。これにより、シガレットパックＴが横方向で束ねら
れて横面１２，１２が面として安定し、結束パック１が
形成されている。

【００１８】接着部２８の接着は、フィルムテープ２０
同様の接着装置または接着剤により形成される。従っ
て、この接着についても、強度があまり高くなく、接着
部２８を間にしてフィルムテープ２６を両手で互いに離
間する方向に引っ張ると接着部２８は剥離する。端部２
６ａの接着部２８よりも先端側には、フィルムテープ２
０の摘み部２４と同様にして、摘み部（上側に位置する
一端）３０が延びている。この摘み部３０も、指で摘
み、手前に引くことで接着部２８の接着を剥離させるた
めのものであり、確実に摘めるだけの長さを有してい
る。

【００１９】以上のように構成された結束パック１は、
出荷時には、所定数（例えば、１００パック）毎にダン
ボール箱３４（図２参照）に収納された荷姿となる。こ
の際、結束パック１は、上述したフィルムテープ２６の
摘み部３０が全て一方の側、例えばダンボール箱３４の
上側に向くようにして隙間なく整然と収納される。図２
及び図３を参照すると、出荷後にダンボール箱３４の上
部の一対の蓋３４ａと一対の蓋３４ｂとが開かれ、結束
パック１の取出しを開始したときの結束パック１の出荷
荷姿が示されている。

【００２０】図２に示すように、ダンボール箱３４から
結束パック１を取出す際には、先ず、フィルムテープ２
６の摘み部３０を指で引き、接着部２８の接着を剥離さ
せ、端部２６ａと端部２６ｂとを切り離す。そして、図
３に示すように、端部２６ａと端部２６ｂとを両手の指
（図示せず）で摘み、矢印で示すように上方向に引き上
げる。これにより、結束パック１は、ダンボール箱３４
から容易に取出すことができる。結束パック１を取出し
た後、フィルムテープ２６は不要になり処分されるが、
結束パック１はフィルムテープ２０によって結束パック
１としての形態が保持される。

【００２１】図４を参照すると、開閉扉４６を全開にさ
せた状態のシガレットパックＴの自動販売機４０の内部
を示す正面図が示されている。同図に示すように、自動
販売機４０の本体４１には、縦横に仕切フレーム４２が
配設されており、これらの仕切フレーム４２間には、複
数のコラム５０が上下方向に延びている。そして、各コ
ラム５０の直下には、コラム５０からシガレットパック
Ｔを払い出す搬送装置６０がそれぞれ設けられている。
本体４１の下部には、自動販売機４０の作動全体の制御
を実施する制御装置４４が設けられている。

【００２２】一方、開閉扉４６には、下方に位置してシ
ガレットパックＴの取出口４９が設けられている。ま
た、取出口４９よりも上方には、複数のシュータ４８が
設けられており、コラム５０から各搬送装置６０によっ
て払い出され、重力で落下するシガレットパックＴを取
出口４９まで導く。尚、ここでは図示しないが、開閉扉
４６の前面には、種々の銘柄のシガレットパックＴの見
本が陳列された陳列棚や貨幣投入口等が設けられてお
り、各シガレットパックＴの見本の下部には、それぞれ
のシガレットパックＴに対応する選択ボタンが取付けら
れている。そして、各選択ボタンは、コラム５０下部の
搬送装置６０と対応するようにして、制御装置４４を介
して電気的に接続されている。これにより、貨幣投入口
に所定金額以上の貨幣が投入され、所望の銘柄のシガレ
ットパックＴに対応する選択ボタンが押されると、該当
する搬送装置６０が作動してシガレットパックＴを払い
出すことになる。

【００２３】図５は、コラム５０の一例を示す斜視図で
ある。同図は、コラム５０に上述のようにしてダンボー
ル箱３４から取出した結束パック１を装填した状態をも
示している。同図を参照すると、コラム５０には、自動
販売機４０の本体４１の背部に設けられた背板５１に、
奥行きの一定な側壁５２ａ、５２ｂが互いに平行に立設
されている。これらの側壁５２ａ、５２ｂの前端部側
は、自動販売機４０の前面に臨んで開口部５３を形成し
ており、この開口部５３側からシガレットパックＴを装
填するようになっている。従って、側壁５２ａと側壁５
２ｂとは、横倒しにしたシガレットパックＴの幅よりも
僅かに広い間隔をもって対峙している。

【００２４】開口部５３より手前に間隔を存した位置に
は、剛性の高い鋼線等からなり、両端部を除きコの字形
状に成型されたパックストッパ５４が、コラム５０の上
下に位置するフレーム４２，４２に回動自在に軸支され
て上下方向に延びている。このパックストッパ５４は、
シガレットパックＴが開口部５３からこぼれることを防
止するための押え装置である。

【００２５】パックストッパ５４の下端部には、ハンド
ル５６がパックストッパ５４と略一体に取付けられ、こ
のハンドル５６を操作することでパックストッパ５４を
回動可能になっている。一方、下側のフレーム４２上に
は、ハンドル５６の回動を規制する突起５８，５９が設
けられている。ハンドル５６が突起５８と当接している
ときには、図中実線で示すように、パックストッパ５４
の平行部５４ｂは開口部５３のなす面に対して垂直とな
り、直線部５４ａは開口部５３のなす面に位置する。こ
の実線で示した位置は、コラム５０にシガレットパック
Ｔが装填されているときのものであり、この状態で、パ
ックストッパ５４はシガレットパックＴのこぼれ防止と
しての役割を果たす。一方、ハンドル５６を回動させ
て、ハンドル５６と突起５９とが当接するようにする
と、図中一点鎖線で示すように、平行部５４ｂは開口部
５３のなす面と平行になり、直線部５４ａは側壁５２ａ
のほぼ延長線上に位置する。

【００２６】コラム５０の下部には、搬送装置６０が設
けられており、下側のフレーム４２より下方のコラム５
０と搬送装置６０間には、シガレットパックＴを一個ず
つシュータ４８に送り出す際の払出し口となる搬送口６
４が形成されている。この搬送装置６０には、コラム５
０に積まれた複数のシガレットパックＴのうち、最下段
のシガレットパックＴを搬送口６４の位置まで下げるた
めの下降爪６２や、背板５１側に位置し、搬送口６４の
位置まで下がったシガレットパックＴを搬送口６４側に
送り出す送り爪（図示せず）が設けられている。これら
の爪は、搬送装置６０内に設けられた駆動モータ（図示
せず）に接続されており、制御装置４４からの指令によ
り作動する。この送り爪が作動すると、シガレットパッ
クＴは二点鎖線で示すように搬送口６４を経て飛び出
し、矢印Ａのようにシュータ４８に向け落下する。

【００２７】以下、上述したコラム５０へのシガレット
パックＴの装填方法について説明する。シガレットパッ
クＴをコラム５０に装填するために、先ず、ハンドル５
６を図５中矢印Ｂの方向に突起５９に当接するまで回
し、実線の位置にあるパックストッパ５４を矢印Ｃのよ
うに回動させて一点鎖線で示すように位置させる。これ
により、パックストッパ５４がシガレットパックＴを装
填する際の障害とならないようになる。

【００２８】そして、前述のようにダンボール箱３４か
ら取出され、フィルムテープ２０のみによって束ねられ
ている結束パック１を、フィルムテープ２０を取り外さ
ないままに開口部５３側からコラム５０内に下方から順
次積み上げるようにして装填する（図５中には２パック
まで示す）。この際、フィルムテープ２０の摘み部２４
が全て開口部５３側に向くようにする。

【００２９】結束パック１のコラム５０内への装填が完
了したら、ハンドル５６を矢印Ｂと逆方向に回し、パッ
クストッパ５４を再び実線で示す位置まで戻す。これに
より、結束パック１は、パックストッパ５４によって開
口部５３側への移動が阻止され、開口部５３からこぼれ
落ちないようになる。このとき、装填された結束パック
１、つまりシガレットパックＴの上蓋部４あるいは底部
５とパックストッパ５４間には多少の隙間があり、シガ
レットパックＴは、背板５１に押しつけられることな
く、重力によって自由に下方に移動できる。

【００３０】このようにして、パックストッパ５４を実
線で示す位置まで戻したら、結束パック１に巻かれてい
るフィルムテープ２０の摘み部２４を指で摘んで矢印Ｄ
のように引き、接着部２２を剥離させる。そして、摘み
部２４を摘んだまま矢印Ｅの方向に一点鎖線で示すよう
に引き続け、フィルムテープ２０を完全に引き抜き、結
束パック１のシガレットパックＴを個々にばらされた状
態、つまり集合パック２の状態にする。このように、コ
ラム５０内に装填された結束パック１の全てのフィルム
テープ２０を順次引き抜く。この際、個々にばらされた
シガレットパックＴは、パックストッパ５４によって規
制されるため、フィルムテープ２０を強く引いても、フ
ィルムテープ２０とともにシガレットパックＴがコラム
５０からこぼれ落ちてしまうことはない。

【００３１】以上、詳細に説明したように、フィルムテ
ープ２０とフィルムテープ２６との２本のフィルムテー
プを縦方向と横方向とに交差させて集合パック２に巻き
付けた結束パック１を作ることにより、フィルムテープ
２６を取り外した後、フィルムテープ２０のみを残して
結束パック１の形態を維持したままにシガレットパック
Ｔを自動販売機４０内に容易に装填することができる。
これにより、包装紙を剥ぐ手間が省けるばかりでなく、
５個のシガレットパックＴを一度に装填することがで
き、装填に要する時間を大幅に削減できる。

【００３２】また、結束には、結束パック１当たり２本
のフィルムテープしか使用しないため、大量の包装紙を
必要とせず、従来に比べて、約１０分の１にまでコスト
を削減でき、省資源化が図れる。尚、上記実施例では、
集合パック２をフィルムテープ２０で先に縦方向に結束
し、摘み部２４を縦面１０上に位置させ、次にフィルム
テープ２６で横方向に結束し、摘み部３０を上下面１１
上に位置させるようにしたが、これに限られることな
く、結束パック１を横に向けてコラム５０に積み上げる
タイプの自動販売機４０を利用することを考慮し、集合
パック２を先にフィルムテープ２６で横方向に結束し、
摘み部３０を横面１２上に位置させ、その後、フィルム
テープ２０で縦方向に結束し、摘み部２４を上下面１１
上に位置させるようにしてもよい。

【００３３】また、上記実施例では、５個のシガレット
パックＴをひとまとめにして集合パック２とするように
したが、これに限られず、結束パック１としての体を成
す限り集合パック２当たりのシガレットパックＴの数を
さらに増やすようにしてもよい。また、上記実施例で
は、フィルムテープ２０とフィルムテープ２６とからな
る結束パック１を自動販売機４０内に装填することを主
眼としたが、この結束パック１の状態のままにカートン
等の場合と同様に店頭に並べ、この結束パック１の単位
で販売するようにしてもよい。

【００３４】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項１
のシガレットパックの包装構造によれば、集合パックの
結束が容易であるとともに、その取り外しも容易であ
り、横帯と縦帯とは独立であることから、結束体を詰め
込んだ箱内で先ず横帯のみを取り外して縦帯を残した状
態のままに結束体を自動販売機に良好に装填でき、自動
販売機内において縦帯を簡単に取り外すことができる。
これにより、シガレット販売者の行う一連のシガレット
パック取り出し作業等の負担を軽減できる。また、包装
紙を大量に使用することなく省資源化を図ることができ
る。

【００３５】また、請求項２のシガレットパックの包装
構造によれば、縦帯及び横帯の端部を容易に摘むことが
でき、縦帯と横帯とを確実且つ簡単に取り外すことがで
きる。また、請求項３のシガレットパックの自動販売機
への供給方法によれば、シガレットパックの結束体を自
動販売機の装填コラムに良好に装填でき、装填コラムの
開口した前面から縦帯の上側の端部の最先部を引くだけ
で、自動販売機内において縦帯を簡単に取り外すことが
できる。これにより、販売者の行う一連のシガレットパ
ック取出し作業等の負担を軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シガレットパックを束ねた結束パックを示す斜
視図である。

【図２】箱詰めされた結束パックを示す斜視図である。

【図３】箱から取り出された状態の結束パックを示す斜
視図である。

【図４】シガレットパックの自動販売機の内部を示す正
面図である。

【図５】図４に示す装填コラムに結束パックを装填した
状態を示す詳細図である。

【符号の説明】

Ｔ シガレットパック １ 結束パック（結束体） ２ 集合パック １０ 縦面 １１ 上下面 １２ 横面 ２０ フィルムテープ（縦帯） ２２ 接着部 ２４ 摘み部 ２６ フィルムテープ（横帯） ２８ 接着部 ３０ 摘み部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 71/02 A24F 15/00 B65D 85/10

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面が開口可能な矩形の箱内にシガレッ
   トパックの結束体を配列して収容するシガレットパック
   の包装構造であって、 前記シガレットパックの結束体は、 複数のシガレットパックを平らに積み重ねた集合パック
   と、 前記積み重ねた集合パックに上下方向で巻き付けられ、
   前記集合パックの側面で一方の端部が他方の端部に重ね
   合い、上側の端部の最先部を除き両端部が剥離可能に接
   着された縦帯と、 前記積み重ねた集合パックの上下方向に前記縦帯に交差
   するよう巻き付けられ、前記集合パックの上面で一方の
   端部が他方の端部に重ね合い、上側の端部の最先部を除
   き両端部が剥離可能に接着された横帯とからなり、 該シガレットパックの結束体が前記箱内に収容されたと
   き、前記縦帯の両端部は前記箱の側面に対向して位置
   し、前記横帯の両端部は前記箱の前記上面に対向して位
   置してなる ことを特徴とするシガレットパックの包装構
   造。
2. 【請求項２】 前記シガレットパックの結束体の前記縦
   帯及び横帯の端部に各々摘み部を形成したことを特徴と
   する、請求項１記載のシガレットパックの包装構造。
3. 【請求項３】 前面の開口した装填コラム内にシガレッ
   トパックを積み重ねて収容してなるシガレットパックの
   自動販売機への供給方法であって、 複数のシガレットパックを平らに積み重ねた集合パック
   に上下方向で縦帯を巻き付け、該縦帯の一方の端部と他
   方の端部とを前記集合パックの側面で重ね合わせるとと
   もに上側の端部の最先部を除き剥離可能に接着してシガ
   レットパックの結束体を生成する工程と、 該シガレットパックの結束体を前記縦帯の両端部が前記
   装填コラムの開口した前面を向くよう前記自動販売機の
   前記装填コラム内に供給する工程と、 前記縦帯の一方の端部と他方の端部との接着を剥離し、
   前記一方の端部または他方の端部を引いて前記縦帯を取
   り去る工程と、 からなることを特徴とするシガレットパックの自動販売
   機への供給方法。