JP3402263B2 - 交通情報管理装置および交通情報管理方法 - Google Patents

交通情報管理装置および交通情報管理方法

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JP3402263B2
JP3402263B2 JP16380199A JP16380199A JP3402263B2 JP 3402263 B2 JP3402263 B2 JP 3402263B2 JP 16380199 A JP16380199 A JP 16380199A JP 16380199 A JP16380199 A JP 16380199A JP 3402263 B2 JP3402263 B2 JP 3402263B2
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弘 下浦
健二 天目
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は交通情報管理装置
および方法に関し、特に上流地点で検出された車両を下
流地点で検出する交通情報管理装置および方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、交通管制システムにおいてフ
ィールド走行車両の監視を行なう場合がある。これは、
特定車両の走行を追跡するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両の追跡として、現
在の技術で最も確実な方法は、ナンバープレートの読取
装置を用いる方法である。これは、道路上の一箇所で追
跡対象の車両のナンバープレートを読取装置によって読
取り、他の位置に設けられた読取装置で、そのナンバー
プレートを有する車両を検出するものである。
【0004】このようなシステムでは、検出対象となる
空間を特定するのが一般的である。また、予め追跡の対
象とする車両のナンバープレートをシステムに入力し、
これに従って追跡を行なうことも考えられる。
【0005】たとえば、信号無視の車両、駐車・速度違
反の車両、その他の暴走車両、あるいは何らかの理由で
追跡したい車両を、リアルタイムで設定、または検出し
てこれをその場所から追跡していくという目的を達する
には、単独の装置では不可能であり、複数のナンバープ
レートの読取装置が必要となる。しかし、ナンバープレ
ート読取装置は高価であり、対象道路網全体に普及させ
るには限界があるという問題がある。
【0006】そこでこの発明は、車両の探索を行なうこ
とができる交通情報管理装置を安価で製造することを目
的としている。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明のある局面に従
うと、交通情報管理装置は道路の上流地点に設置され、
交通量、通過する車両の特徴量およびその車両の通過時
刻を収集する第1の収集手段と、道路の下流地点に設置
され、交通量、通過する車両の特徴量およびその車両の
通過時刻を収集する第2の収集手段と、上流地点と下流
地点との間の旅行時間であると推定される基準時間を取
得する取得手段と、取得された基準時間および第1の収
集手段で収集された車両の通過時刻に基づいて、上流地
点を通過した車両が下流地点へ到達する時刻を予測する
予測手段と、第2の収集手段により収集された特徴量の
第1の収集手段で収集された特徴量からのずれと、第2
の収集手段により収集された車両の通過時刻の予測され
た時刻からのずれとに基づいて、第1の収集手段により
収集された一群の車両の情報と、第2の収集手段により
収集された一群の車両の情報とのマッチングを行なうマ
ッチング手段と、マッチングの結果に基づき、上流地点
と下流地点との間の旅行時間を算出する算出手段と、旅
行時間の信頼度を算出する信頼度算出手段と、上流地点
において検出された車両が下流地点に到達すると推定さ
れる時刻を、旅行時間と信頼度とに基づいて推定する推
定手段と、推定された時刻に基づいて、上流地点におい
て検出された車両を下流地点において検出する検出手段
とを備え、マッチング手段では、第2の収集手段により
収集された車両の通過時刻の予測された時刻からのずれ
量に基づいて評価値を算出する
【0017】この発明によるとマッチングの結果に基づ
き、上流地点と下流地点との間の旅行時間が算出される
ため、精度よくかつ効率的に上流地点と下流地点との間
における車両の旅行時間の算出を行なうことができ、そ
の結果に基づいて信頼性の高い車両の検出ができる交通
情報管理装置を提供することが可能となる。
【0018】好ましくは、第1および第2の収集手段の
それぞれは、ループ式センサと、センサの出力に基づい
て車両の車長を特徴量として識別する識別手段とを含
む。
【0019】このようにループ式センサを収集手段に採
用すると、車両の特徴量の収集が容易となる。
【0020】好ましくは、第1および第2の収集手段の
それぞれは、超音波式センサを含む。
【0021】このように収集手段として超音波式センサ
を採用すると、特徴量の収集が容易となる。
【0022】好ましくは、第1および第2の収集手段の
それぞれは、車両の走行音を収集するセンサを含む。
【0023】このようにして、収集手段として走行音を
収集するセンサを採用すると、特徴量の収集が容易とな
る。
【0024】好ましくは、第1および第2の収集手段の
それぞれは、車両の画像を得るカメラと、画像から、車
幅、車高、車長、車色、輝度および模様の一群の中から
単数または複数選択される特徴量を抽出する画像処理装
置を含む。
【0025】このように収集手段としてカメラを採用す
ることとすると、特徴量の収集が容易となる。
【0026】好ましくは、第1および第2の収集手段の
それぞれは、光型車両感知器を含む。
【0027】このように収集手段に光型車両感知器を採
用すると、特徴量の収集が容易となる。
【0028】好ましくは、第1および第2の収集手段の
それぞれは、マイクロ波型車両感知器を含む。
【0029】このように収集手段にマイクロ波型車両感
知器を採用すると、特徴量の収集が容易となる。
【0030】好ましくは、第1および第2の収集手段は
複数種類の特徴量を収集し、マッチング手段は複数種類
の特徴量の重み付けを行なうことでマッチングを行な
う。
【0031】このように、複数種類の特徴量を収集し、
複数種類の特徴量の重み付けを行なうことでマッチング
を行なうようにすると、より正確な旅行時間の算出が可
能となる。
【0032】好ましくは、マッチング手段は、車両の台
数ずれを判定することで、第2の収集手段により収集さ
れた車両の通過時刻の予測された時刻からのずれを判定
する。
【0033】このように、車両の台数ずれを判定するこ
ととすると、容易にずれを判定することができる。
【0034】好ましくは、マッチング手段は、特定の基
準を満たす車両の特徴量およびその車両の通過時刻のみ
をマッチングに利用する。
【0035】このように、特定の基準を満たす車両の特
徴量およびその車両の通過時刻のみをマッチングに利用
するようにすると、交通情報管理装置における処理が容
易となる。
【0036】好ましくは、第1および第2の収集手段
は、特定の基準を満たす車両の特徴量およびその車両の
通過時刻のみを収集する。
【0037】このように、特定の基準を満たす車両の特
徴量およびその車両の通過時刻のみを収集するようにす
ると、交通情報管理装置における処理が容易となる。
【0038】この発明の他の局面に従うと交通情報管理
装置は、道路の上流地点に設置され、通過する車両の特
徴量およびその車両の通過時刻を収集する第1の収集手
段と、道路の下流地点に設置され、通過する車両の特徴
量およびその車両の通過時刻を収集する第2の収集手段
と、第1の収集手段により収集された1台の車両の特徴
量と第2の収集手段により収集された1台の車両の特徴
量とのずれ、および、第1の収集手段により収集された
1台の車両の通過時刻と、第2の収集手段により収集さ
れた1台の車両の通過時刻と、これら両地点間の推定旅
行時間となる基準時間とに基づいて、複数の注目車両各
々において評価値を算出し、それにより得られた複数の
評価値に基づいて、第1の収集手段により収集された一
群の車両情報と、第2の収集手段により収集された一群
の車両情報とのマッチングを行なうマッチング手段と、
マッチングの結果に基づき、上流地点と下流地点との間
の旅行時間を算出する算出手段と、旅行時間の信頼度を
算出する信頼度算出手段と、上流地点において検出され
た車両が下流地点に到達すると推定される時刻を、旅行
時間と信頼度とに基づいて推定する推定手段と、推定さ
れた時刻に基づいて、上流地点において検出された車両
を下流地点において検出する検出手段とを備える。
【0039】この発明によると、マッチングの結果に基
づき、上流地点と下流地点との間の旅行時間が算出され
るため、精度よくかつ効率的に車両の旅行時間の算出を
行ない、その結果に基づいて信頼性の高い車両の検出が
できる交通情報管理装置を提供することが可能となる。
【0040】この発明の他の局面に従うと、交通情報管
理方法は、道路の上流地点において、通過する車両の特
徴量およびその車両の通過時刻を収集する第1の収集ス
テップと、道路の下流地点において、通過する車両の特
徴量およびその車両の通過時刻を収集する第2の収集ス
テップと、上流地点と下流地点との間の旅行時間である
と推定される基準時間を取得する取得ステップと、取得
された基準時間および第1の収集ステップで収集された
車両の通過時刻に基づいて、上流地点を通過した車両が
下流地点へ到達する時刻を予測する予測ステップと、第
2の収集ステップにより収集された特徴量の第1の収集
ステップで収集された特徴量からのずれと、第2の収集
ステップにより収集された車両の通過時刻の予測された
時刻からのずれとに基づいて、第1の収集ステップによ
り収集された一群の車両の情報と、第2の収集ステップ
により収集された一群の車両の情報とのマッチングを行
なうマッチングステップと、マッチングの結果に基づ
き、上流地点と下流地点との間の旅行時間を算出する算
出ステップと、旅行時間の信頼度を算出する信頼度算出
ステップと、上流地点において検出された車両が下流地
点に到達すると推定される時刻を旅行時間と信頼度とに
基づいて推定する推定ステップと、推定された時刻に基
づいて、上流地点において検出された車両を下流地点に
おいて検出する検出ステップとを備え、マッチングステ
ップでは、第2の収集ステップにより収集された車両の
通過時刻の前記予測された時刻からのずれ量に基づいて
評価値を算出する
【0041】この発明によると、精度よくかつ効率的に
上流地点と下流地点との間における車両の旅行時間の算
出を行ない、その結果に基づいて信頼性の高い車両の検
出ができる交通情報管理方法を提供することが可能とな
る。
【0042】この発明の他の局面に従うと、交通情報管
理方法は、道路の上流地点において、通過する車両の特
徴量およびその車両の通過時刻を収集する第1の収集ス
テップと、道路の下流地点において、通過する車両の特
徴量およびその車両の通過時刻を収集する第2の収集ス
テップと、第1の収集ステップにより収集された1台の
車両の特徴量と第2の収集ステップにより収集された
台の車両の特徴量とのずれ、および、第1の収集ステッ
プにより収集された1台の車両の通過時刻と、第2の収
集ステップにより収集された1台の車両の通過時刻と、
これら両地点間の推定旅行時間となる基準時間とに基づ
いて、複数の注目車両各々において評価値を算出し、そ
れにより得られた複数の評価値に基づいて、第1の収集
ステップにより収集された一群の車両情報と、第2の収
集ステップにより収集された一群の車両情報とのマッチ
ングを行なうマッチングステップと、マッチングの結果
に基づき、上流地点と下流地点との間の旅行時間を算出
する算出ステップと、旅行時間の信頼度を算出する信頼
度算出ステップと、上流地点において検出された車両が
下流地点に到達すると推定される時刻を、旅行時間と信
頼度とに基づいて推定する推定ステップと、推定された
時刻に基づいて、上流地点において検出された車両を下
流地点において検出する検出ステップとを備える。
【0043】この発明によると、精度よくかつ効率的に
上流地点と下流地点との間における車両の旅行時間の算
出を行ない、その結果に基づいて信頼性の高い車両の検
出ができる交通情報管理方法を提供することが可能とな
る。
【0044】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]図1は、本
発明の第1の実施の形態における道路交通管制システム
の構成を示すブロック図である。図を参照して、道路交
通管制システムは、大きくは交通管制センター100
と、路上に設置された交通情報収集装置200と、路上
に設置された交通情報提供装置300と、映像データや
車両の特徴量を表示するCRT400と、交通情報提供
装置300から情報を得て表示を行なう情報表示板50
0と、交通情報提供装置300から情報を得る自動車6
00とから構成される。
【0045】交通管制センター100は、交通情報処理
やシステムの監視を行なう装置であり、交通情報処理装
置と情報監視装置とから構成される。
【0046】交通情報処理装置は、交通量、速度および
占有率の計測と、OD情報収集と、渋滞度、および渋滞
長の計測と、疎密波解析と、突発事象検知と、暴走車両
検知と、特定車両追跡と、地震検知と、旅行時間計測
と、存在台数推定と、旅行時間予測と、流入制御処理
と、交通流シミュレーション処理とを行なう。
【0047】情報監視装置は、システム表示板と、シス
テム監視装置と、システム介入装置とから構成される。
情報監視装置によりユーザは交通情報を得ることができ
る。
【0048】交通情報収集装置200は、道路の少なく
とも2箇所(上流地点と下流地点)に設置される超音波
式車両感知器などにより構成され、車両の特徴量を収集
する。
【0049】ここで言う、上流地点と下流地点とは、図
2〜図4のようなものである。ここで、白い三角は上流
地点、黒い三角は下流地点、矢印は車両の流れを表わ
す。図2は単路の場合、図3は分岐の場合、図4は交差
点の場合を示す。
【0050】あるいは、分岐や交差点がある場合でも、
東名高速、国道2号線、甲州街道、明治通、などのよう
に、路線沿いに上流地点と下流地点を設定してもよい。
【0051】交通情報提供装置300は、情報表示板5
00や自動車600に対し情報を提供する。
【0052】図5は、道路交通管制システムの外観を示
す図である。図を参照して、交通情報収集装置は、超音
波式車両感知器201a,201bと、超音波式車両感
知器201a,201bからの信号を処理する一次処理
装置203a,203bとから構成される。
【0053】超音波式車両感知器201a,201b
は、道路Rに設けられ、道路を通過する車両Vがその位
置を通過したことと、車両の高さ(車高)とを検出す
る。その検出信号は、一次処理装置203a,203b
に入力される。一次処理装置203a,203bから
は、上流地点または下流地点を車両が通過した時刻とそ
の車両の車高とが出力され、交通管制センター100へ
送られる。
【0054】なお、ここでは超音波式車両感知器201
aは、超音波式車両感知器201bよりも道路の下流に
設けられているものとする。超音波式車両感知器201
aの設置されている地点を「下流地点」、超音波式車両
感知器201bの設置されている地点を「上流地点」と
いう。
【0055】本実施の形態においては、上流地点におい
て一定の基準を満たした一定数(N台)の車両(この車
両を注目車両と定義する。)を含む車両群を1つの車両
群として、計測の対象とする。下流地点においては、こ
の車両群を構成する車両の台数や車両の順序が変わって
いると考えられるため、上流地点で得られた車両群の特
徴量と、下流地点で得られた車両の特徴量とを全体とし
て所定のマッチングの評価基準により評価することで、
車両群の対応づけを行なう。
【0056】図6は、上流地点に設けられた超音波式車
両感知器201bにより検出された車高(特徴量)を縦
軸に示し、検出が行なわれた時刻を横軸に示したグラフ
である。図に示されるように、時刻の経過とともに検出
された車両の特徴量が記録されている。
【0057】マッチング処理の性能を高めるために、マ
ッチングの対象とする車両(注目車両)は比較的出現頻
度の少ない特徴量を有するもの(ここでは比較的車高が
高いもの)に限定している。また、本実施の形態におい
ては注目車両としてN=10台の車両(1)〜(10)
を用いることとしている。10台の車両の検出は時刻t
u から時間Tの期間により行なわれたものとする。
【0058】図7は、下流地点に設けられた超音波式車
両感知器201aにより検出された車高(特徴量)を縦
軸に示し、検出が行なわれた時刻を横軸に示したグラフ
である。ここでの検出は、基準時刻td から行なわれる
ものとする。基準時刻td は、時刻tu と、前回に計測
された旅行時間とによって決定される。
【0059】図7に示されるように下流地点では、上流
地点(図6)と比較して、注目車両の順番や車両群を構
成する注目車両の数が変化している。より詳しくは図6
と比較して図7においては、車両(2)および(5)が
検出されていない。これは、センサの検出誤差が生じた
り、車両(2)および(5)が車線変更したり、他の分
岐路に進んだり、停止したなどという理由によるもので
ある。
【0060】また、下流地点においては、上流地点では
検出されなかった車両(●で示される車両)が新たに検
出されている。
【0061】これらの図6および図7に示されるデータ
に基づいてマッチングが行なわれ、図6の車両群(1)
〜(10)が下流地点まで移動する時間(旅行時間)が
判定される。
【0062】たとえば、個々の車両において考えてみる
と、図6の時刻t7 に上流地点を通過した車両(7)が
下流地点で検出された車両のどれに該当するかは、以下
のようにして判断される。
【0063】まず、以前に求められた上流地点と下流地
点との間の旅行時間を、上流地点で車両の検出を開始し
た時刻tu に加えることで基準時刻td を求める。次
に、基準時刻td に(t7 −tu )を加えることで、車
両(7)に対する期待時刻(下流地点を通過するであろ
うと考えられる時刻)を求める。
【0064】この車両(7)に対する期待時刻の前後t
0 (t0 は所定の時間)の時間範囲内において所定の関
数を用いて、最も車両(7)に近いと考えられる車両を
決定する。ここでt0 は注目車両の上流地点および下流
地点の間の旅行時間の特性が平均的にどの程度ばらつく
かにより決定される。
【0065】車両(7)に最も近いと考えられる車両を
決定するためには以下の処理が行なわれる。
【0066】まず、時刻(td +(t7 −tu ))±t
0 の範囲において、注目車両(ここでは図6の車両
(7))に対応する候補車両を求める。これは、注目車
両の特徴量に比較的近い特徴量を有する車両を候補車両
とするものである。ただし、候補車両の数mが一定値m
0 台以上存在するような場合には、候補車両が多すぎて
信頼できる対応ができないものと考え、候補車両が1台
もない場合と同様に扱う。なお、ここでm0 は、特徴量
の検出誤差と注目車両の台数Nなどにより決定される。
【0067】そして、それぞれの候補車両において、注
目車両との特徴量のずれ(特徴量の差)xを求める。ま
た、それぞれの候補車両が下流地点で検出された時刻の
期待時刻からのずれyを求める。
【0068】そして、a|x|+b|y|の値の最も小
さい車両が、注目車両に最も近い車両であるとされ、処
理が行なわれる。なお、ここで変数aおよびbは所定の
定数である。
【0069】1つの車両群(たとえば図6の(1)〜
(10))に含まれる注目車両であって、候補車両が存
在するもののそれぞれにおいて、a|x|+b|y|の
最小値が求められ、その平均値が、その基準時刻(ここ
ではtd )の評価値とされる。
【0070】ただし、候補車両のない注目車両の数が一
定値n0 を超える場合には、その基準時刻においては車
両の対応づけができないものと判定し、評価値は無限大
とされる。ここでn0 は、Nと上流地点および下流地点
間の車両の流入出の確率などによりほぼ決定される。
【0071】たとえば、図8を参照して、上流地点にお
ける注目車両Aに対して下流地点の車両A、Cが候補車
両とされており、注目車両Cに対して下流地点の車両C
が候補車両とされており、上流地点における注目車両D
に対して下流地点の車両E、F、Gが候補車両とされて
おり、上流地点における注目車両Eに対して下流地点の
車両Eが候補車両とされている場合を想定すると、注目
車両A〜Eのそれぞれの候補車両の数mは、2、0、
1、3、1となる。また、候補車両のない注目車両の数
は1(注目車両Bのみ)となる。また、候補車両のある
注目車両の数nは4となる。
【0072】基準時刻td は、図9のI〜Vに示される
ように少しずつずらされ、それぞれの基準時刻において
評価値が算出される。その中で最も評価値が良いもの
が、車両の到達した時刻と判定される。
【0073】図10〜図12は交通管制センター100
において行なわれる処理を示すフローチャートである。
図を参照して、ステップS101においてシステムの初
期設定が行なわれる。この初期設定においては、注目車
両、特徴量、および処理周期などの条件設定が行なわれ
る。また、各種の定数などの設定が行なわれる。
【0074】ステップS103において、交通管制セン
ター100は、現在の時刻を参照する。ステップS10
5で、参照された時刻に基づいて、現在が周期処理を開
始するタイミングであるかを判定する。YESになるま
で、ステップS103からの処理を繰返し行なう。
【0075】ステップS105でYESになると、ステ
ップS107において、上流地点で得られたデータに基
づき、最も新しい注目車両N台(ここではN=10とす
る)を選定する。これは具体的には、図6に示される車
両(1)〜(10)を選定するものである。
【0076】ステップS109において、注目車両
(1)〜(10)のそれぞれの通過時刻と特徴量とを検
出し、設定する。ステップS111で、基準時刻を順次
ずらし、下流地点で得られたデータとのマッチングを開
始する。たとえば、この基準時刻は初期状態においては
図7に示される基準時刻td であるものとする。
【0077】ステップS113で選定された注目車両を
順次参照する。ステップS115で各注目車両の下流地
点での通過の期待時刻を算出する。ステップS117で
期待時刻の周辺(±t0 )を探索し、その注目車両に対
する候補車両を調査する。ステップS119で候補車両
が存在するかが判定され、YESであればステップS1
21へ進み、NOであればステップS113に戻り次の
注目車両の処理を行なう。
【0078】ステップS121において、候補車両が一
定数以上であるかが判定され、YESであればステップ
S113へ戻り、NOであればステップS123へ進
む。
【0079】ステップS123において、各候補車両ご
とに注目車両からの特徴量のずれ量xと期待時刻からの
ずれyとを記録する。次に、ステップS125で候補車
両ごとにa|x|+b|y|の式により評価値を算出し
記録する。
【0080】ステップS127で、各候補車両ごとに得
られた評価値の最小値を累計評価値に累計する。ステッ
プS129で、すべての注目車両について処理が終了し
たかが判定され、NOであれば、ステップS113へ戻
り次の注目車両の処理を開始する。YESであれば、ス
テップS131へ進む。
【0081】ステップS131で、上流地点と下流地点
とで対応のついた注目車両(候補車両のある注目車両)
の数nを参照する。ステップS133でその数が一定値
0以下であるかが判定され、YESであればステップ
S157で評価値を無限大とする。また、NOであれ
ば、ステップS135で累計評価値を対応のついた注目
車両の数nで割る。そして、ステップS137で無限大
とされた評価値または累計評価値を対応のついた注目車
両の数nで割った値がその基準時刻における評価値とし
て記録される。
【0082】ステップS139で調査を行なうすべての
基準時刻について処理が終了したかが判定され、NOで
あればステップS111へ戻り、次の基準時刻における
マッチングが開始される。YESであれば、ステップS
141へ進む。
【0083】ステップS141において、記録した基準
時刻ごとの評価値を参照する。ステップS143で評価
値が急に小さくなる時間帯があるかをチェックする。ス
テップS145で評価値が急に小さくなる時間帯がある
と判定されたのであれば、ステップS147へ進む。ス
テップS145でNOであれば、ステップS151へ進
み、前の処理周期までに計測された旅行時間の時系列デ
ータを参照する。ステップS153で計測された旅行時
間の変化の傾向を把握し、この周期における旅行時間を
推定する。ステップS155で推定された旅行時間を当
該周期の旅行時間として、処理を終了する。
【0084】ステップS147では、評価値が急に小さ
くなる時間帯が1箇所のみであるかが判定され、NOで
あればステップS151へ進む。YESであれば、ステ
ップS149で、評価値が最小となる基準時刻から当該
周期の旅行時間を決定し、処理を終了する。
【0085】なお、ステップS143およびS145で
の判定は、得られた基準時刻ごとの評価値から、車両が
通過した可能性のある時間帯(複数の基準時刻)を選定
するものである。この場合、この可能性のある時間帯の
評価値が、すべての時間帯と比較して十分に小さい必要
がある。もしも十分に小さくないのであれば、この注目
車両列に対してはマッチングが不能であり、旅行時間の
計測ができないものとして、前の周期までの旅行時間の
データに基づき当該周期の旅行時間を求めるのである
(S151〜S155)。
【0086】本実施の形態においては、このようにして
得られた可能性のある時間帯内で最も評価値の良い基準
時刻を選定し、その基準時刻に基づき旅行時間を決定す
るものである(S149)。
【0087】たとえば、図13を参照して基準時刻をず
らしていったときに、ある特定の時間帯における評価値
が他の時間帯に比較してスティープに十分小さくなって
いる(急な谷ができている)ことがマッチングで得られ
た基準時刻を採用する条件である。
【0088】これに対し図14で示されるように評価値
の十分小さい時間帯がない場合(A)や、複数の同レベ
ルの谷がある場合(B)には、当該周期処理だけでの計
測は不十分であると判断し、それまでに時系列的に計測
した旅行時間などを総合評価することで、この周期にお
ける旅行時間を決定するものである。
【0089】以上のように、本実施の形態においてはマ
ッチングの評価基準に関与するデータとして、以下のデ
ータが用いられる。
【0090】(1) 個々の注目車両と、これに対応す
る候補車両との比較に関するデータ 特徴量のずれ(x) 期待時刻からのずれ(y) 候補車両の数(m台) (2) 注目車両列を考慮したデータ 対応する候補車両が存在する注目車両の数(n台) なお、上述のデータに基づいて、以下の式(1)で示さ
れる関数により各基準時刻ごとの評価値を求めるように
してもよい。
【0091】
【数1】
【0092】なお、式(1)において、Σは注目車両に
おける総計を求めるための処理であり、minは候補車
両間の評価値を比較するための処理である。
【0093】または、上述の式(1)に代えて、下記の
式(2)を用いてもよい。
【0094】
【数2】
【0095】なお、式(2)において、a,bは各変数
間の数値の調整を行なうための定数である。
【0096】[第2の実施の形態]第2の実施の形態に
おける道路交通管制システムの構成は、第1の実施の形
態と同じであるためここでの説明は繰返さない。第2の
実施の形態における道路交通管制システムでは、注目車
両の順位変化を考慮し、より詳細なマッチングを行なう
ことを特徴としている。すなわち、第2の実施の形態に
おける道路交通管制システムにおいてはマッチングに用
いるデータとして、以下に述べるデータが用いられる。
【0097】(1) 個々の注目車両とこれに対応する
候補車両との比較に関するデータ 特徴量のずれ(x) 期待時刻からのずれ(y) (2) 注目車両列を考慮したデータ 対応する候補車両が存在する注目車両の数(n台) 注目車両間の時刻ずれまたは、車両台数のずれ(y
2 ) 注目車両の順位変化(z) 図15は、注目車両の順位変化を説明するための図であ
る。図において、A〜Fは注目車両を、○は注目車両で
ない車両を示している。上流地点において、注目車両A
〜Fのそれぞれの順位は1番目〜6番目であったとす
る。
【0098】下流地点においては注目車両Bが検出され
ず、注目車両A,D,C,E,Fの順に検出が行なわれ
たものとする。すなわち、注目車両A,C,D,E,F
のそれぞれの順位は、1、3、2、4、5となる。これ
により、注目車両の順位変化Zは、A,C,D,E,F
のそれぞれで、0、0、2、1、1となる。
【0099】図16〜図18は、第2の実施の形態にお
ける道路交通管制システムが行なう処理を示すフローチ
ャートである。以下にこのフローチャートが図10〜図
12に示されるフローチャートと異なる点について説明
する。
【0100】まず、図16の注目車両の通過時刻と特徴
量との設定処理(S209)の後に注目車両間の車両台
数を判定し設定する処理(S210)が行なわれる。こ
れは、具体的には注目車両間の時刻のずれ(y2 )を求
めるために行なうものである。
【0101】また、図18のステップS247で1箇所
のみ評価値が急に小さくなる時間帯があると判定された
ときに、ステップS257からの処理が行なわれる。こ
れは、評価値が急に小さくなると判定された時間帯にお
いて、基準時刻を順次ずらしながらより詳細なマッチン
グを行なうものである。
【0102】ステップS257で基準時刻をずらしなが
らマッチングを開始する処理が行なわれる。ステップS
259で、各注目車両および各候補車両のデータを読出
す。
【0103】ステップS261で以下の式(3)または
(4)によりその基準時刻における評価値を算出する処
理が行なわれる。
【0104】
【数3】
【0105】なお、式(3)および(4)において、変
数a,b,c,dは各変数間の数値の調整を行なうため
の定数である。
【0106】ステップS263において、すべての候補
車両について処理が終了したかが判定され、NOであれ
ばステップS259へ進み、YESであればステップS
265へ進む。
【0107】ステップS265において、すべての調査
すべき基準時刻について処理が終了したかが判定され、
NOであればステップS257へ戻り、YESであれば
ステップS267へ進む。
【0108】ステップS267において、評価値が最小
の基準時刻から、当該周期の旅行時間が決定される。
【0109】このように本実施の形態においては、評価
値が急に小さくなる時間帯についてさらに詳細にマッチ
ングが行なわれるため、より正確な旅行時間の決定が可
能となる。
【0110】なお、本実施の形態においては、評価値が
急に小さくなる時間帯のみにおいて詳細なマッチングを
行なうこととしたが、すべての基準時刻において詳細な
マッチングを行なってもよい。
【0111】[第3の実施の形態]図19は本発明の第
3の実施の形態における道路交通管制システムの構成を
示す図である。図を参照して、本実施の形態において
は、交通情報収集装置200が道路に設けられたループ
式車両感知器(コイル)231a,231b,233
a,233bから構成される。
【0112】この実施の形態においては、ループ式車両
感知器により上流地点と下流地点において車両の通過時
刻が求められる。また、車両の特徴量として車速と車長
とが求められる。
【0113】たとえば、ループ式車両感知器233aま
たは233bを第1ループ、ループ式車両感知器231
aまたは231bを第2ループとすると、車両が上流地
点または下流地点を通過したときには、図20に示され
るパルスが第1または第2ループで発生する。
【0114】時刻t1 は第1ループのパルスの立上がり
点、時刻t2 は立下がり点を示している。また、時刻t
3 は第2ループのパルスの立上がり点を、時刻t4 は立
下がり点を示している。
【0115】これらの時刻t1 〜t4 は車両が図21に
示されるような位置にあることを示している。すなわ
ち、時刻t1 は車両Vが第1ループに差しかかった時点
を示し、時刻t2 は車両Vが第1ループを通り過ぎた時
点を示す。また、時刻t3 は車両Vが第2ループに差し
かかった時点を示し、時刻t4 は車両Vが第2ループを
通り過ぎた時点を示す。
【0116】ここで、ループ式車両感知器の直径をrl
とし、車両の長さをlv とし、第1および第2ループ式
車両感知器の間の距離をll とし、車両Vの速度をvと
すると、 v=ll/(t3−t1) …(7) lv={v(t2−t1)−rl}/2 …(8) の関係が成り立つ。これにより、車両の特徴量として車
速と車長とを求めることができる。そして、第1および
第2の実施の形態と同様に、旅行時間を求めることがで
きる。
【0117】なお、本実施の形態においては複数の特徴
量をマッチングに用いているため、特徴量のずれ(x)
の値としてベクトルを用いる必要がある。また、式
(2)に代えて以下の式(9)を、式(4)に代えて式
(10)を用いるようにするとよい。
【0118】
【数4】
【0119】なお、これらの式においてxT は、ベクト
ルxの転置を示す。 [実際のフィールドデータの例]以下に、参考のために
特徴量として車長のみを選定したときの、上流地点と下
流地点における実際に得られたフィールドデータの例を
示す。
【0120】図22は、上流地点(首都高速道路3号線
渋谷ランプ手前)における特徴量の検出結果と時刻との
関係を示すグラフであり、図23は下流地点(首都高速
道路3号線六本木)における特徴量と時刻との関係を示
すグラフである。これらの上流地点と下流地点との間に
は渋谷オンランプ、渋谷オフランプ、および高樹町オン
ランプが存在する。また、このデータは平日の重渋滞時
の走行車線から得られたものであり、大型トラックのデ
ータも多い。また、上流地点と下流地点の間の距離は4
km弱である。
【0121】図を参照してわかるように、一見して車長
の長い車両(大型車両)のパターンマッチングが容易で
あることがわかる。また、この場合には、特徴量の検出
精度が多少悪くても、高精度で旅行時間の計測を行なう
ことができるであろうと考えられる。
【0122】元々都市内の高速道路においては、大型車
は分岐部や一般道に降りるオフランプ以外では、車線変
更が少なく、他の大型車を追い越す確率も少ない。ま
た、重渋滞時には、特に車線変更が少ないと考えられる
ため、場所が同じであるならば大型車による検出を行な
った方が旅行時間の計測精度が向上すると考えられる。
【0123】また、高速道路の分岐部の手前や、流出交
通量の多いオフランプの手前、流入交通量の多いオンラ
ンプの手前では、車線変更が多く交通が乱れるため、計
測地点としては好ましくない。また、休日は大型車の走
行確率がかなり低いため、計測を行なうには好ましくな
い。この場合には、計測単位を長くすることも考えられ
るが、車両の特徴量の検出精度が良ければ、または採用
する特徴量の種類を複数にすればこのような計測条件が
悪い場合でも、十分に旅行時間を検出することが可能と
なるかもしれない。
【0124】都市間高速道路における計測では、上流地
点および下流地点の間の距離が長くなると考えられ(数
km〜10km程度)、注目車両の構成が変化しやすく
なると考えられる。しかしながら、都市間高速道路にお
いては、流入出部は高々1つずつであり、その流入出の
確率もそれほど高くないと考えられること、および大型
車の走行確率が非常に高いことから、上述のように大型
車の走行特性を考慮したロジックを採用すれば問題なく
旅行時間が計測できるものであると考えられる。
【0125】ただし、交通量が多くなり、走行車線また
は追越し車線で渋滞が始まり出した時間帯では、一般的
には車両の車線変更が多くなり、大型車両がどの程度こ
れに寄与するかが旅行時間の検出精度に多少影響する。
ただし、大型車は普通車以上に自分の走行する車線を維
持し、車線変更してもすぐに元の車線に戻ろうとする傾
向があると考えられるため、大型車を用いた検出を行な
うことが旅行時間の検出精度を高める上で好都合であ
る。
【0126】また、普通道路に対しては、一般的には上
流地点と下流地点との間(2km程度を想定)における
車両の流入出量が多い。したがって、大型車がどの程度
右左折せずに直線的に走行するかという走行特性の分布
と、マッチング確率の限界条件とが計測精度に関連す
る。
【0127】[第4の実施の形態]図24は、本発明の
第4の実施の形態における道路交通管制システムの構成
を示す図である。図を参照して、本実施の形態において
は交通情報収集装置200が、道路に設けられたカメラ
251a,251bから構成される。
【0128】この実施の形態においては、カメラ251
a,251bにより上流地点と下流地点において車両の
通過時刻が求められる。また、車両の特徴量として車
長、車幅、車高、車速、車両の色、その他のデータが求
められる。
【0129】これらの複数の特徴量またはその中の単一
の特徴量に基づいて、第1の実施の形態および第2の実
施の形態と同様に車両群のマッチングが行なわれ、旅行
時間が決定される。
【0130】[第5の実施の形態]図25は、本発明の
第5の実施の形態における道路交通管制システムの構成
を示すブロック図である。図を参照して、本実施の形態
においては図1に示される道路交通管制システムと比較
して、交通情報収集装置200として音声認識装置が採
用されている。
【0131】図26は、本実施の形態における道路交通
管制システムの構成を示す図である。図を参照して、交
通情報収集装置200は道路Rに設けられたマイク27
1a,271bとマイクからの音声を処理する一次処理
装置(音声認識装置)272a,272bとから構成さ
れる。マイク271a,271bによる音声から上流地
点と下流地点において車両の通過時刻が求められる。ま
た、車両の特徴量として車両が通行したときの音声が求
められる。
【0132】交通管制センター100においては、車両
の走行音(エンジン音、風切り音、タイヤ音など)から
周波数特性(周波数スペクトル)を認識し、その周波数
特性を特徴量としてマッチングを行なう。
【0133】本実施の形態においては車両が走行すると
きの音声によりマッチングを行なうことができるため、
精度よくかつ効率的に旅行時間を算出することができ
る。
【0134】[第6の実施の形態]第6の実施の形態に
おける道路交通管制システムの外観は、図5と同様であ
る。本実施の形態においては、図5の超音波式車両感知
器201a,201bに代えて、光型車両感知器が用い
られる。光型車両感知器により、上流地点と下流地点と
における車両の通過時刻が求められる。
【0135】また、車両の特徴量として、車高が求めら
れる。この特徴量に基づいてマッチングが行なわれる。
【0136】[第7の実施の形態]第7の実施の形態に
おける道路交通管制システムの外観は、図5と同様であ
る。本実施の形態においては、図5の超音波式車両感知
器201a,201bに代えて、マイクロ波型車両感知
器が用いられる。
【0137】マイクロ波型車両感知器により、上流地点
と下流地点とにおける車両の通過時刻が求められる。
【0138】また、車両の特徴量として、ドップラー効
果により得られた車速と、車高とを求めることができ
る。また、ループ式車両感知器を用いた場合と同様に、
特徴量として車長を求めることもできる。すなわち、車
両の先頭が車両感知器に差しかかることで、車両感知器
の出力がオンになったときから、車両の後部が車両感知
器を通り過ぎることで、車両感知器の出力がオフになっ
たときまでの時間を求め、その時間と車速とから車長を
求めるものである。
【0139】[第8の実施の形態]上述の実施の形態で
は、一群の車両の情報のマッチングを行なうことで旅行
時間を算出することとしたが、上流地点と下流地点とで
車両のナンバープレートを識別することで、車両が上流
地点から下流地点へ移動する時間(旅行時間)を算出し
てもよい(ナンバープレートマッチング)。
【0140】[第9の実施の形態]また、図27に示さ
れるように車両Vから地上システム201a,201b
に送られるアップリンク情報に基づいて旅行時間を算出
してもよい。すなわち、車両と地上システムとの間で光
ビーコンなどの双方向通信ができる装置を用い、上流地
点と下流地点において車両からのアップリンク情報が得
られた時間を測定し、その時間差から旅行時間を算出し
てもよい。
【0141】[上述の実施の形態の変形例]なお、上述
の実施の形態においては、上流地点の通過車両を基準に
して、下流地点の通過車両とのマッチングを行なうこと
としたが、これに代えて逆に、下流地点の通過車両を基
準にして、上流地点の過去の通過車両とのマッチングを
行なうこととしてもよい。このようにすると、車両が下
流地点で検出されることを待つ必要がなくなり、リアル
タイムな処理が可能となる。
【0142】また、第3および第4の実施の形態におい
て、車長を特徴量として検出することとしたが、マッチ
ング処理の性能を高めるため、マッチングの対象を比較
的出現頻度の少ない車長を有する車両に限定すると、効
率的である。具体的には、車長が一定値以上である車両
(たとえば大型トラックなど)または一定値以下の車両
(たとえば軽自動車など)を注目車両とするとよい。
【0143】なお、装置を起動させたときにおいては、
評価の対象となる基準時刻の範囲を十分に大きくとるよ
うにし、前周期に計測した旅行時間と、1周期に変動す
る旅行時間の最大値とを基準にして、評価の対象とする
基準時刻の範囲を狭めるようにしてもよい。
【0144】また、評価値に基づいて、算出された旅行
時間の信頼度(平均からのばらつき誤差)を算出するよ
うにしてもよい。
【0145】さらに、旅行時間を計測する周期は、渋
滞、非渋滞など、交通状態の変化に対応して変更するよ
うにしてもよい。
【0146】また、旅行時間を計測する周期は、通過す
る注目車両の数の全体の車両数に対する割合で変更する
ようにしてもよい。
【0147】また、旅行時間を計測する周期は、上流地
点と下流地点との間で計測の対象となる道路に流入する
車両の数または対象道路から流出する車両の数の、対象
道路を走行する車両の数に対する割合で変更するように
してもよい。
【0148】また、旅行時間を計測する周期は、上流地
点と下流地点との間の距離で変更するようにしてもよ
い。
【0149】さらに、第1〜第9の実施の形態で説明し
た処理を計測の対象となる道路の車線ごとに行なうよう
にしてもよい。
【0150】なお、上述の道路交通管制システムにおい
ては、交通情報収集装置200から得られた情報を、交
通管制センター100に送信し、交通管制センター10
0で旅行時間などの計測処理を行なうこととしたが、交
通情報収集装置200の間で情報をやり取りして、交通
情報収集装置200において旅行時間の計測処理などを
行なってもよい。また、別途路上に設置した分散処理装
置で処理を行なってもよい。
【0151】また、情報の伝送は、専用有線回線を用い
てもよいし、公衆回線を用いてもよいし、無線回線を用
いてもよい。
【0152】なお、複数種類の特徴量をマッチングに用
いるときには、特徴量のそれぞれに重み付けを行なって
もよい。
【0153】なお、実施の形態においては期待時刻から
のずれをマッチングで用いたが、これに代えて、期待時
刻からの車両台数のずれを用いてもよい。
【0154】また、たとえば超音波式センサと光型車両
感知器とは両方とも車高を求めることができる。また、
ループ式センサとマイクロ波型車両感知器とは両者とも
車長を求めることができる。さらに、カメラ(画像入力
装置)は車高および車長を求めることができる。このよ
うに、異なるセンサでも同じ特徴量を収集することがで
きるため、上流地点と下流地点とにおいて異なるセンサ
を用いても、マッチングを行なうことが可能である。
【0155】なお、算出された旅行時間の信頼度を算出
するようにしてもよい。これは、マッチングが終わり、
最終的に旅行時間が求められたときに、同時にその旅行
時間の信頼度を求めるものである。たとえば、最終的に
求められた旅行時間をTdとし、それに対する各車両の
時刻ずれ(あるいは台数ずれ)をyi とすると、信頼度
V(y)はそのばらつきに相当し、以下の式(11)で
表わされる。
【0156】
【数5】
【0157】なお、式(11)において、nは、車両の
台数を示す。式(11)で求められた信頼度が小さいほ
ど、信頼度は高い(信頼できる)とみなされる。
【0158】[実施の形態における効果]上述の実施の形
態においては従来技術と比較して以下の有利な効果を奏
する。
【0159】(1) 上流地点と下流地点との車群にお
いて各車両の曖昧な特徴量から、車両群全体としてのマ
ッチングの評価基準を設定しているため、流入出交通量
や追越しが多い場合でも車両群の対応づけが可能とな
る。また、これにより個別の車両の一致性が確定できな
くても、平均的な旅行時間という意味では高精度の計測
値が得られる。
【0160】(2) 特徴量としては、大型車、小型車
の車種というような大雑把な数値ではなく、アナログ的
な数値で表わされる量を用いるため、測定精度の向上を
図ることができる。
【0161】(3) 評価基準として、特徴量のずれお
よび基準時刻からのずれを主体として考えるため、高精
度な測定が可能である。
【0162】(4) マッチングの効果を高めるため、
普通車の特徴量などのように出現頻度の高い車両はマッ
チングの対象から外しているため、精度の良い計測が可
能である。
【0163】(5) 旅行時間の計測とともに、その信
頼度も算出するようにすると、システムとして得られた
値を利用しやすくなる。
【0164】(6) 第5の実施の形態のように画像処
理装置を用いると、曖昧な特徴量を複数抽出することが
できる。そして全体的な車両群としてのマッチングを行
なうことで、より計測精度を向上することができる。
【0165】[第10の実施の形態]本実施の形態にお
ける道路交通管制システムは、第1〜第9の実施の形態
のようにして得られた所定区間内の旅行時間のデータを
用いて、車両の追跡を行なう。
【0166】図28は、本実施の形態における道路交通
管制システムの構成を示す図である。図を参照して、道
路交通管制システムが、交通管制センター100と、交
通情報収集装置200と、交通情報提供装置300と、
CRT400とから構成されるのは、第1〜第5の実施
の形態と同様である。
【0167】但し、本実施の形態においては道路交通管
制システムに、追跡する車両(特定車両)に関するデー
タを入力するための入力装置401が設けられている。
【0168】たとえば、入力装置401をマウスやデジ
タイザなどで構成し、交通情報収集装置200にカメラ
を含ませると、CRT400に道路とその上を通過する
車両の画像とを表示させ、その中から追跡したい車両を
操作者が指示することができる。
【0169】また、入力装置401により操作者からそ
の車両の特徴量(車高、車長、車幅、色、濃淡、車色ま
たは濃淡のバランス、模様、形状の1つまたは複数)を
入力するようにして、その車両を追跡することもでき
る。
【0170】また、複数の特徴量のデータをCRT40
0に表示させ、この中から操作者が追跡したい車両の特
徴量を指示するようにしてもよい。また、交通情報収集
装置200によって得られた車両の特徴量のデータをC
RT400に表示させ、操作者にその中から追跡したい
車両の特徴量を指示させるようにしてもよい。
【0171】さらに、CRT400に車両を表示すると
き、その画像にその車両の特徴量を表示するようにして
もよい。このとき、車両の探索を行なう時間が限られて
いるときには、その時間内においてのみ特徴量を表示す
るようにすると効果的である。
【0172】また、車両の画像と特徴量とを重ね合わせ
て表示してもよい。このとき、入力装置401からの入
力に基づいて画像を静止させることができるようにする
と、効果的である。
【0173】さらに、特定車両の追跡が間違っていると
きに、入力装置401を用いて操作者は特定車両を変更
することができる。
【0174】さらに、指定された特徴量を有する車両が
複数存在する場合、操作者は入力装置によってその数を
減少させることができる。
【0175】図29は、交通情報収集装置の構成を示す
平面図である。図を参照して、道路Rの複数箇所P1〜
P6に交通情報収集装置200a〜200fは設けら
れ、その地点で車両の特徴量の検出が行なわれる。
【0176】また、この特徴量に基づいて第1〜第9の
実施の形態のようにして、各交通情報収集装置間の旅行
時間T1〜T5が求められる。
【0177】それらの求められた旅行時間T1〜T5の
それぞれにおいて、旅行時間の信頼度に応じた、車両の
検出を行なう時間t0が求められる。たとえば、特定車
両が交通情報収集装置200aで検出されたのであれ
ば、その検出された時刻から時間T1−t0経過したと
きに交通情報収集装置200bによるその特定車両の検
出が開始され、時間T1+t0となるまで、交通情報収
集装置200bによる検出は続けられる。
【0178】もしも、交通情報収集装置200bで特定
車両が検出されたのであれば、次は同様に交通情報収集
装置200cで特定車両の検出が行なわれる。
【0179】このようにすることで、道路の上流地点か
ら下流地点へと順に特定車両を追跡することができる。
【0180】図30および図31は、交通情報収集装置
200として、第4の実施の形態のようにカメラを用い
た場合の道路交通管制システムの処理を示すフローチャ
ートである。
【0181】図を参照して、ステップS301で初期設
定が行なわれる。この初期設定において、操作者は入力
装置401を介して追跡したい車両(特定車両)の特徴
量などを入力する。また、CRTに表示された車両の画
像から特定車両となるべき車両を選択させるようにして
もよい。
【0182】ステップS303において、特徴量の入力
が画像データによるものであったか(たとえば表示され
た車両の選択によるものであったか)が判定される。ス
テップS305で、画像データによる入力であると判定
された場合には、ステップS307でその画像データか
ら車両の特徴量が認識される。
【0183】ステップS309において、入力された特
徴量が各交通情報収集装置200a〜200fに送信さ
れる。各交通情報収集装置は、入力された特徴量を有す
る車両の通過の検出を開始する。
【0184】ステップS311で時刻が参照されること
により、現在が処理を行なう周期のタイミングとなって
いるかが判定される。タイミングがよければ、ステップ
S313において、各交通情報収集装置200a〜20
0fから車両の特徴量の時系列データを受信する。
【0185】ステップS315で、各交通情報収集装置
の間の旅行時間T1〜T5と、その旅行時間の信頼度と
が算出される。
【0186】ステップS317で既に特定車両を追跡中
であるかが判定され、YESであればステップS333
へ、NOであればステップS319へ進む。
【0187】ステップS319で、特定車両を検出した
交通情報収集装置からその旨の連絡があったかが判定さ
れる。ステップS321で、連絡があったのであれば、
ステップS323へ進み、連絡がなければ、ステップS
311へ戻る。
【0188】ステップS323において、連絡があった
交通情報収集装置からその下流地点にある交通情報収集
装置までの旅行時間と信頼度とを参照する。そして、ス
テップS325で下流地点の交通情報収集装置における
特定車両の到着時間を予測する。
【0189】ステップS327で、特定車両がその交通
情報収集装置を通過すると予想される時間範囲t0が旅
行時間の信頼度に基づいて決定される。
【0190】ステップS329で、その交通情報収集装
置に追跡車両の特徴量と時刻範囲t 0とを送信する。そ
して、ステップS331で現在の状態を車両の追跡中と
する。その後、ステップS311へ戻る。その交通情報
収集装置では、時刻範囲t0内において、特定車両の検
出が行なわれる。
【0191】ステップS317でYESであれば、ステ
ップS333へ進み、下流側の交通情報収集装置の映像
データを確認する。なおここで映像データは、交通情報
収集装置から交通管制センター100へ送られ、CRT
400に特徴量は画像に重ね合わせて表示するものとす
る。また、特定車両と考えられるものには、CRT40
0上でマークが付されて表示される。
【0192】ステップS335で、操作者は特定車両が
正しく検知されているかを判断し、NOであればステッ
プS337で入力装置401を用いて検出ミスを修正、
または特定車両を追加する。
【0193】ステップS339で特定車両の追跡が不良
であるかが判定され、NOであればステップS341で
追跡が終了したかを判定する。NOであれば、ステップ
S343でさらに下流側の交通情報収集装置までの旅行
時間と信頼度とを参照し、ステップS345で下流地点
にある交通情報収集装置における特定車両の到達時刻を
予測する。
【0194】ステップS347で下流地点の交通情報収
集装置を通過する時刻範囲t0が決定され、ステップS
349で下流地点の交通情報収集装置に特定車両の特徴
量と時刻範囲t0を送信する。その後、ステップS31
1へ戻る。
【0195】なお、ステップS339またはS341で
YESであれば、ステップS351で追跡中の状態を解
除し、ステップS311へ戻る。
【0196】[第11の実施の形態]第11の実施の形
態における道路交通管制システムの装置構成は、第10
の実施の形態におけるそれと同様であるためここでの説
明は繰返さない。
【0197】第10の実施の形態においては、特定車両
を操作者が指定することとしたが、第11の実施の形態
においては特定車両を自動的に装置で判定することとし
ている。具体的には、図30におけるステップS301
で各交通情報収集装置から得られたデータに基づき、追
跡を行なう車両が自動的に決定される。
【0198】ここに、たとえば追跡を行なう車両として
以下の車両を判定するものとする。 (1) 速度が一定値以上の車両 (2) 画像処理により、無謀な車線変更を行なったと
判定された車両 (3) 画像処理により、信号無視を行なったと判定さ
れた車両 (4) 画像処理により、駐車違反をしていたと考えら
れる車両 このように本実施の形態のように、追跡を行なう車両を
自動で判定するようにすると、操作者の負担が軽減され
る。また、第10の実施の形態と第11の実施の形態と
を組合せて、特定車両の自動的な判定と、操作者からの
特定車両の入力とを同時に行なうようにしてもよい。
【0199】なお、速度が一定値以上の車両(スピード
違反の車両)の追跡を行なう場合、その付近の車両の平
均速度と追跡を行なう車両との速度比に基づいて、追跡
を行なう車両の下流地点への到達予想時刻を変更しても
よい。
【0200】[第10および第11の実施の形態におけ
る効果]上述のように、第10および第11の実施の形
態においては、全国の道路網に普及しているループ式ま
たは超音波車両感知器や、それよりもやや高価ではある
が、種々の交通状況が確認できる画像処理装置を利用し
て、ナンバープレート読取装置を用いるよりも安価なシ
ステムを構成することができる。
【0201】また、個々の車両の曖昧な特徴量の時系列
データを利用し、装置間の旅行時間とその信頼度とか
ら、下流側の装置に特定車両が到着する時刻範囲を絞る
ことにより、特定車両と類似する車両の数を極力減ら
し、特定車両の検出確率の高いシステムを構成すること
が可能となる。
【0202】また、当該時刻範囲の全車両の特徴量と画
像データとを管制システムのCRT(表示装置)に重ね
合わせて表示することにより、追跡が正しく行なわれて
いるかを確認したり、複数の車両の追跡候補がある場合
に車両数を絞ったり、または追跡が間違っていた場合に
これをマンマシンで修正することが可能となる。
【0203】さらに、特定車両は、リアルタイムで入力
装置401などを用いて設定することもできるし、暴走
車両など、システム側で自動的に追跡すべき車両を検出
することもできる。
【0204】なお、第1〜第7の実施の形態における交
通情報収集装置を複数用いて、複数の特徴量を求めても
よい。また、特徴量を個別通信(双方向ビーコン、ET
C等)により得てもよい。さらに画像データからナンバ
ープレート、車両形状、模様、色、色バランス、車両の
濃淡、濃淡バランスのうちの一つまたは複数を抽出し、
これらを特徴量としてもよい。
【0205】[第12の実施の形態]図32は、本発明
の第12の実施の形態における交通情報管理装置の構成
を示すブロック図である。
【0206】この交通情報管理装置は、第10および第
11の実施の形態と同様に、上流地点で検出された車両
を下流地点において検出するものである。
【0207】図を参照して、交通情報管理装置は、上流
地点と下流地点との間の旅行時間を推定するための旅行
時間推定部701と、旅行時間推定部701により推定
された旅行時間の信頼度を推定する旅行時間信頼度推定
部703と、推定された旅行時間と信頼度とに基づいて
上流地点において検出された車両が下流地点に到達する
と推定される時刻を推定する到着時刻推定部705と、
推定された時刻に基づいて、上流地点において検出され
た車両を下流地点において検出する特定車両抽出部70
7と、検出された車両をディスプレイなどに表示する特
定車両出力部709と、検出を行なう車両を指定する特
定車両指定部711とから構成される。
【0208】旅行時間推定部701における旅行時間の
推定においては、第1〜第7の実施の形態で開示された
ように、複数の車両同士のマッチング(群マッチング)
を行なってもよいし、第8の実施の形態のようにナンバ
ープレートマッチングを行なってもよいし、第9の実施
の形態のようにアップリンク情報に基づいて旅行時間を
推定するようにしてもよい。
【0209】第8および第9の実施の形態のように、ナ
ンバープレートやアップリンクを用いて旅行時間を算出
する場合には、旅行時間信頼度推定部703では旅行時
間のばらつきに基づき信頼度を推定することとなる。
【0210】特定車両抽出部707は、上流地点で検出
された車両の車長、車幅、車高、輝度(縦および横)、
色相(縦および横)の1つまたは複数のデータに基づ
き、下流地点で車両を検出する。
【0211】特定車両指定部711において車両の特定
は、手動で行なってもよいし、自動で行なってもよい。
【0212】たとえば手動で検出する車両を指定する方
法として、 ・車長、車幅、車高の数値をユーザに指定させる方法、 ・画像中の車両をマウスによりクリックさせる方法、 ・ユーザに車種を指定させる方法(たとえば具体的な車
種の名前や色を入力させたり、大型車、トラック、バス
などの区分を入力させることで特定する方法)、 ・ユーザに写真をスキャンさせることで車両を特定する
方法、が考えられる。
【0213】また、自動で車両を特定する方法として、 ・オービスや画像感知器で速度違反が検知された車両を
特定する方法、 ・画像感知器による駐車車両(特に長時間駐車している
車両)を検出の対象の車両とする方法、 ・無謀な車線変更が行なわれたことが検出された車両を
特定する方法(特に横方向の車両の速度を検出すること
で特定するもの)、が挙げられる。
【0214】到着時刻推定部705は、旅行時間と信頼
度とから、上流地点で検出された車両が下流地点の感知
器を通過する時刻を推定する。たとえば、上流地点にお
ける感知器を通過した時刻が9時00分であり、上流地
点から下流地点までの旅行時間が20分であり、旅行時
間の信頼度(誤差)が±2分である場合には、下流地点
への車両の到達時刻を9時18分から9時22分までと
推定するものである。このとき、特定車両抽出部707
は、9時18分から9時22分の時刻の範囲内において
のみ、車両の検出を行なう。
【0215】図33は、特定車両抽出部707の処理を
示すフローチャートである。以下の説明において、上流
地点をA地点とし、下流地点をB地点とし、時刻tにA
地点を通過した車両a1,a2,…,anと、時刻t+Δ
t(Δtは旅行時間)にB地点を通過した車両b1
2,…,bmとをマッチングさせる(対応させる)場合
を想定する。
【0216】図33を参照して、A地点とB地点とのそ
れぞれにおいて、車両感知器により、車両の大きさと、
輝度分布と、色相分布とを求める。
【0217】ここに、車両の大きさとして、車長、車幅
および車高を求めるものとする。A地点で求められた車
長、車幅および車高をそれぞれ、la,wa,haとし、
B地点で求められた車長、車幅および車高をそれぞれ、
b,wb,hbとする。
【0218】また、輝度分布および色相分布は、車両の
縦方向(進行方向)のものと、横方向(進行方向に対し
て直交する方向)のものとを求めることとする。
【0219】A地点とB地点とにおいて求められた車両
の大きさから、評価値p1が求められる。
【0220】A地点とB地点とにおいて求められた車両
の輝度分布および色相分布は、正規化される。その正規
化された輝度分布に基づき、評価値(p2,p3またはp
4)が算出される。正規化された色相分布に基づき、評
価値(p5またはp6)が算出される。
【0221】求められた評価値から、A地点を通過した
車両がB地点でどの車両にあたるかの判定(一致判定)
が行なわれる。
【0222】以下、各評価値p1〜p6の求め方について
説明する。 (1) 大きさに基づく評価値の求め方 車両aiとbjとの大きさの差を、式(12)のような加
重和で定義する。
【0223】 p1=α|la−lb|+β|wa−wb|+γ|ha−hb| …(1 2) このとき、α,β,γはそれぞれ車長、車幅および車高
の重みであり、画像式の車両感知器を採用する場合に
は、α≧β≧γ≧0とする。なぜならば、一般的に車長
は求めやすいので信頼性が高く、反対に車高は求めにく
いので信頼性が低いからである。なお、γ=0とすると
車高は大きさの判定に用いないこととなる。
【0224】すなわち、車長、車幅、車高の一部しか求
められない場合においては、求められない項目に対し
て、その重みを0とする。たとえば、車両感知器が車長
しか求められないループ式の場合には、β=γ=0とす
る。同様に、車高しか求められない超音波式の場合は、
α=β=0とする。
【0225】(2) 輝度分布に基づく評価値の求め方 車両感知器が画像式の場合、車両の輝度分布を用いてマ
ッチングを行なうことができる。車両感知器がカラーカ
メラの場合には、RGBをH(色相)、S(彩度)、I
(輝度)に分解する。このとき、撮影するカメラの位置
や角度によって、同一の車両でも画像上の大きさが異な
って見える場合がある。そこで、画像上の大きさが同じ
になるように正規化を行なう。なお、以下の説明では、
正規化後の上流地点(A地点)での車両の輝度をU1
2,U3,…,UNとし、下流地点(B地点)での車両
の輝度をD1,D2,D3,…,DNとしている。
【0226】以下の式(13)は輝度の差分の分散を用
いて評価値p2を求める方法を示しており、式(14)
は相関を用いて評価値p3を求める方法を示しており、
式(15)は輝度差分絶対値の和を用いて評価値p4
求める方法を示している。これらのどの方法を採用して
もよい。
【0227】
【数6】
【0228】なお、式(13)においては、評価値の小
さい方が一致度が高いことを示しており、輝度が完全に
一致するとp2=0となる。すなわち、p2>0の関係が
ある。また、式(13)において、μSはδの平均であ
る。
【0229】式(14)においては1>p3>−1の関
係がある。なお、p3の式に−符号が付いているが、こ
れはp3が小さい方が一致度が高いようにするため、符
号を逆転させているものである。
【0230】式(15)においては、p4>0の関係が
あり、p4の小さい方が一致度が高い。
【0231】(3) 色相に基づく評価値の求め方 カラーカメラを用いる場合には、色相(0°≦H≦36
0°)についても、式(13)〜(15)と同様のこと
が考えられる。ただし、無彩色に近い(地味な)車両の
場合には信頼性が低いため、派手な車両のみを対象とす
ることが望ましい。具体的には、彩度(0≦S≦1)が
0.1から0.2以上の車両に対してのみ色相による判
定を行なうこととすればよい。
【0232】また、色相の差分の分散を用いて評価値を
求めるときには、以下の式(16)を用いればよく、色
相角度の和を用いて評価値を求めるときには式(17)
を用いればよい。これらの式においても、評価値は小さ
い方が一致度が高い。
【0233】
【数7】
【0234】各評価値を求めた後、これらの評価値を用
いて最終的に同一車両かどうかを判定する方式として
は、下記のようなものが考えられる。実際には、評価値
の加重和(またはポイント)に基づき、一致度が高い車
両の組合せから順に同一車両とみなして、候補から除外
していくと効果的である。こうして除外していくと、一
致度が低い組合せしか残らなくなっていくが、評価値が
一定値以上の組合せ(一致度が低いものの組合せ)しか
残らない場合には、対応ができないとみなせばよい。
【0235】(1) 評価値の加重和を用いる方法 以下の式(18)をm×n通り求め、それぞれの車両a
i(1≦i≦n)に対してPが最小となる車両bj(1≦
j≦m)を同一車両とみなす方法である。ただし、式
(18)においてqは重みの項であり、q≧0とする。
【0236】
【数8】
【0237】(2) ポイントの加重和を用いる方法 図34(a)を参照して、ある評価値1,2のそれぞれ
について上流と下流においてn×m(ここではn=m=
4としている)通り求め、(b)に示されるように最も
一致度が高い(評価値の低い)ものから順に3ポイン
ト、2ポイント、1ポイントを付与する。すべての評価
値においてこのポイントを求め、そのポイントの合計を
求め、最もポイントが高いものを同一車両とみなす。
【0238】図34(a)の最も下の表を参照して、評
価値をそれぞれ合計した場合においては、上流地点の車
両n=1,2,3,4に対し下流地点の車両m=1,
2,3,4がそれぞれ対応する(評価値が最も低い)こ
とになる。
【0239】図34(a)の中央の表において、上流地
点のn=1の車両には、評価値が“3”である車両が2
台あるため、図34(b)の中央の表を参照して、2ポ
イントと1ポイントの平均である1.5ポイントをそれ
ぞれの車両に付与している。
【0240】図34(b)のポイント合計において、上
流地点のn=1の車両と下流地点のm=2の車両の組合
せにおけるポイントは“5”であり、n=1,m=1の
車両のポイント合計“4.5”よりも大きいが、上流地
点のn=2の車両においては、m=2との組合せのポイ
ントがそれよりも大きいため、m=1とn=1とを対応
させ、m=1に対してはn=1を対応させるものとす
る。
【0241】さらに、評価値(またはポイントなど)が
等しいかまたは非常に近いために組合せを1通りに限定
できないときには、複数の候補の中からマニュアル操作
で選択させるようにしてもよい。
【0242】次に、図35〜40を参照して、上流地点
(図35〜37)と下流地点(図38〜40)における
具体的な車両同士のマッチングの結果について説明す
る。
【0243】図35においては、画像右下のトラック
(特定車両)を下流地点で検出することとしている。図
36においても、画像右下のトラックを下流地点で検出
することとしている。図37においては、中央車線の最
も手前にあるタンクローリーを下流地点で検出すること
としている。
【0244】図38において、図35のトラックが画像
の右下部分に写っていることを示す。図39において
は、図36のトラックが画像の右下部分に写っている状
態を示している。図40においては、図37のタンクロ
ーリーが中央車線の手前に写っていることを示してい
る。
【0245】これらのトラックやタンクローリーのルー
フ部分の画像を撮影し、マッチングを行なうこととし
た。
【0246】図41を参照して、トラックやタンクロー
リーのルーフ部分の画像の横方向の画素の輝度の平均値
をとり、その平均値の縦方向の輝度分布を縦方向輝度と
してマッチングのデータに用いている。
【0247】図42〜図44はマッチングの結果を示す
グラフである。それぞれの横軸の値に5cmを掛け合せ
たものが、車両における縦方向の位置である。縦軸は輝
度を示す。また、図42〜図44では正規化前のデータ
を用いている。また、図42〜図44において、グラフ
中の太線は、下流地点における車両の輝度を示し、細線
は上流地点における車両の輝度を示す。
【0248】図42は、図35および図38のトラック
の対比結果であり、図43は図36および図39のトラ
ックの対比結果であり、図44は図37および図40の
タンクローリーの対比結果である。
【0249】図45〜図47のそれぞれは、図42〜図
44に対応するグラフであって、それぞれ正規化を行な
った後のデータに基づきマッチングを行なっている状態
を示す。正規化により、画像データの大きさ(グラフの
横軸)は上流地点と下流地点で“600”に統一されて
いる。
【0250】図45〜図47を見てわかるように、上流
地点と下流地点で同一の車両であればほぼ輝度値が一致
する。これにより、上流地点で検出した車両を下流地点
で検出することが容易となる。
【0251】また、図35〜図40に示される車両のル
ーフのデータについて、図48に示されるようにまず縦
方向の画素の輝度の平均をとり、その値を横方向の輝度
(横方向輝度)とすることで判定を行なった結果を以下
に示す。図49〜図51は正規化を行なった後のデータ
を示す図であり、それぞれ図45〜図47に対応する図
である。
【0252】これらの図を見てもわかるように、横方向
の輝度分布を用いても車両のマッチングを行なうことが
容易である。特に、図50において、グラフの中央部分
に谷ができているが、これは図36および図39のトラ
ックのルーフ部分に縦方向の線が存在し、この部分が上
流地点と下流地点とで一致していることを示している。
【0253】なお、図32の特定車両出力部709にお
いて下流地点で検出された車両が出力されるが、その出
力は以下のような方法で行なうことが考えられる。
【0254】(1) テキスト表示や音声により感知器
番号、路線名、感知器の位置、検出された車両(特定車
両)の番号および特徴量を出力する方法。
【0255】たとえば、「国道2号線打出交差点の感知
器12を、特定車両番号3に類似した車両が通過。車
長:10.5m、車幅:2.2m、車高:2.6m」な
どの表示や音声出力を行なうものである。
【0256】(2) 感知器が画像式のもので、かつ特
定車両出力部709において撮像された画像が表示でき
る場合には、図52に示すように、コンピュータグラフ
ィックスにより特定車両を強調表示したり、図52の吹
出し内の文字のように、特定車両の特徴量を表示しても
よい。
【0257】もちろん、特定車両の候補が複数ある場合
や、出力された特定車両が間違っている場合には、ユー
ザ(管制官)が手動で選択や修正を行なうようにしても
よい。
【0258】なお、今回開示された実施の形態は全ての
点で例示であって、制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における道路交通管
制システムの構成を示すブロック図である。
【図2】上流地点と下流地点の具体例を示す第1の図で
ある。
【図3】上流地点と下流地点の具体例を示す第2の図で
ある。
【図4】上流地点と下流地点の具体例を示す第3の図で
ある。
【図5】第1の実施の形態における道路交通管制システ
ムの構成を示す図である。
【図6】上流地点で得られた車両群の特徴量を示す図で
ある。
【図7】下流地点で得られた車両群の特徴量を示す図で
ある。
【図8】上流地点および下流地点での注目車両と候補車
両との関係を説明するための図である。
【図9】基準時刻のずらし方を説明するための図であ
る。
【図10】第1の実施の形態における道路交通管制シス
テムが行なう処理を示すフローチャートである。
【図11】図10に続くフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】評価値の谷が存在する場合のマッチングの結
果を示す図である。
【図14】評価値を採用することができないマッチング
の結果を示す図である。
【図15】第2の実施の形態における道路交通管制シス
テムの処理を説明するための図である。
【図16】第2の実施の形態における道路交通管制シス
テムの行なう処理を示すフローチャートである。
【図17】図16に続くフローチャートである。
【図18】図17に続くフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施の形態における道路交通
管制システムの構成を示す図である。
【図20】図19のシステムで得られるパルスを示す図
である。
【図21】図20のパルスと車両の位置との関係を示す
図である。
【図22】車長の実測結果(上流地点)を示す図であ
る。
【図23】車長の実測結果(下流地点)を示す図であ
る。
【図24】本発明の第4の実施の形態における道路交通
管制システムの構成を示す図である。
【図25】本発明の第5の実施の形態における道路交通
管制システムの構成を示すブロック図である。
【図26】第5の実施の形態における道路交通管制シス
テムの構成を示す図である。
【図27】第9の実施の形態における道路交通管制シス
テムの構成を示す図である。
【図28】第10の実施の形態における道路交通管制シ
ステムの構成を示す図である。
【図29】第10の実施の形態における道路交通管制シ
ステムの構成を示す図である。
【図30】第10の実施の形態における道路交通管制シ
ステムの行なう処理を示すフローチャートである。
【図31】図30に続くフローチャートである。
【図32】第12の実施の形態における道路交通管制シ
ステムの構成を示すブロック図である。
【図33】図32の特定車両抽出部707の行なう処理
を示すフローチャートである。
【図34】評価値に基づく一致判定の方法を示す図であ
る。
【図35】上流地点において撮像された画像を示す第1
の図である。
【図36】上流地点において撮像された画像を示す第2
の図である。
【図37】上流地点において撮像された画像を示す第3
の図である。
【図38】下流地点において撮像された画像を示す第1
の図である。
【図39】下流地点において撮像された画像を示す第2
の図である。
【図40】下流地点において撮像された画像を示す第3
の図である。
【図41】縦方向輝度の求め方を示す図である。
【図42】図35と図38とに写る車両のマッチングの
結果を示す図である。
【図43】図36と図39とに写る車両のマッチングの
結果を示す図である。
【図44】図37と図40とに写る車両のマッチングの
結果を示す図である。
【図45】正規化後のデータを用いたマッチングの結果
を示す図であり、図42に対応する図である。
【図46】正規化後のデータを用いたマッチングの結果
を示す図であり、図43に対応する図である。
【図47】正規化後のデータを用いたマッチングの結果
を示す図であり、図44に対応する図である。
【図48】横方向輝度の求め方を説明するための図であ
る。
【図49】横方向輝度による図35と図38とに写る車
両のマッチングの結果を示す図である。
【図50】横方向輝度による図36と図39とに写る車
両のマッチングの結果を示す図である。
【図51】横方向輝度による図37と図40とに写る車
両のマッチングの結果を示す図である。
【図52】特定車両の出力方法の具体例を示す図であ
る。
【符号の説明】
100 交通管制センター 200 交通情報収集装置 201a,201b 超音波式車両感知器 231a,231b,233a,233b ループ式車
両感知器 251a,251b カメラ(画像処理装置) 271a,271b マイク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−262488(JP,A) 特開 平11−39587(JP,A) 特開 平9−91588(JP,A) 特開 平9−167296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/01 G07C 9/00 G08G 1/015 G08G 1/017 G08G 1/04

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路の上流地点に設置され、通過する車
    両の特徴量およびその車両の通過時刻を収集する第1の
    収集手段と、 道路の下流地点に設置され、通過する車両の特徴量およ
    びその車両の通過時刻を収集する第2の収集手段と、 前記上流地点と前記下流地点との間の旅行時間であると
    推定される基準時間を取得する取得手段と、 前記取得された基準時間および前記第1の収集手段で収
    集された車両の通過時刻に基づいて、前記上流地点を通
    過した車両が前記下流地点へ到達する時刻を予測する予
    測手段と、 前記第2の収集手段により収集された特徴量の前記第1
    の収集手段で収集された特徴量からのずれと、前記第2
    の収集手段により収集された車両の通過時刻の前記予測
    された時刻からのずれとに基づいて、前記第1の収集手
    段により収集された一群の車両の情報と、前記第2の収
    集手段により収集された一群の車両の情報とのマッチン
    グを行なうマッチング手段と、 前記マッチングの結果に基づき、前記上流地点と前記下
    流地点との間の旅行時間を算出する算出手段と、 前記旅行時間の信頼度を算出する信頼度算出手段と、 前記上流地点において検出された車両が前記下流地点に
    到達すると推定される時刻を、前記旅行時間と前記信頼
    度とに基づいて推定する推定手段と、 前記推定された時刻に基づいて、前記上流地点において
    検出された車両を前記下流地点において検出する検出手
    段とを備え 前記マッチング手段では、前記第2の収集手段により収
    集された車両の通過時刻の前記予測された時刻からのず
    れ量に基づいて評価値を算出する、 交通情報管理装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の収集手段のそれぞ
    れは、 ループ式センサと、 前記センサの出力に基づいて前記車両の車長を特徴量と
    して識別する識別手段とを含む、請求項に記載の交通
    情報管理装置。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の収集手段のそれぞ
    れは、超音波式センサを含む、請求項に記載の交通情
    報管理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の収集手段のそれぞ
    れは、車両の走行音を収集するセンサを含む、請求項
    に記載の交通情報管理装置。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の収集手段のそれぞ
    れは、 車両の画像を得るカメラと、 前記画像から、車幅、車高、車長、車色、輝度および模
    様の一群の中から単数または複数選択される特徴量を抽
    出する画像処理装置を含む、請求項に記載の交通情報
    管理装置。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の収集手段のそれぞ
    れは、光型車両感知器を含む、請求項に記載の交通情
    報管理装置。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2の収集手段のそれぞ
    れは、マイクロ波型車両感知器を含む、請求項に記載
    の交通情報管理装置。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2の収集手段は複数種
    類の特徴量を収集し、 前記マッチング手段は前記複数種類の特徴量の重み付け
    を行なうことでマッチングを行う、請求項からのい
    ずれかに記載の交通情報管理装置。
  9. 【請求項9】 前記マッチング手段は、車両の台数ずれ
    を判定することで、前記第2の収集手段により収集され
    た車両の通過時刻の前記予測された時刻からのずれを判
    定する、請求項からのいずれかに記載の交通情報管
    理装置。
  10. 【請求項10】 前記マッチング手段は、特定の基準を
    満たす車両の特徴量およびその車両の通過時刻のみをマ
    ッチングに利用する、請求項からのいずれかに記載
    の交通情報管理装置。
  11. 【請求項11】 前記第1および第2の収集手段は、特
    定の基準を満たす車両の特徴量およびその車両の通過時
    刻のみを収集する、請求項からのいずれかに記載の
    交通情報管理装置。
  12. 【請求項12】 道路の上流地点に設置され、通過する
    車両の特徴量およびその車両の通過時刻を収集する第1
    の収集手段と、 道路の下流地点に設置され、通過する車両の特徴量およ
    びその車両の通過時刻を収集する第2の収集手段と、 前記第1の収集手段により収集された1台の車両の特徴
    量と前記第2の収集手段により収集された1台の車両の
    特徴量とのずれ、および、前記第1の収集手段により収
    集された1台の車両の通過時刻と、前記第2の収集手段
    により収集された1台の車両の通過時刻と、これら両地
    点間の推定旅行時間となる基準時間とに基づいて、複数
    の注目車両各々において評価値を算出し、それにより得
    られた複数の評価値に基づいて、前記第1の収集手段に
    より収集された一群の車両情報と、前記第2の収集手段
    により収集された一群の車両情報とのマッチングを行な
    うマッチング手段と、 前記マッチングの結果に基づき、前記上流地点と前記下
    流地点との間の旅行時間を算出する算出手段と、 前記旅行時間の信頼度を算出する信頼度算出手段と、 前記上流地点において検出された車両が前記下流地点に
    到達すると推定される時刻を、前記旅行時間と前記信頼
    度とに基づいて推定する推定手段と、 前記推定された時刻に基づいて、前記上流地点において
    検出された車両を前記下流地点において検出する検出手
    段とを備えた、交通情報管理装置。
  13. 【請求項13】 道路の上流地点において、通過する車
    両の特徴量およびその車両の通過時刻を収集する第1の
    収集ステップと、 道路の下流地点において、通過する車両の特徴量および
    その車両の通過時刻を収集する第2の収集ステップと、 前記上流地点と前記下流地点との間の旅行時間であると
    推定される基準時間を取得する取得ステップと、 前記取得された基準時間および前記第1の収集ステップ
    で収集された車両の通過時刻に基づいて、前記上流地点
    を通過した車両が前記下流地点へ到達する時刻を予測す
    る予測ステップと、 前記第2の収集ステップにより収集された特徴量の前記
    第1の収集ステップで収集された特徴量からのずれと、
    前記第2の収集ステップにより収集された車両の通過時
    刻の前記予測された時刻からのずれとに基づいて、前記
    第1の収集ステップにより収集された一群の車両の情報
    と、前記第2の収集ステップにより収集された一群の車
    両の情報とのマッチングを行なうマッチングステップ
    と、 前記マッチングの結果に基づき、前記上流地点と前記下
    流地点との間の旅行時間を算出する算出ステップと、 前記旅行時間の信頼度を算出する信頼度算出ステップ
    と、 前記上流地点において検出された車両が前記下流地点に
    到達すると推定される時刻を、前記旅行時間と前記信頼
    度とに基づいて推定する推定ステップと、 前記推定された時刻に基づいて、前記上流地点において
    検出された車両を前記下流地点において検出する検出ス
    テップとを備え 前記マッチングステップでは、前記第2の収集ステップ
    により収集された車両の通過時刻の前記予測された時刻
    からのずれ量に基づいて評価値を算出する、 交通情報管
    理方法。
  14. 【請求項14】 道路の上流地点において、通過する車
    両の特徴量およびその車両の通過時刻を収集する第1の
    収集ステップと、 道路の下流地点において、通過する車両の特徴量および
    その車両の通過時刻を収集する第2の収集ステップと、 前記第1の収集ステップにより収集された1台の車両の
    特徴量と前記第2の収集ステップにより収集された1台
    車両の特徴量とのずれ、および、前記第1の収集ステ
    ップにより収集された1台の車両の通過時刻と、前記第
    2の収集ステップにより収集された1台の車両の通過時
    刻と、これら両地点間の推定旅行時間となる基準時間と
    に基づいて、複数の注目車両各々において評価値を算出
    し、それにより得られた複数の評価値に基づいて、前記
    第1の収集ステップにより収集された一群の車両情報
    と、前記第2の収集ステップにより収集された一群の車
    両情報とのマッチングを行なうマッチングステップと、 前記マッチングの結果に基づき、前記上流地点と前記下
    流地点との間の旅行時間を算出する算出ステップと、 前記旅行時間の信頼度を算出する信頼度算出ステップ
    と、 前記上流地点において検出された車両が前記下流地点に
    到達すると推定される時刻を、前記旅行時間と前記信頼
    度とに基づいて推定する推定ステップと、 前記推定された時刻に基づいて、前記上流地点において
    検出された車両を前記下流地点において検出する検出ス
    テップとを備えた、交通情報管理方法。
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