JP3396213B2 - 立体造形装置および方法 - Google Patents

立体造形装置および方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全体として、三次
元物体を製作する立体造形方法および装置の改良に関す
るものであり、より詳細には三次元物体、とくに大きい
物体または複雑な物体の製作を、正確さを犠牲にするこ
となしに速く行い、かつそのような物体の制作における
障害を除去するような改良に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】立体造形というのは、
物体の複製品全体が完成されるまで、物体の層が互いの
上に積み重なって形成されるように、層ごとに物体の複
製品を構成する過程である。立体造形による複製品は立
体造形物体すなわち立体造形部品、または単に部品と一
般に呼ばれている。この過程は、1986年3月11日
発行のチャールズ.W.ハル(Charles W.
Hull)による米国特許第4,575,330号「立
体造形による三次元物体製作のための装置」により詳し
く記載されており、この特許は参照によりその全内容が
本明細書に記載されているものとする。上記の米国特許
に記載されているように、立体造形装置(「SLA」)
というのは立体造形過程により物体を複製する装置であ
る。立体造形装置の一例は、UVレーザビームのような
作用的な刺激手段と、樹脂タンクの中に入れられた光硬
化性液体樹脂と、昇降手段とを備える。立体造形装置
は、UVレーザビームにより、表面下の所定の深さまで
液体樹脂を硬化させるのに十分な露出で、液体樹脂の表
面上に断面パターンを描くことにより、部品の各層を形
成する。
【0003】昇降手段は、部品が造形されていく間、該
部品を支持する。第1の層は、べ一スまたは支持体とし
て知られているウェブ等の形をした硬化した樹脂に付着
し、該硬化した樹脂により支持される。そのべ一スまた
は支持体は、昇降手段へ直接付着している。続いて形成
される層は第1の層の上に積重ねられる。部品が造形さ
れていくにつれて、昇降手段は徐々に下降して、液体樹
脂の樹脂タンクの中に順次沈降させられる。上記の各段
階においては、ある層が形成されると、昇降手段がその
層を(それ以前に形成された全ての層とともに)下降さ
せて、液体樹脂の樹脂タンクの中に沈降させる。典型的
には、液体樹脂が前の層の上を速やかに流れるように、
昇降手段は、次の層の希望の厚さよりも深く液体樹脂の
中に沈められる。この結果として、過剰な樹脂(次の層
の厚さ分よりも厚い樹脂)が、前断面の実質的に全ての
部分の上を被覆する。それから昇降手段は上昇させら
れ、次の層の希望の厚さに等しい被覆厚さが達成される
ように、過剰な樹脂の厚さを薄くする1つまたは複数の
技術が実行される。この過程中のある時点において、直
前に硬化された断面の上側表面が、液体樹脂の表面か
ら、次の層の希望の厚さに等しい分だけ下の深さに位置
させられる。これにより、次の断面を露出し、それを直
前の層へ付着させるための、樹脂の表面および該直前の
層の位置の準備が整う。過剰な樹脂の厚さを薄くするた
めの種々の方法が、下記の同時係属特許出願のいくつか
に開示されている。
【0004】立体造形のさらなる詳細については、米国
特許4,575,330号と、以下の係属中の米国特許
出願および国際特許出願に記載されている。これら全て
の特許および特許出願については、明細書に添付された
付録あるいは明細書中で引用された資料を含めた全内容
が、参照により本明細書にも記載されているものとす
る。
【0005】米国特許出願:1989年4月17日出願
第339,246号(通し番号;以下同様)、1989
年3月31日出願第331,664号、1988年4月
18日出願第183,015号、1988年4月18日
出願第182,801号、1988年11月8日出願第
268,429号、1988年11月8日出願第26
8,428号、1988年11月8日出願第268,4
08号、1988年11月8日出願第268,816
号、1988年11月8日出願第268,907号、1
988年11月8日出願第268,837号、1988
年9月26日出願第268,399号、1989年6月
12日出願第365,444号、1988年10月31
日出願第265,039号、1988年9月26日出願
第249,399号、および本願と同時に出願された
「立体造形装置(STERE0LlTHOGRAPHlC APPARATUS)」Ly
on & Lyon処理番号186/171)。
【0006】国際特許出願:1989年9月26日出願
に出願された「立体造形層のリコーティング(RECOATIN
G OF STEREOLITHOGRAPHIC LAYERS)」(Lyon & Lyon処
理番号188/189 PCT)。
【0007】立体造形のこの実施例においては、典型的
には、波長が約325nmで最大パワーが50mWのH
eCdレーザにより、UVレーザビームが発生される。
ベクトルの間にあたる位置にレーザビームが位置させら
れている(重合化されないままであるべき領域の上を横
切りながら)時に、不要な液体樹脂を硬化させるという
問題があるために、より高いパワーのレーザは不可能で
あると考えられていた(ベクトルデータに対応する場所
だけを硬化させることを意図している)。典型的には、
レーザは樹脂タンクに対して静止させられ、一対の回転
可能なダイナミックミラーを含む光学系により方向付け
られるレーザからのビームが、樹脂の表面までのある光
路をたどらされ、そして液体樹脂の表面上において、部
分層がダイナミックミラーの制御された回転により走査
される。この例においては、ダイナミックミラーは、2
本のほぼ垂直な軸に沿って動き、鏡と固定された距離を
保っている水平面であって樹脂表面のX軸とY軸に沿う
水平面内において、レーザビームによる走査動作を発生
させる、二鏡・二軸検流計走査へッドであるのが普通で
ある。
【0008】樹脂表面上の特定の区域における樹脂の硬
化深さは、レーザビームによるその区域の露出に対数的
に依存する。その露出はレーザビームのパワーと強度の
分布、およびレーザビームがその区域を通る時のダイナ
ミックミラーの走査速度とに依存する。レーザビームが
より強力になるか(レーザビーム強度が強くなる)、ま
たは鏡の動きが遅くなると、露出が強くなる。現在で
は、初めに述べたように、立体造形において用いられる
HeCdレーザの最大パワーは50mWであり、ダイナ
ミックミラーの速度は約0−30インチ/秒(約0〜7
6cm/秒)の範囲とすることができ、表面を制御可能
に露出する。
【0009】部品の断面を造形する過程においては、樹
脂表面の中空領域のような特定の区域に関し、顕著な
(ゲル化するために十分な)の量の樹脂を硬化すること
なしに、レーザビームに該区域を飛び越させることによ
り、レーザビームの位置付けを行うことが必要なことが
時にある。これは、上記の実施例では、鏡の最高速度に
おける露出が顕著な量の樹脂を硬化するのには不十分な
露出となるように、レーザのパワーを制限することによ
り行われる。これがレーザの最大パワーを50mWに制
限した理由である。
【0010】レーザパワーのこの上記の制限は、硬化さ
れないと想定されている樹脂表面領域の上をレーザビー
ムに飛び越させる能力を、走査鏡が有するという前提に
基づいている。レーザビームのパワーを制限する別の理
由は、与えられた領域を露出するために効果的に用いる
ことができるような、走査鏡の最高制御可能速度に基づ
く理由である。たとえば、一様に露出されて一様に硬化
させられた、物質の非常に薄い膜を希望するものとする
と、その膜は密集した一連の効果的に重なり合うベクト
ルから形成される。レーザビームの強度プロファイル
が、ベクトルをどの程度接近させるべきかを決定する。
レーザビームのパワーと、希望の硬化深さ(その硬化深
さを得るために要する露出量)と、ベクトルの間隔との
組合わせが、必要な走査速度を決定する。レーザのパワ
ーが高くなりすぎると、この実施例の状況において必要
とされる走査速度が最高許容走査速度を容易に越えるた
め、上限を最大許容レーザパワーに設定する。
【0011】ここでの説明においては、実際にはレーザ
の最大強度が制限要因である場合にも、最大レーザパワ
ーという語で制限要因を指すものとする。X−Y次元に
おいて高い分解能を維持するために、できるだけ小さい
ビームサイズを特に用いるので、この説明においてはパ
ワーと強度とを同じ意味で使用することとする。したが
って、小さい、比較的固定されたビームサイズに関して
は、強度(パワー/単位面積)とパワーは容易に切り離
すことはできない。
【0012】また、立体造形に使用される上記のHeC
dレーザは調節できないものとする。すなわち、そのレ
ーザはオンまたはオフのいずれかであって、したがって
可能な最大パワーのレーザビームを発生するか、レーザ
ビームを全く発生しないかのいずれかである。したがっ
て、こうしたレーザを使用する際には、露出の制約に応
じてビームパワーを変化させることは不可能であった。
【0013】しかし、レーザパワーを制限することによ
る問題点は、部品の形成が、より強力なレーザを用いる
場合と比較して、本質的に遅くなることである。より大
きな部品、典型的には5インチ×7インチ×6インチ
(約12.7cm×約17.8cm×約15.2cm)
より大きい部品を構成する場合には、その問題はもっと
大きくなる。というのは、そのような部品は、寸法が大
きいために、そうでなくても造形にかなりの時間がかか
るからである。パワーがより小さいレーザを使用すると
問題はますます深刻になる。しかし、先に述べたよう
に、不要な樹脂の硬化と、最高可能走査速度と、レーザ
ビームのパワーの特性が固定されていることとのため
に、より強力なレーザビームを使用することは不可能で
あった。鏡の現行の速度においてより強力なレーザを使
用した時に起る別の問題点は、薄い、すなわち約5ミル
(約0.13mm)以下の断面を形成することが不可能
である点である。ダイナミックミラーの正確さは約30
インチ/秒(約76cm/秒)以上のミラー速度におい
ては極度に低くなるから、より高速のダイナミックミラ
ーは一般的な解決方法ではない。
【0014】上記およびその他の理由から、上記立体造
形により部品を構成することは、現在ではなりの時間が
かかりが典型的であり、特に、大きい部品または複雑な
部品を構成するためにはかなりの時間がかかる。たとえ
ば5インチ×7インチ×6インチ(約12.7cm×約
17.8cm×約15.2cm)と小さいが複雑な部品
を、立体造形装置の上記の実施例で造形するには、10
〜48時間の時間がかかり、20インチ×20インチ×
24インチ(約51.8cm×約51.8cm×約61
cm)の部品を造形するためには、2〜10日間ものよ
り長い時間を要する。
【0015】立体造形の上記の実施例に関する別の問題
点は、装置全体におけるデータの流れにいくつかの障害
があることである。大きい部品または複雑な部品を構成
する場合には、それらの障害は非常に深刻になることが
ある。その理由は、そうした場合においては、部品を表
すために何ビットものデータを必要とし、大きい部品の
場合には典型的には約3GB(ギガバイト)、小さいが
複雑な部品の場合には何十メガバイトにもなる該データ
は、部品の造形中に亘って、管理され、立体造形装置の
種々の箇所へ送らなければならないからである。上記の
障害はこの処理を遅くし、そのために部品の造形に要す
る時間を一層長くする。
【0016】たとえば、1つの障害は、ダイナミックミ
ラーと、描画されるべき追加のベクトルのロード作業
と、昇降装置およびその他の関連する装置とをリアルタ
イムで制御する必要性のために生じる障害である。この
障害の結果、上記すべての作業を行うことを要求される
制御コンピュータを、CAD/CAMデータ変換のよう
な、リアルタイムで行われなくてもよいその他の重要な
データ管理作業を行うために利用することは不可能とな
ってしまう。
【0017】しかし、それらのバックグラウンド作業を
行わせるために別のコンピュータを単に設けるだけで
は、とくに、大きい部品または複雑な部品の造形のため
には効果的ではない。たとえば、2台のコンピュータの
間のデータの流れを緩衝するためには記憶装置を付加せ
ねばならないが、大きい部品または複雑な部品に要求さ
れる記憶装置は、典型的には3GBにも及び、それによ
り装置は許容できないほど大きく、かつ高価になる。
【0018】立体造形装置の上記の例における別の障害
は、ユーザーとのインタラクション方法である。制御コ
ンピュータによる部品の造形を開始可能とするには、前
もって、希望の硬化深さ(いくつかの要因に応じて層の
厚さとは異なる)等の部品造形を制御するためのパラメ
ータと、上記装置および関連する装置の物理的な動きを
制御するためのパラメータを得るために、コンピュータ
がユーザーとのインタラクションを行わなくてはならな
い。それらのパラメータはまとめて簡単に造形パラメー
タとして知られている。
【0019】ユーザーとのインタラクションを行うため
に種々のアプローチが試みられている。1つのアプロー
チにおいては、ユーザーは部品全体用の造形パラメータ
を供給することを求められる。これは、とくに大きい部
品または複雑な部品に関しては非常に扱いにくいことが
ある。
【0020】別のアプローチにおいては、ユーザーは、
部品を各々複数の層からなる複数の層範囲に分解し、各
層範囲ごとに種々の造形パラメータを指定することを許
される。しかし、大きい部品または複雑な部品に関して
は、1つの層範囲内の異なる領域にごとに、強度、外見
的な美しさ、速度または正確さといった異なる性質を強
調することが望ましいことがある。造形パラメータがあ
る層範囲全体に亘って同一であることを要求し、かつ上
記の複数の領域中の層を同一の層範囲にまとめることを
要求すると、この異なる性質の強調が阻止される。した
がって、上記のアプローチは、とくに大きい部品または
複雑な部品に関しては、必ずしも成功してきているとは
言えない。
【0021】最後の障害は、立体造形装置がユーザーの
側にかなりの熟練を要求することである。たとえば、造
形パラメータを指定するためには、ユーザーは、ダイナ
ミックミラー、昇降装置、レーザ等の、物理的特性と実
行に関する詳細とを知っていなければならない。その結
果として、新米のユーザーは、時間をかけて満足な教示
を受けないことには、装置を効果的に動作させることが
できず、とくに、大きい部品または複雑な部品の場合は
そうである。そのために部品の造形が一層遅くなる。
【0022】したがって、本発明の目的は、正確さを犠
牲にすることなしに、立体造形部品、とくに大きい部品
または複雑な部品を、迅速に造形する手段を得ることで
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、三次元物体、
とくに大きい部品または複雑な部品を立体造形により迅
速かつ正確に造形する装置ヘ向けられている。そのため
に、重合可能な材料を硬化でき、かつ該物質の上にパタ
ーンを短時間で描くことができるビームを発生させるた
めに、より強力なレーザと、より高速のダイナミックミ
ラーが採用される。しかし、重合可能な材料を顕著に硬
化することなしにその重合可能な材料の表面をレーザビ
ームが走査せねばならないことがしばしばあり、より強
力なレーザを使用するとそのような望ましくない硬化が
起る危険が増す。また、高速のダイナミックミラーにお
いては鏡の位置決めが不正確となり、ビームの走査に誤
差が生ずる危険がある。したがって、本発明の装置にお
いてはそれらの危険を小さくするか、解消すべきであ
る。本発明は、材料表面の選択された領域の上において
レーザビームの進行を遮断すべく、レーザビームの光路
中に置かれた制御可能なシャッタと、および希望の位置
からの既知のずれを基にしてダイナミックミラーを正確
に位置させるための適当な帰還制御ループとにより、こ
れを達成するものである。シャッタの応答時間に関する
制限のために、シャッタの指令は希望の応答時点に先立
って発生されるように時間が計られ、シャッタの応答時
点が、選択された領域の上をビームが通る時点に一致さ
せられる。
【0024】データの流れとユーザーとのインタラクシ
ョン性における障害もまた、部品の造形、とくに大きい
部品または複雑な部品の造形の速さを制限する。そのた
めに、多重プロセッサアーキテクチャを採用することに
より、ダイナミックミラーの位置決めおよび制御のよう
なリアルタイムの装置管理作業が、ある専用プロセッサ
ヘ割り当てられ、外部CAD/CAMデータの受取りお
よび、立体造形により適当なデータへの変換のようなバ
ックグラウンド作業は、立体造形データを上記の専用プ
ロセッサヘ送るために上記の専用プロセッサに接続され
ている、より汎用性の高い別のプロセッサヘ割り当てら
れる。専用プロセッサと汎用プロセッサは典型的には並
列動作する。
【0025】しかし、大きい部品または複雑な部品の場
合には、プロセッサの間のデータの流れは、実用に耐え
ないほど時間がかかったり、費用を要することがある。
したがって、その場合には、データの流れを減少させる
ために、部品を正確に表現するために必要な立体造形デ
ータの一部だけを汎用プロセッサにより発生させ、残り
のデータを専用プロセッサにより発生させるようなCA
D/CAM立体造形データ変換法が採用される。極端な
ケースでは、本発明において、立体造形に適した層ごと
の境界データのみが汎用プロセッサにより発生され、境
界データで示される境界により囲まれている区域を表す
ために必要な残りの立体造形データは専用プロセッサに
より発生される。
【0026】本発明の装置は立体造形部品に関連するデ
ータの編成、表示および入力のためのモデルも提供する
ものである。大きい部品または複雑な部品に対しては、
ユーザーは部品を概念的に構成要素へと分解し、それか
ら各構成要素を複数の層から成る層範囲に分解すること
を希望することがある。ここで各層は、当該層が立体造
形装置において最終的に組み立てられる順序で、特定の
軸に沿って間隔を空けて置かれている。ユーザーは、上
記の層範囲ごとに強度または外見的な美しさといった異
なる希望特性を強調して構成要素中の各層範囲を造形し
たいと考え、さらに立体造形装置を構成しているダイナ
ミックミラーおよび昇降装置等の、使用する物理的装置
についての詳細な知識を要さずに、構成要素の各層範囲
を上記の各特性に従って組み立てるべきことを立体造形
装置へ指示したいと考えるかもしれない。そのために、
本装置は、部品のスプレッドシートを提供している。こ
のスプレッドシートは、行と列の交点に格子状配列のセ
ルを有し、部品の各構成要素を示す外部CAD/CAM
データを列と組み合わせることができ、かつ、物質の表
面において層が硬化させられていく順序で特定の軸に沿
って間隔を空けて置かれている構成要素の複数の層から
成る連続した層範囲を行と組み合わせることができる。
これが実行されると、この装置は、ライブラリイに収め
られた予め定められている複数のスタイルデータファイ
ルから選択した1つのスタイルデータを、スプレッドシ
ートの各セルに組み合わせることを可能にする。ここで
各スタイルデータファイルは、部品特性の希望の組と組
み合わされており、かつ、立体造形装置を主導するため
に用いられる、実行形式に固有なプロセスデータを既に
含んでいる。その後この装置は、硬化可能な材料の表面
において部品を層ごとに造形し、1つの層の中において
は、各構成要素ごとのその層に関するスタイルファイル
中の実行形式に固有なプロセスデータを用いて、構成要
素ごとに部品を造形する。
【0027】これにより、層範囲ごとあるいは構成要素
ごとに、たとえば異なるビーム強度あるいはビームパワ
ーを指定して、部品を造形することが可能となる。
【0028】すなわち、本発明による1つの立体造形装
置は、放射に露出することにより固化可能な媒質から三
次元物体の連続断面層を形成することにより該三次元物
体を形成する装置であって、作業表面を有する上記の媒
質を収容する容器と、第1の強度を有する上記の放射の
ビームおよび第2の強度を有する上記の放射のビームを
発生させる手段と、該第1の強度を有する上記のビーム
により上記の作業表面上において少なくとも第1の線を
走査し、該第2の強度を有する上記のビームにより上記
の作業表面上において少なくとも第2の線を走査する動
作を含む、上記の物体の上記の連続断面層を形成するた
めの、上記の媒質の上記の作業表面に対する各上記のビ
ームの方向付け動作を行う手段とを備えてなり、上記の
第2の強度が上記の第1の強度とは異なる強度であるこ
とを特徴とする装置である。
【0029】また、本発明による1つの立体造形方法
は、放射に露出することにより固化可能な媒質から三次
元物体の連続断面層を形成することにより該三次元物体
を形成する方法であって、作業表面を有する上記の媒質
を収容する容器を提供する工程と、第1の強度を有する
上記の放射のビームおよび第2の強度を有する上記の放
射のビームを発生させる工程と、該第1の強度を有する
ビームにより上記の作業表面上において少なくとも第1
の線を走査し、該第2の強度を有するビームにより少な
くとも第2の線を走査する動作を含む、上記の物体の上
記の連続断面層を形成するための、上記の媒質の上記の
作業表面に対する各上記のビームの方向付け動作を行う
工程を含み、上記の第2の強度が上記の第1の強度とは
異なる強度であることを特徴とする方法である。
【0030】本発明による別の立体造形装置は、放射に
露出することにより固化可能な媒質から三次元物体の連
続断面層を形成することにより該三次元物体を形成する
装置であって、作業表面を有する上記の媒質を収容する
容器と、第1のパワーを有する上記の放射のビームおよ
び第2のパワーを有する上記の放射のビームを発生させ
る手段と、該第1のパワーを有する上記のビームにより
上記の作業表面上において少なくとも第1の線を走査
し、該第2のパワーを有する上記のビームにより上記の
作業表面上において少なくとも第2の線を走査する動作
を含む、上記の物体の上記の連続断面層を形成するため
の、上記の媒質の上記の作業表面に対する各上記のビー
ムの方向付け動作を行う手段を備えてなり、上記の第2
のパワーが上記の第1のパワーとは異なるパワーである
ことを特徴とする装置である。
【0031】また、本発明による別の立体造形方法は、
放射に露出することにより固化可能な媒質から三次元物
体の連続断面層を形成することにより該三次元物体を形
成する方法であって、作業表面を有する上記の媒質を収
容する容器を提供する工程と、第1のパワーを有する上
記の放射のビームおよび第2のパワーを有する上記の放
射のビームを発生させる工程と、該第1のパワーを有す
る上記のビームにより上記の作業表面上において少なく
とも第1の線を走査し、該第2のパワーを有する上記の
ビームにより上記の作業表面上において少なくとも第2
の線を走査する動作を含む、上記の物体の上記の連続断
面層を形成するための上記の媒質の上記の作業表面に対
する各上記のビームの方向付け動作を行う工程を含み、
上記の第2のパワーが上記の第1のパワーとは異なるパ
ワーであることを特徴とする方法である。
【0032】
【発明の実施の形態】装置の概要 第1図は、本発明の特徴を実施した立体造形装置の実施
例を示している。図にもあるとおり、立体造形装置の主
要構成部分は制御モジュール(1)、プロセスモジュー
ル(2)、サービスモジュール(3)とワークステーシ
ョン(図示せず)からなる。サービスモジュールにはA
C電源入力装置、レーザ一電源装置、樹脂タンク加熱ユ
ニット、ブロワがある。これらの部分を別モジュールと
してまとめたのは振動や電磁波ノイズがプロセスモジュ
ールに到達する可能性を極力抑えるためである。ブロワ
は、プロセスモジュール中のダクトを通じて空気を循環
させる。空気の加熱は、ダクト内でブロワに近い部分に
ある電気装置が行う。樹脂タンク加熱ユニットはコンピ
ュータ制御により液体樹脂を加熱し、該液体樹脂を最適
なユーザ設定温度に維持する。
【0033】プロセスモジュールは電子回路アセンブ
リ、処理チャンバ、描画用サブシステムから構成され
る。電子回路アセンブリは標準型19インチ(約48c
m)ラックに収めてあり、ここに制御コンピュータ、ド
ライバ回路、および電源が収納される。制御コンピュー
タはイーサネット(登録商標)(Ethernet(登
録商標))ローカル・エリア・ネットワークあるいは同
等品でワークステーションと通信を行なう。制御コンピ
ュータの構成は以下のものを含む。
【0034】80386マイクロプロセッサ|80387数値演算
用コプロセッサ|RAM2メガバイト|40メガバイト
ハードディスク|1.2メガバイトフロッピー(登録商
標)ディスク用ドライブ|標準キーボード(101キ
ー)|VGAドライバボードとカラーモニタ|エレベー
タ制御ボード|イーサネット通信ボード|ディスクコン
トローラボード|プリンタドライバボード|モデムボー
ド|デジタル信号プロセッサ(DSP)2台。
【0035】処理チャンバは図2に示してある。図のよ
うに、該チャンバは、脱着式樹脂タンク(4)、プラン
ジャ(5)、プラットホーム(6)、リコータブレード
(7)、液面水準検出器(図では見えない)、ビームプ
ロファイラ(8)、エレベータ(9)、水準調整ジャッ
キ(10)を備えている。樹脂タンク内には約67ガロ
ン(約254リットル)の液体樹脂を貯留でき、樹脂タ
ンク内部は充分に広く、20インチ角(約508mm
角)で高さ24インチ(約609mm)までの部品を製
作できる。
【0036】樹脂タンク内にある液体樹脂の水準は液面
水準検出器が監視し、これは樹脂タンク後方にあるフロ
ートあるいは同等品を含んでいてもよい。液面水準検出
器は樹脂の液面を検出し予め設定した水準と比較する。
プランジャは制御コンピュータの制御により、ステップ
モータ駆動の親螺子で制御され、液面をUVレーザの焦
点面と一致するよう設定水準に保つために使用される。
検出器が行なう比較に基づいて、制御コンピュータは液
面が低すぎればプランジャを樹脂内にさらに押しだし、
液面が適正になるまで樹脂の追い出しを行なう。また水
準が高すぎれば制御コンピュータがプランジャを引きだ
し、液面を適正な位置まで戻す。固定された枠組に対し
て適切な液面水準を保つための別の実施例では、コンピ
ュータ制御のエレベータシステムを用いて樹脂タンク自
体を上下し、それによって液面の上昇下降を行なう。こ
の別方法では、プランジャによる方法に比べて調整範囲
を広くとれる。
【0037】ある部品が製作される間、該部品はプラッ
トホームに付着させられまた支持される。またプラット
ホームは縦方向に移動するエレベータに取り付けられて
おり、制御コンピュータが制御するステップモータに駆
動される精密親螺子がこのエレベータを制御している。
【0038】部品の各層が形成された後、通常はエレベ
ータがその層(とプラットホーム)を次の層の予定の厚
さより深く液体樹脂内に沈め、液体樹脂が層の上面を素
早く流れるようにする。液体樹脂が前の層を被った後、
前の層が次の層の予定の厚みと同等分あるいはそれ以上
の量だけリコータブレードよりも下の位置に位置するよ
うになるまで、プラットホームが上昇する。これは、リ
コータブレードは、典型的には、樹脂表面と平行かつ一
定の距離を保った平面上を掃引するためである。液体樹
脂は樹脂の表面張力によって前の層の上に残る。この時
点で、液体樹脂表面が充分滑らかでコーティングが適当
な厚みになるまで、リコータブレードで直前の層の上を
掃引する。そして、部品上にある液体樹脂上面が、樹脂
タンク内の樹脂液面の水準と一致するようになるまで、
プラットホームが下降する。
【0039】リコータブレードの位置、速度および掃引
回数は、制御コンピュータが制御するステップモータで
決定される。ブレードから部品までの距離はエレベータ
が制御する。気泡を作ることなく滑らかな液体樹脂層を
形成するのに必要とされる時間を最小化するように、ブ
レードの速度と掃引回数の制御を正確に行うことが可能
である。ブレードによるリコーティングと表面の水準調
整に関する詳細は、先に参照された国際特許出願である
Lyon & Lyon処理番号188/189 PCT、および
米国特許出願第265,039号および第249,39
9号に開示されている。
【0040】エレベータ、リコータブレードおよびプラ
ンジャは、樹脂タンクに機械的に結合されていないこと
が望ましい。これにより、部品形成中に色や伝導率など
各種特性の異なる樹脂を入れた樹脂タンクとの交換が容
易に可能となり、部品形成中に各層を異なった材料で作
製できる。上記の装置類が樹脂タンクと機械的に結合し
ていれば、部品形成中の樹脂タンク交換は不可能もしく
は極めて困難なはずである。なぜなら、新規に樹脂を充
填する前に樹脂タンクから残余樹脂を完全に取り除く必
要があり、部品形成を進行させる前に各構成要素の様々
な位置を再調整する必要も生じるためである。
【0041】2つのビームプロファイラは樹脂タンクの
対角線上の角に正確に配置してある。どちらのプロファ
イラにも、紫外線検出器と重なる位置に微小な孔が開け
られている。各層の形成後ごとに、制御コンピュータ
が、最初の一つ目のプロファイラによって検出される位
置までレーザービームを動かし、次に二つ目のプロファ
イラへと進む。このときに制御コンピュータは各プロフ
ァイラがレーザービームを検出した位置でのダイナミッ
クミラーの角度を記録し、これらの値と、最後に較正し
た時点で得られた値との比較を行なう。なんらかの差が
認められればこれはダイナミックミラーの「ドリフト」
によるものと考えられる。ドリフトの補正によく知られ
ている処理の一つとして、制御コンピュータが連続的に
ダイナミックミラーのドリフトを補償する処理がある。
ドリフト補正、較正、並びにビームプロファイリングに
関する詳細は、先に参照された米国特許出願第268,
907号、第268,837号、および第268,81
6号に記載されている。
【0042】描画用サブシステムは図3に示してある。
図に見られるとおり、このサブシステムはレーザー(1
1)、安全シャッタ(12)、焦点合わせシステム(1
3)、固定ミラー(14)、ダイナミックミラー(1
5)、メインミラー(16)と樹脂タンク(17)を備
えている。レーザーは樹脂タンクの後ろに装着され、開
口部からレーザービームを放射する。Spectra-Physics
社あるいはCoherent社の、いずれのメーカー製のレーザ
ーも使用可能である。このレーザーは水冷式で、35
1.1から363.8ナノメートルの波長域で400ミ
リワットの最大パワーを有する紫外光が得られる。実際
に使用されるパワーはコンピュータ制御による。先に解
説した立体造形装置の実施例で用いられているレーザー
と比較して、ここでのレーザーは強度がずっと大きく、
また2つ以上のレーザー波長を有している。たとえば、
先の立体造形装置実施例において用いたレーザーは通常
20ないし25ミリワットで直径約10ミル(約0.2
5ミリメートル)のビームを使っているので、その強度
は約50ワット/平方センチメートルとなる。一方、本
発明のレーザーは最大パワー400ミリワット、ビーム
直径が5ないし10ミル(約0.13ないし0.25ミ
リメートル)である。これは強度にして32ワット/平
方ミリメートルに相当する。レーザーを最大パワー未満
で運転する場合、たとえば250ミリワット程度では、
5から10ミル(約0.13ないし0.25ミリメート
ル)のビームでは強度約20ワット/平方ミリメートル
が得られる。
【0043】図3の太い破線はレーザービームの進路を
表している。ここに見られるごとく、ビームは固定ミラ
ー(14)、ダイナミックミラー(15)およびメイン
ミラー(16)で導かれ、樹脂タンク内の樹脂液面ヘの
光路をとる。
【0044】また安全シャッタ(12)と焦点合わせシ
ステム(13)も光路上におかれている。安全シャッタ
はソレノイド作動式でレーザー開口部の直前に位置して
おり、コンピュータ制御でビームを遮断する。開口部を
出て安全シャッタを通過したビームは固定ミラーによっ
て焦点合わせシステムヘ導かれる。焦点合わせシステム
は、樹脂液面が維持されている平面上に、ビームを広げ
たり集光させたりする。
【0045】減衰器と高速シャッタ(図3では描かれて
いない)も焦点合わせシステムを構成する部分である。
減衰器はコンピュータ制御によりレーザーパワーを高速
で変化させるために用い、該減衰器が使用されなければ
400ミリワットのレーザーでは形成できないような薄
い層を硬化させ、また単一層上で硬化深度を変化させる
目的がある。レーザーのパワーはコンピュータが制御し
ているので、理論上はレーザーパワーを直接変化させて
対象物に到達させることも可能である。しかしレーザー
パワーの変化が有効になるまでに通常20から30分の
時間が必要とされており、これは十分速いとは言えな
い。
【0046】上記の高速シャッタはLSシリーズの高性
能プログラマブルシャッタで、nm Laser Products, In
c.社(カリフォルニア州サニーべール)の製品である。
これ以外ではVincent Associates社(ニューヨーク州ロ
チェスター)のマイクロブリッツ・モデル12Xプログ
ラマブルシャッタも利用できる。
【0047】高速シャッタは、閉じられると、部品の中
空部など硬化させたくない樹脂面にレーザービームが位
置している間、該レーザービームを遮断するために用ら
れる。シャッタがビームを遮断しないと、たとえダイナ
ミックミラーが考えられる最高速度で移動できたとして
も、不用な部分までプラスティックを硬化させてしまう
結果になる。現在のところ、ダイナミックミラーにはGr
eyhawk Systems(カリフォルニア州ミルピタス)のスキ
ャニングミラーシステム113311−001を使用し
ており、これは毎秒0から100インチ(0から約25
4センチメートル)の速度で動作可能である。これほど
の高速でも、サーボ制御システムを追加してミラー位置
を正確に制御してあるため、正確さは犠牲にされていな
い(この点は後述する)。実際、ハイパワーレーザーを
高速のサーボ制御ミラーと合わせて用いたことで、部品
作製の面で正確さを犠牲にすることなく、通常の20倍
以上という劇的な速度の向上が得られた。
【0048】高速シャッタが解放あるいは閉鎖されるに
は一定の時間を必要とする。よって、正確な時間にシャ
ッタの解放あるいは閉鎖を保証するため、シャッタを解
放するあるいは閉鎖する時間を予測し、適切なコマンド
が適切な瞬間にシャッタヘ送られるようにする手段が提
供される。シャッタのこの特性についてはこの後に更な
る議論がある。
【0049】ワークステーションは、Silicon Graphics
社製Personal Irisコンピュータが標準で、典型的には
外部のCAD/CAMシステムとローカルエリアネット
ワーク経由で接続している。CAD/CAMシステムは
ある物体の表面を示すデータを提供し、ワークステーシ
ョンがこのデータを予め処理して制御コンピュー夕に渡
し、部品の製作が開始される。ワークステーションの構
成には次のものが含まれる。
【0050】8メガバイトのRAM|l70メガバイト
のハードディスク|カートリッジテープユニット|高精
度カラーモニター|キーボード|マウス|イーサネット
ボード。
【0051】図4では、描画用サブシステムの光学系を
より詳しく図解している。図にあるように、該光学系に
含まれるものはレーザー(11)、安全シャッタ(1
2)、折曲げ鏡型ビームスプリッター(14)、ビーム
拡大器(18)、ビーム拡大器第一レンズ(19)、ビ
ーム拡大器第二レンズ(21)、高速シャッタ(2
0)、減衰器(22)、ダイナミックミラー(15)、
窓(23)、オーバーヘッドミラー(16)、ビームス
プリッター(24)、そしてクワドセル(25および2
6)である。
【0052】レーザーが発射するビーム(27)は最初
に安全シャッタを通る。安全シャッタは通常解放してあ
り、ビームを減衰させずに通過させるが、非常時にはシ
ャッタが閉まり、ビームを遮断する。この後ビームは折
曲げ鏡(14)に行き、これがビームスプリッターとな
りビーム分割を行なう。
【0053】ビームスプリッターとして折曲げ鏡がビー
ム(27)をビーム(28)と(29)に分割する。ビ
ーム(28)が入射光の99%近くを占め、ビーム(2
9)はその残りで、通常は約1%である。該折曲げ鏡は
またビーム(28)の方向を変え、入射光に対してほぼ
90度の角度に曲げる。ビーム(28)はこの後、ビー
ム拡大器第一レンズ(19)、およびビーム拡大器第二
レンズ(21)からなるビーム拡大器(18)に入る。
第一レンズはビームを集光させた後に拡大し、第二レン
ズはビームが樹脂液面上で必要な大きさのスポットに収
束するよう該ビームを集光させる。高速シャッタ(2
0)は第一レンズ(19)の焦点位置におかれており、
すでに述べたごとく、制御コンピュータの制御によりビ
ームを選択的に遮断するために用いられる。第二レンズ
(21)を通過した後、ビームは次に減衰器(22)に
入る。減衰器は2つのモードで動作する。一つは実質的
に透明なモード、もう一つは95%遮断モードである。
制御コンピュータにより、ある瞬間においてどちらかの
モードが選択できる。実質的に透明なモードが通常のモ
ードであり、この場合、ビームは減衰器中をほとんど減
衰せずに通過する、95%遮断モードは希望する硬化深
さが小さく、かつ相互にかなりの重なり合いがあるベク
トルに沿って露出を行う時使用される。これは、たとえ
ば薄いスキンを充填する充填ベクトルのために用いら
れ、減衰器がビームを95%まで減衰させるので、減衰
後のビームは入射光の5%程度になる。
【0054】減衰器を通過すると、その後ビームはダイ
ナミックミラー(15)に到達し、ここで反射され、光
学系周辺環境に対するシールとして働く窓(23)を通
る。この後ビームはオーバーヘッドミラー(16)に到
達し、その後樹脂タンク(17)に入れられた光硬化性
樹脂表面へ向かう。
【0055】以上がビーム(28)の光路説明である。
これに対してビーム(29)は最初にビームスプリッタ
ー(24)に到達し、ここでビーム(29)がビーム
(30)と(31)とに分けられる。これらはどちらも
ビーム(29)の50%づつである。ビームスプリッタ
ーはまたビーム(30)を方向転換して入射光の進路に
対し約90度の方向に曲げ、該ビーム(30)はクワド
セル(26)ヘ入る。一方ビーム(31)はクワドセル
(25)ヘ向かう。
【0056】クワドセルは米国特許出願第265,03
9号に開示されているバイセルに類似しているが、バイ
セルが2個のセルで一次元方向にのみアラインメントを
施すのに対し、4つのセルを用いて二次元方向にアライ
ンメントを施せる点で異なる。
【0057】クワドセルが入射光の位置を検出し、予め
設定してある位置との比較を行なう。ビーム(31)と
(26)を実質的に設定位置へ合わせることでレーザー
(11)の高速アラインメントを可能とし、光学系の他
の部分のアラインメントを必要としない点に、該クワド
セルの有用性がある。その結果、レーザーを簡単に交換
でき、新しく設置されたレーザーの位置は、ビームがそ
れまでのビームと概ねのアラインメントを取れるまで調
整される。したがって、レーザーが交換された際は、レ
ーザービームのみが再びアラインメントを取られればよ
く、他のいかなる光学要素に関しても、再びアラインメ
ントを取る必要はない。
【0058】コンピュータ・アーキテクチャの概要 立体造形装置で使用されているコンピュータ・アーキテ
クチャの全体像は図5に示してある。図に見られるとお
り、3種類のコンピュータを使用している。外部のCA
D/CAMシステム(32)、ワークステーション(3
3)、および制御コンピュータ(1)である。ワークス
テーションと制御コンピュータについてはすでに解説し
たとおりで、立体造形装置の一部として提供されてい
る。CAD/CAMシステムは立体造形装置外部のもの
であり、CAD/CAMファイルを立体造形装置上で使
用するための適切なフォーマットに変換する役割を担
う。このファイルは立体造形ファイル、あるいは簡略化
して.stlファイルとして知られているものである。各C
AD/CAMファイルは、単一の部品を表現するか、あ
るいは複雑もしくは巨大な部品の場合には、その部品の
1つの構成要素のみを表現する。各CAD/CAMファ
イルごとに別個の.stlファイルが、CAD/CAMシス
テムで作製される。それにより、複雑または巨大な部品
を構成要素に分解し、各々の要素を別個のCAD/CA
Mファイルで表現し、しかる後に.stlファイルで表現す
ることが可能となる。
【0059】単一の部品のCAD/CAMファイルを多
数の構成要素ファイルに分割すべきなのには、幾つかの
理由がある。巨大な部品に関しては、単にCAD/CA
Mシステム内で巨大な部品のファイルを管理し切れない
ため、該分割が必要とされることもある。さらに、ある
部品の異なる構成要素にそれぞれ別の造形パラメータを
指定し、幾つかの構成要素においては部品作製強度と速
度を重視し、他の構成要素においては外見の美しさと正
確さを重視できることが好ましいこともある。部品ファ
イルを構成要素に分割すればこれらを実行するための準
備が整う。
【0060】CAD/CAMシステムはワークステーシ
ョンへ.stlファイルを転送するためにローカルエリアネ
ットワークでワークステーションと接続しているが、他
の方法として、カートリッジテープやフロッピーディス
クでCAD/CAMシステムからのデータをワークステ
ーションが受け取ることも考えられる。
【0061】各.stlファイルはファセットと呼ばれる互
いに繋がり合った一連の表面三角形で構成されている。
これらの表面三角形は、構成要素の全表面を完全に覆い
つくすものであり、またそれらの三角形の頂点は、隣接
する三角形の頂点とのみ接するものと想定されてい
る。.st1ファイルのフォーマットに関する詳細は、先に
参照した米国特許出願第331,664号に提供されて
いる。またその三角形が覆っている物体の内部から外部
へ向かう方向を指すと想定される、該三角形についての
単位長さ法線べクトルも提供されている。.stlファイル
の一例を以下に示す。
【0062】
【表1】 例に示してあるとおり、各々のファセットは3つの頂点
と1つの単位長さ法線で表され、各々の頂点は一組の
X、Y、Z座標で表されている。構成要素の.stlファイ
ルがワークステーションに転送されると、そのワークス
テーション上で実行されるソフトウェアが、一連の手順
を踏んだ後に、造形ファイルまたは略して.bffファイル
と呼ばれるその部品についての単一ファイルに、該.stl
ファイルを変換する。変換されたファイルは制御コンピ
ュータに渡され、実際の部品形成を指揮する。ワークス
テーション上で実行されるソフトウェアは立体造形装置
パートマネージャー、あるいは単にパートマネージャー
と呼ばれている。
【0063】.stlファイルを.bffファイルに変換するた
め、パートマネージャーは主として5つの機能を実行す
る。まず、各.stl構成要素ファイルを層に分割し、その
後各層を複数の層範囲に分類するように、ユーザーに指
示を出す。次に、各層範囲ごとになんらかの造形パラメ
ータを与えるように、ユーザーに要求する。第3に、
各.stlファイルを層にスライスして、.sliファイルと呼
ばれるファイルを生成する。ここには各層の境界部を示
すベクトル形式のデータが含まれる(.stlファイルをベ
クトルの含まれた.sliファイルヘスライスすることに関
する詳細は、米国特許出願第331,644号を参照の
こと)。第4に、全構成要素に関する境界ベクトルデ一
タと造形パラメータとを組み合わせて、その部品用の.b
ffファイルを生成し、同一層内の各構成要素の造形パラ
メータ間になんらかの不一致が生じていればパートマネ
ージャーがこれを調節する。最後に、造形ファイル(bf
fファイル)が制御コンピュータに渡される。
【0064】図6では、制御コンピュータの構成につい
て詳細を記述している。図にあるごとく、この構成は、
制御コンピュータ(l)、ステレオDSP(34)、サ
ーボDSP(35)、およびエンコーダ(37)とDA
C(38)からなるダイナミックミラーインターフェー
ス(36)を含んでいる。制御コンピュータはステレオ
DSPと電気的に接続されており、ステレオDSPはサ
ーボDSPと接続されている。またサーボDSPはDA
Cと接続され、該DACはダイナミックミラーに接続さ
れている。制御コンピュータからサーボDSPヘ、サー
ボDSPからDACヘ、さらにダイナミックミラーヘと
データが流れる。ダイナミックミラーはエンコーダと接
続されており、該エンコーダはサーボDSPへと帰還接
続されており、これによってサーボ制御のフィードバッ
クループを形成している。あとで更に詳細について議論
するが、サーボ制御フィードバックループの効果によ
り、高速化後においても正確なミラー位置を得ることが
できる。
【0065】各DSPは、AT&T製WE DSP32
Cデジタル信号プロセッサ高速プログラマブル集積回路
であり、32ビット浮動小数点演算ユニット、16/2
4ビット固定小数点ユニット、オンチップメモリ、及び
フレキシブルなシリアルポートとパラレルI/Oポート
を備えている。そのためDSP32Cは広範な演算アプ
リケーションをサポートするようにプログラムできる。
DSPに関する詳細は、AT&T WE DSP32C
デジタル信号プロセッサ・インフォメーション・マニュ
アル(1988年12月)、および関連マニュアルから
得ることができる。これらの全文は、参照により本明細
書に記載されているものとする。XYエンコーダは、キ
ヤノン製レーザー・ロータリー・エンコーダの一つで、
超高精度回転角センサのための超高解像度K−1(8
1,000パルス/回転)などである。
【0066】図示してあるとおり、制御コンピュータは
また、エレべ一タ(9)、ワイパーすなわちリコータブ
レード(7)、プランジャ(5)、レーザー(11)、
減衰器(22)、水準調整器(39)、およびビームプ
ロファイラ(8)と接続され、かつそれらの制御を担っ
ており、さらにそれらの監視をも担っている場合もあ
る。
【0067】図示したように、ダイナミックミラーの位
置はサーボDSPで直接制御されている。更に、ミラー
を特定方向に向けさせるため、サーボDSPはまずエン
コーダを通じてミラーの現在位置を測定し、これを希望
の移動先と数値比較し、それに従ってあるコマンドを送
出する。すると該ミラーは、後述の方法に従って、ビー
ム28を希望する位置へ移動させる。
【0068】またサーボDSPと接続しこれに制御され
ている高速シャッタも図6に示されている。後述する
が、サーボDSPは、ダイナミックミラーの(つまりは
レーザービームの)位置決めコマンドを送出するのと同
時に、シャッタの開閉コマンドを送出する。しかしなが
ら、シャッタは有限の応答時間を有する。そのため、ビ
ームがある層の固体部から中空部へ進入しようとする
際、サーボDSPはシャッタ閉鎖コマンドを送出する
が、コマンド送出のタイミングはシャッタ閉鎖と中空部
への進入が同時に起こるようなタイミングとされる。逆
に、ビームが中空部から固体部へ進入しようとする際に
は、シャッタは開放コマンドを受け取るが、コマンドの
送出はシャッタの応答時間を考慮してある。
【0069】制御コンピュータは、ある部品に関する造
形ファイルを受け取り、該ファイル内の境界ベクトルか
ら、ハッチベクトルと充填ベクトルを生成する。これら
のベクトル形式についての詳細は、先に参照した米国特
許出願第331,664号に記載されているが、ここで
も簡単にまとめておく。ベクトルは樹脂表面に沿ったレ
ーザービームの移動を示し、各ベクトルには始点と終点
がある。各ベクトルについて、該ベクトルの始点から始
まり終点で止まるように、レーザービームが樹脂表面を
横断する。ベクトルは各層ごとに生成される。境界ベク
トルは各層の境界部を辿るベクトルであり、ハッチベク
トルは各層の内部に配されるベクトルであり、また充填
ベクトルは、その層に偶然に載っている当該部品の外表
面すべてを形成するためのベクトルである。境界、ハッ
チ、および充填ベクトルはステレオDSPへ転送され、
ここでレーザーのジャンプと移動のコマンドが生成され
る。各々のコマンドは、レーザービームの所望のX、Y
位置を指定する。移動とジャンプのコマンドについては
後で詳述する。
【0070】ステレオDSPはまた、移動コマンドに関
する希望するX、Y位置に対し、幾何学的補正とそれに
続けてドリフト補正を行なう(ドリフト補正はジャンプ
ベクトルのX、Y座標に対しては実行せず、幾何学的補
正は端点のみで実行する)。補正後のX、Y位置を使っ
たコマンドがサーボDSPに送られ、ここで、まず現在
の位置を検出した後に、希望する位置までミラーが移動
される。サーボDSPはまた高速シャッタにも適当なコ
マンドを送り、シャッタの一定応答時間を考慮してミラ
ーのコマンドとの同期を図っている。
【0071】ワークステーション上で動作するソフトウ
ェア、制御コンピュータ、および各々のDSPについ
て、以下で順に議論する。
【0072】パートマネージャーの詳細 立体造形装置パートマネージャーあるいは単にパートマ
ネージャーは、ワークステーション上で動作するソフト
ウェアである。パートマネージャーへは、ある部品に関
する構成要素ファイルすべてを入力とし、その部品に関
する造形ファイルを生成する。造形ファイルはこの後変
換され、制御コンピュータが各層ごとに部品を形成する
ために用いられる。造形ファイル生成中において、パー
トマネージャーはこれ以外にもスタイルファイル、スラ
イスファイル、部品ファイルを含め多くのファイルを生
成する。パートマネージャーは、ある部品の構成要素フ
ァイルごとに、そのファイルを層範囲に分割するように
ユーザーを促す。その後各々の層範囲に対して造形パラ
メータを定義するよう促す。造形パラメータは、予め規
定されて、スタイルファイルと呼ばれるファイルに保存
されている。造形パラメータは、スタイルファイルごと
に、異なる属性、たとえば強度、外見の美しさ、部品形
成速度、あるいは異なる複数のスタイルのライブラリイ
を造形する際の正確さなどを強調するように選択され得
る。ユーザーは、このあと、パートマネージャー内であ
るスタイルファイルを各々の構成要素範囲と組み合わせ
ればよい。スタイルファイルを予め規定しておけるの
で、立体造形装置の実行に関する詳細についてユーザが
精通している必要はない。その結果、大した予備演習を
必要とせず初心者でもパートマネージャーを使えるよう
になる。
【0073】この後で述べるが、パートマネージャーは
前述の機能をスプレッドシート形式の画面表示で実行し
ている。ある部品の各構成要素の各々の範囲すべてにつ
いてスタイルファイルが指定された後、パートマネージ
ャーはその部品についてスタイルファイルからのデータ
と構成要素ファイルからのデータを組み合わせ、部品フ
ァイルを生成する。スプレッドシートは構成要素ファイ
ル、層範囲、およびスタイルの関連性を縦横に視覚表示
できる。部品ファイルは基本的にある時点でのスプレッ
ドシート上のデータ集合であり、該スプレッドシートは
データの視覚表示を可能とするものである。よって、ユ
ーザが未完成の時点で部品準備中止を決定した場合で
も、後の時点で未完成のスプレッドシートを再生成する
手段が、該部品ファイルによって提供される。
【0074】造形ファイルが作り出された後、パートマ
ネージャーは、各構成要素ファイルをスライスして、構
成要素の各層の境界を示す境界ベクトルデータのスライ
スファイルをつくり、全てのスライスファイルを、スタ
イルファイルからの造形パラメータを有する一つの造形
ファイルに統合する。造形ファイルは各層ごとに編成さ
れており、ここで各層に関するデータは、その層に関与
する各構成要素についての全てのスライスファイルから
のベクトルデータと、各構成要素と組み合わされたスタ
イルファイルからの造形パラメータの組合わせである。
パートマネージャーはまた、様々な構成要素が関与する
ある層において、その層に関する造形パラメータ間に生
じる不一致も調節する。
【0075】ファイル管理プロセスの全体像は図7に示
した。図示したとおり、独立した構成要素ファイル40
a、40b、40cが層範囲に分類された後、対応する
スタイルファイル(41)が各層範囲について選択され
る。構成要素ファイルとスタイルファイルはここで組み
合わされ、部品ファイル42が生成される。当該部品か
らの個々の構成要素ファイルはパートマネージャーによ
りスライスされ、スライスファイル43a、43b、4
3c、43dが形成される。さらにスライスファイル
は、スタイルファイルからの造形パラメータと組み合わ
されて、造形ファイル(44)が作られる。
【0076】各スライスファイル(.sliファイルとして
も知られている)は層ごとに編成されている。各層にお
いては境界ベクトルが規定されており、該境界ベクトル
は該境界ベクトルの形式により区別されている。ここ
で、上記の境界ベクトル形式とそれに付随した略記号は
次のとおりである。
【0077】略記号 説明 LB 層内部の境界 FDB 平坦な下向き面の境界 FUB 平坦な上向き面の境界 NFDB 平坦に近い下向き面の境界 NFUB 平坦に近い上向き面の境界 各々のベクトルは4つのデータ点で表され、その最初の
2点はベクトル原点のXとYの座標位置を示し、あとの
2点はベクトル終点のXとYの座標を示す。.sliファイ
ルの一例を次に示す。
【0078】
【表2】 他のファイルのフォーマット、たとえば部品ファイル、
スタイルファイル、造形ファイルのフォーマットは、後
の節で議論する。各構成要素ファイルが.stlファイルの
フォーマットに従うことのはすでに述べた。
【0079】ユーザーは、各構成要素ファイルについ
て、層範囲の情報とその層範囲におけるスタイルファイ
ルを、図8に示すスプレッドシートを使って特定する。
各々のスプレッドシートは1つの部品と関連しており、
スプレッドシートの列はその部品の構成要素に対応す
る。また行は層範囲に対応する。図8を考えてみると、
スプレッドシートは6つの部分を含んでいる。
【0080】−スプレッドシート上部にあるへッダーバ
ー(46)にはプログラム名、バージョン番号が表示さ
れ、次いで現在のスプレッドシートが表す部品のファイ
ル名が続く。ファイル名が指定されていなければNew
Part(新規部品)の語が表示される。
【0081】−へッダーのすぐ下にあるメニューバー
(47)にはPart(部品)、Component
(構成要素)、View(ビュー)、Prepare
(準備)、Config(コンフィグ)、FileMa
n(ファイル管理)、およびHelp(ヘルプ)を含め
パートマネージャーの機能名が表示される。
【0082】−スプレッドシートセル左側の列(45)
は層範囲の値である。新しいスプレッドシートが初めて
表示される際には、この列で最上部のZ spaceと
記入されるセルを除いては、この列は空白になってい
る。
【0083】−最上部の行(40)は一番左のセルを除
き構成要素名が入る。これらのセルは、新しいスプレッ
ドシートが最初に表示される際には空白になっている。
【0084】−スプレッドシートの残りのセルはデータ
用で、その代表的な例をあとで示す。
【0085】−スプレッドシート下方の水平スクロール
バー(51)とスプレッドシート右端の垂直クロスバー
(50)は、現在表示されていないセルにアクセスする
ために使用される。
【0086】よって図8に関しては、第2、第3、第4
および第5の列、すなわち40a、40b、40cおよ
び40dは、各構成要素ファイルと対応させられる(最
初の列(45)は層範囲の情報を表示しているため、使
用されない)。
【0087】スプレッドシートは画面上に表示される8
列22行より大きいこともある。上記の行と列が及んで
いる範囲は、さらに大きいかも知れないスプレッドシー
トの上に配された「窓」にあたる。
【0088】光学マウスで赤い矢印型のカーソル位置を
制御するが、マウスパッド上でマウスを動かすことで、
該カーソルを画面上のどの点にも合わせることができ
る。パートマネージャーの動作をユーザが制御するに
は、赤い矢印型のカーソルをメニュー名あるいはメニュ
ー項目に合わせ、マウスについている3つのボタンのう
ちの一つを操作すればよい。
【0089】マウスボタンを操作するには3通りの方法
がある。それはクリック、プレス、ドラッグ、と各々呼
ばれている。
【0090】「ボタンをクリックする」と言う表現はボ
タンを押してすぐ放すことである。「ボタンをプレスす
る」とはボタンを押した後なんらかの反応が画面に現れ
るまでそのまま押し続けることである。「ドラッグす
る」とはマウスのボタンを押したままマウスを動かすこ
とを指す。
【0091】マウスには3つのボタンがある。これらの
ボタンは次の目的で使用される。
【0092】左ボタン 左のマウスボタンはメニュー項目を選択するために使用
する。大抵の場合メニュー項目の選択は、メニューバー
にあるメニュー名を指して、そのあと希望するメニュー
項目が白色の背景の上に赤い文字で反転表示されるまで
左ボタンを押したまま下にドラッグすることで行う。こ
こでマウスのボタンを放せば、そのメニュー項目が有効
になる。
【0093】左ボタンの別の用途は画面上にある模擬ボ
タンを選択する場合である。多くの場合、メニュー項目
の選択によりダイアログボックスが画面に現れる。図9
に示すとおり、多くのダイアログボックスには、Sel
ect(選択)(48)ボタンやCancel(キャン
セル)(49)ボタンのような模擬ボタンがある。ユー
ザは、マウスを動かして赤い矢印の先端をボタン外周の
中に入れ、左ボタンをクリックすればそのボタンを選択
できる。なおマウスボタンはポインタの先端がボタンの
外周より中にあるときに放されなくてはならない。
【0094】マウスの左ボタンのさらに別の使い方は、
メイン画面の右手と下に沿ってあるスクロールバーに関
する使い方である。図8では、右と下のスクロールバー
がそれぞれ参照番号50と51で指定されている。画面
上に見えているスプレッドシートよりデータが多くある
場合は、スクロールバーを使って表示範囲を他の部分へ
動かすことができる。視野を右から左へ移動するには赤
い矢印のポインタを動かして、スプレッドシートの下に
ある水平スクロールバーの赤い四角に合わせる。左ボタ
ンを押したままマウスを左あるいは右ヘドラッグする
と、スプレッドシートの視野もそれに連れて水平に移動
する。同様に、スプレッドシート右側にある垂直クロス
バーの四角を指して、スプレッドシートの画面視野を上
下に動かすこともできる。スクロールバー内の赤い四角
の位置は、常に、スプレッドシートの見えている部分の
最初の行および列の位置を表している。
【0095】ファイル名のリストを表示するダイアログ
ボックス(図9)もある。限られたスペースではリスト
の全てが表示できないほど多くのファイル名が存在する
こともある。その時は、画面上でスプレッドシートを上
下に移動するときにすでに説明した方法を使って、ダイ
アログボックス右側の垂直クロスバー(52)を用いて
ファイル名のリストを上下に動かすことができる。
【0096】中央ボタン マウス中央ボタンの使い方の一つは画面上にあるウイン
ドウ全体の移動である。パートマネージャーメインウイ
ンドウは、最初はワークステーション画面の中央に位置
している。赤い矢印のポインタでスプレッドシート上部
の白いタイトルバーを指し、中央のボタンを押したまま
マウスをドラッグして、ウインドウ全体を画面上の他の
場所に移動することが可能である。赤紫色の方形が画面
上で移動し、ウインドウの新しい位置を表示する。ウイ
ンドウはマウスボタンを放したときに新しい位置へ移動
する。ウインドウを移動する別の例は、View(ビュ
ー)機能を使って構成要素あるいは部品のイメージを表
示したときで、これは後述する。ダイアログボックス
が、スプレッドシートの上や、部品あるいは構成要素の
イメージの上に現れる場合もある。上記の技法を用いて
画面上に挿入されたダイアログボックスを移動し、該ダ
イアログボックスが隠していたスプレッドシートあるい
はイメージを確認することができる。
【0097】マウスの中央ボタンはまた、スプレッドシ
ートの列を移動する際にも用いられる。スプレッドシー
トが表示された状態で、赤い矢印のポインタを、移動さ
せようとする列まで動かす。中央ボタンを押すと選択さ
れた列が赤紫色に縁どられる。そこで赤い矢印を右また
は左にドラッグすると、その列が新しい位置に移動され
る。マウスボタンを放すと、その列が新しい位置に表れ
る。そのほかの列は空白になった列の位置を埋めるよう
に移動する。
【0098】右ボタン ある状況下では、2つあるいはそれ以上のウインドウを
同時に表示することが可能である。多くの場合、最初の
ウインドウ以外は、小さなウインドウ閉鎖ボックスを上
部右隅に有している。ウインドウ閉鎖ボックスがついて
いるウインドウは、赤い矢印のポインタで該ボックス内
を指し、右のマウスボタンをクリックすれば閉じられ
る。
【0099】ユーザが最初にパートマネージャーにアク
セスすると、メインのスプレッドシート画面が表示され
る。スプレッドシートが図10に示すごとく現れると、
ダイアログボックス(52)がスプレッドシートの上に
現れる。ダイアログボックス内に3つの模擬ボタン(5
3、54および55)があり、ユーザは新しい部品を作
製するか、すでに存在している部品を開くか、あるいは
へルプを要求するかの選択が出来る。
【0100】新しい部品を作製するには、ユーザはNe
w(新規)のボタン(53)を指して左マウスボタンを
クリックする。ワークステーションはこれに応答して空
白のスプレッドシートを表示し、その上にダイアログボ
ックスが出る。図11に見るとおり、該ダイアログボッ
クスには現在のディレクトリ内の全ての構成要素ファイ
ルのリスト(56)が表示される。
【0101】ダイアログボックスに現れるリストは利用
可能な構成要素であり、二つのボタン (57、58)
はそれぞれSelect(選択)とCancel(キャ
ンセル)のボタンである。
【0102】表示できる範囲以上の数の構成要素ファイ
ルが存在していれば、画面の右側にあるスクロールバー
を使ってファイル名をスクロールできる。
【0103】あるファイル名を選択するには、そのファ
イル名を指して左マウスボタンをクリックすればよい。
この動作でファイル名が黒から赤に変化し、ファイル名
のコピーがボタン直上の四角い部分に表示される。選択
したファイルをスプレッドシートに移動するにはSel
ect(選択)ボタンを指して左マウスボタンをクリッ
クすればよい。なおここでは複数の構成要素を選択でき
る。
【0104】直前のスプレッドシート(セル内に構成要
素ファイル名のないもの)をそのまま表示するには、C
ancel(キャンセル)ボタンを指して左マウスボタ
ンをクリックすればよい。
【0105】構成要素 ある部品の構成要素は、一度に一つのファイル名を指し
て左マウスボタンをクリックすればファイル選択ダイア
ログボックスから選択される(図11)。ファイル名が
黒から赤に変化して選択されたことを示す。この方法で
いくつでもファイル名を選択できる。誤ってファイルを
選択したときはもう一度おなじファイルを指してマウス
ボタンをクリックすれば選択解除できる。するとファイ
ル名の色はまた黒に戻る。このようにして必要な全ての
ファイル名を選択したら、ダイアログボックス下部のS
elect(選択)ボタンを指して左マウスボタンをク
リックすると、選択された構成要素ファイルがスプレッ
ドシートにロードされる。
【0106】それまで空白であったスプレッドシートを
想定すると、図11の構成要素ファイル3dlogo.stlが選
択されれば、図12に示すように、このファイル用の列
(59)がスプレッドシートに作られる。この列最上部
のセルは該構成要素ファイルのファイル名を表示する。
左の列(60)には、当該構成要素の最上層と最下層の
縦方向位置が現れる。当初、構成要素の列中のセルは3
つだけが使われる。
【0107】−最上部のセル(59a)は構成要素名を
あらわす。
【0108】−二つ目のセル(59b)には**TOP
と入っており、該構成要素中の最上層を示す。
【0109】−最後のセル(59c)には**Defa
ultと入っており、これは該構成要素中の最下層を示
し、またDefaultというファイル名のデフォルト
のスタイルファイルが、この構成要素全層にわたって適
用されることを示す(この後で解説する)。
【0110】スタイルとスタイルファイルの概念はこの
後で詳述する。いまは先に示したとおり、スタイルと
は、例えばある層の層厚さや、その層がどのように形成
されるかに関する詳細等の、造形パラメータを規定する
ものであると考えればよい。
【0111】一連の構成要素がダイアログボックスから
選択され、スプレッドシートに追加されると、追加の列
が各構成要素ごとに作られる。図13では、例として、
構成要素ファイルcyl.stlとcyll.stlが選択され、それ
ぞれに対して列(61)と(62)が作られている。各
構成要素の最上層および最下層のために、新しい行も作
られている。図12に示すとおり、当初3dlogo.stlが選
択されたあとでは行(60a)と(60b)だけが作ら
れていた。更に二つの構成要素を追加したところ、行
(60c)と行(60e)も作られ、それぞれcyl.stl
とcyll.stlに対応している。行(60d)はcyll.stlの
最下層のために作られた。cyl.stilの最下層は3dlogo.s
tlの最下層と一致しており、したがってこの層のために
は別の行を作る必要はなかった。図のように、これらの
行はそれらの縦方向位置に従って、順に配列される。
【0112】スプレッドシートに多くの構成要素を追加
した後において、関連のある構成要素が隣接するように
列の位置を変えるのが便利である場合がしばしばある。
すでに説明したごとく、ある列を指してマウス中央ボタ
ンを押し、その列を新しい位置にドラッグすれば、いか
なる列も移動させられる。
【0113】部品の構成要素をスプレッドシート上に集
めた後、View(ビュー)機能を使ってその部品を確
認することができる。View(ビュー)機能について
はこの後で解説する。
【0114】スタイルファイル ある構成要素を選択すると、デフォルトのスタイルファ
イル、あるいは単にデフォルトスタイルが、まず該構成
要素に割り当てられる。図13では、これは各構成要素
の最下層に対応するセルに入れられた**Defaul
tの語で示されている。しかし、デフォルトスタイルが
適切ではないなら、別のあらかじめ存在しているスタイ
ルに変更したり、新しいスタイルをその構成要素のため
に作製したりすることも可能である。
【0115】すでに存在しているあるスタイルファイル
を変更するには、そのスタイルが現在規定されているセ
ルを指して左マウスボタンをクリックする。例えば、3d
1ogoの構成要素のスタイルファイルを変更するには、ユ
ーザは**Defaultと入っている3d1ogoの列中の
セルを指してマウスボタンをクリックする。ここで図1
4に示すような層範囲ポップアップメニュー(63)が
現れる。層範囲ポップアップメニュー(63)が現れた
ら、ユーザがAdd(追加)をマウスで指してボタンを
クリックすれば、スタイルダイアログボックスをスプレ
ッドシート上に表示させられる。スタイルダイアログボ
ックス(64)は図15に示してある。
【0116】このダイアログボックスの上右隅(65)
には、当該構成要素中の最上層および最下層の位置が示
される。この下には、スタイルファイルを含むディレク
トリのリスト(66)がある。図に示すように、パート
マネージャーは、当初は2つのスタイルファイルディレ
クトリを有するように構成されている。ディレクトリ.
/stylesには、装置のユーザが作ったスタイルフ
ァイルが格納されている。ディレクトリ./usr/3
d/lib/stylesにはパートマネージャーとと
もに提供されているスタイルファイルが入っている。
【0117】ダイアログボックスが最初に現れるとき、
ユーザのスタイルファイルを含む方のディレクトリが選
択されており、このディレクトリ内のスタイルファイル
名(68)が表示される。現在のスタイル名はダイアロ
グボックス下部に近いボックス(67)の中に表示され
る。
【0118】ウインドウ(66)はスタイルディレクト
リ名を表示し、またウインドウ(68)はファイル名を
表示しているが、これらは両方とも、一度に表示可能な
だけの数の名前であればより多くの名前を表示すること
もできる。どちらのウインドウにおいても、右側のスク
ロールバー(66aと66b)を使って、現在表示され
ていないディレクトリ名およびファイル名を表示させる
ことができる。
【0119】表示されているディレクトリを他のものに
変更するには、ユーザが希望するディレクトリ名を指し
て左マウスボタンをクリックすればよい。同様に、スタ
イルを選択するには、スタイル名を指してマウスをクリ
ックすればよい。選択されたスタイル名はダイアログボ
ックス下部に近いボックス(69)の中に表示される。
【0120】選択したスタイルを使用するには、ダイア
ログボックス下部のDone(完了)ボタン(71)を
指して左マウスボタンをクリックすればよい。図16に
示すとおり、もう一つのダイアログボックス、すなわち
層範囲変更ボックス(70)が画面上部に現れる。ここ
で、現在のスタイル、すなわちこの例では**Defa
ultを削除し、新しく選択したスタイルに置き換える
機会が与えられる。通常、ユーザはYes(はい)のボ
タンを指してマウスボタンをクリックし、削除を選択す
る。これによって両方のダイアログボックスが画面から
消える。すると、選択された構成要素に対するスタイル
は、新しく選択されたスタイルと置き換えられる。図1
7に示すごとく、セル(73)においては、スタイルが
**Defaultから**Std_10へ変化した。
【0121】図16では、層範囲変更ダイアログボック
ス(70)が表示されている時に、新しいスタイルを選
択する手順を中止するため、このダイアログボックスの
No(いいえ)のボタン(74)をマウスで指して左マ
ウスボタンをクリックしている。層範囲変更ダイアログ
ボックスが表示されていないときに、新しいスタイルの
選択を中止するには、図15に示されている層範囲追加
ダイアログボックスの下部にあるCancel(キャン
セル)ボタン(75)を指してクリックすればよい。
【0122】スタイルとは、ある層範囲の層がどのよう
に作られるべきかを規定する造形パラメータの組であ
る。頻繁に用いられるスタイルは、ディスク上のスタイ
ルファイルとして保存できる。パートマネージャーは、
あるスタイルファイル内の全てのパラメータをある層範
囲の各層と関連させて、その層範囲の各層をどのように
造形するかを制御することができる。必要なら、ある層
範囲のスタイルを編集し、後で説明するように変更され
た選択パラメータを割り当てることもできる。スタイル
が編集され、その結果、導出のもととなったスタイルフ
ァイルに含まれるパラメータと異なるパラメータが含ま
れるようになった際は、スプレッドシート上で用いるス
タイル名を変更して、ディスク上に保存したものとスプ
レッドシート上に表示しているものの二つの異なるスタ
イルが同一名になるなどの混乱の発生を避けることがで
きる。変更されたスタイルパラメータが他の構成要素で
も使用されそうであるなら、そのパラメータの組を新し
いスタイルファイルに書き込める。
【0123】編集するスタイルを選択するには、スプレ
ッドシート上のスタイル名を指して左ボタンをクリック
する。図17では**Std_10を編集するので、マ
ウスをセル(73)に合わせ、このスタイルを選択して
いる。図14の(63)と同様のポップアップメニュー
が現れる。ポップアップメニューが現れたら、ユーザは
Edit(編集)を指してマウスをクリックし、図18
の編集ダイアログボックス(76)をスプレッドシート
上に表示させる。
【0124】スタイル編集ダイアログボックスの各フィ
ールドは造形パラメータを表している。
【0125】それぞれのフィールドと、編集ダイアログ
ボックス内の各フィールドに対応する造形パラメータの
目的を以下に説明する。
【0126】Style(スタイル):スタイルフィー
ルド(77)には現在のスタイル名が入っている。現在
のスタイルに変更を加える場合は、通常この名前は変更
されない。しかし、新しいスタイルを作製し現在のスタ
イルも保存する場合は、スタイル名は現在のスタイルデ
ィレクトリ内にこれまで存在していない名前に変更され
なければならない。
【0127】スタイル名を変更するには、現在のスタイ
ル名が入っているボックス、すなわち図で言うとボック
ス(77)を指して左ボタンをクリックする。編集カー
ソルがファイル名の右に現れる。新しい名前の最初の文
字をタイプすると、これまでの名前は画面上から消え、
新しい文字が表示される。それ以降の文字はタイプした
とおりに画面に現れる。
【0128】バックスペースキーは打ち損なった文字を
削除するために使用する。新しい名前の入力を終了する
にはエンターキーを押す。すると、編集カーソルがリコ
ートスタイル名(78)ヘ移動する。
【0129】Recoat(リコート):リコートスタ
イルは各スタイルファイルに付随している(したがっ
て、スプレッドシート上の各スタイルに付随してい
る)。編集ダイアログボックスは、当初は、現在のスタ
イルに付随するリコートスタイル名を表示する。図18
では、ダイアログボックス(76)にStd_l0スタ
イルに付随するリコートスタイルDefaultが現れ
ている。リコートスタイルを変更せず残しておくにはリ
コートフィールドをいじらなければよい。
【0130】別のリコートスタイルを使用するには、そ
のリコートファイルがすでに存在している場合は、リコ
ートフィールドの下部にあるLoad(ロード)ボタン
(79)を指してマウスボタンをクリックする。図15
のボックス(68)と同様のダイアログボックスが現
れ、そこに利用可能なリコートファイル名が示される。
使用したいリコートファイル名を指してマウスボタンを
クリックする。正しいリコートファイルを選択したか確
認するため、リコートスタイルのリスト下にあるフィー
ルドでリコートスタイル名を確認し、Done(完了)
のボタンをマウスで指してクリックする。
【0131】現在あるリコートスタイルを編集して新し
いリコートスタイルを作ることも出来る。これは後で説
明する。
【0132】End Z(Z終了):Z終了のフィール
ド(80)に現れる初期値は、現在の層範囲中の最上層
のZである。この値を指してマウスボタンをクリック
し、新しい数値をタイプすればこの値を変更できる。
【0133】Start Z(Z開始):Z開始のフィ
ールド(80)に現れる初期値は、現在の層範囲中の最
下層のZである。上記Z終了(80)の数値と同じ方法
でこの値を変更できる。
【0134】Layer Thickness(層厚
さ):層厚さのフィールド(82)に現れる初期値は、
現在の層厚さの値である。Z終了(80)の数値と同じ
方法でこの値を変更できる。層厚さは通常0.005か
ら0.020インチ(約0.13から0.51ミリメー
トル)の範囲にある。
【0135】Description(解説):解説フ
ィールド(83)の文章はそのスタイルの簡単な解説で
ある。現在のスタイルについて提供されている全ての解
説が、当初は表示される。解説は、新しいスタイルに適
合するように編集され得る。53文字までのスペースが
ある。
【0136】MSA(最小表面角):このフィールドに
は、当初は、現在の最小表面角が表示される。Z終了
(80)の数値と同じ方法でこの値を変更できる。使用
可能なMSA値は層厚さとビーム幅によって決まる。典
型的なMSA値は以下のとおり。
【0137】 層厚さ MSA 0.020インチ(約0.50mm) 60 0.010インチ(約0.25mm) 50 0.050インチ(約1.3mm) 43 Hatch Type(ハッチ形式):現在のスタイル
で規定されているハッチ形式が、当初のハッチ形式フィ
ールド(84)に表示される。ハッチ形式を変更するに
は現在のハッチ形式を規定している語を指して左マウス
ボタンをプレスし、押したままにする。次にマウスを下
へドラッグして、希望するハッチ形式が反転表示したら
左ボタンを放す。利用できるハッチ形式は正三角形、ボ
ックス、対角線、およびカスタムである。これらのハッ
チ形式のうち最初の3つはすでに設定済みでこれ以上の
入力を必要としない。正三角形のハッチ形式は、表面上
にある正三角形をハッチ線として走査するようなハッチ
形式として定義されており、ボックスハッチ形式はボッ
クス形状を走査するようなハッチ形式として定義されて
おり、また対角線形式は対角線を走査するようなハッチ
形式として定義されている。これらのハッチ形式につい
ての詳細は、先に参照した米国特許出願第331,66
4号に記載されている。カスタムハッチ形式を選択する
と、ダイアログボックスが現れてハッチの間隔と角度を
入力できる。
【0138】Fill Type(充填形式):現在の
スタイルにより規定されている充填形式が、当初の充填
形式フィールド(85)に表示される。充填形式を変更
するには、現在の充填形式を規定している語を指して左
マウスボタンを押したままにする。その後マウスを下ヘ
ドラッグし、希望する充填形式が表示されたところでマ
ウスボタンを放す。利用可能な充填形式はX充填、Y充
填、およびX&Y充填である。これらについての詳細
は、先に参照された米国特許出願第331,664号に
記載されている。これらのどれかを選択した後、ダイア
ログボックスが現れ、充填間隔が入力できるようにな
る。
【0139】Overcure Amounts(過剰
硬化量):9つのフィールド(86)で、現在のスタイ
ルにおいて規定されている過剰硬化量を表す。過剰硬化
量は各ベクトル形式ごとに規定され得る。一連のフィー
ルドが、86a、86b、86cなどで示されている。
これらの過剰硬化量のどれか、あるいは全てを変更する
には上記Z終了値の変更と同じ方法を用いる。過剰硬化
量のフィールドは、 −LB&LH−層内部の境界と層内部のハッチ −NFDB−平坦に近い下向き面の境界 −NFDH−平坦に近い下向き面のハッチ −NFDF−平坦に近い下向き面の充填 −FUB&NFUB−平坦な上向き面の境界と平坦に近
い上向き面の境界 −FDB−平坦な下向き面の境界 −FDH−平坦な下向き面のハッチ −FDF−平坦な下向き面の充填 −FUF&NFUF−平坦な上向き面の充填と平坦に近
い上向き面の充填の9種類である。
【0140】スタイルファイルのフォーマットの一例を
次に示す。
【0141】
【表3】 各フィールドは、これから説明するいくつかの例外を除
いては、その名前自体が内容の説明として足りており、
かつこれまでに説明したフィールドの一つと対応してい
る。Notes(備考)フィールドはDescript
ion(解説)フィールドと対応し、Units(単
位)フィールドはファイル中の数値単位(インチ)を示
す。NumHatch(ハッチ数)では、正三角形ハッ
チ形式を形成するのに3本のハッチ線が必要であること
が示されており、Hatchangles(ハッチ角
度)では、これらのハッチ線がそれぞれ水平から60
度、120度、0度に置かれることが示されている。ま
たHatchspaces(ハッチ間隔)では、これら
のハッチ線の間隔が0.05インチ(約1.3mm)で
あることが示されている。NumFill(充填数)フ
ィールドでは、充填を精製するのに1本の充填線が使わ
れていることが示されており、FilAngles(充
填角度)では、これが0度の角度に置かれていることが
示されている。またFillSpaces(充填間隔)
では、充填線の間隔が0.003インチ(約0.076
mm)であることが示されている。
【0142】Recoat Styles(リコートス
タイル):すでに述べたとおり、各スタイルファイルに
は1つのリコートスタイルファイルが組み合わされてい
る。リコートスタイルファイルが規定するのは、部品の
各層を造形するのに先立って行われるリコート処理を制
御するパラメータである。
【0143】スタイルの編集時には、スタイルファイル
中に表示されている既存のリコートスタイルを維持する
ことも、別の既存のリコートスタイルを選択すること
も、あるいは新しいリコートスタイルを既存のスタイル
の編集によって作製することも可能である。上記のうち
最初の2つはすでに説明してある。以下の説明ではリコ
ートスタイルの編集を扱う。
【0144】リコートスタイルの編集をはじめるには、
スタイル編集ダイアログボックスのEdit(編集)ボ
タン(87)を指して左ボタンをクリックする。リコー
トスタイル編集ダイアログボックス(88)が、図19
に示すように、これまでのダイアログボックスの上に表
示される。
【0145】ボックス(88)の各フィールドは、各々
1つのリコートパラメータに関連している。各フィール
ドの意味を以下に説明する。
【0146】Level Wait(水準調整待時
間):フィールド(89)に示される初期値は、樹脂タ
ンク中の液体樹脂表面がリコート処理開始までに正確な
水準に到達するのに要する待ち時間(直前の層を造形し
てからの)を秒数で表している。この値を変更するには
スタイルダイアログボックス内の数値変更と同様の手順
で行う。
【0147】Z Dip Delay(Z含浸遅延時
間):フィールド(90)に示される初期値は、液体樹
脂の表面がリコータブレードで最後に掃引されてから、
レーザーが次の層を作製しはじめるまでの、液体樹脂表
面が安定するのに要する秒数である。この数値を変更す
るにはスタイルダイアログボックス内の数値変更と同様
の手順で行う。
【0148】Sweeps(掃引回数):フィールド
(91)に示される初期値は、各層に対して行われるブ
レード掃引の回数を表している。この数値を変更するに
はスタイルダイアログボックス内の数値変更と同様の手
順で行う。数値範囲は0から(掃引しない)7までであ
る。
【0149】Z Dip Distance(Z含浸距
離):フィールド(92)に示される初期値は、部品が
エレベータによって含浸される、液体樹脂表面から下の
距離であって、これにより直前の層の上に新鮮な樹脂が
素早く流れ広がる。この値は、組み合わされたスタイル
ファイル中で規定された次元により記述されており、変
更はスタイルダイアログボックス内の数値変更と同様の
手順で行う。
【0150】Z Dip Velocity(Z含浸速
度):フィールド(93)に示される初期値は、リコー
ト処理中にエレベータが部品を移動させる速度である。
この値は、組み合わされたスタイルファイル中で規定さ
れた次元により記述されており、変更はスタイルダイア
ログボックス内の数値変更と同様の手順で行う。
【0151】Z Dip Acceleration
(Z含浸加速度):フィールド(94)に示される初期
値は、リコート処理中にエレベータが速度を変更する際
の加速度である。この値は、組み合わされたスタイルフ
ァイル中で規定された次元により記述されており、変更
はスタイルダイアログボックス内の数値変更と同様の手
順で行う。
【0152】Blade Gap(ブレードギャッ
プ)、Velocity(速度)、およびDelay
(遅延時間):リコートスタイルは7回の掃引まで規定
でき、それぞれに別個のブレードギャップ、速度、遅延
時間を規定することが可能である。このフィールドで
は、各掃引ごとにこれらのパラメータを設定できる。ブ
レードギャップ、速度、および遅延時間のフィールドに
はそれぞれ(95)、(96)、(97)の参照番号が
付されている。ブレードギャップはブレード下面と直前
の層との間の間隙であり、ブレード速度は文字どおりの
意味であり、また遅延時間は、次の掃引がある場合につ
いての、ある掃引から該次の掃引までの遅延時間であ
る。各々の初期値は現在のリコートスタイルの各掃引パ
ラメータである。すでに解説したとおり、これらのパラ
メータのどれかを変更するには、スタイルダイアログボ
ックス内の数値変更と同様の手順で行う。
【0153】以下にリコートスタイルの例を示す。
【0154】
【表4】 このファイルの各フィールドは、その名前自体で説明が
足りており、かつこれまでに解説したフィールドに対応
している。いくつかの例外を以下に説明する。Note
s(備考)フィールドは先のDescription
(解説)フィールドに相当し、travelVel1
(進行速度1)フィールドは、作製中の部品に突き当た
る前の樹脂タンク内の領域における、ブレードの速度で
ある。作製中の部品に突き当ったときは、bladeV
el1(ブレード速度1)フィールドがブレード速度を
規定する。リコート処理についての詳細は、先に参照し
た米国特許出願第265,039号、および国際特許出
願 Lyon & Lyon処理番号188/189 PCTに記載
されている。
【0155】スタイルパラメータの保存 新しいスタイルをファイルに書き込むには、スタイル編
集ダイアログボックス上のSave(保存)ボタン(図
18の98)を指してマウスボタンをクリックする。フ
ァイルは現在表示されている名前で保存される。その名
前のファイルがすでに現在のディレクトリに存在してい
る場合は、ダイアログボックスが現れ、すでに存在して
いるファイルを上書きするか、キャンセルするか選択す
る機会をユーザーに与える。キャンセルした場合は、そ
の後、ユーザは別のファイル名を選んですでに存在して
いるファイルの抹消を回避することができる。
【0156】ある構成要素が最初にスプレッドシートヘ
追加されるとき、その構成要素は、該構成要素中の最下
層から最上層までに亘る1つの層範囲を有している。た
とえば図12では、スプレッドシートに構成要素3dlogo
を追加したとき、0.000インチから1.4626イ
ンチ(0.000センチメートルから約3.7150セ
ンチメートル)というただ1つの層範囲だけが作られ
た。しかし多くの場合、その構成要素の層を多数の層範
囲に分割して、各層範囲にその構成要素の断片に合わせ
最適化された別個のスタイル(およびリコートスタイ
ル)を組み合わせられるようにする方が望ましい。
【0157】ある構成要素に新しい層範囲を導入するに
は、その構成要素を表す列を指して左マウスボタンをク
リックする。図14の63で示す層範囲ポップアップメ
ニューが現れるので、Add(追加)を指してマウスで
クリックすると、層範囲追加ダイアログボックスが画面
に現れる。図20では、層範囲追加ダイアログボックス
は参照番号98で指定されている。
【0158】このダイアログボックスでは、利用可能な
スタイルのリスト(99)の中から新しい層範囲に使用
したいスタイル名を指してマウスボタンをクリックす
る。この例では、新しい層範囲のスタイル名はStd_
10になっている。さらに、このダイアログボックスに
おいて、Z終了とZ開始のフィールド(100)を変更
して層範囲の開始点と終了点を新しい層範囲に対応させ
ることが出来る。この例では、新しい層範囲は0.7000イ
ンチ(約1.778センチメートル)から始まり、0.80
00インチ(約2.032センチメートル)で終了してい
る。
【0159】これらの変更をダイアログボックスで行っ
た後、Done(完了)ボタン(101)を指してマウ
スボタンをクリックする。ダイアログボックスが消え、
スプレッドシートに新しい層範囲が追加される。この例
では、新しい層範囲を追加する以前においては、0.0000
インチ(0.0000センチメートル)から始まり1.46
26インチ(約3.7150センチメートル)で終了する
3dlogoの構成要素全体が、Std_10というスタイル
を使っていた。新しい層範囲を追加すると、Std_1
0スタイルは、0.7000インチから0.8000インチ(約1.
778センチメートルから約2.032センチメート
ル)の層範囲を担うStd_5スタイルと置き換えられ
る。図21では、それまでStd_10だったセル(1
02)のスタイルが、変化に対応してStd_5に変っ
ている。
【0160】この例では一つの層範囲を追加しただけだ
が、実際は必要な層範囲をいくつでも追加できる。それ
ぞれの新しい層範囲により、その層範囲でそれまで規定
されていたスタイルを新しいものに置き換えることが出
来る。
【0161】さらなる機能 ユーザーがパートマネージャの実行を最初に開始する
際、ダイアログ・ボックスにより、新しい部品を作製す
るか、既存の部品を開くか、またはへルプを要求するか
の機会が与えられる。このことは第10図に図示されて
いる。
【0162】スプレッド・シート上で既存の部品の構造
を見て場合によっては変更するために既存の部品を開く
には、ユーザーはOpen(開く)ボタン54を指し
て、左のマウスボタンをクリックする。ワークステーシ
ョンは、既存の部品ファイル、すなわち.prt拡張子を有
する名称のファイルを一覧表示したダイアログ・ボック
スを表示することにより応答する。第21図は、そのよ
うなダイアログボックスを示す。
【0163】該ダイアログボックスは、図11に図示さ
れている構成要素ファイル名を示すダイアログボックス
と類似している。図22は、部品ファイル名を示したダ
イアログボックスを示している。先に構成要素ファイル
に関して説明したのと同じ方法を用いて、一度に表示で
きる以上の数の部品ファイル名を見たり、一つの部品を
選択したり、または、部品を選択せずにキャンセルした
りすることができる。しかし、一つの相違点は、構成要
素は多数が選択できたが、部品は一度に一個しか選択で
きないことである。
【0164】画面の最上部(第8図の番号46で指定さ
れる)に表示されたメニューから一項目を選択すること
によって、さらなる機能を実行することもできる。重要
な機能の一つはHelp(ヘルプ)機能である。Hel
p(ヘルプ)には、メイン画面から、メニューバーの右
端のHelp(ヘルプ)という語を指して、左のマウス
ボタンをクリックすることによってアクセスできる。H
elp(ヘルプ)にアクセスすることができる場合もあ
る。この場合には、ダイアログボックスから、Help
(ヘルプ)ボタンを指して左のマウスボタンをクリック
することによって、ダイアログ・ボックスからアクセス
できる。このようにすると、Help(ヘルプ)画面が
表示される。第23図は、Help(ヘルプ)画面を示
す。
【0165】既存の画面に重ねられるHelp(ヘル
プ)画面は、左側の見出しリスト103と、右側のこれ
らの見出しに関する情報104から構成されている。情
報は、典型的なユーザーが、見つけようとすると思われ
る順番に並べられている。特定の見出しの情報をすばや
く見るには、左側のインデックス中の見出しを指し、左
側のマウスボタンをクリックすればよい。
【0166】初めは、左側の見出しリストは、右側のさ
らに詳しい情報と同じ順に並んでいる。左側のリスト
は、画面左下のSorted Topics(ソーティ
ングされた見出し)ボックス105を指してマウスボタ
ンをクリックすることで、アルファベット順に変えるこ
とができる。
【0167】Help(ヘルプ)画面を取り消して、前
の表示にもどす方法は2つある。1つは、Help(ヘ
ルプ)画面の下部のDone(完了)ボタン106を指
し、左のマウスボタンをクリックする方法で、もう1つ
は、Help(ヘルプ)画面右上角のウインドウ閉鎖ボ
ックス107を指して右のマウスボタンをクリックする
方法である。
【0168】構成要素管理ファイル 第10図に戻り、ユーザーが新しい部品ファイルを開く
(New(新規)ボタンを押して)ことを選んだとする
と、スプレッドシートに構成要素を追加することによっ
て新しい部品が作られる。そうではなく、ユーザーが既
存の部品ファイルを変更しようと(Open(開く)ボ
タンを押して)決めた場合は、スプレッドシート上で構
成要素を追加、削除または変更することによって、既存
の部品が変更される。構成要素メニューにより、これら
の機能にアクセスできるようになっている。
【0169】構成要素メニューにアクセスするには、ユ
ーザーは、スプレッドシートの最上部に横たわるメニュ
ーバー中のComponent(構成要素)という語を
指し、(最上部のメニューバーは第8図の47)、左の
マウスボタンをプレスし、構成要素メニューが表示され
るまで押さえる。構成要素メニュー107は、第24図
に示される。メニュー上で1つの機能を選択するには、
ユーザーは、望みのメニュー項目が反転表示されるまで
マウスをプルダウンし、その上でその項目にアクセスす
るためマウスボタンを放す。
【0170】以下に、構成要素メニューの各項目を個別
に説明する。
【0171】Add(追加): メニューからAdd
(追加)を選択すると、スプレッドシート上に、第11
図および第12図に示すように、構成要素追加ダイアロ
グボックスが重ねて表示される。このダイアログボック
スは、前述のように、部品に構成要素を追加するのに使
用される。
【0172】Delete(削除): 部品から構成要
素を削除するには、ユーザーはその構成要素に相当する
スプレッドシートの列を指して、左のマウスボタンをク
リックする。次に、Delete(削除)が反転表示さ
れるまでユーザーが構成要素メニューをプルダウンする
と、2つのボタンを有するダイアログボックスが表示さ
れる。ユーザーは、Delete(削除)ボタンを指し
てマウスボタンをクリックすることで、構成要素を削除
できる。あるいは、ユーザーは、Cancel(キャン
セル)ボタンを指してマウスボタンをクリックすること
で、構成要素を削除するのをやめてもよい。
【0173】Status(状態): スプレッドシー
ト上のその部品を表わす列をクリックし、構成要素メニ
ューのStatus(状態)にアクセスすると、構成要
素の状態が表示される。その時、構成要素の状態は第2
5図のように表示される。図示のように、表示された状
態は、X,YおよびZ方向に関する部品の広がりを示し
ている。
【0174】状態が最初に表示された際には、3個のス
ライス軸ボタン108a,108bおよび108cの中
の1個が点灯して現在選択されているスライス軸を表示
する。現在選択されているスライス軸とは、部品がそれ
に沿って層状にスライスされる軸である。スライス軸
は、適切なボタンを指してマウスボタンをクリックする
ことにより、変更することができる。
【0175】スライス軸変更の場合は、OKボタン10
9を指してマウスボタンをクリックすると変更が行われ
る。あるいは、ユーザーはCancel(キャンセル)
ボタン110をクリックして変更前の状態に戻してもよ
い。
【0176】Combine(組合わせ): いくつか
のCADシステムで作られた構成要素ファイルにおいて
は、該構成要素ファイルの各々が、閉表面を有する構成
要素を表わしていないことがある。しかし、パートマネ
ージャーの要求では、構成要素ファイルは、閉表面を有
する部品部分を表していなければならない。これができ
るようにするには、閉表面を有する組合わせ構成要素を
得るために、複数の構成要素ファイルを組み合わせなけ
ればならないことがある。導入されたCADファイルが
閉表面を有する構成要素を表わすものであれば、ファイ
ルを組み合わせる必要はない。
【0177】ファイルを組み合わせる必要がある場合
は、ユーザーは、構成要素メニューの中からCombi
ne(組合わせ)を選択する。第26図に示すように、
この時点で、構成要素組合わせダイアログ・ボックス1
11が、ファイル選択窓112が上に重なった状態で表
示される。次に、ユーザーは、ファイル選択窓112か
ら組み合わせるファイルを選択する。ファイルをすべて
選択し終ったら、ユーザーは組み合わせ後のファイル用
の名前を選び、ファイル名フィールド113においてそ
の名前を編集して、選択された名前が表示されるように
する。最後に、ユーザーはCombine(組合わせ)
ボタン114をクリックして、ファイルを組み合わせ
る。
【0178】Translate(移動): トランス
レーション(移動)は、樹脂タンクの中において、構成
要素をある場所から他の場所へ移動させる操作である。
トランスレーションは、時々、液体樹脂が閉じ込められ
る箇所をなくすために部品を適切な方向に向けたり、平
坦な表面を水平なXY平面上に位置させたり、支持され
ていない外面の数を減らしたりなどするのに、ときどき
必要となる。個々の構成要素を移動することもできる
し、部品の全ての構成要素を一緒に移動することもでき
る。1つあるいは複数の構成要素は、X,Y,Zの方向
に所定の距離だけ移動され得る。あるいは、それらの構
成要素を樹脂タンクの中心に移動させることもできる
し、または、原点が該中心と異なる場合は、その原点に
移動させることもできる。
【0179】構成要素を移動するには、ユーザーは、構
成要素メニューの中からTranslate(移動)を
選択する。すると、第27図に示すように、構成要素移
動ダイアログボックスが画面に表示される。ダイアログ
ボックスの中心のパネル115は、現在のスプレッドシ
ート上にある構成要素の名前を示している。
【0180】右上のA11(全て)ボタン116は、個
々の構成要素を移動するのか、または部品の全構成要素
を一緒に移動するのかの選択を可能にするものである。
最初は、ボタンの中心は緑で、ダイアログボックスの左
上にPart(部品)という語があり、それに続けて現
在の部品名がある。これは、現在のスプレッドシート上
にある全構成要素からなる部品全体が、選択されている
ことを示している。
【0181】個々の構成要素の移動を選択するには、ユ
ーザーはダイアログボックスの右上のボタン117を指
して、マウスをクリックする。ボタンの中心が赤に変わ
り、Component(構成要素)という語がダイア
ログボックスの左上に表示される。個々の構成要素を選
択するには、ユーザーは、中央のパネル115の中にあ
る構成要素名を指して、左のマウスボタンをクリックす
る。選択された構成要素名は黒から赤に変わり、該構成
要素名がダイアログボックスの中央最上部に表示され
る。
【0182】構成要素または部品を、X方向に指定の距
離だけ移動させるには、ユーザーは、ダイアログボック
スの左半分の下部118にある、Xの右側のフィールド
を指して、編集カーソルが現在の値の右側に現れるまで
左のマウスボタンをクリックすればよい。ユーザーは、
移動距離を表わす新しい数字をタイプする。正の数は右
に移動させることを表わし、負の数は左へ移動させるこ
とを表わす。
【0183】Y方向およびZ方向への移動のためには、
ユーザーは、YフィールドおよびZフィールド中の値を
必要なように変更すればよい。正しい数字が表示された
ら、スプレッドシートの下部にあるTranslate
(移動)ボタン119をユーザーがクリックすれば、所
望の移動が起こる。
【0184】必要であれば、先に述べた状態(Stat
us)機能を使用して、構成要素または部品の移動後の
位置を表示して、移動を確認することができる。
【0185】構成要素または部品を移動させる距離を指
定する代わりに、Origin(原点)ボタン120を
クリックして構成要素または部品を軸の原点に移動させ
るか、あるいはCenter In Vat(樹脂タン
クの中心)ボタン121をクリックして構成要素または
部品を樹脂タンクの中心に移動させることも可能であ
る。
【0186】Rotate(回転): 回転機能は、ト
ランスレート(移動)機能に類似している。後者は部品
または構成要素を直線的に移動させるが、前者は部品ま
たは構成要素をX,YまたはZ軸のまわりで回転移動さ
せる。
【0187】回転ダイアログボックス(第28図)は、
移動ダイアログボックスと似ているが、直線距離指定用
のインチなどの単位の代りに、X,YまたはZ軸まわり
の回転数値を度(角度)で指定するところが異なってい
る。
【0188】Scale(拡大縮小): 拡大縮小機能
は、移動および回転機能に類似している。Scale
(拡大縮小)を利用すれば、部品の構成要素を選択し、
それを全方位に一様に拡大または縮小すること、あるい
は、X,Y,Z方向にそれぞれ指定された異なる倍率で
拡大または縮小することが可能になる。
【0189】拡大縮小ダイアログボックス(第29図)
の最上部は、移動および回転ダイアログボックスの最上
部に似ている。
【0190】最初は、拡大縮小ダイアログボックスの下
半分にあるScale All(全て拡大縮小)と書か
れたボタン122が、すべての方向に同じ倍率で構成要
素または部品を拡大または縮小するように設定されてい
る。該ボタンの下のフィールド123には初期倍率値1
があり、その右側に編集カーソルがある。倍率を変更す
るには、ユーザーは、1を望みの値に置きかえればよ
い。
【0191】X,YおよびZ方向へそれぞれ異なった倍
率で、構成要素または部品を拡大または縮小できるよう
にするには、ユーザーはScale All(全て拡大
縮小)ボタンをクリックする。編集カーソルは該ボタン
の下にある上記のフィールドから消えてなくなり、Xフ
ィールドに現われる。YフィールドまたはZフィールド
を指してマウスボタンをクリックすれば、上記のカーソ
ルをそのフィールドに移動できる。ユーザは、適当なフ
ィールドを選択して、初期値を望みの値に変更すればよ
い。
【0192】倍率指定が完了したら、ユーザーはダイア
ログボックスの下部のScale(拡大縮小)ボタンを
クリックする。
【0193】Scale(拡大縮小)を用いて、右手型
のCAD/CAMファイルを、パートマネージャの要求
に従って左手型のファイルに変換することも可能であ
る。右手型のCAD/CAMファイルを左手型のフォー
マットに変換するには、ユーザーがZ方向にのみ−1の
倍率をかければよい。
【0194】部品ファイルの管理 画面最上部のメインメニュー中にあるPart(部品)
という項目は、部品ファイルを取り扱う機能にアクセス
できるようにする項目である。これらの機能には、Pa
rt(部品)を指してマウスボタンをクリックすること
によりアクセスできる。この時点で、第30図に示す部
品メニューが表示される。各部品メニューについて以下
で説明する。
【0195】New(新規): 部品メニューの最初の
項目はNew(新規)である。この項目が選択された場
合、新しい部品ファイルが入力されることを示し、空の
スプレッドシートが表示される。
【0196】Open(開く): 第2の項目はOpe
n(開く)である。この項目が選択された場合、既存の
部品ファイルが開かれることを示し、現在のディレクト
リ(第9図参照)にある部品ファイルのリストを示した
ダイアログボックスが開かれる。開かれる部品ファイル
が選択されると、スプレッドシートに、その部品の構成
要素が表示される。
【0197】Units(単位): Units(単
位)というメニュー項目は、CAD/CAMデータを規
定する単位およびパートマネージャが表示する値の単位
を、指定することを可能にするものである。この項目が
選択された場合、CAD/CAMの単位およびパートマ
ネージャの単位の双方について、in(インチ)、mi
l(ミル)、mm(ミリメートル)、cm(センチメー
トル)、m(メートル)またはft(フィート)を選択
することができる。これは、ユーザーが、CAD/CA
Mシステムで使用されている以外の異なった単位をパー
トマネージャで使用したい場合もあるので、重要なこと
である。
【0198】Save(保存): Save(保存)と
いうメニュー項目は、現在の部品を現在のディレクトリ
の中に、現在の名前を用いて保存する。
【0199】Save As(名前を付けて保存)
Save As(名前を付けて保存)というメニュー項
目も、現在の部品を、現在のディレクトリの中に保存す
る。しかし、現在のファイル名以外のファイル名を使用
する機会を与える。
【0200】Status(状態): Status
(状態)というメニュー項目(第31図)は、部品全体
のサイズの広がりと、部品造形のために制御コンピュー
タヘ送るファイルの準備状態などの他の関連情報とを示
すものである。部品の広がりは、構成要素のスライス軸
を考慮したものである。
【0201】Quit(終了): Quit(終了)と
いうメニュー項目は、パートマネージャ・プログラムを
終了するために使用される。いずれかのファイルが変更
されたが保存されていない場合、ユーザーは、変更され
たファイルを保存するか、またはそれらを破棄する機会
を与えられる。
【0202】部品ファイルのフォーマットは、次のよう
に要約できる。
【0203】1. 部品ファイルのバージョン番号 2. 部品データ − 部品の広がり − 単位 − 造形パラメータ − 基本パラメータ − 最も最近のスプレッドシート表示位置および倍率 3. 基本スタイルデータ 4. 基本リコートスタイルデータ 5. 多重コピーのオフセット 6. 構成要素の数 7. 各構成要素に対して a. 構成要素データ − st1ファイル名 − 解説 − 広がり − スライス軸 b. スタイルの数 c. 各スタイルに対して − sliスタイルデータ − リコートスタイルデータ 上記フォーマットに従う部品ファイルの一例を、以下に
示す。
【0204】
【表5】 上述のフィールドの大部分は、すでに説明済みか、また
は説明を要しない自明のものである。1つの例外は、ス
ライス分解能で、それはその構成要素の.sliファイ
ルの記述に使用されている単位を示すものである。上述
の例では8000スライス単位=1インチ(約2.5c
m)である。
【0205】造形のための部品準備 画面最上部のメニューバーのPrepare(準備)項
目は、部品造形用の部品ファイルの準備をさらに進める
ために選択される。Prepare(準備)項目が選択
されると準備メニュー(第32図参照)が表示され、部
品を準備するために行われなければならない機能が一覧
表示される。これらの各機能について、以下に説明す
る。
【0206】Make Base(基盤製作): Ma
ke Base(基盤製作)メニュー項目は、第33図
に示すダイアログボックスを表示する。この項目によ
り、ユーザーは、製作する部品の基盤を作ることができ
る。この基盤と部品の支持部とを混同してはならない。
基盤は、部品を支持台(プラットホーム)から一定の間
隔に保つため、および、部品の製作後、部品を容易に支
持台から取りはずせるようにするため、部品の本体の下
に設けられたものである。一方、支持部は、カールやそ
の他の歪みを受けやすい部品部分に選択的に加えられる
ものである。例えば、コーヒーカップの場合、カップの
取手をカップの主要部に接着されるまで固定しておくの
に、支持部が必要とされるかもしれない。基盤は、カッ
プの主要部を台から一定の距離に保つであろう。
【0207】上記のダイアログボックスは、多数のファ
イルを表示する。該多数のファイルの各々は、デフォル
トのパラメータをもっており、それらは、そのままに保
たれてもよいし、ユーザーによって変更されてもよい。
【0208】部品の残りの部分と同様、上記の基盤にも
1つのリコートスタイルが組み合わされていなければな
らない。基盤と組み合わされているデフォルトのリコー
トスタイルは、フィールド125に表示される。デフォ
ルトのスタイル以外のリコートスタイルが必要な場合
は、そのスタイルがすでに存在していればファイルから
ロードできるし、あるいは現在のリコートスタイルを編
集することもできる。スタイルファイルとリコートスタ
イルファイルの編集に関する前述の説明が、基盤用のリ
コートスタイルファイルのロードや編集についても適用
できる。表示されており編集可能な他のフィールドとし
ては、基盤の高さ、部品との重なりの程度、基盤の広が
り、XおよびY方向に関する基盤のための格子間隔、基
盤層の厚さ、およびトラフ設定が含まれている。これら
のフィールドのいずれかを編集した後に、表示されたパ
ラメータを受け付けさせるには、ユーザーはMake
Base(基盤製作)ボタンを指してクリックすればよ
い。以前に受け付けられた基盤を除去するには、ユーザ
ーはRemove Base(基盤除去)ボタンを指し
てクリックすればよい。
【0209】Build Parms(造形パラメー
タ): Build Parms(造形パラメータ)メ
ニュー項目は、収縮を相殺するためにX、YまたはZ方
向のいずれの方向にも行える部品の拡大または縮小、過
剰硬化係数の調節、精度と速度の間における所望の優先
性の指定、製作する部品のコピーの数の指定、および多
数の部品の場合には部品間の最小間隔の指定を、ユーザ
ーが行うことを可能にするダイアログボックス(第34
図)を表示する。これは、これらのパラメータの各々に
対応する各フィールド項目を編集することによって達成
される。
【0210】大部分のフィールド項目は説明を要しない
自明のものである。過剰硬化係数フィールド126は、
全スタイルファイル中の全ベクトル形式に対して指定さ
れた過剰硬化パラメータを、1つの係数で全体的に拡大
または縮小する方法を提供する。精度vs.速度フィー
ルド127は、0.0〜1.0の尺度で速度と精度の間
の所望のトレードオフを提供する。上記のトレードオフ
は、ダイナミックミラーの位置決めの精度が、ミラーの
速度の上昇に従って減少する場合に必要となる。
【0211】Do Prepare(準備実行): D
o Prepare(準備実行)は、部品ファイルのス
ライス過程を開始させ、引続いて造形ファイルを作製す
る。
【0212】部品がまだファイルに保存されていない場
合は、部品を保存しなければならないという注意を与え
るダイアログボックスが表示される。この場合の通常の
応答はSave(保存)ボタンをクリックすることであ
る。次の画面で、デフォルトの部品名を認めるか、新し
い部品名をタイプするかを決める。選択した名前が現在
のダイレクトリにすでに存在する場合は、古いファイル
を上書きするか、または、別の部品名を選ぶかの選択を
する。
【0213】部品名が受け付けられた後、スライスされ
る構成要素のリストがダイアログボックスにより示さ
れ、低(low)、中(medium)あるいは高(h
igh)の優先度の選択肢が与えられる。スライス処理
は、プロセッサーに集中した作業であり、複雑な部品の
場合にはワークステーションをかなり長時間占有する作
業であるから、このような選択肢が与えられるのであ
る。スライス処理に低(low)優先度を選択すると、
スライスを行っている間、ワークステーションを他の目
的にも使用することができる。反対に、スライスに高
(high)優先度を選択すると、スライスを完了する
のに要する時間は最少になるが、ワークステーションを
他の目的に使用する機会は殆ど提供されない。
【0214】上記の選択肢の1つを選択すると、スライ
ス過程が開始される。該過程を監視できるように、画面
に窓が自動的に現われる。窓の下部のAbort(中
止)ボタンは、スライス過程に問題が生じた際のエスケ
ープ手段を提供するものである。
【0215】各構成要素のスライスが開始されるごと
に、画面上に個別のメッセージが表示される。すべての
構成要素がスライスされると、収束処理が開始されてい
るというメッセージが示される。収束処理段階では、パ
ートマネージャは、全てのスライスファイルを関連する
スタイル情報と統合し、スタイル間の不一致を解消し、
そしてこのデータから造形ファイルを作製する。最後
に、窓(第35図)が収束が完了したことを示し、メッ
セージファイルの選択肢を提供する。メッセージファイ
ルは、部品の各構成要素ごとに作製される。
【0216】メッセージファイルは、その名前を指して
クリックすれば選択できる。ある構成要素用に表示され
たメッセージファイル(第36図)は、構成要素ファイ
ルからロードされた各タイプの三角形の数を示し、生じ
得る問題を記した警告メッセージも示す。画面に表示し
きれない程多くの警告メッセージがある場合は、スクロ
ールバーで、隠れたメッセージへのスクロールを行うこ
とができる。スライス処理は、先に引用した米国特許第
311,664号で、詳細に論じられている。
【0217】Do Prepare(準備実行)はま
た、造形ファイルを作製し、それを現在のディレクトリ
に書き込む。その後、該造形ファイルは、部品造形過程
の間において制御コンピュータによりアクセスされる。
【0218】造形ファイルのフォーマットを要約する
と、下記の通りである。
【0219】1. 全体セクション(Global s
ection) 2. 構成要素の全体セクション(Global co
mponent section) 3. 層セクション(Layer section) a. 層セクション0(Layer section
0) 1) 構成要素0セクション(Component 0
section) ブロック1 ブロック2 : ブロックn 2) 構成要素1セクション(Component 1
section) ブロック1 ブロック2 : ブロックm : : b. 層セクション1(Layer section
1) 1) 構成要素0セクション(Component 0
section) ブロック1 ブロック2 : ブロックp 2) 構成要素1セクション(Component 1
section) ブロック1 ブロック2 : ブロックq : 終 り 上記のように、ファイルは、部品全体のための全体セク
ション、各構成要素のための全体セクション、および各
層のためのセクションを含んでいる。各層セクション中
には、各構成要素用のサブセクションが提供されてお
り、1つの構成要素中には、各ベクトルブロックが提供
されている。
【0220】造形ファイルの一例を以下に示す。
【0221】
【表6】
【表7】
【表8】 上記のフィールド#1−#74は全体セクションを成し
ており、フィールド#84−#143は、この例におけ
る唯一の構成要素である構成要素0のための全体セクシ
ョンを含んでいる。フィールド#153−#195は、
この例における唯一の層の層セクションを成している。
層セクションは、当該層のためのリコーティングパラメ
ータを規定する。フィールド#202一#222は、構
成要素固有の造形パラメータを規定する。(構成要素の
全体フィールド#84−#143は、構成要素セクショ
ンにおいても重複記述されていることに注意されたい。
これは、各構成要素セクションを、造形ファイルの残り
の部分とは独立に、制御コンピュータによって直接実行
できるようにするためである。)構成要素固有のパラメ
ータの後に、各ベクトルがベクトルの形式にしたがって
一覧表示される。全体セクション中の各フィールドの説
明を以下に記す。
【0222】フィールド 説 明 TOMILS 各単位中のミル数(下のUNAME参照) UNAME データを記述する単位 TITLE 部品の題名 CDATE 製作日付 MINBHCD 全構成要素、全層に対する最小ハッチ硬化深さ MAXBHCD 全構成要素、全層に対する最大ハッチ硬化深さ MINFCD 全構成要素、全層に対する最小充填硬化深さ MAXFCD 全構成要素、全層に対する最大充填硬化深さ OFFAC 過剰硬化係数 XSCALE,YSCALE, ZSCALE 全体拡大縮小係数 典型的には収縮を相殺するためのもの SPEEDF 速度vs.精度のトレードオフ 典型的には、ある範囲のレザーパワー設定のうちの1つと、 それに対応するミラー速度を選択するために使用される。
【0223】 NCOMPS 構成要素の数 PMINX,PMAXX,PMINY,PMAXY 部品の広がり NPCOPY 部品のコピーの数 PROTO,PZSCALEO,PXSCALEO,PYSCALE,PXOFFO,PYOFFO 各コピーについての回転、倍率およびオフセット 各構成要素の全体セクション中にあるフィールドの説明
を以下に記す。
【0224】 CNAME 構成要素名 CNUM 構成要素の数 CMINX,CMAXX,CMINY,CMAXY,CMINZ,CMAXZ 構成要素の広がり NCCOPY 構成要素のコピーの数 CROTO,CZSCALEO,CXSCALEO,CYSCALEO,CXOFFO,CYOFFO 各コピーに対する回転、倍率およびオフセット 層セクション中にある全体フィールドの説明を、以下に
記す。
【0225】 LTHICK 層厚さ ZWAIT 掃引後の水準調整待時間 ZDIP 支持台の含浸量 ZVEL エレベータ速度 ZACCEL エレベータ加速度 PDDELAY 含浸後遅延時間 NSWEEPS リコータの掃引回数 STVEL1 SSPOS1までのブレード起動速度(以下を参照) SSPOS1 掃引開始位置 SEPOS1 掃引終了位置 BVEL1 ブレード速度 BGAP1 ブレードギャップ PSDELAY1 掃引後遅延時間 最後に、層セクション中にある、各構成要素固有のフィ
ールド(先に説明した構成要素の全体フィールド以外の
もの)について説明する。
【0226】 NUMH ハッチ線の数 HANG1,HANG2,HANG3 NUMHで指定される各ハッチ線の角度 HSPACE1, HSPACE2, HSPACE3 NUMHで指定される各ハッチ線の間隔 HSTEP 隣接する層においてハッチベクトルを僅かにずらす角 度 BCD 境界硬化深さ UPHCD 上向き面ハッチ硬化深さ DNHCD 下向き面ハッチ硬化深さ XFSPACE,YFSPACE XおよびY充填間隔 FCD 充填硬化深さ UPFCD 上向き面充填硬化深さ DNFCD 下向き面充填硬化深さ 前述したように、個々のスライスされた構成要素ファイ
ルを組み合わせて1つの造形ファイルを作製する場合、
同一の層に関与する別個の構成要素とそれぞれ組み合わ
された各リコーティングパラメータの間における不一致
を、パートマネージャーが解消しなくてはならない場合
がある。現行では、これを実行するために、パートマネ
ージャは全構成要素の間で次の選択を行う。
【0227】リコーティングパラメータ 全構成要素からの選択方法 ZDIP 最大値 ZVEL 最小値 ZACCEL 最小値 PDDELAY 最大値 ZWAIT 最大値 NSWEEPS 最大値 BVEL 最大掃引回数を有する構成要素; 同じ回数(tie)のものがある場合、 それらの構成要素中、最小の値を採る。
【0228】 BGAP 最大掃引回数を有する構成要素: 同じ回数(tie)のものがある場合、 それらの構成要素中、最大の値を採る。
【0229】 PSDELAY 最大掃引回数を有する構成要素: 同じ回数(tie)のものがある場合、 それらの構成要素中、最大の値を採る。
【0230】上の表によると、例えばある特定の層に対
し、パートマネージャは、その層上び全構成要素のリコ
ーティングスタイルの中から、ZDlP(Z含浸)の最
大値を選択する。別の例を挙げると、パートマネージャ
は、その層上の全構成要素に対する、最大値に等しい値
にNSWEEPS値(掃引回数)を設定し、また各掃引
に対するBVALを、その構成要素のために指定された
値に設定する。
【0231】各パラメータに対する上述の特定の解決方
法は、可能な解決方法の中から最も安全な方法をとるよ
うに考えられたものである。例えば、エレベータに関す
る最初の5つのパラメータについては、最大の待時間お
よび含浸距離を選択し、かつ最小の速度と加速度を選択
するのが、最も安全な方法である。リコータに関する次
の4つのパラメータについては、最大の掃引回数を有す
る構成要素に付随したパラメータを選択するのが最も安
全な方法である。同じ回数(tie)のものがある場合
には、最大の遅延時間およびブレードギャップ、ならび
に最小の速度を採って不一致を解消することが、最も安
全な方法である。
【0232】ビーム幅補償 パートマネージャはさらに、造形ファイルの中で終結す
る境界ベクトルのビーム幅補償を行う。ビーム幅補償の
目的は、与えられた層の境界が走査される際に、レーザ
ービームの有限の半径を補償することにある。パートマ
ネージャは、先ず、ビーム幅補償量を決定する。このビ
ーム幅補償量は典型的には硬化半径であって、ユーザー
の入力により決定されるか、またはビームプロファイラ
によりリアルタイムで自動的に決定される。まずパート
マネージャは、各層について、層内部の境界、平坦な上
向き面境界と平坦な下向き面境界、および平坦に近い上
向き面境界と平坦に近い下向き面境界等の、特定の境界
形式を有するすべての多角形を集める。パートマネージ
ャは、多角形の各頂点について、もとの頂点の内側への
2等分線に沿って、該もとの頂点を形成する2辺に接す
る半径rの円の中心までの距離に等しい距離dだけ、該
多角形の頂点を移動させる。もとの頂点から移動後の頂
点へと繋がる長さdのベクトルを、変位ベクトルとい
う。多角形の頂点が全部移動された後、パートマネージ
ャは移動された頂点に対応する境界ベクトルを再規定し
て、それらを造形ファイル内に置く。例外的な場合を以
下に説明する。
【0233】1) dがsqrt(2)×rを越える場
合は、そのdはsqrt(2)×rまで減らされる。
【0234】2) 変位ベクトルが、二倍されて端点と
端点を繋げて置かれるともとの多角形の境界を越えてし
まう場合には、該二倍されたベクトルが該境界ベクトル
にちょうど接するようになるまで、該変位ベクトルは短
くされる。
【0235】3) 異なる頂点からの2本の変位ベクト
ルが交差する場合は、それらの長さを交差する点まで短
くする。
【0236】4) 変位ベクトルが補償後の多角形の再
描画された境界と交差する場合には、再描画された境界
を(それに対応する変位ベクトルの長さを減らすことに
よって)交差する変位ベクトルにちょうど接する所まで
後退させる。上記の再描画された境界は、もとの境界に
対してできるだけ平行にされる。
【0237】変位ベクトルを調節した後、移動された頂
点を結ぶことにより境界が再描画され、該境界が造形フ
ァイルに送られる。ビーム補償についてのさらなる情報
は、先に引用した米国特許出願第331,664号から
得られる。
【0238】Config(コンフィグ)メニュー Config(コンフィグ)メニュー(第37図)は、
デフォルトの条件を設定する方法を提供する。該メニュ
ー中の各フィールドは、各々デフォルトの条件を表わ
し、フィールドの内容は、新しい内容をタイプすること
によって設定または変更することができる。各フィール
ドについて以下に説明する。
【0239】Work Dir(ワークディレクト
リ): ワークディレクトリは、中間ファイルのほか
に、構成要素ファイルおよび部品ファイルを含んでい
る。このフィールドは、デフォルトのワークディレクト
リを含んでいる。
【0240】Bff Dir(.bffディレクト
リ): パートマネージャによりつくられた造形ファイ
ルは、このディレクトリに書き込まれる。このフィール
ドは、デフォルトの.bffディレクトリを指定する。
【0241】Style Dir(スタイルディレクト
リ): このディレクトリは、スタイルファイルを含ん
でいる。このフィールドは、デフォルトのスタイルディ
レクトリを含んでいる。
【0242】Style(スタイル): このフィール
ドには、構成要素がスプレッドシートに追加される際
に、該構成要素を初期化するデフォルトのスタイルが含
まれている。
【0243】CAD Units(CAD単位): こ
のフィールドは、デフォルトのCAD単位をin(イン
チ)、mill(ミル)、mm(ミリメートル)、cm
(センチメートル)、m(メートル)またはft(フィ
ート)により記述することを可能にする。
【0244】Slice Axis(スライス軸)
このフィールドは、デフォルトのスライス軸を指定す
る。
【0245】CAD Hand(CADハンド): こ
のフィールドは、CADシステムのデフォルトの方向を
右手方向(ライトハンド)か左手方向(レフトハンド)
かに指定する。
【0246】Fileman(ファイル管理)メニュ
: FileMan(ファイル管理)メニュー(第3
8図)は各種のファイル管理機能を提供する。このメニ
ューの各項目を以下で説明する。
【0247】1) Copy(コピー) Copy
(コピー)はファイルをコピーする能力を提供する。C
opy(コピー)をクリックすると、適切なディレクト
リとファイルを指定するのに使用できるダイアログボッ
クスが現われる。
【0248】ダイアログボックスの最上部は、コピー元
のファイルのあるディレクトリを選択するのに使用され
る。画面の中央部に、選択されたディレクトリ中のファ
イルが一覧表示される。
【0249】コピー元のファイルを選択するには、ユー
ザーはファイル名をクリックすればよい。該ファイル名
の表示色が黒から赤に変わり、また該ファイル名がファ
イル名一覧の下にあるボックスの中に表示される。次い
でユーザーが、選択を確認するためにSelect(選
択)ボタンをクリックすると、編集カーソルがダイアロ
グボックスの下部近くにあるボックスの中に現われる。
ユーザーは、このボックスを用いて、ファイルのコピー
の名前を入力する。1個または複数のファイルを選択す
ることができる。
【0250】最後に、ユーザーがCopy(コピー)ボ
タンをクリックすると、ファイルがコピーされる。
【0251】個々のファイルをコピーするほかに、Al
l(全て)ボタンをクリックすることによって、コピー
元のディレクトリ中の全ファイルを選択することも可能
である。
【0252】2) Rename(名前変更) Re
name(名前変更)ファイル管理ユーティリティは、
個々のファイルの名前を変更するために使用される。コ
ピーダイアログボックスに類似したダイアログボックス
が、ディレクトリとファイルの選択、およびファイルの
新しい名前の入力に使用される。
【0253】3) Delete(削除) Dele
te(削除)ファイル管理ユーティリティは、個々のフ
ァイルまたは複数のファイルを削除するのに使用され
る。コピーダイアログボックスに類似したダイアログボ
ックスが、ディレクトリの選択と、削除するファイルの
選択のために使用される。
【0254】4) Backup(バックアップ)
Backup(バックアップ)ファイル管理ユーティ
リティは、ファイルをテープカートリッジへバックアッ
プするために使用される。コピーダイアログボックスに
類似したダイアログボックスが、ディレクトリの選択と
バックアップするファイルの選択のために使用される。
バックアップ処理が進行するのに従って、バックアップ
が済んだファイルの名前が画面に表示される。
【0255】5) Restore(復元) Res
tore(復元)ファイル管理ユーティリティは、以前
にテープカートリッジにバックアップされたファイル
を、ディスクに復元するために使用される。Resto
re(復元)をクリックすると、ファイルがバックアッ
プされているテープカートリッジをカートリッジ駆動機
構に挿入するようにユーザーに教示するメッセージが表
示される。ファイルは、自動的にもとのディレクトリ上
に復元される。
【0256】6) Space(空き領域) Spa
ce(空き領域)ファイル管理ユーティリティは、ディ
スクの使用されていない空き領域の量を表示する。
【0257】7) Cleanup(クリーンアップ)
Cleanup(クリーンアップ)ファイル管理ユ
ーティリティは、パートマネージャでつくられた中間フ
ァイルを削除する。また、名前を指定された他のファイ
ルの削除にも使用可能である。
【0258】8) Unix UnixはIRISウ
ィンドウへのアクセスを提供する。
【0259】構成要素および部品のビュー メインメニューからアクセスできるView(ビュー)
機能は、構成要素および部品をワークステーションのモ
ニターに表示させ、倍率を変化させながら、また任意の
角度から、それらの構成要素および部品を概観すること
を可能とするものである。
【0260】View(ビュー)において作業する場
合、ビューの対象となっているものと、ビューを行って
いるものとを明確に区別することが有用である。以下で
は、ビューの対象となる構成要素または部品を物体と呼
び、ビューを行う装置をカメラと呼ぶ。
【0261】View(ビュー)を使用する際の最初の
ステップは、画面上に空白のビューウィンドウを開くこ
とである。次に、適切な構成要素ファイル、スライスフ
ァイルまたは造形ファイル(それぞれ、.stl,.sliまた
は.bffのファイル形式を有する)にアクセスすることに
より、ビューの対象となる物体を画面に表示させる。こ
のようにして、パートマネージャは、これらのファイル
形式のいずれをも表示させることができる。
【0262】物体が最初に画面に表示される際には、フ
ァイルで定義された通りの向きで、正面から概観される
ように表示される。物体の位置を変えること、カメラの
位置を変えること、または物体とカメラの両者の位置を
変えることによって、様々な角度および距離から物体を
概観することができる。
【0263】View(ビュー)にアクセスするには、
ユーザーはメインメニューでView(ビュー)の項目
を指してマウスのボタンをクリックすればよい。数秒
後、画面からスプレッドシートが消え、最上部に横方向
のメニューを伴った空白のビューウィンドウに置き換わ
る(第39図)。
【0264】View(ビュー)メニューは参照番号1
28で識別されている。また、ビューウィンドウでは、
物体のワイヤフレーム表現が表示される。
【0265】メニューの各項目の機能を以下に述べる。
【0266】File(ファイル):以下の機能を含
む。
【0267】1)New(新規):すでに存在するウィ
ンドウに重ねて、新しいビューウィンドウを作製する。
【0268】2)Lord(ロード):ビューの対象と
なる構成要素または部品を選択するドロップダウンメニ
ューを表示する。このメニューから、構成要素(.stl)
ファイル、スライス(.sli)ファイルおよび造形(.bf
f)ファイルにアクセスできる。
【0269】3)Save(保存):現在表示されてい
るファイルを、現行のファイル名で保存する。
【0270】4)Save As(名前を付けて保
存):ユーザにファイル名を割り当てる機会を与えてか
ら、現在ビューの対象となっているファイルを保存す
る。
【0271】5)Clear(クリア):ビュー画面を
クリアする。
【0272】6)Quit(終了):ビュー画面を消
し、以前のスプレッドシートを再び表示させる。
【0273】View(ビュー):以下の機能を含む。
【0274】1)Zoom(ズーム):ビューの対象と
なっている画像の一部を拡大する。
【0275】2)Change(変更):現在のカメラ
位置を変更する。詳細については、以下の変更ダイアロ
グボックスの説明を参照。
【0276】3)Reset(リセット):ビューのた
めに行われたすべての変更を、初期状態に復元する。
【0277】4)Select(選択):斜視図、正面
図、平面図または左側面図を選択する。
【0278】5)Load(ロード):事前に規定され
たビュー条件を備えたファイルをロードする。
【0279】6)Save(保存):現在のビュー条件
をファイルとしてセーブする。
【0280】7)Copy(コピー):ビュー条件を含
むファイルをコピーする。
【0281】Light(ライト):Light(ライ
ト)は、ビューの対象となっている物体を照らす照明
を、制御する諸機能を含む。
【0282】Object(オブジェクト):物体のビ
ューがどのように行われるかを左右する各機能を含む。
これらの機能は以下の通りである。
【0283】1)Select(選択):名前によって
物体を選択する。
【0284】2)DrawMode(描画モード):構
成要素または部品が画面でどのように描かれるかを決定
する選択肢、すなわちワイヤフレーム表現を決定する選
択肢を与える。
【0285】3)Orient(配置方向):部品の配
置方向を変更する。詳細については、後述の変更ダイア
ログボックスの説明を参照。
【0286】4)Layers(層):ビューのために
特定の層範囲を選択する。詳細については、後述の変更
ダイアログボックスの説明を参照。
【0287】ビュー配置方向の変更 View(ビュー)メニューでは、Change(変
更)機能によってカメラの位置を変更できる。Obje
ct(オブジェクト)メニューでは、Orient(オ
リエント)機能によって物体の配置方向を変更できる。
両機能とも、第40図に示すダイアログボックスを提供
する。
【0288】ダイアログボックスの上部の区域129
は、X,YおよびZ軸に沿ってカメラ位置を変更(移
動)させるために使用される。中間の区域130は、各
軸を中心としてカメラを回転させる。下部の区域131
は、物体に対してカメラを近づけたり遠ざけたりする移
動を行う。
【0289】各移動フィールドは、現在の状態を指し示
すポインタを伴ったスケールによって表現されている。
さらに、現在の状態は該スケールの上に数値でも表示さ
れている。
【0290】各フィールドの状態は、数値的またはグラ
フィック的に変更できる。状態を数値的に変更するに
は、ユーザーは、変更したい現在の移動状態を表す数値
を指してマウスのボタンをクリックする。白色の編集カ
ーソルが数値の隣に表示される。新しい数値を入力し、
エンターキーを押す。するとそのフィールドはすぐに新
しい値を受け付け、ポインタが動き、その値をグラフィ
ック的に示す。
【0291】フィールドの状態は、スクロールバーを使
用して表示画面領域を変化させる方法と同様の方法によ
って、グラフィック的にも変更できる。一つの方法は、
マウスをスケールのポインタに合わせ、マウスのボタン
をプレスしてからドラッグし、ポインタを新しい位置に
動かすことである。別の方法は、マウスをスケールの右
端または左端の四角に合わせ、マウスのボタンを押さえ
続けることである。ポインタは、アクティブ化された側
の四角に向かって動く。
【0292】各スケールの左端に赤色の正方形がある。
正方形の内部は、マウスをそれに合わせてマウスのボタ
ンをクリックすることによって緑色に変わる。正方形が
緑色にされると、ポインタのいずれかが移動している
間、カメラは連続的に移動する。正方形が赤色の場合
は、ポインタが新しい位置に移動し、マウスのボタンを
放した後でないと、カメラは移動しない。緑色モードは
カメラの移動結果を知るのを助け、一方、赤色モードは
カメラをある位置から別の位置により素早く動かす。
【0293】前の数段落で、カメラ位置を制御するダイ
アログボックスの使用法を説明した。同様のダイアログ
ボックスが物***置を制御する。
【0294】Object(オブジェクト)メニューに
は、ビューの対象となる層範囲を選択するために用いる
Layers(層)という項目が含まれている。この項
目を選択すると、カメラおよび物体の位置を制御するた
めに使用されるインジケータに類似した、3つのインジ
ケータを有するダイアログボックスが表示される(第4
1図)。これらのインジケータは、上述したばかりの手
法と同様の手法で制御される。Scale(拡大縮小)
と表示された上部のボックス132は、画面上の層間隔
を調整するために使用される。それぞれ、Min(最
下)およびMax(最上)と表示された、項目133お
よび134の2つのインジケータは、表示される層範囲
を選択するものである。
【0295】以上でパートマネージャの説明を終了す
る。パートマネージャの重要な側面は、スプレッドシー
ト形式の管理であり、これによりユーザは、部品、特に
大型または複雑な部品を製作するのに必要なデータを整
理し把握するための、簡便な方法を得られる。スプレッ
ドシートはまた、大型または複雑な部品を、個別に管理
できる構成要素に分解することを可能にする。パートマ
ネージャの他の利点は、特に初心者のユーザによる利用
を容易にし、また、ユーザが実施の詳細および造形パラ
メータに精通する必要がなくなる点である。これらのパ
ラメータの多くは、スタイルファイルおよびリコートス
タイルファイルのライブラリイにおいて指定され、その
後、初心者であるユーザによって、スプレッドシートを
用いて個別の構成要素と順次組み合わせられることが可
能である。
【0296】パートマネージャの機能が通常作動するシ
ーケンスの概要を第42図に示す。パートマネージャ
は、.stlファイルがCAD/CAMシステム32によっ
て与えられた後に動作を開始する。
【0297】ユーザは、ステップ136でパートマネー
ジャに入り、ステップ137で作業対象とする部品を指
定する。項目138で示されているように、ユーザに
は、新しい部品を対象として作業するか、既存の部品を
対象として作業を再開するかの選択肢が与えられる。ス
テップ139では、ユーザーは、上記の部品に付随させ
られた構成要素を指定する。図示のように、各構成要素
が自己の.stlファイルと組み合わされた後、これらの各
ファイルは、上記の部品の部品ファイルと組み合わされ
る。項目148に示されるように、ユーザは、構成要素
ファイルを変更することや、該ファイルをPresli
ce(予行スライス)することを選択することもでき、
それによってパートマネージャは、表現されている構成
要素が複数の三角形で完全に規定されているかなどを確
かめるための、検査を行うことができる。次に、ステッ
プ140で、ユーザは各構成要素の層範囲情報を指定す
る。項目141に示されるように、これは構成要素への
層範囲の追加、および、各層範囲に対するスタイルファ
イルおよびリコートスタイルファイルの指定を含む。
【0298】ステップ142では、ユーザは部品を概観
(ビュー)することができ、項目143に示されるよう
に、該部品を選択的に空間移動させたり拡大縮小した
後、支持部が造形されるべき部分を指定できる。
【0299】ステップ144において、ユーザは、項目
145に示されるように、部品への基盤の追加、いくつ
かの全体造形パラメータの指定、部品のスライスといっ
たサブステップを含む、造形前の最終ステップを実行す
る。これにより造形ファイルが生成される。ステップ1
46で、ユーザは特定のファイル管理タスクを実行する
ことができ、これには項目147で指定されている機能
の一部を利用することも含まれ得る。最後に、生成され
た造形ファイルは、部品造形のために制御コンピュータ
1に渡される。上記の各ファイルについてのファイルフ
ォーマットは、すでに議論した。
【0300】CFABの説明 造形ファイルが制御コンピュータに転送されると、この
コンピュータで走行するソフトウェアであって、CFA
Bとして知られている部品製作ソフトウェアの実行が開
始可能となる。パートマネージャと同様、CFABもメ
ニューを通じてユーザーとインタラクションする。
【0301】ユーザがCFABに部品製作を開始するよ
うに命令すると、CFABはDSPと共同して、部品製
作過程を開始するためにアクティビティを調整する。
【0302】タスクの全体的な分配 第43図は、制御コンピュータと2つのDSPの間にお
ける、全体的なタスクの分配を示している。制御コンピ
ュータで実行されるプログラムは、BEAM.EXE,
CFAB.EXEおよびBETWEEN.EXEであ
り、それぞれ番号151,150および152で識別さ
れている。これらのプログラムは共同で、レーザ11、
ビームセンサ8、エレベータ9、スイーパ7、プランジ
ャ5および減衰器22の動作を制御監視する役目を果た
す。さらに、制御コンピュータは、ハッチベクトルおよ
び充填ベクトルの生成も担っており、このタスクは番号
157で識別されている。
【0303】ステレオDSP34は、ベクトルの幾何学
的補正およびドリフト補正のタスクの実行を担当してい
る。これらのタスクおよびその関連タスクは、番号16
2〜165、および167〜169で識別されている。
【0304】サーボDSP35は、シャッタ20の制御
と、ダイナミックミラーの位置の制御および監視を行っ
ている。ミラーの制御は、ディジタル/アナログ変換器
(DAC)38によりミラーに位置決めコマンドを与え
ることによって行われる。ミラーの位置の監視は、エン
コーダ37により、連続的に更新されるミラーの現在位
置に関する情報を受信することによって行われる。
【0305】制御コンピュータおよび2つのDSPによ
って実行されるタスクは、通常、同時に動作する並列プ
ロセッサとして構成された制御コンピュータおよびDS
Pを用いて、並行して実行される。しかし、本発明は、
この機器構成に限定されるものではなく、他の機器構成
も含むこともできる。例えば、数個の同時に動作する並
列プロセッサを用いた、マルチプロセッサ構成も可能で
ある。また、数個の同時に動作する並列プロセッサを含
む単一の集積回路を用いた構成も考えられる。さらに、
単一のプロセッサによる時分割方式で各種タスクが実行
されるのを可能にする構成を含めて、マルチタスク機能
を採用した単一プロセッサ構成も可能である。従って、
前述の説明は何ら限定する意図のものではない。
【0306】次に、これらのプロセッサのそれぞれによ
って実行されるタスクを詳細に説明する。第43図に示
すように、.bffファイル149がプロセス全体を駆動す
る。このファイルは、CFABプログラムによって受け
取られ、該ファイルからデータが取り出される。番号1
75で識別された、エレベータ、スイーパおよびプラン
ジャの制御に関する造形パラメータは、BETWEE
N.EXEプログラムに渡され、各々の対応する装置を
制御するために使用される。
【0307】番号156で識別された境界ベクトルは、
抽出された後、ステップ157に示されるように、ハッ
チベクトルおよび充填ベクトルを「休みなく」計算する
ために使用される。
【0308】ハッチベクトルおよび充填ベクトルの生成 ハッチベクトルおよび充填ベクトルを計算するためのア
ルゴリズムを、第44図のフローチャートに示す。図示
の通り、ステップ177で、該アルゴリズムはまずハッ
チ線または充填線を計算する。これらの線は、ハッチベ
クトルまたは充填ベクトルの形式および間隔を示す.bff
ファイルにおいて与えられた情報から計算される。その
後、これらの線は層の境界ベクトルに重ね合わされ、そ
の層のハッチベクトルまたは充填べクトルを生成する過
程が開始される。(以下に述べる理由のために)重要な
必要条件は、上記の線が、層のX,Y座標空間のうちの
一方の座標(通常はY座標)に対して平行であることで
ある。例えば、第45図では、ハッチ線/充填線はY軸
に対して平行に配置されている。第45図は、特定の層
の境界ベクトル187の上に、間隔を置いて重ね合わさ
れたハッチ線/充填線186を示している。連続するハ
ッチ線/充填線は、番号186a,186b,186
c...によって識別されている。連続する境界ベクト
ルは、番号187a,187b,187c...によっ
て識別されている。ハッチ線/充填線の間隔および方向
は、.bffファイルから得たデータによって決定される。
【0309】第44図に戻ってステップ178では、ハ
ッチ線/充填線と境界ベクトルとの交点が決定される。
データ記憶を容易にするために、対応するハッチ線/充
填線によって交点を分類するのではなく、与えられたあ
る境界ベクトルについての全交点が一纏めにされる。例
えば、第45図では、交点188a,188bおよび1
88cは、境界ベクトル187aに付随させられる。
【0310】次に、第44図のステップ179では、個
々のハッチ線/充填線についての全部の交点が一つの群
に分類されるように、交点が再分類される。これらの交
点はその後、ハッチ線/充填線の方向に沿って再び順序
付けられる。例えば、第45図において、交点188b
および188dは一つの群として組み合わされた後、点
188dが先、188bが後に現れるように順序付けら
れる(ハッチ線/充填線186bの方向は紙面の上方向
に向かっているものと想定している)。
【0311】次に、第44図のステップ180では、境
界ベクトルに関して定量的嵩み解析が実行される。定量
的嵩み解析では、各境界ベクトルの方向が、ハッチ線/
充填線の方向と比較され、境界ベクトルが増加している
のか減少しているのかが判定される。この判定は、ハッ
チ線/充填線の方向に垂直な座標、すなわち、第45図
ではX座標に基づいて行うことができる。境界ベクトル
の端点における垂直な座標(X座標)が特定され、交点
のX座標と比較される。前者が大きければ、その境界ベ
クトルは増加しているものとみなされ、小さければ、減
少しているものとみなされる。そして、この比較にもと
づいて各境界ベクトルに定量的嵩み数が割り当てられ
る。
【0312】この比較を行うにあたり、全境界ベクトル
は“左手の法則”に従うものと想定され、そのため、連
続する境界ベクトルの方向は、時計回りの方向で層の内
部領域を囲むことが保証される。例えば、第45図で、
連続する境界ベクトル187a,187b,187
c...は時計回りの方向で層の内部領域189を囲ん
でいる。
【0313】境界ベクトルが増加している場合、該ベク
トルには数+2が割り当てられ、減少している場合、数
−2が割り当てられる。従って、第45図において、境
界ベクトル187dおよび187cには+2の定量的嵩
み数が割り当てられ、ベクトル187aおよび187b
には−2の定量的嵩み数が割り当てられる。増加してい
る各ベクトルの端点には数+1が割り当てられ、減少し
ている各ベクトルの端点には−1が割り当てられる。平
行な境界ベクトルおよびその端点には、数0が割り当て
られる。
【0314】次に、第44図において、各ハッチ線/充
填線について、各交点における定量的嵩み数の現在合計
が以下のように計算される。最初に、現在合計は0に設
定される。その後、各交点が順に考慮され、各交点にお
いて、その交点の定量的嵩み数が現在合計に加算され
る。
【0315】上記作業の各ステップで、現在合計が評価
される。ステップ183において、現在合計が0から正
の数に変化すれば、ハッチベクトル/充填ベクトルの生
成が開始され、現在の交点がベクトルの始点として認識
される。ステップ182において、現在合計が正の数か
ら0に変化すれば、ハッチベクトル/充填ベクトルの生
成は終了し、現在の交点がベクトルの終点として認識さ
れる。現在合計がゼロでなく正であり、かつ交点を過ぎ
てもゼロでなく正であり続ける場合は、すでに開始され
ているハッチベクトル/充填ベクトルの生成が継続され
る。現在合計がゼロであり、かつ交点を過ぎてもゼロで
あり続ける場合は、同様に、ハッチベクトル/充填ベク
トルの非生成が継続される。この後の記述で明らかにさ
れる理由のために、現在合計が0より小さくなることは
ない点に注意されたい。
【0316】第45図において、ハッチ線/充填線18
6c上において交点188dに出会うと、+2が現在合
計に加算される。この点で、現在合計は0から+2に変
化し、該交点の座標はハッチベクトル/充填ベクトルの
始点として認識される。次に、交点188bにおいて、
−2が現在合計に加算され、それによって現在合計は+
2から0になる。従って、以前に開始されたハッチベク
トルの生成は終了し、該交点の座標はベクトルの終点と
して認識される。
【0317】第44図に戻って、ステップ184では、
すべての余分な端点が除去され、各1つのハッチ線/充
填線に関するすべてのハッチベクトル/充填ベクトル
が、その生成順に、1つのバッチ内に纏めて記憶され
る。それらのベクトルは、その後ステップ185におい
て、描画される順に順序付けし直される。
【0318】上記のベクトルは、硬化が望まれない樹脂
液面上の領域に関するレーザビームのジャンプを、最小
限にするように順序付けし直される。これは、より強力
なレーザの使用において特に重要である。この順序付け
は、各バッチの最上部から順に1つのベクトルを取り出
し、描画されるべきリストに加え、次に連続するバッチ
について同じ作業を繰り返すことによって行われる。す
べてのバッチが考慮された後、今度は逆順で、これらす
べてのバッチが再び考慮される。ベクトルのリストは、
バッチから取り出された順、すなわちベクトルが描画さ
れる順に作製される。その後、連続するベクトルが交番
方向に向くようにベクトルの方向が調整される。
【0319】ベクトルの順序付けを第46図によってさ
らに詳細に説明する。第46図には番号190a〜19
0kで識別されるハッチベクトルが示されている。これ
らのベクトルは、中抜きの固体方形枠を含む層の境界ベ
クトルの上に、ハッチ線191a〜191gが重ね合わ
されて生成されたものである。上記の枠の固体部分は、
斜線を付け参照番号192で特定されており、中抜きの
部分は参照番号193で特定されている。
【0320】第44図のアルゴリズムに従うと、ステッ
プ184において、これらのハッチベクトルは、各ハッ
チ線と組み合わされた順序付けられたバッチに、以下の
ように入れられる。
【0321】ハッチ線 順序付けられたバッチ 方向 191a 190a 上 191b 190b 上 191c 190c,190k 上 191d 190d,190j 上 191e 190e,190i 上 191f 190f,190h 上 191g 190g 上 初めは、全ベクトルはハッチ線の方向を向いており、こ
れは紙面の上方に向く方向であると想定されている。
【0322】ステップ185において、これらのハッチ
ベクトルは、ジャンプ距離を最小限にするために、描画
される順に配置される。このため、連続するバッチの最
上部からベクトルが順に取り出され、リストに加えられ
る。まずバッチ191a〜191gが順次考慮される。
次に、さらにベクトルが残っているので、それらのバッ
チが再び考慮されるが、今度は逆順に考慮される。その
後には、もはや各バッチにベクトルは残っていない。そ
の後、リスト中に存在する連続するベクトルが考慮さ
れ、連続する2つのベクトルが交番する方向を向くよう
に、それぞれの方向が調整される。これが終了すると、
第46図のベクトルの順序付けられたリストは次のよう
になる。
【0323】ベクトル 方向 190a 上 190b 下 190c 上 190d 下 190e 上 190f 下 190g 上 190h 下 190i 上 190j 下 190k 上 上記の結果、レーザビームが中抜き部分193を横切る
必要は全くなくなる。
【0324】本発明の重要な側面は、ハッチ線/充填線
が層の固体部分に出入りする時点を正確に検出すること
ができる、第44図のアルゴリズムの能力である。この
アルゴリズムは、線と組み合わされた定量的嵩み数の現
在合計を用いて、上記の能力を達成している。現在合計
がゼロより大きければ、その線は固体部分に入ってお
り、まだ該固体部分から出ていないとみなされる。現在
合計がゼロであれば、その線は、まだ固体部分に入って
いないか、あるいは固体部分に入ってから出たものとみ
なされる。
【0325】このアルゴリズムは、第45図の点188
aまたは188eのような、2本の境界ベクトルが交わ
る頂点にハッチ線が交差するような場合をも、容易に取
り扱うことができる。点188aに関して言うと、線1
86aとこの点との交差は、この線が層の固体部分に入
ってすぐに出ているので、ハッチベクトルまたは充填ベ
クトルの生成を行わないし、また行うべきではない。こ
れは、上記の点と線との交差が、境界ベクトル187a
および187dと、上記の線との同時的な交差として処
理される結果である。すなわち、ベクトル187dにつ
いて+1が加算されると同時に、ベクトル187aにつ
いて−1が加算される。従って、現在合計は0のまま変
わらない。
【0326】点188eについては、この点と交差する
線は、ベクトル187dについて+1、187cについ
て+1、すなわち計+2を現在合計に加算させる。従っ
て、この交点から固体部に入ることになるので、ハッチ
ベクトル/充填ベクトルの生成が適切に開始される。そ
の後、ベクトル187b上のいずれかの点において上記
の線が固体部を出る時、現在合計から−2が減算され、
それにより現在合計が0に設定され、ハッチベクトル/
充填ベクトルの生成が終了する。
【0327】このアルゴリズムはまた、ハッチ線/充填
線が、該ハッチ線/充填線に平行な境界ベクトルと交差
するような場合も、適切に処理する。こうした状況は第
47図に示す。この図では、ハッチ線/充填線194a
および194bがそれぞれ、平行ベクトル196aおよ
び196bと交わっている。直線194aが点195a
と交わると、ベクトル197aの端点との交差によっ
て、その現在合計に+1が加算される。この点からハッ
チベクトル/充填ベクトルの生成が開始される。このベ
クトルは上記のハッチ線/充填線に平行なので、196
aとの交差によっては加算は行われない。また、点19
5bでは、べクトル197bの端点との交差によって、
現在合計に+1が加算される。
【0328】ハッチベクトル/充填ベクトルの生成は継
続される。その後、ハッチ線/充填線が点195dにお
いて固体部分を出ると、現在合計に−2が加算され、ハ
ッチベクトル/充填ベクトルの生成は、適切に終了す
る。
【0329】線194bに関しては、点195eにおい
て、ベクトル197bの端点との交差によって現在合計
に+1が加算され、ベクトル196bは、該ハッチ線と
平行であり現在合計に影響しない。従って、ハッチベク
トル/充填ベクトルの生成が開始される。点195eで
は、ベクトル197cの端点との交差によって、現在合
計に−1が加算され、その結果、現在合計は0に設定さ
れる。従って、この点において、ハッチベクトル/充填
ベクトルの生成は、適切に終了する。
【0330】本発明のある重要な側面は、第48図(テ
ィーカップの把手とティーカップ主要部の一部の側面
図)に例示するような、特定の領域において相互に重な
り合う、重複構成要素を処理できる当該アルゴリズムの
能力である。例示のように、把手199は、ティーカッ
プ主要部の側面198と重なり合っている。該重なり合
っている領域は、番号200aおよび200bで識別さ
れている。
【0331】重複構成要素で生じ得る問題は、第48図
の上面図である第49図によって図解できる。ハッチ線
/充填線201は、202a,202bおよび202d
において構成要素の層と交差する。問題は、ハッチ線/
充填線が、2つの構成要素が重なり合う領域200aを
出る際に、点202cで生じる。この点において、ハッ
チベクトル/充填ベクトル生成アルゴリズムは、点20
2dにぶつかるまで生成を継続しなければならないにも
かかわらず、誤ってハッチベクトル/充填ベクトルの生
成を停止してしまう可能性がある。
【0332】本発明のアルゴリズムはこの問題を容易に
処理する。その理由は、ハッチベクトル/充填ベクトル
の生成は、現在合計に+2が加算される点202aにお
いて開始され、現在合計にさらに+2が加算される点2
02bにおいて継続され、現在合計に‐2が加算される
点202cにおいても依然継続されるからである。この
点では現在合計が正であるので、ハッチベクトル/充填
ベクトルの生成は継続されるのである。ハッチベクトル
/充填ベクトルの生成は、点202dで−2が加算さ
れ、現在合計が0に再設定された時点で終了する。
【0333】第43図に戻って、CFABがハッチベク
トルおよび充填ベクトルを「休みなく」生成した後、こ
れらのベクトルは、ステップ158に示されるように、
境界ベクトルと一緒に記憶される。後に、CFABはこ
れらのベクトルを受け取り、移動コマンドおよびジャン
プコマンドに分割する。移動コマンドは、レーザに対
し、希望の位置まで直線経路上を移動し、その間全体に
亘って樹脂を照射し硬化させるように指示するものであ
る。ジャンプコマンドは、レーザに対し、樹脂を硬化さ
せずに、特定の位置まで飛び越えるように指示するもの
である。ジャンプコマンドにおいてレーザがたどる個々
の経路は重要ではない。
【0334】CFABは、.bffファイルからの硬化深さ
153の抽出も行う。硬化深さは、構成要素ごと、1つ
の構成要素内の範囲ごと、および1つの範囲内のベクト
ルの形式ごとに異なっていてもよい。希望の硬化深さ
は、BEAM.EXEプログラムによって決定されたレ
ーザパワー154と共に、走査速度155を計算するた
めにステップ159で使用される。硬化深さはまた、減
衰器を制御するためにCFABによって使用される。減
衰器は、通常オフ状態になっているが、硬化深さが小さ
すぎて減衰されないレーザビームによる硬化が不可能な
場合にはオンになり、レーザビームの一部を遮断し、適
切な硬化深さが得られるようにさせる。
【0335】ステレオDSP ステレオDSPは、CFABによって生成された移動コ
マンドおよびジャンプコマンドの処理を担当する。前述
のように、各移動コマンドおよびジャンプコマンドは、
レーザの希望のX,Y位置を引数として持つ。移動コマ
ンドの処理はステップ162に始まる。このステップの
目的は移動コマンドの引数、すなわちレーザビームの希
望のX,Y位置を、CAD/CAM単位から樹脂タンク
較正プレートの単位に変換することである。こうした単
位に変換することによって、続いて幾何学的補正ステッ
プ164で実行されなければならない較正表の参照が、
より高速に行えるようになる。樹脂タンク較正単位は、
較正プレート内のピンホールの位置によって決定され
る。現在は、較正プレートのピンホールは、X方向およ
びY方向に格子状に配置されており、各軸方向の連続す
るピンホールは1/2インチ(約1.3センチメート
ル)の増分間隔で位置している。将来は、該ピンホール
の間隔は1/4インチ(約0.64センチメートル)の
増分となると予想される。1/4インチ(約0.64セ
ンチメートル)間隔では、83×83個のピンホールを
持つ格子となるが、1/2インチ(約1.3センチメー
トル)間隔では、41×41個のピンホールを持つ格子
である。現在、1/2インチ(約1.3センチメート
ル)間隔の格子については、ピンホールは、左下隅の座
標(128,128)に始まり右上隅の座標(168,
168)に終わる正のX−Y空間にあるものとして、番
号が付されている。この新しい座標系への変換を行うた
めに、D2行列として知られる行列が使用される。
【0336】D2行列は、行列乗算によって座標を変換
する、2×3の行列である。公知のように、拡大縮小、
回転および剪断を含め、座標(U,V)から別の座標系
の座標(X,Y)へのいかなる変換も、以下の行列乗算
によって実行できる。
【0337】
【数1】 例えば、以下のD2行列は、1/2インチ(約1.3セ
ンチメートル)間隔を採用した場合において、インチ換
算のCAD/CAM座標系を樹脂タンク較正プレートの
座標系に変換するために使用できる。
【0338】
【数2】 この変換を行うために、ステップ162において、移動
コマンドに付随する希望のX,Y位置が、D2行列によ
って変換される。
【0339】ステップ163では、動径方向へのミラー
の移動のために必要になるステップ164における幾何
学的補正の準備として、移動コマンドのベクトル引数
は、マイクロベクトルに分割される。ステップ164で
は、各マイクロベクトルが、このずれについて個別に補
正される。先に引用した米国特許出願第331,644
号および同第268,837号に記載されているよう
に、レーザの移動コマンドとなる経路は可能な限り直線
でなければならないので、幾何学的補正を実行する前に
まず各ベクトルをマイクロベクトルに分割する必要があ
る。ベクトルをマイクロベクトルに分割しない場合、レ
ーザビームの動きが非直線的となり、これは特に樹脂タ
ンクの外縁近くになるほど生じやすい。マイクロベクト
ルはこれを予防するものである。
【0340】マイクロベクトルの長さは、較正プレート
間隔に等しいことが好ましいが、いかなる数値も可能で
ある。1/4インチ(約0.64センチメートル)間隔
であれば、マイクロベクトルの長さは1/4インチ(約
0.64センチメートル)が好ましい。1/2インチ
(約1.3センチメートル)間隔であれば、マイクロベ
クトルの長さは1/2インチ(約1.3センチメート
ル)が好ましい。
【0341】チック(時間単位)は、サーボ制御ループ
時間、すなわち連続する2つのDAC出力間の時間であ
る。各サイクルにおいて、まずエンコーダ37が現在の
ミラー位置の更新結果をサーボDSPに与え、該サイク
ルの後半部で、サーボDSPは典型的にはDACにミラ
ー制御コマンドを与える。
【0342】現在、1チックは35マイクロ秒と規定さ
れている。各マイクロベクトルのチック数とは、CFA
Bによって与えられた速度155において該マイクロベ
クトルの長さ分を移動するのに要するチック数である。
【0343】マイクロベクトルの幾何学的補正を行うた
めに、較正プレートが使用される。プレート上の各ピン
ホールごとに、各ピンホールにおけるビームの中心位置
が該ピンホールに配置されたセンサによって検出され、
対応するミラーの動径方向位置とともに、参照表に格納
される。参照表はその後、樹脂液面の特定の位置にレー
ザビームを当てるために必要とされるミラーの動径方向
位置を決定するために使用される。ピンホールの間に相
当する希望ビーム位置については、該位置を直接取り巻
く4個のピンホールの考察に基づいて対応する適切な動
径方向位置を決定するために、個々に二重線形補間など
が利用できる。通常、参照表は、数カ月程度ごとに定期
的に計算すればよく、立体造形装置を作動させるごとに
計算する必要はない。ミラーの角度方向位置は、好まし
くは、原点を中心とした64K×64Kの範囲内の数字
で表される。
【0344】ステップ165において、マイクロベクト
ルは、ダイナミックミラーのドリフトに関して補正され
る。先に参照された米国特許出願第268,907号に
記載されているように、ドリフト補正は、時間の経過に
よるダイナミックミラーのドリフトを補正することを意
図している。これは、樹脂タンクの両側にある、ビーム
プロファイラ8によって行われる。幾何学的補正用参照
表が計算される際、ダイナミックミラーは、レーザビー
ムが各プロファイラによって交互に感知されるようにな
るまで位置調整される。レーザビームがそうして感知さ
れると、各センサごとのダイナミックミラーの対応位置
が、参照表と共に保存される。その後、ドリフト補正に
おいて、ダイナミックミラーの位置が各プロファイラご
とに再特定された後、参照表に格納された位置と比較さ
れる。これは、X方向およびY方向での“ゲイン”およ
び“オフセット”を計算するために使用される。ゲイン
は、X方向およびY方向における、各プロファイラ間の
元来の間隔と再特定時の間隔の比に等しい。オフセット
は、X方向およびY方向における、樹脂タンク中心から
のプロファイラの元来の距離とその時の距離との間の差
に関する、2個のプロファイラ間の平均に等しい。ドリ
フト補正は、X座標およびY座標にXゲインおよびYゲ
インをそれぞれ掛けた後、XオフセットおよびYオフセ
ットをそれぞれ足すことによって実行される。ドリフト
補正に関する詳細は、先に参照された米国特許出願第2
68,907号に記載されている。
【0345】ジャンプコマンドの処理はステップ167
に始まる。ステップ167では、図示のように、ジャン
プコマンドの引数が前述と同様にD2行列によって変換
される。ステップ168では、前述と同様に幾何学的補
正が実行される。ただし、ここでの幾何学的補正は、マ
イクロベクトルではなく、ベクトルの端点に対して行わ
れる。移動コマンドと異なり、ジャンプコマンドでは、
レーザの経路は重要ではなく、レーザビームはシャッタ
によって遮断されるか、硬化を生じない程度に十分な速
さで移動するのかいずれかであるので、ベクトルをマイ
クロベクトルに分割する必要はない。
【0346】ステップ169では、ジャンプを行うため
に要するチック数が計算される。しかし、必要なチック
数が、フィールドサイズの制限によって決定される最大
限度のオーバーフロー値を超える場合があるので、特に
低速のミラー速度を使用したジャンプコマンドの場合、
該コマンドをより小さいコマンドに分割することが必要
になるかもしれない。この例では、必要なチック数がチ
ックカウンタの範囲を超える可能性があり、小さなチッ
ク値を持つコマンドに上記のコマンドを分割することに
より、その問題は解決される。
【0347】ステップ170では、ジャンプコマンドお
よび移動コマンドからデータパケットが生成される。こ
れらのデータパケットは、ダイナミックミラーの移動を
制御するためのサーボDSPに渡される項目である。ス
テップ171では、閉じられていたシャッタを移動コマ
ンドの開始点において開けるか、開いていたシャッタを
ジャンプコマンドの開始点において閉じるかのいずれか
を行うために、シャッタコマンドが生成される。
【0348】データパケットの形式を第50図に示す。
図示のように、各パケットは、フィールド203〜20
8から構成される。フィールド203および204は、
ミラーのXおよびY想定開始位置を規定する。フィール
ド205はレーザのジャンプまたは移動に要するチック
数を、フィールド206はコマンドコードを規定する。
フィールド207および208は、X方向およびY方向
それぞれについて、想定開始位置に対するレーザの希望
の移動の増分量を規定する。レーザの移動量をチック数
で割った値が走査速度である。現在、以下のコマンドコ
ードが認識されている。
【0349】 MOVE(移動) JUMP(ジャンプ) MOVE&SHCLOSE(移動&SH閉鎖) DELAY(遅延) 移動コマンドおよびジャンプコマンドについてはすでに
説明した。移動&SH閉鎖コマンドは、レーザが移動し
た後にシャッタを閉じるためのコマンドである。遅延コ
マンドは、以下で明らかになるように、場合によって
“フィラー”コマンドを設ける必要があるために備えら
れている。
【0350】移動コマンドおよびジャンプコマンドのデ
ータパケットはその後、ステレオ待行列172に入れら
れる。次に、コマンドシーケンスが解析され、シャッタ
が応答するのに要する有限の時間を考慮に入れるため
に、シャッタコマンド間にあらゆる必要なシャッタコマ
ンドが分配される。現在、シャッタは、閉じる場合には
コマンドが発せられてから実際に閉じるまで約600マ
イクロ秒、開ける場合にはコマンドが発せられてから実
際に開くまで約900マイクロ秒を要する。従って、シ
ャッタが適切な時間に開閉するように、移動コマンド間
およびジャンプコマンド間にシャッタコマンドが分配さ
れなければならない。時には、移動コマンドまたはジャ
ンプコマンドを分割する必要がある場合もある。例え
ば、ジャンプ後シャッタを開けるために、ジャンプコマ
ンドを2つに分け、シャッタ開コマンドを挿入する必要
があるかもしれない。同様に、移動コマンド後シャッタ
を閉じるために、移動コマンドを分割する必要がある場
合もある。
【0351】シャッタがコマンドを実行するために要す
る時間を相殺するために、コマンドが作用する時間に先
立ってシャッタコマンドをシャッタに発することは、フ
ィードフォワードとして公知の概念である。一般に、ミ
ラー、減衰器などを含む他のいかなる装置構成要素につ
いても、フィードフォワード技法の使用が適用できる。
【0352】以下の例は、52チックのジャンプコマン
ドを、27チックと25チックのコマンドに分割する場
合を示す。この場合、25チックのコマンドの前に、シ
ャッタ開コマンドが置かれる。第2のジャンプコマンド
を実行するために要する時間(25チック、約900マ
イクロ秒)は、シャッタを開かせるのに十分な時間であ
る。
【0353】
【表9】 上記の各JPコマンド(ジャンプコマンド)は、第50
図に示したフォーマットに従っている。最初の2つの数
値はXおよびY開始座標、次の数値はチック数、次の2
つの数値は希望のXおよびY移動量である。残りの数値
は他のものから導かれ、最初の2つの数値が希望のXお
よびY終了位置、最後の数値は希望の走査速度である。
【0354】同様に、以下の例は、シャッタが閉じるた
めに17チック(約600マイクロ秒)の時間を与える
ような、移動コマンドの分割を示している。
【0355】
【表10】 上記の各移動コマンドは、前述のジャンプコマンドと同
様のフォーマットに従っている。
【0356】シャッタコマンドまたは遅延コマンドに対
応するデータパケットのフォーマットを第51図に示
す。図示の通り、このフォーマットは、フィールド20
9が常に0に設定され、フィールド216が常に100
0に設定されている点を除き、第50図と同様である。
これによって、サーボDSPは、ジャンプまたは移動コ
マンドと、他のコマンドとを容易に識別できる。最後
に、フィールド211は、コマンドの種類を指示するた
めに使用され、シャッタ開コマンド、シャッタ閉コマン
ドまたは遅延コマンドを含むことができる。
【0357】シャッタコマンドおよび遅延コマンドがス
テレオ待ち行列に挿入されると、これらのコマンドは、
DMA転送174によってサーボ待ち行列173に転送
される。サーボ待ち行列中のコマンドは、次いでステッ
プ176においてサーボDSPによってオペランド解析
され、シャッタコマンドはシャッタ20に、ミラーに関
するコマンド(移動コマンドまたはジャンプコマンド)
はDAC38に送られる。(ステップ176において
は、サーボDSPはまた、現在のミラー位置を判定する
ためにエンコーダ37からの入力を使用しており、これ
を利用してダイナミックミラーヘのコマンドを組み立て
ていることに注意されたい。これは以下で詳細に説明す
る。)サーボ待ち行列が空になり、サーボDSPがコマ
ンドを使い果たしてしまう場合もある。この場合、レー
ザビームを樹脂タンク外部の予め定められた休止位置に
送る。こうすることで、強力なレーザを使用してシャッ
タを長期間閉じたままにした場合に生じ得るレーザによ
るシャッタの焼通しを防ぐために、シャッタを開けてお
くことができる。遅延コマンドは、レーザが休止位置に
移動しなくてもよいように、サーボ待ち行列を満たして
おくために使用される。このコマンドは、単に、レーザ
が現在の位置で遅延のために保持されるチック数を指示
するものである。
【0358】サーボDSPは35マイクロ秒のサイクル
で動作する。各サイクルにおいて、サーボDSPはまず
エンコーダからミラーの現在位置を読み取り、部分的に
は希望のミラー位置と現在のミラー位置との差に基づく
増幅された誤差値を、DACに出力する。この誤差項
は、参照により本明細書に全内容が記載されているもの
とする『離散的時間制御系』(“DISCRETE T
IME CONTROLSYSTEMS”,Katsuhiko
Ogata, Prentice Hall, Inc., 1987)などに述べられた
公知の原理に従って計算される、比例・積分・微分(P
ID)項である。エンコーダは、現在のミラー位置の読
みを、約0.954ミル(約0.0242ミリメート
ル)に相当する、1秒角(arcsec)の分解能で与
える。
【0359】ステップ176では、データパケットが実
行される。各パケットは、チックカウントフィールドで
指定された通りの実行を行うために、サイクル数を必要
とする。カウンタは0に初期化されてから、この値まで
カウントアップするために使用される。
【0360】各サイクルにおいて、位置、速度および積
分に関する誤差が判定される。さらに、最後の6サイク
ルでは、加速度項が判定される。これらそれぞれの値
は、対応するゲインが掛けられた後、組み合わされてP
ID誤差項を形成する。
【0361】1サイクルの位置誤差は、希望の位置と現
在の位置との差である。現在の位置はエンコーダの読み
に等しい。希望の位置は、XおよびYの値(第50図の
項目207および208)を開始X値および開始Y値
(同図の項目203および204)に加算することによ
り決定される。
【0362】速度誤差は、希望の速度と現在の速度との
差である。XおよびY方向の希望の速度は、それぞれ、
XおよびYの値をチック数で割ることにより決定され
る。現在の速度は、現在のサイクルでのエンコーダの読
みから前のサイクルでのエンコーダの読みを引いて35
マイクロ秒(1チック)で割った値に等しい。
【0363】加速度誤差項は、コマンドの最終6チック
で計算されるのみであり、次のデータパケットを先立っ
て調べることを必要とするものである。この項は、次の
パケットからXおよびYを受け取り、それらから現在の
パケットのXおよびYを差し引き、6チックで割ること
によって計算される。第52図に示すように、角が間近
にあるような場合には、加速度誤差項は、レーザの経路
がその角に可能な限り近い経路を辿る(場合によっては
微量のオーバーシュートを伴って)ことを保証する手助
けとなる。
【0364】積分項もまた、オーバーシュート量を制御
するのを助け、ミラーの安定性を提供するために使用さ
れる。積分項は、一定の位置誤差が一定のDAC出力を
生じるような状況を取り扱うために、上述の各計算式に
おいて必要になる。積分項の加算は、ビームを軌跡に沿
って戻すような、DAC出力値の変化を生じさせる。こ
れが不十分である場合、オーバーシュートの間レーザを
遮断するために、シャッタが使用される可能性もある。
積分項は、現在までの位置誤差すべての正味合計に等し
い。
【0365】各サイクルで、位置、速度および加速度に
関する誤差項と、積分項とが計算されると、それらはそ
れぞれ適切なゲイン項を掛けられた後、DACに送られ
る。第52図に示すように、レーザの実際の経路213
は、できる限り直角212に近いものとされることが望
ましい。上記のゲインは、このことを達成するべく選択
される。
【0366】角を予想するために次のデータパケットを
先立って調べることは、前述のフィードフォワード概念
の別の例である点に注意されたい。この特定の状況にお
いては、フィードフォワード技法の利用は、ミラー位置
の急激な変化の予想を助け、実際のレーザ経路が希望の
経路に可能な限り近い経路を辿るように、現在のコマン
ドがミラーに送られることを可能にする。
【0367】ステレオDSPに戻って、ジャンプコマン
ドで用いられるベクトルはマイクロベクトルに分割され
ない点に注意されたい。その結果、これらのベクトルで
生じ得る誤差の量は、約12‐14ミル(約0.30−
0.36ミリメートル)である。従って、ステレオDS
Pは通常、あらゆる丸め誤差を補正するために、各ジャ
ンプコマンドの終点においてパケットを生成する。
【0368】CFABのユーザとのインタラクション 以下では、CFABがユーザとどのようにインタラクト
(対話)するかについて説明する。制御コンピュータの
モニターは、装置が最初に起動されると、メイン画面を
表示する(第53図)。この画面は以下の4領域から成
る。
【0369】・画面上部215はプログラムおよびその
バージョン番号を表示する。
【0370】・画面下部216はコンピュータキーボー
ドのファンクションキーを押すことにより開始されるプ
ログラムの機能を表示する。
【0371】・画面中央左の大きな領域217は現在の
サブディレクトリで使用可能な造形ファイルのリストを
表示する。PgDnキーおよびPgUpキーを使用する
ことによって、リストをスクロールさせて表示領域外に
あるファイル名を見ることができる。
【0372】・画面中央右の領域218はレーザおよび
樹脂タンク温度の現在の状態を表示する。
【0373】さらに、画面下部には現在の日付と時間が
表示される。F1キーを押すと、メイン画面にヘルプ画
面が重ね合わされて表示される(第54図)。
【0374】前述のように、CFABの主機能は、選択
された造形(.bff)ファイルのデータによって指定され
た部品製作を制御することである。CFABによって実
行されるその他の機能には、以下のものが含まれる。
【0375】・レーザのオンオフ制御および、コンピュ
ータ制御のもとでのレーザのオンオフ時間のスケジュー
リング ・立体造形装置ハードウェアの初期化 ・樹脂タンク中の液体樹脂の液面水準の調整 ・樹脂タンク中の液体樹脂の温度の設定および制御 ・装置の光学系の較正 ・使用される樹脂のパラメータを格納した材料ファイル
の選択 メインメニューが表示されると、コンピュータキーボー
ドのカーソル制御キーを用いて、画面中央に表示された
部品名のいずれか一つを選択できる。選択されたファイ
ル名は、反転表示されると同時に、ファイルサイズと、
最後に編集された日時とともに画面中央上部に表示され
る。この例(第53図)では、STD2X.BFFとい
うファイルが選択された。F4キーを押してから、必要
なディレクトリのパス名を打ち込むことにより、別のサ
ブディレクトリ中のファイル名にもアクセスできる。
【0376】エンターキーを押すと、造形オプションの
ポップアップメニュー219が表示される(第55
図)。造形されるために現在選択されている部品名がこ
のメニューの上部に表示される。カーソル制御キーを用
いてメニュー項目のいずれかを反転表示させ選択するこ
とができる。F4キーおよびF5キーの機能は、第53
図における以前の機能とは異なることに注意しなければ
ならない。造形オプションのポップアップメニューが表
示されている場合、F4キー220は現在の造形オプシ
ョンを保存するために、F5キー221は以前の造形オ
プションを復元するために使用される。
【0377】特に指定しない限り、部品の全ての層が製
作中に作製される。しかし、造形過程が開始および停止
されるべき部品の層を、ユーザーが選択することも可能
である。
【0378】このポップアップメニューにおいて、St
artLayer(開始層)の行222を強調表示させ
てからエンターキーを押して選択すると(第56図)、
別のポップアップメニューが表示される。現在の開始層
の値が表示されるので、新しい値を打ち込んでからエン
ターキーを押すだけで変更できる。エンターキーを押す
と、223で指定されている新しい開始層の値が、造形
オプションメニューに表示される(第57図)。
【0379】224で特定されている終了層の値も、同
様にして変更し、造形オプションメニューに表示させる
ことができる(第58図)。
【0380】第59図に示す、Preview(プレビ
ュー)、Graph(グラフ)およびZoom(ズー
ム)のメニュー項目225により、部品製作中にモニタ
ーに示される表示が決定される。Graph(グラフ)
226がオンにされると、モニターは、部品製作中に亘
って、樹脂タンクの上面図全体のシミュレーションを順
次表示する。さらに、Zoom(ズーム)227がオン
にされると、部品の大きさに応じて、製作中の部品を可
能な限り詳細に表示するように、表示が拡大される。
【0381】Preview(プレビュー)228がオ
ンにされると、モニターは、造形を実際に行わず部品造
形のシミュレーションを順次表示させる。
【0382】F2キーを押すことにより、ユーザユーテ
ィリティにアクセスできる。F2キーを押すと、第60
図に示すユーティリティのリスト229が表示される。
【0383】レーザユーティリティ メイン画面が表示されている際には、画面右側にレーザ
の状態が表示される。第60図では、上記のレーザの状
態は番号232で識別されている。前述のように、この
状態は、F2キーを押してユーザユーティリティを表示
させ、Laser Utilities(レーザ ユー
ティリティ)の項目を反転表示させてエンターキーを押
すことによって変更できる。その後、各レーザ制御機能
231が表示される。レーザ制御機能の要約説明を見る
には、ユーザーはF1キーを使用すればよい。第61図
には、番号230で特定されたこの要約説明が示されて
いる。
【0384】レーザがオフである場合、メニューでLa
ser On(レーザ オン)の行(第62図の番号2
33)を選択して、エンターキーを押すことによってオ
ンにすることができる。
【0385】表示画面の右側が変化して起動カウントダ
ウンが進行中であることを表示し、表示画面の下部右側
にレーザがオンになるまでの残り時間が表示される。カ
ウントダウンが完了すると、表示画面の右側が変化し
て、レーザが“使用可能である”ことを示す。モニター
にはまた、レーザからの現在のパワー出力も表示され
る。
【0386】レーザは、メニューのLaser Off
(レーザ オフ)の行を選択し、エンターキーを押すこ
とによってオフにされる。表示画面の右側がただちに変
化して、シャットオフのカウントダウンが進行中である
ことを表示し、かつターンオフが生じるまでの経過時間
を表示する。Interrupt Shutdown
(シャットダウン中断)を選択して、エンターキーを押
すことにより、レーザのシャットダウンを中断すること
ができる。
【0387】レーザを即時にオン/オフさせることに加
え、レーザがオン/オフする予定時間を設定することも
できる。これは、メニューのLaser Schedu
le(レーザ スケジュール)を選択し、エンターキー
を押すことによって行われる。ポップアップ画面234
は、現在予定されているレーザオン/オフ時間を表示す
る(第63図)。この画面の時間は、表示されている時
間の上に重ねて入力するだけで変更できる。
【0388】必要な時間をキー入力した後、オン時間は
F2キーを押すことにより、オフ時間はF4キーを押す
ことにより、それぞれ受け付けられる。これらのキーの
いずれかを押すと、現在の時間を上書きするかしないか
を選択する機会が与えられる。また、オン時間はF3キ
ーを、オフ時間はF5キーを押すことにより、それぞれ
削除することができる。
【0389】温度設定 メイン画面が表示されている状態で、F3キーを押す
か、または、第60図のThermo Setting
(温度設定)機能を選択することにより、チャンバ温度
制御にアクセスできる(第64図)。温度は、現在のサ
ーモスタット設定値の上に重ねてキー入力し、エンター
キーを押すことにより変更できる。
【0390】保守機能 前述のユーザ機能の他に、CFABは、保守技術者によ
って用いられる診断および較正ルーチンを含んでいる。
これらのルーチンにアクセスするには、F5キーを押し
てから、必要なパスワードをタイプ入力すればよい。
【0391】部品の製作 部品製作過程は、F9ファンクションキーを押すか、B
uild Option(造形オプション)メニューで
Quit Option(オプション終了)メニューの
行を選択することにより開始される(第56図)。
【0392】部品の造形中、表示画面は造形条件を示し
て変化する(第65図)。
【0393】以上で装置の説明は完了する。これによ
り、以上の説明から明らかなように、特に大型または複
雑な部品に関して、精度を犠牲にすることなく部品生産
速度を高め、造形上の障害を取り除くための、立体造形
の方法および装置に関する特定の改良が説明された。第
1の改良は、高速ミラーと強力なレーザとを同時に使用
することであり、この時、レーザの出力は、樹脂の誤っ
た硬化を防止するために高速シャッタ、減衰器などによ
って選択的に遮断されることが可能である。ミラー速度
が高速度であっても、精度、速度および安定性の間の許
容可能なトレードオフを表現したゲインパラメータを有
するサーボ制御系によって、ミラーの精度が維持され
る。
【0394】第2の改良は、データ管理およびそれに続
く部品造形を容易にする、スプレッドシート式概念モデ
ルの利用である。
【0395】第3の改良は、ダイナミックミラー制御な
どのリアルタイム装置管理タスクのための、専用プロセ
ッサの使用である。
【0396】第4の改良は、ハッチベクトルおよび充填
ベクトルを休みなく生成し、それにより、特に大型また
は複雑な部品の造形に関して、著しく大型または高価な
記憶装置の必要性をなくしたことである。
【0397】本発明の実施例および用途を示しながら説
明をしてきたが、本出願の発明の概念を逸脱することな
く他の多数の変更例が可能であることは、当業者にとっ
て明らかであろう。従って本発明は、付属する特許請求
の範囲以外においては、いかなる限定もされるものでは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体造形装置の斜視図
【図2】立体造形装置のプロセスチャンバの斜視図
【図3】立体造形装置の描画用サブシステムの実施例の
斜視図
【図4】立体造形装置の描画用サブシステムの実施例の
斜視図
【図5】立体造形装置の処理装置の全体のアーキテクチ
ャを示す図
【図6】立体造形装置の制御コンピュータの機器構成図
【図7】立体造形装置においてファイルが生成されるシ
ーケンスを示す図
【図8】パートマネージャによって生成される表示画面
を示す図
【図9】パートマネージャによって生成される表示画面
を示す図
【図10】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図11】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図12】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図13】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図14】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図15】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図16】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図17】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図18】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図19】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図20】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図21】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図22】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図23】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図24】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図25】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図26】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図27】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図28】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図29】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図30】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図31】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図32】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図33】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図34】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図35】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図36】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図37】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図38】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図39】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図40】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図41】パートマネージャによって生成される表示画
面を示す図
【図42】パートマネージャにおいて各種タスクが通常
実行される順序を示す図
【図43】制御コンピュータ内でのデータの流れおよび
タスクの割当てを示す詳細図
【図44】制御コンピュータにより休みなく実行される
ハッチベクトルおよび充填ベクトル生成のアルゴリズム
のフローチャート
【図45】ハッチベクトル/充填べクトル生成アルゴリ
ズムの動作をより完全に示す図
【図46】ハッチベクトル/充填べクトル生成アルゴリ
ズムの動作をより完全に示す図
【図47】ハッチベクトル/充填べクトル生成アルゴリ
ズムの動作をより完全に示す図
【図48】ハッチベクトル/充填べクトル生成アルゴリ
ズムの動作をより完全に示す図
【図49】ハッチベクトル/充填べクトル生成アルゴリ
ズムの動作をより完全に示す図
【図50】ステレオDSPとサーボDSPとの間でやり
とりされるデータパケットのフォーマットを示す図
【図51】ステレオDSPとサーボDSPとの間でやり
とりされるデータパケットのフォーマットを示す図
【図52】鋭角を走査するビームの実際の走査経路を示
す図
【図53】CFABによって生成される表示画面を示す
【図54】CFABによって生成される表示画面を示す
【図55】CFABによって生成される表示画面を示す
【図56】CFABによって生成される表示画面を示す
【図57】CFABによって生成される表示画面を示す
【図58】CFABによって生成される表示画面を示す
【図59】CFABによって生成される表示画面を示す
【図60】CFABによって生成される表示画面を示す
【図61】CFABによって生成される表示画面を示す
【図62】CFABによって生成される表示画面を示す
【図63】CFABによって生成される表示画面を示す
【図64】CFABによって生成される表示画面を示す
【図65】CFABによって生成される表示画面を示す
【符号の説明】
1 制御モジュール 2 プロセスモジュール 3 サービスモジュール 4 樹脂タンク 6 プラットホーム 8 ビームプロファイラ 9 エレベータ 11 レーザ 13 焦点合わせシステム 14 ダイナミックミラー 16 メインミラー 17 樹脂タンク 18 ビーム拡大器 20 高速シャッタ 22 減衰器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイモンド、エイドリアン、ブラッドフ ォード アメリカ合衆国カリフォルニア州、ロサ ンゼルス、ミッドベール、3650、アパー トメント、205 (72)発明者 グラディー、オーベリー、フロイド アメリカ合衆国カリフォルニア州、ニュ ーホール、エベレット、ドライブ、 25037 (72)発明者 ハリー、エル、ターノフ アメリカ合衆国カリフォルニア州、バ ン、ヌイス、ウイリス、アベニュ、5618 (72)発明者 ウェイン、アラン、ビンソン アメリカ合衆国カリフォルニア州、バレ ンシア、アロヨ、パーク、ドライブ、 24011 (72)発明者 フランク、フォード、リトル アメリカ合衆国カリフォルニア州、レイ クビュー、テレイス、フートヒル、ブー ルバード、10558 (72)発明者 リチャード、エー、ハーロー アメリカ合衆国カリフォルニア州、マリ ナ、デル、レイ、リンカーン、ブールバ ード、2554、スイート、662 (72)発明者 ウォルフガング、シュワルツィンガー アメリカ合衆国カリフォルニア州、ムー アパーク、イースト、クローバーデー ル、ストリート、13005 (72)発明者 ポール、ハワード、メアリーゴールド アメリカ合衆国カリフォルニア州、モン ロビア、グレイドン、アベニュ、1916 (72)発明者 マーク、アラン、ルイス アメリカ合衆国カリフォルニア州、バレ ンシア、サイカモアー、クリーク、 27624 (72)発明者 ヤホラム、ウジール アメリカ合衆国カリフォルニア州、ノー スリッジ、ブリアント、19329 (72)発明者 ボルゾ、モドレック アメリカ合衆国カリフォルニア州、モン テベロ、ネイル、アームストロング、 1640、アパートメント、306 (72)発明者 ロバート、トーマス、ピトラック アメリカ合衆国カリフォルニア州、ウェ ストレイク、ビレッジ、ベイルクロフ ト、アベニュ、1639 (72)発明者 トーマス、ポール、チェン アメリカ合衆国カリフォルニア州、ソー ガス、ウェスト、チューリップ、コート 22553 (56)参考文献 特開 平4−91929(JP,A) 特開 昭61−116321(JP,A) 特開 平1−228828(JP,A) 特開 平3−21432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 67/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射に露出することにより固化可能な媒
    質から三次元物体の連続断面層を形成することにより該
    三次元物体を形成する装置であって、 作業表面を有する前記媒質を収容する容器、一の所定の強度を有する前記放射のビームを発生させる
    光源、 前記一の所定の強度を有する前記放射の前記ビームか
    ら、 第1の強度を有する前記放射のビームおよび第2の
    強度を有する前記放射のビームを発生させる手段、およ
    び 該第1の強度を有する前記ビームにより前記作業表面上
    において少なくとも第1の線を走査し、該第2の強度を
    有する前記ビームにより前記作業表面上において少なく
    とも第2の線を走査する動作を含む、前記物体の前記連
    続断面層を形成するための前記媒質の前記作業表面に対
    する各前記ビームの方向付け動作を行う手段を備えてな
    り、 前記第2の強度が前記第1の強度とは異なる強度である
    ことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 放射に露出することにより固化可能な媒
    質から三次元物体の連続断面層を形成することにより該
    三次元物体を形成する方法であって、 作業表面を有する前記媒質を収容する容器を提供する工
    程と、光源から、一の所定の強度を有する前記放射のビームを
    発生させる工程と、 前記一の所定の強度を有する前記放射の前記ビームか
    ら、 第1の強度を有する前記放射のビームおよび第2の
    強度を有する前記放射のビームを発生させる工程と、 該第1の強度を有するビームにより前記作業表面上にお
    いて少なくとも第1の線を走査し、該第2の強度を有す
    るビームにより少なくとも第2の線を走査する動作を含
    む、前記物体の前記連続断面層を形成するための前記媒
    質の前記作業表面に対する各前記ビームの方向付け動作
    を行う工程を含み、 前記第2の強度が前記第1の強度とは異なる強度である
    ことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 放射に露出することにより固化可能な媒
    質から三次元物体の連続断面層を形成することにより該
    三次元物体を形成する装置であって、 作業表面を有する前記媒質を収容する容器、一の所定のパワーを有する前記放射のビームを発生させ
    る光源、 前記一の所定のパワーを有する前記放射の前記ビームか
    ら、 第1のパワーを有する前記放射のビームおよび第2
    のパワーを有する前記放射のビームを発生させる手段、
    および 該第1のパワーを有する前記ビームにより前記作業表面
    上において少なくとも第1の線を走査し、該第2のパワ
    ーを有する前記ビームにより前記作業表面上において少
    なくとも第2の線を走査する動作を含む、前記物体の前
    記連続断面層を形成するための前記媒質の前記作業表面
    に対する各前記ビームの方向付け動作を行う手段を備え
    てなり、 前記第2のパワーが前記第1のパワーとは異なるパワー
    であることを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 放射に露出することにより固化可能な媒
    質から三次元物体の連続断面層を形成することにより該
    三次元物体を形成する方法であって、 作業表面を有する前記媒質を収容する容器を提供する工
    程と、光源から、一の所定のパワーを有する前記放射のビーム
    を発生させる工程と、 前記一の所定のパワーを有する前記放射の前記ビームか
    ら、 第1のパワーを有する前記放射のビームおよび第2
    のパワーを有する前記放射のビームを発生させる工程
    と、 該第1のパワーを有する前記ビームにより前記作業表面
    上において少なくとも第1の線を走査し、該第2のパワ
    ーを有する前記ビームにより前記作業表面上において少
    なくとも第2の線を走査する動作を含む、前記物体の前
    記連続断面層を形成するための前記媒質の前記作業表面
    に対する各前記ビームの方向付け動作を行う工程を含
    み、 前記第2のパワーが前記第1のパワーとは異なるパワー
    であることを特徴とする方法。
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