JP3393814B2 - エポキシ樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂発泡体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂発泡
体の新規な製造方法に関するものであり、詳しくは、高
剛性で緻密であり、且つ、断熱性及び難燃性を有するエ
ポキシ樹脂発泡体を、常温下での発泡硬化により得るこ
とが可能なエポキシ樹脂発泡体の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、断熱材或いは軽量部材として
各種の樹脂発泡体が用いられていて、中でも、熱硬化型
の樹脂発泡体としてポリウレタン樹脂発泡体、フェノー
ル樹脂発泡体及びユリア樹脂発泡体が汎用されている
が、これらの樹脂発泡体の耐熱性及び機械的物性を改良
するために、これらの樹脂発泡体にエポキシ樹脂を添加
したものが知られている。
【0003】又、他の材料との接着性、耐熱性、耐薬品
性、寸法安定性及び機械的強度に優れるというエポキシ
樹脂の特性を活かすために、エポキシ樹脂をベースとし
た発泡性樹脂組成物が提案されていて、例えば、特開平
1−197553号公報には、エポキシ樹脂、アミン系
硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を配合することによ
り、常温下で発泡体が得られることが記載されている。
【0004】又、特開平1−103633号公報及び特
開平4−16337号公報には、分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有するポリエポキシ化合物、末端にフェノー
ル性水酸基を有するカーボネートオリゴマー及び反応触
媒を、120〜240℃で加熱発泡させるエポキシ樹脂
発泡体の製造方法が開示されている。
【0005】又、特開平5−194780号公報には、
エポキシ樹脂、平均粒径が300μm以下のメタクリル
系樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂用潜在性硬化
剤、分解型発泡剤及び界面活性剤を配合して得られる、
加熱発泡が可能な発泡性樹脂組成物が開示されている。
【0006】又、特開平5−186625号公報には、
液状乃至半固形状のエポキシ樹脂とアミンの炭酸塩とか
らなる加熱発泡性樹脂シートが開示されている。
【0007】更に、米国特許第2,541,027号な
どで提案されているように、リン酸類がエポキシ樹脂の
硬化剤として作用することが知られており、これを発泡
体に応用した種々の提案がなされている。
【0008】例えば、米国特許第3,282,863号
では、液状エポキシ樹脂、低沸点有機溶剤、三弗化ホウ
素化合物からなる発泡組成物が提案されており、その実
施例の中に、硬化剤として、リン酸類と三弗化ホウ素化
合物との混合物が例示されている。
【0009】又、米国特許第3,607,795号及び
第3,629,163号では、分子中に1個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ樹脂、液状発泡剤、及び、硬化
剤としての三弗化ホウ素錯体、四塩化スズ錯体、五弗化
リン錯体などのルイス酸類とリン酸との混合物からなる
エポキシ樹脂発泡体が提案されている。
【0010】又、米国特許第4,605,570号で
は、エポキシ樹脂と、リン酸、金属酸化物及び珪酸カル
シウムよりなるリン酸セラミック材料とで構成される硬
化組成物が提案されており、その実施例において、発泡
性の組成物が例示されている。
【0011】又、米国特許第5,648,401号で
は、エポキシ樹脂と、金属炭酸塩及び金属二炭酸塩から
選ばれた1種類のフィラーとリン酸とからなり、常温で
発泡する発泡体が開示されている。
【0012】又、特開平9−227709号公報には、
分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂1
00重量部と、リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホ
ン酸の中から選ばれる少なくとも1種のリン酸類5〜5
0重量部とを反応させて得られる樹脂骨格を有すること
を特徴とするエポキシ樹脂発泡体が開示されている。
【0013】更に、特開平9−235404号公報で
は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂、アルデヒド系縮合性樹脂、リン酸、ポリリン酸及び
フェニルホスホン酸の中から選ばれる少なくとも1種の
リン酸類、発泡剤並びに整泡剤を含む混合物を発泡硬化
させるエポキシ樹脂系発泡体の製造方法が開示されてい
る。
【0014】このように、各種の樹脂発泡体は、断熱材
や軽量部材等として広く用いられているのであるが、中
でも、断熱材やサンドイッチパネルの芯材等に代表され
る建築材料として使用される場合は、当該建築材料には
難燃性や自己消火性を有することが望まれているので、
これらの用途に使用する各種の樹脂発泡体は、難燃であ
るか自己消火性を有することが好ましい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述のエポキシ樹脂発
泡体は、目地剤、自動車用の軽量部材及び建築材料等と
して用いられているが、中でも、前述したようにサンド
イッチパネルや外壁パネルの芯材等の建築材料に使用さ
れる樹脂発泡体は、難燃であるか自己消火性を有するこ
とが望まれるので、従来技術に示されているように、エ
ポキシ樹脂発泡体に対して難燃剤や無機充填剤を添加す
ることによって、難燃性を上げることがある程度は可能
である。
【0016】しかしながら、金属水酸化物等の無機物を
難燃剤として用いようとした場合には、繊維強化プラス
チック(FRP)のような成形品に添加する場合と異な
り、樹脂発泡体の場合は、添加する難燃剤や無機充填剤
の質や粒径によっても異なるが、多量に添加した場合に
は、発泡時の樹脂の流動性が低下して所定形状への成形
性が悪くなったり、発泡後の気泡の大きさや分布が不均
一になって発泡体の機械的強度が低下したり、熱伝導率
が上昇して断熱性が低下したりするため、添加量が制限
され、その結果として難燃性が不充分となるという問題
があった。
【0017】具体的には、難燃剤や無機充填剤の添加量
は、エポキシ樹脂100重量部に対して20〜40重量
部という範囲が一般的で、エポキシ樹脂に対して等重量
部程度が上限であり、その結果として、難燃性や自己消
火性が不充分となるという問題があったのである。
【0018】又、従来技術にあるように、エポキシ樹脂
の硬化剤としてリン酸類を用いた場合では、エポキシ樹
脂とリン酸類とが急速に反応して発熱量が大きくなりす
ぎ、発泡剤の発泡(気化)が一気に起こるため、発泡体
の気泡(セル)の形状、大きさや分布が不均一になり、
緻密な発泡体が得られなかったり、又、急速な発泡硬化
が起こるために、発泡体を所定形状に成形し難くなっ
て、発泡硬化時の作業性が低下したりする場合がある。
【0019】又、上記のようなエポキシ樹脂とリン酸類
との急速な反応を抑えるためには、例えば、エポキシ樹
脂のエポキシ基、1当量に対して、リン酸類の水酸基の
当量を1以下に抑える必要がある。しかし、この場合に
は、樹脂発泡体中に占めるリン酸類の重量比が小さくな
り、自己消化性は発現するものの、それより高いレベル
である難燃性は得られなくなる。
【0020】更に、従来のエポキシ樹脂発泡体では、発
泡体中にリン酸類が残存することが避けられない場合が
有り、残存したリン酸類の吸湿又は吸水によって、樹脂
発泡体の寸法安定性が低下したり、樹脂発泡体が脆化す
る、即ち、樹脂発泡体の耐水性が低下するという問題も
あった。
【0021】上記のような、エポキシ樹脂とリン酸類と
の急速な反応、及び、発泡体中に残存するリン酸類に起
因する問題に対処するために、リン酸モノアルキルエス
テル、リン酸ジアルキルエステル等の酸性リン酸エステ
ル類、或いは、リン酸メラミン等のリン酸と尿素誘導体
とのアダクツ等のリン酸化合物を使用する場合もある
が、しかしながら、これらのリン酸化合物では、発泡体
の難燃性を高めるためのリン原子の含有量が少ないの
で、発泡体の難燃性を十分に高めるためにはこれらを多
量に使用する必要があり、多量に使用した場合には、こ
れらのリン酸化合物に付随するアルキル基や尿素誘導体
等の可燃性の部位も増加して、リン原子による難燃性向
上の効果が相殺され、所望の難燃性向上の効果が得られ
なくなってしまう場合もあった。
【0022】本発明は、上記のような従来技術が有して
いた欠点を解消し、高剛性で緻密であり、且つ、断熱性
及び難燃性を有するエポキシ樹脂発泡体を、常温下での
発泡硬化により得ることが可能なエポキシ樹脂発泡体の
製造方法を提供することを目的としてなされた。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、以下のA〜Fの各成分を含む混合発泡液
を発泡硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造
方法を提供する。 (A)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂 100重量部 (B)金属酸化物 1〜50重量部 (C)金属水酸化物 10〜300重量部 (D)発泡剤 1〜50重量部 (E)整泡剤 0.01〜10重量部 (F)リン酸及びポリリン酸から選ばれる少なくとも1
種のリン酸類と、金属酸化物及び金属水酸化物から選ば
れる少なくとも1種の金属化合物とを、予め脱水縮合さ
せて得た液状のリン酸化合物 10〜100重量部
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体例を挙
げて詳細に説明する。
【0025】本発明で使用するエポキシ樹脂とは、分子
中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、エポ
キシ樹脂用硬化剤と反応して硬化することができる化合
物をいい、この化合物はエポキシ樹脂の主剤、或いは、
ポリエポキシド等とも呼ばれる化合物である。
【0026】上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基と
してグリシジル基を有する化合物が好ましく、特にグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂が好ましいが、これに限
定されるものではなく、例えば、環式脂肪族系エポキシ
樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、複素環式脂
肪族系エポキシ樹脂(これらエポキシ樹脂はオリゴマー
状のものであってもよい)を使用することもでき、又、
このエポキシ樹脂は、それらのうちの1種類を選択して
用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0027】上記エポキシ樹脂としては、金属酸化物や
金属水酸化物との混合のしやすさ、及び、発泡時の流動
性の点で、特に常温で液状であることが好ましく、この
ようなものとしては、例えば、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグ
リシジルエーテル系エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシ
ジルエーテル系エポキシ樹脂、フェノールノボラックポ
リグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、クレゾールノボ
ラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂等のグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸
グリシジルエステル系エポキシ樹脂、ダイマー酸グリシ
ジルエステル系エポキシ樹脂等のグリシジルエステル系
エポキシ樹脂;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘ
キシルメチルカルボキシレートや3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチルカルボキシレート等の環式脂肪族系エ
ポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0028】又、本発明によって得られるエポキシ樹脂
発泡体の難燃性及び耐熱性をより向上させるという観点
からは、樹脂の骨格中にフェノールノボラック構造を有
するエポキシ樹脂を用いることが好ましく、このような
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラックポリグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂やクレゾールノボラック
ポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂等を挙げること
ができるが、上記と同様の理由から、液状であるフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
を用いることがより好ましい。
【0029】更に、発泡時の流動性に優れ、得られる発
泡体の密度を比較的低くすることができるという観点か
らは、上記フェノールノボラックポリグリシジルエーテ
ル系エポキシ樹脂と、ビスフェノールFジグリシジルエ
ーテル系エポキシ樹脂及びビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル系エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1
種、或いは、脂肪族ジグリシジルエステル系エポキシ樹
脂、脂肪族ジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、環状
脂肪族ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂及び環状脂
肪族ジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂から選ばれる
少なくとも1種のエポキシ樹脂とを併用することが特に
好ましい。
【0030】上記の場合は、フェノールノボラックポリ
グリシジルエーテル系エポキシ樹脂と、それ以外の上記
エポキシ樹脂との混合樹脂における後者の比率が、1〜
50重量%となるようにすることが好ましい。
【0031】本発明で使用する金属酸化物は、後述する
リン酸化合物が樹脂発泡体中で余剰となった場合に、そ
の補足剤として機能して、当該リン酸化合物が残存する
ことによる悪影響を防止するものである。即ち、この金
属酸化物が残存したリン酸化合物と反応又は相互作用し
て、得られる樹脂発泡体の耐水性等の低下を防止するの
である。
【0032】上記金属酸化物としては、例えば、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化
物や、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化イットリウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化鉄、酸化
鉛、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化クロム、アル
ミナセメント等のアルミン酸カルシウム、ポルトランド
セメント等のケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛等のアルカ
リ土類金属酸化物以外の金属酸化物、或いは、モンモリ
ロナイト、ウォラストナイト、ウィレマナイト、ヘクト
ライト、サポナイト、タルク、パイロフィライト、マイ
カ、ドーソナイト等の粘土鉱物を含めたものの中から選
ばれる、少なくとも1種を使用することができる。
【0033】上記金属酸化物の中でも、後述するリン酸
化合物との反応性が高いことから、アルカリ土類金属の
酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム及び酸化チタンの
中から選ばれる少なくとも1種、或いは、これらの中の
少なくとも1種の金属酸化物を成分として含有する複合
酸化物(鉱物)を用いることが好ましい。
【0034】本発明において、上記金属酸化物は、エポ
キシ樹脂100重量部に対して1〜50重量部の範囲、
好ましくは5〜30重量部の範囲で使用する。
【0035】上記金属酸化物の使用量が50重量部を超
えると、リン酸化合物がエポキシ樹脂と反応する以前に
金属酸化物と反応或いは相互作用を起こし、発泡が不充
分となったり、発泡は生じても硬化が遅くなり、生産性
の低下を招くおそれがあり、又、金属酸化物の使用量が
1重量部未満であると、得られる樹脂発泡体にリン酸化
合物が残存してしまう。
【0036】更に、上記金属酸化物は、平均粒子径が
0.1〜100μmのものであることが好ましく、平均
粒子径が0.1μm未満であると、嵩が高くなって取扱
い性や樹脂への混練のしやすさに劣る場合があり、平均
粒子径が100μmを超えると、嵩比重が大きくなって
樹脂等との比重差によって沈降しやすくなり、上記金属
酸化物を樹脂発泡体中に均一に分散させることが困難と
なる場合がある。
【0037】従って、樹脂と混練しやすく、且つ、樹脂
発泡体中へ均一に分散させることができる点からは、上
記金属酸化物は、その平均粒子径が5〜50μmのもの
であることがより好ましい(尚、本発明における平均粒
子径は、沈降天秤法或いは乾式篩分析によって測定され
たD50の値[累積分布の50%値]を意味する。)。
【0038】又、本発明で使用する金属水酸化物は、エ
ポキシ樹脂発泡体の難燃性を高めるものであり、又、高
温下において、結合している結合水を放出することで吸
熱し、熱を遮断する作用によってエポキシ樹脂発泡体の
耐火性を高めるものでもある。
【0039】上記金属水酸化物としては、例えば、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化ジルコニウム等が挙げられるが、中でも吸熱
効果が大きいことから、水酸化アルミニウムを使用する
ことが好ましい。
【0040】上記金属酸化物と同様に、リン酸化合物が
樹脂発泡体中へ残存することの悪影響を防止するという
観点からは、上記金属水酸化物としては、リン酸化合物
と反応或いは相互作用しやすいものを用いることが好ま
しく、このような金属水酸化物としては、水酸化マグネ
シウムを挙げることができる。
【0041】更に、この金属水酸化物に対しては、エポ
キシ樹脂への分散性を向上させるために、ステアリン酸
等の脂肪酸や、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシラン等のアミノシランカップリング剤
を除くシランカップリング剤等による表面処理を施して
もよい。尚、アミノシランカップリング剤は、経時的に
エポキシ樹脂と反応し、逆に凝集物を形成しやすくなる
ので好ましくない。
【0042】本発明において、上記金属水酸化物は、エ
ポキシ樹脂100重量部に対して10〜300重量部の
範囲で使用するのであるが、得られる樹脂発泡体の成形
性、難燃性、耐火性及び機械的強度のバランスの面から
は、30〜250重量部の範囲で使用することが好まし
い。
【0043】尚、上記金属水酸化物の使用量が10重量
部未満であると、発泡体の難燃性や耐火性を向上させる
ことができず、逆に使用量が300重量部を超えると、
発泡時の発泡混合液の流動性が低下して、所定形状の発
泡体を得ることができなくなるばかりか、発泡体の密度
が大きくなって重量が増加することや、発泡体の気泡
(セル)が破壊されることによる断熱性能の低下や脆化
を引き起こしてしまう。
【0044】更に、上記金属水酸化物は、平均粒子径が
0.1〜100μmのものであることが好ましく、平均
粒子径が0.1μm未満であると、嵩が高くなって取扱
い性や樹脂への混練のしやすさに劣る場合があり、平均
粒子径が100μmを超えると、嵩比重が大きくなって
樹脂等との比重差によって沈降しやすくなり、上記金属
水酸化物を樹脂発泡体中に均一に分散させることが困難
となる場合がある。
【0045】従って、樹脂と混練しやすく、且つ、樹脂
発泡体中へ均一に分散させることができる点からは、上
記金属水酸化物は、平均粒子径5〜50μmのものであ
ることがより好ましい。
【0046】本発明で使用する発泡剤としては、ハロゲ
ン化炭化水素類や炭化水素類等の公知のものを挙げるこ
とができ、中でも、沸点が0〜100℃のハロゲン化炭
化水素類が好ましく、常温で液体のハロゲン化炭化水素
類が特に好ましく、これらの発泡剤は、単独或いは2種
類以上の組み合わせで使用してもよい。
【0047】上記のようなハロゲン化炭化水素類として
は、塩化メチレン等の塩素化炭化水素類、2,2−ジク
ロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC12
3)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCF
C141b)、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3
−ペンタフルオロプロパン(HCFC225ca)、
1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオ
ロプロパン(HCFC225cb)等の塩素化フッ素化
炭化水素類等を例示することができる。
【0048】本発明において、上記発泡剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して1〜50重量部の範囲で使用
するものであり、この量が1重量部未満であると発泡が
不十分となり、50重量部を超えると、連続気泡が増え
て独立気泡率が低下し、樹脂発泡体の剛性や断熱性が低
下してしまう。
【0049】更に、上記発泡剤の使用量の増減により得
られる発泡体の発泡倍率や密度が変化するので、発泡体
の用途等に応じて要求される密度になるように、発泡剤
の量を調整することが好ましい。
【0050】本発明において使用する整泡剤としては、
例えば、ポリウレタン樹脂発泡体やフェノール樹脂発泡
体等の各種樹脂発泡体の製造に用いられている、公知の
ものを挙げることができる。
【0051】上記整泡剤としては界面活性剤が好まし
く、更に、この界面活性剤としてはノニオン系界面活性
剤がより好ましい。尚、これら整泡剤は、単独で或いは
2種類以上の組み合わせで使用してもよい。
【0052】上記整泡剤として使用できるノニオン系界
面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレート等のソルビタンエステル類;ポリエチレ
ングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコー
ルモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレー
ト、ポリエチレングリコールジオレート等のポリエチレ
ングリコールエステル類;ポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエステル類、及び、ジ
メチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体類
等を挙げることができる。
【0053】更に、上記ノニオン系界面活性剤の中で
も、少量で樹脂発泡体中に均一な気泡(セル)を形成さ
せることができるという点からは、ジメチルポリシロキ
サンポリオキシアルキレン共重合体類を使用することが
好ましい。
【0054】本発明によるエポキシ樹脂発泡体の製造に
おける上記整泡剤の機能は、硬化前の混合発泡液の表面
張力を最適化することによって、発泡剤が気化する際に
均一な気泡(セル)を形成させることにあるが、本発明
において、エポキシ樹脂発泡体の硬化剤として使用する
リン酸化合物の表面張力が高い場合には、整泡剤の効果
を十分に発現させるために、整泡剤を多量に使用するこ
とが必要となり、一方で整泡剤の量を多くして表面張力
を低下させすぎると、破泡効果が発現して連続気泡が多
くなりやすく、得られる樹脂発泡体の断熱性や機械的強
度低下等の原因にもなってしまう。
【0055】又、上記ジメチルポリシロキサンポリオキ
シアルキレン共重合体類は、その構造による違いもある
が、硬化剤として使用するリン酸化合物との相溶性が他
の整泡剤と比べてあまり良くなく、部分的に発泡体の気
泡(セル)が形成され難くなるという問題が生じる場合
があるので、上記のような理由から、本発明においてジ
メチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体類
を整泡剤として使用する場合は、硬化剤として使用する
リン酸化合物と相溶し、多少なりとも表面張力を低下さ
せることができるリン酸トリエステルを併用することが
好ましい。
【0056】上記リン酸トリエステルとしては、水に相
溶するものがよく、従って、アルキル基の炭素数が4以
下のものが好ましい。
【0057】更に、発泡体中の金属酸化物及び金属水酸
化物の分散を向上させるという点からは、上記ジメチル
ポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体類は、カ
ルボキシル基等の極性基を有するものであることが好ま
しい。
【0058】本発明において、上記整泡剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ま
しくは、0.5〜5重量部使用するものであり、この量
が0.01重量部未満であると、発泡後の気泡の大きさ
や分布を均一化する効果に欠け、10重量部を超える
と、可塑剤として作用して樹脂発泡体の剛性を低下させ
てしまうおそれがある。
【0059】本発明において使用するリン酸化合物と
は、リン酸及びポリリン酸から選ばれる少なくとも1種
のリン酸類と、金属酸化物及び金属水酸化物から選ばれ
る少なくとも1種の金属化合物とを、予め脱水縮合させ
て得た液状のものであり、このリン酸化合物は、上記エ
ポキシ樹脂と反応して樹脂発泡体の骨格を形成し、エポ
キシ樹脂同士の反応硬化の触媒としても機能し、又、難
燃剤である金属酸化物や金属水酸化物と反応又は相互作
用することが可能で、更には樹脂発泡体に難燃性を与え
る成分でもある。
【0060】更に、従来技術が開示するように、リン酸
類以外のリン酸化合物を併用することなしに、リン酸類
のみを用いてエポキシ樹脂発泡体を得ることもできる
が、発泡体の難燃性を高くするためには、リン酸類を比
較的多く使用することが必要となる。しかしながら、こ
の場合は上述したように、エポキシ樹脂とリン酸類との
急速な反応によって、緻密な発泡体が得られなかった
り、発泡硬化時の作業性が低下したりする場合がある。
【0061】従って、発泡硬化時の作業性を良好にす
る、つまりエポキシ樹脂とリン酸類とを混合した混合発
泡液の、混合から発泡硬化が完了するまでの時間を、発
泡体が所望の形状に成形でき、且つ、生産性が悪くなら
ない範囲にコントロールするためには、エポキシ樹脂と
反応し或いは触媒として機能するリン酸類に代えて、リ
ン酸類のリン原子に結合した水酸基の数を低減させたリ
ン酸化合物を使用して、反応或いは触媒機能を抑制する
必要があり、同時に、このようなリン酸化合物の使用
は、発泡体中にリン酸類が残存した場合に、水と相互作
用しやすいリン酸類中の水酸基の数を低減しているため
に、発泡体の耐水性を向上させる意味もある。
【0062】例えば、エステル化によってリン原子に結
合した水酸基の数を低減させた化合物である、モノアル
キルリン酸エステル等の酸性リン酸エステルを使用すれ
ば、発泡硬化時の作業性を良好にしながら、リン酸化合
物をより多く使用することができるが、この場合は、難
燃性向上の効果を発現させるリン原子を発泡体中により
多く導入できる一方で、酸性リン酸エステルに付随する
可燃性のアルキル基が発泡体中により多く導入され、リ
ン原子による難燃性向上の効果がアルキル基の可燃性に
よって相殺されてしまって、期待する効果が得られない
という場合がある。
【0063】従って、本発明においては、リン酸化合物
をより多く使用して発泡体の難燃性を向上させ、且つ、
発泡硬化時の作業性を良好にするために、上記のような
リン酸及びポリリン酸から選ばれる少なくとも1種のリ
ン酸類と、金属酸化物及び金属水酸化物から選ばれる少
なくとも1種の金属化合物とを予め脱水縮合させて得
た、液状のリン酸化合物を使用するのである。
【0064】上記リン酸化合物を得るためのリン酸類の
うち、リン酸としては特に制限はなく、例えば、工業用
として入手可能な濃度が75%、85%、89%のもの
のいずれでもよく、ポリリン酸についても、P25の含
有量の違いにより各種のグレードのものが市販されてい
るが、特に制限なく使用できる。
【0065】リン酸類としては、リン酸とポリリン酸の
うちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上の任意の
混合比による混合物として用いても良い。但し、経済性
とリン酸化合物を得る際の反応作業性の点からすると、
89%リン酸を使用することが好ましい。
【0066】上記リン酸化合物を得るための金属化合物
としては、アルカリ土類金属の酸化物、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸
化イットリウム、酸化鉄等の金属酸化物、及び、アルカ
リ土類金属の水酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化ジ
ルコニウム、水酸化亜鉛等の金属水酸化物を例示するこ
とができ、これらの中から選ばれる1種或いは2種以上
を用いることができる。
【0067】上記のリン酸化合物は、上記リン酸類10
0重量部と、上記金属化合物1〜50重量部とを脱水縮
合させて得たものであることが好ましく、金属化合物が
1重量部未満であると、リン酸類中のリン原子に結合し
た水酸基の数を低減させることが不十分となって、エポ
キシ樹脂との反応を十分に抑制できない場合があり、
又、金属化合物が50重量部を超えると、得られるリン
酸化合物が液状とならずに固形状となり、発泡硬化時で
の混合発泡液の流動性に支障をきたす場合がある。
【0068】又、上記リン酸化合物を得る際の金属化合
物が比較的少ない配合においても、リン酸化合物の脱水
縮合を継続して行うと固形状のものになる場合がある
が、これは、反応中に生じる水が溶剤として機能してお
り、脱水がほぼ完了した後の反応の進行により水の量が
少なくなり、固化するものと考えられ、リン酸化合物を
液状で保つには、ある程度の水の存在が必要となる。
【0069】しかしながら、エポキシ樹脂と硬化剤との
反応においては、水の存在は好ましいものではなく、こ
れは、水はエポキシ樹脂のエポキシ基と反応はするが、
エポキシ基を開環させてポリオールを形成するだけなの
で、エポキシ樹脂の高分子量化を阻害してしまい、その
結果、得られた樹脂発泡体の耐熱性が低下する場合があ
るためである。
【0070】一方、前述したように、均一な気泡を有す
る樹脂発泡体を得るために、発泡前の混合発泡液の表面
張力を比較的低くする必要があるが、上記リン酸化合物
は、無機成分で構成されているために、比較的表面張力
の高い材料となりやすいので、気泡が均一で緻密な発泡
体を得ることが難しい場合がある。
【0071】上記問題点を解決するために、リン酸化合
物を得る脱水縮合反応の際に、沸点が150°以上の水
溶性の有機溶剤、又は、リン酸エステルを併用すること
が好ましく、この有機溶剤としては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、及び、これらのモノエーテル化合物等を使用す
ることができ、リン酸エステルとしては、例えば、リン
酸モノエチル、リン酸ジエチル、リン酸モノブトキシエ
チル、リン酸ジブトキシエチルなどの酸性リン酸エステ
ル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどを使用す
ることができる。
【0072】しかし、前述のように上記リン酸化合物の
溶剤となる上記水溶性有機溶剤或いはリン酸エステルを
多く用いることは、樹脂発泡体の難燃性向上の観点から
はあまり好ましくないので、リン酸化合物を得る際のリ
ン酸類100重量部に対して、上記水溶性有機溶剤或い
はリン酸エステルを0.1〜10重量部の範囲で使用す
ることが好ましい。上記水溶性有機溶剤或いはリン酸エ
ステルが0.1重量部未満であると、溶剤としての機能
が不十分であり、10重量部を超えると、樹脂発泡体の
難燃性を損なう場合がある。
【0073】尚、リン酸類と金属化合物との脱水縮合に
よってリン酸化合物を得る際のリン酸類の量比は、リン
酸類としてリン酸を使用する場合には、各種の濃度のも
のが市販されているので、その濃度を100%に換算し
た量比を意味する。
【0074】上記リン酸化合物は、前記エポキシ樹脂の
エポキシ基と反応して当該エポキシ樹脂の分子骨格中に
取り込まれるか、或いは、金属酸化物又は金属水酸化物
と反応若しくは相互作用してそれらの中に取り込まれる
と考えられ、そのために、リン酸化合物の使用量を適切
な範囲にコントロールすることにより、得られる発泡体
中にリン酸化合物が遊離酸として残存しないようにする
ことができる。
【0075】従って、上記のようにリン酸化合物の使用
量をコントロールすることにより、本発明によって得ら
れるエポキシ樹脂発泡体を金属や木材等の他材料と接着
させた場合でも、例えば金属に対する腐食や木材に対す
る変色を防止するための中和剤を必要とせず、更に、残
存するリン酸化合物の樹脂発泡体への悪影響、即ち、樹
脂発泡体の耐水性の低下(吸湿又は吸水による樹脂発泡
体の寸法安定性の低下及び脆化)を防止することができ
る。
【0076】本発明において、上記リン酸化合物は、エ
ポキシ樹脂100重量部に対して10〜100重量部の
範囲で使用するのであり、リン酸化合物の使用量が10
重量部未満であると、エポキシ樹脂の架橋が不十分とな
り、得られた樹脂発泡体は十分な剛性を備えることがで
きず、しかもエポキシ樹脂との反応で発生する反応熱が
少ないので、発泡剤の発泡(気化)が不十分となり、所
望の発泡倍率の発泡体を得ることが困難となる。
【0077】一方、上記リン酸化合物の使用量が100
重量部を超えると、リン酸化合物が余剰となる場合が多
くなって、樹脂発泡体中に遊離酸として残存する割合が
高くなり、この場合は発泡体の発泡状態が悪くなると共
に、樹脂発泡体が金属や木材に接触した場合にそれらを
腐食や変色させたりするおそれが大きくなり、又、残存
するリン酸化合物が樹脂発泡体の耐水性を低下させる恐
れが大きくなる。更に、エポキシ樹脂との反応が急速に
進行して発泡体が緻密にならない場合がある。尚、上記
のリン酸化合物の使用量は、濃度を100%に換算した
量比を意味する。
【0078】又、上記リン酸化合物の使用量は、樹脂発
泡体の用途、製造方法や製造条件等によって更に適切な
量に調整することが好ましく、例えば、リン酸化合物が
遊離酸として残存することが不適当な場合には、この範
囲内の比較的少ない量を使用することが好ましいし、反
応による発熱量が不十分な場合には、この範囲の比較的
多い量を使用することが好ましい。
【0079】エポキシ樹脂、リン酸化合物及びその他の
成分を含む混合発泡液は、通常、常温下で反応するの
で、本発明のエポキシ樹脂発泡体の製造方法では、エポ
キシ樹脂とリン酸化合物とを常温下で混合して、反応性
の混合発泡液とすることが好ましいが、エポキシ樹脂が
高粘度の液体である場合等では、エポキシ樹脂とリン酸
化合物との混合を加温下で行うこともできる。
【0080】一方、上記金属酸化物、金属水酸化物、発
泡剤及び整泡剤は、エポキシ樹脂とリン酸化合物との混
合の際、同時にこれらと混合することができるが、上記
両者の少なくとも一方に、金属酸化物、金属水酸化物、
発泡剤及び整泡剤を前もって混合しておくこともでき、
前もって混合しておく場合は、混合の容易さから、エポ
キシ樹脂を含む成分に混合して予備混合物としておき、
この予備混合物とリン酸化合物を含む成分とを混合して
反応性の混合発泡液とすることが好ましい。
【0081】特に、上記金属酸化物及び金属水酸化物は
粉体であるため、発泡時の混合発泡液の流動性及び発泡
体中へのこれら粉体の分散を良好にするため、前もって
エポキシ樹脂を含む成分に混合しておくことが好まし
く、これらの混合は、ディスパー、ニーダー、ミキシン
グロール、ヘンシェルミキサー等を用いて行うことがで
きる。
【0082】エポキシ樹脂、金属酸化物、金属水酸化
物、発泡剤、整泡剤及びリン酸化合物を含む反応性の混
合発泡液は、常温下で反応を開始することができ、発熱
を伴いながら反応が進行すると共に発泡剤の気化により
発泡し、反応硬化してエポキシ樹脂発泡体となるのであ
り、このような成分を混合して混合物を吐出乃至射出す
る装置としては、フェノール樹脂発泡体等の製造に用い
られているような、多成分混合発泡機と呼ばれている混
合装置を使用するのが好適である。
【0083】又、本発明によって得られるエポキシ樹脂
発泡体を所望の形状に成形する方法としては、所望の大
きさ及び形の型に前記原料成分を混合しつつ注入して発
泡硬化させる注入発泡法や、平面状に前記原料成分を混
合しつつ流し、その混合発泡液が硬化する前に、ドクタ
ーブレード等で発泡硬化途中の混合発泡液の表面を掻い
て所定の厚さとし、硬化させるスラブ発泡法等を採用す
ることができる。
【0084】尚、本発明によって得られたエポキシ樹脂
発泡体は、従来の樹脂発泡体と同様の用途に使用するこ
とができ、例えば、スラブ発泡法で得られた発泡体を切
り出して所望の形状にした型枠兼用断熱材や床下断熱材
等の住宅等の建築物に用いられる板状断熱材等の用途
に、又、注入発泡法によって冷凍冷蔵倉庫等の建築物の
内壁と外壁との間で発泡させて断熱材とする用途に用い
ることができる。
【0085】又、ドアやサンドイッチパネルの芯材とす
ることもできるし、更に、ガラス繊維等の強化繊維に前
記原料成分の混合発泡液を含浸しつつ発泡硬化させて、
合成木材等の複合材とすることもできる。
【0086】
【作用】エポキシ樹脂、金属酸化物、金属水酸化物、発
泡剤、整泡剤及びリン酸化合物による混合発泡液は、常
温下において急速に反応して発熱するので、この反応熱
を発泡剤の気化に利用することにより、上記混合発泡液
を加熱することなく、常温で容易に素早く発泡硬化させ
てエポキシ樹脂発泡体を形成することができる。
【0087】又、リン酸類を予め金属化合物と反応させ
て得たリン酸化合物を使用するため、エポキシ基との反
応を制御して発熱量を抑え、気泡(セル)の大きさや分
布が均一で断熱性能が高い発泡体の製造が、発泡硬化時
の作業性を良好にしつつ可能となり、且つ、リン酸化合
物はもともと発泡体中に残存し難いが、余剰となって発
泡体中に残存した場合であっても、リン酸類をそのまま
の状態で使用する場合と比べてその悪影響が小さく、発
泡体の耐水性の低下を抑えることができる。
【0088】又、本発明において使用した金属酸化物及
び金属水酸化物は、樹脂発泡体の難燃性を高めるばかり
でなく、樹脂発泡体中にリン酸化合物が余剰となった場
合に、金属酸化物或いは金属水酸化物がリン酸化合物と
反応又は相互作用することで、リン酸化合物の捕捉剤と
して機能し、残存するリン酸化合物に起因する樹脂発泡
体の吸湿又は吸水による寸法安定性の低下及び脆化、即
ち、耐水性の低下を抑えることができ、加えて金属酸化
物或いは金属水酸化物は無機充填剤としても機能して、
樹脂発泡体の耐熱変形性等も向上させることができる。
【0089】更に、この金属酸化物或いは金属水酸化物
の一部がリン酸化合物と反応して、エポキシ樹脂発泡体
を構成する樹脂骨格の中に取り込まれるために、金属酸
化物或いは金属水酸化物を取り込んだ樹脂と、取り込ま
れずに残った金属酸化物或いは金属水酸化物との濡れ性
が良好となり、従来のエポキシ樹脂発泡体と比較して多
量の金属酸化物或いは金属水酸化物を、気泡(セル)を
破壊することなく発泡体中に均一に分散させることがで
き、一方でこれらのうちの金属水酸化物は、本発明によ
って得られたエポキシ樹脂発泡体をサンドイッチパネル
等の芯材に用い、そしてこのサンドイッチパネルが例え
ば火炎に晒された場合、発泡体の温度が200〜500
℃に達すると、脱水又は結晶水を放出することで吸熱す
るので、パネルの温度上昇及び反対面への伝熱を抑制す
ることができる。
【0090】更に又、エポキシ樹脂発泡体を構成する樹
脂骨格の中に取り込まれたリン酸化合物は、脱水炭化促
進剤としても作用して樹脂骨格からの水の放出を促し、
炭化したセルによる断熱層を形成するので、高温に晒さ
れた後でも発泡体の形状や断熱性能が維持される。
【0091】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。
【0092】実施例1 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部と、整泡剤としてのジメチルポリシロキサ
ンポリオキシアルキレン共重合体2重量部をタンクに投
入し、50℃に加温しながらよく撹拌混合した後、金属
水酸化物としての、ステアリン酸で表面処理した平均粒
子径10μmの水酸化アルミニウム120重量部、及
び、金属酸化物としての平均粒子径8μmのウォラスト
ナイト10重量部を、ディスパーを用いて分散させなが
ら添加した。分散終了後、この混合物を冷却塔付き攪拌
槽に入れ、25〜30℃まで冷却し、発泡剤としての
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン15重量部を添
加し混合した。この混合物をX成分とし、多成分混合発
泡機のタンクに入れた。
【0093】次に、工業用89%リン酸100重量部を
ガラスライニングされた反応釜に入れ、金属化合物とし
ての、表面処理を施していない平均粒子径50μmの水
酸化アルミニウム8.9重量部を添加し、撹拌した。更
に、そこへ金属化合物としての酸化亜鉛(3級品)5重
量部を撹拌しながら徐々に添加した。添加終了後、加熱
を開始した。100〜120℃にて添加した金属化合物
が溶解し、135℃付近で脱水が開始した。液温を15
0℃に保持したまま3時間反応させたところ、固形分8
8重量%の透明で淡黄色のリン酸化合物が得られた。こ
のリン酸化合物をY成分とし、多成分混合発泡機の別の
原料タンクに入れた。
【0094】X,Yの各成分をX:Y=100:35の
吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/min
の流量で送入し、この混合発泡液2500gを直ちに5
00×500×100mmの常温の金属枠内に注入して
発泡させた。尚、これは上記エポキシ樹脂100重量部
に対して、リン酸化合物は固形分100%換算で76.
1重量部を使用することに相当する。発泡は注入後45
秒で開始し、注入してから5分後に発泡硬化が完了し、
そのままの状態で15分間放置した。
【0095】実施例2 X成分を実施例1と同様に調合し、多成分混合発泡機の
タンクに入れた。次に工業用89%リン酸100重量部
及び酸性リン酸エチル(リン酸ジエチル50重量%とリ
ン酸モノエチル50%との混合品)5重量部をガラスラ
イニングされた反応釜に入れ、金属化合物としての、表
面処理を施していない平均粒子径50μmの水酸化アル
ミニウム8.9重量部を添加し、撹拌した。更に、そこ
へ金属化合物としての酸化亜鉛(3級品)8.9重量部
を撹拌しながら徐々に添加した。添加終了後、加熱を開
始した。100〜120℃にて添加した金属化合物が溶
解し、135℃付近で脱水が開始した。液温を150℃
に保持したまま4時間反応させたところ、固形分94重
量%の透明で淡黄色のリン酸化合物が得られた。このリ
ン酸化合物をY成分とし、多成分混合発泡機の別の原料
タンクに入れた。
【0096】X,Yの各成分をX:Y=100:40の
吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/min
の流量で送入し、この混合発泡液2500gを直ちに5
00×500×100mmの常温の金属枠内に注入して
発泡させた。尚、これは上記エポキシ樹脂100重量部
に対して、リン酸化合物は固形分100%換算で92.
9重量部を使用することに相当する。発泡は注入後30
秒で開始し、注入してから5分後に発泡硬化が完了した
が、そのままの状態で15分間放置した。
【0097】実施例3 X成分を実施例1と同様に調合し、多成分混合発泡機の
タンクに入れた。次に工業用89%リン酸100重量部
及びエチレングリコール10重量部をガラスライニング
された反応釜に入れ、金属化合物としての、表面処理を
施していない平均粒子径50μmの水酸化アルミニウム
8.9重量部を添加し、撹拌した。更に、そこへ金属化
合物としての酸化亜鉛(3級品)8.9重量部を撹拌し
ながら徐々に添加した。添加終了後、加熱を開始した。
100〜120℃にて添加した金属化合物が溶解し、1
35℃付近で脱水が開始した。液温を150℃に保持し
たまま6時間反応させたところ、固形分96重量%の透
明で淡黄色のリン酸化合物が得られた。このリン酸化合
物をY成分とし、多成分混合発泡機の別の原料タンクに
入れた。
【0098】X,Yの各成分をX:Y=100:30の
吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/min
の流量で送入し、この混合発泡液2500gを直ちに5
00×500×100mmの常温の金属枠内に注入して
発泡させた。尚、これは上記エポキシ樹脂100重量部
に対して、リン酸化合物は固形分100%換算で71.
1重量部を使用することに相当する。発泡は注入後30
秒で開始し、注入してから5分後に発泡硬化が完了した
が、そのままの状態で15分間放置した。
【0099】実施例4 エポキシ当量150g/eqのネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂と、エポキシ当量
175g/eq、分子量約600のフェノールノボラッ
クポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂とを、重量比
で1:9に混合して均一にした混合樹脂100重量と、
整泡剤としてのポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレート3重量部とをタンクに入れて撹拌した後、金属
水酸化物としての、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシランで処理した平均粒子径15μmの水酸化アル
ミニウム100重量部、金属酸化物としての平均粒子径
20μmのモンモリロナイト30重量部、及び、金属酸
化物としての酸化亜鉛(3級品)5重量部をディスパー
を用いて分散を行いながら添加した。分散終了後、この
混合物を冷却塔付き撹拌槽に入れ、30℃以下まで冷却
し、発泡剤としての1,1−ジクロロ−2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロパン17重量部を添加し、
混合した。この混合物をX成分とし、多成分混合発泡機
のタンクに入れた。一方、Y成分は実施例1と同様にし
て得たリン酸化合物とし、多成分混合発泡機の別の原料
タンクに入れた。
【0100】X,Yの各成分をX:Y=100:35の
吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/min
の流量で送入し、この混合発泡液2500gを直ちに5
00×500×100mmの常温の金属枠内に注入して
発泡させた。尚、これは上記エポキシ樹脂100重量部
に対して、リン酸化合物は固形分100%換算で78.
5重量部を使用することに相当する。発泡は注入後20
秒で開始し、注入してから5分後に発泡硬化が完了した
が、そのままの状態で15分間放置した。
【0101】実施例5 X成分を実施例4と同様に調合し、これを多成分混合発
泡機のタンクに入れた。次に、工業用89%リン酸10
0重量部をガラスライニングされた反応釜に入れ、金属
化合物としての、表面処理を施していない平均粒子径5
0μmの水酸化アルミニウム4.5重量部添加した後、
加熱を開始した。120℃付近で水酸化アルミニウムが
溶解し、135℃付近で脱水が開始した。液温を150
℃に保持したまま3時間反応させたところ、固形分90
%の透明で淡黄色の液状のリン酸化合物が得られた。こ
のリン酸化合物をY成分とし、多成分混合発泡機の別の
原料タンクに入れた。
【0102】X,Yの各成分をX:Y=100:6の吐
出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/minの
流量で送入し、この混合発泡液2500gを直ちに50
0×500×100mmの常温の金属枠内に注入して発
泡させた。尚、これは上記エポキシ樹脂100重量部に
対して、リン酸化合物は固形分100%換算で13.8
重量部を使用することに相当する。発泡は注入後40秒
で開始し、注入してから5分後に発泡硬化が完了した
が、そのままの状態で15分間放置した。
【0103】実施例6 X成分を実施例4と同様に調合し、これを多成分混合発
泡機のタンクに入れた。Y成分は実施例2と同様にして
得たリン酸化合物とし、これを多成分混合発泡機の別の
原料タンクに入れた。
【0104】X,Yの各成分をX:Y=100:30の
吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/min
の流量で送入し、この混合発泡液2500gを直ちに5
00×500×100mmの常温の金属枠内に注入して
発泡させた。尚、これは上記エポキシ樹脂100重量部
に対して、リン酸化合物は固形分100%換算で71.
9重量部を使用することに相当する。発泡は注入後40
秒で開始し、注入してから5分後に発泡硬化が完了した
が、そのままの状態で15分間放置した。
【0105】比較例1 X,Yの各成分の吐出重量比をX:Y=100:3にし
た以外は、実施例1と同様にした。尚、これは上記エポ
キシ樹脂100重量部に対して、リン酸化合物は固形分
100%換算で6.5重量部を使用することに相当す
る。発泡は注入後90秒で開始したが、所定の厚みまで
発泡せず、その後発泡体が収縮した。
【0106】比較例2 X,Yの各成分の吐出重量比をX:Y=100:50に
した以外は、実施例1と同様にした。尚、これは上記エ
ポキシ樹脂100重量部に対して、リン酸化合物は固形
分100%換算で108.7重量部を使用することに相
当する。発泡は注入直後に開始し、注入してから2分後
に発泡硬化が完了したが、発泡体内部に大きな空洞が見
られ、発泡体の一部を押すと容易に座屈するものであっ
た。
【0107】比較例3 X成分を実施例1と同様に調合し、多成分混合発泡機の
原料タンクに入れた。次に、工業用89%リン酸をY成
分として、多成分混合発泡機の別の原料タンクに入れ
た。X,Yの各成分をX:Y=100:4の吐出重量比
で、ミキシングヘッドに合計3Kg/minの流量で送
入し、この混合発泡液2500gを直ちに500×50
0×100mmの常温の金属枠内に注入して発泡させ
た。尚、これは上記エポキシ樹脂100重量部に対し
て、リン酸は濃度100%換算で8.8重量部を使用す
ることに相当する。発泡は注入後40秒で開始し、注入
してから5分後に発泡硬化が完了したが、そのままの状
態で15分間放置した。
【0108】比較例4 X,Yの各成分の吐出重量比をX:Y=100:20と
した以外は、比較例3と同様にした。尚、これは上記エ
ポキシ樹脂100重量部に対して、リン酸は濃度100
%換算で44.0重量部を使用することに相当する。発
泡は注入後15秒でに開始し、注入してから3分後に発
泡硬化が完了した。
【0109】比較例5 X,Yの各成分の吐出重量比をX:Y=100:40と
した以外は、比較例3と同様にした。尚、これは上記エ
ポキシ樹脂100重量部に対して、リン酸は濃度100
%換算で87.9重量部を使用することに相当する。発
泡は注入後10秒でに開始し、注入してから2分後に発
泡硬化が完了した。得られた発泡体は、内部に空洞が見
られ、発泡体の一部を押すと容易に座屈するものであっ
た。
【0110】評価 以上の実施例及び比較例によって得られたエポキシ樹脂
発泡体を、以下の方法によって評価した。その結果を表
1に示す。 発泡状態:目視により、セルの大きさと分布の均一性を
評価し、良好な場合は○、不均一な場合は×とした。 密度、圧縮強度、熱伝導率:JIS A 9511に準
じた方法に拠った。 寸法変化率:エポキシ樹脂発泡体を、温度60℃、相対
湿度90%の条件下に24時間放置し、その前後での発
泡体の発泡方向の寸法の変化量と、発泡体の発泡方向の
元の寸法とから、寸法変化率を算出した。尚、発泡方向
とは、発泡硬化時における鉛直方向に相当する方向を意
味する。 難燃性:JIS A 1321に拠り、難燃2級の合否
を判定した。
【0111】
【表1】
【0112】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂発泡体の製造方法
によれば、以上の実施例に示す通り、常温下で容易に素
早く発泡硬化し、断熱性が高く高剛性で緻密な難燃性の
エポキシ樹脂発泡体を得ることができる。
【0113】又、本発明によって得られたエポキシ樹脂
発泡体は、発泡体を構成する樹脂骨格中にリン酸化合物
が取り込まれているので、難燃性に優れており、更に、
リン酸化合物を使用することにより、従来技術と比較し
てより多量の難燃剤を発泡体中に均一に分散させること
ができるので、難燃性と耐火性に優れたエポキシ樹脂発
泡体を得ることができる。
【0114】更に又、本発明によって得られたエポキシ
樹脂発泡体は、残存するリン酸類に基因する吸湿による
寸法変化が極めて小さいという優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/04 C08L 63/02 - 63/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のA〜Fの各成分を含む混合発泡液
    を発泡硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂発泡体
    の製造方法。 (A)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
    樹脂 100重量部 (B)金属酸化物 1〜50重量部 (C)金属水酸化物 10〜300重量部 (D)発泡剤 1〜50重量部 (E)整泡剤 0.01〜10重量部 (F)リン酸及びポリリン酸から選ばれる少なくとも1
    種のリン酸類と、金属酸化物及び金属水酸化物から選ば
    れる少なくとも1種の金属化合物とを、予め脱水縮合さ
    せて得た液状のリン酸化合物 10〜100重量部
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂として、フェノールノボラ
    ックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を使用する
    請求項1に記載のエポキシ樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂として、フェノールノボラ
    ックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂と、ビスフ
    ェノールFジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂及びビ
    スフェノールAジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂か
    ら選ばれる少なくとも1種との混合樹脂を使用する請求
    項1に記載のエポキシ樹脂発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂として、フェノールノボラ
    ックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂と、脂肪族
    ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、脂肪族ジグリシ
    ジルエーテル系エポキシ樹脂、環状脂肪族ジグリシジル
    エステル系エポキシ樹脂及び環状脂肪族ジグリシジルエ
    ーテル系エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種
    との混合樹脂を使用する請求項1に記載のエポキシ樹脂
    発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属酸化物として、アルカリ土類金属の
    酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム及び酸化チタンの
    中から選ばれる少なくとも1種、或いは、これらの中の
    少なくとも1種の金属酸化物を成分として含有する複合
    酸化物を使用する請求項1乃至4のいずれかに記載のエ
    ポキシ樹脂発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属酸化物として、その平均粒子径が
    0.1〜100μmのものを使用する請求項1乃至5の
    いずれかに記載のエポキシ樹脂発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属水酸化物として、水酸化アルミニウ
    ム及び水酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種
    を使用する請求項1乃至6のいずれかに記載のエポキシ
    樹脂発泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属水酸化物として、その平均粒子径が
    0.1〜100μmのものを使用する請求項1乃至7の
    いずれかに記載のエポキシ樹脂発泡体の製造方法。
  9. 【請求項9】 リン酸化合物は、リン酸類100重量部
    と金属化合物1〜50重量部とを脱水縮合させることに
    より得られたものである請求項1乃至8のいずれかに記
    載のエポキシ樹脂発泡体の製造方法。
  10. 【請求項10】 リン酸化合物は、リン酸類100重量
    部と金属化合物1〜50重量部とを、沸点が150℃以
    上の水溶性有機溶剤0.1〜10重量部の存在下で脱水
    縮合させることにより得られたものである請求項1乃至
    8のいずれかに記載のエポキシ樹脂発泡体の製造方法。
  11. 【請求項11】 リン酸化合物は、リン酸類100重量
    部と金属化合物1〜50重量部とを、リン酸エステル
    0.1〜10重量部の存在下で脱水縮合させることによ
    り得られたものである請求項1乃至8のいずれかに記載
    のエポキシ樹脂発泡体の製造方法。
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