JP3392627B2 - 2次元映像を3次元映像に変換する方法 - Google Patents

2次元映像を3次元映像に変換する方法

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JP3392627B2 JP06605496A JP6605496A JP3392627B2 JP 3392627 B2 JP3392627 B2 JP 3392627B2 JP 06605496 A JP06605496 A JP 06605496A JP 6605496 A JP6605496 A JP 6605496A JP 3392627 B2 JP3392627 B2 JP 3392627B2
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周悟 山下
晋 棚瀬
俊哉 飯沼
幸夫 森
章弘 前中
誠司 岡田
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTR、ビデオカメ
ラ等から出力されたり、CATV放送、TV放送等によ
って伝送されてきたりする2次元映像を3次元映像に変
換する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近話題になっている3次元映像表示シ
ステムに使用される3次元映像ソフトは、その大半が3
次元映像表示システム用に特別に作成されたものであ
る。このような3次元映像ソフトは、一般には2台のカ
メラを用いて左目用映像と右目用映像とを撮像して記録
されたものである。3次元映像ソフトに記録された左右
の映像は、ほぼ同時に表示装置に重ね合わされて表示さ
れる。そして、重ね合わされて表示される左目用映像と
右目用映像とを、観察者の左右の目にそれぞれ別々に入
射させることによって、観察者に3次元映像が認識され
る。
【0003】ところで、現在、2次元映像ソフトが多数
存在している。したがって、これらの2次元映像ソフト
から3次元映像を生成することができれば、既存の2次
元映像ソフトと同じ内容の3次元映像ソフトを最初から
作り直すといった手間が省ける。
【0004】このようなことから、2次元映像を3次元
映像に変換する方法が既に提案されている。2次元映像
を3次元映像に変換する従来方法として、次のようなも
のが挙げられる。すなわち、左から右方向に移動する物
体が映っている2次元映像の場合、この元の2次元映像
を左目用映像とし、この左目用映像に対して数フレーム
前の映像を右目用映像とする方法である。このようにす
ると、左目用映像と右目用映像との間に視差が生じるの
で、この両映像をほぼ同時に画面上に表示することによ
り、移動する物体が背景に対して前方に浮き出される。
【0005】なお、左目用映像に対して数フレーム前の
映像は、元の2次元映像をフイールドメモリに記憶さ
せ、所定フィールド数分、遅延して読み出すことにより
得られる。以上のような、従来方法をフィールド遅延方
式ということにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法において
は、左目用映像および右目用映像の一方に対する他方の
遅延量を一定にした場合には、移動物体の水平方向の動
きが速くなるほど視差が大きくなるため、立体感が変化
し3次元映像がみにくくなる。
【0007】そこで、本出願人は、安定した立体感を得
るために、移動物体の水平方向の動きが速くなるほど、
左目用映像および右目用映像の一方に対する他方の遅延
量を小さくすることを考案した。このようにすると、水
平方向の動きの速い映像に対しては比較的新しいフィー
ルドが遅延画像として提示され、水平方向の動きの遅い
映像に対しては比較的古いフィールドが遅延画像として
提示される。
【0008】上記のような遅延量の決定方法では、映像
の水平方向の動きの速度のみに基づいて遅延量が決定さ
れる。したがって、垂直方向に動きの大きい物体が存在
している場合であっても、映像の水平方向の動きが小さ
い場合には、遅延量は大きくなる。このような場合に
は、左目用映像と右目用映像との間において、垂直方向
に動きが大きい物体の垂直方向の距離が大きくなり、垂
直方向に動きが大きい物体の左目用映像と右目用映像と
が融合しなくなる。
【0009】この発明は、垂直方向に移動する物体の左
目用映像と右目用映像とが融合しなくなるといったこと
を回避できる2次元映像を3次元映像に変換する方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明による2次元映
像を3次元映像に変換する方法では、2次元映像信号か
ら、主映像信号と、主映像信号に対して遅延された副映
像信号とを生成することにより、2次元映像が3次元映
像に変換される。主映像信号に対する副映像信号の遅延
量は、主映像の水平方向の動きの速度に応じて変化せし
められる。主映像から検出された動きベクトルの垂直成
分に基づいて、遅延量の上限値が決定される。そして、
決定された上限値以下となるように、遅延量が決定され
る。
【0011】遅延量の上限値は、たとえば次のようにし
て決定される。つまり、主映像の映像エリア内に設定さ
れた複数の動きベクトル検出領域それぞれから検出され
る動きベクトルの全てまたは一部の垂直成分の絶対値の
平均値を各フィールドごとに算出して記憶する。そし
て、各フィールドにおいて、現フィールドから過去へ向
かっての、上記平均値の累積値が、所定値未満となる範
囲内で、遅延量の上限値を決定する。
【0012】遅延量の上限値を算出するためのより具体
的な方法には、たとえば、次のような方法がある。
【0013】(1)第1方法 主映像の映像エリア内に設定された複数の動きベクトル
検出領域それぞれから検出される動きベクトルの全てま
たは一部の垂直成分の絶対値の平均値を各フィールドご
とに算出しかつ記憶手段に記憶する(第1ステップ)。
【0014】記憶手段に記憶されている過去所定フィー
ルド数分の平均値のうち、最新のものから何フィールド
前までのものを累積するかを示す累積フィールド数を、
予め定められた遅延量最大値に設定する(第2ステッ
プ)。
【0015】記憶手段に記憶されている過去所定フィー
ルド数分の平均値の中から、設定された累積フィールド
数分の平均値を、新しいものから順に読み出して、それ
らの累積値を算出する(第3ステップ)。
【0016】算出された累積値が予め定められた基準値
未満である場合には、現在設定されている累積フィール
ド数を遅延量上限値と決定し、算出された累積値が予め
定められた基準値以上である場合には、現在設定されて
いる累積フィールド数を1だけデクリメントする(4ス
テップ)。
【0017】第4ステップで、累積フィールド数が更新
されたときには、更新された累積フィールド数を用い
て、上記ステップ3および4の処理を繰り返し実行する
(第5ステップ)。
【0018】(2)第2方法 主映像の映像エリア内に設定された複数の動きベクトル
検出領域のうち、被写体が存在すると判定された領域か
らそれぞれ検出される動きベクトルの全てまたは一部の
垂直成分の絶対値の平均値を各フィールドごとに算出し
かつ算出された平均値を第1平均値として記憶手段に記
憶する(第1ステップ)。
【0019】複数の動きベクトル検出領域のうち、背景
が存在すると判定された領域からそれぞれ検出される動
きベクトルの全てまたは一部の垂直成分の絶対値の平均
値を各フィールドごとに算出しかつ算出された平均値を
第2平均値として記憶手段に記憶する(第2ステッ
プ)。
【0020】記憶手段に記憶されている過去所定フィー
ルド数分の第1平均値および第2平均値のうち、最新の
ものから何フィールド前までのものを累積するかを示す
累積フィールド数を、予め定められた遅延量最大値に設
定する(第3ステップ)。
【0021】記憶手段に記憶されている過去所定フィー
ルド数分の第1平均値の中から、設定された累積フィー
ルド数分の第1平均値を、新しいものから順に読み出し
て、それらの累積値である第1累積値を算出する(第4
ステップ)。
【0022】記憶手段に記憶されている過去所定フィー
ルド数分の第2平均値の中から、設定された累積フィー
ルド数分の第2平均値を、新しいものから順に読み出し
て、それらの累積値である第2累積値を算出する(第5
ステップ)。
【0023】算出された第1累積値および第2累積値の
両方が予め定められた基準値未満である場合には、現在
設定されている累積フィールド数を遅延量上限値と決定
し、算出された第1累積値および第2累積値の少なくと
も一方が予め定められた基準値以上である場合には、現
在設定されている累積フィールド数を1だけデクリメン
トする(第6ステップ)。
【0024】第6ステップで、累積フィールド数が更新
されたときには、更新された累積フィールド数を用い
て、上記ステップ4、5および6の処理を繰り返し行う
(第7ステップ)。
【0025】(3)第3方法 主映像の映像エリア内に設定された複数の動きベクトル
検出領域の全てまたは一部からそれぞれ検出される動き
ベクトルの垂直成分の絶対値を各フィールドごとに算出
し、算出された絶対値が所定値より大きいか否かを判定
する(第1ステップ)。
【0026】算出された絶対値が所定値より大きい場合
には、主映像中に垂直方向に動きの大きい対象物が存在
しているか否かを判定するための条件を満たしていると
判定して、その判定結果を上記絶対値の算出源である動
きベクトルが検出された動きベクトル検出領域に関連し
て記憶手段に記憶する(第2ステップ)。
【0027】記憶手段に記憶されている過去所定フィー
ルド数分の判定結果に基づいて、各動きベクトル検出領
域のうち、過去所定数のフィールド中、所定の規定フィ
ールド数以上、上記条件を満たしている動きベクトル検
出領域が存在するか否かを判定する(第3ステップ)。
【0028】各動きベクトル検出領域のうち、過去所定
数のフィールド中、所定の規定フィールド数以上、上記
条件を満たしている動きベクトル検出領域が存在する場
合には、遅延量上限値を0と決定する(第4ステッ
プ)。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0030】図1は、2次元映像を3次元映像に変換す
るための2D/3D変換装置の構成を示している。
【0031】この2D/3D変換装置は、フィールド遅
延方式によって左目用映像と右目用映像とを生成するこ
とにより視差を発生させ、生成された左目用映像と右目
用映像の両方または一方に位相ずらしを施すことによ
り、被写体と基準スクリーン面との位置関係を変化させ
る。
【0032】入力端子1には、2次元映像信号aが入力
される。この2次元映像信号aは、動きベクトル検出回
路16、複数のフィールドメモリ11および映像切換回
路13にそれぞれ送られる。
【0033】動きベクトル検出回路16は、よく知られ
ているように、代表点マッチング法に基づいて、動きベ
クトルを検出するためのデータを生成するものである。
動きベクトル検出回路16によって生成されたデータ
は、CPU20に送られる。
【0034】代表点マッチング法について、簡単に説明
する。図8に示すように、各フィールドの映像エリア1
00内に、複数の動きベクトル検出領域E1 〜E12が設
定されている。各動きベクトル検出領域E1 〜E12の大
きさは同じである。また、各動きベクトル検出領域E1
〜E12は、図9に示すように、さらに複数の小領域e
(e0 〜em )に分割されている。そして、図10に示
すように、各小領域eそれぞれに、複数のサンプリング
点Sと1つの代表点Rとが設定されている。
【0035】現フィールドにおける小領域e内の各サン
プリング点Sの映像信号レベルと、前フィールドにおけ
る対応する小領域eの代表点Rの映像信号レベルとの差
(各サンプリング点における相関値)が、各動きベクト
ル検出領域E1 〜E12ごとに求められる。そして、各動
きベクトル検出領域E1 〜E12ごとに、動きベクトル検
出領域内の全ての小領域間において、代表点Rに対する
偏位が同じサンプリング点どうしの相関値が累積加算さ
れる。したがって、各動きベクトル検出領域E 1 〜E12
ごとに、1つの小領域e内のサンプリング点の数に応じ
た数の相関累積値が求められる。
【0036】各動きベクトル検出領域E1 〜E12内にお
いて、相関累積値が最小となる点の偏位、すなわち相関
性が最も高い点の偏位が、当該動きベクトル検出領域E
1 〜E12の動きベクトル(被写体の動き)として抽出さ
れる。
【0037】フィールドメモリ11は、2次元映像信号
aをフイールド単位で遅延させて出力させるために設け
られており、複数個設けられている。各フィールドメモ
リ11の書込みおよび読出しは、メモリ制御回路24に
よって制御される。
【0038】フィールドメモリ11の出力b(遅延され
た2次元映像信号)は、映像切換回路13および補間回
路12にそれぞれ送られる。補間回路12は、入力信号
bに対して、垂直方向の補間信号を生成するものであ
る。補間回路12の出力c(遅延された2次元映像信号
の垂直方向補間信号)は、映像切換回路13に送られ
る。
【0039】したがって、映像切換回路13には、入力
された2次元映像信号a、遅延された2次元映像信号b
および遅延された2次元映像信号bの垂直方向補間信号
cが入力される。映像切換回路13は、左画像用位相制
御回路14と右画像用位相制御回路15とに対し、信号
bおよび信号cのうちの一方の信号(副映像信号)と、
信号a(主映像信号)とを、被写体の動き方向に応じて
切り換えて出力する。ただし、遅延量が0の場合には、
左画像用位相制御回路14と右画像用位相制御回路15
との両方に、信号aが送られる。
【0040】信号bおよび信号cのうちから1方の選択
は、2次元映像信号aが奇数フィールドか偶数フィール
ドかに基づいて行なわれる。すなわち、信号bおよび信
号cのうち、2次元映像信号aのフィールド種類(奇数
フィールドか偶数フィールド)に対応するものが選択さ
れる。映像切換回路13による映像の切り換えは、CP
U20によって制御される。
【0041】各位相制御回路14、15は、入力される
映像信号の位相をずらすことにより、入力される映像の
表示位置を水平方向に移動させるために設けられてい
る。位相のずらし量およびずらし方向は、メモリ制御回
路24によって制御される。左画像用位相制御回路14
の出力は、左画像出力端子2に送られる。また、右画像
用位相制御回路15の出力は、右画像出力端子3に送ら
れる。
【0042】CPU20は、メモリ制御回路24および
映像切換回路13を制御する。CPU20は、そのプロ
グラム等を記憶するROM21および必要なデータを記
憶するRAM22を備えている。CPU20には、動き
ベクトル検出回路16から動きベクトル検出に必要なデ
ータが送られてくる。また、CPU20には、各種入力
手段および表示器を備えた操作・表示部23が接続され
ている。
【0043】CPU20は、動きベクトルに基づいて、
フィールドメモリ11による遅延フィールド数(遅延
量)を算出する。つまり、原則的には、動きベクトルが
大きい場合には、遅延量が小さくなるように、動きベク
トルが小さい場合には、遅延量が大きくなるように、遅
延量を決定する。
【0044】また、CPU20は、動きベクトルの方向
に基づいて、映像切換回路13を制御する。つまり、動
きベクトルの方向が左から右の場合には、入力された2
次元映像信号aを左目用位相制御回路14に、遅延され
た2次元映像信号bまたはcを右目用位相制御回路15
に送る。動きベクトルの方向が右から左の場合には、入
力された2次元映像信号aを右目用位相制御回路14
に、遅延された2次元映像信号bまたはcを左目用位相
制御回路15に送る。
【0045】この2D/3D変換装置では、フィールド
遅延方式によって左目用画像と右目用画像とを生成する
ことにより視差を発生させ、生成された左目用画像と右
目用画像の両方または一方に位相ずらしを施すことによ
り、被写体と基準スクリーン面との位置関係を変化させ
ている。
【0046】図2は、CPUによる2D/3D変換処理
手順を示している。
【0047】CPUによる2D/3D変換処理は、入力
映像信号aのフィールドの切り換えタイミングがくるご
とに行なわれる。
【0048】(1)ステップ1では、複数のフィールド
メモリ11のうち、今回のフィールドに対する2次元映
像信号を書き込むべきメモリ(書込みメモリ)および既
に記憶されている2次元映像信号を読み出すべきメモリ
(読み出しメモリ)をそれぞれ示すデータがメモリ制御
回路24に出力される。また、各位相制御回路14、1
5による位相ずれ量および向きを示すデータがメモリ制
御回路24に出力される。さらに、映像切換回路13に
映像切り換え制御信号が出力される。
【0049】読み出しメモリは、前回の2D/3D変換
処理において決定された遅延量に基づいて決定される。
また、各位相制御回路14、15による位相ずれ量およ
び向きは、2D/3D変換処理のステップ2で既に取り
込まれて記憶されているデータに基づいて決定される。
【0050】また、遅延された2次元映像信号bおよび
cのうちの一方の選択は、フィールドメモリ11から読
み出されるべき2次元映像信号bのフィールド種類と、
2次元映像信号aのフィールド種類とに基づいて決定さ
れる。さらに、選択された信号bまたはcと、信号aと
の切り換えは、前回の2D/3D変換処理で求められた
水平方向の動きベクトルの方向に基づいて決定される。
選択された信号bまたはcと、信号aとの切り換え方向
は、遅延量の極性によって表される。
【0051】(2)ステップ2では、操作・表示部23
からの各種入力信号が取り込まれて記憶される。各種入
力信号には、位相ずれ量および向きを設定する信号、遅
延量を自動で算出するか(自動モード)、手動で設定す
るか(手動モード)を示す自動・手動モード設定信号、
自動モードが設定されるときに行なわれる遅延量倍率設
定信号、手動モードが設定されるときに行なわれる遅延
量設定信号等がある。
【0052】(3)ステップ3では、前回の2D/3D
変換処理のステップ10で求められた各動きベクトル検
出領域ごとの動きベクトルに対する信頼性結果に基づい
て、信頼性のある動きベクトルのみが抽出される。
【0053】(4)ステップ4では、ステップ3で抽出
された信頼性のある動きベクトルの垂直方向成分に基づ
いて、遅延量上限値算出処理が行われる。遅延量上限値
算出処理は、左目用映像と右目用映像との間において、
垂直方向に移動する物体の垂直方向の距離が大きくなり
すぎるのを回避するために、遅延量の上限値を算出する
処理である。遅延量上限値算出処理の詳細については、
後述する。
【0054】(5)ステップ5では、ステップ3で抽出
された信頼性のある動きベクトルのうち、垂直方向成分
が所定値より小さいもののみが抽出される。
【0055】(6)ステップ6では、ステップ5で抽出
された信頼性のある動きベクトルの水平方向成分(有効
水平方向動きベクトル)の平均値が算出される。
【0056】(7)ステップ7では、ステップ6で算出
された有効水平方向動きベクトルの平均値に基づく、遅
延量算出処理が行なわれる。この遅延量算出処理の詳細
については、後述する。
【0057】(8)ステップ8では、ステップ2で取り
込まれて記憶されているデータに基づいて、自動モード
か手動モードかが判別される。
【0058】(9)ステップ8で手動モードが設定され
ていると判別された場合には、遅延量が、ステップ2で
取り込まれた設定値に固定される(ステップ9)。
【0059】(10)ステップ8で自動モードが設定さ
れていると判別された場合には、ステップ7の遅延量算
出処理で用いられる履歴データが更新される(ステップ
10)。
【0060】(11)ステップ11では、動きベクトル
検出回路16から動きベクトル検出に必要なデータが取
り込まれ、各動きベクトル検出領域に対する動きベクト
ルが算出される。また、各動きベクトル検出領域ごとの
相関累積値の平均値、最小値等に基づいて、各動きベク
トル検出領域ごとに動きベクトルの信頼性が判別され
る。そして、算出された動きベクトルおよび信頼性判別
結果がRAM22に記憶される。
【0061】図11は、図2のステップ4の遅延量上限
値算出処理の詳細な手順を示している。ここでは、フィ
ールドメモリが6個設けられており、最大遅延フィール
ド数は6であるとする。
【0062】まず、図2のステップ3で抽出された信頼
性のある動きベクトルの垂直方向成分(垂直方向ベクト
ル)の絶対値の平均値が算出されてRAM22に記憶さ
れる(ステップ41)。今回算出された垂直方向ベクト
ルの絶対値の平均値をy0 とし、既にRAM22に記憶
されている過去5回の垂直方向ベクトルの絶対値の平均
値をy1 、y2 、y3 、y4 、y5 とする。
【0063】以下、RAM22に記憶されている最新の
平均値y0 を含む過去6フィールド分の平均値をy
n (n=0、1、2、3、4、5)で表す。また、過去
6フィールド分の平均値yn (n=0、1、2、3、
4、5)のうち、最新のものから何フィールド前のもの
までを累積するかを示す変数iを累積フィールド数iと
いうことにする。
【0064】次に、累積フィールド数iが、最大遅延フ
ィールド数(遅延量最大値)である6に設定される(ス
テップ42)。
【0065】次に、過去6フィールド分の平均値y
n (n=0、1、2、3、4、5)のうち、最新のもの
からiフィールド前のものまでが累積される(ステップ
43)。つまり、RAM22に記憶されている過去6フ
ィールド分の平均値yn の中から、現在設定されている
累積フィールド数分の平均値が、新しいものから順に読
み出され、それらの累積値が算出される。すなわち、次
の数式1に基づいて、垂直方向ベクトルの絶対値の平均
値のiフィールド前までの累積値Zが求められる。
【0066】
【数1】
【0067】ステップ42からステップ43に移行した
ときには、i=6なので、累積値Zは次式2のようにな
る。
【0068】
【数2】
【0069】次に、ステップ43で算出された累積値Z
が、予め定められた基準値Zoより小さいか否かが判定
される(ステップ44)。基準値Zoとしては、たとえ
ば2が設定される。
【0070】ステップ43で算出された累積値Zが、予
め定められた基準値Zoより小さいときには(ステップ
44でTES)、過去iフィールド分の期間において、
映像の垂直方向の動きが小さいと判断され、遅延量上限
値Dmax が現在設定されている累積フィールド数iに設
定される(ステップ47)。たとえば、i=6であれ
ば、遅延量上限値Dmax は6に設定される。
【0071】ステップ43で算出された累積値Zが、予
め定められた基準値Zo以上のときには(ステップ44
でNO)、過去iフィールド分の期間において、映像の
垂直方向の動きが大きいと判断される。言い換えれば、
遅延フィールド数をiとした場合には、左目用映像と右
目用映像との間において、垂直方向に移動する物体の垂
直方向の距離が大きくなり、垂直方向に移動する物体の
左目用映像と右目用映像とが融合しなくなると判断され
る。
【0072】この場合には、iが1だけデクリメント
(i←i−1)される(ステップ45)。そして、更新
されたiの値が0でなければ(ステップ46でNO)、
ステップ43に戻って、ステップ43以降の処理が再度
実行される。
【0073】たとえば、更新前のiが6であり、更新後
のiが5である場合には、垂直方向ベクトルの絶対値の
平均値の5フィールド前までの累積値Z(=y0 +y1
+y 2 +y3 +y4 )が算出される(ステップ43)。
そして、算出された累積値Zが基準値Zoより小さいと
きには(ステップ44でYES)、遅延量上限値Dma x
が5に設定される(ステップ47)。算出された累積値
Zが基準値Zo以上のときには、iが1だけデクリメン
ト(i←i−1)された後(ステップ45)、ステップ
43に戻って、ステップ43以降の処理が再度実行され
る。
【0074】このようにして、遅延量上限値Dmax が決
定される。なお、ステップ45において更新されたiが
0であるときには(ステップ46でYES)、遅延量上
限値Dmax は0に設定される。
【0075】図12は、遅延量上限値算出処理の他の例
を示している。ここでは、フィールドメモリが6個設け
られており、最大遅延フィールド数は6であるとする。
また、図2のステップ11においては、各動きベクトル
検出領域のうち、被写体の領域と背景との領域とが判別
されているものとする。
【0076】まず、図2のステップ3で抽出された信頼
性のある動きベクトルのうち、被写体の領域の動きベク
トルの垂直方向成分の絶対値の平均値(以下、第1平均
値という)が算出されてRAM22に記憶される(ステ
ップ51)。今回算出された第1平均値をya0 とし、
既にRAM22に記憶されている過去5回の第1平均値
をya1 、ya2 、ya3 、ya4 、ya5 とする。
【0077】以下、RAM22に記憶されている最新の
第1平均値ya0 を含む過去6フィールド分の第1平均
値をyan (n=0、1、2、3、4、5)で表す。ま
た、過去6フィールド分の第1平均値yan (n=0、
1、2、3、4、5)のうち、最新のものから何フィー
ルド前のものまでを累積するかを示す変数iを累積フィ
ールド数iということにする。
【0078】また、図2のステップ3で抽出された信頼
性のある動きベクトルのうち、背景の領域の動きベクト
ルの垂直方向成分の絶対値の平均値(以下、第2平均値
という)が算出されてRAM22に記憶される(ステッ
プ52)。今回算出された第2平均値をyb0 とし、既
にRAM22に記憶されている過去5回の第2平均値を
yb1 、yb2 、yb3 、yb4 、yb5 とする。
【0079】以下、RAM22に記憶されている最新の
第2平均値yb0 を含む過去6フィールド分の第2平均
値をybn (n=0、1、2、3、4、5)で表す。ま
た、過去6フィールド分の第2平均値ybn (n=0、
1、2、3、4、5)のうち、最新のものから何フィー
ルド前のものまでを累積するかを示す変数iを累積フィ
ールド数iということにする。
【0080】次に、累積フィールド数iが、最大遅延フ
ィールド数である6に設定される(ステップ53)。
【0081】次に、過去6フィールド分の第1平均値y
n (n=0、1、2、3、4、5)のうち、最新もの
からiフィールド前までのものが累積される。(ステッ
プ54)。つまり、次の数式3に基づいて、第1平均値
yan のiフィールド前までの累積値Za(以下、第1
累積値Zaという)が求められる。
【0082】
【数3】
【0083】ステップ53からステップ54に移行した
ときには、i=6なので、第1累積値Zaは次式4のよ
うになる。
【0084】
【数4】
【0085】また、過去6フィールド分の第2平均値y
n (n=0、1、2、3、4、5)のうち、最新もの
からiフィールド前までのものが累積される。(ステッ
プ55)。つまり、次の数式5に基づいて、第2平均値
ybn のiフィールド前までの累積値Zb(以下、第2
累積値Zbという)が求められる。
【0086】
【数5】
【0087】ステップ53からステップ54、ステップ
55に移行したときには、i=6なので、第2累積値Z
bは次式6のようになる。
【0088】
【数6】
【0089】次に、ステップ54で算出された第1累積
値Zaが、予め定められた基準値Zoより小さいか否か
が判定される(ステップ56)。基準値Zoとしては、
たとえば2が設定される。
【0090】ステップ54で算出された第1累積値Za
が予め定められた基準値Zoより小さいときには(ステ
ップ56でYES)、ステップ55で算出された第2累
積値Zbが、予め定められた基準値Zoより小さいか否
かが判定される(ステップ57)。基準値Zoとして
は、たとえば2が設定されている。
【0091】ステップ55で算出された第2累積値Zb
が予め定められた基準値Zoより小さいときには(ステ
ップ57でYES)、過去iフィールド分の期間におい
て、被写体および背景の両方の垂直方向の動きが小さい
と判断され、遅延量上限値D max がiに設定される(ス
テップ60)。たとえば、i=6であれば、遅延量上限
値Dmax は6に設定される。
【0092】上記ステップ56または57のいずれか一
方でNOとなったときには、すなわち、第1累積値Za
が基準値Zo以上であるかまたは第2累積値Zbが基準
値Zo以上である場合には、過去iフィールド分の期間
において、被写体および背景のうちの少なくとも一方の
垂直方向の動きが大きいと判断される。この場合には、
iが1だけデクリメント(i←i−1)される(ステッ
プ58)。そして、更新されたiの値が0でなければ
(ステップ59でNO)、ステップ54に戻って、ステ
ップ54以降の処理が再度実行される。
【0093】たとえば、更新前のiが6であり、更新後
のiが5である場合には、第1平均値yan の5フィー
ルド前までの第1累積値Za(=ya0 +ya1 +ya
2 +ya3 +ya4 )が算出される(ステップ54)。
また、第2平均値ybn の5フィールド前までの第2累
積値Zb(=yb0 +yb1 +yb2 +yb3 +y
4 )が算出される(ステップ55)。そして、算出さ
れた第1および第2累積値Za、Zbが共に基準値Zo
より小さいときには(ステップ56、57でYES)、
遅延量上限値Dmax が5に設定される(ステップ6
0)。算出された第1および第2累積値Za、Zbの少
なくとも一方が基準値Zo以上であれば、iが1だけデ
クリメント(i←i−1)された後、ステップ54に戻
って、ステップ54以降の処理が再度実行される。
【0094】このようにして、遅延量上限値Dmax が決
定される。なお、ステップ58において更新されたiが
0であるときには(ステップ59でYES)、遅延量上
限値Dmax は0に設定される。
【0095】図13は、遅延量上限値算出処理の他の例
を示している。ここでは、フィールドメモリが6個設け
られており、最大遅延フィールド数は6であるとする。
【0096】全動きベクトル検出領域e0 〜emのう
ち、図2のステップ3で信頼性のある動きベクトルが抽
出された動きベクトル検出領域を信頼性のある動きベク
トル検出領域ということにする。信頼性のある動きベク
トル検出領域において抽出された動きベクトルの垂直方
向成分(以下、垂直ベクトルの絶対値という)の絶対値
|yk |(ただし、kは0〜mの数字であり、動きベク
トル検出領域を示す)がそれぞれ算出されてRAM22
に記憶される(ステップ61)。RAM22には、少な
くとも現在から過去5フィールドにわたって算出された
垂直ベクトルの絶対値|yk |が保持される。
【0097】次に、信頼性のある動きベクトル検出領域
ごとに、垂直方向に高速に動く対象物が存在するか否か
を判定するための条件(以下、高速動き判定用条件とい
う)を満たすか否かが検査され、その検査結果がRAM
22に記憶される(ステップ62)。つまり、信頼性の
ある動きベクトル検出領域ごとに算出された垂直方向ベ
クトルの絶対値|yk |が、所定値、たとえば”5”
(画素数)より大きいか否かがそれぞれ判定される。算
出された垂直方向ベクトルの絶対値|yk |が、所定値
より大きい場合には、当該動きベクトル検出領域kは、
高速動き判定用条件を満たすと判定される。
【0098】信頼性のある動きベクトル検出領域kごと
に得られた検査結果は、垂直方向に高速に動く対象物が
存在するか否かを判定するためのデータ(以下、判定用
データという)として、動きベクトル検出領域kに関連
してRAM22に記憶される。
【0099】今回算出された動きベクトル検出領域kご
との判定用データをWk0(ただし、kは0〜mの数字で
あり、動きベクトル検出領域を示す)とし、既にRAM
22に記憶されている過去4回の判定用データをWk1
k2、Wk3、Wk4とする。下、RAM22に記憶され
ている最新の判定用データをWk0を含む過去5フィール
ド分の判定用データをWkn(n=0、1、2、3、4)
で表す。
【0100】次に、過去5フィールド分の判定用データ
knに基づいて、過去5フィールド内の映像に、垂直方
向に高速に動く対象物が存在しているか否かが判定され
る。つまり、各動きベクトル検出領域kそれぞれについ
て、過去5フィールド中、所定フィールド数以上、高速
動き判定用条件を満たしているか否かが判定される(ス
テップ63)。所定フィールド数としては、たとえば2
が設定される。
【0101】過去5フィールド中、所定フィールド数以
上、高速動き判定用条件を満たしている動きベクトル検
出領域kが存在していれば、その領域において垂直方向
に高速に動く対象物が存在している可能性が高いと判定
される。そこで、各動きベクトル検出領域kのうち、過
去5フィールド中の所定フィールド数以上、高速動き判
定用条件を満たす動きベクトル検出領域が、1つでも存
在している場合には(ステップ64でYES)、過去5
フィールド内の映像に、垂直方向に高速に動く対象物が
存在していると判定される。
【0102】過去5フィールド中、2フィールド以上、
高速動き判定用条件を満たす動きベクトル検出領域が、
全く存在していない場合には(ステップ64でNO)、
過去5フィールド内の映像に、垂直方向に高速に動く対
象物が存在していないと判定される。
【0103】過去5フィールド内の映像に、垂直方向に
高速に動く対象物が存在していると判定された場合には
(ステップ64でYES)、遅延量上限値Dmax が0に
設定される(ステップ65)。そして、今回の処理は終
了する。
【0104】過去5フィールド内の映像に、垂直方向に
高速に動く対象物が存在していないと判定された場合に
は(ステップ64でNO)、遅延量上限値Dmax を設定
することなく、今回の処理は終了する。
【0105】図3は、図2のステップ7の遅延量算出処
理の詳細な手順を示している。
【0106】まず、上記ステップ2で設定されて記憶さ
れている遅延量倍率設定値および上記ステップ6で求め
られた有効水平方向動きベクトルの平均値v(以下、動
きベクトル平均値という)に基づいて、第1遅延量d1
が求められる(ステップ21)。
【0107】図4は、動きベクトル平均値と、遅延量と
の関係を示している。図4に示すような関係が遅延量テ
ーブルとしてROM21に記憶されている。そして、ま
ず、動きベクトル平均値に対応する遅延量が、遅延量テ
ーブルから求められる。
【0108】ところで、同じ3次元映像信号であって
も、立体表示装置(モニタ)の条件、すなわち、モニタ
の種類およびモニタを見る条件によって、視差が異な
る。そこで、モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、あるいは観察者の好みに合うよう
に、上記ステップ2で設定されて記憶されている遅延量
倍率設定値を、遅延量テーブルから求められた遅延量に
積算することにより、第1遅延量d1が求められる。
【0109】モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、複数種類の遅延量テーブルを格納し
ておき、操作・表示部23から、モニタの条件または観
察者の好みに応じた遅延量テーブルを選択するための命
令を入力するようにしてもよい。
【0110】また、遅延量テーブルではなく、予め定め
られた関係式に基づいて、第1遅延量を求めるようにし
てもよい。この場合の関係式の求め方について図5を参
照して説明する。
【0111】モニタ面Sと、観察者の目31、32との
好適な間隔を適視距離A〔mm〕とする。また、モニタ
面S上での注視物体の右画像Rと左画像Lとの間隔を視
差B〔mm〕とする。また、眼間距離をC〔mm〕とす
る。適視距離Aは、モニタの条件によって決定される。
注視物体の視差Bは、3次元映像信号が同じであって
も、モニタの条件によって異なる。
【0112】適視距離Aと、視差Bと、眼間距離Cとに
より、注視物体の立体像位置Pは決まる。つまり、注視
物体のモニタ面Sからの飛び出し量D〔mm〕は、適視
距離Aと視差Bと眼間距離Cとによって決まる。
【0113】モニタの条件にかかわらず、注視物体のモ
ニタ面Sからの飛び出し量を一定量Dにするための視差
Bは、次の数式7で表される。
【0114】
【数7】
【0115】モニタの水平長をH〔mm〕、モニタの水
平方向画素数をh〔画素〕とし、動きベクトル平均値を
v〔画素/フィールド〕、第1遅延量をd1〔フィール
ド〕とすると、次の関係が成り立つ。
【0116】
【数8】
【0117】ここで、視差Bの画素換算量( =(h/
H)・B)を操作・表示部23によって設定される調整
量X(モニタの条件に関するデータまたは観察者の好み
に応じたデータ)とすると、第1遅延量d1は、次の関
係式で求められる。
【0118】
【数9】
【0119】ステップ21で、第1遅延量d1が求めら
れると、遅延量履歴データに基づいて、今回から過去9
回までの10フィールド分の遅延量の平均値、前回から
その過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値、前前回からその過去9回までの10フィールド分の
遅延量の平均値がそれぞれ算出される(ステップ2
2)。
【0120】ステップ22で用いられた遅延量履歴デー
タは、過去において、ステップ21で得られた第1遅延
量d1である。
【0121】次に、3組の平均値のうち、2つ以上が同
じ値であれば、その値(多数値)が第2遅延量d2とし
て選択され、すべてが異なる値であればその中間値が第
2遅延量d2として選択される(ステップ23)。
【0122】次に、ステップ23で選択された第2遅延
量d2と、12〜18フィールド前のうちの1つの第2
遅延量d2(たとえば、15フィールド前の第2遅延量
d2)と、30フィールド前の第2遅延量d2とが比較
される(ステップ24)。ステップ24で用いられた遅
延量履歴データは、過去において、ステップ23で得ら
れた第2遅延量d2である。
【0123】全ての第2遅延量d2が一致する場合には
(ステップ25でYES)、目標遅延量Pdがステップ
23で選択された第2遅延量に変更された後(Pd=d
2)(ステップ26)、ステップ30に進む。したがっ
て、図6に示すように、3つの第2遅延量d2(過去の
ものから順にd2−1、d2−2、d2−3で表す)が
変化し、全ての第2遅延量d2が一致すると、目標遅延
量Pdが第2遅延量(d2−3)に変更される。
【0124】全ての第2遅延量d2が一致しない場合に
は(ステップ25でNO)、全ての第2遅延量d2が現
在の目標遅延量Pdより大きいか、全ての第2遅延量d
2が現在の目標遅延量Pdより小さいか、またはそれら
の条件に該当しないかが判別される(ステップ27)。
【0125】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが+1された
後(Pd=Pd+1)(ステップ28)、ステップ30
に進む。たとえば、図7に示すように、3つの第2遅延
量d2(過去のものから順にd2−1、d2−2、d2
−3で表す)が変化し、全ての第2遅延量d2が現在の
目標遅延量Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが
+1される。
【0126】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより小さいときには、目標遅延量Pdが−1された
後(Pd=Pd−1)(ステップ29)、ステップ30
に進む。全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量Pd
より大きくなくかつ全ての第2遅延量d2が現在の目標
遅延量dより小さくないときには、ステップ30に進
む。
【0127】ステップ30では、ステップ26、28ま
たは29で算出された目標遅延量Pdの絶対値|Pd|
が、遅延量上限値算出処理(図2のステップ4)で求め
られた遅延量上限値Dmax 以下であるか否かが判定され
る。目標遅延量Pdの絶対値|Pd|が遅延量上限値D
max 以下であるときには(|Pd|≦Dmax )、ステッ
プ32に進む。
【0128】目標遅延量Pdの絶対値|Pd|が遅延量
上限値Dmax より大きいときには(|Pd|>
max )、目標遅延量Pdの絶対値|Pd|が、Dmax
に置き換えられた後、ステップ32に進む。これによ
り、垂直方向に移動する物体の左目用映像と右目用映像
とが融合しなくなるといったことを回避できる。
【0129】ステップ32では、目標遅延量Pdと現在
実際に設定されている遅延量(設定遅延量d3)とが一
致するか否かが判別される。目標遅延量Pdと設定遅延
量d3とが一致していない場合には、現在の設定遅延量
d3が既に4フィールド継続しているか否かが判別され
る(ステップ33)。現在の設定遅延量d3が既に4フ
ィールド継続している場合には、設定遅延量d3が目標
遅延量Pdに近づく方向に1だけ変更される(d3=d
3±1)(ステップ34)。そして、図2のステップ8
に移行する。
【0130】上記ステップ32で、目標遅延量と現在の
設定遅延量とが一致している場合または、上記ステップ
33で現在の設定遅延量が既に4フィールド継続してい
ない場合には、遅延量を変更することなく、図2のステ
ップ8に移行する。
【0131】つまり、この例では、設定遅延量d3は4
フィールド周期単位でかつ1フィールド分ずつ目標遅延
量Pdに近づくように制御される。
【0132】なお、電源投入後において、ステップ21
において、初めて第1遅延量d1が算出されたときに
は、第2遅延量d2、目標遅延量Pdおよび設定遅延量
d3はd1と等しくなる。
【0133】図3の処理において、ステップ22で、今
回から過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値のみを算出し、これを目標遅延量とし、ステップ2
3、24、25、26、27、28、29の処理を省略
してもよい。
【0134】また、ステップ22において、今回から過
去9回の10フィールド分の遅延量の平均値のみを算出
し、これを第2遅延量とし、ステップ23の処理を省略
してもよい。
【0135】また、ステップ23で求められた第2遅延
量を目標遅延量とし、ステップ24、25、26、2
7、28、29の処理を省略してもよい。
【0136】また、ステップ22および23の処理を省
略してもよい。この場合には、ステップ24で用いられ
る第2遅延量として、ステップ21で求められた第1遅
延量d1が用いられる。
【0137】
【発明の効果】この発明によれば、垂直方向に移動する
物体の左目用映像と右目用映像とが融合しなくなるとい
ったことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2D/3D変換装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】CPUによる2D/3D変換処理の全体的な手
順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップ7の遅延量算出処理の詳細な手
順を示すフローチャートである。
【図4】動きベクトル平均値と、第1遅延量との関係を
示すグラフである。
【図5】動きベクトル平均値から第1遅延量を求める関
係式の導き方を説明するための模式図である。
【図6】3つの第2遅延量が全て一致した場合に、目標
遅延量が変更される様子を示すタイムチャートである。
【図7】3つの第2遅延量の全てが現在の目標遅延量よ
り大きくなったときに、目標遅延量が変更される様子を
示すタイムチャートである。
【図8】各フィールドの映像エリア内に設定される複数
の動きベクトル検出領域E1 〜E12を示す模式図であ
る。
【図9】動きベクトル検出領域内の複数の小領域eを示
す模式図である。
【図10】小領域e内に設定される複数のサンプリング
点Sと、1つの代表点Rとを示す模式図である。
【図11】図2のステップ4における遅延量上限値算出
処理手順を示すフローチャートである。
【図12】遅延量上限値算出処理の他の例を示すフロー
チャートである。
【図13】遅延量上限値算出処理のさらに他の例を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
11 フィールドメモリ 12 補間回路 13 映像切換回路 14、15 位相制御回路 20 CPU 21 ROM 22 RAM 23 操作・表示部 24 メモリ制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯沼 俊哉 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 森 幸夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 前中 章弘 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 岡田 誠司 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 内田 秀和 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機ソフトウエア株式会社内 (72)発明者 井原 幹二 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機ソフトウエア株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−264631(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 13/02 G02B 27/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元映像信号から、主映像信号と、主
    映像信号に対して遅延された副映像信号とを生成するこ
    とにより、2次元映像を3次元映像に変換する方法であ
    って、主映像信号に対する副映像信号の遅延量が主映像
    の水平方向の動きの速度に応じて変化せしめられる2次
    元映像を3次元映像に変換する方法において、 主映像から検出された動きベクトルの垂直成分に基づい
    て、遅延量の上限値を決定し、決定した上限値以下とな
    るように、遅延量を決定することを特徴とする2次元映
    像を3次元映像に変換する方法。
  2. 【請求項2】 主映像の映像エリア内に設定された複数
    の動きベクトル検出領域それぞれから検出される動きベ
    クトルの全てまたは一部の垂直成分の絶対値の平均値を
    各フィールドごとに算出して記憶し、各フィールドにお
    いて、現フィールドから過去へ向かっての、上記平均値
    の累積値が、所定値未満となる範囲内で、遅延量の上限
    値を決定することを特徴とする請求項1に記載の2次元
    映像を3次元映像に変換する方法。
  3. 【請求項3】 主映像の映像エリア内に設定された複数
    の動きベクトル検出領域それぞれから検出される動きベ
    クトルの全てまたは一部の垂直成分の絶対値の平均値を
    各フィールドごとに算出しかつ記憶手段に記憶する第1
    ステップ、 記憶手段に記憶されている過去所定フィールド数分の平
    均値のうち、最新のものから何フィールド前までのもの
    を累積するかを示す累積フィールド数を、予め定められ
    た遅延量最大値に設定する第2ステップ、 記憶手段に記憶されている過去所定フィールド数分の平
    均値の中から、設定された累積フィールド数分の平均値
    を、新しいものから順に読み出して、それらの累積値を
    算出する第3ステップ、 算出された累積値が予め定められた基準値未満である場
    合には、現在設定されている累積フィールド数を遅延量
    上限値と決定し、算出された累積値が予め定められた基
    準値以上である場合には、現在設定されている累積フィ
    ールド数を1だけデクリメントする第4ステップ、なら
    びに第4ステップで、累積フィールド数が更新されたと
    きには、更新された累積フィールド数を用いて、上記ス
    テップ3および4の処理を繰り返し実行する第5ステッ
    プ、 を備えていることを特徴とする請求項1に記載の2次元
    映像を3次元映像に変換する方法。
  4. 【請求項4】 主映像の映像エリア内に設定された複数
    の動きベクトル検出領域のうち、被写体が存在すると判
    定された領域からそれぞれ検出される動きベクトルの全
    てまたは一部の垂直成分の絶対値の平均値を各フィール
    ドごとに算出しかつ算出された平均値を第1平均値とし
    て記憶手段に記憶する第1ステップ、 複数の動きベクトル検出領域のうち、背景が存在すると
    判定された領域からそれぞれ検出される動きベクトルの
    全てまたは一部の垂直成分の絶対値の平均値を各フィー
    ルドごとに算出しかつ算出された平均値を第2平均値と
    して記憶手段に記憶する第2ステップ、 記憶手段に記憶されている過去所定フィールド数分の第
    1平均値および第2平均値のうち、最新のものから何フ
    ィールド前までのものを累積するかを示す累積フィール
    ド数を、予め定められた遅延量最大値に設定する第3ス
    テップ、 記憶手段に記憶されている過去所定フィールド数分の第
    1平均値の中から、設定された累積フィールド数分の第
    1平均値を、新しいものから順に読み出して、それらの
    累積値である第1累積値を算出する第4ステップ、 記憶手段に記憶されている過去所定フィールド数分の第
    2平均値の中から、設定された累積フィールド数分の第
    2平均値を、新しいものから順に読み出して、それらの
    累積値である第2累積値を算出する第5ステップ、 算出された第1累積値および第2累積値の両方が予め定
    められた基準値未満である場合には、現在設定されてい
    る累積フィールド数を遅延量上限値と決定し、算出され
    た第1累積値および第2累積値の少なくとも一方が予め
    定められた基準値以上である場合には、現在設定されて
    いる累積フィールド数を1だけデクリメントする第6ス
    テップ、ならびに第6ステップで、累積フィールド数が
    更新されたときには、更新された累積フィールド数を用
    いて、上記ステップ4、5および6の処理を繰り返し行
    う第7ステップ、 を備えていることを特徴とする請求項1に記載の2次元
    映像を3次元映像に変換する方法。
  5. 【請求項5】 主映像の映像エリア内に設定された複数
    の動きベクトル検出領域の全てまたは一部からそれぞれ
    検出される動きベクトルの垂直成分の絶対値を各フィー
    ルドごとに算出し、算出された絶対値が所定値より大き
    いか否かを判定する第1ステップ、 算出された絶対値が所定値より大きい場合には、主映像
    中に垂直方向に動きの大きい対象物が存在しているか否
    かを判定するための条件を満たしていると判定して、そ
    の判定結果を上記絶対値の算出源である動きベクトルが
    検出された動きベクトル検出領域に関連して記憶手段に
    記憶する第2ステップ、 記憶手段に記憶されている過去所定フィールド数分の判
    定結果に基づいて、各動きベクトル検出領域のうち、過
    去所定数のフィールド中、所定の規定フィールド数以
    上、上記条件を満たしている動きベクトル検出領域が存
    在するか否かを判定する第3ステップ、ならびに各動き
    ベクトル検出領域のうち、過去所定数のフィールド中、
    所定の規定フィールド数以上、上記条件を満たしている
    動きベクトル検出領域が存在する場合には、遅延量上限
    値を0と決定する第4ステップ、 を備えていることを特徴とする請求項1に記載の2次元
    映像を3次元映像に変換する方法。
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